IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼンフロー, インコーポレイテッドの特許一覧

特許7377817前立腺部尿道内のインプラントの正確な展開および撮像のためのシステム、デバイス、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】前立腺部尿道内のインプラントの正確な展開および撮像のためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20231102BHJP
【FI】
A61F2/04
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2020560200
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019032637
(87)【国際公開番号】W WO2019222481
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】62/673,097
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518370116
【氏名又は名称】ゼンフロー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブライ, オースティン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シコット, マルセル ソング
(72)【発明者】
【氏名】メータ, シュレヤ
(72)【発明者】
【氏名】べレフ, ウィリアム マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ダミアーノ, ニコラス
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0151967(US,A1)
【文献】国際公開第2017/184887(WO,A1)
【文献】米国特許第5282472(US,A)
【文献】特開2004-267753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0077676(US,A1)
【文献】国際公開第2008/142677(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257908(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/00-97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントを送達するためのシステムであって、前記システムは、送達デバイスを備え、前記送達デバイスは、
ある方向に延びている外側管状部材であって、前記外側管状部材は、前記外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを備えている、外側管状部材と、
前記方向に延びている内側管状部材であって、前記内側管状部材は、前記外側管状部材内にあり、前記内側管状部材は、インプラントの少なくとも一部を収納するように適合されている、内側管状部材と、
前記内側管状部材内でスライド可能に前進可能である1つ以上の構造であって、前記1つ以上の構造は、前記内側管状部材内からの前記インプラントの展開を引き起こす、1つ以上の構造と、
前記内側管状部材および前記1つ以上の構造結合されている近位制御デバイスと
を備え、
前記近位制御デバイスは、結合機構を用いて前記外側管状部材解放可能に結合されており、
前記近位制御デバイスは、前記内側管状部材および前記外側管状部材を前記方向に沿って移動させるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記インプラントをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インプラントは、少なくとも部分的開放状態で前立腺部尿道を保持するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記インプラントは、第1のリング状構造および第2のリング状構造と、前記第1のリング状構造と第2のリング状構造との間に延びている相互結線とを備えている本体を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の構造は、
前記インプラントの近位部分解放可能に結合するように構成されている細長い把持部材と、
前記インプラントの遠位部分解放可能に結合するように構成されている遠位制御部材と
を備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠位制御部材は、前記インプラントの前記遠位部分解放可能に結合するように構成されている保持装置を備え、前記インプラントは、前記保持装置解放可能に結合するように構成されている遠位係合部材を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記インプラントは、前記細長い把持部材解放可能に結合するように構成されている近位係合部材を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記インプラントは、前記インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延びているワイヤ様遠位係合部材を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記インプラントは、ワイヤ様近位係合部材を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記近位制御デバイスは、前記遠位制御部材が前記インプラントの前記遠位部分解放可能に結合されている間に前記内側管状部材を回転させ、前記内側管状部材を前記方向に沿って移動させるように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記近位制御デバイスは、前記外側管状部材を回転させることなく、前記内側管状部材を回転させるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記保持装置結合されている細長い部材をさらに備え、前記細長い部材は、前記保持装置からの前記インプラントの前記遠位部分の解放を可能にするようにユーザによって操作可能である近位端を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記保持装置は、管状であり、前記保持装置は、前記遠位制御部材に沿ってスライドするように適合されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記遠位制御部材は、前記インプラントの前記遠位部分を受け取るように適合されている陥凹を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項15】
前記遠位制御部材は、保持装置をさらに備え、前記保持装置は、前記インプラントの前記遠位部分が前記陥凹内に受け取られている間に前記陥凹の覆いを取るように移動可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記保持装置は、スロットを備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、細長いアンカ部材をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記細長いアンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されているアンカを備えている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記アンカは、膨張式バルーンである、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記細長いアンカ部材は、複数のバルーンを備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記細長いアンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成されている一部を有するワイヤ形態部材を備えている、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記細長い把持部材は、前記インプラントの近位部分解放可能に結合するように構成されている陥凹を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムは、前記陥凹が第1の内側管腔によって拘束されていないとき、前記インプラントの前記近位部分が自由に前記細長い把持部材の前記陥凹から解放されるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記近位制御デバイスは、ハンドルを備えている第1の筐体を備えている第1の部分と、第2の筐体を備えている第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記第1の部分に対してスライド可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記内側管状部材は、前記第1の筐体に固定されており、前記外側管状部材は、前記第2の筐体に固定されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記結合機構の解放は、前記第1の部分が前記第2の部分から分断されることを可能にする、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記結合機構は、前記近位制御デバイスの前記第1の部分のシャフト部分の溝内に受け取り可能である偏向可能部材を備えている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記溝は、環状であり、前記溝は、前記シャフト部分の周囲の周りに延びており、前記シャフト部分は、前記内側管状部材に固定されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記シャフト部分は複数の溝を備えており、前記複数の溝のそれぞれは、前記偏向可能部材を受け取るように適合されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記偏向可能部材は、前記偏向可能部材が前記溝内に受け取られている間に前記シャフト部分が回転可能であるように、前記溝内でスライド可能である、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記第2の部分はフレキシブルバスを備えており、前記フレキシブルバスは、前記第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続されている第1の端部と、前記撮像デバイスに電気的に接続されている第2の端部とを有する請求項24に記載のシステム。
【請求項32】
前記外側管状部材の前記遠位端領域は、照明デバイスをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記外側管状部材の前記遠位端領域は、照明デバイスをさらに備え
前記第2の部分は第1のフレキシブルバス第2のフレキシブルバスを備えており、
前記第1のフレキシブルバスは、前記第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続されている第1の端部と、前記撮像デバイスに電気的に接続されている第2の端部とを有し、
前記第2のフレキシブルバスは、前記第2の部分内の前記プリント回路基板に電気的に接続されている第1の端部と、前記照明デバイスに電気的に接続されている第2の端部とを有する請求項24に記載のシステム。
【請求項34】
前記内側管状部材の遠位端領域は、ある分離距離だけ前記外側管状部材の前記遠位端領域の遠位にあり、前記近位制御デバイスは、前記分離距離を変化させることなく、前記外側管状部材および前記内側管状部材を前記方向に沿って移動させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記近位制御デバイスは、
ユーザアクチュエータと、
前記ユーザアクチュエータ結合されている第1の歯車アセンブリと、
前記第1の歯車アセンブリ結合されているカムアセンブリと、
前記カムアセンブリ結合されている第2の歯車アセンブリと
を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1の歯車アセンブリは、前記内側管状部材の内側管腔内の前記細長い把持部材移動を制御するように構成されており、前記カムアセンブリは、前記内側管状部材の前記方向に沿った移動を制御するように構成されており、前記第2の歯車アセンブリは、前記内側管状部材の回転を制御するように構成されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記インプラントは、前立腺部尿道内に完全に収まるようにサイズを決定されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムは、前記インプラントを前記前立腺部尿道内の前方位置に送達するために使用可能である、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記システムは、前記インプラントを前記前立腺部尿道内の後方位置に送達するために使用可能である、請求項37に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される主題は、前立腺部尿道の中へのインプラントの送達または展開のためのシステム、デバイス、および方法に関し、より具体的に、男性の尿道の蛇行性屈曲部を通した非外傷性および低侵襲様式での送達に関する。
【背景技術】
【0002】
良性前立腺肥大(BPH)、前立腺癌からの閉塞、膀胱癌、尿路傷害、前立腺炎、膀胱括約筋協調不全、良性または悪性尿道狭窄、および治療が所望される他の症状に関連付けられる尿閉の治療のため等の前立腺部尿道の中へのインプラントの設置のための多数の臨床的理由が存在する。自然に複雑かつ蛇行性の解剖学的幾何学形状、患者間幾何学的および組織変動性、ならびにそれらの症状に関連付けられる解剖学的制限に起因して、前立腺部尿道管腔の中へのインプラントの正確かつ一貫した設置は、困難であることが証明されている。さらに、複雑な課題が、低侵襲様式でそのようなインプラントを送達するための十分な可撓性を伴うシステムの設計および/または加工で提起される。これらおよび他の理由により、前立腺部尿道へのインプラント送達の改良されたシステム、デバイス、および方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で提供されるものは、前立腺部尿道または身体の他の部分内でインプラントを送達または展開するための送達システム、およびそれに関連する方法のいくつかの例示的実施形態である。送達システムの実施形態は、前立腺部尿道の中に挿入可能な送達デバイスと、送達デバイスと結合され、送達デバイスからの1つ以上のインプラントの展開を制御するように構成される、近位制御デバイスとを含むことができる。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、本明細書により詳細に説明される種々の機能をそれぞれ有する、複数の管状構成要素を含むことができる。送達システムの実施形態は、撮像能力を有する。送達システムとの使用のためのインプラントの複数の実施形態も、それらのインプラントの種々の埋め込まれた設置の場合と同様に説明される。
【0004】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点が、以下の図および詳細な説明の検討に応じて、当業者に明白であろう、または明白となるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随する請求項によって保護されることが意図される。例示的実施形態の特徴は、請求項内にそれらの特徴の明示的な記載がない場合に、添付の請求項を限定するものとしていかようにも解釈されるべきではない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
インプラントを送達するためのシステムであって、前記システムは、送達デバイスを備え、前記送達デバイスは、
外側管状部材であって、前記外側管状部材は、前記外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを備えている、外側管状部材と、
前記外側管状部材内にある内側管状部材であって、前記内側管状部材は、インプラントの少なくとも一部を収納するように適合されている、内側管状部材と、
前記内側管状部材内でスライド可能に前進可能である1つ以上の構造であって、前記1つ以上の構造は、前記内側管状部材内からの前記インプラントの展開を引き起こす、1つ以上の構造と、
前記内側管状部材および前記1つ以上の構造と結合された近位制御デバイスと
を備え、
前記近位制御デバイスは、結合機構を用いて前記外側管状部材と解放可能に結合され、
前記近位制御デバイスは、前記内側管状部材および前記外側管状部材を同時に縦方向に移動させるように構成されている、システム。
(項目2)
前記インプラントをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記インプラントは、少なくとも部分的開放状態で前立腺部尿道を維持するように構成されている、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記インプラントは、第1および第2のリング状構造と、前記第1のリング状構造と第2のリング状構造との間に延びている相互結線とを備えている本体を有する、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記1つ以上の構造は、
前記インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された細長い把持部材と、
前記インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成された遠位制御部材と
を備えている、項目2に記載のシステム。
(項目6)
前記遠位制御部材は、前記インプラントの前記遠位部分と解放可能に結合するように構成された保持装置を備え、前記インプラントは、前記保持装置と解放可能に結合するように構成された遠位係合部材を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記インプラントは、前記細長い把持部材と解放可能に結合するように構成された近位係合部材を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記インプラントは、前記インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延びているワイヤ様遠位係合部材を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目9)
前記インプラントは、ワイヤ様近位係合部材を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目10)
前記近位制御デバイスは、前記遠位制御部材が前記インプラントの前記遠位部分と解放可能に結合されている間に前記遠位制御部材に対して前記内側管状部材を回転させ、縦方向に移動させるように構成されている、項目5に記載のシステム。
(項目11)
前記近位制御デバイスは、前記外側管状部材を回転させることなく、前記内側管状部材を回転させるように構成されている、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記保持装置と結合された細長い部材をさらに備え、前記細長い部材は、前記保持装置からの前記インプラントの前記遠位部分の解放を可能にするようにユーザによって操作可能である近位端を有する、項目6に記載のシステム。
(項目13)
前記保持装置は、管状であり、前記遠位制御部材に沿ってスライドするように適合されている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記遠位制御部材は、前記インプラントの前記遠位部分を受け取るように適合された陥凹を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目15)
前記保持装置は、前記インプラントの前記遠位部分が前記陥凹内に受け取られている間に前記陥凹の覆いを取るように移動可能である、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記保持装置は、スロットを備えている、項目15に記載のシステム。
(項目17)
細長いアンカ部材をさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目18)
前記細長いアンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されたアンカを備えている、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記アンカは、膨張式バルーンである、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記細長いアンカ部材は、複数のバルーンを備えている、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記細長いアンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成された一部を有するワイヤ形態部材を備えている、項目17に記載のシステム。
(項目22)
前記細長い把持部材は、前記インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された陥凹を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目23)
前記システムは、前記陥凹が第1の内側管腔によって拘束されていないとき、前記インプラントの前記近位部分が自由に前記細長い把持部材の前記陥凹から解放されるように構成されている、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記近位制御デバイスは、ハンドルを備えている第1の筐体を備えている第1の部分と、第2の筐体を備えている第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記第1の部分に対してスライド可能である、項目1に記載のシステム。
(項目25)
前記内側管状部材は、前記第1の筐体に固定され、前記外側管状部材は、前記第2の筐体に固定されている、項目24に記載のシステム。
(項目26)
前記結合機構の解放は、前記第1の部分が前記第2の部分から分断されることを可能にする、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記結合機構は、前記近位制御デバイスの前記第1の部分のシャフト部分の溝内に受け取り可能である偏向可能部材を備えている、項目26に記載のシステム。
(項目28)
前記溝は、環状であり、前記シャフト部分の周囲の周りに延び、前記シャフト部分は、前記内側管状部材に固定されている、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記シャフト部分は、各々が前記偏向可能部材を受け取るように適合された複数の溝を備えている、項目27に記載のシステム。
(項目30)
前記偏向可能部材は、前記偏向可能部材が前記溝内に受け取られている間に前記シャフト部分が回転可能であるように、前記溝内でスライド可能である、項目27に記載のシステム。
(項目31)
前記第2の部分は、前記第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、前記撮像デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有するフレキシブルバスを備えている、項目24に記載のシステム。
(項目32)
前記外側管状部材の前記遠位端領域は、照明デバイスをさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目33)
前記外側管状部材の前記遠位端領域は、照明デバイスをさらに備え、前記第2の部分は、
前記第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、前記撮像デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有する第1のフレキシブルバスと、
前記第2の部分内の前記プリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、前記照明デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有する第2のフレキシブルバスと
を備えている、項目24に記載のシステム。
(項目34)
前記内側管状部材の遠位端領域は、ある分離距離だけ前記外側管状部材の前記遠位端領域の遠位にあり、前記近位制御デバイスは、前記分離距離を変化させることなく、前記外側管状部材と内側管状部材とを同時に縦方向に移動させるように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目35)
前記近位制御デバイスは、
ユーザアクチュエータと、
前記ユーザアクチュエータと結合された第1の歯車アセンブリと、
前記第1の歯車アセンブリと結合されたカムアセンブリと、
前記カムアセンブリと結合された第2の歯車アセンブリと
を備えている、項目5に記載のシステム。
(項目36)
前記第1の歯車アセンブリは、前記細長い把持部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記カムアセンブリは、前記内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、前記第2の歯車アセンブリは、前記内側管状部材の回転を制御するように構成されている、項目32に記載のシステム。
(項目37)
前記インプラントは、前立腺部尿道内に完全に収まるようにサイズを決定されている、項目2に記載のシステム。
(項目38)
前記送達システムは、前記インプラントを前記前立腺部尿道内の前方位置に送達するために使用可能である、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記送達システムは、前記インプラントを前記前立腺部尿道内の後方位置に送達するために使用可能である、項目37に記載のシステム。
(項目40)
インプラントの送達を撮像する方法であって、前記方法は、
患者の尿道内で送達デバイスを前進させることであって、前記送達デバイスは、外側管状部材であって、前記外側管状部材は、前記外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを備えている、外側管状部材と、前記外側管状部材内にあり、インプラントの少なくとも一部を収納している内側管状部材と、前記内側管状部材内でスライド可能に前進可能である1つ以上の構造であって、前記1つ以上の構造は、前記内側管状部材内からの前記インプラントの展開を引き起こす、1つ以上の構造とを備え、前記外側管状部材、内側管状部材、および1つ以上の構造の各々は、前記患者の外側の近位制御デバイスと結合されている、ことと、
前記近位制御デバイスおよび前記1つ以上の構造に対して前記内側管状部材を縦方向に後退させ、前記内側管状部材から前記インプラントを少なくとも部分的に展開することと、
前記内側管状部材が縦方向に後退させられている間に、同時に、(a)前記近位制御デバイスに対して前記外側管状部材を縦方向に後退させ、(b)前記外側管状部材の前記遠位端領域に位置している撮像デバイスを用いて、前記少なくとも部分的に展開されたインプラントを撮像することと
を含む、方法。
(項目41)
前記尿道は、前立腺部尿道である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記送達デバイスから前記インプラントを解放することをさらに含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記インプラントが完全に前記前立腺部尿道内にあるように、前記送達デバイスから前記インプラントを解放することをさらに含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記インプラントは、拡張状態である間に解放され、前記拡張状態における前記インプラントの直径は、前記インプラントが解放される前記前立腺部尿道の最小幅より小さい、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記インプラントは、前記インプラントが前記前立腺部尿道の最後方組織表面に接触するように解放される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記インプラントは、前記インプラントが前記前立腺部尿道の最前方組織表面に接触しないように解放される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記インプラントは、前記インプラントが前記前立腺部尿道の最前方組織表面に接触するように解放される、項目44に記載の方法。
(項目48)
前記インプラントは、前記前立腺部尿道の最後方組織表面に接触しないように解放される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記外側管状部材は、前記内側管状部材と同じ速度で縦方向に後退させられる、項目41に記載の方法。
(項目50)
前記近位制御デバイスに対して前記内側管状部材を回転させ、前記内側管状部材から前記インプラントを少なくとも部分的に展開することと、
前記内側管状部材が回転されている間に、同時に、(a)前記近位制御デバイスに対して回転固定位置で前記外側管状部材を維持し、(b)前記撮像デバイスを用いて前記少なくとも部分的に展開されたインプラントを撮像することと
をさらに含む、項目41に記載の方法。
(項目51)
前記患者の前記尿道内で前記送達デバイスを前進させることに先立って実施される以下のステップ:
前記内側管状部材を前記外側管状部材の中に挿入することであって、前記内側管状部材は、前記近位制御デバイスの第1の部分と結合され、前記外側管状部材は、前記近位制御デバイスの第2の部分と結合されている、ことと、
前記近位制御デバイスの前記第1の部分を前記近位制御デバイスの前記第2の部分に結合することと
をさらに含む、項目40に記載の方法。
(項目52)
前記近位制御デバイスの前記第1の部分を前記近位制御デバイスの前記第2の部分に結合することは、前記第2の部分の偏向可能部材を前記第1の部分の溝に結合することを含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記外側管状部材の前記遠位端領域における照明デバイスを用いて、前記インプラントを照明することをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
近位制御デバイスのユーザ組立の方法であって、前記方法は、
内側管状部材を外側管状部材の中に挿入することであって、前記内側管状部材は、前記近位制御デバイスの第1の部分と結合され、前記外側管状部材は、前記近位制御デバイスの第2の部分と結合されている、ことと、
結合機構を用いて、前記近位制御デバイスの前記第1の部分を前記近位制御デバイスの前記第2の部分に結合することと
を含み、
前記内側管状部材は、前記近位制御デバイスの前記第1の部分に対して縦方向移動可能かつ回転移動可能であり、
前記第1の部分は、前記内側管状部材の縦方向移動が前記第2の部分および外側管状部材の縦方向移動を引き起こすように、前記第2の部分に結合され、
前記第1の部分は、前記内側管状部材の回転移動が前記第2の部分および外側管状部材の回転移動を引き起こさないように、前記第2の部分に結合される、方法。
(項目55)
前記第1の部分は、2つ以上の位置で前記第2の部分に結合することができ、前記方法は、
第1の位置で、前記結合機構を用いて、前記近位制御デバイスの前記第1の部分を前記近位制御デバイスの前記第2の部分に結合することと、
前記近位制御デバイスの前記第2の部分から前記近位制御デバイスの前記第1の部分を結合解除することと、
第2の位置で、前記結合機構を用いて、前記近位制御デバイスの前記第1の部分を前記近位制御デバイスの前記第2の部分に結合することと
を含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記第1の位置は、前記内側管状部材の遠位末端と前記外側管状部材の遠位末端との間の第1の距離に対応し、前記第2の位置は、前記内側管状部材の前記遠位末端と前記外側管状部材の前記遠位末端との間の第2の距離に対応し、前記第1の距離と第2の距離とは、異なる、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記第2の距離は、前記第1の距離より大きく、前記第1の位置と比較して、前記第2の位置のための比較的により広い撮像野に対応する、項目56に記載の方法。
(項目58)
インプラントを送達する方法であって、前記方法は、
患者の尿道内で送達デバイスを前進させることと、
前記送達デバイスから前記患者の完全に前立腺部尿道内の位置にインプラントを展開することであって、前記インプラントは、展開時、未拡張状態から拡張状態に遷移する、ことと、
前記インプラントが前記前立腺部尿道を通した経路を維持している前記拡張状態で前記前立腺部尿道内に留まっている間に前記患者から前記送達デバイスを除去することと
を含み、
前記拡張状態における前記インプラントの直径は、前記インプラントに隣接する前記前立腺部尿道の最小幅より小さく、
前記送達デバイスの除去後、前記インプラントは、前記前立腺部尿道の最後方組織表面に接触している、方法。
(項目59)
前記送達デバイスの除去後、前記インプラントは、前記前立腺部尿道の最後方組織表面に接触し、前記前立腺部尿道の最前方組織表面に接触していない、項目58に記載の方法。
(項目60)
インプラントを送達する方法であって、前記方法は、
患者の尿道内で送達デバイスを前進させることと、
前記送達デバイスから前記患者の完全に前立腺部尿道内の位置にインプラントを展開することであって、前記インプラントは、展開時、未拡張状態から拡張状態に遷移する、ことと、
前記インプラントが前記前立腺部尿道を通した経路を維持している前記拡張状態で前記前立腺部尿道内に留まっている間に前記患者から前記送達デバイスを除去することと
を含み、
前記拡張状態における前記インプラントの直径は、前記インプラントに隣接する前記前立腺部尿道の最小幅より小さく、
前記送達デバイスの除去後、前記インプラントは、前記前立腺部尿道の最前方組織表面に接触している、方法。
(項目61)
前記送達デバイスの除去後、前記インプラントは、前記前立腺部尿道の最前方組織表面に接触し、前記前立腺部尿道の最後方組織表面に接触していない、項目60に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
その構造および動作の両方に関して本明細書に記載される主題の詳細は、同様の参照番号が同様の部品を指す、付随する図面の検討によって明白であり得る。図内の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、主題の原理を図示することが強調されている。また、全ての説明図は、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性が、文字通りまたは精密ではなく図式的に図示され得る、概念を伝えることを意図している。
【0006】
図1-1】図1Aは、送達システムの例示的実施形態を描写するブロック図である。
【0007】
図1-2】図1B、1C、および1Dは、それぞれ、インプラントの例示的実施形態を描写する側面、端面、および斜視図である。
【0008】
図2-1】図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する斜視図である。
図2-2】図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する斜視図である。
図2-3】図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する斜視図である。
図2-4】図2A-2Hは、インプラントの展開の異なる段階における送達システムの例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0009】
図3-1】図3A-3Cは、送達システム内の使用時の把持構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図3-2】図3A-3Cは、送達システム内の使用時の把持構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0010】
図4-1】図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4-2】図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4-3】図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4-4】図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
図4-5】図4A-4Jは、送達システムのアンカ送達部材の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【0011】
図5図5A-5Bは、インプラントの展開の種々の段階における送達システムの例示的実施形態を描写する、側面図である。
【0012】
図6A図6Aおよび6Bは、それぞれ、近位制御デバイスの例示的実施形態を描写する内部側面および内部斜視図である。
図6B図6Aおよび6Bは、それぞれ、近位制御デバイスの例示的実施形態を描写する内部側面および内部斜視図である。
【0013】
図6C図6Cは、送達システムとの使用のための歯車の例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0014】
図7A図7Aは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する内部見下げ図である。
【0015】
図7B図7Bは、カムの例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0016】
図8図8は、歯車アセンブリの例示的実施形態を描写する内部側面図である。
【0017】
図9-1】図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する内部斜視図である。
図9-2】図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する内部斜視図である。
図9-3】図9A-9Fは、近位制御デバイスの構成要素の例示的実施形態を描写する内部斜視図である。
【0018】
図10A図10Aは、インプラントを送達する方法の例示的実施形態を描写するフローチャートである。
【0019】
図10B図10Bは、インプラントを展開するための一連のステップの例示的実施形態を描写するタイミング図である。
【0020】
図11A図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図11B図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図11C図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図11D図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図11E図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図12A図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図12B図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図12C図11A-12Cは、近位制御デバイス内の構成要素の例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0021】
図12D図12D-12Eは、外側管状部材の遠位端領域の例示的実施形態を描写する斜視図である。
図12E図12D-12Eは、外側管状部材の遠位端領域の例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0022】
図13図13は、男性の生体構造の例示的断面図である。
【0023】
図14-1】図14Aは、その中に展開されたインプラントの例示的実施形態を有する男性の生体構造の例示的断面図である。図14Bは、男性の生体構造の例示的断面図であり、図14Cは、図14Bの線14C-14Cに沿って得られた男性の生体構造の例示的断面図である。
【0024】
図14-2】図14Dは、その中に展開されたインプラントの例示的実施形態を有する男性の生体構造の例示的断面図であり、図14Eは、図14Dの線14E-14Eに沿って得られた男性の生体構造の例示的断面図である。図14Fは、その中に展開されたインプラントの例示的実施形態を有する男性の生体構造の例示的断面図であり、図14Gは、図14Gの線14F-14Fに沿って得られた男性の生体構造の例示的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本主題が詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら変動し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、本開示の範囲が添付の請求項のみによって限定されるであろうため、限定的であることを意図していないことを理解されたい。
【0026】
本明細書で提示される主題は、前立腺部尿道内の1つ以上のインプラントの送達または展開との関連で説明される。前立腺部尿道内のインプラントの展開のための目的は、変動し得る。本明細書に説明される実施形態は、BPHの治療に特に適しているが、それらは、そのようなものに限定されない。これらの実施形態が使用され得る、他の症状は、限定ではないが、前立腺癌からの閉塞、膀胱癌、尿路傷害、前立腺炎、膀胱括約筋協調不全、および/または良性もしくは悪性尿道狭窄の治療を含む。さらに、これらの実施形態は、尿路の他の場所または膀胱内、ならびに心臓、胃、腸、肝臓、脾臓、膵臓、および腎臓内の場所を含む、ヒト血管系、心臓系、肺系、または胃腸管等の他の生物学的管腔、空洞、または空間内の1つ以上のインプラントの展開のための適用可能性を有することができる。
【0027】
図1Aは、近位制御デバイス200と結合された細長い送達デバイス103を有する、送達システム100の例示的実施形態を描写するブロック図である。遠位端領域104は、尿道口を通して患者の尿道(または患者の他の管腔もしくは体腔)の中に挿入されるように適合される。遠位端領域104は、好ましくは、非外傷性構成(例えば、比較的に軟質で丸みを帯びた)を有し、患者への刺激または外傷を最小限にする。細長い送達デバイス103は、前立腺部尿道内で、またはそれに隣接して送達もしくは展開されるべき1つ以上のインプラント102(図示せず)を担持または収納する。送達デバイス103の近位端領域105は、患者の身体の外側に留まり、1つ以上のインプラント102の送達を制御するために医師または他の医療従事者によって使用されるように構成される、近位制御デバイス200と結合される。
(送達デバイスおよび関連方法の例示的実施形態)
【0028】
図1B、1C、および1Dは、それぞれ、静止時構成におけるインプラントの例示的実施形態を描写する、側面、端面、および斜視図である。埋込型デバイス102は、ここで描写される静止時構成に向かって付勢され、静止時構成と送達デバイス103内にインプラント102を収納するための比較的により細長い収納(または送達)構成(例えば、図3A参照)との間で変形可能である。収納構成は、最小限の曲率を伴って直線状または線状状態であり得る。静止時構成は、収納構成よりも比較的に大きい側方幅と、比較的に短い縦方向長さとを有する。送達デバイス103の開放端から退出することに応じて、インプラント102は、その形状を静止時構成のものに向かって戻るように自由に遷移させるが、患者の尿道壁によって付与される拘束は、インプラント102が静止時構成に完全に到達することを防止し得る。インプラント102が静止時構成に向かって付勢されるため、インプラント102は、送達デバイス103の拘束から解放されたときに自動的に拡張するように構成され、「自己拡張式」と称されることができる。例えば、患者の尿道内のその展開状態時のインプラント102の形状は、展開構成と称されることができ、多くの場合、周辺組織によって静止時構成から変形される形状であろうが、展開構成は、静止時構成と同一であり得る。
【0029】
インプラント102は、米国特許公開第20150257908号および/または国際公開第WO2017/184887号(両方とも、あらゆる目的のために参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される、それらのインプラント構成のあらゆるものを含む、多数の異なる方法で構成されることができる。
【0030】
インプラント102は、種々の幾何学形状の1つ以上の離散本体(例えば、ワイヤ、リボン、管状部材)から形成されることができる。図1B-1Dの実施形態を参照すると、インプラント102は、事前決定された形状に設定される単一のワイヤ部材のみから形成される本体を有する。インプラント102は、各対の隣接するリング状構造111の間に延びている1つ以上の相互結線112とともに(本実施形態では、合計3つ、すなわち、112a、112b、および112cのために、各隣接する対の間に1つの相互結線が存在する)、2つ以上のリング状構造111(本実施形態では、4つ、すなわち、111a、111b、111c、および111dが存在する)を有することができる。各相互結線112は、1つのリング状構造111から直接隣接するリング状構造111まで延びている。各相互結線112は、図1B-1Dに示されるように、比較的に直線状の形状(図示せず)または曲線状(例えば、半円形もしくは半楕円形)の形状を有することができる。
【0031】
リング状構造111は、収納構成から拡張されたときに、完全または部分的開放状態で尿道を維持するように構成される。デバイス100は、各リング状構造111の幅(例えば、直径)が、尿道の幅よりもわずかに大きく、各相互結線112の長さが、リング状構造111の間の間隔を決定するように、所望に応じて種々のサイズで製造されることができる。リング状構造111は、同一または異なる幅を有することができる。例えば、ここで描写される実施形態では、リング状構造111aは、同一の幅を有する構造111b-111dよりも比較的に小さい幅を有する。これは、膀胱頸部の前により小さい幾何学形状に収束する、前立腺部尿道に適応することができる。
【0032】
各リング状構造111は、単一の平面内に位置する、または横たわることができ、いくつかの実施形態では、その単一の平面は、(図1Bに描写されるように)インプラント102の中心軸124と垂直な法線軸を伴って配向されることができる。他の実施形態では、リング状構造111は、複数の平面内に位置することができる。リング状構造111は、中心軸126の周囲に延び、完全な円(例えば、360度回転)を形成することができる、またはここで示されるような完全に満たない円(例えば、360度未満)を形成することができる。そのようなものに限定されないが、多くの実施形態では、リング状構造111は、270~360度の間に延びている。
【0033】
図1B-1Dから分かり得るように、インプラント102の幾何学形状は、円形または楕円形断面を伴う円筒形または略円筒形の輪郭形状を有することができる。他の実施形態では、インプラント102は、三角形または略三角形断面を伴う、もしくは別様である、角柱または略角柱形状を有することができる。
【0034】
インプラント102はまた、それぞれ、送達デバイス103の要素と係合するように構成される、遠位係合部材114および近位係合部材115を含むことができる。送達デバイス103との係合は、インプラント102の解放の制御を可能にすること、互いに対するインプラント102の端部の移動を可能にすること、および/または、例えば、医師がインプラント102を再捕捉し、異なる位置でインプラント102を再展開することを所望する事例において、展開後にインプラント102の回収を可能にすること等の1つ以上の目的を果たすことができる。本実施形態では、遠位係合部材114は、送達デバイス103との係合のために好適な場所に非外傷性端116(例えば、丸みを帯びた、球形、ボール化された)を位置付けるための曲線状(例えば、S字様)形状を有し、それによって、インプラント102の遠位端領域の制御を可能にする、リング状構造111aからのワイヤ様延長部である。同様に、近位係合部材115は、送達デバイス103との係合のために好適な場所に別の非外傷性端117を位置付け、それによって、インプラント102の近位端領域の制御を可能にするための曲線状形状を有する。他の実施形態では、遠位係合部材114および近位係合部材115は、省略されることができ、送達デバイス103は、リング状構造111または相互結線112の上等の1つ以上の他の遠位および/または近位場所におけるインプラント102と結合することができる。
【0035】
送達デバイス103は、それぞれ、1つ以上の内側管腔を有する、1つ以上の細長い可撓性部材(例えば、下で説明されるような120、130、140、および150)を含むことができる。送達デバイス103の1つ以上の細長い可撓性部材は、内側管腔がない中実または非中空部材であり得る。図2Aは、送達デバイス103の遠位端領域104の例示的実施形態を描写する斜視図である。本実施形態では、送達デバイス103は、第1の細長い管状部材120と、第2の細長い管状部材130と、第3の細長い管状部材140と、第4の細長い管状部材150とを含む。送達デバイス103は、変動し得、他の実施形態では、より多いまたは少ない管状部材を含むことができる。
【0036】
本実施形態では、第1の細長い管状部材120は、最外管状部材であり、可撓性であるが、その中に含有される部材のための支持を提供する。第1の管状部材120は、本明細書では外側シャフト120と称され、1つ以上の内側管腔を有することができる。本実施形態では、外側シャフト120は、本明細書では内側シャフト130と称される、第2の細長い管状部材130を収納する、第1の内側管腔121を含む。外側シャフト120および内側シャフト130の各々は、他方から独立して制御可能である。内側シャフト130は、管腔121内で遠位および近位にスライドすることができ、ここでは外側シャフト120の開放遠位末端から部分的に延びて示される。
【0037】
本実施形態では、外側シャフト120は、3つの追加の管腔122、123、および124を含む。照明デバイス(図示せず)および撮像デバイス(図示せず)が、管腔122-124のうちの2つ(例えば、管腔122および123)に収納されることができる。撮像デバイスは、光学または超音波撮像等の任意の所望のタイプの画像診断法を利用することができる。一例示的実施形態では、撮像デバイスは、前(遠位)向きのCMOS撮像装置を利用する。照明デバイスは、光学撮像のための十分な照明を提供するように構成されることができ、一実施形態では、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。超音波撮像のため等に照明が要求されない実施形態では、照明デバイスおよびその個別の管腔は、省略されることができる。照明デバイスおよび/または撮像デバイスの各々は、管腔122および123の遠位末端においてしっかりと固定されることができる、またの各々は、外側シャフト120から遠位へのさらなる前進ならびに/もしくは外側シャフト120の中への後退を可能にするように、管腔122および123内でスライド可能であり得る。一例示的実施形態では、照明デバイスおよび撮像デバイスは、ともに搭載され、単一の管腔122または123のみが、その目的のために存在する。残りの管腔(例えば、管腔124)は、生理食塩水等の流体が尿道の中に導入され、領域を洗浄し、それを通してインプラント102および周辺前立腺部尿道壁が撮像され得る、十分な流体を提供し得る、潅注または洗浄ポートとして構成されることができる。
【0038】
外側シャフト120は、近位制御デバイス200と結合される近位端(図示せず)を有する。送達デバイス103は、蛇行性生体構造をナビゲートするように操向可能であるように構成されることができる。操向可能性は、用途の必要性に応じて、一方向(例えば、単一のプルワイヤを使用する)または多方向(例えば、デバイス103を中心として異なる半径方向場所に配列される2つ以上のプルワイヤを使用する)であり得る。いくつかの実施形態では、操向可能性のための構造(例えば、プルワイヤ)は、送達デバイス103の遠位端領域104(例えば、プルワイヤの遠位端が遠位端領域104内のプレートまたは他の構造に固定される)から、それらが送達デバイス103を操向するようにユーザによって操作され得る、近位制御デバイス200まで延びている。操向構造は、外側シャフト120の1つ以上の管腔内に位置することができる、または外側シャフト120の側壁に結合される、もしくはその内側に埋め込まれることができる。送達デバイス103は、デバイス103が、その様式で自動的に偏向し、送達デバイス103を操向するように付与される力が、本付勢偏向と反対であるように、特定の側方方向に偏向する(例えば、屈曲する)ように付勢されることができる。送達デバイス103を操向するための他の機構も、使用されることができる。操向機構はまた、生体構造内のインプラント102の位置を制御するように、インプラント102の展開中に係止または調節され得る(例えば、展開中に前方に操向することは、より望ましい前方位置にインプラント102を設置することに役立ち得る)。
【0039】
内側シャフト130は、1つ以上のインプラント102および/または他の構成要素を収納するための1つ以上の内側管腔を含むことができる。本実施形態では、内側シャフト130は、1つ以上のインプラント102が収納され得る、第1の管腔131と、第3の細長い管状部材140が収納され得る、第2の管腔132とを含む。本実施形態では、第3の細長い管状部材140は、インプラント102の遠位端領域と解放可能に結合するように構成され、遠位制御部材またはテザー140と称される。遠位制御部材140は、内側シャフト130に対してスライド可能に前進および/または後退させられることができる。遠位制御部材140は、ここでは遠位制御部材140の開放遠位末端から延びて示される、第4の細長い管状部材150を収納する内側管腔141を含むことができる。第4の細長い管状部材150は、患者の生体構造に対して送達デバイス103を係留し、例えば、インプラント102の展開中に送達デバイス103の構成要素を生体構造に対して静止して保つように構成され、アンカ送達部材150と称される。
【0040】
図2Aに描写される構成では、アンカ送達部材150は、遠位制御部材140の管腔141から延長され、遠位制御部材140は、内側シャフト130とともに、外側シャフト120の管腔121から延長されて示される。送達デバイス130が、尿道を通して前進させられるとき、アンカ送達部材150は、好ましくは、完全に遠位制御部材140内に収納され、遠位制御部材140は、内側シャフト130とともに、外側シャフト120の管腔121内に存在し、管腔120の開放遠位末端から延びないように、図2Aに示される位置から後退させられる。換言すると、いくつかの実施形態では、外側シャフト120の開放遠位末端は、尿道を通した初期前進に応じて、デバイス103の最遠位構造を形成する。これは、外側シャフト120による送達デバイス103の操向を促進する。医師は、所望の埋込部位と近接するように、または完全に患者の膀胱の中に、送達デバイス103の遠位端領域104を前進させることができる。アンカ送達部材150は、アンカ送達部材150をさらに膀胱の中に前進させることによって、またはすでに膀胱内に存在している場合、送達デバイス103の他の構成要素を近位に後退させることによってのいずれかで、遠位制御部材140の開放遠位末端から露出されることができる。この時点で、アンカ送達部材150からのアンカは、膀胱内で展開されることができる。
【0041】
システム100内のこれらの構成要素の設置は、図2Aに関して説明される実施形態に限定されない。いくつかの実施形態では、外側シャフト120は、完全に省略されることができる。そのような実施形態では、展開手技の可視化は、インプラント102および送達デバイス103が、放射線不透過性であり得る、または放射線不透過性マーカを含み得る、蛍光透視法等の外部撮像を用いて遂行されることができ、撮像および照明管腔122ならびに123(および撮像ならびに照明デバイス)、ならびに潅注管腔は、省略される。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140が内側シャフト130内でスライド可能に受け取られる代わりに、遠位制御部材140は、外側シャフト120の管腔(内側シャフト130を受け取る同一の管腔または異なる管腔のいずれか)内でスライド可能であり得る。同様に、アンカ送達部材150が遠位制御部材140内でスライド可能に受け取られる代わりに、アンカ送達部材150は、外側シャフト120の管腔(内側シャフト130および/またはアンカ送達部材150を受け取る同一の管腔もしくは異なる管腔のいずれか)、または内側シャフト130の管腔(遠位制御部材140を受け取る同一の管腔または異なる管腔のいずれか)内でスライド可能であり得る。いくつかの実施形態では、外側シャフト130は、部材130、140、および150毎に別個かつ明確に異なる管腔を有し、部材140および150の周囲にインプラント102を展開するように構成されることができる。
【0042】
図2Bは、種々の構成要素が展開された送達デバイス103の遠位端領域104を描写する斜視図である。本実施形態では、アンカ送達部材150は、膨張式部材またはバルーンの形態のアンカ152を含む。アンカ152の他の実施形態が、図4A-4Gに関して説明される。アンカ152は、アンカ152が近位後退(例えば、比較的に軽い張力)に抵抗するように、膀胱頸部のものを上回るサイズまで拡張する(または別様に遷移する)。アンカ152がバルーンである実施形態では、そのバルーンは、弾性または非弾性であり、1つ以上の膨張ポート153を通してバルーン152の中に導入される膨張媒体(例えば、空気または生理食塩水等の液体)を用いて膨張可能であり得る。ここでは、3つの膨張ポート153が、アンカ送達部材150のシャフト上に位置し、シリンジを用いた膨張のためのポートを含み得る、近位制御デバイス200に戻るように近位に延びている膨張管腔と連通する。アンカ152の展開に応じて、医師は、アンカ152が(まだ接触していない場合)膀胱頸部および/または壁と接触するまで、送達システム100を近位に後退させることができる。
【0043】
医師は、外側シャフト120の撮像デバイスを使用し、医師がインプラント102の展開を開始するために尿道内の所望の位置に来るまで、アンカ152から離れるように近位に送達デバイス103を移動させることができる。遠位制御部材140上の保持装置142は、インプラント102の遠位係合部材114と解放可能に結合される。医師は、医師がインプラント102の遠位端が展開することを所望する、尿道の長さに沿った場所に保持装置142を位置付けることができる。これは、アンカ送達部材150に対して近位および/または遠位に、遠位制御部材140および内側シャフト130をともに移動させることを伴うことができる。別の実施形態では、保持装置142の位置は、生体構造内のインプラント102の縦方向位置が、医師によるいずれの操作からも独立してシステムによって設定されるように、アンカ152に対して固定される。保持装置142との遠位係合部材114の結合はまた、遠位制御部材140および内側シャフト130をともに回転させることによって、医師がインプラント102の半径方向配向を操作することも可能にする。遠位制御部材140の能動または受動成形は、インプラント102のより望ましい設置を可能にし得る。例えば、部材140は、より前方の解剖学的位置にインプラントを設置する曲率を有し得る。この曲率は、部材150内で本質的に設定される、または制御ワイヤ等の別個のエンティティを通して医師によって能動的に印加され得る。所望の場所および配向に来ると、医師は、遠位制御部材140に対して内側シャフト130を近位に後退させ、インプラント102の展開を開始することができる。
【0044】
遠位係合部材114は、保持装置142によって遠位制御部材140に対して定位置で保持され、遠位制御部材140に対する内側シャフト130の近位後退は、リング状構造111を順に(111a、次いで、111b、次いで、111c、次いで、111d(図示せず))展開し始めさせる。遠位制御部材140は、展開中に尿道に対して静止したままである、または縦方向に移動されることができる。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、インプラント102の角形成を可能にし、比較的に蛇行性の生体構造に適応するように操向可能である。操向可能性を遂行するための機構は、本明細書の他の場所に議論され、同様に遠位制御部材140に適用されることができる。これらまたは他の実施形態では、遠位制御部材140は、蛇行性生体構造に受動的に適応するように有意に可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、所定の曲線を有し、ナビゲーションを支援する。
【0045】
展開を支援するために、内側シャフト130は、遠位制御部材140を中心として時計回りおよび反時計回りに(矢印134によって描写されるように)回転することができる。図1B-1Cに戻って参照すると、インプラント102は、遠位係合部材114から始まると見なされると、近位係合部材115において終了するまで、リング状構造111aに沿って時計回りに進み、次いで、リング状構造111bに関して相互結線112aに沿って反時計回り方向に逆転し、次いで、リング状構造111cに関して相互結線112bに沿って時計回り方向に逆転し、次いで、リング状構造111dに関して相互結線112cに沿って反時計方向に逆転する、一定ではない巻装の方向を有する。管腔131の開放遠位末端から退出しようとしているインプラント102の一部の巻装の方向に応じて、静止時構成に向かったインプラント102の遷移は、インプラント102が展開されるにつれて、シャフト130が能動的に回転されない場合に、シャフト130上にトルクを付与することができる。そのトルクは、それに応じて、シャフト130を時計回りまたは反時計回りのいずれかに受動的に(ユーザ介入を伴わずに)回転させることができる。本明細書の他の場所に説明される、ある実施形態では、シャフト130は、展開中に能動的に回転される。遠位制御部材140に対する内側シャフト130の回転は、したがって、送達デバイス103が回転し、インプラント102の巻装の方向に従うことを可能にする。いくつかの実施形態では、全てのリング状構造111は、(例えば、完全渦巻状または螺旋インプラントの場合のように)時計回りもしくは反時計回りの同一の方向に巻装される、または設定された巻装の方向を有していない。
【0046】
本または他の実施形態では、内側シャフト130の遠位端領域は、内側シャフト130のより近位の部分よりも比較的に可撓性であるように構成され、これは、展開中に残りのデバイス103の過剰な運動の回避を可能にし、より良好な可視化およびデバイス103によるより少ない組織接触をもたらし得る。そのような構成はまた、送達中にデバイス103によってインプラント102に付与される応力を低減させることもできる。例えば、展開中に外側シャフト120から延びている内側シャフト130の一部は、外側シャフト120内に留まる内側シャフト130の一部よりも比較的に可撓性であり、したがって、インプラント102が内側管腔131から退出するにつれて、内側シャフト130がより容易に撓曲することを可能にし得る。これは、ひいては、送達デバイス103を安定させ、医師が予約プロセスの安定した画像を取得することを可能にすることができる。
【0047】
図2Bは、3つのリング状構造111a、111b、および111cが展開された後のインプラント102を描写する。シャフト130の近位後退は、インプラント102の全体またはリング状構造111の少なくとも全てが管腔131から退出するまで継続する。医師が、インプラント102の展開された位置およびインプラント102の展開された形状に満足している場合に、インプラント102は、送達デバイス103から解放されることができる。
【0048】
インプラント102の遠位端の解放は、保持装置142を解放することによって遂行されることができる。保持装置142は、インプラント102の一部が収納される、空洞または陥凹にわたって線形または回転可能に作動する、円筒形構造または他のスリーブであり得る。図2Bの実施形態では、保持装置142は、遠位係合部材114がそれを通して通過することを可能にする、開口部またはスロットを含む。保持装置142は、開口部またはスロットが部材114にわたって位置付けられ、その時点で部材114が自由に遠位制御部材130から解放されるまで、遠位係合部材114(図示せず)が収納される空洞または陥凹に対して回転することができる。保持装置142の回転は、保持装置142と結合される(かつ近位制御デバイス200においてアクセス可能である)回転可能シャフト、ロッド、または他の部材の回転によって遂行されることができる。
【0049】
図2Cおよび2Dは、保持装置142の異なる実施形態がより詳細に示された、システム100の別の例示的実施形態を描写する斜視図である。ここでは、保持装置142は、遠位制御部材140に対して遠位および/または近位にスライドする。インプラント102の遠位係合部材114は、遠位制御部材140の対応する陥凹内に受け取られることができる。保持装置142は、保持装置142が部材140の階段状部分に当接するまで、本陥凹内に受け取られている間に遠位係合部材114にわたってスライドすることができる。制御ワイヤ146が、アンカ送達部材150と同一の管腔内または異なる管腔内のいずれかで、制御部材140の長さ以内に延びている。制御ワイヤ146は、制御ワイヤ146が開口部148を通して部材140の中に配索され得る、拡大部分147を伴って、保持装置142と結合する。
【0050】
係合部材114は、陥凹内に設置されことができ、保持装置142は、インプラント102の遠位端を制御部材140に固定するように、係合部114にわたって前進させられることができる。例えば、図2Cの状態で、尿道内のインプラント102の満足できる展開に応じて、保持装置142は、係合部材114を露出し、部材140からのその解放を可能にするように、制御ワイヤ146とともに近位に後退させられることができる。図2Eおよび2Fは、図2Cおよび2Dに関して説明されるものと類似する様式で動作する、保持装置142のための別の構成を伴うシステム100の別の実施形態を描写する斜視図である。ここでは、インプラント102は、示されず、遠位係合部材114が受け取られ得る陥凹143が、より詳細に示される。
【0051】
図2Gおよび2Hは、それぞれ、システム100の別の例示的実施形態の側面および斜視図である。本実施形態では、内側シャフト130は、内側管腔131(図示せず)が位置する、可撓性遠位延長部160を含む。本構成では、管腔131の開放遠位末端は、遠位制御部材140が延びている、管腔132(図示せず)の開放遠位末端の遠位に位置する。管腔122、123、および124(図示せず)は、遠位延長部160と反対の外側シャフト120上に位置する。可撓性遠位延長部160は、送達システムを安定させるため、ならびに画像を安定させるための可撓性に寄与する。可撓性延長部160は、平面的様式でリング状構造111を整合させることに役立ち、展開中に尿道壁に向かってインプラント102の方向を誘導する(例えば、半径方向に向ける)ことに役立つ。
【0052】
インプラント102の近位端の解放も、制御可能である。図3Aは、インプラント102の一部が内側シャフト130の内側管腔131内に示された、システム100の例示的実施形態を描写する部分断面図である。ここでは、インプラント102は、近位係合部材115が管腔131内で遠位および/または近位にスライド可能である把持器136と結合された、展開に先立った線状状態にある。把持器136は、シャフト138上に、またはそれと結合される、遠位端領域137を含むことができる。把持器136は、好ましくは、内側シャフト130に対してインプラント102を回転させ、縦方向に平行移動させる(例えば、押動および引動する)ように制御可能である。
【0053】
図3Bおよび3Cは、それぞれ、インプラント102を伴う、およびインプラント102を伴わない、把持器136の遠位端領域137の例示的実施形態を描写する斜視図である。把持器136は、近位係合部材115を受け取るおよび保持するための陥凹(空洞またはポケットとも称される)139を含む。ここで、拡大部分117は、比較的により小さい幅を有する遠位縮径状領域によって、陥凹139内で保持される。内側管腔131内にある間に、内側シャフト130の側壁は、陥凹139内で近位係合部材115を維持する。遠位端領域137が(把持器136に対して内側シャフト130を後退させることによって、または内側シャフト130に対して把持器136を前進させることによってのいずれかで)内側管腔131から退出するとき、内側シャフト側壁によって付与される拘束は、もはや存在しなくなり、係合部材115は、自由に把持器136から解放される。したがって、医師が展開されたインプラント102の設置に満足しているとき、遠位係合部材114は、保持装置142を移動させ、遠位係合部材114が制御部材140から分断されることを可能にすることによって、解放されることができ、近位係合部材115は、内側シャフト130内から把持器136を露出し、近位係合部材115が把持器136から分断されることを可能にすることによって、解放されることができる。
【0054】
把持器136はまた、インプラント102を装填することを支援することもできる。いくつかの実施形態では、(インプラント102の反対端が、例えば、保持装置142によって保持されている間に)把持器136を用いたインプラント102への張力の印加は、静止時構成から内側シャフト130の中へのインプラント102の挿入のために好適な線状構成へのインプラント102の遷移を促進する。
【0055】
アンカ送達部材150は、複数の異なる構成および幾何学形状(例えば、膀胱壁を横断して1つの方向、膀胱壁を横断して2つの方向(例えば、左および右)、または膀胱壁を横断して3つ以上の方向に延びているものを含む)を有することができる。図4A-4Bは、患者の身体内の展開の種々の段階におけるアンカ送達部材150の例示的実施形態を描写する、断面図である。図4Aでは、アンカ送達部材150は、開放遠位端151が膀胱頸部を越え、膀胱402内に来るまで、尿道401を通して前進させられているが、本および他の実施形態では、端部401は、膀胱402に進入すること先立って停止されることができる。ここでは、2つの係留アーム408aおよび408bが、アンカ送達部材150の内側管腔内に収納される。他の実施形態では、係留アーム408の各々は、部材150内の別個の管腔内に収納されることができる。係留アーム408は、開放遠位端151から退出することに応じて、偏向可能部分410aおよび410bが、図4Bに描写されるように、膀胱壁と接触するように側方に遷移してアンカ152を形成するように、アンカ送達部材150に対して遠位に前進させられることができる(またはアンカ送達部材150は、膀胱402の中に前進させられ、係留アーム408に対して近位に後退させられることができる)。
【0056】
係留アーム408は、図4Bの静止時構成に向かって付勢される形状留保材料から形成されることができる。係留アーム408の遠位端の各々は、ここで描写されるように非外傷性末端(例えば、丸みを帯びた、球形、ボール化された)を有することができる、および/または代替として、アーム408の遠位端は、追加非外傷性効果のために膀胱壁から離れるように湾曲することができる。他の実施形態では、1つだけの係留アーム408が、使用される。図4Cは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、断面図である。ここでは、偏向可能部分410aおよび410bは、略直線状または線状形状を有し、アンカ送達部材150に対して遠位および/または近位にスライド可能である、共有シャフト412から偏向する。本明細書に説明される係留実施形態の全てにおいて、1つ以上の偏向可能部分は、共有シャフト(ここで描写されるような)から、または別個のシャフト(図4A-4Bに描写されるような)から偏向することができる。
【0057】
図4D-4Eは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。図4Dは、アンカ送達部材150の開放遠位端151からの部分展開の状態でアンカ152を伴って、本施形態を描写する。図4Eは、膀胱402内の完全展開後のアンカ152を描写する。ここでは、アンカ152は、ヒンジ422a、422b、および422cによって接続される、側方に偏向可能な支柱420a、420b、421a、および421bを含む。具体的に、側方に偏向可能な支柱420aおよび421aは、ヒンジ422aによって接続され、側方に偏向可能な支柱420bおよび421bは、ヒンジ422bによって接続され、支柱421aおよび421bは、ヒンジ422cによって接続される。再度、アンカ152は、図4Eに描写される静止時構成に向かって付勢され、アンカ送達部材150の内側管腔内から露出されると、本構成に向かって自動的に遷移する。ヒンジ422の各々は、デバイスの縮小された区分または比較的により可撓性の区分によって画定される、図4Eに描写されるようなリビングヒンジとして実装されることができる。他のヒンジ構成も、利用されることができる。
【0058】
別の実施形態では、プルワイヤまたは他の部材424が、支柱421および/またはヒンジ422cのうちの1つ以上のものに取り付けられ、近位制御デバイス200まで近位に延びている。図4Eでは、プル部材424は、それが随意であることを示すように鎖線で示される。近位制御デバイス200におけるプル部材424の近位後退は、構造配列を図4Eに描写される構成まで側方に偏向させる。本配列は、張力がプル部材424上で維持されている間に有意な係止力を提供する。
【0059】
図4Fは、アンカ送達部材150の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。ここでは、形状留保要素430は、それが比較的に直線状または線状の形状であった、アンカ送達部材150の内側管腔内から前進させられている。開放遠位端151から退出することに応じて、要素430の遠位部分は、本実施形態ではコイルまたは渦巻の形状である、側方に拡張された形状432に向かって自動的に遷移する。図4Gは、側方に拡張された形状432が複数のループを有し、数字の「8」または蝶ネクタイに類似する、別の例示的実施形態を描写する。多くの異なる形状が、ここで描写されるものに加えて、側方に拡張された形状432に利用されることができる。係留実施形態の全てにおいて、身体組織に暴露されるワイヤまたは要素の遠位末端は、丸みを帯びた、または拡大された非外傷性端(図4Fおよび4Gに描写されるような)を有することができる。
【0060】
インプラント展開手技の完了に応じて、アンカ152は、送達デバイス103の除去を可能にするように圧潰または後退させられることができる。例えば、アンカ152がバルーンである実施形態では、そのバルーンは、収縮され、随意に、デバイス103の管腔の中に戻るように後退させられ、続いて、膀胱および尿道から引き出される。アンカ152がワイヤ形態または他の拡張可能部材(図4A-4Gに関して説明されるもの等)である実施形態では、アンカ152は、それが展開されたデバイス103の管腔の中に戻るように後退させられ、デバイス103は、続いて、膀胱および尿道から引き出されることができる。後退は、流体または空気圧式作動、ねじタイプ機構、もしくはその他を使用して遂行されることができる。
【0061】
図2Bでは、アンカ152は、アンカ送達部材150が中心を通して延びている、略球形バルーンである。他の実施形態では、バルーンアンカ152は、側方にオフセットされる、またはアンカ送達部材150の片側のみに位置付けられることができる。図4Hは、側方にオフセットされたバルーン152を有する例示的実施形態を描写する、部分断面図である。ここでは、側方にオフセットされたバルーン152は、膀胱頸部403の側面に力を及ぼし、方向450にアンカ送達部材150(および送達デバイス103)を押進させる。
【0062】
他の実施形態では、デバイス103は、異なる側方方向に独立して膨張し得る、2つ以上のバルーンを含むことができる。収縮状態で1つ以上の残りのバルーンを維持している間の1つ以上のバルーンの独立した膨張は、ユーザが、生体構造に対する送達カテーテルの角度を変化させることを可能にし、したがって、有意な曲率を伴って生体構造内のインプラントの展開を可能にすることができる。図4Iは、第1のアンカバルーン152aが、部材150の反対側に位置する第2のアンカバルーン152bよりも大きいサイズまで膨張される、別の例示的実施形態を描写する。膀胱壁に及ぼされる力の結果として、部材150は、方向451により小型のバルーン152bから離れるように傾転される。膨張のための1つまたは複数の適切なバルーンの選択は、医師によって実施されることができ、膨張および収縮のプロセスは、医師が、生体構造内でデバイス103の望ましい角配向を達成し、その時点で、残りの送達手技が実施され得るまで、繰り返されることができる。送達部材150は、望ましい解剖学的位置に設置されるインプラント102の能力を妨げないであろう様式で事前成形される、可撓性または剛性シャフトであり得る。例えば、バルーン搭載場所の直近位にある部材150における曲率は、膀胱頸部からの拘束を伴わずに、インプラント102がより前方に設置されることを可能にし得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、成形されたバルーンまたは略弾性バルーンが、膀胱頸部と同一の場所で膨張されることができる。図4Jは、バルーン152が膀胱頸部403において膨張される、例示的実施形態を描写する。ここでは、バルーン152は、膀胱402内で形成される第1の突出部155と、尿道401内で形成される第2の突出部156とを含む。本構成は、膀胱頸部403に直接わたって部材150を係留するために使用されることができる。
(近位制御デバイスおよび関連方法の例示的実施形態)
【0064】
図5Aは、インプラント102の展開に先立った送達システム100の例示的実施形態を描写する、側面図であり、図5Bは、展開構成におけるインプラント102を伴う本実施形態を描写する、側面図である(アンカ送達部材150および遠位制御部材140は、示されていない)。本実施形態では、近位制御デバイス200は、ハンドル201と、第1のユーザアクチュエータ202(本実施例ではトリガとして構成される)と、本体203と、第2のユーザアクチュエータ205とを有する、ハンドヘルドデバイスである。送達デバイス103の縦軸が、鎖線204によって示される。近位制御デバイス200は、デバイス103の構成要素の相対運動を引き起こすようにアクチュエータ202の作動によって手動で給電される機構を含むことができる。他の実施形態では、近位制御デバイス200は、代わりに電動機構を利用することができる。第2のユーザアクチュエータ205は、送達デバイス103の操向を制御するように構成されることができる。ここでは、アクチュエータ205は、送達デバイス103内のプルワイヤ(図示せず)を巻装または巻解し、ここで描写されるように、上向きおよび下向きにデバイス103の偏向を引き起こし得る、回転可能な車輪として構成される。
【0065】
図6Aは、制御デバイス200の主要筐体203内の種々の機械的アセンブリまたはサブアセンブリを描写する、近位制御デバイス200の内部図である。本実施形態では、近位制御デバイス200は、インプラント102上で3つのタイプの運動、すなわち、軸204に沿ったインプラント102の遠位前進(例えば、押動)、軸204に沿ったインプラント102および/または内側シャフト130の近位後退(例えば、引動)、ならびに軸204に沿った内側シャフト130の回転(例えば、回転)を実施するように構成される。他の実施形態では、所望される送達機能に応じて、近位制御デバイス200は、前述のタイプの運動のうちの1つまたは2つの任意のサブセットを実施するように、異なる構成要素に付与されるが、これらのタイプの運動を実施するように、またはここで述べられていない他のタイプの運動を実施するように構成されることができる。
【0066】
本実施形態では、近位制御デバイス200は、本実施形態ではヨークとして構成される、縦方向に平行移動可能な部材601を含む。ヨーク601は、トリガ202の押下が、ヨーク601の近位縦方向平行移動を引き起こすように、トリガ202と結合される。ヨーク601は、本実施形態では歯止めとして構成される、2つの近位に位置するラチェット部材602および603と結合される。歯止め602は、歯止め603上の対応する歯に対向する歯のセットを有し、各歯止め602および603の歯は、第1の歯車アセンブリ600の一部である、本明細書ではピニオン歯車と称される歯車605(図6B参照)上の補完歯と界面接触または係合することができる。
【0067】
スイッチ604は、ユーザにアクセス可能であり、2つの位置の間で偏移されることができ、各位置は、歯止め602および603のうちの1つのみをピニオン歯車605と係合させることに関与する。歯止め602および603の各々は、偏向可能であり、ピニオン歯車605との係合に向かって(例えば、ばねを用いて)付勢される。本実施形態では、下向き位置でのスイッチ604の設置は、ピニオン歯車605との係合から外れるように歯止め602を移動させ、ピニオン歯車605と係合するように歯止め603を移動させる。ヨーク601および歯止め603の近位移動は、ピニオン歯車605を反時計回りに回転させる。上向き位置でのスイッチ604の設置は、係合を逆転し、ピニオン歯車605と係合するように歯止め602を設置し、ヨーク601および歯止め602の近位移動は、ピニオン歯車605を時計回りに回転させる。
【0068】
本実施形態では、第1の歯車アセンブリ600は、ピニオン歯車605と、第2の歯車610と、第3の歯車612と、第4の歯車614とを含む。他の実施形態では、第1の歯車アセンブリ600は、ここで説明されるものよりも多いまたは少ない歯車を用いて、同一または類似機能性を達成するように実装されることができる。
【0069】
ピニオン歯車605は、ピニオン歯車605と垂直に配向される、第2の歯車610と係合される。ピニオン歯車605が、歯車605の半径方向縁から突出する歯を有する一方で、第2の歯車610は、本明細書では正面歯車610と称される、歯車610の遠位面および近位面の両方から突出する歯を有する。ピニオン歯車605の反時計回りの回転は、第1の方向に正面歯車610の回転を引き起こし、ピニオン歯車605の時計回りの回転は、第2の反対方向に正面歯車610の回転を引き起こすであろう。正面歯車610の回転の方向は、ひいては、インプラント102が筐体203に対して近位に後退させられるか、または遠位に前進させられるかどうかを決定する。
【0070】
図6Bは、近位制御デバイス200の本実施形態の内部をより詳細に描写する斜視図である。正面歯車610上の近位に面する歯は、入力歯車と称される、歯車612上の歯と係合する。入力歯車612の歯は、歯車614の歯と係合される。歯車614は、把持器シャフト138を収納または保持するように構成されるリール616と結合される、または統合される。図9A-9Bの実施形態で見られ得るように、リール616は、把持器シャフト138が受け取られ得る、随意の溝またはチャネル617を含むことができる。リール616の回転は、回転の方向に応じて、把持器シャフト138をリール616上に巻装させる、またはリール616から巻解させる。リール616上の把持器シャフト138の巻装が、(例えば、内側シャフト管腔131の中への)インプラント102の近位後退に対応する一方で、リール616からの把持器シャフト138の巻解は、(例えば、内側シャフト管腔131から外への)インプラント102の遠位前進に対応する。図9A-9Bの実施形態では、チャネル617は、リール616の円周を中心として複数回延びている、螺旋チャネルである。図6Bに描写される実施形態では、チャネル617は、省略される。
【0071】
いくつかの実施形態では、入力歯車612は、断続歯車として構成されることができ、入力歯車612の回転が、常に別の歯車の対応する回転を引き起こさないであろうように、1つ以上の歯が、存在しない。そのような入力歯車612の実施例が、図6Cの斜視図に描写される。ここで描写される斜視図から、入力歯車612は、歯車の半径方向縁の左側621で規則的間隔において離間された歯620を有する。歯620はまた、歯が存在しない領域623を除いて、歯車の半径方向縁の右側622で規則的間隔において存在する。平滑表面ハブ624が、本断続領域623に隣接して存在する。入力歯車612の右側622は、リール歯車614と係合するように構成される。断続領域623の設置は、トリガ202の連続ユーザ押下(したがって、ピニオン歯車605、正面歯車610、および入力歯車612の連続回転)が、リール歯車614の連続回転に変換されないように、事前決定される。代わりに、リール歯車614は、歯620を有する入力歯車612の一部と係合されたときのみ旋回され、断続領域623がリール歯車614を横断している間に旋回されないであろう。断続領域623の設置は、把持器シャフト138の縦方向平行移動(例えば、遠位および/または近位)の一時停止を可能にする。断続領域623は、縦方向平行移動が、送達シーケンスのある部分の間のみに起こるように、具体的に設置される。
【0072】
本実施形態では、下位置におけるスイッチ604の設置が、トリガ202のユーザ押下をインプラント102の押動に変換される一方で、上位置におけるスイッチ604の設置は、トリガ202のユーザ押下をインプラント102および/または内側シャフト130の引動に変換される。他の実施形態では、これらのスイッチ位置は、反対の運動を引き起こすように逆転されることができる。
【0073】
図7Aは、近位制御デバイス200のカムアセンブリ702を描写する、見下げ図である。カムアセンブリ702は、外側スロット付き管またはカム703と、内側スロット付き管704と、ガイド部材706とを含む。カムアセンブリは、ヨーク601内に位置付けられることができる。図7Bは、カム703の本実施形態を描写する斜視図である。カム703は、正面歯車610の回転がまた、カム703を回転させるように、正面歯車610と結合される。内側スロット付き管704は、カム703が回転するときに回転しないように、近位制御デバイス200内に搭載される。ガイド部材706は、内側に位置し、カム703内のスロット710および内側管704内のスロット714の両方を辿る、アームまたは支柱部材として構成されることができる。ガイド部材706は、ひいては、(例えば、図11Eに関して説明されるように、いくつかの実施形態では、多側面シャフト708と、回転アダプタ1112とを含み得る、主要シャフトによって)内側シャフト130と結合される、内側スロット付き管704内に位置するハブ802(図8)と結合される。正面歯車610の回転は、カム703の回転を引き起こし、これは、ひいては、ガイド部材706にカム703内のスロット710の経路またはルートを辿らせる。ガイド部材706が、回転可能ではない内側管704内のスロット714を通して延びているため、カム703の回転は、ガイド部材706を半径方向ではなくて縦方向のみに移動させる。
【0074】
スロット710は、1つ以上の傾斜スロット部分および/または1つ以上の半径方向スロット部分を有することができる。ここで描写される実施形態では、スロット710は、複数の傾斜部分(例えば、スロット部分717a、717b、および717c)と、複数の半径方向部分(例えば、スロット部分719a、719b、719c、および719d)とを有する。他の形状も使用され、所望の経路を形成するようにともに連結されることができる。傾斜スロット部分717は、一定または可変傾斜を有することができ、いくつかの実施形態では、これらの傾斜スロット部分は、傾斜が(「V」のように)正から負に逆転するように、変動することができる。
【0075】
傾斜スロット部分717は、回転中に縦軸204に沿ってガイド部材706を移動させる、(縦軸204に対して)非垂直および非平行角を伴うカム703内の開口部または溝であり得る。半径方向スロット部分719は、殆どの実施形態では、カム703の回転が、ガイド部材706に対して半径方向スロット部分719を移動させる一方で、ガイド部材706が、縦方向に(近位または遠位に)移動しないように、縦軸204と平行である。半径方向スロット部分719は、トリガ202が、押下され続けており、送達デバイス103の他の構成要素が、移動しているが、内側シャフト130が、同一の相対位置に留まる、送達シーケンスの一時停止に対応することができる。
【0076】
図7Aでは、ガイド部材706は、半径方向スロット部分719a(図7B)内の最遠位末端に位置する。内側シャフト130の後退のために、カム703は、反時計回り方向720に回転される。カム703がガイド部材706を越えて半径方向スロット部分719aを回転させている間に、内側シャフト130の縦方向移動がない。ガイド部材706が、傾斜スロット部分717aに到達するとき、内側シャフト130とともに近位に後退し始める。本プロセスは、ガイド部材706が半径方向スロット部分719(例えば、シャフト130後退の一時停止)および傾斜スロット部分717(例えば、シャフト130の後退)の連続を通して移動するにつれて、繰り返される。いくつかの実施形態では、ガイド部材706は、外側シャフト120と選択的に結合され、その構成要素の縦方向移動を引き起こすことができる。例えば、内側シャフト130を近位に後退させる際に、例えば、医師が展開プロセスを撮像し続けることを可能にするように、外側シャフト120も近位に後退させられることができる。(例えば、図11A-11Eに関する説明を参照。)ここで説明される実施形態と共に使用され得る、カムアセンブリを利用する類似実施形態が、組み込まれた国際公開第WO2017/184887号に説明される。
【0077】
近位制御デバイス200はまた、内側管腔131内からのインプラント102の押出中に遠位制御部材140に対して内側シャフト130を回転させるように構成されることもできる。図8は、正面歯車610の回転を、いくつかの実施形態では、中間に位置する多側面シャフト708(例えば、図6Aおよび11A参照)および回転アダプタ1104(例えば、図11E参照)によって遂行される、ひいては、内側シャフト130と結合される、ハブ707の回転に変換するように構成される、第2の歯車アセンブリ800の例示的実施形態を描写する側面図である。歯車アセンブリ800は、カムアセンブリ702の遠位に位置する(図6Aおよび7A参照)。歯車アセンブリ800は、カム703の回転が、歯車802の回転を引き起こすように、カム703と結合される第1の歯車802を含むことができる。本実施形態では、歯車802は、半径方向内向きに突出する歯の第1のセット804および断続領域806を伴う環状またはリング様形状を有する。歯車802は、歯804と異なる平面内に位置する、断続領域を伴う半径方向内向きに突出する歯の第2のセット(図示せず)を有することができる。
【0078】
歯車アセンブリ800はまた、歯車802の回転を中心に位置する歯車816に変換する、遊星歯車とも称され得る、平行移動歯車810、812、および814を含むこともできる。本実施例では、歯の第1のセット804は、歯車810と係合し、これは、ひいては、中心歯車816と係合し、それを第1の方向に回転させる。中心歯車816は、ハブ707が回転可能に固定されるが、自由に縦方向にスライドする、開口を有する。したがって、歯車802の回転は、ハブ707の回転に変換され、これは、ひいては、内側シャフト130を回転させる。歯車802の歯の第2のセット(図示せず)は、歯車812と係合し、これは、ひいては、歯車814と係合され、これは、ひいては、中心歯車816と係合され、反対方向に中心歯車816の回転を引き起こす。歯の第1および第2のセットの位置、ならびに種々の平面内の断続領域に応じて、1つの方向への環状歯車802の一定の回転は、同一方向、反対方向への中心歯車816の時限回転に変換することができる、または中心歯車816の回転を全く変換しない。
【0079】
3つの段階の送達シーケンスは、インプラント102の対応する特徴に対して説明されることができる。各リング状構造111および相互結線112は、把持器136による押動を受ける。いくつかの実施形態では、インプラント102は、把持器136によっても回転されることができる。いくつかの実施形態では、インプラント送達において把持器136によって進行させられる(リール616によって提供される)全縦方向押動距離は、インプラント102の実施形態の全てのリング状構造111の付加円周とほぼ同等である。押動および回転の組み合わせられた移動は、前立腺部尿道に与えられる側方力にもかかわらず、インプラント102のリング状構造111が、空洞を開放するために十分な半径方向力を提供するように平面内に置かれることを確実にすることができる。インプラント102の各相互結線112は、ハブおよびカムによる(回転を伴わない)引動段階を受ける。したがって、カムの内側のハブによって進行させられる全軸方向引動距離は、インプラント102の全縦方向長さとほぼ同等である。引動段階および押動/回転段階は、送達シーケンス中に同時に起こらず、それらは、相互排他的である。
【0080】
近位制御デバイス200は、リング状構造111の全てが内側管腔131から展開された後であるが、管腔131内からの近位係合特徴115および陥凹139の前進に先立って、インプラント102のさらなる展開が、自動的に防止されるように構成されることができる。これは、送達デバイス103からインプラント102を解放することに先立って、インプラント102が適切に展開および設置されていることを検証する機会を医師に提供する。
【0081】
図9A-9Fは、インプラント102の早期解放を防止するためのロックまたは係止機構900を伴う近位制御デバイス200の例示的実施形態を描写する内部斜視図である。係止機構900は、図9A-9Bに示されるように、正面歯車610の近位に面する表面内の溝またはチャネル902と界面接触する。縦方向、側方、および半径方向内向きに移動可能な追跡機構904は、突起905を伴うヘッド部分を有し、突起905が溝902に圧入し、その内側で追跡するように、遠位に付勢される。正面歯車610がピニオン歯車605(図示せず)によって回転されるにつれて、追跡機構904は、渦巻状溝902を辿り、半径方向内向きに移動する。本移動は、インプラント102がほぼ完全に展開されるまで継続するが、近位係合部材115は、依然として、把持器136によって内側管腔131内で保持される。この時点では、突起905は、追跡機構904をしっかりと捕捉する、溝902(例えば、空洞)の比較的により深い部分906に進入する。正面歯車610のさらなる回転は、追跡機構904を、図9C-9Dに描写される位置まで、側方に移動させ、または半円弧に旋回させ、追跡機構904のアーム907は、固定された本体915によってさらなる側方運動を防止される。正面歯車610のさらなる回転は、防止され、これは、ひいては、全ての歯車の回転を防止し、ユーザがトリガ202を引動し続けることを防止する。
【0082】
医師がインプラント102の設置に満足している場合に、筐体203の外側のユーザにアクセス可能である、ロック解除アクチュエータまたはタブ910が、近位に引動される。ロック解除タブ910は、図2Cおよび2Dに関して説明されるように、保持装置142を解放することに関与する制御ワイヤ146に直接または間接的に結合される。したがって、ロック解除タブ910の近位移動は、保持装置142を近位に移動させ、送達デバイス103からのインプラント102の遠位係合部材114の解放を可能にする。ロック解除タブ910はまた、タブ910の近位後退が、溝902内から突起905を引き出すように、追跡機構904と結合されることもできる。本アクションは、デバイス200をロック解除し、ユーザは、自由にトリガ202の押下を継続し、これは、ひいては、リール616を前方に送り、把持器シャフト138をさらに巻解し、インプラント102の近位係合部材115および陥凹139をシャフト130の内側管腔131から退出させる。本段階で、インプラント102の遠位係合部材114および近位係合部材115は両方とも、露出され、インプラント102は、自由にデバイス103から係脱または解放される。
【0083】
近位制御デバイス200は、送達デバイス103の他の構成要素に対して遠位制御部材140を回転させ、遠位制御デバイス140からの遠位係合部材114の除去を促進するように構成されることができる。図9Eに描写される実施形態では、第2のカム940は、本体941内で回転可能である。遠位制御部材140(図示せず)は、カム940の回転が、遠位制御部材140の回転を引き起こすように、(例えば、位置決めねじを用いて)カム940に固定される。カム940は、それぞれ、本体941に固定され、カム940の反対側に位置する、2つの剛性部材(例えば、ピン)946aおよび946bと接触している、2つの傾斜表面944aおよび944bを有する。カム940は、回転可能であるが、本体941に対して縦方向に固定される。ロック解除タブ910を引動することは、本体941および部材946aならびに946bを近位に移動させる。カム940は、近位に移動することができないため、傾斜表面944上の部材946の接触は、カム940を回転させ、これは、ひいては、遠位制御部材140を回転させる。したがって、タブ910の後退は、保持装置142を解放し、遠位制御部材140を回転させ、これは、インプラント102の遠位係合部材114の覆いを取る(インプラント102は、ここでは尿道と接触して拡張されている)。回転は、部材140の陥凹143から遠位係合部材114を引き出すことを支援し、完全係脱を確実にすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、遠位制御部材140は、保持装置142の近位に事前設定された屈曲部(図示せず)を有する。遠位制御部材140は、(例えば、図2B、2G、および2Hに描写されるように)遠位係合部材114に取り付けられたときに、本事前設定された屈曲形状から変形され、したがって、本事前設定された屈曲形状に戻るように付勢され、これはまた、(デバイス200が部材140を回転させる実施形態の代わりに、またはそれに加えてのいずれかで)インプラント102からの部材140の係脱も支援し得る。
【0085】
停止表面912が、固定された本体915上の別の停止表面914に対向する、追跡機構904上に存在する。図9Bに示される追跡機構904の位置では、これらの対向する停止表面912および914は、本体915が(例えば、筐体203によって)静的位置で保持される別個の構成要素であるため、ロック解除タブ910が近位に後退させられないように防止する。例えば、半円弧での追跡機構904の側方移動は、図9Dに示されるように、停止表面912が停止し、停止表面914を通過するまで継続する。本特徴は、インプラント102が十分に展開される前に、ロック解除タブ910を近位に後退させることによって、インプラント102の早期ロック解除を防止する。
【0086】
近位制御デバイス200はまた、患者からの部分的に展開されたインプラント102の除去を可能にする、緊急解放機構を含むこともできる。ロック解除タブ910は、追跡機構904の基部上の戻り止め922から偏向可能アーム920の切り欠きを係脱させることによって、追跡機構904から分断されることができる。他の実施形態では、切り欠きおよび戻り止め特徴は、逆転されることができる。斜面925を有する緊急解放ボタン924が、アーム920の下に位置付けられる(図9A-9B参照)。例えば、解放ボタン924を押動することによる作動は、図9Eに描写されるように、斜面925に、アーム920を上向きに偏向させ、戻り止め922からノッチを分断させる。本状態で、ロック解除タブ910は、追跡機構904から分断され、停止表面912および914が対向位置にある間に、自由に近位に後退させられる。ロック解除タブ910の近位後退は、制御ワイヤ146を後退させ、遠位制御部材140からインプラント102の遠位係合部材114を解放する。この時点で、部分的に展開されたインプラント102は、依然として、外側シャフト120の中に近位に後退させられ、次いで、患者から完全に除去され得る、把持器136に取り付けられている。
(送達方法の例示的実施形態)
【0087】
図10Aは、システム100を使用して、インプラント102を送達する方法1000の例示的実施形態を描写するフローチャートである。外側シャフト120の遠位端領域は、好ましくは、いずれの部品も外側シャフト120の開放遠位末端から延びていないように、後退状態で外側シャフト120内に完全に含有された内側シャフト130、遠位制御部材140、およびアンカ送達部材150を伴って、尿道の中に挿入される。尿道の中への前進後、ステップ1002では、アンカ送達部材150は、送達デバイス103の残りの部分(例えば、部材120、130、および140)に対して遠位に前進させられ、膀胱内でアンカ152を展開するために使用される。いくつかの実施形態では、アンカ152の展開は、注入(例えば、ルアーテーパ)ポートを通した膨張媒体の導入による、(例えば、図2Bおよび4H-4Jに描写されるような)1つ以上のバルーンの膨張であり得る。図6Aは、バルーン膨張のための管類650を描写する。他の実施形態では、アンカ152の展開は、膀胱壁に対向する位置(例えば、図4A-4G)まで偏向するように、アンカ送達部材150からの1つ以上のワイヤ形態部材の前進であり得る。アンカ送達部材150および/または任意のワイヤ形態部材の縦方向位置付け(例えば、前進および後退)は、直接、または近位制御デバイス200を用いてのいずれかで、ユーザがアンカ送達部材150ならびに/もしくは任意のワイヤ形態部材の近位端を操作することによって、手動で遂行されることができる。
【0088】
ステップ1004では、アンカ152は、デバイス200に近位に向けられた力を及ぼすことによって、膀胱壁に対して張力を受けて保持されることができる。アンカ152は、したがって、正確な場所でインプラント102を展開する、システム100のための縦座標を提供することができる。本特徴は、インプラントが膀胱頸部に接近しすぎた状態で設置されないことを確実にすることができる。
【0089】
1006では、遠位制御部材140および内側シャフト130は、次いで、まだそうではない場合、外側シャフト120内から遠位に前進させられることができる(例えば、ステップ1006は、ステップ1002および/または1004に先立って起こることができる)。ユーザは、インプラント102が所望の位置に来るまで、(本明細書に説明されるような)撮像の助けを借りて近位制御デバイス200の位置を操作することができる。インプラント102が所望の位置に来ると、インプラント展開手技が、開始することができる。インプラント展開のためのステップは、近位制御デバイス200のユーザ作動(例えば、トリガ202の作動、スイッチ604のための位置の選択等)によって自動的に実施されることができる、またはステップは、送達デバイス103の各構成要素の手動操作によって、もしくは特定の実装のための所望に応じた2つの組み合わせによって、直接実施されることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、管腔131内からのインプラント102の展開は、(1)内側シャフト130が移動されていない間に、内側シャフト130に対して把持器136を遠位に前進させることによって、完全に遂行される一方で、他の実施形態では、管腔131内からのインプラント102の展開は、(2)把持器136が移動されていない間に、把持器136に対して内側シャフト130を近位に後退させることによって、完全に遂行される。いくつかの実施形態では、インプラント102の展開は、(3)両方の移動の組み合わせによって、完全に遂行される。なおも他の実施形態では、インプラント102の展開は、遠位制御部材140に対する1つ以上の方向(例えば、時計回りもしくは反時計回り)への内側シャフト130の1つ以上の回転と組み合わせて、(1)、(2)、または(3)によって、完全に遂行される。
【0091】
インプラント102を展開するための一連のステップ1008、1010、および1012の例示的実施形態が、図10Aおよび図10Bのタイミング図を参照して説明される。
最初に図10Aを参照すると、ステップ1008では、第1のリング状構造111aが、内側シャフト130の管腔131から退出させられ、ステップ1010では、相互結線112が、管腔131から退出させられ、ステップ1012では、第2のリング状構造111bが、管腔131から退出させられる。ステップ1010および1012は、インプラント102上に存在する追加の相互結線112およびリング状構造111毎に繰り返されることができる。
【0092】
図10Bでは、ステップ1008は、T0においてタイミング図の左端から開始する。リング状構造111aの展開は、1008とマークされた持続時間に対応し、相互結線123の展開は、期間1010に対応し、リング状構造111bの展開は、期間1012に対応する。当業者は、インプラント102のそれらの部分の間の遷移が、段階的であり得、精密な境界を有する必要がないため、リング状構造111の展開と相互結線112の展開との間の区別が近似であることを認識するであろう。
【0093】
図10Bに関して説明される実施形態は、反対の巻装方向(例えば、時計回り、次いで、反時計回り、次いで、時計回り等)を有する、リング状構造111を伴うインプラントに関するものである。3つの異なる運動が、図10Bに示される。上に、1つの方向(例えば、時計回り)への内側シャフト130の回転運動があり、中央に、送達デバイス103の1つ以上の構成要素の縦方向運動(例えば、近位または遠位)があり、下に、上に示されるものと反対の方向(例えば、反時計回り)への内側シャフト130の回転運動がある。インプラント102のリング状構造111が全て、同一の1つの方向に巻装される、実施形態では、内側シャフト130の回転も、1つだけの方向にあろう。
【0094】
時間T0からT1まで、インプラント102の展開は、領域1031に示されるように、内側シャフト130を回転させることによって遂行される。同時に、領域1032では、把持器136、したがって、インプラント102は、外側シャフト120を縦方向にも(遠位にも近位にも)回転可能にも移動させることなく、また、内側シャフト130を(遠位にも近位にも)縦方向に移動させることなく、遠位に前進させられる。一例として、近位制御デバイス200内で、内側シャフト130および外側シャフト120の両方の対応する縦方向移動を伴わない、内側シャフト130の回転移動は、トリガ202のユーザ押下が(ヨークおよび歯止めを通して)ピニオン歯車605および正面歯車610の回転に変換されることによって、遂行される。正面歯車610の回転はまた、カムアセンブリ702のカム703(図7A-7B)を回転させる一方で、ガイド部材706は、半径方向スロット部分(例えば、719a)内にあり、したがって、シャフト120および130のいずれも縦方向に移動しない。カム703の回転はまた、第2の歯車アセンブリ800(図8)に内側シャフト130を回転させる。把持器136の前進は、入力歯車612を回転させる正面歯車610によって引き起こされ、これは、ひいては、リール歯車614(図6A-6B)を回転させ、リール616を回転させ、把持器シャフト138を遠位に巻解させる。
【0095】
時間T1からT2まで、内側シャフト130の回転は、停止されるが、把持器136の遠位前進が、継続する一方で、シャフト120および130は、縦方向に移動しない。一例として、近位制御デバイス200内で、トリガ202のユーザ押下は、継続し、カム703は、半径方向スロット部分(例えば、719a)内でガイド部材706とともに回転し続ける。カム703の回転は、第2の歯車アセンブリ800の環状歯車802を回転させ続けるが、環状歯車802の断続部分(歯を伴わない)に到達されるこの時点で、遊星歯車810、812、および814のうちのいずれも回転されず、したがって、中心歯車816および内側シャフト130の回転が、停止される。本実施形態では、第1のリング状構造111aの展開は、時間T2において完了する。
【0096】
時間T2からT4まで、第1の相互結線112の展開が、起こる。領域1033では、時間T2からT4まで、把持器136(およびインプラント102)の遠位前進が、起こらない。相互結線112の展開は、定位置で把持器136を保持しながら、外側シャフト120および内側シャフト130の両方の近位後退によって遂行される。これは、相互結線112をシャフト130の内側管腔131から退出させる。一例として、近位制御デバイス200では、トリガ202のユーザ押下は、継続し、正面歯車610は、カム703および入力歯車612の両方と同様に、回転し続ける。入力歯車612内の断続部分623に到達され、入力歯車612の回転は、もはやリール歯車614の回転を引き起こさなくなり、したがって、把持器シャフト138の遠位前進が、停止される。カムアセンブリ702内で、ガイド部材706は、半径方向スロット部分(例えば、719a)から傾斜スロット部分(例えば、717a)まで遷移し、カム703の回転は、ガイド部材706を近位に移動させる。ガイド部材706がシャフト120および130と結合されると、これらのシャフト120および130も、近位に移動する。
【0097】
内側シャフト130の回転に対して、時間T2からT3まで、内側シャフト130の回転が、起こらない。近位制御デバイス200内で、環状歯車802の断続部分は、継続し、中心歯車816によるシャフト130の回転がない。
【0098】
相互結線112が直線状である実施形態では、次いで、相互結線112が時間T2からT4まで展開されている間に、シャフト130を回転させることを控えることが望ましくあり得る。図1B-1Dの実施形態等の相互結線112が曲線状である実施形態に関して、相互結線展開中に内側シャフト130の回転を開始することが望ましくあり得る。図10Bは、曲線状相互結線112のための展開を描写し、T3からT4まで、内側シャフト130は、領域1034によって示されるように反対方向に回転される。一例として、近位制御デバイス200内で、トリガ202のユーザ押下は、継続し、本運動は、反対方向への中心歯車816の運動に関与する遊星歯車と係合する歯を伴う領域を有する、環状歯車802に変換される。反対方向への中心歯車816の回転が、したがって、開始し、内側シャフト130は、同様に、時間T0からT1までのものから反対方向に回転され、これは、相互結線112の展開を促進し、反対に巻装された第2のリング状構造111bのために適切な方向に内側シャフトの回転を開始する。
【0099】
T4では、相互結線112の展開が、完了し、第2のリング状構造111bの展開が、開始する。シャフト120および130の近位後退は、領域1033の停止によって示されるように停止される。把持器シャフト138の遠位前進が、T4において領域1035内で再開される一方で、外側シャフト120は、回転可能にも縦方向にも移動されない。内側シャフト130の回転は、領域1034に示されるように継続するが、内側シャフト130は、縦方向に移動されない。一例として、近位制御デバイス200内で、ユーザは、トリガ202を押下し続ける。カム703の回転は、継続するが、ガイド部材706は、第2の半径方向スロット部分(例えば、719b)に到達し、ガイド部材706の近位移動は、(シャフト120および130の後退と同様に)停止する。中心歯車816の回転は、継続する。入力歯車612の断続部分623は、停止し、歯620は、リール歯車614と再係合し、リール歯車614およびリール616の両方の回転を再び開始させ、したがって、把持器シャフト138の遠位前進も、開始する。
【0100】
これらの運動は、時間T5まで継続し、その時点で、内側シャフト130の回転は、停止される。制御デバイス200内で、環状歯車802の断続部分に到達され、歯車802が、遊星歯車から係脱し、中心歯車816の回転が、停止される。トリガ202のユーザ押下は、時間T5からT6まで継続し、構成要素は、時間T1からT2まで説明されるものと類似する運動とともに動作する。別の相互結線112およびリング状構造111が存在する場合に、時間T6から開始するシーケンスは、時間T2から開始し、時間T6まで継続して説明されるものと同一であり得る。本プロセスは、インプラント102の全てのリング状構造111が展開されるまで、必要に応じて繰り返されることができる。いくつかの実施形態では、トリガ202のさらなる押下は、近位係合部分115の早期展開および解放を防止するようにロック機構900(図9A-9B)によって停止されることができる。
【0101】
ここで説明される多くの実施形態では、リング状構造111の全ての展開は、トリガ202の単一の連続押下とともに起こることができる。これらの実施形態の全てでは、近位制御デバイス200は、代わりに、トリガ202の繰り返しの引動が、インプラント102のリング状構造111の全てを展開するために要求されるように構成されることができる。
【0102】
展開中に、例えば、時間T0後、最近位リング状構造112の完全展開まで、医師が、インプラント102を再捕捉することを所望する場合に、トリガ202の押下は、停止されることができる。トリガ202は、最外位置に戻るようにばね負荷される、または別様に付勢されることができる。医師は、展開に対応する位置から再捕捉に対応する異なる位置まで、スイッチ604を調節することができる。スイッチ604の本調節は、歯止め603を係脱させ、歯止め602を再係合させるであろう。医師は、再度、トリガ202を押下することができ、その押下は、正面歯車610の逆運動に変換され、これは、ひいては、第1の歯車アセンブリ600、カム703、および第2の歯車アセンブリ800の他の部分の逆運動に変換される。例えば、スイッチ604が、時間T0~T6の間の任意の時間において調節される場合に、トリガ202の次の押下が、一連のイベントを逆転させ、図10Bの右から左に進ませるであろう。これらの運動が、単に、すでに説明されているもの逆であるため、それらは、ここで繰り返されないであろう。
【0103】
医師が、展開に満足している場合に、1014では、インプラント102の遠位係合部分114および近位係合部分115が、それぞれ、遠位制御部材140および把持器136から解放されることができる。一例として、近位制御デバイス200では、医師は、タブ910を引動し、トリガ202が残りまで押下されることを可能にすることができ、これは、ひいては、把持器136の遠位前進、シャフト120および130の近位後退、または両方のいずれかによって、インプラント102の近位係合部分115を展開することができる。タブ910は、制御ワイヤ146と結合されることができ、タブ910の引動は、ワイヤ146を引動し、遠位係合部分114から保持装置142を除去することができる。
【0104】
アンカ152は、次いで、所望される場合、再捕捉され(例えば、バルーンの収縮またはワイヤ形態部材の後退)、アンカ送達部材150に引き込まれることができる。アンカ送達部材150、遠位制御部材140、および内側シャフト130は、外側シャフト120の中に後退させられ、次いで、尿道から引き出されることができる。
(近位制御デバイスのユーザ組立の例示的実施形態)
【0105】
図5Aに戻って参照すると、近位制御デバイス200は、より近位に位置するハンドル部分1103に対して移動し得る、移動可能(例えば、後退可能および/または前進可能)ハンドル部分1102を含むことができる。図5Aは、インプラント102の展開に先立った遠位に前進させられた位置における移動可能ハンドル部分1102を描写し、図5Bは、インプラント102の展開後の近位に後退させられた位置における部分1102を描写する。移動可能部分1102は、外側シャフト120に固定され、それとともに移動されることができ、また、内側シャフト130、遠位制御部材140、およびアンカ送達部材150(図示せず)から独立して移動されることもできる。
【0106】
図11Aは、図5A-5Bと比較して逆転される図から得られた、近位制御デバイス200の移動可能部分1102の例示的実施形態の内部図である。送達デバイス103の近位端領域105は、右に移動可能部分1102の筐体1103と結合されて示され、多側面シャフト708は、左に示される。(シャフト708は、ハブ707との締まり嵌めを可能にするように多側面であり得るが、他の構成および固定技法も、シャフト708が円筒形である(例えば、接着剤を用いてハブ707に固定される)ように使用されることができる)。結合機構1106が、筐体1103内に搭載または形成され、図11B-11Eに関してより詳細に説明されるであろう。また、筐体1103内に、図12A-12Eに関してより詳細に説明されるであろう、撮像ハードウェア1202も含まれる。
【0107】
図11Bは、図11Aよりも近い視点から描写される結合機構1106の内部図である。ここでは、結合機構1106は、本実施形態では、筐体1109によって提供されるトラック1108内でスライド可能なラッチとして構成される、ユーザアクチュエータ1107を含む。図11Cは、内部構成要素が見られることを可能にするように筐体1109の近位側が除去された、結合機構1106を描写する。図11Dは、ラッチ1107も除去された、図11Cの結合機構1106を描写し、図11Eは、説明をさらに容易にするように、筐体1109が除去された、図11Dの結合機構1106を描写する。
【0108】
ラッチ1107は、筐体1109内に着座される弾性の偏向可能部材1110と結合される。(ここで描写されるような)最左位置から最右位置までのラッチ1107の移動は、部材1110を傾斜表面1119に対して屈曲させる。部材1110は、直線状構成(図11C-11Dに示されるような)に向かって付勢され、最右位置におけるラッチ1107の解放は、ラッチ11072が部材1110の弾性アクションによって最左位置に戻ることを可能にする。部材1110は、用途の必要性のための所望に応じて構成されることができる。例えば、本実施形態では、部材1110は、ニチノールワイヤである。
【0109】
最左位置にあるとき、部材1110は、回転アダプタ1112内の1つ以上の溝内で受け取られることができる。図11Eの実施形態では、2つの溝1114および1115が存在し、そのそれぞれは、回転アダプタ1112が回転されるにつれて、部材1110が、溝1114および1115内でスライドし得るが、回転アダプタ1112の任意の縦方向移動(前進および/または後退)が、同様の移動を部材1110に引き起こすであろうように、部材1110を受け取ることができる。
【0110】
埋込手技での使用に先立って、内側シャフト130の近位端は、回転アダプタ1112と結合され、これは、ひいては、多側面シャフト708と結合され、これは、ひいては、近位制御デバイス200の近位部分1103と結合される。外側シャフト120は、移動可能部分1102と結合されるが、部分1103および1102は、分離され、ともに結合されない。医療専門家または他のユーザは、回転アダプタ1112の溝1114および/または1115が偏向可能部材1110と係合するまで、内側シャフト130の遠位端を近位制御デバイス200の移動可能部分1102の中に前進させることができる。部分1102を通した内側シャフト130の挿入は、図11Bに描写される1つ以上の斜面1120の助けを借りて遂行されることができる。回転アダプタ1112の遠位端1118は、第1の溝1115がそれに直接隣接して位置し、その時点で、部材1110が溝の中に嵌まり込むであろうまで、部材1110を偏向させることによって、本挿入を支援するように1つ以上の領域内でテーパ状または縮径状であり得る。溝1114または1115のうちの1つとのワイヤ1110の係合に応じて、移動可能部分1102は、近位制御デバイス200の近位部分1103と結合される。ある実施形態では、この時点で、近位制御デバイス200は、組み立てられ、埋込手技で使用する準備ができている。
(撮像デバイスおよび使用の例示的実施形態)
【0111】
ある例示的実施形態では、回転アダプタ1112(ひいては、多側面シャフト708、ガイド部材706、および内側シャフト130に固定される)への移動可能部分1102(外側シャフト120に固定される)の結合は、外側シャフト120に、内側シャフト130の移動を追跡させる。図2Aに関して説明されるように、撮像デバイスおよび照明デバイス(図12D-12E参照)が、外側シャフト120の遠位端における管腔122-124のうちの1つ以上のものの中に設置されることができる。これらのデバイスは、それらの個別の管腔の遠位末端に搭載される(または管腔を共有する)ことができ、その場所は、送達中にインプラント102が退出する、内側シャフト130の遠位末端の近位からすぐの距離にある。内側シャフト130が縦方向に近位に移動するにつれて、外側シャフト120も、それらの相対遠位末端の間で維持される同一の間隔を伴って縦方向に近位に移動する。逆に、内側シャフト130が遠位に移動するにつれて、外側シャフト120も、維持される同一の間隔を伴って(すなわち、同じ速度で)遠位に移動する。したがって、システム100は、内側シャフト130からのインプラント102の送達が、内側シャフト130の遠位末端から一定の間隔を伴って撮像されることを可能にする。溝1114および1115が、環状(例えば、回転アダプタ1112の周囲の周りに延びているリング様)であるため、内側シャフト130は、外側シャフト120に同様の回転を引き起こすことなく、回転することを可能にされる。偏向可能部材1110は、単純に、個別の溝1114または1115に沿ってスライドする。
【0112】
ユーザまたは医療専門家が、撮像デバイスが内側シャフト130の遠位末端から異なる間隔に設置されることを所望する場合、結合機構1106は、移動可能部分1102と1103との間の結合を解放するために使用されることができ、移動可能部分1102は、異なる溝が偏向可能部材1110と係合するように、移動されることができる。例えば、溝1115を係脱させ、溝1114と係合することは、外側シャフト120の遠位末端における撮像デバイスと内側シャフト130の遠位末端との間の間隔を増加させ、したがって、ユーザが比較的により広い視野で撮像することを可能にするであろう。本特徴は、視野を調節する能力をユーザに提供する。結合機構1106は、溝1114および1115のうちの第1のものに対応する第1の位置で結合されることができ、撮像視野が、最適ではない場合、ユーザは、機構1106を結合解除し、溝1114および1115のうちの他方のものに対応する第2の位置に切り替えることができる。本明細書に説明される実施形態では、2つだけの溝1114および1115が存在するが、それぞれ、他のものから独立して選択可能であり、それぞれ、異なる位置および視野に対応する、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれを上回る任意の数の溝が、使用されることができる。展開中に内側シャフト130の縦方向移動と揃って自動的に移動する撮像および照明デバイスの能力は、本明細書に説明される任意の実施形態と共に使用されることができる。
【0113】
図12Aは、撮像ハードウェア1202のための筐体1203を描写する。図12Bは、筐体1203の内部上の構成要素を描写し、図12Cは、より近い視点からこれらの構成要素を描写する。図12Dは、外側管状部材120の遠位端領域の近位側を描写する斜視図であり、図12Eは、外側管状部材120の遠位端領域の遠位側を描写する斜視図である。本実施形態ではリボンケーブルの形態である、第1のバス1204が、その遠位端(図12D)において外側管状部材120(図示せず)の遠位端領域先端1224内の撮像デバイス1220に接続される。第1のバス1204は、外側管状部材120の管腔(例えば、管腔122-124のうちの1つ)を通して配索され、1つ以上の接点(図12C)、本実施例では、電力、接地、受信された信号、およびクロックのための4つの接点1205-1208に接続される、その近位端を有することができる。
【0114】
本実施形態では同様にリボンケーブルの形態である、第2のバス1210が、その遠位端(図12D)において遠位端領域先端1224内の照明デバイス1222に接続される。第2のバス1210は、外側管状部材120の同一または異なる管腔(例えば、管腔122-124のうちの1つ)を通して配索され、1つ以上の接点(図12C)、本実施例では、電力および接地のための2つの接点1211および1212に接続される、その近位端を有することができる。これらの接点は、受動RLC構成要素および能動構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、および/または半導体チップ)を含む、それに結合された追加の撮像ハードウェア(図示せず)を有し得る、プリント回路基板1216上に位置する。受信された画像を伝送するための出力回路は、ケーブルを介して、ディスプレイまたはディスプレイを伴うローカル受信機に無線で画像を伝送する無線回路に画像を出力する、有線回路であり得る。洗浄ポート管腔1223も、図12D-12Eに示される。撮像デバイス1220、照明デバイス1222、および洗浄ポート管腔1223の位置の順序は、ここで説明され、示される位置から再配列されることができる。
(インプラント設置の例示的実施形態)
【0115】
本明細書に説明されるシステム100の全ての実施形態は、インプラント102を前立腺に近接する種々の場所またはヒト生体構造内の他の場所に送達するために使用されることができる。図13は、前立腺部尿道内の埋込場所の種々の実施例を説明する際に使用するための状況を提供する、男性の生体構造の断面図である。ここでは、前立腺1302は、中心に位置し、膀胱壁1304および膀胱1305は、上方に位置する。前立腺部尿道1306は、膀胱1305から射精管1307を越え、前立腺1302を通して下方に延びている。前立腺部尿道1306は、外尿道括約筋1309の一般的場所において尿道膜性部1308になり、継続して身体から退出する。直腸は、1310によって示される。
【0116】
図14Aは、後方方向がページの中に延び、前方方向がページから外に延びているように、図13の視点から回転された断面図である。ここでは、インプラント102の例示的実施形態は、前立腺部尿道1306内に位置付けられて示される。インプラント102は、概して、本視点から視認されるように前立腺部尿道1306内で中心に、換言すると、概して、前立腺1302の上および下縁から等距離に位置付けられる。インプラント102の設置は、概して、医療専門家の判断により、ここで示される位置から上方または下方にのいずれかで、オフセットされることができるが、しかしながら、前立腺部尿道1306内の位置が、概して、好ましい。
【0117】
図14Bは、概して、図13のものと同一の視点からであるが、より詳細に前立腺1302の面積を描写する。ここでは、前立腺1302は、前立腺部尿道1306の中に突出する中葉1402を伴って肥大状態である。図14Cは、図14Bの線14C-14Cに沿って得られた断面図であり、尿道1306の幅が、前方側から後方側まで進むにつれて広くなる、本肥大前立腺1302内の前立腺部尿道1306のスリット様性質を示す。
【0118】
図14Dは、図14Bに関して説明される例示的生体構造内の後方に設置されたインプラント102の例示的実施形態を描写し、図14Eは、図14Dの線14E-14Eに沿って得られた断面図である。ここで見られ得るように、インプラント102は、概して、前立腺部尿道1306の最後方表面に沿って設置される。インプラント102は、インプラント102が、実質的に前立腺部尿道1306の後方側に存在し、尿道1306の最前方側と接触しないものとして説明され得るように、その最大中心幅における前立腺部尿道1306の幅未満(例えば、幅の50%未満、幅の65%未満、幅の80%未満等)である最大直径を有するようにサイズを決定されている。本設置の含意は、インプラント102によって作成される前立腺1302を通した開口部が、主に前立腺1302および尿道1306の後方側に位置付けられる、図14Eに示される。
【0119】
図14Fは、図14Bに関して説明される例示的生体構造内の前方に設置されたインプラント102の例示的実施形態を描写し、図14Gは、図14Eの線14G-14Gに沿って得られた断面図である。ここで見られ得るように、インプラント102は、概して、前立腺部尿道1306の最前方表面に沿って設置される。インプラント102は、インプラント102が、実質的に前立腺部尿道1306の前方側に存在し、尿道1306の最後方側と接触しないものとして説明され得るように、その最大中心幅における前立腺部尿道1306の幅未満(例えば、幅の50%未満、幅の65%未満、幅の80%未満等)である最大直径を有するようにサイズを決定されている。本設置の含意は、インプラント102によって作成される前立腺1302を通した開口部が、主に前立腺1302および尿道1306の前方側に位置付けられる、図14Gに示される。後方設置および前方設置の両方を用いると、インプラント102は、依然として、図14Aに示されるように、前立腺1302に対して略中心に設置されることができる。後方または前方位置におけるインプラント102の展開は、概して、医療専門家の判断による。尿道1306の最後方側と最内側との間で中心に位置する設置、ならびにインプラント102がここで示されるよりも前立腺1302に対して比較的に大きいまたは小さい直径を有するような定寸の変形例を含む、設置の他の変形例も、使用されることができる。
【0120】
本明細書に説明される実施形態は、図を明示的に参照することなく、以下の段落で再記述および発展される。多くの例示的実施形態では、インプラントを送達するためのシステムが、提供され、システムは、外側管状部材と、第1の内側管腔および第2の内側管腔を有する、内側管状部材であって、内側管状部材は、外側管状部材内でスライド可能であり、第1の内側管腔は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された細長い把持部材を収納するように適合されている、内側管状部材と、第2の内側管腔内でスライド可能である、遠位制御部材であって、遠位制御部材は、インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成された保持装置を含む、遠位制御部材とを含む、送達デバイスを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、インプラントは、少なくとも部分的開放状態で前立腺部尿道を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、インプラントは、第1および第2のリング状構造と、第1のリング状構造と第2のリング状構造との間に延びている相互結線とを含む、本体を有する。インプラントの本体は、単一のみのワイヤであり得る。インプラントは、保持装置と解放可能に結合するように構成される遠位係合部材および/または細長い把持部材と解放可能に結合するように構成される近位係合部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延びているワイヤ様遠位係合部材および/またはワイヤ様近位係合部材を含む。いくつかの実施形態では、第1のリング状構造は、インプラントの最遠位リング状構造であり得、第2のリング状構造よりも比較的に小さい幅を有する。
【0122】
いくつかの実施形態では、内側管状部材が、遠位制御部材に対してスライド可能かつ回転可能である一方で、保持装置は、インプラントの遠位部分と解放可能に結合される。システムはさらに、保持装置と結合され、保持装置からのインプラントの遠位部分の解放を可能にするようにユーザによって操作可能である近位端を有する、細長い部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、保持装置は、管状であり、遠位制御部材に沿ってスライドするように適合される。遠位制御部材は、インプラントの遠位部分を受け取るように適合された陥凹を含むことができ、保持装置は、陥凹の覆いを取るように移動可能であり得る一方で、インプラントの遠位部分は、陥凹内で受け取られる。いくつかの実施形態では、保持装置は、それを通してインプラントが通過する、スロットを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、システムは、細長いアンカ部材を含む。細長いアンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されたアンカを含むことができる。アンカは、膨張式バルーンまたは複数の膨張式バルーンであり得る。いくつかの実施形態では、細長いアンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成された一部を有するワイヤ形態部材を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、細長い把持部材は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成される、陥凹を含む。いくつかの実施形態では、システムは、陥凹が第1の内側管腔によって拘束されていないとき、インプラントの近位部分が自由に細長い把持部材の陥凹から解放されるように構成される。
【0125】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスが、含まれ、送達デバイスの近位端領域と結合される。近位制御デバイスは、送達デバイスからのインプラントの展開を制御するようにユーザによって操作可能であり得る。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、筐体を含み、筐体および内側管状部材に対して細長い把持部材を遠位に前進させるように構成される、および/または筐体および遠位制御部材に対して内側管状部材を近位に後退させ、回転させるように構成される、ならびに/もしくは筐体に対して外側管状部材を近位に後退させるように構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータと、ユーザアクチュエータと結合される第1の歯車アセンブリと、第1の歯車アセンブリと結合されるカムアセンブリと、カムアセンブリと結合される第2の歯車アセンブリとを含む。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、細長い把持部材の縦方向移動を制御するように構成され、カムアセンブリは、内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、および/または第2の歯車アセンブリは、内側管状部材の回転を制御するように構成される。
【0127】
多くの実施形態では、埋込型デバイスを送達するためのシステムが、提供され、システムは、内側管腔を有する、第1の細長い部材と、内側管腔内でスライド可能であり、インプラントの近位部分を保持するように構成される、細長い把持部材と、インプラントの遠位部分を保持するように構成される、遠位制御部材とを含む、送達デバイスと、送達デバイスの近位端領域と結合される、近位制御デバイスであって、ユーザアクチュエータと、筐体とを含む、近位制御デバイスとを含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、筐体内の第1の歯車アセンブリを含み、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータの移動を第1の歯車アセンブリの移動に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、第1の方向への第1の歯車アセンブリの移動と第2の方向への第1の歯車アセンブリの移動との間で選択する、スイッチを含む。いくつかの実施形態では、ユーザアクチュエータは、第1の歯止めおよび第2の歯止めと結合される、ヨークと結合される。スイッチは、第1の歯止めまたは第2の歯止めのいずれかをピニオン歯車と選択的に係合させることができる。近位制御デバイスは、ピニオン歯車の回転が、正面歯車の回転を引き起こすように構成されることができる。近位制御デバイスは、正面歯車の回転が、細長い把持部材と結合されるリールの回転を引き起こすように構成されることができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、正面歯車と係合される入力歯車と、入力歯車と係合されるリール歯車とを含み、リール歯車は、リールと結合される、または統合される。いくつかの実施形態では、入力歯車は、断続歯車であり、入力歯車によるリール歯車の回転は、リールの回転および細長い把持部材の縦方向移動を引き起こす。いくつかの実施形態では、第1の方向への第1の歯車アセンブリの移動は、細長い把持部材の遠位移動を引き起こし、第2の方向への第1の歯車アセンブリの移動は、細長い把持部材の近位移動を引き起こす。
【0130】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、筐体内にカムアセンブリを含み、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータの移動をカムアセンブリの移動に変換するように構成される。カムアセンブリは、第1の細長い部材と結合されることができ、筐体に対して第1の細長い部材を近位に移動させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、カムアセンブリは、スロットを有する、回転可能カムを含み、第1の細長い部材は、スロット内に受け取られるガイド部材と結合される。いくつかの実施形態では、スロットは、傾斜スロット部分と、半径方向スロット部分とを含む。カムアセンブリは、縦方向スロット内に受け取られるガイド部材を伴う縦方向スロットを有する、内側管を含むことができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、第1の歯車アセンブリ内の別の歯車の歯と係合する、歯の第1のセットを有する、正面歯車を含み、正面歯車は、正面歯車の移動が、カムアセンブリの移動を引き起こすように、カムアセンブリと結合される。
【0132】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、第2の歯車アセンブリを含み、カムアセンブリの移動は、第2の歯車アセンブリの移動を引き起こすことができる。第2の歯車アセンブリは、第1の細長い部材と結合されることができ、筐体に対して第1の細長い部材を回転させるように構成されることができる。第2の歯車アセンブリは、中心歯車の回転が、第1の細長い部材の回転を引き起こすように、第1の細長い部材を受け取るように構成される開口を有する、中心歯車を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の歯車アセンブリは、遊星歯車アセンブリによって、カムアセンブリと結合され、かつ中心歯車と結合される、環状歯車を含む。環状歯車は、第1の方向への環状歯車の回転が、中心歯車の第1の方向性回転を引き起こし、第2の方向への環状歯車の回転が、中心歯車の第2の方向性回転を引き起こし、中心歯車の第1の方向性回転が、第2の方向性回転と反対であるように、遊星歯車アセンブリに係合することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、細長い把持部材によって保持されるインプラントの近位部分が内側管腔から退出することを防止する、解放可能ロック機構を含む。いくつかの実施形態では、ロック機構は、第1の歯車アセンブリの正面歯車内の溝と界面接触する、移動可能追跡機構を含み、近位制御デバイスは、インプラントが内側管腔から退出するにつれて、正面歯車の移動が追跡機構を移動させるように構成される。近位制御デバイスは、インプラントの近位部分が内側管腔から退出することに先立って、追跡機構がさらなる運動を防止されるように構成されることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ユーザによって作動されるように構成される、解放構造を含み、解放構造は、正面歯車から追跡機構を係脱させ、インプラントの近位部分が内側管腔から退出することを可能にするように構成される。解放構造は、プルタブであり得、細長い把持部材と結合されることができる。
【0135】
多くの実施形態では、患者の身体管腔内で送達デバイスを前進させることであって、送達デバイスは、インプラントを収納する第1の管状部材と、第1の管状部材内でスライド可能であり、インプラントの遠位部分と解放可能に結合される、遠位制御部材と、第1の管状部材内でスライド可能あり、インプラントの近位部分と解放可能に結合される、細長い把持部材とを含む、ことと、細長い把持部材と第1の管状部材との間の相対運動を引き起こし、第1の管状部材内からインプラントの少なくとも一部を露出することと、遠位制御部材からインプラントの遠位部分を、細長い把持部材からインプラントの近位部分を解放することとを含む、インプラントを送達する方法が、提供される。
【0136】
いくつかの実施形態では、身体管腔は、ヒトの前立腺部尿道である。いくつかの実施形態では、遠位部分および近位部分の解放に応じて、インプラントは、少なくとも部分的開放状態で前立腺部尿道を維持するように適合される状態で、送達デバイスから解放される。
【0137】
いくつかの実施形態では、インプラントは、第1および第2のリング状構造と、第1のリング状構造と第2のリング状構造との間に延びている相互結線とを含む、本体を有し、相対運動を引き起こすことは、細長い把持部材を遠位に前進させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の管状部材からの第1のリング状構造の露出中に、遠位制御部材に対して第1の方向に第1の管状部材を回転させることを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の管状部材からの第2のリング状構造の露出中に、遠位制御部材に対して第2の方向に第1の管状部材を回転させることを含み、第2の方向は、第1の方向と反対である。第1および第2の方向への第1の管状部材の回転は、遠位制御部材がインプラントの遠位部分と解放可能に結合されている間に起こり得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、細長い把持部材および遠位制御部材に対して第1の管状部材を近位に後退させ、第1の管状部材から相互結線を露出することを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の管状部材を近位に後退させながら、第1の管状部材を回転させることを含む。これらの実施形態では、相互結線は、曲線状であり得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、保持装置は、インプラントの遠位部分を遠位制御部材に結合し、方法は、保持装置を解放し、遠位制御部材からインプラントの遠位部分を解放することを含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第1の管状部材内からインプラントの近位部分を露出し、細長い把持部材からインプラントの近位部分を解放することを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、細長い把持部材と第1の管状部材との間の相対運動を引き起こす前に、膀胱壁に対して送達デバイスを係留することを含む。いくつかの実施形態では、送達デバイスを係留することは、膀胱内でバルーンを膨張させることを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスが、送達デバイスの近位端領域と結合され、方法は、ユーザによって近位制御デバイスのユーザアクチュエータを移動させることを含み、ユーザアクチュエータを移動させることは、近位制御デバイスの第1の歯車アセンブリに運動を引き起こす。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、細長い把持部材を第1の管状部材に対して遠位に前進させる。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、カムアセンブリおよび第2の歯車アセンブリの移動を引き起こす。いくつかの実施形態では、カムアセンブリの移動は、遠位制御部材に対して第1の管状部材の断続的後退を引き起こす。いくつかの実施形態では、第2の歯車アセンブリの移動は、遠位制御部材に対して第1の管状部材の断続的回転を引き起こす。
【0143】
いくつかの実施形態では、ユーザアクチュエータは、第1のユーザアクチュエータであり、方法は、近位制御デバイスの第2のユーザアクチュエータを作動させることを含む。いくつかの実施形態では、第2のユーザアクチュエータを作動させることは、ロック機構をロック解除し、遠位制御部材からのインプラントの遠位部分、および細長い把持部材からのインプラントの近位部分の解放を可能にする。いくつかの実施形態では、第2のユーザアクチュエータを作動させることは、インプラントの遠位部分から保持装置を除去し、遠位制御部材を回転させ、インプラントの遠位部分を遠位制御部材から係脱させる。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1の管状部材は、送達デバイスの外側管状部材内にスライド可能に受け取られる内側管状部材である。
【0145】
多くの実施形態では、インプラントを送達するためのシステムが、提供され、システムは、外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを含む、外側管状部材と、外側管状部材内にある内側管状部材であって、インプラントの少なくとも一部を収納するように適合されている、内側管状部材と、内側管状部材内からインプラントの展開を引き起こすように内側管状部材内でスライド可能に前進可能である1つ以上の構造と、内側管状部材および1つ以上の構造と結合され、結合機構を用いて外側管状部材と解放可能に結合される、近位制御デバイスとを含む、送達デバイスを含み、近位制御デバイスは、同時に内側管状部材および外側管状部材を縦方向に移動させるように構成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、インプラントを含む。インプラントは、少なくとも部分的開放状態で前立腺部尿道を維持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、インプラントは、第1および第2のリング状構造と、第1のリング状構造と第2のリング状構造との間に延びている相互結線とを含む、本体を有する。
【0147】
いくつかの実施形態では、1つ以上の構造は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された細長い把持部材と、インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成された遠位制御部材とを含む。いくつかの実施形態では、遠位制御部材は、インプラントの遠位部分と解放可能に結合するように構成された保持装置を含み、インプラントは、保持装置と解放可能に結合するように構成された遠位係合部材を含む。いくつかの実施形態では、インプラントは、細長い把持部材と解放可能に結合するように構成された近位係合部材を含む。いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントの最遠位部分から離れるように近位に延びているワイヤ様遠位係合部材を含む。いくつかの実施形態では、インプラントは、ワイヤ様近位係合部材を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、遠位制御部材がインプラントの遠位部分と解放可能に結合されている間に遠位制御部材に対して内側管状部材を回転させ、縦方向に移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、外側管状部材を回転させることなく、内側管状部材を回転させるように構成される。
【0149】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、保持装置と結合され、保持装置からのインプラントの遠位部分の解放を可能にするようにユーザによって操作可能である近位端を有する、細長い部材を含む。いくつかの実施形態では、保持装置は、管状であり、遠位制御部材に沿ってスライドするように適合される。いくつかの実施形態では、遠位制御部材は、インプラントの遠位部分を受け取るように適合された陥凹を含む。いくつかの実施形態では、保持装置は、インプラントの遠位部分が陥凹内に受け取られている間に陥凹の覆いを取るように移動可能である。いくつかの実施形態では、保持装置は、スロットを含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、細長いアンカ部材を含む。いくつかの実施形態では、細長いアンカ部材は、膀胱壁に接触するように構成されたアンカを含む。いくつかの実施形態では、アンカは、膨張式バルーンである。いくつかの実施形態では、細長いアンカ部材は、複数のバルーンを含む。いくつかの実施形態では、細長いアンカ部材は、展開されると自動的に偏向するように構成された一部を有するワイヤ形態部材を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、細長い把持部材は、インプラントの近位部分と解放可能に結合するように構成された陥凹を含む。いくつかの実施形態では、システムは、陥凹が第1の内側管腔によって拘束されていないとき、インプラントの近位部分が自由に細長い把持部材の陥凹から解放されるように構成される。
【0152】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ハンドルを含む第1の筐体を含む、第1の部分と、第2の筐体を含む、第2の部分とを含み、第2の部分は、第1の部分に対してスライド可能である。いくつかの実施形態では、内側管状部材は、第1の筐体に固定され、外側管状部材は、第2の筐体に固定される。いくつかの実施形態では、結合機構の解放は、第1の部分が第2の部分から分断されることを可能にする。いくつかの実施形態では、結合機構は、近位制御デバイスの第1の部分のシャフト部分の溝内に受け取り可能である偏向可能部材を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、溝は、環状であり、シャフト部分の周囲の周りに延び、シャフト部分は、内側管状部材に固定される。いくつかの実施形態では、シャフト部分は、それぞれ、偏向可能部材を受け取るように適合された複数の溝を含む。いくつかの実施形態では、偏向可能部材は、偏向可能部材が溝内に受け取られている間に、シャフト部分が回転可能であるように、溝内でスライド可能である。
【0154】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、撮像デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有するフレキシブルバスを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、外側管状部材の遠位端領域はさらに、照明デバイスを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、撮像デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有する第1のフレキシブルバスと、第2の部分内のプリント回路基板に電気的に接続された第1の端部と、照明デバイスに電気的に接続された第2の端部とを有する第2のフレキシブルバスとを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、内側管状部材の遠位端領域は、ある分離距離だけ外側管状部材の遠位端領域の遠位にあり、近位制御デバイスは、分離距離を変化させることなく、同時に外側管状部材および内側管状部材を縦方向に移動させるように構成される。
【0158】
いくつかの実施形態では、近位制御デバイスは、ユーザアクチュエータと、ユーザアクチュエータと結合された第1の歯車アセンブリと、第1の歯車アセンブリと結合されたカムアセンブリと、カムアセンブリと結合された第2の歯車アセンブリとを含む。いくつかの実施形態では、第1の歯車アセンブリは、細長い把持部材の縦方向移動を制御するように構成され、カムアセンブリは、内側管状部材の縦方向移動を制御するように構成され、第2の歯車アセンブリは、内側管状部材の回転を制御するように構成される。
【0159】
いくつかの実施形態では、インプラントは、前立腺部尿道内に完全に収まるようにサイズを決定されている。いくつかの実施形態では、送達システムは、インプラントを前立腺部尿道内の前方位置に送達するために使用可能である。いくつかの実施形態では、送達システムは、インプラントを前立腺部尿道内の後方位置に送達するために使用可能である。
【0160】
多くの実施形態では、インプラントの送達を撮像する方法が、提供され、方法は、患者の尿道内で送達デバイスを前進させることであって、送達デバイスは、外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを含む、外側管状部材と、外側管状部材内にあり、インプラントの少なくとも一部を収納している内側管状部材と、内側管状部材内からインプラントの展開を引き起こすように内側管状部材内でスライド可能に前進可能である1つ以上の構造とを含み、外側管状部材、内側管状部材、および1つ以上の構造の各々は、患者の外側の近位制御デバイスと結合されている、ことと、近位制御デバイスおよび1つ以上の構造に対して内側管状部材を縦方向に後退させ、内側管状部材からインプラントを少なくとも部分的に展開することと、内側管状部材が縦方向に後退させられている間に、同時に、(a)近位制御デバイスに対して外側管状部材を縦方向に後退させ、(b)外側管状部材の遠位端領域に位置している撮像デバイスを用いて、少なくとも部分的に展開されたインプラントを撮像することとを含む。いくつかの実施形態では、尿道は、前立腺部尿道である。
【0161】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、送達デバイスからインプラントを解放することを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、インプラントが完全に前立腺部尿道内にあるように、送達デバイスからインプラントを解放することを含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、インプラントは、拡張状態である間に解放され、拡張状態におけるインプラントの直径は、インプラントが解放される、前立腺部尿道の最小幅未満である。
【0163】
いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントが前立腺部尿道の最後方組織表面に接触するように解放される。いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントが前立腺部尿道の最前方組織表面に接触しないように解放される。
【0164】
いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントが前立腺部尿道の最前方組織表面に接触するように解放される。いくつかの実施形態では、インプラントは、前立腺部尿道の最後方組織表面に接触しないように解放される。
【0165】
いくつかの実施形態では、外側管状部材は、内側管状部材と同じ速度で縦方向に後退させられる。
【0166】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、近位制御デバイスに対して内側管状部材を回転させ、内側管状部材からインプラントを少なくとも部分的に展開することと、内側管状部材が回転されている間に、同時に、(a)近位制御デバイスに対して回転固定位置で外側管状部材を維持し、(b)撮像デバイスを用いて少なくとも部分的に展開されたインプラントを撮像することとを含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、患者の尿道内で送達デバイスを前進させることに先立って実施される以下のこと、すなわち、内側管状部材を外側管状部材の中に挿入することであって、内側管状部材は、近位制御デバイスの第1の部分と結合され、外側管状部材は、近位制御デバイスの第2の部分と結合されている、ことと、近位制御デバイスの第1の部分を近位制御デバイスの第2の部分に結合することとを含む。いくつかの実施形態では、近位制御デバイスの第1の部分を近位制御デバイスの第2の部分に結合することは、第2の部分の偏向可能部材を第1の部分の溝に結合することを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、外側管状部材の遠位端領域における照明デバイスを用いて、インプラントを照明することを含む。
【0169】
多くの実施形態では、近位制御デバイスのユーザ組立の方法が、提供され、方法は、内側管状部材を外側管状部材の中に挿入することであって、内側管状部材は、近位制御デバイスの第1の部分と結合され、外側管状部材は、近位制御デバイスの第2の部分と結合されている、ことと、近位制御デバイスの第1の部分を近位制御デバイスの第2の部分に結合することとを含み、内側管状部材は、近位制御デバイスの第1の部分に対して縦方向移動可能かつ回転移動可能であり、第1の部分は、内側管状部材の縦方向移動が第2の部分および外側管状部材の縦方向移動を引き起こすように、第2の部分に結合され、第1の部分は、内側管状部材の回転移動が第2の部分および外側管状部材の回転移動を引き起こさないように、第2の部分に結合される。
【0170】
いくつかの実施形態では、第1の部分は、2つ以上の位置で第2の部分に結合することができ、方法は、第1の位置で結合機構を用いて、近位制御デバイスの第1の部分を近位制御デバイスの第2の部分に結合することと、近位制御デバイスの第2の部分から近位制御デバイスの第1の部分を結合解除することと、第2の位置で結合機構を用いて、近位制御デバイスの第1の部分を近位制御デバイスの第2の部分に結合することとを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、第1の位置は、内側管状部材の遠位末端と外側管状部材の遠位末端との間の第1の距離に対応し、第2の位置は、内側管状部材の遠位末端と外側管状部材の遠位末端との間の第2の距離に対応し、第1の距離と第2の距離とは、異なる。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離より大きく、第1の位置と比較して、第2の位置のための比較的により広い撮像野に対応する。
【0172】
多くの実施形態では、インプラントを送達する方法が、提供され、方法は、患者の尿道内で送達デバイスを前進させることと、送達デバイスから患者の完全に前立腺部尿道内の位置にインプラントを展開することであって、インプラントは、展開時、未拡張状態から拡張状態に遷移する、ことと、インプラントが前立腺部尿道を通した経路を維持している拡張状態で前立腺部尿道内に留まっている間に患者から送達デバイスを除去することであって、拡張状態におけるインプラントの直径は、インプラントに隣接する前立腺部尿道の最小幅より小さい、こととを含み、送達デバイスの除去後、インプラントは、前立腺部尿道の最後方組織表面に接触する。
【0173】
いくつかの実施形態では、送達デバイスの除去後、インプラントは、前立腺部尿道の最後方組織表面に接触し、前立腺部尿道の最前方組織表面に接触しない。
【0174】
多くの実施形態では、インプラントを送達する方法が、提供され、方法は、患者の尿道内で送達デバイスを前進させることと、送達デバイスから患者の完全に前立腺部尿道内の位置にインプラントを展開することであって、インプラントは、展開時、未拡張状態から拡張状態に遷移する、ことと、インプラントが前立腺部尿道を通した経路を維持している拡張状態で前立腺部尿道内に留まっている間に患者から送達デバイスを除去することであって、拡張状態におけるインプラントの直径は、インプラントに隣接する前立腺部尿道の最小幅より小さい、こととを含み、送達デバイスの除去後、インプラントは、前立腺部尿道の最前方組織表面に接触する。
【0175】
いくつかの実施形態では、送達デバイスの除去後、インプラントは、前立腺部尿道の最前方組織表面に接触し、前立腺部尿道の最後方組織表面に接触しない。
【0176】
本明細書で提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることを意図している。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、1つだけの実施形態に関して説明される場合に、その特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に記述されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態と共に使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または続く説明が、特定の事例において、そのような組み合わせもしくは代用が可能であることを明示的に記述しない場合でも、一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別の実施形態のものと代用する、請求項の導入のための先行基礎および書面による支援としての役割を果たす。特に、あらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が当業者によって容易に認識されるであろうことを前提として、全ての可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明示的記載は、過度に負担であることが、明示的に確認される。
【0177】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別様に明確に決定付けない限り、複数の指示対象を含む。
【0178】
実施形態は、種々の修正および代替形態の影響を受け得るが、その具体的実施例が、図面に示され、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものではなく、反対に、これらの実施形態は、本開示の精神内に該当する全ての修正、均等物、および代替物を網羅するものであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素、ならびに請求項の発明の範囲内に該当しない特徴、機能、ステップ、または要素によってその範囲を定義する否定的限定が、請求項に記載される、またはそこに追加され得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13
図14-1】
図14-2】