IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-毛髪改質組成物およびその方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】毛髪改質組成物およびその方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20231102BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231102BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20231102BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20231102BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/34
A61K8/39
A61Q5/04
A61Q5/12
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020555439
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019026868
(87)【国際公開番号】W WO2019200027
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】62/656,665
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】カディル, ムラット
(72)【発明者】
【氏名】リー, ウィング ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ルピュール, キャロル エー.
(72)【発明者】
【氏名】シャビエル, ジーン
(72)【発明者】
【氏名】アスカル, ナルジス エー.
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502395(JP,A)
【文献】特開2015-093851(JP,A)
【文献】特開2001-220321(JP,A)
【文献】特表2016-507528(JP,A)
【文献】特開2002-060326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪繊維を成形するためのプロセスであって、
a)組成物で毛髪繊維をコーティングすることであって、前記組成物は、
a)プロピレンカーボネートと、
b)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択されるグリコールと、
c)化粧品的に許容される担体と、を含み、
ここで、成分a)+成分b)の量は、前記組成物の総重量に基づいて、16~35重量%の範囲であり、そして
ここで、成分a)/成分b)の重量比は、0.3~3.5の範囲である、
組成物で毛髪繊維をコーティングすることと、
b)前記組成物が前記毛髪繊維に浸透するのに十分な浸漬時間、前記組成物が前記毛髪繊維に接触することを可能にすることと、
c)前記毛髪繊維を所望の構成になるよう改質するのに十分な時間、前記コーティングされた繊維に少なくとも150℃の熱を加えることと、を含む、プロセス。
【請求項2】
毛髪繊維を成形するためのプロセスであって、
a)組成物で毛髪繊維をコーティングすることであって、前記組成物は、
a)プロピレンカーボネートと、
b)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択されるグリコールと、
c)化粧品的に許容される担体と、を含み、
ここで、成分a)+成分b)の量は、前記組成物の総重量に基づいて、16~35重量%の範囲であり、そして
ここで、成分a)/成分b)の重量比は、0.3~3.5の範囲である、
組成物で毛髪繊維をコーティングすることと、
b)前記組成物が前記毛髪繊維に浸透するのに十分な浸漬時間、前記組成物が前記毛髪繊維に接触することを可能にすることと、
c)前記コーティングされた毛髪繊維を少なくとも150℃の温度で加熱器具と接触させ、前記加熱器具を用いて前記毛髪繊維を所望の構成になるよう機械的に成形することと、を含む、プロセス。
【請求項3】
前記グリコールは、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択される、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記グリコールはプロピレングリコールである、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記グリコールは1,3-プロパンジオールである、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記組成物は、pH調整剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記組成物は、酸性化剤、アルカリ化剤、およびそれらの混合物から選択されるpH調整剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記組成物は、有機酸から選択される酸性化剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記組成物は、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、安息香酸、ベンジル酸、およびそれらの混合物から選択される有機酸をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記組成物は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ砂ナトリウム(ホウ砂)、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ドデシルアミン、コカミン、オレアミン、モルホリン、トリアミルアミン、トリエチルアミン、テトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、L-アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、およびPEG-15コカミン、ならびにそれらの混合物をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記組成物は、コンディショニング剤をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記組成物は、カチオン性化合物、カチオン性ポリマー、炭化水素油、天然油、エステル油、合成ワックス、およびそれらの組み合わせから選択されるコンディショニング剤をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記組成物は、レオロジー調整剤をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記組成物は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記組成物は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがポリマーコーティングでコーティングされている、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記組成物は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがカチオン性ポリマーでコーティングされている、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記化粧品的に許容される担体は水である、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記組成物は染毛剤を含まない、請求項1~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記組成物は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオールおよびメルカプタン含有部分を含まない、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記組成物は、プロピレンカーボネート以外のアルキレンカーボネートを含まない、請求項1~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記組成物は、イミダゾリニウム、ピラゾリニウム、ピリジニウム、ピリミジウム、テトラ(C-C)アルキルホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウム、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、チオウロニウム、およびイソチオウロニウム化合物を含まない、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
ステップb)の前記浸漬時間は、少なくとも5分である、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
ステップb)の前記浸漬時間は、15分~60分の範囲である、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
ステップb)において、前記コーティングされた毛髪が、前記浸漬時間の間隔の間に30~120℃の範囲の温度に加熱される、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
毛髪を真直ぐにするために、前記毛髪繊維と接触している前記加熱器具が、前記毛髪繊維の根元から前記毛髪繊維の先端まで引っ張られる、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記毛髪繊維と接触している前記加熱器具が、少なくとも1cm/秒の滑り速度で前記毛髪繊維の根元から前記毛髪繊維の端まで引っ張られる、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記毛髪繊維と接触している前記加熱器具が、1cm/秒~15cm/秒の範囲の滑り速度で前記毛髪繊維の元から前記毛髪繊維の端まで引っ張られる、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記加熱器具は、150~250℃の範囲の温度である、請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3~27のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本技術は、毛髪繊維を改質するためのヘアケア組成物に関する。組成物は、プロピレンカーボネートと、プロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのグリコールとの特定の組み合わせを含む。本技術は、開示される組成物で毛髪をコーティングし、続いてコーティングされた毛髪繊維を加熱器具と接触させて毛髪を改質することにより、毛髪繊維を真直ぐにし、滑らかにし、調整し、かつ修復するために利用可能である。
【0002】
数回の洗浄の間、毛髪を改質された状態に維持することができる、毛髪を半永久的および永久的に改質するための様々な方法が利用可能である。永久的な処理方法の多くは、施術を行う側および受ける側に有害であり得るか、または不快な臭いを発する、刺激の強い化学薬品を使用する。これらの方法のいくつかは、ケラチンに存在するシスチンジスルフィド共有結合の切断に基づいている。ある方法では、ジスルフィド結合は、最初に還元剤で切断される。次いで、毛髪に張力がかかっている間に過酸化水素などの固定剤を塗布して、ジスルフィド結合を異なる配置で再構成する。過酸化物は、毛髪および頭皮に損傷を引き起こす可能性がある。他の方法は、第1のステップで水酸化物イオンを使用し、第2のステップでチオール基を使用する2段階プロセスで、ジスルフィド結合(-CH-S-S-CH-)をランチオニン結合(-CH-S-CH-)に置き換える水酸化物塩基を使用する。水酸化物はかなり高濃度で使用され、頭皮焼け、ならびに目および鼻の刺激または損傷を引き起こし得る。チオールは毛髪に不快な臭いを残し、毛髪繊維の劣化を招く場合がある。
【0003】
半永久的な方法は、毛髪が加熱されている間に架橋剤を使用して結合を形成する。例えば、ホルムアルデヒドは、組成物の成分として、または毛髪の加熱時に形成される反応生成物として、多くの市販の改質製品に使用されている。しかしながら、それは皮膚、目、および肺にアレルギー反応を引き起こす可能性があり、目に深刻な損傷を引き起こす可能性があり、かつ他の健康リスクをもたらす。毛髪用組成物中のホルムアルデヒドの使用は、一部の国では抑制または禁止されているが、その有効性のために依然として広く使用されている。尿素などの変性剤を含む弛緩作用のある組成物も提案されている。しかしながら、尿素は、水酸化物ベースの組成物よりは苛性ではないものの、熱による毛髪改質に使用される高温ではアンモニアおよび有毒なイソシアン酸に分解する可能性がある。
【0004】
毛髪の損傷が最小限である、半永久的なカールの減少および/または毛髪の形状変更の市場が成長傾向にある。これらの製品は、識別できるカールの減少、ならびに輝き、つや、滑らかさ、ボリュームの減少、および髪の感触を含むスタイリング特性の容易さによって、毛髪のスタイル構成に影響を与える。
【0005】
米国特許第3,966,903号は、(A)亜硫酸塩および亜硫酸水素塩含有化合物から選択される毛髪ウェーブ形成剤、および(B)プロピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートを含む少なくとも1つのウェーブ促進剤を含有する、毛髪ウェーブ形成(カール)組成物を開示している。ウェーブ促進剤は、亜硫酸塩または亜硫酸水素塩のウェーブ形成剤を毛髪のキューティクルに導入し、ウェーブ形成剤が毛髪ケラチンに浸透することを可能にすると言われている。実施例1に示されるように、開示されるウェーブ形成法は、処理される毛髪をカーリング器具(すなわち、ガラス棒)に巻き付け、巻き付けた毛髪を開示される毛髪ウェーブ形成組成物中に配置し、次いで、処理した毛髪を水ですすぐことを含む。加熱ステップは開示されていない。
【0006】
日本公開特許出願第JP2007-176796号は、縮毛を矯正するための組成物および方法に関する。この組成物は、(a)活性縮毛矯正化合物としてのイノシトールリン酸誘導体、および(b)エタノール溶媒を含有する。アルキレンカーボネート(例えば、プロピレンカーボネート)および1~8個の炭素原子を含む脂肪族多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール)を含む多数の毛髪浸透促進剤を、任意選択的に組成物に含めることができる。このプロセスは、予熱した縮毛矯正剤に毛髪を浸漬するか、または予熱した縮毛矯正剤を毛髪に塗布するか、または矯正剤に毛髪を浸漬する前に毛髪だけを加熱してもよいか、または加熱した毛髪に矯正剤を塗布する、任意選択的な加熱ステップを含む。開示される加熱技術は、ヘアアイロンを含む。全ての処理方法の温度は30~160℃の範囲である。
【0007】
米国公開特許出願第2008/0075681号は、永久的な毛髪成形のための組成物およびプロセスを開示している。この組成物は、(a)N-アルキル-2-メルカプトアセトアミド毛髪成形剤、(b)毛髪膨潤剤および浸透助剤、ならびに(c)水を含む。毛髪膨潤および浸透助剤は、トリメチレングリコール(1,3-プロパンジオール)、プロピレンカーボネートを含む化合物のリストから選択される。毛髪固定ポリマーおよびポリマー可塑剤などの多種多様な任意選択的な追加成分を、開示される組成物に配合することができる。開示されるポリマー可塑剤はプロピレングリコールである。開示される毛髪成形プロセスは、(i)毛髪を所望の形状にすることと、(ii)毛髪が所望の形状にされる前および/またはされた後に、開示される毛髪成形組成物を毛髪に塗布することと、(iii)毛髪を水ですすぐか、またはベタイン、クエン酸、乳酸および/もしくはグリコール酸を含有する中間処理剤を塗布することと、(iv)毛髪を酸化的に後処理することと、(v)毛髪を水ですすぎ、続いて染色することとを含む。
【0008】
米国公開特許出願第2008/0118455号は、(a)環状メルカプト含有化合物(例えば、2-メルカプトラクトン、2-メルカプトラクタム)を(b)アルキレンカーボネート希釈剤(例えば、エチレン炭酸エステル、プロピレンカーボネート)中に含む保存安定性の永久的毛髪ウェーブ形成組成物に関する。アルキレンカーボネートは、環状メルカプト化合物を分解に対して安定化すると言われている。任意選択的に、永久的毛髪ウェーブ形成組成物は、他のアルコールの中でも、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールなどの多価アルコールを含む他の添加剤を含み得る。実施例に開示されるウェーブ形成効率試験法(Kirby)以外の処理方法の一般的な開示はない。試験毛髪片をKirby試験装置に固定した後、30℃の例示的な毛髪ウェーブ形成組成物で試験片を10分間処理した後にすすいだ。
【0009】
フランス公開特許出願第FR 2978 038号は、ケラチン繊維を染色するためのステップに関連し、該ステップは、(i)前記ケラチン繊維に1つ以上のイオン性塩液を含む組成物を塗布する第1のステップ、次いで(ii)ケラチン繊維の加熱処理の第2のステップ、ならびに(iii)1つ以上の酸化染料および/または1つ以上の直接染料を含む1つ以上の化粧品組成物のケラチン繊維への塗布の第3のステップを含む。その開示に従って使用されるイオン液体塩は、好ましくはイミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、テトラアルキル(C-C)ホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウムカチオン、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、ウロニウム、チオウロニウムおよびイソチオウロニウムから選択される鉱物または有機カチオンを有する。液体イオン組成物は、任意選択的に、プロピレンカーボネートおよびプロピレングリコールを含む無数の有機化合物から選択される溶媒を含む。ステップb)の間、ケラチン繊維は50~200℃の範囲の温度で加熱される。加熱は、ヘアドライヤー、ヘルメット、ホットアイロン、例えば、ストレートナー、カーリングアイロン、ケーキ、またはウェイバーなどの従来の加熱手段によって実行することができる。加熱ステップは、1回以上行うことができる。
【0010】
国際公開特許出願第WO2013/125053号は、ケラチン繊維を染色するための染毛組成物およびプロセスを開示している。組成物組成物は、(a)1つ以上の天然染毛剤と、(b)25℃および大気圧で液体である有機溶媒を含む無数の任意選択的な構成成分とを含有する。開示される有機溶媒は、C3-C10ポリオールと、25℃で15MPa11/2未満のハンセン溶解度パラメータ(δH)を有するアルキレンカーボネートとを含む。さらに、組成物は、その開示で定義されるもの(例えば、プロピレングリコール)とは異なるハンセン溶解度パラメータ(δH)を有する少なくとも1つの有機溶媒を含み得る。
【0011】
染毛プロセスは、(i)開示される染毛組成物を、染色されるケラチン繊維に塗布することと、(ii)処理されたケラチン繊維を閉塞空間に配置することと、(iii)閉塞空間で処理された繊維を50~250℃の範囲の温度に加熱することとを含む。いわゆる閉塞空間は、処理されたケラチン繊維を、隆起したまたは可撓性のフィルムまたはシートを含む少なくとも1つのコーティング手段でコーティングすることによって形成されてもよい。加熱ステップは、熱風、熱蒸気、高周波誘導、マイクロ波、赤外線、レーザー、およびフラッシュランプ手段によって達成される。一実施形態において、所望の髪型を提供するために、カーラー、ローラー、クリップ、プレート、またはアイロンによる機械的張力が、処理されたケラチン繊維に塗布され得る。
【0012】
国際公開特許出願第WO2013/144263号は、ヒトケラチン繊維を処理するための化粧品組成物およびプロセスに関する。開示される組成物は、(a)(全組成物の量に基づいて)40重量%を超える量で組成物中に存在する1つ以上の非シリコーン脂肪物質、(b)微粒子無機増粘剤、および任意選択的に(C)C-Cアルコール;プロピレングリコールおよびポリオールエーテルなどのポリオール;ならびにプロピレンカーボネートから選択される1つ以上の有機溶媒を含む。その開示によるプロセスは、化粧品組成物の塗布後、加熱アイロンによって毛髪を60~250℃の範囲の温度に加熱するステップを含む。
【0013】
国際公開特許出願第WO2015/094760号は、炭酸エステル配合物を使用してケラチン繊維を成形するための組成物および方法を記載している。開示される配合物は、(a)4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(プロピレンカーボネート)を含む炭酸エステル、(b)糖または還元糖、および(c)化粧品的に許容される担体を含有する。開示される化粧品的に許容される担体は、水溶液系および水性アルコール系を含む。開示されるアルコールは、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、およびそれらの混合物を含む。その開示による方法は、(i)成形組成物を毛髪に塗布することと、(ii)成形組成物を所望の時間髪に残すことを可能にすることと、(iii)加熱された毛髪器具を用いて50~250℃の温度で、処理された毛髪を所望の構成になるよう機械的に成形することとを含む。
【0014】
米国公開特許出願第2016/0367462号は、化粧品活性成分がケラチンにより良好に浸透することを可能にする液体イオン組成物を提供することによる、ケラチン材料の化粧品処理のための方法に関する。その方法は、(i)有機カチオンAを含む第1の水溶性イオン液体Aを含有する組成物の塗布、およびii)アニオンBを含む水溶性塩Bを含む組成物の塗布を含み、アニオンBは、第1のイオン液体Aとのイオン交換により第2の疎水性イオン液体Aを形成する。開示されたカチオンAは、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、テトラ(C-C)アルキルホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウム、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、ウロニウム、チオウロニウムおよびイソチオウロニウムカチオンから選択される。液体イオン組成物は、任意選択的に、プロピレンカーボネートおよびプロピレングリコールを含む無数の有機化合物から選択される溶媒を含む。毛髪に塗布される場合、この方法は、150~250℃の範囲の温度での熱処理ステップを含み得る。
【0015】
米国特許第9,872,824号は、半永久的な縮毛矯正のための組成物および方法を開示している。この組成物は、エチレンカーボネートおよび/またはプロピレンカーボネートを含むアルキレンカーボネート縮毛矯正組成物を開示している。組成物は、アルキレンカーボネートが可溶性または分散性である溶媒または希釈剤をさらに含み得る。開示される溶媒は、水、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリン)などのジオールおよびトリオール、ポリオール、ならびにこれらの混合物を含む、C-C10脂肪族および芳香族アルコールである。この特許は、活性アルキレンカーボネート縮毛矯正剤が、全組成物の重量に基づいて、5~95重量%の範囲の量で組成物中に存在し得ることを示している。しかしながら、開示される配合物に含まれる溶媒または希釈剤の量に関する特定の開示はない。開示される毛髪処理方法は、真直ぐにされるべき毛髪繊維を毛髪処理組成物でコーティングし、続いて少なくとも150℃の温度でフラットアイロン矯正を行うことを伴う。
【0016】
エチレンカーボネート配合物(表3)およびエチレンカーボネート/プロピレンカーボネートの90/10~50/50(重量/重量)の組み合わせを含有する配合物(表4)で処理した毛束は、多数回の洗浄サイクルの後に高温のフラットアイロン矯正後の矯正効果を維持したが、プロピレンカーボネート配合物で処理した後に同様のフラットアイロンに曝露された毛髪の房は、3回の洗浄サイクルの後でもカールしていた(表5)。
【0017】
前述の文書のいずれも、組成物が、毛髪および頭皮を損傷し、悪臭を発生させる可能性のある刺激の強い化学還元剤または酸化剤を含まない、毛髪改質組成物および方法を記載または企図していない。
驚くべきことに、本発明者らは、プロピレンカーボネートと、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物から選択されるグリコールとの特定の組み合わせを毛髪に塗布した後に、少なくとも150℃の温度の加熱器具で成形すると、処理された毛髪が複数回の洗浄サイクルの後、所望の構成を維持できることを発見した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】米国特許第3,966,903号明細書
【文献】特開2007-176796号公報
【文献】米国特許出願公開第2008/0075681号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0118455号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2978038号
【文献】国際公開第2013/125053号
【文献】国際公開第2013/144263号
【文献】国際公開第2015/094760号
【文献】米国特許出願公開第2016/0367462号明細書
【文献】米国特許第9,872,824号明細書
【発明の概要】
【0019】
本技術の例示的な実施形態の一態様によれば、毛髪を改質するための組成物およびプロセスが開示される。毛髪改質組成物は、
a)プロピレンカーボネートと、
b)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択されるグリコールと、
c)化粧品的に許容される担体と、を含み、
プロピレンカーボネート成分a)+グリコール成分b)の量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%の範囲であり、
組成物中のプロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5の範囲である。
【0020】
毛髪改質プロセスは、毛髪(ケラチン)繊維を毛髪改質組成物でコーティングし、コーティングされた毛髪繊維を少なくとも150℃の温度に十分な時間供して、ケラチン繊維を所望の構成になるよう改質することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】表1、2、3、および4に報告されている様々な形状のブラジル人タイプIIIの毛束の画像を示す。
【0022】
毛束Aは、自然な状態の未処理の毛髪である。
【0023】
毛束Bは、本技術の組成物およびプロセスによって処理した。図示される毛束は洗浄サイクルに供されていない。
【0024】
毛束Cは、本技術の組成物およびプロセスによって処理した。図示される毛束は、処理プロセスに続いて3回の洗浄サイクルに供された。
【0025】
毛束DおよびD’は、本技術のものではない比較組成物によって処理した。図示される毛束は、処理プロセスに続いて3回の洗浄サイクルに供された。
【0026】
毛束Eは、本技術のものではない比較組成物によって処理した。図示される毛束は3回の洗浄サイクルに供された。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の技術の全ての態様では、全てのパーセンテージは、全組成物の重量によって計算される。全ての比は、重量比として表される。別途指定のない限り、量の全ての数値範囲は包括的であり、かつ組み合わせることができる。
【0028】
「化粧品的に許容される」という用語は、本開示の技術について記載される組成物、配合物、または構成成分が、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応を引き起こすことなく、ヒトケラチン組織に接触するのに適していることを意味する。本明細書に記載の全ての組成物、配合物、構成成分および成分は、ケラチン組織に直接塗布されることを目的としており、化粧品的に許容されるものに限定されている。
【0029】
「実質的に含まない」という用語は、特定の成分または構成成分の1重量%未満、または0.1重量%未満、または0.01重量%未満を意味する。
【0030】
「含まない」という用語は、特定の成分または構成成分の0重量%を意味する。
【0031】
開示される組成物に含まれ得る様々な成分および構成成分の重複する重量範囲は、本開示の技術の選択された実施形態および態様について表されているが、開示される組成物中の各構成成分の量は、その開示される範囲から、組成物中の全ての成分または構成成分の合計が全部で100重量パーセントになるように選択される。用いられる量は、所望の製品の目的および特徴によって異なり、当業者によって容易に決定され得る。
【0032】
本明細書に開示されるように、ヘアケア組成物は、当該技術分野で既知の様々な従来の添加剤およびアジュバントを含み、それらのいくつかは、複数の機能を果たすことができる。例えば、特定の構成成分は、本明細書において皮膚軟化剤として記載され得るが、乳化剤、保湿剤などとしても機能することができる。
【0033】
本開示の技術のヘアケア組成物は、本明細書に記載される構成成分、要素、およびプロセス描写を適切に含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらからなり得る。本明細書に例示的に開示されている本開示の技術は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素の非存在下で適切に実施され得る。
【0034】
本明細書に記載の実施形態および態様は、明示的に組み合わせて例示されていないにもかかわらず、他の実施形態および/または態様と組み合わせることができる。
【0035】
本開示の技術の例示的な実施形態の態様は、毛髪改質組成物および使用方法に関する。一実施形態において、例示的な組成物は、a)プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物から選択されるグリコールと組み合わせたプロピレンカーボネート(4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン)、ならびにc)化粧品的に適切な担体を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。組成物中のプロピレンカーボネート成分およびグリコール成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲である。プロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である。
【0036】
一実施形態において、例示的な組成物は、a)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびそれらの混合物から選択されるグリコールと組み合わせたプロピレンカーボネート、ならびにc)化粧品的に適切な担体を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。組成物中のプロピレンカーボネート成分およびグリコール成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲である。プロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である。
【0037】
一実施形態において、例示的な組成物は、a)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびそれらの混合物から選択されるグリコールと組み合わせたプロピレンカーボネート、ならびにc)化粧品的に適切な担体を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。組成物中のプロピレンカーボネート成分およびグリコール成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲である。プロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である。
【0038】
一実施形態において、例示的な組成物は、a)プロピレンカーボネートと組み合わせたb)プロピレングリコール、およびc)化粧品的に適切な担体を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。組成物中のプロピレンカーボネート成分およびプロピレングリコール成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲である。プロピレンカーボネート成分/プロピレングリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である。
【0039】
一実施形態において、例示的な組成物は、a)プロピレンカーボネートと組み合わせたb)1,3-プロパンジオール、およびc)化粧品的に適切な担体を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。組成物中のプロピレンカーボネート成分および1,3-プロパンジオール成分の総量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲である。プロピレンカーボネート成分/1,3-ジオール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である。
【0040】
一実施形態において、ヘアケア組成物は、少なくとも2つの容器を含むキット形態で提供される。ヘアケア組成物の様々な構成成分は、2つ以上の容器に別々に包装することができ、容器の内容物が混合されると、ヘアケア組成物が提供される。容器の内容物を混合すると、ヘアケア組成物中のプロピレンカーボネート成分とグリコール成分の合計量は、組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲であり、前記ヘアケア組成物中のプロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.75~約2.5、または約1~約2の範囲である。任意選択的に、構成成分および混合されたヘアケア組成物の混合および適用の説明書がキットとともに提供され得る。キット中の組成物は、液体、クリーム、ムース、ゲル、ペースト、スプレーなどの形態であり得る。
【0041】
別の態様では、本開示の技術は、ヒトの毛髪などのケラチン繊維を改質するためのプロセスに関する。このプロセスは、ケラチン繊維を例示的な組成物と接触させて繊維をコーティングすることと、繊維が加熱されたときに改質をもたらすのに十分な時間、ケラチン繊維を組成物と接触した状態で維持することと、任意選択的に繊維を乾燥させて化粧品的に許容される担体成分の少なくとも一部を除去することとを含む。一実施形態において、例示的な組成物でコーティングされたケラチン繊維は、手持ち式ヘアドライヤー、ボンネットヘアドライヤー、赤外線ドライヤーなどの加熱デバイスで、約80~約250℃の範囲の温度で十分な時間加熱される。
【0042】
別の態様では、プロセスは、ケラチン繊維を本開示の技術の例示的な組成物と接触させて繊維をコーティングすることと、繊維が加熱されたときに改質をもたらすのに十分な時間(接触時間)、ケラチン繊維を組成物と接触した状態で維持することと、任意選択的に、繊維を乾燥させて化粧品的に許容される担体成分の少なくとも一部を除去することとを含む。例示的な組成物でコーティングされたケラチン繊維は、例えば、含水量に応じてある程度異なり得るガラス転移温度に到達することにより、ケラチン繊維を弛緩させるのに十分な時間、約150~約250℃、または約175~約240℃、または約200~約235℃、または約220~約230℃の範囲の温度まで加熱したフラットアイロンなどの加熱器具の表面と接触させられる。
【0043】
一態様では、加熱されたフラットアイロン器具が、機械的にウェーブを付けられるまたは真直ぐにされるコーティングされた毛髪の束を通して引っ張られる。加熱されたフラットアイロン器具に、コーティングされた毛束の毛髪の根元を配置し、根元から先端まで毛束の長さを通してフラットアイロンを引っ張り、毛髪を所望の構成になるよう機械的に成形する。一態様では、フラットアイロンは、少なくとも1回通過、または少なくとも2回通過、または少なくとも3回通過、または少なくとも5回通過、または1回通過~10回通過するように、毛束の根元から先端まで毛髪を通して引っ張られる。
【0044】
一態様では、コーティングされた束の長さを引き下げられるフラットアイロンの滑り速度は、少なくとも約1cm/秒、または少なくとも約2cm/秒、または少なくとも約3cm/秒、または少なくとも約4cm/秒、または少なくとも約5cm/秒であるか、または約1~約10cm/秒の範囲であり得る。
【0045】
上記の処理方法において、接触時間(浸漬時間とも称される)は、ケラチン繊維をコーティングしてからコーティングされたケラチン繊維を加熱し始めるまでの時間間隔である。一態様では、浸漬時間は、0分、または少なくとも1分、または少なくとも5分、または少なくとも10分、または少なくとも15分、または少なくとも20分、または少なくとも25分、または少なくとも30分、または少なくとも45分または少なくとも60分である。
【0046】
例示的な組成物は、熱を使用することによって優れた改質効果を付与するように毛髪に利用することができる。一態様では、処理方法は、最初に毛髪を組成物でコーティングすることを含む。これは、繊維を組成物でコーティングするために、例えば手袋を着用している間に、ブラシ、櫛、スポンジ、パッド、布、指などの任意の好適なアプリケータを用いて行われ得る。組成物は、前述のように、ヘアケア組成物剤が繊維に浸透するのに十分な接触期間(または浸漬時間)、毛髪と接触したままにされる。最適な接触時間は、活性ヘアケア剤(複数可)の濃度および加熱段階で毛髪に接触するために使用される加熱デバイスの温度などの要因に応じて変化し得る。毛髪と接触したままの組成物は、任意選択的に、毛髪繊維への組成物の浸透を向上させるために加熱下で塗布されてもよい。これは、ヘアドライヤー、赤外線ランプを含むがこれらに限定されない様々な方法で達成することができ、そのような温度は、30℃、50℃、55℃、90℃、100℃または120℃の範囲であり得る。
【0047】
塗布および好適な浸漬時間の後、本開示の技術のヘアケア剤を活性化するのに十分な温度、例えば、少なくとも150℃、または少なくとも190℃、または少なくとも200℃、または少なくとも205℃、または少なくとも210℃、かつ最大230℃もしくは最大225℃、または最大220℃を提供する加熱器具を用いて、熱が加えられる加熱デバイスは、毛髪の平滑化、毛髪のウェーブ化、毛髪のコンディショニング、毛髪の修復などの所望の改質を得るのに十分な時間、または縮毛矯正の場合、毛束の長さの少なくとも5%、もしくは少なくとも10%の増加を得るのに十分な時間、毛髪と接触した状態で保持される。時間は、毛髪の含水量、加熱デバイスの温度、ヘアケア剤の濃度などの多くの要因に依存するが、通常、毛髪の長さ1センチメートルごとに合計で少なくとも10秒、または少なくとも1~2分である。加熱デバイスの例として、フラットアイロンまたはラウンドアイロン、マイクロ波発生器、赤外線放射源が挙げられる。例えば、フラットアイロンまたはラウンドアイロンの場合、加熱デバイスは、例えば、電源により、少なくとも150℃、または少なくとも190℃、または少なくとも200℃、または少なくとも205℃、または少なくとも210℃、かつ最大250℃もしくは最大230℃、または最大225℃、または最大220℃の表面温度に上昇する少なくとも1つの(繊維と接触する)表面を有する。
【0048】
任意選択的に、ケラチン繊維の温度を上昇させるため、および/または加熱段階における環境への実質的な熱の放出を回避するために、改質組成物で処理した後、熱を加える前に、毛髪をある程度乾燥させることができる。例えば、部分乾燥は、ヘアドライヤーによるブロードライ、約80℃の温度での乾燥フード、自然乾燥、タオルによる拭き取りなどによって達成することができる。例えば、加熱器具で熱を加える前に、組成物の含水量を約2重量%など、10重量%以下まで減少させることができる。一般に、乾燥は、塗布されたヘアケア剤の少なくとも一部または全部を毛髪上に保持しながら溶媒を除去するために行われる。このため、例示的な実施形態において、塗布段階と加熱段階との間に毛髪は(例えば、水または他の水溶液で)すすがれない。
【0049】
毛髪に接触するアイロンの端部は、一般的に2つの平らな表面を有する。これらの平らな表面は、金属またはセラミックであり得る。それらは滑らかまたは刻み目付きであり得る。アイロンの適用は、数秒間隔の連続的なタッチによって、または毛束に沿って徐々に移動またはスライドさせることなどによって行われ得る。前述のように、例示的なプロセスにおけるアイロンの適用は、任意選択的に、上記の滑り速度および通過回数を用いて、根元から先端への連続的な移動によって行われる。
【0050】
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、高温のフラットアイロンが硬いα-ケラチンを軟化させて毛髪繊維を真直ぐにし、相乗的に、フラットアイロンによって与えられた熱がプロピレン/グリコールと毛髪繊維のアミン基との間の反応(例えば、架橋または他の改質反応)を活性化し、おそらくN,N’-二置換尿素結合をもたらすと考えられる。これにより、新しく形成された形状が固定される。
【0051】
上記の処理方法では、縮毛矯正改質は、一般に、くせ毛繊維の束が支持体から懸垂されたときに測定した場合、ケラチン繊維の平均長さの少なくとも5%または少なくとも10%の増加をもたらし、これは、少なくとも3回、または少なくとも5回、または少なくとも10回、または少なくとも20回の洗浄サイクルなどの数回の毛髪洗浄サイクル(シャンプーおよび髪の乾燥を含む)にわたって維持され得る。例示的なプロセスは、時間の経過とともに、真っ直ぐにされた繊維がそれらの元のカールした状態に戻り始めるという点で半永久的である。この方法は、極めて真直ぐな髪を形成するために使用できるが、半永久的なウェーブが作成されるプロセスにも使用できる。
【0052】
プロピレンカーボネートは、毒性が低く、加熱段階において有毒な副生成物を形成しないため、例示的な用途に特に適している。プロピレンカーボネートはまた、最大で約20重量%が室温(25℃)で水に高溶解性である。
【0053】
本明細書における使用に適したプロピレンカーボネートは、Wego Chemical Group,Great Neck,New YorkおよびSeidler Chemical Co.,Inc.,Newerk,New Jerseyを含む様々な供給源から市販されている。
【0054】
米国特許第2,873,282号は、アルキレンオキシドまたはその化合物を二酸化炭素と反応させることによってアルキレンカーボネートを製造する方法を記載している。米国特許第2,773,070号も、同様の方法を記載している。
【0055】
本明細書における使用に適したプロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールは、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから市販されている。
【0056】
本技術における使用に適した1,3-プロパンジオールは、Wego Chemical Group,Great Neck,New Yorkから市販されている。
【0057】
一態様では、バイオベースまたは再生可能に調達された1,3-プロパンジオールが本技術に用いられる。バイオベースの1,3-プロパンジオールは、DuPont Tate&Lyle Bio Products Company,LLC,Loudon Tennesseeから、SUSTERRAおよびZEMAの商標で市販されている。
【0058】
一実施形態において、組成物(および本明細書に記載の処理プロセス)は、ホルムアルデヒドを含まないか、または実質的に含まない。例示的な方法および組成物は、直接的に組成物中にも、または方法における任意のホルムアルデヒド源の反応によっても、ホルムアルデヒドを使用しない。同様に、組成物およびプロセスは、分解して刺激物を形成する可能性がある、グリオキシル酸、尿素、およびそれらの誘導体を含まないか、または実質的に含まない場合がある。
【0059】
一実施形態において、組成物(および本明細書に記載の処理プロセス)は、メルカプトまたはチオール基含有化合物を含まないか、または実質的に含まない。
【0060】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、亜硫酸塩および亜硫酸水素塩含有化合物を含まないか、または実質的に含まない。
【0061】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、染料前駆体、直接染料および酸化染料を含むがこれらに限定されない染毛剤を含まないか、または実質的に含まない。
【0062】
一実施形態において、組成物および方法は、イミダゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリミジニウム、テトラ(C-C)アルキルホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウム、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、ウロニウム、チオウロニウムおよびイソチオウロニウムカチオンを含まないか、または実質的に含まない。
【0063】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、糖および/または還元糖を含まないか、または実質的に含まない。
【0064】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、光触媒を含まないか、または実質的に含まない。
【0065】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、イノシトール、イノシトールリン酸、およびイノシトールリン酸の誘導体を含まないか、または実質的に含まない。
【0066】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、微粒子無機増粘剤を含まないか、または実質的に含まない。
【0067】
一実施形態において、組成物およびプロセスは、プロピレンカーボネート以外のアルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、グリセロールカーボネートを含む)を含まないか、または実質的に含まない。
【0068】
半永久的な毛髪改質組成物は、缶、ボトル、パケット、アンプル、ジャー、チューブなどの加圧および非加圧容器などの好適なパッケージ形態から提供および分注され得る。スプレー組成物は、噴霧剤を含有する加圧エアゾルスプレー、ムース、スプリッツ、およびフォームとして、または非加圧の機械的に噴射されるスプレーおよびフォームとして、指で操作されるポンプデバイスから分注され得る。
【0069】
溶媒
組成物は、水を含まないまたは水ベースの配合物として調製することができる。存在するプロピレンカーボネートおよび選択されたグリコール成分に加えて、組成物は、プロピレンカーボネートおよびグリコール(複数可)が可溶性/分散性である溶媒を含み得る。溶媒は、水、有機溶媒、および水と有機溶媒の組み合わせから選択することができる。水以外の有機溶媒の例として、直鎖および分岐鎖アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノールなど、および芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。非水性溶媒または希釈剤の他の例として、シリコーンおよびシリコーン誘導体、例えば、シクロメチコンなど、ケトン、例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン;天然および合成の油およびワックス、例えば、植物油、植物性油、動物性油、精油、鉱物油、C~C40イソパラフィン、カルボン酸アルキルエステル、例えば、酢酸エチル、酢酸アミル、乳酸エチルなど、ホホバ油、サメ肝油などが挙げられる。前述の非水性補助溶媒または希釈剤のいくつかは、コンディショナーおよび乳化剤としても機能し得る。しかしながら、組成物における重量基準を計算するために、このセクションに列挙される全ての液体は溶媒/希釈剤と見なされる。
【0070】
本開示の技術の組成物を含む製品配合物は、パーソナルケア組成物に従来的にまたは一般的に含まれる様々な添加剤および化粧品アジュバントを含むことができ、それらは限定されないが以下を含む:酸性化またはアルカリ化pH調整剤(中和剤)および緩衝剤;合成または天然由来の非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性ポリマーなどの補助固定剤および膜形成剤;増粘ポリマーの天然および誘導体化ガム、樹脂増粘剤またはゲル化剤などの補助レオロジー調整剤;乳化剤、乳化安定剤、ワックス、分散剤などの添加剤、および溶媒、電解質などの粘度制御剤;帯電防止剤、合成油、植物油または動物性油、シリコーン油、モノマーまたはポリマーの四級化アンモニウム化合物およびそれらの誘導体、光沢増強剤、モイスチャライザー、皮膚軟化剤、保湿剤、潤滑剤、日焼け防止剤などのコンディショニング助剤;酸化剤;還元剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、双性イオン性界面活性剤などの界面活性剤、およびそれらのシリコーン誘導体;可塑剤、粘着付与剤、脱粘着剤、湿潤剤などのポリマー膜改質剤;キレート剤、乳白剤、真珠光沢剤、タンパク質性材料およびその誘導体、ビタミンおよびその誘導体、防腐剤、香料、可溶化剤、顔料および染料などの着色剤(一時的または永久的)、UV吸収剤などの製品安定剤および製品仕上げ剤;フッ素化炭化水素、液体揮発性炭化水素、圧縮ガスなどの噴霧剤(水混和性または水非混和性)、ならびにそれらの混合物。
【0071】
本明細書で論じられる本発明の毛髪改質組成物とともに用いられ得る添加剤およびアジュバント成分、製品、または材料は、Washington D.C.の米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council)(以前は米国化粧品工業会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)として知られていた)によって発行される国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary:これ以降はINCI辞書)によってそれらに与えられた(その任意の版、例えば、第6版、第1および第2巻(1995)、または第7および8版、第1巻~3巻(1997、2000)に見られるような)INCI名と一般的に称される国際命名法によって、または一般的に使用されるそれらの化学名によって言及される。INCI名、商品名、またはその両方で記載される材料の多数の商業的供給業者は、INCI辞書、および多数の商業取引刊行物、例えば、限定されないが、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.(Glen Rock,NJ)から発行されている2001 McCutcheon’s Directories,Volume 1:Emulsifiers&Detergents and Volume 2:Functional Materials(2001)、およびAllured Publishing Corporation(Carol Stream,IL)から発行されている2001 Cosmetic Bench Reference,edition of Cosmetics&Toiletries(登録商標)115(13)(2001)に見出すことができる:各々の関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。そのような構成成分および組成物の配合はまた、Cosmetics Science and Technology,First Edition(Sagarin(ed))、1957年発行およびSecond Edition(Balsam,et al.(eds))1972~74年発行;ならびにThe Chemistry and Manufacture of Cosmetics,Second Edition(deNavarre(ed))、1975年発行およびThird Edition(Schlossman(ed))2000年発行(どちらもAllured Publishing Corporationから入手可能);Rieger(ed),Harry’s Cosmeticology,8th Edition,Chemical Publishing,Co.,Inc.,New York,NY(2000)などの周知の参考文献に詳細に記載されており、また当業者は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Fourteenth Edition,Mack Publishing Company,Easton,PA(1970)などの様々な処方集を利用可能である:各々の関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
補助成分
レオロジー調整剤
毛髪繊維によく付着する組成物を提供するために、組成物は、組成物の全体的な粘度を増加させるレオロジー調整剤を含むことができる。20rpmで測定される組成物のブルックフィールド粘度は、毛髪に塗布されたときに、少なくとも400mPa.s、または少なくとも1000mPa.s、または少なくとも2000mPa.s、または少なくとも3000mPa.sであり得、かつ最大10,000mPa.sであり得る。
【0073】
粘度を増加させるために、組成物は、合成または天然であり得る1つ以上のレオロジー調整剤を含み得る。
【0074】
例として、C10-C32アルコールなどの脂肪アルコール、たとえばC12-C22アルコール、天然油、ならびにアクリル酸および/またはメタクリル酸のポリマー、例えば、カルボマーが挙げられる。例示的な天然油は、流動パラフィンとして販売され得る鉱物油(主にC15-C40直鎖状および分岐鎖状の脂肪族アルカンであり、微量のシクロアルカンを含む)を含む。
【0075】
例示的な合成レオロジー調整剤として、アクリル系ポリマーおよびコポリマーが挙げられる。アクリル系レオロジー調整剤の1つのクラスは、アクリル酸を単独で、または他のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせてフリーラジカル重合することによって生成される、カルボキシル官能性のアルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性増粘剤(AST)である。ポリマーは、溶媒/沈殿および乳化重合技術によって合成することができる。このクラスの例示的な合成レオロジー調整剤は、アクリル酸またはメタクリル酸のホモポリマーと、アクリル酸、置換アクリル酸ならびにアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびC-C30アルキルエステルの1つ以上のモノマーから重合されたコポリマーとが挙げられる。本明細書に定義されるように、置換アクリル酸は、分子のαおよび/またはβ炭素原子上に位置する置換基を含み、一態様では、置換基は、独立して、C1~4アルキル、-CN、および-COOHから選択される。任意選択的に、例えば、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン、アクリロニトリルなどの他のエチレン性不飽和モノマー、およびそれらの混合物を、主鎖に共重合させることができる。前述のポリマーは、任意選択的に、エチレン性不飽和を含む2つ以上の部分を含むモノマーによって架橋される。一態様では、架橋剤は、1分子当たり少なくとも2つのアルケニルエーテル基を含む多価アルコールのポリアルケニルポリエーテルから選択される。他の例示的な架橋剤は、スクロースのアリルエーテルおよびペンタエリスリトールのアリルエーテル、ならびにそれらの混合物から選択される。これらのポリマーは、米国特許第5,087,445号、米国特許第4,509,949号、および米国特許第2,798,053号により詳細に記載されている。
【0076】
一態様では、ASTレオロジー調整剤または増粘剤は、アクリル酸またはメタクリル酸から重合された架橋ホモポリマーであり、一般に、CarbomerのINCI名により言及される。市販のカルボマーは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なCarbopol(登録商標)ポリマー934、940、941、956、980、および996を含む。さらなる態様では、レオロジー調整剤は、アクリル酸、置換アクリル酸、アクリル酸の塩および置換アクリル酸の塩の1つ以上のモノマーから選択される第1のモノマーと、アクリル酸またはメタクリル酸の1つ以上のC10-C30アルキルアクリレートエステルから選択される第2のモノマーとから重合される架橋コポリマーから選択される。一態様では、モノマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,288,814号に開示されているような立体安定剤の存在下で重合させることができる。前述のポリマーのいくつかは、INCI命名法の下でアクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマーと指定され、Carbopol(登録商標)1342および1382、Carbopol(登録商標)Ultrez 20および21、Carbopol(登録商標)ETD 2020およびPemulen(登録商標)TR-1およびTR-2の商品名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から市販されている。
【0077】
別の態様では、補助レオロジー調整剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,205,271号に開示されているような架橋された直鎖ポリ(ビニルアミド/アクリル酸)コポリマーであり得る。
【0078】
組成物における使用に適した別のクラスの合成レオロジー調整剤は、一般に疎水性修飾アルカリ膨潤性およびアルカリ可溶性エマルジョン(HASE)ポリマーと称される疎水性修飾ASTを含む。典型的なHASEポリマーは、pH感受性または親水性モノマー(例えば、アクリル酸および/またはメタクリル酸)、疎水性モノマー(例えば、アクリル酸および/またはメタクリル酸のC-C30アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン)、「会合性モノマー」、および任意選択的な架橋性モノマーから重合されたフリーラジカル付加ポリマーである。会合性モノマーは、エチレン性不飽和重合性末端基、疎水性末端基で終端する非イオン性親水性中間セクションを含む。非イオン性親水性中間セクションは、ポリオキシアルキレン基、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドセグメントの混合物を含む。末端疎水性末端基は、典型的にはC~C40脂肪族部分である。例示的な脂肪族部分は、直鎖および分岐鎖アルキル置換基、直鎖および分岐鎖アルケニル置換基、炭素環式置換基、アリール置換基、アラルキル置換基、アリールアルキル置換基、およびアルキルアリール置換基から選択される。一態様では、会合性モノマーは、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化脂肪族アルコール(典型的には、分岐または非分岐C~C40脂肪族部分を含有する)と、カルボン酸基(例えば、アクリル酸、メタクリル酸)、不飽和環状無水物モノマー(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸)、モノエチレン性不飽和モノイソシアネート(例、α,α-ジメチル-m-イソプロペニルベンジルイソシアネート)またはヒドロキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール)との縮合によって調製され得る。ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化脂肪族アルコールは、C~C40脂肪族部分を含有するモノアルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物である。C~C40脂肪族部分を含有するアルコールの非限定的な例は、カプリルアルコール、イソオクチルアルコール(2-エチルヘキサノール)、ペラルゴンアルコール(1-ノナノール)、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール(C16~C18モノアルコールの混合物)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコール、メリシル、ラクセリルアルコール、ゲジルアルコール、およびC~C20アルキル置換フェノール(例えば、ノニルフェノール)などである。
【0079】
例示的なHASEポリマーは、米国特許第3,657,175号、同第4,384,096号、同第4,464,524号、同第4,801,671号、および同第5,292,843号に開示されている。さらに、HASEポリマーの広範な概説は、Gregory D.Shay,Chapter 25,”Alkali-Swellable and Alkali-Soluble Thickener Technology A Review”,Polymers in Aqueous Media-Performance Through Association,Advances in Chemistry Series 223,J.Edward Glass(ed.),ACS,pp.457-494,Division Polymeric Materials,Washington,DC(1989)に見出され、関連する開示が参照により本明細書に組み込まれる。市販のHASEポリマーは、Rohm&Haasから、Aculyn(登録商標)22(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)44(INCI名:PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー)、Aculyn46(登録商標)(INCI名:PEG-150ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)、およびAculyn(登録商標)88(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー)の商品名で、ならびにLubrizol Advanced Materials,Inc.からNovethix(商標)L-10(INCI名:アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)の商品名で販売されている。
【0080】
別の実施形態において、酸膨潤性会合性ポリマーは、本開示の技術の疎水性修飾カチオン性ポリマーとともに使用することができる。そのようなポリマーは、一般に、カチオン特性および会合特性を有する。これらのポリマーは、酸感受性アミノ置換親水性モノマー(例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミド)、会合性モノマー(上記で定義)、低級アルキル(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ポリエチレングリコールのビニルおよび/もしくはアリルエーテル、ポリプロピレングリコールのビニルおよび/もしくはアリルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールのビニルおよび/もしくはアリルエーテル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸のポリプロピレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールエステル、ならびにそれらの組合せから選択される他のフリーラジカル重合性コモノマーを含むモノマー混合物から重合されたフリーラジカル付加ポリマーである。これらのポリマーは、任意選択的に架橋させることができる。酸感受性とは、アミノ置換基が、典型的には0.5~6.5の範囲の低いpH値でカチオン性になることを意味する。例示的な酸膨張性会合性ポリマーは、Akzo NobelからStructure(登録商標)Plus(INCI名:アクリレート/アミノアクリレート/C10-C30アルキルPEG-20イタコネート)の商品名で、およびLubrizol Advanced Materials,Inc.からCarbopol(登録商標)Aqua CC(INCI名:ポリアクリレート-1クロスポリマー)の商品名で市販されている。一態様では、酸膨潤性ポリマーは、(メタ)アクリル酸の1つ以上のC-Cアルキルエステル、C-CジアルキルアミノC-Cアルキルメタクリレート、PEG/PPG-30/5アリルエーテル、PEG20~25C10-C30アルキルエーテルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートと架橋したヒドロキシC-Cアルキルメタクリレートのコポリマーである。他の有用な酸膨潤性会合性ポリマーは、米国特許第7,378,479号に開示されている。
【0081】
疎水性修飾アルコキシ化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、Glucamate(商標)VLT、およびGlucamate(商標)SSE-20の商品名で入手可能なPEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、およびPEG-20メチルグルコースセスキステアレートなどもまた、レオロジー調整剤として好適である。
【0082】
樹木および潅木の滲出物から得られる多糖類、例えば、アラビアガム、ガッティガム、およびトラガカントガム、ならびにペクチン;海草抽出物、例えば、アルギネートおよびカラゲナン(例えば、ラムダ、カッパ、イオタ、およびそれらの塩);藻類抽出物、例えば、寒天;微生物多糖類、例えば、キサンタン、ジェラン、およびウェラン;セルロースエーテル、例えば、エチルヘキシルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース;ポリガラクトマンナン、例えば、フェヌグリークガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、タラガム、およびグアーガム;デンプン、例えば、コーンスターチ、タピオカデンプン、米デンプン、小麦デンプン、ジャガイモデンプンおよびソルガムスターチもまた、好適なレオロジー調整剤として本明細書の組成物中に用いることができる。
【0083】
レオロジー調整剤(複数可)は、単独でまたは組み合わせて使用することができ、組成物の総重量に基づいて、活性物質ベースで、0.001~50重量%、例えば、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、例えば、最大20重量%、または最大10重量%、または最大3重量%で組成物中に存在し得る。
【0084】
界面活性剤
ヘアケア組成物はまた、アニオン性、カチオン性、両性、および非イオン性界面活性剤、ならびにそれらの混合物などの1つ以上の界面活性剤を含み得る。
【0085】
本技術の一態様では、好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルカリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルカリールポリエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリド硫酸塩、アルキルモノグリセリドスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルスルホスクシナメート、アルキルアミドスルホコハク酸塩;アルキルスルホ酢酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルラクチレート、アルキルイセチオネート、アシルイセチオネート、カルボン酸塩、およびN-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸などのアミノ酸由来界面活性剤、ならびにアルキルペプチを含む。これらのアニオン性界面活性剤の混合物も有用である。
【0086】
一態様では、前述の界面活性剤のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、およびアルカノールアンモニウムイオン、例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムイオン、ならびにモノイソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、およびトリイソプロピルアンモニウムイオンなどから選択される。一実施形態において、前述の界面活性剤のアルキルおよびアシル基は、一態様では約6~約24個の炭素原子、別の態様では8~22個の炭素原子、さらなる態様では約12~18個の炭素原子を含み、不飽和であり得る。界面活性剤のアリール基は、フェニルまたはベンジルから選択される。上記のエーテル含有界面活性剤は、一態様では界面活性剤分子当たり1~10個のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位を含むことができ、別の態様では界面活性剤分子当たり1~3個のエチレンオキシド単位を含むことができる。
【0087】
好適なアニオン性界面活性剤の例として、1、2および3モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたラウレス硫酸、トリデセス硫酸、ミレス硫酸、C12-C13パレス硫酸、C12-C14パレス硫酸、およびC12-C15パレス硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、およびアンモニウム塩;ラウリル硫酸、ココ硫酸、トリデシル硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸、セテアリル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、およびタロウ硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアンモニウム塩;ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、C12-C14オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、および脂肪酸石鹸(約8~約22個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩を含む)が挙げられる。
【0088】
一態様では、アミノ酸界面活性剤は、以下の式のN-アシルアミノ酸から選択される:
【化1】
式中、Rは、7~17個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、RはHまたはメチル基であり、RはH、COO、CHCOOまたはCOOHであり、nは0~2であり、XはCOOまたはSO であり、Mは、独立してH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムを表す。
【0089】
一態様では、すぐ上の式で表されるN-アシルアミノ酸界面活性剤は、タウリン酸、グルタミン酸、アラニン、アラニネート、サルコシン酸、アスパラギン酸、グリシン酸、およびそれらの混合物から誘導される。
【0090】
代表的なタウリン酸界面活性剤は以下の式に適合する:
【化2】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、RはHまたはメチルであり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムである。
【0091】
タウリン酸界面活性剤の非限定的な例は、ココイルタウリン酸カリウム、メチルココイルタウリン酸カリウム、カプロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルミリストイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、メチルパルミトイルタウリン酸ナトリウム、メチルステアロイルタウリン酸ナトリウム、およびそれらの混合物である。
【0092】
代表的なグルタミン酸界面活性剤は、以下の式に適合する:
【化3】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、nは0~2であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムである。
【0093】
グルタミン酸界面活性剤の非限定的な例は、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、オリーブオイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、およびそれらの混合物である。
【0094】
代表的なアラニンおよびアラニネート界面活性剤は、以下の式に適合する:
【化4】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、RはHまたはメチルであり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムである。
【0095】
アラニンおよびアラニネート界面活性剤の非限定的な例は、ココイルメチルβ-アラニン、ラウロイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニン、ミリストイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイルアラニンナトリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム、ミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、およびそれらの混合物である。
【0096】
代表的なグリシン酸界面活性剤は、以下の式に適合する:
【化5】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムである。
【0097】
グリシン酸界面活性剤の非限定例は、パルミトイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ミリストイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸カリウム、ココイルグリシン酸カリウム、ステアロイルグリシン酸ナトリウム、およびそれらの混合物である。
【0098】
代表的なサルコシン酸界面活性剤は以下の式に適合する:
【化6】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアミンである。
【0099】
サルコシン酸界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、およびそれらの混合物である。
【0100】
代表的なアスパラギン酸界面活性剤は、以下の式に適合する:
【化7】
式中、Rは、一態様では7~17個の炭素原子を含み、別の態様では9~13個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキル鎖であり、Mは、独立してH、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアンモニウムである。
【0101】
アスパラギン酸界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルアスパラギン酸ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸二ナトリウム、ココイルアスパラギン酸二ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸カリウム、ミリストイルアスパラギン酸カリウム、ココイルアスパラギン酸カリウム、カプロイルアスパラギン酸カリウム、ラウロイルアスパラギン酸二カリウム、ミリストイルアスパラギン酸二カリウム、ココイルアスパラギン酸二カリウム、カプロイルアスパラギン酸二カリウム、およびそれらの混合物である。
【0102】
存在するカチオン性界面活性剤は、コンディショニング剤として作用し、加熱デバイスが毛髪繊維上を滑らかに動くことを確実にすることによって加熱ステップを支援し得る。界面活性剤は粘度を増加させるのにも役立ち得るが、それらは、本明細書の例示的な実施形態を説明するためのレオロジー調整剤とは見なされない。
【0103】
カチオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるかまたは以前に使用された界面活性剤のいずれであり得る。好適なクラスのカチオン性界面活性剤は、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化アミン、第四級化合物、および四級化エステルである。さらに、アルキルアミンオキシドは、低pHでカチオン性界面活性剤として機能することもできる。
【0104】
アルキルアミン界面活性剤は、置換または非置換の第一級、第二級および第三級脂肪C12-C22アルキルアミン、場合によっては「アミドアミン」と称される物質の塩であり得る。アルキルアミンおよびその塩の非限定的な例として、ジメチルコカミン、ジメチルパルミタミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-タロウプロパンジアミン、エトキシ化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、アラキジルベヘニルアミン、ジメチルラウラミン、ステアリルアミン塩酸塩、ソイアミンクロリド、ギ酸ステアリルアミン、二塩化N-タロウプロパンジアミン、およびアモジメチコン(シリコーンポリマーのINCI名であり、アミノエチルアミノプロピルシロキサンなどのアミノ官能基でブロックされている)が挙げられる。
【0105】
アミドアミンおよびその塩の非限定的な例として、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミンクエン酸塩、パルミタミドプロピルジエチルアミン、およびコカミドプロピルジメチルアミン乳酸塩が挙げられる。
【0106】
アルキルイミダゾリン界面活性剤の非限定的な例として、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、例えば、ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、ココヒドロキシエチルイミダゾリン、エチルヒドロキシメチルオレイルオキサゾリンなどが挙げられる。
【0107】
エトキシ化アミンの非限定的な例として、PEG-ココポリアミン、PEG-15タロウアミン、クオタニウム-52などが挙げられる。
【0108】
カチオン性界面活性剤として有用な第四級アンモニウム化合物の中でも、いくつかは、一般式(R)E(式中、R、R、R、およびRは、独立して、1~約22個の炭素原子を有する脂肪族基、またはアルキル鎖中に1~約22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールもしくはアルキルアリール基から選択され、Eは、ハロゲンイオン、(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン)、酢酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、およびアルキル硫酸イオンから選択されるものなどの塩形成アニオンである)に対応する。脂肪族基は、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合、エステル結合、およびアミノ基などの他の基を含むことができる。より長鎖の脂肪族基、例えば、約12個またはそれ以上の炭素原子のもの(アルキル鎖中のC10-C32)は、飽和または不飽和であり得る。一態様では、アリール基は、フェニルおよびベンジルから選択される。
【0109】
例示的な第四級アンモニウム界面活性剤として、限定されないが、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、塩化セチルピリジニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジエイコシルジメチルアンモニウム、塩化ジドコシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、酢酸ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、および塩化ジ(ココアルキル)ジメチルアンモニウム、塩化ジタロウジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウム、酢酸ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウム、硫酸ジタロウジメチルアンモニウムメチル、リン酸ジタロウジプロピルアンモニウム、ならびに硝酸ジタロウジメチルアンモニウムが挙げられる。
【0110】
低pH値では、アミンオキシドはプロトン化し、N-アルキルアミンと同様に挙動し得る。例として、限定されないが、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC1215、アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12-C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タロウアミンタロウアミンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0111】
低pH値では、アミンオキシドはプロトン化し、N-アルキルアミンと同様に挙動し得る。例として、限定されないが、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC1215、アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12-C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タロウアミンタロウアミンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0112】
本技術の一態様では、好適な両性界面活性剤は、限定されないが、アルキルベタイン、例えばラウリルベタイン、アルキルアミドベタイン、例えば、コカミドプロピルベタインおよびココヘキサデシルジメチルベタイン;アルキルアミドスルタイン、例えば、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン;(モノおよびジ)アンホカルボン酸塩、例えば、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、カプリロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、およびカプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ならびにそれらの混合物を含む。
【0113】
前述の両性界面活性剤(すなわち、ベタインおよびスルタインは、対イオンなしで開示されており、当業者が認識するように、両性界面活性剤を含む組成物のpH条件下で、これらの界面活性剤は、バランスのとれた正電荷と負電荷を有することによって電気的に中性であるか、またはそれらは、電荷のバランスをとる部分として、アルカリ金属、アルカリ土類もしくはアンモニウムイオンなどの対イオンを含む。
【0114】
非イオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野で既知または以前に使用されていた非イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。好適な非イオン性界面活性剤として、限定されないが、脂肪族(C-C18)一級または二級の直鎖もしくは分岐鎖酸、アルコールまたはフェノール;アルキルエトキシレート;アルキルフェノールアルコキシレート(特に、エトキシレートおよび混合エトキシ/プロポキシ部分);アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、アルカノールのアルキレンオキシド縮合物;およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。他の好適な非イオン性界面活性剤として、モノまたはジアルキルアルカノールアミド;アルキルポリグルコシド(APG);ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールエステル;ポリオキシエチレン酸、およびポリオキシエチレンアルコールが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の他の例として、ココモノエタノールアミドまたはココジエタノールアミド、ココグルコシド、デシルジグルコシド、ラウリルジグルコシド、ココジグルコシド、ポリソルベート20、40、60および80、エトキシ化直鎖アルコール、セテアリルアルコール、ラノリンアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、PEG-100ステアレート、ラウレス7、およびオレス20が挙げられる。
【0115】
別の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10、およびGlucam(登録商標)P20の商品名で入手可能なメチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PPG-10メチルグルコースエーテル、およびPPG-20メチルグルコースエーテルなどを含み、疎水性修飾アルコキシ化メチルグルコシド、例えば、 Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、Glucamate(商標)VLT、およびGlucamate(商標)SSE-20の商品名で入手可能なPEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、およびPEG-20メチルグルコースセスキステアレートなどもまた好適である。他の例示的な疎水性修飾アルコキシル化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号および第6,727,357号に開示されている。
【0116】
組成物中に用いることができる他の界面活性剤は、WO99/21530、米国特許第3,929,678号、同第4,565,647号、同第5,720,964号、および同第5,858,948号にさらに詳細に記載されている。さらに、好適な界面活性剤は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(North American and International Editions,by Schwartz,Perry and Berch)にも記載されている。
【0117】
例示的な熱活性化物質を含む組成物中に用いられる界面活性剤の量は、所望の用途に応じて大きく異なり得るが、多くの場合に用いられる量は、一般に活性物質ベースで1重量%~80重量%の範囲である。例えば、界面活性剤は、活性物質ベースで、0.001~20重量%、例えば、少なくとも0.1重量%の総濃度で組成物中に存在し得る。
【0118】
コンディショニング剤
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは、コンディショニング剤の送達を向上させ、かつ/または毛髪、頭皮、もしくは皮膚に補助的なコンディショニング効果を提供して、本開示の技術のシリコーンコンディショニング剤によって送達されるコンディショニング効果を改善および増強することができる成分である。カチオン性ポリマーとは、イオン化してカチオン性部分を形成することができる少なくとも1つのカチオン性部分または少なくとも1つの部分を含むポリマーを指す。典型的には、これらのカチオン性部分は、第四級アンモニウムまたはプロトン化アミノ基などの窒素含有基である。カチオン性プロトン化アミンは、第一級、第二級、または第三級アミンであり得る。カチオン性ポリマーは、典型的には、意図される組成物の使用のpHで約0.2~約7meq/gの範囲のカチオン電荷密度を有する。カチオン性ポリマーの平均分子量は、約5,000ダルトン~約10,000,000ダルトンの範囲である。
【0119】
そのようなポリマーの非限定的な例は、CTFAウェブサイトを介したCTFA国際化粧品成分辞典/ハンドブック、およびCTFA化粧品成分ハンドブック第9版(Cosmetic and Fragrance Assn.,Inc.,Washington D.C.(2002))(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、使用することができる。
【0120】
好適なカチオン性ポリマーの非限定的な例として、カチオン性プロトン化アミンまたは第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルおよびジアルキルアクリルアミド、アルキルおよびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトンまたはビニルピロリドンなどの水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0121】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに含めるのに適したカチオン性プロトン化アミノおよび第四級アンモニウムモノマーとして、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリロキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリロキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、ならびに例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩などのピリジニウム、イミダゾリウム、および四級化ピロリドンなどの環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0122】
組成物に使用するための他の好適なカチオン性ポリマーとして、1-ビニル-2-ピロリドンと1-ビニル-3-メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)とのコポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-16)、1-ビニル-2-ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-11)、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーを含むカチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー(CTFAによると、それぞれ、ポリクオタニウム-6およびポリクオタニウム-7)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーを含むアクリル酸の両性コポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-22);アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドおよびアクリルアミドのターポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-39);アクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびメチルアクリレートとのターポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-47);アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびアクリルアミドのターポリマー(CTFA、ポリクオタニウム-53)が挙げられる。一態様では、好適なカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、およびそれらの組み合わせである。
【0123】
組成物に使用するための他の好適なカチオン性ポリマーとして、カチオン性セルロース誘導体および第四級アンモニウムハライド部分で修飾されたカチオン性デンプン誘導体などの多糖ポリマーが挙げられる。例示的なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-10)と反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩である。他の好適な種類のカチオン性セルロースとして、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-24)と反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0124】
他の好適なカチオン性ポリマーとして、グアーガム誘導体およびカッシアガム誘導体などのカチオン性ポリガラクトマンナン誘導体、例えば、それぞれ、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびカッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Rhodia Inc.からJaguar(商標)の商品名シリーズ、およびAshland Inc.からN-Hanceの商品名シリーズで市販されている。カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドはLubrizol Advanced Materials,Inc.からSensomer(商標)の商品名シリーズで市販されている。
【0125】
本開示の技術の洗浄組成物中に用いられ得るカチオン性ポリマーの量は、全組成物の重量に基づいて、一態様では約0.01~約10重量%、別の態様では約0.05~約3重量%、さらなる態様では約0.1~約1重量%の範囲である。
【0126】
シリコーン
シリコーン流体などのシリコーンヘアコンディショニング剤の相は、組成物に使用することができ、シリコーン流体の沈着効率を改善するため、または特に高屈折率(例えば約1.46超)の場合に毛髪の光沢を増加するために、シリコーン樹脂などの他の成分を含むこともできる。任意選択的なシリコーンヘアコンディショニング剤の相は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、またはそれらの組み合わせを含み得る。シリコーン液滴は、典型的には、任意選択的な懸濁剤を用いて懸濁される。シリコーンコンディショニング剤の粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、またはそれらの組み合わせを含み得る。好ましいのは、不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。揮発性シリコーンが存在する場合、それらは典型的には、シリコーンゴムおよび樹脂などの市販の形態の不揮発性シリコーン物質成分のための溶媒または担体としてのそれらの使用に付随する。本開示の技術に使用するためのシリコーンヘアコンディショニング剤は、25℃で測定したときに、一態様では約20~約2,000,000センチストークス(1センチストークスは1x10-6/sに等しい)、別の態様では約1,000~約1,800,000センチストークス、さらなる態様では約50,000~約1,500,000、さらにさらなる態様では約100,000~約1,500,000センチストークスの粘度を有する。
【0127】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、それが含まれる組成物の約0.01重量%~約10重量%の範囲であり得る。別の態様では、シリコーンコンディショニング剤の量は、全て組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約8重量%、さらに別の態様では約0.1重量%~約5重量%、さらなる態様では約0.2重量%~約3重量%の範囲である。
【0128】
一実施形態において、分散されたシリコーンコンディショニング剤の粒子は、約5μm~約125μmの範囲の体積平均粒径を有することができる。毛髪に小粒子を塗布する場合、体積平均粒径は、一態様では約0.01μm~約4μm、別の態様では約0.01μm~約2μm、さらに別の態様では約0.01μm~約0.5μmの範囲である。より大きな粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、一態様では約5μm~約125μm、別の態様では約10μm~約90μm、さらに別の態様では約15μm~約70μm、さらなる態様では、約20μm~約50μmの範囲である。
【0129】
シリコーン流体、ゴム、および樹脂、ならびにシリコーンの製造について考察するセクションを含むシリコーンの背景資料は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp204-308,John Wiley&Sons,Inc.(1989)(参照により本明細書に組み込まれる)に見出される。シリコーン流体は、一般にアルキルシロキサンポリマーとして記載されている。好適なシリコーンコンディショニング剤、およびシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定的な例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、および米国特許第5,106,609号に記載されており、これらの記載内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0130】
シリコーン流体はシリコーン油を含み、これは、25℃で測定したときに、1,000,000csk未満の粘度を有し、典型的には約5csk~約1,000,000cskの範囲の粘度を有する、流動性シリコーン材料である。好適なシリコーン油は、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、およびそれらの混合物を含む。ヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性の不揮発性シリコーン流体も使用され得る。
【0131】
シリコーン油は、以下の式に適合するポリアルキル、ポリアリールシロキサン、またはポリアルキルアリールシロキサンを含み:
【化8】
式中、R20は脂肪族であり、独立して、アルキル、アルケニル、およびアリールから選択され、R20は置換または非置換であり得、wは1~約8000の整数である。本開示の技術のパーソナルクレンジング組成物に使用するのに適した非置換R20基は、限定されないが、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、ならびにエーテル置換、ヒドロキシル置換、およびハロゲン置換脂肪族およびアリール基を含む。好適なR20基は、カチオン性アミンおよび第四級アンモニウム基も含む。
【0132】
本開示の技術の一態様では、例示的なR20アルキルおよびアルケニル置換基は、C-Cアルキルおよびアルケニル、別の態様ではC-C、さらなる態様ではC-Cの範囲である。他のアルキル、アルケニル、またはアルキニル含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール、およびアルカミノなど)の脂肪族部分は、直鎖または分岐鎖であり得、一態様ではC-C、別の態様ではC-C、さらなる態様ではC-Cの範囲であり得る。上で論じたように、R20置換基はまた、アミノ官能基(例えばアルカミノ基)を含むことができ、これは、第一級、第二級または第三級アミンまたは第四級アンモニウムであり得る。これらには、モノ-、ジ-およびトリ-アルキルアミノおよびアルコキシアミノ基が含まれ、脂肪族部分の鎖長は上述の通りである。
【0133】
例示的なシロキサンは、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、およびポリメチルフェニルシロキサンである。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyからViscasil RおよびSF96シリーズとして、またDow Corningから販売されているDow Corning 200シリーズとして入手可能である。使用することができる例示的なポリアルキルアリールシロキサン流体には、例えば、ポリメチルフェニルシロキサンが含まれる。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyからSF 1075メチルフェニル流体として、またはDow Corningから556 Cosmetic Grade Fluidとして入手可能である。
【0134】
カチオン性シリコーン流体もまた、本開示の技術における使用に適している。カチオン性シリコーン流体は、限定されないが、一般式
(R213-f-Si-(OSiG-(OSiG(R(2-f)h-O-SiG3-e(R21で表すことができ、
式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、またはC-Cアルキル、好ましくはメチルであり、eは0または1~3の整数であり、fは0または1であり、gは0~1,999の数であり、hは1~2,000、好ましくは1~10の整数であり、gとhの合計は、本開示の技術の一態様では1~2,000、別の態様では50~500の数であり、R21は、一般式C2qLに適合する一価ラジカルであり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、以下の基から選択される:
a)-N(R22)CHCHN(R22
b)-N(R22
c)-N(R22 CA
d)-N(R22)CHCHN(R22 CA
(式中、R22は、独立して、水素、C-C20アルキル、フェニル、ベンジルから選択され、Aは、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、およびヨウ化物イオンから選択されるハロゲン化物イオンである}。
【0135】
すぐ上に定義した前の式に対応する例示的なカチオン性シリコーンは、以下の式の「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られているポリマーである:
(CH-Si-[O-Si(CH)]-[O-(CH)Si((CH-NH-(CH-NH)]-O-Si(CH
【0136】
本開示の技術において有用な別のカチオン性シリコーンは、以下の式で表すことができる:
【化9】
式中、R22は、C-C18アルキルおよびC-C18アルケニルラジカルから選択されるラジカルを表し、R23は、独立して、C-C18アルキレンラジカルまたはC-C18アルキレンオキシラジカルから選択されるラジカルを表し、Qはハロゲン化物イオンであり、rは、一態様では2~20、別の態様では2~8の平均統計値を意味し、sは、一態様では20~200、別の態様では20~50の平均統計値を意味する。一態様では、R22はメチルである。別の態様では、Qは塩化物である。
【0137】
他の任意選択的なシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で1,000,000センチストークス以上の粘度を有するポリシロキサン材料である。シリコーンゴムは米国特許第4,152,416号、Noll and Walter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press 1968、ならびにGeneral Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE 30、SE 33、SE 54およびSE 76に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。シリコーンゴムは、典型的には、約200,000ダルトンを超える、一般に約200,000~約1,000,000ダルトンの質量分子量を有し、その具体例として、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサン)コポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0138】
不揮発性の不溶性シリコーン流体コンディショニング剤の別のカテゴリーは、一態様では少なくとも約1.46、別の態様では少なくとも約1.48、さらなる態様では少なくとも約1.52、さらにさらなる態様では少なくとも約1.55の屈折率を有する、高屈折率ポリシロキサンである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。これに関連して、ポリシロキサンの「流体」には、ゴムだけでなく油も含まれる。
【0139】
高屈折率ポリシロキサン流体には、上記のポリアルキル、ポリアリール、およびポリアルキルアリールシロキサンについて記載された一般式で表されるもの、ならびに以下の式で表される環状ポリシロキサン(シクロメチコン)が含まれる:
【化10】
式中、置換基R20は上で定義された通りであり、繰り返し単位の数kは、一態様では約3~約7、別の態様では3~5の範囲である。高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を上記の所望のレベルに増加させるのに十分な量のアリール含有R20置換基を含むことができる。また、R20およびkは、材料が不揮発性であるように選択されなければならない。アリール含有置換基には、脂環式および複素環式の5および6員アリール環を含有するもの、ならびに縮合5または6員環を含有するものが含まれる。アリール環は、置換または非置換であり得る。置換基は脂肪族置換基を含み、アルコキシ置換基、アシル置換基、ケトン、ハロゲン(例えば、ClおよびBr)、アミンなども含まれ得る。例示的なアリール含有基として、置換および非置換のアレーン、例えば、フェニル、およびフェニル誘導体、例えば、C-Cアルキルまたはアルケニル置換基を有するフェニル、例えば、アリルフェニル、メチルフェニルおよびエチルフェニル、ビニルフェニル(例えばスチレニル)、ならびにフェニルアルキン(例えば、フェニルC-Cアルキン))が挙げられる。複素環式アリール基は、フラン、イミダゾール、ピロール、ピリジンなどに由来する置換基を含む。縮合アリール環置換基は、例えば、ナフタレン、クマリン、およびプリンを含む。
【0140】
高屈折率ポリシロキサン流体は、ポリシロキサン流体の重量に基づいて、一態様では少なくとも約15重量%、別の態様では少なくとも約20重量%、さらなる態様では少なくとも約25重量%、さらにさらなる態様では、少なくとも約35重量%、追加の態様では少なくとも約50重量%のアリール含有置換基の程度を有する。典型的には、アリール置換の程度は、約90重量%未満、より典型的には約85重量%未満であり、一般に、ポリシロキサン流体の約55重量%~約80重量%の範囲であり得る。
【0141】
別の態様では、高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニルまたは置換フェニル誘導体の組み合わせを有する。置換基は、C-Cアルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、およびC-Cアルキルアミノ(例えば、-R24NHR25NH、式中、各R24およびR25基は、独立して、C-Cアルキル、アルケニル、および/またはアルコキシである)から選択することができる。
【0142】
高屈折率シリコーンが本技術の組成物に使用される場合、それらは、任意選択的に、シリコーン樹脂または界面活性剤などの拡散剤とともに溶液中で使用することができ、表面張力を十分な量低下させて拡散を向上させ、それによってそのような組成物で処理した毛髪の(乾燥後の)光沢を向上させる。本技術の組成物に使用するのに適したシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、およびシSilicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。高屈折率ポリシロキサンは、Dow Corning Corporation(Midland,Mich.)Huls America(Piscataway,N.J.)、およびGeneral Electric Silicones(Waterford,N.Y.)から入手可能である。
【0143】
シリコーン樹脂は、本組成物中における使用に適したシリコーンコンディショニング剤に含めることができる。これらの樹脂は架橋ポリシロキサンである。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性および四官能性シランに単官能性または二官能性(または両方)のシランを組み込むことによって導入される。
【0144】
当該技術分野でよく理解されているように、シリコーン樹脂をもたらすために必要とされる架橋の程度は、シリコーン樹脂中に組み込まれる特定のシラン単位に応じて異なる。一般に、十分なレベルの三官能性および四官能性シロキサンモノマー単位(したがって、十分なレベルの架橋)を有し、それらが乾燥して剛性または硬質の膜になるシリコーン材料は、シリコーン樹脂と見なされる。酸素原子とケイ素原子の比は、特定のシリコーン材料の架橋レベルを示している。ケイ素原子1個当たり少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン材料は、一般に本明細書におけるシリコーン樹脂である。一態様では、酸素:ケイ素原子の比は、少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に使用されるシランは、モノメチル-、ジメチル-、トリメチル-、モノフェニル-、ジフェニル-、メチルフェニル-、モノビニル-、およびメチルビニル-クロロシラン、ならびにテトラクロロシランを含み、メチル置換シランが最も一般的に利用される。シリコーン樹脂は、GESS4230およびSS4267としてGeneralElectricから提供される。
【0145】
シリコーン材料および特にシリコーン樹脂は、当業者に「MDTQ」命名法として知られている略記命名法に従って特定される。このシステムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記載される。簡潔に述べると、記号Mは、単官能性単位(CHSiO0.5を、Dは二官能性単位(CHSiOを、Tは三官能性単位(CH)SiO1.5を、Qは四官能性単位SiOを意味する。単位記号のプライム記号(例えば、M’、D’、T’、およびQ’)は、メチル以外の置換基を示し、出現ごとに具体的に定義する必要がある。典型的な代替の置換基には、ビニル、フェニル、アミン、ヒドロキシルなどの基が含まれる。様々な単位のモル比は、シリコーン中の各種類の単位の総数(またはその平均)を示す記号への添字に関して、または分子量と組み合わせて具体的に示される比として、MDTQシステムでのシリコーン材料の記載を完成させる。シリコーン樹脂中のD、D’、Mおよび/またはM’に対するT、Q、T’および/またはQ’のより高い相対モル量は、より高いレベルの架橋を示している。しかしながら、前述のように、全体的な架橋のレベルは、酸素対ケイ素の比によって示すこともできる。
【0146】
本技術の組成物に使用するための例示的なシリコーン樹脂には、限定されないが、MQ、MT、MTQ、MDTおよびMDTQ樹脂が含まれる。一態様では、メチルはシリコーン樹脂置換基である。別の態様では、シリコーン樹脂は、M:Q比が約0.5:1.0~約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量が約1000~約10,000ダルトンであるMQ樹脂から選択される。
【0147】
屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体とともに用いられる場合、不揮発性シリコーン流体とシリコーン樹脂成分との重量比は、特に、シリコーン流体成分が上述のようにポリジメチルシロキサン流体である場合、またはポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である場合、一態様では約4:1~約400:1、約9:別の態様では約9:1~約200:1、さらなる態様では19:1~100:1の範囲である。シリコーン樹脂が本明細書の組成物においてシリコーン流体と同じ相の一部を形成する限り、すなわち、コンディショニング活性である限り、組成物中のシリコーンコンディショニング剤のレベルを決定する際に、流体と樹脂の合計が含まれるべきである。
【0148】
上記の揮発性シリコーンには、環状および直鎖ポリジメチルシロキサンなどが含まれる。環状揮発性シリコーン(シクロメチコン)は、典型的には、不揮発性環状シリコーンについて上述したような環状環構造に、酸素原子と交互に約3~約7個のケイ素原子を含む。しかしながら、式中の各R20置換基および繰り返し単位kは、材料が不揮発性になるように選択されなければならない。典型的には、R20は2つのアルキル基(例えば、メチル基)で置換されている。直鎖揮発性シリコーンは、上述のように、約25mPa・s以下の粘度を有するシリコーン流体である。「揮発性」とは、シリコーンが測定可能な蒸気圧、または20℃で少なくとも2mm Hgの蒸気圧を有することを意味する。不揮発性シリコーンは、20℃で2mmHg未満の蒸気圧を有する。環状および直鎖揮発性シリコーンの説明は、Todd and Byersの”Volatile Silicone Fluids for Cosmetics”,Cosmetics and Toiletries,Vol.91(1),pp.27-32(1976)、およびKasprzakの”Volatile Silicones”,Soap/Cosmetics/Chemical Specialities,pp.40-43(December 1986)(それぞれが参照により本明細書に組み込まれる)に見出される。
【0149】
例示的な揮発性シクロメチコンは、D4シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、D5シクロメチコン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、D6シクロメチコン、およびそれらのブレンド(例えば、D4/D5およびD5/D6)である。揮発性シクロメチコンおよびシクロメチコンブレンドは、G.E.SiliconesからSF1173、SF1202、SF1256、およびSF1258として、またDow Corning CorporationからDow Corning(登録商標)244、245、246、345、および1401 Fluidsとして市販されている。揮発性シクロメチコンと揮発性直鎖ジメチコンのブレンドも企図される。
【0150】
例示的な揮発性直鎖ジメチコンの例として、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびそれらのブレンドが挙げられる。揮発性直鎖ジメチコンおよびジメチコンブレンドは、Dow Corning CorporationからDow Corning 200(登録商標)Fluid(例えば、製品名0.65 CST、1 CST、1.5 CST、および2CST)、およびDow Corning(登録商標)2-1184 Fluidとして市販されている。
【0151】
乳化シリコーンもまた、本開示の技術における組み合わせに適している。典型的には、シリコーンエマルジョンは、一態様では30μm未満、別の態様では20μm未満、さらなる態様では10μm未満の組成物中の平均シリコーン粒径を有する。本開示の技術の一実施形態において、組成物中の乳化シリコーンの平均シリコーン粒径は2μm未満であり、理想的には0.01~1μmの範囲である。<0.15マイクロメートルの平均シリコーン粒径を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。粒径は、Malvern Instrumentsの2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定することができる。本開示の技術で使用するのに適したシリコーンエマルジョンは、予め乳化された形態でも市販されている。好適な予め形成されたエマルジョンの例として、エマルジョンDC2-1766、DC2-1784、ならびにマイクロエマルジョンDC2-1865およびDC2-1870が挙げられ、全てDow Corningから入手可能である。これらは全てジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンゴムも、予め乳化された形態で入手可能であり、これは配合を容易にするために有利である。例示的な材料は、DC X2-1787としてDow Corningから入手可能であり、これは架橋ジメチコノールゴムのエマルジョンである。別の例示的な材料は、DC X2-1391としてDow Corningから入手可能であり、これは架橋ジメチコノールゴムのマイクロエマルジョンである。アミノ官能性シリコーンの予め成形されたエマルジョンは、Dow CorningおよびGeneral Electricなどのシリコーン油の供給業者からも入手可能である。非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエマルジョンが特に好適である。具体例として、DC929カチオン性エマルジョン、DC939カチオン性エマルジョン、DC949カチオン性エマルジョン、ならびに非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177、およびDC2-8154(全てDow Corningから入手可能)が挙げられる。上記の種類のシリコーンのいずれかの混合物を使用することもできる。好適なアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166、DC2-8466、およびDC2-8950-114(全てDow Corningから入手可能)、ならびにGE 1149-75(General Electric Silicones から販売)である。本開示の技術において有用な第四級シリコーンポリマーの例は、ドイツのGoldschmidtから入手可能な材料K3474である。
【0152】
他の好適なシリコーン油には、アルキレンオキシド単位で修飾されたジメチルシロキサン(ジメチコン)の直鎖または分岐鎖コポリマーであるジメチコンコポリオールが含まれる。アルキレンオキシド単位は、ランダムまたはブロックコポリマーとして配置することができる。一般的に有用なクラスのジメチコンポリオールは、ポリジメチルシロキサンの末端および/またはペンダントブロックと、ポリアルキレンオキシドのブロック、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはその両方のブロックとを有するブロックコポリマーである。ジメチコンコポリオールは、ジメチコンポリマー中に存在するポリアルキレンオキシドの量に応じて水溶性または不溶性であり得、アニオン性、カチオン性、または非イオン性の特性であり得る。
【0153】
水溶性または水分散性シリコーンもまた、本開示の技術に使用することができる。そのような水溶性シリコーンは、シリコーンを水溶性または水分散性にするために、好適なアニオン性官能基、カチオン性官能基、および/または非イオン性官能基を含む。一実施形態において、水溶性シリコーンは、少なくとも1つのアニオン性部分がグラフトされたポリシロキサン主鎖を含む。アニオン部分は、ポリシロキサン骨格の末端にグラフトすることができるか、またはペンダント側基としてグラフトすることができるか、またはその両方である。アニオン性基とは、塩基による中和に続いてアニオン性基にイオン化することができる、少なくとも1つのアニオン性基または少なくとも1つの基を含有する任意の炭化水素部分を意味する。前述のように、シリコーン鎖にグラフトされるアニオン性の炭化水素基の量は、対応するシリコーン誘導体が、イオン化可能な基を塩基で中和した後に水溶性または水分散性となるように選択される。アニオン性シリコーン誘導体は、既存の市販品から選択することができるか、または当該技術分野既知の任意の手段によって合成することができる。非イオン性シリコーンは、アルキレンオキシド末端および/またはペンダント側鎖単位(例えば、ジメチコンコポリオール)を含む。
【0154】
アニオン性基を有するシリコーンは、(i)ケイ酸水素を含むポリシロキサンと(ii)アニオン性官能基も含むオレフィン性不飽和を含む化合物との間の反応によって合成することができる。そのような反応の例は、Si-H基を含むポリ(ジメチルシロキサン)とオレフィン、CH.=.CHR26(式中、R26は、アニオン性基を含む部分を表す)との間のヒドロシリル化反応である。オレフィンは、モノマー、オリゴマー、またはポリマーであり得る。ペンダント反応性チオ(-SH)基を含むポリシロキサン化合物もまた、不飽和アニオン性基含有化合物をポリ(シロキサン)骨格にグラフトするのに適している。
【0155】
本開示の技術の一態様によれば、エチレン性不飽和を含むアニオン性モノマーは、単独でまたは組み合わせて使用され、直鎖または分岐鎖の不飽和カルボン酸から選択される。例示的な不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびクロトン酸である。モノマーは、任意選択的に、アルカリ、アルカリ土類金属、およびアンモニウム塩を形成するように、塩基で部分的または完全に中和することができる。好適な塩基は、限定されないが、アルカリ、アルカリ土類(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム)および水酸化アンモニウムを含む。同様に、前述のモノマーから形成されたオリゴマーおよびポリマーのグラフトセグメントも、塩基(水酸化ナトリウム、アンモニア水など)で後中和して塩を形成することができることに留意されたい。本開示の技術における使用に適したシリコーン誘導体の例は、特許出願番号EP-A-0582,152およびWO93/23009に記載されている。シリコーンポリマーの例示的なクラスは、以下の構造によって表される繰り返し単位を含むポリシロキサンである:
【化11】
式中、Gは水素、C-C10アルキルおよびフェニルラジカルを表し、GはC-C10アルキレンを表し、Gは、エチレン性不飽和を含む少なくとも1つのアニオン性モノマーの重合から得られるアニオン性ポリマー残基を表し、jは0または1であり、tは1~50の範囲の整数であり、uは10~350の整数である。本開示の技術の一実施形態において、Gはメチルであり、jは1であり、Gはプロピレンラジカルであり、Gは、カルボン酸基を含有する少なくとも1つの不飽和モノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、またはアコニット酸など)の重合から得られるポリマーラジカルを表す。
【0156】
最終ポリマー中のカルボキシレート基含有量は、好ましくは、ポリマー200当たり1モルのカルボキシレートから、ポリマー5000g当たり1モルのカルボキシレートの範囲である。シリコーンポリマーの数分子量は、好ましくは10,000~1,000,000の範囲であり、さらにより好ましくは10,000~100,000の範囲である。カルボン酸基を含有する例示的な不飽和モノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。さらに、モノマーを含有するカルボン酸基に、アクリル酸およびメタクリル酸のC-C20アルキルエステルをポリマー骨格中に共重合させることができる。例示的なエステルには、限定されないが、アクリル酸およびメタクリル酸のエチルエステルおよびブチルエステルが含まれる。市販のシリコーンアクリレートポリマーは、Silicones”Plus”Polymer 9857C(VS80 Dry)の商標で3M Companyから販売されている。これらのポリマーは、ポリ(メタ)アクリル酸およびポリ(メタ)アクリレートのブチルエステルのランダム繰り返し単位が(チオプロピレン基を介して)グラフトされたポリジメチルシロキサン(PDMS)骨格を含む。これらの製品は、従来、チオプロピル官能化ポリジメチルシロキサンと、(メタ)アクリル酸およびブチル(メタ)アクリレートを含むモノマーの混合物との間のラジカル共重合によって得ることができる。
【0157】
別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンコポリオールは、以下の式で表されるシリコーンコポリオールカルボキシレートで表すことができる:
【化12】
27およびR28は、独立してC-C30アルキル、C-C14アリール、C-C15アラルキル、C-C15アルカリール、または1~40個の炭素のアルケニル基、ヒドロキシル基、-R31-G’または-(CHO(EO)(PO)(EO)-G’から選択されるが、但し、R27およびR28の両方がメチルではないものとし、R29は、C-Cアルキルまたはフェニルから選択され、式では、a、b、およびcは、独立して0~100の範囲の整数であり、EOはエチレンオキシド、-(CHCHO)-であり、POはプロピレンオキシド、-(CHCH(CH)O)-であり、この式では、oは1~200の範囲の整数であり、pは0~200の範囲の整数であり、qは0~1000の範囲の整数であり、R30は、水素、C-C30アルキル、アリール、C-C15アラルキル、C-C15アルカリル、または1~40個の炭素のアルケニル基、または-C(O)-X(式中、Xは、C-C30アルキル、C-C14アリール、C-C15アラルキル、C-C15アルカリール、もしくは1~40個の炭素のアルケニル基、またはこれらの混合物である)でり、R31は、6~18個の炭素のアリーレン基または2~8個の炭素の不飽和を含むアルキレン基で中断され得る1~40個の炭素原子のアルキレンラジカルから選択される二価基であり、G’は独立して以下から選択される:
【化13】
式中、R32は、1~40個の炭素のアルキレン、2~5個の炭素原子を含む不飽和基、または6~12個の炭素原子のアリーレン基から選択される二価基であり、Mは、Na、K、Li、NH、またはC-C10アルキル、C-C14アリール(例えば、フェニル、ナフチル)、C-C10アルケニル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C24アリールアルキルまたはC-C24アルカリール基を含むアミンから選択されるカチオンである。代表的なR32ラジカルは:-CHCH-、-CH=CH-、-CH=CHCH-、およびフェニレンである。
【0158】
別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアニオン性シリコーンコポリオールで表すことができる:
【化14】
式中、R33はメチルまたはヒドロキシルであり、R34は、C-Cアルキルまたはフェニルから選択され、R35はラジカル-(CHO(EO)(PO)(EO)-SO (式中、Mは、Na、K、Li、またはNHから選択されるカチオンであり、この式では、x、y、zは、独立して、0~100の範囲の整数である)を表し、R36はラジカル-(CHO(EO)(PO)(EO)-Hを表し、この式では、aおよびcは独立して0~50の範囲の整数であり、bは1~50の範囲の整数であり、EOはエチレンオキシド、例えば-(CHCHO)-であり、POはプロピレンオキシド、例えば、-(CHCH(CH)O)-である。
【0159】
さらに別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアニオン性シリコーンコポリオールで表すことができる:
【化15】
式中、R37およびR38は、独立して、-CHであるか、または、-(CHO(EO)(PO)(EO)-C(O)-R40-C(O)OHで表される基であるが、但し、R37およびR38は両方とも同時に-CHではないものとし、R40は、二価のラジカル-CHCH、-CH=CH-、およびフェニレンから選択され、R39は、C-Cアルキルまたはフェニルから選択され、この式では、a、b、およびcは、独立して0~20の範囲の整数であり、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CHCHO)-であり、POは、プロピレンオキシド残基、例えば,-(CHCH(CH)O)-であり、この式では、oは1~200の範囲の整数であり、qは0~500の範囲の整数である。
【0160】
本開示の技術において有用な他の水溶性シリコーンは、四級化シリコーンコポリオールポリマーである。これらのポリマーは、ペンダント第四級窒素官能基を有し、以下の式で表される:
【化16】
式中、R41は、第四級置換基-N(式中、R、R、Rは、独立して、水素、ならびに直鎖および分岐鎖のC-C24アルキルから選択され、Xは、窒素原子上のカチオン性電荷を均衡させるのに好適なアニオンを表す)を表し、R42は、C-C10アルキルおよびフェニルから選択され、R43は、-(CHO(EO)(PO)(EO)-H(式中、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CHCHO)-であり、POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CHCH(CH)O)-である)であり、この式では、aは、0~200の整数であり、bは0~200の整数であり、cは1~200の整数であり、x、y、およびzは整数であり、独立して0~20から選択される。一態様では、アニオンXは塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、メチル、スルホン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、および酢酸塩から選択されるアニオンを表す。
【0161】
他の好適な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアミン置換シリコーンコポリオールである:
【化17】
式中、R44は、-NH(CHNHまたは-(CHNH(この式では、nは、2~6の整数である)から選択され、xは、0~20の整数であり、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CHCHO)-であり、POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CHCH(CH)O)-であり、この式では、aは0~200の整数であり、bは、0~200の整数であり、cは1~200の整数であり、この式では、x、y、およびzは、整数であり、独立して0~20から選択される。
【0162】
さらに他の水溶性シリコーンは、以下の式で表される非イオン性シリコーンコポリオール(ジメチコンコポリオール)からすることができる:
【化18】
式中、R45は、独立して、C-C30アルキル、C-C14アリール、および、C-C20アルケニルから選択されるラジカルを表し、R46は、C-C30アルキル、C-C14アリール、および、C-C20アルケニルから選択されるラジカルを表し、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CHCHO)-であり、POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CHCH(CH)O)-であり、この式では、a、b、およびcは、独立して、0~100であり、xは、0~200であり、yは、1~200である。
【0163】
別の実施形態において、水溶性シリコーンは、以下の式で表される非イオン性シリコーンコポリオールから選択することができる:
【化19】
式中、R48およびR49は、独立して、C-C30アルキル、C-C14アリール、および、C-C20アルケニルから選択されるラジカルを表し、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CHCHO)-であり、POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CHCH(CH)O)-であり、a、b、およびcは、独立して、0~100であり、nは0~200である。
【0164】
上記のコポリオールの実施形態において、EOおよびPO残基は、ランダム、非ランダム、またはブロック状の配列に配置することができる。
【0165】
ジメチコンコポリオールは、米国特許第5,136,063号および同第5,180,843号に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、ジメチコンコポリマーは、General Electric Company(GE-OSi)からSilsoft(登録商標)およびSilwet(登録商標)の商標名で市販されている。具体的な製品名は、限定されないが、Silsoft 305、430、475、810、895、Silwet L 7604(GE-OSi);Dow Corning CorporationのDow Corning(登録商標)5103および5329;Abil(登録商標)ジメチコンポリオール、例えば、Evonik Goldschmidt CorporationのWE 09、WS 08、EM 90およびEM 97、Silsense(商標)ジメチコンコポリオール、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なSilsense Copolyol-1およびSilsense Copolyol-7を含む。
【0166】
シリコーンは、単独で、または、以下に記載する他のコンディショニング剤と組み合わせて、一態様では組成物の約0.05重量%~約20重量%、別の態様では約0.08%~約5%、さらに別の態様では約0.1%~約3%で添加することができる。
【0167】
本開示の技術の組成物中にコンディショニング剤として使用するのに適したコンディショニングオイルは、限定されないが、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)、および分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)(これらのポリマーおよび混合物を含む)を含む。直鎖炭化水素油は、典型的には、約12~19個の炭素原子を含む。炭化水素ポリマーを含む分岐鎖炭化水素油は、典型的には、19個を超える炭素原子を含む。
【0168】
これらの炭化水素油の非限定的な具体例として、パラフィン油、鉱物油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、およびより長い鎖長の炭化水素も使用することができ、その例として、高度に分岐した飽和または不飽和アルカン、例えば、パーメチル置換異性体、例えば、ヘキサデカンおよびエイコサンのパーメチル置換異性体、例えば、2,2,4,4,6,6,8,8-ジメチル-10-メチルウンデカンおよび2,2,4,4,6,6-ジメチル-8-メチルノナン(Permethyl Corporationから入手可能)が挙げられる。ポリブテンおよびポリデセンなどの炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンのコポリマーなどのポリブテンである。このタイプの市販の材料は、BP Chemical CompanyのL-14ポリブテンである。
【0169】
天然油コンディショナーもまた本開示の技術の実施に有用であり、限定されないが、ピーナッツ油、ゴマ油、アボカド油、ココナツ油、カカオバター、アーモンド油、ベニバナ油、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ種子油、クルミ油、ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム核油、ダイズ油、小麦胚芽油、亜麻仁油、ヒマワリ種子油;ユーカリ油、ラベンダー油、ベチベル油、リトセア油、リツェアクベバ油、レモン油、ビャクダン油、ローズマリー油、カモミール油、セイバリー油、ナツメグ油、桂皮油、ヒソップ油、キャラウェイ油、オレンジ油、ゼラニウム油、カデ油、ベルガモット油、魚油、グリセロールトリカプロカプリレート;およびそれらの混合物が挙げられる。天然油は皮膚軟化剤としても利用することができる。
【0170】
天然および合成ワックスコンディショニング剤が本開示の技術の組成物に用いられてもよく、それらには、カルナバワックス、カンデリラワックス、アルファワックス、パラフィンワックス、オゾケライトワックス、オリーブワックス、コメワックス、水素化ホホバワックス、密蝋、変性密蝋、例えば、セラベリナワックス、マリーンワックス、ポリオレフィンワックス、例えば、ポリエチレンワックス、およびその混合物が含まれる。
【0171】
液体ポリオレフィンコンディショニングオイルを、本開示の技術の組成物に使用することができる。液体ポリオレフィンコンディショニング剤は、典型的には、水素化されたポリα-オレフィンである。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、Cを約C14のオレフィン性モノマーに重合することによって調製することができる。本明細書におけるポリオレフィン液体の調製に使用するためのオレフィン性モノマーの非限定的な例として、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、分岐異性体、例えば4-メチル-1-ペンテン、およびそれらの混合物が挙げられる。本開示の技術の一態様では、水素化α-オレフィンモノマは、限定されないが、1-ヘキセンから1-ヘキサデセン、1-オクテンから1-テトラデセン、およびそれらの混合物を含む。
【0172】
フッ素化または過フッ素化油も、本開示の技術の範囲内で企図される。フッ素化油には、欧州特許第0486135号に記載されているペルフルオロポリエーテルおよびWO93/11103に記載されているフルオロ炭化水素化合物が含まれる。フッ素化油はまた、フルオロアミン、例えば、ペルフルオロトリブチルアミンなどのフルオロカーボン、ペルフルオロデカヒドロナフタレン、フルオロエステル、およびフルオロエーテルなどのフッ素化炭化水素であり得る。
【0173】
他の好適な成分として、限定されないが、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪エステルが挙げられる。これらの脂肪エステルは、脂肪酸またはアルコールに由来するエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、ならびにジカルボン酸およびトリカルボン酸エステル)を含む。本明細書の脂肪エステルは、それらに共有結合した他の適合性官能基、例えば、アミドおよびアルコキシ部分(例えば、エトキシまたはエーテル結合など)などを含み得るかまたは有し得る。
【0174】
例示的な脂肪エステルとして、限定されないが、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、およびアジピン酸オレイルが挙げられる。
【0175】
本開示の技術の組成物に使用するのに適した他の脂肪エステルは、一般式R50C(O)OR51のモノカルボン酸エステルであり、式中、R50およびR51は、アルキルまたはアルケニルラジカルであり、R50およびR51における炭素原子の和は、本開示の技術の一態様では少なくとも10であり、別の態様では少なくとも22である。
【0176】
本開示の技術の組成物に使用するのに適したさらに他の脂肪エステルは、カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステル、例えば、C-Cジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸のC-C22エステル、好ましくはC1-C6エステル)である。カルボン酸のジアルキルおよびトリアルキルならびにアルケニルエステルの特定の非限定的な例として、ステアロイルステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0177】
本開示の技術の組成物に使用するのに適した他の脂肪エステルは、多価アルコールエステルとして知られているものである。そのような多価アルコールエステルは、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0178】
本開示の技術のパーソナルクレンジング組成物に用いるのに好適な合成脂肪エステルの非限定的な具体例として、P-43(トリメチロールプロパンのC-C10トリエステル)、MCP-684(3,3ジエタノール-1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP 121(アジピン酸のC-C10ジエステル)が挙げられ、これらは全てExxonMobil ChemicalCompanyから入手可能である。
【0179】
本開示の技術のポリマーとの組み合わせに有用である他の油性物質のコンディショニング剤は、例えば、アセチル化ラノリンアルコール;ラノリンアルコール濃縮物;ラノリン脂肪酸のイソプロピルエステルなどのラノリン脂肪酸のエステル;ポリオール脂肪酸;エトキシレートおよびヒマシ油などのエトキシ化アルコール;ステロール;ステロールエステル;ステロールエトキシレートなどの材料を含む。
【0180】
防腐剤
一態様では、パーソナルケアでの使用に適した任意の防腐剤を、毛髪を改質するための組成物に使用することができる。適切な防腐剤には、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルトリアゾール、DMDMヒダントイン(1,3-ジメチル-5,5-ジメチルヒダントインとしても知られる)、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ベンゾイソチアゾリノン、トリクロサン、および上記に開示された適切なポリクオタニウム化合物(例えば、ポリクオタニウム-1)が含まれる。
【0181】
別の態様では、酸ベースの防腐剤は、例示的な組成物において有用である。酸ベースの防腐剤を使用すると、低pH範囲での製品の配合が容易になる。配合物のpHを下げることは、本質的に、改質プロセスに適していることに加えて、微生物の増殖に適さない環境を提供する。さらに、低pHで配合すると、酸ベースの防腐剤の有効性が高まり、皮膚の酸性pHバランスを維持するパーソナルケア製品が得られる。パーソナルケア製品に有用な任意の酸ベースの防腐剤を例示的な組成物に使用することができる。一態様では、酸防腐剤は、式RC(O)OHで表されるカルボン酸化合物であり、式中、Rは、水素、1~8個の炭素原子を含む飽和および不飽和ヒドロカルビル基またはC~C10アリールを表す。別の態様では、Rは、水素、C~Cアルケニル基、C~Cアルキル基、またはフェニルから選択される。例示的な酸は、限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、カプリル酸、および安息香酸、ならびにそれらの混合物である。
【0182】
別の態様では、好適な酸は、限定されないが、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、ンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、ベンジル酸、安息香酸、およびそれらの混合物を含む。
【0183】
前述の酸の塩は、それらが低いpH値で有効性を保持する限り有用である。好適な塩は、上記に列挙した酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム)およびアンモニウム塩を含む。
【0184】
酸ベースの防腐剤および/またはそれらの塩は、単独で、またはパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、ならびに施設および産業用ケア製品に典型的に用いられる非酸性防腐剤と組み合わせて使用することができる。
【0185】
防腐剤は、一態様では、毛髪改質組成物の総重量の0.01重量%~3.0重量%、または0.1重量%~1重量%、または0.3重量%~1重量%を含み得る。
【0186】
キレート剤
金属イオンの有害な影響に対して組成物を安定化させるために、キレート剤を用いることができる。使用される場合、好適なキレート剤は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、およびEDTA二ナトリウムなどのその塩、クエン酸およびその塩、シクロデキストリンなど、ならびにそれらの混合物を含む。
【0187】
そのような好適なキレート剤は、毛髪改質組成物の総重量の0.001重量%~3重量%、例えば、0.01重量%~2重量%、または0.01重量%~1重量%を含むことができる。
【0188】
噴霧剤
必要に応じて、任意の既知のエアロゾル噴霧剤を利用して、真直ぐにされるべき毛髪の表面に毛髪改質組成物を送達することができる。例示的な噴霧剤として、C-C直鎖および分岐鎖炭化水素などの低沸点炭化水素が挙げられる。例示的な炭化水噴霧剤には、プロパン、ブタン、イソブテン、およびそれらの混合物が含まれる。他の好適な噴霧剤として、ジメチルエーテルなどのエーテル、1,1-ジフルオロエタンなどのハイドロフルオロカーボン、ならびに空気および二酸化炭素などの圧縮期待が挙げられる。
【0189】
一態様では、これらの組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~60重量%、または0.5~35重量%の噴霧剤を含むことができる。
【0190】
香料および香水
例示的な組成物に使用され得る他の香料および香水成分として、天然および合成の香料、香水、香り、およびエッセンス、ならびに香料を放出する任意の他の物質が挙げられる。天然香料としては、植物起源のもの、例えば、花(例えば、ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチチョリ、プチグレイン、ペパーミント)、果物(アニシード、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メイス、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)、木材(マツ、ビャクダン、ユソウボク、スギ、ローズウッド、シナモン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉樹および小枝(トウヒ、パイン、ヨーロッパアカマツ、ストーンパイン)、ならびに樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、フランキンセンス、オポポナックス)からの油抽出物など、および動物起源のもの、例えば、ジャコウジカ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなど、ならびにこれらの混合物がある。
【0191】
合成香料および香水の例は、芳香族エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および炭化水素であり、これらには、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルマート、エチルメチルフェニルグリシナート、アリルシクロヘキシルプロピオナート、スチラリルプロピオナート、およびベンジルサリチレート;ベンジルエチルエーテル;8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアル、およびブルゲオナール;イオノン化合物、α-イソメチルイオノン、およびメチルセドリルケトン;アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、ラバンジュロール、ネオリドール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオール、α-ピネン、テルペン(例えば、リモネン)、およびバルサム、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0192】
植物由来成分
好適な植物由来物質として、例えば、エキナセア(例えば、アングスティフォリア、プルプレア、パリダ種)、ユッカグラウカ、ヤナギソウ、バジルの葉、トルコオレガノ、ニンジンの根、グレープフルーツ、フェンネル種子、ローズマリー、ターメリック、タイム、ブルーベリー、ピーマン、ブラックベリー、スピルリナ、クロフサスグリの実、茶葉、例えば、中国茶、紅茶(例えば、フラワリーオレンジペコー、ゴールデンフラワリーオレンジペコー、ファインティッピーゴールデンフラワリーオレンジペコー変種)、緑茶(例えば、日本茶、グリーンダージリン)、ウーロン茶、コーヒー種子、タンポポの根、ナツメヤシの実、イチョウの葉、緑茶、サンザシの実、甘草、セージ、イチゴ、スイートピー、トマト、バニラの実、コンフリー、アルニカ、ツボクサ、ヤグルマギク、トチノキ、ツタ、モクレン、カラスムギ、パンジー、タツナミソウ、シーバックソーン、ホワイトネトル、およびウィッチヘーゼルからの抽出物が挙げられ得る。植物由来抽出物としては、例えば、クロロゲン酸、グルタチオン、グリセリン、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、アブサン、およびカモミールも挙げられ得る。
【0193】
毛髪固定剤
例示的な熱活性化物質に加えて、ポリマー固定剤、例えば、シリコーンおよびシロキサンと2-エチル-4,5-ジヒドロオキサゾールホモポリマー、エチルスルフェートとの3-アミノプロピルメチル、ジメチル反応生成物、例えば、ポリシリコーン-9を含む毛髪固定剤を含めてもよい。
【0194】
非イオン性、カチオン性、および両性の毛髪硬化性ポリマー、カチオン性コンディショニングポリマー、ならびにそれらの組み合わせなどの他の市販の補助毛髪固定ポリマーを使用することができる。当該技術分野で周知の従来のポリマー毛髪固定剤およびヘアスタイリングポリマーには、天然ゴムおよび樹脂、ならびに合成起源の中性またはアニオン性ポリマーが含まれる。市販の毛髪固定剤およびコンディショニング固定剤ポリマーのリストは、INCI辞書、供給業者のウェブサイト、および営業用の文献に容易に見出すことができる。例えば、ポリマーの百科事典は、2002年12月のCosmetics&Toiletries(登録商標)117(12)(Allured Publishing Corporation、Carol Stream,IL)(関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0195】
ヘアスタイリングポリマーまたは固定ポリマーとして使用される好適な市販の非イオン性ポリマー(すなわち、中性)として、限定されないが、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)などが挙げられる。市販のカチオン性固定ポリマーとして、限定されないが、ポリクアテルニウムというINCI名を有するというポリマー、例えば、ポリクアテルニウム-4、ジアリルジモニウムクロリド/ヒドロキシエチルセルロースコポリマー(例えば、CELQUAT(登録商標)H-100、Akzo Nobel);ポリクアテルニウム-11、四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(例えば、GAFQUAT(登録商標)734、755、755N、ISP);ポリクアテルニウム-16、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾリウムクロリドコポリマー(例えば、LUVIQUAT(登録商標)FC-370、BASF);ポリクアテルニウム-28、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(例えば、GAFQUAT(登録商標)HS-100、ISP);ポリクアテルニウム-46、四級化ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートコポリマー;ポリクアテルニウム-55、四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメチルアクリルアミド/ラウリルジメチル-プロピルメタクリルアミドアンモニウムクロリドコポリマー(例えば、STYLEZE(商標)W、ISP)など;および酸性pH条件下でカチオン性のアミノ置換されたポリマー、例えば、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(例えば、GAFFIX(登録商標)VC-713、ISP);PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(例えば、コポリマー845、ISP)、PVP/DMAPAアクリレートコポリマー(例えば、STYLEZE(商標)CC-10、1SP)、Chitosan PCAのINCI名を有するキトサンのピロリドンカルボン酸塩(例えば、KYTAMER(登録商標)PC、Amerchol)が挙げられる。
【0196】
好適な両性固定ポリマーとして、限定されないが、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(例えば、AMPHOMER(登録商標)ポリマー、Akzo Nobel)、アクリレート/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシドコポリマー(例えば、DIAFORMER(登録商標)ポリマー、Clariant Corp.))などが挙げられる。
【0197】
ポリアクリル酸およびポリアクリル酸ナトリウムポリマー固定剤などの膜形成ポリマー、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.(Cleveland,Ohio)から入手可能なFixate(商標)RSPなども好適な固定剤である。
【0198】
毛髪固定剤は、0.001重量%~20重量%、例えば、少なくとも0.1重量%、または最大5重量%で組成物中に存在し得る。
【0199】
皮膚軟化剤、保湿剤および乳化剤
例示的な乳化剤として、限定されないが、C12-C18脂肪アルコール;アルコキシル化C12-C18脂肪アルコール;C12-C18脂肪酸;およびアルコキシル化C12-C18脂肪酸(アルコキシレートは、各々、10~30単位のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシドの組み合わせを有する);C-C22アルキルモノ-およびオリゴグリコシド;エトキシ化ステロール;ポリグリセロールの部分エステル;2~6個の炭素原子を有するポリオールと12~30個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のエステルおよび部分エステル;ポリグリセロールの部分エステル;およびオルガノシロキサン;ならびにその組み合わせが挙げられる。
【0200】
脂肪アルコール、酸、ならびにアルコキシル化脂肪アルコールおよび脂肪酸は、上記の皮膚軟化剤の説明に記載される通りである。本開示の技術の一態様では、脂肪アルコールおよび脂肪酸は、各々、10~30単位のエチレンオキシドでエトキシ化される。
【0201】
-C22アルキルモノおよびオリゴグリコシド乳化剤は、グルコースまたはオリゴ糖を、8~22個の炭素原子を有する第一級脂肪アルコールと反応させることによって調製される。商標Plantacare(登録商標)下で入手可能な生成物は、平均オリゴマー化度が1~2であるオリゴグルコシド残基上にグルコシド結合されたC-C16アルキル基を含む。例示的なアルキルグルコシドおよびオリゴグリコシドは、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、パルミチルグルコシド、イソステアリルグルコシド、ステアリルグルコシド、アラキジルグルコシドおよびベヘニルグルコシド、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0202】
例示的なエトキシ化ステロールは、例えば、ダイズステロールなどのエトキシ化植物油ステロールを含む。エトキシ化の程度は、一態様では約5より大きく、別の態様では少なくとも約10である。好適なエトキシ化ステロールは、PEG-10ダイズステロール、PEG-16ダイズステロールおよびPEG-25ダイズステロールである。
【0203】
ポリグリセロールの部分エステルは、2~10個のグリセロール単位を有し、1~4個の飽和または不飽和の、直鎖状または分岐鎖状の、任意選択的にヒドロキシル化されたC-C30脂肪酸残基でエステル化されている。ポリグリセロールの代表的な部分エステルは、ジグリセロールモノカプリレート、ジグリセロールモノカプレート、ジグリセロールモノラウレート、トリグリセロールモノカプリレート、トリグリセロールモノカプレート、トリグリセロールモノラウレート、テトラグリセロールモノカプリレート、テトラグリセロールモノカプレート、テトラグリセロールモノラウレート、ペンタグリセロールモノカプリレート、ペンタグリセロールモノカプレート、ペンタグリセロールモノラウレート、ヘキサグリセロールモノカプリレート、ヘキサグリセロールモノカプレート、ヘキサグリセロールモノミリステート、ヘキサグリセロールモノステアレート、デカグリセロールモノカプリレート、デカグリセロールモノカプレート、デカグリセロールモノラウレート、デカグリセロールモノミリステート、デカグリセロールモノイソステアレート、デカグリセロールモノステアレート、デカグリセロールモノオレエート、デカグリセロールモノヒドロキシステアレート、デカグリセロールジカプリレート、デカグリセロールジカプレート、デカグリセロールジラウレート、デカグリセロールジミリステート、デカグリセロールジイソステアレート、デカグリセロールジステアレート、デカグリセロールジオレエート、デカグリセロールジヒドロキシステアレート、デカグリセロールトリカプリレート、デカグリセロールトリカプレート、デカグリセロールトリラウレート、デカグリセロールトリミリステート、デカグリセロールトリイソステアレート、デカグリセロールトリステアレート、デカグリセロールトリオレエート、デカグリセロールトリヒドロキシステアレート、およびそれらの混合物を含む。
【0204】
飽和C12-C30脂肪アルコール乳化剤は、上記の皮膚軟化剤の説明に記載される通りである。本開示の技術の一態様では、脂肪アルコール乳化剤は、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコールおよびラノリンアルコールまたはこれらのアルコールの混合物から選択され、不飽和植物油および動物性脂肪酸の水素化において得ることができる。
【0205】
2~6個の炭素原子を有するポリオールおよび12~30個の炭素原子を有する直鎖の飽和および不飽和脂肪酸のエステルおよび部分エステルに基づく乳化剤は、例えば、グリセロールもしくはエチレングリコールのモノエステルおよびジエステル、またはプロピレングリコールと飽和および不飽和C12-C30脂肪酸とのモノエステルである。
【0206】
部分的にエステル化されたポリグリセロール乳化剤は、2~約10個のグリセロール単位を含み、1~5個の飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖の、任意選択的にヒドロキシル化されたC-C30脂肪酸残基でエステル化されている。本開示の技術の一態様では、乳化剤は、それらが含まれるパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、および施設用ケア組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約12重量%、別の態様では約1重量%~約15重量%、さらなる態様では約5重量%~約10重量%の範囲の量で存在することができる。
【0207】
適切な皮膚軟化剤は、限定されないが、シリコーン流体(例えば、上述の揮発性シリコーン油および不揮発性シリコーン油)、鉱物油;ワセリン;植物油;魚油;脂肪アルコール;脂肪酸;脂肪酸および脂肪アルコールエステル;アルコキシル化脂肪アルコール;アルコキシル化脂肪酸エステル;安息香酸エステル;ゲルベエステル;ポリエチレングリコールのアルキルエーテル誘導体、例えば、メトキシポリエチレングリコール(MPEG)など、およびポリアルキレングリコール;ラノリンおよびラノリン誘導体を含む。
【0208】
鉱物油およびワセリンは、化粧品、USPおよびNFグレードを含み、Drakeol(登録商標)およびPenreco(登録商標)の商品名でPenrecoから市販されている。鉱物油は、ヘキサデカンおよびパラフィン油を含む。
【0209】
好適な脂肪アルコール皮膚軟化剤は、限定されないが、8~30個の炭素原子を含む脂肪アルコールを含む。例示的な脂肪アルコールは、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、アラキジルアルコール、イコセニルアルコール、ベヘニルアルコール、およびそれらの混合物を含む。
【0210】
好適な脂肪酸皮膚軟化剤は、限定されないが、10~30個の炭素原子を含む脂肪酸を含む。例示的な脂肪酸は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、およびそれらの混合物から選択される。
例示的な脂肪酸および脂肪アルコールエステル皮膚軟化剤は、限定されないが、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、オレイン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸イソステアリル、乳酸ラウリル、ヘキシルマレイン酸ジエチル、PPG-14ブチルエーテルおよびPPG-2ミリスチルエーテルプロピオネート、オクタン酸セテアリル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0211】
アルコキシ化脂肪アルコール皮膚軟化剤は、脂肪アルコールとアルキレンオキシド、一般的にはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応から形成されるエーテルである。好適なエトキシ化脂肪アルコールは、脂肪アルコールとポリエチレンオキシドの付加物である。本開示の技術の一態様では、エトキシ化脂肪アルコールは、式R’-(OCHCHn’-OHによって表すことができ、式中、R’は親脂肪アルコールの脂肪族残基を表し、nはエチレンオキシドの分子の数を表す。本開示の技術の別の態様では、R’は8~30個の炭素原子を含むアルコールに由来する。一態様では、n’は、2~50、別の態様では3~25、さらなる態様では3~10の範囲の整数である。さらに別の態様では、R’は、上記の脂肪アルコール皮膚軟化剤に由来する。例示的なエトキシ化脂肪アルコールは、限定されないが、カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレートオレイルアルコールエトキシレート、およびベヘニルアルコールエトキシレートであり、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、別の態様では2~約150の範囲であり得る。前述の脂肪アルコールのプロポキシル化付加物および前述の脂肪アルコールのエトキシ化/プロポキシル化混合付加物もまた、本開示の技術の範囲内で企図されることを認識されたい。エトキシ化/プロポキシル化脂肪アルコールのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位は、ランダムまたはブロック状の順序で配置され得る。
【0212】
エトキシ化アルコールのさらなる具体例は、限定されないが、ベヘネス5-30(5-30は、反復するエチレンオキシド単位の範囲を意味する)、セテアレス2-100、セテス1-45、セトレス24-25、コレス10-24、コセス3-10、C9-11パレス3-8、C11-15パレス5-40、C11-21パレス3-10、C12-13パレス3-15、デセス4-6、ドドキシノール5-12、グリセレス7-26、イソセテス10-30、イソセテス4-6、イソセテス3-6、イソセテス3-50、ラネス5-75、ラネス1-40、ノノキシノール1-120、ノノキシノール5-150、オクトキシノール3-70、オレス2-50、PEG4-350、ステアレス2-100、およびトリデセス2-10である。
【0213】
プロポキシル化アルコールの具体例は、限定されないが、PPG-10セチルエーテル、PPG-20セチルエーテル、PPG-28セチルエーテル、PPG-30セチルエーテル、PPG-50セチルエーテル、PPG-2ラノリンアルコールエーテル、PPG-5ラノリンアルコールエーテル、PPG-10ラノリンアルコールエーテル、PPG-20ラノリンアルコールエーテル、PPG-30ラノリンアルコールエーテル、PPG-4ラウリルエーテル、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-10オレイルエーテル、PPG-20オレイルエーテル、PPG-23オレイルエーテル、PPG-30オレイルエーテル、PPG-37オレイルエーテル、PPG-50オレイルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-2ラノリンエーテル、PPG-5ラノリンエーテル、PPG-10ラノリンエーテル、PPG-20ラノリンエーテル、PPG-30ラノリンエーテル、およびPPG-1ミリスチルエーテルである。
【0214】
エトキシ化/プロポキシル化アルコールの具体例は、限定されないが、PPG-1ベヘネス-15、PPG-12カプリレス-18、PPG-2-PPG-2-セテアレス-9、PPG-4-セテアレス-12、PPG-10-セテアレス-20、PPG-1-セテス-1、PPG-1-セテス-5、PPG-1-セテス-10、PPG-1-セテス-20、PPG-2-セテス-1、PPG-2-セテス-5、PPG-2-セテス-10、PPG-2-セテス-20、PPG-4-セテス-1、PPG-4-セテス-5、PPG-4-セテス-10、PPG-4-セテス-20、PPG-5-セテス-20、PPG-8-セテス-1、PPG-8-セテス-2、PPG-8-セテス-5、PPG-8-セテス-10、PPG-8-セテス-20、PPG-2 C12-13パレス-8、PPG-2 C12-15パレス-6、PPG-4 C13-15パレス-15、PPG-5 C9-15パレス-6、PPG-6 C9-11パレス-5、PPG-6 C12-15パレス-12、PPG-6 C12-18パレス-11、PPG-3 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-4 C12-14 Sec-パレス-5、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-9、PPG-1-デセス-6、PPG-2-デセス-3、PPG-2-デセス-5、PPG-2-デセス-7、PPG-2-デセス-10、PPG-2-デセス-12、PPG-2-デセス-15、PPG-2-デセス-20、PPG-2-デセス-30、PPG-2-デセス-40、PPG-2-デセス-50、PPG-2-デセス-60、PPG-4-デセス-4、PPG-4-デセス-6、PPG-6-デセス-4、PPG-6-デセス-9、PPG-8-デセス-6、PPG-14-デセス-6、PPG-6-デシルテトラデセス-12、PPG-6-デシルテトラデセス-20、PPG-6-デシルテトラデセス-30、PPG-13-デシルテトラデセス-24、PPG-20-デシルテトラデセス-10、PPG-2-イソデセス-4、PPG-2-イソデセス-6、PPG-2-イソデセス-8、PPG-2-イソデセス-9、PPG-2-イソデセス-10、PPG-2-イソデセス-12、PPG-2-イソデセス-18、PPG-2-イソデセス-25、PPG-4-イソデセス-10、PPG-12-ラネス-50、PPG-2-ラウレス-5、PPG-2-ラウレス-8、PPG-2-ラウレス-12、PPG-3-ラウレス-8、PPG-3-ラウレス-9、PPG-3-ラウレス-10、PPG-3-ラウレス-12、PPG-4ラウレス-2、PPG-4 ラウレス-5、PPG-4ラウレス-7、PPG-4-ラウレス-15、PPG-5-ラウレス-5、PPG-6-ラウレス-3、PPG-25-ラウレス-25、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-3-ミレス-3、PPG-3-ミレス-11、PPG-20-PEG-20水添ラノリン、PPG-2-PEG-11水添ラウリルアルコールエーテ、PPG-12-PEG-50ラノリン、PPG-12-PEG-65ラノリン油、PPG-40-PEG-60ラノリン油、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル、PPG-3-PEG-6オレイルエーテル、PPG-23-ステアレス-34、PPG-30ステアレス-4、PPG-34-ステアレス-3、PPG-38ステアレス-6、PPG-1トリデセス-6、PPG-4トリデセス-6、およびPPG-6トリデセス-8である。
【0215】
アルコキシル化脂肪酸皮膚軟化剤は、脂肪酸をアルキレンオキシドまたは事前に形成されたポリマーエーテルと反応させたときに形成される。得られる生成物は、モノエステル、ジエステル、またはそれらの混合物であり得る。本開示の技術における使用に適した好適なエトキシ化脂肪酸エステル皮膚軟化剤は、脂肪酸にエチレンオキシドを付加した生成物である。生成物は、脂肪酸のポリエチレンオキシドエステルである。本開示の技術の一態様では、エトキシ化脂肪酸エステルは、式R”-C(O)O(CHCHO)n”-H,[1}で表すことができ、式中、R”は脂肪酸の脂肪族残基を表し、nはエチレンオキシドの分子の数を表す。別の態様では、n”は、2~50、別の態様では3~25、さらなる態様では3~10の範囲の整数である。本開示の技術のさらなる別の態様では、R”は脂肪に8~24個の炭素原子を含む脂肪酸に由来する。さらさらなる態様では、R”は、上記の脂肪酸皮膚軟化剤に由来する。前述の脂肪酸のプロポキシル化およびエトキシ化/プロポキシル化生成物もまた、本開示の技術の範囲内で企図されることが認識されたい。例示的なアルコキシル化脂肪酸エステルとして、限定されないが、カプリン酸エトキシレート、ラウリン酸エトキシレート、ミリスティック酸エトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、オレイン酸エトキシレート、ココナッツ脂肪酸エトキシレート、およびポリエチレングリコール400プロポキシル化モノラウレートが挙げられ、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、別の態様では2~約50の範囲であり得る。エトキシ化脂肪酸のさらなる具体例は、PEG-8ジステアレート(8は反復するエチレンオキシド単位の範囲を意味する)、PEG-8ベヘネート、PEG-8カプレート、PEG-8カプリレート、PEG-8カプリレート/カプレート、PEGココエート(番号指定のないPEGは、エチレンオキシド単位の数が2~50の範囲であることを意味する)、PEG-15ジココエート、PEG-2ジイソノナノエート、PEG-8ジイソステアレート、PEG-ジラウレート、PEG-ジオレエートPEG-ジステアレート、PEGジタレート、PEG-イソステアレート、PEG-ホホバ酸、PEG-ラウレート、PEG-リノレネート、PEG-ミリステート、PEG-オレエート、PEG-パルミテート、PEG-リシンオレエート、PEG-ステアレート、PEG-タレートなどである。ゲルベエステル皮膚軟化剤は、ゲルベアルコールとカルボン酸とのエステル化反応から形成される。ゲルベエステル皮膚軟化剤は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.のNoveon Consumer Specialties Divisionから、製品名G-20、G-36、G-38、およびG-66で市販されている。ラノリンおよびラノリン誘導体は、ラノリン、ラノリンワックス、ラノリン油、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、アルコキシル化ラノリン、ラノリン酸イソプロピル、アセチル化ラノリンアルコール、およびそれらの組み合わせから選択される。ラノリンおよびラノリン誘導体は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から、商品名Lanolin LP 108 USP、Lanolin USP AAA、Acetulan(商標)、Ceralan(商標)、Lanocerin(商標)、Lanogel(商標)(製品名21および41)、Lanogene(商標)、Modulan(商標)、Ohlan(商標)、Solulan(商標)(製品名16、75、L-575、98、およびC-24)、Vilvanolin(商標)(製品名C、CAB、L-101、およびP)で市販されている。皮膚軟化剤(複数可)は、ある態様では全パーソナルケア組成物の約0.5重量%~約30重量%、別の態様では0.1重量%~25重量%、さらなる態様では5重量%~20重量%の範囲の量で用いることができる。皮膚軟化剤は、一般にパーソナルケア組成物に用いられるが、それらがそのような組成物において所望の物理的属性(例えば、保湿特性)をもたらす限り、パーソナルケア組成物について記載されたのと同じ重量比でホームケア、ヘルスケア、および施設用ケア組成物に用いることができる。
【0216】
好適な保湿剤は、アラントイン、ピロリドンカルボン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、尿素、リジン、アルギニン、シスチン、グアニジン、および他のアミノ酸、ポリヒドロキシアルコールおよびそのエステル(グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシジグリコール、ジメチコンコポリオール、およびソルビトールなど)、ポリエチレングリコール、グリコール酸およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム)、乳酸および乳酸塩(例えば、アンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム)、糖およびデンプン、糖およびデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、dl-パンテノール;ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミンなど、ならびにそれらの混合物を含む。一実施形態において、保湿剤は、C-Cジオールおよびトリオール、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオールなど、およびそれらの混合物を含む。そのような好適な保湿剤は、典型的には、本開示の技術のパーソナルケア組成物の総重量の約1重量%~約10重量%、好ましくは約2重量%~約8重量%、より好ましくは約3重量%~約5重量%を含む。
【0217】
緩衝剤
緩衝剤を例示的な組成物に使用することができる。好適な緩衝剤は、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、酸無水物、コハク酸塩など、例えば、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、および炭酸ナトリウムを含む。
【0218】
pH調整剤
組成物のpHは、1.5~9.5、例えば、少なくとも2.0、または少なくとも2.5であり得る。いくつかの実施形態において、pHは、最大4.0、または最大6.5、または最大8である。選択されたpHを提供するために、組成物は、有機および無機の酸および塩基から選択される1つ以上のpH調整剤を含み得る。
【0219】
組成物のpHは、当該技術分野で既知の酸性および/または塩基性のpH調整剤の任意の組み合わせを用いて調整することができる。酸性物質は、有機酸および無機酸、特にモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、例えば、限定されないが、酢酸、クエン酸、酒石酸、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、サリチル酸、リンゴ酸、イタコン酸、マレイン酸、アルギン酸、グルタミン酸、ガラクテリン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、エチドロン酸、およびアミノ酸(グリシン、タウリン、アラニン、システイン、シスチン、クレアチン、バリン、グルタミン、ロイシン、アルギニン、リジンなど)および天然のフルーツ酸、または無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、ならびにそれらの組み合わせを含む。
【0220】
α-ヒドロキシ酸(AHA)、β-ヒドロキシ酸(BHA)、α-アミノ酸、α-ケト酸(AKA)、およびそれらの混合物などのカルボン酸などの他の酸を使用することもできる。そのような化粧品において、AHAは、限定されないが、乳酸、グリコール酸、フルーツ酸(リンゴ酸、クエン酸、酒石酸など)、AHAを含有する天然化合物の抽出物(リンゴ抽出物、アンズ抽出物など)、はちみつ抽出物、2-ヒドロキシオクタン酸、グリセリン酸(ジヒドロキシプロピオン酸)、タルトロン酸(ヒドロキシプロパン二酸)、グルコン酸、マンデル酸、ベンジル酸、アゼライン酸、α-リポ酸、サリチル酸、AHA塩および誘導体、例えば、グリコール酸アルギニン、グリコール酸アンモニウム、グリコール酸ナトリウム、乳酸アルギニン、乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソ酪酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、α-ヒドロキシイソ吉草酸、アトロラクチン酸などを含むことができる。BHAは、限定されないが、3-ヒドロキシプロパン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-フェニル乳酸、β-フェニルピルビン酸などを含み得る。α-アミノ酸は、限定されないが、フルーツ酸と組み合わせて用いられることがある、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびそれらの混合物などのα-アミノジカルボン酸を含む。AKAはピルビン酸を含む。いくつかの抗老化組成物において、酸性活性剤は、レチノイン酸、トリクロロ酢酸などのハロカルボン酸、アスコルビン酸(ビタミンC)などの酸性抗酸化剤、鉱酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸などであり得る。いくつかの酸性抗ニキビ活性剤は、例えば、サリチル酸、5-オクタノイルサリチル酸などのサリチル酸の誘導体、レチノイン酸、およびその誘導体を含み得る。
【0221】
塩基性物質は、無機および有機の塩基、ならびにそれらの組み合わせを含む。無機塩基の例として、限定されないが、アルカリ金属の水酸化物(特にナトリウム、カリウム、およびアンモニウム)、およびアルカリ金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなど、ならびにこれらの混合物が挙げられる。有機塩基の例として、トリエタノールアミン(TEA)、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ドデシルアミン、コカミン、オレアミン、モルホリン、トリアミルアミン、トリエチルアミン、テトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、L-アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、およびPEG-15コカミンが挙げられる。
【0222】
そのようなpH調整剤は、活性成分に基づいて、0.0001重量%~50重量%で存在し得る。
【0223】
微粒子および不溶性成分
安定化および/または懸濁を必要とする多数の微粒子および実質的に不溶性の化合物および成分を、本開示の技術のクレンジング組成物に用いて、ヘアケア、スキンケアおよび/または審美的利益をユーザに提供することができる。微粒子および不溶性の成分は水に不溶性である。水に不溶性であるとは、25℃の水中での溶解度が0.01重量%以下であることを意味する。そのような微粒子および不溶性成分の例として、限定されないが、顔料、角質除去剤、フケ防止剤、真珠光沢剤/乳白剤などが挙げられる。
【0224】
顔料
例示的な顔料は、金属化合物または半金属化合物であり、イオン、非イオンまたは酸化形態で使用され得る。顔料は、個々または混合物のいずれかの形態であり、または個々の混合酸化物もしくはそれらの混合物(混合酸化物と純粋酸化物との混合物を含む)としての形態であり得る。例としては、酸化チタン(例えば、TiO)、酸化亜鉛(例えば、ZnO)、酸化アルミニウム(例えば、Al)、酸化鉄(例えば、Fe)、酸化マンガン(例えば、MnO)、酸化ケイ素(例えば、SiO)、ケイ酸塩、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO)、硫酸バリウム(BaSO)、ナイロン-12、およびそれらの混合物がある。
【0225】
顔料の他の例としては、温度によって色を変化させるサーモクロミック染料、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、炭酸マグネシウム、カルミン、硫酸バリウム、マイカ、オキシ塩化ビスマス、ステアリン酸亜鉛、マンガンバイオレット、酸化クロム、二酸化チタンナノ粒子、酸化バリウム、ウルトラマリンブルー、クエン酸ビスマス、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸ジルコニウム、カーボンブラック粒子などが挙げられる。
【0226】
利用される場合、配合物中に用いられる顔料の量は、所望の製品の審美的効果を提供するのに十分でなければならず、十分に配合技術の範囲内である。一態様では、本開示の技術の組成物中に典型的に用いられる顔料の量は、組成物の総重量に基づいて、一態様では約0.5重量%~約20重量%、別の態様では約1~約15重量%、さらなる態様では約5重量%~約10重量%の範囲である。
【0227】
真珠光沢剤/乳白剤
一部の配合物は、多くの場合、真珠光沢として知られる化粧品的に魅力的な真珠のような外観を達成するために、真珠光沢材料を意図的に組み入れることにより不透明化される。乳白剤は、審美的に望ましくない特性をマスクするために、例えば、微粒子成分の存在に起因して暗い色になった組成物の色を改善するために、または組成物中の微粒子物質の存在をマスクするために、組成物中に含められることが多い。乳白剤はまた、別様に審美的に不快な組成物の審美性および消費者の許容性を改善するためにも、水性組成物に含まれる。例えば、乳白剤は、透明な組成物に真珠光沢のある外観を付与することができ、それによってクリーミーでマイルドな、かつ弾力のある外観を消費者に伝えることができる。当業者は、安定した真珠光沢のある配合物を調製する際に配合者が常に直面する問題を認識している。詳細な考察は、論文“Opacifiers and pearling agents in shampoos”by Hunting,Cosmetic and Toiletries,Vol.96,pages 65~78(July 1981)(参照により本明細書に組み込まれる)に見出される。
【0228】
不透明化または真珠光沢材料は、有機化合物および無機化合物を含む。有機化合物の典型的な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのモノエステルおよび/またはジエステルであり、脂肪酸は、一態様で約6~約22個の炭素原子、別の態様では約12~約18個の炭素原子を含む。そのような脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、およびそれらの混合物を含む。一態様では、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)および/またはエチレングリコールジステアレート(EGDS)および/またはポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)および/またはポリエチレングリコールジステアレート(PGDS)は、組成物に使用される好適な真珠光沢剤である。
【0229】
無機真珠光沢剤は、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、様々なアルミニウムおよびマグネシウム塩、グアニン、魚鱗、グリッター(ポリエステルまたはメタリック)およびそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
【0230】
好適な雲母は、白雲母または水酸化カリウムアルミニウムフッ化物(potassium aluminum hydroxide fluoride)を含む。板状の雲母は、金属酸化物の薄層でコーティングすることができる。金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化スズ、アルミナ、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0231】
乳白剤の代表的なリストは、CTFA化粧品成分ハンドブック(J.Nikitakis編、1988年)の75ページに記載されている。他の真珠光沢材料または不透明化材料は、米国特許第4,654,207号、同第5,019,376号、および同第5,384,114号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0232】
一態様では、真珠光沢または不透明化材料の量は、組成物の総重量に基づいて、一態様では約0.01~約10重量%、別の態様では約0.1%~約5重量%、さらなる態様では0.5~約3重量%の範囲の量で使用することができる。
【0233】
他の不溶性成分
本組成物に使用するのに適した他の一般に不溶性の成分、UV吸収剤、抗菌組成物、抗しわおよび抗老化組成物、マイクロスポンジ、化粧品ビーズおよびフレーク。化粧品ビーズ、フレーク、およびカプセルは、審美的外観のための組成物中に含めることができるか、または毛髪および皮膚に有益な物質を送達するためのマイクロカプセルおよびマクロカプセルの材料として機能することができる。例示的なビーズ成分として、限定されないが、寒天ビーズ、アルギネートビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンビーズ、Unispheres(商標)およびUnipearls(商標)化粧品ビーズ(Induchem USA,Inc.,New York,NY)、Lipocapsule(商標)、Liposphere(商標)、およびLipopearl(商標)マイクロカプセル(Lipo Technologies Inc.,Vandalia,OH)、およびConfetti II(商標)皮膚送達用フレーク(United-Guardian,Inc.,Hauppauge,NY)が挙げられる。
【0234】
固体脂質ナノ粒子(SLN、NLC)
固体脂質ナノ粒子(SLN)は、油中水マイクロエマルジョン(w/o)を含有し、かつ水相に溶解された少なくとも1つの親水性の活性成分を含み得るポリマーナノカプセルに基づいた、医薬品、化粧品および/または栄養活性成分のための新しい送達系である。
【0235】
新世代の固体脂質ナノ粒子は、ナノ構造脂質担体(NLC)である。これらの系は、SLNと同じ利点を有し、低負荷容量や保管中の活性成分の排出など、SLNに関連するいくつかの潜在的な問題を最小限に抑えるかまたは回避する。SLNの脂質相の少なくとも部分的な結晶状態とは対照的に、NLCは組織化されていない固体脂質マトリックスを示す。NLCの場合、マトリックス中に固体化合物と液体化合物の両方が含まれているため、分解が大きくなると、より多くの穴が存在し、その後、活性成分をカプセル化する能力が高まる。NLCの調製では、立体的に非常に異なる脂質分子が混合され、固体脂質と液体脂質または油が混合される[Muller,R.H.et al.Adv.Drug Deliv.Rev.54(Suppl。1):S131-S155(2002)]。
【0236】
SLNおよびNLCのサイズは50~1000nmであり、界面活性剤または親水性ポリマーによって水性懸濁液中で安定化される。NLCおよびSLNは、活性成分を毛髪および頭皮に放出するのに非常に適したビヒクルである。
【0237】
一実施形態において、NLCは、液体脂質または油中(w/o)に水のマイクロエマルジョンを含有し、内部水相に溶解した少なくとも1つの親水性活性成分を含み得る、ポリマーでコーティングされたナノカプセルである。
【0238】
ナノカプセルは、液体脂質または油のマトリックスとポリマーコーティングとを含む。少なくとも1つの親水性活性成分のw/oマイクロエマルジョンが脂質マトリックスに組み込まれている。ナノカプセルのコーティングは、それらの外部部分を構成し、内部マトリックスの完全かつ連続的なコーティングを提供する。液体脂質と油という用語は、区別せずに使用される。
【0239】
ナノカプセルは、それらの内部に組み込まれた親水性活性成分を含み得る。ナノカプセルに組み込まれる親水性活性成分は、制限なく、化粧品の活性成分および/またはアジュバントであり得る。
【0240】
ナノカプセルのポリマーコーティングは、ナノカプセルの外部バリアを構成し、それは、それらの成分のカプセル化を可能にし、活性成分に保護を提供する。これは、組成物の他の考えられる成分との相互作用による、加水分解による、ならびに/または酸素および/もしくは光の存在に起因する酸化による化学分解に対するそれらの安定性を高める。さらに、ペプチドなどの親水性活性成分の場合、SLNまたはNLCの水性分散液でよくあるように、外部水相への拡散による活性成分の損失を回避する。
【0241】
SLNおよびNLCナノカプセルの調製手順は、参照によりその全体が組み込まれる米国公開特許出願2013/0017239および2013/0216596に開示されている。
【0242】
一態様では、ナノカプセルのポリマーコーティングのポリマーは、タンパク質、多糖類、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリシアノアクリレート、コポリマー、および/またはそれらの混合物によって形成される群から、制限なく選択される。一態様では、ナノカプセルのコーティングのポリマーは、ゼラチン、アルブミン、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、広豆タンパク質、ジャガイモタン一態様では、ナノカプセルのコーティングのポリマーは、ゼラチン、アルブミン、ダイズタンパク質、エンドウ豆タンパク質、ソラマメタンパク質、ジャガイモタンパク質、小麦タンパク質、乳清タンパク質、β-ラクトグロブリン、カゼイン塩、小麦デンプン、コーンスターチ、ゼイン、アルギネート、カラゲナン、ペクチン、アラビノガラクタン、アラビアガム、キサンタンガム、メスキートゴム、トラガカントゴム、ガラクトマンナン、グアーガム、キャロブシードガム、キトサン、寒天、ポリ(L-リジン)、デキストラン硫酸ナトリウム、カルボキシメチルガラクトマンナン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ポリ酢酸ビニル、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(p-ジオキサノン)、ポリ(δ-バレロラクトン)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)、ポリ(β-ヒドロキシブチレート)とβ-ヒドロキシバレレートのコポリマー、ポリ(β-ヒドロキシプロピオネート)、メチルアクリル酸コポリマー(Eudragit(登録商標)LおよびS)、ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)E)、トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)RLおよびRS)、乳酸とグリコール酸のポリマーおよびコポリマー、乳酸とグリコール酸のポリマーおよびコポリマーおよびポリエチレングリコール、ならびにそれらの混合物によって形成される群から選択される。
【0243】
ナノカプセルのポリマーコーティングに使用されるポリマーの特性に応じて、その特異性を高めることが可能である。ポリマーコーティングに正電荷を与えるポリマーは、ナノカプセルと毛髪または繊維材料との間の結合をより強くすることができる。任意選択的に、ナノカプセルのコーティングのポリマーは、カチオン性ポリマーであり得る。カチオン性ポリマーは、天然または合成ポリマーであり得、例えば、限定されないが、AmercholからPolymer JR400(商標)の名称で得ることができる四級化ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースのカチオン性誘導体;カチオンデンプン;ジアリルアンモニウムおよびアクリルアミド塩コポリマー;Luviquat(商標)(BASF)などの四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー;ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物;ポリクオタニウムポリマーおよびコポリマー;ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-10のMerquatと称されるポリマー;ポリクオタニウム-4コポリマー;ジココイルエチルヒドロキシエチルアンモニウム、セルロース骨格および第四級アンモニウム基を有するグラフトコポリマー;ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(GruenauによるLamequat(商標))などの四級化コラーゲンポリペプチド;四級化小麦ポリペプチド;ポリエチレンイミン;アミドメチコンまたはクオタニウム-22シリコーンなどのカチオン性シリコーンポリマー;アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー(SandozによるCartaretin(商標));塩化ジメチルジアリルアンモニウムとのアクリル酸コポリマー(ChemvironによるMerquat(商標)550);キトサンおよびその誘導体などのカチオン性キチン誘導体;カチオン性ジハロゲンアルキレンの縮合生成物(ジブロモブタンとビスジアルキルアミンなど);ビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン;グアー-ヒドロキシプロピルトリモニウム、CelaneseによるJaguar(商標)CBS、Jaguar(商標)C-17、Jaguar(商標)C-16などのカチオン性グアーガムの誘導体;MiranolによるMirapol(商標)A-15、Mirapol(商標)AD-1、Mirapol(商標)AZ-1などの第四級アンモニウム塩ポリマー;カチオン性カッシア、カチオン性ローカストビーンガム、カチオン性タラガムなどの四級化ポリガラクトマナン、アガロースなどの天然誘導体の四級化多糖ポリマー;ゼラチン、アラビアゴムから選択されるカチオン性タンパク質;ポリアミド、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリアニリン、ポリピロール、ポリビニルピロリドン、アミノシリコーンポリマーおよびコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリスチレンおよび無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル、エポキシ樹脂、ならびにスチレンおよびメチルメタクリレートコポリマーによって形成される群からのカチオン性ポリマー;ジメチルアミノメタクリレート、カチオン性ポリアクリレートおよびポリメタクリレート(RoehmによるEudragit(商標)RL30Dなど);任意選択的にポリエチレングリコール誘導体によって置換されるポリアミン誘導体;カチオン性であるpH条件下のポリアミノ酸;ポリエチレンイミン;ポリビニルピロリドン(PVP)および親水性ウレタンポリマーの四級化誘導体、ならびに上記カチオン性基の任意の混合物であり得る。
【0244】
任意選択的に、ナノカプセルのコーティングのポリマーは、可塑化添加剤を含むことができる。可塑化添加剤は、クエン酸アルキルエステル、例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチルおよびアセチルクエン酸トリエチルなど、フタレート、例えば、フタル酸ブチルおよびフタル酸ジエチルなど、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グルコース、サッカロース、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、脂肪酸金属塩、例えば、ステアリン酸またはパルミチン酸など、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、モノステアリン酸プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、例えば、モノアセチルグリセリンおよび三酢酸グリセリルまたはトリアセチンなど、グリセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリル、セバシン酸アルキル、例えば、セバシン酸ジブチルまたはセバシン酸ジエチルなど、フマル酸アルキル、コハク酸アルキル、中鎖トリグリセリド(MCT)、ヒマシ油、水素化植物油、ワックス、ならびに/またはこれらの混合物によって形成される群から制限なく選択される。
【0245】
任意選択的に、カプセル化プロセスを改善または促進するポリマーの他の技術的添加剤、例えば、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、グリセリン、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリンおよび/またはステアリン酸金属塩などの流動化剤などを添加することができる。
【0246】
親水性という用語は、20℃の水100ml当たり1g超の溶解度で水に溶解する物質を指す。本開示の技術では、親水性および水溶性という用語は区別せずに使用される。
【0247】
親水性の化粧品活性成分および/またはアジュバントの性質は、合成もしくは天然であり得るか、または生物工学的手順に由来し得るか、または合成手順と生物工学的手順の組み合わせに由来し得る。好ましくは、ナノカプセルの親水性活性成分は熱不安定性である。熱不安定性の活性成分は、80℃の温度に2時間供された後、0.5%以上の分解を示すものであると理解される。
【0248】
化粧品活性成分は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、加水分解タンパク質、酵素、ホルモン、ビタミン、鉱物塩、ヌクレオチド、核酸、分子、および生物学的および生物工学的起源の抽出物、合成または部分的に合成された親水性分子および/またはそれらの混合物によって形成される群から制限なく選択される。
【0249】
アミノ酸、その塩および/または誘導体、ならびにそれらを含む市販の混合物は、例えば、セリン、プロリン、アラニン、グルタミン酸、アルギニン、グリシン、メチオニン、シトルリン、メチルグリシン二酢酸ナトリウム(BASFから販売されているTRILON(登録商標)M)、システインを含有するアミノ酸の誘導体、特にN-アセチルシステイン、エルゴチオネインまたはS-カルボキシメチルシステイン、および/またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0250】
ペプチドまたはそれらを含有する市販の混合物は、例えば、とりわけ、化粧品用途のペプチド、例えば、GHK[INCI:トリペプチド-1]、アセチル-グルタミル-メチオニル-アラニル-イソロイシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-フェニルグリシン、Bodyfensine(商標)[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド-3]、Relistase(商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-バリル-グリシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-バリル-フェニルグリシン、ジアミノプロピオニル-アラニル-アスパラギニル-ヒスチジン、アセチル-アルギニル-アスパラギニル-ヒスチジル-シトルリン-アミド、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-1]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド-10シトルリン]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド-10]、ペプチドAC29[INCI:アセチルトリペプチド-30シトルリン]、Vilastene(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-10シトルリン]、dGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン]、Eyeseryl(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-5]、Preventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33]、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-8]、SNAP-7[INCI:アセチルヘプタペプチド-4]、SNAP-8[INCI:アセチルオクタペプチド-3]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-18]、Trylagen(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-10シトルリン、トリペプチド-1]、Inyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-30]、Melatime(商標)[INCI:アセチルトリペプチド-40]、Thermostressine(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-22]またはLiporeductyl(登録商標)[INCI:カフェイン、ナギイカダ(Ruscus Aculeatus)根抽出物、TEA-ヨウ化水素酸塩、カルニチン、ツタ(西洋ヅタ)抽出物、エスチン、トリペプチド-1](Lipotecから販売)、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド-4]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルオリゴペプチド]、Dermaxyl(登録商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Calmosensine(商標)[INCI:アセチルジペプチド-1]、Biopeptide CL(商標)[INCI:グリセリルポリメタクリレート、プロピレングリコール、パルミトイルオリゴペプチド]またはBiopeptide EL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド](Sedermaから販売)、シュードジペプチド、IP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2](IEBおよびAtriumから販売)、Pepha(登録商標)-Timp[INCI:ヒトオリゴペプチド-20、ECM-Protect(登録商標)[INCI:水(Aqua)、デキストラン、トリペプチド-2]またはMelanostatine(登録商標)-5[INCI:デキストラン、ノナペプチド-1](Atrium Innovationsから販売)、Timp-Peptide[提案されたINCI:アセチルヘキサペプチド]、Bronzing S.F.[提案されたINCI:ブチリルペンタペプチド]、BONT-L-Peptide[INCI:パルミトイルヘキサペプチド-19]またはECM Moduline[提案されたINCI:パルミトイルトリペプチド](Infinitec Activosから販売)、IP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2](Institut Europeen de Biologie Cellulaireから販売)、Syn(登録商標)-Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド-5](Pentapharmから販売)、Neutrazen(商標)[INCI:水、ブチレングリコール、デキストラン、パルミトイルトリペプチド-8]、ChroNOline(商標)[INCI:カプロオイルテトラペプチド-3]またはThymulen-4[INCI:アセチルテトラペプチド-2](Atrium Innovations/Unipex Groupから販売)、Meliprene(登録商標)[INCI:デキストラン、アセチルヘプタペプチド-1]またはMelitane(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-1](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Groupから販売)、Skinasensyl(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-15](Laboratoires Serobiologiques/Cognisから販売)、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-3]、Syn(登録商標)-Ake(登録商標)[INCI:ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド]、Syn(登録商標)-Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド-5]、Syniorage(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-11]、Dermican(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-9](Laboratoires Serobiologiques/Cognisから販売)、Kollaren(登録商標)[INCI:トリペプチド-1、デキストラン](Institut Europeen de Biologie Cellulaireから販売)、Collaxyl(登録商標)IS[INCI:ヘキサペプチド-9]、Laminixyl IS(商標)[INCI:ヘプタペプチド]、Quintescine(商標)IS[INCI:ジペプチド-4]、UCPeptide(商標)V[INCI:ペンタペプチド]またはAT Peptide(商標)IS[INCI:トリペプチド-3](Vincience/ISPから販売)、グルタチオン、カルノシンおよび/またはこれらの混合物;ならびに医薬品用途のペプチド、例えば、グルカゴン、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン、ナファレリン、デスロレリン、ヒストレリン、アボレリン、アバレリックス、セトロレリクス、ガニレリクス、デガレリクス、デスモプレシン、ソマトスタチンおよびソマトスタチンの類似体(オクトレオチド、バプレオチドおよびランレオチドなど)などの薬学的使用のペプチドによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0251】
タンパク質、加水分解タンパク質、酵素およびホルモン、ならびにこれらを含有する市販の混合物は、例えば、Elhibin(登録商標)[INCI:Glycine Soja(ダイズ)タンパク質]、Preregen(登録商標)[INCI:Glycine Soja(ダイズ)タンパク質、オキシドレダクターゼ]またはRegu(登録商標)-Age[INCI:加水分解米ぬかタンパク質、Glycine Soja(ダイズ)タンパク質、オキシドレダクターゼ](Pentapharm/DSMから販売)、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、ヒアルロン酸受容体、免疫グロブリン、線維芽細胞成長因子、結合組織成長因子、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、インスリン様成長因子、ケラチノサイト成長因子、コロニー刺激成長因子、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子α、インターフェロン、インターロイキン、基質メタロプロテイナーゼ、受容体タンパク質チロシンホスファターゼ、加水分解植物性タンパク質(加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質または加水分解乳清タンパク質など)、Lipeptide[INCI:加水分解植物性タンパク質](Lipotec)、Collalift(登録商標)[INCI:加水分解麦芽抽出物](Coletica/Engelhardから販売)、Colhibin[INCI:加水分解米タンパク質](Pentapharmから販売)、Cytokinol(登録商標)LS[INCI:加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク質、リジンHCL](Laboratoires Serobiologiques/Cognisから販売)、Liftline(登録商標)[INCI:加水分解小麦タンパク質]またはRidulisse C(登録商標)[加水分解ダイズタンパク質](Silabから販売)、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、乳タンパク質、カゼイン、ラクトペルオキシダーゼ、リゾチーム、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素またはSCCE、プロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、スチライン、パパインまたはブロメラインなど)、DNA修復酵素(光回復酵素またはT4エンドヌクレアーゼVなど)、リパーゼ、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、成長ホルモン、インスリン、および/またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0252】
ビタミンは、例えば、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、カルニチンおよび/またはそれらの混合物などの水溶性ビタミンによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0253】
化学的に修飾することができる生物学的または生物工学的起源の抽出物、ならびにそれらを含む市販の混合物は、例えば、植物抽出物、海洋抽出物、細胞抽出物、および微生物によって生成される抽出物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0254】
植物抽出物は、水溶性植物抽出物、例えば、とりわけ、カモミール、ツタ、レモン、チョウセンニンジン、ラズベリー、ローストアマランス、ジオウ、クチナシ、ニンジン、オレンジ、ピーチ、パイナップル、リンドウ、ハイビスカスの花、クルミの葉、カボチャ、シャクヤク、キノア、ボルド、サルトリイバラ、サルビア、ザクロ、オレガノ、ジンジャー、マジョラム、クランベリー、ブドウ、トマト、緑茶、紅茶、アロエベラ(Aloe Barbadensis)、エンジュ、パパイヤ、パイナップル、カボチャ、サツマイモ、Bupleurum Chinensis、Cecropia Obtusifolia、Celosia Cristata、Centella Asiatica、Chenopodium Quinoa、Chrysanthellum Indicum、Citrus Aurantium Amara、Coffea Arabica、Coleus Forskohlii、Commiphora Myrrha、Crithmum Maritimum、Eugenia Caryophyllus、Ginkgo Biloba、Hedera Helix(ivy)、Hibiscus Sabdariffa、Ilex Paraguariensis、Laminaria Digitata、Nelumbium Speciosum、Paullinia Cupana、Peumus Boldus、Phyllacantha Fibrosa、Prunella Vulgaris、Prunus Amygdalus Dulcis、Ruscus Aculeatus(ナギイカダ抽出物)、Sambucus Nigra、Spirulina Platensis Algae、Uncaria Tomentosa、Verbena Officinalis、Opuntia ficus indica、Salix alba、Lupinus spp、Secale cereale、Tussilago farfara、Achillea millefolium、Aradirachta indica、Asmuna japonica、Autocarpus incisus、Bidens pilosa、Broussonetia papyrifera、Chlorella vulgaris、Cimicifuga racemosa、Emblica officinalis、Glycyrrhiza glabra、Glycyrrhiza uralensis、Ilex purpurea、Ligusticum lucidum、Ligusticum wallichii、Mitracarpus scaber、Morinda citrifolia、Morus alba、Morus bombycis、Naringi crenulata、Prunus domesticus、Pseudostellariae radix、Rumex crispus、Rumex occidentalis、Sapindus mukurossi、Saxifragia sarmentosa、Scutellaria Galericulate、Sedum sarmentosum Bunge、Stellaria medica、Triticum Vulgare、Uva ursi、Whitania somnifera、Aristoloquia clematis、Rosa moschata、Echinacea angustifolia、Symphytum officinale、Equisetum arvense、Hypericum perforatum、Mimosa tenuiflora、Persea gratissima、Prunus africanum、Tormentilla erectea、Solanum tuberosum、Rosmarinus officinalis、Vaccinium angustifolium、Macrocystis pyrifera algae、Padina pavonica、Malpighia punicitolia、Cynara scolymus、Gossypium herbaceum、Panicum miliaceum、Morus nigra、Sesamum indicum、Glycine soja、Triticum vulgare 、Glycine Max (ダイズ)、麦芽、亜麻、アカツメクサ、葛根湯、白花ルピナス、ヘーゼルナッツ、トウモロコシ、ブナの木の芽、Trifolium pratense(アカツメクサ)、Phormium tenax(ニュージーランド亜麻)、Cinnamommum zeylanicum、Laminaria saccharina、Spiraea ulmaria、イラクサの根、Pygeum africanum、Avena Sativa、Arnica montana、Cinchona succirubra、Eugenia caryophyllata、Humulus lupulus、Hypericum perforatum、Mentha piperita、Rosmarinus officinalis、Thymus vulgaricus、オオアザミ属の植物抽出物、マメ科植物種子の抽出物、アマノリ属の紅藻の抽出物、Phytovityl C(登録商標)[INCI:Aqua、トウモロコシ抽出物](Solabiaから販売)、Micromerol(商標)[INCI:Pyrus Malus抽出物]またはヘザー抽出物[INCI:Calluna Vulgaris抽出物](Coletica/Engelhard/BASFから販売)、Proteasyl(登録商標)TP LS8657[INCI:Pisum Sativum抽出物](Laboratoires Serobiologiques/Cognisから販売)、Radicaptol[INCI:プロピレングリコール、水、Passiflora Incarnataの花抽出物、Ribes Nigrum(ブラックカラント)葉抽出物、Vitis Vinifera(ブドウ)の葉抽出物](Solabiaから販売)またはViaPure(商標)Boswellia[INCI:オリバナム(Boswellia Serrata)抽出物](Solianceから販売)、EquiStat[INCI Pyrus Malus果実抽出物、Glycine Soja種子抽出物](Coletica/Engelhardから販売)、Litchiderm(商標)[INCI:Litchi Chinensis果皮抽出物]またはArganyl(商標)[INCI:Argania Spinosa葉抽出物](Laboratories Serobiologiques/Cognisから販売)、Dakaline[INCI:Prunus amygdalus dulcis、Anogeissus leiocarpus樹皮抽出物](Solianceから販売)、Actimp 1.9.3(登録商標)[INCI:加水分解ルピナスタンパク質](Expanscience Laboratoriosから販売)、Pronalen(登録商標)Refirming HSC[INCI:Triticum vulgare、Silybum Marianum、Glycine Soy、Equisetum Arvense、Alchemilla Vulgaris、Medicago Sativa、Raphanus Sativus]またはPolyplant(登録商標)Refirming[INCI:ヤグルマソウ、Asiatic Centella、ヒバマタ、フェヌグリーク](Provitalから販売)、Lanablue(登録商標)[INCI:ソルビトール、藻類抽出物](Atrium Innovationsから販売)、Firmiderm(登録商標)LS9120[INCI:Terminalia Catappa葉抽出物、Sambucus Negra花抽出物、PVP、タンニン酸](Laboratoires Serobiologiques/Cognisから販売)によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0255】
細胞抽出物および微生物によって産生される抽出物、またはそれらを含有する市販の混合物は、水溶性細胞抽出物および微生物によって産生される水溶性抽出物、例えば、とりわけ、Antarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas Ferment Extract]and Trylagen(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-10シトルリン、トリペプチド-1](Lipotecから販売)、酵母抽出物、Saccharomyces cerivisiaeの抽出物およびLactobacillus Bulgaricusによる乳発酵産物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0256】
送達系に含有される活性成分の量は、0.00001~50重量%、好ましくは0.0001~40重量%、より好ましくは0.001~30重量%の範囲である。
【0257】
ナノカプセルは、任意の性質の他の化粧品および/または活性成分および/またはアジュバント、疎水性物質、親水性物質および両親媒性物質を含み、これらは、溶液中もしくは脂質マトリックス中の懸濁液中、またはマイクロエマルジョンの水相中に見出され得る。特に、化粧品および/または栄養活性成分および/またはアジュバントは、例えば、界面活性剤、保湿剤または水分を保持する物質、モイスチャライザーまたは皮膚軟化剤、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤、コアジュバント再上皮化剤、真皮または上皮の巨大分子を合成する薬剤、固化剤および/または密度向上剤および/または再構築剤、サイトカイン成長因子、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、抗糖化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/または抗大気汚染剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、5α-レダクターゼ阻害剤、リジル-および/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、デフェンシン合成刺激剤、殺菌剤および/または静菌剤および/または抗菌剤および/または殺菌消毒剤および/または殺真菌剤および/または静真菌剤および/または病原菌抑制剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗ヒスタミン剤、NOシンターゼ阻害剤、落屑剤または角質溶解剤および/または剥脱剤、コメド溶解剤、抗乾癬剤、フケ防止剤、抗炎症剤および/または鎮痛薬、麻酔剤、しわ防止および/または老化防止剤、化粧品および/または吸収性および/または体臭防止消臭剤、制汗剤、芳香物質および/または香油および/または単離された芳香族化合物、抗酸化剤、血管透過性を阻害する薬剤、加水分解性上皮酵素、美白または皮膚脱色剤、汗分解酵素を阻害する薬剤、紫外線をフィルタリングすることが可能な薬剤、ケラチノサイトの分化を刺激または制御する薬剤、抗掻痒剤、メラニンの合成を刺激または阻害する薬剤、着色促進剤、セルフタンニング剤、メラノサイト増殖刺激剤、液体噴射剤、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、皮膚弛緩剤、目の下のくまを低減させるまたは処理することが可能な薬剤、敏感肌の処置および/または手入れのための薬剤、収斂剤、皮脂産生を調整する薬剤、抗ストレッチマーク剤、脂肪分解剤または脂肪分解を刺激する薬剤、静脈強壮剤、抗セルライト剤、鎮静剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮-上皮接合部を改善する薬剤、発毛誘発剤または脱毛遅延剤、体毛成長の阻害または遅延剤、熱ショックタンパク質合成刺激剤、筋弛緩剤、筋収縮阻害剤、アセチルコリン受容体のクラスタ化を抑制する薬剤、抗コリン薬、エラスターゼ阻害剤、基質メタロプロテイナーゼ阻害剤、キレート剤、野菜抽出物、精油、海洋抽出物、鉱物塩、細胞抽出物、乳化剤、脂質および角質層成分の合成を刺激する薬剤(セラミド、脂肪酸など)、バイオ発酵プロセスから得られる薬剤ならびに/またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。これらの活性成分および/または化粧品アジュバントおよび/または栄養補給アジュバントの性質は、合成もしくは植物抽出物などの天然であり得るか、または生物工学的プロセス、または合成プロセスと生物工学的プロセスの組み合わせに由来し得る。追加の例は、CTFA国際化粧品成分辞典およびハンドブック第12版(2008)に見出すことができる。本開示の技術に関して、生物工学的プロセスは、生物またはその一部において活性成分またはその一部を産生する任意のプロセスであると理解される。
【0258】
保湿剤または水分を保持する物質、モイスチャライザーまたは皮膚軟化剤は、例えば、とりわけ、ポリオールおよびポリエーテル(グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの誘導体、グリセレス-26、ソルベス-30など);パンテノール;ピログルタミン酸ならびにその塩および誘導体;アミノ酸(セリン、プロリン、アラニン、グルタメートまたはアルギニンなど);エクトインおよびその誘導体;N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミド;N-ラウロイル-ピロリドンカルボン酸;N-ラウロイル-L-リジン;N-α-ベンゾイル-L-アルギニン;尿素;クレアチン;α-およびβ-ヒドロキシ酸(乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸またはサリチル酸、およびそれらの塩など);ポリグリセリルアクリレート;グルクロン酸ナトリウム、カラゲネート(コンドラス・クリスパス)またはキトサンなど);グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸およびそれらの誘導体など);いずれかの形態のアロエベラ;蜂蜜;可溶性コラーゲン;レシチンおよびホスファチジルコリン;セラミド;コレステロールおよびそのエステル;トコフェロールおよびそのエステル(酢酸トコフェリルまたはリノール酸トコフェリルなど);長鎖アルコール(セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコールまたはオクタデカン-2-オールなど);長鎖アルコールエステル(乳酸ラウリル、乳酸ミリスチルまたは安息香酸C12-C15アルキルなど);脂肪酸(ステアリン酸、イソステアリン酸またはパルミチン酸など);多価不飽和脂肪酸(PUFA);ソルビタン(ジステアリン酸ソルビタンなど);グリセリド(モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリルまたはカプリル酸およびカプリン酸トリグリセリドなど);スクロースエステル(パルミチン酸スクロースまたはオレイン酸スクロースなど);ブチレングリコールエステル(ジカプリル酸塩およびジカプリン酸塩など);脂肪酸エステル(イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシルココエート、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルなど);スクアレン;ミンクオイル;ラノリンおよびその誘導体;アセチル化ラノリンアルコール;シリコーン誘導体(シクロメチコン、ジメチコンまたはジメチルポリシロキサンなど);Antarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物]またはアセチル-グルタミル-メチオニル-アラニル-イソロイシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-フェニルグリシンもしくはアセチル-アルギニル-6-アミノヘキサノイル-アラニン(Lipotecから販売)、ワセリン;鉱物油;鉱物ワックスおよび合成ワックス;蜜ろう(cera alba);パラフィン;または植物由来のワックスおよび油(キャンデリラワックス(Euphorbia cerifera)、カルナバワックス(Copernicia cerifera))、シアバター(Butirospermum parkii)、カカオバター(Theobroma cacao)、ヒマシ油(-Ricinus communis)、ヒマワリ油(Helianthus annuus)、オリーブ油(Olea europaea)、ココナッツ油(Cocos nucifera)、ヤシ油(Elaeis guineensis)、小麦胚芽油(Triticum vulgare)、スウィートアーモンド油(Prunus amygdalus dulces)、ジャコウバラ油(Rosa moschata)、ダイズ油(Glycine soja)、ブドウ種子油(Vitis vinifera)、カレンデュラ油(Calendula officinalis)、ホホバ油(Simmonsis chinensis)、マンゴー油(Mangifera indica)、アボカド油(Persea gratissima)など)、および/またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0259】
殺菌剤および/または静菌剤および/または抗菌剤および/または殺菌消毒剤および/または殺真菌剤および/または静真菌剤および/または病原菌抑制剤は、例えば、とりわけ、マクロライド、ピラノシド、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、限定されないが、シンナリジンおよびジルチアゼム;ホルモン、例えば、限定されないが、エストリール、その類似体またはチロキシンおよび/もしくはその塩、カプリリルグリコール、イミダゾリジニル尿素、メチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:メチルパラベン]、エチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:エチルパラベン]、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:プロピルパラベン]、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:ブチルパラベン]、イソブチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:イソブチルパラベン]、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン[INCI:DMDMヒダントイン]、ベンジル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:ベンジルパラベン]、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、ギ酸、プロピオン酸、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、3-p-クロロフェノキシ-1,2-プロパノジオール[INCI:クロルフェネシン]、ジクロロベンジルアルコール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、塩化ベンザルコニウム、臭気吸収殺真菌剤(リシノール酸亜鉛など)、シクロデキストリン、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、エタノール、プロパノール、1,3-ブタンジオール、1,2-プロピレングリコール、ウンデシレン酸、デヒドロ酢酸、N-メチルモルホリンアセトニトリル(MMA)、イソプロパノール、メタノール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、ペンチレングリコール、ラウリン酸グリセリン、カプリル酸グリセリン、カプリン酸グリセリン、過酸化ベンゾイル、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサンおよびその誘導体、フェノキシエタノール、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、レゾルシノール、スチエマイシン(stiemycin)、エリスロマイシン、ネオマイシン、クリンダマイシンおよびそのエステル、テトラサイクリン、メトロニダゾール、アゼライン酸、トルナフテート、ニスタチン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、亜鉛の誘導体(ピリチオン酸亜鉛またはトリチオン酸亜鉛、酸化亜鉛およびウンデシレン酸亜鉛など)、ピロクトンオラミン、イソチアゾリノン、セレン硫黄、ベンジルヘミホルマール、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、6,6-ジブロモ-4,4-ジクロロ-2,2’-メチレンジフェノール[INCI:ブロモクロロフェン]、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、トシルクロルアミドナトリウム[INCI:クロラミンT]、クロロアセトアミド、p-クロロ-m-クレゾール、2-ベンジル-4-クロロフェノール[INCI:クロロフェン]、ジメチルオキサゾリジン、ドデシルジメチル-2-フェノキシエチルアンモニウムブロミド[INCI:臭化ドミフェン]、7-エチルビシクロオキサゾリジン、ヘキセチジン、グルタルアルデヒド、N-(4-クロロフェニル)-N-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-尿素[INCI:クロフルカルバン]、2-ヒドロキシ-4-イソプロピル-2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オン[INCI:ヒノキチオール]、イソプロピルメチルフェノール、水銀塩、アルミニウム塩、ナイシン、フェノキシイソプロパノール、o-フェニルフェノール、3-ヘプチル-2-[(3-ヘプチル-4-メチル-3H-チアゾール-2-イリデン)メチル]-4-メチルチアゾールヨウ化物[INCI:クオタニウム-73]、塩化銀、ヨウ化ナトリウム、チモール、ウンデシレン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸およびエチレンジアミン四酢酸塩、ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ラクトフェリン、アルキルアリールスルホネート、ハロゲン化フェノール、フェノール酢酸水銀および/またはそれらの混合物、ベンズアミジン、イソチアゾリン、フタルイミドの誘導体、ピリジンの誘導体、グアニジン、キノリン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードホール(tamed iodine)、ペルオキソ化合物、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、チアミンエッセンス、オイゲノール、ファルネソール、モノラウリン酸グリセリン、ジグリセリンモノカプリネート(diglycerin monocaprinate)、N-アルキルサリチル酸アミド(n-オクチルサリチル酸アミドまたはn-デシルサリチル酸アミドなど)、ハロゲン化キシレンおよびクレゾールの誘導体(p-クロロ-メタ-クレゾールまたはp-クロロ-メタ-キシレンなど)、Allium sativum、Calendula officinalis、Chamomilla recutita、Echinacea Purpura、Hyssopus Officinalis、Melaleuca alternifoliaの抽出物、またはティーツリー油、カーネーションエッセンス、メントールおよびミントエッセンスによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0260】
発毛誘発剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、または脱毛遅延剤は、例えば、とりわけ、Tussilago farfaraまたはAchillea millefoliumの抽出物、ニコチン酸エステル(ニコチン酸C-Cアルキル、例えば、ニコチン酸メチルまたはニコチン酸ヘキシル、ニコチン酸ベンジル、またはニコチン酸トコフェリルなど);ビオチン、5α-レダクターゼ阻害剤、抗炎症剤、レチノイド、例えば、限定されないが、オールトランスレチノイン酸またはトレチノイン、イソトレチノイン、レチノールまたはビタミンA、およびこれらの誘導体、例えば、酢酸、パルミチン酸、プロピオン酸、モトレチニド、エトレチネートおよびトランスレチノイン酸の亜鉛塩;抗菌剤、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、限定されないが、シンナリジンおよびジルチアゼム;ホルモン、例えば、限定されないが、エストリオール、その類似体またはチロキシン、その類似体および/または塩;抗アンドロゲン剤、例えば、限定されないが、オキセンドロン、スピロノラクトンまたはジエチルスチルベストロール;抗ラジカル剤、エステル化オリゴ糖、例えば、限定されないが、EP0 211 610およびEP0 064 012に記載されるもの;ヘキソサッカリン酸の誘導体、例えば、限定されないが、グルコサッカリン酸または文献EP0 375 388に記載されるもの;グルコシダーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、D-グルカロ-1,5-ラクタムまたは文献EP0 334 586に記載されるもの;グリコサミノグリカナーゼおよびプロテオグリカナーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、L-ガラクトノ-1,4-ラクトンまたは文献EP0 277 428に記載されるもの、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、1-アミド-1-シアノ(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチレンまたは文献EP0403238に記載されるもの、ジアゾキシド、例えば、限定されないが、7-(アセチルチオ)-4’,5’-ジヒドロスピロ[アンドロスタ-4-エン-17,2’-(3H)フラン]-3-オン、3-メチル-7-クロロ[2H]-1,2,4-ベンゾチアジアジンまたはスピロオキサジンの1,1-ジオキシド;リン脂質、例えば、限定されないが、レシチン;サリチル酸およびその誘導体、ヒドロキシカルボン酸またはケトカルボン酸およびそれらのエステル、ラクトンおよびその塩;アントラリン、エイコサ-5,8,11-トリエン酸およびそのエステルまたはアミド、ミノキシジルおよびその誘導体またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0261】
酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2,6,-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、没食子酸エステル(没食子酸プロピルなど)、プロブコール、ポリフェノール、アスコルビン酸およびその塩、酵素(カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼおよびペルオキシダーゼなど);クエン酸、クエン酸塩、モノグリセリドエステル、メタ重硫酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、ビタミンAまたはβ-カロテン、ビタミンEおよびC、トコフェロール(酢酸ビタミンEなど)、アスコルビン酸エステル(パルミチン酸アスコルビルおよび酢酸アスコルビルなど)、亜鉛、銅、マンニトール、還元型グルタチオン、カロテノイド(クリプトキサンチン、アスタキサンチンおよびリコペンなど);システイン、尿酸、カルニチン、タウリン、チロシン、ルテイン、ゼアキサンチン、N-アセチル-システイン、カルノシン、γ-グルタミルシステイン、ケルセチン、ラクトフェリン、ジヒドロリポ酸、茶カテキン、パルミチン酸レチニルおよびその誘導体、重硫酸塩、メタ重亜硫酸塩および亜硫酸ナトリウム、クロマン、クロメンおよびその類似体、Lipochroman-6[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、金属のキレート剤(EDTAなど)、ソルビトール、リン酸またはdGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン];イチョウ葉抽出物、植物抽出物(セージ、ザクロ、ローズマリー、オレガノ、ショウガ、マジョラム、クランベリー、ブドウ、トマト、緑茶または紅茶など);オレオレジン抽出物、バニリン、エラグ酸およびリスベラトロールなどのフェノールを含有する植物の抽出物;第3級ブチルヒドロキノンまたはそれらの混合物、2価の金属塩(セレン、カドミウム、バナジウムまたは亜鉛など);α-リポ酸、補酵素Q、イデベノンまたはその誘導体によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0262】
紫外線をフィルタリングすることが可能な薬剤は、例えば、紫外線Aおよび/またはBに対して活性な有機または無機の光防護剤、例えば、置換ベンゾトリアゾール、置換ジフェニルアクリレート、有機ニッケル錯体、ウンベリフェロン、ウロカニン酸、ビフェニル誘導体、スチルベン、3-ベンジリデンカンファー、およびそれらの誘導体(3-(4-メチルベンジリデン)カンファーなど);4-アミノ安息香酸、2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-オクチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートおよびアミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートの誘導体;ケイ皮酸エステル(2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメートまたはジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル(オクトクリレン)2-シアノ-3,3-フェニルシンナメートなど);サリチル酸エステル(サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチルなど);ベンゾフェノン誘導体(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンなど);ベンザルマロン酸エステル(ジ-2-エチルヘキシル4-メトキシベンザルマロネートなど);トリアジン誘導体(2,4,6-トリアニリノ、p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ-1,3,5-トリアジン、オクチルトリアゾンまたはジオクチルブタミドトリアゾンなど);プロパン-1,3-ジオン(1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなど);ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体;2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸;ベンゾフェノンスルホン酸誘導体(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩など);4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、ベンゾイルメタン誘導体、例えばベンゾイルメタン2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸、例えば1-(4’-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、1-フェニル-3-(4’-イソプロピルフェニル)-プロパン-1,3-ジオン、エナミン化合物、アントラニレート、ケイ素、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ベンゾイル誘導体、Chromabright(商標)[INCI:パルミチン酸ジメチルメトキシクロマニル]またはPreventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33](どちらもLipotecから販売)、金属酸化物(酸化亜鉛、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムなど);シリケート、タルク、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、カーボンナノチューブおよび/またはそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0263】
利用される場合、配合物中に用いられるSLNおよび/またはNLC、ならびに他の不溶性成分の量は、所望の製品の利益および/または審美的効果を提供するのに十分でなければならず、十分に配合技術の範囲内である。一態様では、本開示の技術の組成物中に典型的に用いられるこれらの成分の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.05重量%~約25重量%、または約0.5~約20重量%、または約1~約10重量%の範囲であり得る。
【0264】
以下の実施例は、本技術の範囲内の実施形態をさらに説明し、実証する。これらの実施例は、例示のみの目的で提示されており、本技術の主旨および範囲から逸脱することなくその多くの変形例が可能であるため、本技術の制限として解釈されるべきではない。別途指定のない限り、重量パーセント(重量%)は、全組成物の重量に基づいて重量パーセントで示される。
【0265】
例示的なクリーム配合物
クリーム配合物は、以下に示すように配合することができる。
【表1】
【0266】
理解されるように、組成物は、実施例1および2の範囲を組み合わせることによって形成することができる。さらに、以下の例で示されるように、接触時間および加熱温度などの選択されたプロセスも、組成成分の選択とその量に影響を与え得る。
【0267】
試験の結果は、特定の濃度の特定のグリコールと組み合わせたプロピレンカーボネートが、毛髪繊維に容易に浸透し、約150℃または約210℃などの温度のフラットアイロンを介して硬いタンパク質性物質と反応できることを示唆している。試験に使用されたくせ毛の毛束は、いったん真直ぐにされてから最大20回のシャンプー洗浄サイクルに耐えることができる。真直ぐにされた毛束は、悪臭がなく、光沢があり、滑らかで絹のような感触である。
【実施例
【0268】
以下の例において、毛髪のタイプおよびカールの強さは、L’Oreal(Roland de la Mettrie,et al.“Shape Variability and Classification of Human Hair:A Worldwide Approach,”Human Biology,Jun 2007)によって公開された定義に基づいている。これにより毛髪にI~VIIIの番号が割り当てられる:Iは最も真直ぐであり、VIIIは高密度の、非常にくせの強い毛髪を表す。一般に、ここで使用したサンプルはくせ毛であり、タイプ4~5に分類された。熱による改質後、毛束は典型的にはタイプIになる。しかしながら、洗浄すると毛髪が弛緩する。3回のシャンプー洗浄サイクル後、毛束がタイプ3~4まで弛緩した場合、これは効率的に真直ぐにされていない(弛緩)と見なすことができる。
【0269】
ヒトの頭髪をシミュレートするために、ブラジル人のくせ毛の毛束をInternational Hair Importer and Product Incから入手した。各単一の毛束は、約2.5gの重量であり、長さ20cmの外寸および最も幅の広い箇所で幅10cmを有する。毛束を根元でそれぞれ固定する。
【0270】
使用前に、化学的処理の施されていない暗褐色のくせ毛の各毛束を、市販のクラリファイングシャンプー(VO5(商標)またはSuave(商標)シャンプー)を使用して30秒間穏やかにマッサージすることにより洗髪し、その後、温かい流水(35~38℃)で60秒間すすいだ。次いで、洗浄した各毛束をRH30~50%の条件下、室温で乾燥させる。
【0271】
2つの異なる適用方法を評価した。
【0272】
A.溶液浸漬
典型的には、プロピレンカーボネート/グリコールヘアケア成分の溶液を適切な溶媒系で調製する。候補ヘアケア成分の濃度、pH、温度、および浸漬時間を制御して、例えば、最大30分間または最大60分間、毛束を溶液中に完全に浸漬する。次いで、溶液から毛束を取り出し、過剰な量の材料を絞り出し、毛束を少なくとも95%の乾燥度までブロー乾燥した後、フラットアイロンで熱により改質する。
【0273】
B.毛髪への塗布
別の方法は、プロピレンカーボネート/グリコール成分を含有する2.5gの配合物を、ドライクリーニングした2gのくせ毛の毛束に塗布し、最大30分間または最大60分間浸漬させることである。制御された塗布時間の後、毛束を少なくとも95%の乾燥度までブロー乾燥した後、フラットアイロンで熱により改質する。
【0274】
熱による改質手順
フラットアイロンを用いた熱による改質のために、BaByliss PROによって商品名Nano Titanium(商標)で販売されている市販のフラットアイロンを使用した。使用したプロトコルは以下の通りであった:
1.フラットアイロンを標的温度(210℃)に設定する。
2.加熱したフラットアイロンを、5cm/秒の滑り速度で毛束の上から下まで引き下ろす。
3.10回通過する間、熱プロセスを繰り返す。
【0275】
熱により真直ぐに処理した後、毛束を室温まで冷却させる。
【0276】
洗浄堅牢度
シャンプー洗浄サイクルは、重量約2グラムの毛束に0.5gのシャンプー(VO5(商標)またはSuave(商標)シャンプー)を適用することによって実行される。指で30秒間毛束にシャンプーを揉み込んだ後、温かい流水(32~35℃)で60秒間すすぐ。次いで、洗浄した毛束を周囲室内条件(23℃、50%RH)で乾燥させる。連続的なシャンプー洗浄サイクルを、乾燥ステップなしで実行する。熱により真直ぐにした毛束の検査は、ヘアケア組成物で30分間処理され、210℃でフラットアイロン処理された(滑り速度:5cm秒、10回通過)毛束を目視検査することによって行われる。典型的には、毛束は真直ぐである。3回の連続洗浄サイクルの後、毛束を周囲室内条件(23℃および50%RH)で乾燥させ、最終的な外観を再度視覚的に評価する。「わずかなカールの戻り」および「カールの戻り」を示す組成物で処理された毛束は不合格であり、そのような組成物は効果的な矯正剤ではないと見なされる。「カールの戻りなし」を示す組成物で処理された毛束は合格であり、効果的な矯正剤であると見なされる。図1に示される毛束は、合格/不合格の基準を示している(D、D’、およびEは不合格、Cは合格)。
【0277】
コンディショニング特性の官能パネル試験
本技術の組成物のコンディショニング特性の評価のために、処理された2つの毛束間の強制選択試験デザインを使用して、訓練を受けたパネル(少なくとも3人のパネリスト)によって様々な処理組成物が比較される。各パネリストは、処理された毛束上の2つの試験配合物を比較する際に、評価される4つの官能特性のそれぞれについてどの毛束がより優れた性能を発揮するかを示すように求められる。パネルによって評価された官能特性は以下を含む:(1)湿潤時の櫛通りのよさ、(2)湿潤時の感触(滑り感または湿潤時のコンディショニングされた感触)、(3)乾燥時の櫛通りのよさ、および(4)乾燥時の感触(柔軟な感触または乾燥時のコンディショニングされた感触)。試験プロトコルは、6つの処理された毛束のマトリックスデザインを利用する(各試験配合物に対して3つの複製)。この試験マトリックスは、処理Aを用いた3つの複製処理毛束と比較処理Bを用いた3つの複製処理毛束の直接盲検比較を可能にする。3つの複製処理を試験配合物(開示される技術および比較技術)ごとに並び替えることにより、対になった毛束の9通りの比較(開示される技術の配合物対比較配合物)が可能である。マトリックスは、パネルメンバーからの重複評価が含まれるように設計されている。このマトリックスデザインを用いて、合計36の比較が行われる。
【0278】
結果
表1~6は、別途指定のない限り、前述の手順に従って、浸漬法で処理したブラジル人のタイプIIIの毛束について様々な配合組成で得られた結果を示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表3】
【表4】
【0279】
ブラジル人の褐色のタイプIIIの毛束を、前述の直接毛髪塗布手順に従って、以下の配合物を用いて処理した。
【表5】
【表6】
【0280】
ブラジル人の褐色のタイプIIIの毛束を、前述の浸漬手順に従って、アルギニンおよびダイズタンパク質のNLCを含有する実施例34の配合物またはNLCを含有しない実施例35の配合物のいずれかで処理する。浸漬時間は、各実施例で30分とした。熱処理プロトコルも、前述の手順に従って行われた。
【0281】
パネル官能試験は、処理配合物34を処理配合物35と比較して前述の手順に従って実施された。アルギニンおよびダイズタンパク質のNLCを含有する配合物34で処理した毛束は、NLCを含有しない配合物35で処理した毛束よりも良好な乾燥感(より柔らかくて絹のような状態)を有する。
【0282】
アルギニンおよびダイズタンパク質のNLCを含有する実施例34の配合物で処理した毛束は、NLCを含有しない実施例35の配合物で処理した毛束と比べて、湿潤時および乾燥時に櫛でとかしやすかった。両方のセットの毛束を、洗浄堅牢度の手順で前述したように繰り返し洗髪した。毛束を再び官能パネルによって評価した。結果は、実施例34および35の配合物で処理した毛束について、5回の洗浄後の同様の矯正性能を示している。しかしながら、アルギニンおよびダイズタンパク質のNLCを含有する実施例34の配合物で処理した毛束は、NLCを含有しない実施例35の配合物で処理した毛束と比べて、5回のストリッピングシャンプー後でもより良好な乾燥感(非常に柔らかく絹のような状態のまま)および乾燥時の櫛通りを示した。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
ヘアケア組成物であって、
a)プロピレンカーボネートと、
b)プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択されるグリコールと、
c)化粧品的に許容される担体と、を含み、
成分a)+成分b)の量は、前記組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲であり、
成分a)/成分b)の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.7~約2.5、または約0.75~約2の範囲である、ヘアケア組成物。
(項目2)
前記グリコールは、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびそれらの混合物の少なくとも1つから選択される、項目1に記載のヘアケア組成物。
(項目3)
前記グリコールはプロピレングリコールである、項目1または2のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目4)
前記グリコールは1,3-プロパンジオールである、項目1~3のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目5)
pH調整剤をさらに含む、項目1~4のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目6)
酸性化剤、アルカリ化剤、およびそれらの混合物から選択されるpH調整剤をさらに含む、項目1~5のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目7)
有機酸から選択される酸性化剤をさらに含む、項目1~6のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目8)
酢酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、安息香酸、ベンジル酸、およびそれらの混合物から選択される有機酸をさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目9)
水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ砂ナトリウム(ホウ砂)、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ドデシルアミン、コカミン、オレアミン、モルホリン、トリアミルアミン、トリエチルアミン、テトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、L-アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、およびPEG-15コカミン、ならびにそれらの混合物をさらに含む、項目1~8のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目10)
コンディショニング剤をさらに含む、項目1~9のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目11)
カチオン性化合物、カチオン性ポリマー、炭化水素油、天然油、エステル油、合成ワックス、およびそれらの組み合わせから選択されるコンディショニング剤をさらに含む、項目1~10のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目12)
レオロジー調整剤をさらに含む、項目1~11のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目13)
固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含む、項目1~12のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目14)
固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがポリマーコーティングでコーティングされている、項目1~13のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目15)
固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがカチオン性ポリマーでコーティングされている、項目1~14のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目16)
前記化粧品的に許容される担体は水である、項目1~15のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目17)
前記組成物は染毛剤を含まない、項目1~16のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目18)
前記組成物は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオールおよびメルカプタン含有部分を欠いている、項目1~17のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目19)
前記組成物は、プロピレンカーボネート以外のアルキレンカーボネートを含まない、項目1~18のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目20)
前記組成物は、イミダゾリニウム、ピラゾリニウム、ピリジニウム、ピリミジウム、テトラ(C-C)アルキルホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウム
、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、ウラン、チオウロニウム、およびイソチオウロニウム化合物を含まない、項目1~19のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
(項目21)
少なくとも2つの容器を含むヘアケアキットであって、前記容器の内容物が混合されるとヘアケア組成物が提供され、混合すると、前記ヘアケア組成物中の前記プロピレンカーボネート成分と前記グリコール成分の合計量は、前記混合された組成物の総重量に基づいて、約16~約35重量%、または約17~約30重量%、または約18~約25重量%の範囲であり、前記ヘアケア組成物中のプロピレンカーボネート成分/グリコール成分の重量比は、約0.3~約3.5、または約0.5~約3.5、または約0.6~約3、または約0.75~約2.5、または約1~約2の範囲である、ヘアケアキット。
(項目22)
前記少なくとも1つの容器は、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、およびそれらの混合物から選択されるグリコールを含む、項目21に記載のヘアケアキット。
(項目23)
前記少なくとも1つの容器は、プロピレングリコールから選択されるグリコールを含む、項目21に記載のヘアケアキット。
(項目24)
前記少なくとも1つの容器は、1,3-プロパンジオールから選択されるグリコールを含む、項目21に記載のヘアケアキット。
(項目25)
前記容器の少なくとも1つは水を含む、項目21~24のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目26)
前記容器の少なくとも1つはpH調整剤を含む、項目21~25のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目27)
前記容器の少なくとも1つは有機酸を含む、項目21~26のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目28)
前記容器の少なくとも1つは、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、安息香酸、ベンジル酸、およびそれらの混合物から選択される有機酸を含む、項目21~27のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目29)
前記容器の少なくとも1つはコンディショニング剤を含む、項目21~28のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目30)
前記容器の少なくとも1つは、カチオン性化合物、カチオン性ポリマー、炭化水素油、天然油、エステル油、合成ワックス、およびそれらの組み合わせから選択されるコンディショニング剤を含む、項目21~29のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目31)
前記容器の少なくとも1つはレオロジー調整剤を含む、項目21~30のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目32)
前記容器の少なくとも1つは、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子を含む、項目21~31のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目33)
前記容器の少なくとも1つは、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがポリマーコーティングでコーティングされている、項目21~32のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目34)
前記容器の少なくとも1つは、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ナノ構造脂質担体(NLC)、およびそれらの混合物から選択される脂質ナノ粒子をさらに含み、前記SLNおよびNLCがカチオン性ポリマーでコーティングされている、項目21~33のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目35)
前記容器の少なくとも1つは水を含む、項目21~34のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目36)
前記容器の前記内容物は染毛剤を含まない、項目21~35のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目37)
前記容器の前記内容物は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、およびチオール含有部分を欠いている、項目21~36のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目38)
前記容器の前記内容物は、プロピレンカーボネート以外のアルキレンカーボネートを含まない、項目21~37のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目39)
前記容器の前記内容物は、イミダゾリニウム、ピラゾリニウム、ピリジニウム、ピリミジウム、テトラ(C-C)アルキルホスホニウム、テトラ(C-C)アルキルアンモニウム、グアニジニウム、コリニウム、ピロリジニウム、ウラン、チオウロニウム、およびイソチオウロニウム化合物を含まない、項目21~38のいずれか一項に記載のヘアケアキット。
(項目40)
毛髪繊維を成形するためのプロセスであって、
a)項目1~20のいずれか一項に記載の組成物で毛髪繊維をコーティングすることと、
b)前記組成物が前記毛髪繊維に浸透するのに十分な浸漬時間、前記組成物が前記毛髪繊維に接触することを可能にすることと、
c)前記毛髪繊維を所望の構成になるよう改質するのに十分な時間、前記コーティングされた繊維に少なくとも150℃の熱を加えることと、を含む、プロセス。
(項目41)
毛髪繊維を成形するためのプロセスであって、
a)項目1~20のいずれか一項に記載の組成物で毛髪繊維をコーティングすることと、
b)前記組成物が前記毛髪繊維に浸透するのに十分な浸漬時間、前記組成物が前記毛髪繊維に接触することを可能にすることと、
c)前記コーティングされた毛髪繊維を少なくとも約150℃の温度で加熱器具と接触させ、前記加熱器具を用いて前記毛髪繊維を所望の構成になるよう機械的に成形することと、を含む、プロセス。
(項目42)
ステップb)の前記浸漬時間は、少なくとも5分、または少なくとも10分、または少なくとも15分、または少なくとも20分もしくは少なくとも25分、または少なくとも30分もしくは少なくとも45分、または少なくとも60分である、項目40および41のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目43)
ステップb)の前記浸漬時間は、約15分~約60分の範囲である、項目40~42のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目44)
ステップb)において、前記コーティングされた毛髪が、前記浸漬時間の間隔の間に約30~約120℃の範囲の温度に加熱される、項目41~43のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目45)
毛髪を真直ぐにするために、前記毛髪繊維と接触している前記毛髪器具が、前記毛髪繊維の根元から前記毛髪繊維の先端まで引っ張られる、項目41~44のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目46)
前記毛髪繊維と接触している前記毛髪器具が、少なくとも1cm/秒、または少なくとも3cm/秒、または少なくとも5cm/秒、または少なくとも7cm/秒、または少なくとも10cm/秒の滑り速度で前記毛髪繊維の前記根から前記毛髪繊維の前記先端まで引っ張られる、項目41~45のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目47)
前記毛髪繊維と接触している前記毛髪器具が、約1cm/秒~約15cm/秒の範囲の滑り速度で前記毛髪繊維の前記根元から前記毛髪繊維の前記先端まで引っ張られる、項目41~46のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目48)
前記毛髪器具は、約150~約250℃、または約175~約240℃、または約200~約235℃、または約220~約230℃の範囲の温度である、項目41~47のいずれか一項に記載のプロセス。
図1