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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023119439
(22)【出願日】2023-07-21
【審査請求日】2023-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514086422
【氏名又は名称】山本 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100177231
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨志田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山本 淳
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110175298(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0307314(US,A1)
【文献】特開2007-264569(JP,A)
【文献】特開2009-296346(JP,A)
【文献】藤原 弘将 外1名,音楽情報処理最前線!,DTM MAGAZINE,日本,株式会社寺島情報企画,2009年10月01日,Vol.16 No.12,pp.98-99
【文献】吉田 幸平 外2名,多次元尺度法を用いた収録音声と合成音声における類似度の検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2016年02月29日,Vol.115 No.496,pp.131-136
【文献】基礎からわかる取説 スマホでみんなが使っているアプリ15,株式会社メディアックス 岩尾 悟志,2018年08月30日,p.34
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末及び当該複数の端末に通信可能に接続されているコンピュータで動作し、当該コンピュータを介して前記複数の端末同士での情報伝達を可能にするプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれを利用する各ユーザーのユーザー音声を解析して、少なくとも音高及び音色をパラメータとする多次元座標での各ユーザー音声の座標を特定して登録するユーザー音声登録機能と、
前記各ユーザーが要求する要求音声を解析して、前記多次元座標での各要求音声の座標を特定して登録する要求音声登録機能と、
一のユーザーが要求する要求音声の座標を含む定められた大きさの多次元領域内に座標を有する他のユーザーのユーザー音声が登録された場合又はされている場合に、その旨及び前記他のユーザーの関連情報を前記一のユーザーの端末に報知する報知機能と、
前記一のユーザーの端末からの繋がり申請を前記他のユーザーの端末に送信する申請機能と、
前記繋がり申請に対する前記他のユーザーの端末からの回答を前記一のユーザーの端末に送信する回答機能と、
を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記報知機能が実行された後に、前記記憶部に記憶されている前記他のユーザーのユーザー音声を、前記一のユーザーの端末から出力可能にする出力機能、
を実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記報知機能が実行された後に、前記一のユーザーの端末から、前記他のユーザーのユーザー音声の視聴要求があった場合、前記記憶部に記憶されている前記他のユーザーのユーザー音声を前記一のユーザーの端末から出力可能にし、かつ、前記記憶部に記憶されている前記一のユーザーのユーザー音声を前記他のユーザーの端末から出力可能にする出力機能、
を実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれから入力された前記各ユーザーのユーザー音声を、前記ユーザー音声登録機能において解析するために、前記記憶部に記憶させる記憶機能、
を実行させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記記憶機能では、前記複数の端末のそれぞれの画面にそれぞれ喜怒哀楽を示す4種類の定型文を表示させ、各ユーザーに発声させた前記4種類の定型文のユーザー音声を各端末から送信させて前記記憶部に記憶させる、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記記憶機能では、各ユーザーに定められた期間内に当該各ユーザーの裁量で発声させたユーザー音声を各端末から送信させて前記記憶部に記憶させる、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれから、前記要求音声のデータを送信させる要求音声送信機能、
を実行させる、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータは、通信ネットワークを介して他のコンピュータと接続可能とされており、
前記要求音声登録機能で解析される前記要求音声は、当該要求音声を要求するユーザーがその端末から指定した人物の音声を、前記コンピュータが前記他のコンピュータから抽出したものである、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
複数の端末と、
当該複数の端末に通信可能に接続されているコンピュータと、
前記複数の端末及び前記コンピュータで動作し、当該コンピュータを介して前記複数の端末同士での情報伝達を可能にするプログラムであって、請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラムと、
を備える、
音声マッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムに関する。より具体的には、各ユーザーが要求する音声を有するユーザーと繋がる機会を得ることができるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人と人とを繋げる(マッチングさせる)ソフトウェアとして、多数の人々にSNS(Social Networking Service)が利用されている。多くのユーザーを抱えるSNSとしては、FACEBOOK(登録商標)等が有名である。また、多くのユーザーは、SNSを利用して誰かと繋がるきっかけとしては、例えば、画像(顔写真)、趣味、勤務先、学歴等の情報による。
【0003】
ところで、特許文献1には、その図1等に示されるように、恋愛対象マッチングシステムが開示されている。
この恋愛対象マッチングシステムは、(1)ユーザーの顔及びそれを構成する各部位の画像情報に関連付けられた記憶領域を有したユーザー情報記憶部と、(2)前記ユーザーの視点を捕捉し、前記ユーザーが見ている対象を撮影し、前記対象が人の顔である場合には顔認識し、記録することができるユーザー端末に接続された制御部とを備えている。
そして、前記制御部は、前記ユーザー端末が記録した顔認識された画像情報を取得し、前記画像情報と前記ユーザーとの間で視線の一致率が所定基準を超えているかを判断し、前記画像情報に写る前記ユーザー端末が正面を向いているかを判断し、前記画像情報に写る前記ユーザー端末が鏡面により左右反転しているかを判断し、前記判断の全条件を満たしている場合には、前記顔認識された画像情報を本人顔画像情報として前記ユーザー情報記憶部に記録し、前記本人顔画像情報に写っている顔を構成する各部位の画像を抽出し、前記各部位の顔全体における座標及び面積占有率を算出し、前記ユーザーに関連付けて前記ユーザー情報記憶部に本人顔画像各部位座標及び本人顔画像面積占有率として記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-079477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示されている恋愛対象マッチングシステムは、視線に着目してユーザー同士のマッチングをするものであって、各ユーザーが要求する音声を有するユーザーと繋がることはできない。
【0006】
本発明は、各ユーザーがそれぞれの要求する音声を有するユーザーと繋がる機会を得ることができるプログラムの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様のプログラムは、
複数の端末及び当該複数の端末に通信可能に接続されているコンピュータで動作し、当該コンピュータを介して前記複数の端末同士での情報伝達を可能にするプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれを利用する各ユーザーのユーザー音声を解析して、少なくとも音高及び音色をパラメータとする多次元座標での各ユーザー音声の座標を特定して登録するユーザー音声登録機能と、
前記各ユーザーが要求する要求音声を解析して、前記多次元座標での各要求音声の座標を特定して登録する要求音声登録機能と、
一のユーザーが要求する要求音声の座標を含む定められた大きさの3次元領域内に座標を有する他のユーザーのユーザー音声が登録された場合又はされている場合に、その旨及び前記他のユーザーの関連情報を前記一のユーザーの端末に報知する報知機能と、
前記一のユーザーの端末からの繋がり申請を前記他のユーザーの端末に送信する申請機能と、
前記繋がり申請に対する前記他のユーザーの端末からの回答を前記一のユーザーの端末に送信する回答機能と、
を実行させる。
【0008】
第2態様のプログラムは、
第1態様のプログラムにおいて、
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記報知機能が実行された後に、前記記憶部に記憶されている前記他のユーザーのユーザー音声を、前記一のユーザーの端末から出力可能にする出力機能、
を実行させる。
【0009】
第3態様のプログラムは、
第1態様のプログラムにおいて、
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記報知機能が実行された後に、前記一のユーザーの端末から、前記他のユーザーのユーザー音声の視聴要求があった場合、前記記憶部に記憶されている前記他のユーザーのユーザー音声を前記一のユーザーの端末から出力可能にし、かつ、前記記憶部に記憶されている前記一のユーザーのユーザー音声を前記他のユーザーの端末から出力可能にする出力機能、
を実行させる。
【0010】
第4態様のプログラムは、
第1~第3態様のいずれか一態様のプログラムにおいて、
前記コンピュータは、前記各ユーザーのユーザー音声を記憶する記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれから入力された前記各ユーザーのユーザー音声を、前記ユーザー音声登録機能において解析するために、前記記憶部に記憶させる記憶機能、
を実行させる。
【0011】
第5態様のプログラムは、
第4態様のプログラムにおいて、
前記記憶機能では、前記複数の端末のそれぞれの画面にそれぞれ喜怒哀楽を示す4種類の定型文を表示させ、各ユーザーに発声させた前記4種類の定型文のユーザー音声を各端末から送信させて前記記憶部に記憶させる。
【0012】
第6態様のプログラムは、
第4態様のプログラムにおいて、
前記記憶機能では、各ユーザーに定められた期間内に当該各ユーザーの裁量で発声させたユーザー音声を各端末から送信させて前記記憶部に記憶させる。
【0013】
第7態様のプログラムは、
第1~第6態様のいずれか一態様のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記複数の端末のそれぞれから、前記要求音声のデータを送信させる要求音声送信機能、
を実行させる。
【0014】
第8態様のプログラムは、
第1~第6態様のいずれか一態様のプログラムにおいて、
前記コンピュータは、通信ネットワークを介して他のコンピュータと接続可能とされており、
前記要求音声登録機能で解析される前記要求音声は、当該要求音声を要求するユーザーがその端末から指定した人物の音声を、前記コンピュータが前記他のコンピュータから抽出したものである。
【発明の効果】
【0015】
第1態様のプログラムによれば、各ユーザーが要求する音声を有するユーザーと繋がる機会を得ることができる。
【0016】
第2態様のプログラムによれば、一のユーザーが要求音声を有するユーザーのユーザー音声を視聴することができる。
【0017】
第3態様のプログラムによれば、一のユーザーは要求音声を有するユーザーのユーザー音声を視聴することができるとともに、繋がり申請を受信した他のユーザーは当該繋がり申請を送信した一のユーザーのユーザー音声を視聴することができる。
【0018】
第4態様のプログラムによれば、各ユーザーは各端末からユーザー音声を送信することができる。
【0019】
第5態様のプログラムによれば、喜怒哀楽を示す4種類の定型文を各ユーザーに発声させたユーザー音声を解析することが可能となるため、各ユーザーのユーザー音声の解析結果のばらつきを低減することができる。
【0020】
第6態様のプログラムによれば、各ユーザーに定められた期間内に当該各ユーザーの裁量で発声させたユーザー音声を解析することが可能となるため、各ユーザーの好みのユーザー音声による解析結果を登録することができる。
【0021】
第7態様のプログラムによれば、各ユーザーは各端末を利用して各要求音声のデータをコンピュータに送信することができる。
【0022】
第8態様のプログラムによれば、各ユーザーは各要求音声のデータがない場合であっても他のコンピュータに当該各要求音声のデータがあれば各要求音声を登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)の音声マッチングシステムの概略図である。
図2】本実施形態のサーバーの概略図である。
図3】本実施形態のプログラムのフロー図である。
図4】本実施形態の3次元座標の一例である。
図5】変形例の音声マッチングシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
≪概要≫
以下、本実施形態について説明し、次いで複数の変形例について説明する。
【0025】
≪本実施形態≫
以下、本実施形態の音声マッチングシステム100(図1参照)の構成及び機能並びに本実施形態の効果について図1図4を参照しながら説明する。
【0026】
<本実施形態の音声マッチングシステムの構成及び機能>
音声マッチングシステム100は、図1に示されるように、管理サーバー10(コンピュータの一例)と、複数の端末20(端末20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20I、・・・)と、通信ネットワークNWと、プログラムPGとを備えている。
音声マッチングシステム100は、複数のユーザーU(ユーザーUA、UB、UC、UD、UE、UF、UG、UH、UI、・・・)のそれぞれが自身の音声と繋がりたい音声(要求音声)とを登録して、要求音声が登録された場合に各ユーザーUに繋がる機会を与えるためのハードウェアである。
【0027】
〔管理サーバー及び通信ネットワーク〕
管理サーバー10は、図1に示されるように、一例としてクラウドCLD上に配置されたクラウドサーバーであって、複数の端末20、各ユーザーUのユーザー情報等を管理するものである。管理サーバー10は、通信ネットワークNW(インターネットはその一例)を介して、複数の端末20と通信可能に接続されている。
管理サーバー10は、プログラムPGによって、後述する、ユーザー音声送信機能、要求音声送信機能、記憶機能、ユーザー音声登録機能、要求音声登録機能、出力機能、報知機能、申請機能及び回答機能を実行する機能を有する(図3参照)。
【0028】
管理サーバー10は、図2に示されるように、処理部12(CPU(Central Processing Unit(中央演算処理装置))はその一例)と、記憶部14(RAM(Random Access Memory(読み書き可能な記憶装置))はその一例)とを備えている。
処理部12は、記憶部14に格納されているデータを読み出して演算処理を行う。当該データには、一例として、アプリケーションAPが含まれている。アプリケーションAPは、プログラムPGと、データファイルDFと、各種ライブラリLBとを含んで構成されている。
【0029】
〔複数の端末〕
複数の端末20(端末20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20I、・・・)は、図1に示されるように、一例として、複数のユーザーU(ユーザーUA、UB、UC、UD、UE、UF、UG、UH、UI、・・・)のそれぞれが所持する情報端末である。前述のとおり、複数の端末20は、管理サーバー10と通信可能にされている。そして、複数の端末20は、それぞれにインストールされた専用アプリ(図示省略)により又はインターネット用ブラウザで動作するウェブアプリ(図示省略)によりプログラムPGが動作可能となっている。
【0030】
〔プログラム〕
プログラムPGは、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている、管理サーバー10及び複数の端末20(端末20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H、20I、・・・)で動作する。
【0031】
プログラムPGは、図3に示されるように、管理サーバー10に、第1工程S10~第10工程S100(これらのすべての工程を、全工程SPという。)を実行させることで、前述のユーザー音声送信機能、要求音声送信機能、記憶機能、ユーザー音声登録機能、要求音声登録機能、出力機能、報知機能、申請機能及び回答機能を実行させる機能を有する。ここで、下記の表1は、プログラムPGの実行時、すなわち、第1工程S10~第10工程S10の実施時に、各工程と、各工程で実行される上記の各機能との関係をまとめたものである。
【0032】
【表1】
【0033】
以下、第1工程S10~第10工程S100について、図3のフロー図を参照しながら説明する。
【0034】
(第1工程)
第1工程S10は、プログラムPGを利用するユーザーUが例えば自身が利用する端末20を用いてユーザー登録を行うものである。
具体的には、ユーザーUは、自身が使用する端末20にプログラムPGの一部をダウンロードして、氏名等の個人情報を入力して管理サーバー10に登録する。これにより、ユーザーIDとパスワードとが付与される。
次いで、ユーザーUは、ユーザーID及びパスワードを入力してプログラムPGにログインし、(1)ユーザー音声(自身の声)と、(2)自身が繋がりたい音声(要求音声)とを入力して管理サーバー10に送信する(ユーザー音声送信機能及び要求音声送信機能)。
【0035】
ここで、(1)ユーザー音声(自身の声)の入力は、例えば、各端末20の画面(図示省略)に喜怒哀楽を示す4種類の定型文を表示させ、各ユーザーUにそれぞれの定型文を発声させることで一度各端末20に記憶させる。また、2)自身が繋がりたい音声(要求音声)の入力は、例えば、各ユーザーUがそれぞれの端末20に記憶させた要求音声のデータをプログラムPGのユーザーインターフェイス(図示省略)から入力させる。
【0036】
(第2工程)
第2工程S20は、第1工程S20の後に実行される工程であって、第1工程S10で送信されたユーザー音声を解析して、音量、音高及び音色をパラメータとする3次元座標(多次元座標の一例、図4参照)での各ユーザー音声の座標を特定して管理サーバー10の記憶部12に記憶させて管理サーバー10に登録するものである(ユーザー音声登録機能、記憶機能)。また、第1工程S10で送信された要求音声を解析して、音量、音高及び音色をパラメータとする3次元座標(図4参照)での各要求音声の座標を特定して管理サーバー10の記憶部12に記憶させて管理サーバー10に登録するものである(要求音声登録機能、記憶機能)。
【0037】
ここで、図4に示されるように、各ユーザー音声の解析は、各ユーザー音声を、音量、音高及び音色の点で評価(定量化)して、音量軸、音高軸及び音色軸の3次元座標の座標を特定することで行われる。具体的には、各ユーザー音声の音量の定量化ではその音量の大きさ(大小)を評価し、各ユーザー音声の音高の定量化ではその音高の高さ(高低)を数値化し、各ユーザー音声の音色の定量化ではその音色がを数値化し、整数次倍音側よりか非整数次倍音側よりかを数値化する。それぞれの数値化は、例えば、最低スコアを0ポイント、最高スコアを100ポイントとして行う。各ユーザー音声は、例えば、喜怒哀楽の4種類の定型文による4種類のユーザー音声ごとの解析結果を平均化したものとする。
また、各要求音声の解析も、各ユーザー音声の解析の場合に準じる。
【0038】
(第3工程及び第4工程)
第3工程S30は、第2工程S20の後に実行される工程であって、一のユーザーUが要求する要求音声の座標を含む定められた大きさの3次元領域(図4のthree-DA参照)内に座標を有する他のユーザーのユーザー音声が登録されたか又は登録されているかを判断するものである。すなわち、第3工程S30は判断ステップである。ここで、定められた大きさの3次元領域とは、ある要求音声の座標に対し、音量、音高及び音色の各軸において一例として-5ポイントから+5ポイントの範囲の仮想空間領域のことをいう。第3工程S30は、ルーチン化されており、否定判断がされた場合は再度繰り返される。
また、第4工程S40は、第3工程S30で肯定判断がされた場合に、要求音声を有する他のユーザーUが見つかったこと及び他のユーザーUの関連情報(例えば、ユーザーID、性別、年齢層、座標又は座標の近似度等)を一のユーザーUの端末20に報知するものである(報知機能)。
図4の例では、一のユーザーUはユーザーUBであり、他のユーザーUはユーザーUCである。
【0039】
ここで、第4工程S40において、要求音声を有する他のユーザーUが見つかったこと及び他のユーザーUの関連情報を報知された一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)は、自身の端末20Bから他のユーザーUCのユーザー音声の視聴要求を行うことが可能となっている。そして、視聴要求が行われた場合、記憶部14に記憶されている他のユーザーUCのユーザー音声は一のユーザーUBの端末20Bから出力可能(視聴可能)となっている(出力機能)。
【0040】
(第5工程及び第6工程)
第5工程S50は、第4工程S40の後に実行される工程であって、一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)の端末20Bから他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)への繋がり申請を送ることの要求があったかを判断するものである。すなわち、第4工程S40は判断ステップである。第5工程S50で否定判断がされた場合は、再度、第3工程S30に戻る。
また、第6工程S60は、第5工程S50で肯定判断がされた場合に、一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)の端末20Bからの繋がり申請を他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)の端末20Cに送信するものである(申請機能)。
【0041】
(第7工程、第8工程及び第9工程)
第7工程S70は、第6工程S60の後に実行される工程であって、他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)の端末20Cから一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)からの繋がり申請に対して容認の回答を送ることの要求があったかを判断するものである。すなわち、第7工程S70は判断ステップである。第7工程S70で否定判断がされた場合は、再度、第3工程S30に戻る。この場合の否定判断には、容認しない旨の回答があったとき及び定められた期間の経過後に容認の回答がなかったときを含む。
また、第8工程S80は、第7工程S70で肯定判断がされた場合に、他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)の端末20Cからの繋がり申請の容認の回答を一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)の端末20Bに送信するものである(回答機能)。
さらに、第9工程S90は、第8工程S80の後又は第8工程S80と同時に実行される工程であって、一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)と他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)とが繋がったこと(マッチングが成立したこと)を記憶部14に記憶するものである。
【0042】
ここで、第6工程S60において、一のユーザーU(図4の例ではユーザーUB)の端末20Bからの繋がり申請を受信した他のユーザーU(図4の例ではユーザーUC)は、自身の端末20Cから一のユーザーUBのユーザー音声の視聴要求を行うことが可能となっている。そして、視聴要求が行われた場合、記憶部14に記憶されている一のユーザーUBのユーザー音声は他のユーザーUCの端末20Cから出力可能(視聴可能)となっている(出力機能)。
【0043】
(第10工程)
第10工程S10は、第9工程S90の後に実行される工程であって、マッチングが成立したユーザーUから退会する旨の要求があったかを判断するものである。すなわち、第10工程S10は、判断ステップである。第10工程S10で肯定判断がされた場合、記憶部14から退会する旨の要求をしたユーザーU(例えばユーザーUB)のユーザー情報が削除され、かつ、ユーザーUBと繋がりが成立していた他のユーザーUC(他にも繋がりが成立していた1名又は2名以上のユーザーUがいた場合にはすべてのユーザーU)にユーザーUBが退会したことをそれぞれの端末20に報知する。
なお、第10工程S10で否定判断がされた場合、そのユーザーUに対して再度、第3工程S30に戻って、継続される。
【0044】
以上が、本実施形態の音声マッチングシステム100の構成及び機能についての説明である。
【0045】
<本実施形態の効果>
次に、本実施形態の効果について図面を参照しながら説明する。
【0046】
〔第1の効果〕
本実施形態のプログラムPGは、図1図3及び図4に示されるように、管理サーバー10に、前述の、(1)音声登録機能と、(2)要求音声登録機能と、(3)報知機能と、(4)申請機能と、(5)回答機能とを実行させる。
そして、本実施形態のプログラムPGでは、(1)音声登録機能及び(2)要求音声登録機能により、各ユーザーUのユーザー音声の解析結果及び各ユーザーUが繋がりたい要求音声の解析結果が記録され、(3)報知機能により、一のユーザーUが要求する要求音声の座標を含む定められた大きさの3次元領域(図4のthree-DA参照)内に座標を有する他のユーザーのユーザー音声が登録されたか又は登録されている場合に、要求音声を有する他のユーザーUが見つかったこと及び他のユーザーUの関連情報が一のユーザーUの端末20に報知され、(4)申請機能により、一のユーザーUが他のユーザーUに繋がり申請を可能にし、(5)回答機能により、他のユーザーUが容認の回答を一のユーザーUに送信すると音声によるマッチングが成立する。
したがって、本実施形態のプログラムPG及びプログラムPGを備える音声マッチングシステム100によれば、各ユーザーUは当該ユーザーUが要求する音声(要求音声)を有するユーザーUと繋がる機会を得ることができる。
【0047】
〔第2の効果〕
本実施形態の管理サーバー10は、図2に示されるように、各ユーザーUのユーザー音声を記憶する記憶部14を有している。そのうえで、本実施形態のプログラムPGは、図1図3及び図4に示されるように、管理サーバー10に、報知機能が実行された後に(第4工程S40の後に)、記憶部14に記憶されている他のユーザーU(図4の例の場合はユーザーUC)のユーザー音声を、一のユーザーU(図4の例の場合はユーザーUB)の端末20Bから出力可能にする出力機能を実行させることができる。
したがって、本実施形態のプログラムPGによれば、一のユーザーU(図4の例の場合はユーザーUB)は、繋がり申請の前に、実際の他のユーザーUCのユーザー音声を視聴することができる。
【0048】
〔第3の効果〕
本実施形態の管理サーバー10は、図2に示されるように、各ユーザーUのユーザー音声を記憶する記憶部14を有している。そのうえで、本実施形態のプログラムPGは、図1図3及び図4に示されるように、管理サーバー10に、報知機能が実行された後に(第4工程S40の後に)一のユーザーU(図4の例の場合はユーザーUB)の端末20Bから他のユーザーU(図4の例の場合はユーザーUC)のユーザー音声の視聴要求があった場合、記憶部14に記憶されている他のユーザーUCのユーザー音声を一のユーザーUBの端末20Bから出力可能にし、かつ、記憶部14に記憶されている一のユーザーUBのユーザー音声を他のユーザーUCの端末20Cから出力可能にする。
したがって、本実施形態のプログラムPGによれば、一のユーザーUBはその要求音声を有するユーザーUCのユーザー音声を視聴することができるとともに、繋がり申請を受信した他のユーザーUCはこの繋がり申請を送信した一のユーザーUBのユーザー音声を視聴することができる。その結果、一のユーザーUBは他のユーザーUCのユーザー音声を視聴して繋がり申請を行うかを決めることができ、他のユーザーUCは一のユーザーUBのユーザー音声を視聴して繋がり申請を容認するかを決めることができる。
【0049】
〔第4の効果〕
本実施形態の管理サーバー10は、図2に示されるように、各ユーザーUのユーザー音声を記憶する記憶部14を有している。そのうえで、本実施形態のプログラムPGは、図1図3及び図4に示されるように、管理サーバー10に、複数の端末20のそれぞれから入力された各ユーザーUのユーザー音声を、前述のユーザー音声登録機能において解析するために、記憶部14に記憶させる。別の見方をすると、記憶部14に記憶される各ユーザー音声は、複数の端末20のそれぞれから入力される。
したがって、本実施形態のプログラムPGによれば、各ユーザーUは各端末20からユーザー音声を送信することができる。
【0050】
〔第5の効果〕
本実施形態のプログラムPGは、管理サーバー10に、複数の端末20のそれぞれの画面(図示省略)にそれぞれ喜怒哀楽を示す4種類の定型文を表示させ、各ユーザーUにより発声された4種類の定型文のユーザー音声を各端末20から送信させて記憶部14に記憶させる記憶機能を実行させる。そして、記憶部14に記憶されたユーザー音声は、ユーザー音声の解析に利用される。
そして、喜怒哀楽を示す4種類の定型文の音声を平均化したものをそのユーザーUのユーザー音声とするため、各ユーザー音声の座標(解析結果)は1種類の音声の場合に比べて、多角的に解析される。
本実施形態のプログラムPGによれば、喜怒哀楽を示す4種類の定型文を各ユーザーに発声させたユーザー音声を解析することが可能となるため、各ユーザーのユーザー音声の解析結果のばらつきを低減することができる。
【0051】
〔第6の効果〕
本実施形態のプログラムPGは、管理サーバー10に、複数の端末20のそれぞれから、要求音声のデータを送信させる要求音声送信機能を実行させる。
本実施形態のプログラムPGによれば、各ユーザーUは各端末20を利用して各要求音声のデータを管理サーバー10に送信することができる。
【0052】
以上が本実施形態の効果についての説明である。また、以上が本実施形態についての説明である。
【0053】
≪複数の変形例≫
前述の実施形態(図1図4参照)は、本発明の一例を示したものに過ぎない。別言すると、本発明は前述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明には、後述する複数の変形例も含まれる。
以下、複数の変形例について説明する。ここで、以下の複数の変形例の説明では、前述の実施形態と異なる部分のみについて説明する。
【0054】
前述の実施形態のプログラムPGは、管理サーバー10に、複数の端末20のそれぞれの画面(図示省略)にそれぞれ喜怒哀楽を示す4種類の定型文を表示させ、各ユーザーUにより発声された4種類の定型文のユーザー音声を各端末20から送信させて記憶部14に記憶させる記憶機能を実行させるように構成されていた。
しかしながら、各ユーザー音声の元となる各ユーザーUの音声は、喜怒哀楽を示す4種類の定型文をユーザーUに発声されたものでなくてもよい。各ユーザー音声の元となる各ユーザーUの音声は、そのユーザーUの音声であればよい。
例えば、各ユーザー音声の元となる各ユーザーUの音声は、各ユーザーUに定められた期間(一例として20秒)内に各ユーザーUの裁量で発声させたユーザー音声を各端末20から送信させて記憶部14に記憶させたものでもよい。
本変形例のプログラムによれば、各ユーザーUに定められた期間内に各ユーザーUの裁量で発声させたユーザー音声を解析することが可能となるため、各ユーザーUの好みのユーザー音声による解析結果を登録することができる。
【0055】
また、前述の実施形態では、要求音声は、複数の端末20のそれぞれから送信されていた。しかしながら、管理サーバー10が要求音声を解析することができれば、管理サーバー10における要求音声の入手ルートは前述の実施形態の場合に限られない。
例えば、図5の音声マッチングシステム100Aに示されるように、管理サーバー10が通信ネットワークNWを介して他のサーバー10A、10B、・・・(それぞれ、他のコンピュータの一例)に接続可能とされているとして、要求音声は当該要求音声を要求するユーザーUがその端末20から指定した人物(例えば、テレビ等のメディアに登場している芸能人)の音声を、管理サーバー10が他のサーバー10A、10B、・・・から抽出したものとしてもよい。
本変形例のプログラムによれば、各ユーザーUは各要求音声のデータがない場合であっても他のサーバー10A、10B、・・・に当該各要求音声のデータがあれば各要求音声を管理サーバー10に解析させて登録することができる。
【0056】
また、前述の実施形態のユーザー音声及び要求音声の解析は、音量、音高及び音色をパラメータとする3次元座標での各ユーザー音声の座標を特定していた。しかしながら、ユーザー音声及び要求音声の解析では、例えば、音高及び音色をパラメータとする2次元座標での各ユーザー音声の座標を特定するようにしてもよい。すなわち、ユーザー音声及び要求音声の解析では、少なくとも音高及び音色をパラメータとする多次元座標での各ユーザー音声の座標を特定してもよい。
本変形例によれば、音量の大小によるパラメータの不安定性の解消を実現することができる。
【0057】
以上が、複数の変形例についての説明である。
【符号の説明】
【0058】
10 管理サーバー(コンピュータの一例)
10A 他のサーバー(他のコンピュータの一例)
10B 他のサーバー(他のコンピュータの一例)
12 処理部
14 記憶部
20 複数の端末
20A 端末
20B 端末
20C 端末
20D 端末
20E 端末
20F 端末
20G 端末
20H 端末
20I 端末
100 音声マッチングシステム
100A 音声マッチングシステム
AP アプリケーション
CLD クラウド
DF データファイル
LB 各種ライブラリ
NW 通信ネットワーク
PG プログラム
U 複数のユーザー
UA ユーザー
UB ユーザー
UC ユーザー
UD ユーザー
UE ユーザー
UF ユーザー
UG ユーザー
【要約】
【課題】本発明は、各ユーザーがそれぞれの要求する音声を有するユーザーと繋がる機会を得ることができるプログラムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のプログラムPGは、コンピュータ10を介して複数の端末20同士での情報伝達を可能にするプログラムPGであって、コンピュータ10に、ユーザー音声を解析して音高及び音色をパラメータとする多次元座標でのユーザー音声の座標を特定する機能と、要求音声を解析して多次元座標での要求音声の座標を特定する機能と、一のユーザーUが要求する要求音声の座標を含む多次元領域内に座標を有する他のユーザーUのユーザー音声が登録された場合に、その旨を一のユーザーUの端末20に報知する機能と、一のユーザーUの端末20からの繋がり申請を送信する機能と、前記繋がり申請に対する他のユーザーUの端末20からの回答を送信する機能とを実行させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5