(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】技術プロセスを制御するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/533 20140101AFI20231101BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20231101BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20231101BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20231101BHJP
【FI】
A63F13/533
A63F13/426
A63F13/2145
G06F3/04842
(21)【出願番号】P 2022157472
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2021132570の分割
【原出願日】2013-04-09
【審査請求日】2022-09-30
(32)【優先日】2012-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2012-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2012-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513136528
【氏名又は名称】スーパーセル オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Supercell Oy
【住所又は居所原語表記】Jatkasaarenlaituri 1 FI-00180 HELSINKI Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ハウッシラ チムール
(72)【発明者】
【氏名】タハコカッリオ トウコ
(72)【発明者】
【氏名】デローム ジョン・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】レッピネン ラッシ
(72)【発明者】
【氏名】ホッカネン ミッコ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】Fleet Commander Game for TacTile Multi-Touch Display,YouTube [online] [video],2010年08月26日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=YI5oerC7GPg>,[令和2年6月3日検索日]
【文献】Fleet Commander,YouTube [online] [video],2011年07月12日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=6V0o3TjB2Tw>,[令和5年6月28日検索日]
【文献】Restaurant Story,iPhone、iPad 海外ゲームアプリ攻略法 ,株式会社コスミック出版,2011年03月19日,118-121頁
【文献】PvZ iPad: Multi-Touch Fun,Youtube [online] [video],2010年04月24日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=YP6lIcScVh0>,[令和5年10月6日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
G06F 3/0484-3/0486
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面と、コンピュータプログラムを実行するように構成されたコンピューティングハードウェアとを備える電子デバイスであって、
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記表示画面上にグラフィカルユーザインタフェースを生成およびレンダリングさせ、前記グラフィカルユーザインタフェースは、ユーザの相互作用を容易にするように構成され、前記コンピューティングハードウェア、前記コンピュータプログラムおよび前記グラフィカルユーザインタフェースはゲームシステムに実装され、前記コンピューティングハードウェアは、
前記ユーザインタフェースの第1の部分における
1つのグラフィカルオブジェクトの選択を検出することと;
前記選択されたグラフィカルオブジェクトに対応するリソースを特定することと;
前記ユーザインタフェースの第2の部分における複数のポイントの選択を検出することと;
前記複数のポイントを選択する時間が予め定められた時間よりも長いかどうかを判断し、長い場合は、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分において前記複数のポイント
のそれぞれに
、前記特定したリソースを同時に展開することであって、前記展開されたリソースは、前記複数のポイントにおける前記ユーザインタフェース上のオブジェクトとして提示されることと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分における前記複数のポイントから、前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが、ターゲットオブジェクトにおいて実行されるようにすることと;
前記ターゲットオブジェクトの状態を第1の状態から第2の状態に変更し、前記第2の状態は、前記展開されたリソースに関連付けられた前記アクションの、前記ターゲットオブジェクトにおける前記実行に対応することと;
を遂行するように構成される、電子デバイス。
【請求項2】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記電子デバイスに、
前記グラフィカルユーザインタフェースとの第1の接触を、前記複数のポイントのうちの第1のポイントの選択として検出することによって、前記第1のポイントの選択を検出させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースとの少なくとも1つの第2の接触を検出することによって、前記複数のポイントのうちの少なくとも1つの第2のポイントの選択を検出させる、
請求項1による電子デバイス。
【請求項3】
前記第1の接触の検出は第1の時間に生じ、前記少なくとも1つの第2の接触の検出も前記第1の時間に生じる、請求項2に記載の電子
デバイス。
【請求項4】
前記第1の接触の検出は第1の時間に生じ、前記少なくとも1つの第2の接触の検出は、前記第1の時間より遅い第2の時間に生じる、請求項2に記載の電子
デバイス。
【請求項5】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記電子デバイスに、
前記第1の接触を検出することと;
前記第1の接触に続いて、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分において、前記第1のポイントから離れる方向の動きを検出することと;
前記少なくとも1つの第2のポイントにおいて前記動きの静止位置を検出することと;
前記少なくとも1つの第2のポイントを前記少なくとも1つの第2の接触として特定することと;
前記第1のポイントから前記少なくとも1つの第2のポイントまでの経路を特定することと;
によって、前記少なくとも1つの第2の接触を検出させる、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムコードの実行は、前記コンピューティングハードウェアに、前記第1のポイントと前記少なくとも1つの第2のポイントとの間の前記経路に沿って、前記特定したリソース
を複数個レンダリングさせる、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムコードの実行は、前記コンピューティングハードウェアに、
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との既定の時間に亘る第1の接触を検出することによって、前記複数のポイントのうちの第1のポイントの選択を検出することと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との既定の時間に亘る第2の接触を検出することによって、前記複数のポイントのうちの少なくとも1つの第2のポイントの選択を検出することと;
前記第1の接触に関連して、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分上に、前記特定されたリソースの第1のインスタンスをレンダリングすることと;
前記第2の接触に関連して、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分上に、前記特定されたリソースの少なくとも1つの第2のインスタンスをレンダリングすることと;
を遂行させる、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記第1のインスタンスは、前記特定されたリソースに関連するリソースの第1のセットを備え、前記少なくとも1つの第2のインスタンスは、前記特定されたリソースに関連するリソースの第2のセットを備え、前記第1のセットのリソースは、前記特定されたリソースに関連する第1のタイプのアクションの実行を生じさせ、前記第2のセットのリソースは、前記特定されたリソースに関連する第2のタイプのアクションの実行を生じさせる、請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記コンピューティングハードウェアに、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分上に前記第1のセットのリソースをレンダリングした後、第2の既定の期間、前記第1の接触を検出した後に、前記第1のタイプのアクションを開始することと;
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分上に前記第2のセットのリソースをレンダリングした後、前記第2の既定の期間、前記少なくとも1つの第2の接触を検出した後に、前記第2のタイプのアクションを開始することと;
を遂行させる、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記コンピューティングハードウェアに、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分に前記第1のセットのリソースのインスタンスと前記第2のセットのリソースのインスタンスをレンダリングした後、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分に実行オプションをレンダリングすることと;
前記実行オプションの選択を検出することと;
前記第1のタイプのアクションと前記第2のタイプのアクションを開始することと;
を遂行させる、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記コンピューティングハードウェアに、
第1のポイントにおける、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との接触が、前記第1のポイントから第3のポイントへ離れる動きを検出し、前記第1のポイントと前記第3のポイントとの間の経路に沿って前記特定されたリソースの第1のタイプのインスタンスを展開することと;
少なくとも1つの第2のポイントにおける、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との接触が、前記少なくとも1つの第2のポイントから少なくとも1つの第4のポイントへ離れる動きを検出し、前記少なくとも1つの第2のポイントと前記少なくとも1つの第4のポイントとの間の経路に沿って前記特定されたリソースの第2のタイプのインスタンスを展開することと;
を遂行させる、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項12】
ユーザに、グラフィカルユーザインタフェースとのやり取りを支援する方法であって、前記グラフィカルユーザインタフェースは、電子デバイスのコンピューティングハードウェアでコンピュータプログラムを実行することによって前記電子デバイスの表示画面に生成およびレンダリングされ、前記コンピューティングハードウェア、前記コンピュータプログラムおよび前記グラフィカルユーザインタフェースはゲームシステムに実装され、前記方法は、
前記ユーザインタフェースの第1の部分における
1つのグラフィカルオブジェクトの選択を検出することと;
前記選択されたグラフィカルオブジェクトに対応するリソースを特定することと;
前記ユーザインタフェースの第2の部分における複数のポイントの選択を検出すること、ただし前記複数のポイントは、第1のポイントと、少なくとも1つの第2のポイントとを含む、前記検出することと;
前記複数のポイントを選択する時間が予め定められた時間よりも長いかどうかを判断し、長い場合は、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分において前記複数のポイント
のそれぞれに
、前記特定したリソースを同時に展開することであって、前記展開されたリソースは、前記複数のポイントにおける前記ユーザインタフェース上のオブジェクトとして提示されることと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分における前記複数のポイントから、前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが、ターゲットオブジェクトにおいて実行されるようにすることと;
前記ターゲットオブジェクトの状態を第1の状態から第2の状態に変更し、前記第2の状態は、前記特定されたリソースに関連付けられた前記アクションの、前記ターゲットオブジェクトにおける前記実行に対応することと;
を含む、方法。
【請求項13】
前記電子デバイスに、前記グラフィカルユーザインタフェースとの第1の接触を、前記第1のポイントの選択として検出することによって、前記第1のポイントの選択を検出させることと、前記グラフィカルユーザインタフェースとの少なくとも1つの第2の接触を検出することによって、前記少なくとも1つの第2のポイントの選択を検出させることとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の接触の検出は第1の時間に生じ、前記少なくとも1つの
第1の接触の検出も前記第1の時間に生じる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の接触の検出は第1の時間に生じ、前記少なくとも1つの
第1の接触の検出は、前記第1の時間より遅い第2の時間に生じる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の接触を検出することと;
前記第1の接触に続いて、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分において、前記第1のポイントから離れる方向の動きを検出することと;
前記少なくとも1つの第2のポイントにおいて前記動きの静止位置を検出することと;
前記少なくとも1つの第2のポイントを前記少なくとも1つの第2の接触として特定することと;
前記第1のポイントから前記少なくとも1つの第2のポイントまでの経路を特定することと;
前記第1のポイントと前記少なくとも1つの第2のポイントとの間の前記経路に沿って、前記特定したリソース
を複数個レンダリングすることと;
によって、前記電子デバイスに、前記少なくとも1つの第2の接触を検出させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記コンピューティングハードウェアに、
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との既定の時間に亘る第1の接触を検出することによって、前記第1のポイントの選択を検出することと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との既定の時間に亘る少なくとも1つの第2の接触を検出することによって、前記少なくとも1つの第2のポイントの選択を検出することと;
前記第1の接触に関連して、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分上に、前記特定されたリソースの第1のインスタンスをレンダリングすることと;
前記第2の接触に関連して、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分上に、前記特定されたリソースの第2のインスタンスをレンダリングすることと;
を遂行させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のインスタンスは、前記展開されたリソースに関連するリソースの第1のセットを備え、前記第2のインスタンスは、前記展開されたリソースに関連するリソースの第2のセットを備え、前記第1のセットのリソースは、前記展開されたリソースに関連する第1のタイプのアクションの実行を生じさせ、前記第2のセットのリソースは、前記展開されたリソースに関連する第2のタイプのアクションの実行を生じさせる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンピューティングハードウェアに、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分上に前記第1のセットのリソースをレンダリングした後、第2の既定の期間、前記第1の接触を検出した後に、前記第1のタイプのアクションを開始することと;
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記第2の部分上に前記第2のセットのリソースをレンダリングした後、前記第2の既定の期間、前記少なくとも1つの第2の接触を検出した後に、前記第2のタイプのアクションを開始することと;
を遂行させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンピューティングハードウェアに、
前記第1のポイントにおける、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との接触が、前記第1のポイントから第3のポイントへ離れる動きを検出し、前記第1のポイントと前記第3のポイントとの間の経路に沿って前記特定されたリソースの第1のタイプのインスタンスを展開することと;
前記少なくとも1つの第2のポイントにおける、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分との接触が、前記少なくとも1つの第2のポイントから少なくとも1つの第4のポイントへ離れる動きを検出し、前記少なくとも1つの第2のポイントと前記少なくとも1つの第4のポイントとの間の経路に沿って前記特定されたリソースの第2のタイプのインスタンスを展開することと;
を遂行させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のポイントのそれぞれに展開される前記特定したリソースの数は、前記複数のポイントのそれぞれに加えられる圧力の大きさに依存する、請求項1から11のいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項22】
前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが実行されることは、前記特定したリソースが展開されてから更に所定の時間、前記複数のポイントの少なくともいずれかが選択され続けられたとの判断に応じて行われる、請求項1から11及び請求項21のいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記複数のポイントのそれぞれに展開される前記特定したリソースの数は、前記複数のポイントのそれぞれに加えられる圧力の大きさに依存する、請求項12から20のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが実行されることは、前記特定したリソースが展開されてから更に所定の時間、前記複数のポイントの少なくともいずれかが選択され続けられたとの判断に応じて行われる、請求項12から20及び請求項23のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、例えば、技術プロセスのシミュレーションおよび技術プロセスの制御のうちの少なくとも1つに関連して技術プロセスを制御するシステムなどの、技術プロセスを制御するシステムに関する。さらに本発明は、例えば、技術プロセスのシミュレーションおよび技術プロセスの制御のうちの少なくとも1つに関連して技術プロセスを制御する方法などの、技術プロセスを制御する方法に関する。さらに、本発明は、機械可読データ・ストレージ媒体に記録されたソフトウェア製品に関し、このソフトウェア製品は、前述の方法を実装するために、コンピューティング・ハードウェアで実行可能である。
【発明の背景】
【0002】
例えば原子力発電所に関連する制御室、軍事防御システム、および航空管制において、複雑なプロセスを制御するグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI:Graphical user interface)は周知である。そのようなグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、実際の技術設備の制御、ならびにそのような設備のシミュレーションのいずれにも用いることができる。シミュレーションは、実際の制御信号およびコマンドを設備に適用する前に、起こり得る設備の挙動を調査する機会を与え、設備の挙動を予想することによって、より優れた設備制御を実現する。
【0003】
コンピューティング・デバイスには、iPad(登録商標)、などのタブレット・コンピュータ、ならびにAppleのiPhone(登録商標)、GoogleのAndroid(登録商標)フォン、およびSymbian(登録商標)フォンを含むスマートフォンがある。これらのコンピューティング・デバイスは、そのユーザが簡単かつ迅速なやり取りをできるようにする、非常に使い易いグラフィカル・インターフェースを備える。これらのデバイスの多くは、ユーザの入力を取得してユーザとの円滑なやり取りを容易にする、タッチセンサ式スクリーンを組み込んでいる。例えばゲーム・ソフトウェアの形態で便利なように実装されるシミュレーション・ソフトウェアは、こうしたデバイスの多くで、前述の技術制御を目的としたものだけでなくレジャー目的でも採用されている。ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムの重要な側面の1つは、ゲームがプレイされ、かつ/またはシミュレーションが実行されるデバイスのユーザ・インターフェースを用いて、特定のユーザが所望の入力を行い、やり取りすることができる容易さである。タッチスクリーン機能が組み込まれていないデバイスの場合、そのようなデバイスでのゲームのプレイ中またはシミュレーションの実行中に、特定のユーザがやり取りできる唯一の方法は、付属のマウスをクリックすること、付属のキーボード機能/キーを使用して操作すること、または付属のジョイスティックを使用することによる。多くの低級電子デバイスに組み込まれた「ポイント・アンド・クリック」または「ジョイスティック」による体験には、互換性がなく、ゲームのプレイ中または技術シミュレーションの実行中に時間がかかることが多い。特に、特定のユーザ/プレーヤーが、クリック、ポイント、タップ、およびドラッグ動作を何度も、かつ多くの場合はデバイス・ディスプレイの様々な位置で使用しなければならない特定のゲームまたは技術シミュレーションが存在するが、これを現代のマウスまたは現代のジョイスティックを介して操作するのは難しい。特定のユーザが、インターフェースの複数のポイントをクリックまたはタッチして同種の動作を実行しなければならない典型的なゲーム環境では、これは煩わしいものとなる。多くの従来型電子デバイスで提供されるタッチセンサ式スクリーンでさえ、感知できるのは、一度につき1つのポイントのみでのタッチ動作だけである。マルチタッチ・スクリーンはまだ広く普及しておらず、ゲーム環境またはシミュレーション環境では今後非常に有益となる可能性がある。従来型ゲーム機のアプリケーションの一部は、マルチタッチ・センシティブ操作によって制御できるが、戦略ゲーム環境において一定の所望の動作を実行するには、いくつかの欠点が依然としてある。
【0004】
したがって、前述の問題を考慮すると、コンピューティング・デバイスでゲームをプレイする際、またはシミュレーションを実行する際、ゲーム・システムまたは技術シミュレーション・制御システム用のより優れた高度に快適なグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ゲーム・アクティビティを行う場合、および/または実際の技術システムの制御操作に進む前に当該技術システムのシミュレーションを実行する場合に用いるのにより便利な、改善されたユーザ・グラフィカル・インターフェースを提供しようとするものである。
【0006】
本発明はさらに、ゲーム・アクティビティを行う場合、および/または実際の技術システムの制御操作に進む前に当該技術システムのシミュレーションを実行する場合により便利な、ユーザ・グラフィカル・インターフェースを用いる改善された方法を提供しようとするものである。
【0007】
本発明の第1の側面によれば、請求項1に記載の電子デバイスが提供され、
タッチセンサ式ディスプレイ・スクリーンの複数のポイントで実行されるタッチ動作を同時に感知するよう構成されたスクリーンと;
ソフトウェア製品を実行するよう動作可能なコンピューティング・ハードウェアと
を含む電子デバイスが提供され、
ソフトウェア製品を実行すると、グラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成されてディスプレイ・スクリーンにレンダリングされ、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ユーザのやり取りを容易にするよう構成され;グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、レンダリングされると、
1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと;
該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトのうちの1つ以上に対して動作を実行する1つ以上のリソースを各オプションが表す、ユーザ選択可能な1つ以上のオプションと;
を提示し、
ソフトウェア製品は、ユーザ選択可能なオプションのうちの1つ以上のユーザ選択に基づいて、選択されたユーザ選択可能なオプションに対応する該1つ以上のリソースを、インターフェースの複数の位置にレンダリングするよう構成される。
【0008】
本発明は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを、例えば同時の展開アクティビティを要求する複雑な命令を出すときなどに、より便利に用いることができるという有利な点がある。
【0009】
電子デバイスにおいて、ソフトウェア製品は、該1つ以上のリソースを複数の位置にレンダリングした後、ユーザの実行入力を受信するのに基づいて、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して、該1つ以上のリソースを介してアクションを実行するよう構成されてもよい。
【0010】
電子デバイスにおいて、ソフトウェア製品は、ディスプレイ・スクリーンの複数のポイントでのユーザのタッチ動作、または複数のポイントにわたるユーザのスワイプ動作に基づいて、複数の位置に該1つ以上のリソースをレンダリングするよう構成されてもよく、複数のポイントは、ディスプレイ・スクリーンの複数の位置に対応してもよい。さらに、電子デバイスにおいて、ソフトウェアは、複数のポイントでのユーザのタッチ動作が所定の時間にわたり実行されると、該1つ以上のリソースを複数の位置にレンダリングするよう構成されてもよい。さらに、電子デバイスにおいて、所定の時間は、ユーザ調節可能であってもよい。さらに、電子デバイスにおいて、複数の位置に該1つ以上のリソースをレンダリングする速さは、ディスプレイ・スクリーンでのユーザのタッチ動作またはスワイプ動作の速さに少なくとも基づいてもよい。
【0011】
さらに、電子デバイスにおいて、複数の位置にレンダリングされるリソースの数は、タッチ動作またはスワイプ動作を実行中にディスプレイ・スクリーンにユーザが加える圧力に少なくとも依存してもよい。タッチスクリーンに特定のユーザが加える圧力は、有利であるように、タッチスクリーンに統合された1つ以上の感圧トランスデューサ(pressure-sensitive transducer)によって決定される。しかしながら、現代のタッチスクリーンの一部は、2値単位、すなわちタッチスクリーンの特定のエリアとの接触の有無いずれかのみに基づいて動作する。こうしたタッチスクリーンでは、特定のユーザが加える圧力は、スクリーンにおいて当該特定のユーザによる接触を実質的に同時に受ける、隣接してかつ空間的にも連続した感知ポイントのエリアによって決定される。したがって、特定のユーザの指先の生体組織の弾性変形に起因して、加えられる圧力が次第に大きくなるにつれて、空間的に連続した感知ポイントも実質的に同時に接触状態となって段階的に増加する。ゲームもしくはシミュレーションを制御するため、または実際の技術設備を制御するコマンドを入力するためにタッチスクリーンに接触させる、弾性変形可能な先端を有するポインティング・デバイスを特定のユーザが用いる場合にも、同様の感圧機能を実現することができる。ゲームまたはシミュレーションは、タッチスクリーンの圧力感度を調整するために特定のユーザが実行する調整ルーチンを含んでもよい。
【0012】
電子デバイスにおいて、ソフトウェア製品およびグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム環境に対応してもよい。さらに、電子デバイスにおいて、ゲーム・システムは、戦争系ゲームに対応してもよく、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、戦場に相当してもよく、該1つ以上のリソースは、戦場内で利用される武器に相当してもよい。例えば、ゲーム環境は、実際の技術機器を使用して軍事作戦を実際に実施する前のシミュレーションとすることができる。
【0013】
電子デバイスには、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化を継続的に記録および更新するためのデータベースが含まれてもよく、ソフトウェア製品は、データベースに接続され、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作可能な状態の中断が生じた場合に、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、それらの、データベースにおいて最後に更新された状態に復旧するよう構成されてもよい。
【0014】
複数の電子デバイスが、ネットワークを介してサーバに接続されてもよく、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りを容易にするために、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、それぞれの電子デバイスで時間的に同時に生成されてもよく、複数の電子デバイスで生成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、サーバを介して調整および同期され、時間と共に複数の電子デバイスで同時に更新されてもよい。
【0015】
電子デバイスは、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、iPad(登録商標)、またはiPhone(登録商標)、Android(登録商標)フォン、もしくはSymbian(登録商標)フォンを含むスマートフォンとして実装されてもよい。
【0016】
本発明の第2の側面によれば、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いたユーザのやり取りを容易にする方法が提供され、電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアでソフトウェア製品を実行することによって、グラフィカル・インターフェースが生成されて電子デバイスのディスプレイにレンダリングされ、本方法は、
(a)1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対応するユーザ選択可能な1つ以上のオプションとを、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにレンダリングすること、ただし、ユーザ選択可能なオプションはそれぞれ、インターフェースに展開される1つ以上のリソースに対応する、レンダリングすることと;
(b)ユーザ選択可能なオプションのうちの1つ以上を選択して、ディスプレイの様々なポイントでのタッチ動作と、ディスプレイの様々なポイントにわたるスワイプ動作とのうちの一方を実行することと;
(c)選択されたユーザ選択可能なオプションに対応する該1つ以上のリソースを、インターフェースの複数の位置に同時に展開すること、ただし、複数の位置は、タッチ動作が実行されている様々なポイント、またはスワイプ動作が各ポイントにわたって実行されている様々なポイントに対応する、展開することと
を含む。
【0017】
本方法は、
(d)ディスプレイ・スクリーンの複数のポイントでのタッチ動作が所定の時間にわたり実行されることの検出に少なくとも基づいて、複数の位置に該1つ以上のリソースを展開することをさらに含んでもよい。
【0018】
本方法において、複数の位置での該1つ以上のリソースの展開の速さは、スワイプ動作またはタッチ動作の速さに依存してもよい。
【0019】
本方法において、インターフェースの様々な位置に展開されるリソースの数は、タッチ動作またはスワイプ動作を実行中にディスプレイ・スクリーンに対して加えられる圧力に依存してもよい。
【0020】
本方法において、ソフトウェア製品およびグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・システムに対応してもよい。さらに、本方法において、ゲーム・システムは、戦争系ゲームに対応してもよく、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、戦場に相当してもよく、該1つ以上のリソースは、戦場内で利用される武器に相当してもよい。
【0021】
本方法は、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化を継続的に記録および更新することと、ソフトウェア製品をデータベースに接続することと、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作の中断が生じた場合に、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、それらの、データベースにおいて最後に更新された状態に復旧することとをさらに含んでもよい。
【0022】
本方法は、
(e)複数の電子デバイスを、ネットワークを介してサーバに接続することと;
(f)グラフィカル・ユーザ・インターフェースを、それぞれの電子デバイスのディスプレイに時間的に同時に生成することと;
(g)グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りおよび連携を容易にするために、サーバを介して複数のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを調整し、それらを、時間と共に同時に更新することと
をさらに含んでもよい。
【0023】
さらに、本方法において、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・システムに対応してもよく、本方法は、オンライン・マルチプレーヤー・ゲーム・システムを促進するよう構成されてもよい。
【0024】
本発明の第3の側面によれば、機械可読データ・ストレージ媒体に記録されたソフトウェア製品が提供され、ソフトウェア製品は、本発明の第2の側面による方法を実装するために、コンピューティング・デバイスのコンピューティング・ハードウェアで実行可能である。
【0025】
本発明の第4の側面によれば、
ディスプレイ・スクリーンと;
ソフトウェア製品を実行できるコンピューティング・ハードウェアと
を含む電子デバイスが提供され、ソフトウェア製品の実行は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成されてディスプレイ・スクリーンにレンダリングされることにつながり、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、簡単なユーザのやり取りを容易にするよう構成され;グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、レンダリングされると、
1つ以上のグラフィカル・オブジェクトと;
1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの上を移動できるように構成されたポインタ・オブジェクトであって、グラフィカル・オブジェクトのうちの1つ以上の上でポインタ・オブジェクトがクリックまたはタップされるのに伴い、ユーザ選択可能な1つ以上のオプションを含むメニュー・リストを呼び出すよう構成されたポインタ・オブジェクトと
を提示し、
ソフトウェア製品は、メニュー・リストからユーザ選択可能なオプションを選択して、グラフィカル・ユーザ・インターフェースでのポインタ・オブジェクトのドラッグおよびタッチ・センシティブ・オブジェクトのスワイプのうちの一方を、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトにわたって、または特定のグラフィカル・オブジェクトの特定の部分にわたって実行すると、それぞれ、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して、または特定のグラフィカル・オブジェクトの該部分に対して、選択されたオプションに対応する効果が連続的に適用される状態を保持し、それによって、それぞれ、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態、または特定のグラフィカル・オブジェクトの該部分の状態が変化するよう構成される。
【0026】
電子デバイスは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにレンダリングされるユーザ入力インターフェースをさらに含んでもよく、ユーザ入力インターフェースは、ポインタ・オブジェクトを移動すること、ポインタ・オブジェクトをクリックもしくはタップすること、またはグラフィカル・ユーザ・インターフェースでタッチ・センシティブ・オブジェクトをスワイプすることに対応するユーザの入力を取得および解釈するよう構成されてもよい。
【0027】
電子デバイスにおいて、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、特定のグラフィカル・オブジェクトの該部分での、または1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対する、タッチ・センシティブ・オブジェクトのユーザによるスワイプに応答して、それぞれ、特定のグラフィカル・オブジェクトの該部分に対して、または該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して、ユーザ選択可能なオプションを連続的に適用するよう構成されてもよい。
【0028】
電子デバイスにおいて、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ポインタ・オブジェクトのドラッグまたはタッチ・センシティブ・オブジェクトのスワイプが終了すると、選択されたオプションに対応する効果の終了を促進して、選択されたオプションの消滅を促進するよう構成されてもよい。
【0029】
電子デバイスにおいて、選択されたオプションに対応する効果の、グラフィカル・オブジェクトの該部分に対する、または該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対する適用の速さは、ポインタのドラッグ動作またはディスプレイ・センシティブ・オブジェクトのスワイプ動作を実行する速さに少なくとも部分的に依存してもよい。さらに、電子デバイスにおいて、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、タッチセンサ式スクリーンであってもよく、ユーザ・インターフェースは、タッチセンサ式スクリーンの触覚面として実装されてもよい。
【0030】
電子デバイスにおいて、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、特定のグラフィカル・オブジェクトの該部分に対する、または該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対する、選択されたオプションに対応する効果の適用を、ポインタ・オブジェクトのドラッグまたはディスプレイ・センシティブ・オブジェクトのスワイプの終了に応答して無効にするよう構成されてもよい。
【0031】
電子デバイスにおいて、グラフィカル・ユーザ・インターフェースおよびソフトウェア製品は、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムに対応してもよい。さらに、電子デバイスにおいて、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムは、農業ゲームに対応してもよく、グラフィカル・ユーザ・インターフェースのグラフィカル・オブジェクトは、1つ以上の作物の栽培が望まれる農業環境の様々な空間領域に相当してもよく、メニュー・リスト内のユーザ選択可能なオプションは、様々な農具に相当してもよい。
【0032】
電子デバイスには、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化を継続的に記録および更新するためのデータベースが含まれてもよく、ソフトウェア製品は、データベースに接続され、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作可能な状態の中断が生じた場合に、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、それらの、データベースにおいて最後に更新された状態に復旧するよう構成されてもよい。
【0033】
複数の電子デバイスが、ネットワークを介してサーバに接続されてもよく、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りを容易にするために、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、それぞれの電子デバイスで時間的に同時に生成されてもよく、複数の電子デバイスで生成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、サーバを介して調整され、時間と共に複数の電子デバイスで同時に更新されてもよい。
【0034】
電子デバイスは、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、iPad(登録商標)、またはiPhone(登録商標)、Android(登録商標)フォン、もしくはSymbian(登録商標)フォンを含むスマートフォンを使用して実装されてもよい。
【0035】
本発明の第5の側面によれば、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた簡単なユーザのやり取りを容易にする方法が提供され、電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアでソフトウェア製品を実行することによって、グラフィカル・インターフェースが生成されて電子デバイスのディスプレイにレンダリングされ、本方法は、
(a)グラフィカル・ユーザ・インターフェース内に1つ以上のグラフィカル・オブジェクトをレンダリングすることと;
(b)一組のユーザ選択可能なオプションを含むメニュー・リストを呼び出すために、ポインタ・オブジェクトを介して1つ以上のグラフィカル・オブジェクトをクリックまたはタップすること、ただし、ユーザ選択可能なオプションは、特定のグラフィカル・オブジェクトの特定の部分に対して、または1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して適用される効果に対応する、クリックまたはタップすることと;
(c)ユーザ選択可能な特定のオプションを選択し、ポインタ・オブジェクトのドラッグ動作およびディスプレイ・センシティブ・アイテムのスワイプ動作のうちの一方を、グラフィカル・オブジェクトの特定の部分の上で、または1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの上で実行することによって、それぞれ、特定のグラフィカル・オブジェクトの特定の部分に対して、または該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトに対して、選択されたオプションに対応する効果を適用することと
を含む。
【0036】
本方法では、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ドラッグ動作またはスワイプ動作が実行されるときまで、選択されたユーザ選択可能なオプションに対応する効果をアクティブな状態に保持するよう構成されてもよく、ドラッグ動作またはスワイプ動作が終了されると、選択されたオプションが消滅されるよう構成されてもよい。
【0037】
本方法では、ソフトウェア製品は、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムに対応してもよい。さらに、本方法では、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムは、農業ゲームまたは農業シミュレーションに対応してもよく、グラフィカル・オブジェクトは、農業環境の空間領域に相当してもよく、ユーザ選択可能なオプションは、様々な農具に相当してもよい。
【0038】
本方法は、該1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態の変化を継続的に記録および更新することと、ソフトウェア製品をデータベースに接続することと、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの動作の中断が生じた場合に、1つ以上のグラフィカル・オブジェクトの状態を、それらの、データベースにおいて最後に更新された状態に復旧することとをさらに含んでもよい。
【0039】
本方法は、
(d)複数の電子デバイスを、ネットワークを介してサーバに接続することと;
(e)グラフィカル・ユーザ・インターフェースを、それぞれの電子デバイスのディスプレイに時間的に同時に生成することと;
(f)グラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いた複数のユーザのやり取りおよび連携を容易にするために、サーバを介して複数のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを調整し、それらを、時間と共に同時に更新することと
をさらに含んでもよい。
本方法では、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・システムに対応してもよく、本方法は、オンライン・マルチプレーヤー・ゲーム・システムを促進するよう構成されてもよい。
【0040】
本発明の第6の側面によれば、機械可読データ・ストレージ媒体に記録されたソフトウェア製品が提供され、ソフトウェア製品は、本発明の第5の側面に従った方法を実装するために、コンピューティング・デバイスのコンピューティング・ハードウェアで実行可能である。
【0041】
第7の側面によれば、表示画面と、コンピュータプログラムを実行するように構成されたコンピューティングハードウェアとを備える次のような電子デバイスが提供される。この電子デバイスは、
前記コンピューティングハードウェアによる前記コンピュータプログラムの実行は、前記表示画面上にグラフィカルユーザインタフェースを生成およびレンダリングさせ、前記グラフィカルユーザインタフェースは、ユーザの相互作用を容易にするように構成され、前記コンピューティングハードウェア、前記コンピュータプログラムおよび前記グラフィカルユーザインタフェースはゲームシステムに実装され、前記コンピューティングハードウェアは、
前記ユーザインタフェースの第1の部分におけるグラフィカルオブジェクトの選択を検出することと;
前記選択されたグラフィカルオブジェクトに対応するリソースを特定することと;
前記ユーザインタフェースの第2の部分における複数のポイントの選択を検出することと;
前記複数のポイントを選択する時間が予め定められた時間よりも長いかどうかを判断し、長い場合は、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分において前記複数のポイントにリソースを同時に展開することであって、前記展開されたリソースは、前記複数のポイントにおける前記ユーザインタフェース上のオブジェクトとして提示されることと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分における前記複数のポイントから、前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが、ターゲットオブジェクトにおいて実行されるようにすることと;
前記ターゲットオブジェクトの状態を第1の状態から第2の状態に変更し、前記第2の状態は、前記展開されたリソースに関連付けられた前記アクションの、前記ターゲットオブジェクトにおける前記実行に対応することと;
を遂行するように構成される。
【0042】
第8の側面によれば、ユーザに、グラフィカルユーザインタフェースとのやり取りを支援する方法が提供される、この方法において、前記グラフィカルユーザインタフェースは、電子デバイスのコンピューティングハードウェアでコンピュータプログラムを実行することによって前記電子デバイスの表示画面に生成およびレンダリングされ、前記コンピューティングハードウェア、前記コンピュータプログラムおよび前記グラフィカルユーザインタフェースはゲームシステムに実装され、前記方法は、
前記ユーザインタフェースの第1の部分におけるグラフィカルオブジェクトの選択を検出することと;
前記選択されたグラフィカルオブジェクトに対応するリソースを特定することと;
前記ユーザインタフェースの第2の部分における複数のポイントの選択を検出すること、ただし前記複数のポイントは、第1のポイントと、少なくとも1つの第2のポイントとを含む、前記検出することと;
前記複数のポイントを選択する時間が予め定められた時間よりも長いかどうかを判断し、長い場合は、前記ユーザインタフェースの前記第2の部分において前記複数のポイントにリソースを同時に展開することであって、前記展開されたリソースは、前記複数のポイントにおける前記ユーザインタフェース上のオブジェクトとして提示されることと;
前記ユーザインタフェースの前記第2の部分における前記複数のポイントから、前記展開されたリソースに関連付けられたアクションが、ターゲットオブジェクトにおいて実行されるようにすることと;
前記ターゲットオブジェクトの状態を第1の状態から第2の状態に変更し、前記第2の状態は、前記特定されたリソースに関連付けられた前記アクションの、前記ターゲットオブジェクトにおける前記実行に対応することと;
を含む。
【0043】
当然のことながら、本発明の各特徴は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせに集約することが可能である。
以下、次の図面を参照しながら、単なる例として本発明の実施形態について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】1つ以上のユーザと設備とを相互作用させるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を提供する、本発明に従ったシステムの全体的な概略図であり、この設備は、ゲーム、シミュレーション、および/または実際の技術システム制御の構成要素を含む。
【
図2】
図1のグラフィカル・ユーザ・インターフェースの実施形態の図である。
【
図3】
図2のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用して制御可能な例示の環境の図である。
【
図4】
図3の環境とのユーザのやり取りの図である。
【
図5】
図3の環境とのユーザのやり取りの図である。
【
図6】
図1のシステムを実装するために必要なサーバおよびデバイスのネットワークの図である。
【
図7】
図1のシステム内に実装されるステップのフロー図である。
【
図8】
図1のシステムがプレイ環境をシミュレートまたは提供するよう動作することが可能な環境の図である。
【
図9】
図1のシステムがプレイ環境をシミュレートまたは提供するよう動作することが可能な環境の図である。
【
図10】
図1のシステムがプレイ環境をシミュレートまたは提供するよう動作することが可能な環境の図である。
【
図11】本発明に従って実装されたグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)の図である。
【
図12】
図1のシステムによって生成される農業環境の図である。
【
図13】
図1のシステムによって生成される農業環境の図である。
【
図14】
図1のシステムによって生成される農業環境の図である。
【
図15】
図1のシステムによって生成される農業環境の図である。
【
図16】
図1において示されたシステムを実装するデータ・サーバおよびデバイスの別のネットワークである。
【発明の実施形態の説明】
【0045】
添付の図面では、上に下線番号がある項目、または下線番号と隣接する項目を表すよう、下線番号が用いられる。下線のない番号は、下線のない番号を項目にリンクする線により特定される項目に関係する。番号に下線がなく、関連する矢印を伴う場合、下線のない番号は、矢印が指す項目全体を特定するために使用されている。
【0046】
概観として、本発明は、技術プロセスを制御する方法に関係し、この技術プロセスは、設備のシミュレーションおよび制御の構成要素を含む。
図1には、例えば1人以上の人などの特定のユーザ20と、技術設備30との間のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を提供する、装置10が示されており、装置10は、好都合には、機械可読データ・ストレージ媒体に記録された1つ以上のソフトウェア製品を実行するよう動作可能なコンピューティング・ハードウェアを含むデバイスを使用して実装される。さらに装置10は、好都合には、現代のコンピューティング・プラットフォーム、例えば、無線通信ネットワークを介した通信をサポートする無線対応のコンピューティング・プラットフォームなどを使用して実装される。技術設備30は、シミュレーション、ゲーム、および実際のシステム制御の構成要素を含んでもよい。
【0047】
本発明の実施形態は、ゲームのプレイ中またはシミュレーションの制御中に、特定のユーザとの簡単かつ迅速なやり取りを容易にするとともに、ゲームがプレイされ、かつ/またはシミュレーションが実行されている電子デバイスのタッチセンサ式スクリーンで、タッチ動作またはスワイプ動作を実行中に遭遇する現存の問題をなくすための、ゲーム・システムおよび/またはシミュレーション・システム用のグラフィカル・ユーザ・インターフェースに関連する。
【0048】
ゲーム・システムは、コンピュータ、iPad(登録商標)、移動電話、タブレット・コンピュータ、およびスマートフォンを含む多数の電子コンピューティング・デバイスに、余暇のために組み込まれている。そのような従来型電子デバイスの多くは、ユーザ入力を取得して、インターフェースの快適なユーザ体験をもたらすために、タッチセンサ式スクリーンを組み込んでいる。多くのデスクトップおよびラップトップ・コンピュータを含む、タッチセンサ式スクリーンのない電子デバイスでゲームをプレイする場合、または技術シミュレーションを制御する場合、ユーザは一般に、マウス、キーパッドの一定のキー、およびジョイスティックなどの接続された入力デバイスを介して、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムのインターフェースを用いてやり取りし、インターフェースに対して入力を提供する。マウスによる複数のクリック動作を使用することは、例えば、ゲーム・インターフェースまたはシミュレーション・インターフェースの複数のポイントで同じ動作が実行されなければならない場合、時間がかかり好ましくない。タッチセンサ式ディスプレイを有するデバイスを用いても、プレイ中のゲームまたは実行中のシミュレーションに関わる同種の動作がインターフェースの複数の領域にわたって同時に実行されなければならない場合、これを達成することは難しくなるが、これは、従来型タッチセンサ式スクリーンが感知できるタッチ動作が、特定のポイントにおいて一度に1つであるためである。現在、マルチタッチセンサ式スクリーンが利用可能であり、電子デバイスに組み込まれているが、一部のゲームに関わるプレイ時の動作、同じく一部の技術シミュレーションに関わる動作は、スクリーンの複数の領域にわたって実行される複数のタッチ動作またはスワイプ動作を同時に感知および検出することを必要とする。
【0049】
したがって、本開示は、ゲーム・システムおよび/またはシミュレーション・システム用の強化されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供し、これにより、電子デバイスでゲームをプレイ中、または技術シミュレーションを実行中に特定のユーザの体験が改善される。本システムおよび方法は、電子デバイスのマルチタッチセンサ式スクリーンを介したタッチ動作およびスワイプ動作の実行を容易にし、特定のユーザが、インターフェースの様々な領域にわたって、ゲームまたはシミュレーションに関連する同種の動作を同時に実行できるようにする。
【0050】
図2には、電子デバイスでプレイ中のゲームまたは実行中のシミュレーションに対応する、グラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されており、戦略ゲームをプレイしているユーザ、またはシミュレーションを実行しているユーザが、インターフェースの複数の位置にわたって同種の動作を実行するために、インターフェースの複数のポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を同時に実行する方法を示す。図のように、プレイ中のゲームまたは実行中のシミュレーションに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェース100が、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。具体的には、ゲームまたはシミュレーションに対応するソフトウェア製品が電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアで実行されると、インターフェース100がディスプレイ・スクリーンにレンダリングおよび提示される。ディスプレイ・スクリーンは、スクリーンの複数のポイントで同時に実行されるタッチ動作またはスワイプ動作を感知できる、マルチタッチセンサ式スクリーンである。ユーザ108は、2本の指を使用して、インターフェース100の2つの異なる位置102および104でタッチ動作を実行する。インターフェース100は、この動作を感知し、ゲームまたはシミュレーションに対応するソフトウェア製品は、実行されたタッチ動作に関連するアクションを、インターフェース100の様々なグラフィカル・オブジェクトに対して実行する。これについては、後の図面に関連して、特定のゲーム環境またはシミュレーション環境の例に関しより詳しく後述する。
【0051】
図3には、ユーザがデバイスでゲームをプレイするか、またはシミュレーションを実行し、ゲーム・インターフェースまたはシミュレーション・インターフェースを制御するために本開示の方法を使用するときの、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンのスナップショットが示されている。図のように、電子デバイス200は、ディスプレイ・スクリーン202を含み、ゲームまたはシミュレーションに関わるアクションを実行するための様々なリソースが、ディスプレイ・スクリーン202のグラフィカル要素206にレンダリングされている。本開示の説明において、示されているゲーム環境またはシミュレーション環境は、戦争系ゲームまたはシミュレーションに相当し、ディスプレイ・スクリーン202にレンダリングされるゲーム環境は、戦場204に相当する。デバイス200は、マルチタッチセンサ式スクリーンを組み込んだ任意の適切な電子デバイスとすることができ、これには、iPad(登録商標)、例えばAppleのiPhone(登録商標)、Androidフォン(登録商標)、もしくはSymbianフォン(登録商標)などのスマートフォン、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、またはラップトップ・コンピュータなどが含まれる。戦場204には、例えば城または基地を表すことができるターゲット208などの様々なグラフィカル・オブジェクトがある。ゲームまたはシミュレーションの目標は、グラフィカル要素206内に示されている様々なリソースA、B、およびCなどによって城を攻撃することにより、城を勝ち取ることであってもよい。要素206内のリソースA、B、およびCは、銃、大砲、矢、弓などを含む武器(すなわち技術機器)を表すこと、または様々な部隊、武装兵隊、歩兵隊、もしくは騎兵隊などを表すことができる。そのようなリソースが3つのみ示されているが、ゲームをプレイするため、またはシミュレーションを実行するためのリソースがこの他に複数あってもよい。戦略ゲームまたはシミュレーションでは、ユーザは、これらのリソースのうちの1つ以上を選択して、選択されたリソースを戦場204内の複数の位置に展開する。続いて、選択されたリソースは、ターゲット208を征服するための動作を実行するために使用される。例えば、展開されたリソースは、それらの所有する様々な武器によってターゲット208を攻撃するよう動作させることができる。ユーザは、複数のタッチ動作を、ディスプレイ202の様々なポイントで同時に使用して、リソースA、B、Cなどを戦場204内の複数の位置に展開することができる。さらに、ユーザは、特定の経路にわたって指をスワイプすることによってスワイプ動作を実行して、当該経路に沿った一組のポイントすべてにわたって特定のリソースを展開することもできる。展開された様々なリソースの、ターゲット208から離れる、またはターゲット208に近づく移動は、展開された特定のリソースをポイントして、所望の方向に指をスワイプすることによって制御することができる。選択されたリソースを展開するためにユーザがディスプレイ・スクリーン202にタッチすると、スクリーン202は、それぞれのポイントにユーザにより加えられる圧力を検出する。それぞれの位置に展開されるリソースの数は、加えられる圧力の大きさに依存してもよい。具体的には、特定のポイントに加えられる圧力が高くなるにつれて、そのポイントに展開されるリソースの数が増加し、その逆も同じである。さらに、戦場204のそれぞれの位置にリソースを展開する速さは、ユーザがそれぞれのポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を実行する速さに依存する。例えば、ユーザが、選択されたリソースを、特定の経路内の様々なポイントに沿って展開することを望み、その経路にわたってスワイプ動作を実行する場合、リソースは、その経路にわたってスワイプ動作が実行されるのと同じくらいの速さで展開される。素早いスワイプ動作の結果、遅いスワイプ動作に比べて、より迅速にリソースが展開される。
【0052】
さらに、
図4には、戦争系ゲームまたはシミュレーションの戦場内にリソースを展開するために、選択可能なオプションA、B、およびCのうちの1つをユーザが選択したときの、デバイスのディスプレイ・スクリーンが示されている。例示では、ユーザは、後にターゲット208に対して動作するよう戦場に展開される、特定のカテゴリまたはタイプのリソースに対応するオプションBを選択した。前述の通り、選択されたリソースは、部隊、特定の種類の武器を所有する武装兵隊、騎兵隊などであってもよい。さらに、1つのみのオプションが選択されて示されているが、ユーザは、様々な種類のリソースを戦場に展開するために複数のオプションを選択することもできる。結果的に、オプションBを選択した後、ユーザは、2本の指を使用してインターフェースを制御し、図のように所望の2つのポイント302および304に部隊を展開する。具体的には、ユーザは、同時に、または時間順に、すなわち1つずつ、ポイント302および304でタッチ動作を実行する。あるいは、特定の所望の経路全体にわたってリソースを展開するために、選択されたポイント302および304のいずれかから開始して、その所望の経路にわたってスワイプ動作が実行されてもよい。実施形態において、リソースは、タッチ動作が実行された後、或る決まった所定の時点で、選択されたポイントに展開される。例えば一実施形態では、リソースは、約0.5~1秒といった所定時間、ユーザが指を特定のポイントに接触した状態を維持した場合に限り、そのポイントに展開されてもよい。この機能は調節可能であり、リソースを展開するためにユーザが指をスクリーンと接触した状態に保持しなければならない最短時間は、ゲームプレイ前またはシミュレーション実行前にユーザの要望に基づいてカスタマイズ可能である。さらにこれによって、意図しない、または不必要なリソースの展開という事態がなくなる。
【0053】
展開された特定のリソースは、一定の条件の検出に基づいて、例えばターゲット208を攻撃するよう、アクションのためにリリース(release)される。この条件は、例えば、リソースが所望のポイントに既に展開された後、約1~2秒にわたって、ユーザが指をなお当該ポイントに保持することを含んでもよい。別の場合には、実行オプションが、ディスプレイ・スクリーンに別にレンダリングされてもよく、ユーザは、リソースが展開された後、このオプションを介して実行コマンドを提供しなければならない。さらに、別々の指により実行されるマルチタッチ動作は、独立して作用し、ディスプレイ・スクリーンは、これらの指により実行されるスワイプ動作またはタッチ動作を、独立して感知および解釈するよう構成される。具体的には、例として、1本の指がスクリーンの特定のポイントにわたってタッチまたはスワイプすると、それらのポイントに対応する一組の位置に、一組のリソースが展開されてもよく、さらにその後、別の指が別の一組のポイントにわたってタッチまたはスワイプすると、その後、第2組のリソースも、当該ポイントに展開されてもよい。この2つの組のリソースは、ユーザ調節可能なゲーム設定に応じて、同じであっても異なってもよく、ゲームをプレイする前またはシミュレーションを実行する前にカスタマイズ可能である。さらに、前述の通り、ディスプレイ・スクリーンは、様々なポイントで同時に実行されるタッチ動作またはスワイプ動作を感知することもでき、リソースを様々なポイントに一斉に展開する。実施形態では、それぞれのポイントに展開されるリソースの数は、当該ポイントで実行されるタッチ動作の検出に対応して1つずつであってもよい。あるいは、タッチ動作またはスワイプ動作が特定のポイントで、または一組のポイントにわたって実行中に、当該ポイントに単位時間当たり一定数のリソースが展開されてもよい。別の実施形態では、前述の通り、展開されるリソースの数は、タッチ動作またはスワイプ動作を実行中にユーザが加える圧力の関数である。具体的には、特定のポイントに加えられる圧力が高くなるにつれて、そのポイントに展開されるリソースの数が多くなってもよく、その逆も同じである。
【0054】
次に
図5を参照すると、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンが示されており、選択されたオプションBに対応するリソースが、ディスプレイ・スクリーンの複数の位置に展開されて示されている。図のように、一組のリソース410が、スクリーン202の一組の位置に展開され、これらは、
図4に示したポイント302あたりで先に実行された複数のタッチ動作に対応する。リソース410を展開するために、ユーザは、これらのポイントを含む経路にわたってスワイプ動作を実行してもよい。さらに、別の組のリソース420が、ターゲット208の反対側に展開されて示されている。これらのリソースは、
図4で確認できるポイント304から開始するタッチ動作がユーザにより別の指で実行されると、レンダリングされる。同様に、リソースを他の望ましいポイントに展開するために、タッチ動作またはスワイプ動作が、ディスプレイ・スクリーン202の他の多数のポイントで実行されてもよい。
【0055】
図6には、本開示による方法および装置を実装する例示の環境の図が示されている。複数の電子デバイス502、504、506、および508が示されており、これらを介してユーザは、550、560、および570によって表された複数のネットワークのうちの1つを介して、例えばゲーム・サーバおよび/またはシミュレーション・サーバなどの異なるデータ・サーバ510および540のうちの1つに接続することができる。電子デバイス502、504、506、または508は、ゲーム・システムおよび/またはシミュレーション・システムに対応するソフトウェア製品をサポートおよび実行できるコンピューティング・ハードウェアを有する、任意の適切な電子デバイスとすることができる。示されている電子デバイスの典型的な例としては、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、一般に周知のiPhone(登録商標)、Androidフォン(登録商標)などを含むスマートフォン、iPad(登録商標)などを挙げることができる。さらに、これらの電子デバイスはすべて、1つ以上のディスプレイ・スクリーンの複数のポイントで実行されるタッチ動作またはスワイプ動作によるユーザの入力を感知および取得する、1つ以上のマルチタッチセンサ式スクリーンを有する。さらに、それぞれの電子デバイス502、504、506、および508は、適切な通信ネットワークを介して、サーバ510および540のいずれかを介し相互に接続される。ネットワーク550、560、および570などは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:Wireless Local area network)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local area network)、例えば2Gネットワーク、3Gネットワークなどのセルラー・ネットワークなどの、無線ネットワークであってもよい。さらに、電子デバイス504、506、および508の任意のものが、それ自体のBluetooth(登録商標)ネットワークも使用してもよく、Bluetooth(登録商標)サーバに接続して他の電子デバイスと同期することができてもよい。示された例示の環境は、適切なネットワークを介して接続し相互に同期する様々なデバイスを通じて複数のユーザが容易にオンラインになれることにより、マルチプレーヤー・ゲームもサポートする。さらに、モジュール520、530などによって示されている複数のデータベースがそれぞれのサーバに接続され、様々なユーザがマルチプレーヤー・ゲームでオンラインのとき、ゲーム環境に関係する情報がこれらのデータベースに継続的に記憶される。
【0056】
シングルプレーヤー・ゲームまたはシングルユーザ・シミュレーションを容易にするために、ユーザは、電子デバイス502、504、506、または508のいずれかを介してログオンし、適切なネットワークを介して、例えばインターネットおよび/または無線通信ネットワーク経由で、ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ510または540のうちの1つに接続する。ユーザがログオンして、ユーザの利用する特定のデバイス、例えばデバイス502のコンピューティング・ハードウェアでゲーム・ソフトウェアまたはシミュレーション・ソフトウェアを実行するのに伴い、ゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成され、デバイス502のディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲームまたはシミュレーションに関連する様々なグラフィカル・オブジェクトを、デバイス502のディスプレイ・スクリーンに提示する。グラフィカル・オブジェクトは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースのそれぞれのブロック/セグメントによって表されてもよく、それに対して、プレイ中のゲームまたは実行中のシミュレーションに関わる様々な動作を実行可能である。例えば、ゲームが戦争系ゲームである場合、またはシミュレーションが銃、爆弾、および同様のものなどの技術軍用機器に関係する場合、そのようなブロック/セグメントは、前に
図3において示したターゲット208など、征服しなければならない1つ以上のターゲットを表してもよい。さらに、グラフィカル・オブジェクトに対してアクションを実行するためのユーザ選択可能な一組のオプションを表す、1つ以上のグラフィカル要素も、デバイス502のインターフェースにレンダリングされる。そのような要素については、本開示の、戦争系ゲームまたはシミュレーションに関連する先行する図面に関連して詳細に前述した。さらに、それぞれのグラフィカル・オブジェクトの上を移動可能なポイント・オブジェクト(カーソル)が、ゲームまたはシミュレーションの動作の制御のためにグラフィカル・ユーザ・インターフェースに表示される。ポインタ・オブジェクトは、デバイス502のディスプレイ・スクリーンでタッチ動作、スワイプ動作、またはタップ動作を実行することによって制御可能である。さらに、ユーザ入力の提供を容易にするために、(図示されてはいないが)マウス、ジョイスティック、または一組のキーボード・ボタンを含む他の入力デバイスが、デバイス502に接続されてもよい。ディスプレイ・スクリーンでのタッチ動作は、指、ペン、ペンシル、ポインティング手段などを含む適切なタッチ・センシティブ・オブジェクトを使用して実行可能である。
【0057】
ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ510に接続された別のデータベース580は、ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ510のバックエンド・データベースとしての機能を果たす。デバイス502のユーザがゲームをプレイし始めるか、またはシミュレーションを実行し始めるのに伴い、ユーザによって実行される典型的なアクションおよびジェスチャが、バックエンド・データベース580に記録される。具体的には、そのようなアクションはゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ510を介して解釈され、メッセージとしてバックエンド・データベース580に送信され、このデータベースは結果的に、プレイされるゲームまたは実行されるシミュレーションのログおよびバックアップを保持する。そのようなメッセージは、前述の通り、デバイス502をサーバ510に接続するのに用いられるインターネット接続で送信されるか、またはデバイス502をサーバ510に接続するその他任意の無線または有線のネットワークで送信される、データ・パッケージの形式とすることができる。そのような、ゲームまたはシミュレーションのバックアップを保持するためのメッセージの典型的な構成要素は、ヘッダ、ペイロード、およびチェックサムを含み得る。チェックサムは、ペイロードの関数とすることが可能であり、または、ユーザ名または同様のものなど、固有のユーザ識別子とすることもできる。メッセージを保持するバックエンドにチェックサムを含めることで得られる利点は、ゲームのプレイ中に起こり得る不正行為を防止する、またはシミュレーションにより生成される結果に悪影響を与え得るシミュレーションの第三者による改竄を防止できることである。当業者であれば当然のことながら、ゲームのプレイ中、またはシミュレーションの実行中、チェックサムを得るために、収集されたデジタル・データに適切なチェックサム関数またはチェックサム・アルゴリズムが適用され得る。さらに、起こり得る不正行為を防止するために、特定のデータに対応するチェックサムが、任意の時点で再計算され、記憶済みのチェックサムと比較され得る。サーバ510が受信するバックエンド・メッセージは、サーバ510の他のデータベース520および530にも送信される。これらのデータベース520、530では、これらのバックエンド・メッセージが、例えば、時間と共に更新される、プレーヤーの正確なスコア、およびプレーヤーが既に達したゲームの段階、または収穫高、構造物の完全性、および類似のものなどのシミュレーションの結果など、ゲームまたはシミュレーションの状態を表す一連のロジックを保持するために使用される。データベース520および530によるバックエンド・メッセージの継続的な受信により、結果的に、時間と共に、これらのサーバ・データベース520および530内で、ゲーム・状態の定期的な更新が行われる。これは、デバイス502が予期せずシャットダウンした場合、デバイス502が予期せずその通信を妨害された場合、またはユーザがゲーム端末もしくはシミュレーション端末を変更した場合、もしくはユーザが意図的に一定期間プレイもしくはシミュレーションの実行をやめて別のときにログインする場合に、ゲームまたはシミュレーションをその最後の状態に復旧することを確実に促進するものであり、そのような復旧の可能性は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースに対するユーザの満足度を高める助けとなる。
【0058】
2つのみのサーバ510および540が示されたが、本開示によるゲーム環境および/またはシミュレーション環境を実装するために、相互に連携する、相互接続された複数のゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバが存在し得る。さらに、
図6に示されている環境は、シンクライアント・ゲームまたはシミュレーションを実装でき、すなわち、計算処理上の役割において部分的に独立したコンピュータ・プログラムで書かれ、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックの一部がサーバ510および540のいずれかに記憶されてもよく、さらにゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックの一部がゲーム端末またはシミュレーション端末に記憶されてもよい。示された環境は、シッククライアント・ゲームまたはシミュレーションもサポートし、すなわち、完全に独立したコンピュータにおいて書かれ、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジック全体がゲーム端末に記憶されてもよい。さらに、ゲームまたはシミュレーションは、完全にウェブ・ベースであってもよく、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックのほとんどが、サーバ510または540のいずれかに記憶されてもよい。プレイまたは実行されるゲームまたはシミュレーションにそれぞれ対応するゲーム・ソフトウェアまたはシミュレーション・ソフトウェアは、任意のプログラミング言語で書かれてもよい。
【0059】
示されたゲーム環境またはシミュレーション環境によって実装可能なゲーム・システムまたはシミュレーション・システムは、1人のユーザが電子デバイス502、504、506、または508のいずれかにログオンする場合について記載されたが、同ゲーム環境またはシミュレーション環境は、多人数参加型のゲームまたはシミュレーションをサポートでき、その場合、様々なユーザが、それぞれの電子デバイスを介しログオンでき、前述の通り適切なネットワークを介して、共通のゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ510および540のいずれかを介して同時に接続することによって相互に同期でき、進行中のゲームまたはシミュレーションを表す共通のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを共有できる。そのような実施形態では、それぞれの電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされるグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバのバックエンドのデータベース520および530に記憶されたロジック・データを用いて、定期的に同時更新される。
【0060】
図7には、ゲームのプレイ中またはシミュレーションの実行中に、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を用いたユーザのやり取りを容易にする方法が示されている。本方法は、本開示の先行する図面を用いて前述した、戦争系ゲームまたはシミュレーションの典型的な例に関連して説明される。なお、本方法は、一般化されて他のゲーム環境またはシミュレーション環境においても実装されることが可能であり、本開示の範囲を限定するよう意図されてはいない。ステップ604で、本方法は、電子デバイスのコンピューティング・ハードウェアでソフトウェア製品を実行するステップを含む。電子デバイスは、マルチタッチセンサ式スクリーンを組み込んだ任意の適切なデバイスとすることができ、その例は前述した。ソフトウェア製品は、電子デバイスでのゲームのプレイまたは技術シミュレーションの実行を容易にするために、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムに対応する。ソフトウェア製品が実行されるのに伴い、ステップ608で、本方法は、ゲーム環境またはシミュレーション環境の表現を生成して、電子デバイスのディスプレイ・スクリーンで、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにレンダリングすることを含む。ステップ612で、本方法は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、様々なグラフィカル・オブジェクト、ゲーム環境またはシミュレーション環境を制御するためのユーザ選択可能な一組のオプション、およびインターフェースの様々なポイントにわたってタッチ動作またはスワイプ動作を実行するためのポインタを提示することを含む。例えば、前述の通り、戦争系ゲームまたはシミュレーションでは、グラフィカル・オブジェクトは、征服すべき城、破壊すべき基地などに相当してもよく、ゲーム環境またはシミュレーション環境は、戦場を表してもよい。ユーザ選択可能なオプションは、例えば得点するために、あるいはリソースの技術特性を決定するために、グラフィカル・オブジェクトに対して動作を実行するべく、インターフェースの様々な部分にわたって展開可能な、様々なリソースに対応し得る。具体的には、リソースは、銃、爆弾、大砲、弓、矢などを含む多様な武器を所有する、様々な種類の部隊、騎兵隊、武装兵隊とされ得る。ステップ616で、本方法は、ゲーム環境またはシミュレーション環境内にユーザが展開したい様々な種類のリソースに対応する、選択可能な1つ以上のオプションを、ユーザが選択することを含む。さらに進んで、選択可能なオプションのうちの1つを選択して有効化した後、ステップ620で本方法は、対応するリソースを展開することを含み、ユーザは、リソースを展開したい位置に応じて、インターフェースの複数のポイントに対してタッチ動作またはスワイプ動作を実行する。ステップ624で、リソースが展開され、ゲーム・インターフェースまたはシミュレーション・インターフェースに表示される。実施形態では、それぞれのリソースの展開特性が、様々なパラメータに依存してもよい。例えば、特定のポイントに展開されるリソースの数は、そのポイントでタッチ動作を実行中にユーザがディスプレイ・スクリーンに加える圧力に依存する。さらに、ユーザが、特定の経路を構成する複数のポイントに沿ってリソースを展開することを望み、その経路に沿ってスワイプ動作を実行する場合、リソースが展開される速さは、その経路に沿ってユーザがスワイプ動作を実行する速さに依存する。別の実施形態では、タッチ動作が実行されている各ポイントに、単位時間当たり一定数のリソースが展開されることが可能である。リソースの展開特性は、ユーザ調節可能であり、ゲームをプレイする前に、ユーザの優先事項に基づいてカスタマイズ可能である。
【0061】
ステップ628で、本方法は、リソースを介してアクションを実行する前に、他のリソースの展開が要望されるか否かを確認することを含む。「肯定」であれば、本方法は、ステップ616に戻って、そのリソースに対応する選択可能なオプションを選択し、所望のポイントにわたって再度、タッチ動作またはスワイプ動作を実行することを含む。あるいは、さらに進んでステップ632で、本方法は、ゲーム環境またはシミュレーション環境内で、展開されたリソースをアクションのためにリリースすることを含む。例えば、戦争系ゲームまたはシミュレーションでは、展開された部隊/武装兵隊が、それらが展開されているそれぞれのポイントから特定のターゲットを攻撃するように、そのターゲットに対するアクションのためにリリースされる。実施形態によっては、展開されたリソースのリリースは自動化されていて、ユーザが特定のリソースを展開した後、当該リソースに所定時間だけ指を保持すると実行される。例えば、この時間は、リソースが既に展開された後、約1~2秒のタッチ動作であってもよい。ディスプレイ・スクリーンは、この所定の時間を感知するよう構成され、これが発生すると、ソフトウェア製品は、展開されたリソースに関連するアクションを実行する。別の実施形態では、それぞれのリソースのリリースは、手動のユーザ入力を必要としてもよい。具体的には、例えば、(「発進」または「発射」オプションのような)トリガ・オプションが、リソースを展開した後にレンダリングされてもよく、リソースは、ユーザが手動でこのオプションを起動するまでリリースされなくてもよい。ステップ636で、展開されたリソースによってアクションが実行された後、グラフィカル・ユーザ・インターフェースが更新されて、ゲーム環境またはシミュレーション環境の最新状態を表す修正されたインターフェースがディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。
【0062】
ゲームおよび/またはシミュレーションに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースを用いたユーザのやり取りを改善する、本開示の方法およびシステムは、ユーザがゲーム環境またはシミュレーション環境において様々な動作を実行するときに大きな利点を提供する。ゲーム・インターフェースまたはシミュレーション・インターフェースの様々な位置にわたる同種の動作を、ユーザが実行したい場合、ディスプレイ・スクリーンの複数のポイントにわたって同時にタッチまたはスワイプすることによって容易に実行できる。したがって、ゲーム・インターフェースまたはシミュレーション・インターフェースのユーザ体験が、はるかに快適なものとなる。
【0063】
ゲーム環境および/またはシミュレーション環境で本開示を応用することができる例示の実施形態を用いて、さらに、特に戦争系ゲームまたはシミュレーションの例を用いて、本開示について包括的に記載したが、本開示は、他のゲーム環境、制御環境、およびシミュレーション環境においても応用されるとともに、一般的には、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムに関連しない他のグラフィカル・ユーザ・インターフェースにも応用可能であると思われる。特定の応用では、開示された実施形態のユーザ・インターフェースは、任意のタイプのゲーム、技術システム、またはシミュレーションの仮想制御のために使用可能である。開示された実施形態の特定の側面は、アーケードの構築およびパズル・ゲームの解決を含む、他の動作を実行するためにも適用可能である。さらに、この快適なユーザ・インターフェースは、例えばアドベンチャー・ゲーム、ロールプレイング・ゲーム、シューティング・ゲーム、建設および経営シミュレーション・ゲームなど、他のタイプのゲーム内にも実装可能である。例えば、この快適なユーザ・インターフェースは、シンセティック・クレジット・デフォルト・スワップまたはデリバティブ金融商品における取引などの金融取引を実行するときにトレーダーが複数の取引を同時に管理する必要がある、ニューヨーク・ウォール街およびロンドン証券取引所などの金融取引所で用いられるコンピュータ端末で使用することができる。
【0064】
以下、本発明のさらなる実施形態について、下記に記載する。本開示は、前述の通り、ゲームのプレイ中またはシミュレーションの実行中のユーザとの簡単かつ迅速なやり取りを容易にするため、および電子デバイスでゲームまたはシミュレーションがそれぞれプレイまたは実行されるときに、マウスまたはジョイスティックを使用中に一般に体験される煩わしい動作をなくすための、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システム用のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)に関連する。
【0065】
ゲーム・システムおよびシミュレーション・システムは、コンピュータ、iPad(登録商標)、移動電話、タブレット・コンピュータ、およびスマートフォンを含む多数の電子デバイスにレジャー用として組み込まれている。従来利用可能な多くのデスクトップ・コンピュータおよびラップトップ・コンピュータを含む、タッチスクリーン機能のないコンピューティング・デバイスでゲームをプレイ中、またはシミュレーションを実行中の、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムのインターフェースを用いたユーザのやり取りの主要な形態は、コンピューティング・デバイスに接続されたマウス、キーパッドの一定のキー、およびジョイスティックのようなデバイスを介したものである。多数のゲームまたは技術シミュレーションでは、クリック動作またはタップ動作を複数回、インターフェースの様々な箇所で使用する必要がある一定の動作は、時間のかかることが多く、ユーザは多くの場合、該動作の迅速な適用を達成することを望む。今では、スマートフォンおよびタブレット・コンピュータの多くがタッチ・スクリーン・ディスプレイを組み込んでおり、これらのデバイスでゲームをプレイすることは、比較的容易になった。しかし、ゲームに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの触覚面としての機能を果たすタッチセンサ式スクリーンを用いてやり取りするうちに、単一の場所または様々な場所での複数のクリック動作またはタップ動作により、スクリーンが劣化することもある。さらに、スクリーンは、ゲームをプレイするためにあまり頻繁にデバイスが使用されると、それに伴い、長期的には劣化していき、傷および汚れ部分ができることが多く、これは、多くの場合は望ましくないことである。さらに、一部の動作は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの様々な位置で続けてクリックおよびタップすることを必要とするが、これでは動作を有効化するのに時間がかかる。
【0066】
図8には、様々な関連動作が従来どのように実行されるか、およびこれらの動作の実行中にユーザ/プレーヤーが直面する問題を示す、農業ゲームまたは農業シミュレーションに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースが示されている。こうしたシミュレーションは、有利であるように、過酷な環境条件の中で農業に取り組む農業家の技術支援として、アフリカに対して使用される。ここで過酷な環境条件とは、例えば、地球大気中への人為的な二酸化炭素排出といった人類活動によるものと考えられる気候変動によって悪化し、大気中の二酸化炭素濃度は、現在およそ400p.p.m.に対して毎年約3p.p.m.増加している。二酸化炭素濃度の増加は、世界の海洋の酸性化を引き起こし、水産食品の主要な供給源に悪影響を与えると考えられる。しかし、この主要な供給源も、日本の福島からの放射能漏れといった人類史上最悪の産業災害によって既に圧迫されてしまっている。
【0067】
図8には、農業用地1100、および用地1100に対する動作を管理する複数のキャラクター1106がある。キャラクター1106は、ユーザ/プレーヤーによって制御され、用地1100内で移動させられ、様々な動作を実行させられる。グラフィカル・インターフェースの左上隅にはスコア・カードが示されており、さらに、キャラクター1106が隠れることができる様々な家1102が示されている。このゲームまたはシミュレーションは、例えば気象衛星からのデータを分析することなどから決定される、アフリカに関連する将来の気象予測などに応じて、用地1100の様々な適切な部分で様々な作物/果物を栽培することに関する。以下、例示の状況について記載する。キャラクター1106が、用地1100の特定の領域において何かを栽培することを望む。次に
図9を参照する。ユーザは、特定の作物を栽培したい位置に対応するグラフィカル・オブジェクト1200を選択する。選択は、マウスを用いてオブジェクト1200をタップすることにより、またはインターフェースがタッチ・センシティブであればインターフェースをタッチすることにより行われる。ユーザがオブジェクト1200にタッチするのに伴い、図のように、例えばラズベリー1206、ブルーベリー1204、ストロベリー1208など、当該エリアで栽培可能な様々な作物に対応する選択可能な様々なオプションを含む、メニュー・リストが表示される。ユーザが、用地の一部分でブルーベリー1204を、別の領域でラズベリー1206を栽培することを決定したと仮定する。このために、ユーザは、関連する各オプションを選択して、それらを栽培したい対応する領域を選択する。さらに続いて、
図8の更新された用地1100が、次に
図10に示されており、領域1300においてブルーベリーが栽培されているのが示され、領域1302に沿ってラズベリーが栽培されているのが示されている。ここで、農業用地が相当に大きく、農業用地の様々な領域で様々な作物が栽培される必要があると、大きな問題が生じる。さらに、特定の作物につき、用地の様々な領域において、互いに近くに位置して、または隣接して栽培されることが望まれることもある。これを可能にするために、ユーザは、マウスによる複数のクリック動作/タップ動作によって、またはスクリーンがタッチセンサ式スクリーンである場合は様々な領域で指または指のようなタッチ・センシティブ・オブジェクトでポイントすることによって、当該領域のそれぞれを、1つ1つ選択する必要がある。いずれの場合も、この動作は多くの時間を使い、特に、この動作が指でタッチスクリーンに実行される場合、いずれはスクリーンを劣化させる。
【0068】
本開示は、インターフェースの様々なグラフィカル・オブジェクトの上でポインタ・オブジェクトをドラッグすること、またはスワイプ・アクションを実行することによる簡単かつ迅速な動作を容易にするインターフェースである、
図8~
図10に示されているもののような、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システム用の効率的で使い易いグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を提供する。
【0069】
特に、本開示は、ゲーム・システムおよび/またはシミュレーション・システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースでスワイプ動作を実行しながら、インターフェースで動作を制御または容易にすることに関する。
図11には、ゲームのプレイ中またはシミュレーションの実行中に動作を制御するために、ゲーム・システムまたはシミュレーション・システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースで実行可能なスワイプ動作が示されている。図のように、本開示のスワイプ動作を実行する際は、タッチセンサ式スクリーン1400を組み込んだ電子デバイスにおいてメニューを操作したり、他のアプリケーションを扱ったりするためになされるような通常の形で、最初にユーザの指1408が所望のポイント1402に置かれ、所望の目標ポイント1404に達するまで、所望の経路1406に沿って移動される。
【0070】
さらに、指を使用せずに、最初にマウスでポイント1402をポイントしてタップし、マウスによってポインタをスクリーンで所望の経路1406に沿ってドラッグし、最後に最終位置1404でマウスをリリースすることによって、スワイプ動作をマウスによって実行することも可能である。さらに、スワイプ動作を実行するために、例えばペンまたは先のとがったデバイスなど、他の任意のディスプレイセンサ式デバイスまたは手段を、スクリーンで使用可能である。この動作と、その、
図8~
図10に示された典型的な農業環境に当てはまる利点とを結びつけて、ユーザが、農業用地の様々なブロックの、
図11に経路1406によって表された広い領域全体にわたって、ラズベリーを栽培したいと仮定する。その場合、ユーザは、経路1406に沿った任意のポイントをポイントすることによってポップアップするラズベリーのオプションを選択して、経路1406全体にわたって指をスワイプするだけでよい。この動作は、経路1406全体にわたってラズベリーを簡単かつより迅速に栽培できる。
【0071】
図12~
図15には、前に
図8に示された農業用地のビューが示されており、各図面は、本開示のグラフィカル・ユーザ・インターフェースによってサポートされるスワイプ機能の利点を示す。
図12に示されているように、用地1500のビューが示されており、ゲームまたはシミュレーションの目的は、用地1500の様々な領域に沿って様々な生産物を生産することによって得点し、またはクレジットを獲得することである。様々な作物/生産物の栽培、または用地1500の様々な区画の収穫もしくは給水のような様々な動作の実行により、ユーザは様々な点数またはクレジットを得る。用地1500には、点数またはクレジットを得るためにユーザによる変更が可能な様々なセグメント/ブロックがある。これらのセグメント/ブロックは、ゲームがプレイされている、またはシミュレーションが実行されている電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにゲーム環境または農業用地1500を提示する、グラフィカル・ユーザ・インターフェースの様々なグラフィカル・オブジェクトによって表される。次に
図13を参照する。特定の生産物/作物を栽培するために、ユーザは、例えば図のようにブロック1502によって表されているものなどの特定の所望の位置を、マウスによってクリックもしくはタップするか、または指で、もしくは(電子デバイスのスクリーンがタッチ・センシティブである場合は)ディスプレイ・センシティブ・オブジェクトによってタッチしなければならない。ユーザがブロック1502をタッチするのに伴い、ブロック1502に対応する項目別メニュー(ISM:item specific menu)がグラフィカル・ユーザ・インターフェースに表示される。異なるブロックは、そこで栽培可能な作物/生産物の候補に対応する、異なる項目別メニューを有してもよい。図のように、ブロック1502に対応するISMメニューは、用地で栽培可能な様々な作物に対応するA、B、C、D、およびEのような、様々なユーザ選択可能なオプションを示す。選択可能な各オプションは、例えばメイズ、トウモロコシ、人参、小麦、および米など、異なる種類の作物/生産物を栽培する特定の道具に対応する。図面に示され本願明細書に記載される実施形態は、単なる例であり、明白な変形を組み入れた他の実施形態も可能であり、したがって、本開示の範囲を限定するものではない。例えば、クリック、タップ、または選択される用地のブロック/セグメントに応じて、ISMメニューには、他の様々な種類の道具が存在してもよい。具体的には、選択されたブロック1502が既に耕作されていれば、ISMメニューに表示される選択可能なオプションの一部は、薬剤散布、収穫、注水などに対応してもよい。次に
図14を参照する。ユーザは、例えば米を耕作することを決定した場合、対応する適切なオプションをISMメニューから選択して、用地の様々なブロック/セグメントの米の栽培を望む場所全体にわたって指をスワイプする。結果的に、図のように、ユーザが指のスワイプまたはマウスのドラッグを行った、農業用地の領域1700全体にわたって、耕作された米が表示される。他の操作へのスワイプ・モーションの応用を示すさらなる例として、ここでユーザが、領域1700の特定のエリアにおいて栽培された米を収穫したい場合、ユーザが領域1700をタップ、クリック、またはタッチすると、道具1702によって示されているように、別に出てくるISMメニュー内に鎌作業用の1つの道具が表示される。
図15に関連してさらに続いて、ユーザは、指で鎌道具をポイントし、栽培された米を収穫したい用地の領域で指をスワイプする。最終的に、図のようにユーザは、エリア1802からの米の収穫および収集に成功し、他のエリアは意図的に収穫されないままにした。
【0072】
前に
図8~
図10に示した解決策と比較した、ゲーム・システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースにおけるこのスワイプ機能の応用の利点を強調すると、例えば農業用地での収穫または耕作のような動作はすべて、1秒足らずしかかからず、かつ、従来技術のゲーム・システムまたはシミュレーション・システムで行われたような、インターフェースの様々なポイントでの複数のクリックまたはタップを回避する、非常に迅速かつ簡単に使用可能なスワイプ・アクションによって、容易に行われる。これは、スクリーンがタッチ・センシティブである場合のディスプレイ・スクリーンの劣化等のあらゆる影響をなくす。あるいは、農業用地の大きさに関係なく様々な動作の実行におけるあらゆる複雑さをなくす。
【0073】
図16には、本開示の特定の側面による方法およびシステムを実装する例示の環境が示されている。図のように、様々な電子デバイス1902、1904、1906、および1908が示されており、これを介してユーザは、1950、1960、および1970によって表された複数のネットワークのうちの1つを介して、異なるゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ1910および1940のうちの1つに接続することができる。電子デバイス1902、1904、1906、または1908は、ゲーム・システムおよび/またはシミュレーション・システムに対応するソフトウェア製品をサポートおよび実行できるコンピューティング・ハードウェアを有する、任意の適切な電子デバイスとすることができる。示されている電子デバイスの典型的な例としては、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、圧倒的な周知度のiPhone(登録商標)、Androidフォン(登録商標)などを含むスマートフォン、iPad(登録商標)などを挙げることができる。さらに、電子デバイスの任意のものが、タッチ動作によるユーザ入力を取得するためのタッチセンサ式スクリーンを有することができ、一部の電子デバイスはさらに、マウス、ジョイスティック、キーボードなどのような従来型のデバイスに接続され、それを介して操作可能であってもよい。さらに、それぞれの電子デバイス1902、1904、1906、および1908は、一般に、適切なネットワークを介して、サーバ1910および1940を介し相互に接続される。ネットワーク1950、1960、および1970などは、例えば無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、ローカル・エリア・ネットワーク、例えば2Gネットワーク、3Gネットワークなどのセルラー・ネットワークなどの、無線ネットワークであってもよい。さらに、電子デバイスの任意のものが、それ自体のBluetooth(登録商標)ネットワークおよびBluetooth(登録商標)サーバも使用して、他の電子デバイスと接続および同期してもよい。例示の環境によって、複数のユーザは同時にオンラインになり、相互同期が簡単にできて、マルチプレーヤー・ゲームが可能となる。さらに、図のように、それぞれのサーバに対応する複数のデータベース1920、1930は、様々なユーザがマルチユーザ・ゲームおよび/またはシミュレーションでオンラインのときに、それぞれのサーバが、ゲーム環境またはシミュレーション環境に関連する情報を記憶できるようにする。
【0074】
ゲームをプレイする、またはシミュレーションを実行するユーザの場合、ユーザは、電子デバイス1902、1904、1906、または1908のいずれかを介してログオンし、適切なネットワークを介してゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ1910または1940のうちの1つに接続する。ユーザがログオンして、特定のデバイス、例えばデバイス1902のコンピューティング・ハードウェアでゲーム・ソフトウェアまたはシミュレーション・ソフトウェアを実行するのに伴い、ゲームまたはシミュレーションに対応するグラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成され、デバイス1902のディスプレイ・スクリーンにレンダリングされる。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、様々なグラフィカル・オブジェクトをデバイス1902のディスプレイ・スクリーンに提示する。グラフィカル・オブジェクトは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースのそれぞれのブロック/セグメントであってもよく、それに対して、プレイ中のゲームまたは実行中のシミュレーションに関わる様々な動作を実行可能である。さらに、それぞれのグラフィカル・オブジェクトの上を移動可能なポイント・オブジェクト(カーソル)が、ゲームまたはシミュレーションの動作の制御のために、グラフィカル・ユーザ・インターフェースに表示される。デバイス1902がタッチセンサ式スクリーンを有しなければ、ポインタ・オブジェクトは、デバイス1902に接続された、マウス、ジョイスティック、または一組のキーボード・ボタンを介して制御可能であってもよい。さらに、デバイス1902にタッチスクリーンの機能が組み込まれていれば、同じ制御動作を、指またはその他任意の手段/ペン/ペンシルのような任意のディスプレイ・センシティブ・アイテムによるスワイプまたはタップ/クリックによっても実行可能である。
【0075】
別のデータベース1980は、ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ1910のバックエンド・データベースとしての機能を果たす。デバイス1902のユーザがゲームをプレイし始めるか、またはシミュレーションを実行し始めると、ユーザが実行する典型的なアクションおよびジェスチャが、バックエンド・データベース1980に記録される。具体的には、そのようなアクションはゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバ1910を介して解釈され、メッセージとしてバックエンド・データベース1980に送信され、このデータベースは結果的に、プレイされるゲームまたは実行されるシミュレーションのバックアップを保持する。そのようなメッセージは、デバイス1902をサーバ1910に接続するのに用いられるインターネット接続で送信されるか、またはデバイス1902をサーバ1910に接続するその他任意の無線または有線の接続で送信される、データ・パッケージの形式とすることができる。そのような、ゲームまたはシミュレーションのバックアップを保持するためのメッセージの典型的な構成要素は、ヘッダ、ペイロード、およびチェックサムを含んでもよい。チェックサムは、ペイロードの関数とすることが可能であり、または、ユーザ名などのような固有のユーザ識別子とすることもできる。メッセージを保持するバックエンドにチェックサムを含めることの利点は、ゲームのプレイ中に予想される不正行為、またはシミュレーションにより生成される結果に悪影響を与え得るシミュレーションの改竄を防止できることである。サーバ1910が受信するバックエンド・メッセージは、サーバ1910の他のデータベース1920および1930にも送信される。これらのデータベースでは、これらのバックエンド・メッセージが、例えば、経時的なプレーヤーの正確なスコア、およびプレーヤーが既に達したゲームの段階など、ゲームまたはシミュレーションの状態を表す一連のロジックを保持するために使用される。データベース1920および1930によるバックエンド・メッセージの継続的な受信により、結果的に、時間と共に、サーバ・データベース1920および1930内で、ゲーム・状態またはシミュレーション・状態の定期的な更新が実施される。これは、デバイス1902が予期せずシャットダウンした場合、ユーザがゲーム端末もしくはシミュレーション端末を変更した場合、またはユーザが意図的に一定期間プレイもしくはシミュレーションの実行をやめて別のときにログインする場合に、ゲームまたはシミュレーションの最後の状態の復旧を確実に促進する。
【0076】
2つのみのサーバ1910および1940が示されたが、本開示によるゲーム環境またはシミュレーション環境を実装するために、相互に連携する、相互接続された複数のゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバが存在し得る。さらに、
図16に示されている環境は、シンクライアント・ゲームまたはシミュレーションとして実装でき、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックの一部がサーバ1910および1940のいずれかに記憶されてもよく、さらにゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックの一部がゲーム端末またはシミュレーション端末に記憶されてもよい。示された環境は、シッククライアント・ゲームまたはシミュレーションもサポートし、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジック全体がゲーム端末またはシミュレーション端末に記憶されてもよい。さらに、ゲームは、完全にウェブ・ベースとすることもでき、ゲーム・ロジックまたはシミュレーション・ロジックのほとんどが、サーバ1910または1940のいずれかに記憶されてもよい。本発明は、クラウド・コンピューティング・インフラストラクチャを用いて実装されてもよい。
【0077】
示されたゲーム環境またはシミュレーション環境で実装可能なゲーム・システムまたはシミュレーション・システムは、1人のユーザが電子デバイス1902、1904、1906、または1908のいずれかにログオンする場合において説明されたが、同環境は、マルチユーザ・ゲームまたはシミュレーションをサポートでき、その場合、様々なユーザが、それぞれの電子デバイスを介しログオンでき、適切なネットワークを介して、共通のサーバ1910および1940に接続することによって相互に同期でき、進行中のゲーム、または例えば国連の飢餓救済計画などのシミュレーションを表す共通のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを共有できる。そのような実施形態では、それぞれの電子デバイスのディスプレイ・スクリーンにレンダリングされるグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ゲーム・サーバまたはシミュレーション・サーバのバックエンドのデータベース1920および1930に記憶されたロジック・データを用いて、定期的に同時更新される。
【0078】
上記において、特定のユーザがタッチスクリーンに加える圧力は、有利であるように、タッチスクリーンに統合された1つ以上の感圧トランスデューサによって決定される。しかしながら、現代のタッチスクリーンの一部は、2値単位、すなわちタッチスクリーンの特定のエリアとの接触の有無いずれかのみに基づいて動作する。こうしたタッチスクリーンでは、特定のユーザが加える圧力は、スクリーンにおいて当該特定のユーザによる接触を実質的に同時に受ける、隣接してかつ空間的にも連続した感知ポイントのエリアによって決定される。したがって、特定のユーザの指先の生体組織の弾性変形に起因して、加えられる圧力が次第に大きくなるにつれて、空間的に連続した感知ポイントも実質的に同時に接触状態となって段階的に増加する。ゲームもしくはシミュレーションを制御するため、または実際の技術設備を制御するコマンドを入力するためにタッチスクリーンに接触させる、弾性変形可能な先端を有するポインティング・デバイスを特定のユーザが用いる場合にも、同様の感圧機能を実現することができる。
【0079】
有利であるように、ゲームまたはシミュレーションが前述に記載したように実装され、例えば後で再開するために特定のユーザがゲームまたはシミュレーションを終了すると、ゲームを終了する時点でのゲームまたはシミュレーションの状態を記述するパラメータが、有利であるように、データ・メモリに記憶され、その結果、ゲームまたはシミュレーションの再開時、ゲームまたはシミュレーションの状態を再び回復することができる。
【0080】
前述に記載した本発明の実施形態に対する変更は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱することなく可能である。本発明の記載および請求に用いられる「含む(including、comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な形で解釈されるものとする。すなわち、明示的に記載されていない項目、コンポーネント、または構成要素の存在も可能である。単数形の表現は、複数形にも関係すると解釈されるものとする。添付の特許請求の範囲において、括弧内に含まれる数字は、特許請求の範囲の理解を助けるためのものであって、これら特許請求の範囲によって請求される主題を、いかなる形でも限定するものと解釈されるべきではない。