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特許7377746長尺物の搬送装置および長尺物の搬送装置の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】長尺物の搬送装置および長尺物の搬送装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/91 20060101AFI20231102BHJP
   B65G 59/02 20060101ALI20231102BHJP
   B65G 47/88 20060101ALI20231102BHJP
   B65G 47/08 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B65G47/91 C
B65G59/02 A
B65G47/88 A
B65G47/08 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020043916
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021143064
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】善木 智義
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-165615(JP,A)
【文献】特開昭58-202213(JP,A)
【文献】特開平6-166429(JP,A)
【文献】実開昭50-141387(JP,U)
【文献】実開平5-1720(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/91
B65G 59/02
B65G 47/88
B65G 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の長尺物を載置する載置面を有する載置部と、
前記載置面よりも上側に設けられ、前記長尺物の長手方向を一方側部と他方側部とその間の中間部に三等分割したときの前記中間部を保持して前記載置部から前記長尺物を取り出す保持部と、
前記載置面よりも上側に設けられ、前記長尺物の長手方向に平行な水平方向成分を含む第1方向に所定範囲で移動可能であり、前記保持した長尺物の延在方向を調整する方向調整部と、
前記載置面よりも上側に設けられ、前記水平方向成分を含む第2方向に所定範囲で移動可能であり、前記保持した長尺物を支持する支持部と、を有し、
前記支持部を前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動させたときの第2位置が、前記方向調整部を前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動させたときの第1位置よりも前記保持部側に位置する長尺物の搬送装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記載置面上であって、前記水平方向において前記保持部の両側に対応する位置に設けられている請求項1に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項3】
前記方向調整部は、前記水平方向において前記保持部の両側に対応する位置に設けられている請求項1または2に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記方向調整部よりも上側に配置されている請求項1~3のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記水平方向に対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能である請求項1~4のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項6】
前記支持部は、前記保持部から離れる方向に向かって下側から上側に移動する請求項5に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項7】
前記方向調整部は、前記水平方向に対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能である請求項1~6に記載のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項8】
前記方向調整部は、前記保持部から離れる方向に向かって上側から下側に移動する請求項7に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項9】
前記支持部は、前記保持部から離れる方向に向かって下側から上側に移動し、
前記方向調整部は、前記保持部から離れる方向に向かって前記水平方向に対して垂直な垂直方向の位置が変化しない請求項1~5のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項10】
前記支持部は、前記方向調整部と平行に移動する請求項1~6のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項11】
前記支持部は、前記水平方向において前記方向調整部と同一直線上を移動する請求項1~6のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項12】
前記方向調整部は、第1の棒状部材であり、
前記支持部は、第2の棒状部材である請求項1~11のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項13】
一方端と他方端を有し、前記水平方向に移動可能な板状部材を有し、
前記支持部は、前記水平方向において前記板状部材の前記保持部に近い側の一方端部であり、
前記方向調整部は、前記水平方向における前記板状部材の他方端部である請求項1~4のいずれか一項に記載の長尺物の搬送装置。
【請求項14】
複数の長尺物を載置する載置面を有する載置部と、
前記載置面よりも上側に設けられている保持部と、
前記載置面よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第1方向に所定範囲で移動可能であり、前記長尺物の延在方向を調整する方向調整部と、
前記載置面よりも上側に設けられ、前記水平方向成分を含む第2方向に所定範囲で移動可能であり、前記長尺物を支持する支持部と、を有し、
前記支持部が前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動したときの第2位置が、前記方向調整部が前記水平方向において前記保持部から最も離れるように移動したときの第1位置よりも前記保持部側に位置する長尺物の搬送装置を準備する工程と;
前記保持部が前記長尺物の長手方向を一方側部と他方側部とその間の中間部に三等分割したときの前記中間部を保持して前記載置部から前記長尺物を取り出す工程と;
前記保持部が前記長尺物を保持している状態で、前記方向調整部が移動する工程と;
前記保持部が前記長尺物を保持している状態で、前記支持部が移動する工程と;を含む長尺物の搬送装置の作動方法。
【請求項15】
前記方向調整部が前記第1方向に移動する工程の後、前記支持部が前記第2方向に移動する工程を行う請求項14に記載の長尺物の搬送装置の作動方法。
【請求項16】
前記方向調整部が前記第1方向に移動する工程が終わる前に、前記支持部が前記第2方向に移動する工程を開始する請求項14に記載の長尺物の搬送装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂チューブ等の長尺物を搬送するための装置とその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺物を保持して搬送する工程では、保持中の長尺物と未だ載置されている保持待ちの長尺物とが互いに絡まらないように、作業者や特許文献1~2に開示されているような装置によって長尺物を予め整列して方向を調整していた。特許文献1に記載の装置では複数の引込爪が、特許文献2に記載の装置では複数の突起が長尺物の長手方向とほぼ直交する方向に移動することによって長尺物を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-316895号公報
【文献】特開平5-270638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、作業者による整列作業は、長尺物の大量生産や大量加工には適していなかった。特許文献1の引込爪は、並列コンベア上に高さ1段で載置された長尺物の方向調整を目的としており、高さ2段以上に山積みされた複数の長尺物の方向調整には適していなかった。特許文献2の装置では、突起を用いて数本の長尺物をまとめて移動させた後、ブラシ機構を用いてコンベア上で1本ずつ長尺物を搬送させる必要があり、搬送装置が複雑化するおそれがあった。そこで、本発明は長尺物を保持して搬送する際に、保持中の長尺物と、保持待ちの長尺物との絡まりを解くことができる搬送装置とその作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の長尺物の搬送装置の一実施態様は、複数の長尺物を載置する載置面を有する載置部と、載置面よりも上側に設けられ、長尺物の長手方向を一方側部と他方側部とその間の中間部に三等分割したときの中間部を保持して載置部から長尺物を取り出す保持部と、載置面よりも上側に設けられ、長尺物の長手方向に平行な水平方向成分を含む第1方向に所定範囲で移動可能であり、保持した長尺物の延在方向を調整する方向調整部と、載置面よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第2方向に所定範囲で移動可能であり、保持した長尺物を支持する支持部と、を有し、支持部を水平方向において保持部から最も離れるように移動させたときの第2位置が、方向調整部を水平方向において保持部から最も離れるように移動させたときの第1位置よりも保持部側に位置する点に要旨を有する。上記搬送装置では、保持部で保持している長尺物と、載置部に載置されている保持待ちの長尺物との間に方向調整部が入り込み、方向調整部が第1方向に移動する。このため、保持部で長尺物を保持する際に、保持部で保持している長尺物と保持待ちの長尺物との絡まりを解くことができる。また、支持部が第2方向に移動可能であり、支持部を移動させたときの第2位置が、方向調整部を移動させたときの第1位置よりも保持部側に位置する。このため、保持部で保持している長尺物のうち自重で垂れ下がったり撓んで湾曲する部分を支持部で支持することができる。その結果、保持された長尺物と保持待ちの長尺物との再度の絡まりを抑制することができ、保持部で保持した長尺物を次工程に搬送しやすくなる。
【0006】
上記搬送装置において、支持部は、載置面上であって、水平方向において保持部の両側に対応する位置に設けられていることが好ましい。
【0007】
上記搬送装置において、方向調整部は水平方向において保持部の両側に対応する位置に設けられていることが好ましい。
【0008】
上記搬送装置において、支持部は方向調整部よりも上側に配置されていることが好ましい。
【0009】
上記搬送装置において、支持部は水平方向に対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能であることが好ましい。
【0010】
上記搬送装置において、支持部は保持部から離れる方向に向かって下側から上側に移動することが好ましい。
【0011】
上記搬送装置において、方向調整部は水平方向に対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能であることが好ましい。
【0012】
上記搬送装置において、方向調整部は保持部から離れる方向に向かって上側から下側に移動することが好ましい。
【0013】
上記搬送装置において、支持部は保持部から離れる方向に向かって下側から上側に移動し、方向調整部は保持部から離れる方向に向かって水平方向に対して垂直な垂直方向の位置が変化しないことが好ましい。
【0014】
上記搬送装置において、支持部は方向調整部と平行に移動することが好ましい。
【0015】
上記搬送装置において、支持部は水平方向において方向調整部と同一直線上を移動することが好ましい。
【0016】
上記搬送装置において、方向調整部は第1の棒状部材であり、支持部は第2の棒状部材であることが好ましい。
【0017】
上記搬送装置において、一方端と他方端を有し水平方向に移動可能な板状部材を有し、支持部は水平方向において板状部材の保持部に近い側の一方端部であり、方向調整部は水平方向における板状部材の他方端部であることが好ましい。
【0018】
本発明は、長尺物の搬送装置の作動方法も提供する。本発明の長尺物の搬送装置の作動方法の一実施態様は、複数の長尺物を載置する載置面を有する載置部と、載置面よりも上側に設けられている保持部と、載置面よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第1方向に所定範囲で移動可能であり、長尺物の延在方向を調整する方向調整部と、載置面よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第2方向に所定範囲で移動可能であり、長尺物を支持する支持部と、を有し、支持部が水平方向において保持部から最も離れるように移動したときの第2位置が、方向調整部が水平方向において保持部から最も離れるように移動したときの第1位置よりも保持部側に位置する長尺物の搬送装置を準備する工程と;保持部が長尺物の長手方向を一方側部と他方側部とその間の中間部に三等分割したときの中間部を保持して載置部から長尺物を取り出す工程と;保持部が長尺物を保持している状態で、方向調整部が移動する工程と;保持部が長尺物を保持している状態で、支持部が移動する工程と;を含む点に要旨を有する。上記搬送装置の作動方法は、保持部が長尺物を保持している状態で、方向調整部が移動する工程を含むため、保持部で長尺物を保持する際に、保持部で保持している長尺物と保持待ちの長尺物との絡まりを解くことができる。また、上記搬送装置の作動方法は、保持部が長尺物を保持している状態で、支持部が移動する工程を含むため、保持部で保持している長尺物のうち自重で垂れ下がったり撓んで湾曲する部分を支持部で支持することができる。その結果、保持された長尺物と保持待ちの長尺物との再度の絡まりを抑制することができ、保持部で保持した長尺物を次工程に搬送しやすくなる。
【0019】
上記作動方法は、方向調整部が第1方向に移動する工程の後、支持部が第2方向に移動する工程を行うことが好ましい。
【0020】
上記作動方法は、方向調整部が第1方向に移動する工程が終わる前に、支持部が第2方向に移動する工程を開始することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る搬送装置および作動方法によれば、保持部で長尺物を保持する際に、保持部で保持している長尺物と保持待ちの長尺物との絡まりを解くことができる。また、保持部で保持している長尺物のうち自重で垂れ下がったり撓んで湾曲する部分を支持部で支持することができる。その結果、保持された長尺物と保持待ちの長尺物との再度の絡まりを抑制することができ、保持部で保持した長尺物を次工程に搬送しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を含むシステムの側面図を表す。
図2図1に示した搬送装置を拡大した側面図を表す。
図3図2に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図4図3に示した搬送装置の側面図を表す。
図5図2に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図6図5に示した搬送装置の側面図を表す。
図7図5に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図8図7に示した搬送装置の側面図を表す。
図9図7に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図10図9に示した搬送装置の側面図を表す。
図11図9に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図12図11に示した搬送装置の側面図を表す。
図13図7に示した搬送装置の変形例を示す斜視図を表す。
図14図13に示した搬送装置の側面図を表す。
図15図2に示した搬送装置の他の変形例を示す斜視図を表す。
図16図15に示した搬送装置の側面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0024】
1.長尺物の搬送装置
本発明において、長尺物は中実または中空状であって長手方向に延在しているものであり、例えばパイプ、ロッド、チューブと称されるものが含まれる。長尺物には、長手方向に垂直な断面の外周の長さと長手方向の長さを比べた場合、長手方向の長さの方が長いものが含まれる。長尺物の長さは特に限定されず、例えば10cm以上、20cm以上、または30cm以上であってもよいが、後述する保持部で保持しやすくするためには200cm以下、150cm以下、または100cm以下であることが好ましい。長尺物の断面形状は特に限定されず、例えば円形状、長円形状、多角形状、またはこれらを組み合わせた形状にすることができる。保持部での保持操作を行いやすくするために、長尺物の外径は、例えば0.4mm以上、0.8mm以上、または1.2mm以上であることが好ましく、6.0mm以下、5.0mm以下、または4.0mm以下であることが好ましい。
【0025】
長尺物は可撓性を有していることが好ましい。これにより保持部で長尺物を保持しやすくなる。また、形状保持のため、長尺物は弾性を有していることが好ましい。長尺物を構成する材料は、樹脂または金属とすることができる。長尺物を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。長尺物を構成する金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni-Ti合金、Co-Cr合金、またはこれらの組み合わせが挙げられる。長尺物としては金属で構成されている長尺体の表面に樹脂が被覆されたものも含まれる。中でも、長尺物は、樹脂チューブであることが好ましく、フッ素系樹脂チューブまたはポリアミド系樹脂チューブであることがより好ましい。長尺物は、工業用または医療用の樹脂チューブであることが好ましく、医療用の樹脂チューブであることがより好ましく、バルーンカテーテル用の樹脂チューブであることがさらに好ましい。
【0026】
本発明において長尺物の搬送装置は、長尺物を一本または複数本ずつ搬送する装置であり、以下では単に「搬送装置」と称することがある。図1図2を参照して、長尺物の搬送装置の基本構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置1を含むシステム100の側面図を表す。図2は、図1に示した搬送装置1を拡大した斜視図を表す。図1において、搬送装置1は一点鎖線で囲まれている。搬送装置1は、載置部5と、保持部20と、方向調整部30と、支持部40と、を有している。なお、システム100は、各種工程を実施するために、少なくとも搬送装置1を含む複数の装置が組み合わされて構成されるものである。
【0027】
載置部5は、複数の長尺物60を載置する載置面10を有する部分である。載置部5は、長尺物60を次工程の装置に搬送する前に、長尺物60を所定時間、載置しておく仮置き場としても機能する。載置面10には、少なくとも一の長尺物60が接している。
【0028】
載置部5は、複数の長尺物60を載置できる程度の大きさを有していればよい。例えば図1図2では、断面L字状に形成された板材6の谷状部が載置部5として機能している。このように載置部5は1枚の板材が曲げ加工されて形成されていてもよい。また、載置部5の別の態様として、2枚以上の板材が谷状部を形成するように接合されていてもよい。更に、載置部5は、縁部が高くなっているトレイ等の箱状に形成されていてもよい。載置部5をこのような形状とすることにより、複数の長尺物60をひとかたまりに載置することができるため、バラバラになりにくくなる。なお、図1では水平面50を二点鎖線で示している。
【0029】
載置部5は、水平面50と垂直な上下方向zに積層された長尺物60の山が崩れても長尺物60がはみ出ないような高さを有していることが好ましく、例えば、上下方向zにおける載置部5の高さは、長尺物60の外径の10倍以上、20倍以上、または30倍以上の高さとすることができ、載置される長尺物60の本数に応じて1000倍以下、800倍以下、または500倍以下とすることも許容される。
【0030】
載置部5に配置される長尺物60の数は、例えば100本以上、300本以上、500本とすることができ、2000本以下、1500本以下、または1000本以下とすることもできる。
【0031】
載置部5の載置面10の一部が曲面であってもよいが、載置面10は平面で構成されていることが好ましい。
【0032】
載置面10の少なくとも一部が、水平面50に対して傾斜していてもよい。これにより、保持部20で保持している長尺物60以外は載置面10の傾斜により落下し、保持対象の長尺物60と仕分けされやすくなるため、保持対象の長尺物60をピックアップしやすくなる。搬送対象外の長尺物60を素早く落下させる観点からは、載置面10は、水平面50に対して5度以上の角度で傾斜していることが好ましく、より好ましくは10度以上、さらに好ましくは15度以上の角度で傾斜している。また、長尺物60の落下による衝撃で載置されている長尺物60が傷付かないように、載置面10は、水平面50に対して45度以下の角度で傾斜していることが好ましく、40度以下、さらに好ましくは35度以下の角度で傾斜していることがより好ましい。
【0033】
図示していないが、載置面10の少なくとも一部が水平面50と平行であってもよい。これにより水平面50と平行な載置面10には長尺物60が安定して載置される。また、載置部5に載置可能な長尺物60の本数を増やすこともできる。
【0034】
図示していないが、載置面10は、水平面50と垂直な面を有していてもよい。水平面50と垂直な載置面10は長尺物60を収容するための壁として機能する。このため、上下方向zに積層された長尺物60の山が崩れても長尺物60が載置部5からはみ出にくくなる。
【0035】
図1図2に示すように、載置面10は、水平面50に対して5度以上45度以下の角度で傾斜している第1傾斜面11と、第1傾斜面11と対向し且つ第1傾斜面11に対して45度以上145度以下の角度で傾斜している第2傾斜面12を有していてもよい。その場合、第1傾斜面11と第2傾斜面12が接していることが好ましい。図1図2では、載置部5の載置面10が第1傾斜面11と第2傾斜面12を有しており、2つの傾斜面が互いに一辺を共有するようにL字状に配置されている。このように第2傾斜面12を設けることにより、第1傾斜面11と第2傾斜面12によって形成された谷の底に長尺物60を安定して配置することができる。
【0036】
保持部20は、載置部5から長尺物60を取り出す部分である。詳細には、保持部20は、長尺物60の長手方向pを一方側部61と他方側部62とその間の中間部63に三等分割したときの中間部63を保持して載置部5から長尺物60を取り出す。保持部20は、載置面10よりも上側に設けられている。保持部20は、一または複数の長尺物60を保持してもよいが、一の長尺物60を保持するものであることが好ましい。
【0037】
保持部20で長尺物60を保持する機構は特に限定されない。例えば、保持部20は長尺物60の中間部63を摘まんでもよく、挟んでもよく、握ってもよい。そのような保持部20として、例えばロボットハンドが挙げられる。別の態様として、保持部20は、長尺物60の中間部63を吸引してもよい。例えば、図1図2に示すように、保持部20には長尺物60を真空吸引するための吸引口25が設けられてもよい。真空はJIS Z 8126-1:1999 真空技術-用語-第1部:一般用語に記載されているように、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態を意味する。
【0038】
載置部5と保持部20を構成する材料は特に限定されず、例えば、樹脂または金属あるいはこれらの複合材料から構成することができる。複合材料としては炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂あるいは金属に樹脂をコートした材料などを用いることができる。載置部5を構成する材料と保持部20を構成する材料は、それぞれ同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。載置部5と保持部20を構成する樹脂または金属としては、長尺物60を構成する材料の説明を参照することができる。
【0039】
図1に示すように、搬送装置1は、保持部20に接続され、保持部20を移動させる第1の搬送部51を有していることが好ましい。これにより、保持部20を移動させることが可能となり、保持部20に保持された長尺物60を載置部5から別の場所に搬送することができる。
【0040】
図1では、第1の搬送部51はレール52が形成されているフレーム53に支持されており、第1の搬送部51がレール52上を移動するのに連動して保持部20も載置面10の傾斜方向qに移動するように構成されている。図示していないが、第1の搬送部51の一部が上下方向zに移動してもよい。第1の搬送部51は保持部20の上部に接続固定されていることが好ましい。
【0041】
第1の搬送部51は、上下方向zに駆動する1軸以上のアクチュエータを含むことが好ましい。また、第1の搬送部51は、上下方向zと垂直な一方向、または上下方向zと載置面10の傾斜方向qに駆動する2軸のアクチュエータを含むことがより好ましい。さらに、第1の搬送部51は、上下方向zとこれと垂直な二方向、または、上下方向zと載置面10の傾斜方向qとこれら二方向と垂直な方向に駆動する3軸のアクチュエータを含むことがさらに好ましい。このように第1の搬送部51を構成することにより、自由度の高い設計が可能となる。アクチュエータは、モータ、リニアガイド、ボールねじ、タイミングベルト・プーリ、スライダ、ラックアンドピニオン等の機械要素を含む。
【0042】
方向調整部30は、保持した長尺物60の延在方向を調整する部分である。方向調整部30は、少なくとも一部が載置面10よりも上側に設けられている。また、方向調整部30は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分を含む第1方向35に所定範囲で移動可能である。これにより、保持部20で保持している長尺物60と、載置部5に載置されている保持待ちの長尺物60との間に方向調整部30が入り込み、方向調整部30が第1方向35に移動することができる。このため、保持部20で長尺物60を保持する際に、保持部20で保持している長尺物60と保持待ちの長尺物60との絡まりを解くことができる。以下では、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向xを「水平方向x」、保持部20で保持している長尺物60を「長尺物60A」、保持待ちの長尺物60を「長尺物60B」ということがある。
【0043】
方向調整部30が移動する方向である第1方向35は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分と、長尺物60の長手方向pと垂直な垂直方向成分と、を含んでいてもよい。また、第1方向35は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分のみを含んでいてもよい。
【0044】
本発明において、方向調整部30が移動するとは方向調整部30の少なくとも一部が移動することを意味し、方向調整部30を構成する部材全体が移動することを必須とするものではない。後述する支持部40についても同様である。
【0045】
方向調整部30が第1方向35に移動するとは、方向調整部30が移動範囲の一方側から他方側まで一方向に移動する態様だけでなく、一方側から他方側および他方側から一方側に往復移動する態様も含まれる。後述する支持部40の第2方向45への移動についても同様である。
【0046】
方向調整部30を水平方向xにおいて保持部20から最も離れるように移動させたときの位置は第1位置36として規定される。なお、図2では、第1位置36に移動させたときの方向調整部30を破線で示している。以降の図面においても同様である。
【0047】
方向調整部30の形状は特に限定されないが、方向調整部30は、載置面10に対して垂直な方向に延在している部分か、または上下方向zに延在している部分を有していることが好ましい。これにより、方向調整部30が長尺物60同士の間に入り込みやすくなり、長尺物60同士の絡まりを解消しやすくなる。方向調整部30は、例えば中実または中空の棒状、板状、ブロック状、またはこれらを組み合わせた形状にすることができる。中でも、細径の長尺物60Aと60Bの貼り付きや絡まりを解消するためには、方向調整部30は棒状部を有していることが好ましい。
【0048】
方向調整部30は、一または複数の部材から構成することができる。方向調整部30は、例えば樹脂または金属あるいはこれらの複合材料から構成することができるが、中でも樹脂から構成されていることが好ましい。方向調整部30を構成する樹脂または金属としては、載置部5と保持部20を構成する材料の説明を参照することができる。
【0049】
方向調整部30は、一または複数設けることができるが、複数設けられていることが好ましい。方向調整部30を複数設けることにより、1つの方向調整部30の移動距離を少なくすることができるため、長尺物60の方向調整に要する時間を短縮することができる。例えば、図2では、第1の方向調整部30Aと、第2の方向調整部30Bが設けられている。第1の方向調整部30Aと第2の方向調整部30Bは、互いに異なる向きに移動することが好ましい。
【0050】
方向調整部30は、保持部20が長尺物60Aを保持した状態で移動する際、邪魔にならないよう載置面10に対して上側または下側に退避することもできる。なお、図1において、方向調整部30を載置面10から最も退避させた状態の位置を点線で示している。以降の図面においても同様である。
【0051】
支持部40は、保持部20で保持した長尺物60Aを支持するために設けられている。詳細には、支持部40では、保持部20で直接的に保持されていないことに起因して自重で垂れ下がったり、撓んで湾曲する長尺物60Aの一部分、例えば長尺物60Aの長手方向pの一方側部61や他方側部62を補助的に支持する。支持部40は、載置面10よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第2方向45に所定範囲で移動可能である。また、支持部40を水平方向xにおいて保持部20から最も離れるように移動させたときの第2位置46が、方向調整部30を水平方向xにおいて保持部20から最も離れるように移動させたときの第1位置36よりも保持部20側に位置する。このため、支持部40は、第2方向45に移動することで、自重で垂れ下がったり撓んで湾曲する長尺物60Aの一部分を支持することができる。その結果、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができ、保持部20で保持した長尺物60Aを次工程に搬送しやすくなる。なお、図2では、第2位置46に移動させたときの支持部40を破線で示している。以降の図面においても同様である。
【0052】
支持部40が移動する方向である第2方向45は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分と、長尺物60の長手方向pと垂直な垂直方向成分と、を含んでいてもよい。また、第2方向45は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分のみを含んでいてもよい。
【0053】
支持部40の形状は特に限定されないが、例えば、支持部40は、載置面10に対して垂直な方向に延在している部分か、または上下方向zに延在している部分を有していてもよい。詳細には、支持部40は、例えば中実または中空の棒状、板状、ブロック状、またはこれらを組み合わせた形状にすることができる。支持部40の形状は、方向調整部30の形状と同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0054】
支持部40は、一または複数の部材から構成することができる。支持部40は、例えば樹脂または金属あるいはこれらの複合材料から構成することができるが、中でも樹脂から構成されていることが好ましい。支持部40を構成する樹脂または金属としては、載置部5と保持部20を構成する材料の説明を参照することができる。支持部40を構成する材料は、方向調整部30を構成する材料と同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0055】
支持部40は、一または複数設けることができるが、複数設けられていることが好ましい。支持部40を複数設けることにより、1つの支持部40の移動距離を少なくすることができるため、長尺物60の支持に要する時間を短縮することができる。例えば、図2では、第1の支持部40Aと、第2の支持部40Bが設けられている。第1の支持部40Aと第2の支持部40Bは、互いに異なる向きに移動することが好ましい。
【0056】
支持部40は、保持部20が長尺物60Aを保持した状態で移動する際、邪魔にならないよう載置面10に対して上側または下側に退避することもできる。なお、図1において、支持部40を載置面10から最も退避させた状態の位置を点線で示している。以降の図面においても同様である。
【0057】
図1図2に示すように、方向調整部30は、第1の棒状部材であり、支持部40は、第2の棒状部材であることが好ましい。これにより、第1の棒状部材を用いて長尺物60Aと60Bどうしを確実に解しつつ、第2の棒状部材を用いて長尺物60Aを確実に支持することができる。
【0058】
第1の棒状部材と第2の棒状部材としては、例えば、中実または中空状に形成された棒状部材を用いることができる。第1の棒状部材と第2の棒状部材の形状や構成材料は、それぞれ同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0059】
第1の棒状部材と第2の棒状部材の長手方向と垂直な断面形状は特に限定されないが、円形状、長円形状、多角形状、またはこれらの組み合わせとすることができる。
【0060】
図示していないが、方向調整部30と支持部40は互いに接続されていてもよい。例えば、載置面10よりも下側で方向調整部30と支持部40が接続されていてもよい。その場合、方向調整部30と支持部40がいずれも第2の搬送部に接続されていることが好ましい。これにより、方向調整部30と支持部40を同時に動かすことができる。第2の搬送部は、第1の搬送部51と同様の構成とすることができる。
【0061】
図1図2では、載置部5としての板材6に方向調整部30の少なくとも一部を収容するための貫通口7と、支持部40の少なくとも一部を収容するための貫通口8が設けられている。図示していないが、貫通口に代えて、載置部5の表面に凹部が設けられていてもよい。
【0062】
支持部40は、方向調整部30よりも上側に配置されていることが好ましい。このように支持部40と方向調整部30の位置関係を設定することにより、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制しながら、長尺物60Aを支持しやすくなる。
【0063】
図1図2では、載置面10が水平面50に対して傾斜しており、方向調整部30は載置面10と垂直な方向に延びている棒状に形成されている。方向調整部30は、水平方向xにおいて保持部20の両側に対応する位置に設けられている。詳細には、第1の方向調整部30Aが保持部20よりも長尺物60の長手方向pの一方端64(第1端)側に設けられており、第2の方向調整部30Aが保持部20よりも長尺物60Aの長手方向pの他方端65(第2端)側に設けられている。このように方向調整部30を設けることで、長尺物60Aと60Bの絡まりを解すことができる。
【0064】
図示していないが、方向調整部30は水平方向xにおいて、保持部20の片側に対応する位置のみに設けられていてもよい。このように方向調整部30を設けることによっても、長尺物60Aと60Bの絡まりを解すことができる。例えば、保持部20が長尺物60Aの中間部63のうち一方側部61に近い位置を保持する態様においては、長尺物60Aの他方側部62は一方側部61に比べて長尺物60Bと絡まりやすくなる。その場合、方向調整部30が長尺物60Aの他方側部62と重なる範囲を移動することによって、他方側部62の長尺物60Bとの絡まりを解きやすくなる。
【0065】
図1図2では、載置面10が水平面50に対して傾斜しており、支持部40は載置面10と垂直な方向に延びている棒状に形成されている。支持部40は、載置面10上であって、水平方向xにおいて保持部20の両側に対応する位置に設けられている。詳細には、第1の支持部40Aが、載置面10上であって、保持部20よりも長尺物60の長手方向pの一方端64(第1端)側に設けられており、第2の支持部40Bが、載置面10上であって、保持部20よりも長尺物60の長手方向pの他方端65(第2端)側に設けられている。このため、自重で垂れ下がる長尺物60Aの一方側部61と他方側部62を支持部40で支持しやすくなる。その結果、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができ、長尺物60Aを次工程に搬送しやすくなる。
【0066】
図示していないが、支持部40は水平方向xにおいて、保持部20の片側に対応する位置のみに設けられていてもよい。このように支持部40を設けることによっても、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。例えば、保持部20が長尺物60Aの中間部63のうち一方側部61に近い位置を保持する態様においては、支持部40で長尺物60Aの他方側部62を支持することでも、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。
【0067】
支持部40は、長尺物60を補助的に支持する目的で設けられている。このため、支持部40は少なくとも保持部20から離れる方向に移動すればよい。他方、方向調整部30は、長尺物60Aと60Bの絡まりを解く目的で設けられている。このため、方向調整部30は、保持部20から離れる方向と、保持部20に近づく方向に往復移動することが好ましい。
【0068】
方向調整部30と支持部40は個別に移動してもよく、方向調整部30の移動に伴って支持部40が移動してもよい。方向調整部30と支持部40の移動速度は同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、方向調整部30が、支持部40よりも早く移動するように構成されていてもよい。
【0069】
図2では、第1の方向調整部30Aは、水平方向xにおいて保持部20よりも長尺物60の長手方向pの一方側部61側を移動するように構成されている。また、第2の方向調整部30Bは、水平方向xにおいて保持部20よりも長尺物60の長手方向pの他方側部62側を移動するように構成されている。
【0070】
水平方向xにおいて、保持部20の一方端から第1の方向調整部30Aの第1位置36までの距離は、保持部20の他方端から第2の方向調整部30Bの第1位置36までの距離は同じであることが好ましい。これにより、長手方向pの一方側部61と他方側部62において、長尺物60A、60Bどうしの絡まりを同程度に解くことができる。
【0071】
図1図2では、方向調整部30と支持部40はそれぞれ長尺物60の長手方向pに平行な水平方向xのみに移動するように構成されている。つまり、方向調整部30と支持部40は、保持部20から離れる方向に向かって移動しても、上下方向zの位置も、長尺物60の長手方向pと上下方向zの双方と垂直な方向yの位置も変化していない。このように方向調整部30の移動方向を制限しても長尺物60Aと60Bの絡まりを解くことができる。また、このように支持部40の移動方向を制限しても長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。
【0072】
支持部40は、方向調整部30と平行に移動することが好ましい。これにより、方向調整部30と支持部40の干渉を避けながら、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。
【0073】
図示していないが、方向調整部30を水平方向xにおいて保持部20に最も近づくように移動させたときの位置を第3位置、支持部40を水平方向xにおいて保持部20に最も近づくように移動させたときの位置を第4位置とする。水平方向xにおいて、第3位置は第4位置よりも保持部から離れていることが好ましい。このように方向調整部30と支持部40の移動範囲を設定することで、方向調整部30の移動範囲を制限することができるため、方向調整部30の移動時間を短縮することができる。なお、水平方向xにおいて、第3位置と第4位置が同じ位置にあってもよい。
【0074】
方向調整部30や支持部40は、水平方向xにおいて保持部20と重なる位置には移動しないように構成されていることが好ましい。このように方向調整部30や支持部40の移動範囲を制限することにより、保持部20による長尺物60の保持操作を円滑に行うことができる。
【0075】
水平方向xにおいて、第1位置36は、長尺物60の長手方向pの一方端64よりも外側、または他方端65よりも外側に位置していることが好ましい。このように第1位置36を設定することで、長尺物60の長手方向pの全体にわたって長尺物60A、60Bどうしの絡まりを解くことができる。
【0076】
水平方向xにおいて、第2位置46は、長尺物60の一方側部61と他方側部62の少なくともいずれか一方に位置していることが好ましく、長尺物60の長手方向pの一方端64よりも中間部63側、または他方端65よりも中間部63側に位置していることがより好ましい。このように第2位置46を設定することで、支持部40で長尺物60を確実に支持することができる。
【0077】
システム100には、図1に示すように上側に入口56a、下側に出口56bが設けられている角筒状に形成されており、出口56bの開口面積が入口56aに比べて小さくなっているシューター56が設けられていてもよい。保持部20で保持された長尺物60Aは、シューター56内に入れられる。長尺物60Aがシューター56を通過することで、例えば次工程のコンベア57上の所望の位置に長尺物を搬送することができる。
【0078】
保持部20により保持された長尺物60Aがシューター56内に確実に投入されるように、シューター56の入口の上方にはガイド58が設けられていてもよい。ガイド58は、水平面50に対して傾斜している面58aを有していることが好ましい。
【0079】
図3は、図2に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図4は、図3に示した搬送装置1の側面図である。図3図4に示した搬送装置1が、図1図2に示した搬送装置1と異なる点は、方向調整部30と支持部40が同一直線上を移動する点である。その他の点は、図1図2に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0080】
図3図4に示すように、支持部40は水平方向xにおいて方向調整部30と同一直線上を移動するものであってもよい。すなわち、第1方向35と第2方向45が同一の方向であってもよい。このように方向調整部30と支持部40を配置することによっても長尺物60Aと60Bの絡まりを解くことができる。また、第1の方向調整部30Aと第2の方向調整部30Bは同じ高さとなる位置で移動することとなるため、長尺物60A、60Bの一方側部61と他方側部62をほぼ同じタイミングで解すことができる。
【0081】
図3図4では、支持部40の第2位置46が、方向調整部30が水平方向xにおいて最も保持部20に近づく位置よりも長尺物60の長手方向pの端部側に位置している。つまり、方向調整部30の移動範囲は、支持部40の移動範囲と重なっていない。このように移動範囲を設定することで、方向調整部30と支持部40の干渉を抑制することができる。
【0082】
図示していないが、方向調整部30の移動範囲は、支持部40の移動範囲と重なっていてもよい。これにより、方向調整部30および支持部40の移動距離を増やすことができる。このため、方向調整部30による長尺物60Aと60Bの絡まりを解く効果や、支持部40による長尺物60Aの支持効果を高めることができる。
【0083】
図3では、載置部5としての板材6に方向調整部30の少なくとも一部と支持部40の少なくとも一部を収容するための貫通口9が設けられている。このように方向調整部30を収容するための貫通口が、支持部40を収容するための貫通口を兼ねていてもよい。
【0084】
図5は、図2に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図6は、図5に示した搬送装置1の側面図である。図5図6に示した搬送装置1が、図1図2に示した搬送装置1と異なる点は、支持部40が長尺物60の長手方向pに平行な水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動する点である。その他の点は、図1図2に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0085】
図5図6において、支持部40は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分に加えて、水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能である。このような方向には、載置面10に垂直な方向が含まれる。詳細には、支持部40は、載置面10の第1傾斜面11に沿って移動するように構成されている。支持部40が水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能であることにより、支持部40で支持された長尺物60Aを載置部5から遠ざけることができる。このため、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。
【0086】
支持部40は、保持部20から離れる方向に向かって下側から上側に移動することが好ましい。支持部40が上下方向zに移動することによって、保持部20で保持されている長尺物60Aは長手方向pの端部側に向かって下側から上側に持ち上げられる。このため、垂れ下がりやすい長尺物60Aと保持待ちの長尺物60Bの端部どうしの再度の絡まりを抑制する効果を高めることができる。
【0087】
支持部40は、保持部20から離れる方向に向かって下側から上側に移動し、方向調整部30は、保持部20から離れる方向に向かって水平方向xに対して垂直な垂直方向yの位置が変化しないことが好ましい。これにより、方向調整部30による長尺物60Aと60Bの絡まりを解く効果や、支持部40による長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制する効果を高めることができる。
【0088】
第2方向45は、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向xに対して、3度以上傾斜していることが好ましく、5度以上傾斜していることがより好ましく、10度以上傾斜していることがさらに好ましい。このように支持部40の移動方向を設定することで、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりの抑制効果を得ることができる。また、支持部40の第2方向45は、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向xに対して、45度以下傾斜していることが好ましく、40度以下傾斜していることがより好ましく、35度以下傾斜していることがさらに好ましい。このように支持部40の移動方向を設定することで、長尺物60の長手方向pの中間部63側から端部側に向かって広範囲を支持しやすくなる。
【0089】
図7は、図5に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図8は、図7に示した搬送装置1の側面図である。図7図8に示した搬送装置1が、図5図6に示した搬送装置1と異なる点は、方向調整部30と支持部40がそれぞれ上下方向zに延びている棒状に形成されている点である。その他の点は、図5図6に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0090】
図7図8では、載置面10が水平面50に対して傾斜しており、方向調整部30と支持部40はそれぞれ上下方向zに延在している。その結果、載置面10の第1傾斜面11と支持部40または方向調整部30によって形成される空間が狭くなっている。このため、長尺物60Aは、載置面10と支持部40により、図5図6に示した態様と比べて上側に持ち上げられやすくなる。その結果、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制する効果を高めることができる。図示していないが、載置面10が水平面50に対して傾斜しており、方向調整部30は載置面10と垂直な方向に延在しており、支持部40が上下方向zに延在していてもよい。
【0091】
図9は、図7に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図10は、図9に示した搬送装置1の側面図である。図9図10に示した搬送装置1が、図7図8に示した搬送装置1と異なる点は、方向調整部30が水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能な点である。その他の点は、図7図8に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0092】
図9図10において、方向調整部30は、長尺物60の長手方向pに平行な水平方向成分に加えて、水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能である。方向調整部30は、載置面10の第1傾斜面11に沿って移動するように構成されている。方向調整部30が水平方向xに対して垂直な垂直方向成分を含む方向に移動可能であることにより、長尺物60Aと60Bを離すことができる。
【0093】
図9図10に示すように、方向調整部30は、保持部20から離れる方向に向かって上側から下側に移動することが好ましい。このように方向調整部30が移動することによって、長尺物60Bの長手方向pの端部側を下側に押し付けることができる。その結果、長尺物60Aと60Bの絡まりを解きやすくなる。
【0094】
第1方向35は、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向xに対して、3度以上傾斜していることが好ましく、5度以上傾斜していることがより好ましく、10度以上傾斜していることがさらに好ましい。このように方向調整部30の移動方向を設定することで、長尺物60Aと60Bの絡まりを解きやすくなる。また、方向調整部30の第1方向35は、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向xに対して、45度以下傾斜していることが好ましく、40度以下傾斜していることがより好ましく、35度以下傾斜していることがさらに好ましい。このように方向調整部30の移動方向を設定することで、支持部40の移動を阻害しにくくなる。
【0095】
図11は、図5に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図12は、図11に示した搬送装置1の側面図である。図11図12に示した搬送装置1が、図5図6に示した搬送装置1と異なる点は、載置面10が水平面50と平行であり、方向調整部30と支持部40がそれぞれ上下方向zに延在している点である。その他の点は、図5図6に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0096】
図11図12では、保持部20の吸引口25で長尺物60を吸引し、保持部20を載置面10に沿って移動させることにより、長尺物60を引きずるように移動させることができる。載置面10は傾斜していないため、長尺物60の長手方向pの端部は垂れ下がりにくい。しかし、保持部20は長尺物60の中間部63を保持しているため、長尺物60の可撓性が大きいと、長尺物60を搬送する際に保持部20で保持されている部分よりも長手方向pの端部側が遅れて搬送される。この場合も長尺物60Aと60Bの絡まりが懸念される。このため、載置面10が水平面50と平行である態様でも方向調整部30と支持部40が設けられていることが好ましい。
【0097】
図11図12では、方向調整部30が保持部20から離れる方向に向かって移動しても、方向調整部30は上下方向zの位置も、長尺物60の長手方向pと上下方向zの双方と垂直な方向yの位置も変化していない。他方、支持部40が保持部20から離れる方向に向かって移動すると、上下方向zの位置は変化していないが、載置面10と平行であって長尺物60の長手方向pと垂直な方向に移動している。このように支持部40の移動方向を設定することにより、長尺物60の長手方向pの端部が支持されるため、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりの抑制効果を高めることができる。
【0098】
図13は、図5に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図14は、図13に示した搬送装置1の側面図である。図13図14に示した搬送装置1が、図5図6に示した搬送装置1と異なる点は、載置面10が水平面50と平行であり、方向調整部30と支持部40がそれぞれ長尺物60の長手方向pと上下方向zの双方に垂直な方向に延在している点である。その他の点は、図5図6に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0099】
図13図14では、保持部20は、載置部5で長尺物60Aを保持し、長尺物60Aを保持した状態で上側に移動する。このとき、保持部20で保持されている長尺物60Aの長手方向pの端部側は自重により垂れ下がる。この垂れ下がりの程度は、保持部20で保持されている長尺物60Aが傾斜面で支持されている態様(図1図10に示した態様)に比べて大きくなる。このため、保持部20で保持された長尺物60Aが真上に持ち上げられる態様でも方向調整部30と支持部40が設けられていることが好ましい。
【0100】
図13図14では、方向調整部30は、保持部20から離れる方向に向かって移動しても、上下方向zの位置も、長尺物60の長手方向pと上下方向zの双方と垂直な方向yの位置も変化していない。他方、支持部40は、保持部20から離れる方向に向かって下側から上側に移動する。このように支持部40の移動方向を設定することにより、垂れ下がりやすい長尺物60Aの長手方向pの端部側を上側に持ち上げることができる。このため、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりの抑制効果を高めることができる。
【0101】
図15は、図2に示した搬送装置1の変形例を示す斜視図である。図16は、図15に示した搬送装置1の側面図である。図15図16に示した搬送装置1が、図1図2に示した搬送装置1と異なる点は、方向調整部30と支持部40が同じ部材に設けられている点である。その他の点は、図1図2に示した搬送装置1と同様の構成である。
【0102】
図15図16では、搬送装置1が、一方端71と他方端72を有し、水平方向xに移動可能な板状部材70を有している。支持部40は、水平方向xにおいて板状部材70の保持部20に近い側の一方端部73である。方向調整部30は、水平方向xにおける板状部材70の他方端部74である。保持部20から離れるように板状部材70を移動させると、板状部材70の一方端部73は長尺物60Aに接触しやすくなり、板状部材70の他方端部74は長尺物60Bに接触しやすくなる。このため、板状部材70は方向調整部30と支持部40の両方を備えた部材として機能するため、板状部材70を移動させることで長尺物60Aと60Bの絡まりを抑制する効果を得ることができる。
【0103】
板状部材70は、例えば樹脂または金属あるいはこれらの複合材料を板状に形成することにより作製することができるが、樹脂から構成されていることが好ましい。板状部材70は、平板状であってよく、少なくとも一部が湾曲または屈曲していてもよい。図示していないが、板状部材70は、断面L字状や断面V字状に形成されていてもよい。
【0104】
図15図16では、板状部材70が平板状に形成されている。この場合、板状部材70の一方端71から他方端72に向かう方向が、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向において保持部20から離れる方向に向かって、載置部5から離れるように延在していることが好ましい。これにより、板状部材70が方向調整部30と支持部40の両方の機能を発揮しやすくなる。
【0105】
図15図16に示すように、載置面10が水平面50に対して傾斜している場合には、板状部材70の一方端71から他方端72に向かう方向が、長尺物60の長手方向pと平行な水平方向xにおいて保持部20から離れる方向に向かって上側から下側に延在していることが好ましい。このように板状部材70を配置することで、方向調整部30と支持部40の両方の機能がより一層発揮される。
【0106】
2.長尺物の搬送装置の作動方法
本発明は、長尺物60の搬送装置1の作動方法も提供する。以下では、作動方法の各ステップについて説明する。
【0107】
まず、長尺物60の搬送装置1を準備する(ステップS1)。搬送装置1は、載置部5と、保持部20と、方向調整部30と、支持部40とを有している。載置部5は、複数の長尺物60を載置する載置面10を有している。保持部20は、載置面10よりも上側に設けられている。方向調整部30は、載置面10よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第1方向35に所定範囲で移動可能であり、長尺物60の延在方向を調整する。支持部40は、載置面10よりも上側に設けられ、水平方向成分を含む第2方向45に所定範囲で移動可能であり、長尺物60を支持する。支持部40が水平方向において保持部20から最も離れるように移動したときの第2位置46が、方向調整部30が水平方向において保持部20から最も離れるように移動したときの第1位置36よりも保持部20側に位置している。その他、搬送装置1の具体的構成については「1.長尺物の搬送装置」の説明を参照することができる。
【0108】
搬送装置1の載置部5には、複数の長尺物60が載置される(ステップS2)。載置部5への長尺物60の載置は、図示しない供給装置を用いて行ってもよく、作業者が行ってもよい。載置される長尺物60の本数は特に限定されないが、例えば100本以上1000本以下を載置することができる
【0109】
保持部20が長尺物60の長手方向pを一方側部61と他方側部62とその間の中間部63に三等分割したときの中間部63を保持して載置部5から長尺物60を取り出す(ステップS3)。このとき、保持部20は1本の長尺物60の中間部63を保持してもよく、複数本の長尺物60の中間部63をまとめて保持してもよい。
【0110】
保持部20が長尺物60を保持している状態で、方向調整部30が移動する(ステップS4)。これにより、保持部20で長尺物60を保持する際に、保持部20で保持している長尺物60Aと保持待ちの長尺物60Bとの絡まりを解すことができる。
【0111】
ステップS4において、保持部20が長尺物60を保持し、下側から上側に移動している状態で、方向調整部30が移動することが好ましい。このように方向調整部30を動かすことで、長尺物60Aと60Bの絡まりを解くことができる。
【0112】
ステップS4において、方向調整部30の移動方向や移動範囲は「1.長尺物の搬送装置」の説明を参照することができる。
【0113】
ステップS4において、保持部20が長尺物60を保持する前から、方向調整部30が第1方向35に移動する工程を開始してもよい。これにより、保持部20による保持の初期段階から長尺物60Aと60Bの絡まりを解くことができる。
【0114】
ステップS4において保持部20が、長尺物60を保持した後に、方向調整部30が第1方向35に移動する工程を開始してもよい。これにより、保持部20で長尺物60を保持する際に、保持部20と方向調整部30の干渉を抑制することができる。また、方向調整部30と保持対象の長尺物60の接触に起因した長尺物60の位置ずれを抑制することもできる。
【0115】
保持部20が長尺物60を保持している状態で、支持部40が移動する(ステップS5)。これにより、長尺物60Aの一方側部61と他方側部62を支持部40で支持することができる。その結果、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができ、長尺物60Aを次工程に搬送しやすくなる。
【0116】
ステップS5において、保持部20が長尺物60を保持し且つ上下方向zに移動している状態で支持部40が移動することが好ましい。このように支持部40を動かすことで、長尺物60Aと60Bの再度の絡まりを抑制することができる。
【0117】
ステップS5において、支持部40の移動方向や移動範囲は「1.長尺物の搬送装置」の説明を参照することができる。
【0118】
方向調整部30が第1方向35に移動する工程の後、支持部40が第2方向45に移動する工程を行うことが好ましい(ステップS6)。すなわち、方向調整部30が第1方向35に移動し、方向調整部30が停止した後、支持部40が第2方向45に移動する工程を行うことが好ましい。支持部40による支持に先立ち、方向調整部30によって長尺物60Aと60Bの絡まりを一定程度解消することができる。
【0119】
方向調整部30が第1方向35に移動する工程が終わる前に、支持部40が第2方向45に移動する工程を開始してもよい(ステップS7)。このように方向調整部30と支持部40が移動する時間を重複させることにより、長尺物60Aと60Bの絡まりを解消するために要する時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0120】
1:長尺物の搬送装置
5:載置部
6:板材
7、8、9:貫通口
10:載置面
11:第1傾斜面
12:第2傾斜面
20:保持部
25:吸引口
30:方向調整部
30A:第1の方向調整部
30B:第2の方向調整部
35:第1方向
36:第1位置
40:支持部
40A:第1の支持部
40B:第2の支持部
45:第2方向
46:第2位置
50:水平面
51:搬送部
52:レール
53:フレーム
56:シューター
57:コンベア
58:ガイド
60:長尺物
61:一方側部
62:他方側部
63:中間部
70:板状部材
100:システム
p:長尺物の長手方向
q:載置面の傾斜方向
x:水平方向
y:長尺物の長手方向と上下方向の双方と垂直な方向
z:上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16