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特許7377612発電の制御方法、発電装置、及び発電制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】発電の制御方法、発電装置、及び発電制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 49
(21)【出願番号】P 2019046243
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2020149351
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道幸 立樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 達哉
(72)【発明者】
【氏名】西井 匠
(72)【発明者】
【氏名】泊 智大
(72)【発明者】
【氏名】白井 麻理恵
(72)【発明者】
【氏名】江口 晃平
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-042472(JP,A)
【文献】特開2008-204073(JP,A)
【文献】特開2012-245430(JP,A)
【文献】特開2010-169282(JP,A)
【文献】特表2011-524242(JP,A)
【文献】国際公開第2001/004045(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電に伴って生成された炭酸ガスを回収して炭酸ガスの需要家に供給可能な構成を有する発電装置の発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部での発電によって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に、前記発電部で発電を行う処理をコンピュータが実行する
発電の制御方法。
【請求項2】
前記第1の金額を前記発電部で発電された電力の売電価格、又は前記発電部を備えた発電装置が設置された需要家における電力の買電価格とし、前記第2の金額を前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格として、前記運転費用と比較する
請求項1記載の発電の制御方法。
【請求項3】
発電に伴って炭酸ガスを生成する発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額を前記発電部で発電された電力の売電価格、又は前記発電部を備えた発電装置が設置された需要家における電力の買電価格とし、前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額を前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格とした際に、
前記発電部で発電するために要する運転費用が前記第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記第2の金額の合計額未満となり、前記発電部での発電によって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に、前記発電部で発電を行う処理をコンピュータが実行する
発電の制御方法。
【請求項4】
前記運転費用が売電価格未満である場合に発電を行う
請求項2又は請求項3記載の発電の制御方法。
【請求項5】
前記運転費用が前記買電価格未満で、かつ、前記需要家において電力需要がある場合に発電を行う
請求項2~請求項4の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項6】
前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下となるように前記発電部を制御する
請求項5記載の発電の制御方法。
【請求項7】
前記運転費用が売電価格と炭酸ガス価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において炭酸ガスの需要がある場合に発電を行う
請求項2~請求項6の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項8】
前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項7記載の発電の制御方法。
【請求項9】
前記運転費用が前記買電価格と炭酸ガス価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要及び炭酸ガスの需要がある場合に発電を行う
請求項2~請求項8の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項10】
前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項9記載の発電の制御方法。
【請求項11】
前記発電部での発電に伴い生成された熱を回収し、
前記発電部での運転費用が前記第1の金額と前記発電部で生成された熱の価値を表す第3の金額の合計額未満、又は前記第1の金額と前記第2の金額と前記第3の金額の合計額未満となる場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項2~請求項10の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項12】
前記第3の金額を、前記発電部で生成された熱量の熱価格として、前記運転費用と比較する
請求項11記載の発電の制御方法。
【請求項13】
前記運転費用が売電価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において熱の需要がある場合に発電を行う
請求項12記載の発電の制御方法。
【請求項14】
前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項13記載の発電の制御方法。
【請求項15】
前記運転費用が前記買電価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要及び熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項12~請求項14の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項16】
前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項15記載の発電の制御方法。
【請求項17】
前記運転費用が売電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において炭酸ガスの需要及び熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項12~請求項16の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項18】
前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項17記載の発電の制御方法。
【請求項19】
前記運転費用が前記買電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要、炭酸ガスの需要、及び熱の需要がある場合に発電を行う
請求項12~請求項18の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項20】
前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下となり、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項19記載の発電の制御方法。
【請求項21】
前記需要家における消費電力量に、前記需要家が有する蓄電装置への蓄電可能電力量を含めて前記発電部での発電電力量と比較する
請求項6、請求項10、請求項16、又は請求項20記載の発電の制御方法。
【請求項22】
前記需要家で消費される炭酸ガス消費量に、前記需要家が有する炭酸ガス保管容器への貯留可能量を含めて前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量と比較する
請求項8、請求項10、請求項18、又は請求項20記載の発電の制御方法。
【請求項23】
前記需要家で消費される熱消費量に、前記需要家が有する蓄熱装置への蓄熱可能量を含めて前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量と比較する
請求項14、請求項16、請求項18、又は請求項20記載の発電の制御方法。
【請求項24】
前記運転費用に前記発電部の開始及び停止に要する費用を加算する
請求項1~請求項23の何れか1項に記載の発電の制御方法。
【請求項25】
発電に伴って生成された炭酸ガスを回収して炭酸ガスの需要家に供給可能な構成を有する発電装置の発電部と、
前記発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部で発電することによって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に発電を行うように前記発電部を制御する制御部と、
を備えた発電装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記第1の金額を前記発電部で発電された電力の売電価格、又は前記発電装置が設置された需要家における電力の買電価格とし、前記第2の金額を前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格として、前記運転費用と比較する
請求項25記載の発電装置。
【請求項27】
発電に伴って炭酸ガスを生成する発電部と、
前記発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の売電価格、若しくは前記発電部を備えた発電装置が設置された需要家における電力の買電価格によって表される金額である前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と、前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格によって表される金額である前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部で発電することによって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に発電を行うように前記発電部を制御する制御部と、
を備えた発電装置。
【請求項28】
前記運転費用が売電価格未満である場合、
前記制御部は、発電を行うように前記発電部を制御する
請求項26又は請求項27記載の発電装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記運転費用が前記買電価格未満で、かつ、前記需要家において電力需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項26~請求項28の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項30】
前記制御部は、前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下となるように前記発電部を制御する
請求項29記載の発電装置。
【請求項31】
前記制御部は、前記運転費用が売電価格と炭酸ガス価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において炭酸ガスの需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項26~請求項30の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項32】
前記制御部は、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項31記載の発電装置。
【請求項33】
前記制御部は、前記運転費用が前記買電価格と炭酸ガス価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要及び炭酸ガスの需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項26~請求項32の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項34】
前記制御部は、前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項33記載の発電装置。
【請求項35】
前記発電部は発電に伴って、更に熱を生成し、
前記発電部での発電に伴い生成された熱を回収する熱回収部を更に備え、
前記制御部は、前記発電部での運転費用が前記第1の金額と前記発電部で生成された熱の価値を表す第3の金額の合計額未満、又は前記第1の金額と前記第2の金額と前記第3の金額の合計額未満となる場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項26~請求項34の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項36】
前記制御部は、前記第3の金額を、前記発電部で生成された熱量の熱価格として、前記運転費用と比較する
請求項35記載の発電装置。
【請求項37】
前記制御部は、前記運転費用が売電価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項36記載の発電装置。
【請求項38】
前記制御部は、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項37記載の発電装置。
【請求項39】
前記制御部は、前記運転費用が前記買電価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要及び熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項36~請求項38の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項40】
前記制御部は、前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項39記載の発電装置。
【請求項41】
前記制御部は、前記運転費用が売電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において炭酸ガスの需要及び熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項36~請求項40の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項42】
前記制御部は、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項41記載の発電装置。
【請求項43】
前記制御部は、前記運転費用が前記買電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額未満で、かつ、前記需要家において電力需要、炭酸ガスの需要、及び熱の需要がある場合に発電を行うように前記発電部を制御する
請求項36~請求項42の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項44】
前記制御部は、前記発電部での発電電力量が前記需要家における消費電力量以下となり、前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が前記需要家で消費される炭酸ガス消費量以下で、かつ、前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量が前記需要家で消費される熱消費量以下となるように前記発電部を制御する
請求項43記載の発電装置。
【請求項45】
前記制御部は、前記需要家における消費電力量に、前記需要家が有する蓄電装置への蓄電可能電力量を含めて前記発電部での発電電力量と比較する
請求項30、請求項34、請求項40、又は請求項44記載の発電装置。
【請求項46】
前記制御部は、前記需要家で消費される炭酸ガス消費量に、前記需要家が有する炭酸ガス保管容器への貯留可能量を含めて前記発電部での発電に伴い生成される炭酸ガス生成量と比較する
請求項32、請求項34、請求項42、又は請求項44記載の発電装置。
【請求項47】
前記制御部は、前記需要家で消費される熱消費量に、前記需要家が有する蓄熱装置への蓄熱可能量を含めて前記発電部での発電に伴い生成される熱生成量と比較する
請求項38、請求項40、請求項42、又は請求項44記載の発電装置。
【請求項48】
前記運転費用に前記発電部の開始及び停止に要する費用が加算された
請求項25~請求項47の何れか1項に記載の発電装置。
【請求項49】
コンピュータを、請求項25~請求項48の何れか1項に記載の発電装置の制御部として機能させるための発電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電の制御方法、発電装置、及び発電制御プログラムに関するものであり、特に発電に伴い生成される炭酸ガスを回収する機構を備えた発電の制御方法、発電装置、及び発電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化の観点から、発電に伴い生成される炭酸ガスを回収して固定化処理を行うコージェネレーションシステムが開示されている(例えば特許文献1参照)。発電に伴い生成される炭酸ガスの回収は発電方式の種別によらず、例えばバイオマス発電及び燃料電池を用いた発電にも適用されている(例えば特許文献2及び特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-13037号公報
【文献】特開2010-13333号公報
【文献】特開2013-196890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした炭酸ガスの回収設備を備えた発電装置を有する電力の需要家の中には、電力の小売自由化に伴い、発電した電力を電気事業者に売却する需要家が存在する。しかしながら、従来の発電装置では、単に需要家の指示に従って発電の開始及び停止が制御されるため、場合によっては、発電装置での発電に要する費用が、例えば電力の売却及び回収した炭酸ガスによって得られる利益を超えてしまい、経済的損失が発生してしまうことがある。
【0005】
本発明は上記事実を鑑みてなされたものであり、発電によって得られる利益を考慮して発電の開始及び終了を制御することができる発電の制御方法、発電装置、及び発電制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る発電の制御方法は、発電に伴って生成された炭酸ガスを回収して炭酸ガスの需要家に供給可能な構成を有する発電装置の発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部での発電によって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に、前記発電部で発電を行う処理をコンピュータが実行する。また、本発明に係る発電の制御方法は、発電に伴って炭酸ガスを生成する発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額を前記発電部で発電された電力の売電価格、又は前記発電部を備えた発電装置が設置された需要家における電力の買電価格とし、前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額を前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格とした際に、前記発電部で発電するために要する運転費用が前記第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記第2の金額の合計額未満となり、前記発電部での発電によって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に、前記発電部で発電を行う処理をコンピュータが実行する
【0007】
また、本発明に係る発電装置は、発電に伴って生成された炭酸ガスを回収して炭酸ガスの需要家に供給可能な構成を有する発電装置の発電部と、前記発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部で発電することによって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に発電を行うように前記発電部を制御する制御部と、を備える。また、本発明に係る発電装置は、発電に伴って炭酸ガスを生成する発電部と、前記発電部で発電するために要する運転費用が、前記発電部で発電された電力の売電価格、若しくは前記発電部を備えた発電装置が設置された需要家における電力の買電価格によって表される金額である前記発電部で発電された電力の価値を表す第1の金額未満、又は前記第1の金額と、前記発電部で生成された炭酸ガスの炭酸ガス価格によって表される金額である前記発電部で生成された炭酸ガスの価値を表す第2の金額の合計額未満となり、前記発電部で発電することによって得られる利益が前記運転費用を上回る場合に発電を行うように前記発電部を制御する制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る発電制御プログラムは、コンピュータを、請求項25~請求項48の何れか1項に記載の発電装置の制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、請求項3、請求項25、請求項27、及び請求項49に記載の発電装置によれば、発電によって得られる利益を考慮して発電の開始及び終了を制御することができる。
【0011】
請求項及び請求項26に記載の発電装置によれば、発電装置で発電される電力を売電することで得られる利益だけでなく、消費することで得られる利益を考慮して、発電装置での発電を制御することができる。
【0012】
請求項4及び請求項28に記載の発電装置によれば、発電装置での発電を継続することにより、利益を最大化することができる。
【0013】
請求項5及び請求項29に記載の発電装置によれば、電気事業者が販売する電力よりも価格が安い電力を発電装置から受電することができる。
【0014】
請求項6及び請求項30に記載の発電装置によれば、需要家における消費電力を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0015】
請求項7及び請求項31に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の売電価格以上であっても、発電を行うことで利益を得ることができる。
【0016】
請求項8及び請求項32に記載の発電装置によれば、発電装置によって生成される炭酸ガス生成量が需要家における炭酸ガス消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0017】
請求項9及び請求項33に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の買電価格以上であっても、発電を行うことで利益を得ることができる。
【0018】
請求項10及び請求項34に記載の発電装置によれば、需要家における消費電力を超えた状態で発電するか、又は、発電装置によって生成される炭酸ガス生成量が需要家における炭酸ガス消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0019】
請求項11及び請求項35に記載の発電装置によれば、発電装置で発電されたエネルギーとしての電力の価値又は、エネルギーとしての電力の価値と発電装置で生成された炭酸ガスの炭酸ガスの購入費用の合計額だけでなく、発電装置で生成された熱の価値を考慮して、発電装置での発電を制御することができる。
【0020】
請求項12及び請求項36に記載の発電装置によれば、購入した熱よりも熱価格の安い熱を発電装置から得ることができる。
【0021】
請求項13及び請求項37に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の売電価格以上であっても発電を行うことで利益を得ることができる。
【0022】
請求項14及び請求項38に記載の発電装置によれば、発電装置によって生成される熱生成量が需要家における熱消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0023】
請求項15及び請求項39に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の買電価格以上であっても、発電を行うことで利益を得ることができる。
【0024】
請求項16及び請求項40に記載の発電装置によれば、需要家における消費電力を超えた状態で発電するか、又は、発電装置によって生成される熱生成量が需要家における熱消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0025】
請求項17及び請求項41に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の売電価格と炭酸ガス価格の合計額以上であっても、発電を行うことで利益を得ることができる。
【0026】
請求項18及び請求項42に記載の発電装置によれば、発電装置によって生成される炭酸ガス生成量が需要家における炭酸ガス消費量を超えた状態で発電するか、又は、発電装置によって生成される熱生成量が需要家における熱消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0027】
請求項19及び請求項43に記載の発電装置によれば、運転費用が電力の買電価格と炭酸ガス価格の合計額以上であっても、発電を行うことで利益を得ることができる。
【0028】
請求項20及び請求項44に記載の発電装置によれば、需要家における消費電力を超えた状態で発電するか、発電装置によって生成される炭酸ガス生成量が需要家における炭酸ガス消費量を超えた状態で発電するか、又は、発電装置によって生成される熱生成量が需要家における熱消費量を超えた状態で発電する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0029】
請求項21及び請求項45に記載の発電装置によれば、発電装置における発電電力を需要家が実際に消費する消費電力と比較する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0030】
請求項22及び請求項46に記載の発電装置によれば、発電装置によって生成される炭酸ガス生成量を需要家が実際に消費する炭酸ガス消費量と比較する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0031】
請求項23及び請求項47に記載の発電装置によれば、発電装置によって生成される熱生成量を需要家が実際に消費する熱消費量と比較する場合と比較して、発電に伴う利益を大きくすることができる。
【0032】
請求項24及び請求項48に記載の発電装置によれば、運転費用をより正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1実施形態における発電装置の概略ブロック例を示す図である。
図2】FCシステムの構成例を示す図である。
図3】第1実施形態における発電装置の電気系統の要部構成例を示す図である。
図4】第1実施形態における発電制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態における発電装置の概略ブロック例を示す図である。
図6】第2実施形態における発電装置の電気系統の要部構成例を示す図である。
図7】第2実施形態における発電制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、同じ部材及び処理には全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
【0035】
<第1実施形態>
図1に、第1実施形態における発電装置10Aの概略ブロック図を示す。発電装置10Aは、主要な構成としてFC(Fuel Cell:燃料電池)システム20、第1CO2タンク30、第2CO2タンク32、PCS(Power Conditioning System)34、及び制御部50(図3参照)を備える。発電装置10Aは、例えば電力及び二酸化炭素(CO2)を消費する需要家Uと近接して設置され、発電に伴い生成される電力及び二酸化炭素ガス(CO2ガス、又は「炭酸ガス」ともいう)を、需要家Uの電力需要部42及びCO2需要部40へそれぞれ供給する分散型電源である。
【0036】
ここでは一例として、需要家Uが発電装置10Aを所有しているものとし、発電に伴い生成される電力及び炭酸ガスを需要家Uで消費する例について説明する。
【0037】
FCシステム20は燃料電池を用いて発電を行う発電部の一例であり、発電に伴い電力及び炭酸ガスを生成する。
【0038】
FCシステム20で生成された炭酸ガスはCO2管P20へ送出される。CO2管P20には流量計31が設けられており、FCシステム20で生成され、CO2管P20から排出される炭酸ガスの排出二酸化炭素量が計測される。流量計31は、制御部50と接続されており、計測された排出二酸化炭素量が制御部50へ通知される。
【0039】
CO2管P20は、供給配管P22と貯留用配管P24に分岐される。供給配管P22は、CO2需要部40へ炭酸ガスを供給する。貯留用配管P24は、第1CO2タンク30と接続されており、炭酸ガスを第1CO2タンク30へ送出する。
【0040】
CO2需要部40は、炭酸ガスを消費する設備であり、例えば溶接工場や炭酸飲料製造工場等における装置が含まれる。
【0041】
供給配管P22には第1バルブV1が設けられ、貯留用配管P24には第2バルブV2が設けられている。第1バルブV1及び第2バルブV2は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御される。
【0042】
第1CO2タンク30には、貯留用配管P24を経て流入する炭酸ガスが貯留される。すなわち、第1CO2タンク30は、需要家Uが有する炭酸ガス保管容器の一例である。また、第1CO2タンク30には圧力計30Aが設けられている。圧力計30Aにより、第1CO2タンク30内の圧力が計測される。圧力計30Aは、制御部50と接続されており、圧力計30Aによって計測された圧力値は制御部50へ通知される。制御部50は、圧力計30Aで計測された圧力値により、第1CO2タンク30に貯留されている炭酸ガス量を検知する。
【0043】
更に、第1CO2タンク30には第1配管P26の一端が接続され、第1配管P26の他端は供給配管P22の第1バルブV1よりも下流側に接続される。第1配管P26には第3バルブV3が設けられており、第3バルブV3は制御部50と接続される。第3バルブV3は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御される。
【0044】
第2CO2タンク32は、第1CO2タンク30と別に設けられており、内部にはFCシステム20以外から供給された炭酸ガスが貯留される。需要家Uは、FCシステム20から排出される炭酸ガスは発電に伴う生成物として無償で供給を受けることができるが、その他の炭酸ガスの供給元からは炭酸ガスを有償で購入する必要がある。すなわち、第2CO2タンク32には、FCシステム20とは異なる炭酸ガスの供給元(外部の炭酸ガス供給元)から購入した炭酸ガスが貯留される。
【0045】
ここで、第2CO2タンク32への炭酸ガスの供給方法は、第2CO2タンク32の周辺まで炭酸ガスが充填されたガスボンベを運搬し、当該ガスボンベから供給する方法であってもよい。又は、図示しないガスパイプを経由して、外部の炭酸ガス供給元から第2CO2タンク32へ炭酸ガスを供給する方法であってもよい。
【0046】
炭酸ガスとしては、気相状態で第1CO2タンク30及び第2CO2タンク32に貯留してもよいし、液相状態で第1CO2タンク30及び第2CO2タンク32に貯留し、必要に応じて気相に戻してもよい。本実施形態では、二酸化炭素を気相状態で第1CO2タンク30及び第2CO2タンク32に貯留する例について説明する。
【0047】
第2CO2タンク32には、圧力計32Aが設けられている。圧力計32Aにより、第2CO2タンク32内の圧力が計測される。圧力計32Aは、制御部50と接続されており、圧力計32Aによって計測された圧力値は制御部50へ通知される。圧力計32Aで計測された圧力値により、制御部50は、第2CO2タンク32に貯留されている炭酸ガス量を検知する。
【0048】
更に、第2CO2タンク32には第2配管P28の一端が接続され、第2配管P28の他端は供給配管P22の第1バルブV1よりも下流側に接続される。第2配管P28には第4バルブV4が設けられており、第4バルブV4は制御部50と接続される。第4バルブV4は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御される。
【0049】
一方、FCシステム20で発電された電力は電力ケーブル16DによってPCS34に供給されると共に、電力ラインL1によって分電盤18を経由して需要家Uの電力需要部42に供給される。
【0050】
電力需要部42は、電力を消費する設備であり、例えばCO2需要部40と同じく、溶接工場や炭酸飲料製造工場等における装置が含まれる。
【0051】
発電装置10Aは需要家Uが所有していることから、需要家Uは、無償で発電装置10Aから供給される電力の供給を受けて電力需要部42で消費することができるが、発電装置10Aから供給される電力量が電力需要部42の消費電力量未満の場合には、電力を小売する電気事業者(外部の電力供給元)から電力を購入する必要がある。したがって、分電盤18には電力ラインL2が接続され、電力ラインL2を経て外部の電力供給元から電力の供給を受ける。なお、外部の電力供給元が供給する電力を「系統電力E」ということがある。
【0052】
逆に、発電装置10Aから供給される電力量が電力需要部42の消費電力量を超える場合、分電盤18は、電力需要部42で消費されない余剰電力を電力ラインL2に逆潮し、外部の電力供給元に売電を行う。分電盤18は制御部50と接続され、制御部50によって、分電盤18で系統電力Eを受電するか、又は外部の電力供給元に売電を行うかの制御が実行される。
【0053】
更に、電力ラインL1には電力を蓄電する蓄電装置14が接続されている。蓄電装置14は制御部50と接続され、蓄電装置14に電力を蓄電する場合、制御部50は蓄電装置14を制御して、蓄電装置14での蓄電を開始させる。また、蓄電した電力を蓄電装置14から供給する場合、制御部50は蓄電装置14を制御して、蓄電装置14から電力の供給を開始させる。なお、発電装置10Aでは、FCシステム20で発電された電力を分電盤18に供給しながら、蓄電装置14で電力を蓄電することが可能であり、また、FCシステム20で発電された電力を分電盤18に供給しながら、蓄電装置14からも電力を分電盤18に供給することが可能である。
【0054】
次に、FCシステム20の構成について詳細に説明する。
【0055】
FCシステム20は、分散型発電機の一例であり、図2に示されるように、気化器112、改質器114、第1燃料電池セルスタック116、第2燃料電池セルスタック118、分離部122、第1熱交換器HE1、第2熱交換器HE2、燃焼器124、水タンク126、吸引ポンプ128を備えている。なお、分散型発電機とは、需要家Uのような電力の消費地に設置される分散型電源として用いられる発電機である。本実施形態では、分散型発電機が好適に利用されるが、本発明の発電機は、従来の火力発電所などの系統電力を供給する発電所における発電機も含んでいる。
【0056】
改質器114には、原料ガス管P101の一端が接続されており、原料ガス管P101の他端は図示しないガス源に接続されている。ガス源からは、ブロアB101によりメタンが改質器114へ送出される。なお、本実施形態では、原料ガスとしてメタンを用いるが、改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、本実施形態で用いるメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスは天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。また、バイオガスを用いてもよい。
【0057】
気化器112には、水供給管P102が接続されており、ポンプPO101により、水(液相)が送り込まれる。気化器112では、水が気化される。気化には、後述する燃焼器124の熱が用いられる。気化器112からは水蒸気が送出され、水蒸気を送出する水蒸気管P103は、原料ガス管P101と合流されている。
【0058】
メタン及び水蒸気は原料ガス管P101で合流され、改質器114へ供給される。改質器114は、燃焼器124、第1燃料電池セルスタック116、及び第2燃料電池セルスタック118と隣接されており、これらとの間で熱交換を行うことで加熱される。
【0059】
改質器114ではメタンを改質し、水素を含む600℃程度の温度の燃料ガスを生成する。改質器114は、第1燃料電池セルスタック116のアノード(燃料極)116Aと接続されている。改質器114で生成された燃料ガスは、燃料ガス管P104を介して第1燃料電池セルスタック116のアノード116Aに供給される。なお、改質器114で未反応の原料ガス成分も、燃料ガスに含まれてアノード116Aへ供給される。
【0060】
第1燃料電池セルスタック116は固体酸化物形の燃料電池セルスタックであり、積層された複数の燃料電池セルを有している。個々の燃料電池セルは、電解質層116Cと、当該電解質層116Cの表裏面にそれぞれ積層されたアノード116A、及びカソード(空気極)116Bと、を有している。
【0061】
なお、第2燃料電池セルスタック118についての基本構成は、第1燃料電池セルスタック116と同様であり、アノード116Aに対応するアノード118A、カソード116Bに対応するカソード118B、及び電解質層116Cに対応する電解質層118Cを有している。
【0062】
第1燃料電池セルスタック116のカソード116Bには、酸化ガス管P105から酸化ガス(空気)が供給される。酸化ガス管P105へは、酸化ガスブロワB102により空気が導入されている。酸化ガス管P105には、第2熱交換器HE102が設けられており、空気が後述する非燃料ガスとの熱交換により加熱され、カソード116Bへ供給される。
【0063】
カソード116Bでは、下記(1)式に示すように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通って第1燃料電池セルスタック116のアノード116Aに到達する。
【0064】
(空気極反応)
1/2O+2e →O2- …(1)
【0065】
また、カソード116Bには、カソード116Bから排出されるカソードオフガスを第2燃料電池セルスタック118のカソード118Bへ案内するカソードオフガス管P106が接続されている。
【0066】
一方、第1燃料電池セルスタック116のアノード116Aでは、下記(2)式及び(3)式に示すように、電解質層を通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と電子が生成される。アノード116Aで生成された電子がアノード116Aから外部回路を通ってカソード116Bに移動することで、各燃料電池セルにおいて発電される。また、各燃料電池セルは発電時に発熱する。第1燃料電池セルスタック116には、電力を取り出す電力ケーブル116Dが接続されている。電力ケーブル116Dは後述する電力ケーブル118Dに接続され、電力ケーブル16DとしてPCS34へ電力を送出する。第1燃料電池セルスタック116での発電量は、制御部50で制御される。
【0067】
(燃料極反応)
+O2- →HO+2e …(2)
CO+O2- →CO+2e …(3)
【0068】
第1燃料電池セルスタック116のアノード116Aにはアノードオフガス管P107の一端が接続されており、アノードオフガス管P107にはアノード116Aからアノードオフガスが排出される。アノードオフガスには、未改質の原料ガス成分、未反応の水素、未反応の一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気等が含まれている。アノードオフガス及びカソードオフガスを総称して「オフガス」ということがある。
【0069】
なお、本発明の燃料電池としては、固体酸化物形の燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に限られるものではなく、アノードオフガスに二酸化炭素及が含まれる他の燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、高分子電解質形燃料電池(PEFC)であってもよい。
【0070】
アノードオフガス管P107の他端は、後述する第1熱交換器HE101を経て分離部122の流入部122Aと接続されている。分離部122は、アノードオフガスから二酸化炭素及び水を分離膜122Cで分離するものである。分離膜122Cは、二酸化炭素及び水を透過する機能を有している。分離部122は、流入部122A及び透過部122Bを有している。流入部122Aと透過部122Bは、分離膜122Cで区画されている。流入部122Aがアノードオフガスの非透過側となり、透過部122Bが透過側となる。
【0071】
ブロアB103によってアノードオフガスは、アノードオフガス管P107を経て分離部122の流入部122Aへ供給される。アノードオフガスに含まれる二酸化炭素及び水は、分離膜122Cを透過して透過部122Bへ移動する。二酸化炭素及び水の濃度が低減されて流入部122A側に残ったアノードオフガスは、再生燃料ガスとなって流入部122Aから送出される。再生燃料ガス管P109は、第2燃料電池セルスタック118のアノード118Aと接続されており、再生燃料ガスは、再生燃料ガス管P109を経て第2燃料電池セルスタック118のアノード118Aに供給される。
【0072】
アノードオフガス管P107を流れるアノードオフガスと再生燃料ガス管P109を流れる再生燃料ガスとは、第1熱交換器HE101で熱交換が行われる。第1熱交換器HE101ではアノードオフガスが冷却され、再生燃料ガスが加熱される。加熱された再生燃料ガスは、第2燃料電池セルスタック118のアノード118Aへ供給される。
【0073】
第2燃料電池セルスタック118のアノード118A及びカソード118Bでは、第1燃料電池セルスタック116と同様の反応により発電が行われる。第2燃料電池セルスタック118には、電力を取り出す電力ケーブル118Dが接続されている。電力ケーブル18Dは電力ケーブル116Dと接続され、電力ケーブル16DとしてPCS34へ電力を送出する。第2燃料電池セルスタック118での発電量は、制御部50で制御されている。
【0074】
アノード118A及びカソード118Bから排出された使用済のガスは、配管P111、カソードオフ燃焼導入管P112により燃焼器124へ送出され、燃焼器124で焼却に供される。FCシステム20は、第1燃料電池セルスタック116で使用された燃料であるアノードオフガスが再生されて、燃料ガスとして第2燃料電池セルスタック118で再利用される2段式の燃料電池システムとなっている。
【0075】
燃焼器124からは燃焼排ガスが送出される。燃焼排ガスは、燃焼排ガス管P110内を流通し、気化器112を経て排出される。
【0076】
分離部122の透過部122Bには、水タンク126に一端が接続された配管P116の他端が接続されている。分離膜122Cを透過した二酸化炭素及び水は、透過部122Bから送出され、配管P116により第2熱交換器HE102を経て水タンク126へ送出される。
【0077】
第2熱交換器HE102では、透過部122Bから送出された二酸化炭素及び水を含むガスと空気とで熱交換が行われ、空気は加熱され、二酸化炭素及び水を含むガスは冷却される。冷却により水が凝縮し、水タンク126へ貯留される。
【0078】
水タンク126には配管P119が接続されており、水タンク126に貯留された水がポンプPO101によって気化器112に送り込まれ、水の再利用が行われる。
【0079】
一方、水が分離され、二酸化炭素濃度が高くなった二酸化炭素リッチガスは、導出管P118から送出される。
【0080】
導出管P118には吸引ポンプ128が接続されている。吸引ポンプ128は、上流側の気体を吸引して下流側へ送出する。
【0081】
導出管P118の他端には、PSA装置129が接続されている。PSA装置129では、二酸化炭素リッチガスから二酸化炭素以外の成分が吸着により除去され、残った二酸化炭素ガスがCO2管P20へ送出される。CO2管P20の一端はPSA装置129に接続されている。PSA装置129で精製された二酸化炭素ガスは、CO2管P20を経てFCシステム20から送出される。
【0082】
なお、図2ではFCシステム20として、2段式の燃料電池システムについて説明したが、2段以上の多段式の燃料電池システムや、循環式の燃料電池システムを適用してもよい。また、オフガスからの二酸化炭素除去手段として、二酸化炭素吸収材や吸着材を使用してもよい。更に、燃焼器124から排出される燃焼排ガスから二酸化炭素を回収してCO2管P20に送出してもよい。
【0083】
循環式の燃料電池システムとは、燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスを、オフガスの排出元である燃料電池に再び供給して発電を行うシステムである。この時、オフガスから水蒸気及び二酸化炭素の少なくとも一方を取り除くようにしてもよい。
【0084】
図3は、発電装置10Aにおける電気系統の要部構成例を示す図である。発電装置10Aの制御部50は、例えばコンピュータを用いて構成される。
【0085】
制御部50は、図1に示した発電装置10Aの制御を担うCPU(Central Processing Unit)51、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)52、CPU51の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)53、不揮発性メモリ54、及び入出力インターフェース(I/O)55を備える。そして、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリ54、及びI/O55がバス56を介して各々接続されている。
【0086】
不揮発性メモリ54は、不揮発性メモリ54に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるが、ハードディスクを用いてもよい。なお、不揮発性メモリ54は必ずしも制御部50に必要な装置ではない。
【0087】
I/O55には、例えば第1バルブV1、第2バルブV2、第3バルブV3、第4バルブV4、圧力計30A、圧力計32A、FCシステム20、流量計31、蓄電装置14、分電盤18、及び通信ユニット12が接続される。
【0088】
このうち、通信ユニット12は例えばインターネット等の通信回線に接続され、通信回線に接続される外部装置とデータを送受信する通信プロトコルを備える。
【0089】
なお、発電装置10AのI/O55に接続される装置は図3に例示した装置に限定されない。例えば、ユーザからの指示を受け付けてCPU51に通知する入力装置、及びCPU51によって処理された情報を画像として表示する表示装置をI/O55に接続してもよい。
【0090】
次に、図4を用いて、発電装置10Aにおける発電の制御方法について詳細に説明する。
【0091】
図4は、CPU51によって実行される発電制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
発電制御処理を規定する発電制御プログラムは、例えば制御部50のROM52に予め記憶されている。制御部50のCPU51は、ROM52に記憶される発電制御プログラムを読み込み、発電制御処理を実行する。
【0093】
なお、発電制御処理の開始時に発電装置10Aで発電は行われていないものとし、CPU51は、発電装置10Aで発電が行われていない期間に亘り、定期的又は不定期に発電制御処理を実行する。
【0094】
ステップS10において、CPU51は、発電装置10Aで発電するために要する運転費用を算出する。運転費用には、発電装置10Aで発電を行うための全ての費用が含まれる。具体的には、FCシステム20では水素と酸素の化学反応により発電が行われるため、運転費用には、水素を含むメタン等の炭化水素燃料の購入費用といった発電に直接関与する費用の他、発電装置10Aの経年劣化を考慮した減価償却費が含まれる。
【0095】
また、発電装置10Aで発電を行うためには、例えば炭化水素燃料や水をFCシステム20に供給する等の準備が必要となるが、こうした発電の準備期間においても炭化水素燃料や水をFCシステム20に供給するブロアやポンプを駆動するために電力を消費する。一方、発電装置10Aで発電を停止する場合にも、FCシステム20への炭化水素燃料や水の供給を停止するため、ブロアやポンプを駆動する電力を消費し、発電を停止した後もファン等を駆動する電力を消費する。したがって、運転費用には、発電の準備期間及び発電の停止期間に発電装置10Aで消費される電力の電気料金といった、発電の開始及び停止に必要となる、発電に直接関与しない費用も含まれる。
【0096】
算出された運転費用は、例えば1kWを1時間発電する費用[円/kWh]として表される。
【0097】
ステップS20において、CPU51は、例えば通信ユニット12を制御して、外部の電力供給元に発電装置10Aで発電した電力を売却する際の売電価格をインターネットに接続される外部装置から取得する。なお、CPU51は、ユーザが図示しない入力装置に入力した売電価格を読み取ることで、売電価格を取得してもよい。売電価格も、例えば1kWhあたりの価格[円/kWh]として取得される。
【0098】
ステップS30において、CPU51は、例えば通信ユニット12を制御して、需要家Uが購入している系統電力Eの価格(買電価格)をインターネットに接続される外部装置から取得する。なお、CPU51は、ユーザが図示しない入力装置に入力した買電価格を読み取ることで、買電価格を取得してもよい。買電価格も、例えば1kWhあたりの価格[円/kWh]として取得される。
【0099】
本実施の形態における「電力の価値」とはエネルギーとしての電力の価値のことを表しており、発電装置10Aで発電された電力の価値を表す売電価格及び買電価格は、本実施の形態における第1の金額の一例である。
【0100】
ステップS40において、CPU51は、例えば通信ユニット12を制御して、需要家Uが購入している炭酸ガスの購入価格をインターネットに接続される外部装置から取得する。なお、CPU51は、ユーザが図示しない入力装置に入力した炭酸ガスの購入価格を読み取ることで、炭酸ガスの購入価格を取得してもよい。
【0101】
炭酸ガスの購入価格は、例えば1m3あたりの価格[円/m3]として取得されるが、CPU51は、例えば不揮発性メモリ54に予め記憶されている発電装置10Aで1kWhの電力量を発電する場合に生成される炭酸ガスの生成量を参照して、発電装置10Aで1kWhの電力量を発電する場合に生成される炭酸ガスの価値[円/kWh]を算出する。すなわち、発電装置10Aで1kWhの電力量を発電する場合に生成される炭酸ガスの価値とは、生成された同量の炭酸ガスを市場で購入した場合の購入価格、若しくは、当該炭酸ガスの購入価格に炭酸ガスを生成するために必要となる設備の設備費及び炭酸ガスを生成するために消費された電力の価値を考慮した価値として表される。したがって、例えば炭酸ガスの購入価格から炭酸ガスを生成するために必要となる設備の設備費及び炭酸ガスを生成するために消費された電力の価値を差し引いた値が、炭酸ガスの価値の一例として用いられることがある。以降では、発電装置10Aで1kWhの電力量を発電する場合に生成される炭酸ガスの価値[円/kWh]を、「炭酸ガス価格(CO2価格)」ということにする。炭酸ガス価格は本実施の形態における第2の金額の一例である。
【0102】
なお、発電装置10Aで1kWhの電力量を発電する場合に生成される炭酸ガスの生成量は、流量計31が制御部50に通知する排出二酸化炭素量に基づいて逐次更新される。
【0103】
ステップS50において、CPU51は、ステップS10で算出した運転費用と、ステップS20で取得した売電価格を比較して、運転費用が売電価格未満であるか否かを判定する。運転費用が売電価格未満である場合にはステップS130に移行する。
【0104】
この場合、売電価格と運転費用の差額が需要家Uの利益となる。したがって、ステップS130において、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。発電した電力は外部の電力供給元に逆潮して売却される。なお、売電量を大きくするに従って需要家Uの利益も大きくなるため、発電装置10Aで発電した電力を蓄電装置14に蓄電しない方が好ましい。また、同様の理由から、発電装置10Aで発電した電力を電力需要部42で消費しない方が好ましい。
【0105】
ステップS50の判定処理で、運転費用が売電価格以上の場合にはステップS60に移行する。
【0106】
ステップS60において、CPU51は、ステップS10で算出した運転費用と、ステップS30で取得した買電価格を比較して、運転費用が買電価格未満であるか否かを判定する。運転費用が買電価格未満である場合には、ステップS70に移行する。
【0107】
この場合、発電装置10Aで発電した電力を需要家Uが自家消費すれば、買電価格と運転費用の差額が需要家Uの利益となる。しかしながら、需要家Uに電力需要がなければ、発電装置10Aで発電しても利益は得られない。
【0108】
したがって、ステップS70において、CPU51は、需要家Uに電力需要が存在するか否かを判定する。具体的には、CPU51は電力需要部42の消費電力量を取得し、0kWhでなければ需要家Uに電力需要が存在すると判定する。
【0109】
なお、CPU51は、蓄電装置14に蓄電可能な電力量(蓄電可能電力量)を電力需要部42の消費電力量に含めてもよい。蓄電装置14に蓄電された電力は、電力需要部42で電力が消費される時期にあわせて供給可能であるため、蓄電可能電力量は電力需要部42における消費電力量と捉えることができる。すなわち、電力需要部42の消費電力量と蓄電装置14における蓄電可能電力量の合計が、需要家Uで消費される消費電力量ということになる。
【0110】
需要家Uに電力需要が存在する場合にはステップS130に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。ただし、発電装置10Aの発電電力量が需要家Uで消費される消費電力量を超えた場合、需要家Uで消費される消費電力量を超えた部分に相当する超過電力量を売電したとしても、ステップS50の判定処理で運転費用が売電価格以上であると判定されていることから、超過電力量は経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Aの発電電力量が需要家Uで消費される消費電力量以下となるように、発電装置10Aの発電電力量を制御することが好ましい。
【0111】
ステップS60の判定処理で運転費用が買電価格以上と判定された場合、及びステップS70の判定処理で需要家Uに電力需要が存在しないと判定された場合には、ステップS80に移行する。
【0112】
ステップS80において、CPU51は、ステップS10で算出した運転費用と、ステップS20で取得した売電価格及びステップS40で取得した炭酸ガス価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS90に移行する。
【0113】
この場合、単に発電装置10Aで発電された電力を外部の電力供給元に売電するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Aで発電された電力を外部の電力供給元に売電すると共に、発電装置10Aの発電に伴い生成された炭酸ガスを需要家Uが自家消費すれば、運転費用と、売電価格及び炭酸ガス価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。しかしながら、需要家Uに炭酸ガスの需要がなければ、発電装置10Aで発電しても利益は得られない。
【0114】
したがって、ステップS90において、CPU51は、需要家Uに炭酸ガスの需要が存在するか否かを判定する。具体的には、CPU51はCO2需要部40での炭酸ガス消費量を取得し、0m3でなければ需要家Uに炭酸ガスの需要が存在すると判定する。
【0115】
なお、CPU51は、第1CO2タンク30に貯留可能な炭酸ガスの貯留量(貯留可能量)をCO2需要部40での炭酸ガス消費量に含めてもよい。第1CO2タンク30に貯留された炭酸ガスは、CO2需要部40で炭酸ガスが消費される時期にあわせて供給可能であるため、炭酸ガスの貯留可能量はCO2需要部40の炭酸ガス消費量と捉えることができる。すなわち、CO2需要部40における実際の炭酸ガス消費量と、第1CO2タンク30における炭酸ガスの貯留可能量の合計が、需要家Uで消費される炭酸ガス消費量ということになる。
【0116】
需要家Uに炭酸ガスの需要が存在する場合にはステップS130に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。ただし、発電装置10Aの発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が需要家Uで消費される炭酸ガス消費量を超えた場合、炭酸ガス消費量を超えた部分に相当する超過炭酸ガス量に経済的な価値は存在しないことから、超過炭酸ガス量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Aで生成される炭酸ガス生成量が需要家Uで消費される炭酸ガス消費量以下となるように、発電装置10Aの発電電力量を制御することが好ましい。
【0117】
ステップS80の判定処理で、運転費用が売電価格と炭酸ガス価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS90の判定処理で需要家Uに炭酸ガスの需要が存在しないと判定された場合には、ステップS100に移行する。
【0118】
ステップS100において、CPU51は、ステップS10で算出した運転費用と、ステップS30で取得した買電価格及びステップS40で取得した炭酸ガス価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS110に移行する。
【0119】
この場合、単に発電装置10Aで発電した電力を需要家Uが自家消費するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Aで発電した電力を需要家Uが自家消費すると共に、発電装置10Aの発電に伴い生成された炭酸ガスを需要家Uが自家消費すれば、運転費用と、買電価格及び炭酸ガス価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。
【0120】
しかしながら、需要家Uに電力需要及び炭酸ガスの需要がなければ、発電装置10Aで発電しても利益は得られない。
【0121】
したがって、ステップS110において、CPU51は、需要家Uに電力需要が存在し、かつ、炭酸ガスの需要が存在するか否かを判定する。需要家Uに電力需要及び炭酸ガスの需要が存在する場合にはステップS130に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。
【0122】
ただし、既に説明したように、超過電力量及び超過炭酸ガス量に経済的な価値は存在しないことから、超過電力量及び超過炭酸ガス量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Aの発電電力量が需要家Uで消費される消費電力量以下で、かつ、発電に伴い生成される炭酸ガス生成量が需要家Uで消費される炭酸ガス消費量以下となるように、発電装置10Aの発電電力量を制御することが好ましい。
【0123】
ステップS100の判定処理で、運転費用が買電価格と炭酸ガス価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS110の判定処理で需要家Uに電力需要が存在しないか、又は需要家Uに炭酸ガスの需要が存在しないと判定された場合には、ステップS120に移行する。
【0124】
この場合、発電装置10Aで発電したとしても需要家Uは経済的損失を被るため、ステップS120において、CPU51は、発電を行っている場合には発電を停止するよう発電装置10Aを制御する。また、発電装置10Aで発電が行われていない場合には、CPU51は引き続き発電が行われないようにする。
【0125】
一方、ステップS130で発電装置10Aの発電が行われた場合にはステップS10に移行し、CPU51は、ステップS10以降の処理を再度実行する。
【0126】
発電中であってもステップS10で現在の発電状況を加味した運転費用が算出され、ステップS20~S40において、それぞれ最新の売電価格、買電価格、及び炭酸ガス価格が得られる。したがって、CPU51は、時間と共に変動する発電に伴う損益分岐点を考慮しながら、発電装置10Aにおける発電の開始及び停止を制御することができる。
【0127】
なお、CPU51はステップS130からステップS10に移行する場合、予め定めた時間が経過するまで待機してからステップS10に移行する。このようにすることで、CPU51は、設定した間隔で定期的に発電装置10Aにおける発電の可否を判定し、需要家Uにとって利益にならないと判定した場合には発電を停止することができる。
【0128】
以上により、図4に示す発電制御処理を終了する。
【0129】
このように、本実施の形態における発電装置10Aは、売電価格、買電価格、売電価格と炭酸ガス価格の合計額、及び買電価格と炭酸ガス価格の合計額の少なくとも1つと運転費用とを比較して、需要家Uに利益が生じる場合は発電を行い、経済的損失が生じる場合は発電を行わないようにする。
【0130】
運転費用と発電条件との比較順に制約はないが、図4に示した発電制御処理では、発電条件を満たしにくい順に運転費用との比較を行っている。
【0131】
なお、蓄電装置14における放充電効率は100%より低いため、蓄電装置14に蓄電することで電力損失が発生する。したがって、蓄電装置14に電力を蓄電する場合、蓄電装置14による電力損失分を発電装置10Aで発電される電力から差し引いて、運転費用を算出するようにしてもよい。
【0132】
<第2実施形態>
第1実施形態における発電装置10Aでは発電に伴い生成される電力及び炭酸ガスを、需要家Uの電力需要部42及びCO2需要部40へ供給した。第2実施形態では電力及び炭酸ガスに加え、発電に伴い生成される熱を回収して需要家Uに供給する発電装置10Bについて説明する。
【0133】
図5に、第2実施形態における発電装置10Bの概略ブロック図を示す。図3に示す発電装置10Bの概略ブロック図が図1に示した発電装置10Aの概略ブロック図と異なる点は、FCシステム20での発電に伴い生成された熱を需要家Uに供給する熱配管P30が追加され、熱配管P30に第5バルブV5が設けられた点である。FCシステム20での発電に伴い生成された熱は、温水又は蒸気の状態で熱配管P30へ送出される。
【0134】
第5バルブV5は流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって流量が制御されることで、指定された熱量が需要家Uの熱需要部44に供給される。熱需要部44は、熱量を消費する設備であり、例えば空調設備や給湯設備が含まれる。すなわち、需要家Uは熱量を消費する熱需要部44を備えており、無償で発電装置10Bから供給される熱を受熱して熱需要部44で消費することができるが、発電装置10Bから供給される熱の熱量が熱需要部44で消費される熱量(熱消費量)未満の場合には、熱を小売する販売者(外部の熱供給元)から熱を購入する必要がある。したがって、熱需要部44は、外部の熱供給元からも熱の供給を受ける。
【0135】
なお、熱配管P30及び第5バルブV5は、本実施の形態における熱回収部の一例である。
【0136】
図6は、発電装置10Bにおける電気系統の要部構成例を示す図である。発電装置10Bの制御部50も、第1実施形態における発電装置10Aと同じく、例えばコンピュータを用いて構成される。
【0137】
図6に示す電気系統の要部構成例が、図3に示した発電装置10Aにおける電気系統の要部構成例と異なる点は、I/O55に第5バルブV5が接続された点であり、その他の構成は図3と同じになる。
【0138】
次に、図7を用いて、発電装置10Bにおける発電の制御方法について詳細に説明する。
【0139】
発電制御処理を規定する発電制御プログラムは、例えば制御部50のROM52に予め記憶されている。制御部50のCPU51は、ROM52に記憶される発電制御プログラムを読み込み、発電制御処理を実行する。
【0140】
なお、発電制御処理の開始時に発電装置10Bで発電は行われていないものとし、CPU51は、発電装置10Bで発電が行われていない期間に亘り、定期的又は不定期に発電制御処理を実行する。
【0141】
ステップS200において、CPU51は第1発電処理を実行する。「第1発電処理」とは、図4に示した発電装置10Aにおける発電制御処理から、ステップS120の処理を取り除いた処理のことである。すなわち、発電装置10BにおけるCPU51は、まず、既に説明した発電装置10Aにおける発電制御処理を実行する。
【0142】
引き続き、ステップS210において、CPU51は、例えば通信ユニット12を制御して、需要家Uが購入している熱の価格をインターネットに接続される外部装置から取得する。なお、CPU51は、ユーザが図示しない入力装置に入力した価格を読み取ることで、熱の価格を取得してもよい。
【0143】
発電装置10Bで1kWhの電力量を発電する場合に生成される熱の価値とは、生成された同量の熱量を市場で購入した場合の購入価格、若しくは、当該熱の購入価格に熱を生成するために必要となる設備の設備費及び熱を生成するために消費された電力の価値を考慮した価値として表される。したがって、例えば熱の購入価格から熱を生成するために必要となる設備の設備費及び熱を生成するために消費されたエネルギーの価値を差し引いた値が、熱の価値の一例として用いられることがある。以降では、発電装置10Bで1kWhの電力量を発電する場合に生成される熱の価格[円/kWh]を、「熱価格」ということにする。熱価格は熱の価値の一例であると共に、本実施の形態における第3の金額の一例である。
【0144】
なお、発電装置10Bで1kWhの電力量を発電した場合の熱生成量[MJ]は、例えばFCシステム20に設けられた図示しない熱量計で計測された熱量に基づいて逐次更新され、例えば不揮発性メモリ54に記憶される。したがって、例えば不揮発性メモリ54に予め記憶された発電装置10Bで1kWhの電力量を発電する場合に生成される熱生成量と1MJあたりの熱量の価格を参照することで、熱価格が得られる。
【0145】
ステップS220において、CPU51は、ステップS200の第1発電処理内で算出した運転費用と、ステップS200の第1発電処理内で取得した売電価格及びステップS210で取得した熱価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS230に移行する。
【0146】
この場合、単に発電装置10Bで発電された電力を外部の電力供給元に売電するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Bで発電された電力を外部の電力供給元に売電すると共に、発電装置10Bの発電に伴い生成された熱を需要家Uが自家消費すれば、運転費用と、売電価格及び熱価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。しかしながら、需要家Uに熱の需要がなければ、発電装置10Bで発電しても利益は得られない。
【0147】
したがって、ステップS230において、CPU51は、需要家Uに熱の需要が存在するか否かを判定する。具体的には、CPU51は熱需要部44での熱消費量を取得し、0MJでなければ需要家Uに熱の需要が存在すると判定する。
【0148】
なお、CPU51は、例えば熱需要部44に熱を蓄熱する図示しない蓄熱装置が設けられている場合には、図示しない蓄熱装置に蓄熱可能な蓄熱量(蓄熱可能量)を熱需要部44での熱消費量に含めてもよい。図示しない蓄熱装置に蓄熱された熱量は、熱需要部44で熱量が消費される時期にあわせて供給可能であるため、図示しない蓄熱装置における蓄熱可能量は熱需要部44の熱消費量と捉えることができる。すなわち、熱需要部44における実際の熱消費量と、図示しない蓄熱装置における蓄熱可能量の合計が、需要家Uで消費される熱消費量ということになる。
【0149】
需要家Uに熱の需要が存在する場合にはステップS310に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。ただし、発電装置10Bの発電に伴い生成される熱生成量が需要家Uで消費される熱消費量を超えた場合、熱消費量を超えた部分に相当する超過熱量に経済的な価値は存在しないことから、超過熱量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Bで生成される熱生成量が需要家Uで消費される熱消費量以下となるように、発電装置10Bの発電電力量を制御することが好ましい。
【0150】
ステップS220の判定処理で、運転費用が売電価格と熱価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS230の判定処理で需要家Uに熱の需要が存在しないと判定された場合には、ステップS240に移行する。
【0151】
ステップS240において、CPU51は、ステップS200の第1発電処理内で算出した運転費用と、ステップS200の第1発電処理内で取得した買電価格及びステップS210で取得した熱価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS250に移行する。
【0152】
この場合、単に発電装置10Bで発電した電力を需要家Uが自家消費するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Bで発電した電力を需要家Uが自家消費すると共に、発電装置10Bの発電に伴い生成された熱を需要家Uが自家消費すれば、運転費用と、買電価格及び熱価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。
【0153】
しかしながら、需要家Uに電力需要及び熱の需要がなければ、発電装置10Bで発電しても利益は得られない。
【0154】
したがって、ステップS250において、CPU51は、需要家Uに電力需要が存在し、かつ、熱の需要が存在するか否かを判定する。需要家Uに電力需要及び熱の需要が存在する場合にはステップS310に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。
【0155】
ただし、既に説明したように、超過電力量及び超過熱量に経済的な価値は存在しないことから、超過電力量及び超過熱量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Bの発電電力量が需要家Uで消費される消費電力量以下で、かつ、発電に伴い生成される熱生成量が需要家Uで消費される熱消費量以下となるように、発電装置10Aの発電電力量を制御することが好ましい。
【0156】
ステップS240の判定処理で、運転費用が買電価格と熱価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS250の判定処理で需要家Uに電力需要が存在しないか、又は需要家Uに熱の需要が存在しないと判定された場合には、ステップS260に移行する。
【0157】
ステップS260において、CPU51は、ステップS200の第1発電処理内で算出した運転費用と、ステップS200の第1発電処理内で取得した売電価格、炭酸ガス価格、及びステップS210で取得した熱価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS270に移行する。
【0158】
この場合、単に発電装置10Bで発電された電力を外部の電力供給元に売電し、かつ、発電装置10Bの発電に伴い生成された炭酸ガスを需要家Uが自家消費するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Bで発電された電力を外部の電力供給元に売電すると共に、発電装置10Bの発電に伴い生成された炭酸ガス及び熱を需要家Uがそれぞれ自家消費すれば、運転費用と、売電価格、炭酸ガス価格、及び熱価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。しかしながら、需要家Uに炭酸ガス及び熱の需要がなければ、発電装置10Bで発電しても利益は得られない。
【0159】
したがって、ステップS270において、CPU51は、需要家Uに炭酸ガス及び熱の需要が存在するか否かを判定する。
【0160】
需要家Uに炭酸ガス及び熱の需要が存在する場合にはステップS310に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。ただし、超過炭酸ガス量及び超過熱量に経済的な価値は存在しないことから、超過炭酸ガス量及び超過熱量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Bで生成される炭酸ガス生成量が需要家Uで消費される炭酸ガス消費量以下となり、かつ、発電装置10Bで生成される熱生成量が需要家Uで消費される熱消費量以下となるように、発電装置10Bの発電電力量を制御することが好ましい。
【0161】
ステップS260の判定処理で、運転費用が売電価格、炭酸ガス価格、及び熱価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS270の判定処理で需要家Uに炭酸ガス及び熱の需要が存在しないと判定された場合には、ステップS280に移行する。
【0162】
ステップS280において、CPU51は、ステップS200の第1発電処理内で算出した運転費用と、ステップS200の第1発電処理内で取得した買電価格、炭酸ガス価格、及びステップS210で取得した熱価格の合計額とを比較して、運転費用が当該合計額未満であるか否かを判定する。運転費用が合計額未満である場合にはステップS290に移行する。
【0163】
この場合、単に発電装置10Bで発電した電力を需要家Uが自家消費し、かつ、発電装置10Bの発電に伴い生成された炭酸ガスを需要家Uが自家消費するだけでは経済的損失が発生するが、発電装置10Bで発電した電力を需要家Uが自家消費すると共に、発電装置10Bの発電に伴い生成された炭酸ガス及び熱を需要家Uが自家消費すれば、運転費用と、買電価格、炭酸ガス価格、及び熱価格の合計額との差額が需要家Uの利益となる。
【0164】
しかしながら、需要家Uに電力需要、炭酸ガスの需要、及び熱の需要がなければ、発電装置10Bで発電しても利益は得られない。
【0165】
したがって、ステップS290において、CPU51は、需要家Uに電力需要、並びに、炭酸ガス及び熱の需要が存在するか否かを判定する。
【0166】
需要家Uに電力需要、並びに、炭酸ガス及び熱の需要が存在する場合にはステップS310に移行し、CPU51は、発電を行うようFCシステム20を制御する。ただし、超過電力量、超過炭酸ガス量、及び超過熱量に経済的な価値は存在しないことから、超過電力量、超過炭酸ガス量、及び超過熱量が発生すると全体としてみた場合、経済的損失につながる。したがって、CPU51は、発電装置10Bの発電電力量が需要家Uで消費される消費電力量以下となると共に、発電装置10Bで生成される炭酸ガス生成量が需要家Uで消費される炭酸ガス消費量以下となり、かつ、発電装置10Bで生成される熱生成量が需要家Uで消費される熱消費量以下となるように、発電装置10Bの発電電力量を制御することが好ましい。
【0167】
ステップS280の判定処理で、運転費用が買電価格、炭酸ガス価格、及び熱価格の合計額以上と判定された場合、及びステップS290の判定処理で需要家Uに電力、炭酸ガス、及び熱のそれぞれの需要が存在しないと判定された場合には、ステップS300に移行する。
【0168】
この場合、発電装置10Bで発電したとしても需要家Uは経済的損失を被るため、ステップS300において、CPU51は、発電を行っている場合には発電を停止するよう発電装置10Bを制御する。また、発電装置10Bで発電が行われていない場合には、CPU51は引き続き発電が行われないようにする。
【0169】
一方、ステップS310で発電装置10Bの発電が行われた場合にはステップS200に移行し、CPU51は、ステップS200以降の処理を再度実行する。
【0170】
発電装置10Bにおいても、現在の発電状況を加味した運転費用が算出されると共に、それぞれ最新の売電価格、買電価格、炭酸ガス価格、及び熱価格が得られる。したがって、CPU51は、時間と共に変動する発電に伴う損益分岐点を考慮しながら、発電装置10Bにおける発電の開始及び停止を制御することができる。
【0171】
なお、CPU51はステップS310からステップS200に移行する場合、予め定めた時間が経過するまで待機してからステップS200に移行する。このようにすることで、CPU51は、設定した間隔で定期的に発電装置10Bにおける発電の可否を判定し、需要家Uにとって利益にならないと判定した場合には発電を停止することができる。
【0172】
以上により、図7に示す発電制御処理を終了する。
【0173】
このように、本実施の形態における発電装置10Bは、売電価格、買電価格、売電価格と炭酸ガス価格の合計額、買電価格と炭酸ガス価格の合計額、売電価格と熱価格の合計額、買電価格と熱価格の合計額、売電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額、及び買電価格と炭酸ガス価格と熱価格の合計額の少なくとも1つの金額と運転費用とを比較して、需要家Uに利益が生じる場合は発電を行い、経済的損失が生じる場合は発電を行わないようにする。
【0174】
運転費用と発電条件との比較順に制約はないが、図7に示した発電制御処理では、発電条件を満たしにくい順に運転費用との比較を行っている。
【0175】
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、発電装置10A、10Bが燃料電池を用いて発電する例を示したが、必ずしも燃料電池で発電する必要はなく、電力と共に炭酸ガスを生成する発電方式であれば、例えばガソリンエンジン及びガスタービン等、他の発電方式を用いてもよい。
【0176】
また、発電装置10A、10Bは、需要家Uで消費される炭酸ガスの需要及び熱の需要を計測して取得するのではなく、需要家Uで消費された過去の需要の変化状況や、需要家U以外の他の需要家における需要の変化状況を参考にして需要を予測してもよい。具体的には、需要家Uで消費される炭酸ガスの需要及び熱の需要は時間と共に変化するが、1日単位で需要の変化状況をみた場合、日毎の需要の変化状況には類似性が認められる。したがって、過去の需要の変化状況から、炭酸ガスの需要及び熱の需要が予測可能となる。
【0177】
同様に、売電価格及び買電価格についても、天候、季節、及びガソリン等の電力以外の他のエネルギーの価格変動等から予測可能となる。
【0178】
以上、各実施形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
【0179】
更に、各実施の形態では、一例として発電制御処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、図4及び図7に示したフローチャートと同等の処理をハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、発電制御処理をソフトウエアで実現する場合に比べて、処理の高速化が図られる。
【0180】
また、各実施の形態では、発電制御プログラムがROM52にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。発電制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した形態で提供することも可能である。例えば、発電制御プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM、又はDVD-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよいし、USBメモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、インターネットに接続された外部装置から発電制御プログラムをダウンロードして、ROM52に格納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0181】
10A、10B・・・発電装置、12・・・通信ユニット、14・・・蓄電装置、16D・・・電力ケーブル、18・・・分電盤、20・・・FCシステム、30・・・第1CO2タンク、30A、32A・・・圧力計、31・・・流量計、32・・・第2CO2タンク、40・・・CO2需要部、42・・・電力需要部、44・・・熱需要部、47・・・通信ユニット、50・・・制御部、51・・・CPU、52・・・ROM、53・・・RAM、54・・・不揮発性メモリ、P20・・・CO2管、P22・・・供給配管、P24・・・貯留用配管、P26・・・第1配管、P28・・・第2配管、P30・・・熱配管、L1、L2・・・電力ライン、U・・・需要家、V1・・・第1バルブ、V2・・・第2バルブ、V3・・・第3バルブ、V4・・・第4バルブ、V5・・・第5バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7