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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】パイプ切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/16 20060101AFI20231102BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20231102BHJP
   B26D 1/15 20060101ALI20231102BHJP
   B23D 21/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B26D3/16 A
B26D7/02 E
B26D1/15
B23D21/00 520B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020010782
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021115670
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】594054841
【氏名又は名称】株式会社谷テック
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】島崎 孝臣
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 智一
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-105693(JP,A)
【文献】特開平07-156012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0193997(US,A1)
【文献】特開2015-139862(JP,A)
【文献】実開昭59-019226(JP,U)
【文献】特開平03-166008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/16
B26D 7/02
B26D 1/15
B23D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを把持するチャックと、チャックを回転させるチャック回転手段と、チャックを前後方向に移動させるレールを備え、且つ前記チャックおよび前記チャック回転手段がベース上に設置され、該ベースがレール上に配設されたチャック移動手段と、パイプの両側に当接する左右一対のガイドローラと、パイプの下側に当接する一または二本の支持ローラと、パイプ外径に応じてガイドローラ同士の間隔を調整するガイドローラ間隔調整手段と、パイプ外径に応じて支持ローラを昇降させる支持ローラ昇降手段と、パイプの上方に配設された丸鋸と、丸鋸を回転させる丸鋸回転手段と、パイプに対して丸鋸を昇降させる丸鋸昇降手段を備え、チャックによって把持されたパイプが支持ローラによって支持され、両側のガイドローラによって左右の動きが規制された状態でパイプを回転させながら該パイプを上方から下降する丸鋸によってパイプを切削するようになされている、パイプ切断装置。
【請求項2】
チャック回転手段が、チャックと一体に且つ同心状に突設された中心軸と、中心軸を回転自在に支持する軸受部と、ベルトまたはチェーンを介して前記中心軸を回転させるモータで構成されている、請求項1記載のパイプ切断装置。
【請求項3】
チャック移動手段として、ベースは、左右一対のレール上に配設され、且つレール間に回転自在に設けられた棒状雄ネジ部材と螺合する雌ネジを備え、棒状雄ネジ部材を回転させることでベース上のチャックが前後方向に移動するようになされている、請求項1または請求項2記載のパイプ切断装置。
【請求項4】
ガイドローラ間隔調整手段が、基台と、基台上の左右方向に間隔をあけて立設され、各ガイドローラを回転自在に支持する一対の板状部材と、両板状部材に互いに対向して形成された雌ネジと、雌ネジに螺合する棒状雄ネジ部材を備え、棒状雄ネジ部材を回転させることで両板状部材に支持されたガイドローラの間隔が変更されるようになされている、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置。
【請求項5】
支持ローラ昇降手段が、支持ローラを回転自在に支承する支持台と、支持台を支持する棒状雄ネジ部材と、支持台に形成され、前記棒状雄ネジ部材と螺合する雌ネジと、棒状雄ネジ部材の下端に装着された雄ネジ部材側ベベルギアと、先端部に前記雄ネジ部材側ベベルギアと噛合する操作側ベベルギアを有する操作軸を備えており、操作軸を回転させることで前記両ベベルギア並びに前記棒状雄ネジ部材と前記支持台の雌ネジを介して支持ローラの高さ位置が変更されるようになされている、請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置。
【請求項6】
丸鋸昇降手段が、モータと、モータの回転軸に装着されたウォームホイールと、丸鋸を回転自在に支承するステーションを支持する支柱に装着され、前記ウォームホイールと噛合するウォームを備えており、モータを回転させることでウォームホイールとウォームを介して丸鋸の高さ位置が変更されるようになされている、請求項1~請求項5のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置。
【請求項7】
丸鋸回転手段が、ステーションに設けられたモータであり、ベルトまたはチェーンを介して丸鋸がモータで回転するようになされている、請求項1~請求項6のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置を用いたパイプの切断方法であって、第一段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸をパイプに軽く接触させて筋状の切込み溝をパイプの外周面全周に形成した後、第二段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸を前記切込み溝から深く押込んでパイプを一気に完全切断することを特徴とする、パイプ切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として合成樹脂製パイプ、特にFRPやCFRPといった所謂、繊維強化樹脂製パイプの切断に用いることができるパイプ切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製パイプの切断装置としては、外筒と、外筒内の偏心位置に回転自在に配設された内筒と、内筒内に前記偏心位置と同方向に偏心して回転自在に配設されたシャフトと、シャフトを回動させるモータ等の回転手段と、シャフトにおける前記回転手段の他側に取り付けられた円盤状カッターと、外筒に形成された逆倒L字形の通し孔を移動して外筒と内筒を一体に回動させるハンドル等を備えており、切断するパイプ内に当該装置全体を挿入して、前記ハンドルを前記通し孔内に沿って移動させることで最終的に前記偏心位置のカッターによってパイプの全周を切断するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3-166008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前項で述べたパイプ切断装置は、建築現場の壁や基礎等に埋設されたパイプを、その内側から切断するためのものであり、その操作に手間を要する上、そもそも埋設されていないパイプの切断には不向きであり、また構造も複雑である等の不都合があった。
【0005】
本発明の目的は、FRPやCFRPといった所謂、繊維強化樹脂製パイプを簡単且つ確実に切断することができるパイプ切断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明は、パイプを把持するチャックと、チャックを回転させるチャック回転手段と、チャックを前後方向に移動させるレールを備え、且つ前記チャックおよび前記チャック回転手段がベース上に設置され、該ベースがレール上に配設されたチャック移動手段と、パイプの両側に当接する左右一対のガイドローラと、パイプの下側に当接する一または二本の支持ローラと、パイプ外径に応じてガイドローラ同士の間隔を調整するガイドローラ間隔調整手段と、パイプ外径に応じて支持ローラを昇降させる支持ローラ昇降手段と、パイプの上方に配設された丸鋸と、丸鋸を回転させる丸鋸回転手段と、パイプに対して丸鋸を昇降させる丸鋸昇降手段を備え、チャックによって把持されたパイプが支持ローラによって支持され、両側のガイドローラによって左右の動きが規制された状態でパイプを回転させながら該パイプを上方から下降する丸鋸によってパイプPを切削するようになされている、パイプ切断装置。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のパイプ切断装置について、チャック回転手段が、チャックと一体に且つ同心状に突設された中心軸と、中心軸を回転自在に支持する軸受部と、ベルトまたはチェーンを介して前記中心軸を回転させるモータで構成されているものである。
【0008】
請求項3記載の本発明は、請求項1または請求項2記載のパイプ切断装置について、チャック移動手段として、ベースは、左右一対のレール上に配設され、且つレール間に回転自在に設けられた棒状雄ネジ部材と螺合する雌ネジを備え、棒状雄ネジ部材を回転させることでベース上のチャックが前後方向に移動するようになされていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置について、ガイドローラ間隔調整手段が、基台と、基台上の左右方向に間隔をあけて立設され、各ガイドローラを回転自在に支持する一対の板状部材と、両板状部材に互いに対向して形成された雌ネジと、雌ネジに螺合する棒状雄ネジ部材を備え、棒状雄ネジ部材を回転させることで両板状部材に支持されたガイドローラの間隔が変更されるようになされていることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置について、支持ローラ昇降手段が、支持ローラを回転自在に支承する支持台と、支持台を支持する棒状雄ネジ部材と、支持台に形成され、前記棒状雄ネジ部材と螺合する雌ネジと、棒状雄ネジ部材の下端に装着された雄ネジ部材側ベベルギアと、先端部に前記雄ネジ部材側ベベルギアと噛合する操作側ベベルギアを有する操作軸を備えており、操作軸を回転させることで前記両ベベルギア並びに前記棒状雄ネジ部材と前記支持台の雌ネジを介して支持ローラの高さ位置が変更されるようになされていることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1~請求項5のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置について、丸鋸昇降手段が、モータと、モータの回転軸に装着されたウォームホイールと、丸鋸を回転自在に支承するステーションを支持する支柱に装着され、前記ウォームホイールと噛合するウォームを備えており、モータを回転させることでウォームホイールとウォームを介して丸鋸の高さ位置が変更されるようになされていることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1~請求項6のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置について、丸鋸回転手段が、ステーションに設けられたモータであり、ベルトまたはチェーンを介して丸鋸がモータで回転するようになされているものである。
【0013】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載のパイプ切断装置を用いたパイプの切断方法であって、第一段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸をパイプに軽く接触させて筋状の切込み溝をパイプの外周面全周に形成した後、第二段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸を前記切込み溝から深く押込んでパイプを一気に完全切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るパイプ切断装置によれば、チャックにパイプをセットしてモータを作動させてパイプを切断位置まで移動させた後、各ハンドルを回してパイプの外径に合わせてガイドローラの間隔および支持ローラの高さ位置を調整した上、モータを回転させてパイプを回転させると共に丸鋸を回転させ、そして、モータを回転させて丸鋸をパイプの外周に当接することでパイプの切断が行える。
【0015】
更に、前述したパイプ切断においては、第一段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸をパイプに軽く接触させて筋状の切込み溝をパイプの外周面全周に形成した後、第二段階として、丸鋸を回転させつつ、該丸鋸を前記切込み溝から深く押込んでパイプを一気に完全切断することで、パイプを簡単且つ美麗に切断することができるのである。また特に、このような二段階の切断によって、マトリックスとフィラーとからなるFRPやCFRP等の複合材料パイプについて、該パイプ内のフィラーを毛羽立せたり、層間剥離(デラミネーション)させることなく、且つ所謂バリの発生もなく、容易に美麗なパイプ切断が行えるのである。また、前記切断作業において、パイプと丸鋸は同方向に回転させるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るパイプ切断装置の側面図である。
図2】同パイプ切断装置の平面図である。
図3】同パイプ切断装置の正面図である。
図4】同パイプ切断装置の斜視図である。
図5】同パイプ切断装置における支持ローラの構造を示す拡大正面図である。
図6】同パイプ切断装置におけるパイプの保持状態を示す拡大正面図である。
図7】同パイプ切断装置におけるガイドローラ等の構造を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を繊維強化樹脂製パイプの切断装置に適用した場合の実施形態について、図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1図7に示すように、本実施形態に係るパイプ切断装置1は、テーブルT上に設けられており、パイプPを把持するチャック2と、チャック2を回転させるチャック回転手段3と、チャック2を前後方向に移動させるチャック移動手段4と、パイプPの両側に当接する左右一対のガイドローラ5A・5Bと、パイプPの下側に当接する一本の支持ローラ6と、パイプPの外径に応じてガイドローラ5A・5B同士の間隔を調整するガイドローラ間隔調整手段7と、パイプPの外径に応じて支持ローラ6を昇降させる支持ローラ昇降手段10と、パイプPの上方に配設された丸鋸9と、丸鋸9を回転させる丸鋸回転手段11と、パイプPに対して丸鋸9を昇降させる丸鋸昇降手段12とを備え、チャック2によって把持されたパイプPが支持ローラ6によって支持され、両側のガイドローラ5A・5Bによって左右の動きが規制された状態でパイプPを回転させながら該パイプPのその上方から下降する丸鋸9によってパイプPが切削されるようになされているものである。
【0019】
チャック2は、本実施形態では、パイプPを把持する3つの爪8を有する分割爪スクロールチャックである。
【0020】
前記チャック移動手段4として、チャック2およびチャック回転手段3がベース13上に設置され、ベース13は、左右一対のレールR上に配設され、且つレールR間に回転自在に設けられた棒状雄ネジ部材14と螺合する雌ネジ15を備え、棒状雄ネジ部材14をモータM1で回転させることでベース13およびその上のチャック2が前後方向に移動するようになされている。
【0021】
前記チャック回転手段3は、チャック2と一体に且つ同心状に突設された中心軸16と、中心軸16を回転自在に支持する軸受部17と、ベルトB1を介して前記中心軸16を回転させるモータM2で構成されている。なお、図中17aは前記軸受部17のボールベアリングである。
【0022】
ガイドローラ間隔調整手段7は、基台18と、基台18上の左右方向に間隔をあけて立設され、各ガイドローラ5A・5Bを回転自在に支持するブラケット20を有する左右一対の板状部材19A・19Bと、両板状部材19A・19Bに互いに対向して形成された雌ネジ21と、雌ネジ21に螺合する棒状雄ネジ部材22と、棒状雄ネジ部材22の基端に装着された間隔調整用ハンドルH1を有し、間隔調整用ハンドルH1の操作で棒状雄ネジ部材22を回転させることで両板状部材19A・19Bに支持されたガイドローラ5A・5Bの間隔が変更されるようになされている。また、前記板状部材19A・19Bの接近・かい離は二本のガイドバー30に沿って行われ、ガイドバー30の両端は、基台18の左右縁に立設された起立壁51に貫通状に支持されている。
【0023】
より詳細には、本実施形態では、左右一対の板状部材19A・19Bは、前記基台18の上面左右縁部に立設された左右一対の起立壁51に架設された前後一対のガイドバー30に沿って左右方向に移動し得る構造となされており、そして、前記雌ネジ21は、前記両板状部材19A・19Bに一体に付設されたリング状部材27の内周に互いに逆ネジとして形成され、リング状部材27内に棒状雄ネジ部材22が螺合・挿通されている。
【0024】
支持ローラ昇降手段10は、支持ローラ6を回転自在に支承するブラケット40が立設された支持台43と、支持台43を支持するガイドバー44および棒状雄ネジ部材32と、支持台43に形成され、前記棒状雄ネジ部材32と螺合する雌ネジ28と、棒状雄ネジ部材32の下端に装着された雄ネジ部材側ベベルギア31Aと、先端部に前記雄ネジ部材側ベベルギア31Aと噛合する操作側ベベルギア31Bを有する操作軸50を備えており、操作軸44に装着された高さ調整用ハンドルH2を回転させることで前記両ベベルギア31A・31Bを介して前記雄ネジ部材32と前記支持台43の雌ネジ28の噛合位置が移動して支持ローラ6の高さ位置が変更されるようになされている。
【0025】
本実施形態では、丸鋸9はブラケット33に回転自在に取り付けられており、丸鋸回転手段11が、ステーション38に取り付けられたモータM3であり、該モータM3の中心軸M3aに装着されたモータ側プーリ34と、丸鋸9の中心軸9aに装着された丸鋸側プーリ35と、丸鋸側プーリ35とモータ側プーリ34に架け渡されたベルトB2を介して丸鋸9が回転するようになされている。
【0026】
丸鋸昇降手段12は、モータM4と、モータM4の回転軸51に装着されたウォームホイール(図示せず)と、丸鋸9を回転自在に支承する前記ステーション38を支持する支柱53に装着され、前記ウォームホイール(図示せず)と噛合するウォーム(図示せず)を備えたギア機構54を有しており、モータM4を回転させることでウォームホイール52とウォーム54との噛合位置が移動して丸鋸9の高さ位置が変更されるようになされている。
【0027】
次に、本実施形態に係るパイプ切断装置の使用要領について説明すると、チャック2にパイプPをセットしてモータM1を作動させてパイプPを切断位置まで移動させた後、ハンドルH1・H2を回してパイプPの外径に合わせてガイドローラ5A・5Bの間隔および支持ローラ6の高さ位置を調整した上、モータM2・M3を回転させてパイプPを回転させると共に丸鋸9を回転させ、そして、モータM4を回転させて丸鋸9をパイプPの外周に当接することでパイプPの切断を行う。この際、通常、パイプPと丸鋸9は同方向に回転させるのが好ましい。また、パイプPに対する丸鋸9の切込みは、第一段階として、丸鋸9を回転させつつ、該丸鋸9をパイプPに軽く接触させて筋状の切込み溝をパイプPの外周面全周に形成し、次に第二段階として、丸鋸9を回転させつつ、該丸鋸9を前記切込み溝から深く押込んでパイプPを一気に完全切断するのである。以上のような二段階の切断によって、パイプP内のフィラーを毛羽立せたり、表層剥離させることなく、且つ所謂バリの発生もなく、容易に美麗なパイプ切断が行える。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係るパイプ切断装置によれば、マトリックスとフィラーとからなるFRPやCFRP等の複合材料パイプについて、該パイプ内のフィラーを毛羽立せたり、層間剥離(デラミネーション)させることなく、且つ所謂バリの発生もなく、容易に美麗なパイプ切断が行えるため、複合材料の分野において幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0029】
1 パイプ切断装置
2 チャック
3 チャック回転手段
4 チャック移動手段
5A・5B ガイドローラ
6 支持ローラ
7 ガイドローラ間隔調整手段
9 丸鋸
11 丸鋸回転手段
12 丸鋸昇降手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7