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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 25/00 20060101AFI20231102BHJP
   B66B 27/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B66B25/00 E
B66B25/00 F
B66B27/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022132323
(22)【出願日】2022-08-23
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅昭
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-335050(JP,A)
【文献】特開平10-109871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 25/00
B66B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モータ及び第2モータと、
人を搬送するために走行するステップと、
前記第1モータ及び前記第2モータの駆動が伝達され、前記ステップを走行させるために回転する回転部と、
前記ステップが搬送する負荷を検出する負荷検出部と、
前記負荷検出部の検出に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータの出力状態を切り替える処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記負荷検出部の検出値が設定値以上である場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの両方が出力する両方出力状態とし、
前記負荷検出部の検出値が設定値未満である場合に、前記第1モータ及び前記第2モータのうち、一方が出力し且つ他方が出力を停止する片方出力状態とする、マンコンベヤであって、
前記第1モータの駆動を制動する第1ブレーキと、
前記第2モータの駆動を制動する第2ブレーキと、を備え、
前記処理部は、
前記両方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記第1ブレーキ及び前記第2ブレーキの両方を動作させ、
前記片方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記一方のモータの駆動を制動するブレーキのみを動作させる、マンコンベヤ
【請求項2】
前記片方出力状態は、前記第1モータが出力し且つ前記第2モータが出力を停止する第1出力状態と、前記第1モータが出力を停止し且つ前記第2モータが出力する第2出力状態と、を含み、
前記処理部は、前記第1出力状態及び前記第2出力状態のうち、一方の状態が設定時間だけ継続した場合に、他方の状態に切り替える、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記処理部は、
前記片方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記一方のモータの駆動を制動するブレーキのみを動作させ、
その後、前記回転部の回転が停止している状態において、前記他方のモータの駆動を制動するブレーキも動作している、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記第1モータの電気出力値を検出する第1出力検出部と、
前記第2モータの電気出力値を検出する第2出力検出部と、を備え、
前記第1モータの定格出力は、前記第2モータの定格出力と、同じであり、
前記処理部は、前記両方出力状態のときに前記第1出力検出部で検出した電気出力値と前記第2出力検出部で検出した電気出力値との差に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータの異常を判定する、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、第1モータ及び第2モータと、人を搬送するために走行するステップと、第1モータ及び第2モータの駆動が伝達され、ステップを走行させるために回転する回転部と備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、第1モータ及び第2モータの出力は、同期している。即ち、第1モータが出力するタイミングは、第2モータが出力するタイミングと同じであり、しかも、第1モータが出力を停止するタイミングは、第2モータが出力を停止するタイミングと同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6400805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、ステップで搬送する負荷に応じて、第1モータ及び第2モータの出力を個別に行うことができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、第1モータ及び第2モータと、人を搬送するために走行するステップと、前記第1モータ及び前記第2モータの駆動が伝達され、前記ステップを走行させるために回転する回転部と、前記ステップが搬送する負荷を検出する負荷検出部と、前記負荷検出部の検出に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータの出力状態を切り替える処理部と、を備え、前記処理部は、前記負荷検出部の検出値が設定値以上である場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの両方が出力する両方出力状態とし、前記負荷検出部の検出値が設定値未満である場合に、前記第1モータ及び前記第2モータのうち、一方が出力し且つ他方が出力を停止する片方出力状態とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの全体正面図
図2】同実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図
図3】同実施形態に係るマンコンベヤの電力系統図
図4】同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図4を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0014】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0015】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0016】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0017】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2aを備えていてもよい。また、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。
【0018】
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、機械室2a,2aを上方から覆うように、構造体2に取り付けられる床プレート1aを備えていてもよい。これにより、床プレート1aは、搬送部3に乗り降りするために、搬送部3の第2横方向D2の各端部に配置される乗降部1b,1bを構成している。
【0019】
図1及び図2に示すように、駆動部5は、例えば、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する第1及び第2回転部7,5aと、第1回転部7を回転させる第1及び第2駆動源8,9と、第1及び第2駆動源8,9の駆動を第1回転部7に伝達させる伝達部10とを備えていてもよい。
【0020】
図2に示すように、第1回転部7は、例えば、回転軸7aと、回転軸7aに接続され、第1の走行部3aが巻き掛けられる第1スプロケット7bと、回転軸7aに接続され、第2の走行部3aが巻き掛けられる第2スプロケット7cとを備えていてもよい。これにより、第1回転部7が回転することによって、走行部3a及びステップ3bは、走行する。
【0021】
第1駆動源8は、例えば、本実施形態のように、第1モータ8aと、第1モータ8aの駆動により回転する第3回転部8bと、第3回転部8bの回転を制動する第1ブレーキ8cとを備えていてもよい。第3回転部8bは、例えば、減速機を介して間接的に第1モータ8aの駆動を受けていてもよく、また、例えば、第1モータ8aの駆動を第1モータ8aから直接的に受けていてもよい。
【0022】
第2駆動源9は、例えば、本実施形態のように、第2モータ9aと、第2モータ9aの駆動により回転する第4回転部9bと、第4回転部9bの回転を制動する第2ブレーキ9cとを備えていてもよい。第4回転部9bは、例えば、減速機を介して間接的に第2モータ9aの駆動を受けていてもよく、また、例えば、第2モータ9aの駆動を第2モータ9aから直接的に受けていてもよい。
【0023】
例えば、本実施形態のように、第1モータ8aの定格出力は、第2モータ9aの定格出力と同じであってもよい。また、例えば、本実施形態のように、第1ブレーキ8cの制動力は、第2ブレーキ9cの制動力と同じであってもよい。なお、本明細書において、「同じ」とは、「完全に同じ」だけでなく、±10%の差異を含む「略同じ」も含む。
【0024】
伝達部10は、例えば、本実施形態のように、第1スプロケット7b及び第3回転部8bと第2スプロケット7c及び第4回転部9bとにそれぞれ巻き掛けられる環状部材としてもよい。これにより、第1モータ8aの駆動は、第3回転部8b及び伝達部10を介して、第1回転部7に伝達され、且つ、第2モータ9aの駆動は、第4回転部9b及び伝達部10を介して、第1回転部7に伝達されている。
【0025】
なお、例えば、第1回転部7が、一方のモータ8a(9a)だけの駆動によって回転している場合でも、一方のモータ8a(9a)の駆動が、第1回転部7及び伝達部10によって、他方のモータ9a(8a)に伝達されるため、他方のモータ9a(8a)は、回転する。特に限定されないが、伝達部10は、例えば、チェーンやベルト等としてもよい。
【0026】
なお、第1及び第2モータ8a,9aの駆動を第1回転部7に伝達する構成は、特に限定されない。例えば、伝達部10が備えられておらず、第1スプロケット7b及び第3回転部8bが直接的に噛み合い、第2スプロケット7c及び第4回転部9bが直接的に噛み合う、という構成でもよい。また、例えば、第1及び第2モータ8a,9aの駆動は、共通の部材に伝達され、当該共通の部材を介して第1回転部7に伝達される、という構成でもよい。
【0027】
図3に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、商用電源から第1モータ8aに供給する電力を変更する第1電力変更装置11と、商用電源から第2モータ9aに供給する電力を変更する第2電力変更装置12とを備えていてもよい。特に限定されないが、電力変更装置11,12は、例えば、モータ8a,9aに供給する電力の周波数を変更することでモータ8a,9aの回転数、電流、電圧等を変更するインバータ装置としてもよい。
【0028】
電力変更装置11,12は、例えば、本実施形態のように、周波数、電流、電圧等を変更して電力をモータ8a,9aへ供給する電力出力部11a,12aと、出力する電力の周波数を検出する周波数検出部11b,12bと、出力する電圧を検出する電圧検出部11c,12cと、モータ8a,9aの電流を検出する電流検出部11d,12dと、モータ8a,9aの出力トルクを検出する出力トルク検出部11e,12eと、装置11,12の異常を検出する装置異常検出部11f,12fとを備えていてもよい。
【0029】
図4に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、第1モータ8aの電気出力値を検出する第1出力検出部13と、第2モータ9aの電気出力値を検出する第2出力検出部14と、乗降部1b(特に、人がステップ3bに乗るための乗り部)の人を検出する人検出部15とを備えていてもよい。
【0030】
また、マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bの走行速度を検出する速度検出部16と、ステップ3bが搬送する負荷を検出する負荷検出部17と、マンコンベヤ1の各部の異常を検出する異常検出部18と、各種情報が入力される入力部19と、各種情報が出力される出力部20とを備えていてもよい。
【0031】
第1出力検出部13の構成は、特に限定されず、第1出力検出部13は、例えば、第1モータ8aの出力と相関関係が存在する電気の情報を検出してもよい。例えば、第1出力検出部13は、第1電力変更装置11の電圧検出部11c、電流検出部11d又は出力トルク検出部11eとしてもよい。
【0032】
第2出力検出部14の構成は、特に限定されず、第2出力検出部14は、例えば、第2モータ9aの出力と相関関係が存在する電気の情報を検出してもよい。例えば、第2出力検出部14は、第2電力変更装置12の電圧検出部12c、電流検出部12d又は出力トルク検出部12eとしてもよい。
【0033】
人検出部15の構成は、特に限定されない。人検出部15は、例えば、光電センサ(例えば、反射型、透過型)としてもよく、また、例えば、画像センサ(例えば、カメラ)としてもよく、また、例えば、重量を検出する重量センサ(例えば、ロードセル)としてもよい。
【0034】
速度検出部16の構成は、特に限定されない。速度検出部16は、例えば、第1回転部7の外周の歯を検出するセンサ(例えば、近接センサ、光電センサ)としてもよく、また、例えば、第1回転部7の回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよい。また、速度検出部16は、例えば、ステップ3bに接することによって回転するローラの回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよい。
【0035】
負荷検出部17の構成は、特に限定されない。例えば、負荷検出部17は、出力検出部13,14で構成されていてもよい。具体的には、例えば、ステップ3bの走行速度が同じである場合に、ステップ3bで搬送する負荷が大きいほど、出力検出部13,14の検出値が大きくなるため、処理部6は、出力検出部13,14の検出値と速度検出部16の検出値とに基づいて、ステップ3bで搬送する負荷(例えば、定格負荷に対する負荷率)を演算してもよい。
【0036】
また、例えば、負荷検出部17は、人検出部15で構成されていてもよい。例えば、ステップ3bに乗る人が多いほど、ステップ3bで搬送する負荷が大きくなるため、処理部6は、人検出部15の検出(例えば、所定時間における検出累積時間、所定時間における検出回数等)に基づいて、ステップ3bで搬送する負荷(例えば、定格負荷に対する負荷率)を演算してもよい。
【0037】
異常検出部18の構成及び検出する異常の内容は、特に限定されない。例えば、異常検出部18は、電力変更装置11,12の装置異常検出部11f,12fとしてもよい。また、例えば、異常検出部18は、マンコンベヤ1の各部に配置されるセンサ(例えば、接触式センサ)としてもよい。
【0038】
入力部19は、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。また、出力部20は、例えば、情報を表示する表示部(例えば、電光掲示板、表示灯)、情報を音で発する発音部(例えば、ブザー、スピーカ)、外部(例えば、中央監視盤等)へ信号を出力する信号出力部等としてもよい。
【0039】
処理部6は、例えば、各部13~19から各情報(データ、信号)を取得する取得部6aと、各情報を記憶する記憶部6bと、各情報を演算したり各情報に基づいて判定したりする演算部6cと、各部8c,9c,11,12,20を制御する制御部6dとを備えていてもよい。
【0040】
なお、処理部6は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部6c、制御部6d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部6a、記憶部6b)、各種インターフェイス(例えば、取得部6a)等を備えるコンピュータとしてもよい。これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理部6の各部6a~6dが実現される。
【0041】
また、処理部6は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理部6の各部6a~6dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0042】
本実施形態に係るマンコンベヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るマンコンベヤ1の制御について、説明する。なお、以下の制御の内容は、マンコンベヤ1の制御の内容の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ1の制御の内容を限定するものではない。
【0043】
<走行制御>
処理部6は、例えば、人を搬送するために、走行制御を行ってもよい。特に限定されないが、例えば、人検出部15が人を検出した場合に、処理部6は、ステップ3bの走行を開始して、ステップ3bの走行速度を設定速度(例えば、定格速度であって、30m/分)で定速にしてもよい。
【0044】
このとき、処理部6は、速度検出部16の検出に基づいて(具体的には、速度検出部16の検出値が一定となるように)、電力変更装置11,12を制御してもよい。これにより、モータ8a,9aに供給する電力が変更されるため、ステップ3bの走行速度を設定速度で一定にすることができる。
【0045】
そして、人検出部15が最後に人を検出してから、所定時間(例えば、ステップ3bが1/2周の距離を走行する時間に30秒を加えた時間)が経過した場合に、処理部6は、ステップ3bの走行を停止してもよい。即ち、処理部6は、自動発停走行制御を行ってもよい。これにより、必要に応じてステップ3bを走行させることができるため、省エネ運転を行うことができる。
【0046】
なお、走行制御は、斯かる制御に限定されない。例えば、入力部19に運転指令の情報が入力されることによって、処理部6がステップ3bを設定速度で走行させ、そして、例えば、入力部19に停止指令の情報が入力されることによって、処理部6がステップ3bの走行を停止する、という構成でもよい。即ち、処理部6は、手動発停走行制御を行ってもよい。
【0047】
<出力切替制御>
ところで、ステップ3bの走行速度が一定である場合に、ステップ3bで搬送する負荷が大きいほど(例えば、ステップ3bに乗る人の荷重が重いほど)、必要となるモータ8a,9aの出力は、大きくなる。そこで、処理部6は、例えば、走行制御を行っているときに、負荷検出部17の検出に基づいて、第1モータ8a及び第2モータ9aの出力状態を切り替える出力切替制御を行ってもよい。
【0048】
例えば、負荷検出部17の検出値が設定値以上である場合に、ステップ3bで搬送される負荷が大きいため、処理部6は、出力状態を両方出力状態としてもよい。なお、両方出力状態とは、第1モータ8a及び第2モータ9aの両方が出力する状態である。
【0049】
また、例えば、負荷検出部17の検出値が設定値未満である場合に、ステップ3bで搬送される負荷が小さいため、処理部6は、出力状態を片方出力状態としてもよい。片方出力状態とは、一方のモータ8a(9a)が出力し且つ他方のモータ9a(8a)が出力を停止する状態である。
【0050】
なお、モータ8a(9a)が出力するとは、モータ8a(9a)が駆動力を出力することであり、モータ8a(9a)が出力を停止するとは、モータ8a(9a)駆動力を出力することを停止することである。また、片方出力状態は、第1モータ8aが出力し且つ第2モータ9aが出力を停止する第1出力状態と、第1モータ8aが出力を停止し且つ第2モータ9aが出力する第2出力状態とを含む。
【0051】
このように、ステップ3bで搬送する負荷に応じて、第1モータ8a及び第2モータ9aの出力を個別に行うことができる。これにより、例えば、モータ8a,9aの出力時間を短くすることができるため、例えば、モータ8a,9aの寿命を延ばすことができる。なお、自動発停走行制御が行われている場合には、出力状態は、第1モータ8a及び第2モータ9aの両方が出力を停止する出力ゼロ状態も含む。
【0052】
また、特に限定されないが、例えば、負荷検出部17が出力検出部13,14で構成されており、出力状態が片方出力状態である場合に、一方の出力検出部13(14)の検出値がモータ8a(9a)の定格出力を超えたときに、処理部6は、両方出力状態に切り替えてもよい。これにより、モータ8a,9aの出力が低出力になることを抑制することができるため、モータ8a,9aのエネルギ効率を向上させることができる。
【0053】
また、例えば、第1出力状態が設定時間だけ継続した場合に、出力状態が第2出力状態に切り替えられてもよい。同様に、例えば、第2出力状態が設定時間だけ継続した場合に、出力状態が第1出力状態に切り替えられてもよい。即ち、処理部6は、第1出力状態及び第2出力状態のうち、一方の状態が設定時間だけ継続した場合に、他方の状態に切り替えてもよい。
【0054】
これにより、第1モータ8aの出力時間と第2モータ9aの出力時間とを均等にすることができる。なお、特に限定されないが、設定時間は、例えば、5分~10分としてもよい。
【0055】
また、例えば、出力状態が片方出力状態に切り替えられる場合に、処理部6は、第1出力状態及び第2出力状態のうち、直近の片方出力状態と反対の状態にしてもよい。具体的には、例えば、直近の片方出力状態が第1出力状態であった場合に、処理部6は、次回の片方出力状態を第2出力状態としてもよい。これにより、第1モータ8aの出力時間と第2モータ9aの出力時間とをさらに均等にすることができる。
【0056】
なお、例えば、駆動源8,9がセルフロック機能を有するウォーム減速機を備えており、例えば、第1回転部7が、停止状態から、一方の駆動源8(9)のモータ8a(9a)だけの駆動によって回転を開始する場合に、他方の駆動源9(8)のウォーム減速機のセルフロック機能によって、他方の駆動源9(8)のウォーム減速機及びモータ9a(8a)を回転させるための負荷損失が大きくなる。
【0057】
そこで、例えば、出力状態が出力ゼロ状態から切り替わる場合には、負荷検出部17の検出値が設定値未満であっても、処理部6は、所定時間だけ、両方出力状態で維持してもよい。これにより、例えば、駆動源8,9の負荷損失が大きくなることを抑制することができる。
【0058】
<ブレーキ動作制御>
ところで、例えば、異常検出部18が異常を検出したり、入力部19に停止指示の情報が入力されたりした場合に、処理部6は、停止信号を受信するため、ブレーキ8c,9cを動作させる。このとき、例えば、モータ8a,9aの出力に対して、ブレーキ8c,9cの制動力が大き過ぎる場合には、ステップ3bが急停止することになり、また、モータ8a,9aの出力に対して、ブレーキ8c,9cの制動力が小さ過ぎる場合には、ステップ3bがなかなか停止しないことになる。
【0059】
そこで、処理部6は、例えば、停止信号を受信した場合に、出力状態に基づいて、ブレーキ8c,9cを動作させてもよい。例えば、処理部6は、両方出力状態で停止信号を受信した場合に、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方を動作させてもよい。これにより、モータ8a,9aの総出力が大きい場合に、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方が動作する。
【0060】
また、例えば、処理部6は、片方出力状態で停止信号を受信した場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみを動作させてもよい。具体的には、処理部6は、第1出力状態で停止信号を受信した場合に、第1ブレーキ8cのみを動作させ、第2出力状態で停止信号を受信した場合に、第2ブレーキ9cのみを動作させてもよい。これにより、モータ8a,9aの総出力が小さい場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみが動作する。
【0061】
その後、例えば、処理部6は、もう一つのブレーキ8c,9cを動作させることによって、両方のブレーキ8c,9cを動作させてもよい。これにより、第1回転部7の回転が停止している状態において、両方のブレーキ8c,9cが動作しているため、第1回転部7の回転を確実に停止することができる。
【0062】
なお、もう一つのブレーキ8c,9cを動作させる条件は、特に限定されない。例えば、当該条件は、速度検出部16が第1回転部7の停止(又は、ステップ3bの停止)を検出したことでもよい。また、例えば、当該条件は、一方のブレーキ8c(9c)が動作した後に所定時間が経過したことでもよい。
【0063】
このように、モータ8a,9aの総出力に応じて、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの動作を個別に行うことができる。したがって、モータ8a,9aの総出力に対して、即ち、ステップ3bで搬送する負荷に対して、適切な制動力を加えることができる。その結果、例えば、ステップ3bで搬送する負荷に関わらず、制動距離を適正にすることができる。
【0064】
<モータ判定制御>
ところで、第1モータ8aの定格出力が、第2モータ9aの定格出力と同じであるため、出力状態が両方出力状態である場合に、第1モータ8aの出力は、第2モータ9aの出力と同じになる。これにより、第1モータ8a及び第2モータ9aが正常である場合には、第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値とは、同じになる。
【0065】
そこで、処理部6は、第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値との差に基づいて、第1モータ8a及び第2モータ9aの異常を判定してもよい。特に限定されないが、例えば、出力状態が両方出力状態になり所定時間が経過した後に、第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値との差が設定値以上である場合に、第1モータ8a又は第2モータ9aが異常であると判定されてもよい。
【0066】
そして、例えば、当該判定によって、モータ8a,9aが異常であると判定された場合には、例えば、出力部20は、当該情報を出力してもよい。また、例えば、当該判定によって、モータ8a,9aが異常であると判定された場合には、ステップ3bの走行が許可されず、ステップ3bの停止が維持されてもよい。
【0067】
[1]
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、第1モータ8a及び第2モータ9aと、人を搬送するために走行するステップ3bと、前記第1モータ8a及び前記第2モータ9aの駆動が伝達され、前記ステップ3bを走行させるために回転する回転部(本実施形態においては、第1回転部)7と、前記ステップ3bが搬送する負荷を検出する負荷検出部17と、前記負荷検出部17の検出に基づいて、前記第1モータ8a及び前記第2モータ9aへの出力状態を切り替える処理部6と、を備え、前記処理部6は、前記負荷検出部17の検出値が設定値以上である場合に、前記第1モータ8a及び前記第2モータ9aの両方が出力する両方出力状態とし、前記負荷検出部17の検出値が設定値未満である場合に、前記第1モータ8a及び前記第2モータ9aのうち、一方が出力し且つ他方が出力を停止する片方出力状態とする、という構成が好ましい。
【0068】
斯かる構成によれば、負荷検出部17の検出値が設定値以上である場合に、出力状態は、両方出力状態となる。これにより、ステップ3bで搬送される負荷が大きい場合に、第1モータ8a及び第2モータ9aの両方が、出力する。
【0069】
また、負荷検出部17の検出値が設定値未満である場合に、出力状態は、片方出力状態となる。これにより、ステップ3bで搬送される負荷が小さい場合に、第1モータ8a及び第2モータ9aのうち、一方のみが、出力する。このように、ステップ3bで搬送する負荷に応じて、第1モータ8a及び第2モータ9aの出力を個別に行うことができる。
【0070】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記片方出力状態は、前記第1モータ8aが出力し且つ前記第2モータ9aが出力を停止する第1出力状態と、前記第1モータ8aが出力を停止し且つ前記第2モータ9aが出力する第2出力状態と、を含み、前記処理部6は、前記第1出力状態及び前記第2出力状態のうち、一方の状態が設定時間だけ継続した場合に、他方の状態に切り替える、という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、第1出力状態が設定時間だけ継続した場合に、出力状態が第2出力状態に切り替えられ、また、第2出力状態が設定時間だけ継続した場合に、出力状態が第1出力状態に切り替えられる。これにより、第1モータ8aの出力時間と第2モータ9aの出力時間とを均等にすることができる。
【0072】
[3]
また、上記[1]又は[2]のマンコンベヤ1は、本実施形態のように、前記第1モータ8aの駆動を制動する第1ブレーキ8cと、前記第2モータ9aの駆動を制動する第2ブレーキ9cと、を備え、前記処理部6は、前記両方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記第1ブレーキ8c及び前記第2ブレーキ9cの両方を動作させ、前記片方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記一方のモータ8c(9c)の駆動を制動するブレーキ8c(9c)のみを動作させる、という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、両方出力状態で停止信号が受信された場合に、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方が動作する。これにより、モータ8a,9aの総出力が大きい場合に、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方が動作する。
【0074】
また、片方出力状態で停止信号が受信された場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみが動作する。これにより、モータ8a,9aの総出力が小さい場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみが動作する。これにより、モータ8a,9aの総出力に応じて、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの動作を個別に行うことができる。
【0075】
[4]
また、上記[3]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記処理部6は、前記片方出力状態で停止信号を受信した場合に、前記一方のモータ8a(9a)の駆動を制動するブレーキ8c(9c)のみを動作させ、その後、前記回転部(本実施形態において、第1回転部)7の回転が停止している状態において、前記他方のモータ9a(8a)の駆動を制動するブレーキ9c(8c)も動作している、という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、片方出力状態で停止信号が受信した場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみが動作するため、ステップ3bで搬送する負荷に対して適切な制動力を加えることができる。そして、回転部(本実施形態において、第1回転部)7の回転が停止している状態において、他方のブレーキ9c(8c)も動作しているため、回転部7の回転を確実に停止することができる。
【0077】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つのマンコンベヤ1は、本実施形態のように、前記第1モータ8aの電気出力値を検出する第1出力検出部13と、前記第2モータ9aの電気出力値を検出する第2出力検出部14と、を備え、前記第1モータ8aの定格出力は、前記第2モータ9aの定格出力と、同じであり、前記処理部6は、前記両方出力状態のときに前記第1出力検出部13で検出した電気出力値と前記第2出力検出部14で検出した電気出力値との差に基づいて、前記第1モータ8a及び前記第2モータ9aの異常を判定する、という構成が好ましい。
【0078】
斯かる構成によれば、出力状態が両方出力状態のときに、第1モータ8a及び第2モータ9aの出力トルクが、同じになるため、第1モータ8a及び第2モータ9aが正常である場合には、第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値とは、同じになる。そこで、各電気出力値の差に基づいて、第1モータ8a及び第2モータ9aの異常が判定される。
【0079】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0080】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理部6は、ステップ3bの走行速度を設定速度で定速にするように、モータ8a,9aを制御する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0081】
例えば、処理部6は、負荷検出部17の検出に基づいて、ステップ3bの走行速度を変化するように、モータ8a,9aを制御する、という構成でもよい。なお、斯かる構成においては、ステップ3bで搬送する負荷が一定である場合に(例えば、ステップ3bに乗る人の荷重が一定である場合に)、ステップ3bの走行速度が速いほど、必要となるモータ8a,9aの出力は、大きくなる。
【0082】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理部6は、第1出力状態及び第2出力状態のうち、一方の状態が設定時間だけ継続した場合に、他方の状態に切り替える、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理部6は、第1出力状態(又は第2出力状態)に切り替えた場合に、両方出力状態(又は出力ゼロ状態)になるまで、第1出力状態(又は第2出力状態)を継続する、という構成でもよい。
【0083】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理部6は、片方出力状態で停止信号を受信した場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみを動作させる、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0084】
例えば、処理部6は、片方出力状態で停止信号を受信した場合に、第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方を動作させる、という構成でもよい。即ち、処理部6は、停止信号を受信した場合に、出力状態に関わらず第1ブレーキ8c及び第2ブレーキ9cの両方を動作させる、という構成でもよい。
【0085】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理部6は、片方出力状態で停止信号を受信した場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみを動作させ、その後、他方のブレーキ9c(8c)も動作させる、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理部6は、片方出力状態で停止信号を受信した場合に、一方のブレーキ8c(9c)のみを動作させ、その後も、他方のブレーキ9c(8c)を動作させない、という構成でもよい。
【0086】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1モータ8aの定格出力は、第2モータ9aの定格出力と、同じである、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0087】
例えば、第1モータ8aの定格出力は、第2モータ9aの定格出力と、異なる、という構成でもよい。斯かる構成においては、特に限定されないが、例えば、処理部6は、負荷検出部17の検出値が第1設定値以上である場合に、両方出力状態とし、負荷検出部17の検出値が第2設定値以上である場合に、第1出力状態とし、負荷検出部17の検出値が第2設定値未満である場合に、第2出力状態とする、という構成でもよい。
【0088】
なお、第1設定値は、第2設定値よりも大きく、また、第1モータ8aの定格出力は、第2モータ9aの定格出力よりも、大きい。これにより、モータ8a,9aの出力が低出力になることを抑制することができるため、モータ8a,9aのエネルギ効率を向上させることができる。
【0089】
例えば、負荷検出部17が出力検出部13,14で構成されており、出力状態が第2出力状態である場合に、第2出力検出部14の検出値が第2モータ9aの定格出力を超えたときに、処理部6は、第1出力状態に切り替えてもよい。そして、出力状態が第1出力状態である場合に、第1出力検出部13の検出値が第1モータ8aの定格出力を超えたときに、処理部6は、両方出力状態に切り替えてもよい。
【0090】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理部6は、両方出力状態のときに第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値との差に基づいて、第1モータ8a及び第2モータ9aの異常を判定する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0091】
例えば、処理部6は、両方出力状態のときに第1出力検出部13で検出した電気出力値と第2出力検出部14で検出した電気出力値との差を演算する、という構成でもよい。即ち、処理部6は、当該差を演算するまで行い、第1モータ8a及び第2モータ9aの異常を判定しない、という構成でもよい。
【0092】
(G)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した装置における制御、動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
1…マンコンベヤ、1a…床プレート、1b…乗降部、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…第2回転部、6…処理部、6a…取得部、6b…記憶部、6c…演算部、6d…制御部、7…第1回転部、7a…回転軸、7b…第1スプロケット、7c…第2スプロケット、8…第1駆動源、8a…第1モータ、8b…第3回転部、8c…第1ブレーキ、9…第2駆動源、9a…第2モータ、9b…第4回転部、9c…第2ブレーキ、10…伝達部、11…第1電力変更装置、11a,12a…電力出力部、11b,12b…周波数検出部、11c,12c…電圧検出部、11d,12d…電流検出部、11e,12e…出力トルク検出部、11f,12f…装置異常検出部、12…第2電力変更装置、13…第1出力検出部、14…第2出力検出部、15…人検出部、16…速度検出部、17…負荷検出部、18…異常検出部、19…入力部、20…出力部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
【要約】
【課題】 ステップで搬送する負荷に応じて、第1モータ及び第2モータの出力を個別に行うことができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、第1モータ及び第2モータと、人を搬送するために走行するステップと、第1モータ及び第2モータの駆動が伝達され、ステップを走行させるために回転する回転部と、ステップが搬送する負荷を検出する負荷検出部と、負荷検出部の検出に基づいて、第1モータ及び第2モータの出力状態を切り替える処理部と、を備え、処理部は、負荷検出部の検出値が設定値以上である場合に、第1モータ及び第2モータの両方が出力する両方出力状態とし、負荷検出部の検出値が設定値未満である場合に、第1モータ及び第2モータのうち、一方が出力し且つ他方が出力を停止する片方出力状態とする。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4