(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】干渉測定装置のビーム配向ユニットのためのアラインメント方法及びレーザ照射を用いて干渉測定を実施するための測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
G01B11/24 D
(21)【出願番号】P 2020569740
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2019064712
(87)【国際公開番号】W WO2019238508
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】102018114480.6
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598126324
【氏名又は名称】ポリテック・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】POLYTEC GMBH
【住所又は居所原語表記】POLYTECPLATZ 1‐7, D‐76337 WALDBRONN, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】アルムブルスター,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】シュスラー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ハイネン,ベルント
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-057063(JP,A)
【文献】特開2004-347520(JP,A)
【文献】特開2007-309899(JP,A)
【文献】特開2008-286797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00- 9/10
G01B 11/00-11/30
G01H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物(4)の複数の測定点に対してレーザ光源のレーザビームを配向するための、干渉測定装置のビーム配向ユニット(2)のためのアラインメント方法であって、
以下の方法ステップ
A)異なるパースから前記測定対象物(4)の少なくとも一つの測定面の複数の空間分解画像を撮像するステップ、
B)前記測定面の前記複数の空間分解画像を用いて前記測定対象物(4)の少なくとも前記測定面の三次元モデルを作成するステップ、
C)それぞれのアラインメント点について前記ビーム配向ユニット(2)
の各制御パラメータを事前定義することにより前記ビーム配向ユニット(2)を用いて前記測定面上の少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点に前記レーザビームを配向するステップ、
D)それぞれの前記アラインメント点が少なくとも一つのアラインメント点画像において取得されるように一つ又は複数の空間分解アラインメント点画像を取得するステップ、
E)前記各アラインメント点画像と前記三次元モデル及び/又は前記三次元モデルの基となる前記各空間分解画像を用いて前記三次元モデルの各位置座標を前記少なくとも三つのアラインメント点のそれぞれに割り当てるステップ、
F)前記各アラインメント点の各位置座標とそれぞれ割り当てられた前記各制御パラメータとに応じて割当規定を決定することにより前記ビーム配向ユニット(2)のアラインメントを実施することで前記割当規定を用いて前記レーザビームが入射可能な前記測定面上の測定点に対応する、前記ビーム配向ユニット(2)のための各制御パラメータを割り当てるステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法ステップDにおいて少なくとも一つのアラインメント点について前記レーザビームが前記アラインメント点に入射する間に少なくとも一つのアラインメント点画像が取得されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それぞれの前記アラインメント点についてアラインメント点画像が取得され、前記各アラインメント点画像を取得する際に前記ビーム配向ユニットが前記レーザビームを前記測定対象物の様々な各点へと移動させる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法ステップEにおいて前記三次元モデルの前記各位置座標の前記少なくとも三つのアラインメント点のそれぞれへの割り当てが少なくとも一つの対応する空間分解アラインメント点画像又は前記測定面の前記三次元モデルにおける、それぞれのアラインメント点の各位置の位置確認によって実施されることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法ステップFにおいてさらに前記レーザビームが前記測定面上のそれぞれの測定点が入射するそれぞれのビーム方向が決定されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記方法ステップDにおいてそれぞれのアラインメント点について異なるパースからの少なくとも二つのアラインメント点画像が取得されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記方法ステップDが前記方法ステップAと一体化されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記測定対象物(4)に対して同一の位置及び同一のパースから取得される複数のアラインメント点画像が撮影されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記各アラインメント点画像が前記ビーム配向ユニット(2)に対して固定式に配置された撮像ユニット(7)によって取得される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記各アラインメント点画像と前記三次元モデルに基づいて少なくとも一つのアラインメント点画像の各画素に対する前記三次元モデルの各位置座標の割り当てが実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法ステップCにおいて前記測定面における前記少なくとも三つのアラインメント点が事前定義され、前記レーザビームが前記ビーム配向ユニット(2)によって自動的に前記三つのアラインメント点のそれぞれに配向されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記レーザビームが前記アラインメント点のそれぞれに入射する間に前記アラインメント点のそれぞれについてアラインメント点画像を撮影する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記事前定義は、前記測定面の空間分解画像における選択によって実施されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記事前定義は、前記一つ又は複数のアラインメント点画像のパースから取得される前記測定面の空間分解画像における手動選択によって実施される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法ステップAの前に方法ステップA0において前記測定面上に少なくとも三つの視覚的なアラインメント点印が付与されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
前記方法ステップEにおいて前記各アラインメント点への各位置座標の割り当てが自動パターン認識によって実施され、前記方法ステップCにおいて前記アラインメント点のそれぞれについてアラインメント点画像を取得するために前記ビーム配向ユニット(2)によって前記レーザビームが前記三つのアラインメント点のそれぞれに対して自動的に配向される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定面上の事前定義された測定点について前記レーザビームの入射角及び/又は入射方向が決定されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
前記方法ステップBにおいて前記三次元モデルが写真測量によって作成されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】
前記レーザビームは、測定ビーム(3)として前記ビーム配向ユニット(2)によって前記測定対象物(4)上の事前定義された測定点へと配向され、前記測定対象物(4)によって反射及び/又は分散された前記測定ビーム(3)は前記ビーム配向ユニット(2)を再び通って光干渉を形成するための基準ビームと重畳されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一つに記載の方法。
【請求項20】
前記光干渉を評価することによって前記測定対象物(4)の各振動データを演算し、ビーム光源によって元のビームが生成されて前記元のビームがビームスプリッタによって少なくとも前記測定ビームと少なくとも前記基準ビームとに分割される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記各方法ステップC、D及びFは、それぞれレーザ光源とビーム配向ユニット(2)とを有する複数の測定ヘッドについて実施されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
レーザ照射によって干渉測定を実施するための測定装置であって、
測定ビームとして少なくとも一つのレーザビームと少なくとも基準ビームとを生成するための一つ又は複数のレーザ光源と、検出器と、前記検出器の各測定信号を評価するために前記検出器と連結している評価ユニットと、ビーム配向ユニット(2)とを有し、前記測定装置は、前記測定ビームを前記ビーム配向ユニットによって測定対象物(4)上の複数の位置が異なる測定点に配向し、少なくとも部分的に前記測定対象物によって反射及び/又は分散された前記測定ビームを前記検出器の検出面上において前記基準ビームと重畳することで前記検出器によって前記測定ビームと前記基準ビームとの間の重畳信号又は干渉信号が測定可能になるように形成されている測定装置において、
前記測定装置は、異なるパースから前記測定対象物(4)の少なくとも一つの測定面の複数の空間分解画像を撮影するための少なくとも一つの撮像ユニット(6)を有し、前記測定装置は、制御ユニット(5)を有し、当該制御ユニットは前記測定面の前記複数の空間分解画像によって前記測定対象物(4)の少なくとも前記測定面の三次元モデルを作成し、前記測定面上における前記レーザビームが入射可能である測定点に対応する、前記ビーム配向ユニット(2)のための各制御パラメータを割り当てるために前記三次元モデルによって前記ビーム配向ユニット(2)のアラインメントを実施するように形成されており、特に
前記測定装置は、
A)異なるパースから前記測定対象物(4)の少なくとも一つの測定面の複数の空間分解画像を撮像し、
B)前記測定面の前記複数の空間分解画像を用いて前記測定対象物(4)の少なくとも前記測定面の三次元モデルを作成し、
C)それぞれのアラインメント点について前記ビーム配向ユニット(2)の前記各制御パラメータを事前定義することにより前記ビーム配向ユニット(2)を用いて前記測定面上の少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点に前記レーザビームを配向し、
D)それぞれの前記アラインメント点が少なくとも一つのアラインメント点画像において取得されるように一つ又は複数の空間分解アラインメント点画像を取得し、
E)前記各アラインメント点画像と前記三次元モデル及び/又は前記三次元モデルの基となる前記各空間分解画像を用いて前記三次元モデルの各位置座標を前記少なくとも三つのアラインメント点のそれぞれに割り当て、
F)前記各アラインメント点の各位置座標とそれぞれ割り当てられた前記各制御パラメータとに応じて割当規定を決定することにより前記ビーム配向ユニット(2)のアラインメントを実施することで前記割当規定を用いて前記レーザビームが入射可能な前記測定面上の測定点に対応する、前記ビーム配向ユニット(2)のための各制御パラメータを割り当てる、
ように形成されていることを特徴とする測定装置。
【請求項23】
前記測定装置は、前記測定面の少なくとも一つの空間分解画像を取得するための、前記ビーム配向ユニット(2)に対して固定式の撮像ユニット(7)を有することを特徴とする、請求項22に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の複数の測定点にレーザ光源のレーザビームを配向するための干渉測定装置のビーム配向ユニットのためのアラインメント方法とレーザ照射を用いて干渉測定を実施するための測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物において干渉測定を実施するために好ましくはレーザ光源である光源、検出器、ビームスプリッタ及び評価ユニットを有する測定装置が公知である。ここで当該光源によって生成された元のビームが当該ビームスプリッタを用いて測定ビームと基準ビームとに分割される。当該測定ビームは、当該測定対象物の少なくとも一つの測定点へと案内され、少なくとも部分的に当該測定対象物によって反射又は分散された当該測定ビームは当該基準ビームと当該検出器の検出面において重畳されることによって当該検出器を用いて測定ビーム及び当該基準ビームの間の重畳信号又は干渉信号を測定することが可能である。
【0003】
当該測定ビームは、当該ビーム配向ユニットを用いて当該測定対象物の事前定義された測定点へと配向される。当該反射及び/又は分散された測定ビームは、再び当該ビーム配向ユニットを通って光干渉を形成するために当該検出器上で当該基準ビームに重畳される。
【0004】
この種の測定装置は、測定対象物の振動データを得るために振動計、好ましくはレーザドップラー振動計として形成されている。対象表面の動作又は振動によって当該測定ビームの周波数が影響を受けるため、当該測定ビーム及び当該基準ビームの当該重畳信号から当該対象の動作、特に当該対象表面の振動周波数を推測することが可能である。
【0005】
この種の振動計は、特に測定対象物の複数の測定点において振動分析を実施するために用いられる。この種の測定装置は、国際公開第93/15386号において開示されている。
【0006】
多くの測定状況において振動データとして振動周波数又は振幅だけではなく振動の方向をも特定することが望ましい。これに対して干渉測定装置は、常に測定対象物によって分散又は反射された測定ビームが跳ね返る場合(すなわち当該測定対象物へと向かう測定ビームの光学軸と当該測定対象物から跳ね返る当該測定ビームの光学軸とが一致する場合)当該測定ビームの方向、また測定対象物によって分散又は反射された測定ビームが入射する測定ビームに対して角度をなして跳ね返る場合(よって当該測定対象物へと向かう測定ビームの光学軸と当該測定対象物から跳ね返る当該測定ビームの光学軸が当該角度を囲む場合)角二等分線の方向における振動を取得する。
【0007】
通常、振動測定には測定対象物から分散又は反射された測定ビームが跳ね返る又は概ね跳ね返るような干渉測定装置が用いられる。よってこの種の干渉測定装置においては測定ビームのビーム経路として対象に向かう測定ビームの光学軸、特に測定点における当該対象に対する当該測定ビームの入射角を決定することが望ましい。
【0008】
入射する測定ビームと跳ね返る測定ビームとが互いに角度をなす干渉測定装置の場合、これに応じて入射するビームのみならず跳ね返るビームならびに角二等分線が通る、測定点における当該角二等分線の経路、特に当該測定点における当該対象に対する当該角二等分線の角度を決定することが望ましい。
【0009】
したがってここ及び以下における、特にレーザビームである測定ビームの「ビーム経路」及び「ビーム経路の決定」という表現は、測定ビームを用いて実施される測定に関連する経路を示すものである。よって当該ビーム経路は、測定対象物に向かう測定ビームの光学軸を含むものであるが、特に前述の角二等分線に関する情報など、同等の情報を決定することも同様に可能である。本明細書の記載の簡素化のため、以下において常に測定ビームのビーム経路、その入射角などについて言及するものの、常に測定ビームに代えて例えば前述の角二等分線などの同等の情報をも含むものである。
【0010】
当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施することが望ましく、この場合、測定対象物の測定面におけるレーザビームが入射可能である測定点に対応する、当該ビーム配向ユニットのための可能な制御パラメータを割り当てる割当規定が決定される。したがって例えば各位置座標を用いて事前定義された測定面上の測定点の場合、レーザビームが所望する当該測定点に入射するように当該ビーム配向ユニットを制御するために当該割当規定を用いて各制御パラメータを決定することが可能となる。
【0011】
当該アラインメントは手動で実施される:例えば共通の座標系における四つのアラインメント点の各位置座標が既知である場合、レーザビームが連続して四つのアラインメント点のそれぞれに入射するように当該ビーム配向ユニットを手動で制御することで当該アラインメント点の当該位置座標とそれぞれ割り当てられた当該各制御パラメータとに応じて割当規定が特定される。Yanchu Xu及びR.N.Miles著「走査型レーザ振動計の測定点を指示するための識別アルゴリズム」エンジニアリングにおける光学及びレーザ、22号(1995年)105-120よりアラインメント方法が公知であり、ここでは四つのアラインメント点について当該各アラインメント点間の距離とともにビーム配向ユニットと一つのアラインメント点との間の距離が測定され、当該ビーム配向ユニットのレーザビームが手動で当該四つのアラインメント点のそれぞれに向けられる。得られたデータから前述のような割当規定が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第93/15386号
【文献】米国特許第6711293号明細書
【文献】独国特許発明第102012211549号明細書
【非特許文献】
【0013】
【文献】Yanchu Xu及びR.N.Miles著「走査型レーザ振動計の測定点を指示するための識別アルゴリズム」エンジニアリングにおける光学及びレーザ、22号(1995年)105-120
【文献】FLANN:Marius Muja及びDavidG.Lowe「自動アルゴリズム構造を有する高速近似最近傍点」、コンピュータビジョン理論及びアプリケーションに関する国際会議(VISAPP‘09年)、2009年
【文献】インターネット<URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Structure_from_motion>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、干渉測定装置のビーム配向ユニットのためのアラインメント方法をユーザにとって簡素化するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
当該課題は、請求項1による方法、請求項15による測定装置及び請求項17による方法によって解消される。有利な各実施態様は、各従属項にある。
【0016】
本発明による方法は、本発明による測定装置、特にその有利な実施態様を用いて実施するために形成されていることが好ましい。本発明による測定装置は、本発による方法、特にその有利な実施態様を実施するように形成されていることが好ましい。
【0017】
本発明によるレーザ光源のレーザビームを測定対象物における複数の測定点に配向するための干渉測定装置のビーム配向ユニットのためのアラインメント方法は、以下の方法ステップを有する:
【0018】
方法ステップAでは、異なるパースから見た、測定対象物の少なくとも一つの測定面の複数の空間分解画像の撮影が行われる。方法ステップBでは当該測定面の当該複数の空間分解画像を用いて当該測定対象物の少なくとも当該測定面の三次元モデルの作成が行われる。方法ステップCでは、各アラインメント点について当該ビーム配向ユニットの各制御パラメータを事前定義することにより当該ビーム配向ユニットを用いて当該測定面上の少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点に対する当該レーザビームの配向が行われる。方法ステップDでは、それぞれのアラインメント点が少なくとも一つのアラインメント点画像において取得されるように一つ又は複数の空間分解アラインメント点画像の取得が行われる。方法ステップEでは、当該各アラインメント点画像と当該三次元モデル及び/又は当該三次元モデルに基づく各空間分解画像を用いた、少なくとも三つの当該各アラインメント点のそれぞれに対する当該三次元モデルの各位置座標の割り当てが行われる。方法ステップFでは、当該各アラインメント点の当該各位置座標とそれぞれ割り当てられた各制御パラメータとに応じて割当規定を決定することにより当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施することで当該割当規定を用いてレーザビームが入射可能な当該測定面上の測定点に対応する、当該ビーム配向ユニットのための制御パラメータを割り当てる。
【0019】
ここで、前述の当該各方法ステップが別の順番で実施される及び/又は当該各方法ステップが組み合わされる及び/又はある方法ステップが別の方法ステップに組み込まれることは本発明の範囲内にある。
【0020】
したがって本発明の方法は、レーザ光源を用いて生成されたレーザビームがビーム配向ユニットを用いて測定対象物の複数の測定点に配向される干渉測定装置において当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施するという目的を満たす。当該アラインメントは、当該測定対象物の当該測定面上の各アラインメント点の各位置座標と当該各アラインメント点に対してそれぞれ割り当てられた各制御パラメータとに応じて実施される。一つのアラインメント点に対して割り当てられた当該各制御パラメータとは、当該各制御パラメータが事前定義されることによって当該ビーム配向ユニットを用いて当該レーザビームが当該割り当てられたアラインメント点に対して配向されるための各制御パラメータである。
【0021】
したがって測定の実施のためにレーザビームが入射する複数の測定点を測定対象物上に、例えば当該各測定点の各位置座標を事前定義することによって事前定義することが可能である。当該割当規定を用いることでそれぞれの測定点に割り当てられた各制御パラメータを決定することが可能であるため、当該各制御パラメータが事前定義された場合、当該レーザビームが当該ビーム配向ユニットを用いて当該各測定点へと配向される。
【0022】
冒頭で述べた公知である方法と比べて本発明の方法はユーザにとってより容易に実施可能であり、特に以前から公知である方法と比べてユーザにとってエラーの発生源が少なくなるため、間違った使用や不正確なアラインメントの危険性が少なくなる。
【0023】
当該改良は、以下に個々の方法ステップに関して詳述するように測定対象物の少なくとも測定面の三次元モデルを作成し、各アラインメント点に対して当該三次元モデルの各位置座標を割り当てるために各空間分解画像を使用することによって得られる:
【0024】
当該方法ステップAでは、測定対象物の少なくとも一つの測定面の各空間分解画像が異なるパースから撮影される。
【0025】
異なるパースからの各空間分解画像の撮影は、他と比べて著しく正確な位置座標の決定を可能にする:一つのパースだけから空間分解画像を撮影した場合、多くの測定状況において各位置座標を二次元に定義することが可能である。しかしながら本発明においては各位置座標を三次元に定義することが適切である。本発明は、当該方法ステップAにおいて異なるパースから各空間分解画像を撮影することによって、方法ステップDによる三次元モデルが特に三つの空間次元における、他と比べて著しく高い精度を可能にするという特別な利点を有する。これにより各アラインメント点に対する各位置座標の割り当ても対応してより正確になる。したがって異なるパースから各空間分解画像を撮影することによる本発明の方法ステップAの実施態様は、使いやすく正確なアラインメント方法の基礎を構成する。
【0026】
測定面は、測定アイテムの表面の部分面であり得る。同様に各空間分解画像はこれに加えて例えば当該測定アイテムの設置面及び/又は背景面など、当該測定アイテムの周辺領域を含み得る。したがって当該測定対象物は、一つ又は複数の測定アイテム及び一つ又は複数の面、特に設置面又は背景面を含み得る。したがって測定面は、測定アイテムの表面ではない各面をも含み得る。例えば背景面又は設置面など、測定アイテムの表面ではない面に一つ又は複数の各アラインメント点が配置されていることは本発明の範囲内にある。測定面は、少なくとも後に干渉測定の際に各測定点が配置される一つ又は複数の測定アイテムの領域を含むことが好ましい。特に測定面は、少なくとも当該ビーム配向ユニットを用いてレーザビームが入射可能な測定アイテムの面を含むことが好ましい。
【0027】
当該方法ステップBの実施後、測定対象物の少なくとも測定面の三次元モデルが得られる。したがってユーザが独自で測定を実施したり所定の各基準点を手動で事前定義したりすることが不要である。同様に例えばCADモデルなど、他に作成された三次元モデルを別途事前定義することも不要である。
【0028】
しかしながらこれに加えて本発明による方法及び本発明による測定装置は、公知である各三次元モデルを有利な形で使用することも可能とするものである:いくつかの測定状況において既に測定対象物あるいは少なくとも測定対象物の一部、特に測定アイテムの三次元モデルが予め存在する。このことは、あるアイテムの作成のために既にCADモデル又はFEモデルが作成された場合に当てはまる。同様に他の各測定又は当該ステップA及びBによる過去の各シーケンスより既に三次元モデルが存在する場合がある。本発明による方法の有利な実施形態において事前定義された三次元モデルが当該方法ステップBで作成された三次元モデルに関連付けられることで共通の座標系を形成し、これにより事前定義された当該三次元モデルの各座標を当該方法ステップBで作成された当該三次元モデルの各座標に移転するあるいはその逆を実施することが可能である。これは両モデルのうち片方が他方に対して「適合される」、すなわち偏差が適切な評価関数によって最小限になるように適切な検索アルゴリズムによって一方のモデルの他方のモデルの座標系への線形変換が決定されることによって実施されることが好ましい。
【0029】
ユーザが事前定義された三次元モデルの場合、既に各測定点を選択することが特に有利である。これによって例えば測定アイテムの作成を任されている当業者が既に技術的に特に適切である各点を各測定点として事前定義された当該三次元モデルに記すことが可能である。したがって当該有利な実施形態において当該方法ステップBによって作成された当該三次元モデルにおいて事前定義された当該各測定点の各位置座標もが公知であるため、当該各測定点に対して事前定義された当該各測定点における測定を実施するために当該割当規定を用いて対応する各制御パラメータが割り当てられ得る。
【0030】
別の有利な実施形態において測定が実施される各位置座標が事前定義された当該モデルの各座標へと移転される。当該有利な実施形態において後に選択された各測定点のための各位置座標について事前定義された当該三次元モデルを考慮することでどの各点において測定が実施されたかを容易に再現することが可能である。
【0031】
したがって当該三次元モデルは、位置座標の事前定義によってユーザにとって手間がかからない形で少なくとも測定面の全ての各点のために共通の座標系を使用することを可能とする。当該各位置座標は、それ自体通常の形で選択され得る。特にデカルト座標系の使用が有利であるが、例えば円柱座標系あるいは球面座標系など、その他の座標系の使用も同様に本発明の範囲内にある。
【0032】
当該方法ステップCでは、当該ビーム配向ユニットを用いて当該レーザビームが少なくとも三つの位置が異なる当該各アラインメント点に配向される。このため当該アラインメント点のそれぞれに各制御パラメータが、当該各制御パラメータを適用することで当該ビーム配向ユニットが当該レーザビームを当該各アラインメント点に配向するように事前定義される。したがって当該方法ステップCより当該各アラインメント点のそれぞれについて当該各制御パラメータの割り当てが得られ、この時点において当該三次元モデルにおける各アラインメント点の各位置座標は公知である必要はない。
【0033】
当該方法ステップDでは、少なくとも一つのアラインメント点画像が取得される。少なくとも三つの当該各アラインメント点が同一のアラインメント点画像で取得されることは本発明の範囲内にある。同様に一つのアラインメント点画像が一つのアラインメント点だけあるいは当該各アラインメント点の一部だけを取得していてもよい。当該各アラインメント点画像と当該三次元モデルとに基づき、当該方法ステップEによって当該三次元モデルの当該位置座標が少なくとも三つの当該各アラインメント点のそれぞれに対して割り当てられる。したがってユーザがこのために手動で測定を実施したり外部測定データを事前定義したりする必要がないまま当該各アラインメント点の各座標が当該測定対象物の座標系において公知となる。さらなる説明と空間分解画像における画素に対して当該各位置座標を割り当てるための有利な実施形態は、さらに
図6及び図面の説明において見受けられる。
【0034】
よって本発明による方法を用いることでユーザにとって手間のかからない形でそれぞれのアラインメント点に対して一方では各制御パラメータが、他方では各位置座標が割り当てられる。当該各データに基づいて当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施するための、当該方法ステップFによる割当規定を決定することが可能であるため、当該レーザビームが入射可能な所望する測定点において測定を実施するために唯一必要なことは各測定点の各位置座標を事前定義することである。当該割当規定を用いることで当該ビーム配向ユニットを用いて当該レーザビームを当該測定点に配向するために対応する各制御パラメータを演算することが可能となる。
【0035】
本発明による方法及び本発明による測定装置は、ユーザが使いやすい形でビーム配向ユニットのアラインメントのための割当規定を決定することを可能にする。したがって事前定義された各測定点の各位置座標について振動測定を実施するために高い精度で当該各測定点へ一つ又は複数のレーザビームの配向を実施することができる。いくつかの適用例においては事前定義された測定点についてレーザビームの当該測定点に対する入射角及び/又は入射方向をも決定することが望ましい。特に振動測定の場合、レーザビームの入射角及び/又は入射方向を用いて当該レーザビームの振動が測定される方向を決定することが有利である。これにより各測定データに基づいて当該測定点において他の方向、特に当該測定点における面法線の方向における当該測定対象物の振動をも演算することが可能となる。
【0036】
測定点に対するレーザビームの入射角及び/又は入射方向を当該方法ステップFによる当該割当規定を用いて決定することが特に有利である。
【0037】
当該割当規定を用いるとビーム配向ユニットの対応する制御とともに調整を実現するための各制御パラメータが既知となるため、レーザビームが所望する測定点に入射する。加えて各制御パラメータがどのように空間における当該レーザビームのビーム経路に影響するのかが既知である場合、当該割当規定によって得られた当該各制御パラメータについて当該測定点に対する当該レーザビームの入射角又は入射方向をも演算することが可能となる。
【0038】
本発明の方法において特に前述の通り当該測定点に対するレーザビームの入射角及び/入射方向を演算するためにビーム配向ユニットモデルが使用されることが有利である:
【0039】
当該方法ステップFによりレーザビームが入射可能な測定面上の各測定点と対応する、当該ビーム配向ユニットのための各制御パラメータとの間の割当規定を決定するには、特にビーム配向ユニットモデルが事前定義されており、当該ビーム配向ユニットモデルは当該ビーム配向ユニットに対して固定であるビーム配向ユニットの座標系において当該ビーム配向ユニットの各制御パラメータとレーザビーム経路との間の割り当て(及びその逆)を示すことが有利である。
【0040】
この種のビーム配向ユニットモデルは、例えば予め存在しているかあるいは当該ビーム配向ユニットがレーザビーム経路を例えば傾動可能な各ミラーなどを用いて一つ又は複数の角度に変化する場合、容易に得られる。ここでのビーム配向ユニットの各制御パラメータとは当該各ミラーの調整された各傾動角度であるかあるいは当該各傾動角度に直接関連し、ビーム配向ユニットの座標系に対するレーザビーム経路は当該ビーム配向ユニットの数学モデルあるいはキャリブレーション測定に基づいて当該各制御パラメータの関数として与えられ得る。同様のことが他のありとあらゆる種類のビーム配向ユニットにおいても可能であり、例えば線形変位ユニットを使用した場合は各変位に応じて、ロボットアームの場合は当該ロボットアームの調整に応じてなど、レーザビーム経路はそれぞれビーム配向ユニットに対して固定であるビーム配向ユニットの座標系において与えられ得る。
【0041】
最も簡単な場合、ビーム配向ユニットモデルは、ビーム配向ユニットの各制御パラメータ以外、当該ビーム配向ユニットに対するレーザビーム経路を左右する他の各パラメータは含まない。通常こうなるのはビーム配向ユニットの機能性と構造が完全に既知であるためそれぞれの各制御パラメータの定義された設定に対して当該ビーム配向ユニットに対するレーザビーム経路の各制御パラメータを与えることが可能である場合である。このような状況は、例えばビーム配向ユニットがレーザビーム経路をジンバル支持されたミラーの調整可能な両角度を用いて調節し、ビーム配向ユニットの座標系における各ミラーの支点の位置及び当該ミラーの向きが既知である場合に存在する。しかしながらビーム配向ユニットモデルが各制御パラメータ以外にもレーザビーム経路に同様に影響する、他の未確定の各システムパラメータを含むことも当然可能である。このような状況は、例えばここで示した、ジンバル支持されたミラーの例では、製作公差のためビーム配向ユニットの座標系におけるミラーの位置が十分に既知でない場合である。しかしながらこのような場合であっても各制御パラメータに応じてビーム配向ユニットの座標系におけるレーザビーム経路が与えられるものであるが、ただそのためにはその他の、未確定であるものの後に特定すべき各システムパラメータが用いられ、具体例ではミラーの支点の未確定である各座標などであり得る。しかしながらこのようなその他の、未確定の各システムパラメータがビーム配向ユニットモデルにおいて存在することは、以下における基本的な手順及び説明には影響しない:この場合、その他の未確定の各システムパラメータも以下に詳述するように同じように特定する必要があるだけである。このためには当該各方法ステップC及びEにおいて状況に応じて少なくとも三つの位置が異なる各アラインメント点に代えて例えば少なくとも四つ、少なくとも五つあるいは場合によっては少なくとも六つもの位置が異なる各アラインメント点が必要となる。よって本発明による方法においては好ましくは少なくとも三つ、さらに好ましくは少なくとも四つ、特には少なくとも五つ及び極めて特に六つの位置が異なる各アラインメント点が用いられる。
【0042】
ビーム配向ユニットに対して固定であるビーム配向ユニットの座標系において当該ビーム配向ユニットの各制御パラメータとレーザビーム経路との間の割り当てを与えるこのようなビーム配向ユニットモデルがある場合、当該方法ステップFによる割当規定の決定のためにはもはや当該ビーム配向ユニットの座標系と当該方法ステップBにおいて特定された三次元測定対象物モデルがある、測定対象物の座標系との間に適切な座標変換を与えるだけでよい。なぜならば当該座標変換によってレーザビームが入射可能な測定点のそれぞれについて当該測定対象物の座標系における自身の各座標を用いて当該ビーム配向ユニットの座標系における自身の各座標をも与えることが可能となり、当該ビーム配向ユニットの座標系における当該各座標により当該ビーム配向ユニットモデルを用いて最終的にレーザビームが当該測定点に入射するために必要な当該ビーム配向ユニットのための各制御パラメータをも決定することが可能となるからである。
【0043】
ビーム配向ユニットの座標系と測定対象物の座標系との間の座標変換は、変換と回転からなり、当該変換及び回転は、デカルト座標系を用いた場合には適切な変換マトリックス及び回転マトリックスを用いて記述することが可能である。その他の各座標系の場合、場合によって説明はより複雑であるものの、座標変換は同一の変換及び回転を含むものである。必要な座標変換を与えるためには基本的に六つの独立した変換パラメータを決定する必要があり、デカルト座標系の場合、当該各変換パラメータは三つの変換自由度及び三つの回転自由度として容易に解釈可能である。測定対象物の座標系における全ての座標は、未知である当該各変換パラメータを用いることでビーム配向ユニットの座標系の各座標へと変換され得る、あるいは逆も然りである―但し、各変換パラメータと場合によっては前述の未確定の各システムパラメータとが未確定である場合に限っては当該各パラメータによってしかパラメータ化が実施されない。
【0044】
当該有利な実施形態による当該方法ステップFの残る課題として前述の未確定の各パラメータを特定することがある。このため当該各パラメータを含み、それぞれが当該各パラメータ間の互いに独立した関連を作成する、十分な数の等式を用いることが可能であるため、当該各等式を用いて求める各パラメータを数学的に公知である形で決定することが可能である。
【0045】
具体的には当該各パラメータを決定するために当該方法ステップCによってビーム配向ユニットの各制御パラメータが既知である当該各アラインメント点が採用される。与えられたビーム配向ユニットモデルに基づいて当該各アラインメント点については当該ビーム配向ユニットの座標系におけるレーザビーム経路が場合によっては未確定である各システムパラメータによってパラメータ化された形で既に存在する。加えて当該方法ステップEによって当該測定対象物の座標系における当該各アラインメント点の当該各座標が完全に既知である。したがって変換によって当該測定対象物の座標系に存在する各アラインメント点が当該測定対象物の座標系へと変換された当該各レーザビーム経路上にあるように当該ビーム配向ユニットの座標系の各レーザビーム経路が当該測定対象物の座標系へと変換されるような当該ビーム配向ユニットの座標系の当該測定対象物の座標系への変換を検索する。したがってそれぞれの入射点について点と直線の距離に基づいて条件式を立てることが可能である。関連する公知である数学の運用を用いてここから得られる方程式系を十分な数の測定点について解くことで求める座標変換が得られる。
【0046】
最も簡単な場合、このために三つ、また多くの場合は四つのアラインメント点で十分である。アラインメント点が増えれば増えるほど決定の精度が高くなるため、実地においては求める各パラメータを決定するために各アラインメント点の最小数よりも多く用いることに注意すると思われる。当然、過大決定された系ではもはや閉形式解を求めるのではなく、この種の方程式系を最適に解くために関連する数学法を用いる。
【0047】
当該方法ステップFを実施するために必要である未知の各パラメータの決定を具体的に実施する際には当該未知のパラメータをまずは単に推定することで進めることが有利である。当該推定された各パラメータを用いてビーム配向ユニットの座標系に存在する各レーザビーム経路を測定対象物の座標系へと変換し、そこで当該レーザビームの経路の当該座標系に存在する各アラインメント点に対する各距離を決定する。ここから例えば距離の二乗を加算することで誤差関数を決定する。各誤差関数を最小限にするための公知である数値処理の一つによって当該誤差関数の値が最小限になるように各パラメータが変更される。当該最小化の結果として求める各パラメータについて両座標系間の座標変換に極めて適切である、とても良好な各値が得られることが判明した。
【0048】
しかしながら前述の座標変換あるいはこれに伴う各パラメータを決定する、その他の方法を適用することも可能であり、このようなものは例えばYanchu Xu及びR.N.Miles(同書)及び国際公開93/15386号にも記載されている。
【0049】
もはや当該測定対象物の座標系と当該ビーム配向ユニットの座標系との間に当該座標変換が存在するため、前述の通り当該ビーム配向ユニットモデルを用いてレーザビームを所望の測定点に入射するために必要となる、当該ビーム配向ユニットのための各制御パラメータをも決定することができる。特に有利なのはビーム配向ユニットモデルが存在する特定の場合、測定対象物上のレーザビームの各入射点に加えて常にあらゆる空間次元における当該レーザビームの各入射角あるいは当該測定対象物に入射する場合の全てのレーザビーム経路が当該測定対象物の座標系において(あるいはビーム配向ユニットの座標系においても)決定することが可能であることであり、このことは概ね三つの空間方向における振動が分析される振動測定法における適用の際、極めて有利である。
【0050】
手順に関する前述の説明は、ビーム配向ユニットに対して固定であるビーム配向ユニットの座標系において当該ビーム配向ユニットの各制御パラメータとレーザビーム経路との間の割り当て(及びその逆)を与えるビーム配向ユニットモデルが存在しているという特に好ましい状況に基づいていることに注意されたい。しかしながら当該方法ステップFを実施するためにこのことは必ずしも必要ではない:
【0051】
このようなビーム配向ユニットモデルが存在しない場合であっても、当該方法ステップFにおいてレーザビームが入射可能な各測定点とビーム配向ユニットのための対応する各制御パラメータとの間の割り当て規定を明示することは可能である。最も簡単な場合では一つの有利な実施形態において各アラインメント点が適切なグリッド又はパターンにおいて測定面上に画定される。それぞれのアラインメント点についてビーム配向ユニットの各制御パラメータが決定されることにより各アラインメント点間にある各測定点のための各制御パラメータは線形補間、キュービック補間又はその他の補間によって決定され得る。各アラインメント点の密度が高ければ高いほど偏差はより小さくなる。高度な自動化の可能性を持つ本発明による方法こそがとても多くの各アラインメント点を測定対象物上に密に配置する可能性を提供しているため、測定面上のレーザビームが入射可能な各測定点とビーム配向ユニットのための対応する各制御パラメータとの間のできるだけ正確な割当規定を得るために他の方法と比べてビーム配向ユニットモデルがもはや必要なくなる。
【0052】
加えて当該方法ステップFにおいては、特にレーザビーム経路に対するビーム配向ユニットの効果の適切なモデリング又はパラメータ化を用い、好ましくは前述のビーム配向ユニットモデルを用いてレーザビームが測定面上でそれぞれの測定点に入射するそれぞれのビーム方向が決定されることが好ましい。
【0053】
本発明による方法は、当該方法ステップA及びEで作成される各空間分解画像を使用する。全ての各空間分解画像を同一の撮像ユニットで作成する、特に当該方法ステップAのみならず当該方法ステップEをも同一の撮像ユニットを用いて実施することは本発明の範囲内にある。同様に特に当該方法ステップAを実施するための第一の撮像ユニットと当該方法ステップEを実施するために第二の撮像ユニットなど、各空間分解画像を作成するために異なる撮像ユニットを使用することも本発明の範囲内にある。
【0054】
撮像ユニットとしては特にCCD画像センサ又はCMOS画像センサを有するデジタルカメラが使用されることが好ましい。同様にそれぞれの空間分解画像を走査処理によって作成することも本発明の範囲内にある:したがって例えばコンピュータユニットを用いて表示すべき対象の個々の点が立て続けに撮影され、複数の別個に撮影された点を用いて空中分解画像を描く撮像ユニットの使用が本発明の範囲内にある。
【0055】
撮像ユニットは、撮像ユニットが各画像を撮影する間、測定対象物を照らす照明ユニットを備え得る。対象の三次元形状を取得するための撮像ユニットであって、特にストライプ投射ユニットであるパターン投射ユニットと一般的には白黒カメラであるカメラとを備える撮像ユニットが公知であり、当該カメラは当該投射ユニットによって対象上に投射された光パターンを正確な位置において取得するために使用される。この種の撮像ユニットは、当該方法ステップAを実施するために使用されることが好ましい。
【0056】
対象の作成された三次元モデルの表面に当該モデルの実際の表面の現実的な、特に色付き及び/又はテキスチャーを含む表示を割り当てるために当該撮像ユニットはカラー画像を撮影するためのカラーカメラを含むことが特に好ましい。この種の撮像ユニットの使用は、特に当該方法ステップAの実施のために有利である。
【0057】
よって前述のように特にストライプパターンであるパターンを対象上に投射するための投射ユニットとこれに割り当てられた、特に白黒カメラであるカメラとを備える撮像ユニットが使用されることが好ましい。したがって当該カメラを用いて当該パターンを投射した場合に空間分解画像が得られるため、複数の空間分解画像を用いてそれ自体公知である、特にストライプ光投射方法によって三次元モデルを作成することが可能である。特に前述のようなカラーカメラである別のカメラを用いて同時にあるいは空間分解画像の撮影にすぐ続くような間隔をおいて、当該対象のテキスチャーを撮影するために好ましくはストライプ投射を実施することなく特にカラー画像であるさらに別のカメラ画像が撮影されることが好ましい。したがって特にストライプ投射ありの空間分解画像と、特に時間的に短い間隔をおいてストライプパターンを投射することなくカラー画像をそれぞれ交互に撮影することが特に有利である:前述の当該撮像ユニットは、立て続けに投射されたストライプを含む各画像のみならずストライプなしの画像をも撮影する。ストライプなしの各画像は、当該測定対象物の空間分解された見た目(テキスチャー)を含む。各撮影間の時間間隔が短いことによってストライプ投射によって決定された各三次元座標に対してそれぞれテキスチャーの画素を割り当てることが可能となる。
【0058】
逆にテキスチャーの一つの画素に対して各三次元座標を割り当てることが可能である。こうすることで三次元モデルに対して当該モデルの表面の実際の印象に相当するテキスチャーの情報をも割り当てることが可能となる。テキスチャー情報に関する当該各画像あるいはその一部を各アラインメント点画像として使用することが好ましい。
【0059】
時間間隔が短いことにより、例えばユーザがハンドセットを用いて当該撮像ユニットを当該対象に対して動かした場合であっても同時あるいは立て続けに撮影された各画像に関する当該撮像ユニットのパースと位置とが同一あるいはわずかにしか違わない。
【0060】
同様に複数の空間分解画像検出器を含む撮像ユニットの使用も本発明の範囲内にあり、当該複数の画像検出器からの画像情報を適宜組み合わせることによって当該撮像ユニットの空間分解画像が作成される。時間間隔が短いことにより、例えばユーザがハンドセットを用いて当該撮像ユニットを当該対象に対して動かした場合であってもアラインメント点画像と空間分解画像を用いて作成すべき三次元モデルに関する当該撮像ユニットのパースと位置とが同一あるいはわずかにしか違わない。
【0061】
同様に複数の空間分解画像検出器を含む撮像ユニットの使用も本発明の範囲内にあり、当該複数の画像検出器からの画像情報を適宜組み合わせることによって当該撮像ユニットの空間分解画像が作成される。
【0062】
本発明が基づく課題は、さらに請求項15によるレーザ照射を用いた干渉測定を実施するための測定装置によって解消される。
【0063】
当該測定装置は、測定ビームとして少なくとも一つのレーザビームと少なくとも一つの基準ビームとを生成するための一つ又は複数のレーザ光源、検出器、当該検出器の各測定信号を評価するために当該検出器と連結されている評価ユニット及びビーム配向ユニットを有する。当該測定装置は、当該ビーム配向ユニットを用いて複数の位置が異なる測定対象物上の各測定点へと当該測定ビームを配向し、少なくとも部分的に当該測定対象物から反射又は分散された当該測定ビームと当該基準ビームとを当該検出器の検出面上において重畳することで当該検出器によって当該測定ビームと当該基準ビームとの間の重畳信号又は干渉信号が測定可能であるように形成されている。
【0064】
この種の測定装置は、それ自体公知であり、測定対象物の各振動データを特定するために例えば振動計として形成され得る。
【0065】
重要なのは当該測定装置が異なるパースから測定対象物の少なくとも一つの測定面の複数の空間分解画像を撮影するための撮像ユニットを有することと、また当該測定装置が当該測定面の当該複数の空間分解画像を用いて当該測定対象物の少なくとも当該測定面の三次元モデルを作成し、当該レーザビームが入射可能な当該測定面上の当該測定点に対応する当該ビーム配向ユニットのための各制御パラメータを割り当てるために当該三次元モデルを用いて当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施するように形成されている制御ユニットを有することである。
【0066】
本発明による測定装置は、前述のように対応する各制御パラメータを事前定義された当該測定面上の当該各測定点に対して割り当てることによって特にユーザが使用しやすい形で当該ビーム配向ユニットのアラインメントを好ましくは本発明の方法、特に当該方法の有利な実施形態によって実施することを可能にする。
【0067】
当該測定装置は、当該測定面の少なくとも一つの空間分解画像を取得するために当該ビーム配向ユニットに対して固定である撮像ユニットを有する。これによって以下に詳述されるように当該方法ステップEによる、各位置座標の各アラインメント点に対する割り当てが有利な形で実施され得る。
【0068】
各位置座標の各アラインメント点に対する割り当ては、以下のとおり実施されることが好ましい:有利なことに当該方法ステップEにおいてそれぞれのアラインメント点がまずは少なくとも一つの当該アラインメント点を含むアラインメント点画像において位置確認される。当該位置確認は、当該アラインメント点の画像座標の特定、当該アラインメント点画像上の当該アラインメント点のx、y位置又は画素の位置確認あるいはこれらの組み合わせによって、特に好ましくは
図6及び図面の説明において詳述されるように実施されることが好ましい。
【0069】
アラインメント点の選択は、視覚的特徴を有する構造をユーザが事前定義することによって実施され得る。一つの有利な実施形態においてユーザは空間分解画像においてアラインメント点を例えばコンピュータのマウスを用いたクリック動作あるいは同等の入力によって選択する。
【0070】
同様に空間分解画像においてアラインメント点を選択するための他の形式も本発明の範囲内にある:
【0071】
少なくとも一つのアラインメント点、特に好ましくは全てのアラインメント点の自動選択が実施されることが有利である。本発明による方法は、各アラインメント点を事前定義することが可能であり、測定対象物の少なくとも測定面の三次元モデルが存在するという特別な利点を提供するものである。よって本発明の方法は、自動化された方法によって当該三次元モデルにおいて各アラインメント点の位置確認をするのに特に適している。当該各アラインメント点は、構造、形状あるいは着色によって強調された各点であり得る。同様に自動化によって優決定系につながる複数の各アラインメント点を事前定義することが可能であるため、それ自体公知であるアラインメント方法を用いてより高い精度を得ることが可能である。特に自動化によって5以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは50以上のアラインメント点を事前定義することが有利である。
【0072】
したがって当該方法ステップEによる三次元モデルの各位置座標を少なくとも三つのアラインメント点のそれぞれに割り当てることによって本発明の方法は、特に特別な形状、構造又は着色によって強調されていない当該測定面上の各位置における各アラインメント点をも使用することが可能であるという利点を有する:
【0073】
有利な実施形態において三次元モデルの各位置座標が少なくとも一つ、好ましくは全ての各アラインメント点について事前定義される。レーザビームの入射点は、撮像ユニットを用いて空中分解画像において取得される。ここで当該レーザビームが当該撮像ユニットによって取得された当該画像内に位置するようにユーザが手動で少なくとも一度調整をすることが必要である場合がある。その後、各制御パラメータを事前定義することによって先ほど選択された地点へと当該レーザビームが配向される。当該配向は、当該方法ステップFによる割当規定がまだ決定されていない場合であっても特に「再調整」によって実施され得る:それ自体公知である接近方法を用いて各制御パラメータを用いて当該レーザビームの各入射点の位置変更を事前定義することが可能であり、次いで当該位置変更が当該撮像ユニットの空間分解画像によって取得される。当該各空間分解画像を比較することによって所望の地点に接近するよう、当該各制御パラメータの修正を実施することが可能である。当該各ステップを繰り返すことによって最終的に当該レーザビームが所望の位置の点へ配向されるため、当該点の各位置座標の対応する各制御パラメータへの割り当ても実施されることになる。再調整のさらなる有利な実施形態は、この後の明細書の流れにおいて説明される。
【0074】
前述した本発明の方法の有利な実施形態については当該撮像ユニットの当該空間分解画像において当該三次元モデルの当該各位置座標によって事前定義されたアラインメント点の位置確認がされることが好ましい。したがって当該空間分解撮像ユニットの当該画像の各画像点に対して当該三次元モデルの当該位置座標を割り当てられるようにすることが有利である。このことも以下において詳述されるように手間のかからない方法で本発明の方法の範囲内で実施可能である。
【0075】
したがって空間分解画像は、当該画像においてアラインメント点を選択あるいは事前定義することによって当該アラインメント点のアラインメント点画像をも表す。当該アラインメント点画像と当該三次元モデルとに基づいて当該方法ステップEにおいて当該アラインメント点に対して当該三次元モデルにおける各位置座標を割り当てることが可能となる。
【0076】
少なくとも一つの画像撮影の間に当該レーザビームを当該測定対象物に入射するようにすることでユーザにとって更なる簡素化となる:
【0077】
いくつかの測定面では視覚的に明確に区別可能である各構造が存在する。当該各構造は各表面の色、表面の性質、表面の素材あるいは例えば突起又は窪みあるいは既に存在する印あるいは例えばひっかき傷などのデコボコなどの局的な形状構造などにおける違いによるものであり得る。
【0078】
このような視覚的に区別可能な構造により各位置座標の割り当てが容易になる。従来、この種の各構造がビーム配向ユニットのアラインメントのために必須であるという前提であった。しかしながら本発明による方法及び本発明による測定装置は、この種の構造に頼ることなくアラインメントを実施する可能性を提供するものである:当該方法ステップEによる各位置座標の割り当てを実施するために測定面上のレーザビームの各入射点が使用されることが好ましい。
【0079】
本発明の方法の有利な実施形態において、当該方法ステップDを実施する場合、少なくとも一つのアラインメント点について当該レーザビームが当該アラインメント点に入射する間に空間分解アラインメント点画像が取得される。特にそれぞれのアラインメント点について当該レーザビームがそれぞれのアラインメント点に入射する間に少なくとも一つのアラインメント点画像が取得されることが有利である。当該ビーム配向ユニットは、アラインメント点画像、好ましくは複数のアラインメント点画像を取得する場合に、特にそれぞれのアラインメント点画像が少なくとも一つの、好ましくはちょうど一つの当該レーザビームが入射するアラインメント点を含むように当該レーザビームを当該測定対象物の異なる点へと移動させることが特に有利である。
【0080】
それぞれのアラインメント点について当該アラインメント点のそれぞれに当該レーザビームが入射する間にそれぞれ一つのアラインメント点画像が取得されることが有利である。同様に例えば複数の部分画像を平均化することによって複数のアラインメント点に当該レーザビームが入射している一つのアラインメント点画像を提供することも本発明の範囲内にある。
【0081】
取得された当該空間分解アラインメント点画像における当該アラインメント点に当該レーザが入射しているため、特に容易且つ正確な形で当該アラインメント点画像における当該アラインメント点の位置確認をすることが可能である。したがって特に前述の通り形やテキスチャー又は色によって特に強調されている位置にあるように当該アラインメント点を選択する必要がないのは、前述のような視覚的な各構造特徴を探すことによって当該表面の画像上で当該アラインメント点を検索する必要がないためである。
【0082】
したがって当該有利な実施形態においてアラインメント点画像の三次元モデルへの割り当て、特に当該三次元モデルにおけるパース及び/又は観察位置の当該アラインメント点画像への割り当てをレーザが入射する各地点を用いて実施することが可能である。したがってレーザを用いて画像処理のための「視覚的構造」が得られるため、視覚的に明確に区別可能な各構造を必ずしも測定対象物自身に設ける必要がない。
【0083】
本発明による方法の一つの有利な実施形態において当該方法ステップDにおいて少なくとも一つの、好ましくはそれぞれのアラインメント点についてレーザビームが当該アラインメント点に入射する間に少なくとも一つのアラインメント点画像が取得される。これにより当該アラインメント点画像において当該アラインメント点の位置が入射するレーザビームによって定義されているという利点が生じる。したがって簡単な形でそれ自体公知である画像分析方法によって当該アラインメント点画像における当該アラインメント点の位置確認を実施することが可能である。特に当該アラインメント点画像における当該アラインメント点の位置確認のために各パターン認識方法を用いることが有利である。
【0084】
一般的な照明状況についてアラインメント点画像においてレーザビームが入射するアラインメント点は、周りの画素に比べてより高い強度、特により大きな輝度を有する。したがって一つの有利な実施形態においてアラインメント点の位置確認は、最も大きな光強度を有する画素の位置確認によって実施される。
【0085】
一般的な測定状況の多くではレーザビームが測定対象物の表面とは異なる色を有する。したがって一つの有利な実施形態においてアラインメント点画像におけるアラインメント点の位置確認は、レーザビームの色における色点の位置確認によって実施される。
【0086】
同様にアラインメント点がレーザビームによって取得されず、アラインメント点に対してレーザビームが入射している別のアラインメント点画像と各強度値とが比較されるようなアラインメント点画像を取得することも可能である。特に各輝度値の空間分解の差を演算することで両方の当該画像を比較してアラインメント点の位置確認を実施することが可能である。よって別の有利な実施形態においてアラインメント点画像におけるアラインメント点の位置確認をレーザビームが入射していないアラインメント点を含む別の空間分解画像との比較、特に差を演算することによって実施する。
【0087】
前述の通り検索可能な、視覚的な構造を得るためには少なくとも一つの、好ましくは全てのアラインメント点について当該アラインメント点にレーザビームが入射している間に少なくとも二つの当該アラインメント点を含む位置分画像を取得し、特に当該少なくとも二つの画像が異なるパースから取得されることが特に有利である。
【0088】
一つの有利な実施形態においてそれぞれのアラインメント点について当該アラインメント点のみにレーザビームが入射する、別個のアラインメント点画像が取得される。これにより簡単な形で対応するアラインメント点画像においてそれぞれのアラインメント点の位置確認を実施することが可能となる。
【0089】
同様に、一つのアラインメント点画像によってレーザビームが入射している複数のアラインメント点を取得することも本発明の範囲内にある。
【0090】
したがってレーザビームがアラインメント点に入射している間にアラインメント点画像を取得することは、当該アラインメント点画像において当該アラインメント点の位置確認が容易になるという利点を有する。これに加えてそれぞれのアラインメント点に対して直接各制御パラメータ、すなわちアラインメント点画像を取得する間にビーム配向ユニットを用いてレーザビームをそれぞれのアラインメント点に対して配向するための各制御パラメータが割り当てられている。
【0091】
しかしながら同様に取得する間、アラインメント点に対してレーザビームが入射せずにアラインメント点画像を取得することも本発明の範囲内にある。
【0092】
一つの有利な実施形態において少なくとも一つのアラインメント点、好ましくは全てのアラインメント点に測定面上で視覚的な印が付けられる。当該実施形態においてそれ自体公知であるパターン認識方法を用いてアラインメント点画像におけるアラインメント点の位置確認が実施される。特に各アラインメント点に印を付ける場合、特に一つのアラインメント点画像において複数のアラインメント点が取得されている場合、それぞれのアラインメント点を一義的に位置確認することが可能であるように視覚的に互いに区別可能な印を用いることが有利である。
【0093】
視覚的な印を使用する場合であっても一つ又は複数のアラインメント点画像を取得する間に当該視覚的な印が付けられたアラインメント点にレーザビームを入射することも本発明の範囲内にある。視覚的な印が付けられた各アラインメント点の取得は、レーザビームを入射せずに実施され、別のステップにおいて当該ビーム配向ユニットの割り当てられた各制御パラメータを特定するために当該視覚的な印が付けられたアラインメント点に対して当該ビーム配向ユニットを用いてレーザビームが入射される。一つの有利な実施形態において当該各印は測定対象物の表面ではない表面上に付けられている。この場合、当該測定対象物は(冒頭で説明した通り)例えば各振動データが特定される一つ又は複数の測定アイテムと一つ又は複数の印が付けられているその他の面とを含む。当該各印は、例えば背景面、特に一つ又は複数の当該測定アイテムの設置場所の後ろの壁に設けられ得る。
【0094】
不変である撮影場所、特に各アラインメント点画像を取得するために使用された撮像ユニットの不変の位置から連続的に撮影された各アラインメント点画像を評価することによって各制御パラメータを自動的に決定することが有利である。ここで特に前述のようにレーザが視覚的な印に入射するように当該各制御パラメータの自動的な「再調整」が実施されることが好ましい。このことはそれぞれの視覚的な印について実施されることが好ましい。
【0095】
別の有利な実施形態において、当該方法ステップAでは当該方法ステップAにおいて撮影された少なくとも二つの空間分解画像について当該レーザビームが両方の画像によって取得された地点に向けられることによりレーザビームを用いた当該方法ステップBによる三次元モデルの作成が容易になる。これにより両方の画像に一般的にははっきりと視認可能なレーザ入射点が取得されているため、当該方法ステップBにおける両画像の割り当てが容易になる。したがって当該有利な実施形態においてレーザを用いることで当該方法ステップAにおいて取得された複数の空間分解画像から三次元モデルを容易にあるいはより高い精度で作成するための視覚的な構造が得られる。
【0096】
アラインメント点画像において取得されたアラインメント点、特に前述の有利な実施形態によって位置確認されたアラインメント点に対して当該方法ステップEにおいて当該三次元モデルの各位置座標が割り当てられる。
【0097】
有利な実施形態において当該方法ステップDにおいてそれぞれのアラインメント点について少なくとも二つ、好ましくは少なくとも三つ、特に少なくとも五つのアラインメント点画像が異なるパースから取得される。これにより異なるパースからの各画像が存在することでそれ自体公知である各画像処理方法によって当該アラインメント点に対する各位置座標の割り当てが可能になる。特に当該方法ステップDが当該方法ステップAと一体化されていることが有利である。したがって当該有利な実施形態において当該方法ステップAにより異なるパースから測定対象物の少なくとも測定面における複数の空間分解画像を撮影する間に少なくとも一つ、好ましくは全てのアラインメント点について異なるパースから複数の空間分解アラインメント点画像が撮影される。したがって当該有利な実施形態において既に(当該方法ステップDが一体化された)当該方法ステップAにおいて撮影された複数の空中分解画像において当該各アラインメント点を位置確認することが可能である。
【0098】
このことは複数の空間分解画像を撮影する間に当該ビーム配向ユニットによるレーザビームが各アラインメント点に入射し、特に前述のうちいずれか一つの位置確認方法によって当該各アラインメント点の位置確認をすることによって実施されることが好ましい。当該ビーム配向ユニットを用いてレーザビームを一般的には二つのアラインメント点に対して同時に配向することは不可能である。したがってアラインメント点が存在する領域において複数の空中分解画像を重畳した場合、一部の画像はレーザビームが入射している状態におけるアラインメント点を有し、一部の画像はレーザビームが入射していない状態を有することがある。しかしながらこのような各画像が存在する場合であってもそれ自体公知である各画像処理方法によってレーザ点の位置確認を実施することが可能である。特に一つの好ましい実施例において各重畳領域における各画像を平均化することにより、両方の画像のうちいずれにしか当該アラインメント点に当該レーザビームが入射していなくても例えばより高い光強度及び/又は当該レーザビームに割り当てられた色の検索及び/又は二つの画像の比較など、前述の各位置確認方法のいずれか一つを用いることによってアラインメント点の位置確認をすることが可能である。
【0099】
同一のアラインメント点を含む複数のアラインメント点画像を異なるパースから取得する場合、当該方法ステップBにおいて当該三次元モデルを作成する間にそれぞれのアラインメント点に対して当該三次元モデルの各位置座標を割り当てる当該方法ステップEも実施することが好ましい。
【0100】
当該方法ステップBでは複数の各空間分解画像に基づいて対象の少なくとも測定面の三次元モデルが作成される。これに応じて手間がかからない形でそれぞれの空間分解画像について少なくとも当該測定面のそれぞれの画素に対して各位置座標を割り当てることが可能である。よって一つの有利な実施形態においてアラインメント点を含む各画像については当該空間分解画像における当該アラインメント点の位置確認とこれに応じて当該アラインメント点に対する各位置座標の割り当てが実施される。この際、前述の通り当該各画像における当該アラインメント点は、異なる各画像処理方法によって自動的に検出される。
【0101】
別の好ましい実施形態において、同じ位置から対象に対して同一のパースにおいて複数のアラインメント点画像が撮影される。
【0102】
これによりアラインメント点画像上で位置確認された全てのアラインメント点について当該方法ステップEによる三次元モデルの各位置座標の割り当てを、特に好ましくは各アラインメント点の各座標のための割当規定を用いて同じように実施できるという利点が得られる。
【0103】
よって各アラインメント点画像を当該ビーム配向ユニットに対して固定式に配置された撮像ユニットによって取得することが有利である。多くの場合、概ね当該ビーム配向ユニットのパースから撮影した撮像ユニットによって取得された画像、特に測定対象物の動画を得ることが望ましい。これによりユーザは測定の実施のためにレーザビームが照射されるパースの現実的なイメージを得る。よって一般的なビーム配向ユニットは、当該ビーム配向ユニットに固定式に配置された撮像ユニットを有する。よって当該撮像ユニットを付加的に一つ又は複数のアラインメント点画像を撮影するために使用することが特に有利である。同様に一方ではユーザのために測定対象物の画像を取得し、他方では一つ又は複数のアラインメント点画像を取得するために当該ビーム配向ユニットの付近に配置される、別個の撮像ユニットを使用することも可能である。このような撮像ユニットを例えば当該ビーム配向ユニットの隣における三脚台の上に配置することが可能である。
【0104】
レーザビームを複数の事前定義された測定点に配向して測定を実施する場合、当該ビーム配向ユニットは対象に対して一般的には移動されないのは当該ビーム配向ユニットと当該対象との間のこの種の相対移動を割当規定の変更によって補完する必要があるからである。このような相対移動が生じた場合、新たなアラインメントを実施することが有利である。相対移動が定義された上で実施されて既知である場合、割当規定の演算による修正を実施することも可能である。このことは例えば測定装置が対象に対して定義された、事前定義された形において例えば線形搬送ユニットあるいはロボットアームなどの移動ユニットによって移動される場合に当てはまる。
【0105】
複数のアラインメント点画像を同一の位置で測定対象物に対する同一のパースで取得する場合、当該各アラインメント点画像の画素に対する三次元モデルの各位置座標の割り当てが実施されることが好ましい。当該好ましい実施形態において全てのアラインメント点画像が同一の位置で測定対象物に対する同一のパースで特定されるため、当該各アラインメント点画像の画素のために共通の割り当て規定を特定することが可能である。
【0106】
少なくとも一つのアラインメント点画像を用いて当該アラインメント点画像のための撮影場所が決定されることが有利である。このことは当該アラインメント点画像と当該三次元モデルを用いて演算された対象の異なるパースからの各様相とを比較することによって実施されることが好ましい。これにより自動的に当該三次元モデルにおける各アラインメント点画像の撮影場所を決定することが可能となる。同様にこれにより当該アラインメント点画像におけるそれぞれの位置に対して当該三次元モデルにおける各位置座標を割り当てることが可能となる。
【0107】
一般的にデジタルカメラ、特に前述のようなCCD画像センサ又はCMOS画像センサを有するカメラが複数の画素を有する各空間分解画像を撮影するための撮像ユニットとして使用される。したがって前述の有利な実施形態においてアラインメント点画像の各画素、特に測定面を示すそれぞれの画素に対して当該三次元モデルにおける当該測定面上の各三次元位置座標を割り当てることが可能である。前述の通り、前述の有利な実施形態における当該割り当ては全てのアラインメント点画像について同一であるため、それぞれのアラインメント点画像においてそれぞれの位置確認されたアラインメント点に対して当該三次元モデルにおける各位置座標を割り当てるためにはその決定を実施するのは一度でよい。
【0108】
当該方法ステップCでは、測定面上の少なくとも三つのアラインメント点が事前定義され、特にレーザビームがそれぞれのアラインメント点に入射する間にそれぞれのアラインメント点についてアラインメント点画像を取得するために当該ビーム配向ユニットを用いて当該レーザビームが自動的に三つのアラインメント点のそれぞれに対して配向されることが有利である。少なくとも三つのアラインメント点を事前定義するのはユーザによってあるいは当該方法ステップBによって作成された当該三次元モデルを用いて自動的に実施され得る。
【0109】
当該段階においてはまだ当該ビーム配向ユニットのアラインメントが実施されていない、すなわち、アラインメント点の各位置座標を事前定義することで当該ビーム配向ユニットのための対応する各制御パラメータの特定を(少なくとも十分な精度を有するように)実施することがまだ不可能である。よってアラインメント点に対する走査ビームの自動配向は、自動化された動画撮影によって実施されることが好ましい:
【0110】
撮像ユニット、特に好ましくは前述の当該ビーム配向ユニットに対して固定式に配置された撮像ユニットを用いてアラインメント点と測定面上に入射するレーザビームとを含む各空間分解画像が撮影される。ここでユーザが最初は当該レーザビームを当該測定面上の少なくとも一つの任意の点に配向することが必要な場合があり得る。しかしながらこのことに高い精度が必要ではないため、ユーザにとって手間がかかることなく実施することが可能である。
【0111】
まだ当該ビーム配向ユニットのアラインメントが実施されていない場合であっても各制御パラメータを変更すること、特に「再調整」することによって当該レーザビームの当該対象に対する入射位置の変位を概ね実施することが可能である:それ自体公知である各アルゴリズムを用いて例えば推定の座標系において任意の方向への当該レーザビームの微細な変位を実施し、その後空間分解画像を分析することで当該変位が正しい方向に実施されたかどうかを確認し、場合によっては変位方向の修正を実施することで当該ビーム配向ユニットのアラインメントが実施されなくても反復して当該測定ビームがアラインメント点に配向される。同様に空間分解動画を用いても当該レーザビームが当該アラインメント点に入射する、目標とする状態を特定することが可能である。これに応じてこうして得られた各制御パラメータを当該アラインメント点に対して割り当てることが可能である。
【0112】
空間分解画像においてレーザビームを特定/位置確認するには、(特に当該撮像ユニットのカメラの口径を閉じる及び/又は露出時間を短くすることによって)当該画像を一時的に暗くすることで基本的に当該レーザビームのみを当該カメラによって取得して特に当該レーザビームによるカメラ画像の露出過度を避けることが有利である。当該レーザビームの各画素座標は、閾値より上の輝度を有する当該各画素座標の適切な平均化によって決定されることが好ましい。当該レーザビームの当該各画素座標は、事前に決定された当該アラインメント点の各画素座標と比較されることが好ましい。
【0113】
当該有利な実施形態において各アラインメント点を事前定義するには画像分析によって空間分解画像上で検出される視覚的な印を用いることが可能である。しかしながら特に当該撮像ユニットによって取得された当該空間分解画像上でユーザが各アラインメント点を選択することが有利である。特に有利である、実施しやすい選択は、例えばコンピュータマウスをクリックすることによる当該空間分解画像上の各アラインメント点を選択することによる選択であり得る。この場合、ユーザによって選択された当該アラインメント点によって三次元モデルにおいて各位置座標を割り当てるために、さらに当該空間分解画像が当該三次元モデルと比較される。
【0114】
前述のように視覚的な印を用いる場合、当該方法ステップAの前に方法ステップA0において少なくとも三つの視覚的なアラインメント点印が印として測定面上に設けられることが特に有利である。特に当該方法ステップEにおいて各アラインメント点への各位置座標の割り当てが自動パターン認識によって実施されることが有利である。別の好ましい実施形態において当該方法ステップCにおいてレーザビームが自動的に当該ビーム配向ユニットを用いて少なくとも三つのアラインメント点のそれぞれに配向されることでそれぞれのアラインメント点についてアラインメント点画像を取得する。
【0115】
本発明による方法の重要な構成要素は、当該方法ステップAにて撮影された各空間分解画像を用いて当該方法ステップBによって三次元モデルを作成することにある。当該方法ステップBにおける三次元モデルの作成は、写真測量によって実施されることが有利である。写真測量方法は、それ自体、地学及びリモートセンシングの分野より公知である。しかしながらもはや写真測量は、複数の空間分解測定画像を用いて対象の位置及び/又は三次元形状を特定するためにも使用される。
【0116】
よって冒頭で述べた課題も同様にレーザ光源のレーザビームを測定対象物の複数の測定点に配向するためビーム配向ユニットのアラインメントを実施するために、特に振動計のビーム配向ユニットのアラインメントを実施するために写真測量を用いることによって解消される。
【0117】
三次元モデルを高精度な決定を可能にするために各空間分解画像は、少なくとも各縁領域においてそれぞれ後続の画像が重畳されるように取得されることが好ましい。本発明による方法が使用される測定対象物の一般的な寸法により、特に近距離写真測量の方法を使用することが有利である。
【0118】
可能な実施形態として各空間分解画像上における明確な特徴の決定及びその後の各座標の三角測量がある。特に米国特許第6711293号明細書によるスケール不変の特徴変換SIFT、頑健な特徴量の高速化SURF及びこれらに類似した適切に公知である方法を用いて各空間分解画像上における特定可能な各特徴が決定される。当該各特徴は、複数の空間分解画像上で検索されて互いに割り当てられる。割り当ては、(SIFT、SURFなどの)特徴ベクトルによって得られる多次元的な空間における当該特徴に概ね適合する近傍点を決定するアルゴリズムによって実施される。これらの例としては単純に試してみること(Brute Force)、高速最近傍点検索ライブラリ(FLANN:Marius Muja及びDavidG.Lowe「自動アルゴリズム構造を有する高速近似最近傍点」、コンピュータビジョン理論及びアプリケーションに関する国際会議(VISAPP‘09年)、2009年)である。その他の方法も可能である。こうして使用される撮像ユニットの表示特性に基づいて各画像のパースを演算し、各特性の対応に基づいて、好ましくは三角測量によって各座標を特定することが可能である。当該座標の特定を複数回実施することによって複数の三次元座標が得られ、これらを組み合わせてモデルを作成することが可能である。このことは当該方法ステップBに相当する。当該及びその他利用可能なこの種の方法の概要は、https://en.wikipedia.org/wiki/Structure_from_motionでも得られる。
【0119】
ここでさらに別の可能である実施形態としてはそれ自体公知である、前述の好ましくはストライプ投射の実施形態におけるパターン投射を使用することである。パターン投射の場合、複数の空間分解画像上での適合する近傍点の面倒な検索がなくなり、三角測量をパターン投射ユニットとカメラとの間の公知である関係に基づいて実施することが可能である。ここでも複数の三次元座標を得て当該方法ステップBに応じてモデルへと組み合わせられる。対象の複数の空間分解画像を撮影し、三次元モデルを作成するための可動式の各測定装置は既に市販されている。当該各撮像ユニットは、一般的に空間分解画像を取得するための撮影ユニット、特にカメラに加えてパターンを投射するため、特にストライプ光投射方法のためにストライプを投射するための投射ユニットをも有する。
【0120】
このために以下に記載する、市販されている各三次元スキャナーのうちいずれか一つが使用される(以下に述べる名称は商標名であり、これらの権利はそれぞれの所有者にある):Artec Eva、Artec Spider、Creaform GoScan 3D、Creaform Handyscan 3D、Creaform Metrascan 3D。
【0121】
本発明による方法の異なる有利な実施形態において空間分解画像の画素に三次元モデルの各位置座標を割り当てることが必要である。
【0122】
空間分解画像上で三次元モデルの位置及び向きを決定することは例えばDOI:10.1109/ICCV.2017.23などの最新技術より公知である。こうして既知となった位置と向きとによって対応する空間分解画像上のそれぞれの画素についてその点が三次元モデルの表面の一部を表すかどうかを決定することが可能である。もしその点が当該三次元モデルの表面の一部を表している場合、当該三次元モデルの表面における最近傍の既知である各三次元座標を決定し、適切な補間によって当該空間分解画像のそれぞれの画素に表される当該表面の部分の各三次元座標を決定することが可能である。いずれにしても空間分解画像において三次元の測定対象物モデルの位置と向きとを決定することによってそれぞれの位置、特に空間分解画像のそれぞれの画素に対して当該三次元の測定対象物モデルにおける対応する各三次元座標を割り当てることも可能である。その他の有利な各実施形態は、
図5及び
図6において図示されて対応する図面の説明において説明されている。
【0123】
別の有利な実施形態において当該方法ステップDを当該方法ステップAに一体化することによって三次元モデルにおける各位置座標の各アラインメント点画像の各画素への割り当てが容易になる:当該有利な実施形態において当該方法ステップAによって多くの空間分解画像が撮影され、当該方法ステップDによる各アラインメント点画像は、少なくとも一つの当該方法ステップAの各空間分解画像の撮影場所に相当する、あるいはそこからほんの少しだけずれた撮影場所からそれぞれ撮影される。したがってこれによりそれぞれのアラインメント点画像を当該方法ステップAによる空間分解画像のうち少なくとも一つに対して割り当てることが可能である。当該方法ステップBによる三次元モデルを決定する場合、当該方法ステップAにて撮影された各画像の各画素に対する各位置座標の割り当てが実施されることが好ましい。これに応じて当該方法ステップAによる対応する各空間分解画像の割り当てを用いることで一つ又は複数のアラインメント点画像について各位置座標の割り当てを手間のかからない形で実施することが可能となる。
【0124】
特に当該方法ステップAによる複数の空間分解画像のみならず当該方法ステップDによる各アラインメント点画像を取得する撮像ユニットを使用することが有利である。これにより容易な形で当該方法ステップAによる空間分解画像とアラインメント点画像との撮影を好ましくは同時、あるいは立て続けに、特に好ましくは1秒未満、好ましくは0.5秒未満の時間的間隔において当該方法ステップAによる空間分解画像とアラインメント点画像とが撮影されるように実施することが可能となる。
【0125】
本発明によるアラインメント方法は、干渉測定装置のビーム配向ユニットのアラインメントに役立つ。したがって当該ビーム配向ユニットによってレーザビームが測定ビームとして測定対象物の測定点へと配向される。反射及び/又は分散された当該測定ビームは、再び当該ビーム配向ユニットを通って当該測定装置における干渉測定を可能にする。一つの有利な実施形態において当該レーザビームが当該干渉測定装置によって少なくとも一つの測定ビームと少なくとも一つの基準ビームとに分割される。
【0126】
当該測定ビームは、当該ビーム配向ユニットによって当該測定対象物上の事前定義された測定点へと配向され、当該測定対象物によって反射及び/またが分散された当該測定ビームは、光干渉を形成するために当該基準ビームと重畳されるために再び当該ビーム配向ユニットを通る。このため当該測定装置は、干渉信号を検出するために少なくとも一つの検出器を有する。当該干渉信号からは所望する測定データ、特に振動データ及び/又は測定点における対象の表面の動作の速度を特定することが可能である。当該測定装置は、それ自体公知である形で干渉計、特に振動計、好ましくはヘテロダイン干渉計又はヘテロダイン振動計の基本構造を有するように形成され得る。
【0127】
複数の次元における振動の測定点を特定するには当該各方法ステップC、D及びFを複数の測定ヘッド、好ましくは三つの、それぞれがレーザ光源とビーム配向ユニットとを有する各測定ヘッドについて実施することが有利である。特に前述の各方法ステップを複数の互いに対して固定式に配置された測定ヘッドについて実施することが有利である。三つの測定ヘッドを有する各測定装置は、例えば「PSV-3D-Scanning Vibrometer」の名称で出願人より入手可能である。
【0128】
本発明による方法は、測定面における少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点の使用を前提としている。数学的見地からは三つのアラインメント点の使用と少なくとも一つのアラインメント点のビーム配向ユニットに対する距離が事前定義されていることによってシステムは十分に決定される。同様に十分に決定されたシステムのために四つの位置が異なるアラインメント点を事前定義することが可能であるが、この場合ビーム配向ユニットに対する距離を事前定義したり測定したりする必要はない。調和されたシステムを得ることで測定誤差の影響を低減するためには四つ以上の位置が異なるアラインメント点を事前定義することが有利である。
【0129】
特に各アラインメント点の測定装置、特にビーム配向ユニットに対する距離を決定するために距離測定ユニットを用いることが有利である。これに応じて決定すべき各パラメータの数が減少する:各アラインメント点に対する各距離が既知である場合、少なくとも三つのアラインメント点が必要となる。当該各距離が不明である場合、割当規定の全てのパラメータを決定するには少なくとも四つのアラインメント点が必要となる。
【0130】
測定対象物の少なくとも測定面の三次元モデルは、三次元対象の形状を取得するために公知である種類の写真測量を用いて形成され得る。特に当該方法ステップBにおいてポイントクラウド、好ましくは多角形メッシュ、特に不整三角形メッシュを有する三次元モデルを作成することは本発明の範囲内にある。前述の通り三次元モデルは、対象のテキスチャー情報、特に測定面の見た目の一つ又は複数の空間分解画像と、さらに好ましくは各三次元座標とともに当該表面のそれぞれの点についてさらに該測定面の各空間分解画像において対応する各画素座標(いわゆる各テキスチャー座標)を含むことがさらに有利である。
【0131】
よって三次元モデルは、それぞれ各三次元座標と各テキスチャー座標とを含む対象の表面の各点の一覧と当該測定対象物の当該表面に類似する各三角形の一覧とを含むことが好ましく、当該各三角形各角点が当該各点の一覧の構成要素である。
【0132】
有利な実施形態において本発明による測定装置はレーザビームのための集束ユニットを有する。このことは測定対象物上の正確な測定点に対して特に可能な限り小さな範囲に入射するために有利である。一般的に異なる測定点は測定装置、特にビーム配向ユニットに対して異なる距離を有する。よって集束ユニットは当該制御ユニットと連結されており、当該制御ユニットは当該三次元モデルを用いて当該測定装置及び/又は当該ビーム配向ユニットのレーザビームが入射する測定点に対する距離を決定し、当該レーザビームが当該測定点に集束するように当該集束ユニットを制御するように形成されていることが有利である。
【0133】
当該有利な実施形態においては三次元モデルの高い精度が望ましい。ここに本発明による方法の別の利点があるのは、当該方法ステップAにおいて複数のパースから各空間分解画像を撮影することによって当該方法ステップBにおいて特に高精度な三次元モデルの決定が可能であるからである。
【0134】
多くの干渉測定において可視領域におけるレーザビームが測定ビームとして使用される。この種のレーザビームは、手間がかからない形で一般的な各撮像ユニットによって取得され得る。よって本発明による方法及び本発明による測定装置において当該干渉測定装置の当該測定ビーム及び当該基準ビームを生成するための当該レーザ光源がアラインメントのためのレーザ光源として使用されることが有利である。したがってアラインメントに用いられるレーザビームは当該測定ビームに相当し、一般的にアラインメントの実施の間、特に当該方法ステップA、C及びDの間、干渉測定は実施されない。
【0135】
同様に付加的なレーザ光源によって生成されたレーザビームを用いてアラインメントを実施することも本発明の範囲内にある:
【0136】
いくつかの干渉測定の適用例においては、通常の各撮像ユニットでは全くあるいは不十分な精度でしか取得できないレーザビームを使用することが望ましい。特に1550nmの波長における赤外線領域の各レーザビームを使用する各振動計が公知である。
【0137】
ここでユーザがそれぞれ入射される測定点についての視覚的制御を全くあるいは不十分にしか実施できず、このようなレーザの入射点を自動的に得るには別途技術的な手間がかかるという不利がある。本発明による方法ではこれに加えてユーザによって測定ビームをアラインメント点に入射する制御は不可能あるいは容易ではない。特にこの場合ユーザが当該ビーム配向ユニットに対して各制御指令を手動で送って所望するアラインメント点に測定ビームを入射することにより簡単な目視点検によってアラインメント点を選択することができない。
【0138】
よって本発明の一つの有利な実施形態においてアラインメントを実施するために照準レーザ光源の別途照準レーザビームが使用される。当該照準レーザビームは、当該照準レーザビームが当該測定ビームと同じ測定対象物上の地点に入射するように当該ビーム配向ユニットのビーム経路へと連結されることが好ましい。特に当該照準レーザビームは、当該測定ビームと当該照準レーザビームとが当該ビーム配向ユニットによって同じように偏向されるように当該測定ビームと同軸状に当該ビーム配向ユニットの当該ビーム経路へと連結されることが好ましい。
【0139】
したがって当該有利な実施形態において当該照準レーザ光源がレーザ光源を、また当該照準レーザビームが本発明による方法あるいはその好ましい実施形態のための当該レーザビームを表わす。したがって特に当該方法ステップCにおいて当該照準レーザビームが少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点へと配向される。これに加えてアラインメントの間に干渉測定を実施する必要がないためアラインメントを実施する場合、同時に測定ビームを発信する必要がなく、したがってここで当該測定ビームのための当該レーザ光源をスイッチオフすることが可能である。
【0140】
しかしながら干渉信号強度を評価することで有利な形で測定レーザビームの自動集束を実現することが可能であるため、アラインメントの間、当該測定レーザビームをスイッチオンしたままにすることが有利である。測定装置のレーザビームのための光学系の有利な実施形態は、測定レーザビームが集束してすぐに照準レーザビームが集束することである。したがって測定レーザの自動集束によって照準レーザビームもが自動集束される。
【0141】
これに応じて一つの好ましい実施形態において測定装置は照準レーザビームのための照準レーザ光源を有し、制御ユニットはレーザビームとして照準レーザビームを用いてビーム配向ユニットのアラインメントを実施する。
【0142】
ここで当該レーザ光源の当該レーザビームを測定対象物の複数の測定点への配向はビーム配向ユニットによって実施される。当該ビーム配向ユニットは、それ自体公知であるように形成され得る。したがって当該ビーム配向ユニットが偏向ユニットとして形成され、当該レーザビームの偏向が一つあるいは複数の可動式のミラー又はその他の光学的手段によって実施されることは本発明の範囲内にある。同様にレーザビームの所望する点への配向は、光学要素の直動方法、例えば電動モータを用いてミラーを直線移動することによって実施し得る。同様にレーザ光源、特にビーム配向ユニットを用いて測定装置全体を移動させることも本発明の範囲内にある。したがって例えば当該測定装置を直動、例えばx方向とこれに対して垂直であるy方向へと移動するために当該ビーム配向ユニットは、移動ユニットとして構成され得る。同様にビーム配向ユニットは、これに代えてあるいはこれに加えてレーザ光源、特には測定装置全体を傾けたり回転したりするように構成され得る。特に測定装置がビーム配向ユニットを用いて一つ又は好ましくは二つの軸の周りを回転可能であることが本発明の範囲内にある。特にビーム配向ユニットがレーザ光源のレーザビームを所望する測定点へと配向することができるようにロボットアームとして形成されていることが本発明の範囲内にある。
【0143】
しかしながら本発明は前述の各ビーム配向ユニットに限定されるものではない。重要なのはレーザビームが入射可能である測定点について対応する各制御パラメータを事前定義することにより、ビーム配向ユニットを用いてレーザ光源のレーザビームを所望する測定点に配向され得るようにするため各制御パラメータが事前定義されることである。
【0144】
ビーム配向ユニットのその他の有利な実施形態も考えられる。よってレーザビームの空間経路の変更を測定ヘッド、レーザ、光学系及びその他の部分を作動する機械的な調整ユニットによって実施することも可能である。特に有利なのはガルバノメトリック作動されるミラースキャナー、ジンバル支持されたミラーを有するミラースキャナー、圧電スキャナー、ウェッジプレートスキャナーあるいはMEMSスキャナーである。電気光学又は音響光学によって駆動されるビーム配向ユニットも考え得る。
【0145】
したがって本発明、少なくともその有利な各実施形態の重要な観点は、以下のとおり要約できる:適切な撮像ユニットを用いて測定対象物の測定面の各空間分解画像が撮影され、その際に当該各画像のうち少なくとも一部が当該測定面の三次元モデルを作成するために使用され、当該各画像のうち必ずしもこの目的のために分解されていない各画像の一部が各アラインメント点画像を提供する上で役立つものであり、次いで当該各画像は作成された当該測定面の当該三次元モデルと空間的に関連付けられる。各アラインメント点は、当該各アラインメント点画像上で位置確認される、すなわち当該各アラインメント点に対して手動あるいは自動的にそれぞれ対応する空間分解画像における位置が振り当てられることで当該各アラインメント点画像の当該測定対象物表面の当該三次元モデルに対する空間的関連づけに基づいて当該各アラインメント点画像に対して当該各測定面の当該モデルの各座標が割り当てられ得る。これに代えて各アラインメント点を測定面の三次元モデルにおいて位置確認することも可能である。レーザビームは、少なくとも三つの位置が異なるアラインメント点に配向されて、ビーム配向ユニットの対応する制御パラメータが特定される。これにより当該アラインメント点について当該測定面の当該モデルにおける各三次元座標のみならず当該対応する各制御パラメータもが利用可能となる。ここから割当規定が特定されて、当該割当規定を用いて測定面上のレーザビームが入射し得る任意の各測定点に対してこれに対応するビーム配向ユニットの各制御パラメータが振り当てられる。特にこのために当該各制御パラメータと場合によってはさらに別の未確定である各パラメータに応じて当該ビーム配向ユニットに対するレーザビーム経路をモデリングするビーム配向ユニットモデルを使用することが有利である。この場合、当該割当規定に加えて測定対象物の座標系における測定点に入射する際のそれぞれ関連するレーザビームのビーム配向を決定することが可能である。干渉法に基づく振動のための各測定システムでは、常に測定レーザビームの方向あるいは前述の通り当該対象に向かう測定レーザビームと当該対象から戻る測定ビームとの間の角二等分線の方向への振動のみを特定するため、振動測定への適用上このことは特に重要である。特に複数の、好ましくは三つあるいはそれ以上の測定装置を使用する場合、これにより三つの次元全てにおいて測定対象物によって各振動情報を別々に取得し、場合によっては測定面に対して相対的にあるいは測定対象物モデルの各座標において明示する可能性が与えられる。各アラインメント点へのレーザビームの配向は、選択的に各アラインメント点画像の撮影の前、後あるいはその最中に実施され得て異なる各アラインメント点について異なる方法で処理することも可能である。
【0146】
特に各アラインメント点画像をビーム配向ユニットに対して固定式の撮像ユニットによって取得することが有利であり、当該撮像ユニットは特に好ましくはレーザビームのレーザ出力口の近くに配置されていることで測定対象物を概ね当該ビーム配向ユニットのパースから表示する。当該撮像ユニットの各画像が当該測定面の作成された三次元モデルと空間的に関連付けされることにより、当該撮像ユニットの各空間分解画像においてそれぞれの画素に対してすぐに当該測定対象物の座標系における対応する測定点の関連する各座標を割り当てることが可能である。こうしてそれぞれの任意の、当該撮像ユニットによって視認可能である点と同時に当該測定面においてレーザビームが到達可能な点とをアラインメント点として使用することが可能である。これにより公知である最新技術によるアプロ―チとは対照的に自身のテキスチャー、色、位置などによって見分けることができない故に測定対象物モデルにおける対応する各点に対する割り当てが困難である各アラインメント点をも使用することが可能であり、このことは特に各表面上における構造が少ない場合、極めて有利である。
【0147】
レーザビームが各アラインメント点に配向されている間に各アラインメント点画像を撮影することも有利である。これにより当該各アラインメント点画像におけるアラインメント点を手動又は自動の実施に関わらず特に正確な形で位置確認することが可能となる。
【0148】
各アラインメント点画像として測定面の各画像のうち当該測定面の三次元モデルを作成するために使用される各画像のサブセットを使用することが特に有利なのは当該各画像が当該測定面の当該三次元モデルに対して特に正確な関係を有するからである。特にレーザビームがそれぞれのアラインメント点に配向されている時に当該アラインメント点画像を撮影することが有利なのは、この場合それぞれ対応するアラインメント点画像における各アラインメント点の位置確認が最も高い精度を有するからである。このことを容易に達成するには各アラインメント点画像を撮影する間にビーム配向ユニットがレーザビームを連続的に複数のアラインメント点へと配向することが可能である。このことは好ましくはちょうどアラインメント点画像が撮影されたまさにそのアラインメント点に照明が当たるような形で自動的なスイッチングが起こることによって実施され得る。しかしながら例えばそれぞれのアラインメント点画像の撮影に成功した場合にそれぞれ手動でスイッチングを始めることによって当該配向が半自動的にも実施され得る。あるいはそれぞれのアラインメント点へのスイッチングを手動で実施し、その後に各アラインメント点画像を適切に撮影するように当該配向を完全に手動で実施することも可能である。レーザビームがアラインメント点に配向されている時に各アラインメント点画像が撮影されるだけではなく同じ各アラインメント点画像を三次元モデルの作成のために用いる場合、当該各アラインメント点に対して特に容易な形で三次元測定対象物モデルにおける各座標が割り当てられ得る。その後、自動であれ手動であれ、当該各アラインメント点を直接当該測定対象物モデルにおいて特定し、自身の各座標を後に使用するために保存するか制御ユニットのメモリに保存することが可能である。
【0149】
さらなる有利な各特徴及び好ましい各実施形態は、以下において図面及び各実施例に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【
図1】
図1は、本発明による測定装置の第一の実施例である。
【
図2】
図2は、本発明による測定装置の第二の実施例である。
【
図3】
図3は、本発明による測定装置の第三の実施例である。
【
図5】
図5は、撮像ユニットの位置の決定を説明するための測定対象物及び空間分解画像の図である。
【
図6】
図6は、当該空間分解画像の画素に対する各三次元座標の決定を説明するための測定対象物及び空間分解画像の図がそれぞれ示されている。
【発明を実施するための形態】
【0151】
各図面において、概略的で縮尺に合致しない各図が示されている。各図面において同一の各符号は、同一あるいは同等の機能を有する各要素を表す。
【0152】
図1による干渉測定を実施するための本発明による第一の実施例は、振動計1とビーム配向ユニット2とを有する。
【0153】
当該振動計1は、それ自体公知である形で光学的干渉計として形成されており、元のビームを生成するための光源としてのレーザと、当該元のビームを少なくとも一つの測定ビームと少なくとも一つの基準ビームとに分割し、当該基準ビームと当該測定対象物によって反射及び/又は分散された当該測定ビームとを検出器上で光干渉を形成するために重畳するための、少なくとも一つのビームスプリッタを有する。当該実施例における当該レーザビームの波長は、632.8nmである。
【0154】
当該振動計は、独国特許発明第102012211549号明細書に記載されるように形成され得る。
【0155】
ここで当該ビーム配向ユニット2は、偏向ユニットとして形成されており、検流計によって回転可能な二つのミラーを有するため、それ自体公知である形で二次元偏向のためのミラースキャナーが形成される。見やすさのために当該ビーム配向ユニット2の当該二つのミラーが概略的に示されている。したがって当該ビーム配向ユニット2によって測定ビーム3としてレーザビームが複数の位置が異なる各測定点へと配向される。
【0156】
当該振動計1の当該測定ビーム3は、当該ビーム配向ユニット2を通って測定対象物の測定面に入射する。当該ビーム配向ユニット2によって当該測定ビーム3は、車両の後部領域ならびに当該車両を取り囲む各床領域及び各壁領域へと配向され得る。したがって当該測定対象物4は、測定アイテムとしての当該車両4aならびに各床領域及び各壁領域を含む。ここで当該測定面は、当該測定ビーム3が入射可能な面で、したがって当該車両4aの後部領域における表面ならびに同様に各壁領域及び床領域を含む。
【0157】
干渉測定の目的は、当該車両4aの後部領域における表面における複数の測定点について車両4aのモータが駆動している状態で振動測定を実施することにある。
【0158】
このため当該測定装置は、さらに当該振動計1と当該ビーム配向ユニット2と連結されている制御ユニット5を有する。当該制御ユニット5により所望するミラー位置を得るために当該ビーム配向ユニット2に対して各制御パラメータが送信される。同様に当該制御ユニット5により測定ビームと基準ビームとの間の光干渉から各振動データを特定するために当該振動計1の当該レーザ光源の制御及び当該振動計1の当該検出器の各測定信号の評価が実施される。
【0159】
当該測定装置は、さらに当該ビーム配向ユニットに対して可動式の撮像ユニット6を有する。当該撮像ユニットは、ハンドセットとして形成されているため、様式化された手とともに図示されている。
【0160】
当該可動式の撮像ユニット6は、ストライプ投射を実施するように形成されているため、各空間分解画像を取得するためのカメラと各ストライプパターンを投射するための投射ユニットとを有する。当該可動式の撮像ユニット6は、当該各空間分解画像の各データを当該制御ユニット5に対して送信するためにワイヤレスあるいは接続ケーブルを介して同様に当該制御ユニット5と連結されている。
【0161】
さらに当該測定装置は、当該ビーム配向ユニット2に対して固定式の、CCDカメラ又はCMOSカメラとして形成されている撮像ユニット7を有し、当該撮像ユニットは、共通のハウジング内に当該振動計1及び当該ビーム配向ユニット2とともに配置されている。当該固定式の撮像ユニット7は、場合によっては各偏向ミラー及び/又は各重畳ビームスプリッタ(例えばダイクロイックミラーなどのカラービームスプリッタ)を有し、概ね当該測定ビーム3が出力される当該ビーム配向ユニットのビーム出口2aのパースからの当該車両4aの空間分解画像を取得することが可能であるように配置されている。
【0162】
当該制御ユニット5は、当該測定面上における当該測定ビームが入射する測定点に対応する、当該ビーム配向ユニット2のための各制御パラメータを割り当てるために当該制御ユニットによって当該ビーム配向ユニットのアラインメントを実施するように形成されている。さらに当該制御ユニット5は、当該可動式の撮像ユニット6によって取得される複数の空間分解画像に基づいて当該ビーム配向ユニット2による当該測定ビーム3が入射可能な、少なくとも当該車両4aの後部領域の三次元モデルを作成するように形成されている。
【0163】
以下において当該第一の実施例による測定装置によって実施可能である、本発明による方法の三つの実施例を説明する。当該各方法の目的は、当該ビーム配向ユニット2のアラインメントを実施することにある。
【0164】
(本発明による方法の第一の実施例)
方法ステップAにおいて当該可動式の撮像ユニット6を用いて当該車両4aの後部領域の複数の空間分解画像の撮影が実施される。このためユーザは自動的に複数の空間分解画像が撮影される間、当該車両4aの後部領域の周りで当該可動式の撮像ユニット6を移動させる。前述の通り当該複数の空間分解画像の撮影の間、当該可動式の撮像ユニット6はストライプ投射の原理に従って各ストライプパターンを生成するため、それ自体公知である形で方法ステップBにおいて当該制御ユニット5を用いて写真測量によって少なくとも当該車両4aの後部領域を含む三次元モデルが作成される。当該三次元モデルは、当該領域の構造形状を再現する、各三角形からなる多角形メッシュを有する。
【0165】
これに代わって当該撮影ユニット6は、市販のカメラあるいは照明ユニットと一つ又は複数のカメラとの組み合わせによって形成される。白黒カメラのみならずカラーカメラも利用可能である。当該撮影ユニットは、極めて好ましくは例えばカラーカメラを含むことにより当該測定面の構造を決定するために必要な各情報に加えて当該表面のテキスチャー及び/又は色に関する各情報をも取得することが特に好ましい。当該各テキスチャー情報及び/又は当該各色情報と撮影された当該各画像あるいは当該対象の地形学的三次元モデルに対する当該各情報の空間的割当とを取得することが特に有利なのは、前述のようにこれにより撮影された様々な各画像を互いに対して著しく良好に割り当てることが可能であり、当該三次元モデルに対するそれぞれのカメラ画像の撮影位置をも同様に著しく正確に割り当てることが可能であるからである。
【0166】
固定式の撮像ユニット7によって同様に当該車両4aの後部領域の空間分解画像が取得されて当該制御ユニット5へと伝達される。したがって当該実施例においては一枚のアラインメント点画像のみが使用される。
【0167】
当該固定式の撮像ユニット7の地点を決定することで当該各データに基づいて当該撮像ユニット7の当該空間分解画像のそれぞれの画素に対して当該車両4aの当該三次元モデルにおける各位置座標を以下のとおり割り当てることが可能である:
【0168】
当該実施例において当該固定式の撮像ユニット7の当該各位置座標が当該三次元モデルにおいて特定される。このことは、当該三次元モデルに基づいて当該車両4aの後部領域を異なる観察点から見た複数の仮想図を作成することによって実施される。当該各仮想作成図と当該固定式の撮像ユニット7によって取得された画像とを比較することによって対応するあるいは少なくとも最近傍の仮想図を決定することが可能である。したがって当該仮想図の地点は、当該三次元モデルの当該座標系における当該固定式の撮像ユニット7の実際の地点に少なくともおおよそ相当する。例えば当該車両4aの当該三次元モデルにおける当該固定式の撮像ユニット7の位置に関するx座標、y座標及びz座標を決定することが可能である。このことはさらに
図5及び図面の説明において詳述される。
【0169】
当該三次元モデルと当該固定式の撮像ユニット7の決定された当該各位置座標とに基づいて当該固定式の撮像ユニット7の空間分解画像のそれぞれの画素、少なくとも当該車両4aの表面上の点を示す各画素に対して同様に当該三次元モデルにおける各位置座標を割り当てることが可能である。基本となる原理については既に当該方法ステップBの一般的な説明との関連において触れており、以下に
図6でさらに詳述される。
【0170】
続いて方法ステップCにおいて当該測定ビーム3が当該ビーム配向ユニット2によって四つあるいはそれ以上の車両4aにおける位置が異なる各アラインメント点へと配向される。選択はユーザによって手動で実施される:例えばキーボード及び/又はマウスなどの入力ユニットを介してユーザは当該制御ユニット5を介して当該測定ビーム3を所望するアラインメント点へと配向するように当該ビーム配向ユニット2を制御する。当該測定ビーム3が所望するアラインメント点に入射すると、ユーザは当該制御ユニット5を介してこれを承認する。
【0171】
当該制御ユニット5は、当該アラインメント点に対して存在する各制御パラメータ(例えば当該ビーム配向ユニット2の両ミラーのそれぞれの角度位置など)を割り当てる。同様に当該制御ユニット5は、当該固定式の撮像ユニット7を制御して方法ステップDにおいて空間分解画像を取得する。
【0172】
当該ステップは、四つ全てのアラインメント点について繰り返されるため、それぞれのアラインメント点に対して一方では当該ビーム配向ユニット2のための対応する各制御パラメータ、他方では空間分解アラインメント点画像が利用可能となり、ここで当該アラインメント点はそれぞれ当該レーザビームが入射する当該アラインメント点とを含む。
【0173】
次に当該制御ユニット5によって当該各アラインメント点画像におけるそれぞれのアラインメント点の位置確認が実施される。ここで当該位置確認が最大の光強度を有する当該各画像領域の位置を突きとめることによって実施されるのは、ここにおける測定状況において当該レーザビームが入射している点が当該固定式の撮像ユニット7の空間分解画像においてその他の各画像領域と比較して著しく高い光強度を有するからである。
【0174】
当該各アラインメント点画像における当該アラインメント点の位置確認の後、前述の通り方法ステップEにおいてそれぞれのアラインメント点に対して当該三次元モデルにおける各位置座標が例えばx座標、y座標及びz座標の形において割り当てられる。
【0175】
したがってここでそれぞれのアラインメント点について当該三次元モデルにおける当該各位置座標及び当該ビーム配向ユニット2の対応する当該各制御パラメータが存在する。前述の方法あるいはYanchu Xu及びR.N.Miles(同書)及び国際公開93/15386号に記載の方法に基づいて次に割当規定が前述の当該各アラインメント点の当該各位置座標と当該各制御パラメータとに応じて決定される。したがって当該割当規定を用いて当該車両4a上の任意の所望する当該測定ビームが入射可能な測定点について当該測定ビーム3を当該所望する測定点に配向するために当該ビーム配向ユニット2のための各制御パラメータを決定することが可能である。さらに当該測定対象物に入射する際の当該測定ビームの入射角あるいは自身のビーム経路を示すことも可能である。
【0176】
繰り返しを避けるために以下に説明される本発明による方法の両方の実施例において当該第一の実施例との重要な差異についてのみ述べることとする:
【0177】
(本発明による方法の第二の実施例)
本発明による方法の第二の実施例は、当該各アラインメント点画像及び当該三次元モデルを用いて当該各アラインメント点の当該各位置座標を決定する際のより高い精度を可能にする。出願人の調査により測定アイテムの表面によっては当該固定式の撮像ユニット7の空間分解画像の各画素に各位置座標を割り当てる際にエラーが生じることが判明した。一つの原因としては、当該固定式の撮像ユニット7の画像と当該三次元モデルとの比較を可能にする、視覚的に特色のある構造が不在であることである。特に高低差がわずかである、特有の縁を有しない及び/又は色差を有しないような各表面の場合、当該固定式の撮像ユニット7の各空間分解画像の各画素に対する当該三次元モデルにおける各位置座標の割り当てにおいて誤差が生じ得る。
【0178】
したがって当該第二の実施例による方法は、既に当該方法ステップAにおいて当該可動式の撮影ユニット6を用いて複数の空間分解画像を撮影する際に当該測定対象物4上(ここでは当該車両4aである当該対象アイテム上)の少なくとも一つ、好ましくは複数の点に当該ビーム配向ユニット2を用いてレーザ(ここでは当該測定ビーム3)を入射させるようにしている。
【0179】
このことは当該第二の実施例ではユーザがまずは四つのアラインメント点を選択し、当該方法ステップAを実施する際に当該ビーム配向ユニット2によって当該測定ビーム3が反復シーケンスにおいて順番に当該四つのアラインメント点のそれぞれにここではそれぞれアラインメント点につき1秒の滞留時間において配向されることによって実施される。同様により長いあるいはより短い滞留時間を用いることが可能である。
【0180】
当該可動式の撮像ユニット6のユーザが当該車両4aの後部領域の当該各空間分解画像を撮影する間、少なくともいくつかの各空間分解画像についてアラインメント点が同時取得される。当該測定ビーム3の各アラインメント点への入射の当該反復シーケンスによりさらにそれぞれのアラインメント点が少なくとも一つの空間分解画像において取得される。
【0181】
有利な発展形態において当該方法ステップAにより複数の当該空間分解画像を撮影する間、それと同時に当該制御ユニット5を用いて当該測定ビーム3が入射した各点の位置確認を実施し、当該測定ビーム3が入射した点が少なくとも一つの空間分解画像において取得されると直ちにユーザに対して信号、特に視覚的及び/又は聴覚的信号を発信することが可能である。
【0182】
当該第二の実施例において当該三次元モデルにおいて当該固定式の撮像ユニット7の各位置座標を特定するためにはまずそれぞれのアラインメント点について当該各アラインメント点に当該測定ビーム3が入射しているアラインメント点画像が取得される。このことを自動的に実施することが可能であるのは対応する各制御パラメータが既にユーザが当該方法ステップAを実施する際に事前定義されており、したがってそれぞれのアラインメント点に当該測定ビーム3を自動的に配向するために使用すること可能であるからである。
【0183】
したがってこれにより明確な視覚的構造が全くないか少ないなど、測定面に問題がある場合であっても当該固定式の撮像ユニット7の空間分解画像における各位置座標を正確に割り当てられる。その後、当該第一の実施例において既に説明したように当該各アラインメント点画像を用いてそれぞれの各アラインメント点に対して当該方法ステップEによって各位置座標が割り当てられ、最終的に当該方法ステップFによるアラインメントが実施される。
【0184】
当該第二の実施例の別途実施形態において当該方法ステップAにおいて必ずしも各アラインメント点と一致する必要がない任意の各点に当該測定ビーム3が入射する。このことによっても当該測定面に当該測定ビーム3が入射することによって別途視覚的構造が得られる。当該固定式の撮像ユニット7によって当該任意の各点のそれぞれについて視覚的構造を作成するために同様に空間分解画像が撮影される。このことは手順の効率化を図る形で当該方法ステップAの実施と同時に実施され得、したがって当該方法ステップDと当該方法ステップAとが同時に実施される。したがってこの場合、別途視覚的構造を作成するために当該任意選択された各地点の各制御パラメータを保存する必要がない。しかしながら当該各情報をアラインメントにも使用することが有利である。追加の視覚的構造を作成するために当該任意選択された各地点のそれぞれが当該可動式の撮像ユニット6の少なくとも一つの空間分解画像と当該固定式の撮像ユニット7の少なくとも一つの空間分解画像に含まれているため(既に当該第一の実施例において説明した通り)当該三次元モデルにおける各位置座標を用いて当該固定式の撮像ユニット7の位置を正確に決定することが可能である。この別途実施例においては次に当該第一の実施例において説明した通り当該各アラインメント点に当該測定ビーム3が入射し、当該方法ステップEによってそれぞれのアラインメント点に対して当該三次元モデルにおける各位置座標を割り当てるためにそれぞれのアラインメント点について当該固定式の撮像ユニット7を用いて空間分解画像が取得される。
【0185】
(本発明による方法の第三の実施例)
本発明による方法の第三の実施例は、概ね当該第二の実施例に相当するが、前述の両実施例からは当該固定式の撮像ユニット7の使用が必要ではない点で異なる:
【0186】
当該第三の実施例では、当該方法ステップDが当該方法ステップAへと一体化される。当該第二の実施例の第一の変形例において説明した通り、当該方法ステップAにおいて当該可動式の撮像ユニット6による複数の空間分解画像の撮影の間に各アラインメント点に当該測定ビーム3が入射する。しかしながら前述の両実施例と異なり、それぞれのアラインメント点について当該アラインメント点を有する当該可動式の撮像ユニット6の少なくとも一つの空間分解画像がアラインメント点画像として使用される。したがって当該固定式の撮像ユニット7による各アラインメント点画像の別途撮影は実施されず、当該各アラインメント点画像の取得が当該方法ステップAに一体化される。
【0187】
当該方法ステップDによる当該三次元モデルの作成時に当該測定ビーム3が入射する各アラインメント点の位置確認が付加的に実施され、それぞれのアラインメント点について当該三次元モデルにおける各位置座標が割り当てられる。そのため、当該測定対象物のテキスチャーの各画像においてそれぞれのアラインメント点の位置確認が実施される。各テキスチャー座標上に投射された場合に当該アラインメント点を含む、当該三次元の対象の三角形が決定される。当該三角形の各角点の各テキスチャー座標による当該アラインメント点の当該テキスチャー座標のバイリニア補間による各パラメータが決定される。当該各パラメータを用いて当該三次元モデルの多角形メッシュの当該三角形の当該各角点の各三次元座標が補間され、これらを用いて最終的に当該三次元モデルにおける当該アラインメント点の各位置座標が決定される。
【0188】
したがって当該第三の実施例においてもそれぞれのアラインメント点について当該三次元モデルにおける各位置座標ならびに各制御パラメータが存在する。当該各制御パラメータの対応するアラインメント点への割り当ては、当該第三の実施例において以下のとおり実施される:
【0189】
前述の当該第二の実施例の手順と異なり当該方法ステップAを実施する場合、当該測定ビーム3が所望するアラインメント点上に入射するように各制御指令によって当該ビーム配向ユニット2を制御することでまずはユーザが手動で第一のアラインメント点を選択する。その後、ユーザは当該可動式の撮像ユニット6によって当該アラインメント点を含む、少なくとも一つの空間分解画像を撮影する。ここでも当該一つ又は複数の画像を撮影する間に当該制御ユニット5によって当該測定ビーム3が入射する当該アラインメント点の位置確認を実施することにより信号、特に聴覚的又は視覚的な信号によって対応するアラインメント点が取得されたことをユーザに伝えることが可能である。したがってこれにより当該アラインメント点に対応する各制御パラメータも一義的に割り当てられる。当該方法は全てのアラインメント点について実施されることでアラインメント点と対応する各制御パラメータの一義的な割り当てが存在する。
【0190】
前述の当該各実施例において既に説明した通り、当該方法ステップFによって各アラインメント点の各位置座標とこれらに対応する割り当てられた各制御パラメータとに基づいてアラインメントが実施される。
【0191】
当該第三の実施例の別途実施例において当該ビーム配向ユニット2は二つの回転ミラーを有するのではなく機械式スライドユニットとして設計される。特に複数の測定ビームを有する振動計において当該各測定ビームが一点に集合して当該ビーム配向ユニットによってともに移動されるように構成することが可能である。当該実施形態においてもアラインメントの目的は同じであり、すなわち所望する各対象座標から当該ビーム配向ユニットのための各制御パラメータを得て当該各レーザビームが当該対象表面上の関連する各点上で集合するようにすることにある。
【0192】
図2において個々の要素の空間的な配置を明確にするために本発明による測定装置の第二の実施例が示されている:
【0193】
当該個々の要素は、当該第一の実施例と同様あるいはこれに類似して形成されているため、以下においては差異についてのみ述べることとする:
【0194】
概略的に示された測定対象物4において当該振動計1に向かう側面において当該直方形の測定アイテム4aが複数の測定点において測定される。当該可動式の撮像ユニット6によって当該方法ステップAによる各空間分解画像が撮影される。当該振動計1は、当該振動計1に対して固定式に配置された撮像ユニット7及び集束ユニット1aを有する。当該集束ユニット1aを用いて当該測定ビーム3が当該測定アイテム4aの表面上のそれぞれの測定点へ集束される。当該第二の実施例による当該測定装置は、当該ビーム配向ユニット2としてxyテーブルを有するため、当該振動計1が当該測定アイテム4aに対してxとyの二次元に可動である。したがってここでは当該ビーム配向ユニット2によって当該振動計1に対して当該測定ビーム3を偏向するのではなく当該ユニット全体がx方向及び/又はy方向へ変位される。
【0195】
アラインメント方法は、最初に
図1について説明した当該アラインメント方法に類似して実施される。
【0196】
図3において本発明の方法の第三の実施例が図示されている。
【0197】
当該第三の実施例は、
図1の当該第一の実施例と異なり三つの振動計1、1a及び1bを有し、当該各振動計は共通のロボットアーム上に配置されている。したがって当該ロボットアームは当該ビーム配向ユニット2を形成し、当該ビーム配向ユニット2によって当該各振動計1、1a及び1bが当該測定アイテム4aに対して移動することが可能である。当該各振動計1、1a及び1bにおいては当該振動計1aのみが固定式の撮像ユニット7を有する。当該各振動計1、1a及び1bは、当該ビーム配向ユニット2において固定式に配置されているため、当該撮像ユニット7も同様に当該各振動計1及び1bに対しても固定式である。
【0198】
当該第三の実施例による当該測定装置に対して
図1において説明された、本発明による方法の当該第一の実施例によるアラインメントが実施されるが、当該アラインメントは当該振動計1及び1bについては別途固定式の撮像ユニットを必要としない。当該アラインメントは、当該三つの振動計のすべてについて実施されるが、当該各方法ステップA及びBは一度実施するだけでよい。
【0199】
図4において本発明による測定装置の各実施例のためであり、本発明による方法の各実施例において使用するための当該各撮像ユニットの実施例が図示されている:
【0200】
撮像ユニットa)は、それ自体公知であり市販されている、レンズ8を有するデジタルカメラとして形成されている。b)の撮像ユニットは、これに加えて距離計9を有する。
【0201】
別途実施形態において符号9が付与されている要素は、当該測定対象物をパルス光及び/又は変調光で照明するための照明ユニットとして形成されている。評価ユニットによって当該照明ユニット9から発信された光と当該デジタルカメラによって受信された光の間の持続時間(パルス光の場合)及び/又は位相変化(変調光の場合)が評価され、これによりそれ自体公知な方法で特に「飛行時間」法によって距離を決定する。
【0202】
当該両カメラは基本的に可動式の撮像ユニット6のみならず固定式の撮像ユニット7としても導入され得る。
【0203】
撮像ユニットc)は、特に可動式の撮像ユニット6に適している:
【0204】
当該撮像ユニットc)は、カラーカメラ10、白黒カメラ11ならびにストライプ投射ユニット12を有する。当該ストライプ投射ユニット12を用いてストライプパターンが当該測定対象物4と特に当該測定アイテム4aへと投射される。当該白黒カメラ11を用いて空間分解画像が撮影される。次に当該ストライプ投射ユニット12と当該白黒カメラ11とがスイッチオフされ、当該カラーカメラ10によって空間分解カラー画像が撮影される。この手順は、立て続けに繰り返される。ユーザは、ハンドセットとして形成されている当該可動式の撮像ユニット6を当該測定アイテム4aの周りを動かして複数の空間分解画像が当該白黒カメラ11だけではなく当該カラーカメラ10によっても撮影されるようにする。当該白黒カメラの当該各画像によってそれ自体公知であるストライプ投射方法を用いて当該測定対象物4の三次元モデルが作成される。これに加えて当該三次元モデルの個々の面、特に当該三次元モデルの多角形メッシュの面に対して当該カラーカメラ10によって撮影された各カラー画像の各画像構成要素を割り当てることが可能であるため、三次元モデルだけではなくこれに加えてそれぞれの多角形について対応する表面のカラー画像もが存在する。
【0205】
撮像ユニットd)は、一つのビームのみを有し、当該ビームは、当該撮像ユニットd)の偏向ユニット13の二つの回転可能なミラーによって当該測定対象物の当該表面上の各点へと配向され得る。当該撮像ユニットd)は、飛行時間ユニットとして形成されている:走査方法において当該撮像ユニットd)の当該測定ビームが当該対象上の複数の地点へと配向される。それぞれの地点について光パルスが発信されて当該対象から反射された光点が再び当該撮像ユニットd)に到達するまでの時間が測定される。それ自体公知である形で当該光パルスの発信と当該光パルスの再到達との間の時間差より当該対象までの距離を少なくとも質的に決定することが可能となる。複数の当該測定点についてそれぞれ必要な持続時間を比較することによって当該対象の三次元モデルを作成することが可能である。したがって当該撮像ユニットd)は、当該方法ステップA及びBを実施するのに適している。
【0206】
この場合でもまずは当該撮像ユニットd)を当該測定対象物に対して移動することなく前述の走査方法によって空間分解画像が撮影される。次に別の空間分解画像を異なるパースから同様に当該走査方法によって撮影するために当該撮像ユニットd)が当該測定対象物に対して移動される。当該各手順を繰り返すことによって当該方法ステップAにより複数の空間分解画像が異なるパースから撮影される。
【0207】
図5において当該測定対象物モデルに基づく当該測定対象物4の投射図とその上に撮像ユニットによって撮影された、当該投射図に様式化した、当該測定対象物の二次元の空間分解画像4′が概略的に図示されている。前述の通り当該撮像ユニットの位置、方向及び好ましくは各表示パラメータを求めるために好ましくは当該測定対象物の各投射図が空間分解画像と比較される。この比較は、
図5において×、〇及び□によって当該測定アイテム4a上に示されているように当該測定対象物のテキスチャーの特定された各特徴を使用することで実施されることが好ましい。当該各特徴は、当該空間分解画像4′上にも反映されている。前述の通り当該カメラの位置、方向及び好ましくは各表示パラメータを決定する場合、投射図が当該空間分解画像と一致するか少なくとも概ね一致するようにする。これにより当該測定対象物モデルにおける当該撮像ユニットの位置と向きが決定される。これにより前述の通り当該撮像ユニットによって撮影された各画像におけるそれぞれの位置に対して当該三次元測定対象物モデルにおける対応する各三次元座標を割り当てることも可能になる。
【0208】
図6において当該測定アイテム4aの概ね中央における、点によって示されたレーザビーム入射点を有する当該測定対象物4の図が概略的に図示されている。その上に当該撮像ユニットによって撮影された空間分解画像4′が概略的に示されている。当該
図4′もまた当該レーザビーム入射点を含んでいる。前述の通り当該測定対象物モデルの各座標を当該画像4′の各画素に割り当てて当該
図4′におけるレーザビーム入射点の位置確認をすることによって、特に最初に当該カメラ画像における当該レーザビーム入射点の位置を位置確認し、その後当該構造モデルの各点の各投射が当該カメラ画像におけるアラインメント点に極めて近接する各点を検索することによって当該レーザビーム入射点に対して当該測定対象物モデルにおける位置、特に当該測定対象物モデルの座標系における各座標を割り当てることが可能である。当該構造モデルの当該各点の各三次元座標を補間することによって最終的に当該アラインメント点の各三次元座標を決定することが可能となる。
【符号の説明】
【0209】
1、1a、1b 振動計
2 ビーム配向ユニット
2a ビーム出口
3 測定ビーム
4、4a 測定対象物
5 制御ユニット
6 可動式の撮像ユニット
7 固定式の撮像ユニット
8 レンズ
9 距離計
10 カラーカメラ
11 白黒カメラ
12 ストライプ投射ユニット
13 偏向ユニット