(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ヘッドランプユニット
(51)【国際特許分類】
B62J 6/22 20200101AFI20231102BHJP
B62J 6/022 20200101ALI20231102BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20231102BHJP
B60Q 1/26 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B62J6/22
B62J6/022
B60Q1/04 A
B60Q1/26 A
(21)【出願番号】P 2019149418
(22)【出願日】2019-08-16
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 翔
(72)【発明者】
【氏名】小林 充
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1597368(JP,S)
【文献】特開2018-052263(JP,A)
【文献】特表2019-502598(JP,A)
【文献】特開2007-030809(JP,A)
【文献】特開2009-262913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/00 - 6/26
B62J 23/00
B60Q 1/04
B60Q 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両の前部に設けられるヘッドランプユニットであって、
光が照射される光源側に凹む案内面を含む照射面を有するヘッドランプと、
前記ヘッドランプの両側に配設された一対のポジションランプと、
前記一対のポジションランプの外側を覆う一対のカバーと、
を備え、
前記一対のポジションランプのそれぞれは、前記案内面の外側方で前記案内面と連続し、光が照射される光源側に凹む外側案内面を含む外側照射面を有し、前記一対のカバーのそれぞれは、前記外側案内面に隣接
し、
前記案内面が光源側に凹む部分が連続する谷線を有し、前記谷線が幅方向外側に向っており、
前記外側案内面は、側面視における前記外側案内面の中間部で光源側に凹む谷部分を有し、前記谷部分が前記谷線の幅方向外側延長上に位置し、
前記カバーの外面は、上方に進むにつれて幅方向外側に向うカバー外側案内面を含み、
前記案内面によって案内された風が前記外側案内面を経由してその外側の前記カバー外側案内面によって案内される、ヘッドランプユニット。
【請求項2】
請求項1記載のヘッドランプユニットであって、
前記ポジションランプの前記外側照射面は、正面視において細長い形状に形成され、
前記一対のポジションランプの前記外側照射面は、正面視において下方に向けて互いに近づく、ヘッドランプユニット。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載のヘッドランプユニットであって、
前記ヘッドランプは、左側発光部と右側発光部とを含む2灯型のヘッドランプである、ヘッドランプユニット。
【請求項4】
請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載のヘッドランプであって、
前記ヘッドランプは、前記案内面として左側案内面と右側案内面とを含み、
前記左側案内面と前記右側案内面とは、光が照射される光源側に凹む面に形成され、
前記ヘッドランプは、前記左側案内面と前記右側案内面との間で、前側に最も突出する部分を含む、ヘッドランプユニット。
【請求項5】
請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載のヘッドランプユニットであって、
前記ポジションランプが前記ヘッドランプの隣に配置された状態で、一部が前記ヘッドランプに取付けられると共に他の一部が前記ポジションランプに取付けられるブラケットをさらに備える、ヘッドランプユニット。
【請求項6】
請求項1から
請求項5のいずれか1項に記載のヘッドランプユニットであって、
前記ヘッドランプユニットは、ハンドルと共に向きが変るように前記鞍乗型車両に支持されている、ヘッドランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鞍乗型車両のヘッドランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ポジションランプを備える鞍乗型車両を開示している。ポジションランプは、ヘッドライトの左右に配置されている。ポジションランプは、車幅方向内側の透光面を含む。この透光面における車両の左右方向での外側端の前端は、透光面における車両の左右方向での内側端の前端よりも前方に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鞍乗型車両において、ヘッドランプに当った風を円滑に周囲に流すことが望まれている。
【0005】
そこで、目的は、ヘッドランプに当った風を円滑に周囲に流すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、ヘッドランプユニットは、鞍乗型車両の前部に設けられるヘッドランプユニットであって、光が照射される側に凹む案内面を含む照射面を有するヘッドランプと、前記ヘッドランプの両側に配設された一対のポジションランプと、を備え、前記一対のポジションランプのそれぞれは、前記案内面の外側方で前記案内面と連続し、光が照射される側に凹む外側案内面を含む外側照射面を有する。
【発明の効果】
【0007】
このヘッドランプユニットによると、ヘッドランプの照射面は、光が照射される側に凹む案内面を含むため、走行風が当該案内面によってヘッドランプの周りに円滑に案内される。ヘッドランプの案内面の外側方にも、光が照射される側に凹む外側案内面が設けられているため、ヘッドランプの周りに案内された走行風が、当該外側案内面によってさらに円滑にヘッドランプユニットの周りに案内される。このため、ヘッドランプに当った走行風は円滑に周囲に流れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るヘッドランプユニットを備える自動二輪車の全体構成を示す側面図である。
【
図5】
図3のV-V線における左側案内面と光源との関係を例示する説明図である。
【
図6】ポジションランプをヘッドランプに取付ける構成例を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るヘッドランプユニットについて説明する。このヘッドランプユニットは、鞍乗型車両の前部に設けられる。鞍乗型車両は、ユーザである運転者がシートに跨った状態で運転する車両である。以下の実施形態では、鞍乗型車両が自動二輪車である例で説明する。本ヘッドランプユニットは、自動二輪車の他、ATV(All Terrain Vehicle)等の鞍乗型車両にも適用可能である。
【0010】
図1はヘッドランプユニット40を備える自動二輪車10の全体構成を示す側面図である。なお、以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。まず、自動二輪車10の前輪20及び後輪22が路面に接地する側が下であり、その反対側が上である。また、自動二輪車10が走行する際の走行方向が前であり、その反対側が後ろである。さらに、ユーザが運転者として自動二輪車10に搭乗した状態で、当該ユーザを基準とする左右が自動二輪車10の左右である。幅方向という場合、左右の車幅方向である。
【0011】
自動二輪車10では、車体フレーム11の前側に前輪20が回転可能に設けられる。車体フレーム11の後側に後輪22が回転可能に設けられる。車体フレーム11には、動力ユニットとしてエンジン24が搭載されている。エンジン24の駆動によって後輪22が回転駆動される。動力ユニットは、電動モータ等であってもよい。
【0012】
車体フレーム11における前後方向中間部の上側にシート12が設けられている。シート12に対して前側に燃料タンク13が設けられている。車体フレーム11の前側にハンドル30が設けられている。このため、シート12に跨った運転者が前方を向いた状態でハンドル30を操作することができる。
【0013】
ハンドル30が操作されることによって、前輪20の向きが変更される。ここでは、車体フレーム11の前部にヘッドパイプ32が設けられている。ヘッドパイプ32には、ステアリングシャフト33が回転可能に挿通されている。ステアリングシャフト33には、アッパーブラケット34とアンダーブラケット35とが支持されている。アッパーブラケット34とアンダーブラケット35とによって、フロントフォーク36が下方に向けて延在するように支持されている。フロントフォーク36の下端部に前輪20が回転可能に支持されている。
【0014】
ハンドル30が、アッパーブラケット34及びアンダーブラケット35の少なくとも一方に支持されている。ハンドル30が操作されると、ステアリングシャフト33、アッパーブラケット34、アンダーブラケット35及びフロントフォーク36がヘッドパイプ32の軸周りに回転する。この回転と共に、前輪20もヘッドパイプ32の軸周りに回転して、前輪20の向きが変る。
【0015】
上記自動二輪車10の前部にヘッドランプユニット40が設けられる。
図2はヘッドランプユニット40を示す側面図である。
図3はヘッドランプユニット40を示す正面図である。
図4はヘッドランプユニット40を示す斜視図である。
図5は
図3のV-V線における左側案内面57Lと光源51Bとの関係を例示する説明図である。
【0016】
ヘッドランプユニット40は、ヘッドランプ50と、一対のポジションランプ70とを備える。ヘッドランプ50は、自動二輪車10の前方を照し出すための光を照射するランプである。ポジションランプ70は、自車位置等を知らせるための補助的な光を照射するランプである。ポジションランプ70は、スモールランプと呼ばれることもある。ポジションランプ70がヘッドランプユニット40に支持されることによって、ヘッドランプユニット40とポジションランプ70とが一体化されている。
【0017】
ヘッドランプユニット40は、照射面54を備える。照射面54は、自動二輪車10の前方を照らすための光が前方に向けて照射される面である。より具体的には、ヘッドランプ50は、支持体42によって支持されたヘッドランプカバー52を備える。支持体42は、樹脂又は金属又はそれらの複合体によって構成されている。支持体42の前部にヘッドランプカバー52が取付けられている。ヘッドランプカバー52は、光が透過可能な樹脂等によって形成された部材である。ヘッドランプカバー52は、レンズ機能を有するレンズカバーであってもよいし、レンズ機能を有さないカバーであってもよい。このヘッドランプカバー52に、ヘッドランプユニット40の前部における幅方向中央に広がる照射面54が設けられる。ヘッドランプ50における照射面54の内面側に、光源51A、51Bが設けられる。上記照射面54は、光源51Bからの光が照射される側に凹む案内面57L、57Rを含んでいる(
図5参照)。自動二輪車10の走行中において、案内面57L、57Rにあたった走行風Fは、案内面57L、57Rの凹み形状に応じて幅方向外側に案内される。
【0018】
一対のポジションランプ70は、上記ヘッドランプ50の両側に配設される。一対のポジションランプ70は、外側照射面74を備える。外側照射面74は、自動二輪車10の自車位置等を知らせるための光が外側に向けて照射される面である。より具体的には、一対のポジションランプ70は、ポジションランプカバー72を備える。ポジションランプカバー72は、光が透過可能な樹脂等によって形成された部材である。ポジションランプカバー72は、レンズ機能を有するレンズカバーであってもよいし、レンズ機能を有さないカバーであってもよい。このポジションランプカバー72に、外側照射面74が設けられる。一対の外側照射面74は、上記照射面54に対して幅方向外側に設けられる。一対のポジションランプ70のそれぞれにおいて、外側照射面74の内面側に光源71が設けられる。
【0019】
外側照射面74は、光源71からの光が照射される側に凹む外側案内面77を含んでいる(
図5参照)。この外側案内面77は、上記案内面57L、57Rの外側方で当該案内面57L、57Rと連続している。このため、自動二輪車10の走行中において、案内面57L、57Rによって案内された走行風Fは、そのまま外側案内面77によって幅方向外側に案内される。
【0020】
ヘッドランプ50の照射面54とポジションランプ70の外側照射面74とについてより具体的な例を説明する。
【0021】
ヘッドランプ50における照射面54は、幅方向中央部でくびれる(最も細くなる)左右対称形状に形成されている。なお、ヘッドランプユニット40における他の部分も、幅方向中央を境界として左右対称形状であり、従って、ヘッドランプユニット40全体としても幅方向中央を境界として左右対称形状である。照射面54の上縁部は、正面視において、幅方向中央部から幅方向外側に進むのにつれて上方に向い、側面視において、後方に進むにつれて上方に向う形状に形成されている。照射面54の下縁部における幅方向中央部は、上方に凹んでいる。照射面54の下縁部における幅方向中央部(凹んだ部分)は、側面視において、上方に進むにつれて前方に向う形状に形成されている。照射面54の下縁部における幅方向外側部分は、正面視において、幅方向外側に進むにつれて上方に向い、側面視において、後方に進むにつれて上方に向う形状に形成されている。照射面54の両側縁部は、外向きに凸となる形状に形成されている。照射面54が上記形状に形成されていることは必須ではない。他の例として、照射面は、方形状、円形状等に形成されていてもよい。
【0022】
上記照射面54における上部領域及び下部領域の一方が走行用前照灯(ハイビームとも呼ばれる)用のカバー部分であり、他方がすれ違い用前照灯(ロービームとも呼ばれる)用のカバー部分である。ここでは、ヘッドランプカバー52における上部領域がすれ違い用前照灯用の上照射領域55であり、ヘッドランプカバー52における下部領域が走行用前照灯用の下照射領域56である。
【0023】
上照射領域55と下照射領域56とは、稜線L1を介して上下に隣合っている。稜線L1は、正面視において、幅方向外側に進むにつれて上方に向うように延在している。稜線L1は、側面視においては後方に進むにつれて上方に向うように延在している。
【0024】
上照射領域55は、稜線L1から後方に進むにつれて上方に向うように延在している。下照射領域56は、稜線L1から後方に進むにつれて上方に向うように延在している。照射面54にあたった走行風は、稜線L1を境界として、上照射領域55側及び下照射領域56側に分れて流れる。
【0025】
上照射領域55は、右側照射領域55R及び左側照射領域55Lを含む。右側照射領域55R及び左側照射領域55Lは、外側に凸となるように湾曲する細長い領域に形成されている。右側照射領域55Rの内側縁部及び左側照射領域55Lの内側部縁は、幅方向中央のラインを介して連続している。当該幅方向中央のラインは、後方に進むにつれて上方に向うように延在している。右側照射領域55Rの上縁部及び左側照射領域55Lの上縁部は、上記照射面54の上縁部である。右側照射領域55Rの下縁部及び左側照射領域55Lの下上縁部は、上記稜線L1上に位置している。右側照射領域55Rの外側縁部及び左側照射領域55Lの外側縁部は、後方に進むにつれて上方に向うように延在している。右側照射領域55R及び左側照射領域55Lは、後方に進むにつれて上方及び幅方向外側に向うように延在している。このため、上照射領域55に流れ込んだ走行風は、幅方向中央のラインで右側照射領域55R側及び左側照射領域55L側に分れて流れ込む。右側照射領域55R及び左側照射領域55Lのそれぞれにおいて、走行風は、上方及び幅方向外側に向かうように案内される。なお、右側照射領域55Rと左側照射領域55Lとの間がカバーによって覆われていてもよい。また、右側照射領域55Rと左側照射領域55Lとは左右に分離していてもよい。例えば、ヘッドランプカバーは、左右で分離していてもよい。
【0026】
ここでは、右側照射領域55R及び左側照射領域55Lのそれぞれの奥側(後方側)に光源51Aが設けられる。光源51Aは、光を発するものであればよい。例えば、光源51Aは、HID(High Intensity Discharge lamp)ランプであってもよいし、ハロゲンランプであってもよいし、LED(Light Emitting Diode)であってもよい。光源51Aは、1つの光源を含んでいてもよいし、複数の光源を含んでいてもよい。光源51Aを囲むように、光源51Aの光を前方に反射するリフレクタが設けられてもよい。
【0027】
下照射領域56は、右側照射領域56R及び左側照射領域56Lを含む。右側照射領域56R及び左側照射領域56Lは、上縁部が下縁部よりも長い台形状に形成されている。右側照射領域56Rの上縁部は、右側照射領域55Rの下縁部に上記稜線L1を介して連なる。左側照射領域56Lの上縁部は、左側照射領域55Lの下縁部に上記稜線L1を介して連なる。
【0028】
右側照射領域56Rの下縁部及び左側照射領域56Lの下縁部は、正面視において、幅方向外側に進むにつれて上方に向い、側面視において、後方に向うのにつれて上方に向っている。右側照射領域56Rの下縁部及び左側照射領域56Lの下縁部は、上記照射面54の下縁部の一部をなしている。
【0029】
右側照射領域56Rの外側縁部及び左側照射領域56Lの外側縁部は、正面視において、幅方向外側に進むにつれて上方に向うように延在している。
【0030】
右側照射領域56Rの内側縁部及び左側照射領域56Lの内外側縁部は、幅方向において隙間をあけて対向している。当該隙間には、中間連結部58が存在している。右側照射領域56Rの内側縁部及び左側照射領域56Lの内外側縁部は、正面視において、上方に進むにつれて幅方向中央に向うように延在している。右側照射領域56Rの内側縁部及び左側照射領域56Lの内外側縁部は、側面視においては、上方に進むにつれて前方に向うように延在している。
【0031】
ここでは、右側照射領域56R及び左側照射領域56Lのそれぞれの奥側(後方側)に光源51Bが設けられる。光源51Bは、上記光源51Aと同様に、光を発するものであればよい。光源51Bを囲むように、光源51Bの光を前方に反射するリフレクタが設けられてもよい。
【0032】
光源51A、51Bのうち右側照射領域55R、56Rの後方に設けられるものは、右側発光部であり、左側照射領域55L、56Lの後方に設けられるものは、左側発光部である。このため、本ヘッドランプ50は、左側発光部と右側発光部とを含む2灯型のヘッドランプである、ここにおいて、2灯型のヘッドランプとは、光源が左右別々に設けられるヘッドランプをいう。走行用前照灯とすれ違い用前照灯とで、光源は共通していてもよいし、別々に設けられてもよい。
【0033】
右側照射領域56R及び左側照射領域56Lのそれぞれは、光源51Bから光が照射される側に凹む案内面57R、57Lを含む。ここでは、右側照射領域56Rに右側案内面57Rが設けられ、左側照射領域56Lに左側案内面57Lが設けられる。本例では、右側照射領域56Rの全体が右側案内面57Rであり、左側照射領域56Lの全体が左側案内面57Lである。右側照射領域、左側照射領域は、案内面とならない領域を有していてもよい。
【0034】
左側案内面57Lは、上側の第1案内領域57aと、下側の第2案内領域57bとを含む。第1案内領域57aは、左側照射領域56Lの内側縁部から外側縁部の上部に亘って広がるように形成されている。第1案内領域57aは、左側案内面57Lの幅方向全体に広がっており、幅方向外側に向うにつれて徐々に幅狭となる。第1案内領域57aは、側面視において、後方に進むにつれて下方に向い、平面視において、後方に進むにつれて幅方向外側に向うように延在している。第2案内領域57bは、左側照射領域56Lの下縁部から外側縁部の下部に亘って広がるように形成されている。第2案内領域57bは、光源51B側に向けて湾曲しつつ凹む(ここでは僅かに凹む)形状に形成されている。第2案内領域57bは、幅方向外側に向うにつれて徐々に幅広となる三角形状に広がっている。第2案内領域57bは、平面視において、後方に進むにつれて幅方向外側に向うように延在している。第2案内領域57bは、側面視において、下方に向うにつれて後方に向うように延在している。第2案内領域57bは、側面視において、真下に向ってもよいし、下方に向うのにつれて前方に向うように延在していてもよい。いずれにせよ、第2案内領域57bは、第1案内領域57aに対して左側案内面57L側で180゜未満の角度をなす角度で延在しており、第1案内領域57aと第2案内領域57bとの間で凹みを形成する。
【0035】
第1案内領域57aと第2案内領域57bとは、谷線L2を介して上下に連なっている。谷線L2は、第1案内領域57aと第2案内領域57bとが最も光源51B側に凹む部分が連続する線状をなす部分である。谷線L2は、正面視において、幅方向外側に進むにつれて上方に向い、側面視において、後方に進むにつれて上方に向うように延在している。このため、左側案内面57Lには、上記谷線L2に沿って、後方に向うにつれて上方及び幅方向外側に向う溝(ここでは浅い溝)形状部分が形成される。左側照射領域56Lにあたった走行風Fは、当該谷線L2に沿う溝に沿って、幅方向外側に案内される。
【0036】
右側案内面57Rは、幅方向中央ラインを挟んで、上記左側案内面57Lと同様構成である。
【0037】
中間連結部58は、上照射領域55の下縁部の中央部と、右側照射領域55Rの内側縁部と、左側照射領域55Lの内側縁部とに連なる部分である。中間連結部58は上側に凸となるU字形状部分に形成されている。中間連結部58の上部が上照射領域55の下縁部の中央部に連なっている。中間連結部58の両側部が、右側照射領域55Rの内側縁部と、左側照射領域55Lの内側縁部とに連なっている。中間連結部58は、側面視において、上方に進むにつれて前方に向っている。
【0038】
ヘッドランプ50のうち左側案内面57Lと右側照射領域55Rとの間の部分、ここでは、中間連結部58の上部と上照射領域55との連結部分が、ヘッドランプ50において最も前側に突出する部分50Pである。ヘッドランプ50の他の部分は、当該部分50Pの周囲において部分50Pから後方に存在している。
【0039】
一対のポジションランプ70は、ヘッドランプ50の両側の外隣に設けられる。例えば、ヘッドランプ50と一対のポジションランプ70とは別体とされており、一対のポジションランプ70がヘッドランプ50の支持体42に取付けられる。これにより、一対のポジションランプ70がヘッドランプ50の両側の外隣に配設された状態で、一対のポジションランプ70とヘッドランプ50とが一体化される。ポジションランプ70がヘッドランプ50とは別体とされているため、法規等の諸事情に応じてポジションランプ70の交換、取付、メンテナンス等が容易に行われ得る。
【0040】
ポジションランプ70における外側照射面74は、外側案内面77を含む。外側案内面77は、案内面57L、57Rに対して幅方向外側で連続するように配設される。ここで、外側案内面77が案内面57L、57Rと連続するとは、案内面57L、57Rによって案内された走行風Fが外側案内面77に流れ込んで幅方向外側に流れ出ることができる程度に連続する場合を含む。このため、外側案内面77が案内面57L、57Rとは、隙間無く連続していてもよいし、走行風Fの流れを大きく遮らない程度の段差を介して連続していてもよい。ここでは、外側案内面77のうち最も凹む部分の両側部分が第1案内領域57a及び第2案内領域57bの外側縁部に段差無く連続し、外側案内面77のうち最も凹む部分が第1案内領域57a及び第2案内領域57bの外側縁部に対して凹んだ状態で連続する場合が例示される。
【0041】
より具体的には、本実施形態では、外側照射面74の全体が外側案内面77である。外側案内面77及び外側照射面74は、正面視において細長い形状に形成されている。外側案内面77及び外側照射面74は、正面視において、下方に進むにつれて幅方向内側に向うように延在している。このため、一対の外側案内面77及び一対の外側照射面74は、正面視において、下方に向けて互いに近づく姿勢で延在している。外側案内面77の延在方向中間部は、側面視において、光源71側、即ち、後方側に凹んでいる。ここでは、外側案内面77の中間部であって上寄りの部分が、最も光源71側に凹んでいる。ここで、外側案内面77のうち最も光源71側に凹む部分を谷部分75とする。谷部分75は、上記谷線L2の幅方向外側延長上に位置していてもよい。谷部分75は、第1案内領域57a及び第2案内領域57bの外側縁部に対して凹んでいる。外側照射面は、上記外側案内面77のように凹む形状とならない部分を含んでいてもよい。
【0042】
外側案内面77のうち谷部分75よりも上側の部分は、側面視において、上方に進むにつれて前方に向うように延在している。外側案内面77の上端部は、上記第1案内領域57aの外側縁部の上端部の隣に達している。
【0043】
外側案内面77のうち谷部分75よりも下側の部分は、側面視において、下方に進むにつれて前方に向うように延在している。外側案内面77のうち谷部分75よりも下側の部分は、谷部分75よりも上側の部分よりも長い。外側案内面77のうち谷部分75よりも下側の部分は、第2案内領域57bの外側縁部の下端部を下方に超えて延在している。外側案内面77のうち谷部分75よりも下側の部分は、ヘッドランプ50よりも下方に延出している。外側案内面77の下端部は、外側照射面74の上端部よりも前方に位置している。
【0044】
外側案内面77の奥側(後方側)に光源71が設けられる。光源71は、上記光源51A、51Aと同様に、光を発するものであればよい。光源71を囲むように、光源71の光を前方に反射するリフレクタが設けられてもよい。
【0045】
ヘッドランプユニット40は、ヘッドランプユニット40の上方を覆うカバー80を備える。また、ヘッドランプユニット40は、ヘッドランプユニット40の両側方を覆うに一対のカバー90を備える。
【0046】
カバー80は、外方に向けて凸となるように湾曲する形状に形成されており、支持体42に取付けられた状態で当該支持体42の上側を覆っている。カバー80は、ヘッドランプ50の上側をも覆っている。カバー80の前縁部は、上照射領域55の上縁部及び両外側縁部の上部に沿う形状に形成されている。より具体的には、カバー80の前縁部は、幅方向中央から後方に進むにつれて上方及び幅方向外側に向うように延在する部分と、この部分の外側端部から前方に進むにつれて下方に向う部分とを含む。カバー80は、非透過性の樹脂によって形成されており、上照射領域55における上側境界を規定する役割を果すことができる。
【0047】
カバー90は、支持体42に取付けられた状態で、ポジションランプ70の外側及び支持体42の外側を覆っている。カバー80は、外側に向けて凸となるように湾曲する形状に形成されている。カバー80の上側部分は、カバー80の下側部分よりも幅方向外側に位置している。カバー80の外面は、正面視において、上方に進むにつれて幅方向外側に向うカバー外側案内面92を含む。カバー外側案内面92は、平面視において、後方に進むにつれて幅方向外側に向っている。
【0048】
カバー90の前縁部は、外側照射面74の外側縁部に沿う形状に形成されている。より具体的には、カバー90の前縁部は、延在方向中間部(ここでは、中央部より上寄りの部分)で後方に凹む形状に形成されている。カバー90の前縁部のうち最も凹む部分よりも上側の部分は、上方に進むにつれて前方に向うように延在している。カバー90の前縁部のうち最も凹む部分よりも下側の部分は、下方に進むにつれて前方に向うように延在している。カバー90は、非透過性の樹脂によって形成されており、外側照射面74における外側境界を規定する役割を果す。カバー90のうち外側案内面77の谷部分75に隣接する部分は、その周囲よりも車幅方向内側に凹んでいる。
【0049】
案内面57L、57Rから外側案内面77を経由して案内された走行風Fが、カバー90に流れ込むと、上記カバー外側案内面92に沿って流れる。カバー外側案内面92は、上方に進むにつれて幅方向外側に向うため、カバー90に流れ込んだ走行風Fは、上方に流れ込み難くなり、なるべく真後ろ又は斜め下方に案内される。また、カバー外側案内面92は、後方に進むにつれて幅方向外側に向っているため、カバー90側に流れ込んだ走行風Fは、円滑に幅方向外側に案内される。
【0050】
また、ヘッドランプユニット40は、ヘッドランプユニット40の下方を覆うカバー85を備える。カバー85は、支持体42に取付けられた状態で当該支持体42の下側を覆っている。カバー85は、ヘッドランプ50の下側をも覆っている。カバー85の前縁部は、照射面54の下縁部に沿う形状に形成されている。
【0051】
上記ヘッドランプユニット40は、ハンドル30と共に向きが変るように、自動二輪車10に支持されていてもよい。
【0052】
例えば、ヘッドランプ50の支持体42の後方にブラケット100、102が延設される。ブラケット100がアンダーブラケット35に取付けられる。ブラケット102がアッパーブラケット34に取付けられる。ブラケット34、35に対するブラケット100、102の取付は、例えば、ネジ止等によってなされてもよい。ブラケット100、102は、フロントフォーク36等に取付けられてもよい。ブラケット100、102は、他のブラケットを介して、アッパーブラケット34、アンダーブラケット35、フロントフォーク36等に取付けられてもよい。例えば、アッパーブラケット34に速度計等のメータユニット取付用のブラケットが取付けられる場合において、ブラケット102が当該メータユニット取付用のブラケットに取付けられてもよい。これにより、ハンドル30の向きを変えると、当該ハンドル30と同じ向きに、ヘッドランプユニット40の向きが変る。
【0053】
一対のポジションランプ70をヘッドランプ50に取付ける構成は任意であるが、例えば、次の構成が採用されてもよい。
図6はポジションランプ70をヘッドランプ50に取付ける構成例を示す底面図である。
図6ではカバー85、90が2点鎖線で示されている。
【0054】
本例では、ブラケット110によって、ポジションランプ70がヘッドランプ50に取付けられる。ここで、支持体42の両側部には、後方を向く取付面44が形成されている。取付面44にネジ孔が形成されている。
【0055】
ブラケット110は、金属板をプレス加工等することによって、或は、樹脂等によって形成されている。ブラケット110は、主板部112と、複数のネジ止片113、114、115、116、117、118とを備える。主板部112は、支持体42の両側部に沿って上記取付面44からポジションランプ70の取付部位(ここでは、ポジションランプ70の後部)に向う領域に延在する板状に形成されている。
【0056】
複数のネジ止片113、114、115、116、117、118は、ネジ挿通孔が形成された板状部分である。
【0057】
主板部112のうち取付面44側の縁部(ここでは後ろの縁部)に、ネジ止片113、114が設けられる。ネジ止片113、114は、主板部112に対して曲げられ、取付面44上に重ねられている。そして、ネジSがネジ止片113、114に形成されたネジ挿通孔に挿通されて、当該取付面に設けられたネジ孔にネジ締めされる。これにより、ブラケット110が支持体42に取付けられる。
【0058】
主板部112のうちポジションランプ70の取付部位側の縁部(ここでは前の縁部)に、ネジ止片115、116が設けられる。ネジ止片115、116は、主板部112に対して曲げられ、ポジションランプ70の後部上に重ねられている。ここでは、ネジ止片115、116は、ポジションランプ70の後部に対して電線Wが延出する部分の両側位置に重ねられる。そして、ネジSがネジ止片115、116に形成されたネジ挿通孔に挿通されて、ポジションランプ70に設けられたネジ孔にネジ締めされる。これにより、ポジションランプ70がブラケット110に取付けられる。
【0059】
このように、ポジションランプ70がヘッドランプ50の隣に配置された状態で、ブラケット110の一部であるネジ止片113、114がヘッドランプ50に取付けられると共に、他の一部であるネジ止片115、116がポジションランプ70に取付けられる。これにより、ポジションランプ70がヘッドランプ50に対して一定位置に支持される。
【0060】
ここでは、主板部112の一端部(幅方向外側の端部)のネジ止片117がカバー90の内側に突設されたネジ止片94に重ね合される。そして、ネジ止片117、94が、ボルトB及びナットN等を利用してネジ止固定される。また、主板部112の他端部(幅方向内側でかつ下側の端部)のネジ止片117がカバー85に設けられたネジ止部87に重ね合される。そして、ネジ止片117とネジ止部87とが、ボルトB及びナットN等を利用してネジ止固定される。
【0061】
つまり、ブラケット110を利用して、ポジションランプ70とカバー85、90とがヘッドランプ50に取付けられる。上記ネジ止片、ボルトB及びナットN等を利用したネジ止固定部分は、締結片、リベット固定等を利用した締結固定によって実現されてもよい。
【0062】
以上のように構成されたヘッドランプユニット40によると、ヘッドランプ50の照射面54は、光が照射される側に凹む案内面57L、57Rを含むため、走行風が当該案内面57L、57Rによってヘッドランプ50の周りに円滑に案内される。ヘッドランプ50の外側方にあるポジションランプ70にも、案内面57L、57Rの外側方に位置して、光が照射される側に凹む外側案内面77が設けられる。このため、ヘッドランプ50の周りに案内された走行風が、当該外側案内面77によってさらに円滑にヘッドランプユニット40の周りに案内される。このため、ヘッドランプ50にあたった風は、円滑に周囲に流れる。
【0063】
また、一対のポジションランプ70の外側照射面74は、正面視において下方に向けて互いに近づくため、自動二輪車10の前部をコンパクトに見せることができる。
【0064】
また、カバー90の外面は、上方に進むにつれて幅方向外側に向うカバー外側案内面92を含むため、案内面57L、57R及び外側案内面77によって案内された走行風Fが、カバー外側案内面92によってなるべく上方に向わないように円滑に案内される。
【0065】
また、ヘッドランプ50は、左側発光部としての光源51A、51Bと、右側発光部としての光源51A、51Bとを含む2灯型のヘッドランプ50であるため、左右の照射面54の左側照射領域56L、右側照射領域56Rを利用して、走行風Fがヘッドランプ50の周りに容易に案内される。
【0066】
また、ヘッドランプ50は、案内面として左側案内面57Lと右側案内面57Rとを含み、左側案内面57Lと右側案内面57Rとは光が照射される側に凹む面に形成されており、ヘッドランプ50は、左側案内面57Lと右側案内面57Rとの間で前側に最も突出する部分50Pを含む。このため、ヘッドランプ50に当った走行風Fが部分50Pを境界として左右に分れて左側案内面57Lと右側案内面57Rとによって円滑に案内される。
【0067】
また、ポジションランプ70がヘッドランプ50の隣に配置された状態で、ポジションランプ70は、ヘッドランプ50及びポジションランプ70とは別体のブラケットを介してヘッドランプ50に取付けられる。このため、ヘッドランプ50又はポジションランプ70に取付用の突片を形成しなくてもよくなる。これにより、ヘッドランプ50等の構成の簡素化、取付構造のコンパクト化が可能となり、ヘッドランプ50の小型化に寄与する。
【0068】
また、ヘッドランプユニット40は、ハンドル30の向きに合せて向きを変えるように、自動二輪車10に支持されているため、走行方向に合せて、ヘッドランプ50に当った走行風Fが円滑に周囲に流れる。
【0069】
本実施形態では、ヘッドランプユニット40は、走行用前照灯用の上照射領域55と、すれ違い用前照灯用の下照射領域56とが別である例が説明された。しかしながら、別例として、走行用前照灯用とすれ違い用前照灯用とで、同じ領域に設けられたカバーが用いられてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、左右2灯型である例が説明された。しかしながら、1灯型のヘッドランプユニットにおいても、照射面の形状を設定することで、本実施形態における構成が適用され得る。
【0071】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0072】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0073】
以上のように、本明細書は、下記の各態様に係る発明を含んでいる。
【0074】
第1の態様は、鞍乗型車両の前部に設けられるヘッドランプユニットであって、光が照射される側に凹む案内面を含む照射面を有するヘッドランプと、前記ヘッドランプの両側に配設された一対のポジションランプと、を備え、前記一対のポジションランプのそれぞれは、前記案内面の外側方で前記案内面と連続し、光が照射される側に凹む外側案内面を含む外側照射面を有する、ヘッドランプユニットである。
【0075】
この場合、ヘッドランプの照射面は、光が照射される側に凹む案内面を含むため、走行風が当該案内面によってヘッドランプの周りに円滑に案内される。ヘッドランプの案内面の外側方にも、光が照射される側に凹む外側案内面が設けられているため、ヘッドランプの周りに案内された走行風が、当該外側案内面によってさらに円滑にヘッドランプユニットの周りに案内される。このため、ヘッドランプに当った走行風は円滑に周囲に流れる。
【0076】
第2の態様は、第1の態様に係るヘッドランプユニットであって、前記ポジションランプの前記外側照射面は、正面視において細長い形状に形成され、前記一対のポジションランプの前記外側照射面は、正面視において下方に向けて互いに近づく、ヘッドランプユニットである。
【0077】
この場合、一対のポジションランプの外側照射面は、正面視において下方に向けて互いに近づくため、コンパクトに見せることができる。
【0078】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るヘッドランプユニットであって、前記一対のポジションランプの外側を覆う一対のカバーをさらに備え、前記カバーの外面は、上方に進むにつれて幅方向外側に向うカバー外側案内面を含む、ヘッドランプユニットである。
【0079】
この場合、ヘッドランプの案内面及びポジションランプの外側案内面によって案内された走行風が、カバーのカバー外側案内面によってなるべく上方に向わないように円滑に案内される。
【0080】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係るヘッドランプユニットであって、前記ヘッドランプは、左側発光部と右側発光部とを含む2灯型のヘッドランプである、ヘッドランプユニットである。
【0081】
この場合、2灯型のヘッドランプの左右の照射面を利用して、走行風がヘッドランプの周りに容易に案内される。
【0082】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係るヘッドランプユニットであって、前記ヘッドランプは、前記案内面として左側案内面と右側案内面とを含み、前記左側案内面と前記右側案内面とは、光が照射される側に凹む面に形成され、前記ヘッドランプは、前記左側案内面と前記右側案内面との間で、前側に最も突出する部分を含む、ヘッドランプユニットである。
【0083】
この場合、ヘッドランプに当った走行風が左右に分かれて、左側案内面と右側案内面とによって円滑に案内される。
【0084】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るヘッドランプユニットであって、前記ポジションランプが前記ヘッドランプの隣に配置された状態で、一部が前記ヘッドランプに取付けられると共に他の一部が前記ポジションランプに取付けられるブラケットをさらに備える、ヘッドランプユニットである。
【0085】
この場合、前記ポジションランプが前記ヘッドランプの隣に配置された状態で、ポジションランプはヘッドランプに対して、それらとは別体のブラケットによって取付けられる。このため、取付構造のコンパクト化が可能となり、ヘッドランプユニットの小型化に貢献する。
【0086】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係るヘッドランプユニットであって、前記ヘッドランプユニットは、ハンドルと共に向きが変るように前記鞍乗型車両に支持されている、ヘッドランプユニットである。
【0087】
この場合、走行方向に合わせて、ヘッドランプに当った走行風が円滑に周囲に流れる。
【符号の説明】
【0088】
10 自動二輪車
30 ハンドル
40 ヘッドランプユニット
42 支持体
50 ヘッドランプ
50P 突出する部分
51B 光源
54 照射面
57L 左側案内面
57R 右側案内面
70 ポジションランプ
71 光源
74 外側照射面
77 外側案内面
90 カバー
92 カバー外側案内面
110 ブラケット
112 主板部
113、114、115、116 ネジ止片