(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】気調貯蔵システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B65G1/00 521Z
(21)【出願番号】P 2019547444
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2018125038
(87)【国際公開番号】W WO2020133266
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2019-11-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】519311558
【氏名又は名称】ティアンジン シーエヌアールオー サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グオ,シャオグアン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,フアフア
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジジュン
(72)【発明者】
【氏名】サン,シュワンシュワン
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】久島 弘太郎
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107711825(CN,A)
【文献】特開昭63-283539(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194255(WO,A1)
【文献】特開2013-133193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央制御装置と、
それぞれが漢方薬材を格納する1つ又は複数の気密保囲構造を管理する1つ又は複数の
漢方薬材気調貯蔵サブシステムと、を備え、
中央制御装置は、リアルタイムで1つ又は複数の漢方薬材気調貯蔵サブシステムを監視し、1つ又は複数の気密保囲構造中の酸素含有量と湿度を制御するように配置される漢方
薬材の気調貯蔵システムであって、
漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、
1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて実行命令を生成するように配置された総合検査制御装置と、
実行命令を受信して1つ又は複数の気密保囲構造の酸素含有量、湿度、温度、及び二酸化炭素含有量のうちの1者又は2者以上を調整するように配置された1つ又は複数の実行装置と、を備え、
1つ又は複数の実行装置は、低酸素装置、湿度制御装置、空調システム、制御弁のうちの1者又は2者以上を備え、
漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数組の気密保囲構造及び複数の集中制御弁を備え、
各組の気密保囲構造は、1つ又は複数の気密保囲構造を含み、前記複数組の気密保囲構造の各組は各気密保囲構造のための制御弁を介して集中制御弁に接続され、前記集中制御弁は共通の酸素制御装置に接続され、各気密保囲構造に供給されるガスの湿度は制御可能である、漢方薬材の気調貯蔵システム。
【請求項2】
中央制御装置は、1つ又は複数の気密保囲構造の温度を監視及び制御するように配置される請求項1に記載の漢方薬材の気調貯蔵システム。
【請求項3】
中央制御装置は、1つ又は複数の気密保囲構造の二酸化炭素含有量を監視及び制御するように配置される請求項1に記載の漢方薬材の気調貯蔵システム。
【請求項4】
請求項1に係る漢方薬材の気調貯蔵システムにおいて、中央制御装置が、リアルタイムでそれぞれが漢方薬材を格納する1つ又は複数の気密保囲構造を管理する1つ又は複数の漢方薬材気調貯蔵サブシステムを監視するステップと、
前記中央制御装置が、リアルタイムで1つ又は複数の気密保囲構造中の酸素含有量と湿度を制御するステップとを含む漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法であって、
漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数組の気密保囲構造及び複数の集中制御弁を備え、
各組の気密保囲構造は1つ又は複数の気密保囲構造を備え、
前記複数組の気密保囲構造の各組は各気密保囲構造のための制御弁を介して集中制御弁に接続され、
前記集中制御弁は共通の酸素制御装置に接続され、
湿度制御装置が、各気密保囲構造に供給されるガスの湿度を制御するステップをさらに含む、漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法。
【請求項5】
総合検査制御装置が、1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて実行命令を生成するステップと、
1つ又は複数の実行装置が、実行命令を受信して1つ又は複数の気密保囲構造の酸素含有量、湿度、温度、及び二酸化炭素含有量のうちの1者又は2者以上を調整するステップと、をさらに含む請求項4に記載の漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法。
【請求項6】
前記総合検査制御装置が、1つ又は複数のセンサーからの情報を前記中央制御装置に送信するステップをさらに含む請求項5に記載の漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法。
【請求項7】
前記総合検査制御装置が、1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて対応する予め設定した閾値と比較するステップをさらに含む請求項6に記載の漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法。
【請求項8】
前記総合検査制御装置が、中央制御装置の予め設定した閾値の更新命令を受信するステップをさらに含む請求項7に記載の漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品の貯蔵分野に関し、特に、気調貯蔵システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気調貯蔵は、文物、図書、ファイル、掛け軸の保護及び漢方薬材の貯蔵など多くの分野において応用されている。以下のように、本発明の技術思想について、漢方薬材を例にとって説明する。漢方薬材は、薬用価値の高い作物として、病気の予防や保健に大きな役割を果たしており、その品質は、その産地、貯蔵方式や環境と密接に関係している。漢方薬材は貯蔵過程において、温度、湿度、空気、光照射、カビと害虫等の要因に影響され、しばしばカビの発生、虫食い、変色、油浮き、風化等の現象が現れて、薬効を低下・消失させ、さらに毒副作用を生じさせ、特に大量の漢方薬材を保存する場合、このような問題がより深刻となり、その経済的利益に影響を及ぼすだけでなく、漢方薬材の臨床応用の有効性と安全性も奪うことになる。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製薬企業にとって、薬材の種類が多く、貯蔵量が大きい等の問題に直面しており、如何に現代化技術手段を採用して、漢方薬材の倉庫管理過程における「殺虫・防虫、防カビ・殺菌、性状保持、水分制御」等の要求を満たし、漢方薬材の経済、安全、高効率的な倉庫化管理を実現することが焦眉の急と言えることであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
【0006】
上記のようなシステムであって、中央制御装置は、1つ又は複数の気密保囲構造の温度を監視及び制御するように配置される。
【0007】
上記のようなシステムであって、中央制御装置は、1つ又は複数の気密保囲構造の二酸化炭素含有量を監視及び制御するように配置される。
【0008】
【0009】
上記のようなシステムであって、総合検査制御装置は、1つ又は複数のセンサーからの情報を中央制御装置に送信するように配置される。
【0010】
上記のようなシステムであって、総合検査制御装置は、1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて対応する予め設定した閾値と比較するように配置される。
【0011】
上記のようなシステムであって、総合検査制御装置は、中央制御装置の予め設定した閾値の更新命令を受信するように配置される。
【0012】
上記のようなシステムであって、1つ又は複数の実行装置は、低酸素装置、湿度制御装置、空調システム、制御弁のうちの1者又は2者以上を備える。
【0013】
上記のようなシステムであって、漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数の気密保囲構造を備え、各気密保囲構造の酸素含有量及び湿度は個別に制御可能である。
【0014】
上記のようなシステムであって、漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数組の気密保囲構造を備え、各組の気密保囲構造は、1つ又は複数の気密保囲部を含み、各組の気密保囲構造の酸素含有量及び湿度は個別に制御可能である。
【0015】
上記のようなシステムであって、漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数組の気密保囲構造を備え、各組の気密保囲構造は、1つ又は複数の気密保囲部を含み、各組の気密保囲構造の酸素含有量は個別に制御可能であり、少なくとも1組の気密保囲構造における各気密保囲構造の湿度は個別に制御可能である。
【0016】
漢方薬材の気調貯蔵システムの制御方法であって、リアルタイムでそれぞれが漢方薬材を格納する1つ又は複数の気密保囲構造を管理する1つ又は複数の漢方薬材気調貯蔵サブシステムを監視するステップと、リアルタイムで1つ又は複数の気密保囲構造中の酸素含有量と湿度を制御するステップとを含む。
【0017】
上記のような方法であって、さらに、1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて実行命令を生成するステップと、実行命令を受信して1つ又は複数の気密保囲部の酸素含有量、湿度、温度、及び二酸化炭素含有量のうちの1者又は2者以上を調整するステップとを含む。
【0018】
上記のような方法であって、さらに、1つ又は複数のセンサーからの情報を中央制御装置に送信するステップを含む。
【0019】
上記のような方法であって、さらに、1つ又は複数のセンサーからの情報に基づいて対応する予め設定した閾値と比較するステップを含む。
【0020】
上記のような方法であって、さらに、中央制御装置の予め設定した閾値の更新命令を受信するステップを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、中央制御装置によってマルチシステム、マルチスペースの集中制御を実現することができるだけでなく、ユーザの端末機器と接続して、リアルタイムでデータを端末のユーザに転送することもできる。同時に、異なる種類の薬材の殺虫や養護のニーズに対応するために、最適な養護貯蔵又は殺虫調整制御パラメータの自動的生成や、中・大規模の漢方薬材倉庫管理要件の達成、不要な手動操作の低減、倉庫管理者のプロレベルに対する要求の低下、管理効率の向上を実現し、倉庫管理システムのトレーサビリティ管理を実現し、漢方薬材の全プロセスの管理を保証し、企業の運営コストを削減すると共に、漢方薬材の品質保証を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【
図1】本発明の一実施例による漢方薬材の気調貯蔵システムの模式図である。
【
図2】本発明の一実施例による漢方薬材の気調貯蔵システムの制御模式図である。
【
図3】本発明の一実施例による漢方薬材気調貯蔵サブシステムの模式図である。
【
図4A】本発明の一実施例による純度調節ユニットの模式図である。
【
図4B】本発明の他の実施例による純度調節ユニットの模式図である。
【
図5】本発明の一実施例による独立並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
【
図6】本発明の一実施例による組分け並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
【
図7】本発明の他の実施例による組分け並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
【
図8】本発明の一実施例による組分け直列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
【
図9】本発明の他の実施例による組分け直列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
【
図10】本発明の一実施例によるガス調節方法のフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施例によるガス分配装置の模式図である。
【
図12】本発明の一実施例による低酸素方法のフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施例による知能倉庫エキスパートシステムの構成ブロック図である。
【
図14】本発明の一実施例によるパラメータ設定モジュールの構成ブロック図である。
【
図15】本発明の一実施例による情報照会モジュールの構成ブロック図である。
【
図16】本発明の一実施例によるリアルタイム表示モジュールの構成ブロック図である。
【
図17】本発明の一実施例による故障情報モジュールの構成ブロック図である。
【
図18】本発明の一実施例によるデータ格納モジュールの構成ブロック図である。
【
図19】本発明の一実施例による遠隔制御モジュールの構成ブロック図である。
【
図20】本発明の一実施例によるカツタム倉庫管理モジュールの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。勿論、説明する実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは言うまでもない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働を必要せずに得られる他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲内である。
【0024】
以下の詳細な説明では、本願の一部である本願を説明するための特定の実施例の各図面を参照することができる。図面においては、類似な符号は異なる図面においておおむね類似な構成部品を表している。本願の各特定の実施例は以下で十分に詳しく説明されて、本分野の関連知識と技術を備える当業者は本願の技術案を実施可能になる。なお、他の実施例を利用するか、又は本願の実施例について構造的、論理的もしくは電気的な変更を行ってもよいことを理解すべきである。
【0025】
図1は、本発明の一実施例による漢方薬材の気調貯蔵システムの模式図である。
図1に示すように、漢方薬材の倉庫の貯蔵室の面積や、倉庫の貯蔵室のフロア等の制限条件により、漢方薬材の気調貯蔵システム100に複数の領域を設定することができ、各領域内に1つ又は複数の漢方薬材気調貯蔵サブシステム110~120等を配置してもよい。
【0026】
図2は、本発明の一実施例による漢方薬材の気調貯蔵システムの制御模式図である。
図1と
図2に示すように、中央制御装置130は、漢方薬材気調貯蔵サブシステム110~120の総合検査制御装置221~223と通信接続され、各漢方薬材気調貯蔵サブシステム110~120が発した情報を受信し、各サブシステムの稼動状態への集中、リアルタイムなモニタリング、漢方薬材の養護空間内の環境パラメータの集中的表示等を実現する。
【0027】
図2に示すように、221~223は単一の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの総合モニタリング装置をそれぞれ指している。1つの漢方薬材気調貯蔵サブシステムを例とすると、1つの漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、1つの総合検査制御装置221を備え、漢方薬材気調貯蔵サブシステムにおける、温度・湿度センサー231、圧力センサー、O
2センサー、CO
2センサー、ガス流量センサー等の各センサー又はその他の関連検出装置の発した情報を受信し、情報の内容を分析してデータを内蔵したパラメータと比較し、命令を各装置に送信して各部分のガスの流速、組成等を制御する。命令を受信しガスを輸送する装置は、低酸素装置241、湿度制御装置242、空調システム243、制御弁244、バルブアクチュエータ245等を含むが、これらに限定されない。同時に、総合検査制御装置221は、受信した各センサー及び関連検出装置の情報、及びデータの分析・比較、処理の結果を中央制御装置210に送信する。その他の各気調養護貯蔵サブシステムもこのように動作する。
【0028】
中央制御装置130は、端末ユーザ140と通信接続され、漢方薬材の気調貯蔵システムのリアルタイムデータを各端末ユーザ141~142に転送する。ユーザのニーズ及びモニタリング管理の必要に応じて、1つ又は複数の端末ユーザ141~142を設けてもよい。本発明に記述される端末ユーザは、PCや、携帯電話、Pad等であってもよい。
【0029】
中央制御装置210における知能倉庫エキスパートシステム又は他のソフトウェア、システム等によって各主動気調養護貯蔵サブシステムの気密保囲空間中のガスパラメータを設定し、各気調養護貯蔵サブシステム110~120の送信した情報を受信して分析し、各漢方薬材気調貯蔵サブシステム110~120をリアルタイムで集中的にモニタリングする。知能倉庫エキスパートシステム又はその他のソフトウェア、システム等は自動的に低酸素装置241の稼動状態を制御し、乾燥、浄化、濾過及び窒素酸素分離することによって清浄な低酸素ガスが得られるように確保する。各気密保囲空間内の漢方薬材の養護貯蔵に必要な湿度に基づいてPIDの精確な湿度の調整制御を行い、湿度制御装置242、空調システム243、制御弁244、バルブアクチュエータ245等の調整制御によって加湿ガスと非加湿ガスの割合を調節する。管路やガス制御弁等を介して適宜湿度の低酸素ガスを気密保囲空間に送る。気密保囲空間内の端末検出装置は、温度・湿度センサー231、圧力センサー232、O2センサー232、CO2センサー、ガス流量センサー235等の各種センサーによって、リアルタイムで気密保囲構造内のガスの各パラメータを検出し、検出値をリアルタイムに総合検査制御装置221~223に転送し、さらに中央制御装置210にアップロードする。複数の主動気調養護貯蔵サブシステムのデータは、それぞれの総合検査制御装置221~223を介して中央制御装置210にアップロードされ、ユーザ端末機器(例えば、PC、携帯電話、又はPad等)等と通信し、リアルタイムで各サブシステムの稼動データをチェックする。ユーザ端末機器の数は、ユーザのニーズに応じて1つ又は複数に設定してもよい。
【0030】
図3は、本発明の一実施例による漢方薬材気調貯蔵サブシステムの模式図である。漢方薬材気調貯蔵サブシステム300を例として、
図1及び
図3に示すように、1つの漢方薬材気調貯蔵サブシステム300は図示のような1組の低酸素装置111、湿度制御装置112、気密保囲構造113、及び総合検査制御装置114を備えている。
【0031】
低酸素装置111は、ガス圧縮ユニット301、窒素酸素分離ユニット302等を含んでもよい。ガス圧縮ユニット301は、窒素酸素分離ユニット302と共に低酸素装置111の本体を構成し、且つ、他の装置に動力ガス源を供給する。勿論、低酸素装置111は、他の素子を含んでもよく、又は本分野の他の技術で実現されてもよい。さらに、ガス圧縮ユニット301は、往復ピストン型、回転ブレード型、又は回転スクリュー型等であってもよい。窒素酸素分離ユニット302は、分子篩窒素製造装置、フィルム窒素製造装置、又は他の窒素製造装置を含む。
【0032】
本発明の一実施例によると、ガス圧縮ユニット301と窒素酸素分離ユニット302との間には、空気清浄装置(図示せず)が含まれ、ガス圧縮ユニット301の出力したガスを清浄化する。例えば、空気清浄装置は、多段濾過装置及び/又は空気乾燥装置を含む。
【0033】
本発明の一実施例によると、漢方薬材気調貯蔵サブシステム300は、ガス調節装置をさらに備えてもよい。本発明の一実施例によると、ガス調節部分は、純度調節ユニット303とガス分配ユニット304とを含み、純度調節ユニット303、ガス分配ユニット304は、窒素酸素分離ユニット302の2つの出口と気密保囲構造113のガス入り口305との間にそれぞれ接続される。このような接続方式は可能な接続方式の1つに過ぎず、他の接続方式も可能である。例えば、純度調節ユニット303とガス分配ユニット304は、窒素酸素分離ユニット302の1つの出口に接続されてもよく、気密保囲構造113の2つのガス入り口にそれぞれ接続されてもよい。さらに、本発明の他の実施形態によると、純度調節ユニット303とガス分配ユニット304は同一の装置に統合されてもよい。
【0034】
本発明の一実施例によると、湿度制御装置112は、除湿ユニットと増湿ユニット、又は両方の機能を併せ持つ装置を含む。湿度制御装置112は気密保囲構造113に入るガスの湿度を調整する。本発明の一実施例によると、湿度制御装置112は、低酸素装置111と気密保囲構造113との間の管路上のいずれか位置に配置されてもよい。
【0035】
本発明の一実施例によると、湿度制御装置112は異なる湿度のガスを供給するように制御されてもよい。漢方薬材の養護貯蔵のニーズに応じて気密保囲空間内に入るガスの湿度をPID精確制御して、加湿ガスと非加湿ガスの割合を調節し、空間内の湿度の安定性を維持し、薬材の水分を一定に保持する。
【0036】
具体的に、気密保囲構造113における湿度が第1所定値より高く/第2所定値より低くなると、湿度制御装置112は第1湿度のガスを供給して気密保囲構造113における湿度が低下するよう/第2湿度のガスを供給して気密保囲構造113における湿度が向上するように制御される。気密保囲構造113における湿度が第3所定値より低く/第4所定値より高くなると、湿度制御装置112は動作を停止するか、又は第3湿度のガスを供給して気密保囲構造113における湿度が維持されるように制御され、これによって、気密保囲構造113の湿度を所定の範囲に制御する。
【0037】
本発明の一実施例によると、漢方薬材の気調貯蔵システム100は、1つ又は複数の気密保囲構造1131~1134を備えてもよい。複数の気密保囲構造1131~1134は組み合わせて使用することができる。気密保囲構造113は、容積や形態が異なる貯蔵室、書類整理棚、保管箱、及びフレキシブルテントや袋等の気密容器であってもよい。貯蔵しようとする漢方薬材の数量、類別、等級、養護時間及び養護目的等の条件に従って、以上の1つ複数の気密保囲構造113を組み合わせて使用することができる。
【0038】
気密保囲構造113は容積の大きさが異なり、保囲構造の底部、立面及び頂部等について気密処理を行う必要があるだけでなく、さらに重要なのは、付帯の気密扉、ケーブル、管路等も取り扱うことである。一般的に、気密貯蔵室及び気密テントの換気率は0.05/d以下でなければならず、本発明の好ましい実施例によれば、0.02/dに制御することが好ましい。気密貯蔵棚の換気率は0.02/d以下でなければならず、本発明の好ましい実施例によれば、0.01/dに抑えることが好ましい。
【0039】
本発明の一実施例によると、気密保囲構造113の容積が、例えば100m3以上を超えるほど大きい場合、薬材の安全な取出や放入を容易にするために、システムは、酸素増加装置117を配置して、気密保囲構造113内の各種ガスの含有量を保障するように配置されてもよい。本発明の他の実施例によると、気密保囲構造113は、容積が500m3以上である場合、作業員の安全な出入りを容易にするために、漢方薬材の気調貯蔵システムは呼吸装置(図示せず)等が配置されてもよい。
【0040】
気密保囲構造113内に、気密保囲構造113におけるガスの温度、湿度、圧力、酸素ガス含有量、二酸化炭素含有量等を検知するためにガス検出装置115をさらに備えてもよい。本発明の一実施例によると、各気密保囲構造1131~1134内には、いずれもガス検出装置1151~1154が含まれている。
【0041】
各気密保囲構造1131~1134内のガス検出装置1151~1154が採取した信号は、いずれもそれぞれのサブ領域内の総合検査制御装置114にアップロードされる。総合モニタリング装置114は受信したデータを設定値と比較し、フィードバック命令によって低酸素装置111、湿度制御装置112、空調システム116、制御弁118等の稼動状態を自動的に制御する。総合モニタリング装置114は、全てのモニタリングデータを中央制御装置130にアップロードしてデータ統合する。
【0042】
本発明の一実施例によると、漢方薬材気調貯蔵サブシステム300は、制御弁118をさらに備えてもよい。本発明の一実施例によると、各漢方薬材気調貯蔵サブシステム300は、1つ又は複数の制御弁1181~1184を備え、湿度制御装置112と各気密保囲構造113のガス出口105との間にいずれも制御弁118を備えるように配置することができる。制御弁118は処理器108に接続され、処理器108はその開閉を制御することによって気密保囲構造113に流入するガスの体積やガス流速等の制御を実現する。
【0043】
漢方薬材気調貯蔵サブシステムは、複数の気密保囲構造1131~3314を備えている場合、気密保囲構造1131~1134は、例えば、独立並列型の接続、組分け並列型の接続、組分け直列型の接続等の複数の接続方式を有してもよい。複数の気密保囲構造1131~1134が組み合わせて使用される場合、各制御弁1181~1184の呼び径は気調養護湿度制御システムのガス量、接続形態等と整合すべきである。例えば、気密保囲構造1131~1134が独立又は組分け並列型の接続を採用した場合、ガス流量は5~10m/sに抑えることができる。また、気密保囲構造1131~1134が組分け直列型の接続を採用した場合、ガス流量は3~5m/sに抑えることができる。各漢方薬材気調貯蔵サブシステム300には、いずれもガスの流動や、排出等を制御するための1つ又は複数の制御弁118、又は分岐弁アクチュエータ(図示せず)が配置されている。本発明の一実施形態によると、気密保囲構造は不可欠な特徴ではない。
【0044】
総合検査制御装置114は、ガス検出ユニット307、処理器308、及び表示スクリーン309等を含んでもよい。総合検査制御装置114は、サブシステム内の付帯装置の稼動状態、起動・停止順序等についてプログラム制御を行うことができ、複数の漢方薬材の気密保囲空間内のパラメータの独立設定、表示、格納等を実現でき、ガス調節システムの稼動と対応する気密保囲空間の制御弁118の起動・停止を制御して、気密保囲構造113内の貯蔵環境パラメータ等の集中、独立検査制御を実現する。
【0045】
ガス検出ユニット307はガス検出装置115の信号を受信してガスの検出を実現する。ガス検出装置115とガス検出ユニット307は様々な形態で実現されることができる。例えば、ガス検出装置115は、ただ1つのセンサーであって、ガスへのサンプリングを実現し、サンプリングガスに対して検出した電気信号、赤外信号等の信号をガス検出ユニットに送信して処理させることができる。或いは、ガス検出装置115は、電気信号又は赤外信号の処理部を有し、処理された信号をガス検出ユニット307に送信することができる。ガス検出ユニット307は、受信した信号に基づいて対応する1種又は複数種のガスの濃度又は他の寸法に変換して、処理器308に送信する。
【0046】
処理器308は、気密保囲構造113における酸素ガス及び/又は他のガスの濃度に基づいて、ガス圧縮ユニット、窒素酸素分離ユニットの起動/停止を制御し、純度調節装置とガス分配装置が気密保囲構造113におけるガスを置換するように制御する。さらに、処理器308は、表示スクリーン309を介して、使用者に気密保囲構造113における酸素ガス及び/又は他のガスの濃度を表示する。
【0047】
処理器308は、気密保囲構造113の湿度に基づいて、湿度調節装置が湿度の異なるガスを供給して気密保囲構造113におけるガスを置換するように制御する。さらに、処理器は、表示スクリーン309を介して使用者に気密保囲構造113の湿度を表示する。
【0048】
本発明の一実施例によると、総合検査制御装置114は入力ユニット(図示せず)をさらに備えてもよい。使用者は入力ユニットや表示スクリーン309とのインタラクションにより、本発明の漢方薬材気調貯蔵サブシステム300を制御することができる。例えば、気密保囲構造113における酸素ガス及び/又は他のガスの所望濃度を設定すること、ガス圧縮ユニット301、窒素酸素分離ユニット302、純度調節ユニット303、及びガス分配ユニット304を制御する動作プログラムを設定すること、或いは、ガス検出装置115の感度を制御すること等がある。本発明の一実施例によると、表示スクリーン309は、タッチスクリーンであってもよく、表示と入力機能を同時に併せ持ってもよい。
【0049】
本発明の一実施例によると、必要に応じて、漢方薬材気調貯蔵サブシステム300は空調システム116をさらに配置してもよい。前記空調システム116は、空調制御装置1161、空調コンプレッサ1162、及び熱交換器&ブロワ117等を備える。熱交換器&ブロワは気密保囲構造113内に取り付けられ、各空調システム116は1つ又は複数の熱交換器&ブロワ1171-1174を含む。空調制御装置1161は総合検査制御装置114に接続され、総合検査制御装置114は気密保囲構造113内のガス分布状況に基づいて、空調制御装置1161に命令を送信する。空調制御装置1161は命令を受信し、空調コンプレッサ1162及び熱交換器&ブロワ117の動作を制御し、気密保囲構造113内のガス温度等をさらに調整制御する。
【0050】
図4Aは本発明の一実施例による純度調節ユニットの模式図である。
図4Aに示すように、純度調節ユニット400は、ガス入り口401と、ガス出口402と、ガス入り口401とガス出口402との間の管路403とを備える。ガス入り口401は窒素酸素分離ユニット302のガス出口と接続される。本発明の一実施例によると、窒素酸素分離ユニット302は流量や濃度の異なる窒素ガスを供給することができる。さらに、管路403上には1つ又は複数の分岐弁、例えば第1分岐弁407、第2分岐弁408及び第3分岐弁409が備えられる。複数の分岐404~406の一方端が各分岐弁407~409に順に接続され、他方端がガス出口402に接続される。
【0051】
図4Bは本発明の他の実施例による純度調節ユニットの模式図である。
図4Bに示すように、純度調節ユニット400は、ガス入り口401と、ガス出口402と、ガス入り口401とガス出口402との間の管路403とを備える。ガス入り口401は窒素酸素分離ユニット302のガス出口と接続される。本発明の一実施例によると、窒素酸素分離ユニット302は流量や濃度の異なる窒素ガスを供給することができる。さらに、管路403上には1つ又は複数の分岐404~406、例えば第1分岐304、第2分岐405及び第3分岐406が備えられる。複数の分岐404~406の一方端それぞれに分岐弁407~409を備えている。複数の分岐404~406はガス源420に接続されてもよい。ガス源420は窒素酸素分離ユニット302又は他のガス源であってもよい。
【0052】
本発明の一実施例によると、複数の分岐404~406は濃度や流量の異なる窒素ガスを供給することができる。例えば、複数の分岐404~406は異なる配管径を有してもよい。或いは、弁407~409は異なる大きさを有してもよい。処理器308は、弁407~409の開閉を制御することができる。
【0053】
本発明の一実施例によると、純度調節ユニット400は、ガス中の酸素ガス等のガスの濃度を検出するためのガス検出ユニット411を備える。ガス検出ユニット411はガス出口402に配置してもよく、管路403に配置してもよい。本発明の他の実施例によると、ガス検出ユニット411は純度調節ユニット400以外のガス管路に配置することができる。
【0054】
本発明の一実施例によると、純度調節ユニット400は、純度調節装置が供給するガスの流量を検出するための流量検出ユニット(図示せず)を備える。流量検出装置は、ガス出口402に配置されてもよく、管路403に配置されてもよい。本発明の他の実施例によると、流量検出ユニットは純度調節ユニット400以外のガス管路に配置することができる。本発明の一実施例によると、ガス検出ユニット411と流量検出ユニットは互いに統合することができる。
【0055】
本発明の一実施例によると、処理器308は、窒素酸素分離ユニット302が供給するガスの濃度と流量、及び複数の分岐404~406が供給するガスの濃度と流量を制御することにより、純度調節装置400で必要流量及び濃度のガスを供給する。ガス圧縮ユニット301と窒素酸素分離ユニット302は漢方薬材の気調貯蔵システムにおいて主要なエネルギー消費設備であるため、気密保囲空間内の低酸素の置換効率を向上させ、また、純度の異なる複数の窒素ガスの置換により、ガス圧縮ユニット301と窒素酸素分離ユニット302の稼動時間を低減し、エネルギー消費量を削減することができる。一方、本発明の純度調節ユニット400は窒素酸素分離ユニット302と互いに協力して、気密保囲構造113に入ったガスを精細に調節することが可能となる。
【0056】
図5は、本発明の一実施例による独立並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
図5に示すように、複数の気密保囲構造531~534は1つの総合検査制御装置510、低酸素装置、及び湿度制御装置を共用する。ここでは、低酸素装置と湿度制御装置を1つの低酸素湿度制御装置520に統合することができる。各気密保囲構造531~534と低酸素湿度制御装置520との間には制御弁541~544が含まれ、気密保囲構造531~534に対して流入及び流出するガスの流速等を制御する。各気密保囲構造531~534の内部には、ガス検出装置551~554がさらに含まれ、位置している気密保囲構造中のガスの温度、湿度、圧力、酸素ガス含有量、二酸化炭素含有量等を検知し、全てのデータを総合検査制御装置510に送信する。
【0057】
複数の気密保囲構造に異なる種類の漢方薬材がそれぞれ格納され、且つ各薬材の必要貯蔵条件が一致する、即ち低酸素装置、湿度制御装置と制御弁の呼び径等が整合している場合、各気密保囲構造で独立並列型の接続を採用することができる。
【0058】
図5に示すように、複数の漢方薬材の気密保囲構造531~534を独立に調節する必要がある場合、例えば、気密保囲構造531を独立に調節する場合、総合検査制御装置510が命令を発して制御弁542~544は閉じられ、制御弁541は開かれ、総合検査制御装置が命令を送信して、気密保囲構造531に対して酸素低下・湿度制御処理を行う。その他の気密保囲空間の処理方式も類似であって、各気密保囲空間内のパラメータの独立な調節を実現する。各気密保囲空間内のパラメータは、それぞれの内部のガス検出装置を介して総合検査制御装置510に伝送され、データの処理、表示及び格納を完了する。
【0059】
図6は、本発明の一実施例による組分け並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
図6に示すように、複数の気密保囲構造631~633、641~643、651~653は1つの総合検査制御装置610、低酸素装置、及び湿度制御装置を共用する。ここでは、低酸素装置と湿度制御装置を1つの低酸素湿度制御装置620に統合することができる。複数の気密保囲構造は、第1組が気密保囲構造631~633を含み、第2組が気密保囲構造641~643を含み、第N組が気密保囲構造651~653を含む等のように、複数組に分けられる。
【0060】
本発明の一実施例によると、各気密保囲構造631~633の内部にはガス検出装置がさらに含まれる。例えば、気密保囲構造631にはガス検出装置6911が含まれ、気密保囲構造632にはガス検出装置6912が含まれ、気密保囲構造633にはガス検出装置6913が含まれること等である。よって、それが位置している気密保囲構造におけるガスの温度、湿度、圧力、酸素ガス含有量、二酸化炭素含有量等を検知し、全てのデータを総合検査制御装置610に送信する。
図6に示すように、必要に応じて、各組の分岐に制御弁を配置するか、又は独立湿度制御ユニットを配置することができ、各気密保囲空間の分岐制御弁の開度を調節して、できる限り同組の各貯蔵室内のパラメータ領域が一致するようにする。例えば、第1組の気密保囲構造631~633は制御弁660を、第2組の気密保囲構造641~643は制御弁670を、第N組の気密保囲構造651~653は制御弁680を含む等である。制御弁660~680は、各組の気密保囲構造の集中制御弁である。
【0061】
各組の気密保囲構造において、各気密保囲構造のガス入り口にも制御弁を含んでいる。第1組の気密保囲構造631~633を例として、気密保囲構造632のガス入り口のパイプには分岐制御弁661、気密保囲構造641のガス入り口のパイプには分岐制御弁662、及び気密保囲構造633のガス入り口のパイプには分岐制御弁663が含まれること等である。その他の各組の気密保囲構造における構成はいずれも第1組の気密保囲構造と類似している。
【0062】
ある漢方薬材の貯蔵空間内のパラメータが基準値に達したことを検出すると、システムは自動的に当該分岐制御弁を遮断することができる。使用の安全性を確保するため、同組の複数の空間が全部合格した後、同組にただ1つ又は幾つかが不合格であると、システムは自動的に空間内の端末圧力検出センサーによって空間内の圧力の安全検出を行うことができ、設定値を超えると、システムは自動的に窒素ガスの一部を空けるか、又は窒素製造システムの動作周波数を調節することができる。
【0063】
低酸素湿度制御装置620が比較的に強い酸素低下・湿度制御能力を備え、且つ各薬材の必要貯蔵条件がほぼ一致する場合、資源の浪費を避けるために、一度で複数の空間に対して組分け並列型の酸素低下・湿度制御操作を行うことができる。
【0064】
図7は、本発明の他の実施例による組分け並列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。その構成及び接続方式は
図6と類似しており、同一漢方薬材気調貯蔵サブシステムにおいて、複数の湿度制御装置731~733を含む点で異なっている。各組の気密保囲構造は1つの湿度制御装置を含む。例えば、第1組の気密保囲構造は第1湿度制御装置731を、第2組の気密保囲構造は第2湿度制御装置732を、第N組の気密保囲構造は第N湿度制御装置733を含む等である。湿度制御装置は低酸素装置720と各組の気密保囲構造の集中制御弁との間に取り付けられる。
【0065】
各気密空間の迅速な酸素低下・湿度制御を実現するためには、
図6に加え、各組の主管路に加湿量調整可能な湿度制御装置731~733を配置する。複数組の気密保囲空間にパラメータが不合格であるただ幾つかの空間が生じると、システムは同時に複数組の、複数のパラメータが不合格である空間内のガスを独立に調節することができる。同一組内のある1つ又は幾つかの気調空間内のパラメータが合格すると、システムは自動的に対応する分岐の他の気調養護空間に切り替えることができる。
【0066】
図8は、本発明の一実施例による組分け直列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。
図8に示すように、複数の気密保囲構造はいずれも1つの総合検査制御装置810、低酸素装置、及び湿度制御装置を共用する。ここでは、低酸素装置と湿度制御装置を1つの低酸素湿度制御装置820に統合することができる。複数の気密保囲構造は複数の組に分けられる。例えば、第1組は気密保囲構造831~833を含む。
【0067】
本発明の一実施例によると、各気密保囲構造831~833の内部にはガス検出装置がさらに含まれる。例えば、気密保囲構造831にはガス検出装置841が、気密保囲構造832にはガス検出装置842が、気密保囲構造833にはガス検出装置843が含まれる等である。よって、その位置している気密保囲構造中のガスの温度、湿度、圧力、酸素ガス含有量、二酸化炭素含有量等を検知し、全てのデータを総合検査制御装置810に送信する。
【0068】
図8に示すように、必要に応じて、各組の分岐に制御弁を配置するか、又は独立湿度制御ユニットを配置することができ、各気密保囲空間の分岐制御弁の開度を調節して、できる限り同組の各貯蔵室内のパラメータ領域が一致するようにする。例えば、第1組の気密保囲構造831~833は制御弁850を含む等である。制御弁850は、第1組の気密保囲構造の集中制御弁である。その他の各組はいずれも第1組の構成及び含まれている装置ユニットと類似している。
【0069】
複数の気調養護空間内に格納された漢方薬材の種類が同一又は類似で互いに干渉しない場合は、
図8に示すような組分け直列型の接続を採用して、酸素低下・湿度制御の速度を高めることができる。
図8に示すように、直列する気密保囲空間の数は、制御の難しさの増加を避けるために、多すぎてはいけない。他の組の気密保囲空間のパラメータに対する酸素低下・湿度制御の干渉を回避するために、各組の気密保囲構造は、独立に調整制御するか、又は低酸素装置、湿度制御装置の酸素低下・湿度制御能力の許可範囲で、貯蔵パラメータが同じである数組の気調養護空間を同時に調整制御してもよい。組分け直列型の接続を採用している気密保囲空間において、同組の気密保囲空間の各パラメータは同じである。
【0070】
図9は、本発明の他の実施例による組分け直列型の漢方薬材気調貯蔵サブシステムの接続模式図である。その構成及び接続方式は
図8と類似しており、同一漢方薬材気調貯蔵サブシステムにおいて、複数の湿度制御装置931~934を含む点で異なっている。各組の気密保囲構造は1つの湿度制御装置を含む。例えば、第1組の気密保囲構造は第1湿度制御装置931を、第2組の気密保囲構造は第2湿度制御装置932を、第N組の気密保囲構造は第N湿度制御装置934を含む等である。湿度制御装置は低酸素装置920と各組の気密保囲構造の集中制御弁との間に取り付けられる。
【0071】
気調養護構造に対する低酸素装置と制御装置の酸素低下・湿度制御が十分である場合、各組の気調養護装置内に格納した漢方薬材の種類が同一又は類似で互いに干渉しない場合、組分け直列型の接続を採用して、システムの応用効率及び柔軟性を高めることができる。
図8に示す接続形態に加え、各組の直列する主管路それぞれに湿度制御装置を配置して、複数組の気密保囲構造内の湿度、各種ガスの含有量等を独立に調整制御することができる。組分け直列型の接続を採用している気密保囲空間において、同組の気密保囲空間の各パラメータは同じである。
【0072】
図10は、本発明の一実施例による漢方薬材気調貯蔵サブシステムのガス調節方法のフローチャートである。
図10に示すように、ガス調節方法1000は、窒素酸素分離ユニットにより第1濃度の第1ガスを供給するステップ1010と、管路上の弁を制御して、可変流量又は濃度の分岐ガスを供給するステップ1020とを含む。
【0073】
本発明の一実施例によると、ステップ1020では、勾配で濃度の異なる窒素ガスを供給する。具体的に、本発明の一実施形態によると、ステップ1020は、管路上の弁を制御して、第1流量の分岐ガスを供給するステップ1021を含んでもよい。好ましくは、ステップ1022において、一定時間の経過後に、管路上の弁を制御して、第2流量の分岐ガスを供給する。好ましくは、ステップ1023において、一定時間の経過後に、管路上の弁を制御して、第3流量の分岐ガスを供給する。また、第1流量は第2流量よりも小さく、第2流量は第3流量よりも小さい。本発明の一実施形態によると、複数の分岐における複数の弁は、全部又は部分的に開けるか、或いは部分的又は全部閉じるように制御されてもよい。これによって、異なる流量の様々な分岐ガスを選択的に供給することができる。
【0074】
本発明の他の実施形態によると、ステップ1020は、管路上の弁を制御して、第1濃度の分岐ガスを供給するステップ1022を含んでもよい。好ましくは、ステップ1022において、一定時間の経過後に、管路上の弁を制御して、第2濃度の分岐ガスを供給する。好ましくは、ステップ1023において、一定時間の経過後に、管路上の弁を制御して、第3濃度の分岐ガスを供給する。また、第1濃度は第2濃度よりも小さく、第2濃度は第3濃度よりも小さい。本発明の一実施例によると、複数の分岐における複数の弁は、全部又は部分的に開けるか、或いは部分的又は全部閉じるように制御されてもよい。これによって、異なる濃度の様々な分岐ガスを選択的に供給することができる。本発明の一実施例によると、迅速な置換効果を達成するように、流量と濃度の調節を同時に行うことができる。
【0075】
ステップ1030において、窒素酸素分離ユニットにより第2濃度の第2ガスを供給し、ステップ1040において、管路上の弁を制御して、可変流量の分岐ガスを供給する。また、第2濃度は第1濃度よりも大きい。気密保囲構造で要求される酸素ガスの濃度は通常低いため、高濃度の窒素ガスを直接供給して置換すると、置換効率は高くなく、エネルギー消費量も増加しやすい。一方、勾配で酸素を低下させる場合、エネルギー消費量を最小限に抑え、置換効率を高めることができる。本発明の方法において、窒素酸素分離ユニットにより異なる濃度の窒素ガスを供給することは勾配方式の1つであり、可変流量の分岐ガスを増加することも同様に勾配方式の1つである。これにより、本発明の漢方薬材気調貯蔵サブシステムは高効率で省エネの目的を達成することができる。
【0076】
ステップ1050において、窒素酸素分離ユニットにより第3濃度の第3ガスを供給し、ステップ1060において、管路上の弁を制御して、可変流量の分岐ガスを供給する。また、第3濃度は第2濃度よりも大きい。多勾配方式により、次第に気密保囲構造の必要な低酸素含有量に達し、低酸素環境を形成する。
【0077】
本発明の一実施例によると、ガス調節方法は、予め設定した時間の経過後に、窒素酸素分離ユニット及び/又は複数の分岐における弁を調整して、異なる濃度のガスを供給するステップをさらに含む。
【0078】
本発明の一実施例によると、ガス調節方法は、気密保囲構造におけるガスの濃度を検出し、検出した濃度に応じて窒素製造機及び/又は複数の分岐における弁を調整するステップをさらに含む。例えば、気密保囲構造中のガスの濃度が第1値に達すると、窒素製造機及び/又は管路における弁を調整して第1濃度のガスを供給する。また、気密保囲構造中のガスの濃度が第2値に達すると、窒素製造機及び/又は管路における弁を調整して第2濃度のガスを供給する。このように、気密保囲構造中のガスが必要な濃度になるまで調整する。
【0079】
本発明の一実施例によると、ガス調節方法は、純度調節装置が供給するガスの濃度を検出し、検出した濃度及び流量に応じて窒素製造機及び/又は複数の分岐における弁を調整するステップをさらに含む。例えば、純度調節装置のガスの濃度が第1値に達すると、窒素製造機及び/又は管路における弁を調整して第1濃度のガスを供給する。また、純度調節装置のガスの濃度が第2値に達すると、窒素製造機及び/又は管路における弁を調整して第2濃度のガスを供給する。
【0080】
本発明の一実施例によると、気密保囲構造中のガスの濃度と純度調節装置が供給するガスの濃度及び対応する時間を統合して、窒素製造機及び/又は複数の分岐における弁をより正確に制御できるようにする。例えば、気密保囲構造中のガスの濃度に基づいて窒素酸素分離ユニットの出力するガスの濃度を調整する。純度調節装置の供給するガスの濃度又は時間に基づいて、複数の分岐における弁を調整する。これにより、本発明は非常に柔軟なガス純度調節方式を提供し、気密保囲構造におけるガスの置換効率を最大限に高め、エネルギー消費量を低減することができる。
【0081】
図11は、本発明の一実施例によるガス分配装置の模式図である。
図11に示すように、ガス分配装置1100は、ガス入り口1101と、ガス出口1102と、ガス入り口1101とガス出口1102との間の管路1103とを備える。ガス入り口1101は窒素酸素分離ユニットのガス出口と接続される。本発明の一実施例によると、窒素酸素分離ユニットは異なる流量及び異なる濃度の窒素ガスを供給することができる。さらに、管路には、1つ又は複数の分岐、例えば第1分岐1104、第2分岐1105、及び第3分岐1106が含まれる。複数の分岐1104~1106の一方端は管路1104にそれぞれ接続され、他方端は弁1107~1109を介して同一又は異なるガス源、例えば第1ガス源、第2ガス源、及び第3ガス源に接続される。本発明の一実施例によると、複数のガス源として、二酸化炭素、アルゴンガス又はその他のガスであってもよい。本発明の一実施例によると、各ガス源のガスは清浄処理及び/又は乾燥処理されている。
【0082】
本発明の一実施例によると、複数の分岐1104~1106は同一又は異なるガス源に接続されてもよい。処理器308は弁1107~1109の開閉を制御することによって、各ガス源から管路1104にガスを供給することができる。本発明の一実施形態によると、複数の分岐1104~1106が同一種類のガス源に接続されると、純度調節装置等の制御方法は、より正確にガスを分配するようにガス分配装置1100にも適用できる。
【0083】
本発明の一実施例によると、ガス分配装置の出口は純度調節装置の出口の後の管路と併合し、次に気密保囲構造に入って、気密保囲構造の入口を減少する。勿論、ガス分配装置は独立に気密保囲構造に入ってもよい。本発明の一実施例によると、気密保囲構造に入る前に流量計を備えて、気密保囲構造に入る総流量を測定する。
【0084】
本発明の他の実施例によると、ガス分配装置は純度調節装置と同一装置に統合されてもよい。例えば、異なるガス源の管路は、純度調節装置の管路と近接して両者が同一装置に併合されてもよい。本発明の一実施例によると、各管路は、圧縮空気に接続されてもよく、異なるガス源に接続されてもよい。これによって、これらの管路をより柔軟に使用することができる。本発明の一実施形態によると、各弁は異なるIDを有し、制御部分では、IDに従って弁をどのガス源に接続するかを設定することで、異なる制御を実現することができる。
【0085】
図12は、本発明の一実施例による漢方薬材の保存方法のフローチャートである。同図に示すように、保存方法1200は、低酸素装置により第1濃度のガスを供給するステップ1210と、ガス調節装置により異なる濃度、流量及び/又は種類のガス、例えば二酸化炭素、アルゴンガス又は他の種類のガスを供給するステップ1220と、湿度制御装置によりガスの湿度を調節するステップ1230と、低酸素装置により第1濃度よりも大きい第2濃度のガスを供給するステップ1240と、を含む。本実施例の方法は、勾配で気密保囲構造内の酸素含有量を低下させる方法を提供している。ステップ1220では、殺虫効果を向上するための補助ガス、例えば二酸化炭素、アルゴンガス又は他の種類のガスを供給して、低酸素の時間を削減し、エネルギーを節約することができる。
【0086】
本発明の一実施形態によると、本発明の方法は、気密保囲構造に入るガスの湿度を調節するステップをさらに含む。
【0087】
本発明の一実施形態によると、本発明の方法は、ガス調節部分により分岐ガスを供給するステップをさらに含む。分岐ガスは圧縮空気であってもよい。分岐ガスの供給により低酸素装置の供給するガスの流量を低減でき、これによってエネルギー消費量を削減できる。さらに、分岐ガスを供給してもガスの置換効率を低下しない。
【0088】
本発明の一実施形態によると、本発明の方法は、一定時間の経過、或いはガス調節装置又はガス調節装置の後のガス検出装置又は気密保囲構造のガス検出装置からの情報に応じて、窒素製造部分により第2濃度のガスを供給するか、又は分岐ガスの流量を変化させるステップをさらに含む。本発明は非常に柔軟な制御方式を提供しており、予め設定したプログラム、又はガス調節装置が出力したガス濃度の変化、又は気密保囲構造のガス濃度の変化に応じて、異なる濃度の窒素ガスを供給するように窒素製造機を制御するか、又は異なる流量の分岐ガスを供給するように複数の分岐における弁を制御することができる。
【0089】
例えば、本発明の一実施形態は、気密保囲構造のガス検出装置からの情報に応じて、窒素製造部分により第2濃度のガスを供給し、一定時間の経過、或いはガス調節装置又はガス調節装置の後のガス検出装置からの情報に応じて、分岐ガスの流量を変化させることができる。
【0090】
同様の制御方式は異なる種類のガスの供給にも適用することができる。本発明の一実施形態によると、本発明の方法は、一定時間の経過、或いはガス調節装置又はガス調節装置の後のガス検出装置又は気密保囲構造のガス検出装置からの情報に応じて、ガス調節部分により異なる種類のガスの流量を変化させるステップをさらに含む。
【0091】
上記の方法の流れを実現するために、本発明は知能倉庫エキスパートシステムも提供しており、気調養護と気調殺虫等の機能を実現すると共に、その他の付加的倉庫管理機能も実現できる。中央制御装置110は、知能倉庫エキスパートシステムによって、漢方薬材の気調貯蔵システムに対するパラメータ設定やリアルタイム管理を行う。具体的な実現形態は次の通りである。
【0092】
図13は、本発明の一実施例による知能倉庫エキスパートシステムの構成ブロック図である。
図13に示すように、知能倉庫エキスパートシステム1300は、パラメータ設定モジュール1310と、情報照会モジュール1320と、リアルタイム表示モジュール1330と、故障情報モジュール1340と、データ格納モジュール1350と、遠隔モニタリングモジュール1360と、カツタム倉庫管理モジュール1370とを含むが、これらに限定されるものではない。各モジュールの機能について、以下で詳しく説明する。このシステムで言及した設備とは、上記した漢方薬材の気調貯蔵システム又は漢方薬材気調貯蔵サブシステムである。
【0093】
図14は、本発明の一実施例によるパラメータ設定モジュールの構成ブロック図である。本発明の一実施例によると、パラメータ設定モジュール1400は、漢方薬材の気調貯蔵システムの各パラメータを設定することができる。例えば、動作モードの選択、貯蔵漢方薬材の数量、時間、貨物番号又はロット番号等、気密保囲構造中の酸素含有量、温度、湿度、圧力等のパラメータの設定等がある。本発明の他の実施例によると、知能倉庫エキスパートシステムで薬材種類を選択することによって、システムが自動的に対応する気調パラメータを生成してもよい。例えば、クコを選択すると、システムは自動的に気調パラメータ、例えば酸素含有量3%、温度5℃、湿度値50%RH等を生成し、ムカデを選択すると、システムは自動的に気調パラメータ、例えば酸素含有量5%、温度5℃、湿度値:50% RH等を生成する。ここで例示したパラメータはあくまでも参考用であり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。勿論、実際貯蔵の必要に応じて、ユーザは手動で気調パラメータを入力してもよい。
【0094】
図14に示すように、パラメータ設定モジュール1400は、動作モード及び貯蔵室選択1410、酸素含有量設定1420、温度・湿度設定1430、入庫時間設定1440、薬材品種及び入庫量選択1450、ロット番号及び検査員選択1460等を含む。
【0095】
そして、動作モード及び貯蔵室選択1410は、特定の貯蔵室を選択すること、その殺虫モード、養護モード又は他の動作モードを設定すること等を含むことができる。同時に、選択した動作モードに応じて対応する酸素含有量1420、温度・湿度1430及び入庫時間1440を設定する。
【0096】
薬材品種及び入庫量選択1450は、システム内に格納した薬材種類から格納しようとする薬材品種を選択することができる。例えば、クコを選択すると、システムは自動的に気調パラメータ、例えば酸素含有量3%~5%、好ましくは3%、温度5℃~20℃、好ましくは5℃以下、湿度範囲:35%~60%RH、好ましくは50%等を生成し、ムカデを選択した場合の気調パラメータは、酸素含有量3%~5%、好ましくは5%、温度5℃~20℃、好ましくは5℃以下、35%~65%RH、好ましくは50%等である。作業員は経験及びシステムの推奨に従って、各パラメータを設定することが好ましい。ここで例示したパラメータはあくまでも参考用であり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0097】
図15は、本発明の一実施例による情報照会モジュールの構成ブロック図である。情報照会モジュール1500は、複数の情報を集約した大規模データベースである。
図15に示すように、情報照会モジュール1500は、薬材基本情報照会1510と、殺虫気調パラメータ照会1520と、養護気調パラメータ照会1530と、薬材同貯蔵性照会1540と、最適時間照会1550と、異なる薬材の有り触れ害虫照会1560とを含むが、これらに限定されるものではない。
【0098】
また、薬材基本情報照会1510は、薬材の主要産地、成長習性及び採集季節、主要薬性成分及び所定の下限値、貯蔵有り触れ問題、その他の類似な薬材等を照会することを含む。殺虫気調パラメータ照会1520と養護気調パラメータ照会1530は、数百種乃至数千種の漢方薬材の最適な殺虫及び養護気調パラメータの照会を実現することができる。本発明の一実施例によると、漬物の殺虫/養護気調照会方式は、名称照会、分類照会、産地照会等の複数の照会方式であってもよい。例えば、分類照会は、根と根茎系、花系、果実系、種子系、草葉系のような植物組織系薬材、動物系薬材、鉱物系薬材等の分類による照会であってもよい。
【0099】
【0100】
さらに、例えば、クコの殺虫/養護気調パラメータは、酸素含有量3%~5%、温度5℃~20℃、湿度範囲:35%~60%RH、最適貯蔵時間3~6ヶ月であり、柏子仁の殺虫/養護気調パラメータは、酸素含有量2%~4%、温度5℃~20℃、35%~60%RH、最適貯蔵時間3~6ヶ月であり、ムカデの殺虫/養護気調パラメータは、酸素含有量3%~5%、温度5℃~20℃、35%~65%RH、最適貯蔵時間6~12ヶ月である。ここで、パラメータは本発明の一実施例に過ぎず、本発明の保護範囲については何の制限も加えない。説明すべき点は、薬材の殺虫気調パラメータと養護気調パラメータは異なってもよいということである。
【0101】
【0102】
最適時間照会1550は、最適殺虫時間及び最適養護時間の照会を含む。殺虫養護時間を厳格に制御すると、薬材の完全性を保存し、薬材の薬性を保留することができる。有り触れ害虫照会1560は、薬材同貯蔵性照会1540と組み合わせて、薬材の貯蔵コストを削減し、薬材の品質が向上することができる。
【0103】
図16は、本発明の一実施例による情報照会モジュールの構成ブロック図である。必要に応じて、リアルタイム表示モジュール1600は表示スクリーン又は端末機器への上記に言及した各パラメータ、例えば、設備の動作モード1610、気密養護構造の酸素含有量1620、気密養護構造の温度・湿度1630、設備稼動状態1640、設備累積稼動時間1650、貯蔵室番号及び所属庫エリア1660等の情報のリアルタイム表示を実現することができる。
【0104】
【0105】
図17は、本発明の一実施例による故障情報モジュールの構成ブロック図である。故障情報モジュール1700には、漢方薬材の気調貯蔵システムに対する各パラメータ指標の警告値及び警報値を含む。
図17に示すように、故障情報モジュール1700は、警告情報1710、警報情報1720、メンテナンス情報1730、設備間及び通過低酸素警報1740、貯蔵室緊急警報1750等の機能を含むが、これらに限定されない。故障情報モジュール1700は、各部分の情報監視設備の稼働状態、貯蔵室安全状態によって、設備の安全を守る。
【0106】
漢方薬材の気調貯蔵システムの動作過程において、総合検査制御装置は受信した情報を中央制御装置のエキスパート制御システムに送信する。送信方式は、4~20mAアナログ量信号、485通信信号或いは無線ネットワーク等の方式であってもよい。漢方薬材の気調貯蔵システムにおけるある1つ又は幾つかのパラメータ指標が警告又は警報値に達すると、警報器は警告提示を発するか、音響光学的に警報を発するか、又は停止警報を発して、作業員を提示する。本発明の一実施例によると、パラメータ指標が予め設定値を大幅に上回ったり下回ったりすると、漢方薬材の気調貯蔵システムは自動的に停止する可能性がある。例えば、貯蔵室の回廊や設備間が低酸素状態にあり、且つ酸素含有量が17%よりも低い場合、警報器は警報提示を発し、漢方薬材の気調貯蔵システム、貯蔵室及び作業員の安全を保障する。
【0107】
図18は、本発明の一実施例によるデータ格納モジュールの構成ブロック図である。
図18に示すように、データ格納モジュール1800は、設備累積稼動情報1810、貯蔵室気調パラメータ累積情報1820、累積警報情報1830、登録情報1840、累積殺虫数量及び品種1850、仕事中作業者情報1860等の内容の格納機能を実現することができる。
【0108】
貯蔵室及び設備累積稼動情報1810は、漢方薬材の気調貯蔵システムの温度・湿度、酸素含有量、起動/停止状態、システム累積稼動時間、故障警報情報等を含んでもよい。本発明の一実施例によると、データ格納モジュールは、必要に応じてデータテーブル又は折れ線グラフを導出することができる。データ格納モジュール1800は、薬材の入庫から貯蔵、出庫までの全過程の全ての情報を記録して、薬材貯蔵のトレーサビリティ管理を実現することができる。
【0109】
図19は、本発明の一実施例によるデータ格納モジュールの構成ブロック図である。
図19に示すように、遠隔モニタリングモジュール1900は、設備状態及び累積時間1910、貯蔵室関連パラメータ1920、警報情報1930、パラメータ照会及び設定1940等のモジュール機能を実現することができ、ニーズ情報に応じてモジュールを追加しても構わない。
【0110】
本発明の一実施例によると、遠隔モニタリングモジュール1900は、上記の1910~1940のようなデータをユーザ端末(例えばPC、携帯電話、Pad等)にアップロードすることができる。ユーザ端末はデータを受信し、ユーザはシステムの稼動状態をチェックし、パラメータ照会やデータ分析等の操作を行うことができる。本発明の一実施例によると、ユーザよって異なるレベルのチェックや分析操作の権限がある。
【0111】
本発明の一実施例によると、遠隔モニタリングモジュール1900は、端末が採取したデータを遠隔設備に転送することによって実現されてもよい。さらに、各殺虫又は養護貯蔵室にインダストリアルルータ1970を1台取り付けて、4G/WIFI/ブロードバンド等でインターネットに接続可能にする。各殺虫又は養護貯蔵室に、貯蔵室内の全てのセンサーのデータを採取・保存するためのクラウド・ボックス1980を1台インストールする。クラウド・ボックス1980の内部通信パラメータを設定して、採取した重要なパラメータを対応する作業員にプッシュできるようにする。必要に応じて、各殺虫又は養護貯蔵室、設備間、回廊等の場所にカメラやハードディスクレコーダーを取り付けて、貯蔵室の状態を遠隔チェックしてよい。また、中央制御センター1950にプライベート・クラウドをインストールし、クラウド・ボックスに同梱されるスキャダソフトウェア(supervisory control and data acquisition:SCADA)とデータソフトウェアをプライベート・クラウドにインストールし、採取した全てのデータをデータベースに格納し、権限の設定(例えば、パワーユーザ又は標準ユーザ)によってアクセスすることができる。中央データセンターへの外部ネットワークのサイバー攻撃を阻止するために、中央制御センター1950のネットワークの出口にインダストリアルファイアウォール1960を追加して、データセンターのネットワークセキュリティを保護する。インダストリアルルータ1970は、当該設備と中央制御センター1950とのネットワーク接続を可能にし、情報センターのデータソフトウェアはクラウド・ボックス1980内の全てのデータを直接読み取り、データセンターに格納してデータ分析を行うことができる。
【0112】
図20は、本発明の一実施例によるカツタム倉庫管理モジュールの構成ブロック図である。
図20に示すように、カツタム倉庫管理モジュールは、作業者管理モジュール2010、倉庫管理モジュール2020、庫エリア区分けモジュール2030、及び消防安全対策モジュール2040等を含む。本発明の一実施例によると、実際の適用状況に応じて対応するサブモジュールを開発することもできる。カツタム倉庫管理モジュールは、開放的で、ニーズに応じて関連情報を埋め込むことができ、また必要に応じてモジュールを区分けすることができる。よって、作業者による管理を容易にし、仕事の品質を保証すると共に、さらに漢方薬材の品質を保証することができる。
【0113】
例えば、本発明の一実施例によると、作業者管理モジュール2010は、作業員の氏名、勤務番号、勤務先、毎日の業務記録、出勤・署名状況等を登録し、必要に応じて呼び出してチェックするように情報を保存又はアップロードすることができる。倉庫管理モジュール2020は、区分けした庫エリアに応じて漢方薬材の名称、在庫量、毎回配送量、残量、配送時間、配送者等を記録して、後期の情報のトレーサビリティ等を容易にすることができる。その他のモジュールは、必要に応じて具体的な機能をカスタマイズできる。
【0114】
上記の実施例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するためのものではない。なお、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱せずに、各種の変化や変形を行うことができるため、全ての同等な技術案も本発明に含まれるべきである。