(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 15/30 20060101AFI20231102BHJP
B65G 23/38 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B65G15/30 A
B65G23/38 Z
(21)【出願番号】P 2019164419
(22)【出願日】2019-09-10
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】久保 翔太
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-138651(JP,A)
【文献】国際公開第2019/162630(WO,A1)
【文献】特開平04-069433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0223951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/30-15/58
B65G 23/00-23/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を所定方向に搬送する搬送装置であって、
基台と、
前記基台に巻き付けられる搬送ベルトと、
を備え、
前記搬送ベルトは、前記物品が載せられる非環状のシート状部材を有し、
前記シート状部材は、前記所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合され
、
前記第1端部は、前記シート状部材の表面に取り付けられる第1突出部を有し、
前記第2端部は、前記シート状部材の表面に取り付けられる第2突出部を有し、
前記結合部材は、前記第1突出部と前記第2突出部とを挟み込んで結合する、
搬送装置。
【請求項2】
物品を所定方向に搬送する搬送装置であって、
基台と、
前記基台に巻き付けられる搬送ベルトと、
を備え、
前記搬送ベルトは、前記物品が載せられる非環状のシート状部材を有し、
前記シート状部材は、前記所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合され、
前記結合部材は、前記第1端部および前記第2端部において前記シート状部材が重なり合った重なり部において、前記第1端部と前記第2端部とを挟み込んで結合し、
前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方は、折り曲げられている、
搬送装置。
【請求項3】
物品を所定方向に搬送する搬送装置であって、
基台と、
前記基台に巻き付けられる搬送ベルトと、
を備え、
前記搬送ベルトは、前記物品が載せられる非環状のシート状部材を有し、
前記シート状部材は、前記所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合され、
前記第1端部は、前記シート状部材の表面に取り付けられる第1突出部を有し、
前記結合部材は、前記第1突出部と、前記第2端部における前記シート状部材とを挟み込んで結合する、
搬送装置。
【請求項4】
物品を所定方向に搬送する搬送装置であって、
基台と、
前記基台に巻き付けられる搬送ベルトと、
を備え、
前記搬送ベルトは、前記物品が載せられる非環状のシート状部材を有し、
前記シート状部材は、前記所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合され、
前記結合部材は、第1部材と、前記第1部材に対して回転可能に取り付けられている第2部材とを有し、
前記結合部材は、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方に前記第1部材が取り付けられている状態で前記第2部材を回転させることで、前記第1端部と前記第2端部とを挟み込んで結合する、
搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送装置であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1部材は、前記第1端部に対する前記第2端部の相対的な位置を決めるための位置決め部材を有する、
請求項
4又は5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第1端部および前記第2端部は、貫通孔を有し、
前記位置決め部材は、前記第1端部および前記第2端部のそれぞれの前記貫通孔を通過可能である、
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記第1端部および前記第2端部は、前記シート状部材の上方または下方から前記結合部材によって結合されている、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記第1端部および前記第2端部は、前記所定方向に直交する方向における前記シート状部材の両端部の少なくとも一方において、前記結合部材によって結合されている、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
物品を所定方向に搬送する搬送装置であって、
基台と、
前記基台に巻き付けられる搬送ベルトと、
を備え、
前記搬送ベルトは、前記物品が載せられる非環状のシート状部材を有し、
前記シート状部材は、前記所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合され、
前記基台に対して前記シート状部材を前記所定方向に移動させるための力を前記結合部材に付与する駆動部をさらに備える、
搬送装置。
【請求項11】
請求項10に記載の搬送装置であって、請求項1~9のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2015―9972号公報)に開示されるように、基台に無端ベルトが巻き付けられた搬送装置が知られている。このような搬送装置を清掃する際には、無端ベルトの環状の状態を維持したまま、無端ベルトを基台から取り外す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1(特開2015―9972号公報)に記載の搬送装置を複数台並べて用いる場合、各搬送装置の無端ベルトが互いに隣接していると、清掃およびメンテナンス等の際に各搬送装置の基台から無端ベルトを短時間で取り外すことが難しい。そのため、清掃およびメンテナンス等の作業効率が低下するおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、基台からベルトを容易に取り外すことができ、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る搬送装置は、物品を所定方向に搬送する。搬送装置は、基台と、基台に巻き付けられる搬送ベルトとを備える。搬送ベルトは、物品が載せられる非環状のシート状部材を有する。シート状部材は、所定方向における一方の端部である第1端部と、他方の端部である第2端部とを有する。第1端部および第2端部は、搬送ベルトに対して着脱可能な結合部材によって結合されている。
【0006】
この搬送装置は、基台から搬送ベルトを容易に取り外すことができ、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる。
【0007】
本発明の第2観点に係る搬送装置は、第1観点に係る搬送装置であって、第1端部は、シート状部材の表面に取り付けられる第1突出部を有する。第2端部は、シート状部材の表面に取り付けられる第2突出部を有する。結合部材は、第1突出部と第2突出部とを挟み込んで結合する。
【0008】
本発明の第3観点に係る搬送装置は、第1観点に係る搬送装置であって、結合部材は、第1端部および第2端部においてシート状部材が重なり合った重なり部において、第1端部と第2端部とを挟み込んで結合する。第1端部および第2端部の少なくとも一方は、折り曲げられている。
【0009】
本発明の第4観点に係る搬送装置は、第1観点に係る搬送装置であって、第1端部は、シート状部材の表面に取り付けられる第1突出部を有する。結合部材は、第1突出部と、第2端部におけるシート状部材とを挟み込んで結合する。
【0010】
本発明の第5観点に係る搬送装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る搬送装置であって、結合部材は、第1部材と、第1部材に対して回転可能に取り付けられている第2部材とを有する。結合部材は、第1端部および第2端部の少なくとも一方に第1部材が取り付けられている状態で第2部材を回転させることで、第1端部と第2端部とを挟み込んで結合する。
【0011】
本発明の第6観点に係る搬送装置は、第5観点に係る搬送装置であって、第1部材は、第1端部に対する第2端部の相対的な位置を決めるための位置決め部材を有する。
【0012】
本発明の第7観点に係る搬送装置は、第6観点に係る搬送装置であって、第1端部および第2端部は、貫通孔を有する。位置決め部材は、第1端部および第2端部のそれぞれの貫通孔を通過可能である。
【0013】
本発明の第8観点に係る搬送装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る搬送装置であって、第1端部および第2端部は、シート状部材の上方または下方から結合部材によって結合されている。
【0014】
本発明の第9観点に係る搬送装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る搬送装置であって、第1端部および第2端部は、所定方向に直交する方向におけるシート状部材の両端部の少なくとも一方において、結合部材によって結合されている。
【0015】
本発明の第10観点に係る搬送装置は、第1乃至第9観点のいずれか1つに係る搬送装置であって、基台に対してシート状部材を所定方向に移動させるための力を結合部材に付与する駆動部をさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る搬送装置は、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る計量装置100の斜視図である。
【
図3】
図1の計量装置100を、供給コンベア70が取り外された状態で右方向から視た側面図である。
【
図4】
図1の計量装置100に含まれる計量コンベア10を右方向から視た側面図である。
【
図5】
図5A~
図5Eは、計量コンベア10から集合コンベア40への物品Aの受け渡しを説明する図である。
【
図6】
図1の計量装置100に含まれる供給コンベア70を前方向から視た正面図である。
【
図7】
図1の計量装置100の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】支持部14に取り付けられた状態の搬送ベルト15の斜視図である。
【
図9】支持部14から取り外された状態の搬送ベルト15の斜視図である。
【
図11】第1部材15c1の位置決め部材15hを、第1突出部15b1および第2突出部15b2の貫通孔15eに通過させた状態の図である。
【
図12】第1突出部15b1および第2突出部15b2を、第1部材15c1および第2部材15c2で挟み込んだ状態の図である。
【
図13】第1部材15c1と第2部材15c2との間の間隔を短くした状態の図である。
【
図14】第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置が下げられた状態の図である。
【
図15】変形例Aにおける、結合部材15cによって第1端部15a1および第2端部15a2が結合されたシート状部材15aの斜視図である。
【
図16】変形例Aにおける、シート状部材15aの第1端部15a1および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【
図17】変形例Bにおける、シート状部材15aの第1突出部15b1および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【
図18】変形例Cにおける、シート状部材15aの第1突出部15b1および第2突出部15b2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
(1)計量装置100の全体構成
計量装置100は、本体フレーム30と、複数台の計量コンベア10と、集合コンベア40と、供給コンベア70と、制御部90とを備える。計量コンベア10は、本発明の搬送装置に相当する。
【0020】
図1は、計量装置100の斜視図である。
図2は、計量装置100の平面図である。
図1に示されるように、計量装置100は、10台の計量コンベア10A~10Jを備える。以下の説明では、図面に記載されている「前後方向」、「左右方向」および「上下方向」の用語を用いる。これらの3つの方向は、互いに直交している。
【0021】
計量装置100は、物品Aを計量して容器Cに収容する。計量装置100は、それぞれの計量コンベア10において計量された物品Aの計量値のうちの1つまたは複数の計量値を組み合わせた値が、所定の目標値を基準とした許容範囲内となるように、計量コンベア10において計量された物品Aの組み合わせを選択する。計量装置100は、選択された物品Aを容器Cに収容する。
【0022】
物品Aは、例えば、傷が付きやすい物、または、傷が付くことで商品価値が下がる物である。そのような物品の例としては、生菓子および半生製品等の形状が不安定な物、海産物(ウニ、イクラ、たらこ等)、および、それらを加工した粘着性の物(漬物、佃煮等)が挙げられる。しかし、物品Aは、これらのものに限定されない。図面では、物品Aは、1つの楕円で表されているが、物品Aは、1つの物からなるものでも、複数の物からなるものでもよい。
【0023】
図1および
図2に示されるように、計量装置100の本体フレーム30の後方端部の上面には、載置皿50が配置されている。載置皿50は、計量装置100において計量される物品Aを載置しておくための皿である。作業者は、載置皿50に載置された物品Aを掴み、10台の計量コンベア10A~10Jのそれぞれに載置する。作業者の代わりにロボットハンドが、物品Aを計量コンベア10A~10Jに載置してもよい。
【0024】
(2)計量装置100の詳細な構成
(2-1)計量コンベア10
図3は、計量装置100を、供給コンベア70が取り外された状態で右方向から視た側面図である。
図4は、計量装置100に含まれる計量コンベア10を右方向から視た側面図である。
【0025】
計量コンベア10は、載置される物品Aの重量を計量し、計量した物品Aを前後方向(所定方向)に搬送して集合コンベア40に送り出す。計量コンベア10は、主として、計量部11および送出部20としての機能を有する。計量部11は、載置される物品Aの重量を計量する。送出部20は、計量部11において計量された物品Aを前後方向に送り出す。
【0026】
(2-1-1)計量部11
計量部11は、主として、支持ローラ13と、支持部14(基台)と、搬送ベルト15と、アングル17と、ロードセル18とを有する。
【0027】
支持ローラ13は、モータ等によって駆動されない従動ローラである。支持ローラ13は、支持部14によって支持されている。支持部14は、アングル17を介して本体フレーム30に固定されている。
【0028】
支持ローラ13は、搬送ベルト15を支持する。搬送ベルト15には、計量部11によって計量される物品Aが載置される。搬送ベルト15は、支持ローラ13を介して支持部14に巻き付けられている。搬送ベルト15は、支持部14に対して前後方向に移動可能なように設けられている。すなわち、搬送ベルト15は、前後方向に沿って支持部14に巻き付けられている。搬送ベルト15の詳細な構成については後述する。
【0029】
アングル17は、本体フレーム30に対して支持部14を支持する。アングル17は、ロードセル18の自由端部に連結されている。ロードセル18は、支持ローラ13、支持部14、搬送ベルト15およびアングル17の重量、および、これらに作用する荷重を検出する。ロードセル18は、検出した荷重に関する信号を制御部90に送信する。
【0030】
(2-1-2)送出部20
送出部20は、主として、搬送ベルト15と、係止部21と、被係止部22と、駆動部23とを有する。すなわち、搬送ベルト15は、計量部11だけではなく送出部20としての機能も有する。
【0031】
係止部21は、搬送ベルト15に形成される突起部分であり、被係止部22によって係止される。係止部21の詳細な構成については後述する。
【0032】
被係止部22は、
図4に示されるように、左右方向から視た形状がU字型の部材である。被係止部22は、前側被係止部22aと後側被係止部22bとを有する。係止部21は、前側被係止部22aと後側被係止部22bとの間に位置している。
【0033】
被係止部22は、駆動部23によって前後方向に移動可能なように設けられている。
図4において、被係止部22が前後方向において前方へ移動することによって、後側被係止部22bが係止部21を前方に押し出し、これにより搬送ベルト15が前方に移動する。反対に、被係止部22が前後方向において後方へ移動することによって、前側被係止部22aが係止部21を後方に押し出し、これにより搬送ベルト15が後方に移動する。搬送ベルト15上の物品Aは、搬送ベルト15の前後方向の移動に伴って、前後方向に沿って搬送される。
【0034】
駆動部23は、主として、ボールネジ23aと、モータ23bと、タイミングベルト23cとを有する。ボールネジ23aは、前後方向に延びている部材である。ボールネジ23aの前後方向の一端は、被係止部22に接続されている。ボールネジ23aは、モータ23bから伝達される回転力を、前後方向の直線運動に変換する。すなわち、ボールネジ23aは、モータ23bの駆動力を、被係止部22の前後方向の直線運動に変換する。タイミングベルト23cは、モータ23bの駆動力をボールネジ23aに伝達する。モータ23bは、例えば、電動式のサーボモータである。モータ23bの駆動軸の回転方向および回転量は、制御部90によって制御される。
【0035】
(2-2)集合コンベア40
集合コンベア40は、計量コンベア10によって計量されて送り出された物品Aを受け取って供給コンベア70に供給する。
図5A~
図5Eは、計量コンベア10から集合コンベア40への物品Aの受け渡しを説明する図である。集合コンベア40は、主として、本体フレーム40aと、本体部40bと、搬送部41と、搬送部移動機構51とを有する。本体部40bは、本体フレーム40aを支持する。本体フレーム40aは、搬送部41を支持する。
【0036】
搬送部41は、計量部11から送出部20によって前後方向に送り出される物品Aを受け取って、前後方向と交差する方向に搬送する。具体的には、搬送部41は、前後方向と直交する左右方向において右方向に物品Aを搬送する。搬送部41は、主として、支持部42と、支持ローラ43と、移載ベルト44と、駆動部45とを有する。
【0037】
支持部42は、本体フレーム40aに固定され、支持ローラ43を支持する。支持ローラ43は、駆動部45によって駆動される駆動ローラ43aと、駆動部45によって駆動されない従動ローラ43bとを有する。駆動部45は、モータ45aと、タイミングベルト45bとを有する。モータ45aの駆動力は、タイミングベルト45bを介して駆動ローラ43aに伝達される。
【0038】
移載ベルト44は、左右方向において、駆動ローラ43aと従動ローラ43bとの間に架け渡されている。駆動ローラ43aが駆動して回転することで、移載ベルト44は左右方向に移動する。移載ベルト44上の物品Aは、移載ベルト44の左右方向の移動に伴って、左右方向に沿って搬送される。
【0039】
搬送部移動機構51は、
図5A~
図5Eに示されるように、前後方向において第1位置P1と第2位置P2との間で搬送部41を移動させる。第1位置P1は、集合コンベア40が計量コンベア10から物品Aを受け取る位置である。第1位置P1は、計量コンベア10の下方において、前後方向において移載ベルト44の前端が搬送ベルト15の前端と一致する位置である。
図2において、第1位置P1にある搬送部41は点線で示されている。第2位置P2は、前後方向において第1位置P1よりも前方にある位置にある。第2位置P2は、前後方向において移載ベルト44の後端が搬送ベルト15の前端と略一致する位置である。
図2において、第2位置P2にある搬送部41は実線で示されている。
【0040】
搬送部移動機構51は、主として、レール53と、コロ54と、エアシリンダ55とを有する。レール53は、前後方向に延びている。レール53の前後方向の両端は、本体フレーム30に固定されている。コロ54は、本体部40bに支持されている。コロ54は、レール53上を前後方向に回転可能に設けられ、レール53に沿って本体部40bを前後方向に移動可能なように支持する。これにより、搬送部41(集合コンベア40)は、前後方向に移動可能なように設けられる。
【0041】
エアシリンダ55は、主として、ケーシング55aと、ピストンロッド55bとを有する。ケーシング55aは、本体フレーム30に固定されている。ピストンロッド55bは、本体部40bに固定されている。ピストンロッド55bは、空気圧によってケーシング55aに対して前後方向に進退可能なように設けられている。これにより、本体部40bを有する集合コンベア40は、エアシリンダ55の作用によって、前後方向に沿って移動可能なように設けられる。
【0042】
エアシリンダ55は、制御部90によって制御される。具体的には、制御部90は、第1位置P1における搬送部41(集合コンベア40)の移動速度V2と、搬送ベルト15上で物品Aが送り出される送出速度V1とが一致するように、ピストンロッド55bの進退速度を制御する。
【0043】
(2-3)供給コンベア70
供給コンベア70は、集合コンベア40から供給される物品Aを受け取って、容器Cに収容する。
図6は、計量装置100に含まれる供給コンベア70を前方向から視た正面図である。供給コンベア70は、主として、受取部71と、受取部移動機構81とを有する。
【0044】
受取部71は、集合コンベア40から物品Aを受け取る。受取部71は、主として、本体部72と、支持部73と、支持ローラ74と、移載ベルト75と、アングル76と、係止部77と、被係止部78と、駆動部79と、容器載置部88とを有する。本体部72は、架台31に設置されている。本体部72は、コロ84を有する。本体部72は、コロ84により、左右方向に移動可能なように設けられている。支持ローラ74は、支持部73に支持される従動ローラである。移載ベルト75は、支持ローラ74を介して支持部73に巻き付けられている。支持部73は、アングル76を介して本体部72に固定されている。容器載置部88は、架台31上に設けられている。容器載置部88は、第2位置P2に位置する集合コンベア40の下流端(右側の端部)に隣接して配置される。容器載置部88は、集合コンベア40から供給コンベア70に物品Aが受け渡される位置の下流側(右側)に設けられる。容器載置部88上には、容器Cが載置される。
【0045】
移載ベルト75は、集合コンベア40から受け渡される物品Aが載置される。供給コンベア70の移載ベルト75と、集合コンベア40の移載ベルト44との間には、上下方向に段差Hが設けられている。段差Hの大きさは、物品Aに応じて適宜に設定される。移載ベルト75は、支持部73に対して左右方向に移動可能なように設けられている。
【0046】
係止部77は、移載ベルト75に形成される突起部分であり、被係止部78によって係止される。被係止部78は、
図6に示されるように、左右方向から視た形状がU字型の部材である。被係止部78は、右側被係止部78aと左側被係止部78bとを有する。係止部77は、右側被係止部78aと左側被係止部78bとの間に位置している。
【0047】
被係止部78は、駆動部79によって前後方向に移動可能なように設けられている。
図6において、被係止部78が左右方向において左方へ移動することによって、右側被係止部78aが係止部77を左方に押し出し、これにより移載ベルト75が左方に移動する。反対に、被係止部78が左右方向において右方へ移動することによって、左側被係止部78bが係止部77を右方に押し出し、これにより移載ベルト75が右方に移動する。
【0048】
駆動部79は、主として、ボールネジ79aと、モータ79bと、タイミングベルト79cとを有する。ボールネジ79aは、左右方向に延びている部材である。ボールネジ79aの左右方向の一端は、被係止部78に接続されている。ボールネジ79aは、モータ79bから伝達される回転力を、左右方向の直線運動に変換する。すなわち、ボールネジ79aは、モータ79bの駆動力を、被係止部78の左右方向の直線運動に変換する。タイミングベルト79cは、モータ79bの駆動力をボールネジ79aに伝達する。モータ79bは、例えば、電動式のサーボモータである。モータ79bの駆動軸の回転方向および回転量は、制御部90によって制御される。
【0049】
受取部移動機構81は、主として、コロ84と、エアシリンダ85とを有する。コロ84は、本体部72に支持されている。コロ84は、架台31上を左右方向に回転可能に設けられ、本体部72を左右方向に移動可能なように支持する。これにより、供給コンベア70は、前後方向に移動可能なように設けられる。
【0050】
エアシリンダ85は、主として、ケーシング85aと、ピストンロッド85bとを有する。ケーシング85aは、架台31に固定されている。ピストンロッド85bは、本体部72に固定されている。ピストンロッド85bは、空気圧によってケーシング85aに対して左右方向に進退可能なように設けられている。これにより、本体部72を有する供給コンベア70は、エアシリンダ85の作用によって、左右方向に沿って移動可能なように設けられる。
【0051】
エアシリンダ85は、制御部90によって制御される。具体的には、制御部90は、本体部72の左右方向右方への移動速度と、移載ベルト75の左右方向左方への送出速度が一致するように、ピストンロッド85bの進退速度を制御する。
【0052】
(2-4)制御部90
制御部90は、本体フレーム30内に配置されるコンピュータである信号処理装置である。制御部90は、主として、CPU、ROM、RAMおよび補助記憶装置(HDDおよびSSD等)を有する。
図7は、計量装置100の機能構成を示すブロック図である。制御部90は、
図7に示されるように、計量コンベア10、集合コンベア40および供給コンベア70の動作を制御する。
【0053】
(3)計量装置100の動作
計量装置100の起動時には、全ての計量コンベア10において、係止部21および被係止部22は、前後方向において載置皿50に最も近い位置(最も後方の位置)に位置している。このとき、全ての計量コンベア10は、物品Aの計量が可能な状態にある。この状態において、作業者は、載置皿50に載置された物品Aを、計量コンベア10A~10Jのそれぞれに載置する。各計量コンベア10A~10Jの計量部11は、載置された物品Aの重量を計量して、物品Aの計量値に関する信号を制御部90に送信する。制御部90は、それぞれの計量コンベア10において計量された物品Aの計量値のうちの1つまたは複数の計量値を組み合わせた値が、所定の目標値を基準とした許容範囲内となるように、計量コンベア10において計量された物品Aの組み合わせを選択する。制御部90は、計量部11が物品Aを計量するときに、係止部21と被係止部22とが互いに接触しないように駆動部23を制御する。以下において、制御部90は、3つの計量コンベア10D、10E、10Gにおいて計量された物品Aの組み合わせを選択したものとする。
【0054】
制御部90は、3つの計量コンベア10D、10E、10Gのそれぞれのモータ23bを制御して被係止部22を前方に移動させて、
図5Aに示されるように搬送ベルト15を前方に移動させる。これにより、
図1および
図2に示されるように、計量コンベア10D、10E、10Gのそれぞれの搬送ベルト15上の物品Aは、集合コンベア40に送り出される。制御部90は、被係止部22の移動に連動して集合コンベア40が移動するように、搬送部移動機構51のエアシリンダ55を制御する。
図5Bおよび
図5Cに示されるように、制御部90は、搬送部41の移動速度V2と、搬送ベルト15上で物品Aが送り出される送出速度V1とが一致するように、ピストンロッド55bの進退速度を制御する。制御部90は、少なくとも物品Aが計量コンベア10から集合コンベア40に受け渡されるときに、移動速度V2と送出速度V1とが一致するように、モータ23bおよびピストンロッド55bを制御する。
【0055】
図5Dに示されるように、移動速度V2と送出速度V1とが同じになるように制御された状態で、計量コンベア10の搬送ベルト15から、集合コンベア40の移載ベルト44に物品Aが受け渡される。
図5Eに示されるように、集合コンベア40は、受け渡された物品Aを載置した状態で第2位置P2まで移動する。その後、制御部90は、モータ23bおよびピストンロッド55bを制御して、係止部21と被係止部22とが互いに接触しない状態にして、計量部11の零点補正を実行する。
【0056】
次に、制御部90は、集合コンベア40のモータ45aを制御して、第2位置P2において、移載ベルト44上の複数の物品Aを左右方向の右方へ搬送させる。これにより、集合コンベア40の移載ベルト44から、供給コンベア70の移載ベルト75に、複数の物品Aが受け渡される。このとき、制御部90は、移載ベルト75を左右方向の右方に移動させるタイミングを制御して、移載ベルト44から受け渡される複数の物品Aを、移載ベルト75上に隙間なく並べたり、移載ベルト75上に所定の間隔を空けて並べたりすることができる。
【0057】
次に、制御部90は、供給コンベア70の本体部72の左右方向右方への移動速度と、移載ベルト75の左右方向左方への送出速度が一致するように、ピストンロッド85bの進退速度を制御する。これにより、移載ベルト75上の複数の物品Aから、容器載置部88上の容器Cの内部に、物品Aが送り出される。物品Aが収容された容器Cは、包装および検査等の工程を経て出荷される。
【0058】
計量装置100では、計量部11の搬送ベルト15上で物品Aが送り出される送出速度V1と、物品Aを受け取る搬送部41の移動速度V2とが同じである。これにより、計量部11と搬送部41との間の相対的な速度を小さくすることができるので、計量コンベア10から集合コンベア40に物品Aをスムーズに受け渡すことができる。そのため、物品Aが型崩れしやすい物、または粘着性の物であっても、計量コンベア10から集合コンベア40への物品Aの受け渡し時に、形状が崩れることが抑制される。また、計量部11は、本体フレーム30に固定されており、移動による振動および加速度の影響を受けないので、物品Aの計量精度の低下を抑制することができる。
【0059】
(4)搬送ベルト15の詳細な構成
次に、本実施形態の計量装置100における、計量コンベア10の搬送ベルト15の詳細な構成について説明する。
【0060】
計量コンベア10では、搬送ベルト15は、支持ローラ13を介して支持部14に巻き付けられている。搬送ベルト15は、計量コンベア10の清掃およびメンテナンス等のために、支持部14から取り外したり、支持部14に取り付けたりすることができる。
図8は、支持部14に取り付けられた状態の搬送ベルト15の斜視図である。
図9は、支持部14から取り外された状態の搬送ベルト15の斜視図である。
【0061】
搬送ベルト15は、非環状のシート状部材15aを有する。シート状部材15aは、計量コンベア10に物品Aが載置されるときに、物品Aが接触する表面を有する。シート状部材15aは、支持部14に容易に巻き付けられる程度に変形可能な材質から形成されている。
【0062】
シート状部材15aは、その長手方向(前後方向)における一方の端部である第1端部15a1と、他方の端部である第2端部15a2とを有する。第1端部15a1および第2端部15a2は、搬送ベルト15に対して着脱可能な結合部材15cによって結合されている。シート状部材15aは非環状であるので、シート状部材15aを支持部14に取り付けるためには、支持部14に搬送ベルト15を巻き付けて第1端部15a1と第2端部15a2とを結合させる必要がある。結合部材15cによって、
図8に示されるように、シート状部材15aは、環状の状態で支持部14に巻き付けられる。
図9では、第1端部15a1および第2端部15a2から結合部材15cが取り外された状態が示されている。
図8に示される状態において、駆動部23は、支持部14に対してシート状部材15aを前後方向に移動させるための力を結合部材15cに付与する。
【0063】
第1端部15a1は、シート状部材15aの表面に取り付けられる第1突出部15b1を有する。第2端部15a2は、シート状部材15aの表面に取り付けられる第2突出部15b2を有する。
図9に示されるように、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、シート状部材15aの幅方向(左右方向)に延びた直方体の形状を有している。第1突出部15b1および第2突出部15b2は、例えば、シート状部材15aの表面に接着によって取り付けられている樹脂製の部材である。
図8において、第1突出部15b1、第2突出部15b2および結合部材15cは、計量コンベア10の係止部21に相当する。
【0064】
第1突出部15b1および第2突出部15b2は、それぞれ、シート状部材15aの長手方向(前後方向)に延びている2つの貫通孔15eを有する。
図8に示される状態では、左右方向および上下方向において、第1突出部15b1の2つの貫通孔15eの位置は、第2突出部15b2の2つの貫通孔15eの位置と同じである。
【0065】
結合部材15cは、第1突出部15b1と第2突出部15b2とを挟み込んで結合するための部材である。結合部材15cは、第1部材15c1と、第1部材15c1に対して回転可能に取り付けられている第2部材15c2とを有する。結合部材15cは、第1端部15a1および第2端部15a2の少なくとも一方に第1部材15c1が取り付けられている状態で第2部材15c2を回転させることで、第1端部15a1(第1突出部15b1)と第2端部15a2(第2突出部15b2)とを挟み込んで結合する。第1部材15c1および第2部材15c2は、ステンレス等の金属製の部材である。
【0066】
図10は、結合部材15cの斜視図である。第1部材15c1は、その両方の端部15f2の近傍において略直角に湾曲している湾曲部15f1を有する略U字形状の部材である。湾曲部15f1から端部15f2までの寸法は、2つの湾曲部15f1の間の寸法と比較して短い。湾曲部15f1から端部15f2までの間には、湾曲部15f1のR形状の外側に向かって突出している軸部材15gが取り付けられている。第1部材15c1には、2つの軸部材15gが取り付けられている。2つの湾曲部15f1の間には、湾曲部15f1のR形状の外側に向かって突出している2つの位置決め部材15hが形成されている。位置決め部材15hは、第1突出部15b1および第2突出部15b2の貫通孔15eを通過可能な形状を有している。位置決め部材15hの長手方向(前後方向)において、位置決め部材15hの寸法は、第1突出部15b1の貫通孔15eの寸法と、第2突出部15b2の貫通孔15eの寸法との合計よりも少し大きい。位置決め部材15hは、第1突出部15b1に対する第2突出部15b2の左右方向の相対的な位置を決める。
【0067】
第2部材15c2は、その両方の端部15i2の近傍において略直角に湾曲している湾曲部15i1を有する略U字形状の部材である。湾曲部15i1から端部15i2までの寸法は、2つの湾曲部15i1の間の寸法と比較して短く、かつ、第1部材15c1および第2部材15c2の短手方向(前後方向)の寸法の合計より長い。端部15i2の近傍には、略L字形状の軸孔15jが形成されている。第2部材15c2の軸孔15jには、第1部材15c1の軸部材15gが通過している。軸部材15gの先端の寸法は、軸孔15jの寸法よりも大きいので、第2部材15c2から第1部材15c1が外れることはない。軸部材15gの先端以外の寸法は、軸孔15jの寸法よりも小さく、軸部材15gは、軸孔15j内を移動可能である。これにより、第2部材15c2に対する第1部材15c1の位置は変更可能であり、かつ、第2部材15c2に対して第1部材15c1は回転可能である。
【0068】
図10では、軸孔15jの一部は軸部材15gによって覆われているが、軸孔15jの全体の形状が示されている。軸孔15jは、第1孔端部15j1と、第2孔端部15j2と、孔湾曲部15j3とから構成される。孔湾曲部15j3は、第1孔端部15j1と第2孔端部15j2とを接続している。第1孔端部15j1は、第2孔端部15j2および孔湾曲部15j3と比べて、端部15i2により近い位置にある。第2孔端部15j2および孔湾曲部15j3の、端部15i2からの位置は、ほとんど同じである。結合部材15cが第1突出部15b1と第2突出部15b2と結合している状態(
図8の状態)において、第2孔端部15j2は、孔湾曲部15j3よりも、シート状部材15aから離れた位置にある。第2孔端部15j2の寸法(幅)は、第1孔端部15j1および孔湾曲部15j3の寸法よりも小さく、軸部材15gの寸法(径)とほぼ同じである。そのため、軸部材15gが第2孔端部15j2の位置にあるとき、軸部材15gは軸孔15jに実質的に固定された状態にある。
【0069】
第2部材15c2の2つの湾曲部15i1の間には、2つの固定孔15kが形成されている。
図8において、第2部材15c2の2つの固定孔15kの左右方向の位置は、第1部材15c1の2つの位置決め部材15hの左右方向の位置と同じである。固定孔15kの寸法は、位置決め部材15hの寸法よりも少し大きい。固定孔15kは、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも大きい形状を有している。
【0070】
図9に示される状態から、結合部材15cを用いて第1端部15a1(第1突出部15b1)と第2端部15a2(第2突出部15b2)とを結合させて、
図8に示される状態にする工程について、
図11~14を用いて説明する。以下で説明する工程は、計量コンベア10の清掃およびメンテナンス等を行う作業者によって行われる。
図11~14では、第1突出部15b1および第2突出部15b2のみが示され、シート状部材15aは省略されている。
図11~14では、
図10と同様に、軸孔15jの全体の形状が示されている。
【0071】
最初に、作業者は、支持部14にシート状部材15aを巻き付けて、第1突出部15b1の2つの貫通孔15eが第2突出部15b2の2つの貫通孔15eと連通するように、第1突出部15b1と第2突出部15b2とを互いに接触させる。
【0072】
次に、作業者は、
図11に示されるように、結合部材15cの第1部材15c1の2つの位置決め部材15hを、第1突出部15b1および第2突出部15b2のそれぞれの2つの貫通孔15eに通過させる。このとき、作業者は、最初に、位置決め部材15hの先端を第2突出部15b2の貫通孔15eに挿入し、次に、第1突出部15b1の貫通孔15eに挿入する。
図11に示されるように、2つの位置決め部材15hを貫通孔15eに通過させた状態において、位置決め部材15hの先端は、第1突出部15b1の貫通孔15eから突出している。この状態では、第2部材15c2は、第1部材15c1に対して、
図11の矢印Rの方向に回転可能である。
【0073】
次に、作業者は、
図12に示されるように、第1部材15c1に対して、第2部材15c2を
図11の矢印Rの方向に約180°回転させて、第1突出部15b1および第2突出部15b2を、第1部材15c1および第2部材15c2で挟み込む。これにより、第1部材15c1および第2部材15c2は、シート状部材15aの表面と接触する。この時点では、位置決め部材15hの先端は、第2部材15c2の固定孔15kに挿入されていない。第1部材15c1の軸部材15gは、第2部材15c2の軸孔15jの第1孔端部15j1の位置にある。
【0074】
次に、作業者は、
図13に示されるように、第1部材15c1と第2部材15c2との間の間隔を短くする。これは、例えば、
図12に示される状態において、矢印T1の方向(前後方向)に沿って第1部材15c1と第2部材15c2とを作業者が手で挟み込むことにより行われる。これにより、位置決め部材15hの先端は、固定孔15kに挿入される。この時点では、位置決め部材15hの先端は、固定孔15kの下部に位置している。第1部材15c1の軸部材15gは、第2部材15c2の軸孔15jの第1孔端部15j1から孔湾曲部15j3に移動する。
【0075】
次に、作業者は、
図14に示されるように、第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置を下げる。作業者は、例えば、両手で第2部材15c2の両方の端部15i2を持ち上げて、第1部材15c1または第2部材15c2に対して上下方向の力を加えることで、第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置を下げる。または、作業者は、
図13の矢印T2の方向に沿って第2部材15c2に力を加えることで、第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置を下げてもよい。これにより、位置決め部材15hの先端は、固定孔15kの下部から上部に移動し、第1部材15c1の軸部材15gは、第2部材15c2の軸孔15jの孔湾曲部15j3から第2孔端部15j2に移動する。第2孔端部15j2の位置にある軸部材15gは、実質的に固定された状態にあるので、これにより、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、第1部材15c1および第2部材15c2によって結合された状態になる。
【0076】
以上の工程により、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、互いに接触している状態で結合部材15cによって結合される。
【0077】
図8に示される状態から、第1突出部15b1および第2突出部15b2から結合部材15cを取り外して、
図9に示される状態にする工程について説明する。この工程は、実質的に、結合部材15cで第1突出部15b1と第2突出部15b2とを結合する上記の工程の逆である。
【0078】
最初に、作業者は、第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置を上げる。作業者は、例えば、両手で第2部材15c2の両方の端部15i2を持ち上げて、第1部材15c1または第2部材15c2に対して上下方向の力を加えることで、第1部材15c1に対する第2部材15c2の位置を上げる。これにより、位置決め部材15hの先端は、固定孔15kの上部から下部に移動し、軸部材15gは、軸孔15jの第2孔端部15j2から孔湾曲部15j3に移動する(
図13)。
【0079】
次に、作業者は、第1部材15c1と第2部材15c2との間の間隔を長くする。これにより、固定孔15kから位置決め部材15hの先端が外れて、軸部材15gは、軸孔15jの孔湾曲部15j3から第1孔端部15j1に移動する(
図12)。
【0080】
次に、作業者は、第1部材15c1に対して第2部材15c2を回転させて、第2部材15c2をシート状部材15aの表面から離す(
図11)。
【0081】
次に、作業者は、位置決め部材15hを、第1突出部15b1および第2突出部15b2の貫通孔15eから抜き出す。これにより、結合部材15cは、第1突出部15b1および第2突出部15b2から取り外される。
【0082】
(5)特徴
計量装置100では、作業者は、工具を用いることなく支持部14から搬送ベルト15を容易に取り外すことができる。また、
図1および
図2に示されるように、搬送ベルト15の幅方向(左右方向)に複数の計量コンベア10が並んで配置されており、隣接する計量コンベア10の間の隙間が小さい場合でも、作業者は、特定の計量コンベア10の搬送ベルト15のみを容易に取り外すことができる。そのため、計量コンベア10は、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる。
【0083】
(6)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明には、次に説明する変形例の少なくとも1つを適用することができる。
【0084】
(6-1)変形例A
実施形態では、シート状部材15aの第1端部15a1および第2端部15a2は、それぞれ、第1突出部15b1および第2突出部15b2を有する。しかし、以下に説明するように、シート状部材15aは、第1突出部15b1および第2突出部15b2を有さなくてもよい。
【0085】
図15は、結合部材15cによって第1端部15a1および第2端部15a2が結合されたシート状部材15aの斜視図である。
図16は、シート状部材15aの第1端部15a1および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【0086】
非環状のシート状部材15aは、第1端部15a1および第2端部15a2の幅方向(左右方向)の寸法が、他の部分の幅方向の寸法よりも短くなっている。第1端部15a1および第2端部15a2は、それぞれ、幅方向の同じ位置に形成される2つのネジ貫通孔15lを有している。
【0087】
結合部材15cは、下部部材15m1と、上部部材15m2と、2つの固定部材15m3とから構成される。下部部材15m1は、直方体の形状を有する樹脂製の部材である。上部部材15m2は、略U字型の断面形状を有する金属製の部材である。固定部材15m3は、ネジである。下部部材15m1は、固定部材15m3が嵌め込まれる2つのネジ穴15m4を有する。上部部材15m2は、固定部材15m3が通過可能である2つの貫通孔15m5を有する。
【0088】
結合部材15cは、第1端部15a1および第2端部15a2においてシート状部材15aが重なり合った重なり部15nにおいて、第1端部15a1と第2端部15a2とを挟み込んで結合する。第1端部15a1および第2端部15a2の少なくとも一方は、折り曲げられている。第1端部15a1および第2端部15a2は、シート状部材15aの上方または下方から結合部材15cによって結合されている。
【0089】
第1端部15a1および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する工程について説明する。
【0090】
最初に、作業者は、支持部14にシート状部材15aを巻き付けて、シート状部材15aが環状になるように、第1端部15a1と第2端部15a2とを重ね合わせる。これにより、第1端部15a1と第2端部15a2とが重なり合った重なり部15nが形成される。重なり部15nにおいて、第1端部15a1の2つのネジ貫通孔15lと、第2端部15a2の2つのネジ貫通孔15lとは互いに重なり合っている。
【0091】
次に、作業者は、
図16に示されるように、第1端部15a1および第2端部15a2を上方に湾曲させて、支持部14から重なり部15nを離す。そして、作業者は、重なり部15nと支持部14との間の空間に下部部材15m1を挿入する。作業者は、さらに、上部部材15m2で、重なり部15nの下方の下部部材15m1を挟み込む。このとき、上部部材15m2および下部部材15m1の左右方向の位置を調整して、下部部材15m1のネジ穴15m4、および、上部部材15m2の貫通孔15m5が、第1端部15a1および第2端部15a2のネジ貫通孔15lと重なるようにする。
【0092】
次に、作業者は、シート状部材15aの上方から固定部材15m3を、貫通孔15m5、ネジ貫通孔15lおよびネジ穴15m4に順に通して、ネジ留めする。これにより、重なり部15nは、下部部材15m1と上部部材15m2との間において固定部材15m3によって挟み込まれる。以上より、第1端部15a1および第2端部15a2は、結合部材15cによって結合される。
【0093】
(6-2)変形例B
実施形態では、シート状部材15aの第1端部15a1および第2端部15a2は、それぞれ、第1突出部15b1および第2突出部15b2を有する。しかし、以下に説明するように、シート状部材15aは、第1突出部15b1および第2突出部15b2の一方のみを有してもよい。
【0094】
図17は、本変形例において、シート状部材15aの第1突出部15b1および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【0095】
第1端部15a1は、実施形態と同様に、シート状部材15aの表面に取り付けられる第1突出部15b1を有する。一方、第2端部15a2は、第2突出部15b2を有さない。第2端部15a2の幅方向(左右方向)の寸法は、他の部分の幅方向の寸法よりも短くなっている。第1突出部15b1および第2端部15a2は、それぞれ、2つのネジ穴15m4および2つのネジ貫通孔15lを有している。ネジ穴15m4は、上下方向に延びている。ネジ穴15m4およびネジ貫通孔15lは、幅方向において同じ位置に形成されている。
【0096】
結合部材15cは、変形例Aの上部部材15m2および固定部材15m3から構成される。結合部材15cは、第1突出部15b1と、第2端部15a2におけるシート状部材15aとを挟み込んで結合する。
【0097】
図17に示されるように、第2端部15a2は、第1突出部15b1の表面に沿って上方に湾曲している。具体的には、第2端部15a2は、第1突出部15b1の上方に重ね合わさるように、第1突出部15b1の表面に沿って折り曲げられている。第1突出部15b1および第2端部15a2は、シート状部材15aの上方から結合部材15cによって結合されている。
【0098】
第1端部15a1(第1突出部15b1)および第2端部15a2を結合部材15cにより結合する工程について説明する。
【0099】
最初に、作業者は、支持部14にシート状部材15aを巻き付けて、シート状部材15aが環状になるように、第1突出部15b1と第2端部15a2とを重ね合わせる。これにより、第2端部15a2は、第1突出部15b1の上方に重ね合わされる。このとき、第1突出部15b1の2つのネジ穴15m4と、第2端部15a2の2つのネジ貫通孔15lとは互いに重なり合っている。
【0100】
次に、作業者は、上部部材15m2で、第1突出部15b1および第2端部15a2を挟み込む。このとき、上部部材15m2の左右方向の位置を調整して、上部部材15m2の貫通孔15m5が、第1突出部15b1のネジ穴15m4、および、第2端部15a2のネジ貫通孔15lと重なるようにする。
【0101】
次に、作業者は、シート状部材15aの上方から固定部材15m3を、貫通孔15m5、ネジ貫通孔15lおよびネジ穴15m4に順に通して、ネジ留めする。これにより、第2端部15a2は、第1突出部15b1と上部部材15m2との間において固定部材15m3によって挟み込まれる。以上より、第1突出部15b1および第2端部15a2は、結合部材15cによって結合される。
【0102】
(6-3)変形例C
実施形態では、シート状部材15aの第1端部15a1および第2端部15a2は、結合部材15cによって前後方向に挟み込まれて結合される。変形例Aおよび変形例Bでは、第1端部15a1(第1突出部15b1)および第2端部15a2は、シート状部材15aの上方または下方から結合部材15cによって挟み込まれて結合される。
【0103】
しかし、以下に説明するように、第1端部15a1および第2端部15a2は、左右方向(前後方向に直交する方向)におけるシート状部材15aの両端部の少なくとも一方において、結合部材15cによって挟み込まれて結合されてもよい。
【0104】
図18は、本変形例において、シート状部材15aの第1突出部15b1および第2突出部15b2を結合部材15cにより結合する方法を説明するための図である。
【0105】
図18に示されるように、第1突出部15b1および第2突出部15b2の左右方向の両端部は、一対の結合部材15cによって結合されている。結合部材15cは、例えば、第1突出部15b1および第2突出部15b2の両端部を挟み込むクリップである。これにより、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、結合部材15cによって結合される。
【0106】
(6-4)変形例D
実施形態では、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、シート状部材15aの表面に接着によって取り付けられている。しかし、第1突出部15b1および第2突出部15b2は、例えば、ネジまたはクリップ等によってシート状部材15aに取り付けられてもよい。この場合、作業者は、清掃およびメンテナンス等を行う時に、第1突出部15b1および第2突出部15b2をシート状部材15aから一時的に取り外すことができる。
【0107】
(6-5)変形例E
実施形態では、結合部材15cの第1部材15c1は、2つの位置決め部材15hを有している。しかし、第1部材15c1は、1つの位置決め部材15hのみを有してもよく、3つ以上の位置決め部材15hを有してもよい。第1突出部15b1の貫通孔15eの数、および、第2突出部15b2の貫通孔15eの数は、第1部材15c1の位置決め部材15hの数と同じである。
【0108】
また、第1部材15c1の位置決め部材15hの左右方向の位置は、第1部材15c1の左右方向の中心位置に対して非対称であってもよい。これにより、第1部材15c1の位置決め部材15hを、第1突出部15b1および第2突出部15b2の貫通孔15eに挿入する時において、結合部材15c(第1突出部15b1)の向きが一意に決定される。
【0109】
また、第1部材15c1が複数の位置決め部材15hを有する場合、少なくとも2つの位置決め部材15hの径が互いに異なっていてもよい。これにより、第1部材15c1の位置決め部材15hを、第1突出部15b1および第2突出部15b2の貫通孔15eに挿入する時において、結合部材15c(第1突出部15b1)の向きが一意に決定される。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明に係る搬送装置は、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0111】
10 計量コンベア(搬送装置)
14 支持部(基台)
15 搬送ベルト
15a シート状部材
15a1 第1端部
15a2 第2端部
15b1 第1突出部
15b2 第2突出部
15c 結合部材
15c1 第1部材
15c2 第2部材
15e 貫通孔
15h 位置決め部材
15n 重なり部
23 駆動部
100 計量装置
A 物品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0112】