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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】はんだ回収装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20231101BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20231101BHJP
   B41F 15/40 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
H05K3/12 610Z
B41F15/40 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022516826
(86)(22)【出願日】2020-04-25
(86)【国際出願番号】 JP2020017870
(87)【国際公開番号】W WO2021215017
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 直樹
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-164948(JP,A)
【文献】特開平06-316056(JP,A)
【文献】米国特許第05953986(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00 - 15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだを回収する回収プレートと、
前記回収プレートを昇降する昇降装置と、
前記回収プレートに設けられ前記回収プレートを前記昇降装置に着脱可能に取り付ける固定部、および、前記昇降装置に設けられ前記固定部が固定される被固定部を備え前記固定部が前記被固定部に固定されたときに前記昇降装置に対する前記回収プレートの所定方向の移動を規制する複数の接続部と、
を具備し、
前記複数の接続部は、前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動を規制する規制方向が異なり、
前記はんだを移動させるスキージの移動方向を第一方向とし、前記回収プレートの昇降方向を第二方向とし、前記第一方向および前記第二方向と直交する方向を第三方向とするときに、
前記複数の接続部のうちの一の接続部が備える前記固定部である第一固定部は、前記第一固定部が固定される前記被固定部である第一被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの少なくとも一つの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記複数の接続部のうちの他の一の接続部が備える前記固定部である第二固定部は、前記第二固定部が固定される前記被固定部である第二被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの残りの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記第一固定部は、前記回収プレートの前記第一方向の移動を許容しつつ前記回収プレートの前記第二方向の移動を規制するU字状に形成された溝部を備え、
前記溝部は、前記第一被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第二方向および前記第三方向の移動が規制され、
前記第二固定部は、前記第一固定部を介して前記第二被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第一方向の移動がさらに規制され、
前記第一固定部は、
前記回収プレートから前記第二方向の上方に向かって延伸する立ち上がり部と、
前記立ち上がり部の先端部から前記回収プレートの外方に向かって突出する突出部と、
前記第二固定部を支持する支持部と、
を備え、
前記溝部は、前記立ち上がり部において前記第一方向に沿って延びるように形成され、
前記第二固定部は、前記突出部および前記支持部を貫通して前記第二方向に移動可能に設けられているはんだ回収装置。
【請求項2】
前記第二固定部は、前記第二固定部の前記第二方向の移動と共に前記支持部の内部において移動する規制部材を備え、
前記第二固定部は、前記規制部材が前記支持部の頂部に到達することにより前記第二方向の上方への移動が規制される請求項に記載のはんだ回収装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記第二固定部が前記第二被固定部と嵌合したときに前記規制部材と対向する下端位置、および、前記規制部材が前記支持部の前記頂部に到達したときに前記規制部材と対向する上端位置のうちの少なくとも前記下端位置に設けられ、前記規制部材との間の対向状態を保持する保持部材を備える請求項に記載のはんだ回収装置。
【請求項4】
前記保持部材は、磁性材料によって形成され、
前記規制部材は、金属材料によって形成されている請求項に記載のはんだ回収装置。
【請求項5】
前記昇降装置は、
本体部と、
前記本体部に対して昇降する昇降部と、
を備え、
前記第一被固定部および前記第二被固定部は、前記昇降部に設けられ、
前記第一被固定部は、
前記昇降部から前記第三方向に沿って延伸する第一軸部と、
前記昇降部と反対側の前記第一軸部の端部に設けられる第一鍔部と、
を備え、
前記第一固定部の前記溝部は、前記第一軸部と嵌合する請求項~請求項のいずれか一項に記載のはんだ回収装置。
【請求項6】
前記第二被固定部は、
前記第一被固定部の前記第一鍔部から前記第一軸部と同軸に前記第三方向に沿って延伸する第二軸部と、
前記第一鍔部と反対側の前記第二軸部の端部に設けられる第二鍔部と、
を備え、
前記第二固定部は、前記第二軸部と嵌合する嵌合部を備える請求項に記載のはんだ回収装置。
【請求項7】
前記第二固定部は、L字状に形成されており、
前記第二方向に沿って延伸する延伸部と、
前記延伸部の上端部から前記回収プレートの外方に向かって突出し作業者が把持可能な把持部と、
を備える請求項~請求項のいずれか一項に記載のはんだ回収装置。
【請求項8】
はんだを回収する回収プレートと、
前記回収プレートを昇降する昇降装置と、
前記回収プレートに設けられ前記回収プレートを前記昇降装置に着脱可能に取り付ける固定部、および、前記昇降装置に設けられ前記固定部が固定される被固定部を備え前記固定部が前記被固定部に固定されたときに前記昇降装置に対する前記回収プレートの所定方向の移動を規制する複数の接続部と、
を具備し、
前記複数の接続部は、前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動を規制する規制方向が異なり、
前記はんだを移動させるスキージの移動方向を第一方向とし、前記回収プレートの昇降方向を第二方向とし、前記第一方向および前記第二方向と直交する方向を第三方向とするときに、
前記複数の接続部のうちの一の接続部が備える前記固定部である第一固定部は、前記第一固定部が固定される前記被固定部である第一被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの少なくとも一つの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記複数の接続部のうちの他の一の接続部が備える前記固定部である第二固定部は、前記第二固定部が固定される前記被固定部である第二被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの残りの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記第一固定部は、前記回収プレートの前記第一方向の移動を許容しつつ前記回収プレートの前記第二方向の移動を規制するU字状に形成された溝部を備え、
前記溝部は、前記第一被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第二方向および前記第三方向の移動が規制され、
前記昇降装置は、
本体部と、
前記本体部に対して昇降する昇降部と、
を備え、
前記第一被固定部および前記第二被固定部は、前記昇降部に設けられ、
前記第一被固定部は、
前記昇降部から前記第三方向に沿って延伸する第一軸部と、
前記昇降部と反対側の前記第一軸部の端部に設けられる第一鍔部と、
を備え、
前記第一固定部の前記溝部は、前記第一軸部と嵌合するはんだ回収装置。
【請求項9】
前記第二被固定部は、
前記第一被固定部の前記第一鍔部から前記第一軸部と同軸に前記第三方向に沿って延伸する第二軸部と、
前記第一鍔部と反対側の前記第二軸部の端部に設けられる第二鍔部と、
を備え、
前記第二固定部は、前記第二軸部と嵌合する嵌合部を備える請求項に記載のはんだ回収装置。
【請求項10】
前記第二固定部は、前記第一固定部を介して前記第二被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第一方向の移動がさらに規制される請求項8または請求項9に記載のはんだ回収装置。
【請求項11】
前記第二固定部は、L字状に形成されており、
前記第二方向に沿って延伸する延伸部と、
前記延伸部の上端部から前記回収プレートの外方に向かって突出し作業者が把持可能な把持部と、
を備える請求項10に記載のはんだ回収装置。
【請求項12】
はんだを回収する回収プレートと、
前記回収プレートを昇降する昇降装置と、
前記回収プレートに設けられ前記回収プレートを前記昇降装置に着脱可能に取り付ける固定部、および、前記昇降装置に設けられ前記固定部が固定される被固定部を備え前記固定部が前記被固定部に固定されたときに前記昇降装置に対する前記回収プレートの所定方向の移動を規制する複数の接続部と、
を具備し、
前記複数の接続部は、前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動を規制する規制方向が異なり、
前記はんだを移動させるスキージの移動方向を第一方向とし、前記回収プレートの昇降方向を第二方向とし、前記第一方向および前記第二方向と直交する方向を第三方向とするときに、
前記複数の接続部のうちの一の接続部が備える前記固定部である第一固定部は、前記第一固定部が固定される前記被固定部である第一被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの少なくとも一つの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記複数の接続部のうちの他の一の接続部が備える前記固定部である第二固定部は、前記第二固定部が固定される前記被固定部である第二被固定部に固定されたときに、前記第一方向、前記第二方向および前記第三方向のうちの残りの方向について前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動が規制され、
前記第一固定部は、前記回収プレートの前記第一方向の移動を許容しつつ前記回収プレートの前記第二方向の移動を規制するU字状に形成された溝部を備え、
前記溝部は、前記第一被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第二方向および前記第三方向の移動が規制され、
前記第二固定部は、前記第一固定部を介して前記第二被固定部と嵌合し、前記回収プレートの前記第一方向の移動がさらに規制され、
前記第二固定部は、L字状に形成されており、
前記第二方向に沿って延伸する延伸部と、
前記延伸部の上端部から前記回収プレートの外方に向かって突出し作業者が把持可能な把持部と、
を備えるはんだ回収装置。
【請求項13】
前記複数の接続部は、前記回収プレートの両端部にそれぞれ設けられ、
前記昇降装置は、前記回収プレートの両端部にそれぞれ設けられている請求項1~請求項12のいずれか一項に記載のはんだ回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、はんだ回収装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のスクリーン印刷機は、本体フレームと、スキージと、回収部材と、駆動部とを備える。スキージは、本体フレームに載置されたマスク上の粘性流体を基板に印刷するものであって、マスクの第1端から第2端に向かう第1方向に移動可能である。回収部材は、第1方向に移動可能であり、スキージによって移動された粘性流体を回収する。駆動部は、スキージおよび回収部材を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/096607号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
はんだを回収する回収プレートは、例えば、清掃のために取り外す必要があり、回収プレートを昇降する昇降装置に着脱可能に取り付けられる。例えば、回収プレートをローレットねじなどで昇降装置に固定する場合、回収プレートが昇降する際の振動などによってローレットねじが緩む可能性がある。また、作業者がローレットねじを締め付ける際の締め付け力にばらつきがあり、回収プレートと昇降装置との間の固定が不十分になる可能性がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、はんだを回収する回収プレートと、回収プレートを昇降する昇降装置との間の固定を強化することが可能なはんだ回収装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、回収プレートと、昇降装置と、複数の接続部とを具備するはんだ回収装置を開示する。前記回収プレートは、はんだを回収する。前記昇降装置は、前記回収プレートを昇降する。前記複数の接続部は、前記回収プレートに設けられ前記回収プレートを前記昇降装置に着脱可能に取り付ける固定部、および、前記昇降装置に設けられ前記固定部が固定される被固定部を備え前記固定部が前記被固定部に固定されたときに前記昇降装置に対する前記回収プレートの所定方向の移動を規制する。前記複数の接続部は、前記昇降装置に対する前記回収プレートの移動を規制する規制方向が異なる。
【発明の効果】
【0007】
上記のはんだ回収装置は、固定部が被固定部に固定されたときに、昇降装置に対する回収プレートの移動を規制する規制方向が異なる複数の接続部を具備する。よって、はんだ回収装置は、仮に一の方向の規制が緩和しても、他の方向から昇降装置に対する回収プレートの移動を規制することができる。つまり、はんだ回収装置は、規制方向が一の方向の一つの接続部を具備するはんだ回収装置と比べて、回収プレートと昇降装置との間の固定を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷機の構成例を示す一部断面図である。
図2図1の印刷機のはんだ回収装置の配置例を示す平面図である。
図3】はんだ回収装置の構成例を示す斜視図である。
図4】第二固定部の規制部材が上端位置のときの固定部の一例を示す斜視図である。
図5】第二固定部の規制部材が下端位置のときの固定部の一例を示す斜視図である。
図6】被固定部の一例を示す斜視図である。
図7】第一固定部の溝部が第一被固定部の第一軸部と嵌合したときの接続部の一例を示す斜視図である。
図8】第二固定部の嵌合部が第二被固定部の第二軸部と嵌合したときの接続部の一例を示す斜視図である。
図9】第一固定部の支持部の内部構成の一例を示す透視図である。
図10】第一固定部の保持部材と第二固定部の規制部材との間の位置関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
1-1.印刷機WM1の構成例
印刷機WM1は、基板CB0の複数の部品の装着位置に、はんだSP0を印刷する。本実施形態の印刷機WM1は、スキージ34がマスクMK0を摺動してマスクMK0の開口部H0を介して基板CB0にはんだSP0を印刷する印刷処理を実行する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の印刷機WM1は、二つの基板搬送装置10,10と、二つのマスク支持装置20,20と、スキージ移動装置30と、制御装置40と、二つのはんだ回収装置50,50とを備えている。本明細書では、基板CB0の搬送方向(図1の紙面に垂直な方向)をX方向とし、X方向に直交する印刷機WM1の前後方向(図1の紙面において左右方向)であり印刷方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する鉛直方向(図1の紙面において上下方向)をZ方向とする。
【0011】
二つの基板搬送装置10,10の各々は、印刷対象の基板CB0を搬送する。基板CB0は、回路基板であり、電子回路、電気回路、磁気回路などが形成される。二つの基板搬送装置10,10は、印刷機WM1の基台BS0に設けられる。二つの基板搬送装置10,10の各々は、例えば、基板CB0の搬送方向(X方向)に延びるベルトコンベアによって、基板CB0を搬送する。
【0012】
二つの基板搬送装置10,10の各々は、印刷機WM1に搬入された基板CB0を保持する基板保持部11を備えている。基板保持部11は、マスクMK0の下方に設けられており、例えば、送りねじ機構などの直動機構によって鉛直方向(Z方向)に昇降可能に構成されている。具体的には、基板保持部11は、基板CB0の搬送時に下降しており、基板CB0が所定位置に搬送されると、基板CB0と共に上昇して、マスクMK0の下面に基板CB0の上面を密着させた状態で、基板CB0を保持する。
【0013】
二つのマスク支持装置20,20の各々は、基板搬送装置10の上方に設けられている。マスク支持装置20は、一対の支持台によってマスクMK0を支持する。一対の支持台は、正面方向視の印刷機WM1の左側(図1の紙面奥側であり、図示されている。)および右側(図1の紙面手前側であり、同図において図示されていない。)に配置され、印刷方向(Y方向)に沿って延びるように形成されている。
【0014】
なお、図1は、印刷機WM1を印刷方向(Y方向)に沿って切断した一部断面図であり、側面方向視の印刷機WM1の内部と、マスクMK0および基板CB0の断面とが模式的に示されている。マスクMK0には、基板CB0の配線パターン上の所定位置において貫通する開口部H0が形成されている。マスクMK0は、例えば、外周縁に設けられる枠部材を介して、マスク支持装置20に支持される。
【0015】
スキージ移動装置30は、スキージ34をマスクMK0に垂直な鉛直方向(Z方向)に昇降させるとともに、スキージ34をマスクMK0の上面において印刷方向(Y方向)に移動させる。スキージ移動装置30は、ヘッド駆動装置31と、スキージヘッド32と、一対のスキージ昇降装置33,33と、一対のスキージ34,34とを備えている。ヘッド駆動装置31は、印刷機WM1の上部側に配置されている。ヘッド駆動装置31は、例えば、送りねじ機構などの直動機構によって、スキージヘッド32を印刷方向(Y方向)に移動させることができる。
【0016】
スキージヘッド32は、ヘッド駆動装置31の直動機構を構成する移動体にクランプして固定される。スキージヘッド32は、一対のスキージ昇降装置33,33を保持する。一対のスキージ昇降装置33,33の各々は、スキージ34を保持し、互いに独立して駆動することができる。一対のスキージ昇降装置33,33の各々は、例えば、エアーシリンダなどのアクチュエータを駆動させて、保持するスキージ34を昇降させる。
【0017】
スキージ34は、マスクMK0の上面を摺動して、マスクMK0の上面に供給されたはんだSP0をマスクMK0に沿って移動させる。はんだSP0は、クリームはんだ(はんだペースト)を用いることができる。はんだSP0がマスクMK0の開口部H0を介して基板CB0に刷り込まれて、マスクMK0の下面側に配置された基板CB0に、はんだSP0が印刷される。本実施形態では、一対のスキージ34,34の各々は、印刷方向(Y方向)と直交する基板CB0の搬送方向(X方向)に沿って延びるように形成されている板状部材である。
【0018】
一対のスキージ34,34のうちの前側(図1の紙面左側)のスキージ34は、前側から後側に向かってはんだSP0を移動させる印刷処理に用いられ、印刷機WM1の前側から後側に向かう方向を進行方向とする。一対のスキージ34,34のうちの後側(図1の紙面右側)のスキージ34は、後側から前側に向かってはんだSP0を移動させる印刷処理に用いられ、印刷機WM1の後側から前側に向かう方向を進行方向とする。また、いずれのスキージ34においても、進行方向と反対の方向を後退方向とする。
【0019】
一対のスキージ34,34の各々は、進行側に位置する前面部が下方を向くように傾斜してスキージ昇降装置33に保持されている。換言すれば、一対のスキージ34,34の各々は、後退側に位置する背面部が上方を向くように傾斜してスキージ昇降装置33に保持されている。一対のスキージ34,34の各々の傾斜角度は、スキージ昇降装置33の下部に設けられる調整機構によって調整される。
【0020】
制御装置40は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置40は、管理装置と通信可能に接続されており、管理装置との間で各種データを送受信することができる。制御装置40は、生産プログラム、各種センサの検出結果などに基づいて、二つの基板搬送装置10,10と、二つのマスク支持装置20,20と、スキージ移動装置30と、二つのはんだ回収装置50,50とを駆動制御することができる。
【0021】
なお、制御装置40には、表示装置41が設けられている。表示装置41は、印刷機WM1の作業状況を表示することができる。また、本実施形態の表示装置41は、タッチパネルにより構成されており、作業者による種々の操作を受け付ける入力装置としても機能する。
【0022】
制御装置40は、記憶装置に記憶されている各種情報および印刷機WM1に設けられている各種センサの検出結果を取得する。記憶装置には、印刷機WM1を駆動させる生産プログラムなどが記憶されている。制御装置40は、例えば、スキージ移動装置30を駆動制御する。制御装置40は、上記の各種情報および検出結果などに基づいて、スキージ移動装置30に制御信号を送出する。これにより、スキージヘッド32に保持されている一対のスキージ34,34の印刷方向(Y方向)の位置および鉛直方向(Z方向)の位置(高さ)、並びに、移動速度および傾斜角度が制御される。そして、既述したように一対のスキージ34,34が駆動制御されて、マスクMK0の下面側に配置されている基板CB0に、はんだSP0が印刷される。
【0023】
1-2.はんだ回収装置50
1-2-1.はんだ回収装置50の概要
図1および図2に示すように、二つのはんだ回収装置50,50は、マスクMK0の印刷方向(Y方向)の両端部に設けられる。また、図3に示すように、二つのはんだ回収装置50,50の各々は、回収プレート60と、少なくとも一つ(同図では、二つ)の昇降装置70,70と、一つの昇降装置70に対して複数(同図では、二つ)の接続部100,100とを備えている。複数(二つ)の接続部100(合計四つの接続部100)の各々は、固定部80と、被固定部90とを備えている。
【0024】
図1および図2において実線で示す二つのはんだ回収装置50,50は、印刷機WM1の後側(図1および図2の紙面右側)のマスクMK0の印刷方向(Y方向)の両端部に設けられている。図1に示すように、印刷機WM1の後側(図1の紙面右側)のスキージ34は、後側から前側に向かってはんだSP0を移動させる。そのため、スキージ34の移動開始前において、はんだSP0は、印刷機WM1の後側(図1および図2の紙面右側)の実線で示すはんだ回収装置50の回収プレート60に載せられている。
【0025】
この状態から、当該スキージ34が進行方向(印刷機WM1の後側から前側に向かう方向)に移動することにより、はんだSP0は、マスクMK0の上に移動して、印刷処理が実行される。印刷処理が終了すると、はんだSP0は、スキージ34によって印刷機WM1の前側(図1および図2の紙面左側)の実線で示すはんだ回収装置50の回収プレート60に移動される。
【0026】
図2に示すように、印刷機WM1は、一対の駆動装置51,51を備えている。一対の駆動装置51,51は、例えば、送りねじ機構などの直動機構によって、二つのはんだ回収装置50,50の位置関係を保持した状態で、二つのはんだ回収装置50,50を印刷方向(Y方向)に移動(スライド)させることができる。図1および図2において破線で示す二つのはんだ回収装置50,50は、一対の駆動装置51,51によって、実線で示す二つのはんだ回収装置50,50が、印刷機WM1の前側(図1および図2の紙面左側)のマスクMK0の印刷方向(Y方向)の両端部に移動された状態を示している。
【0027】
なお、図3に示すように、二つのはんだ回収装置50,50の各々は、二つの昇降装置70,70を備えている。一対の駆動装置51,51が二つのはんだ回収装置50,50を印刷方向(Y方向)に移動(スライド)させる前に、二つの昇降装置70,70は、回収プレート60を図3に示す状態に上昇させる。二つのはんだ回収装置50,50が印刷方向(Y方向)に移動(スライド)されると、二つの昇降装置70,70は、回収プレート60を下降させて、回収プレート60をマスクMK0と同じ高さに位置決めする。
【0028】
図1に示すように、印刷機WM1の前側(図1の紙面左側)のスキージ34は、前側から後側に向かってはんだSP0を移動させる。当該スキージ34が進行方向(印刷機WM1の前側から後側に向かう方向)に移動することにより、はんだSP0は、マスクMK0の上に移動して、印刷処理が実行される。印刷処理が終了すると、はんだSP0は、スキージ34によって印刷機WM1の後側(図1および図2の紙面右側)の破線で示すはんだ回収装置50の回収プレート60に移動される。
【0029】
図1および図2において破線で示す二つのはんだ回収装置50,50は、一対の駆動装置51,51によって、印刷方向(Y方向)に移動されて、実線で示す二つのはんだ回収装置50,50の位置に移動する。上述したことが繰り返されることにより、印刷機WM1は、二つの基板搬送装置10に搬送されている二つの基板CB0に対して、印刷処理を実行することができる。
【0030】
1-2-2.はんだ回収装置50の構成例
図3に示すように、はんだ回収装置50は、回収プレート60と、少なくとも一つ(同図では、二つ)の昇降装置70,70と、一つの昇降装置70に対して複数(同図では、二つ)の接続部100,100とを備えている。
【0031】
回収プレート60は、はんだを回収する。回収プレート60は、印刷方向(Y方向)と直交する基板CB0の搬送方向(X方向)に沿って延びるように板状に形成されている。回収プレート60は、スキージ34によって、はんだSP0が移載される側(マスクMK0と対向する側)に、傾斜部60aを備えている。傾斜部60aは、基板CB0の搬送方向(X方向)および印刷方向(Y方向)によって形成される水平面に対して、所定角度、傾斜しており、傾斜部60aを具備しない場合と比べて、はんだSP0が回収プレート60に移載され易くなっている。
【0032】
昇降装置70は、回収プレート60を昇降する。昇降装置70は、回収プレート60を昇降することができれば良く、種々の形態をとり得る。昇降装置70は、例えば、シリンダなどの直動機構によって、回収プレート60を鉛直方向(Z方向)に移動させることができる。具体的には、図3に示すように、昇降装置70は、本体部71と、本体部71に対して昇降する昇降部72とを備えている。回収プレート60は、複数(二つ)の接続部100,100を介して昇降部72に着脱可能に取り付けられている。
【0033】
複数(二つ)の接続部100,100の各々は、固定部80および被固定部90を備え、固定部80が被固定部90に固定されたときに昇降装置70に対する回収プレート60の所定方向の移動を規制する。固定部80は、回収プレート60に設けられ回収プレート60を昇降装置70に着脱可能に取り付ける。被固定部90は、昇降装置70に設けられ固定部80が固定される。
【0034】
ここで、図3に示すように、はんだSP0を移動させるスキージ34の移動方向を第一方向(Y方向)とする。また、回収プレート60の昇降方向を第二方向(Z方向)とする。さらに、第一方向(Y方向)および第二方向(Z方向)と直交する方向を第三方向(X方向)とする。また、複数(二つ)の接続部100,100のうちの一の接続部100が備える固定部80を第一固定部81とし、第一固定部81が固定される被固定部90を第一被固定部91とする。さらに、複数(二つ)の接続部100,100のうちの他の一の接続部100が備える固定部80を第二固定部82とし、第二固定部82が固定される被固定部90を第二被固定部92とする。
【0035】
本実施形態では、第一固定部81および第一被固定部91を備える接続部100は、第一固定部81が第一被固定部91に固定されたときに、昇降装置70に対する回収プレート60の第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)の移動を規制する。また、第二固定部82および第二被固定部92を備える接続部100は、第二固定部82が第二被固定部92に固定されたときに昇降装置70に対する回収プレート60の第一方向(Y方向)の移動を規制する。このように、複数(二つ)の接続部100,100は、昇降装置70に対する回収プレート60の移動を規制する規制方向が異なる。
【0036】
図4および図5に示すように、第一固定部81は、立ち上がり部81aと、溝部81bと、突出部81cと、支持部81dとを備えている。立ち上がり部81aは、回収プレート60から第二方向(Z方向)の上方に向かって延伸している。溝部81bは、U字状に形成されており、立ち上がり部81aにおいて第一方向(Y方向)に沿って延びるように形成されている。突出部81cは、立ち上がり部81aの先端部81a1から回収プレート60の外方に向かって突出している。支持部81dは、第二固定部82を支持する。
【0037】
第二固定部82は、L字状に形成されている。第二固定部82は、延伸部82aと、把持部82bとを備えている。延伸部82aは、第二方向(Z方向)に沿って延伸している。把持部82bは、延伸部82aの上端部82a1から回収プレート60の外方に向かって突出し作業者が把持可能になっている。第二固定部82は、突出部81cおよび支持部81dを貫通して第二方向(Z方向)に移動可能に設けられている。
【0038】
例えば、作業者は、把持部82bを把持して第二固定部82を第二方向(Z方向)に移動させることができる。図4は、第二固定部82が第二被固定部92に固定される前(後述する第二固定部82の規制部材82cが上端位置U0のとき)の第二固定部82の状態を示している。図5は、第二固定部82が第二被固定部92に固定されているとき(後述する第二固定部82の規制部材82cが下端位置L0のとき)の第二固定部82の状態を示している。
【0039】
図6に示すように、第一被固定部91および第二被固定部92は、昇降部72に設けられている。第一被固定部91は、第一軸部91aと、第一鍔部91bとを備えている。第一軸部91aは、昇降部72から第三方向(X方向)に沿って延伸している。第一鍔部91bは、昇降部72と反対側の第一軸部91aの端部に設けられている。第一固定部81の溝部81bは、第一軸部91aと嵌合する。
【0040】
例えば、作業者は、回収プレート60の両端部60e,60eにそれぞれ設けられている図4に示す状態の把持部82bを把持して、第一固定部81の溝部81bを第一被固定部91の第一軸部91aと嵌合させることができる。図7は、第一固定部81の溝部81bが第一被固定部91の第一軸部91aと嵌合したときの接続部100の一例を示している。本実施形態の第一被固定部91は、第一鍔部91bを備えているので、第一鍔部91bによって溝部81bが第一軸部91aに案内され、作業者の作業が容易になる。
【0041】
また、溝部81bは、U字状に形成されており、回収プレート60の第一方向(Y方向)の移動を許容しつつ回収プレート60の第二方向(Z方向)の移動を規制する。具体的には、図4に示すように、溝部81bは、第一方向(Y方向)に沿って延びるように形成されており、回収プレート60の第一方向(Y方向)の移動が許容される。また、溝部81bの溝幅(Z方向の長さ)は、第一軸部91aと嵌合可能に形成されており、溝部81bが第一軸部91aと嵌合したときに、回収プレート60の第二方向(Z方向)の移動が規制される。
【0042】
さらに、溝部81bが第一軸部91aと嵌合したときに、昇降部72および第一鍔部91bによって回収プレート60の第三方向(X方向)の移動が規制される。このように、本実施形態のはんだ回収装置50は、第一固定部81の溝部81bが第一被固定部91(本実施形態では、第一軸部91a)と嵌合することにより、回収プレート60の第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)の移動が規制される。
【0043】
図6に示すように、第二被固定部92は、第二軸部92aと、第二鍔部92bとを備えている。第二軸部92aは、第一被固定部91の第一鍔部91bから第一軸部91aと同軸に第三方向(X方向)に沿って延伸している。第二鍔部92bは、第一鍔部91bと反対側の第二軸部92aの端部に設けられている。図4および図5に示すように、第二固定部82は、第二軸部92aと嵌合する嵌合部82dを備えている。
【0044】
例えば、作業者は、第一固定部81の溝部81bを第一被固定部91の第一軸部91aと嵌合させた後に、把持部82bを第二方向(Z方向)の下方に移動させて、第二固定部82を第二方向(Z方向)の下方に移動させる。これにより、第二固定部82は、図4に示す状態から図5に示す状態になる。このように、作業者は、把持部82bを用いて、第二固定部82の嵌合部82dを第二被固定部92の第二軸部92aと嵌合させることができる。
【0045】
図8は、第二固定部82の嵌合部82dが第二被固定部92の第二軸部92aと嵌合したときの接続部100の一例を示している。本実施形態では、第一被固定部91が第一鍔部91bを備え、第二被固定部92が第二鍔部92bを備えているので、第一鍔部91bおよび第二鍔部92bによって第二固定部82の嵌合部82dが第二軸部92aに案内され、作業者の作業が容易になる。また、第二固定部82は、把持部82bを備えているので、作業者は、把持部82bを把持して作業を行うことができ、作業者の作業が容易になる。
【0046】
このように、第二固定部82は、第一固定部81を介して第二被固定部92(本実施形態では、第二軸部92a)と嵌合し、回収プレート60の第一方向(Y方向)の移動がさらに規制される。つまり、本実施形態の第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。また、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの方向(第一方向(Y方向))について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0047】
図9および図10に示すように、第二固定部82は、規制部材82cを具備することができる。規制部材82cは、第二固定部82の第二方向(Z方向)の移動と共に支持部81dの内部において移動する。第二固定部82は、規制部材82cが支持部81dの頂部81d1に到達することにより第二方向(Z方向)の上方への移動が規制される。これにより、第二固定部82の脱落が抑制される。
【0048】
また、支持部81dは、保持部材81eを具備することができる。保持部材81eは、下端位置L0および上端位置U0のうちの少なくとも下端位置L0に設けられ、規制部材82cとの間の対向状態を保持する。下端位置L0は、第二固定部82が第二被固定部92と嵌合したときに規制部材82cと対向する位置をいう。上端位置U0は、規制部材82cが支持部81dの頂部81d1に到達したときに規制部材82cと対向する位置をいう。
【0049】
これにより、例えば、回収プレート60が昇降する際に、第二固定部82が第二方向(Z方向)の上方に移動して、第二固定部82の嵌合部82dが第二被固定部92の第二軸部92aから離間してしまうことを抑制することができる。また、第二固定部82の第二方向(Z方向)の位置決めが容易になる。さらに、保持部材81eが上端位置U0に設けられている場合、保持部材81eを上端位置U0に保持することができるので、作業者が把持部82bを把持して、第一固定部81の溝部81bを第一被固定部91の第一軸部91aと嵌合させる作業が容易になる。
【0050】
保持部材81eは、規制部材82cとの間の対向状態を保持することができれば良く、種々の形態をとり得る。例えば、保持部材81eは、磁性材料によって形成され、規制部材82cは、金属材料によって形成されていると良い。保持部材81eは、例えば、フェライト磁石、希土類磁石などの公知の永久磁石を用いることができる。規制部材82cは、例えば、鉄製の円筒状部材を用いることができる。なお、延伸部82aは、例えば、ステンレス鋼などの非金属材料によって形成することができる。
【0051】
この形態では、第二固定部82の規制部材82cは、磁力によって下端位置L0または上端位置U0に保持される。そのため、図10に示すように、保持部材81eと規制部材82cとの間に間隙を設けることができる。よって、保持部材81eが規制部材82cと接触して規制部材82cを保持する形態と比べて、保持部材81eと規制部材82cの対向面の劣化(例えば、摩耗など)が抑制される。
【0052】
また、図3に示すように、本実施形態の複数(二つ)の接続部100,100は、回収プレート60の両端部60e,60eにそれぞれ設けられ、昇降装置70は、回収プレート60の両端部60e,60eにそれぞれ設けられている。よって、回収プレート60の一方の端部のみに複数(二つ)の接続部100,100および昇降装置70を具備する形態と比べて、はんだ回収装置50は、回収プレート60を昇降させる際に、回収プレート60の姿勢を安定させ易い。
【0053】
2.変形形態
既述した実施形態では、第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。また、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの方向(第一方向(Y方向))について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0054】
しかしながら、複数(二つ)の接続部100,100は、上記形態に限定されない。例えば、第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの第一方向(Y方向)および第三方向(X方向)について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制されても良い。この場合、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの方向(第二方向(Z方向))について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0055】
同様に、第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの第一方向(Y方向)および第二方向(Z方向)について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制されても良い。この場合、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの方向(第三方向(X方向))について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0056】
また、第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの一つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制されても良い。この場合、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの二つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0057】
このように、第一固定部81は、第一被固定部91に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの少なくとも一つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。また、第二固定部82は、第二被固定部92に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0058】
また、一つの昇降装置70に対して設けられる接続部100の数は、二つに限定されない。例えば、一つの昇降装置70に対して三つの接続部100を設けることができる。この場合、例えば、一の接続部100が備える固定部80が一の被固定部90に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの一つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0059】
また、他の一の接続部100が備える固定部80が一の被固定部90に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの二つの方向のうちの一つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。さらに、他の一の接続部100が備える固定部80が一の被固定部90に固定されたときに、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)のうちの残りの一つの方向について、昇降装置70に対する回収プレート60の移動が規制される。
【0060】
なお、昇降装置70に対する回収プレート60の移動を規制する規制方向は、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)に限定されない。例えば、規制方向は、第一方向(Y方向)、第二方向(Z方向)および第三方向(X方向)を備える直交座標系(第一座標系)を、原点を中心にして回転させた直交座標系(第二座標系)を想定しても良い。また、規制方向は、第一座標系および第二座標系の両方を想定しても良い。
【0061】
3.実施形態の効果の一例
はんだ回収装置50は、固定部80が被固定部90に固定されたときに、昇降装置70に対する回収プレート60の移動を規制する規制方向が異なる複数の接続部100を具備する。よって、はんだ回収装置50は、仮に一の方向の規制が緩和しても、他の方向から昇降装置70に対する回収プレート60の移動を規制することができる。つまり、はんだ回収装置50は、規制方向が一の方向の一つの接続部100を具備するはんだ回収装置と比べて、回収プレート60と昇降装置70との間の固定を強化することができる。
【符号の説明】
【0062】
34:スキージ、50:はんだ回収装置、60:回収プレート、
60e,60e:両端部、70:昇降装置、71:本体部、72:昇降部、
80:固定部、81:第一固定部、81a:立ち上がり部、
81a1:先端部、81b:溝部、81c:突出部、81d:支持部、
81d1:頂部、81e:保持部材、82:第二固定部、82a:延伸部、
82a1:上端部、82b:把持部、82c:規制部材、82d:嵌合部、
90:被固定部、91:第一被固定部、91a:第一軸部、
91b:第一鍔部、92:第二被固定部、92a:第二軸部、
92b:第二鍔部、100:接続部、U0:上端位置、L0:下端位置、
Y方向:第一方向、Z方向:第二方向、X方向:第三方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10