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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】医療装置の送達
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20231101BHJP
【FI】
A61F2/966
【請求項の数】 48
(21)【出願番号】P 2020555396
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019026784
(87)【国際公開番号】W WO2019199968
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】15/951,779
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/951,890
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/952,001
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/951,967
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ナゲスワラン, アショク
(72)【発明者】
【氏名】バレット, アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ダン, ヒエウ
(72)【発明者】
【氏名】アソンソ, アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ブルース-アックマン, サブリナ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-532115(JP,A)
【文献】特表2008-518717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0226343(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/966
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置送達システムであって、前記医療装置送達システムは、
コア部材と、
前記コア部材によって担持されている結合アセンブリ
を備え
前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに配置されている第1の装置係合部材であって、前記第1の装置係合部材は、複数の陥凹によって分離されている複数の突出部を有する外面を含み、前記第1の装置係合部材は、医療装置を係合するために構成されている、第1の装置係合部材と、
前記第1の装置係合部材の近位の前記コア部材上に位置付けられている押し要素であって、前記押し要素は、遠位向き係合面を有する、押し要素と、
前記第1の装置係合部材の遠位の前記コア部材上に位置付けられている引き要素であって、前記引き要素は、近位向き係合面を有し、前記引き要素は、前記結合アセンブリの外側直径よりも小さい外側直径を有する、引き要素と、
前記第1の装置係合部材と前記押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサと
を備える、医療装置送達システム。
【請求項2】
前記システムは、前記コア部材に沿って延在する医療装置をさらに備え、前記医療装置は、前記第1の装置係合部材の1つ以上の突出部によって係合され
前記医療装置は、近位縁を有し、
前記押し要素の前記遠位向き係合面は、前記医療装置の前記近位縁に当接する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記押し要素は、遠位方向の力を前記医療装置に伝達するが、近位方向の力を前記医療装置に伝達しないように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記結合アセンブリは、前記第1の装置係合部材が近位方向の力を前記医療装置に伝達するが、遠位方向の力を前記医療装置にほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記結合アセンブリは、前記第1の装置係合部材と前記押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記医療装置は複数の開口を形成し、前記第1の装置係合部材の前記複数の突出部は、前記複数の開口内に延在することによって、前記医療装置と係合する、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに配置されている第2の装置係合部材をさらに備え、前記第2の装置係合部材は、複数の陥凹によって分離されている3つ以上の複数の突出部を有する外面を含み、前記第2の装置係合部材の前記複数の突出部のうちの1つ以上は、前記医療装置に形成されている開口を介して前記医療装置と係合する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、シースまたはカテーテルをさらに備え、前記コア部材および前記結合アセンブリおよび前記医療装置は、前記シースまたは前記カテーテル内に位置する、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の装置係合部材は、プレートまたはスプロケットの形態を取る、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに配置されている第2の装置係合部材をさらに備え、前記第2の装置係合部材は、プレートまたはスプロケットの形態を取る、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記医療装置は、ステントを備える、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ステントは編組ステントを備え、前記編組ステントは、48本、54本、または64本のワイヤを有する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の装置係合部材の半径方向最大寸法は、前記第1の装置係合部材の厚さより少なくとも5倍大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
ステント送達システムであって、前記ステント送達システムは、
体腔内で前進するように構成されているコア部材と、
前記コア部材の周りに位置付けられている結合アセンブリと、
前記コア部材に沿って延在するステントと
を備え
前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに配置されている第1のプレートであって、前記第1のプレートは、複数の陥凹によって分離されている3つ以上の複数の突出部を有する外面を含む第1のプレートと、
前記第1のプレートの近位の前記コア部材上に位置付けられている押し要素であって、前記押し要素は、遠位向き係合面を有する、押し要素と、
前記第1のプレートの遠位の前記コア部材上に位置付けられている引き要素であって、前記引き要素は、近位向き係合面を有し、前記引き要素は、前記結合アセンブリの外側直径よりも小さい外側直径を有する、引き要素と、
前記第1のプレートと前記押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサと
を備え、
前記ステントは、前記第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合され、前記ステントは、近位縁を有し、
前記押し要素の前記遠位向き係合面は、前記ステントの前記近位縁に当接する、ステント送達システム。
【請求項17】
前記押し要素は、遠位方向の力を前記ステントに伝達するが、近位方向の力を前記ステントに伝達しないように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記結合アセンブリは、前記第1のプレートが近位方向の力を前記ステントに伝達するが、遠位方向の力を前記ステントにほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のスペーサは、近位端面と、遠位端面と、長手方向の軸に沿って前記近位端面と前記遠位端面との間に延在する外面を備え、前記近位端面および前記遠位端面のそれぞれは、前記第1のスペーサの前記長手方向の軸に実質的に直交している、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1のスペーサは、前記押し要素に当接するように構成されている平坦化された近位端面を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記ステントは複数の開口を形成し、前記第1のプレートの前記突出部は、前記開口内に延在することによって、前記ステントと係合する、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに配置されている第2のプレートをさらに備え、前記第2のプレートは、複数の陥凹によって分離されている3つ以上の複数の突出部を有する外面を含み、前記第2のプレートの前記複数の突出部のうちの1つ以上は、前記ステントに形成されている開口を介して前記ステントと係合する、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムは、シースまたはカテーテルをさらに備え、前記コア部材および前記結合アセンブリおよび前記ステントは、前記シースまたは前記カテーテル内に位置する、請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
前記押し要素は、近位拘束部材を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項27】
ステント送達システムであって、前記ステント送達システムは、
体腔内で前進するように構成されているコア部材と、
前記コア部材に沿って延在するステントであって、前記ステントは、孔長によって特徴付けられている、ステントと、
前記コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリ
を備え
前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに配置されている第1のプレートであって、前記第1のプレートは、前記ステントと係合している3つ以上の複数の突出部を有する外面を含む、第1のプレートと、
前記コア部材の周りに配置されている第2のプレートであって、前記第2のプレートは、前記ステントと係合している3つ以上の複数の突出部を有する外面を含む、第2のプレートと
前記コア部材によって担持されている近位拘束具であって、前記結合アセンブリは、前記近位拘束具の遠位に位置付けられている、近位拘束具と、
前記コア部材によって担持されている遠位拘束具であって、前記結合アセンブリは、前記遠位拘束具の近位に位置付けられており、前記遠位拘束具は、前記結合アセンブリの外側直径よりも小さい外側直径を有する、遠位拘束具と、
前記第1のプレートと前記近位拘束具との間に位置する第1のスペーサと
を備え、
前記第1のプレートの前記複数の突出部は、前記孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、前記第2のプレートの前記複数の突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
【請求項28】
送達構成において、前記第1のプレートの前記複数の突出部は、第1の長手方向の位置で前記ステントの複数の孔と係合され、前記第2のプレートの前記複数の突出部は、第2の長手方向の位置で前記ステントの複数の孔と係合され、前記第1の長手方向の位置と前記第2の長手方向の位置とは、前記第1の長手方向の距離だけ離間されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のプレートのある突出部は、前記ステントの第1の孔と係合し、前記第2のプレートのある突出部は、前記ステントの第2の孔と係合し、前記第1の孔と前記第2の孔とは長手方向に隣接している、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のプレートの前記複数の突出部は、前記ステントの近位端から5孔長未満の位置で前記ステントと係合する、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のプレートは、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2のプレートは、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、請求項53に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の長手方向の距離は、前記孔長の1%~50%に等しい減分だけ前記孔長の整数倍より短い、請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記結合アセンブリは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に第2のスペーサをさらに備え、前記コア部材が直線の向きにあり、かつ前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが前記第2のスペーサに当接しているとき、前記第2のスペーサは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレート前記複数の突出部を前記第1の長手方向の距離で維持する、請求項27に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1のプレートおよび前記第2のプレート前記複数の突出部は、前記ステントの複数の孔内に突出することによって前記ステントと係合する、請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
前記ステントの前記孔長は、前記ステントの外径が、前記ステントと前記結合アセンブリとを内包し、かつ前記第1のプレートおよび前記第2のプレートと前記ステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項37】
前記ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
前記第1のプレートのある突出部は、前記ステントの第1の孔内に突出し、
前記第2のプレートのある突出部は、前記ステントの第2の孔内に突出し、
前記第1の孔および前記第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ前記第1の孔と前記第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
前記第1のプレートの前記突出部は、前記フィラメント交差に向かう方向において、前記第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
前記第2のプレートの前記突出部は、前記フィラメント交差および前記第1のプレートの前記突出部に向かう方向において、前記第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、請求項27に記載のシステム。
【請求項38】
ステント送達システムであって、前記ステント送達システムは、
コア部材と、
前記コア部材に沿って延在するステントであって、前記ステントは、複数の孔を備え、かつ孔長によって特徴付けられている、ステントと、
前記コア部材に担持されている結合アセンブリ
を備え
前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに配置されている第1のステント係合部材であって、前記第1のステント係合部材は、前記ステントの第1の複数の孔と係合する複数の突出部を含む、第1のステント係合部材と、
前記コア部材の周りに配置されている第2のステント係合部材であって、前記第2のステント係合部材は、前記ステントの第2の複数の孔と係合する複数の突出部を含む、第2のステント係合部材と、
前記コア部材によって担持されている近位拘束具であって、前記結合アセンブリは、前記近位拘束具の遠位に位置付けられている、近位拘束具と、
前記コア部材によって担持されている遠位拘束具であって、前記結合アセンブリは、前記遠位拘束具の近位に位置付けられており、前記遠位拘束具は、前記結合アセンブリの外側直径よりも小さい外側直径を有する、遠位拘束具と、
前記第1のプレートと前記近位拘束具との間に位置する第1のスペーサと
を備え、
前記第1のステント係合部材の前記複数の突出部は、前記孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、前記第2のステント係合部材の前記複数の突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
【請求項39】
前記第1の複数の孔および前記第2の複数の孔は、前記ステントの長さに沿って長手方向に隣接している、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の複数の孔は、前記ステントの近位端から5孔長未満離れている、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1の係合部材は、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記第2の係合部材は、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1のステント係合部材と前記第2のステント係合部材とは、2孔長未満で離間されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の長手方向の距離は、前記孔長の1%~50%に等しい減分だけ前記孔長の整数倍より短い、請求項38に記載のシステム。
【請求項45】
前記結合アセンブリは、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間に第2のスペーサをさらに備え、前記コア部材が直線の向きにあり、かつ前記第1の係合部材および前記第2の係合部材が前記第2のスペーサに当接しているとき、前記第2のスペーサは、前記第1の係合部材および前記第2の係合部材前記複数の突出部を前記第1の長手方向の距離で維持する、請求項38に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1の係合部材および前記第2の係合部材前記複数の突出部は、前記ステントの複数の孔内に突出することによって前記ステントと係合する、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記ステントの前記孔長は、前記ステントの外径が、前記ステントと前記結合アセンブリとを内包し、かつ前記第1の係合部材および前記第2の係合部材と前記ステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項48】
前記ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
前記第1の係合部材のある突出部は、前記ステントの第1の孔内に突出し、
前記第2の係合部材のある突出部は、前記ステントの第2の孔内に突出し、
前記第1の孔および前記第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ前記第1の孔と前記第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
前記第1の係合部材の前記突出部は、前記フィラメント交差に向かう方向において、前記第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
前記第2の係合部材の前記突出部は、前記フィラメント交差および前記第1の係合部材の前記突出部に向かう方向において、前記第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、請求項38に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月12日に提出された米国特許出願第15/951,779号、2018年4月12日に提出された米国特許出願第15/951,890号、2018年4月12日に提出された米国特許出願第15/951,967号、および2018年4月12日に提出された米国特許出願第15/952,001号の優先権の利益を主張するものであり、それぞれの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(背景技術)
血管系の壁、特に動脈壁は、動脈瘤と呼ばれる病的に拡張した領域を生じることがあり、たいていその壁は薄く弱くなり、破裂しやすい。動脈瘤は一般に、疾患、けが、または先天性異常による血管壁の脆弱化によって引き起こされる。動脈瘤は体の様々な部分に発生し、最も一般的なものは、腹部大動脈瘤と神経血管系の脳(例えば、大脳)動脈瘤である。動脈瘤の脆弱化した壁が破裂すると、特に脳動脈瘤の破裂である場合は、死に至る可能性がある。
【0003】
動脈瘤は一般に、血管の脆弱化した部分を動脈循環から排除するか、または少なくとも部分的に分離することによって治療される。例えば、従来の動脈瘤治療には、(i)外科的クリッピング術により、動脈瘤の頸部の周りを金属クリップで固定する、(ii)動脈瘤に細く柔軟なワイヤコイル(マイクロコイル)を詰める、(iii)動脈瘤を塞栓物質で「埋める」、(iv)取り外し可能なバルーンまたはコイルを使用して、動脈瘤が発生している親血管を閉塞する、(v)血管内ステント留置、などがある。
【0004】
血管内ステントは、血管狭窄または動脈瘤の治療のための医療分野でよく知られている。ステントは、血管または内腔内で放射状または別様に拡張して、血管を支えて崩壊を防ぐ人工装具である。これらの血管内ステントを送達する方法もよく知られている。
【0005】
圧縮されたステントを血管に導入し、狭窄または動脈瘤の領域内に位置付ける従来の方法は、ガイドカテーテルの遠位部分を患者の血管系に通して経皮的に前進させ、遠位部分を狭窄または動脈瘤に近接させることを含む。次に、インナーカテーテルおよびインナーカテーテル内のガイドワイヤを、ガイドカテーテルの遠位領域に通して前進させる。そして、ガイドワイヤを、ガイドカテーテルの遠位領域から血管内に前進させ、圧縮されたステントを運ぶガイドワイヤの遠位部分を血管内の病変部に位置付けられる。次いで、圧縮されたステントが解放および拡張され、そのため、病変部で血管を支持する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、例えば、以下に記載される様々な態様に従って例示される。本技術の態様の様々な例は、便宜上、番号を付けた条項(1、2、3など)として説明される。これらは、例として提供されており、本技術を限定するものではない。従属条項のいずれも、任意の組み合わせで組み合わせることができ、かつそれぞれの独立条項、例えば条項1または条項23に組み込むことができることに留意されたい。他の条項も、同様に提示することができる。
【0007】
条項1.ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
コア部材に沿って延在するステントであって、孔長によって特徴付けられる、ステントと、
コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材に回転可能に結合された第1のプレートであって、ステントと係合している3つ以上の突出部を有する外面を含む、第1のプレートと、
コア部材に回転可能に結合された第2のプレートであって、ステントと係合している3つ以上の突出部を有する外面を含む、第2のプレートと、を備え、
第1のプレートの突出部は、孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、第2のプレートの突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
【0008】
条項2.送達構成において、第1のプレートの突出部は、第1の長手方向の位置でステントの孔と係合され、第2のプレートの突出部は、第2の長手方向の位置でステントの孔と係合され、第1の長手方向の位置と第2の長手方向の位置とは、第1の長手方向の距離だけ離間されている、条項1に記載のシステム。
【0009】
条項3.第1の長手方向の距離は、2孔長未満である、条項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【0010】
条項4.第1のプレートのある突出部は、ステントの第1の孔と係合し、第2のプレートのある突出部は、ステントの第2の孔と係合し、第1の孔と第2の孔とは長手方向に隣接している、条項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【0011】
条項5.第1のプレートの突出部は、ステントの近位端から5孔長未満の位置でステントと係合する、条項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【0012】
条項6.第1のプレートの突出部は、ステントの近位端から3孔長未満の位置でステントと係合する、条項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【0013】
条項7.第1のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、条項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【0014】
条項8.第1のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して30度まで傾斜するように構成されている、条項7に記載のシステム。
【0015】
条項9.第1のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して20度まで傾斜するように構成されている、条項7および8に記載のシステム。
【0016】
条項10.第1のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して10度まで傾斜するように構成されている、条項7~9に記載のシステム。
【0017】
条項11.第2のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、条項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0018】
条項12.第2のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して30度まで傾斜するように構成されている、条項11に記載のシステム。
【0019】
条項13.第2のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して20度まで傾斜するように構成されている、条項11および12のいずれか一項に記載のシステム。
【0020】
条項14.第2のプレートは、コア部材の長手方向の軸に対して10度まで傾斜するように構成されている、条項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
条項15.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~50%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【0022】
条項16.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~40%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【0023】
条項17.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~30%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【0024】
条項18.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~20%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【0025】
条項19.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~10%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【0026】
条項20.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~5%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【0027】
条項21.結合アセンブリは、第1のプレートと第2のプレートとの間にスペーサをさらに備え、コア部材が直線の向きにあり、かつ第1のプレートおよび第2のプレートが前記スペーサに当接しているとき、スペーサは、第1のプレートと第2のプレートとの突出部を第1の長手方向の距離で維持する、条項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【0028】
条項22.第1のプレートと第2のプレートとの突出部は、ステントの孔内に突出することによってステントと係合する、条項1~21のいずれか一項に記載のシステム。
【0029】
条項23.ステントの孔長は、ステントの外径が、ステントと結合アセンブリとを内包し、かつ第1および第2のプレートとステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、条項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【0030】
条項24.
ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
第1のプレートのある突出部は、ステントの第1の孔内に突出し、
第2のプレートのある突出部は、ステントの第2の孔内に突出し、
第1および第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ第1の孔と第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
第1のプレートの突出部は、フィラメント交差に向かう方向において、第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
第2のプレートの突出部は、フィラメント交差および第1のプレートの突出部に向かう方向において、第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、条項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【0031】
条項25.コア部材によって担持された近位拘束具をさらに備え、結合アセンブリは、近位拘束具の遠位に位置付けられている、条項1~24のいずれか一項に記載のシステム。
【0032】
条項26.ステント送達システムであって、
コア部材と、
コア部材に沿って延在するステントであって、複数の孔を備え、かつ孔長によって特徴付けられる、ステントと、
コア部材に担持された結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材に回転可能に結合された第1のステント係合部材であって、ステントの第1の複数の孔と係合する突出部を含む、第1のステント係合部材と、
コア部材に回転可能に結合された第2のステント係合部材であって、ステントの第2の複数の孔と係合する突出部を含む、第2のステント係合部材と、を備え、
第1のステント係合部材の突出部は、孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、第2のステント係合部材の突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
【0033】
条項27.第1の複数の孔と第2の複数の孔とは、ステントの長さに沿って長手方向に隣接している、条項26に記載のシステム。
【0034】
条項28.第1の複数の孔は、ステントの近位端から5孔長未満離れている、条項26および27のいずれか一項に記載のシステム。
【0035】
条項29.第1の複数の孔は、ステントの近位端から3孔長未満離れている、条項26~28のいずれか一項に記載のシステム。
【0036】
条項30.第1の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、条項26~29のいずれか一項に記載のシステム。
【0037】
条項31.第1の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して30度まで傾斜するように構成されている、条項30に記載のシステム。
【0038】
条項32.第1の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して20度まで傾斜するように構成されている、条項30および31のいずれか一項に記載のシステム。
【0039】
条項33.第1の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して10度まで傾斜するように構成されている、条項30~32のいずれか一項に記載のシステム。
【0040】
条項34.第2の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、条項26~33のいずれか一項に記載のシステム。
【0041】
条項35.第2の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して30度まで構成されている、条項34に記載のシステム。
【0042】
条項36.第2の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して20度まで傾斜するように構成されている、条項34および35のいずれか一項に記載のシステム。
【0043】
条項37.第2の係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して10度まで傾斜するように構成されている、条項34~36のいずれか一項に記載のシステム。
【0044】
条項38.第1のステント係合部材と第2のステント係合部材とは、2孔長未満で離間されている、条項26~37のいずれか一項に記載のシステム。
【0045】
条項39.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~50%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~38のいずれか一項に記載のシステム。
【0046】
条項40.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~40%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~39のいずれか一項に記載のシステム。
【0047】
条項41.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~30%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~40のいずれか一項に記載のシステム。
【0048】
条項42.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~20%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~41のいずれか一項に記載のシステム。
【0049】
条項43.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~10%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~42のいずれか一項に記載のシステム。
【0050】
条項44.第1の長手方向の距離は、孔長の1%~5%に等しい減分だけ孔長の整数倍より短い、条項26~43のいずれか一項に記載のシステム。
【0051】
条項45.結合アセンブリは、第1の係合部材と第2の係合部材との間にスペーサをさらに備え、コア部材が直線の向きにあり、かつ第1の係合部材および第2の係合部材がスペーサに当接しているとき、スペーサは、第1の係合部材と第2の係合部材との突出部を第1の長手方向の距離で維持する、条項26~44のいずれか一項に記載のシステム。
【0052】
条項46.第1の係合部材と第2の係合部材との突出部は、ステントの孔内に突出することによってステントと係合する、条項26~45のいずれか一項に記載のシステム。
【0053】
条項47.ステントの孔長は、ステントの外径が、ステントと結合アセンブリとを内包し、かつ第1および第2の係合部材とステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、条項26~46のいずれか一項に記載のシステム。
【0054】
条項48.
ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
第1の係合部材のある突出部は、ステントの第1の孔内に突出し、
第2の係合部材のある突出部は、ステントの第2の孔内に突出し、
第1および第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ第1の孔と第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
第1の係合部材の突出部は、フィラメント交差に向かう方向において、第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
第2の係合部材の突出部は、フィラメント交差および第1の係合部材の突出部に向かう方向において、第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、条項26~47のいずれか一項に記載のシステム。
【0055】
条項49.コア部材によって担持された近位拘束具をさらに備え、結合アセンブリは、近位拘束具の遠位に位置付けられている、条項26~48のいずれか一項に記載のシステム。
【0056】
条項50.カテーテル内でステントを前進させる方法であって、
カテーテルの内腔内でコア部材を遠位に移動させることを含み、コア部材は、ステントの少なくとも一部と係合した結合アセンブリを担持し、結合アセンブリは、
コア部材によって回転可能に担持され、かつステントと係合された突出部を備える第1のステント係合部材と、
コア部材によって回転可能に担持され、かつステントと係合された突出部を備える第2のステント係合部材と、を含み、
ステントは孔長さによって特徴づけられ、
第1のステント係合部材の突出部は、第2のステント係合部材の突出部から長手方向に離間されており、
コア部材を遠位に移動させることで、ステントを遠位に移動させる前に、第1の係合部材をステントに対して第1のラグ距離だけ移動させた状態で、ステントをカテーテル内腔内で遠位に移動させ、
第1のラグ距離は、孔長の40%以下である、方法。
【0057】
条項51.ステントの一部がカテーテルの外に延在して拡張することができるようにコア部材を遠位に前進させた後、ステントの近位部分は、第1のステント係合部材と係合したままである、条項50に記載の方法。
【0058】
条項52.ステントがカテーテル内腔内に再捕捉されるように、ステントを解放する前にコア部材を近位に後退させることをさらに含む、条項51に記載の方法。
【0059】
条項53.コア部材を近位方向に後退させることによって、第1のステント係合部材は、ステントをカテーテル内腔内で近位に引き込む、条項52に記載の方法。
【0060】
条項54.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも50%である、条項52および53のいずれか一項に記載の方法。
【0061】
条項55.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも75%である、条項52~54のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
条項56.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも90%である、条項52~55のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
条項57.移動は、ステントをコア部材に対して回転させることを含む、条項52~56のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
条項58.コア部材を近位に後退させることにより、ステントを近位に移動させる前に、第1の係合部材をステントに対して第2のラグ距離だけ移動させた状態で、ステントをカテーテル内腔内で近位に移動させることをさらに備え、第2のラグ距離は、孔長の40%以下である、条項52~57のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
条項59.第1のステント係合部材の突出部は、孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、第2のステント係合部材の突出部から長手方向に離間されている、条項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
条項60.第1のラグ距離は、孔長の33%以下である、条項50~59のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
条項61.第1のラグ距離は、孔長の25%以下である、条項50~60のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
条項62.第1のラグ距離は、孔長の20%以下である、条項50~61のいずれか一項に記載の方法。
【0069】
条項63.第1のラグ距離は、孔長の15%以下である、条項50~62のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
条項64.第1のラグ距離は、孔長の10%以下である、条項50~63のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
条項65.第1のラグ距離は、孔長の5%以下である、条項50~64のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
条項66.ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
コア部材に結合されたステント係合部材と、を備え、係合部材は、
近位端面と、
遠位端面と、
近位端面と遠位端面との間に延在する側面であって、側面は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を備え、突出部は、側面に沿って互いに不均一に離間されている、側面と、
近位端面および第2の端面を通って延在する開口部であって、コア部材は、係合部材がコア部材の周りを回転できるように開口部を通って延在する、開口部と、
コア部材に沿って、かつ係合部材の上に延在するステントと、を含む、ステント送達システム。
【0073】
条項67.前記突出部は、前記ステントが前記係合部材と係合されているときに、各突出部が前記ステントの孔と実質的に整列するように、離間されている、条項66に記載のステント送達システム。
【0074】
条項68.ステントは、48、54、または64本のワイヤを有する編組ステントを備える、条項66~17のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0075】
条項69.ステントは、ステントに沿った所与の長手方向の位置でその周囲に多数の孔を備え、孔の数は、係合部材の突出部の数によって均等に割り切れない、条項66~68のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0076】
条項70.ステントは、ステントに沿った第1の長手方向の位置に32個の孔を備え、ステント係合部材は、3、5、6、または7つの突出部を有する、条項69項に記載のステント送達システム。
【0077】
条項71.ステントは、ステントに沿った第1の長手方向の位置に24個の孔を備え、ステント係合部材は、5、7、または9つの突出部を有する、条項69および70のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0078】
条項72.ステントは、ステントに沿った第1の長手方向の位置に27個の孔を備え、ステント係合部材は、4、5、6、7、または8つの突出部を有する、条項69~71のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0079】
条項73.陥凹は各々、曲率半径を有する凹部を備え、凹部の曲率半径は、複数の陥凹の間で異なる、条項66~72のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0080】
条項74.陥凹は各々、表面積を有する凹部を備え、凹部の表面積は、複数の陥凹の間で異なる、条項66~73のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0081】
条項75.陥凹は各々、角サイズを有し、陥凹は、角サイズが異なる、条項66~74のいずれか一項に記載のステントの送達システム。
【0082】
条項76.係合部材は、近位端面と側面との交点に形成された第1の縁と、遠位端面と側面との交点に形成された第2の縁と、を備え、第1の縁および第2の縁は丸くなっている、条項66~75のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0083】
条項77.突出部は各々、ステントと係合するように構成された半径方向に最も外側の接触領域を備える、条項66~76のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0084】
条項78.各接触領域は、
中央部と、
中央部から第1の隣接陥凹に向かって延在する第1の肩部と、
中央部から第2の隣接陥凹に向かって延在する第2の肩部と、を含む、条項77に記載のステント係合部材。
【0085】
条項79.中央部は、実質的に平面状の外面を備える、条項78に記載のステント送達システム。
【0086】
条項80.突出部は各々、ステントと連結するように構成された半径方向に最も外側の接触領域を備える、条項66~79のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0087】
条項81.突出部は各々、ステントの1つ以上の孔内に突出するように構成された半径方向に最も外側の接触領域を備える、条項66~80のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0088】
条項82.内面とコア部材が貫通して延在する内腔とを有するカテーテルをさらに備え、ステントの少なくとも一部は係合部材の側面とカテーテルの内面との間で半径方向に位置付けされている、条項66~81のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0089】
条項83.係合部材は、約50~100ミクロンの厚さを有する、条項66~82のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0090】
条項84.突出部の数は、3~6である、条項66~83のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0091】
条項85.ステント係合部材は、剛性プレートを備える、条項66~84のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0092】
条項86.ステント係合部材は、スプロケットを備える、条項66~85のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0093】
条項87.ステント係合部材の半径方向最大寸法は、ステント係合部材の厚さより少なくとも5倍大きい、条項66~86のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0094】
条項88.開口部は、係合部材がコア部材の長手方向の軸に対して傾斜し得るように構成されている、条項66~87のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0095】
条項89.係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して30度まで傾斜することができる、条項88に記載のステント送達システム。
【0096】
条項90.係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して20度まで傾斜することができる、条項88および89のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0097】
条項91.係合部材は、コア部材の長手方向の軸に対して10度まで傾斜することができる、条項88~90のいずれか一項に記載のステント送達システム。
【0098】
条項92.ステント送達システム用のステント係合部材であって、係合部材は、
第1の端面と、
第1の端面の反対側の第2の端面と、
近位端面と遠位端面との間に延在する側面であって、側面は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を備え、突出部は、側面に沿って互いに不均一に離間されている、側面と、
近位端面および第2の端面を通って延在する中央開口であって、それを通してコア部材を受容するように構成されている中央開口と、を備える、ステント係合部材。
【0099】
条項93.陥凹は各々、曲率半径を有する凹部を備え、凹部の曲率半径は、複数の陥凹の間で異なる、条項92に記載のステント係合部材。
【0100】
条項94.陥凹は各々、角サイズを有し、陥凹は、角サイズが異なる、条項92および93のいずれか一項に記載のステントの送達システム。
【0101】
条項95.陥凹は各々、表面積を有する凹部を備え、凹部の表面積は、複数の陥凹の間で異なる、条項92~94のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0102】
条項96.係合部材は、近位端面と側面との間の第1の縁と、遠位端面と側面との間の第2の縁と、を備え、第1の縁および第2の縁は丸くなっている、条項92~95のいずれか一項に記載の係合部材システム。
【0103】
条項97.前記突出部は各々、半径方向に最も外側の接触領域を備え、各接触領域は、
中央部と、
中央部から第1の隣接陥凹に向かって延在する第1の肩部と、
中央部から第2の隣接陥凹に向かって延在する第2の肩部と、を含む、条項92~96のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0104】
条項98.中央部は、実質的に平坦な外面を備える、条項97に記載のステント係合部材。
【0105】
条項99.係合部材は、約50~100ミクロンの厚さを有する、条項92~98のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0106】
条項100.突出部の数は、3~6である、条項92~99のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0107】
条項101.ステント係合部材は、剛性プレートを備える、条項92~100のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0108】
条項102.ステント係合部材は、スプロケットを備える、条項92~101のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0109】
条項103.ステント係合部材の半径方向最大寸法は、ステント係合部材の厚さより少なくとも5倍大きい、条項92~102のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0110】
条項104.開口部は、係合部材がコア部材の長手方向の軸に対して傾斜し得るように構成されている、条項92~103のいずれか一項に記載のステント係合部材。
【0111】
条項105.カテーテルを通してステント送達アセンブリを前進させる方法であって、
カテーテルの内腔内でコア部材を遠位に移動させることであって、コア部材は、ステントの少なくとも一部と係合された係合部材を担持し、係合部材は、
近位端面と、遠位端面と、近位端面と遠位端面との間に延在する側面であって、側面は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を備え、突出部は、側面に沿って互いに不均一に離間されており、突出部は、ステントの内面と接触している、側面と、
近位端面および第2の端面を通って延在する開口部であって、コア部材は、開口部を通って延在する、開口部と、を含む、移動させることと、
コア部材を移動させることにより、ステントをカテーテルの内腔内に遠位に引き込むことと、
コア部材によって担持されたステントの一部がカテーテルの外に延在して拡張することができるように、コア部材を遠位に前進させることと、を含む、方法。
【0112】
条項106.ステントの一部がカテーテルの外に延在して拡張することができるようにコア部材を遠位に前進させた後、ステントの近位部分は、ステント係合部材と係合したままである、条項105に記載の方法。
【0113】
条項107.ステントがカテーテル内腔内に再捕捉されるように、ステントを解放する前にコア部材を近位に後退させることをさらに含む、条項105~106のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
条項108.コア部材を近位方向に後退させることによって、ステント係合部材はステントをカテーテル内腔内で近位方向に引き込む、条項107に記載の方法。
【0115】
条項109.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも50%である、条項108に記載の方法。
【0116】
条項110.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも75%である、条項108~19のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
条項111.再捕捉の前に拡張されたステントの部分は、ステントの長さの少なくとも90%である、条項108~110のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
条項112.移動は、ステントをコア部材に対して回転させることを含む、条項108~111のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
条項113.ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第1のプレートであって、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む第1のプレートと、
第1のプレートの近位のコア部材上に位置付けられた押し要素であって、遠位向き係合面を有する、押し要素と、
第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合されるように、コア部材に沿って延在するステントであって、近位縁を有するステントと、を備え、
押し要素の遠位向き係合面は、ステントの近位縁に当接する、ステント送達システム。
【0120】
条項114.前記押し要素は、遠位方向の力を前記ステントに伝達するが、近位方向の力を前記ステントに伝達しないように構成されている、条項113に記載のシステム。
【0121】
条項115.結合アセンブリは、第1のプレートが近位方向の力をステントに伝達するが、遠位方向の力を前記ステントにほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、条項113および114のいずれか一項に記載のシステム。
【0122】
条項116.結合アセンブリは、第1のプレートと押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサをさらに備える、条項113~115のいずれか一項に記載のシステム。
【0123】
条項117.第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、条項116に記載のシステム。
【0124】
条項118.第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、条項117に記載のシステム。
【0125】
条項119.第1のスペーサは、近位端面と、遠位端面と、長手方向の軸に沿って近位端面と遠位端面との間に延在する外面と、を備え、近位端面および遠位端面は各々、第1のスペーサの長手方向の軸に実質的に直交している、条項113~118のいずれか一項に記載のシステム。
【0126】
条項120.第1のスペーサは、押し要素に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、条項113~119のいずれか一項に記載のシステム。
【0127】
条項121.ステントは複数の開口を形成し、第1のプレートの突出部は、開口内に延在することによって、ステントと係合する、条項113~120のいずれか一項に記載のシステム。
【0128】
条項122.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2のプレートをさらに備え、第2のプレートは、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、第2のプレートの突出部のうちの1つ以上は、ステントに形成された開口を介してステントと係合する、条項113~121のいずれか一項に記載のシステム。
【0129】
条項123.シースまたはカテーテルをさらに備え、コア部材、結合アセンブリ、およびステントは、シースまたはカテーテル内に位置する、条項113~122のいずれか一項に記載のシステム。
【0130】
条項124.押し要素は、近位拘束部材を備える、条項113~123のいずれか一項に記載のシステム。
【0131】
条項125.医療装置送達システムであって、
コア部材と、
コア部材によって担持された結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材に回転可能に結合された第1の装置係合部材であって、陥凹によって分離された突出部を有する外面を含む、第1の装置係合部材と、
第1の装置係合部材の近位のコア部材上に位置付けられた押し要素であって、遠位向き係合面を有する、押し要素と、を備える、医療装置送達システム。
【0132】
条項126.
第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合されるように、コア部材に沿って延在する医療装置をさらに備え、
医療装置は、近位縁を有し、
押し要素の遠位向き係合面は、医療装置の近位縁に当接する、条項125に記載のシステム。
【0133】
条項127.押し要素は、遠位方向の力を前記医療装置に伝達するが、近位方向の力を医療装置に伝達しないように構成されている、条項126に記載のシステム。
【0134】
条項128.結合アセンブリは、第1の装置係合部材が近位方向の力を医療装置に伝達するが、遠位方向の力を医療装置にほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、条項126および127のいずれか一項に記載のシステム。
【0135】
条項129.結合アセンブリは、第1のプレートと押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサをさらに備える、条項125~128のいずれか一項に記載のシステム。
【0136】
条項130.第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、条項129に記載のシステム。
【0137】
条項131.第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、条項130に記載のシステム。
【0138】
条項132.医療装置は複数の開口を形成し、第1の装置係合部材の突出部は、開口内に延在することによって、医療装置と係合する、条項126~131のいずれか一項に記載のシステム。
【0139】
条項133.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2の係合部材をさらに備え、第2の係合部材は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、第2の係合部材の突出部のうちの1つ以上は、医療装置に形成された開口を介してステントと係合する、条項132に記載のシステム。
【0140】
条項134.シースまたはカテーテルをさらに備え、コア部材、結合アセンブリ、および医療装置は、シースまたはカテーテル内に位置する、条項126~133のいずれか一項に記載のシステム。
【0141】
条項135.第1の装置係合部材は、プレートまたはスプロケットの形態を採る、条項125~134のいずれか一項に記載のシステム。
【0142】
条項136.カテーテルを通して管状医療装置を送達する方法であって、
コア部材と結合アセンブリと、を備える送達システムを操作することであって、結合アセンブリは、
陥凹によって分離された突出部を有する外面を含む第1の装置係合部材であって、突出部は、医療装置の開口を介して医療装置と係合している、第1の装置係合部材と、
第1の装置係合部材の近位のコア部材上に位置する押し要素と、を備える、操作することと、
押し要素を介して遠位方向の力を医療装置に伝達し、かつ第1の装置係合部材を介して遠位方向の力を医療装置に伝達しないことによって、医療装置を遠位に移動させることと、を含む、方法。
【0143】
条項137.第1の装置係合部材を介して近位方向の力をステントに伝達し、かつ押し要素を介して近位方向の力をステントに伝達しないことによって、医療装置を近位に移動させることをさらに含む、条項136に記載の方法。
【0144】
条項138.医療装置を近位に移動させることは、医療装置を再被覆することを含む、条項137に記載の方法。
【0145】
条項139.医療装置を遠位に移動させることは、医療装置をカテーテルまたはシースの端部から部分的に拡張させることを含み、医療装置を近位に移動することは、医療装置をカテーテルまたはシース内に再被覆することを含む、条項137および138のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
条項140.結合アセンブリは、第1の装置係合部材と押し要素との間のコア部材上に位置する第1のスペーサをさらに備える、条項136~39のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
条項141.第1のスペーサを介して医療装置と押し要素との間の係合を維持することをさらに含む、条項140に記載の方法。
【0148】
条項142.医療装置は、ステントを備える、条項136~141のいずれか一項に記載の方法。
【0149】
条項143.第1の装置係合部材は、プレートまたはスプロケットの形態を採る、条項136~142のいずれか一項に記載の方法。
【0150】
条項144.ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第1のプレートであって、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む第1のプレートと、
第1のプレートの近位に、かつそれに隣接して、コア部材の周りに位置付けられたコイルスペーサと、
ステントであって、ステントが第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合され、かつそれによってコア部材を介して遠位に前進可能であるように、コア部材に沿って延在する、ステントと、を備える、ステント送達システム。
【0151】
条項145.コイルスペーサは、ゼロピッチコイルを備える、条項144に記載のシステム。
【0152】
条項146.コイルスペーサは、軸方向に実質的に非圧縮性である、条項144および145のいずれか一項に記載のシステム。
【0153】
条項147.コイルスペーサは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられている、条項144~146のいずれか一項に記載のシステム。
【0154】
条項148.コイルスペーサは、近位端面と、遠位端面と、長手方向の軸に沿って近位端面と遠位端面との間に延在する外面と、を備え、近位端面および遠位端面は各々、コイルスペーサの長手方向の軸に実質的に直交している、条項144~147のいずれか一項に記載のシステム。
【0155】
条項149.コア部材に結合された近位拘束具をさらに備え、コイルスペーサは、近位拘束具に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、条項144~148のいずれか一項に記載のシステム。
【0156】
条項150.コイルスペーサは、第1のプレートに当接するように構成された平坦化された遠位端面を備える、条項144~149のいずれか一項に記載のシステム。
【0157】
条項151.コイルスペーサは、約1~2mmの長さを有する、条項144~150のいずれか一項に記載のシステム。
【0158】
条項152.コイルスペーサは、潤滑性材料でコーティングされている、条項144~151のいずれか一項に記載のシステム。
【0159】
条項153.潤滑性材料は、PTFEを備える、条項152に記載のシステム。
【0160】
条項154.コイルスペーサの外径は、第1のプレートの陥凹直径以下である、条項144~153のいずれか一項に記載のシステム。
【0161】
条項155.第1のプレートaの最大半径方向寸法は、内径0.017インチ、0.021インチまたは0.027インチのカテーテル内に嵌合するように構成されている、条項144~154のいずれか一項に記載のシステム。
【0162】
条項156.コイルスペーサは、コイル構成に巻かれた正方形または長方形の断面を有するワイヤを備える、条項144~155のいずれか一項に記載のシステム。
【0163】
条項157.コイルスペーサは、コイル構成に巻かれたワイヤを備え、巻かれたワイヤは、いくつかの巻きを形成し、各々が、平坦な遠位面および近位面を有し、隣接する巻きの面は、互いに接触して、コイルスペーサが、短縮することなく、長手方向の圧縮荷重に耐えることを可能にする、条項144~156のいずれか一項に記載のシステム。
【0164】
条項158.コイルスペーサの近位で、かつそれに隣接するコア部材に結合された近位拘束具をさらに備え、近位拘束具の近位でのコイルスペーサの長手方向の移動を防ぐようにした、条項144~157のいずれか一項に記載のシステム。
【0165】
条項159.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2のプレートをさらに備え、第2のプレートは、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、第2のプレートの突出部のうちの1つ以上は、ステントがコア部材を介して遠位に前進可能であるように、ステントと係合する、条項144~158のいずれか一項に記載のシステム。
【0166】
条項160.第2のプレートの遠位に配設された遠位拘束具をさらに備え、遠位拘束具は、コア部材に対して長手方向に固定されている、条項159に記載のシステム。
【0167】
条項161.第1のプレートの最大半径方向寸法は、第1のプレートの最大幅寸法の少なくとも5倍以上大きく、第2のプレートの最大半径方向寸法は、第2のプレートの最大幅寸法の少なくとも5倍以上大きい、条項159および160のいずれか一項に記載のシステム。
【0168】
条項162.結合アセンブリは、コア部材の周りに位置付けられ、かつ第1のプレートと第2のプレートとの間に配設された第2のスペーサをさらに備える、条項159~161のいずれか一項に記載のシステム。
【0169】
条項163.第2のスペーサは、第2のコイルスペーサを備える、条項162に記載のシステム。
【0170】
条項164.第2のスペーサは、中実の管状部材を備える、条項162および163のいずれか一項に記載のシステム。
【0171】
条項165.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられている、条項144~164のいずれか一項に記載のシステム。
【0172】
条項166.医療装置送達システムであって、
コア部材と、
コア部材によって担持された結合アセンブリと、を備え、結合アセンブリは、
コア部材に回転可能に結合された第1の装置係合部材であって、陥凹によって分離された突出部を有する外面を含む、第1の装置係合部材と、
コア部材に結合され、かつ第1の装置係合部材の近位に、かつそれに隣接して配設されたコイルスペーサと、を備える、医療装置送達システム。
【0173】
条項167.コイルスペーサは、ゼロピッチコイルを備える、条項166に記載のシステム。
【0174】
条項168.コイルスペーサは、軸方向に実質的に非圧縮性である、条項166および167のいずれか一項に記載のシステム。
【0175】
条項169.コイルスペーサは、コア部材の周りに回転可能に結合されている、条項166~168のいずれか一項に記載のシステム。
【0176】
条項170.コイルスペーサは、近位端面と、遠位端面と、長手方向の軸に沿って近位端面と遠位端面との間に延在する外面と、を備え、近位端面および遠位端面は各々、実質的に平面状であり、かつコイルスペーサの長手方向の軸に直交している、条項166~169のいずれか一項に記載のシステム。
【0177】
条項171.コイルスペーサは、コア部材に結合された近位拘束具に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、条項166~170のいずれか一項に記載のシステム。
【0178】
条項172.コイルスペーサは、第1の装置係合部材に当接するように構成された平坦化された遠位端面を備える、条項166~171のいずれか一項に記載のシステム。
【0179】
条項173.コイルスペーサは、約1~2mmの長さを有する、条項166~172のいずれか一項に記載のシステム。
【0180】
条項174.コイルスペーサは、潤滑性材料でコーティングされている、条項166~173のいずれか一項に記載のシステム。
【0181】
条項175.潤滑性材料は、PTFEを備える、条項174に記載のシステム。
【0182】
条項176.コイルスペーサの外径は、第1の装置係合部材の陥凹直径以下である、条項166~175のいずれか一項に記載のシステム。
【0183】
条項177.第1の装置結合部材は、剛性プレートまたはスプロケットを備える、条項166~176のいずれか一項に記載のシステム。
【0184】
条項178.結合アセンブリは、剛性プレートまたはスプロケットを備える第2の装置係合部材をさらに備える、条項177に記載のシステム。
【0185】
条項179.コイルスペーサは、コイル構成に巻かれた正方形または長方形の断面を有するワイヤを備える、条項166~178のいずれか一項に記載のシステム。
【0186】
条項180.コイルスペーサは、コイル構成に巻かれたワイヤを備え、巻かれたワイヤは、いくつかの巻きを形成し、各々が、平坦な遠位面および近位面を有し、隣接する巻きの面は、互いに接触して、コイルスペーサが、短縮することなく、長手方向の圧縮荷重に耐えることを可能にする、条項166~179のいずれか一項に記載のシステム。
【0187】
条項181.コイルスペーサの近位で、かつそれに隣接するコア部材に結合された近位拘束具をさらに備え、近位拘束具の近位でのコイルスペーサの長手方向の移動を防ぐようにした、条項166~180のいずれか一項に記載のシステム。
【0188】
条項182.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2の装置係合部材をさらに備え、第2の装置係合部材は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む、条項166~181のいずれか一項に記載のシステム。
【0189】
条項183.第2の装置係合部材の遠位に配設された遠位拘束具をさらに備え、遠位拘束具は、コア部材に対して長手方向に固定されている、条項182に記載のシステム。
【0190】
条項184.第1の装置係合部材の最大半径方向寸法は、第1の装置係合部材の最大幅寸法の少なくとも5倍以上大きく、第2の装置係合部材の最大半径方向寸法は、第2の装置係合部材の最大幅寸法の少なくとも5倍以上大きい、条項182および183のいずれか一項に記載のシステム。
【0191】
条項185.第1の装置係合部材と第2の装置係合部材との1つ以上の突出部によって係合され、かつそれによってコア部材を介して遠位に前進可能であるように、コア部材に沿って延在する拡張可能な医療装置をさらに備える、条項182~184のいずれか一項に記載のシステム。
【0192】
条項186.医療装置は、ステントを備える、条項185に記載のシステム。
【0193】
条項187.結合アセンブリは、コア部材の周りに位置付けられ、かつ第1の装置係合部材と第2の装置係合部材との間に配設された第2のスペーサをさらに備える、条項182~186のいずれか一項に記載のシステム。
【0194】
条項188.第2のスペーサは、第2のコイルスペーサを備える、条項187に記載のシステム。
【0195】
条項189.第2のスペーサは、中実の管状部材を備える、条項187に記載のシステム。
【0196】
条項190.結合アセンブリは、コア部材の周りに回転可能に位置付けられている、条項166~189のいずれか一項に記載のシステム。
【0197】
条項191.コア部材は、体腔内で前進するように構成されている、条項166~190のいずれか一項に記載のシステム。
【0198】
条項192.カテーテル内で医療装置を前進させる方法であって、
コア部材をカテーテルの内腔内で遠位に移動させることであって、コア部材は、カテーテル内の医療装置の少なくとも一部と係合された結合アセンブリを担持し、結合アセンブリは、
コア部材によって回転可能に担持され、かつ医療装置と係合された突出部を備える第1の装置係合部材と、
コア部材によって担持され、かつ第1の装置係合部材の近位に位置付けられたコイルスペーサと、を含む、移動させることと、
コア部材を遠位に移動させることにより、医療装置をカテーテル内で遠位に移動させることと、
コア部材を遠位に移動させながら、コイルスペーサを長手方向に短縮することなく、コイルスペーサを介して、コア部材から遠位方向の力を第1の装置係合部材および医療装置に伝達することと、を含む、方法。
【0199】
条項193.医療装置は、ステントを備える、条項192に記載の方法。
【0200】
条項194.医療装置を遠位に移動させることは、医療装置をカテーテルから延在させて拡張させることをさらに含む、条項192および193のいずれか一項に記載の方法。
【0201】
条項195.装置がカテーテル内腔内に再捕捉されるように、医療装置を解放する前にコア部材を近位に後退させることをさらに含む、条項194に記載の方法。
【0202】
条項196.コア部材を近位に後退させる結果として、第1の装置係合部材は、ステントをカテーテル内腔内で近位に引き込む、第193~195項の一項に記載の方法。
【0203】
条項197.再捕捉の前に拡張された医療装置の部分は、ステントの長さの少なくとも50%である、条項195および196のいずれか一項に記載の方法。
【0204】
条項198.再捕捉の前に拡張された医療装置の部分は、ステントの長さの少なくとも75%である、条項195~197のいずれか一項に記載の方法。
【0205】
条項199.再捕捉の前に拡張された医療装置の部分は、ステントの長さの少なくとも90%である、条項195~198のいずれか一項に記載の方法。
【0206】
条項200.移動は、医療装置をコア部材に対して回転させることを含む、条項192~199のいずれか一項に記載の方法。
【0207】
条項201.カテーテルの屈曲部を通してコア部材およびコイルスペーサを前進させ、それによりコイルスペーサを屈曲させることをさらに含む、条項192~200のいずれか一項に記載の方法。
【0208】
条項202.コイルスペーサを屈曲させることは、コイルスペーサを介して、コア部材から遠位方向の力を第1の装置結合部材および医療装置に伝達しながらコイルスペーサを屈曲させることを含む、条項201に記載の方法。
【0209】
条項203.結合アセンブリは、コア部材によって回転可能に担持され、かつ医療装置と係合された突出部を備える第2の装置係合部材をさらに備える、条項192~202のいずれか一項に記載の方法。
【0210】
条項204.コア部材を遠位に移動させながら、コイルスペーサを介して、コア部材から遠位方向の力を第2の装置係合部材および医療装置に伝達することをさらに含む、条項203に記載の方法。
【0211】
条項205.結合アセンブリは、コア部材によって担持され、かつ第1の装置係合部材と第2の装置係合部材との間に位置する第2のスペーサをさらに備える、条項203および204のいずれか一項に記載のシステム。
【0212】
条項206.医療装置は、分流ステントを備え、ステントをカテーテルから動脈瘤にわたって展開させて、分流療法により動脈瘤を治療することをさらに含む、条項192~205のいずれか一項に記載の方法。
【0213】
本技術の追加的特徴および利点を以下の記載において説明する。一部はその記載から明らかになるか、あるいは本技術の実施によって習得され得る。本技術の利点は、詳細な説明および特許請求の範囲、ならびに添付の図面において特に指摘された構造によって実現および達成される。
【0214】
前述の一般的な記述と以下の詳細な記述とは、ともに例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲で請求された本技術にさらなる説明を加えることを意図していると理解されたい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
前記コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第1のプレートであって、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む第1のプレートと、
前記第1のプレートの近位に、かつそれに隣接して、前記コア部材の周りに位置付けられたコイルスペーサと、
ステントであって、前記ステントが前記第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合され、かつそれによって前記コア部材を介して遠位に前進可能であるように、前記コア部材に沿って延在する、ステントと、を備える、ステント送達システム。
(項目2)
前記コイルスペーサは、ゼロピッチコイルを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記コイルスペーサは、軸方向に実質的に非圧縮性である、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記コイルスペーサは、前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記コア部材に結合された近位拘束具をさらに備え、前記コイルスペーサは、前記近位拘束具に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記コイルスペーサは、前記第1のプレートに当接するように構成された平坦化された遠位端面を備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記コイルスペーサの外径は、前記第1のプレートの陥凹直径以下である、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記コイルスペーサは、コイル構成に巻かれた正方形または長方形の断面を有するワイヤを備える、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記コイルスペーサは、コイル構成に巻かれたワイヤを備え、前記巻かれたワイヤは、いくつかの巻きを形成し、各々が、平坦な遠位面および近位面を有し、隣接する巻きの面は、互いに接触して、前記コイルスペーサが、短縮することなく、長手方向の圧縮荷重に耐えることを可能にする、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2のプレートをさらに備え、前記第2のプレートは、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、前記第2のプレートの前記突出部のうちの1つ以上は、前記ステントが前記コア部材を介して遠位に前進可能であるように、前記ステントと係合する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記第2のプレートの遠位に配設された遠位拘束具をさらに備え、前記遠位拘束具は、前記コア部材に対して長手方向に固定されている、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに位置付けられ、かつ前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に配設された第2のスペーサをさらに備える、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記第2のスペーサは、第2のコイルスペーサを備える、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記第2のスペーサは、中実の管状部材を備える、項目12に記載のシステム。
(項目15)
医療装置送達システムであって、
コア部材と、
前記コア部材によって担持された結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材に回転可能に結合された第1の装置係合部材であって、陥凹によって分離された突出部を有する外面を含む、第1の装置係合部材と、
前記コア部材に結合され、かつ前記第1の装置係合部材の近位に、かつそれに隣接して配設されたコイルスペーサと、を備える、医療装置送達システム。
(項目16)
前記コイルスペーサは、ゼロピッチコイルを備える、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記コイルスペーサは、前記コア部材に結合された近位拘束具に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、項目15に記載のシステム。
(項目18)
前記コイルスペーサは、前記第1の装置係合部材に当接するように構成された平坦化された遠位端面を備える、項目15に記載のシステム。
(項目19)
前記コイルスペーサの外径は、前記第1の装置係合部材の陥凹直径以下である、項目15に記載のシステム。
(項目20)
前記第1の装置係合部材は、剛性プレートまたはスプロケットを備える、項目15に記載のシステム。
(項目21)
前記コイルスペーサは、コイル構成に巻かれた正方形または長方形の断面を有するワイヤを備える、項目15に記載のシステム。
(項目22)
前記コイルスペーサは、コイル構成に巻かれたワイヤを備え、前記巻かれたワイヤは、いくつかの巻きを形成し、各々が、平坦な遠位面および近位面を有し、隣接する巻きの面は、互いに接触して、前記コイルスペーサが、短縮することなく、長手方向の圧縮荷重に耐えることを可能にする、項目15に記載のシステム。
(項目23)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2の装置係合部材をさらに備え、前記第2の装置係合部材は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む、項目15に記載のシステム。
(項目24)
前記第1の装置係合部材と前記第2の装置係合部材との1つ以上の突出部によって係合され、かつそれによって前記コア部材を介して遠位に前進可能であるように、前記コア部材に沿って延在する拡張可能な医療装置をさらに備える、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに位置付けられ、かつ前記第1の装置係合部材と前記第2の装置係合部材との間に配設された第2のスペーサをさらに備える、項目23に記載のシステム。
(項目26)
ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
前記コア部材に沿って延在するステントであって、孔長によって特徴付けられる、ステントと、
前記コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材に回転可能に結合された第1のプレートであって、前記ステントと係合している3つ以上の突出部を有する外面を含む、第1のプレートと、
前記コア部材に回転可能に結合された第2のプレートであって、前記ステントと係合している3つ以上の突出部を有する外面を含む、第2のプレートと、を備え、
前記第1のプレートの前記突出部は、前記孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、前記第2のプレートの前記突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
(項目27)
送達構成において、前記第1のプレートの前記突出部は、第1の長手方向の位置で前記ステントの孔と係合され、前記第2のプレートの前記突出部は、第2の長手方向の位置で前記ステントの孔と係合され、前記第1の長手方向の位置と前記第2の長手方向の位置とは、前記第1の長手方向の距離だけ離間されている、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記第1のプレートのある突出部は、前記ステントの第1の孔と係合し、前記第2のプレートのある突出部は、前記ステントの第2の孔と係合し、前記第1の孔と前記第2の孔とは長手方向に隣接している、項目26に記載のシステム。
(項目29)
前記第1のプレートの前記突出部は、前記ステントの近位端から5孔長未満の位置で前記ステントと係合する、項目26に記載のシステム。
(項目30)
前記第1のプレートは、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、項目26に記載のシステム。
(項目31)
前記第2のプレートは、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、項目26に記載のシステム。
(項目32)
前記第1の長手方向の距離は、前記孔長の1%~50%に等しい減分だけ前記孔長の整数倍より短い、項目26に記載のシステム。
(項目33)
前記結合アセンブリは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間にスペーサをさらに備え、前記コア部材が直線の向きにあり、かつ前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが前記スペーサに当接しているとき、前記スペーサは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの前記突出部を前記第1の長手方向の距離で維持する、項目26に記載のシステム。
(項目34)
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの前記突出部は、前記ステントの孔内に突出することによって前記ステントと係合する、項目26に記載のシステム。
(項目35)
前記ステントの前記孔長は、前記ステントの外径が、前記ステントと前記結合アセンブリとを内包し、かつ前記第1および第2のプレートと前記ステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、項目26に記載のシステム。
(項目36)
前記ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
前記第1のプレートのある突出部は、前記ステントの第1の孔内に突出し、
前記第2のプレートのある突出部は、前記ステントの第2の孔内に突出し、
前記第1および第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ前記第1の孔と前記第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
前記第1のプレートの前記突出部は、前記フィラメント交差に向かう方向において、前記第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
前記第2のプレートの前記突出部は、前記フィラメント交差および前記第1のプレートの前記突出部に向かう方向において、前記第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、項目26に記載のシステム。
(項目37)
前記コア部材によって担持された近位拘束具をさらに備え、前記結合アセンブリは、前記近位拘束具の遠位に位置付けられている、項目26に記載のシステム。
(項目38)
ステント送達システムであって、
コア部材と、
前記コア部材に沿って延在するステントであって、複数の孔を備え、かつ孔長によって特徴付けられる、ステントと、
前記コア部材に担持された結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材に回転可能に結合された第1のステント係合部材であって、前記ステントの第1の複数の孔と係合する突出部を含む、第1のステント係合部材と、
前記コア部材に回転可能に結合された第2のステント係合部材であって、前記ステントの第2の複数の孔と係合する突出部を含む、第2のステント係合部材と、を備え、
前記第1のステント係合部材の前記突出部は、前記孔長の整数倍よりもわずかに短い第1の長手方向の距離だけ、前記第2のステント係合部材の前記突出部から長手方向に離間されている、ステント送達システム。
(項目39)
前記第1の複数の孔と前記第2の複数の孔とは、前記ステントの長さに沿って長手方向に隣接している、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記第1の複数の孔は、前記ステントの近位端から5孔長未満離れている、項目38に記載のシステム。
(項目41)
前記第1の係合部材は、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、項目38に記載のシステム。
(項目42)
前記第2の係合部材は、前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜するように構成されている、項目38に記載のシステム。
(項目43)
前記第1のステント係合部材と前記第2のステント係合部材とは、2孔長未満で離間されている、項目38に記載のシステム。
(項目44)
前記第1の長手方向の距離は、前記孔長の1%~50%に等しい減分だけ前記孔長の整数倍より短い、項目38に記載のシステム。
(項目45)
前記結合アセンブリは、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との間にスペーサをさらに備え、前記コア部材が直線の向きにあり、かつ前記第1の係合部材および前記第2の係合部材が前記スペーサに当接しているとき、前記スペーサは、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との前記突出部を前記第1の長手方向の距離で維持する、項目38に記載のシステム。
(項目46)
前記第1の係合部材と前記第2の係合部材との前記突出部は、前記ステントの孔内に突出することによって前記ステントと係合する、項目38に記載のシステム。
(項目47)
前記ステントの前記孔長は、前記ステントの外径が、前記ステントと前記結合アセンブリとを内包し、かつ前記第1および第2の係合部材と前記ステントとの係合を維持するカテーテルの内径と等しいときに達成される、項目38に記載のシステム。
(項目48)
前記ステントは、編組フィラメントを備える編組ステントであり、
前記第1の係合部材のある突出部は、前記ステントの第1の孔内に突出し、
前記第2の係合部材のある突出部は、前記ステントの第2の孔内に突出し、
前記第1および第2の孔は、長手方向に隣接しており、かつ前記第1の孔と前記第2の孔との間で長手方向に位置するフィラメント交差によって分離されており、
前記第1の係合部材の前記突出部は、前記フィラメント交差に向かう方向において、前記第1の孔の中心から長手方向にオフセットされており、
前記第2の係合部材の前記突出部は、前記フィラメント交差および前記第1の係合部材の前記突出部に向かう方向において、前記第2の孔の中心から長手方向にオフセットされている、項目38に記載のシステム。
(項目49)
前記コア部材によって担持された近位拘束具をさらに備え、前記結合アセンブリは、前記近位拘束具の遠位に位置付けられている、項目38に記載のシステム。
(項目50)
ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
前記コア部材に結合されたステント係合部材と、を備え、前記係合部材は、
近位端面と、
遠位端面と、
前記近位端面と前記遠位端面との間に延在する側面であって、前記側面は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を備え、前記突出部は、前記側面に沿って互いに不均一に離間されている、側面と、
前記近位端面および前記第2の端面を通って延在する開口部であって、前記コア部材は、前記係合部材が前記コア部材の周りを回転できるように前記開口部を通って延在する、開口部と、
前記コア部材に沿って、かつ前記係合部材の上に延在するステントと、を含む、ステント送達システム。
(項目51)
前記突出部は、前記ステントが前記係合部材と係合されているときに、各突出部が前記ステントの孔と実質的に整列するように、離間されている、項目50に記載のステント送達システム。
(項目52)
前記ステントは、48、54、または64本のワイヤを有する編組ステントを備える、項目50に記載のステント送達システム。
(項目53)
前記ステントは、前記ステントに沿った所与の長手方向の位置でその周囲に多数の孔を備え、前記孔の数は、前記係合部材の突出部の数によって均等に割り切れない、項目50に記載のステント送達システム。
(項目54)
前記陥凹は各々、曲率半径を有する凹部を備え、前記凹部の前記曲率半径は、前記複数の陥凹の間で異なる、項目50に記載のステント送達システム。
(項目55)
前記陥凹は各々、表面積を有する凹部を備え、前記凹部の前記表面積は、前記複数の陥凹の間で異なる、項目50に記載のステント送達システム。
(項目56)
前記陥凹は各々、角サイズを有し、前記陥凹は、角サイズが異なる、項目50に記載のステントの送達システム。
(項目57)
前記突出部は各々、前記ステントと係合するように構成された半径方向に最も外側の接触領域を備える、項目50に記載のステント送達システム。
(項目58)
各接触領域は、
中央部と、
前記中央部から第1の隣接陥凹に向かって延在する第1の肩部と、
前記中央部から第2の隣接陥凹に向かって延在する第2の肩部と、を含む、項目57に記載のステント送達システム。
(項目59)
前記中央部は、実質的に平面状の外面を備える、項目58に記載のステント送達システム。
(項目60)
前記係合部材は、約50~100ミクロンの間の厚さを有する、項目50に記載のステント送達システム。
(項目61)
突出部の数は、3~6の間である、項目50に記載のステント送達システム。
(項目62)
前記ステント係合部材はスプロケットを備える、項目50に記載のステント送達システム。
(項目63)
前記開口部は、前記係合部材が前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜し得るように構成されている、項目50に記載のステント送達システム。
(項目64)
ステント送達システム用のステント係合部材であって、
第1の端面と、
前記第1の端面の反対側の第2の端面と、
前記近位端面と前記遠位端面との間に延在する側面であって、前記側面は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を備え、前記突出部は、前記側面に沿って互いに不均一に離間されている、側面と、
前記近位端面および前記第2の端面を通って延在する中央開口であって、それを通して前記コア部材を受容するように構成されている中央開口と、を備える、ステント係合部材。
(項目65)
前記陥凹は各々、曲率半径を有する凹部を備え、前記凹部の前記曲率半径は、前記複数の陥凹の間で異なる、項目64に記載のステント係合部材。
(項目66)
前記陥凹は各々、角サイズを有し、前記陥凹は、角サイズが異なる、項目64に記載のステントの送達システム。
(項目67)
前記陥凹は各々、表面積を有する凹部を備え、前記凹部の前記表面積は、前記複数の陥凹の間で異なる、項目64に記載のステント係合部材。
(項目68)
前記突出部は各々、半径方向に最も外側の接触領域を備え、各接触領域は、
中央部と、
前記中央部から第1の隣接陥凹に向かって延在する第1の肩部と、
前記中央部から第2の隣接陥凹に向かって延在する第2の肩部と、を含む、項目64に記載のステント係合部材。
(項目69)
前記中央部は、実質的に平坦な外面を備える、項目68に記載のステント係合部材。
(項目70)
前記ステント係合部材の半径方向最大寸法は、前記ステント係合部材の厚さより少なくとも5倍大きい、項目64に記載のステント係合部材。
(項目71)
前記開口部は、前記係合部材が前記コア部材の長手方向の軸に対して傾斜し得るように構成されている、項目64に記載のステント係合部材。
(項目72)
ステント送達システムであって、
体腔内で前進するように構成されたコア部材と、
前記コア部材の周りに位置付けられた結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第1のプレートであって、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含む第1のプレートと、
前記第1のプレートの近位の前記コア部材上に位置付けられた押し要素であって、遠位向き係合面を有する、押し要素と、
前記第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合されるように、前記コア部材に沿って延在するステントであって、近位縁を有するステントと、を備え、
前記押し要素の前記遠位向き係合面は、前記ステントの前記近位縁に当接する、ステント送達システム。
(項目73)
前記押し要素は、遠位方向の力を前記ステントに伝達するが、近位方向の力を前記ステントに伝達しないように構成されている、項目72に記載のシステム。
(項目74)
前記結合アセンブリは、前記第1のプレートが近位方向の力を前記ステントに伝達するが、遠位方向の力を前記ステントにほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、項目72に記載のシステム。
(項目75)
前記結合アセンブリは、前記第1のプレートと前記押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサをさらに備える、項目72に記載のシステム。
(項目76)
前記第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、項目75に記載のシステム。
(項目77)
前記第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、項目76に記載のシステム。
(項目78)
前記第1のスペーサは、近位端面と、遠位端面と、長手方向の軸に沿って前記近位端面と前記遠位端面との間に延在する外面と、を備え、前記近位端面および前記遠位端面は各々、前記第1のスペーサの前記長手方向の軸に実質的に直交している、項目72に記載のシステム。
(項目79)
前記第1のスペーサは、前記押し要素に当接するように構成された平坦化された近位端面を備える、項目72に記載のシステム。
(項目80)
前記ステントは複数の開口を形成し、前記第1のプレートの前記突出部は、前記開口内に延在することによって、前記ステントと係合する、項目72に記載のシステム。
(項目81)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2のプレートをさらに備え、前記第2のプレートは、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、前記第2のプレートの前記突出部のうちの1つ以上は、前記ステントに形成された開口を介して前記ステントと係合する、項目72に記載のシステム。
(項目82)
シースまたはカテーテルをさらに備え、前記コア部材、結合アセンブリ、およびステントは、前記シースまたはカテーテル内に位置する、項目72に記載のシステム。
(項目83)
前記押し要素は、近位拘束部材を備える、項目72に記載のシステム。
(項目84)
医療装置送達システムであって、
コア部材と、
前記コア部材に担持された結合アセンブリと、を備え、前記結合アセンブリは、
前記コア部材に回転可能に結合された第1の装置係合部材であって、陥凹によって分離された突出部を有する外面を含む、第1の装置係合部材と、
前記第1の装置係合部材の近位の前記コア部材上に位置付けられた押し要素であって、遠位向き係合面を有する、押し要素と、を備える、医療装置送達システム。
(項目85)
前記第1のプレートの1つ以上の突出部によって係合されるように、前記コア部材に沿って延在する医療装置をさらに備え、
前記医療装置は、近位縁を有し、
前記押し要素の前記遠位向き係合面は、前記医療装置の前記近位縁に当接する、項目84に記載のシステム。
(項目86)
前記押し要素は、遠位方向の力を前記医療装置に伝達するが、近位方向の力を前記医療装置に伝達しないように構成されている、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記結合アセンブリは、前記第1の装置係合部材が近位方向の力を前記医療装置に伝達するが、遠位方向の力を前記医療装置にほとんどまたは全く伝達しないように構成されている、項目85に記載のシステム。
(項目88)
前記結合アセンブリは、前記第1の装置係合部材と前記押し要素との間に位置する剛性の第1のスペーサをさらに備える、項目84に記載のシステム。
(項目89)
前記第1のスペーサは、金属または剛性ポリマーの中実管を備える、項目84に記載のシステム。
(項目90)
前記第1のスペーサは、柔軟性を強化する切り込みがない、項目89に記載のシステム。
(項目91)
前記医療装置は複数の開口を形成し、前記第1の装置係合部材の前記突出部は、前記開口内に延在することによって、前記医療装置と係合する、項目85に記載のシステム。
(項目92)
前記結合アセンブリは、前記コア部材の周りに回転可能に位置付けられた第2の係合部材をさらに備え、前記第2の係合部材は、陥凹によって分離された3つ以上の突出部を有する外面を含み、前記第2の係合部材の前記突出部のうちの1つ以上は、前記医療装置に形成された開口を介して前記ステントと係合する、項目91に記載のシステム。
(項目93)
シースまたはカテーテルをさらに備え、前記コア部材、結合アセンブリ、および医療装置は、前記シースまたはカテーテル内に位置する、項目85に記載のシステム。
(項目94)
前記第1の装置係合部材は、プレートまたはスプロケットの形態を採る、項目84に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0215】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも縮尺どおりではない。代わりに、本技術の原理を明確に説明することに重点が置かれている。参照を容易にするために、本開示全体を通して、同一の参照番号を使用して、同一または少なくとも概ね同様または類似の構成要素または特徴を識別することがある。
【0216】
図1】いくつかの実施形態に従って構成された医療装置送達システムの概略図である。
図2】いくつかの実施形態による、医療装置送達システムの側面断面図である。
図3A】いくつかの実施形態による、ステント係合部材を有する結合アセンブリの拡大斜視図である。
図3B】上を覆うステントを備えた図3Aの結合アセンブリの拡大斜視図である。
図4】(図4Aおよび4B)それぞれ、図2~3Bに示す結合アセンブリのスペーサの側面図および側面断面図である。
図5】(図5A~5C)それぞれ、図2~3Bに示す結合アセンブリの個々の係合部材の側面図、上面図、および斜視図である。
図6A図3Bの係合部材およびステントの概略断面図である。
図6B図3Bに示すステントの一部の拡大詳細図である。
図7A】係合部材の別の実施形態の斜視図である。
図7B】上を覆うステントと係合された図7Aの係合部材の概略断面図である。
図8A】係合部材の別の実施形態の斜視図である。
図8B】上を覆うステントと係合された図8Aの係合部材の概略断面図である。
図9】(図9Aおよび9B)それぞれ、ステント係合部材の別の実施形態の側面図および底面図である。
図10】(図10Aおよび10B)それぞれ、ステント係合部材の別の実施形態の側面図および底面図である。
図11】(図11A~11C)異なる実施形態によるステント係合部材の一部の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0217】
従来のステント係合部材は、ステント(編組、編みまたは織りステント、またはレーザカットステント、または他の管状インプラントもしくは医療装置など)をカテーテルの内壁に対して固定するために摩擦嵌合に依存する柔軟な「パッド」を含む。このような摩擦嵌めパッドは、所与のステントを形成するために使用されるワイヤサイズ(もしくはワイヤサイズの組み合わせ)または管素材の側壁厚に基づいて変動し得る異なるステント側壁厚に対応するために、いくつかの異なるパッド直径を必要とする場合がある。つまり、所与のカテーテルサイズ内で、カテーテルに含有されている圧縮(編組、編み、織り、またはレーザカット)ステントの内径は、ワイヤのサイズ(直径)、または管素材の肉厚、および異なる展開サイズもしくは対象血管サイズに対応するステントの考えられる他のパラメータに基づいて、変動する。このため、様々なパッド直径を使用して、所望の範囲(例えば、パッド直径が約3.5~5ミリメートル)内の様々なステントサイズに対応する必要があり得るので、各種の直径のパッドをごく微小の許容誤差で製造することが求められる。本技術の実施形態は、単一サイズのステント係合部材を、所与のカテーテルサイズ(例えば、内径0.027インチ、0.021インチ、または0.017インチのカテーテル)内で比較的広い範囲のステント内径で使用することを可能にする。例えば、剛性プレート、スプロケット、または凹部によって分離された複数の突出部を有する部材を備えるステント係合部材を使用して、所与のカテーテル内の様々なステントサイズを固定することができる。
【0218】
本技術のいくつかの実施形態の特定の詳細を、図1図11Cを参照して、本明細書で説明する。実施形態の多くは、ステント、フィルタ、シャントまたはステントグラフトなどの管状インプラント、および他の医療装置の送達のための装置、システム、ならびに方法に関して説明されているが、本明細書に記載のものに加えて、他の用途および他の実施形態も、本技術の範囲内であり、代表的に開示されているようなステントの代わりに、本明細書に開示されているシステムの実施形態のいずれにおいても採用することができる。本明細書に開示されているものに加えて、他の実施形態も本技術の範囲内であることに留意されたい。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に図示または説明されたものとは異なる構成、構成要素、および/または手順を有し得る。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に図示または説明されたものに加えて、構成、構成要素、および/または手順を有することがあり、かつこれらおよび他の実施形態は、本明細書に図示または説明された構成、構成要素、および/または手順のいくつかを、本技術から逸脱することなく有さないことがある。
【0219】
本明細書で使用される「遠位」および「近位」という用語は、臨床医または臨床医の制御装置(例えば、送達カテーテルのハンドル)に対する位置または方向を定義する。例えば、「遠位」および「遠位に」という用語は、装置の長さに沿って、臨床医または臨床医の制御装置から遠い位置または遠ざかる方向を指す。関連する例では、「近位」および「近位に」という用語は、装置の長さに沿って、臨床医または臨床医の制御装置に近い位置または近づく方向を指す。本明細書で提供される見出しは、便宜上のものに過ぎず、開示された主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0220】
医療装置送達システムの結合アセンブリの選択例
図1~11Cは、限定されないが、ステントなどの医療装置を、血管などの中空解剖学的構造内に送達および/または展開するために使用され得る医療装置送達システムの実施形態を図示する。ステントは、編組ステント、または織りステント、編みステント、レーザカットステント、ロールアップステントなどの他の形態のステントを備え得る。ステントは、脳内もしくは頭蓋内の動脈を含む血管、または末梢動脈などの体内の他の箇所に見られるような動脈瘤を治療するための「分流」装置として機能するように任意選択的に構成され得る。ステントは、米国カリフォルニア州アーバインのMedtronic Neurovascular社が販売しているPIPELINE(商標)Embolization Deviceのバージョンまたはサイズのいずれかと任意に同様のものであってもよい。代替的に、ステントは、本明細書に記載されるように、任意の好適な管状医療装置および/または他の特徴を備え得る。いくつかの実施形態では、ステントは、「VASCULAR EXPANDABLE DEVICES」と題された2018年2月8日出願の米国特許出願第15/892,268号に記載されているステントのいずれか1つであってもよく、その全体は参照により本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を成す。
【0221】
図1は、本技術の実施形態に従って構成された医療装置送達システム100の概略図である。システム100は、カテーテル101を通してステント105を運ぶように構成されたコア部材またはコアアセンブリ103をスライド可能に受容する細長い管またはカテーテル101を備え得る。図示のカテーテル101は、患者の体内の治療部位に位置付けることができる近位領域107および反対側の遠位領域109と、近位領域107から遠位領域109まで延在する内腔111と、内腔111を画定する内部領域113と、を有する。遠位領域109において、カテーテル101は遠位開口115を有し、遠位開口115を通ってコア部材103が遠位領域109を越えて前進し、血管116内でステント105を拡張または展開することができる。近位領域107は、カテーテルハブ(図示せず)を含み得る。カテーテル101は、近位領域107と遠位領域109との間に延在する概ね長手方向の寸法を画定することができる。送達システム100が使用されているとき、長手方向の寸法は、その長さの一部またはいずれかに沿って直線である必要はない。
【0222】
コア部材103は、カテーテル101の内腔111を通って概ね長手方向に延在するように構成されている。コア部材103は概して、カテーテル101を通して、ステント105または他の医療装置を移動させるのに十分な可撓性および柱強度を有する任意の部材(複数可)を備え得る。したがって、コア部材103は、ワイヤ、管(例えば、ハイポ管)、ブレード、コイル、もしくは他の好適な部材、またはワイヤ(複数可)、管(複数可)、ブレード(複数可)、コイル(複数可)などの組み合わせを備え得る。
【0223】
システム100はまた、コア部材103に対して医療装置またはステント105を解放可能に保持するように構成された結合アセンブリ120または再被覆アセンブリ120を含み得る。結合アセンブリ120は、ステント105の孔およびフィラメントとの機械的連結、ステント105の近位端もしくは縁部の当接、ステント105の内壁との摩擦係合、またはこれらの動作形態の任意の組み合わせを介して、ステント105と係合するように構成され得る。したがって、結合アセンブリ120は、カテーテル101を覆う内面113と協働して、ステント105を把持および/またはステント105と当接することができ、それにより、結合アセンブリ120は、ステント105をカテーテル101に沿ってかつカテーテル101内で移動させることができ、例えばカテーテル101に対するコア部材103の遠位および/または近位の移動は、カテーテル内腔111内のステント105の対応する遠位および/または近位の移動をもたらす。
【0224】
結合アセンブリ120(またはその一部(複数可))は、いくつかの実施形態では、コア部材103の周りを回転するように構成され得る。そのようないくつかの実施形態では、結合アセンブリ120は、近位拘束具119および遠位拘束具121を備え得る。近位および遠位拘束具119、121をコア部材103に固定することで、コア部材103の長手方向の寸法に沿った結合アセンブリ120の近位または遠位移動を防止または制限することができる。例えば、近位および遠位拘束具119、121は、コアワイヤ103にはんだ付けまたは接着剤で固定することができる。近位および遠位拘束具119、121の一方または両方は、結合アセンブリ120全体の外径または他の半径方向最外寸法より小さい外径または他の半径方向最外寸法を有していてもよく、それによって、拘束具119、121の一方または両方は、システム100の動作中にステント105の内面に接触しない。(いくつかの実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、近位拘束具119は、ステント105の近位端に当接するようなサイズを有していてもよく、送達中にステントを遠位に押すために使用され得る)。遠位拘束具121は、コア部材103に向かって遠位方向で先細になっていてもよい。この先細りは、特に、システム100が高度に湾曲した構成を採り得る蛇行した脈管構造の移動中に、遠位拘束具121がステント105の内面に接触するリスクを低減することができる。
【0225】
結合アセンブリ120はまた、近位および遠位拘束具119、121間でコア部材103の周りに配設された、第1および第2のステント係合部材(または装置係合部材、または再被覆部材)123a~123b(総称して「係合部材123」)と、第1および第2のスペーサ125a~125b(総称して「スペーサ125」)と、を含み得る。図示の実施形態では、近位から遠位に向かって、結合アセンブリ120の要素は、近位拘束具119と、それに続いて第1のスペーサ125aと、第1のステント係合部材123aと、第2のスペーサ125bと、第2のステント係合部材123bと、最後に遠位拘束具121と、を含む。この構成では、第1のスペーサ125aは、第1の係合部材123aと近位拘束具119との相対的な位置付けを画定する。第2のスペーサ125bは、第1の係合部材123aと第2の係合部材123bとの間の相対的な長手方向の間隔を画定する。
【0226】
以下でより詳細に説明するように、スペーサ125の一方または両方は、結合アセンブリ120の隣接する構成要素を長手方向に分離するためにコア部材103上に取り付けることのできるワイヤコイル、中実管、または他の構造要素の形態を採ることができる。いくつかの実施形態では、スペーサ125の一方または両方は、図4Aおよび4Bに関して以下でより詳細に説明するように、平坦な端部を備えたゼロピッチコイルであってもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ125の一方または両方は、コア部材103に回転可能に取り付けられ得るか、または回転不能に固定され得る(例えば、はんだ付けされ得る)中実管(例えば、レーザカット管)であってもよい。スペーサ125は、スペーサ125がシステム100の通常の動作中にステント105と接触しないように、係合部材123の半径方向最外寸法よりも小さい半径方向最外寸法を有していてもよい。以下でより詳細に説明するように、スペーサ125の寸法、構造、および構成は、結合アセンブリ120とそれを覆うステント105との間のグリップを改善するように選択することができる。
【0227】
図3A、3B、および5A~11Cに関して以下でより詳細に説明するように、ステント係合部材123の一方または両方は、それを通してコア部材103を受容するように構成された中央開口部を有する剛性プレート、スプロケットまたは部材であってもよい。ステント係合部材123は、ステント105と機械的に連結または係合するように構成され、それにより、ステント係合部材123は、ステント105がコア部材103に対して長手方向に移動することを抑制する。
【0228】
図1に示されている実施形態は、2つのステント係合部材123および2つのスペーサ125を含むが、ステント係合部材およびスペーサの数は変動してもよい。少なくとも1つの実施形態では、結合アセンブリ120は、スペーサなしで単一のステント係合部材のみを含む。他の実施形態では、ステント係合部材の数は、例えば、スペーサによって分離された2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上に変動し得る。
【0229】
図1に示されている結合アセンブリ120の実施形態では、近位拘束具119は、ステント105の近位端または近位縁に当接するように構成されている。この構成では、近位拘束具119を使用して、コア部材103に加えられる遠位方向の押し力に応じて、カテーテル101を通して、ステント105を遠位に移動(例えば、押す)することができる。そのような近位拘束具119は、カテーテル101の内径よりわずかに小さい直径を有することができ、近位拘束具119の外縁とカテーテル101の内壁との間に小さな円周方向または半径方向の隙間を残す。さらに、近位スペーサ125aの長さは、ステント105の近位端が近位スペーサ119の遠位面に当接するような寸法にすることができる。
【0230】
近位拘束具119がステント105を遠位に押すように構成されている場合、近位拘束具はそれに応じて、ステント係合部材(複数可)123の代わりに全体的または部分的に、遠位長手方向(押し)力の一部、ほとんど、または全てをステント105に伝達する。そのような構成では、ステント105がカテーテルの長さに沿って遠位に送達される間、ステント係合部材123は、ほとんどまたは全く押し力をステント105に伝達することができない。これにより、係合部材を使用してステント105に力を伝達し、カテーテル101内でステント105を移動させるときに、ステント係合部材(複数可)123が、それが係合しているステント105の孔を変形させる傾向を低減または排除するので、有利である。このように近位拘束具119を使用してステント105を移動させることにより、上述の孔の変形を伴う場合があるコア部材103に対するステント105の長手方向の移動を低減または排除することもできる。たいていの場合、カテーテル101内でのステント105の移動の大半は、治療部位への送達中は、遠位または「押し」方向であり、対照的に、ステント105の再被覆に伴う比較的短距離の移動は、近位または「引き」方向である。したがって、近位拘束具119を、押し力のほとんどまたは全てをステント105に伝達するように構成することにより、このようなステントの変形および/または相対的な長手方向の動きを大幅に低減または実質的に排除することができる。
【0231】
したがって、図1の結合アセンブリ120は、近位拘束具119を押し要素として使用して、送達中に少なくとも一部、またはほとんど、または全ての遠位方向の押し力をステント105に伝達することができる。このような結合アセンブリ120では、ステント係合部材(複数可)123は、送達中にいかなる遠位方向の押し力もステント105に伝達しない(またはそのような力のごく一部のみを伝達するか、または断続的にのみ伝達する)。後退または再被覆中、ステント係合部材(複数可)123は、近位方向の引張力をステント105に伝達することができ、近位拘束具119は、近位方向の引張力をステントに伝達することができない(または時々、または断続的に伝達してもよい。例えば、ステント105の一部が近位拘束具119の外縁とカテーテル101の内壁との間に引っ掛かったときなど)。
【0232】
図1の結合アセンブリ120のいくつかの実施形態では、第1のスペーサ125aは、剛性管であってもよい。このような剛性管は、金属または剛性ポリマーなどの剛性材料の中実(例えば、スパイラルカットまたは周期的弓形カットなどの柔軟性を高めるカットがなされていない)管を備え得る。第1のスペーサ125aとして剛性管を使用すると、送達システムが蛇行する経路を通って前進するにつれて、近位拘束具119と第1のスペーサ125aとの接合部の周りで送達システム100が横方向に屈曲するのを低減または排除する傾向がある。この領域において屈曲がなければ、近位拘束具119を押し要素として使用して、送達中に遠位方向の押し力をステント105に伝達するうえで有利であり得る。屈曲が生じると、近位拘束具119の遠位面とステント105の近位端との係合が不十分となり、例えば、ステントの周囲の一部に沿ってのみ係合するようになる可能性がある。これにより、ステントの小さな部分にのみ押し力が集中する、および/または近位拘束具の外縁とカテーテル101の内壁との間の半径方向間隙にステントが滑り込む可能性がある。これらの不具合の状態はいずれも、デリバリーシステムの機能に悪影響を及ぼすか、ステントを損傷するか、またはその両方の可能性がある。
【0233】
いくつかの実施形態では、ステント係合部材(複数可)123は、カテーテル101に対するステント105の遠位および近位移動の両方に用いられる。係合部材(複数可)123は、遠位方向の力をステント105に伝達して、送達中にカテーテル101内で遠位に移動させ、かつ近位方向の力をステント105に伝達して、再被覆中にカテーテル101内で近位に移動させる。そのような実施形態では、近位拘束具119は、比較的小さな外径で作製され、および/または送達中に近位拘束具119が遠位方向の押し力をステント105に伝達するのを防ぐために、ステント105の近位端の十分な近位に位置付けることができる。
【0234】
動作中、ステント105は、コア部材103および結合アセンブリ120を介して、カテーテル101内で遠位または近位に移動させることができる。ステント105をカテーテル101の外に移動させるには、カテーテル101を静止させた状態でコア部材103を遠位に移動させるか、またはカテーテル101を近位方向に引き抜く間、コア部材103を静止させた状態に保つ。コア部材103が遠位に移動すると、近位拘束具119の遠位面は、ステント105の近位端または近位縁を圧迫し、ステントを遠位に前進させ、そして最終的にはカテーテル101の遠位領域109の外に前進させる。(ステント係合部材(複数可)123を使用してステント105に押し力を伝達する実施形態では、コア部材103に対する遠位方向の力の印加に応じて、ステント係合部材123とステント105との間の機械的係合または連結により、ステント105がカテーテル101内を遠位に移動し、さらにカテーテル101の外へ移動する)。反対に、ステント105をカテーテル101内に再被覆または移動させる場合、コア部材103とカテーテル101との相対移動は、ステント105をカテーテルの外に移動させる場合とは逆向きになり、遠位拘束具121の近位領域は第2のスペーサ125bの遠位領域を圧迫し、それによりスペーサ125およびステント係合部材123がカテーテル101に対して後退する。よって、ステント係合部材123とステント105との機械的係合は、コア部材103に対してステント105を保持し、それによりカテーテル101に対するステント105の近位移動がステント105のカテーテル101の遠位領域109への再被覆を可能にする。これは、ステント105が部分的に展開され、ステント105の一部が少なくとも1つのステント係合部材123(例えば、第1のステント係合部材123a)とカテーテル101の内面113との間に配設されたままである場合に有用である。なぜなら、コア部材103をカテーテル101に対して近位に移動させる(および/またはカテーテル101をコア部材103に対して遠位に移動させる)ことにより、ステント105をカテーテル101の遠位開口115に引き戻すことができるからである。このような再被覆は、ステント係合部材123および/またはカテーテル101が、第1のステント係合部材123aがカテーテル101の遠位開口115を超え、ステント105が第1のステント係合部材123aとカテーテル101との間から解放される点まで移動するまでは可能である。
【0235】
ステント係合部材123およびスペーサ125(または本明細書に開示された係合部材またはスペーサのいずれか)は、コア部材103に固定して、長手方向/スライド方式で、および/または半径方向/回転方式で、コア部材103に対して不動にすることができる。代替的に、スペーサ125および/またはステント係合部材123は、コア部材103に結合させる(例えば、取り付ける)ことができ、それにより、スペーサ125および/またはステント係合部材123は、コア部材103の長手方向の軸の周りを回転することができ、および/またはコア部材103に沿って長手方向に移動またはスライドすることができる。そのような実施形態では、スペーサ125および/またはステント係合部材123は各々、内部にコア部材103を受容する内腔または開口部を有することができ、それによってスペーサ125および/またはステント係合部材123はコア部材103に対してスライドおよび/または回転することができる。加えて、そのような実施形態では、近位および遠位拘束具119、121は、スペーサ125およびステント係合部材123を合わせた長さよりわずかに大きい長手方向の距離だけコア部材103に沿って離間させることができ、それにより、第1および第2のスペーサ125a~bそれぞれと、近位および遠位拘束具119、121との間に1つ以上の長手方向の間隙を残すことができる。長手方向の間隙(複数可)が存在する場合、スペーサ125およびステント係合部材123は、拘束具119、121の間でコア部材103に沿って長手方向にスライドすることができる。拘束具119、121間のスペーサ125およびステント係合部材123の長手方向の可動範囲は、長手方向の間隙(複数可)があれば、その合計の長さにほぼ等しい。
【0236】
長手方向の間隙(複数可)の代わりに、またはそれに加えて、結合アセンブリ120は、コア部材103の外面とスペーサ125およびステント係合部材123の内面との間に半径方向の間隙を含み得る。このような半径方向の間隙は、スペーサ125および/またはステント係合部材123が、コア部材103の対応する部分の外径よりも幾分大きい穴を伴って構成される場合に形成することができる。半径方向の間隙が存在する場合、スペーサ125および/またはステント係合部材123は、拘束具119、121の間でコア部材103の長手方向の軸の周りを回転することができる。スペーサ125およびステント係合部材123のいずれかの側に少なくとも最小サイズの長手方向の間隙が存在する場合も、スペーサ125およびステント係合部材123の回転を促進することができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、ステント係合部材123は、コア部材103に取り付けることができ、それによりコア部材103の長手方向の軸に対して、ステント係合部材123の回転運動だけでなく、ある程度の傾斜も可能になる。例えば、ステント係合部材123の穴は、コア部材103の対応する部分の外径よりも大きくすることができ、それにより、コア部材103に対する回転運動および傾斜の両方が可能になる。本明細書で使用される「傾斜」という用語は、ステント係合部材123の長軸(すなわち、ステント係合部材123の最長寸法に沿って延在し、ステント係合部材123の近位向きおよび遠位向き端面に実質的に平行である軸)は、コア部材103の長手方向の軸に対して非直交であることを意味する。例えば、1つの傾斜した構成では、第1のステント係合部材123aの長軸は、コア部材103と約85度で交差することができ、5度の傾斜を示す。ステント係合部材123およびコア部材103の寸法に応じて、許容される傾斜の程度は異なることがある。いくつかの実施形態では、ステント係合部材123の一方または両方は、コア部材103に対して、30度以下、20度以下、10度以下、または5度以下だけ傾斜することができる。いくつかの実施形態では、ステント係合部材123の一方または両方は、コア部材に対して、少なくとも5度、少なくとも10度、少なくとも20度以上傾斜することができる。
【0238】
ステント係合部材123の一方または両方をコア部材103に対して傾斜可能にすることによって、結合アセンブリ120は、送達システム100が高度に湾曲した状態を呈する蛇行した解剖学的構造をよりよく移動することができる。加えて、ステント係合部材123の傾斜は、上を覆うステント105の部分的に展開された状態からの再被覆を容易にすることができる。例えば、ステント105の一部がカテーテル101の遠位端113を越えて遠位に移動したとき、ステント105は部分的に展開された状態となることができ、それによって、ステント105は第2のステント係合部材123bからは解放されているが、第1のステント係合部材123aとは係合したままである。この部分的に展開された状態から、カテーテル101を結合アセンブリ120に対して遠位に前進させることによって(または、代替的に、カテーテル101に対してコア部材103および結合アセンブリ120を近位に後退させることによって)、ステント105を再被覆または再捕捉することができる。この移動中、ステント105がカテーテル101に対して近位に移動するにつれて、ステント105はその長さに沿って潰れ始め、最後にカテーテル101の内径に対応する外径を呈し、第2のステント係合部材123bと係合する。結合アセンブリ120に対してカテーテルが遠位の移動を続けると、第2のステント係合部材123bは、最終的にカテーテル101の内腔111内に受容され、ステント105は、ステント係合部材123bと連結し、カテーテルによってその関係で保持される。第2のステント係合部材123bが最初にカテーテル101の遠位端113に接触すると、第2のステント係合部材123bの近位向き端面がカテーテル101の遠位端113に当接し、それにより第2のステント係合部材123bがカテーテル101の内腔111内に後退するのを阻害するリスクがある。第2のステント係合部材123bをコア部材103に対して傾斜可能にすることにより、第2のステント係合部材123bの近位向き端面がカテーテル101の遠位端に当接すると、第2のステント係合部材123bが傾斜して、第2のステント係合部材223bの少なくとも一部がカテーテル101の内腔111に容易に進入することを可能にすることができる。いったん第2のステント係合部材123bの少なくとも一部が内腔111内に位置付けられると、結合アセンブリ120は後退し続け、最終的に第2のステント係合部材123bが完全に内腔111内に受容され、ステント105を完全に再被覆または再捕捉することができる。
【0239】
図2は、本技術の実施形態に従って構成された医療装置送達システム200の別の実施形態の側面断面図である。送達システム200は、ステント(または他の血管インプラントまたは装置)205をその上に担持して、図1に関して上述した動作と同様に、周囲のカテーテルを通して患者の標的部位まで前進させるように構成し得る。(明確にするために、図2では周囲のカテーテルの図示は省略している)。送達システム200は、カテーテルの遠位端に対して遠位に前進させて、ステント205を標的部位で拡張または展開することができる。
【0240】
送達システム200は、任意の数のカテーテルとともに使用することができる。例えば、カテーテルは、任意選択的に、米国カリフォルニア州アーバインのMedtronic Neurovascular社から入手可能なMARKSMAN(商標)カテーテルの様々な長さのいずれかを備え得る。カテーテルは、任意選択的に、約0.030インチ以下の内径、および/または遠位領域の近くで3フレンチ以下の外径を有するマイクロカテーテルを備え得る。これらの仕様の代わりに、またはこれらに加えて、カテーテルは、内頸動脈、または内頸動脈の遠位の神経血管系内の別の部位に経皮的にアクセスするように構成されたマイクロカテーテルを備え得る。
【0241】
送達システム200は、カテーテルの内腔を通って概ね長手方向に延在するように構成されたコア部材またはコアアセンブリ202を備え得る。コア部材202は、近位領域204と、任意選択的に先端コイル208を含み得る遠位領域206と、を有していてもよい。コア部材202はまた、近位領域204と遠位領域206との間に位置する中間部分210を備え得る。中間部分210は、コア部材202が図2に示すように展開前の構成にあるときにステント205がその上またはそれ全体に延在するコア部材202の部分である。
【0242】
コア部材202は、概して、周囲のカテーテルを通してステントまたは他の医療装置を移動させるのに十分な可撓性および柱強度を有する任意の部材(複数可)を備え得る。したがって、コア部材202は、ワイヤ、管(例えば、ハイポ管)、ブレード、コイル、もしくは他の好適な部材(複数可)、またはワイヤ(複数可)、管(複数可)、ブレード(複数可)、コイル(複数可)などの組み合わせを備え得る。図2に示すコア部材202の実施形態は、その長さの少なくとも一部に沿ってワイヤ212を取り囲む管214を伴うワイヤ212を備える、マルチ部材構造である。PTFE(ポリテトラフルオロエチレンもしくはTEFLON(登録商標))または他の潤滑性ポリマーなどの潤滑性材料の層を備え得る外層218は、管214および/またはワイヤ212の一部または全てを覆うことができる。ワイヤ212は、その長さの一部または全てに沿って、先細りになり得るか、または直径が変動し得る。ワイヤ212は、1つ以上のフルオロセーフマーカー(図示せず)を含んでいてもよく、そのようなマーカー(複数可)は、外層218によって覆われていない(例えば、外層218の近位の)ワイヤ212の部分に位置することができる。マーカー(複数可)によってマークされた、および/または任意の外層218の近位にある、ワイヤ212のこの部分は、むき出しの金属外面を備え得る。
【0243】
コア部材202は、ステント205をコア部材202と相互接続することができる近位結合アセンブリ220および/または遠位界面アセンブリ222をさらに備え得る。近位結合アセンブリ220は、ステント205と機械的に係合または連結するように構成された1つ以上のステント係合部材223a~b(総称して「係合部材223」)を備え得る。このようにして、近位結合アセンブリ220は、周囲のカテーテル(図示せず)の上を覆う内面と協働してステント205を把持し、それによって、ユーザがコア部材202を遠位に押し、および/またはコア部材をカテーテルに対して近位に引っ張るにつれて、近位結合アセンブリ220は、例えばステント205をカテーテルに沿って、かつカテーテル内で移動させることができ、その結果、カテーテル内腔内のステント205の対応する遠位および/または近位の移動がもたらされる。
【0244】
近位結合アセンブリ220は、いくつかの実施形態では、図1に関して上述した結合アセンブリ120の任意のバージョンまたは実施形態と同様であってもよい。例えば、近位結合アセンブリ220は、コア部材202に(例えば、図示の実施形態では、そのワイヤ212に)固定された近位および遠位拘束具219、221を含んでいてもよく、それによりコア部材202に対して長手方向/スライド方式または半径方向/回転方式のいずれかにおいて、不動とすることができる。近位結合アセンブリ220はまた、スペーサ225a~b(総称して「スペーサ225」)によって分離された複数のステント係合部材223を含み得る。ステント係合部材223およびスペーサ225は、コア部材202に結合する(例えば、取り付ける)ことができ、それにより近位結合アセンブリ220は、コア部材202の(例えば、中間部分210の)長手方向の軸の周りを回転することができ、および/またはコア部材202に沿って長手方向に移動またはスライドすることができる。いくつかの実施形態では、近位拘束具219は、第1のスペーサ225aの外径以上の外径を有する実質的に円筒形の本体を備える。遠位拘束具221は、コア部材202に向かって遠位に先細になっていてもよい。この先細りは、特にシステム200が高度に湾曲した構成を採り得る蛇行した脈管構造の移動中に、遠位拘束具221が上を覆うステント205の内面に接触するリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、遠位拘束具221は、近位結合アセンブリ220全体の外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有していてもよく、それによって遠位拘束具221は、上を覆うステント205の内面に接触し難くなる。
【0245】
図2に示す近位結合アセンブリ220では、ステント205は、近位結合アセンブリ220を介して、上を覆うカテーテル(図示せず)内で遠位または近位に移動することができる。いくつかの実施形態では、図1の結合アセンブリ120に関して上述したのと同様の方法で、カテーテルの遠位開口からステント205を部分的に展開した後、近位結合アセンブリ220を介してステント205を再被覆することができる。
【0246】
近位結合アセンブリ220は、図1に図示する結合アセンブリ120の実施形態と同様の方法で構成され、機能し得る。具体的には、近位拘束具219の外径および第1スペーサ225aの長さを適切に寸法調整することにより、近位拘束具219を押し要素として機能させることができ、それにより近位拘束具219の遠位面がステント105の近位端または縁に当接する。近位結合要素220がそのように配置されると、近位拘束具219は、送達中に少なくとも一部、またはほとんど、または全ての遠位方向の押し力をステント205に伝達することができ、ステント係合部材(複数可)223は、送達中に遠位方向の押し力をステント205に伝達しない(またはそのような力のごく一部のみを伝達するか、または断続的にのみ伝達する)。後退または再被覆中、ステント係合部材(複数可)223は、近位方向の引張力をステント205に伝達することができ、近位拘束具219は、近位方向の引張力をステントに伝達することができない(または時々、または断続的に伝達してもよい。例えば、ステント205の一部が近位拘束具219の外縁とカテーテルの内壁との間に引っ掛かったときなど)。また、図1に示す結合アセンブリ120と同様に、近位結合アセンブリ220が押し要素として構成された近位拘束具219を含むとき、第1のスペーサ225aは、任意選択的に中実管の形態を採ることができる。
【0247】
近位結合アセンブリ220は、近位拘束具219がステント205に当接するように構成することができ、それにより近位拘束具219を押し要素として使用することができるが、図2ならびに3Aおよび3Bでは結合アセンブリ220は異なる構成で図示されている。図示の構成は、本明細書の他の箇所で説明しているように、ステント205の遠位(送達)および近位(再被覆)運動の両方においてステント係合部材223の使用を伴う。
【0248】
任意選択的に、近位結合アセンブリ220の近位縁は、送達構成にあるステント205の近位縁のすぐ遠位に位置付けることができる。いくつかのそのような実施形態では、これにより、ステントのわずか数ミリメートルがカテーテル内に残っているときに、ステント205を再被覆することが可能になる。したがって、典型的な長さのステントを使用すると、75%以上の再被覆性を実現することができる(つまり、ステントの75%以上が展開されているときに、ステントを再被覆できる)。
【0249】
引き続き図2を参照して、遠位界面アセンブリ222は、例えば、遠位装置カバーまたは遠位ステントカバー(総称して、「遠位カバー」)の形態を採ることができる遠位係合部材224を備え得る。遠位カバー224は、ステント205(例えば、その遠位部分)と周囲のカテーテルの内面との摩擦を低減するように構成することができる。例えば、遠位カバー224は、ステント205の少なくとも一部および/またはコア部材202の中間部分266にわたって延在し得る第1の自由端部またはセクション224aと、コア部材202に(直接的または間接的に)結合され得る第2の固定端部またはセクション224bとを有する潤滑性、可撓性構造として構成することができる。
【0250】
遠位カバー224は、遠位カバーが遠位先端264に対して近位に、または第2のセクション224bまたはコア部材202へのその(直接または間接)取り付け部分から近位に延在し得る第1または送達位置、構成、または配向を有することができ、かつステント205の遠位部分を少なくとも部分的に取り囲むかまたは覆うことができる。遠位カバー224は、第1または送達配向から第2または再被覆位置、構成、または配向(図示せず)に移行可能であってもよい。その場合、遠位カバーの第1の端部224aが遠位カバー224の第2の端部224bに対して遠位に位置付けられるように、遠位カバーは裏返しになってもよい。それによって、ステント205を担持しているか、またはステント205を伴わないコア部材202の再被覆が可能になる。図2に示すように、遠位カバー224の第1のセクション224aは、第2のセクション224bの近位端から生じ得る。別の実施形態では、第1のセクション224aは、第2のセクション224bの遠位端から生じ得る。
【0251】
遠位カバー224は、PTFEまたはTeflon(登録商標)などの潤滑性および/または親水性材料を使用して製造され得るが、他の好適な潤滑性材料または潤滑性ポリマーからも製造され得る。遠位カバーはまた、放射線不透過性を付与するために主材料(例えば、PTFE)に混合され得る放射線不透過性材料を備え得る。遠位カバー224は、約0.0005インチ~約0.003インチの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、遠位カバーは、約0.001インチの厚さを有するPTFEの1つ以上の細片であり得る。
【0252】
遠位カバー224(例えば、その第2の端部224b)は、コア部材202(例えば、そのワイヤ212または遠位先端)に固定されて、コア部材202に対して、長手方向/スライド方式または半径方向/回転方式のいずれかにおいて、不動とすることができる。代替的に、図2に図示するように、遠位カバー224(例えば、その第2の端部224b)は、コア部材202に結合する(例えば、取り付ける)ことができ、それによって、遠位カバー224は、コア部材202の(例えば、ワイヤ212の)の長手方向の軸の周りを回転することができ、および/またはコア部材に沿って長手方向に移動またはスライドすることができる。そのような実施形態では、第2の端部224bは、遠位カバー224がコア部材202に対してスライドおよび/または回転できるように、コア部材202をその内部に受容する内腔を有し得る。加えて、そのような実施形態では、遠位界面アセンブリ222は、コア部材202に固定され、かつ遠位カバー224(の第2の端部224b)の近位に位置する近位拘束具226、および/または、コア部材202に固定され、かつ遠位カバー224(の第2の端部224b)の遠位に位置する遠位拘束具228をさらに備え得る。遠位界面アセンブリ222は、コア部材202の(例えば、ワイヤ212の)外面と第2の端部224bの内面との間に半径方向の間隙を備え得る。このような半径方向の間隙は、第2の端部224bが、コア部材202の対応する部分の外径よりも幾分大きい内腔径で構成されているときに形成され得る。半径方向の間隙が存在する場合、遠位カバー224および/または第2の端部224bは、拘束具226、228の間でコア部材202の長手方向の軸の周りを回転することができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、近位および遠位拘束具226、228の一方または両方は、遠位カバー224の(例えば、展開前の)外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有していてもよく、それによって、拘束具226、228の一方または両方は、コア部材202の動作中にカテーテルの内面に載るまたは接触しない傾向を有する。代替的に、拘束具226および228の外径を、展開前の遠位カバー224の半径方向最大寸法より大きくすること、および/または近位拘束具226の外径を、遠位拘束具228の外径より大きくすることが好ましいこともある。この構成により、遠位カバー224および拘束具226、228をステント展開後のカテーテルに容易かつ円滑に回収することが可能になる。
【0254】
動作中、遠位カバー224、特に第1のセクション224aは、ステント205が周囲のカテーテルを通って遠位に移動する際、概ねステント205の遠位領域を覆って保護することができる。遠位カバー224は、例えば、ステント205および/またはカテーテルを損傷させ得るか、あるいはステント205の構造的完全性を損ない得る、カテーテルの内面に対するステント205(ステントが編組ステントを備える場合)の遠位領域のフィラメント端の接触を妨げる支承層または緩衝層として機能することができる。遠位カバー224は、潤滑性材料で作製することができるので、遠位カバー224の摩擦係数を低くすることができ、それによりステントの遠位領域がカテーテル内で比較的容易に軸方向にスライドすることができる。遠位カバーとカテーテルの内面との間の摩擦係数は、約0.02~約0.4とすることができる。例えば、遠位カバーおよびカテーテルがPTFEから形成される実施形態では、摩擦係数を約0.04とすることができる。そのような実施形態は、コア部材202が特に蛇行した脈管構造内のカテーテルを通過する能力を有利に改善することができる。
【0255】
本明細書に記載の遠位カバー224の実施形態以外の構造を、コア部材202および/または遠位界面アセンブリ222で使用して、ステント205の遠位領域を覆うか、そうでなければステント205の遠位領域とかみ合わせてもよい。例えば、長手方向に向けられ、近位方向に開いた内腔を有する保護コイルまたは他のスリーブを採用してもよい。他の実施形態では、遠位界面アセンブリ222は、遠位カバー224を省いてもよく、または遠位カバーは、近位結合アセンブリ220と同様の構成要素と置き換えてもよい。遠位カバー224を採用する場合、(例えば、遠位先端コイル208の巻きの一部または全部を包むか、もしくは取り囲むことによって)コイル208に接続してもよく、または接着剤もしくは周囲の収縮管でコイルの外面に接着してもよく、結合してもよい。遠位カバー224は、ワイヤ212などのコア部材202の他の部分に(直接的または間接的に)結合してもよい。
【0256】
回転可能な近位結合アセンブリ220と回転可能な遠位カバー224の両方を採用するコア部材202の実施形態では、ステント205は、近位結合アセンブリ220と遠位カバー224との接続により、コア部材202に対してその長手方向の軸の周りで回転可能である。そのような実施形態では、ステント205、近位結合アセンブリ220および遠位カバー224は、このようにしてコア部材202の周りでともに回転することができる。ステント205がコア部材202の周りで回転することができる場合、血管がステント205および/またはコア部材202をねじる傾向がコア部材202の周りのステント205、近位結合アセンブリ220、および遠位カバー224の回転によって打ち消されるので、コア部材202は蛇行した血管中をより容易に前進することができる。さらに、ユーザが投入する押し力がステント205および/またはコア部材202のねじれに転用されないので、必要な押し力または送達力が減少する。ねじれたステント205および/またはコア部材202が、ねじれ状態から抜け出たときまたはステント205の展開時に突然ほどけるか、もしくは「飛び出す」傾向、またはねじれたステントが展開時に拡張しない傾向も、低減または排除される。さらに、コア部材202のいくつかのそのような実施形態では、特に先端コイル208が応力を受けていない構成である角度で曲げられている場合、ユーザは、コイル208を介してコア部材202を「操縦」することができる。そのようなコイル先端は、コア部材202の遠位領域206を回転させることにより、ステント、結合アセンブリ220および/または遠位カバー224に対してシステム200の長手方向の軸を中心に回転させることができる。よって、ユーザは、コア部材202の所望の移動方向にコイル先端208を向けることができ、コア部材が前進すると、先端は、選択された方向にコア部材を案内する。
【0257】
図3Aは、医療装置送達システム200の結合アセンブリ220の拡大斜視図であり、図3Bは、ステント205が上を覆う結合アセンブリ220を図示している。結合アセンブリ220は、第1および第2のスペーサ225a~225bに隣接するコア部材202の上に取り付けられた第1および第2の係合部材223a~223bを含む。近位拘束具219は、最も近位のスペーサ225aの近位に配設され、遠位拘束具221は、最も遠位の係合部材223bの遠位に配設される。図3Bに示すように、第1および第2のステント係合部材223aおよび223bは、例えば、その孔内に突出することによって、ステント205と連結することができる。これにより、係合部材223は、上を覆うカテーテル(図示せず)と協働して、ステント205を固定することができる。
【0258】
図4Aおよび4Bはそれぞれ、結合アセンブリ220の第1のスペーサ225aとして、または本明細書に開示されている結合アセンブリもしくは送達システムの任意の実施形態の任意のスペーサとして機能し得るスペーサ構成の側面図および断面図である。少なくともいくつかの実施形態では、第1のスペーサ225aは、コア部材202がそこを通って延在する中央内腔232を画定するワイヤコイル230を含む。コイル230は、近位端面234と、反対側の遠位端面236とを有し得る。端面234、236は、実質的に平面状であり、コイル230の長手方向軸に実質的に直交していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、端面234、236は、スペーサ225aの長軸に実質的に直交する平面状の表面を提供するために、研削、研磨、または他の方法で平坦化することができる。これにより、平面状の表面が近位拘束具219と近位端面234との接触面積を増加させ、かつスペーサ225aの遠位端面236と第1のステント係合部材223aとの接触面積を増加させるので、システム200全体の押し込み性または柱強度を向上させることができる。
【0259】
いくつかの実施形態では、コイルワイヤ230は、拘束されていない状態で、コイル230の各巻線がコイル230の隣接する巻線と直接接触するように構成されたゼロピッチコイルである。そのような実施形態では、コイル230は、概して送達システム200の使用中に受ける力の下で軸方向に沿って実質的に非圧縮性を有していてもよい。この非圧縮性により、中実管スペーサの押し込み性をもたらすと同時に、コイルの屈曲の柔軟性を実現することができる。コイル230の屈曲の間、コイル230の巻線の1つ以上は、屈曲運動に対応するために互いに部分的に分離するようになってもよい。外力がなければ、コイル230は、その非拘束状態(すなわち、ゼロピッチを有する状態)に戻ることができる。
【0260】
図4Aおよび4Bを引き続き参照すると、コイル230の内腔232は、コア部材202の対応する外径よりもわずかに大きい内径IDを画定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、内腔232は、約0.008インチ~0.02インチ、または約0.0160インチ~0.018インチ、または約0.0165インチ~0.017インチの直径を有していてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、コイル230は、コア部材202に対して自由に回転することができる。他の実施形態では、例えば、はんだ、接着剤、または他の取り付け技法を使用して、コイル230の全部または一部をコア部材202に取り付けることにより、コイルワイヤ230をコア部材202に対して回転固定することができる。いくつかの実施形態では、コイル230は、ステント係合部材223(図3Aおよび3B)の半径方向最外径よりも小さい半径方向最外径(OD)を有していてもよく、それによって、送達システム200の通常の動作中は、コイル230は上を覆うステント205と接触しない。いくつかの実施形態では、コイル230の半径方向最外径ODは、約0.008インチ~0.02インチ、または約0.016インチ~0.018インチ、または約0.0165インチ~0.017インチであってもよい。
【0261】
いくつかの実施形態では、コイル230を形成するワイヤは、約0.0015~0.006インチ、または約0.005インチの個々の厚さまたはストランド直径SD(図4B)を有していてもよい。コイル230を形成するワイヤは、その長さに沿って正方形または長方形の断面を有していてもよい。このような正方形または長方形の断面により、ワイヤは、遠位方向および近位方向に面する平坦な表面を有する巻きを形成することができる。長手方向に隣接する平坦な表面は互いに接触し、表面の平坦な性質は、長手方向の圧縮荷重の下で安定した非屈曲構造をもたらす。同時に、スペーサの全体的なコイル構成は、屈曲荷重の下で柔軟かつ屈曲可能である。スペーサ225の長手方向の長さLは、近位拘束具219と第1のステント係合部材223a(図3Aおよび3B)との間の所望の位置付けに従って変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、長手方向の長さLは、約0.03インチ~0.05インチ、または約0.036インチ~0.042インチ、または約0.039インチであってもよい。他の実施形態では、上述のように、第1のスペーサ225aは、剛性管および/または中実管であってもよい。
【0262】
いくつかの実施形態では、第2のスペーサ225bは、第1のスペーサ225aと同様に構成することができ、すなわち、第2のスペーサ225bは、コア部材202上に回転可能に取り付けられたゼロピッチコイルなどのコイルとすることもできる。他の実施形態では、第2のスペーサ225bは、中実の管状部材であってもよい。第2のスペーサ225bは、実質的に円筒形の外面、実質的に平面状の近位端面および遠位端面、ならびにそれを通してコア部材202をスライド可能に受容するように構成された内腔を有し得る。以下でより詳細に説明するように、第2のスペーサ225bはまた、第1の係合部材223aおよび第2の係合部材223bを所望の量だけ分離する長手方向の長さを有するように構成してもよい。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、第2のスペーサ225bは、第1の係合部材223aが第2の係合部材223bから、例えば上を覆うステント205の孔ピッチの約1~3倍だけ分離されるような長さ、例えば、いくつかの実施形態では、上を覆うステント205の孔長にほぼ等しい長さを有することができる。
【0263】
いくつかの実施形態では、第1のスペーサ225aおよび/または第2のスペーサ225bは、潤滑性材料、例えば、PTFE、パリレン、または他のコーティングでコーティングすることができる。コーティングは、スペーサ225の外面に沿って、内部の内腔(例えば、コイル230の内腔232)内、またはその両方に施すことができる。いくつかの実施形態では、潤滑性コーティングは、コア部材202に対するスペーサ225の回転性を改善し、かつスペーサ225が送達システム200の使用中にこれらの構成要素に接触した場合に、スペーサ225と上を覆うステント205またはカテーテルとの間の摩擦を低減することもできる。
【0264】
図5A~5Cはそれぞれ、図3Aおよび3Bに示す結合アセンブリ220のステント係合部材223の側面図、端面図、および斜視図である。図6Aは、上を覆うカテーテル267内でステント205と係合するステント係合部材223の概略断面図であり、図6Bは、ステント205の一部の拡大詳細図である。図示のステント205は編み組みされており(本明細書の他の箇所で開示されたような、他のタイプのステントを使用してもよい)、フィラメント、ワイヤまたはストラットによって境界が定められ、かつフィラメント、ワイヤ、もしくはストラットが交差する点(例えば、編組装置または織り装置の場合)または交わる点(例えば、レーザカット装置の場合)によって分離される複数の孔265を形成するメッシュ263を含む。
【0265】
図3A、3B、および5A~6Bをともに参照して、ステント係合部材223の各々は、第1および第2の端面251、253と、第1および第2の端面251、253の間に延在する側面255とを伴うプレート状またはスプロケット状の構成を有していてもよい。組み立てられた送達システム200においては、第1および第2の端面251、253は、コア部材202の長軸に対して実質的に直交して配向かつ維持することができる(または係合部材は、本明細書の他の箇所で論じているように、所望の程度に傾斜するように構成することができる)。これは、スペーサ225を、各スペーサ225の長手方向の軸(および/またはコア部材202)に対して直交する遠位端面および近位端面で構成することによって、および/または結合アセンブリ220のステント係合部材とスペーサとの間の長手方向の移動空間(または「遊び」)の量を最小限にすることによって、達成することができる。各ステント係合部材は、陥凹259によって分離された複数の半径方向に延在する突出部257を形成する。図示の実施形態では、4つの陥凹259によって分離された4つの突出部257がある。しかしながら、他の実施形態では、突出部の数は異なっていてもよく、例えば、対応する数の陥凹によって分離された2、3、4、5、6、7つ、またはそれ以上の突出部であってもよい。
【0266】
いくつかの実施形態では、突出部257は丸みのある縁または凸部を含み、陥凹259は丸みのある窪みまたは凸部を含む。送達システム200の使用中、丸みのある縁は、上を覆うカテーテル267の内壁に対する突出部257の擦過を低減することができ、それにより、微粒子の生成およびカテーテル267の損傷を低減する。送達システム200が、図示のステント205などの編組ステントを伴って使用される場合、陥凹259は、編組ワイヤ交差の厚さに対応するサイズにすることができ、それによって各突出部257は、ステント205の隣接するワイヤ交差間の孔265内に少なくとも部分的に延在し得、かつ孔265を取り巻くワイヤ交差は、ステント係合部材の陥凹259内に少なくとも部分的に受容され得る。他の実施形態では、突出部および/または陥凹は、例えば、突出部257によって形成されるより鋭いまたはより平坦な頂部を有する他の形態を採ることができる。
【0267】
各ステント係合部材223は、それを通してコア部材202を受容するように構成された開口または中央開口部261を含み得る。開口部261の開口は、ステント係合部材223がコア部材202の長軸の周りを回転できるように、コア部材202の直径よりも大きくすることができる。上記のように、いくつかの実施形態では、開口部261は、コア部材202の長手軸に対して係合部材223のある程度の傾斜を可能にするために、コア部材202の直径よりも十分に大きくすることができる。
【0268】
ステント係合部材223は、比較的薄いおよび/またはプレート状もしくはスプロケット状の構成を有するように作製することができる。そのような構成は、ステント205の孔265の内側に適合するのに十分に小さい突出部257の形成を容易にすることができる。それによって、ステント係合部材223は、第1および第2の端面251、253に沿った最大半径方向寸法または直径Dと、側面255に沿って測定された厚さTとによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、直径Dは、厚さTよりも少なくとも5倍大きい。少なくとも1つの実施形態では、厚さTは、約25~200ミクロン、または50~100ミクロン、例えば、約80ミクロンである。
【0269】
ステント205を周囲のカテーテルに沿って効果的に押すまたは引くために、ステント係合部材223は、(例えば、送達システムの典型的な使用で受ける力によって非圧縮性であるように)剛性にすることができる。ステント係合部材223の剛性は、それらの材料組成、それらの形状/構造、またはその両方に起因する可能性がある。いくつかの実施形態では、ステント係合部材223は、金属(例えば、ステンレス鋼、ニチノールなど)もしくは剛性ポリマー(例えば、ポリイミド、PEEK)、またはその両方から作製される。いくつかの実施形態では、ステント係合部材が剛性材料から作製されている場合でさえも、構造的特徴に基づいて、ステント係合部材自体は非剛性で、かつ少なくとも部分的に圧縮可能であってもよい。
【0270】
上記のように、スペーサ225は、ステント係合部材223の最大外径よりも小さい外径を有する実質的に円筒体であってもよい。いくつかの実施形態では、スペーサ225は、スペーサ225がコア部材202の上に回転可能に取り付けられることを可能にするサイズおよび構成の中央開口部を含む。前述のように、スペーサ225は、コア部材202の長軸に直交する端壁を有していてもよい。これらの直交する端壁は、コア部材202に対するステント係合部材223の直交配向を保ち、ステント205との係合の喪失を防止するのを助けることができる。(代替的に、係合部材は、本明細書の他の箇所で論じているように、所望の程度に傾斜するように構成してもよい。)上述のように、いくつかの実施形態において、第1および第2のスペーサ225aおよび225bの一方または両方は、コア部材225a、例えばゼロピッチコイルの上に取り付けられる円筒体を画定するワイヤコイルであってもよい。他の実施形態では、第1および第2のスペーサ225aおよび225bの一方または両方は、他の形態、例えば、コア部材202に結合された中実の円筒管または他の要素の形態を採ることができる。
【0271】
いくつかの実施形態では、結合アセンブリ220は、ステント205の近位部分のみ(例えば、最も近位の5%、最も近位の10%、最も近位の20%、近位の半分のみなど)と係合するように構成されてもよい。他の実施形態では、結合アセンブリ220は、実質的にその全長に沿ってステント205と係合することができる。
【0272】
ステント係合部材223は、各突出部257が少なくとも部分的に孔265の1つ内に受容されるように、ステント205と機械的に連結または係合することができる。いくつかの実施形態では、第1の係合部材223aは、例えば、ステントの近位端から5孔もしくは5孔長未満の位置、またはステント205の近位端から3孔または3孔長未満の位置などで、ステント205の近位部分と係合することができる。スペーサ225は、隣接するステント係合部材223(例えば、第1のステント係合部材223aと隣接する第2のステント係合部材223bと)の突出部257が、ステント205の「孔長」(または「孔ピッチ」)と実質的に等しい距離(本明細書では、ステントが、ステントの外径がカテーテルの内径に等しい圧縮された構成であるときに、長手方向に隣接し、かつ重なり合わない孔265の中心間の長手方向の距離として定義される)だけ、または、いくつかの実施形態では、ステント205の孔長の整数倍だけ長手方向に離間されているような長さで構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ステントがカテーテル267の内径にあるとき、第1および第2のステント係合部材223aおよび223bは、ステント205の孔長の約1~3倍の間で離間されている。それによって、各突出部は、ステント205の孔265の1つ内に延在し、これと係合することができる。
【0273】
図6Bは、複数の孔265a~265dを含むステント205の一部分の概略図である。上記のように、ステント係合部材223の突出部257は、ステント205の個々の孔265と係合することができる。いくつかの実施形態では、隣接するステント係合部材223は、ステント205の長手方向に隣接する孔265と係合する。本明細書で使用する場合、「長手方向に隣接する」とは、2つの孔の間には長手方向に介在する孔がないことを意味する。しかしながら、長手方向に隣接する孔は、半径方向に隣接していなくてもよい。例えば、ステントの周囲の「12時」の位置にある第1の孔は、ステントの周囲の「6時」の位置(または、その間の周囲の任意の点)にある第2の孔に、長手方向で、2つの間に介在する孔がない場合、長手方向に隣接することができる。例えば、図6Bを参照すると、第1の孔265aは、第2の孔265b、第3の孔265c、および第4の孔265dの各々に長手方向に隣接している。しかしながら、第1の孔265aは、第5の孔265eに長手方向に隣接していない。その2つの間に介在する孔があるためである。他の実施形態では、隣接するステント係合部材223は、長手方向に隣接しないが、1つ以上の介在する孔、例えば第1の孔265aおよび第5の孔265eによって長手方向に離間されている孔と係合する。したがって、第1および第2のステント係合部材223aおよび223bは、ステント205の孔ピッチに対応する長手方向の距離、または孔ピッチの整数倍に対応する長手方向の距離だけ互いに離間され得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、第1および第2のステント係合部材223aおよび223bの間の長手方向の間隔は、孔長よりわずかに小さくてもよく(例えば、孔長より50%小さい、40%小さい、30%小さい、20%小さい、10%小さい、もしくは5%小さいなど)、または孔長の整数倍よりわずかに小さくてもよい(例えば、単一の孔長の50%、40%、30%、20%、10%、もしくは5%に等しい減少分だけ小さいなど)。第1および第2のステント係合部材223aおよび223bの間のこのわずかに小さい間隔は、第1および第2の係合部材223aおよび223bの突出部257間の長手方向の「遊び」または係合部材間に位置付けられたワイヤ交差(複数可)もしくは交点(複数可)を最小化することにより、ステント205に対するグリップを改善することができる。結果として、コア部材の長手方向の移動は、対応するステントの長手方向の移動を最少遅延および高精度で引き起こす。例えば、コア部材(および/またはそれによって担持された係合部材(複数可))の近位移動は、係合部材(複数可)をステントの近位移動の開始前のステントに対して第1のラグ距離だけ移動させた状態で、ステントの近位移動を引き起こす。第1のラグ距離は、ステントの孔長の40%以上、または孔長の33%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、もしくは5%以下であってもよい。そのような第1の孔長の代わりに、またはそれに加えて、コア部材(および/またはそれによって担持された係合部材(複数可))の遠位移動は、係合部材(複数可)をステントの遠位移動の開始前のステントに対して第2のラグ距離だけ移動させた状態で、ステントの遠位移動を引き起こす。第2のラグ距離は、ステントの孔長の40%以上、または孔長の33%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、もしくは5%以下であってもよい。
【0275】
突出部257と孔265との間の相互作用は、ステント係合部材223と孔265との間に機械的連結を生成することができる。これは、ワイヤ交差を含め、全体としてステントを弾力的に押す従来の圧縮性パッドとは対照的である。少なくともいくつかの実施形態では、ステント係合部材223によって提供される機械的連結は、ステント205のワイヤ交差を押すことなくステント205を固定する。いくつかの実施形態では、ステント係合部材223は、所与のカテーテルサイズ内(例えば、0.017インチ、0.021インチまたは0.027インチのカテーテル(内径)内)で様々な異なるステントサイズを固定するように構成されている。
【0276】
ステント係合部材223は、実質的に剛性の材料、例えば、金属、生体適合性ポリマー(例えば、PEEK)、または他の好適な材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、ステント係合部材223は、ステンレス鋼で作製することができ、レーザカットに続いて電解研磨を使用して製造することができる。例えば、所望の厚さ(例えば、約100ミクロンの厚さ)を有するステンレス鋼のシートから複数の係合部材をレーザカットすることができる。電解研磨は、得られたステント係合部材の厚さを、例えば、100ミクロンから約80ミクロンにさらに減少させることができる。他の実施形態では、ステント係合部材は、他の技術、例えば射出成形、化学エッチング、または機械加工を使用して製造することができる。
【0277】
図2~6の送達システム200の様々な構成要素は、図1の送達システム100にも組み込むことができ、またその逆も可能であることに留意されたい。例えば、結合アセンブリ220の開示された実施形態のいずれも、送達システム100の結合アセンブリ120として採用することができる。同様に、ステント係合部材223の実施形態のいずれも、送達システム100のステント係合部材(複数可)123として採用することができ、および/またはスペーサ225の実施形態のいずれも、送達システム100のスペーサ(複数可)125として採用することができる。本明細書で論じる多くの実施形態は、2つの係合部材223を含むが、他の実施形態では、送達システム200は、追加のスペーサによって互いに分離された3つ、4つ、またはそれ以上の係合部材を含み得る。そのような追加の係合部材の間隔は、規則的であってもよく、不規則的であってもよい。例えば、一実施形態では、上を覆うステントの遠位領域に係合するように構成された位置に第3の係合部材を設けることができ、一方で第1および第2の係合部材は、上を覆うステントの近位領域のみに係合する。
【0278】
結合アセンブリ用のステント係合部材の追加の例
様々な実施形態では、結合アセンブリのステント係合部材は、追加の形態を採ることができる。例えば、突出部の数、突出部および陥凹の輪郭、選択された材料、および寸法は全て、結合アセンブリの所望の動作を達成するために変化し得る。図7A図11Cは、ステント係合部材の様々な代替的な実施形態を示している。これらのステント係合部材は、図1~6に関して上述した結合アセンブリ120および220に組み込み、かつそれらと組み合わせることができる。さらに、これらのステント係合部材の態様は、これらのステント係合部材のいずれか1つの特徴(例えば、突出部または陥凹などの数)を、本明細書に開示された他のステント係合部材のいずれかの特徴(例えば、接触領域の幅、突出部の間隔など)と組み合わせることができるように、組み合わせかつ混合することができる。いくつかの実施形態では、所与の結合アセンブリの個々のステント係合部材は、形状、サイズ、および構造が実質的に同一であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、個々のステント係合部材の特性は、異なるサイズ、形状、または材料構造を有するなど、単一の結合アセンブリ内で変化し得る。例えば、単一の結合アセンブリは、所与の数の突出部を有する第1のステント係合部材と、異なる数の突出部を有する第2のステント係合部材とを有することができる。
【0279】
図7Aは、ステント係合部材723の別の実施形態の斜視図を示し、図7Bは、カテーテル767内に配設された上を覆うステント705と係合された図7Aのステント係合部材723の断面図である。係合部材723の実施形態は、係合部材723が3つの陥凹759によって分離された3つの突出部757を含むことを除いて、係合部材223に関して上述したものと同様であってもよい。係合部材723は、上を覆うステント705と係合して機械的に連結し、周囲のカテーテル767は、ステントの連結された部分がカテーテルを出るまで、そのような係合を維持するのを助ける。ステント705は、メッシュ763を含み、メッシュ763は、メッシュ763のワイヤ、フィラメント、ストラットなどが交差する(例えば、編組ステントの場合)または交わる(例えば、レーザカットステントの場合)点によって分離された複数の孔765を画定する。半径方向に延在する突出部757は各々、隣接する交差点または交点の間でステント705の孔765内に少なくとも部分的に延在することができ、孔765を囲む交差点または交点は、ステント係合部材723の陥凹759内に少なくとも部分的に受容され得る。他の実施形態では、突出部および/または陥凹は、例えば、突出部759によって形成されるより鋭いまたはより平坦な頂部を有する他の形態を採ることができる。ステント係合部材723は、それを通してコア部材またはコアアセンブリを受容するように構成された開口または中央開口部761を含む。開口部761の開口は、ステント係合部材763がコア部材の長軸の周りを回転できるように、コア部材の直径よりも大きくすることができる。上記のように、いくつかの実施形態では、開口部761は、コア部材の長手軸に対して係合部材723のある程度の傾斜を可能にするために、コア部材の直径よりも十分に大きくすることができる。
【0280】
図8Aは、ステント係合部材823の別の実施形態の斜視図であり、図8Bは、カテーテル867内に配設された上を覆うステント805と係合された図8Aのステント係合部材823の断面図である。係合部材823の実施形態は、係合部材823が6つの陥凹859によって分離された6つの突出部857を含むことを除いて、係合部材223および723に関して上述したものと同様であってもよい。ステント805は、メッシュのワイヤ、フィラメント、ストラットなどが交差または交わる点によって分離された複数の孔865を画定するメッシュ863を含む。半径方向に延在する突出部857は各々、隣接する交差点または交点の間でステント805の孔865内に少なくとも部分的に延在することができ、孔865を囲む交差点または交点は、ステント係合部材823の陥凹859内に少なくとも部分的に受容され得る。他の実施形態では、突出部および/または陥凹は、例えば、突出部859によって形成されるより鋭いまたはより平坦な頂部を有する他の形態を採ることができる。中央開口部861は、それを通してコア部材またはコアアセンブリを受容するように構成することができ、かつステント係合部材823がコア部材に対して回転および/または傾斜することを可能にするサイズにすることができる。
【0281】
上を覆うステント705、805の特定の構造に応じて、いくつかの実施形態では、ステント係合部材723、823の突出部757、857は、係合部材の周りに半径方向に均一に離間させることができる。例えば、図7Bに関して、各突出部759の中心点は、次の突出部759から120度だけ離間させることができる。同様に、図8Bに示すように、ステント係合部材823の6つの突出部857は、各突出部857が隣接する突出部857から60度だけ離間されるように、係合部材823の周りに半径方向に均一に離間させることができる。編組ステントでは、ストランドの数によって、ステントの特定の長手方向の位置に沿って半径方向に整列した利用可能な孔の数が決まる。例えば、図7Bおよび8Bはそれぞれ、ステント係合部材723および823と係合された48ワイヤ編組ステント705、805の断面図である。48ワイヤステント705、805は各々、ステント705、805の周囲に24個の孔765、865を画定する。いくつかの実施形態では、各突出部757、857を孔765、865と位置合わせすることにより、ステント係合部材723、823が上を覆うステント705、805と連結する強度、ならびに全体的な機械的嵌合および適合性が改善される。したがって、突出部757、857を、上を覆うステント705、805の孔765、865と位置合わせすることが有利であり得る。図7Bのステント705は、24個の孔765を含み、かつ24個の孔は三等分できるため、ステント係合部材723の3つの突出部757は、各々が孔765の1つと位置合わせされる一方で、半径方向に均一に離間させることができる。同様に、図8Bのステント805は、24個の孔865を含み、かつ24個の孔は六等分できるため、ステント係合部材823の6つの突出部857は、各々が孔865の1つと位置合わせされる一方で、半径方向に均一に離間させることができる。他の実施形態では、突出部の数は、2つ、4つ、または8つであってもよく、突出部は、ステント係合部材の周りに離間させることができる。
【0282】
他の実施形態では、ステント係合部材の突出部の数、ならびに上を覆うステントによって画定される孔の数および/または位置は、突出部の半径方向の等間隔を不利にするようになる場合がある。例えば、48本のワイヤ(および24個の孔)を伴う編組ステントは5つの突出部を有するステント係合部材とともに使用できる。その場合、これらの突出部は係合部材の周りに均一に離間させることはできないが、それでも各々はステントの孔と位置合わせされる。別の例として、54本のワイヤを伴う編組ステントは、ステントの特定の長手方向の位置に27個の孔を画定する。27個の孔は4つ、5つ、または6つの突出部の間で等分できないため、代わりに突出部を半径方向に不均一に離間させてもよい。さらに別の例では、64ワイヤステントには32個の孔を有しているため、3つ、5つ、または6つの突出部の間で等分することはできない。これらの場合の各々において、ステント係合部材に、係合部材の周囲で互いに不均一に離間された突出部を設けることが有利となる場合がある。同様に、レーザカットステントの場合、孔は装置の周囲で半径方向に均一に離間できないことがあり、半径方向に不均一に離間されたステント係合部材であれば、そのようなステントを伴って有用となり得る。
【0283】
図9A~10Bは、不均一に離間された突出部を伴うそのようなステント係合部材の2つの実施形態を示す。本明細書に記載のステント係合部材923、1023の実施形態は、少なくともいくつかの実施形態が不均一に離間された突出部を含み得ることを除いて、上記のステント係合部材123、223、723、および823と同様であってもよい。図9Aおよび図9Bはそれぞれ、6つの陥凹959a~959fによって分離された6つの突出部957a~957fを含むステント係合部材923の側面図および底面図である。図9Aに示すように、陥凹959a~959fは、突出部959a~959fが係合部材923の周辺に均一に離間されないように、互いに異なる形状およびサイズにすることができる。例えば、第1の突出部957aと第2の突出部957bとの間隔または角距離は、第2の突出部957bと第3の突出部957cとの間隔または角距離よりも小さい。一例では、第1の突出部957aと第2の突出部957bとの間の角度は55.8度とすることができ、第2の突出部957bと第3の突出部957cとの間の角度は68.5度とすることができる。この多様な間隔は、例えば、個々の陥凹959a~959fの構造を変化させることによって達成することができる。例えば、各陥凹959a~959fは、隣接する突出部959a~959fの間で内向きに湾曲する凹面を含み得る。特定の陥凹は、他の突出部よりも大きな表面積および/または大きな曲率半径を有することができ、それによって隣接する突出部間の半径方向の間隔を広げる。例えば、第2の陥凹959bは、第1の陥凹959aよりも大きい表面積およびより大きい曲率半径の両方を有する。この構造により、第1の突出部957aと第2の突出部957bとの間隔は、第2の突出部957bと第3の突出部957cとの間隔よりも小さくなる。図示の実施形態では、第1の陥凹959a、第3の陥凹959c、第4の陥凹9859d、および第6の陥凹959dは同様に、隣接する突出部間に約55.8度の対応する半径方向の間隔をもたらすように構成される一方、第2の陥凹959bおよび第5の陥凹959eは同様に、隣接する突出部間に約68.5度の対応する半径方向の間隔をもたらすように構成されている。これにより、特定の軸を中心に半径方向の対称性がもたらされる一方で、上を覆うステントとの係合を改善するための不均一な間隔ももたらされる。他のバリエーションも可能であり、隣接する突出部間の特定の角度は、各突出部957a~957fが上を覆うステントの孔内に突出するかまたは機械的に連結するように構成されるような範囲内で変化させることができる。
【0284】
図9Bで最もよく分かるように、係合部材923は、対向する第1および第2の端面951、953を含み、その2つの間に側面955が延在する。突出部957a~957fおよび凹部959a~959fは全て、側面955に沿って配設することができる。いくつかの実施形態では、第1の端面951と側面955との交点に形成された縁、および第2の端面953と側面955との交点に形成された縁は、両方とも丸くすることができる。特に、少なくとも一部の実施形態では、係合部材923のこれらの最も外側の部分のみが、上を覆うステントまたはカテーテルと接触する(またはそれ以外の場合は係合する)ため、突出部957a~957fの縁を丸くすることができる。これらの表面の間に鋭い縁がある例(例えば、2つの平面状かつ直交する表面の間がほぼ直角)とは対照的に、丸い縁は、上を覆うカテーテルが係合部材923に対して移動するときに、カテーテルの内壁に対する擦れを低減し、損傷および粒子状物質の発生を減少させることができる。
【0285】
図10Aおよび10Bはそれぞれ、5つの凹部1059a~1059eによって互いに不均一に離間された5つの突出部1057a~1057eを伴うステント係合部材1023の別の実施形態の側面図および底面図である。陥凹1059a~1059eは、突出部1059a~1059eが係合部材1023の周辺に均一に離間されないように、互いに異なる形状およびサイズにすることができる。むしろ、第1の突出部1057aと第2の突出部1057bとの間の角度、および第1の突出部と第5の突出部1057eとの間の角度は各々、約78.8度とすることができる。それに対して、第2の突出部1057bと第4の突出部1059bとの間の角度、および第4の突出部1057dと第5の突出部1057eとの間の角度は各々、約67.7度とすることができる。最後に、第3の突出部1057cと第4の突出部1057dとの間の角度は、約66.9度とすることができる。この多様な間隔は、個々の陥凹1059a~1059eの構造を変化させることによって達成することができる。例えば、第1の凹部1059aは、第2の凹部1059bよりも表面積と曲率半径の両方が大きいため、第1の突出部1057aと第2の突出部1057bとの間隔は、第2の突出部1057bと第3の突出部1057cとの間隔よりも大きくなる。他のバリエーションも可能であり、隣接する突出部間の特定の角度は、各突出部1057a~1057eが上を覆うステントの孔内に突出するかまたは機械的に連結するように構成されるような範囲内で変化させることができる。
【0286】
図10Bで最もよく分かるように、係合部材1023は、対向する第1および第2の端面1051、1053を含み、その2つの間に側面1055が延在する。突出部1057a~1057eおよび凹部1059a~1059eは全て、側面1055に沿って配設することができる。図9Bを参照して上述したように、いくつかの実施形態では、第1の端面1051と側面1055との交点に形成され、第2の端面1053と側面1055との交点に形成された縁は丸くすることで、上を覆うカテーテルまたはステントの摩擦および損傷を低減することができる。
【0287】
図11A図11Cは、異なる実施形態によるステント係合部材の突出部1157a~1157cの拡大詳細図を示す。係合部材123、223、723、823、923、および1023に関して上述したように、係合部材は、陥凹よって分離された複数の突出部を含み得る。突出部は、ステント係合部材の半径方向に最も外側の構成要素を形成することができ、使用時に、上を覆うカテーテルの内壁と協働して、上を覆うステントと接触するか、あるいはそれと連結することができる。突出部1157a~1157cは各々、上を覆うステントと接触する(あるいはそれと係合する)ように構成された、長さDによって特徴付けられた最も外側の接触領域1169を含む。接触領域1169は、対向する肩部1173aおよび1173bが側面に位置する中央部1171を含み得る。肩部1173aおよび1173bは、中央部1171と対向する延長部1175aおよび1175bとの間に延在することができる。延長部1175aおよび1175bは、接触領域1169から離れて、ステント係合部材の対応する陥凹(図示せず)に向かって延在する。中央部1171は、隣接する肩部1173aおよび1173bと同一平面とすることができる、実質的に平面状の最外面を有することができる。しかしながら、肩部1173aおよび1173bは、中央部1171および隣接する延長部1175aおよび1175bを接合する湾曲した外面を有することができる。
【0288】
一緒に、中央部1171および肩部1173a、1173bは、接触領域1169の長さDを画定する。特定の実施形態では、中央部1171がほとんどまたは全くない実施形態と比較して、長さDを増大させることにより、接触領域1169の全表面積を増大させることが有利であり得る。図11A~11Cに示す実施形態の中で、接触領域1169の長さDは、長さDが図11Aの突出部1157aで最大であり、次に図11Bの突出部1157bでより短くなり、図11Cの突出部1157cで最小となるように変化する。結果として、突出部1157aは、上を覆うステントまたはカテーテルに接触するように構成された最大の表面積を有し、続いて、突出部1157bは、上を覆うステントまたはカテーテルに接触するように構成されたより小さい表面積を有し、最後に、突出部1157cは、上を覆うステントまたはカテーテルに接触するように構成されたさらに小さい表面積を有する。各種の実施形態では、接触領域1169の長さDは、約0.001インチ~0.004インチ、または約0.002インチ~0.003インチとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、接触領域1169は、約0.002インチ、約0.0025インチ、または約0.003インチの長さDを有することができる。理解されるように、接触領域1169の各種の実施形態は、概して、平坦または平面状の中央領域と、中央領域のいずれかの側の第1および第2の肩と、を備え得る。肩部は、最大2方向(図11A~11Cに示すように半径方向に、および/または図9Bおよび10Bに示すように軸方向に)丸くすることができる。
【0289】
結論
本開示は、網羅的であること、または本技術を本明細書に開示された正確な形態に限定することを意図していない。特定の実施形態が例示の目的で本明細書に開示されているが、当業者が認識するように、本技術から逸脱することなく、様々な同等の変更が可能である。場合によっては、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造および機能は、詳細に図示および/または説明されていない。本明細書では方法のステップが特定の順序で提示され得るが、代替的な実施形態では、ステップは、別の好適な順序を有し得る。同様に、特定の実施形態の文脈で開示された本技術の特定の態様は、他の実施形態では組み合わされるかまたは排除することができる。さらにまた、特定の実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈で開示されている可能性があるが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、全ての実施形態が本技術の範囲内に含まれるように本明細書に開示されるそのような利点または他の利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明示的に示されないおよび/または説明されない他の実施形態を包含することができる。
【0290】
本開示全体を通して、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語が2つ以上の項目のリストに関して他の項目から除外される単一の項目のみを意味するように明確に限定されていない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の全ての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものと解釈されるべきである。さらに、「備える」などの用語は、本開示全体で、同じ特徴および/または1つ以上の追加のタイプの特徴がそれ以上多数排除されないように、少なくとも列挙された特徴を含むことを意味するために使用される。本明細書では、「上部」、「下部」、「前部」、「後部」、「垂直」、および「水平」などの方向を示す用語が使用され、様々な要素間の関係を表現および明確化することができる。そのような用語は、絶対的な方向を示すものではないことを理解されたい。本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、または同様の系統的論述への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、動作、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書におけるそのような語句または系統的論述の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。さらにまた、様々な特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C