(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】飲料流体注出ヘッド及びシステム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A47J31/46
(21)【出願番号】P 2020530561
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(86)【国際出願番号】 NL2018050822
(87)【国際公開番号】W WO2019112434
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-12-03
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ブルインズマ,ロダン エンネ
(72)【発明者】
【氏名】ノールトハイス,ヨエケ
(72)【発明者】
【氏名】デ フリント,ヨハネス ロヒール
(72)【発明者】
【氏名】フェーンストラ,タイス イェレ
(72)【発明者】
【氏名】デ グラーフ,ヘルブラント クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ニコラス アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウッタル,ハリソン ロイド
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-508057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0258261(US,A1)
【文献】特表2006-512947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134188(US,A1)
【文献】特開2017-006674(JP,A)
【文献】特表2014-522684(JP,A)
【文献】特開2005-078552(JP,A)
【文献】特開2005-192801(JP,A)
【文献】特開2010-142342(JP,A)
【文献】米国特許第06012379(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング
(3)と、
前記ハウジング
(3)の内部に少なくとも部分的に配置された流体トラック
(5)であって、前記流体トラック
(5)は、
飲料装置からコーヒーなどの飲料流体を受け入れるように配置された入口チャネル
(7)と、
前記入口チャネル
(7)に流体接続された、前記入口チャネル
(7)から前記飲料流体を受け入れるための収集チャンバ
(11)と、
少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)と、
を備える、流体トラック
(5)と、
を備え、
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)は、前記収集チャンバ
(11)から前記飲料流体を受け入れるために前記収集チャンバ
(11)に流体接続されている、飲料流体注出ヘッドにおいて、
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)の下流部分は、舌状のフローガイド
(17)として形成されており、前記舌状のフローガイドは、使用中に、前記受け入れた飲料流体を案内し、前記受け入れた飲料流体を注出のために一体流体ビームの形態で前記舌状のフローガイド
(17)から送り出すために下方に向けられており、
前記舌状のフローガイド
(17)は第1の流体案内表面
(23)を有し
、前記第1の流体案内表面(23)は、第1の水平断面(A-A)で見たときに、凹状であり、それによって内向きの曲率を形成する、
前記舌状のフローガイド
(17)は、前記第1の流体案内表面
(23)の下流で結合する第1の直立縁部
(8)と第2の直立縁部
(10)とを有し、前記2つの直立縁部
(8、10)は第2の流体案内表面
(24)を形成し、
前記第2の流体案内表面(24)は、凸状であり、それによって外向きの膨らみを形成し、前記第1の流体案内表面
(23)は、前記第2の流体案内表面
(24)内に入れ子にされている、
前記飲料流体注出ヘッド。
【請求項2】
前記舌状のフローガイド
(17)は、使用中に、飲料流体を流量の範囲A内の平均流量で受け入れるように配置されており、流量の前記範囲Aは、0.4~6mL/秒である、請求項1に記載の注出ヘッド。
【請求項3】
前記2つの直立縁部
(8、10)は、前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)に向かって少なくとも部分的に先細る、請求項1又は2に記載の注出ヘッド。
【請求項4】
前記
2つの直立縁部
(8、10)のそれぞれは、前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)に向かって傾斜が付けられている又はねじれている、請求項1
又は2
に記載の注出ヘッド。
【請求項5】
前記
2つの直立縁部
(8、10)は、前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)に向かって収束する、請求項1
又は2のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項6】
前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)は、単一の先端として形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項7】
前記第1の流体案内表面
(23)は、前記舌状のフローガイド
(17)の飲料流体案内面
(22)上の一点
(26)に収束し、前記一点
(26)は、前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)の上流である、請求項
1~6のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項8】
前記2つの直立縁部
(8、10)のそれぞれは、前記舌状のフローガイド
(17)の長さに沿って延び、少なくとも部分的に、前記第1の流体案内表面
(23)に対して非垂直方向に延びる、請求項1~
7のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項9】
前記ハウジング
(3)は、前記ハウジング
(3)の底部内に少なくとも1つの開口部
(16、18)を備え、前記少なくとも1つの舌状のフローガイド
(17)は、前記少なくとも1つの開口部
(16、18)を通って延び、前記少なくとも1つの開口部
(16、18)と前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)との間の最短距離は、3~15mmである、請求項1~
8のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項10】
前記第1の流体案内表面
(23)は、垂直から0~10度の角度で終端する、請求項
1~9のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項11】
前記第2の流体案内表面
(24)は、垂直から0~10度の角度で終端する、請求項
1~6のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)は、前記舌状のフローガイド
(17)と一体である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項13】
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)の一部は、前記舌状のフローガイド
(17)に向かって下向きの曲率を有するシュートとして形成されており、前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)は、前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)の流れの方向を横断する前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)の断面において湾曲している、請求項1~
12のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項14】
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)は、第1の流量制限部
(25)を備え、前記第1の流量制限部
(25)は、第1の通過流開口部
(27)を備える、請求項1~
13のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項15】
前記第1の流量制限部
(25)は、流れの方向を横断して延びる第1の直立壁であり、接近する飲料流体流に面す
る第1の直立分離壁の外部表面は、垂直から2~5度の角度をなし、前記第1の通過流開口部
(27)の輪郭の少なくとも一部分は、前記直立壁の少なくとも一部分によって画定される、請求項
14に記載の注出ヘッド。
【請求項16】
前記第1の通過流開口部
(27)は、2.0~6.0mmの範囲内の幅を有するスリット形状である、請求項15に記載の注出ヘッド。
【請求項17】
前記少なくとも1つの出口チャネル
(13、15)は、第2の流量制限部
(43)を備え、前記第2の流量制限部
(43)は、通過流開口部
(45)を備え、前記第2の流量制限部
(43)は、前記第1の流量制限部
(25)の下流に配置されている、請求項
14~
16のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項18】
前記第2の流量制限部
(43)は、流れの方向を横断して延びる第2の直立壁であり
、前記第2の流量制限部(43)の前記通過流開口部
(45)は、2.0~6.0mmの範囲内の幅を有するスリット形状である、請求項
17に記載の注出ヘッド。
【請求項19】
前記舌状のフローガイド
(17)は、更なる流量制限部
(37)を備え、前記更なる流量制限部
(37)は、更なる通過流開口部
(39)を備える、請求項1~
18のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項20】
前記更なる流量制限部
(37)は、流れの方向を横断して延びる更なる直立壁であり、前記更なる通過流開口部
(39)は、1.2~1.8mmの範囲内の幅を有するスリット形状である、請求項
19に記載の注出ヘッド。
【請求項21】
前記ハウジング
(3)は、前記ハウジング
(3)から下方に延びかつ前記舌状のフローガイド
(17)の周囲に配置されたスカート要素
(47)を備え、前記スカート要素
(47)は、前記舌状のフローガイド
(17)の遠位端
(21)の下まで延びる、請求項1~
20のいずれか一項に記載の注出ヘッド。
【請求項22】
前記スカート要素
(47)の内側表面と前記舌状のフローガイド
(17)とは、流体的に分離されるように離隔している、請求項
21に記載の注出ヘッド。
【請求項23】
請求項1~
22のいずれか一項に記載の注出ヘッドと、コーヒーなどの飲料流体を前記注出ヘッドに供給するための飲料調製ユニット
(33)とを有するコーヒー装置
(9)とのシステム。
【請求項24】
前記飲料調製ユニット
(33)は、コーヒーを大気圧よりも0.7~3バール高い圧力で淹出するためのコーヒーパッドを受け入れるように構成されており、又は前記飲料調製ユニット
(33)は、コーヒーを大気圧よりも1~20バール高い圧力で淹出するためのコーヒーカプセルを受け入れるように構成されている、請求項
23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料流体注出ヘッド、及び飲料装置とこのような注出ヘッドとのシステムに関する。注出ヘッドは、ハウジングと、流体トラックとを備える。流体トラックは、少なくとも部分的に、ハウジングの内部に配置されている。流体トラックは、飲料装置からコーヒーなどの飲料流体を受け入れるように配置された入口チャネルを備える。流体トラックは、入口に流体接続された、入口から飲料流体を受け入れるための収集チャンバを更に備える。流体トラックはまた、少なくとも1つの出口チャネルを備える。少なくとも1つの出口チャネルは、収集チャンバから飲料流体を受け入れるために収集チャンバに流体接続されている。
【背景技術】
【0002】
コーヒー装置などの既存の飲料装置では、飲料は飲料調製ユニットによって提供される。飲料は、一般に、注出ヘッドの少なくとも1つの出口チャネルを介して飲料容器に供給される。ポーション式の既存のエスプレッソ機器の飲料調製ユニットは、例えば、0.4~6mL/秒及びこれを超える流量でコーヒーを提供する。流れは、出口流の形態で少なくとも1つの出口チャネルを介して少なくとも1つの飲料容器に送り出される。通常、流れ出口流は、飲料容器内に15cmよりも長い距離にわたって送り出されない。既存の飲料装置では、各種30~100mLの飲料は、一般に、10~45秒の注出期間にわたって注出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
課題は、既存の飲料装置では、流れの一部が滴に崩壊することなどにより流れの一部の途絶が生じるために、不連続な出口流になることがあることである。連続性とは、出口流の流体ビームとしての一体的性質と解釈される。飲料が完全に注出される前の、その長さの任意の部分にわたる流体ビームの崩壊は、不連続とみなされる。出口からの出口流の送り出しの停止などの注出中の任意の他の形態の途絶もまた、不連続とみなされる。既存の装置では、出口チャネルの幾何学的形状は、2mL/秒未満などの低い流量を有する出口流が不連続になり得るようなものである。不連続な出口流は、飲料に悪影響を及ぼす可能性があり、使用者にとって望ましくないものと受け取られる場合がある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、注出ヘッド、並びに0.4~6mL、好ましくは0.5~6mL/秒などの低い流量で出口流が不連続になることを防止する、このような注出ヘッドと飲料装置とを有するシステムを提案することである。
【0005】
この目的のために、本発明は、添付の特許請求の範囲の1つ以上に定義される飲料流体注出ヘッド及びシステムを提供する。当該システムは、コーヒー、ミルク、チョコレート、茶、又は水を作るのに適し得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、少なくとも1つの出口チャネルの下流部分が舌状のフローガイドとして形成されていることを特徴とする飲料流体注出ヘッドが提供される。舌状部分は、伸ばしたヒトの舌に類似し得る。舌は、より特に、流体流を案内するための上面を備えるシュートと解釈することができ、上面は、流体流の方向の第1の表面曲率と、第1の表面曲率に直交する第2の表面曲率とを少なくとも備え、第1の表面曲率は凸状であり、第2の表面曲率は凹状であり、シュートの下流端部は先端を形成してもよい。舌状のフローガイドは、使用中に、受け入れた飲料流体を案内し、受け入れた飲料流体を注出のために一体流体ビームの形態で舌状のフローガイドから送り出すために下方に向けられている。
【0007】
任意選択的に、ハウジングと流体トラックは、別個の部品から形成されている。これにより、製造活動が簡略化される。より好ましくは、部品は、注出ヘッドを組み立てて形成するのに適している。このため、注出ヘッドは、注出ヘッド全体を交換することなく流体トラックの交換を可能にするモジュール構造を有する。したがって、保守費用が低減される。
【0008】
任意選択的に、フローガイドは、使用中に、飲料流体を流量の範囲内の平均流量で受け入れるように構成されている。ここでの平均流量は、その注出時間にわたる飲料の体積を、出口チャネルの数で除したものと理解され得る。流量の範囲は、0.4~6mL/秒、好ましくは0.5~6mL/秒、より好ましくは0.5~2mL/秒である。この利点は、飲料容器内における衝突領域が小さい細い流体ビームを形成することができることである。これにより、突入泡(plunge bubbles)の望ましくない形成及び注出された飲料上に形成され得る泡の層から色が落ちることを防止する。
【0009】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の直立縁部及び第2の直立縁部を有する。直立縁部は共に、舌状のフローガイドの遠位端に向かって少なくとも部分的に先細る。先細りは、舌状のフローガイドの遠位端に向かう直立縁部の幅の減少として解釈できると理解され得る。任意選択的に、順方向の舌の全幅もまた、舌状のフローガイドの遠位端に向かって減少してもよい。
【0010】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の直立縁部及び第2の直立縁部を有する。直立縁部のそれぞれは、舌状のフローガイドの遠位端に向かって傾斜を付けられていることができる又はねじれていることができる。この利点は、これにより、直立壁が上流流体流を空気の移動などの環境的影響から遮蔽するので、通過流体の乱れが低減されることである。
【0011】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の直立縁部及び第2の直立縁部を有する。直立縁部は、舌状のフローガイドの遠位端に向かって収束することができる。舌状のフローガイドのこの遠位端は、単一の先端として形成され得る。この利点は、これにより、流れが一点に集まることを可能にすることである。
【0012】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の水平断面で見たときに凹状である第1の流体案内表面を有し、好ましくは、第1の流体案内表面の水平曲率中にただ1つの最小値を有する。ここでの凹状は、第1の流体案内表面の内向きの曲率を示すものと理解され得る。この利点は、これにより、出口流がそれが射出される境界面で滴を形成することを防止する又は少なくとも実質的に低減することである。
【0013】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の流体案内表面の下流で結合する第1の直立縁部と第2の直立縁部とを有する。直立縁部は、凸状である第2の流体案内表面を形成することができる。ここでの凸状は、第2の流体案内表面の外向きの膨らみを示すものと理解され得る。凸状形状は、目的の使用中に、舌状部分の下流端部の裏面が濡れることを可能にする。これは、出口流が舌状部分から射出される角度に影響し得る。任意選択的に、第1の流体案内表面は、第2の流体案内表面内に入れ子にされている。
【0014】
任意選択的に、第1の流体案内表面は、舌状のフローガイドの飲料流体案内面上の一点に収束する。この一点は、舌状のフローガイドの遠位端の上流である。これにより、予収束した流体流が、流れとして注出するために舌状のフローガイドの遠位端に到達することを可能にする。これにより、出口流の一部の液滴への崩壊につながるおそれのある流れの乱れを低減する。
【0015】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、第1の直立縁部及び第2の直立縁部を有する。直立縁部のそれぞれは、舌状のフローガイドの長さに沿って延び、少なくとも部分的に、第1の流体案内表面に対して非垂直方向に延びる。この利点は、舌状のフローガイド上の流体流を環境的影響から遮蔽することができることである。
【0016】
任意選択的に、ハウジングは、ハウジングの底部内に少なくとも1つの開口部を備える。少なくとも1つの舌状のフローガイドは、少なくとも1つの開口部を通って延びる。少なくとも1つの開口部と舌状のフローガイドの遠位端との間の最短距離は、3~15mm、好ましくは5~11mm、より好ましくは5mmである。開口部は、ハウジングの底部内の開口部縁部によって画定され得る。開口部縁部は、距離測定を行うことができる表面を包囲する。
【0017】
任意選択的に、第1の流体案内表面は、順方向に、垂直から0~10度、好ましくは0度の角度で終端する。この利点は、順方向又は非垂直速度成分を出口流に導入することができることである。このような速度成分は、流れの狙いを定めるために、又は飲料流体と部分的に舌状のフローガイドとの間の表面相互作用効果によって導入されるような反対の速度成分を相殺するために使用され得る。
【0018】
任意選択的に、第2の流体案内表面は、順方向の反対などに、垂直から0~10度の角度で終端する。この利点は、これにより、表面相互作用による出口流の前進速度を低減できることである。
【0019】
任意選択的に、少なくとも1つの出口チャネルは、舌状のフローガイドと一体である。この利点は、これにより、構成要素間の相互作用を防ぎ、出口流の乱れを低減することである。
【0020】
任意選択的に、少なくとも1つの出口チャネルの一部は、舌状のフローガイドに向かって下向きの曲率を有するシュートとして形成されている。少なくとも1つの出口チャネルは、好ましくはまた、少なくとも1つの出口チャネルの流れの方向を横断する少なくとも1つの出口チャネルの断面において湾曲している。
【0021】
任意選択的に、少なくとも1つの出口チャネルは、第1の流量制限部を備える。第1の流量制限部は、第1の通過流開口部を備える。この利点は、これにより、分配部が、飲料を静止させて乱れを低減するための緩衝領域として機能することを可能にし、注出時間にわたる流量の変動を少なくすることを可能にすることである。任意選択的に、少なくとも1つの出口チャネルは、第1及び第2の出口チャネルを備える。これにより更に、別個のカップへの並行注出を可能にする。この場合、第1の流量制限部は、出口チャネルにわたる飲料のより均等な分配を可能にする。
【0022】
任意選択的に、第1の流量制限部は、流れの方向を横断して延びる第1の直立壁であり、好ましくは、接近する飲料流体流に面する第1の直立分離壁の外部表面は、垂直から2~5度の角度をなし、好ましくは、第1の通過流開口部の輪郭の少なくとも一部分は、第1の流量制限部によって画定される。これにより、複数の出口チャネルにわたる飲料のより均等な分配が可能になる。別の利点は、これにより、流体流の乱れが低減されることである。
【0023】
任意選択的に、第1の通過流開口部は、2.0~6.0mmの範囲内の幅を有するスリット形状であり、好ましくは、第1のトラフ流開口部は、第1の流量制限部の底縁部から上向きに延び、より好ましくは、第1の通過流開口部は、第1の流量制限部の上縁部まで延びる。これにより、収集チャンバ内での飲料流体の滞留時間が長くなり、飲料流体の乱れが低減され、複数の出口チャネルにわたる飲料のより均等な分配を可能にできる。より好ましくは、第1の通過流開口部の幅は、幅2.0~3.0mmから幅5.0~6.0mmまで上向き方向に増加する。この利点は、これにより、流れ抵抗が飲料流の流量に対して直線的に増加することを防止し、目詰まりの影響を防止することである。
【0024】
任意選択的に、少なくとも1つの出口チャネルは、第2の流量制限部を備え、第2の流量制限部は、通過流開口部を備え、第2の流量制限部は、好ましくは、第1の流量制限部の下流に配置されている。この利点は、出口流の乱れを低減するなどのために、第1の流量制限部のオーバーフローを出口チャネル内で緩衝させることができることである。
【0025】
任意選択的に、第2の流量制限部は、流れの方向を横断して延びる第2の直立壁であり、接近する飲料流体流に面する第2の直立分離壁の外部表面は、好ましくは垂直から2~5度の角度をなし、好ましくは、第2の通過流開口部の輪郭の少なくとも一部分は、第2の流量制限部によって画定される。任意選択的に、第2の通過流開口部は、2.0~6.0mmの範囲内の幅を有するスリット形状であり、好ましくは、第2のトラフ流開口部は、第2の流量制限部の底縁部から上向きに延び、より好ましくは、通過流開口部は、第2の流量制限部の上縁部まで延びる。更により好ましくは、第1の通過流開口部の幅は、幅2.0~3.0mmから幅5.0~6.0mmまで上向き方向に増加する。
【0026】
任意選択的に、舌状のフローガイドは、更なる流量制限部を備え、更なる流量制限部は、更なる通過流開口部を備える。これにより、出口チャネルを通る流体流の順方向又は非垂直速度を低減することが可能になる。これにより、出口流が舌状のフローガイドからアーチ状になることを防止する。
【0027】
任意選択的に、更なる流量制限部は、流れの方向を横断して延びる更なる直立壁である。接近する飲料流体流に面する更なる直立分離壁の外部表面は、任意選択的に、垂直から0~10度の角度をなす。任意選択的に、更なる通過流開口部は、1.2~1.8mmの範囲内の幅を有するスリット形状である。好ましくは、更なる通過流開口部の輪郭の少なくとも一部分は、更なる流量制限部によって画定される。任意選択的に、更なるトラフ流開口部は、更なる流量制限部の底縁部から上向きに延び、より好ましくは、通過流開口部は、更なる流量制限部の上縁部まで延びる。
【0028】
任意選択的に、ハウジングは、ハウジングから外向きに延び、舌状のフローガイドの周囲に配置されている直立縁部などによって形成されたスカート要素を備える。好ましくは、スカート要素は、舌状のフローガイドの遠位端の下まで延びる。この利点は、舌状のフローガイドが外部の影響から保護されることである。好ましくは、スカートは、ハウジングと一体であり、かつ同じ材料で作製されている。
【0029】
任意選択的に、スカート要素の内側表面と舌状のフローガイドとは、例えば流体的に分離されるように離隔している。好ましくは、舌状のフローガイドの長さに沿って延びる縁部は、フローガイドからスカート要素に飲料流体が偶発的に伝わることを防ぐために、スカート要素から最小距離だけ離隔している。この利点は、これにより、注出中に流体ビームの方向が突然、繰り返し変化することが防止されることである。これら突然の変化は、フローガイドからスカート要素に流体が伝わる際に起こり得る。
【0030】
本発明の更なる態様によれば、システムが提供される。システムは、本発明による注出ヘッドと、コーヒーなどの飲料流体を注出ヘッドに供給するための飲料調製ユニットを有するコーヒー装置とを備える。
【0031】
任意選択的に、飲料調製ユニットは、コーヒーを大気圧よりも約0.7~3バール高い圧力で淹出するためのコーヒーパッドを受け入れるように構成されており、又は飲料調製ユニットは、コーヒーを大気圧よりも約1~20バール高い圧力で淹出するためのコーヒーカプセルを受け入れるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本発明による飲料流体注出ヘッドの正面図を示す。
【
図1B】本発明による飲料流体注出ヘッドの側面図を示す。
【
図1C】本発明による飲料流体注出ヘッドの頂面図を示す。
【
図4】本発明による飲料注出ヘッドを有するシステムの概略図を示す。
【
図5A】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの正面図を示す。
【
図5B】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの側面図を示す。
【
図5C】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの頂面図を示す。
【
図6A】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの正面図を示す。
【
図6B】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの側面図を示す。
【
図6C】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの頂面図を示す。
【
図7】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの詳細斜視図を示す。
【
図8】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの詳細斜視図を示す。
【
図10】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの詳細斜視図を示す。
【
図11】本発明による別の飲料流体注出ヘッドの詳細斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1A~
図1Cは、本発明による飲料流体注出ヘッド1のそれぞれ正面図、側面図、及び頂面図を示す。注出ヘッド1は、ハウジング3及び流体トラック5を備える。ハウジング3は、PE、PET、HDPE、LDPE、PP、POM、及び他のポリマータイプ、又はこれらのブレンドなどの頑丈なプラスチック材料で作製され得る。流体トラック5もまた、このようなプラスチック材料で作製され得る。流体トラック5は、注出ヘッド1の頂面図を示す
図1Cに示される。流体トラック5は、ハウジング3の内部に配置されている。ハウジング3と流体トラック5は、別個の部品として形成されていることが好ましい。しかしながら、代替的に、ハウジング3と流体トラック5はまた、一体部品として形成されてもよい。流体トラック5は、飲料装置9(
図4に示される)からコーヒーなどの飲料流体を受け入れるように配置された入口チャネル7を備える。流体トラック5は、入口チャネル7に流体接続された、入口チャネル7から飲料流体を受け入れるための収集チャンバ11を更に備える。流体は収集チャンバ11から分配することができる。流体トラック5は更にまた、第1の出口チャネル13及び第2の出口チャネル15などの少なくとも1つの出口チャネルを備える。各出口チャネル13、15は、収集チャンバ11から飲料流体を受け入れるために収集チャンバ11に流体接続されている。各出口チャネル13、15は、ハウジング3を通って外側に延びることができる。一例では、ハウジングは、各出口チャネル13、15のための開口部16、18を備えることができる。出口チャネル13、15のそれぞれは、その下流端部に舌状のフローガイド17を備え、舌状のフローガイド17は、飲料流体を案内し、飲料流体を注出するためにそこから飲料容器(図示しないが慣例的である)などに送り出すためのものである。各出口チャネル13、15の舌状のフローガイド17がハウジング3の底部20を貫通して下方に、外に延びることができるように、ハウジング3はその底部20内に開口部16、18を備えることができる。底部内の各開口部16、18は、底部20内の開口部縁部14によって画定され得る。舌状のフローガイド17は、伸ばしたヒトの舌に類似し得る。
図1A~
図1Cによる舌状のフローガイド17の詳細斜視図が、
図3Aに示される。
図1Aに示される、開口部16、18と対応する舌状のフローガイド17の遠位端21との間の最短距離Aは5mmである。しかしながら、これはまた、3~15mmの範囲内、又はより好ましくは、5~11mmの範囲内とすることができる。舌状のフローガイド17は、第1及び第2の直立縁部8、10を有する。2つの直立縁部8、10は共に、舌状のフローガイド17の遠位端21に向かって少なくとも部分的に先細る。この先細りは、直立縁部8、10の幅Wが舌状のフローガイド17の遠位端21に向かって減少することで認められ得る。直立縁部8、10は、舌状のフローガイド17の遠位端21に向かって収束することができる。舌状のフローガイド17の遠位端21は、単一の先端として形成され得る。舌状のフローガイド17は、
図3Aに示される第1の水平断面A-Aで見たときに凹状である第1の流体案内表面23を有する。好ましくは、任意の水平断面で見たときに、流体案内表面23は、その水平曲率中にただ1つの最小値を有する。直立縁部8、10と第1の水平表面との間の移行は滑らかであり得る。第1と第2の直立縁部8、10は、第1の流体案内表面23の下流で結合することができ、好ましくは、舌状のフローガイド17の遠位端21を形成している。直立縁部8、10はまた、第1の水平断面から下流の、
図3Bに示される第2の水平断面B-Bなどで見たときに凸状である第2の流体案内表面24を形成することができる。好ましくは、
図3Aから分かるように、第1の流体案内表面23は、第2の流体案内表面24内に入れ子にされている。第1の流体案内表面23は、舌状のフローガイド17の飲料流体案内面22上の一点26に収束することができる。この一点26は、舌状のフローガイド17の遠位端21の上流である。第1の流体案内表面23は、順方向Fなどに、垂直から0~10度、好ましくは0度の角度で、下流で終端することができる。第2の流体案内表面は、順方向Fの反対などに、垂直から0~10度の角度で下流で終端する。
【0034】
図2は、
図1A~
図1Cによる注出ヘッド1の詳細斜視図を示す。好ましくは、流体トラック5及びハウジング3は、PET、HDPE、LDPE、PS、POM、若しくはPP、又は任意の他の食品用ポリマー若しくは食品用ポリマーの複合体などの食品用プラスチックで形成されている。流体トラック5及びハウジング3は熱成形され得る。任意選択的に、流体トラック5とハウジング3は、共通の構造によって一体形成されている。代替的に、流体トラック5とハウジング3は、互いに接続されて注出ヘッド1を形成することができる別個の構造体である。
図3Aに示される舌状のフローガイド17は、そのそれぞれの出口チャネル13、15と一体である。第1及び第2の出口チャネル13、15のそれぞれの一部は、舌状のフローガイド17に向かって下向きの曲率を有するシュート30として形成されている。出口チャネル13、15のそれぞれはまた、好ましくは、その中の飲料流体の流れの方向を横断するその断面において湾曲している。流体トラック5内のコーヒーなどの飲料流体は、重力の影響下でのみ流れる。出口チャネル13、15のそれぞれは、第1の流量制限部25を備え、第1の流量制限部は第1の通過流開口部27を備える。第1の流量制限部25は流体トラック5と一体とすることができる。第1の流量制限部25は、対応する出口チャネル13、15内の流れの方向を横断して延びる第1の直立壁であり得る。目的の使用においては、接近する飲料流体流に面する第1の直立分離壁の外部表面は、垂直から2~5度の角度をなす。第1の通過流開口部27の輪郭は、第1の通過流開口部27が1.2~1.8mmの範囲内の幅を有するスリット形状であるように、第1の流量制限部25によって画定される。第1の通過流開口部27の幅は、上向き方向に増加する。第1のトラフ流開口部27は更に、第1の流量制限部の底縁部から第1の流量制限部の上縁部まで上向きに延びることが分かる。
【0035】
図4は、コーヒー又は温水などの飲料流体を注出ヘッド1に供給するための飲料調製ユニット33を有するコーヒー装置9を備えるシステム100の概略図を示す。特に、コーヒー装置9は、入口チャネル7に飲料流体を供給するように構成されている。この目的のために、飲料調製ユニット33と注出ヘッド1とは流体接続される。飲料調製ユニット9は、コーヒーを大気圧よりも約0.7~3バール高い圧力で淹出するためのコーヒーパッドを受け入れるように構成することができる、又は飲料調製ユニットは、コーヒーを大気圧よりも約1~20バール高い圧力で淹出するためのコーヒーカプセルを受け入れるように構成されている。この目的のために、飲料調製マシン9は、コーヒーマシンの従来の構成要素を備えることができる。注出ヘッド1とコーヒー装置9は、互いに取り外し可能に接続されるように構成されてもよい。飲料調製マシン9は、注出のために所定の時間量動作するように構成された時間制御式飲料調製マシンとすることができる。
【0036】
図5A~
図5Cは、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1’の別の実施形態の正面図、側面図、及び頂面図を示す。前述の図及び
図5A~
図5Cでは、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図5A~
図5Cの注出ヘッド1’との間の違いのみが論じられる。この実施形態では、直立縁部8、10のそれぞれは、舌状のフローガイド17の遠位端21に向かって傾斜が付けられている又はねじれている。直立縁部8、10のそれぞれは、舌状のフローガイド17の長さに沿って延び、少なくとも部分的に、第1の流体案内表面23に対して順方向Fなどの非垂直方向に延びる。第2の流体案内表面24は、直立縁部8、10によって形成されない。
【0037】
図6A~
図6Cは、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1”の別の実施形態の正面図、側面図、及び頂面図を示す。前述の図及び
図6A~
図6Cでは、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図6A~
図6Cの注出ヘッド1”との間の違いのみが論じられる。この実施形態では、直立縁部8、10のそれぞれは、舌状のフローガイド17の長さに沿って延び、少なくとも部分的に、第1の流体案内表面23に対して順方向Fなどの非垂直方向に延びる。第2の流体案内表面24は、直立縁部8、10によって形成されない。第1の流体案内表面は、水平断面において実質的にV字形になり得る。開口部16、18と舌状のフローガイド21の遠位端との間の最短距離Aは11mmである。
【0038】
図7は、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1’’’の別の実施形態の斜視図を示す。前述の図及び
図7では、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図7の注出ヘッド1’’’との間の違いのみが論じられる。この実施形態では、出口チャネル13、15のそれぞれは、更なる流量制限部37を備えることができる。更なる流量制限部37は、更なる通過流開口部39を備える。更なる流量制限部37は、それぞれの出口チャネル13、15内の流れの方向を横断して延びる更なる直立壁であり得る。好ましくは、接近する飲料流体流に面する更なる直立分離壁の外部表面は、垂直から0~10度の角度をなす。更なる通過流開口部39は、1.2~1.8mmの範囲内の幅を有するスリット形状である。更なる通過流開口部の幅は、上向き方向に増加する。更なるトラフ流開口部は、更なる流量制限部37の底縁部から上向きに延び得る。通過流開口部39はまた、更なる流量制限部37の上縁部に延びてもよい。第1の流体案内表面23はその下流端部に凹部41を備えてもよい。第2の流体案内表面24は、直立縁部8、10によって形成されない。
【0039】
図8は、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1’’’’の別の実施形態の斜視図を示す。前述の図及び
図8では、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図8の注出ヘッド1’’’’との間の違いのみが論じられる。この実施形態では、出口チャネル13、15のそれぞれは、第2の流量制限部43を備えることができる。第2の流量制限部43は、通過流開口部45を備えることができる。第2の流量制限部43は、第1の流量制限部25の下流に配置され得る。第2の流量制限部43は、更なる流量制限部37の可能性を排除しない。第2の流量制限部43は、それぞれの出口チャネル内の流れの方向を横断して延びる第2の直立壁であり得る。接近する飲料流体流に面する第2の直立分離壁の外部表面は、垂直から2~5度の角度をなすことができる。第2の通過流開口部の輪郭は、第2の通過流開口部が1.2~1.8mmの範囲内の幅を有するスリット形状であり得るように、第2の流量制限部によって画定される。第2のトラフ流開口部は、第2の流量制限部の底縁部から上向きに延び得る。第2の通過流開口部の幅は、上向き方向に増加する。通過流開口部は、第2の流量制限部43の上縁部に延び得る。第2の流量制限部は、任意の前述の実施形態と組み合わせることができる。
【0040】
図9は、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1の使用を反映した試験結果のグラフを示す。この試験では、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1を使用して60mLのコーヒー飲料を注出した。飲料は、注出中の出口流が5~15cmとなるように、飲料注出ヘッドの真下に置かれた飲料容器内に注出した。y軸の左側に、飲料を注出した秒数を示す。y軸の右側に、各出口流の流量を示す。実験は、記号◇で表される。注出中に滴下を示した実験には「X」の印を付けた。
【0041】
図10は、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1’’’’’の別の実施形態の斜視図を示す。前述の図及び
図10では、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図10の注出ヘッド1’’’’’との間の違いのみが論じられる。
図10では、第1の流量制限部25は、第1の通過流開口部27がスリット形状であるように、第1の通過流開口部27の輪郭を画定し、第1の通過流開口部27の幅は、第1の幅2.5mmから第2の幅5.4mmまで上向き方向に増加する。同様に、第2の通過流開口部45及び/又は更なる通過流開口部39もまた、スリット形状として画定してもよく、第1の通過流開口部27の幅は、第1の幅2.5mmから第2の幅5.4mmまで上向き方向に増加する。
【0042】
図11及び
図12は、
図1A~
図1Cによる飲料装置の注出ヘッド1’’’’’’の別の実施形態の斜視図を示す。前述の図並びに
図11及び
図12では、対応する要素は同じ参照番号で示される。以下、
図1A~
図1Cの注出ヘッド1と
図11及び
図12の注出ヘッド1’’’’’’との間の違いのみが論じられる。
図11では、ハウジング3は、ハウジング3と一体である直立縁部49によって形成されたスカート要素47を備える。スカート要素は、各舌状のフローガイド17の周囲に設けられ、ハウジング3から、そのそれぞれの舌状のフローガイド17の遠位端21の下まで下方に延びる。より特に、スカート要素47は、ハウジング30の底部20内に開口部16、18の輪郭を画定し、これを通って舌状のフローガイド17が延びる。
【0043】
注出ヘッド1’’’’’’の部分断面図も提供する
図12では、スカート要素47の内側表面と舌状のフローガイド17とが、例えば流体的に分離されるように離隔していることが分かる。舌状のフローガイド17の長さに沿って延びる直立縁部8、10のそれぞれは更にまた、フローガイド17からスカート要素47に飲料流体が偶発的に伝わることを防ぐために、スカート要素47から最小距離51だけ離隔している。本発明は、上記で参照した実施形態に限定されるものではない。出口チャネル13、15のそれぞれに関連する特徴について述べる場合、少なくとも1つの出口チャネルにも適用可能であると解釈することができる。明瞭性及び簡潔な説明を目的として、本明細書では同じ又は別個の実施形態の一部として特徴を説明しているが、本発明の範囲には、本出願の全体を通して説明した特徴の全て又は一部の組み合わせを有する実施形態が含まれ得ることが理解されよう。本発明が本明細書に記載されているいかなる実施形態にも限定されず、添付の特許請求の範囲内であると考えられ得る修正が可能であることは当業者には明らかであろう。当業者の意図の範囲内での追加、削除、及び修正は、一般に、特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよい。