(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】聴診器
(51)【国際特許分類】
A61B 7/04 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61B7/04 J
(21)【出願番号】P 2021175163
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2021-11-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592148993
【氏名又は名称】東郷メディキット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】木船 和弥
(72)【発明者】
【氏名】田中 保臣
【合議体】
【審判長】加々美 一恵
【審判官】櫃本 研太郎
【審判官】松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/101375(WO,A1)
【文献】特開2021-153853(JP,A)
【文献】登録実用新案第3003077(JP,U)
【文献】米国特許第5467775(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に接する前端部と固定のための構造を有する後端部とを有し、前記前端部から前記後端部へ延びる空洞を画するホーンと、
前記構造を受容して前記ホーンを支持する開口を有するケースと、
前記ケースに収容されて支持される基板であって、前記開口に向けてマイクを固定的に支持する基板と、
内部の空気を介して音波を伝える貫通孔を有し、前記空洞に嵌入可能な弾性体であって、前記空洞に嵌入すると前記貫通孔を前記前端部へ向けるように、また前記ホーンが前記開口に結合すると前記貫通孔が前記マイクに接するように寸法付けられた弾性体と、
を備えた聴診器であって、前記ホーンと前記弾性体とは一体に前記ケース
に結合することができる聴診器。
【請求項2】
前記貫通孔の内面は前記マイクの外周に直接に密に接する、請求項1の聴診器。
【請求項3】
前記空洞を封ずるように前記前端部に付着し、前記音波を前記内部の空気に伝導可能なダイアフラムを、
さらに備えた請求項1または2の聴診器。
【請求項4】
前記ホーン、前記弾性体および前記マイクは、互いに同軸に嵌合している、請求項1ないし3の何れか1項の聴診器。
【請求項5】
前記ホーンは径方向に内方に突出して前記弾性体の前端に接するフランジを備え、
前記弾性体は前記フランジから前記基板に達するべく寸法づけられている、
請求項1ないし4の何れか1項の聴診器。
【請求項6】
前記ホーンは前記フランジから前記前端部に向かって前記空洞を拡径せしめるベル部を備える、請求項5の聴診器。
【請求項7】
前記弾性体はエラストマよりなる、請求項1ないし6の何れか1項の聴診器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体が発する音をマイクに導いて電気信号に変換する医療用の電子聴診器に関する。
【背景技術】
【0002】
疾病の診断や健康管理等、医療に関連した種々の目的のために、生体が発する音を利用することがある。古典的には所謂聴診器がその用に用いられてきた。従来の聴診器は、例えば一端がベル型に拡径したチェストピースと、チェストピースに組み込まれてその内外を隔てる薄いダイアフラムと、を備えたヘッドアセンブリを利用して集音する。医療従事者は、これに接続したチューブを介して音波を耳に直接に届けることにより、生体が発する音を観察する。特許文献1は関連する技術を開示する。
【0003】
従来の聴診器には高い汎用性があり、十分なスキルを有する医療従事者が利用すれば、種々の疾患の診断に利用することができる。しかしながら高い汎用性と引換えに、特定の用途に利用するときには幾つかの問題が生じることがある。
【0004】
例えば人工透析の必要な患者には、十分な血流を確保するべく腕の静脈を動脈に短絡(シャント)するバイパスを形成することがある。シャントに狭窄が生じているか否かは、シャントが生ずる音、所謂シャント音を聴診器を使って聞き分けることによって判断することができる。かかる判断は、十分なスキルを有する医療従事者によれば容易だが、患者自身によるときにはしばしば困難である。またヘッドアセンブリは雑音の混入を抑えつつ長期間の使用に耐えるために、極めて堅牢な構造を採用しており、それゆえその分解や組み立ては特に面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シャント音は、狭窄の有無により、特有の周波数ないし波形を生ずる。そこで音波を電気信号に変換し、これをアナログ的に処理して特定の信号を取り出し、判断をより容易にすることは可能だろう。あるいは信号をデジタル処理することにより、狭窄の有無を自動的かつ高感度に識別することが可能であると見込まれる。これらは聴診による判断を患者が自ら日常的に行うことを可能にする。
【0007】
電子的な聴診技術において、生体が発する音をどのように集音し、電気信号に変換するか、その手段と構造とが技術的な焦点である。シャント音のごとき生体が発する音は微弱であって、僅かな雑音の混入であっても正しい判断を妨げてしまうからである。また取り扱いは特に容易でなければならない。患者には身体機能に問題のあることが少なくないからである。またメンテナンス等の都合で分解及び組み立てをすることも考慮されるべきだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一局面によれば、聴診器は、対象に接する前端部と固定のための構造を有する後端部とを有し、前記前端部から前記後端部へ延びる空洞を画するホーンと、前記構造を受容して前記ホーンを支持する開口を有するケースと、前記ケースに収容されて支持される基板であって、前記開口に向けてマイクを固定的に支持する基板と、内部の空気を介して音波を伝える貫通孔を有し、前記空洞に嵌入可能な弾性体であって、前記空洞に嵌入すると前記貫通孔を前記前端部へ向けるように、また前記ホーンが前記開口に結合すると前記貫通孔が前記マイクに接するように寸法付けられた弾性体と、を備え、前記ホーンと前記弾性体とは一体に前記ケースに結合することができる。
【0009】
好ましくは、前記貫通孔の内面は前記マイクの外周に直接に密に接する。より好ましくは、聴診器は、前記空洞を封ずるように前記前端部に付着し、前記音波を前記内部の空気に伝導可能なダイアフラムをさらに備える。さらに好ましくは、前記ホーン、前記弾性体および前記マイクは、互いに同軸に嵌合している。さらにまた好ましくは、前記ホーンは径方向に内方に突出して前記弾性体の前端に接するフランジを備え、前記弾性体は前記フランジから前記基板に達するべく寸法づけられている。あるいは好ましくは、前記ホーンは前記フランジから前記前端部に向かって前記空洞を拡径せしめるベル部を備える。さらにあるいは好ましくは、前記弾性体はエラストマよりなる。
【発明の効果】
【0010】
簡易で取り扱いが容易な構造でありながら、雑音の混入を排除しうる電子聴診器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る聴診器の斜視図である。
【
図4】
図4は、聴診器の断面側面図であって、ホーンおよびその周辺を特に示す断面図である。
【
図5】
図5は、聴診器の断面側面図であって、弾性体が比較的に短い例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、聴診器の断面側面図であって、変形例に基づく。
【
図7】
図7は、聴診器の断面側面図であって、他の変形例に基づく。
【
図8】
図8は、聴診器の音響性能試験結果であってアナログモードの結果を示すグラフである。
【
図9】
図9は、聴診器の音響性能試験結果であってデジタルモードの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して以下に幾つかの例示的な実施形態を説明する。以下の説明および添付の特許請求の範囲を通じて、前方と後方との区別は聴診の対象に向かう方向を基準とし、すなわち対象により近い方向が前方であり、ケースあるいはケースを把持する操作者により近い方向が後方である。
【0013】
本実施形態による電子聴診器は、例えば血流が生ずる音を電気信号に変換する用途に利用することができ、特に腕の動脈と静脈とが短絡した部位が生ずるシャント音を対象にすることができる。言うまでもなく本実施形態による電子聴診器はより汎用的に利用することができ、他の循環器、あるいは呼吸器等の生体の他の部位を対象にすることができる。
【0014】
主に
図1乃至3を参照するに、本実施形態による電子聴診器は、聴診の対象、例えば腕に接して集音するためのホーン1と、これを支持するケース3と、を備える。ケース3はホーン1を受容する開口5を有し、またケース3の内部には電子基板7が収容され、電子基板7上にはマイク9が固定されている。ホーン1とマイク9との間は弾性体11が連絡しており、弾性体11を貫通する貫通孔25が音波をマイク9へ伝える。
【0015】
ケース3は、例えば樹脂よりなり、内部に基板を収容する空洞を有する。その外形は操作者が手で把持し易い適宜の形状を有し、例えば図示のごとく全ての角が丸くなった矩形である。もちろん外形は図示した例に限られず、基板の収容と把持の便宜とを考慮して、適宜の形状を採用することができる。
【0016】
ケース3は、ホーン1を支持する開口5の他、幾つかの開口を有することができる。図示の例では側面にイヤホンジャックを露出させるための開口を有し、また上面にはストラップを通す穴や電源スイッチを露出させるための開口を有する。また各図には現れていないが、汎用バスコネクタを接続するための開口が開けられていてもよい。もちろん適宜にさらに他の開口を設けることができる。
【0017】
内部に基板7を組み込む便宜のために、ケース3は、前後に、あるいは上下に、2つ以上に分解可能であってもよい。またケース3は、
図4乃至7を参照して理解できる通り、例えば樹脂よりなるケース本体3Aと、これを覆うカバー3Cと、よりなっていてもよい。カバー3Cには、滑り止めの便宜、あるいは遮音の便宜から、例えばシリコーンのごときエラストマを適用することができるが、もちろんこれに限られない。組み立ての際には、ケース本体3Aを分解した状態で基板7を組み込み、固定し、次いでケース本体3Aを互いに結合し、その後にケース本体3Aにカバー3Cを被せる。
【0018】
開口5はケース3の前面に開けられており、ホーン1の後端部17を受容する。マイク9は、例えば短い円柱状であり、集音端9Hを開口5に向けるように、基板7上に固定されている。またマイク9の基板7上における位置は、基板7がケース3に支持されたときに、マイク9が開口5と同軸になるように寸法づけられている。
【0019】
基板7は、少なくともマイク9が拾った音波をアナログ信号に変換する電気回路を備え、さらに好ましくはかかるアナログ信号を増幅するアンプ回路およびアナログ信号をデジタル信号に変換するDA変換回路を備える。基板7上の回路は、デジタル信号を処理し、また回路全体の動作を制御するプロセッサおよび信号を出力するためのインタフェース等をさらに含んでもよい。これらのアナログ信号およびデジタル信号を出力するに、上述のイヤホンジャックおよび汎用バスコネクタを利用することができる。
【0020】
マイク9には任意のマイクを利用することができ、その例は周知のダイナミックマイク、カーボンマイク、コンデンサマイク、圧電マイクである。あるいは振動センサのごときこれらに代わる素子を利用することもできる。詳しくは後述するが、弾性体11を利用して音波を損失なくマイク9へ導くことができるので、マイク9に高価な素子を利用する必要はない。
【0021】
図1乃至3に組み合わせて
図4乃至7の何れかを参照するに、ホーン1は、概ね円筒形の構造物であり、開口5に挿入されたときにはケース3から前方に突出する。ホーン1は、また、その前端部15から後端部17へ延びる空洞27を画している。
【0022】
ホーン1がケース3から突出する長さは適宜に選択することができ、また例えば用途に応じて種々の長さのホーンが交換可能であってもよい。ホーン1が短すぎれば操作者から見て後端部17がケース3に隠れてしまい、対象に的確に押し当てるのには不利である。そこで当該長さは例えば5mm以上であり、好ましくは10mm以上である。また長すぎれば取り扱いしにくくなるので、当該長さは例えば40mm以下であり、好ましくは20mm以下である。かかる範囲の長さのホーン1は、シャント音等の生体が発する音を的確に集音するに有利である。
【0023】
前端部15は対象に接するべく概ね平坦だが、空洞27が開口しており、かかる開口はダイアフラム13に覆われていてもよい。後端部17はケース3と結合するために利用され、ケース3の開口5に嵌合するべく寸法づけられている。後端部17は、また、開口5に固定するための構造を備えることができ、その一例は
図3に最もよく示されているごとくキー19である。これに対応して開口5は縁21とキーウェイ23とを備えることができ、キー19をキーウェイ23に合わせることにより後端部17を開口5に挿入することができ、さらに軸周りに捻ることにより、キー19が縁21に係合して、ホーン1がケース3に固定される。もちろん固定のための構造はこれに限られず、螺子、ラッチ機構、あるいは単純な締り嵌めなど、自由に選択することができる。
【0024】
図4乃至7に最もよく示されているように、ホーン1内の空洞27には、弾性体11が嵌入する。弾性体11には適当な粘弾性物質を適用することができ、その一例はシリコーンのごときエラストマである。かかる粘弾性物質は、適宜に変形することにより組み立ておよび分解を容易にするだけでなく、関連する部材への密な接触を維持し、また制振作用により雑音を排除するのに役立つ。
【0025】
弾性体11は、その前端から後端へ貫通した貫通孔25を有し、空洞27に嵌入すると貫通孔25はマイク9へ向けられ、音波はかかる貫通孔25内の空気を介してマイク9へ届く。ホーン1と弾性体11とマイク9とは、互いに同軸に嵌合し、このとき貫通孔25がマイク9に届いてこれに接するように、好ましくは貫通孔25の内面(弾性体11の内壁)がマイク9の外周に接するように、弾性体11は寸法づけられている。このような構造によれば、ホーン1,弾性体11およびマイク9により、音波が伝わる空間が密に囲まれるので、音波は損失なく集音端9Hに伝播する。接触は、音波の漏洩および雑音の侵入を防ぐのに十分な程度であることを要し、好ましくは直接に密に接する。ただし、必ずしも直接に接することは必須でなく、例えば、弾性体11とマイク9との間にこれらとは区別される部材が介在していてもよい。あるいは弾性体11とマイク9との間に隙間があってもよく、かかる態様において、弾性体11が基板7に接して、またはその間に仲介部材が介在して、密閉空間を形成してもよい。少なくとも音響的な意味において、これらも貫通孔25がマイク9に接する態様に含まれる。
【0026】
弾性体11を前後方向に位置決めするべく、ホーン1は径方向に内方に突出して弾性体11の前端に接するフランジ29を備えることができる。
図4に例示される通り、フランジ29に位置決めされて後端が基板7に達するよう、弾性体11の全長が定められていてもよい。弾性体11が基板7にも接すれば振動の吸収に有利であり、以って雑音の混入を抑制するのに役立つ。もちろん
図5に例示される通り、弾性体11の後端は基板7に達しなくてもよい。
【0027】
ホーン1は、フランジ29から前端部15にかけてベル部となっていてもよく、かかるベル部において空洞27はフランジ29から前端部15に向かって拡径している。かかる構造は、対象が発する音を効率よく集音するのに役立つ。あるいは当該部分は拡径せず、すなわち前端部15における開口が比較的に小さくなっていてもよい。これはピンポイントな集音を可能にする。
【0028】
既に述べた通り、ダイアフラム13が空洞27を封ずるように前端部15を覆っていてもよい。ダイアフラム13は音波を伝導可能な薄い膜であって、適宜の樹脂よりなる。ダイアフラム13は一層であってもよく、あるいは表・裏面の何れかまたは両方にコーティングが施されていてもよく、さらにあるいは互いに接着した複数層よりなっていてもよい。その表面は医療上の制約に適合した素材よりなり、好ましくは繰り返して消毒をすることができる素材よりなる。その裏面には予め例えば粘着剤を塗布しておくことができ、これは前端部15への付着および貼り換えを容易にする。
【0029】
ダイアフラム13は、
図4,5に例示される通り、前端部15から僅かに前方に突出していてもよい。この場合にはダイアフラム13が直接に対象に接することができる。あるいは
図6に例示される通り、ダイアフラム13は前端部15から僅かに後退していてもよい。この場合には前端部15が直接に対象に接する。特にこの場合には、患者が感ずる触感を穏やかにするべく、前端部15には軟質な素材を適用することができる。さらにあるいは
図7に例示される通り、ダイアフラム13の縁が前端部15の外周に被るように寸法づけられていてもよい。この場合には粘着剤による固定がより強固になることが期待されるし、あるいは粘着剤を省くことができると期待される。
【0030】
何れの実施形態によっても、音波が伝わる空間がホーン1,弾性体11およびマイク9によって囲まれるので、音波を損失なくマイク9が拾うことができ、外部の雑音による影響を排除することができる。また関連する部材に弾性体11が接してこれらを制振するので、雑音の発生自体が抑止される。それにも関わらず構造は簡易であって、弾性体11をホーン1内に詰めてケース3に結合するだけで組み立てができ、分解も容易である。使用者が自ら分解および組み立てをすることができ、従って消毒等のメンテナンスが容易である。
【0031】
本実施形態が奏する効果を検証するべく、音響性能試験を実施した。
【0032】
試験は、無響室内において、聴診器を間にスポンジを挟んでスピーカに押し当て、聴診器の出力をイヤホンに取り出し、イヤホンをダミーヘッドの両耳に導入してその音圧を測定することによった。ダミーヘッドには、SAMURAI HATS TYPE8328Cの名称で入手できるものを利用した。スピーカからの出力の制御および両耳への入力の測定には、SpectraDAQ-200の名称で入手できる2チャンネルAD/DA変換器と汎用のパーソナルコンピュータを用い、SpectraPLUS-SCの名称で入手できるソフトウェアを利用して測定を実行した。
【0033】
図1ないし4に示す形態の聴診器と、比較例としてリットマン(登録商標)ステソスコープModel3100の名称で入手できる電子聴診器とを試験した。結果を
図8(アナログモード)、
図9(デジタルモード)、および
図10(比較例)に示す。また無音の状態で測定した結果を
図11に示す。アナログモードとデジタルモードの何れも、効率よく集音できることが明らかである。
図8~
図10に示すように、比較例の電子聴診器に比べて、本実施形態の電子聴診器は、遜色ない高い出力(高い音圧)が得られる。特に、20~200Hzの低い周波数帯域を強調したMODE1において、本実施形態の電子聴診器は、比較例の電子聴診器に比べて、より高い出力(高い音圧)が得られる。これにより、シャント音などの低い周波数帯域において、本実施形態の電子聴診器が、より聞こえやすいことを示しており、コストを抑えた構成ながら、シャント音をより適切に聴診できる。
【0034】
幾つかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正ないし変形をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
簡易で取り扱いが容易な構造でありながら、雑音の混入を排除しうる電子聴診器が提供される。
【符号の説明】
【0036】
1 ホーン
3 ケース
3A ケース本体
3C カバー
5 開口
7 基板
9 マイク
9H 集音端
11 弾性体
13 ダイアフラム
15 前端部
17 後端部
19 キー
21 縁
23 キーウェイ
25 貫通孔
27 空洞
29 フランジ