(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】2-アミノ-L-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-A]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン及びそれらの組み合わせの治療レジメン
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4985 20060101AFI20231102BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20231102BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20231102BHJP
A61K 31/137 20060101ALI20231102BHJP
A61P 33/06 20060101ALI20231102BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231102BHJP
C07D 487/04 20060101ALN20231102BHJP
【FI】
A61K31/4985
A61K9/107
A61K9/48
A61K31/137
A61P33/06
A61P43/00 121
C07D487/04 CSP
C07D487/04 144
(21)【出願番号】P 2019557478
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(86)【国際出願番号】 IB2018052822
(87)【国際公開番号】W WO2018198021
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】201711014459
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【氏名又は名称】岩田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,ジェイ プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】レオン,フランツ ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】ウィニップス,コーネリス
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ,マリー-クリスティーン
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-532890(JP,A)
【文献】特表平06-506706(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103006564(CN,A)
【文献】NICHOLAS J WHITE; ET AL,ANTIMALARIAL ACTIVITY OF KAF156 IN FALCIPARUM AND VIVAX MALARIA,NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE,米国,MASSACHUSETTS MEDICAL SOCIETY,2016年09月22日,VOL:375, NR:12,PAGE(S):1152 - 1160,https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1602250?articleTools=true
【文献】JOEL LEONG F; ET AL,A FIRST-IN-HUMAN RANDOMIZED, DOUBLE-BLIND, PLACEBO-CONTROLLED, SINGLE- AND MULTIPLE-以下備考,ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY,米国,2014年11月,VOL:58, NR:11,PAGE(S):6437-6443,https://aac.asm.org/content/aac/58/11/6437.full.pdf,ASCENDING ORAL DOSE STUDY OF NOVEL IMIDAZOLOPIPERAZINE KAF156 TO ASSESS ITS SAFETY, 以下省略
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マラリアを予防する、治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するための医薬組成物の製造における、有効成分としての、2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(化合物A)又はその医薬上許容される塩の使用であって、
前記医薬組成物が、約200mg~約1000mgの化合物Aを含有し、かつ前記医薬組成物が、約400mg~約1000mgの固体分散体
のルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、
前記使用。
【請求項2】
前記医薬組成物が、化合物Aを約200mg含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記医薬組成物が、化合物Aを約400mg含む、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記医薬組成物が、化合物Aを約800mg含む、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記医薬組成物が、約400mg~約500m
gの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記医薬組成物が、約480mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記医薬組成物が、約900mg~約1000m
gの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記医薬組成物が、約960mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記医薬組成物が、約200mgの化合物Aを含有し、かつ前記医薬組成物が、約480mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1、2及び5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記医薬組成物が、約400mgの化合物Aを含有し、かつ前記医薬組成物が、約480mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1、3及び5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記医薬組成物が、約400mgの化合物Aを含有し、かつ前記医薬組成物が、約960mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1、3及び
7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記医薬組成物が、約800mgの化合物Aを含有し、かつ前記医薬組成物が、約960mgの前記ルメファントリンと組み合わせて用いられるものである、請求項1、4及び
7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
化合物A及び前記ルメファントリンが、固定用量組み合わせである、請求項1~
12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
有効成分として、約400mg~約1000mgの
固体分散体のルメファントリン、及び約200mg~約1000mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(化合物A)又はその医薬上許容される塩を含む、マラリアを予防又は治療するための医薬組成物。
【請求項15】
約200mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、請求項
14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約400mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、請求項
14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
約800mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、請求項
14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
約400mg~約500mgのルメファントリ
ンを含む、請求項
14~
17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
約480mgのルメファントリンを含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
約900mg~約1000mgのルメファントリ
ンを含む、請求項
14~
17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
約960mgのルメファントリンを含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
約200mgの化合物A、及び約480mgの前記ルメファントリンを含む、請求項
14、
15及び
18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
約400mgの化合物A、及び約480mgの前記ルメファントリンを含む、請求項
14、
16及び
18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
約400mgの化合物A、及び約960mgの前記ルメファントリンを含む、請求項
14、
16及び
20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
約800mgの化合物A、及び約960mgの前記ルメファントリンを含む、請求項
14、
17及び
20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
1日1回投与される、請求項
14~
25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
固定用量組み合わせである、請求項
14~
26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意選択的に別の抗マラリア薬と組み合わせて、マラリアの予防若しくは治療において使用するためのイミダゾールピペラジン、例えば2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)又はその医薬上許容される塩を提供する。本発明は、マラリアに関連する症状を予防する、治療する、遅延させる、若しくは状態を改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、任意選択的に別の抗マラリア薬と組み合わせて、前記イミダゾールピペラジン又はその医薬上許容される塩を投与する工程を含む方法に関する。詳細には、本発明は、2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩並びに前記化合物及び別の抗マラリア薬を含む組み合わせの新規な投与レジメンを提供する。
【背景技術】
【0002】
マラリアは、世界中の人口のほぼ半分に当たる約32億人を脅かす最も重要な感染性疾患の1つである。マラリア予防対策のためにますます多くの国際的努力が重ねられてきたにも関わらず、世界保健機関(World Health Organization)の最新の推定値によれば、2015年には、世界中で2億1400万人がマラリアに罹患し、43万8000人が死亡した。サハラ砂漠以南のアフリカは、世界中のマラリア被害の不釣り合いに高い負担率を示している。2015年には、この領域にはマラリア症例の88%及びマラリアによる死亡率の90%が存在した。さらに、マラリアの伝染率の高い地域では、5歳未満の小児が特に感染、罹患及び死亡の影響を受け易く、マラリアによる全死亡の3分の2超(70%)がこの年齢群で発生している(2015年には306000人が死亡すると推定されている)。
【0003】
マラリアは、4種の寄生原虫類:熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum);三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax);卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale);及び四日熱マラリア原虫(Plasmodium malaria)によって引き起こされる感染性疾患である。これら4種の寄生原虫は、典型的には感染した雌のハマダラカ(Anopheles)属の蚊の咬傷によって伝染する。マラリアは、世界中の多くの地域における問題であり、過去二、三十年間にわたって、マラリアの被害は絶えず増加してきた。およそ100万人~300万人が毎年マラリアで死亡するが、その多くは5歳未満の小児である。マラリア死亡率のこの増加は、一部には、最悪のマラリア寄生原虫である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)が、アルテミシニン誘導体を例外として、ほぼ全ての利用可能な抗マラリア薬に対して獲得耐性を有するという事実に起因する。
【0004】
マラリアは、発熱、頭痛、筋肉痛、背痛、関節痛、悪心、時折の嘔吐及び咳を特徴とする;重症例では、マラリアは昏睡をもたらし、最終的には死亡を引き起こす。
【0005】
クロロキン(CQ)、ピリメタミン(PYR)、スルファドキシン(SFDX)及びメフロキン(MEF)などの標準抗マラリア薬は、多数のマラリア流行地域では大部分の効果がなくなってきた。わずかな例外は、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)によるマラリアにとって最新の標準治療であるNovartis製のCoartem(登録商標)/Riamet(登録商標)及びEurartesim(登録商標)などのアルテミシニン系併用療法(ACT)である。
【0006】
Coartem(登録商標)は、アルテミシニン誘導体であるアルテメテルとルメファントリンとの固定複合剤である。投薬は体重に基づき、標準用量は、3日間にわたり1日2回のアルテメテル80mg及びルメファントリン480mgから構成される。処方情報に明記されているように、Coartemは、食物がルメファントリンのバイオアベイラビリティを16倍まで、及びアルテメテルのバイオアベイラビリティを3倍まで増加させることが公知であるので、高脂肪食とともに投与されなければならない。Coartemを食物とともに投与することは、高い治癒率のために必要とされる第7日までのルメファントリンへの十分な曝露を達成するためにも重要である。急性のマラリア病及びマラリア流行国では、この治療必要条件を厳守しなければ、治療の失敗が引き起こされ得るであろう。
【0007】
近年の数件の報告(Menard et al 2016;A worldwide map of Plasmodium falciparum K13-Propeller polymorphisms;N.Engl.J.Med;374(25):2453-64)は、単剤療法としてのアルテミシニン誘導体及びビスキノリン誘導体の数十年に及ぶ連続使用が、東南アジアにおけるマラリア原虫(Plasmodium)種における薬物耐性の発生を促進してきた可能性があることを示唆している。この地域におけるアルテミシニンへの熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)のin vitro感受性の低下は証拠付けられてきた。近年の研究は、アルテミシニン耐性が東南アジアの以前に知られていたよりもはるか遠くに広がっていること、そして今ではインドとの国境近くにも存在することを証明した(Menard et al 2016)。広範囲のアルテミシニン薬剤耐性が発生すると、マラリアの薬物療法の効果は深刻に損なわれるであろう。この観察所見は、耐性の広がりが不可避であり、このため、新規な作用機序を備える新規な抗マラリア薬が緊急に必要とされることを意味している(Tun et al 2015;Spread of artemisinin-resistant Plasmodium falciparum in Myanmar:a cross-sectional survey of the K13 molecular marker;Lancet Infect Dis;15(4):415-21)。さらに、最新の熱帯性マラリアの治療は、少なくとも3日間の投与レジメンを必要とするが、これは一部の患者が治療薬を正しく服用しないことの原因となる可能性がある。実際に、患者は1~2日間以内に臨床症状の緩解を示すことが多いため、最後の服用を怠る場合がある。これが、薬物耐性の発生の原因となることがある。
【0008】
2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)は、イミダゾールピペラジン系と呼ばれる異なる新規なクラスの薬物からの最初の薬物である。この化合物は、現在市販されている抗マラリア薬や現在開発中の他の実験的抗マラリア化合物クラスとは構造的に別個である。KAF156の作用機序は未だ特徴付けられていないが、以前の未同定遺伝子(熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)環状アミン耐性遺伝子座、Pfcarl)に関連する可能性がある。KAF156は、ヒトのマラリアの2種の主要原因物質である熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)及び三日熱マラリア原虫(P.vivax)の赤血球複製生活環期(血液期)をどちらも低ナノモルのEC50で殺滅/阻害する(in vitro)。さらに、KAF156は、マラリア原虫(Plasmodium)感染症の肝臓期モデルにおいて、動物感染モデルにおける因果的予防的保護を付与する活性を示した。配偶子接合破壊活性の限定的証拠は、伝播阻止活性を付与する可能性がある。KAF156は、肝臓ヒプノゾイトに対する活性を証明していないため、三日熱マラリア原虫(P.vivax)を根治するために使用できる可能性は低い。さらに、KAF156は、薬物感受性及び広汎な一団の薬物耐性マラリア株に対して同等に効力がある(Kuhen et al 2014“KAF156 is an antimalarial clinical candidate with potential for use in prophylaxis,treatment,and prevention of disease transmission;Antimicrobial Agents and Chemotherapy;2014;58(9):5060-5067)。
【0009】
マラリア原虫をその早期の無症候性肝臓期において殺滅することによって、KAF156は、この疾患が血流中に広がり、したがってさもなければ別のヒトを感染させるであろう蚊に伝わることを防止する予防的治療として機能する可能性を有する。
【0010】
KAF156は、以前には合併症を有さない成人マラリア患者において、3日間にわたり400mg/日の用量で(三日熱マラリア原虫(P.vivax)若しくは熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)に罹患した患者)又は800mgの用量で単回投与(熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)に罹患した患者)のいずれかで試験された(NCT01753323)。結果は、White et al.(New England Journal of Medicine,375;12,2016)に公表されている。重篤な有害事象は報告されなかった。この試験は、KAF156がアルテミシニン耐性原虫を含む三日熱(vivax)マラリア及び熱帯熱(falciparum)マラリアに対して活性を有することを証明している。単回の800mgの用量を摂取した患者1例は、繰り返しの嘔吐を発生したため、本試験への参加を取り止めた。複数回投与群で嘔吐したのは熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)マラリアの患者1例であったのに比較して、単回の800mgの用量を摂取した後には他の5例の患者が嘔吐した。複数回投与群で悪心を報告したのは熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)マラリアの患者1例であったのに比較して、単回の800mgの用量を摂取した4例の患者が悪心を報告した。さらに、KAF156は、急速に吸収されるが、他方約50時間という長い半減期を有することも証明された。迅速に排泄される(3日間より短い末端排泄半減期)抗マラリア薬は、通常は単回投与では熱帯熱(falciparum)マラリアを治癒させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記を考慮すると、実質的な罹病率及び死亡率の原因である極めて一般的な疾患であるマラリアのための新規な治療に対する強い医学的必要が存在する。ACTに対する耐性が発生している地域を含め、この疾患に対する新規な治療を開発することが望ましい。3日間より短い投与期間にわたる1日1回の投与で使用できる治療を開発することによりレジメンを単純化すれば、治療の成功を改善し、遵守の改善により耐性が発生する確率を低減させ、したがってマラリア根絶を加速することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、新規な新しい治療有効量のイミダゾールピペラジン、例えば2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)又はその医薬上許容される塩を使用する新規な治療レジメン;及び短い治療期間のために特に適正であり、別の抗マラリアパートナー薬と組み合わせて使用できるKAF156の新規な治療レジメンを提供することによって、これらの必要を解決する。本明細書では、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するためのKAF156又はその医薬上許容される塩が開示されるが、この化合物は、5日間まで、例えば1~3日間、例えば1日若しくは2日間にわたり、約200mg~約1000mgの用量で連日投与される。特に、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するためのKAF156又はその医薬上許容される塩が開示されるが、この化合物は、5日間まで、例えば1~3日間、例えば1日若しくは2日間にわたり、約200mg~約350mgの用量で連日投与される。
【0013】
本発明は、マラリアを予防若しくは治療する、マラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する方法であって、それを必要とする被験者に、任意選択的に別の抗マラリア薬、例えばルメファントリンと組み合わせて、治療有効量のイミダゾールピペラジン、例えば2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)又はその医薬上許容される塩を連日(例えば、1日1回)投与する工程を含む方法を提供する。
【0014】
本発明では、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ある用量の2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)又はその医薬上許容される塩を連日(例えば、1日1回)投与する工程を含む方法が開示されるが、その用量は、約200mg~約1000mgであり、5日間まで、例えば1~3日間、例えば1日若しくは2日間にわたり投与される。例えば、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する方法であって、それを必要とする被験者に、ある用量のKAF156又はその医薬上許容される塩を連日(例えば、1日1回)投与する工程を含む方法が開示されるが、その用量は、約200mg~約350mgであり、5日間まで、例えば1~3日間、例えば1日若しくは2日間投与される。
【0015】
本明細書では、例えばルメファントリンカプセルに比較して強化されたバイオアベイラビリティを有する、ルメファントリンの改良された製剤及び例えばKAF156の特異的レジメンを含む、KAF156と組み合わせたそのような製剤の使用もまた開示される。
【0016】
別の態様では、本発明は、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するためのイミダゾールピペラジン、例えば2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン(KAF156)又はその医薬上許容される塩を提供するが、前記イミダゾールピペラジン、例えばKAF156は、5日間まで、例えば1~3日間にわたり、約200mg~約1000mgの用量で連日(例えば、1日1回)投与される。例えば、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するためのKAF156又はその医薬上許容される塩が提供されるが、KAF156は、5日間まで、例えば1~3日間にわたり、約200mg~約350mgの用量で連日(例えば、1日1回)投与される。
【0017】
本明細書では、マラリアを予防又は治療する際に使用するための、約200mg~約1000mg、例えば約200mg~約350mg(例えば、約200mg、約350mg、約400mg又は約800mg)のKAF156などの連日(例えば、1日1回)投与されるKAF156の用量が開示される。
【0018】
本明細書では、マラリアを予防又は治療する際に使用するための、KAF156を含む医薬組成物が開示されるが、KAF156は、例えば5日間まで、例えば1~5日間、例えば2~5日間、例えば1~3日間、例えば1日又は2日間にわたり、患者に約200mg~約1000mg、例えば、約200mg~約350mg(例えば、約200mg、例えば約400mg、例えば約800mg)の用量で、連日(例えば、1日1回)投与されなければならない。
【0019】
本明細書では、マラリアを予防若しくは治療するための医薬品を製造するための、KAF156又はその医薬上許容される塩の使用であって、KAF156又はその医薬上許容される塩が、患者に、例えば5日間まで、例えば1~5日間、例えば2~5日間、例えば1~3日間、例えば1日若しくは2日間にわたり、約200mg~約1000mg(例えば、約200mg、約350mg、約400mg若しくは約800mg)の用量で、連日(例えば、1日1回)投与されなければならないことを特徴とする、KAF156又はその医薬上許容される塩の使用が開示される。
【0020】
本発明はさらに、5日量までのKAF156又はその医薬上許容される塩を含むマラリアを予防若しくは治療するための治療用キットをさらに提供するが、ここでKAF156又はその医薬上許容される塩の用量は、約200mg~約1000mg、例えば約200mg~約350mg、例えば約200mg、例えば約350mg、約400mg又は約800mgの用量である。
【0021】
上記で言及した方法、治療レジメン、キット、使用及び医薬組成物の一部では、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩は、別の抗マラリア薬、例えば固体分散体製剤若しくはマイクロエマルジョンとしてのルメファントリン、例えばルメファントリンの固体分散体製剤とともに投与される。
【0022】
さらに本発明は、i)イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩、及びii)別の抗マラリア薬、例えば、ルメファントリンを含む医薬組み合わせ;並びにマラリアを予防若しくは治療する際に、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するためのそのような医薬組み合わせをさらに提供する。特に、約200mg~800mgのKAF156及び約400mg~1000mgのルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。例えば、約200mg~800mgのKAF156及び約400mg~1000mgのルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供されるが、ここでルメファントリンは、固体分散体製剤又はマイクロエマルジョン、例えば固体分散体製剤の形態にある。
【0023】
特に、KAF156及びルメファントリン、例えばKAF156及びルメファントリンの固体分散体製剤の固定組み合わせが提供される。
【0024】
本明細書では、本開示の様々な(列挙した)実施形態について記載する。各実施形態において特定した特徴は、本開示のまた別の実施形態を提供するために他の特定の特徴と結び付けられてよいことは認識されるであろう。
【0025】
さらに本発明は、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156の使用を提供するが、この医薬品は、1~5日間、例えば1~3日間中に連日(例えば、1日1回)投与され、約200mg~約1000mgのKAF156を含む。
【0026】
例えば、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156の使用が提供されるが、この医薬品は、1回投与され、約200mg、約350mg若しくは約400mgのKAF156を含む。
【0027】
例えば、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156の使用が提供されるが、この医薬品は、3日間にわたり、連日(例えば、1日1回)投与され、約200mg、約350mg若しくは約400mgのKAF156を含む。
【0028】
さらに本発明は、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156及びルメファントリンの組み合わせ、例えば固定用量組み合わせの使用を提供するが、この医薬品は、連日(例えば、1日1回)投与され、約200mgのKAF156及び約480mgのルメファントリンを含む。ルメファントリンは、固体分散体製剤の形態にあってよい。
【0029】
一実施形態では、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156及びルメファントリンの組み合わせ、例えば固定用量組み合わせの使用が提供されるが、この医薬品は、連日(例えば、1日1回)投与され、約200mgのKAF156及び約960mgのルメファントリンを含む。ルメファントリンは、固体分散体製剤の形態にあってよい。
【0030】
別の実施形態では、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156及びルメファントリンの組み合わせ、例えば固定用量組み合わせの使用が提供されるが、この医薬品は、連日(例えば、1日1回)投与され、約400mgのKAF156及び約480mgのルメファントリンを含む。ルメファントリンは、固体分散体製剤の形態にあってよい。
【0031】
さらにまた別の実施形態では、マラリアを治療若しくは予防するため、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善するための医薬品を製造するためのKAF156及びルメファントリンの組み合わせ、例えば固定用量組み合わせの使用が提供されるが、この医薬品は、連日(例えば、1日1回)投与され、約400mgのKAF156及び約960mgのルメファントリンを含む。ルメファントリンは、固体分散体製剤の形態にあってよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】従来型錠剤、SDF変異体1及びSDF変異体2として絶食条件下で480mg用量の単回投与後のルメファントリンの濃度時間プロファイルを開示している図である(ヒトを対象とする試験)。
【
図2-1】
図2A及び2Bは、イヌを対象とする試験におけるルメファントリンの曝露を示す図である。
【
図3-1】
図3A及び3Bは、イヌを対象とする試験におけるKAF156の曝露を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
KAF156(2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノンである)は、式(i):
【化1】
のイミダゾールピペラジンである。
【0034】
KAF156は、国際公開第2011/006143号パンフレット(実施例412)に記載されている。
【0035】
本開示の様々な態様は、下記のサブセクションにおいてより詳細に記載する。本明細書で参照した全ての特許、公開特許出願、刊行物、参考文献及びその他の資料は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
【0036】
用語「~を含む(comprising)」は、「~を包含する(including)」及び「~からなる(consisting)」を含み、X「を含む」組成物は、排他的にXからなってよい、又は追加の何か、例えばX+Yを含んでいてよい。
【0037】
本発明によると、マラリアの治療は、予防的(疾患の発生を予防するため、若しくは遅延させるため、又はその臨床的若しくは準臨床的症状の発現を予防するため)又は疾患の発現後の症状の治療的抑制若しくは緩和であってよい。本発明の意味の範囲内では、用語「治療する」は、さらに発現を停止させる、遅延させる(すなわち、疾患の臨床発現前の期間)及び/又は疾患を発生若しくは悪化させるリスクを低下させることも意味する。用語「予防する」又は「予防」は、疾患の発生若しくは進行の部分的若しくは完全な阻害を指す。
【0038】
本明細書で使用するマラリアは、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)又は四日熱マラリア原虫(Plasmodium malaria)、例えば急性及び大脳マラリア、例えば合併症を伴わない熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)マラリアによって引き起こされる疾患を指す。
【0039】
イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩の用語「有効量」若しくは「治療有効量」は、患者における生物学的若しくは医学的反応、例えばタンパク質活性の減少若しくは阻害を引き出す、又は症状を改善する、状態を緩和する、疾患の進行を緩徐化若しくは遅延させる、又は疾患を予防するであろう、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩の量を指す。用語「有効量」又は「治療有効量」は、本明細書では、ベースライン時の臨床的に観察可能な徴候及び治療される状態の症状に比して、観察可能な改善を提供するために十分な量を指す。
【0040】
用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、所定の数値又は範囲の10%以内、より好ましくは5%以内を意味するものとする。
【0041】
用語「医薬上許容される」は、有効成分の生物活性の有効性を妨害しない非毒性物質を意味する。
【0042】
用語「連日」は、薬物、例えばKAF156、ルメファントリン又はKAF156及びルメファントリンを含む医薬組み合わせが連日方法で、すなわち毎日投与されることを指す。これは、ただ1回の投与(1日1回、QDとも呼ぶ)又は例えば1日4回までの1日数回の投与に対応し得る。
【0043】
好ましくは、KAF156は、1日1回の投与で投与される。同様に、ルメファントリンは、好ましくは1日1回投与される。
【0044】
本発明によると、KAF156(遊離塩基の形態にある)は、約200mg~約800mg、例えば約200mg~約600mg、例えば約200mg~約500mg、例えば約250mg~約500mg、例えば約250mg~約450mg、例えば約200mg~約400mgから構成される用量で投与される。例えば、KAF156(遊離塩基の形態にある)は、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg又は約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mgの用量で投与される。特定の実施形態では、これらの用量は、連日投与のため、例えば、1日量である。他の実施形態では、これらの用量は、1回の連日投与のためである。
【0045】
一部の実施形態では、マラリアを予防又は治療する際に使用するためのKAF156の新規な治療レジメンであって、約200mg~約900mg、例えば約200mg~約800mg、例えば約200mg~約600mg、例えば約200mg~約500mg、例えば約250mg~約500mg、例えば約250mg~約450mg、例えば約200mg~約400mgの用量のKAF156を(例えば、連日)投与する工程を含む新規な治療レジメンが提供される。
【0046】
例えば、マラリアを予防若しくは治療する際に使用するためのKAF156の治療レジメンは、約200mg、250mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg又は約800mgの用量のKAF156を(例えば、連日)投与する工程を含む。
【0047】
本発明によると、KAF156又はその医薬上許容される塩は、5日間まで、例えば1~5日間、例えば1~3日間、例えば2~5日間、例えば1日若しくは2日間、例えば1日間に連日投与される。特定の実施形態では、ただ1回の投与、例えばただ1回の連日投与のためのKAF156又はその医薬上許容される塩の用量が提供される。
【0048】
本明細書では、マラリアを予防若しくは治療する際に使用するための治療用キットであって、例えばそれらの用量が連日投与されるべきであるKAF156又はその医薬上許容される塩を含む治療用キットが提供される。さらに、そのようなキットは、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156を投与するための手段及び使用説明書を含み得る。これらのキットは、1種(又はそれ以上)の追加の抗マラリア薬、例えばルメファントリンを含有し得る。
【0049】
したがって、本明細書では、a)治療有効量のイミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩を含む医薬組成物;b)マラリアのリスク状態にある、又はマラリアを有する患者にイミダゾールピペラジン又はその医薬上許容される塩(KAF156)を投与するための手段;及びc)患者にイミダゾールピペラジン(例えば、KAF156)を5日間まで投与する工程を提供する説明書を含む治療用キットが開示される。
【0050】
他の実施形態では、a)ある用量、例えば約200mg~約1000mg、例えば約200mg、例えば約400mg若しくは例えば約800mgのイミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩を含む医薬組成物;b)マラリアのリスク状態にある、又はマラリアを有する患者にイミダゾールピペラジン又はその医薬上許容される塩(KAF156)を投与するための手段;及びc)患者にイミダゾールピペラジン(例えば、KAF156)を投与する工程を提供する説明書を含む治療用キットが提供される。
【0051】
一部の実施形態では、治療用キットは、5日間までの間に連日投与するための、例えば1~5用量、例えば2~5用量、例えば1~3用量、例えば1~2用量、例えば1用量の用量のイミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩、例えばKAF156を含む。そのような用量は、約200mg~約1000mg、例えば約200mg、例えば約300mg、例えば約305mg、例えば約400mg又は例えば約800mgの(遊離塩基としての)KAF156の用量であってよい。
【0052】
例えば、連日投与のために1~5用量のKAF156又はその医薬上許容される塩を含む治療用キットが提供されるが、前記用量は、約200mg~約1000mg、例えば約200mg、例えば約300mg、約350mg、例えば約400mg若しくは例えば約800mgの(遊離塩基としての)KAF156の用量であってよい。
【0053】
上記で言及した方法、治療レジメン、キット、使用及び医薬組成物の一部では、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩は、別の抗マラリア薬、例えばルメファントリンとともに投与される。
【0054】
本発明によると、治療、例えばKAF156又はKAF156と別の抗マラリア薬との組み合わせは、患者の治癒を達成するために、少なくとも6~7日間(寄生虫のおよそ3生活環)の期間にわたり適正な寄生虫駆除レベルを提供するはずである。
【0055】
したがって、i)イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩、例えばKAF156、及びii)別の抗マラリア薬、例えばルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0056】
一部の実施形態では、マラリアを予防又は治療する際に使用するための、KAF156、及びii)別の抗マラリア薬を含む医薬組み合わせが提供されるが、ここで(遊離塩基としての)KAF156は、約200mg~約1000mg、例えば約200mg~約900mg、例えば約200mg~約800mg、例えば約200mg~約600mg、例えば約200mg~約500mg、例えば約200mg~約350mg、例えば約200mg~約300mg、例えば約250mg~約500mg、例えば約250mg~約450mg、例えば約250mg~約350mg、例えば約200mg~約400mg、例えば約300mg~約400mgの用量で連日投与されなければならない。
【0057】
例えば、マラリアを予防若しくは治療するための、i)KAF156の1日量、及びii)別の抗マラリア薬を含む医薬組み合わせが提供されるが、ここで(遊離塩基としての)KAF156の用量は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg又は約800mgである。
【0058】
一部の実施形態では、第2抗マラリア薬は、プログアニル、クロルプログアニル、トリメトプリム、クロロキン、メフロキン、ルメファントリン、アトバクオン、ピリメタミン-スルファドキシン、ピリメタミン-ダプゾン、ハロファントリン、キニン、キニジン、アモジアキン、アモピロキン、スルホンアミド、アルテミシニン、アルテフレン、アルテメテル、アルテスネート、プリマキン及びピロナリジンからなる群から選択される。
【0059】
特に、第2抗マラリア薬は、ルメファントリンである。
【0060】
ルメファントリンは、固体分散体製剤としての形態にあってよい。
【0061】
本発明によると、ルメファントリンは、約400mg~1000mg、例えば約400mg~約500mg、例えば約900mg~約1000mgの用量で連日投与されなければならない。例えば、ルメファントリンは、約480mg又は約960mgの用量で連日投与されなければならない。
【0062】
本発明によると、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩、例えばKAF156は、第2抗マラリア薬、例えばルメファントリンの前に、同時に、又は後に投与され得る。
【0063】
本明細書で使用する用語「共投与」若しくは「併用投与」などは、単一患者へのi)イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩、例えばKAF156、及びii)第2抗マラリア薬、例えばルメファントリンの投与を含むことが意図されており、これらの薬剤が同一投与経路によって、又は同時に投与されることが必要とされない治療レジメンを含むことが意図されている。
【0064】
本明細書で使用する用語「医薬組み合わせ」は、2種以上の有効成分を混合する、又は組み合わせる結果として生じる生成物を意味し、有効成分の固定組み合わせ及び非固定組み合わせの両方を含む。用語「固定組み合わせ」は、有効成分、すなわちイミダゾールピペラジン及び第2抗マラリア薬、例えばKAF156及びルメファントリンが、どちらも患者に単一実体又は単一用量の形態で同時に投与されることを意味する。用語「非固定組み合わせ」は、有効成分、すなわち、イミダゾールピペラジン及び第2抗マラリア薬、例えばKAF156及びルメファントリンが、どちらも特定の制限時間なしで同時に、並行して、又は連続的にのいずれかで別個の実体として患者に投与され、そのような投与が患者の身体内で2種の化合物の治療有効レベルを提供することを意味する。
【0065】
一般に、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156又はその医薬上許容される塩は、当技術分野において公知である通常の許容される方式のいずれかによって投与されるであろう。
【0066】
イミダゾールピペラジン、例えばKAF156は、医薬組成物として、任意の従来型経路によって、特に経腸的、例えば錠剤若しくはカプセル剤の形状で経口的に、又は例えば注射溶液若しくは懸濁液の形態で非経口的に、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏剤若しくはクリーム剤の形態で局所的に、又は経鼻形若しくは坐剤形で投与され得る。イミダゾールピペラジン、例えばKAF156を含む医薬組成物は、任意選択的に第2抗マラリア薬、例えばルメファントリンと組み合わせて、少なくとも1種の医薬上許容される担体又は希釈剤と結び付けて、混合法、造粒法又はコーティング法による従来方法で製造することができる。例えば、経口組成物は、a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;b)潤滑剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム若しくはカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;錠剤のためには、さらにc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン;所望であればd)錠剤分解剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;及び/又はe)吸収剤、着色剤、フレーバー剤及び甘味料と一緒に、イミダゾールピペラジン、例えばKAF156を含む錠剤若しくはゼラチンカプセルであってよい。注射用組成物は、水性等張液又は懸濁液であってよく、坐剤は、脂肪乳濁液又は懸濁液から調製され得る。組成物は、滅菌され得る、及び/又はアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩及び/又はバッファーであってよい。さらに、組成物は、他の治療上価値のある物質をさらに含有し得る。経皮投与のために好適な製剤には、担体とともに有効量の本発明の化合物が含まれる。担体は、宿主の皮膚を通しての通過を補助するために吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含むことができる。例えば、経皮的デバイスは、裏当て部材、任意選択的に担体を含む化合物を含有するリザーバー、任意選択的に化合物を宿主の皮膚に長期間にわたって制御された規定の速度で送達するための任意選択的に速度を制御する障壁及び皮膚にデバイスを固定するための手段を含む絆創膏の形態にある。基質経皮製剤もまた使用され得る。例えば皮膚及び眼への局所適用のために好適な製剤は、好ましくは当技術分野において周知の水性溶液、軟膏剤、クリーム剤又はゲル剤である。そのような製剤は、可溶化剤、安定剤、張度増強剤、バッファー及び保存剤を含有し得る。
【0067】
本発明によると、ルメファントリンは、固体分散体として調製され得る。用語固体分散体は、溶媒法、溶融法又は溶媒溶融法によって調製される、固体状態にある不活性担体中の活性分子の分散体を意味する。
【0068】
前記組成物は、例えば、溶媒蒸発法、スプレー乾燥法、溶融抽出法、流動床造粒テクノロジー、溶媒蒸発法、ポリマーの使用、溶融冷却法などの様々なプロセスを使用して調製され得る。使用できる技術は当業者には公知であり、例えば、Gahoi et al(Int.J Pharm Sci.Rev.Res.8(2),170-175.2011)、Balaji et al(International Journal of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences,Vol 6 Issue 2,2014)、Fule et al(Int.J.drug del.4,2012,95-106)に記載されている。固体分散体は、さらに他の賦形剤と混合することができ、カプセル剤形又は錠剤形に調製することができる。使用できる賦形剤は、例えばポロキサマー188(例えば、薬物より多量、例えば薬物の薬物量の4倍超で);ポロキサマー407、PEG800、solutol、gelucire、ポリビニルピロリドン(PVP)(例えば、PVP K30)又は塩基性ブチル化メタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit EPO)であってよい。好ましくは、ルメファントリンの固体分散体は、例えばEudragit EPO、PVP K30及びそれらの混合物からなる群から選択される、Solupus、Eudragit EPO、PVP K30及びそれらの混合物からなる群から選択される賦形剤を含む。
【0069】
用語固体分散体は、少なくとも2種の異なる成分、一般には親水性基質及び疎水性薬物からなる一群の固体生成物を指す。本明細書では、親水性担体、例えばポリビニルピロリドン(ポビドン、PVP)、ポリエチレングリコール(PEG 6000)、界面活性剤様Tween-80、ポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を使用した固体分散体の調製について記載する。
【0070】
本発明によると、ルメファントリンは、例えば、Patel(DARU J.Pharm.Sci,21(27),2013)に記載されるように、マイクロエマルジョンとして調製され得る。
【0071】
本発明によると、ルメファントリンは、非晶質状態にあってよい。
【0072】
本発明によると、連日投与のための、約200mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約400mg~500mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約480mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0073】
本発明によると、連日投与のための、約300mg又は350mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約400mg~500mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約480mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0074】
本発明によると、連日投与のための、約400mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約400mg~500mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約480mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0075】
本発明によると、連日投与のための、約800mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約400mg~500mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約480mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0076】
本発明によると、連日投与のための、約200mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約900mg~1000mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約960mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0077】
本発明によると、連日投与のための、約300mg又は350mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約900mg~1000mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約960mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0078】
本発明によると、連日投与のための、約400mgの(遊離塩基としての)KAF156及び約900mg~1000mgの(遊離塩基としての)ルメファントリン、例えば約960mgの(遊離塩基としての)ルメファントリンを含む医薬組み合わせが提供される。
【0079】
本発明によると、KAF156及びルメファントリンを含む(例えば上記に記載したような)医薬組み合わせは、固定用量組み合わせである。そのような固定用量組み合わせでは、ルメファントリンは、固体分散体製剤として調製され得る。
【0080】
本明細書に記載した実施例及び実施形態は、例示することだけを目的としており、それらを参照した様々な修飾又は変更は当業者には提案されており、本出願の精神及び範囲並びに添付の特許請求項の範囲内に含まれることは理解されている。本明細書で言及した全ての刊行物、特許及び特許出願は、全ての目的のためにこれにより参照して組み込まれる。
【実施例】
【0081】
実施例1:ルメファントリン固体分散体カプセル組成物
【0082】
【0083】
実施例2:ルメファントリン固体分散体(SD)カプセル組成物
【0084】
【0085】
実施例1及び2の組成物は、界面活性剤の存在下及び非存在下において、pH1及びpH2で有意に高い分解を示した。
【0086】
実施例3:ルメファントリンマイクロエマルジョン組成物
【0087】
【0088】
下記の表から明らかなように、安定剤としての0.5%のレベルでのブチル化ヒドロキシトルエンの存在は、ルメファントリンの工程4の不純物の減少したレベルによって明らかである、マイクロエマルジョンの安定性の有意な改善を生じさせた。
【0089】
【0090】
実施例4
固体分散体カプセル製剤のバイオアベイラビリティは、従来型錠剤(Coartem(登録商標)に類似する組成/プロセス)及びマイクロエマルジョンと一緒に、雄性ビーグル犬において評価した。
【0091】
イヌにおいて試験した製剤:
製剤 150mgを投与するための投与情報
錠剤1 ルメファントリン150mg錠
固体分散体カプセル2 ルメファントリン7mg HGC(2カプセルを投与する)
マイクロエマルジョン ルメファントリン10(w/w)%マイクロエマルジョン(マイクロエマルジョン1.5gはルメファントリン150mgを含有する)
1Coartem(登録商標)に類似する組成/プロセス
2実施例2の組成物に対応する。
【0092】
この試験からの血漿プロファイル及び薬物動態パラメーター(下記の表)は、従来型錠剤と比較して、固体分散体カプセル及びマイクロエマルジョンからほぼ4倍超及び9倍超のルメファントリン曝露を示した。ルメファントリン-SDカプセルは、改良された吸収プロファイル及びより小さい食物効果を有し、1日1回レジメンを許容する曝露をもたらす。
【0093】
【0094】
実施例5
上記の実施例1及び2に記載した2種のSDカプセル変異体(どちらも非晶質形にあるルメファントリンを含有する)の薬物動態は、健常志願者における無作為化オープンラベル順次2部式試験において評価した。第1部では、2種のSDF変異体の相対的バイオアベイラビリティを3群の並行群において絶食条件下で480mgの単回投与後に従来型製剤(120mgの従来型錠剤)と比較した。
【0095】
暫定部内検討は、各群からのおよそ12例の被験者が試験を完了した(第12日)後に、ルメファントリンSDカプセル変異体が、第2部へと進むために規定された判定基準プロトコル(強化されたルメファントリンのバイオアベイラビリティが4倍超)を満たすかどうかを決定するために実施した。
【0096】
5週間のウォッシュアウト期間後の第2部では、同一被験者を1:1の比で480mgの食物効果群又は高用量群(960mgの用量)に再割り付けした。投与後、被験者は、(およそ)第71日までの最終試験終了時(EOS)訪問前の12日間(第53~64日)にわたり追跡調査された。
【0097】
絶食治療のためには、被験者は試験薬の投与前の少なくとも10時間にわたり食物又は(水を除く)液体を摂取せず、投与後少なくとも4時間にわたり絶食を継続した。摂食治療のためには、被験者には高脂肪朝食(タンパク質、炭水化物及び脂肪各々から178、241及び497カロリーを含む計916カロリー)が提供された。食事が提供され、30分間以内に消費され、試験薬は、食事の完了後5分以内に投与された。全用量は、180~240mLの水を用いて投与された。
【0098】
試験集団は、体重が少なくとも50kgの健常な男性被験者(BMIが18.0~30.0kg/m2以内)を含んでいた。計49例の男性被験者(18~44歳)は、試験の第1部に無作為割り付けされ、これらの被験者中16例が、試験の第2部に進んだ。
【0099】
薬物動態(PK)評価:
全血液試料は、直接静脈穿刺又は前腕静脈内に挿入された留置カニューラのいずれかにより採血した。PK試料は、全用量レベルで全被験者において入手して評価した。ルメファントリンのPK解析のための血液試料は、投与前並びに投与1、2、4、5、6、8、10、12、24、36、48、72、120、168、216及び264時間後に採血した。
【0100】
ルメファントリン濃度は、50ng/mLの定量下限(LLOQ)を用いる、妥当性が確認された液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS)によって決定した。手短には、生物分析法は、ヒト血漿試料のタンパク質沈殿法、その後の固相抽出法及びイオン化技術としてのエレクトロスプレーイオン化(ESI)法を使用する多重反応モニタリング(MRM)陽性モードにおけるLC-MS/MSによる希釈試料の分析から構成された。線形範囲についての定量下限及び上限は、10μLのヒト血漿を用いて各々50.0ng/mL及び20,000ng/mLであった。ヒト血漿中のルメファントリンは、室温では44時間;-70℃以下では9カ月間;-70℃以下では3回の冷凍/解凍サイクルにわたり安定性であった。抽出物は、8℃のオートサンプラー内で100時間にわたり安定性である。安定性データは、全試験試料のサンプリングから分析までの期間に及ぶことができた。8時点について、校正濃度(50、100、200、500、2,000、5,000、16,000及び20,000ng/mL)の偏りは、±20.0%の範囲内であったLLOQ(50ng/mL)を除いて、全濃度で±15.0%の範囲内に含まれた。品質管理試料(150ng/mL、2,500ng/mL及び15,000ng/mL)については、偏りは、個別値の少なくとも3分の2について±15.0%の範囲内であった。
【0101】
LLOQより下の濃度は、薬物動態分析のためには「ゼロ」であると見なした。次の薬物動態パラメーター:Cmax、Tmax、AUC0~72h、AUClast、AUCinf、T1/2、Vz/F及びCL/Fは、Phoenix WinNonlin(バージョン6.4)におけるノンコンパートメント分析による血漿濃度時間データから決定した。AUC計算のためには、線形台形法則を使用した。
【0102】
統計的方法:
サンプルサイズ:第1部:被験者36例(1群当たり12例)は、それに対して少なくとも1.5倍の変化の適正な検出を許容するであろう各群からの完全なデータを有していた。1.5~5.0倍の変化から観察された比率に対して、一次薬物動態パラメーター比率(対数変換に基づく、AUCinf、AUClast及びCmax)についての推定90%信頼区間は:変動性に関する歴史的データを使用して1.5(1.08、2.09)、2.0(1.44、2.78)、3.0(2.15、4.18)、4.0(2.87、5.57)、5.0(3.59、6.96)である。第2部では、試料サイズを計算する際に、公式の統計的計算を考慮に入れなかった。
【0103】
対数変換一次薬物動態パラメーターであるCmax、AUClast及びAUCinfは、固定効果としての治療を含む一次効果モデルを使用することによって別個に分析した。治療の推定平均値及び90%信頼区間の差は、幾何的平均比及び比率の90%信頼区間を得るために逆変換すると、それらは、SD製剤変異体1対従来型錠剤及びSDF変異体2対従来型錠剤の相対的バイオアベイラビリティを表すと報告された。
【0104】
480mgの単回用量と比較した960mgのより高い単回用量の薬物動態を評価するために、対数変換一次薬物動態パラメーター(Cmax、AUClast及びAUCinf)を、固定効果としての治療及び被験者を含む固定効果モデルを使用して比較した。治療の推定平均値及び90%信頼区間の差を幾何的平均比及び比率の90%信頼区間を得るために逆変換すると、それらは、参照物質としての480mgの用量を使用して、960mgの単回用量強度でのSD製剤の曝露を表すと報告された。
【0105】
絶食治療と摂食治療との間の食物効果についての探索評価は、固定効果としての治療及び被験者を含む固定効果モデルを使用して、対数変換一次薬物動態パラメーター(Cmax、AUClast及びAUCinf)について評価した。治療の推定平均値及び90%信頼区間の差は、幾何平均比及び比率の90%信頼区間を得るために逆変換すると、それらは、絶食条件に比較した摂食条件下での相対的バイオアベイラビリティを表すと報告された。
【0106】
結果:
従来型錠剤、SDF変異体1及びSDF変異体2として絶食条件下での480mgの用量の単回投与後のルメファントリンの濃度時間プロファイルは、
図1に示す。
図1に対応する薬物動態パラメーターの要約は、下記の表に示す:
【0107】
【0108】
製剤とは無関係に、ルメファントリンは、いくらかの初期遅延時間を含む6時間のメジアンTmaxで吸収された。
【0109】
従来型錠剤(参照物質)に比較した両方のSD製剤変異体1及び変異体2についてのCmax、AUClast及びAUCinfについての幾何平均比及び90%CIは、下記の表に示す。
【0110】
【0111】
両方のSD製剤からのルメファントリンの吸収の比率及び程度は、従来型製剤に比較して有意に強化された。SD製剤変異体1についてのCmaxは、47.9μg/mLであった。SD製剤変異体1及びSD製剤変異体2についてのCmaxは、絶食条件下で従来型製剤に比較して、それぞれ約19倍及び約13倍高かった。
【0112】
SD製剤変異体1及び変異体2由来のルメファントリンの(AUClastを通しての)バイオアベイラビリティは、従来型製剤に比較して、それぞれ約48倍まで及び約24倍まで増加した。
【0113】
さらに、どちらの変異体も、480mg用量と960mg用量との間の曝露で、プラスの食物効果及び比例未満の増加を証明した。SD製剤は、脂肪が豊富に含まれる食物を投与する必要を伴わずに、バイオアベイラビリティにおける相当に大きな増加を達成した。
【0114】
これらの結果は、SD製剤が有意な程度までルメファントリンのバイオアベイラビリティを増強することを証明している。
【0115】
実施例6
試験デザインは、下記の表に記載する。胃液分泌を刺激するために、各動物(イヌ)は、試験物質投与のおよそ60分前にペンタガストリンの6μg/kgの単回筋肉内注射を受けた。各治療間のウォッシュアウトは、およそ7~8日間であった。
【0116】
【0117】
ルメファントリンの薬物動態データは、下記の表に示す:
【0118】
上記の表並びに
図2A及び2Bに示した結果は、ルメファントリンの曝露が、KAF156と一緒に投与された場合はおよそ1.5倍増加することを示している。
【0119】
予想外にも、KAF156の曝露もまた、LUM-SD製剤と共投与した場合には、2~3倍(平均)増加させられる(
図3A及び3B、並びに下記の表を参照されたい)。
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
KAF156がルメファントリンと共投与されると、ルメファントリン及びKAF156の曝露はどちらも有意に増加した。
【0124】
実施例7:母集団薬物動態モデル
KAF156についての1母集団PKモデル及びLUM-SDF変異体1についての1母集団PKモデルは、SAEMアルゴリズムを使用して、Monolix Suite 2016R1(Lixoft,Paris,France)の一部としてMonolix 4.4.0において実行された。R-3.2.3におけるmlxR 3.1.0パッケージのsimulx関数を使用してシミュレーションを実施した。最終モデルを使用して、様々な投与レジメンについてのシミュレーションを実施した。様々な併用レジメン下で500時間までのKAF156及びLUM-SDF変異体1の個別PKプロファイルは、最終モデルを使用してシミュレーションした。第6日及び第7日の濃度、第7日にLUM-SDF変異体1について200ng/mLを超える濃度を有した患者の比率、第6日及び第7日にKAF156、Cmax、AUCinfについて58ng/mLを超える濃度を有する患者についての比率についての要約統計量を計算した。所定のLUM-SDF変異体1の用量レベルの成功の可能性は、200ng/mLを超えるルメファントリンの第7日の血漿中濃度を有した、この所定用量を摂取した患者のパーセンテージとして計算した;所定のKAF156用量レベルの成功の可能性は、KAF156の58ng/mLを超える第6日の血漿濃度を有する、この所定用量を摂取した患者のパーセンテージとして計算した。併用治療の成功の可能性は、任意の相乗作用を含まないその成分の独立作用であると仮定して計算した。
【0125】
様々な併用レジメンのPKシミュレーションのために、個人間変動性を考慮に入れた;残留変動性は考慮に入れなかった。無作為効果の推定共分散行列(「オメガ行列」)を使用した。シミュレーションのためには、パラメーターの不確実性を考慮に入れなかった、すなわち、モデルパラメーターの推定値を使用した。シミュレーションのためには、体重効果を考慮に入れた。これらのシミュレーションのためには、用量比例性を推定した。併用治療の成功の可能性は、ptot=1-(1-p1)(1-p2)(式中、p1はKAF156についての成功の可能性であり、p2は、ルメファントリンの成功の可能性である)としてのKAF156及びルメファントリンの間の任意の相乗作用を含まないその成分の独立効果を想定して計算した。
【0126】
結果:曝露及び治療成功の確率についてのシミュレーション転帰は、下記の表A及びB各々に示す。
【0127】
【0128】
【0129】
シミュレーションは、絶食条件下では、KAF156及びLUM-SDF併用の3日間投与及び2日間投与が相当に高い(少なくとも97%)成功の可能性を有することを示唆している。1日間の高単回用量レジメンであるKAF156の800mg+LUM-SDFの960mg QD(72%)並びに1日間の低単回用量レジメンであるKAF156の400mg+LUM-SDFの960mg QD(45%)は、より低い成功の可能性を有する。
【0130】
実施例8:確定された合併症を伴わない熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)マラリアを有する成人及び小児におけるオープンラベル無作為割り付け並行群試験
本試験は、2段階逐次デザインで構成されている。
【0131】
第A部:
およそ325例の男性及び女性の成人/青少年患者(≧12歳及び≧35.0kg)が本試験の第A部に登録されることになる。
【0132】
スクリーニング時に、適格患者は、7群、すなわち、2:2:2:2:2:2:1の比率にある6群のKAF156及びLUM-SDF(固体分散体製剤)の用量組み合わせ群並びに1群のコントロール群の1つに無作為割り付けされることになる:
第1群:1日間の400mgのKAF156及び960mgのLUM-SDFの1日1回(QD)
第2群:1日間の800mgのKAF156及び960mgのLUM-SDFのQD
第3群:2日間の400mgのKAF156及び960mgのLUM-SDFのQD
第4群:3日間の200mgのKAF156及び480mgのLUM-SDFのQD
第5群:3日間の400mgのKAF156及び480mgのLUM-SDFのQD
第6群:3日間の400mgのKAF156及び960mgのLUM-SDFのQD
第7群:3日間のCoartem(登録商標)、1日2回(BID)(製品ラベルにしたがって投与)。
【0133】
感染は、PCR補正適正臨床反応及び寄生虫学的反応(ACPR)を通して測定される。第15日、第29日及び第43日(すなわち、投与の14、28及び42日後)のPCR非修正ACPR及び第15日及び第43日(すなわち、投与の14及び42日後)のPCR修正ACPRが実施される。第15日、第29日及び第43日の再発及び再感染の発生率並びに寄生虫及び発熱消失時間(PCT及びFCT)が測定される。治療の12、24及び48時間後の寄生虫血症を有する患者の比率が推定される。
【0134】
第B部:
合併症を有していない熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)マラリアを有するおよそ175例までの小児(2~12歳未満及び体重10.0kg以上)が2:1の比率で3群のKAF156及びLUM-SDFの用量組み合わせ群並びにコントロール群(各KAF156及びLUM-SDFの用量組み合わせ群については患者2例並びにコントロール群については患者1例)に無作為割り付けされる。
【0135】
適格患者は、4用量群まで、すなわち3群までの試験薬物投与群及び1群のコントロール群の一つに登録される。用量は、Coartem(登録商標)の調整に類似して、小児の体重に基づいて調整される。
【0136】
- KAF156及びLUM-SDF:3日間にわたる第A部-Coartem(登録商標)BIDの転帰に依存して選択された3群まで。
【0137】
最初に、年齢が6~12歳未満の範囲内にある小児4~6例が、KAF156及びLUM-SDF PK/薬物曝露が第A部に一致すること、並びにこれらの群において用量における前提が正確であることを確証するために、第B部に含まれる。これらの小児における薬物曝露が確証された後、本試験の第B部には追加の患者が含まれることになる。
【0138】
試験デザイン、手法及び評価は、第A部及び第 部において同一である。
【0139】
選択基準
本試験に含めるために適格な患者は、下記の基準全部を満たさなければならない:
【0140】
人口統計:
第A部:12歳以上で35.0kg以上の体重を有する男性及び女性患者。
第B部:青少年及び成人患者において有効/忍容用量及びレジメンを決定した後に、2歳以上~12歳未満で10.0kg以上の体重を有する男性及び女性患者が含められる。
【0141】
健康状態:
ギムザ染色した厚膜及び薄膜による熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)の顕微鏡検査による確証。
スクリーニング時点の寄生虫1000匹超~150,000匹/μL未満の熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)寄生虫血症。
37.5℃以上の腋窩温若しくは38.3℃以上の口腔/鼓膜/直腸温度;又は以前の24時間中の類似の発熱歴(発熱歴は文書で記録されなければならない)。
出産可能性を有する女性(WOCBP)については陰性の妊娠検査結果。
【0142】
除外基準:
下記の基準のいずれかを満たす患者は、本試験への登録には適格ではない。
【0143】
病歴及び臨床状態:
1.混合型マラリア原虫(Plasmodium)感染症。
2.高寄生虫血症だけを特徴とするのでなければ、WHO2015基準による重症マラリアの徴候及び症状。
3.結核を含む活動性感染症。
4.同時熱性疾患(例えば、腸チフス)を有する患者。
5.過去30日間中に5日間以上の各日の機会に5回以上の飲酒として規定されたアルコール乱用/依存症歴又は現在のアルコール乱用/依存症。
6.公知の関連する肝臓疾患、例えば、代償性又は非代償性の慢性肝炎、肝硬変、B型肝炎又はC型肝炎の病歴、過去3カ月間中のB型又はA型肝炎のワクチン接種、公知の胆嚢又は胆管疾患、急性又は慢性膵炎。
7.ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感染症を含む、任意の確証若しくは疑似免疫抑制又は免疫不全状態。
8.重症栄養失調(12歳以上の患者については16.0未満のボディ・マス・インデックス(BMI)、及び12歳未満の小児については70%未満のメジアン正規化WHO参照体重)。
9.本試験に登録される前24時間中に3回超と規定された重度の嘔吐又は1日当たり3回超の水様便であると規定された重症下痢。
10.妊娠中又は養育中(授乳中)の女性。
11.効果的な避妊法を実行する意志のない性的に活発的な患者。
12.投与中及び試験期間中に極めて効果的な避妊法を使用しているのでなければ、生理学的に妊娠可能な全ての女性と規定された、出産が可能である女性。
13.活動性十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の慢性的(すなわち、2週間超の)使用。
14.修正を必要とする、臨床的に重要な電解質平衡の異常、例えば低カリウム血症、低カルシウム血症又は低マグネシウム血症。
15.貧血(8g/dL未満のヘモグロビンレベル)。
16.薬物の吸収、分布、代謝若しくは排泄を有意に変化させる可能性がある、又は患者が本試験へ参加した場合に患者の安全を脅かす可能性のある任意の外科的若しくは医学的状態。治験責任医師は、患者の病歴及び/又は下記のいずれかの臨床的若しくは検査室証拠:
総ビリルビンのレベルとは無関係に、AST/ALT>2×正常範囲の上限(ULN)
AST/ALT>1.5及び≦2×ULN並びに総ビリルビンが>ULN
AST/ALTのレベルとは無関係に、総ビリルビン>2×ULN
を検討する際に、この決定を下さなければならない。
17.スクリーニング時の静止時QTcF>450ms(男性)、QTcF>460ms(女性)。
18.脱水の非存在下でのクレアチニン>2×ULN。脱水の症例では、クレアチニンは、経口/非経口再水和後に<2×ULNでなければならない。
19.局所的再発若しくは転位の証拠があるかどうかとは無関係に、過去5年間以内に、治療された、又は未治療の、(皮膚局所性基底細胞癌若しくは子宮頸上皮内癌以外の)任意の器官系の悪性腫瘍の病歴。
20.例えば、鎌状赤血球病及び重症の心臓、腎臓又は肝臓障害などの公知の慢性基礎疾患。
21.公知の活動性又は管理されていない甲状腺疾患。
22.経口薬(錠剤形及び/又は液剤形)妨害物質を忍容する能力がないこと。
23.スクリーニングの2カ月間以内に事前に抗マラリア薬療法を受けた患者。
24.スクリーニングの4週間以内に抗マラリア活性を備える任意の抗生物質の使用。
25.登録の5半減期以内、又は30日間以内、又は予測薬物動態作用がベースラインに戻るまでのいずれか長い方の間の、他の試験対象薬の使用。
26.プロトコルによって禁止された医薬品を摂取している患者。
27.任意のマラリアワクチン試験への以前の参加又は任意の他の状況においてマラリアワクチンを摂取していた患者。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載の発明を列挙する。
[発明1]
マラリアを予防する、治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するための、2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩であって、前記化合物が、1~5日間、例えば1~3日間、約200mg~約350mgの用量で連日投与される化合物。
[発明2]
前記化合物は、1~3日間、例えば1日又は2日間、約200mgの用量で連日投与される、発明1に記載の化合物。
[発明3]
前記化合物は、1~3日間、例えば1日又は2日間、約400mgの用量で連日投与される、発明1に記載の化合物。
[発明4]
前記化合物は、2~5日間、例えば2日又は3日間、約800mgの用量で連日投与される、発明1に記載の化合物。
[発明5]
マラリアを予防する、治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する際に使用するための、2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩であって、前記化合物が、第2抗マラリア薬とともに投与される化合物。
[発明6]
前記化合物は、1~5日間、例えば1~3日間、約200mg~約1000mgの用量で連日投与される、発明5に記載の化合物。
[発明7]
前記第2抗マラリア薬は、ルメファントリンである、発明5又は発明6に記載の化合物。
[発明8]
ルメファントリンは、固体分散体又はマイクロエマルジョンとして、例えば、固体分散体として調製される、発明7に記載の化合物。
[発明9]
前記ルメファントリンは、約400mg~1000mgの用量で連日投与される、発明6~8のいずれか一つに記載の化合物。
[発明10]
前記ルメファントリンは、約400mg~約500mg、例えば約480mgの用量で連日投与される、発明6~8のいずれか一つに記載の化合物。
[発明11]
前記ルメファントリンは、約900mg~約1000mg、例えば約960mgの用量で連日投与される、発明6~8のいずれか一つに記載の化合物。
[発明12]
それを必要とする被験者において、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する方法であって、前記被験者に、1~5日間、1日1回送達される約200mg~350mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を投与する工程を含む方法。
[発明13]
前記化合物は、約200mgの用量で投与される、発明11に記載の方法。
[発明14]
前記化合物は、約400mgの用量で連日投与される、発明11に記載の方法。
[発明15]
前記化合物は、約800mgの用量で1日1回投与される、発明11に記載の方法。
[発明16]
前記化合物は、1~3日間、例えば1日又は2日間、連日投与される、発明11~14のいずれか一つに記載の方法。
[発明17]
それを必要とする被験者において、マラリアを予防若しくは治療する、又はマラリアに関連する症状を遅延させる、若しくは状態を改善する方法であって、前記被験者に、第2抗マラリア薬と併用して、約200mg~1000mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を投与する工程を含む方法。
[発明18]
前記第2抗マラリア薬は、ルメファントリンである、発明17に記載の方法。
[発明19]
前記ルメファントリンは、約400mg~1000mgの用量で連日投与される、発明18に記載の方法。
[発明20]
前記ルメファントリンは、約400mg~約500mg、例えば約480mgの用量で連日投与される、発明18又は19に記載の方法。
[発明21]
前記ルメファントリンは、約900mg~約1000mg、例えば約960mgの用量で連日投与される、発明18又は19に記載の方法。
[発明22]
ルメファントリンは、固体分散体又はマイクロエマルジョン、例えば、固体分散体の形態にある、発明18~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明23]
ルメファントリン及び約200mg~約1000mgの用量の2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む医薬組み合わせ。
[発明24]
約200mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、発明23に記載の医薬組み合わせ。
[発明25]
約400mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、発明23に記載の医薬組み合わせ。
[発明26]
約800mgの2-アミノ-l-(2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-フルオロフェニルアミノ)-8,8-ジメチル-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタノン又はその医薬上許容される塩を含む、発明23に記載の医薬組み合わせ。
[発明27]
約400mg~1000mgのルメファントリンを含む、発明23~26のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明28]
約400mg~約500mgのルメファントリン、例えば約480mgのルメファントリンを含む、発明23~26のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明29]
約900mg~約1000mgのルメファントリン、例えば約960mgのルメファントリンを含む、発明23~26のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明30]
前記ルメファントリンは、マイクロエマルジョン又は固体分散体、例えば、固体分散体の形態にある、発明23~29のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明31]
連日投与されるべき、発明23~30のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明32]
固定用量組み合わせである、発明23~31のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。
[発明33]
マラリアを予防又は治療する際に使用するための、発明22~32のいずれか一つに記載の医薬組み合わせ。