(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
H02M7/12 U
H02M7/12 X
(21)【出願番号】P 2020037432
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】市村 智
(72)【発明者】
【氏名】後藤 研吾
(72)【発明者】
【氏名】吉原 徹
(72)【発明者】
【氏名】小林 千絵
(72)【発明者】
【氏名】郭 翔
(72)【発明者】
【氏名】竹中 裕亮
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-124866(JP,A)
【文献】特開平07-046846(JP,A)
【文献】特開2011-130578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0319546(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
H02M 3/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧が各々入力される2組の全波整流回路と、
前記2組の全波整流回路の内、一方の全波整流回路の出力端に接続される第1のスイッチング素子および第1のダイオードと、
他方の全波整流回路の出力端に接続される第2のスイッチング素子および第2のダイオードと、
リアクトルと、を備え、
前記一方の全波整流回路のカソード側の出力端に前記第1のダイオードのカソード側が接続され、当該全波整流回路のアノード側に前記第1のスイッチング素子のアノード側が各々接続され、
前記第1のダイオードのアノード側と前記第1のスイッチング素子のカソード側が第1の接続点で接続され、
前記他方の全波整流回路のアノード側の出力端に前記第2のダイオードのアノード側が接続され、当該全波整流回路のカソード側の出力端に前記第2のスイッチング素子の
カソード側が各々接続され、
前記第2のダイオードのカソード側と前記第2のスイッチング素子の
アノード側が第2の接続点で接続され、
前記リアクトルの一端が前記第1の接続点に接続され、他端が前記第2の接続点に接続され、
前記一方の全波整流回路のカソード側の出力端を直流電圧の正側の出力端とし、
前記他方の全波整流回路のアノード側の出力端を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧が各々入力される2組の整流回路を備え、
前記2組の整流回路の内、一方の整流回路は、1組の交流電圧が入力される2つの接続点の一方の接続点に、第1のダイオードのアノード側と、第1の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側とが接続され、
他方の接続点に、第2のダイオードのアノード側と、第2の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側とが接続され、
前記第1のダイオードのカソード側と、前記第2のダイオードのカソード側と、第3のダイオードのカソード側とが第1の接続点で接続され、
前記第1の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、前記第2の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、前記第3のダイオードのアノード側とが第2の接続点で接続され、
他方の整流回路は、他の1組の交流電圧が入力される2つの接続点の一方の接続点に、第3の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、第4のダイオードのカソード側とが接続され、
他方の接続点に、第4の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、第5のダイオードのカソード側とが接続され、
前記第3の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側と、前記第4の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側と、第6のダイオードのカソード側とが第3の接続点で接続され、
前記第4のダイオードのアノード側と、前記第5のダイオードのアノード側と、前記第6のダイオードのアノード側とが第4の接続点で接続され、
1つのリアクトルの一端が前記第2の接続点に接続され、他端が前記第3の接続点に、各々接続され、
前記第1の接続点を直流電圧の正側の出力端とし、
前記第4の接続点を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電力変換装置であって、
三相交流電圧が入力され、前記2組の単相交流電圧を出力する変換用変圧器を少なくとも1つ備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
前記2組の単相交流電圧を2式出力することを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
前記2組の単相交流電圧を3式出力することを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
前記スイッチング素子または前記逆阻止型のスイッチング素子のいずれかの内、1つのスイッチング素子SW1の通流率dSW1と、他の1つのスイッチング素子SW2の通流率dSW2を、前記全波整流回路または前記整流回路に入力される商用周波数の位相角θに対し、
dSW1=D・|sin(2πθ/360deg.)|
dSW2=D・|sin{2π(θ- 90deg.)/360deg.}|
(但し、0≦D≦1)を満たすようにスイッチング制御することを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
前記2組の全波整流回路または前記2組の整流回路と前記変換用変圧器の間に、前記2組の全波整流回路または前記2組の整流回路のスイッチング動作に伴い生じる交流電流に含まれる高周波成分をバイパスするフィルタ回路を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
前記変換用変圧器は、スコット結線で構成される1次巻線と、単純結線で構成される2次巻線を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
前記変換用変圧器は、デルタ結線で構成される1次巻線と、ルーフ・デルタ結線で構成される2次巻線を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
請求項5に記載の電力変換装置であって、
前記変換用変圧器は、デルタ結線およびスター結線で構成される1次巻線と、単純結線で構成される2次巻線を有し、
前記2次巻線の出力交流電圧のうち、相互に位相が90度異なるものを選択して組合せ、前記全波整流回路または前記整流回路に各々入力することを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置の構成に係り、特に、高信頼性と小型化が要求されるEV(電気自動車)や電車向け電力変換装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(以下、EVとも呼ぶ)の大幅な増加や開発途上国の都市化に伴う電車の普及が予想され、電力供給における交直変換装置の需要増加が見込まれている。これらのEVや電車向け電力変換装置では、高い信頼性が要求されると共に、装置の小型化が求められている。
【0003】
三相交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「三相正弦波の交流電圧を変換用変圧器を介して、相互に電気的に絶縁されるとともに120度の位相差を持つ、3組の単相正弦波の交流電圧に変換し、各々の単相交流電圧を入力とする3組の変換回路を備え、各々の変換回路は入力された交流電圧を全波整流して出力する整流回路と、該整流回路から出力された全波整流電圧を入力とする降圧チョッパ回路とを備え、3組の降圧チョッパ回路の出力端を直列接続した電力変換装置」が開示されている。
【0004】
この電力変換装置では、3組の降圧チョッパ回路の構成素子の1つであるスイッチング素子が、各々の降圧チョッパ回路に入力された全波整流電圧に対し、所定の比率で比例した通流率(デューティ)で動作することにより、整流回路に入力された交流周波数の2倍の周波数の交流成分と直流成分とが合成された電圧波形が、各々の降圧チョッパ回路から出力される。この各々の降圧チョッパ回路から出力される電圧波形に含まれる交流成分は、相互に120度の位相差を有した同一振幅の正弦波であり、上記のように、3組の降圧チョッパ回路が直列接続されていることにより相互に打ち消され、直流成分のみが足し合わされて電力変換装置の直流出力電圧として出力される。
【0005】
また、特許文献2には「相互に電気的に絶縁された多相の交流電圧を出力する発電機と、前記多相の交流電圧が各々入力され、入力された交流周波数の2倍の周波数の交流成分と直流成分からなる直流電圧を出力する変換回路を相数分備え、該変換回路の出力端を直列接続することで直流電圧を発生させる多相交流発電装置」が開示されており、入力される交流電圧の相数としては、三相以外にも、二相あるいは四相以上としても良い旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-96953号公報
【文献】特開2011-188594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1や特許文献2では、三相交流電圧を直流電圧に変換する場合、3組の全波整流回路と降圧チョッパ回路とで構成された変換回路の各々に対して、相互に電気的に絶縁されるとともに120度の位相差を持つ、3組の単相交流電圧が各々入力される。そして、3組の変換回路の後段部分にある降圧チョッパ回路の出力端が直列接続された結果として、電力変換装置全体では概略一定値の直流電圧が出力される。
【0008】
上記の概略一定値の直流電圧を出力するため、各々の降圧チョッパ回路を構成するスイッチング素子を該回路に入力された全波整流電圧に対し、所定の比率で比例した通流率で動作させるが、このスイッチング動作により、各変換回路の出力端電圧に、スイッチング周波数とその高調波成分を有する高周波の電圧変動が生じ、直列結合された他の変換回路に重畳される。そのため特段の考慮がなされなければ、何れかの変換回路の全体電位が、高周波の電圧変動に伴って変動し、これが入力側の単相交流電源に対してコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じる課題がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の何れにおいても、この課題に関して記述されておらず、従って、高周波の電圧ノイズを抑制するための手段についても何ら考慮されていない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、三相交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置において、スイッチング素子のスイッチング動作に起因する電圧ノイズを抑制し、高周波化による小型化が可能な電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧が各々入力される2組の全波整流回路と、前記2組の全波整流回路の内、一方の全波整流回路の出力端に接続される第1のスイッチング素子および第1のダイオードと、他方の全波整流回路の出力端に接続される第2のスイッチング素子および第2のダイオードと、リアクトルと、を備え、前記一方の全波整流回路のカソード側の出力端に前記第1のダイオードのカソード側が接続され、当該全波整流回路のアノード側に前記第1のスイッチング素子のアノード側が各々接続され、前記第1のダイオードのアノード側と前記第1のスイッチング素子のカソード側が第1の接続点で接続され、前記他方の全波整流回路のアノード側の出力端に前記第2のダイオードのアノード側が接続され、当該全波整流回路のカソード側の出力端に前記第2のスイッチング素子のカソード側が各々接続され、前記第2のダイオードのカソード側と前記第2のスイッチング素子のアノード側が第2の接続点で接続され、前記リアクトルの一端が前記第1の接続点に接続され、他端が前記第2の接続点に接続され、前記一方の全波整流回路のカソード側の出力端を直流電圧の正側の出力端とし、前記他方の全波整流回路のアノード側の出力端を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧が各々入力される2組の整流回路を備え、前記2組の整流回路の内、一方の整流回路は、1組の交流電圧が入力される2つの接続点の一方の接続点に、第1のダイオードのアノード側と、第1の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側とが接続され、他方の接続点に、第2のダイオードのアノード側と、第2の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側とが接続され、前記第1のダイオードのカソード側と、前記第2のダイオードのカソード側と、第3のダイオードのカソード側とが第1の接続点で接続され、前記第1の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、前記第2の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、前記第3のダイオードのアノード側とが第2の接続点で接続され、他方の整流回路は、他の1組の交流電圧が入力される2つの接続点の一方の接続点に、第3の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、第4のダイオードのカソード側とが接続され、他方の接続点に、第4の逆阻止型のスイッチング素子のアノード側と、第5のダイオードのカソード側とが接続され、前記第3の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側と、前記第4の逆阻止型のスイッチング素子のカソード側と、第6のダイオードのカソード側とが第3の接続点で接続され、前記第4のダイオードのアノード側と、前記第5のダイオードのアノード側と、前記第6のダイオードのアノード側とが第4の接続点で接続され、1つのリアクトルの一端が前記第2の接続点に接続され、他端が前記第3の接続点に、各々接続され、前記第1の接続点を直流電圧の正側の出力端とし、前記第4の接続点を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、三相交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置において、スイッチング素子のスイッチング動作に起因する電圧ノイズを抑制することができる。
【0014】
これにより、電力変換装置の信頼性向上と高周波化による小型化が図れる。
【0015】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例1に係る電力変換装置の主回路構成を示す図である。
【
図2】実施例1に係る電力変換装置の位相角-電圧特性を示す図である。
【
図3】実施例1に係る電力変換装置のフィルタ回路の構成例を示す図である。
【
図4】実施例1の変形例を示す図である。(変形例1)
【
図5】実施例1の変形例を示す図である。(変形例2)
【
図6】実施例2に係る電力変換装置の主回路構成(a)及び位相角-電圧特性(b)を示す図である。
【
図7】実施例3に係る電力変換装置の主回路構成を示す図である。
【
図8】実施例3に係る電力変換装置の位相角-電圧特性を示す図である。
【
図9】実施例3の変形例を示す図である。(変形例3)
【
図10】本発明の動作(作用)を説明するための回路構成(a)及び各動作フェーズにおける状態(b)を示す図である。
【
図11】本発明の動作(作用)を説明するための時間-電位特性及び時間-スイッチ動作特性を示す図である。
【
図12】本発明の比較例1の回路構成を示す図である。
【
図13】比較例1における整流回路の時間-電位特性を示す図である。
【
図14】本発明の比較例2の回路構成を示す図である。
【
図15】比較例2における整流回路の時間-電位特性を示す図である。
【
図16】比較例3(従来技術)の電力変換装置の回路構成を示す図である。
【
図17】比較例3における整流回路の時間-電位特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0018】
また、以下の各実施例では説明を平易にするため、スイッチング素子及びダイオード、全波整流回路を、順方向に流れる電流の向きに対し、上流側をアノード側、下流側をカソード側と呼ぶものとする。
【0019】
また、本発明の本質を明らかにするため、回路における各スイッチング素子及びダイオードの電圧低下や配線の抵抗、インダクタンス、寄生容量、変圧器の励磁インダクタンス等は無視できる理想的な状態であるものとして説明する。
【実施例1】
【0020】
図1から
図5、及び、
図10から
図17を参照して、本発明の実施例1の電力変換装置について説明する。
図1は本実施例の電力変換装置の主回路構成を示す図であり、
図2はその位相角-電圧特性を示す図である。
図3は本実施例の電力変換装置の入出力部に取り付けられるフィルタ回路の構成例である。
図4及び
図5は、それぞれ本実施例(
図1)の変形例を示す図である。
【0021】
また、
図10は本発明の動作(作用)を説明するための回路構成(a)及び各動作フェーズにおける状態(b)を示す図である。
図11はその時間-電圧(電位)特性及び時間-スイッチ動作特性を示す図である。
図12は本発明の比較例1の回路構成を示す図であり、
図13はその整流回路の時間-電位特性を示す図である。
図14は本発明の比較例2の回路構成を示す図であり、
図15はその整流回路の時間-電位特性を示す図である。
図16は比較例3(従来技術)の電力変換装置の回路構成を示す図であり、
図17はその整流回路の時間-電位特性を示す図である。
【0022】
本実施例の電力変換装置100は、
図1に示すように、外部から三相交流電圧が入力される1次巻線40(スコット結線)と、1次側の三相交流電圧と同じ交流周波数を持ち、相互に電気的に絶縁されるとともに90度の位相差を持つ、2組の単相交流電圧を出力する2次巻線50とからなる変換用変圧器10を備えている。
【0023】
2次巻線50は、2つの2次巻線51,52で構成されており、この2次巻線50のうち、一方の2次巻線51が出力する交流電圧Vaに対して、他方の2次巻線52が出力する交流電圧Vbは、電圧振幅が同一であり、位相が90度遅れたものとなっている。
【0024】
変換用変圧器10の2次巻線51から出力された交流電圧Vaはフィルタ回路F1に入力される。このフィルタ回路F1の具体的な構成は、
図3の(a)から(d)に例示した何れかのもの、或いは、他の構成としても良く、後述するように、スイッチング動作に伴い生じる交流電流に含まれる高周波成分をバイパスする機能を持たせている。一般に当該機能を有するフィルタ回路は電圧位相を遅らせることから、フィルタ回路F1から出力される交流電圧V11の位相は、入力電圧Vaに対して位相が遅れたものとなる。
【0025】
なお、
図3の(a)に示すフィルタ回路は、2つのインダクタ(コイル)LF1,LF2を直列に接続し、その接続点にコンデンサCF1が接続されるように構成されている。(b)に示すフィルタ回路は、1つのインダクタ(コイル)LF1の両端に2つのコンデンサCF1,CF2がそれぞれ接続されるように構成されている。(c)に示すフィルタ回路は、2つのインダクタ(コイル)LF1,LF2を直列に接続し、その接続点に、コンデンサCF3とインダクタ(コイル)LF3,コンデンサCF4とインダクタ(コイル)LF4,コンデンサCF5とインダクタ(コイル)LF5の3組の直列LC回路が互いに並列に接続されるように構成されている。(d)に示すフィルタ回路は、コンデンサCF6のみで構成される基本的なフィルタ回路である。
【0026】
同様に、変換用変圧器10の2次巻線52から出力された交流電圧Vbはフィルタ回路F2に入力される。F2の回路構成、素子定数をフィルタ回路F1と同一とすることで、入力電圧Vbに対して、フィルタ回路F2から出力される交流電圧V21の位相遅れ量を、フィルタ回路F1の入力電圧Vaに対する出力電圧V11の位相遅れ量を同一とする。これにより交流電圧V11に対するV21の位相遅れ量は90°度に維持される。
【0027】
交流電圧V11,V21は、電力変換回路20に入力される。電力変換回路20は、2組の全波整流回路、即ち、ダイオードDI11,DI12,DI13,DI14で構成される全波整流回路と、ダイオードDI21,DI22,DI23,DI24で構成される全波整流回路と、を備えている。
【0028】
前者の全波整流回路のカソード側の出力端にはダイオードDI15のカソード側が接続点p11で接続されている。また、当該全波整流回路のアノード側の出力端にはスイッチング素子SW1のアノード側が接続されている。ダイオードDI15のアノード側とスイッチング素子SW1のカソード側は接続点p12で接続されている。
【0029】
後者の全波整流回路のアノード側出力端にはダイオードDI25のアノード側が接続点p22で接続されている。また、当該全波整流回路のカソード側の出力端にはスイッチング素子SW2のカソード側が接続されている。ダイオードDI25のカソード側とスイッチング素子SW2のアノード側は接続点p21で接続されている。そして、接続点p12と接続点p21はリアクトルL12を介して接続されている。
【0030】
また、前者の全波整流回路のカソード側出力端(接続点p11に相当)を電力変換回路20が出力する直流電圧の正側の出力端、後者の全波整流回路のアノード側出力端(接続点p22に相当)を負側の出力端としている。
【0031】
なお、後述の動作説明の便宜上、電力変換回路20の回路構成のうち、ダイオードDI11,DI12,DI13,DI14で構成される全波整流回路、ダイオードDI15、スイッチング素子SW1及び、リアクトルL12の半分で、接続点p12に接続されている側までを第1回路201、ダイオードDI21,DI22,DI23,DI24で構成される全波整流回路、ダイオードDI25、スイッチング素子SW2及び、リアクトルL12の半分で、接続点p21に接続されている側までを第2回路202とする。そして、第1回路201の出力電圧をV14、第2回路202の出力電圧をV24とする。これにより電力変換回路20が出力する電圧V90は、V14とV24の和となる。
【0032】
電力変換回路20が出力する電圧V90は、フィルタ回路F10に入力される。フィルタ回路F10の出力端には負荷30が接続されている。フィルタ回路F10の主な機能は、電力変換回路20内部のスイッチング動作に起因した出力直流電圧の変動を小さくすることであり、最も単純な構成としては、例えば
図3の(d)に示した様に1つのコンデンサCF6で構成される。
【0033】
次に、本実施例の電力変換装置の動作(作用)を説明する。一連の説明においては、外部から変換用変圧器10の1次巻線40に入力される三相交流電圧波形として正弦波を考える。
図1に示す系統入力端子R,S,Tに系統電圧(例えば、50Hzあるいは60Hzの系統電圧)が印加される。変換用変圧器10の1次巻線40をスコット結線としていることから、1次巻線と2次巻線の巻数比を所定の比率とすることで、2次巻線から相互に電気的に絶縁されるとともに、同一振幅で90度の位相差を持つ、2組の単相交流電圧Va,Vbが変換用変圧器10から出力される。
【0034】
変換用変圧器10の一方の2次巻線51から出力された交流電圧Vaはフィルタ回路F1に、他方の2次巻線52から出力された交流電圧Vbはフィルタ回路F2に、各々入力される。これらのフィルタ回路F1,F2は、後段に接続されている電力変換回路20のスイッチング動作に起因して生じる高周波電流成分をバイパスし、前段の変換用変圧器10の2次巻線50の負荷電流に加わるのを抑制する。
【0035】
一般に当該機能を有するフィルタ回路は電圧位相を遅らせることから、フィルタ回路F1から出力される交流電圧V11の位相は、入力電圧Vaに対して位相が遅れたものとなる。同様に、フィルタ回路F2から出力される交流電圧V21の位相は、入力電圧Vbに対して位相が遅れたものとなるが、フィルタ回路F1とF2の回路構成、素子定数を同一とすることで、両者の位相遅れ量を同一とする。これにより交流電圧V11に対するV21の位相遅れ量は90度に維持される。
【0036】
図2(a)は、交流電圧V11の位相を基準とし、横軸はV11の位相角θ、縦軸を電圧としてV11、V21の交流電圧波形を示している。なお、両者の電圧振幅値をV0(正の定数)として示してある。V11、V21を数式で示すと各々以下となる。
【0037】
【0038】
【0039】
そして、上記の2組の交流電圧V11,V21が電力変換回路20の2組の整流回路に各々入力されることにより、出力電圧として、全波整流波形のV12、V22が各々の整流回路から出力される。
図2(b)にV12の波形を、
図2(c)にV22の波形を各々示している。これらV12,V22を数式で示すと各々以下となる。
【0040】
【0041】
【0042】
ここで、
図2(b)及び
図2(c)に示すように、スイッチング素子SW1,SW2を所定のスイッチング周波数でON/OFF動作させ、各々のスイッチング素子を通過する電流の通流率(デューティ)、即ち、SW1の通流率dSW1、SW2の通流率dSW2を次式に示す通り各々制御する。
【0043】
【0044】
【0045】
説明の便宜上、前述の通り電力変換回路20を第1回路201と第2回路202に分けて動作を説明する。この様に分割して見た場合、第1回路201は整流回路の後段に負極性の降圧チョッパ回路が、第2回路202は整流回路の後段に正極性の降圧チョッパ回路が接続された回路に相当する。降圧チョッパ回路においては、入力電圧にスイッチング素子の通流率を乗じた電圧が出力されることから、各々の回路の出力電圧V14,V24は次式で表される。
【0046】
【0047】
【0048】
上記の式(7)で表されるV14を
図2(b)及び
図2(d)に、式(8)で表されるV24を
図2(c)及び
図2(d)に、各々示している。前述の通り、電力変換回路20が出力する電圧V90はV14とV24の和となることから、次式で表される。
【0049】
【0050】
上記の式(9)で表されるV90を
図2(d)に示している。上記の式(9)及び
図2(d)に示された通り、第1回路201の出力電圧V14に含まれる交流成分と第2回路202の出力電圧V24に含まれる交流成分とが打ち消しあうことにより、これらの和である電力変換回路20の出力電圧V90、即ち電力変換装置100の出力電圧は一定値の直流電圧となる。
【0051】
本実施例におけるスイッチング動作の他の例として、通流率が位相角θに対して各々次式となる様にスイッチング素子SW1,SW2を所定のスイッチング周波数でON/OFF制御する。
【0052】
【0053】
【0054】
上記の式(10),(11)におけるDは正の定数で、0≦D≦1の値で設定可能である。このとき、第1回路201の出力電圧V14、第2回路202の出力電圧V24はそれぞれ次式で表される。
【0055】
【0056】
【0057】
そして、V14とV24の和として、電力変換回路20が出力する電圧V90は次式で表される。
【0058】
【0059】
一例として、Dを1未満に設定した場合の動作例を
図2(e)から
図2(g)に示す。
図2(e)には第1回路201に係るSW1の通流率dSW1、電圧V12、V14を、
図2(f)には第2回路202に係るSW2の通流率dSW2、電圧V22、V24を、
図2(g)には電圧V14,V24及びV90を各々示してある。
【0060】
図2(g)に示した様に、電圧変換回路20の出力電圧V90を、
図2(d)に示した値のD倍の一定値とすることができ、スイッチング素子の通流率によって出力電圧を制御することができる。
【0061】
以上説明してきた本実施例の電力変換装置100の動作のうち、電圧変換回路20からの直流電圧の出力と、その大きさの制御方法については、特許文献1や特許文献2に記載の電圧変換装置と同様のものである。
【0062】
これ以降においては、主に
図10から
図17を参照して、本発明の電力変換装置に特有の効果について説明する。
【0063】
図10(a)は、
図1に示した本実施例の電力変換回路20の詳細動作を説明するための模擬回路である。本図においては、第1回路1001が、
図1の第1回路201に、第2回路1002が、
図1の第2回路202に対応し、第1回路1001には交流電源PSac1から、第2回路1002には交流電源PSac2から、各々同一周波数の交流電圧V11,V21が入力される。
図1におけるリアクトルL12は、等分割されて、同じインダクタンスの値Lを持つL1,L2とし、L1は第1回路1001に属し、一端が接続点p12に接続されている。L2は第2回路1002に属し、一端が接続点p21に接続されている。そして、L1とL2の他端が接続点c12で接続されている。
【0064】
第1回路1001のカソード側端子p1pは直流電圧の正極性の出力端子dcpに接続され、第2回路1002のアノード側端子p2nは直流電圧の負極性の出力端子dcnに各々接続されている。正極性の出力端子dcpと負極性の出力端子dcnの間には負荷として純抵抗R0が接続されている。また、負極性の出力端子dcnは接地端子gで接地されており、以降の説明における各端子、接続点の電位は、この接地電位を基準電位の0Vとして表示する。これにより、本説明回路の出力直流電圧の値は、出力端子dcpの電位Vdcpと同じ値となる。
【0065】
図10(b)には、一連のスイッチング動作において生じる4種の動作フェーズ、A,B,C及びDの各フェーズにおいて、
図10(a)に示した各電圧、電位がとる値を表形式で示してある。
【0066】
一般的に1つの降圧チョッパ回路においては、スイッチング素子がON状態のときにはダイオードがOFF状態、スイッチング素子がOFF状態のときにはダイオードがON状態、の計2通りの動作フェーズをとる。本説明回路は2つの降圧チョッパ回路を備え、各々が独立して2通りのスイッチ状態を取りうることから、計4種の動作フェーズを取り得ることになる。
【0067】
図10(b)に示した各電圧、電位の値のうち、接続点c12の電位Vc12に着目すると、全波整流後の電圧V12,V22が0Vとなる場合を除き、フェーズBではVdcp/2より大きな、フェーズCではVdcp/2より小さな、フェーズDではVdcp/2と等しい値をとることが分かる。
【0068】
上記4種の動作フェーズは、概略スイッチング周波数程度の時間頻度で各フェーズ間を遷移することから、接続点c12の電位Vc12は出力直流電圧Vdcpの1/2の値を挟んで概略スイッチング周波数程度の時間頻度で振動することになる。
【0069】
上記の動作様相を具体的に示す目的で、
図10(a)に示した動作説明回路において回路シミュレーションを実施した結果の一例を、
図11(a)から
図11(k)に示す。なお、図中に値を示していないシミュレーション条件を纏めると以下となる。
【0070】
[シミュレーション条件]
・入力交流電圧周波数:50Hz
・入力交流電圧ピーク値V0=1666.7V
・入力交流電圧V11とV21の位相差:90deg.
・電圧低減定数D=0.9[(10)式,(11)式で示したDの値]
・スイッチング周波数:30kHz
図11(a)には
図10(a)の第1回路1001における全波整流後の電圧V12を、
図11(b)にはSW1の動作状態を、
図11(c)には電圧V13とスイッチング周期で平均した平均値を示している。
【0071】
同様に、
図11(d)には
図10(a)の第2回路1002における全波整流後の電圧V22を、
図11(e)にはSW2の動作状態を、
図11(f)には電圧V23とスイッチング周期で平均した平均値を示している。
【0072】
また、
図11(g)にはリアクトルL1の両端電圧VL1とリアクトルL2の両端電圧VL2を示している。なお、両者は同じインダクタンス値Lを有していることから、VL1=VL2となっている。
図11(h)には直流電圧の正極性の出力端子dcpの電位Vdcpと、負極性の出力端子dcnの電位Vdcnを示している。そして
図11(i)には第1回路1001と第2回路1002の接続点c12の電位Vc12とスイッチング周期で平均した平均値を示している。
【0073】
図11(i)には、
図10(b)を用いて前述した様に、接続点c12の電位Vc12が出力直流電圧Vdcpの1/2の値を挟んで概略スイッチング周波数程度の時間頻度で振動する結果が示されている。
【0074】
一方で、
図11(j)、
図11(k)に各々示された通り、第1回路1001の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp1p、Vp1n、第2回路1002の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp2p、Vp2nにおいては、スイッチング周波数程度の時間頻度での電位の振動は見られない。
【0075】
この理由は、第1回路1001の整流回路については、正極性側の出力端子p1pが直流電圧の正極性の出力端子dcpの電位Vdcpと一致することにより固定され、第2回路1002の整流回路については、負極性側の出力端子p2nが直流電圧の負極性の出力端子dcnの電位Vdcnと一致することにより固定されていることによる。
【0076】
これにより、各々の整流回路に交流電圧を供給している交流電源PSac1,PSac2に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じるのを抑制することができる。
【0077】
図1に示した本実施例の電力変換回路20におけるリアクトルL12は、
図10(a)に示した動作説明回路におけるリアクトルL1とリアクトルL2を一体化したものと見做すことができ、同様に整流回路の入力交流電圧に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じるのを抑制することができる。
【0078】
上記の効果が、本発明の構成によるものであることを明確にする目的で、
図10(a)に示した動作説明回路の第1回路1001または第2回路1002におけるスイッチ及びリアクトルの位置を変更したときの動作について以下説明する。
【0079】
先ず、
図12に示した様に、
図10(a)に示した動作説明回路の第1回路1001におけるSW1とリアクトルL1の位置を、整流回路のカソード側に移動した第1回路1101に変更した回路例1(比較例1)の動作を説明する。リアクトルのインダクタンスの値、その他の素子定数、スイッチ動作の条件については、
図10(a)に示した本実施例の動作説明回路におけるものと同一とする。
【0080】
上記の回路例1(比較例1)の主要動作に関しては、リアクトルのインダクタンスの値、その他の素子定数、スイッチ動作の条件を
図10(a)に示した回路から変更していないことから、
図10(b)から
図11(i)に示した各種電圧、出力直流電圧及び第1回路と第2回路の接続点電位の時間波形は、本回路例1(比較例1)においても同一となる。
【0081】
一方で、
図13(a)、
図13(b)に示した、第1回路1101の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp1p、Vp1n、第2回路1002の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp2p、Vp2nについては、回路を変更した第1回路1101の正負2つの出力端の電位Vp1p、Vp1nにスイッチ動作に起因する高周波電圧振動が表れている。これは、
図11(i)に示した通り、第1回路と第2回路の接続点c12の電位Vc12が概略スイッチング周波数程度の時間頻度で振動することにより、当該接続点c12に負極性側の出力端子p1nが直結された第1回路1101の整流回路全体の電位が振動することによる。
【0082】
このため、第1回路1101の整流回路に交流電圧を供給している交流電源PSac1に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じることになり、本発明の様な効果を得ることができない。
【0083】
次に、
図14に示した様に、
図12に示した回路例1(比較例1)の第2回路1002におけるSW2とリアクトルL2の位置を、整流回路のアノード側に移動した第2回路
図1202に変更した回路例2(比較例2)の動作を説明する。リアクトルのインダクタンスの値、その他の素子定数、スイッチ動作の条件については、
図10(a)に示した本実施例の動作説明回路におけるものと同一とする。
【0084】
上記の回路例2(比較例2)の主要動作に関しても、リアクトルのインダクタンスの値、その他の素子定数、スイッチ動作の条件を
図10(a)に示した回路から変更していないことから、
図10(b)から
図11(i)に示した各種電圧、出力直流電圧及び第1回路と第2回路の接続点電位の時間波形は、本回路例2(比較例2)においても同一となる。
【0085】
一方で、
図15(a)、
図15(b)に示した、第1回路1101の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp1p、Vp1n、第2回路1202の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp2p、Vp2nについては、その全てにスイッチ動作に起因する高周波電圧振動が表れている。これは、
図11(i)に示した通り、第1回路と第2回路の接続点c12の電位Vc12が概略スイッチング周波数程度の時間頻度で振動することにより、当該接続点c12に負極性側の出力端子p1nが直結された第1回路1101の整流回路と、当該接続点c12に正極性側の出力端子p2pが直結された第2回路1202の整流回路の双方の全体電位が振動することによる。
【0086】
このため、本回路例2(比較例2)においては、第1回路1101、第2回路1202の各々の整流回路に交流電圧を供給している交流電源PSac1、交流電源PSac2に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じることになり、やはり本発明の効果を得ることができない。
【0087】
最後に、
図16に示した様に、同一構造の整流回路と、その後段に降圧チョッパ回路を備えた第1回路1301、第2回路1302、第3回路1303を備え、その出力端を直列に結合した従来技術による回路例3(比較例3)の動作について説明する。
【0088】
図16に示した動作説明回路において回路シミュレーションを実施した結果の一例を、
図17(a)から
図17(d)に示す。なお、図中に値を示していないシミュレーション条件を纏めると以下となる。
【0089】
[シミュレーション条件]
・入力交流電圧周波数:50Hz
・入力交流電圧ピーク値V0=1111.1V
・入力交流電圧V11とV21の位相差:120deg.
・入力交流電圧V11とV31の位相差:240deg.
・電圧低減定数D=0.9
・スイッチング周波数:30kHz
図17(a)に直流電圧の正極性の出力端子dcpの電位Vdcpと、負極性の出力端子dcnの電位Vdcnを示している。そして、
図17(b)から
図17(d)には、第1回路1301の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp1p、Vp1n、第2回路1302の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp2p、Vp2n、第3回路1303の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp3p、Vp3nを示してある。
【0090】
図17(b)から
図17(d)に示された通り、負極性側の出力端子p3nが直流電圧の負極性の出力端子dcnに直接接続された第3回路の1303の整流回路の正負2つの出力端の電位Vp3p、Vp3nを除き、第1回路1301と第2回路1302の出力端電位、Vp1p、Vp1n及びVp2p、Vp2nには、スイッチ動作に起因する高周波電圧振動が発生していることが分かる。
【0091】
上記の第1回路1301、第2回路1302、第3回路1303の各降圧チョッパ回路におけるスイッチとリアクトルの配置をどの様に変更しても、何れかの回路の整流回路の出力端の電位にスイッチ動作に起因する高周波電圧振動が発生することは避けられない。
【0092】
これは、
図17(a)に示された様に、電位が概略一定値となる直流電圧の出力端子が、正極性の出力端子dcpと負極性の出力端子dcnの2つのみであり、これらに直結できる整流回路が2つまでに限られることによる。
【0093】
従って、例えば
図16に示す従来技術を用いた電力変換装置、即ち、相互に電気的に絶縁されるとともに120度の位相差を持つ、3組の単相正弦波の交流電圧が入力され、各々の交流電圧を全波整流し、降圧チョッパ回路で電圧波形を制御し、それらの出力を直列に接続して直流電圧を出力する構成の電力変換装置においては、何れかの整流回路に交流電圧を供給している交流電源に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じることになる。
【0094】
以上説明したように、本実施例の電力変換装置100は、
図1に示すように、相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧Va,Vbが各々入力される2組の全波整流回路と、2組の全波整流回路の内、一方の全波整流回路の出力端に接続される第1のスイッチング素子SW1および第1のダイオードDI15と、他方の全波整流回路の出力端に接続される第2のスイッチング素子SW2および第2のダイオードDI25と、リアクトルL12を備えており、一方の全波整流回路のカソード側の出力端に第1のダイオードDI15のカソード側が接続され、当該全波整流回路のアノード側に第1のスイッチング素子SW1のアノード側が各々接続され、第1のダイオードDI15のアノード側と第1のスイッチング素子SW1のカソード側が第1の接続点p12で接続され、他方の全波整流回路のアノード側の出力端に第2のダイオードDI25のアノード側が接続され、当該全波整流回路のカソード側の出力端に第2のスイッチング素子SW2の
カソード側が各々接続され、第2のダイオードDI25のカソード側と第2のスイッチング素子SW2の
アノード側が第2の接続点p21で接続され、リアクトルL12の一端が第1の接続点p12に接続され、他端が第2の接続点p21に接続され、一方の全波整流回路のカソード側の出力端を直流電圧の正側の出力端とし、他方の全波整流回路のアノード側の出力端を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えている。
【0095】
また、三相交流電圧が入力され、2組の単相交流電圧Va,Vbを出力する変換用変圧器10を少なくとも1つ備えている。
【0096】
[変形例1]
図4に、本実施例(
図1)の1つの変形例である電力変換装置の主回路構成図を示している。これは、
図1において、電力変換回路20に対して、フィルタ回路F1,F2を介して、相互に電気的に絶縁されるとともに90度の位相差を持つ、2組の単相交流電圧を供給する変換用変圧器10の回路構成を変更し、1次巻線40をデルタ結線、2次巻線50をルーフ・デルタ結線としたものである。
【0097】
本変形例(
図4)においては、本実施例(
図1)と同様の効果が得られるとともに、変換用変圧器10の鉄心を、汎用の電力用変圧器に用いられる三相三脚あるいは三相五脚とすることができる。
【0098】
[変形例2]
図5に、本実施例(
図1)の他の変形例である電力変換装置の主回路構成図を示している。これは、
図1に示した電力変換回路20の第1回路201、第2回路202におけるスイッチング素子SW1,SW2の代わりに、各々の整流回路にSW12,SW14,SW21,SW23を挿入したものである。
【0099】
具体的には、第1回路201において、交流が入力される2つの接続点の一方に、ダイオードDI11のアノード側とスイッチング素子SW12のカソード側が接続され、他方にダイオードDI13のアノード側とスイッチング素子SW14のカソード側が接続され、スイッチング素子SW12のアノード側にダイオードDI12のカソード側が接続され、スイッチング素子SW14のアノード側にダイオードDI14のカソード側が接続されている。
【0100】
そして、ダイオードDI11及びDI13のカソード側とダイオードDI15のカソード側が接続点p11で接続され、ダイオードDI12及びDI14のアノード側とダイオードDI15のカソード側が接続点p12で接続されている。
【0101】
また、第2回路202において、交流が入力される2つの接続点の一方に、ダイオードDI21のアノード側とダイオードDI22のカソード側が接続され、他方にダイオードDI23のアノード側とダイオードDI24のカソード側が接続され、ダイオードDI21のアノード側にスイッチング素子SW21のカソード側が接続され、ダイオードDI23のカソード側にスイッチング素子SW23のアノード側が接続されている。
【0102】
そして、スイッチング素子SW21及びSW23のカソード側とダイオードDI25のカソード側が接続点p21で接続され、ダイオードDI22及びDI24のアノード側とダイオードDI25のアノード側が接続点p22で接続されている。そして、接続点p12と接続点p21とはリアクトルL12で接続されている。
【0103】
この変形例においては、入力交流電圧V11が正の時にSW14が、負の時にSW12が、それぞれ
図1に示した本実施例のSW1と同じ動作をし、入力交流電圧V21が正の時にSW21が、負の時にSW23が、それぞれ
図1に示した本実施例のSW2と同じ動作をすることで、本実施例(
図1)と同じ効果が得られる。
【0104】
また、スイッチング素子SW12とダイオードDI12、スイッチング素子SW14とダイオードDI14、スイッチング素子SW21とダイオードDI21、スイッチング素子SW23とダイオードDI23の組み合わせは各々、1つの逆阻止型のスイッチング素子と見做すことができる。これらのスイッチング素子とダイオードとを組合せたものを各々、新たに逆阻止型のスイッチング素子SW12’,SW14’,SW21’,SW23’と呼ぶことにすれば、本変形例(変形例2)の構成は以下の通り説明される。
【0105】
即ち、第1回路201において、交流が入力される2つの接続点の一方に、ダイオードDI11のアノード側とスイッチング素子SW12’のカソード側とが接続され、他方にダイオードDI13のアノード側とスイッチング素子SW14’のカソード側とが接続され、ダイオードDI11のカソード側と、ダイオードDI13のカソード側と、ダイオードDI15のカソード側とが接続点p11で接続され、スイッチング素子SW12’のアノード側と、スイッチング素子SW14’のアノード側と、ダイオードDI15のアノード側とが接続点p12で接続されている。
【0106】
また、第2回路202において、交流が入力される2つの接続点の一方に、スイッチング素子SW21’のアノード側と、ダイオードDI22のカソード側とが接続され、他方にスイッチング素子SW23’のアノード側と、ダイオードDI24のカソード側とが接続され、スイッチング素子SW21’のカソード側と、スイッチング素子SW23’のカソード側と、ダイオードDI25のカソード側とが接続点p21で接続され、ダイオードDI22のアノード側と、ダイオードDI24のアノード側と、ダイオードDI25のアノード側とが接続点p22で接続されている。そして、接続点p12と接続点p21とがリアクトルL12で接続されている。
【0107】
変形例2の電力変換装置は、言い換えると、相互に電気的に絶縁されるとともに、90度の位相差を持つ2組の単相交流電圧Va,Vbが各々入力される2組の整流回路を備えており、2組の整流回路の内、一方の整流回路は、1組の交流電圧Vaが入力される2つの接続点の一方の接続点に、第1のダイオードDI11のアノード側と、第1の逆阻止型のスイッチング素子(SW12及びDI12)のカソード側とが接続され、他方の接続点に、第2のダイオードDI13のアノード側と、第2の逆阻止型のスイッチング素子(SW14及びDI14)のカソード側とが接続され、第1のダイオードDI11のカソード側と、第2のダイオードDI13のカソード側と、第3のダイオードDI15のカソード側とが第1の接続点p11で接続され、第1の逆阻止型のスイッチング素子(SW12及びDI12)のアノード側と、第2の逆阻止型のスイッチング素子(SW14及びDI14)のアノード側と、第3のダイオードDI15のアノード側とが第2の接続点p12で接続され、他方の整流回路は、他の1組の交流電圧Vbが入力される2つの接続点の一方の接続点に、第3の逆阻止型のスイッチング素子(SW21及びDI21)のアノード側と、第4のダイオードDI22のカソード側とが接続され、他方の接続点に、第4の逆阻止型のスイッチング素子(SW23及びDI23)のアノード側と、第5のダイオードDI24のカソード側とが接続され、第3の逆阻止型のスイッチング素子(SW21及びDI21)のカソード側と、第4の逆阻止型のスイッチング素子(SW23及びDI23)のカソード側と、第6のダイオードDI25のカソード側とが第3の接続点p21で接続され、第4のダイオードDI22のアノード側と、第5のダイオードDI24のアノード側と、第6のダイオードDI25のアノード側とが第4の接続点p22で接続され、1つのリアクトルL12の一端が第2の接続点p12に接続され、他端が第3の接続点p21に、各々接続され、第1の接続点p11を直流電圧の正側の出力端とし、第4の接続点p22を直流電圧の負側の出力端とする電力変換回路を少なくとも1つ備えている。
【0108】
上記の様に、スイッチング素子とダイオードの組み合わせを、逆阻止型のスイッチング素子で置き換えた場合には、概略ダイオード1つ分の発生損失を低減することができる。
【実施例2】
【0109】
図6を参照して、本発明の実施例2の電力変換装置について説明する。
図6(a)は本実施例の電力変換装置の主回路構成図であり、
図6(b)は各出力直流電圧-位相角線図である。本実施例の電力変換装置100は、
図1に示した実施例1における電力変換回路20と同一の構成を持つ2つの電力変換回路21と22の直流電圧出力を直列接続し、電力変換装置100からの直流電圧出力としたものである。
【0110】
本実施例においては、
図1に示した実施例1の電力変換装置と同様に、外部から三相交流電圧が入力される変換用変圧器10の1次巻線40がスコット結線で構成される一方で、2次巻線50については、交流電圧Va1を出力する2次巻線51と、Va1と電圧振幅が同一であり、位相が90度遅れた交流電圧Vb1を出力する2次巻線52と、交流電圧Va1と同一位相をもつ交流電圧Va2を出力する2次巻線53と、Va2と電圧振幅が同一であり、Vb1と同一位相をもつ交流電圧Vb2を出力する2次巻線54とで構成され、相互に電気的に絶縁されている。
【0111】
上記の2次巻線51~54の交流出力のうち、Va1とVb1が各々、フィルタ回路F1,F2を介して電力変換回路21に入力され、Va2とVb2が各々、フィルタ回路F3,F4を介して電力変換回路22に入力されている。
【0112】
電力変換回路21においてはスイッチング素子SW1とSW2とが、電力変換回路22においてはスイッチング素子SW3とSW4とが各々、実施例1(
図1)の電力変換回路20におけるSW1とSW2と同様のスイッチング動作をすることにより、
図6(b)に示す様に、直流電圧V91,V92が各々出力され、これらの和として、電力変換装置100から直流電圧V90が出力される。
【0113】
図6(b)においては、直流電圧V91とV92の大きさが等しい場合を例示しているが、直流電圧V91とV92は同じ大きさである必要は無く、各々異なる電圧低減定数Dを設定してスイッチング制御しても良い。
【0114】
本実施例のように、変換用変圧器10が2組の単相交流電圧を2式(Va1及びVb1,Va2及びVb2)出力する構成をとることにより、各整流回路の入力交流電圧に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じるのを抑制しながら、電力変換装置100からの出力直流電圧を大きくすることができる。
【実施例3】
【0115】
図7から
図9を参照して、本発明の実施例3の電力変換装置について説明する。
図7は本実施例の電力変換装置の主回路構成を示す図であり、
図8はその位相角-電圧特性を示す図である。
図9は本実施例の変形例を示す図である。
【0116】
本実施例の電力変換装置100における変換用変圧器10は、
図7に示す様に、外部から三相交流電圧が入力される1次巻線40(デルタ結線)と、2次巻線50とで構成され、2次巻線50は、交流電圧Vaを出力する2次巻線51と、Vaと電圧振幅が同一であり、位相が90度遅れた交流電圧Vbを出力する2次巻線52と、Vaと電圧振幅が同一であり、位相が120度遅れた交流電圧Vcを出力する2次巻線53と、Vcと電圧振幅が同一であり、位相が90度遅れた交流電圧Vdを出力する2次巻線54と、Vcと電圧振幅が同一であり、位相が120度遅れた交流電圧Veを出力する2次巻線55と、Veと電圧振幅が同一であり、位相が90度遅れた交流電圧Vfを出力する2次巻線56とで構成され、これらの2次巻線は全て、相互に電気的に絶縁されている。
【0117】
上記の2次巻線51~56の交流出力のうち、VaとVbが各々、フィルタ回路F1,F2を介して電力変換回路21に入力され、VcとVdが各々、フィルタ回路F3,F4を介して電力変換回路22に入力され、VeとVfが各々、フィルタ回路F5,F6を介して電力変換回路23に入力されている。
【0118】
上記の全てのフィルタ回路の回路構成、素子定数を同一とすることで、各フィルタ回路の入力交流電圧に対する出力交流電圧の位相遅れ量同一とし、各電力変換回路21~23に入力される交流電圧V11,V21,V31,V41,V51,V61の間の位相差をフィルタ回路への入力前のVa,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfの間の位相差同一としている。
【0119】
以上説明したように、本実施例の電力変換装置100では、変換用変圧器10が2組の単相交流電圧を3式(Va及びVb,Vc及びVd、Ve及びVf)出力するよう構成される。
【0120】
図8(a)に、交流電圧V11の位相を基準とし、横軸はV11の位相角θ、縦軸を電圧としてV11,V21,V31,V41,V51,V61の交流電圧波形を示している。なお、各交流電圧波形の電圧振幅値をV0(正の定数)として示してある。
【0121】
図7の電力変換回路21,22,23は、
図1に示した実施例1の電力変換回路20と同一の構成を持っており、これら3つの電力変換回路の直流電圧出力を直列接続し、電力変換装置100からの直流電圧出力としたものである。
【0122】
そして、電力変換回路21においてはスイッチング素子SW1とSW2とが、電力変換回路22においてはスイッチング素子SW3とSW4とが、電力変換回路23においてはスイッチング素子SW5とSW6とが、各々、実施例1の電力変換回路20におけるスイッチング素子SW1とSW2と同様のスイッチング動作をすることにより、所定の電圧波形が出力される。
【0123】
図8(b)から
図8(g)に、各電力変換回路を構成する第1回路211、第2回路212、第3回路223、第4回路224、第5回路235、第6回路236における全波整流後の波形V12,V22,V32,V42,V52,V62と、スイッチング素子の通流率dSW1,dSW2,dSW3,dSW4,dSW5,dSW6と、降圧チョッパ回路の出力電圧波形V14,V24,V34,V44,V54,V64と、を各々示してある。
【0124】
図8(h)は、電力変換回路21の第1回路211の出力波形V14、第2回路212の出力電圧波形V24、それらの和である回路全体の出力電圧波形V91を示している。
図8(i)は、電力変換回路22の第3回路223の出力波形V34、第4回路224の出力電圧波形V44、それらの和である回路全体の出力電圧波形V92を示している。
図8(j)は、電力変換回路23の第5回路235の出力波形V54、第6回路236の出力電圧波形V64、それらの和である回路全体の出力電圧波形V93を示している。そして、
図8(k)に、V91,V92,V93と、それらの和である電力変換装置100の出力電圧波形V90を示してある。
【0125】
上記に示した様に、本実施例の電力変換装置100においては、変換用変圧器10に入力された三相交流電圧を、最終段において直流電圧V90として出力することができる。
【0126】
その際、直列接続された電力変換回路21,22,23は、
図1に示した実施例1の電力変換回路と同一構成で動作することから、入力交流電圧に対して、スイッチング周波数程度の電位振動がコモンモードの高周波電圧ノイズとして生じるのを抑制することができる。
【0127】
また、本実施例における変換用変圧器10の鉄心は、汎用の電力用変圧器に用いられる三相三脚あるいは三相五脚とすることができるとともに、電力変換装置100からの出力直流電圧を大きくすることができる。
【0128】
[変形例3]
図9に、本実施例(
図7)の1つの変形例である電力変換装置の主回路構成図を示している。これは、
図7の電力変換装置における変換用変圧器10を、2つの変換用変換器11と12に置き換えたものである。一方の変換用変圧器11の1次巻線40はデルタ結線をしており外部からの三相交流電圧が入力される。そして、2次巻線50を構成する3つの相互に絶縁された2次巻線51,52,53は、何れも単純巻線として構成されている。
【0129】
他方の変換用変圧器12の1次巻線60はスター結線をしており、変換用変圧器11の1次巻線に入力されるものと同じ、外部からの三相交流電圧が入力される。そして、2次巻線70を構成する3つの相互に絶縁された巻線71,72,73は、何れも単純巻線として構成されている。
【0130】
そして、各2次巻線51~53,71~73の出力交流電圧のうち、相互に位相が90度異なるものを選択し、3つの電力変換回路21,22,23に対して各々、フィルタ回路F1,F2,F3,F4,F5,F6を介して接続する構成としている。
【0131】
本変形例においては、本実施例(
図7)と同様の効果が得られるとともに、2次巻線を全て単純巻線とすることができ、2次巻線の構造が簡略化可能になるという効果がある。
【0132】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施例は本発明に対する理解を助けるために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0133】
10,11,12…変換用変圧器
20,21,22,23…電力変換回路
30…負荷
40,60…1次巻線
50,51,52,53,54,55,56,70,71,72,73…2次巻線
100…電力変換装置
201,211,1001,1101,1301…第1回路
202,212,1002,1202,1302…第2回路
223,1303…第3回路
224…第4回路
235…第5回路
236…第6回路
F1,F2,F3,F4,F5,F6,F10…フィルタ回路
LF1,LF2,LF3,LF4,LF5…インダクタ(コイル)
CF1,CF2,CF3,CF4,CF5,CF6…コンデンサ
DI11,DI12,DI13,DI14,DI21,DI22,DI23,DI24,DI31,DI32,DI33,DI34,DI41,DI42,DI43,DI44,DI51,DI52,DI53,DI54,DI61,DI62,DI63,DI64…(整流回路用)ダイオード
SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6,SW12,SW14,SW21,SW23…スイッチング素子
DI15,DI25,DI35,DI45,DI55,DI65…ダイオード
L12…リアクトル
PSac1,PSac2…交流電源