(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】係合部材を有するフィルタカートリッジ
(51)【国際特許分類】
B01D 27/08 20060101AFI20231101BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20231101BHJP
F02M 37/42 20190101ALI20231101BHJP
【FI】
B01D27/08
B01D46/24 B
F02M37/42
(21)【出願番号】P 2021503741
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(86)【国際出願番号】 IB2019056110
(87)【国際公開番号】W WO2020026059
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102018000007689
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520005369
【氏名又は名称】ユーエフアイ・フィルターズ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】UFI FILTERS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジョ・ジロンディ
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514149(JP,A)
【文献】特表2006-522682(JP,A)
【文献】特表2014-523808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0150388(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 27/08
B01D 46/24
F02M 37/42
F01M 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の流体のフィルタ群(5)のフィルタカートリッジ(1)であって、前記フィルタ群(5)が、主軸(X-X)に沿って延在し、さらに、
i)前記フィルタカートリッジ(1)に係合可能であ
るフィルタ本体(6)と、
ii)前記フィルタカートリッジ(1)に含まれるカートリッジ係合部材(4)および前記フィルタ本体(6)に含まれる本体係合部材(7)を備える係合手段(3)であって、それぞれ、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に一体的に係合される係合構成と、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に係合解除される係合解除構成との間で軸方向の相互移動によって構成可能であ
る係合手段と、を備え、
前記フィルタカートリッジ(1)が、カートリッジ軸(Z-Z)に沿って延在し、前記カートリッジ軸(Z-Z)に平行な高さで延在し且つ前記カートリッジ軸(Z-Z)の周りに配置された、前記カートリッジ係合部材(4)が配置されたエンドプレート(2)を軸方向端部に備え、
前記カートリッジ係合部材(4)が、少なくとも2つの
円周方向に対向するロッキング群(40)を備え、各ロッキング群(40)が、少なくとも1つのロッキング要素(41)を備え、各ロッキング要素(41)が、ステム(42)と、前記ステム(42)の軸方向端部に配置され、そこから横方向、すなわち円周方向または接線方向に突出し、前記ステム(42)ととも
にアンダーカット(45)を画定する歯(43)とを備え、前記ロッキング
群において、前記歯(43)が
、本体係合部材(7)に含まれるハウジング領域(73)に収容され、前
記本体係合部材(7)に含まれる係合突起(75)が、前記アンダーカット(45)に収容され、
各歯(43)が
、円周方向に対向するロッキング群(40)に向かって延在し、
前記フィルタカートリッジ(1)と前記フィルタ本体(6)との間の軸方向の動きにおいて、各ロッキング要素(4
1)の前記ステム(42)が、前記歯(43)における前記係合突起(75)の作用時に半径方向および/または横方向に弾性的に降伏する、フィルタカートリッジ。
【請求項2】
各歯(43)が、横方向に先細り形状を有するように傾斜縁部(431)を備え、前記傾斜縁部(431)が前記アンダーカット(45)上に面し、前記傾斜縁部(431)が
、それぞれの係合突起(75)上におけ
るそれぞれの歯(43)のスライドを可能にするのに適している、請求項1に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項3】
前記カートリッジ係合部材(4)が、ひいては前記本体係合部材(7)に含まれる本体センタリング要素(78)と係合する前記
フィルタ本体(6)上への前記
フィルタカートリッジ(1)の軸方向への挿入を案内するのに適したカートリッジセンタリング要素(48)を備える、請求項1~2のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記
カートリッジセンタリング要素(48)が、軸方向に延在する空洞(480)を備え、その中で、前記本体センタリング要素(7
8)に含まれるセンタリング本体(780)がスライドする、請求項3に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項5】
前記センタリング要素(48)が前記ロッキング群(40)の間に配置されている、請求項3または請求項4に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項6】
各ロッキング群(40)が2つのロッキング要素(41)を備え
、2つの歯(43)が2つの反対の横方向に延在する、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項7】
各ロッキング群(40)の2つのロッキング要素(41)が
、それぞれのステム(42)に沿って軸方向に互いに一体的に結合されている、請求項6に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項8】
各ロッキング群(40)に含まれる前記2つのロッキング要素(41)が、互いに角度的に相互に離れている、請求項6に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項9】
前記カートリッジ係合部材(4)が、その中心が前記カートリッジ軸(Z-Z)上にある仮想円周面上に平面延長部を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項10】
前記カートリッジ係合部材(4)が、3つまたは4つのロッキング群(40)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項11】
前記カートリッジ係合部材(4)が、前記エンドプレート(2)の周縁位置、すなわち、前記エンドプレート(2)の周縁部(21)において前記カートリッジ軸(Z-Z)に対して遠位位置に配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項12】
-前記カートリッジ軸(Z-Z)に沿って延在する、流体が半径方向に横断可能である中空の円筒形タイプのフィルタ媒体(11)と、
-前記フィルタ媒体(11)の軸方向端部にそれぞれ第1のフィルタプレート(111)および第2のフィルタプレート(112)と、を備え、
前記第1のフィルタプレート(111)または前記第2のフィルタプレート(112)が、前記エンドプレート(2)に対応する、請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項13】
車両の流体(5)のフィルタ群のフィルタ本体(6)であって、前記フィルタ群(5)が、主軸(X-X)に沿って延在し、さらに、
i)請求項1~12のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)と、
ii)前記
フィルタカートリッジ(1)に含まれるカートリッジ係合部材(4)および前記フィルタ本体(6)に含まれる本体係合部材(7)を備える係合手段(3)であって、それぞれ、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に一体的に係合される係合構成と、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に係合解除される係合解除構成との間で軸方向の相互移動によって構成可能
である係合手段と、を備える、フィルタ本体。
【請求項14】
前記本体係合
部材(7)が、前記フィルタカートリッジ(1)の各ロッキング群(40)において、係合構成において、それぞれの歯(43)を収容するのに適したハウジング領域(73)を備え、前記本体係合部材(7)が、半径方向に突出し且
つそれぞれのロッキング群(40)の前記アンダーカット(45)に収容され
る係合突起(75)をさらに備え、前記係合突起(75)が、前記それぞれの歯(43)に対して作用を実行して
、それぞれのロッキング要素(4
1)のステムを半径方向および/または横方向に弾性的に動かすのに適している、請求項13に記載のフィルタ本体(5)。
【請求項15】
第1の傾斜部分(751)が、前記係合
構成において前記それぞれのロッキング要素(41)にスラスト作用を及ぼし、第2の傾斜部分(752)が、前記係合解除
構成において前記それぞれのロッキング要素(41)にスラスト作用を及ぼすように、前記係合突起(75)が、前記
主軸X-Xに対して2つの反対の傾斜角でそれぞれ傾斜し、軸方向に連続して配置された前記第1の傾斜部分(751)および前記第2の傾斜部分(752)を備える、請求項14に記載のフィルタ本体(5)。
【請求項16】
前記フィルタ本体(6)が、前記フィルタカートリッジ(1)が収容可能である濾過チャンバ(60)を備え、前記本体係合部材(7)が、前記濾過チャンバ(60)の内壁上に構成されている、請求項13から請求項15
のいずれか一項に記載のフィルタ本体(6)。
【請求項17】
濾過チャンバ(60)を画定するのに適した2つのハーフシェル要素(61、62)を備える、請求項16に記載のフィルタ本体(6)。
【請求項18】
車両の流体(5)のフィルタ群であって、前記フィルタ群(5)が、主軸(X-X)に沿って延在し、
-請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)と、
-請求項13から請求項17のいずれか一項に記載のフィルタ本体(6)と、
-前記
フィルタカートリッジ(1)に含まれるカートリッジ係合部材(4)および前記フィルタ本体(6)に含まれる本体係合部材(7)を備える係合手段(3)であって、それぞれ、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に一体的に係合される係合構成と、前記フィルタ本体(6)および前記フィルタカートリッジ(1)が相互に係合解除される係合解除構成との間で軸方向の相互移動によって構成可能であ
る係合手段と、を備える、フィルタ群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体のフィルタ群のフィルタカートリッジに関する。さらに、本発明はまた、前記フィルタカートリッジと係合するのに適した流体の前記フィルタ群に含まれるフィルタ本体に関する。さらに、本発明はまた、前記フィルタカートリッジおよび前記フィルタ本体を備える、流体のフィルタ群に関する。
【0002】
本発明は、自動車分野におけるその好ましい用途を見出す。具体的には、実際に、本発明が存在する状況は、自動車両の運転に必要な流体、液体、または気体に特に関連する流体の濾過システムの状況である。換言すれば、本発明にかかる流体のフィルタ群およびそれを備える構成要素は、空気回路、油回路、燃料回路、および/または車両に含まれるブローバイガスの換気回路内の水(または水溶液)にそれらの用途を見出す。
【背景技術】
【0003】
自動車用途における流体の濾過のためのシステムが先行技術において知られている。
【0004】
そのような既知の濾過システムは、それぞれの流体循環システムに流体的に接続されたフィルタ本体に一体的に接続された1つ(または複数)のフィルタカートリッジを備える。フィルタカートリッジの特定の用途に応じて、フィルタ群およびフィルタ本体は、異なる形状および物理的特性を有する。
【0005】
しかしながら、フィルタカートリッジを備えるフィルタ群の任意の実施形態において、前記フィルタカートリッジは、例えば、必要な保守の場合に交換可能であるように、自動車両の必要性にしたがって交換可能である必要がある。
【0006】
したがって、既知の濾過システムの主な問題は、フィルタカートリッジおよびフィルタ本体の係合および係合解除動作を単純且つ直感的にするということである。この必要性に加えて、同時に、フィルタカートリッジおよびフィルタ本体が相互に結合されるブロッキング構成が必要であり、このブロッキングは、前記構成要素間の望ましくない分離のリスクを提示しないように、長期にわたって保証される。
【0007】
先行技術では、複雑な係合および/または係合解除動作を必要とし、場合によっては、例えば安全プラグなどの追加の専用構成要素も必要とする、フィルタカートリッジとフィルタ本体との間の相互係合を提供する濾過システムの解決策が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、それぞれのフィルタ本体に対するフィルタカートリッジの安全なブロッキングを保証するが、単純で直感的な係合および係合解除動作も可能にする流体のフィルタ群を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような目的は、請求項1に記載のフィルタカートリッジおよび請求項13に記載のフィルタ本体によって達成される。さらに、これは、請求項18に記載のフィルタ群によっても達成される。従属請求項は、さらに有利な態様を有する好ましい実施形態の変形を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、いずれの場合も、添付の図面を参照して非限定的な例として構成された、その好ましい実施形態の以下に示す説明から明らかである。
【
図1】第1の好ましい実施形態にかかる、本発明にかかるフィルタ群の別個の部分の斜視図を示している。
【
図2a】
図1と同様に、いくつかの別個の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図2b】
図1と同様に、いくつかの別個の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図2c】
図1と同様に、いくつかの別個の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図3】本発明にかかる、
図1と同様のフィルタ群に含まれるフィルタカートリッジの側面図を示している。
【
図3a】本発明にかかる、
図1と同様のフィルタ群に含まれるフィルタカートリッジの斜視図を示している。
【
図4】第2の好ましい実施形態にかかる、本発明にかかるフィルタ群の別個の部分の斜視図を示している。
【
図5a】
図4と同様に、いくつかの個別の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図5b】
図4と同様に、いくつかの個別の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図5c】
図4と同様に、いくつかの個別の係合ステップにおけるフィルタ群の断面図を示している。
【
図6a】本発明にかかる、
図4と同様のフィルタ群に含まれるフィルタカートリッジの斜視図を示している。
【
図6b】本発明にかかる、
図4と同様のフィルタ群に含まれるフィルタカートリッジの側面図を示している。
【
図6c】本発明にかかる、
図4と同様のフィルタ群に含まれるフィルタカートリッジの側面図を示している。
【
図7a】さらに好ましい実施形態にかかる、本発明にかかるフィルタカートリッジの側面図を示している。
【
図7b】さらに好ましい実施形態にかかる、本発明にかかるフィルタカートリッジの側面図を示している。
【
図7c】さらに好ましい実施形態にかかる、本発明にかかるフィルタカートリッジの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面において、参照符号1は、本発明にかかるフィルタカートリッジを示している。図面および本発明によれば、参照符号5は、前記フィルタカートリッジ1を備える流体のフィルタ群をその全体において示している。さらに、フィルタ群5に含まれるフィルタ本体は、参照符号6によって全体的に示されている。
【0012】
添付の図面に例として示されているように、流体のフィルタ群5は、主軸方向に、特に主軸X-Xに沿って延在する。
【0013】
本発明によれば、流体のフィルタ群5は、フィルタカートリッジ1(以下、詳細に説明する)とフィルタ本体6(順次、詳細に説明する)とを備える。好ましくは、前記2つの構成要素は、前記主軸X-Xに沿って配置される。
【0014】
本発明によれば、流体のフィルタ群5はまた、前記主軸X-Xに沿ったフィルタカートリッジ1およびフィルタ本体6の相互係合および係合解除を可能にするのに適した特別な係合手段3を含む。
【0015】
添付の図面に十分に説明され、見ることができるように、前記係合手段3は、特にフィルタカートリッジ1上に作製された要素および特にフィルタ本体6に作製された要素を備える。実際に、係合手段は、カートリッジフィルタ1に含まれるカートリッジ係合部材4と、フィルタ本体6に含まれる本体係合部材7とを備える。
【0016】
以下に説明し、添付の図面に示すように、カートリッジ係合部材4および本体係合部材7は、それぞれ、フィルタ本体6およびフィルタカートリッジ1が互いに一体的に相互係合する係合構成と、フィルタ本体6およびフィルタカートリッジ1が互いに相互係合解除される係合解除構成とに相互に係合するように特別に成形されている。
【0017】
特に、カートリッジ係合部材4および本体係合部材7は、それぞれ、フィルタ本体6とフィルタカートリッジ1との間の相互軸方向運動によって前述の構成で構成可能であるように特別に成形されている。
【0018】
換言すれば、フィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の相互係合は、主軸X-Xに沿った軸方向に起こる。換言すれば、フィルタ本体6およびフィルタカートリッジ1は、プラグ-ソケット原理にしたがって互いに係合可能および係合解除可能である(第1の実施形態に関連する
図2a、
図2bおよび
図2c、および第2の実施形態に関連する
図5a、
図5bおよび
図5cに例として示されているように)。
【0019】
本発明によれば、フィルタカートリッジ1は、カートリッジ軸Z-Zに沿って延在する。好ましくは、ブロッキング構成では、カートリッジ軸Z-Zは、主軸X-Xと一致する。
【0020】
本発明によれば、複数のフィルタカートリッジ1を備える流体のフィルタ群5の実施形態では、各フィルタカートリッジ1は、軸X-Xに平行に配向されたカートリッジ軸Z-Zに沿って延在する。
【0021】
さらに、本発明によれば、フィルタカートリッジ1は、その軸方向端部にエンドプレート2を備える。前記エンドプレート2上に、カートリッジ軸Z-Zに平行な高さで延在する前記カートリッジ係合部材4が配置されている。特に、前記カートリッジ係合部材4は、前記カートリッジ軸Z-Zの周りに配置されている。
【0022】
好ましくは、フィルタカートリッジ1は、カートリッジ軸Z-Zに沿って延在し且つフィルタ媒体11の軸方向端部にそれぞれ配置された第1のフィルタプレート111および第2のフィルタプレート112を備えるフィルタ媒体11を備える。好ましくは、第1のフィルタプレート111および第2のフィルタプレート112は、フィルタ媒体11の軸方向端部に溶接される。好ましくは、第1のフィルタプレート111および第2のフィルタプレート112のうちの1つは、前記カートリッジ係合部材4を収容する前記エンドプレート2に対応する。
【0023】
好ましい実施形態によれば、フィルタ媒体11は、中空で円筒形であり、流体が半径方向に通過可能である。好ましくは、第1のフィルタプレート111および/または第2のフィルタプレート112は、流体が流れる特別な貫通開口を備える。
【0024】
本発明は、以下に説明する特性を除いて、エンドプレート2およびカートリッジ係合部材4の特定の形状に限定されるものではない。
【0025】
好ましい実施形態によれば、エンドプレート2は、一体で作製された、カートリッジ係合部材4を備え、例えば、エンドプレート2およびカートリッジ係合部材4は、単一の本体に共成形されている。
【0026】
本発明によれば、カートリッジ係合部材4は、少なくとも2つのブロッキング群40を備える。
【0027】
各ブロッキング群40は、本体係合部材7の特別な形状の部分と係合するのに適した少なくとも1つのブロッキング要素41を備える。
【0028】
より詳細には、各ブロッキング要素41は、ステム42および少なくとも1つの歯43を備える。
【0029】
前記ステム42は、エンドプレート2から延在する。
【0030】
前記歯43は、エンドプレート2から遠位のステム42の軸方向端部に配置されている。
【0031】
前記歯43は、ステム42から突出し、それにより、係合アンダーカット45を画定する。
【0032】
歯43は、ステム42から横方向、すなわちカートリッジ軸Z-Zに対して円周方向または接線方向に突出している。
【0033】
したがって、本発明によれば、歯43およびステム42は、ブロッキング構成において、歯43が特別な形状の本体係合部材7に含まれるハウジング領域73に収容され、特別な形状の本体係合部材7に含まれる係合突起75がアンダーカット45に収容されるように、係合アンダーカット45を画定する。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態の変形例によれば、ハウジング領域73は、ブロッキング要素41の全体を収容するように特別に成形されている。他の実施形態の変形例では、ハウジング領域73は、ブロッキング群40の全体を収容するように特別に成形されている。
【0035】
本発明によれば、各歯43は、対向するブロッキング群40に向かって延在する。本発明によれば、各歯43は、好ましくはエンドプレートの外側プロファイルにしたがって、円周方向に対向するブロッキング群40に向かって延在する。
【0036】
好ましい実施形態では、2つの隣接するブロッキング群40は、互いに横方向に延在するそれぞれの歯43を提示する。換言すれば、角度的に連続する歯43は、反対方向に延在する。換言すれば、角度的に連続する歯43は、反対方向に延在して、エンドプレートの外側プロファイルに沿って相互に面するそれぞれの係合アンダーカット45を画定する。
【0037】
本発明によれば、相互係合または係合解除を伴うフィルタカートリッジ1と本体6との間の軸方向の動きにおいて、各ブロッキング要素40のステム42は、半径方向および/または横方向に弾性的に降伏する。
【0038】
特に、前記弾性降伏は、歯43に対する係合突起75の作用によるものである。換言すれば、ステム42は、その相対的な弾性降伏およびその相対的な動きを伴う、半径方向および/または横方向(すなわち、円周方向または接線方向)での作用を被る。
【0039】
さらに、好ましい実施形態によれば、各歯43は、横方向に先細りの形状を有するように傾斜縁部431を備える。
【0040】
好ましい実施形態によれば、傾斜縁部431は、アンダーカット45に面している。換言すれば、エンドプレート2からの遠位位置におけるアンダーカット45は、エンドプレート2に対する近位位置におけるよりも広い。
【0041】
したがって、好ましくは、アンダーカットは、エンドプレート2によって下方に且つ歯43の傾斜縁部431によって上方に区切られる。
【0042】
好ましい実施形態によれば、傾斜縁部431は、それぞれの係合突起75上でそれぞれの歯43のスライドを可能にするのに適している。本発明によれば、係合突起75は、次に、成形されたカップリングを有するアンダーカット45に収容されるように相補的な方法で成形され、したがって、ひいては傾斜縁部431を有する傾斜部分を提示する。
【0043】
好ましい実施形態によれば、カートリッジ係合部材4は、カートリッジ1の軸方向への挿入を本体6上に案内するように、フィルタ本体6上に作製された本体センタリング要素78と係合するのに適したカートリッジセンタリング要素48を備える。
【0044】
好ましい実施形態によれば、前記センタリング要素48は、軸方向に延在する空洞480を備え、その中で、本体センタリング要素78に含まれる、フィルタ本体6上に作製されたセンタリング本体780がスライドする。
【0045】
好ましい実施形態によれば、センタリング要素48は、ブロッキング群40の間に配置される。例えば、センタリング要素48の数は、ブロッキング群40の間に画定された角度空間の数に対応する。
【0046】
好ましい実施形態によれば、各ブロッキング群40は、2つのブロッキング要素41を備え、それぞれのブロッキング要素41の各部分である2つの歯43は、反対の横方向に延在する。好ましくは、それぞれのブロッキング要素41の歯43は、反対方向に円周方向に延在する。
【0047】
好ましい実施形態によれば、各ブロッキング群40の2つのブロッキング要素41は、それぞれのステム42に沿って軸方向に互いに一体的に結合されている。換言すれば、ブロッキング群40は、実質的にT型またはキノコ型である。
【0048】
一実施形態の変形によれば、代わりに、各ブロッキング群40内の2つのブロッキング要素41は、互いに角度的に相互に離れている。換言すれば、ブロッキング群40は、実質的に2つの逆「L」の形状を有し、互いに平行に延在するそれぞれのステム42を提示する。
【0049】
好ましい実施形態によれば、2つの隣接するステム42の間の空間において、センタリング空洞480が識別される。
【0050】
好ましい実施形態によれば、カートリッジ係合部材4は、カートリッジ軸Z-Zを中心とする仮想円周面上に平面延長部を有する。
【0051】
換言すれば、カートリッジ係合部材4は、軸Z-Zに対して同心円状に円周方向に延在する仮想平面上にある。換言すれば、ブロッキング群40およびセンタリング要素48の双方が平面的に延在する。
【0052】
本発明によれば、カートリッジ係合部材4は、3つ、4つ、またはそれ以上の数のブロッキング群40を備える。カートリッジ係合部材4は、互いに角度的に等間隔になるように配置される。
【0053】
好ましい実施形態によれば、カートリッジ係合部材4は、エンドプレート2の周縁位置に配置されている。
【0054】
換言すれば、カートリッジ係合部材4は、エンドプレート2の周縁部21において、カートリッジ軸Z-Zに対して遠位位置にある。
【0055】
好ましい実施形態によれば、フィルタ本体6に含まれるさらなる構成要素を収容するために、任意の構成要素の可能なハウジング、または濾過されるまたは既に濾過された流体が自由に流れる流体開口の存在を想定することが可能であるように、エンドプレート2の中央には障害物がない。
【0056】
前述のように、本発明はまた、車両の流体のフィルタ群5のフィルタ本体6に関し、前記フィルタ群5は、主軸X-Xに沿って延在し、フィルタカートリッジ1であって、上記の説明にかかる係合手段3を備える上記の説明にかかるフィルタカートリッジ1をさらに備える。
【0057】
換言すれば、フィルタ本体6は、フィルタ本体6およびフィルタカートリッジ1が相互に一体的に係合する係合構成と、フィルタ本体6およびフィルタカートリッジ1が相互に係合解除される係合解除構成との間で、軸方向への相互移動により構成可能となるようにそれぞれ特別な形状の本体係合部材7を備えるのに適している。
【0058】
好ましい実施形態によれば、本体係合手段7は、フィルタカートリッジ1に属する各ブロッキング群40において、係合構成において、それぞれの歯43を収容するのに適したハウジング領域73を備える。
【0059】
一実施形態の変形例によれば、ハウジング領域73は、ブロッキング要素41の全体を収容するように特別に成形されている。
【0060】
さらなる実施形態の変形例によれば、ハウジング領域73は、ブロッキング群40の全体を収容するように特別に成形されている。
【0061】
一実施形態の変形例によれば、ハウジング領域73は、エンドプレート2の外周と位置合わせされたままであるようにフィルタ本体6の内面上に構成されている。
【0062】
好ましくは、本体係合部材7は、半径方向に突出し且つそれぞれのブロッキング群40のアンダーカット45に収容されるように特別に成形された係合突起75をさらに備える。
【0063】
換言すれば、本発明によれば、それぞれの歯43は、軸方向に係合突起75と係合するのに適しており、フィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の望ましくない軸方向の動きを防止する。
【0064】
前記係合突起75は、それぞれの歯43に対して作用を実行して、それぞれのブロッキング要素40のステム42を半径方向および/または横方向に弾性的に移動させるのに適している。
【0065】
換言すれば、フィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の係合および係合解除を実行するために、歯43は、係合突起75を通過するか、またはそれを乗り越えるように強制される。これは、ステム42が半径方向(X-X軸に向かって、またはカートリッジ軸Z-Zに対して)および/または横方向(軸X-Xに対して、またはカートリッジ軸Z-Zに対して円周方向または接線方向)に弾性的に屈曲するのに適しているという事実のおかげで可能にされる。
【0066】
好ましい実施形態によれば、実際には、それぞれの歯43は、係合突起75上をスライドするのに適している。好ましくは、係合突起75は、2つの反対の傾斜角で軸X-Xに対してそれぞれ傾斜した第1の傾斜部分751および第2の傾斜部分752を備える。
【0067】
好ましくは、第1の傾斜部分751および第2の傾斜部分752は、互いに軸方向に連続して配置される。
【0068】
好ましくは、第1の傾斜部分751および第2の傾斜部分752が、第1の傾斜部分751が係合動作においてそれぞれのブロッキング要素41にスラスト作用を及ぼし、第2の傾斜部分752が係合解除動作においてそれぞれのブロッキング要素41にスラスト作用を及ぼすように配置される。
【0069】
長手方向断面によれば、第1の傾斜部分751および第2の傾斜部分752は、それぞれ、軸X-Xに対して傾斜している。
【0070】
それぞれの係合突起上での歯43のスライドを容易にするために、第1の傾斜部分751および/または第2の傾斜部分752はまた、軸X-Xに対する横断面にしたがって見られる場合、エンドプレート2の円周に対する接線に対して傾斜を有する。
【0071】
好ましい実施形態によれば、第1の傾斜部分751および第2の傾斜部分752は、一定の半径方向の厚さを有する平面部分750から軸方向に分離されている。
【0072】
好ましい実施形態によれば、係合突起75は、係合突起75が延在するフィルタ本体6の壁を第2の傾斜部分752から分離する停止ブロックを備える。換言すれば、第2の傾斜部分752は、前記停止ブロックの存在により、フィルタ本体6の壁から半径方向に間隔を置いて配置された歯43がスライドする表面を有する。
【0073】
換言すれば、フィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の係合解除を得るために、2つの構成要素間の軸方向の引っ張り動作は、前記ブロックを通過する移動と、係合突起75上の傾斜縁部431のスライドとを伴う必要がある。
【0074】
さらに換言すれば、停止ブロックは、第1の瞬間に前記停止ブロックを通過するように強制されなければならない第2の傾斜部分752上での歯43の乱されないスライドを妨げるという目的を有する。
【0075】
好ましい実施形態によれば、フィルタ本体6は、フィルタカートリッジ1が収容可能である濾過チャンバ60を備え、前記本体係合部材7は、濾過チャンバ60の内壁上に構成されている。
【0076】
好ましくは、フィルタ本体6は、濾過チャンバ60を画定するのに適した2つのハーフシェル要素61、62を備え、カートリッジ群1は、2つのハーフシェル要素61のうちの1つに係合している。
【0077】
好ましくは、2つのハーフシェル要素61、62は、回転運動によって、例えば、ねじ込みによって、互いに相互係合可能である。
【0078】
好ましくは、2つのハーフシェル要素61、62は、カートリッジ群1が、本体係合要素7が構成されるハーフシェル61に係合されると、相互に係合可能である。
【0079】
本発明によれば、フィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の係合を達成するために必要な軸方向スラスト作用、すなわち係合力、およびフィルタカートリッジ1とフィルタ本体6との間の係合解除を達成するために必要な軸方向引張作用、すなわち係合解除力は、ブロッキング部材40および係合突起75の形状および厚さの関数である。好ましくは、係合解除力は、係合力とは異なる。実際には、第1の傾斜部分751は、第2の傾斜部分752とは異なる角度を有する。好ましくは、係合解除力は、係合力よりも大きい。実際には、第1の傾斜部分751は、第2の傾斜部分752よりも小さい角度を有する。
【0080】
本発明はまた、上述したようなカートリッジ群1が収容可能である上述したフィルタ本体6を備える車両の流体のフィルタ群5に関する。次に、フィルタ群5は、フィルタ本体6とカートリッジ群1との相互係合を可能にするのに適した上述したような係合手段3を備える。
【0081】
革新的に、上述した車両内の流体のフィルタカートリッジ、フィルタ本体、フィルタ群は、先行技術の典型的な欠点を解消する本発明の目的を完全に満たす。
【0082】
有利なことに、実際に、フィルタカートリッジ-フィルタ本体の組み立ておよび分解操作は、非常に単純化され、直感的で、ガイド付きである。
【0083】
有利なことに、ブロッキング構成では、係合手段は、経時的に維持される2つの構成要素の固定された軸方向位置を保証する。有利なことに、フィルタ本体とフィルタカートリッジとの間の係合が保証され、特に2つの間の相互流体係合の維持が保証され、過圧、振動または衝撃の場合の意図しない解放を防止する。
【0084】
有利なことに、それぞれの歯の横方向部分の下側に設けられる縁部によって実行される軸方向のブロッキング作用は、効果的且つ信頼できる方法で実行される。
【0085】
有利なことに、傾斜縁部による軸方向のブロッキング作用は、効果的な方法で、フィルタ本体に設けられる相補的な構成要素に効果的に除荷される。
【0086】
有利なことに、カップリングシステムの形状が単純化され、歯およびそれらのそれぞれのシートのサイジングを単純化し、係合手段の製造に使用される金型の複雑さおよび相対的コストを有利に最小化する。
【0087】
したがって、本発明のさらなる利点は、記載されているようなブロッキング群を備えていないフィルタカートリッジのフィルタ本体に設置されることができないということである。換言すれば、フィルタ群において、例えば、メンテナンス作業中に、製造業者によって提供された高品質のフィルタカートリッジが使用されることを保証するために、例えば、従来のカートリッジを使用することは不可能である。
【0088】
有利なことに、係合手段は、軸方向の寸法が低減されているため、特定のフィルタ群の要件を満たすフィルタ媒体の濾過面を最大化することができる。
【0089】
有利なことに、記載された係合手段は、異なるサイズおよび直径のフィルタカートリッジに実装するのが容易である。
【0090】
有利なことに、係合手段は、半径方向の寸法が低減しており、半径方向の流れによって影響を受けるフィルタカートリッジおよび軸方向の流れによって影響を受けるフィルタカートリッジの双方に取り付け可能である。
【0091】
有利なことに、フィルタ本体の係合手段は、本体の内面から半径方向に突出する係合ブラケットとして構成される。この解決策は、特に複雑な固定シートへの依拠を回避し、相対的な金型とフィルタ本体の機械加工手順を単純化することを可能にする。
【0092】
当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内に全て含まれる偶発的な要件を満たすように、フィルタカートリッジ、フィルタ本体、流体のフィルタ群または組み立て方法に変更を加えることができることは明らかである。
【符号の説明】
【0093】
1 フィルタカートリッジ
2 エンドプレート
3 係合手段
4 カートリッジ係合部材
5 流体のフィルタ群
6 フィルタ本体
7 本体係合部材
11 フィルタ媒体
21 周縁部
40 ブロッキング群
41 ブロッキング要素
42 ステム
43 歯
45 アンダーカット
48 カートリッジセンタリング要素
60 濾過チャンバ
61 第1のハーフシェル
62 第2のハーフシェル
73 ハウジング領域
75 係合突起
78 本体センタリング要素
111 第1のフィルタプレート
112 第2のフィルタプレート
431 傾斜縁部
480 空洞
750 平面部分
751 第1の傾斜部分
752 第2の傾斜部分
780 センタリング本体
X-X 主軸
Z-Z カートリッジ軸