(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】カバープレートアセンブリ、電池、電池モジュール、動力電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/583 20210101AFI20231101BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20231101BHJP
H01H 85/048 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H01M50/583
H01M50/588
H01M50/593
H01H85/048
(21)【出願番号】P 2022539098
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2020123304
(87)【国際公開番号】W WO2021129101
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】201911367813.3
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼洞▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114501(JP,A)
【文献】特開2015-82500(JP,A)
【文献】特開2017-157334(JP,A)
【文献】特開2018-81912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/583
H01M 50/584-50/597
H01M 50/543-50/567
H01M 50/172-50/181
H01H 85/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバープレート本体、第1の電極端子
、及び、抵抗コーティングを含む、電池のカバープレートアセンブリであって
、
前記第1の電極端子と前記カバープレート本体とが前記抵抗コーティングにより電気的に接続され、前記抵抗コーティングは、脆弱部を含み、前記抵抗コーティングを流れる電流が所定の閾値より大きい場合に、前記脆弱部が溶かされて前記カバープレート本体と前記第1の電極端子の接続を遮断する、ことを特徴とする電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項2】
前記脆弱部の寸法は、前記抵抗コーティングの他の部分の寸法より小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項3】
前記カバープレート本体に取付孔が設置され、前記第1の電極端子は、前記取付孔を介して前記カバープレート本体に取り付けられ、前記取付孔の孔壁と前記第1の電極端子とは、互いに離間し、
前記第1の電極端子の外端の周壁に第1の絶縁部材が嵌設され、前記抵抗コーティングは、前記第1の絶縁部材に配置される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項4】
前記取付孔の孔壁と前記第1の電極端子との間に第2の絶縁部材が配置される、請求項3に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の電極端子は、極柱と、前記極柱から前記極柱の径方向に沿って外向きに延びる電極キャップとを含み、
前記抵抗コーティングは、第1の部分、第2の部分、及び、第3の部分を含み、前記第1の部分は、前記電極キャップと前記第1の絶縁部材との間に配置され、前記第2の部分は、前記第1の絶縁部材と前記カバープレート本体との間に配置され、前記第3の部分は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項6】
前記脆弱部は、前記第3の部分に配置され、前記第3の部分は、
前記第1の絶縁部材の外面に配置され、前記第1の部分に接続される第1のコーティング部と、
前記第1の絶縁部材の外面に配置され、前記第2の部分に接続される第2のコーティング部と、を含み、前記脆弱部は、前記第1のコーティング部と第2のコーティング部との間に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項7】
前記取付孔に配設され、かつ前記カバープレート本体に電気的に接続される環状ガスケットをさらに含み、前記第1の絶縁部材が前記環状ガスケットに支持され、前記極柱が前記第1の絶縁部材及び前記環状ガスケットを順に通って前記カバープレート本体に取り付けられ、前記第1の絶縁部材が前記環状ガスケットと前記電極キャップとの間に配置され、かつ前記抵抗コーティングの前記第2の部分が前記第1の絶縁部材と環状ガスケットとの間に配置される、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の絶縁部材は、セラミックリングである、ことを特徴とする請求項3~7のいずれか1項に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項9】
前記抵抗コーティングは、ニッケルめっき層を含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池のカバープレートアセンブリ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のカバープレートアセンブリを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項11】
請求項10に記載の電池を含む、電池モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の電池モジュール又は請求項10に記載の電池を含む、動力電池パック。
【請求項13】
請求項12に記載の動力電池パックを含む、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2019年12月26日に提出した、中国特許出願第「201911367813.3」号の出願名称「カバープレートアセンブリ、電池、電池モジュール、動力電池パック及び電気自動車」の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の技術分野に関し、特にカバープレートアセンブリ、電池、電池モジュール、動力電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、電池の正極端子とカバープレート本体とがレーザ溶接により直接導通するため、電池ケースが正に帯電することで、ケースの低電圧によるケース又は防爆弁の腐食を防止することができ、電極端子の異端から引き出されたセルについて、電池の電圧及び温度サンプリングハーネスの数を減少させることで、コストを低減することができる。しかしながら、このような方式は、電池の漏電及び短絡のリスクを増加させ、短絡が発生すると、アーク放電、発火、さらに爆発事故を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、カバープレートアセンブリ、電池、電池モジュール、動力電池パック及び電気自動車を提供する。電池モジュールの内部が短絡する場合、カバープレートアセンブリにより短絡回路を遮断するため、電池モジュールの安全性を大幅に向上させることができる。
【0005】
第1の態様では、本開示の実施形態に係る電池のカバープレートアセンブリは、カバープレート本体、第1の電極端子、第2の電極端子及び抵抗コーティングを含み、前記第2の電極端子と前記カバープレート本体とが絶縁して接続され、前記第1の電極端子と前記カバープレート本体とが前記抵抗コーティングにより電気的に接続され、前記抵抗コーティングは、脆弱部を含み、前記抵抗コーティングを流れる電流が所定の閾値より大きい場合に、前記脆弱部が溶断されて前記カバープレート本体と前記第1の電極端子を遮断する。
【0006】
本開示の実施形態に係る電池のカバープレートアセンブリによれば、第1の電極端子とカバープレート本体とを抵抗コーティングにより電気的に接続し、抵抗コーティングが脆弱部を含み、抵抗コーティングを流れる電流が所定の閾値より大きい場合に、脆弱部が溶断されてカバープレート本体と第1の電極端子を遮断し、抵抗コーティングが第1の電極端子とカバープレート本体を導通して、カバープレート本体を帯電させることにより、カバープレート本体又は防爆弁が腐食されることを防止し、かつ電池の電圧及び温度サンプリングハーネスの数を減少させ、さらにコストを低減することができる。また、電池モジュールの内部が短絡する場合、抵抗コーティングは、短絡電流を大幅に小さくすることにより、アーク放電、発火、さらに爆発事故の発生を防止し、電池モジュールの安全性を向上させることができる。なお、抵抗コーティングを流れる電流が所定の閾値より大きい場合、脆弱部は、自体が発生した熱で溶断することにより、短絡回路を遮断し、さらに電池モジュールの安全性を保証することができる。また、抵抗コーティングは、カバープレートアセンブリ全体の占有空間を小さくすることができ、カバープレートアセンブリの構造をよりコンパクトにし、電池モジュールの体積エネルギー密度の増加に役立つ。
【0007】
第2の態様では、本開示の実施形態に係る電池は、本開示の第1の態様の実施形態に係るカバープレートアセンブリを含む。
【0008】
第3の態様では、本開示の実施形態に係る電池モジュールは、本開示の第2の態様の実施形態に係る電池を含む。
【0009】
第4の態様では、本開示の実施形態に係る動力電池パックは、本開示の第3の態様の実施形態に係る電池モジュールを含む。
【0010】
第5の態様では、本開示の実施形態に係る電気自動車は、本開示の第4の態様の実施形態に係る動力電池パックを含む。
【0011】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において与えられ、一部が以下の説明から明らかになるか、又は本開示の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下、本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、図面を参照して実施形態を説明することにより明らかになって理解されやすくなる。
【0013】
【
図1】本開示の実施形態に係る電池のカバープレートアセンブリの概略構成図である。
【
図2】
図1に示す電池のカバープレートアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態を詳細に説明し、上記実施形態の例が図面において示されるが、一貫して同じ又は類似の符号は、同じ又は類似の部品、或いは、同じ又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施形態は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0015】
以下、
図1~
図3を参照して本開示の第1の態様の実施形態に係る電池(図示せず)のカバープレートアセンブリ100を説明する。カバープレートアセンブリ100は、電池モジュール(図示せず)に適用することができる。本開示の以下の説明において、カバープレートアセンブリ100を電池モジュールに適用することを例として説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、本開示の第1の態様の実施形態に係る電池のカバープレートアセンブリ100は、カバープレート本体1、第1の電極端子2、第2の電極端子(図示せず)及び抵抗コーティング3を含み、第2の電極端子とカバープレート本体1とが絶縁して接続され、第1の電極端子2とカバープレート本体1とが抵抗コーティング3により電気的に接続され、抵抗コーティング3は、脆弱部331を含み、抵抗コーティング3を流れる電流が所定の閾値より大きい場合に、脆弱部331が溶断されてカバープレート本体1と第1の電極端子2を遮断する。「所定の閾値」は、短絡電流を含む。
【0017】
例えば、
図1及び
図2の例では、第1の電極端子2と第2の電極端子の極性は、逆であってもよく、抵抗コーティング3は、第1の電極端子2とカバープレート本体1との間に電気的に接続される。これにより、カバープレート本体1を帯電させるように、第1の電極端子2とカバープレート本体1を導通できる抵抗コーティング3を設置することにより、カバープレート本体1又は防爆弁が腐食されることを防止し、かつ電池の電圧及び温度サンプリングハーネスの数を減少させ、さらにコストを低減することができる。また、電池モジュールの内部が短絡する場合、抵抗コーティング3は、短絡電流を大幅に小さくすることにより、アーク放電、発火、さらに爆発事故の発生を防止し、電池モジュールの安全性を向上させることができる。なお、抵抗コーティング3を流れる電流が所定の閾値より大きい場合、脆弱部331は、自体が発生した熱で溶断することにより、短絡回路を遮断し、さらに電池モジュールの安全性を保証することができる。また、抵抗コーティング3は、カバープレートアセンブリ100全体の占有空間を小さくすることができ、カバープレートアセンブリ100の構造をよりコンパクトにし、電池モジュールの体積エネルギー密度の増加に役立つ。
【0018】
第1の電極端子2と第2の電極端子は、逆の極性を有し、例えば、第1の電極端子2が正極端子であれば、第2の電極端子が負極端子であり、この場合、カバープレート本体1は、正に帯電し、第1の電極端子が負極端子であれば、第2の電極端子が正極端子であり、この場合、カバープレート本体1は、負に帯電する。第1の電極端子2及び第2の電極端子における「第1の、第2の」は、セルを区別するためにのみ使用され、数量を限定するものではなく、例えば、第1の電極端子2及び第2の電極端子は、それぞれ複数設置されてもよい。
【0019】
本開示の実施形態に係る電池のカバープレートアセンブリ100によれば、第1の電極端子2とカバープレート本体1とを抵抗コーティング3により電気的に接続し、抵抗コーティング3が脆弱部331を含み、抵抗コーティング3を流れる電流が所定の閾値より大きい場合に、脆弱部331が溶断されてカバープレート本体1と第1の電極端子2を遮断し、抵抗コーティング3が第1の電極端子2とカバープレート本体1を導通して、カバープレート本体1を帯電させることにより、カバープレート本体1又は防爆弁が腐食されることを防止し、かつ電池の電圧及び温度サンプリングハーネスの数を減少させ、さらにコストを低減することができる。また、電池モジュールの内部が短絡する場合、抵抗コーティング3は、短絡電流を大幅に小さくすることにより、アーク放電、発火、さらに爆発事故の発生を防止し、電池モジュールの安全性を向上させることができる。なお、抵抗コーティング3を流れる電流が所定の閾値より大きい場合、脆弱部331は、自体が発生した熱で溶断することにより、短絡回路を遮断し、さらに電池モジュールの安全性を保証することができる。また、抵抗コーティング3は、カバープレートアセンブリ100全体の占有空間を小さくすることができ、カバープレートアセンブリ100の構造をよりコンパクトにし、電池モジュールの体積エネルギー密度の増加に役立つ。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態では、
図1に示すように、脆弱部331の寸法は、抵抗コーティング3の他の部分の寸法より小さい。例えば、
図1から明らかなように、脆弱部331の幅は、抵抗コーティング3の他の部分の幅より小さい。これにより、脆弱部331の寸法を抵抗コーティング3の他の部分の寸法より小さくすることにより、脆弱部331の抵抗値が抵抗コーティング3の他の部分の抵抗値より小さいため、電池モジュールの内部が短絡する場合、脆弱部331は、自体が発生した熱で溶断することにより、短絡回路を遮断し、電池モジュールの安全性を保証することができる。なお、「寸法」は、
図1における幅を指し、厚さ、長さ又は直径等を指すことができる。「寸法」の意味は、幅を指すだけではなく、抵抗コーティング3の形状に応じて具体的に定義することができることを理解されたい。
【0021】
本開示のいくつかの具体的な実施形態では、
図2及び
図3を合わせて、カバープレート本体1に取付孔11が設置され、第1の電極端子2が取付孔11を通ってカバープレート本体1に取り付けられ、取付孔11の孔壁と第1の電極端子2とが互いに離間し、第1の電極端子2の外端の周壁に第1の絶縁部材4が嵌設され、抵抗コーティング3が第1の絶縁部材4に設置される。「第1の電極端子2の外端」は、第1の電極端子2のカバープレート本体1の外面から突出する部分を指し、すなわち第1の電極端子2の取付孔11内に配設される部分以外の部分である。これにより、第1の電極端子2の外端の周壁に第1の絶縁部材4を外嵌することにより、第1の電極端子2とカバープレート本体1が直接導通することを回避し、抵抗コーティング3を第1の絶縁部材4に設置することにより、抵抗コーティング3は、第1の電極端子2とカバープレート本体1との電気的接続を実現するとともに、占有空間を小さくすることができ、電池モジュールの構造をよりコンパクトにし、電池モジュールの体積エネルギー密度の増加に役立つ。
【0022】
好ましくは、取付孔11の孔壁と第1の電極端子2との間に第2の絶縁部材(図示せず)が設置されてもよい。このように設置すると、第1の電極端子2とカバープレート本体1が直接電気的に接続されることを回避することができる。勿論、本開示は、これに限定されるものではなく、第1の電極端子2とカバープレート本体1が直接導通することを防止するように、取付孔11の孔壁と第1の電極端子2との間に一定の間隔を設定することができる。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態では、
図2を合わせて
図1を参照して、第1の電極端子2は、極柱21及び極柱21から極柱21の径方向に沿って外向きに延びる電極キャップ22を含む。抵抗コーティング3は、第1の部分31、第2の部分32及び第3の部分33を含み、第1の部分31は、電極キャップ22と第1の絶縁部材4との間に設置され、第2の部分32は、第1の絶縁部材4とカバープレート本体1との間に設置され、第3の部分33は、第1の部分31と第2の部分32との間に接続される。例えば、
図1の例では、第1の絶縁部材4は、極柱21の外に嵌設され、抵抗コーティング3は、略「工」字形を呈し、第1の部分31及び第2の部分32は、いずれも第1の絶縁部材4の周方向に沿って延び、かつ第1の部分31が第1の電極端子2に電気的に接続され、第2の部分32がカバープレート本体1に電気的に接続され、第1の部分31と第2の部分32との間に第3の部分33が接続される。加工する場合、まず第1の部分31を第1の絶縁部材4の外周面及び頂面に加工し、かつ第2の部分32を第1の絶縁部材4の外周面及び底面に加工し、取り付ける場合に、電極キャップ22を第1の絶縁部材4に支持させ、かつ第1の部分31に接触させ、第1の絶縁部材4をカバープレート本体1に支持させ、かつ第2の部分32をカバープレート本体1に接触させることにより、第1の電極端子2とカバープレート本体1との電気的接続を実現する。勿論、第1の電極端子2、第1の絶縁部材4及びカバープレート本体1の取付が完了した後に抵抗コーティング3を加工することにより、第1の部分31は、第1の絶縁部材4及び電極キャップ22の外面を被覆し、かつ第2の部分32は、第1の絶縁部材4及びカバープレート本体1の外面を被覆し、同様に第1の電極端子2とカバープレート本体1との電気的接続を実現することができる。これにより、上記のように設置すると、構造が簡単であり、操作しやすく、かつ第1の電極端子2とカバープレート本体1との電気的接続を好適に実現することができる。
【0024】
さらに、
図1を合わせて、脆弱部331は、第1のコーティング部及び第2のコーティング部を含む第3の部分33に設置される。具体的には、第1のコーティング部は、第1の絶縁部材4の外面に設置され、第1のコーティング部は、第1の部分31に接続される。第2のコーティング部は、第1の絶縁部材4の外面に設置され、第2のコーティング部は、第2の部分32に接続され、脆弱部331は、第1のコーティング部と第2のコーティング部との間に接続される。これにより、上記第3の部分33を設置することにより、第3の部分33は、第1の部分31、第2の部分32と確実に接続されるため、第1の電極端子2とカバープレート本体1との電気的接続を実現する。また、電池モジュールの内部が短絡する場合、第3の部分33の脆弱部331は、短絡回路を遮断し、熱暴走の発生を防止することができる。
【0025】
本開示のさらなる実施形態では、
図1~
図3に示すように、カバープレートアセンブリ100は、取付孔11に配設され、かつカバープレート本体1に電気的に接続される環状ガスケット111をさらに含み、第1の絶縁部材4が環状ガスケット111に支持され、極柱21が第1の絶縁部材4及び環状ガスケット111を順に通ってカバープレート本体1に取り付けられる。環状ガスケット111と極柱21の外周面との間に隙間が設置され、極柱
21が環状ガスケット111によりカバープレートに直接電気的に接続されることを回避する。第1の絶縁部材4は、環状ガスケット111と電極キャップ22との間に設置され、かつ抵抗コーティング3の第2の部分32は、第1の絶縁部材4と環状ガスケット111との間に設置される。例えば、
図2の例では、環状ガスケット111は、カバープレート本体1の取付孔11内に取り付けられる。第1の絶縁部材4は、電極キャップ22と環状ガスケット111との間に支持される。カバープレート本体1は、環状ガスケット111と電気的に接続された後、第1の絶縁部材4に設置された抵抗コーティング3により第1の電極端子2との電気的接続を実現する。好ましくは、
図3を参照して、環状ガスケット111は、頂部1111、底部1112及び接続部1113を含み、接続部1113は、頂部1111と底部1112との間に斜めに接続され、すなわち、接続部1113と頂部1111との夾角及び接続部1113と底部1112との夾角は90°ではない。具体的には、頂部1111と底部1112は、互いに平行であり、頂部1111の一端は、接続部1113の一端に接続され、頂部1111の他端は、極柱21から離れる方向に沿って延び、底部1112の一端は、接続部1113の他端に接続され、底部1112の他端は、極柱21に向かう方向に沿って延びる。環状ガスケット111の頂部1111、底部1112及び接続部1113は、いずれも極柱21とカバープレート本体1との間に設置され、環状ガスケット111の底部1112は、カバープレート本体1に接触して環状ガスケット111とカバープレート本体1との電気的接続を実現し、頂部1111の上面に第1の絶縁部材4が支持され、第1の絶縁部材4の上面は、電極キャップ22に接続される。第1の絶縁部材4に抵抗コーティング3が設置されるため、環状ガスケット111は、第1の絶縁部材4の抵抗コーティング3により第1の電極端子2との電気的接続を実現する。勿論、環状ガスケット111の構造は、これに限定されるものではない。環状ガスケット111の具体的な構造は、実際の応用をよりよく満たすように、実際の需要に応じて具体的に配置することができることを理解されたい。
【0026】
好ましくは、
図1及び
図2を参照して、第1の絶縁部材4は、セラミックリングである。例えば、
図1及び
図2の例では、第1の絶縁部材4は、環状構造であり、第1の絶縁部材4は、極柱21とカバープレート本体1を隔てるように極柱21の外周に取り囲まれる。これにより、セラミックリングのコストが低いため、第1の絶縁部材4をセラミックリングとすると、第1の絶縁部材4が極柱21とカバープレート本体1を隔てることができるとともに、カバープレートアセンブリ100全体のコストを低減する。
【0027】
好ましくは、抵抗コーティング3は、ニッケルめっき層を含む。これにより、金属ニッケルの不活性化能力が強いため、表面に1層の極めて薄い不活性化膜を迅速に生成し、大気、アルカリ及びある酸の腐食に抵抗することができるため、ニッケルめっき層は、空気中での安定性が高く、かつ導電性能が高い。
【0028】
好ましくは、第1の絶縁部材4と極柱21との間、第1の絶縁部材4と環状ガスケット111との間は、いずれもはんだ接続される。このように設置すると、第1の絶縁部材4と極柱21、第1の絶縁部材4と環状ガスケット111との確実な接続を実現することができるため、カバープレートアセンブリ100全体の構造安定性を増加させ、電池の耐用年数を延長することができる。
【0029】
好ましくは、
図1及び
図2に示すように、カバープレートアセンブリ100は、カバープレート絶縁部材5及び内部引き出しシート6をさらに含む。
【0030】
本開示の第2の態様の実施形態に係る電池は、本開示の上記第1の態様の実施形態に係るカバープレートアセンブリ100を含む。
【0031】
本開示の実施形態に係る電池によれば、上記カバープレートアセンブリ100を用いることにより、カバープレート又は防爆弁が腐食されることを防止し、かつ電池の電圧サンプリングハーネス及び温度サンプリングハーネスの数を減少させ、さらにコストを低減することができる。なお、電池の安全性を向上させることができる。
【0032】
本開示の第3の態様の実施形態に係る電池モジュールは、本開示の上記第2の態様の実施形態に係る電池を含む。
【0033】
本開示の実施形態の電池モジュールによれば、上記電池を用いることにより、抵抗コーティング3は、電池モジュールの内部が短絡する場合に短絡電流を小さくすることができるため、アーク放電、発火、さらに爆発事故の発生を防止し、電池モジュールの安全性を大幅に向上させることができる。
【0034】
本開示の第4の態様の実施形態に係る動力電池パック(図示せず)は、本開示の上記第3の態様の実施形態に係る電池モジュールを含む。
【0035】
本開示の実施形態に係る動力電池パックによれば、上記電池モジュールを用いることにより、電池モジュールの安全性が高く、熱暴走の発生を防止するため、動力電池パック全体の安全性を向上させることができる。
【0036】
本開示の第5の態様の実施形態に係る電気自動車(図示せず)は、本開示の上記第4の態様の実施形態に係る動力電池パックを含む。
【0037】
本開示の実施形態に係る電気自動車によれば、上記動力電池パックを用いることにより、電気自動車全体の性能を向上させ、アーク放電、発火、さらに爆発事故の発生を防止し、車内の乗客の安全を十分に保証することができる。
【0038】
本開示の実施形態に係る電気自動車の他の構成、例えば、車体等及び操作は、当業者にとって既知であため、ここで詳細に説明しない。
【0039】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないと指示するか又は暗示するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0040】
また、用語「第1」、「第2」は、説明目的のためのみに用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定されている特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」は、別に明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0041】
本開示において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」等は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0042】
本開示において、明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを表すことを含んでもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことを表すことを含んでもよい。
【0043】
本明細書の説明において、用語「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施形態又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施形態又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な形態で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施形態又は例、及び異なる実施形態又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0044】
以上、本開示の実施形態を示して説明したが、上記実施形態は、例示的なものであり、本開示を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲内で上記実施形態に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0045】
100カバープレートアセンブリ、
1カバープレート本体、11取付孔、111環状ガスケット、
1111頂部、1112底部、1113接続部、
2第1の電極端子、21極柱、22電極キャップ、
3抵抗コーティング、31第1の部分、32第2の部分、
33第3の部分、331脆弱部、4第1の絶縁部材、
5カバープレート絶縁部材、6内部引き出しシート。