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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20231102BHJP
   G06Q 20/14 20120101ALI20231102BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q20/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021071427
(22)【出願日】2021-04-20
(65)【公開番号】P2022165868
(43)【公開日】2022-11-01
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤▲崎▼ 裕也
(72)【発明者】
【氏名】黒田 靖彦
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151673(JP,A)
【文献】特開2018-190168(JP,A)
【文献】特開2018-169904(JP,A)
【文献】特開2015-082117(JP,A)
【文献】特開2017-068374(JP,A)
【文献】特許第6815015(JP,B1)
【文献】特開2003-091690(JP,A)
【文献】特開2013-065177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、会計サービスを提供するためのプログラムであって、
前記メモリには、ユーザの取引に係る債権データが登録され、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記取引に対する入出金データを取得するステップと、
前記債権データと、前記入出金データとを、前記ユーザが使用する端末装置に送信し、前記債権データと前記入出金データとを並列に、前記端末装置に表示させるステップと、
取引の内訳ごとに表示された前記債権データを、ユーザの指示により、ユーザの取引に係る取引先ごとにまとめて、前記端末装置に表示させるステップと、
ユーザの操作により、前記端末装置から、1または複数の前記債権データと、1または複数の前記入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、
ユーザが選択した、前記債権データと前記入出金データとの対応を、前記端末装置に表示させるステップと、
前記債権データと前記入出金データとを対応させる前記選択に基づき、前記債権データと前記入出金データとの消込を行うステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
ユーザが選択した前記債権データと前記入出金データとの対応において、選択された1または複数の前記債権データの金額と、選択された1または複数の前記入出金データの金額とが一致しない場合、前記消込の種類を提示するステップと、
ユーザの操作により、前記端末装置から、前記消込の種類を選択する入力を受け付けるステップと、を実行させ、
前記消込を行うステップにおいて、前記消込の種類に基づき、前記債権データと前記入出金データとの消込を行う、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記消込の種類として、一部入金の消込、他の費目との相殺を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
ユーザが選択した前記債権データと前記入出金データとの対応において、選択された1または複数の前記債権データの金額と、選択された1または複数の前記入出金データの金額とが一致しない場合、前記消込の種類を推定するステップを実行させ、
前記消込の種類を提示するステップにおいて、推定した前記消込の種類をレコメンドする、請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記消込の種類を推定するステップにおいて、ユーザの過去の前記消込の種類に基づいて推定する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
1または複数の前記債権データと、1または複数の前記入出金データとの対応を推定するステップと、
推定した前記債権データと前記入出金データとの対応をレコメンドするステップと、を実行させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記債権データと前記入出金データとの対応を推定するステップにおいて、ユーザの過去の前記債権データと前記入出金データとの対応に基づいて推定する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記債権データと前記入出金データとの対応を推定するステップにおいて、前記債権データに係る取引先の名称と、前記入出金データに係る入金者の名称との一致度合いに基づいて推定する、請求項6または請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記債権データと前記入出金データとの対応を推定するステップにおいて、前記債権データに係る金額と、前記入出金データに係る金額との一致度合いに基づいて推定する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記端末装置に表示させる、前記債権データ、前記入出金データのいずれかまたは両方を絞り込む条件の入力を受け付けるステップと、
前記条件に基づき、前記債権データ及び前記入出金データを前記端末装置に表示させるステップと、を実行させる、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記条件として、消込がされていない前記債権データ、前記入出金データのいずれかまたは両方を対象とする条件の入力を受け付ける、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記条件として、キーワードを指定する条件、期間の範囲を指定する条件、金額の範囲を指定する条件のいずれかまたは複数の条件の入力を受け付ける、請求項10または請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記債権データと前記入出金データとの対応を前記端末装置に表示させるステップにおいて、前記債権データと前記入出金データとの対応を示す線図、色彩、強調表示を含む表示により、前記端末装置に表示させる、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
制御部と、記憶部とを備え、会計サービスを提供する情報処理装置であって、
前記記憶部には、ユーザの取引に係る債権データが登録され、
前記制御部は、
前記取引に対する入出金データを取得するステップと、
前記債権データと、前記入出金データとを、前記ユーザが使用する端末装置に送信し、前記債権データと前記入出金データとを並列に、前記端末装置に表示させるステップと、
取引の内訳ごとに表示された前記債権データを、ユーザの指示により、ユーザの取引に係る取引先ごとにまとめて、前記端末装置に表示させるステップと、
ユーザの操作により、前記端末装置から、1または複数の前記債権データと、1または複数の前記入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、
ユーザが選択した、前記債権データと前記入出金データとの対応を、前記端末装置に表示させるステップと、
前記債権データと前記入出金データとを対応させる前記選択に基づき、前記債権データと前記入出金データとの消込を行うステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、会計サービスを提供するための方法であって、
前記メモリには、ユーザの取引に係る債権データが登録され、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記取引に対する入出金データを取得するステップと、
前記債権データと、前記入出金データとを、前記ユーザが使用する端末装置に送信し、前記債権データと前記入出金データとを並列に、前記端末装置に表示させるステップと、
取引の内訳ごとに表示された前記債権データを、ユーザの指示により、ユーザの取引に係る取引先ごとにまとめて、前記端末装置に表示させるステップと、
ユーザの操作により、前記端末装置から、1または複数の前記債権データと、1または複数の前記入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、
ユーザが選択した、前記債権データと前記入出金データとの対応を、前記端末装置に表示させるステップと、
前記債権データと前記入出金データとを対応させる前記選択に基づき、前記債権データと前記入出金データとの消込を行うステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業や個人事業主における会計処理を行うための会計サービスが、コンピュータソフトウェアとして、またはクラウドサーバ等によるWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)として提供されている。会計サービスでは、入出金の情報入力を受け付け、仕訳が行われて帳簿への記帳が行われる。
【0003】
このような会計サービスでは、取引先に商品やサービスを先に提供(納品)し、その支払については売掛金(債権)として会計処理を行い、後日、当該売掛金に対する入金があると、売掛金とその入金とを照合して消込を行うことが行われている。このような消込処理を支援するため、様々な技術が提供されている。特許文献1には、売上データと入金データとの照合を行い、消込を行った結果を表示する消込処理についての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-169904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、債権と入金とを照合する場合、必ずしも1:1の対応関係にあるとは限らない。例えば、債権に対して一部のみの入金処理が行われる場合や、いくつかの債権に対してまとめて入金処理が行われる場合がある。また、各種手数料(代理店手数料、決済時の代行手数料、振込手数料等)が入金時に相殺されている場合もある。このような事情がある中で、債権と入金とを正確に対応付けて消込を行うのは非常に手間である。従来技術では、このような要望に、十分に応えられていなかった。
【0006】
そこで、本開示では、債権に係る債権データと、入出金に係る入出金データとの対応関係を一目で把握することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、会計サービスを提供するためのプログラムが提供される。メモリには、ユーザの取引に係る債権データが登録される。プログラムは、プロセッサに、取引に対する入出金データを取得するステップと、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップと、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップと、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップと、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップと、を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態によると、制御部と、記憶部とを備え、会計サービスを提供する情報処理装置が提供される。記憶部には、ユーザの取引に係る債権データが登録される。制御部は、取引に対する入出金データを取得するステップと、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップと、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップと、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップと、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップと、を実行する。
【0009】
また、本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行され、会計サービスを提供するための方法が提供される。メモリには、ユーザの取引に係る債権データが登録される。方法は、プロセッサが、取引に対する入出金データを取得するステップと、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップと、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップと、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップと、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させ、取引先ごと、または取引の内訳ごとに端末装置に表示させる。ユーザの操作により、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けると、選択に基づいて消込を行う。これにより、債権データと入出金データとの対応関係を一目で把握し、消込を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】会計処理システム1の全体の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の会計処理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の会計処理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4】サーバ20が記憶する会計データベース2021、入出金データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図5】実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。
図9】端末装置10に表示する債権データ及び入金データの画面例を示す図である。
図10】端末装置10に表示する債権データの取引内訳の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<概要>
以下、本開示に係る会計処理システムについて説明する。この会計処理システムは、事業者であるユーザである企業や個人事業主に対して、会計処理のサービスを提供するためのシステムである。企業や個人事業主で行われる会計処理とは、仕入、売上、借入のような入出金の取引を管理することであり、取引を帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)し、所定の決算期に決算処理として試算表を作成し、財務諸表である損益計算書や貸借対照表を作成している。また、銀行やクレジットカード会社等の金融機関サーバにアクセスし、実際の入出金に関する情報を取得し、ユーザに提示して後述する消込の処理を支援している。本開示に係る会計システムは、仕入、売上等の入出金取引の入力を受け付けて帳簿への記帳を行い、試算表、財務諸表の作成を支援するコンピュータシステムである。また、本開示に係る会計システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムであり、事業者であるユーザが所定の認証によりアクセス可能に構成されている。
【0014】
企業や個人事業主の間で行われる取引では、取引先に対して商品やサービスを先に提供(納品)し、その支払についてはいわゆる掛けで代金を支払うことが行われている。具体的には、商品やサービスに対する代金の支払いを売掛金(債権)として会計処理を行い、後日、当該売掛金に対する入金があると、売掛金とその入金とを照合して消込を行うことが行われている。ここで、消込とは、売掛金等の未収債権に対して入金データとの対応付けを行い、その入金に対応する当座預金等の勘定科目の仕訳を記帳する会計処理のことをいう。このような処理が行われるのは、債権の発生後、一定期間経過後にまとめて支払を行うことで支払の効率化、支払いまでの期間(資金繰り)の確保といった利点があるためである。
【0015】
上記のような消込を行う場合、帳簿上の債権データと実際の入出金データとを照合し、ある入金データがどの債権データに該当するのかを対応付ける必要がある。しかし、必ずしも1:1の対応関係にあるとは限らないため、債権データと入出金データとを対応付けるのは容易ではない。例えば、上記のように債権の発生後、一定期間経過後にまとめて支払を行うことが行われているため、その入金がどの債権に対するものなのかを把握するためには債権の金額を合計して照合する必要がある。また、各種手数料、例えば代理店手数料、クレジットカードによる決済時の代行手数料、送料負担、振込手数料等が入金時に相殺されている場合もある。このような事情がある中で、債権データと入金データとを正確に対応付けて消込を行うのは非常に手間がかかっていた。
【0016】
そのため、本開示に係る会計処理システムでは、債権データと入出金データとを対比可能に、具体的には並列に、端末装置に表示させる。このとき、取引先ごと、または取引の内訳ごとに端末装置に表示させる。ユーザが端末装置で操作することで、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを選択することで対応付けが可能になっている。なお、複数のデータを選択した場合、その合計金額が表示される。これにより、債権データと入金データとを正確に対応付けることを容易にしている。
【0017】
また、上記のように各種手数料等が相殺されているような場合、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合もある。このような場合、消込の種類としてどのような処理を行うのか選択肢を提示し、ユーザの選択により消込を行う。これにより、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合であっても、債権データと入金データとを正確に対応付けることを容易にしている。
【0018】
<第1の実施の形態>
以下、会計処理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0019】
<1 会計処理システム1の全体構成>
図1は、会計処理システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、会計処理システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、金融機関サーバ30とを含む。端末装置10とサーバ20と金融機関サーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0020】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して会計処理システム1の機能である売上等の取引情報の登録、会計処理を行う者であり、例えば企業の担当者、または個人事業主等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0021】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0022】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
サーバ20は、取引に係る会計情報及び入出金情報を管理する装置である。サーバ20は、事業者であるユーザから取引に係る会計情報の登録を受け付け、必要な会計処理を行う。サーバ20は、金融機関サーバ30に入出金データの送信指示を送信することで、金融機関サーバ30から送信される入出金データを受信することで取得する。サーバ20は、ユーザ(事業者及び取引相手先)からの指示により、取引に係る債権データと入出金データ(のうちの入金データ)をユーザに提示し、消込対象の選択を受け付けて消込処理を行う。
【0024】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0025】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
金融機関サーバ30は、銀行やクレジットカード会社等により提供されるサーバ装置であり、ユーザが使用している金融機関口座として会計処理システム1に登録している口座の入出金に係る入出金データを管理する。金融機関サーバ30は、例えば所定のAPI等を介して入出金データの送信要求を受け付けると、所定の認証が行われ、正当な送信要求である場合に該当するユーザの入出金データ(残高のデータも含む)を送信する。金融機関サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0027】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の会計処理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0028】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0029】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0030】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0031】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0032】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0033】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0034】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0035】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0036】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0037】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して会計処理システム1の機能である売上等の取引情報の登録、会計処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0038】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0039】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0040】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0041】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0042】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0043】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の会計処理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0044】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0045】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、会計データベース2021と、入出金データベース2022等を記憶する。
【0046】
会計データベース2021は、会計処理システム1における管理対象である取引に係る会計情報、具体的には企業や個人事業に係る仕訳の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0047】
入出金データベース2022は、会計処理システム1における取引に係る実際の入出金情報を保持するためのデータベースであり、金融機関サーバ30から取得した入出金情報が格納される。詳細は後述する。
【0048】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、仕訳登録受付モジュール2033、入出金データ取得モジュール2034、消込対象推定モジュール2035、消込対象表示モジュール2036、消込対象受付モジュール2037、及び消込処理モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0049】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0050】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0051】
仕訳登録受付モジュール2033は、会計処理システム1を使用するユーザである事業者から、会計処理システム1の管理対象である取引に係る会計情報の登録を受け付ける処理を制御する。仕訳登録受付モジュール2033が受け付ける会計情報とは、例えば、ユーザである事業者が商品やサービスを売り上げた売上の情報や、仕入の情報、借入、給与の支払等、事業者が事業を継続していくにあたって必要な金銭の授受の情報であるが、本開示では消込に必要な情報について説明するので、主に売上の情報について説明する。仕訳登録受付モジュール2033は、ユーザである事業者から商品やサービスを売り上げた売上の情報を受け付けると、当該売上について会計処理を行うための仕訳の情報として、例えば現金や売掛金、クレジット売掛金、売上諸掛り(発送費等)、電子記録債権、各種手数料等の仕訳の情報を、会計データベース2021へ格納する。
【0052】
仕訳登録受付モジュール2033は、具体的には、事業者が商品やサービスを売り上げた売上の情報として、請求書を発行するための情報を入力すると、当該請求書を発行するために必要な情報として、請求先の事業者等の情報、請求日(入力日を請求日として自動的に登録するように設定してもよい)、請求金額及びその内訳等の入力を受け付ける。すると、仕訳登録受付モジュール2033は、受け付けた売り上げの情報(債権データ)を、会計処理を行うための仕訳の情報に変換して会計データベース2021へ格納する。
【0053】
入出金データ取得モジュール2034は、金融機関サーバ30にアクセスし、ユーザが会計処理システム1に登録している金融機関の口座における、実際の入出金に関する入出金データを取得する処理を制御する。入出金データ取得モジュール2034は、例えば、ユーザが使用している金融機関が提供しているAPI等を介して入出金データの送信要求を送信する。この送信要求により、金融機関サーバ30にて所定の認証が行われ、正当な送信要求である場合に該当するユーザの入出金データ(残高のデータも含む)を送信するので、入出金データ取得モジュール2034が受信する。そのため、入出金データ取得モジュール2034は、ユーザが使用している金融機関ごとに金融機関サーバ30にアクセスし、入出金データを取得する。入出金データ取得モジュール2034は、入出金データを取得する処理を、ユーザの操作により随時行ってもよく、特定のタイミングでバッチ処理として行ってもよい。また、入出金データ取得モジュール2034は、取得した入出金データを、入出金データベース2022へ格納する。
【0054】
入出金データ取得モジュール2034が取得する入出金データは、金融機関の口座における取引(入出金)の記録であり、振込や現金による入金、引き落としや現金による出金の情報が、取引日付、摘要の情報と共に記録されたものである。
【0055】
消込対象推定モジュール2035は、仕訳登録受付モジュール2033が受け付けた会計情報のうちの売上の情報から登録された売掛金等の債権データと、入出金データ取得モジュール2034が取得した入出金データのうちの入金データとの対応を推定する処理を制御する。債権データと入出金データ(入金データ)との対応は、後述する消込対象受付モジュール2037がユーザから受け付けるが、事前に消込対象推定モジュール2035がその対応関係を推定する。そのため、消込対象推定モジュール2035の機能は必須の機能ではなく、その機能を備えなくてもよい。
【0056】
消込対象推定モジュール2035は、ユーザの過去の債権データと入金データとの対応関係に基づいて推定してもよい。例えば、消込対象推定モジュール2035は、債権データに係る取引先の名称と、入出金データに係る入金者の名称との一致度合いに基づいて、債権データと入金データとの対応関係を推定してもよい。ここで、完全に一致する場合にのみ債権データと入金データとが対応するものとすると、「株式会社」等の有無、略称等を使用している場合(入出金データは金融機関により定められたフォーマットを使用しているため、データが打ち切られることもある)、等により対応できない場合があるため、所定の閾値以上に名称が一致しているときに一致していると判定してもよい。
【0057】
また、消込対象推定モジュール2035は、例えば、債権データに係る金額と、入出金データに係る金額との一致度合いに基づいて、債権データと入金データとの対応関係を推定してもよい。ここで、完全に一致する場合にのみ債権データと入金データとが対応するものとすると、複数の債権に対してまとめて支払をした場合や、各種手数料が相殺されている場合に対応できない場合があるため、所定の閾値以上に金額が一致しているときに一致していると判定してもよい。
【0058】
消込対象推定モジュール2035は、上記のような債権データと入金データとの対応関係を推定するための機械学習モデルを使用して判定してもよい。このような機械学習モデルは、消込対象推定モジュール2035の機能として行われた機械学習により生成してもよく、他の装置により機械学習が行われた結果生成された機械学習モデルを取得してもよい。このような機械学習は、所定の教師データを使用した教師あり機械学習により行われてもよく、教師なし機械学習により行われてもよく、ディープラーニングにより行われてもよい。また、消込対象推定モジュール2035による推定結果と、消込対象受付モジュール2037がユーザから受け付けた選択の入力内容と、からさらなる機械学習を行い、その学習結果をマージするアグリゲーション処理を行ってもよい。
【0059】
消込対象表示モジュール2036は、仕訳登録受付モジュール2033が受け付けた会計情報のうちの売上の情報から登録された売掛金等の債権データと、入出金データ取得モジュール2034が取得した入出金データのうちの入金データとを対比可能に、当該ユーザの端末装置10に表示させる処理を制御する。消込対象表示モジュール2036は、消込対象となる債権データと入金データとして、入金データとの対応付けがされていない未収債権データを会計データベース2021から読み取り、消込処理が行われていない入金データを入出金データベース2022から読み取り、当該ユーザの端末装置10に表示させる。このときの債権データは、一部入金された残りの債権データであってもよい。消込対象表示モジュール2036は、債権データと入金データとをユーザが対比可能に、例えば端末装置10に並列に表示させるため、債権データ及び入金データと、表示指示とを端末装置10に送信する。
【0060】
消込対象表示モジュール2036は、例えば、売掛金等の債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとにまとめて合計金額のみ表示してもよく、取引の内訳ごとに(取引明細として)表示してもよい。また、消込対象表示モジュール2036は、取引先ごとの表示と、取引の内訳ごとの表示とのいずれかをユーザに選択させ、ユーザが選択する操作を受け付け、その選択に従った態様で売掛金等の債権データを表示する。また、消込対象表示モジュール2036は、表示した債権データ及び入金データについて、所定の条件で絞り込むための条件の入力を受け付け、当該条件に該当する債権データ及び入金データのみを抽出して表示してもよい。絞り込むための所定の条件とは、例えば、請求日や入金日を指定する条件、請求日や入金日の一定の範囲を指定する条件、取引先の名称(名称の一部でもよい)や取引品目等に関するキーワードを指定する条件、請求金額や入金金額を指定する条件、請求金額や入金金額の一定の範囲を指定する条件、等である。さらに、消込対象表示モジュール2036は、当該絞り込むための条件の変更、解除を受け付けてそれに従って債権データ及び入金データを再表示してもよい。
【0061】
また、消込対象表示モジュール2036は、消込対象推定モジュール2035が推定した債権データと入金データとの対応関係を、端末装置10に表示させてユーザにレコメンドしてもよい。ユーザは、後述する消込対象受付モジュール2037の機能においてレコメンドされた債権データと入金データとの対応でそのまま消込対象として選択してもよく、別の対応に変更してもよい。
【0062】
消込対象受付モジュール2037は、仕訳登録受付モジュール2033が受け付けた会計情報のうちの売上の情報から登録された売掛金等の債権データと、入出金データ取得モジュール2034が取得した入出金データのうちの入金データとを対応させる選択の入力を、消込対象表示モジュール2036が表示した債権データと入金データとから受け付ける処理を制御する。ユーザは、端末装置10に表示されている消込対象表示モジュール2036が表示した債権データと入金データとから、端末装置10を操作して債権データと入金データとを対応付ける選択の入力を行うので、消込対象受付モジュール2037は、その選択の入力を受け付け、選択されたことを示す状態を端末装置10に表示させる。ユーザが選択する債権データ及び入金データは、1の債権データと1の入金データとを選択したものでもよく、1の債権データと複数の入金データとを選択したものでもよく、複数の債権データと1の入金データとを選択したものでもよく、複数の債権データと複数の入金データとを選択したものでもよい。債権データと入金データとが対応付けとして選択されたことを示す状態としては、例えば、債権データを示す欄(取引先ごとの表示状態でも、取引の内訳ごとの表示状態でもよい)と入金データを示す欄とを、線図で表示して線で結び付けてもよく、選択ごとに異なる色彩で表示してもよく、強調表示にしてもよい。
【0063】
消込対象受付モジュール2037は、受け付けた債権データと入金データとの対応において、ユーザが選択した債権データの金額と、入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類(消込種類)を端末装置10に表示してユーザに提示し、ユーザの選択を受け付けてもよい。ここで、金額が一致しない場合の消込の種類とは、例えば、一部入金の消込、他の費目との相殺を含むものであり、他の費目とは、例えば発送費等の負担や、代理店手数料、決済時の代行手数料、振込手数料等の各種手数料である。また、消込対象受付モジュール2037は、このような金額が一致しない場合の消込の種類について推定してユーザにレコメンドしてもよく、例えば、ユーザの過去の債権データと入金データとの対応関係に基づいて推定してもよい。このとき、取引先の名称や金額に基づいて推定してもよいこと、機械学習モデルを使用して判定してもよいことは、消込対象推定モジュール2035と同様である。
【0064】
消込処理モジュール2038は、消込対象受付モジュール2037が受け付けた債権データと入金データとの対応に基づき、消込を行う処理を制御する。具体的には、入金データに対応する当座預金等の勘定科目の仕訳を記帳する会計処理を行う。また、消込処理モジュール2038は、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合、消込対象受付モジュール2037にてユーザが選択した消込の種類に基づいて消込を行う。これにより、売掛金等の債権に対する回収が完了したことになる。
【0065】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する会計データベース2021、入出金データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0066】
図4に示すように、会計データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「仕訳データ詳細情報」等を含む。
【0067】
項目「ユーザID」は、会計処理システム1にて管理する売上等の取引情報の登録、会計処理の入力を行うユーザそれぞれを識別する情報である。
【0068】
項目「ユーザ名」は、会計処理システム1にて管理する売上等の取引情報の登録、会計処理の入力を行うユーザである企業の名称(会社名)または個人事業主名である。
【0069】
項目「仕訳データ詳細情報」は、会計処理システム1にて管理する仕入や売上等の入出金の取引を記帳した仕訳データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「借方/貸方」と、項目「摘要」と、項目「金額」等を含む。この項目「仕訳データ詳細情報」は、ユーザである企業または個人事業主において、仕入や売上等の入出金があると日々記帳される情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0070】
項目「日付」は、入出金の取引を記帳した日付の情報である。
【0071】
項目「借方/貸方」は、記帳を行った仕訳データの借方または貸方の区別を示す情報である。借方及び貸方は、現在帳簿への記帳で一般的に使用されている、複式簿記における記載項目である。
【0072】
項目「摘要」は、記帳を行った仕訳データの勘定科目を示す情報である。勘定科目は、日々の記帳で使用される費目の内容を示す情報であり、例えば図4に示すように、「売上」、「売掛金」、「手数料」等の内容が格納されている。
【0073】
項目「金額」は、記帳を行った仕訳データの金額を示す情報である。項目「摘要」が示す勘定科目である、例として「売上」、「売掛金」、「手数料」等の金額が格納されている。
【0074】
なお、図示は省略するが、会計データベース2021には、会計処理システム1にて消込を行ったか否か、一部入金済であるかを示すステータス情報が格納されてもよい。
【0075】
サーバ20の仕訳登録受付モジュール2033は、取引に係る会計情報の登録を受け付けることに伴って、会計データベース2021の項目「仕訳データ詳細情報」にレコードを追加する。また、消込処理モジュール2038は、消込を行うことに伴って、会計データベース2021の項目「仕訳データ詳細情報」にレコードを追加する。
【0076】
入出金データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「入出金データ詳細情報」等を含む。
【0077】
項目「ユーザID」は、会計処理システム1にて管理する売上等の取引情報の登録、会計処理の入力を行うユーザそれぞれを識別する情報であり、会計データベース2021の項目「ユーザID」に対応している。
【0078】
項目「ユーザ名」は、会計処理システム1にて管理する売上等の取引情報の登録、会計処理の入力を行うユーザである企業の名称(会社名)または個人事業主名であり、会計データベース2021の項目「ユーザ名」に対応している。
【0079】
項目「入出金データ詳細情報」は、会計処理システム1にて管理する金融機関の口座における実際の入出金を記録した入出金データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「入金/出金」と、項目「振込依頼人名」と、項目「金額」等を含む。この項目「入出金データ詳細情報」は、金融機関サーバ30の金融機関において、口座に対する入出金があると日々記録される情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0080】
項目「日付」は、入出金が発生した日付の情報である。
【0081】
項目「入金/出金」は、入出金が発生した口座の入金または出金の区別を示す情報である。
【0082】
項目「振込依頼人名」は、口座に対して振込入金が発生した場合における、振込依頼人の会社名を示す情報である。クレジットカードによる売上(クレジット売掛金)の場合、例えば、当該クレジットカード会社の名称が格納されている。
【0083】
項目「金額」は、発生した入出金の金額を示す情報である。
【0084】
なお、図示は省略するが、入出金データベース2022には、会計処理システム1にて消込を行ったか否かを示す情報が格納されてもよい。
【0085】
サーバ20の入出金データ取得モジュール2034は、入出金データを取得することに伴って、入出金データベース2022の項目「入出金データ詳細情報」にレコードを追加する。また、消込処理モジュール2038は、消込を行うことに伴って、入出金データベース2022の項目「入出金データ詳細情報」のレコードを更新する。
【0086】
<3 動作>
以下、図5ないし図8を参照しながら、第1の実施の形態における会計処理システム1による消込処理について説明する。
【0087】
図5は、実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
ステップS111の前処理として、端末装置10の入力操作受付部171は、取引に係る会計情報の登録を行うユーザである事業者から、会計処理システム1のサービスを利用するために必要な認証を行うためのユーザID及びパスワードを入力する操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたユーザID及びパスワード、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。サーバ20は、ユーザID及びパスワードを、通信部201を介して受け付けて当該ユーザのユーザID及びパスワードが正当であることを確認し、所定の認証を行う。正当である場合、サーバ20は、認証完了の情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された認証完了の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた認証完了の情報を、ディスプレイ150に表示させ、ステップS111が開始される。
【0089】
また、ステップS121の処理を行う前提として、サーバ20の仕訳登録受付モジュール2033は、端末装置10から送信された売り上げの情報(債権データ)を受け付け、会計処理を行うための仕訳の情報に変換して会計データベース2021へ格納している。
【0090】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから消込処理を行うために必要な入出金データを取得する操作指示を受け付ける。送受信部172は、受け付けた操作指示に係る入出金データの取得指示を、サーバ20へ送信する。
【0091】
ステップS121において、サーバ20の入出金データ取得モジュール2034は、端末装置10から送信された入出金データを取得する操作指示を、通信部201を介して受け付ける。入出金データ取得モジュール2034は、受け付けた操作指示に基づき、当該ユーザが使用している金融機関が提供しているAPI等を介して、当該ユーザが使用する金融機関の金融機関サーバ30に対する入出金データの送信要求を、通信部201を介して送信する(金融機関サーバ30の図示は省略する)。
【0092】
ステップS122において、金融機関サーバ30は、送信要求に対して該当するユーザの入出金データ(残高のデータも含む)を送信するので、サーバ20の入出金データ取得モジュール2034は、金融機関サーバ30から送信された入出金データを、通信部201を介して受け付ける。入出金データ取得モジュール2034は、受け付けた入出金データを、入出金データベース2022へ格納する。消込対象表示モジュール2036は、会計データベース2021に格納されている債権データと、入出金データベース2022に格納されている入出金データとを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0093】
ステップS112において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された債権データと入出金データとを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた債権データと入出金データとを並列に、ディスプレイ150に表示させる。
【0094】
ステップS113において、端末装置10の入力操作受付部171は、債権データと入出金データとが並列にディスプレイ150に表示されている状態で、ユーザから、債権データを取引先ごとに表示するか、取引の内訳ごとに表示するかを選択する入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた選択の情報をサーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された債権データを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた債権データをディスプレイ150に表示させる。
【0095】
ステップS123において、サーバ20の消込対象表示モジュール2036は、端末装置10から送信された選択する入力情報を、通信部201を介して受け付ける。消込対象表示モジュール2036は、受け付けた選択に応じて、端末装置10に未送信の債権データを取引相手の情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0096】
ステップS114において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、消込対象として債権データと入金データとを対応させる選択の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた選択の入力情報をサーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された対応関係の選択表示指示を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた対応関係の選択表示指示に従って、債権データと入金データとの対応付けをディスプレイ150に表示させる。
【0097】
ステップS124において、サーバ20の消込対象受付モジュール2037は、端末装置10から送信された消込対象として選択する入力情報を、通信部201を介して受け付ける。消込対象受付モジュール2037は、受け付けた選択の対象である消込対象の債権データと入金データとを、端末装置10に対応関係として表示させる対応関係の選択表示指示を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0098】
ステップS115において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、消込対象として選択された債権データと入金データとについて、消込を行わせる指示の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた消込の指示情報をサーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された消込完了の通知情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた消込完了の通知情報をディスプレイ150に表示させる。
【0099】
ステップS125において、サーバ20の消込処理モジュール2038は、端末装置10から送信された消込の指示情報を、通信部201を介して受け付ける。消込処理モジュール2038は、受け付けた消込の指示情報により、ステップS114で選択された債権データと入金データとの対応に基づき、消込を行う。消込処理モジュール2038は、消込完了後、消込完了の通知情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0100】
ステップS126において、サーバ20の消込処理モジュール2038は、ステップS125で消込処理を行った債権データと入金データについて、会計データベース2021及び入出金データベース2022を更新する。
【0101】
以上のように、会計処理システム1では、債権データと入金データとをユーザが対比可能に、例えば端末装置10に並列に表示させ、債権データと入金データとの対応の入力を受け付ける。このとき、債権データは、ユーザの選択により取引先ごとにまとめて表示してもよく、取引の内訳ごとに取引明細として表示してもよい。入力された債権データと入金データとの対応に基づき、ユーザの指示により消込を行う。これにより、債権データと入出金データとの対応関係を一目で把握し、消込を行うことが可能になる。
【0102】
図6は、実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートにおける消込処理は、図5に示すフローチャートにおけるステップS114及びステップS124の後続処理として、ステップS211、ステップS221、ステップS222、及びステップS212が追加されるため、重複する処理については繰り返して説明しない。また、図6に示すフローチャートでは、ステップS111~S113及びステップS121~S123の図示を省略する。
【0103】
ステップS221において、サーバ20の消込対象受付モジュール2037は、ステップS124で受け付けた消込対象の債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類(消込種類)の選択肢の情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0104】
ステップS211において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された、消込種類の選択肢の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた消込種類の選択肢の情報をディスプレイ150に表示させる。
【0105】
ステップS212において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、消込種類の選択肢から消込種類の選択の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた選択の入力情報をサーバ20へ送信する。端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された消込種類の選択表示指示を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた消込種類の選択表示指示に従って、消込種類をディスプレイ150に表示させる。
【0106】
ステップS222において、サーバ20の消込対象受付モジュール2037は、端末装置10から送信された消込種類の選択の入力情報を、通信部201を介して受け付ける。消込対象受付モジュール2037は、受け付けた消込種類の選択を、端末装置10に表示させる消込種類の選択表示指示を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0107】
以上のように、会計処理システム1では、ユーザが選択した債権データの金額と、入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類、具体的には一部入金の消込、他の費目との相殺をユーザに選択させ、その選択に従って消込を行う。これにより、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合であっても、容易に対応付けを行い、消込を行うことが可能になる。
【0108】
図7は、実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートにおける消込処理は、図6に示すフローチャートにおけるステップS114及びステップS124の後続処理として、ステップS211及びステップS221に代えて、ステップS321、ステップS322、及びステップS312が追加されるため、重複する処理については繰り返して説明しない。また、図7に示すフローチャートでは、ステップS111~S113及びステップS121~S123の図示を省略する。
【0109】
ステップS321において、サーバ20の消込対象受付モジュール2037は、ステップS124で受け付けた消込対象の債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類(消込種類)を推定する。消込対象受付モジュール2037は、例えば、ユーザの過去の債権データと入金データとの対応関係に基づいて推定する。
【0110】
ステップS322において、サーバ20の消込対象受付モジュール2037は、ステップS124で受け付けた消込対象の債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合における、消込種類の選択肢と、ステップS321で推定した選択肢の推定結果とを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0111】
ステップS312において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された、消込種類の選択肢と、選択肢の推定結果との情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた消込種類の選択肢の情報をディスプレイ150に表示させ、推定結果もディスプレイ150に表示させる。
【0112】
以上のように、会計処理システム1では、ユーザが選択した債権データの金額と、入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類について推定し、推定結果をユーザに提示して選択させ、その選択に従って消込を行う。これにより、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合であっても、ユーザは推定結果に基づいて選択することができるので、さらに容易に対応付けを行い、消込を行うことが可能になる。
【0113】
図8は、実施の形態1の会計処理システム1による消込処理を行う流れの他の例を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートにおける消込処理は、図5に示すフローチャートにおけるステップS112及びステップS122の後続処理として、ステップS411及びステップS421が追加されるため、重複する処理については繰り返して説明しない。また、図7に示すフローチャートでは、ステップS111及びステップS121の図示を省略する。
【0114】
ステップS421において、サーバ20の消込対象推定モジュール2035は、ステップS112で端末装置10に表示した債権データと入金データとの対応を推定する。消込対象推定モジュール2035は、例えば、ユーザの過去の債権データと入金データとの対応関係に基づいて推定する。また、消込対象推定モジュール2035は、推定結果を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0115】
ステップS411において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された、債権データと入金データとの対応の推定結果の情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた債権データと入金データとの対応の推定結果をディスプレイ150に表示させる。
【0116】
以上のように、会計処理システム1では、売掛金等の債権データと入金データとの対応を推定し、推定結果をユーザに提示して選択させ、その選択に従って消込を行う。これにより、ユーザは推定結果に基づいて対応関係を選択することができるので、さらに容易に対応付けを行い、消込を行うことが可能になる。
【0117】
<4 画面例>
以下、図9及び図10を参照しながら、会計処理システム1による債権データ及び入金データの表示処理の画面例について説明する。
【0118】
図9は、端末装置10に表示する債権データ及び入金データの画面例を示す図である。図9の画面例は、消込対象表示モジュール2036による債権データと入金データとが並列に表示された状態の画面例を示す。図5のステップS112に相当する。
【0119】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、消込対象表示モジュール2036による債権データ及び入金データの表示結果として、債権データ表示欄1031aと、入金データ表示欄1031bとが表示され、消込対象受付モジュール2037による選択を受け付ける対応付け表示欄1031cが表示されている。債権データ表示欄1031aに表示されている債権データは、会計データベース2021から読み取った未収債権データであり、入金データ表示欄1031bに表示されている入金データは、入出金データベース2022から読み取った未消込の入金データである。対応付け表示欄1031cは、選択することで債権データ表示欄1031aと入金データ表示欄1031bとの間が線で結合され、対応付けがされていることを示している。
【0120】
また、消込対象推定モジュール2035による推定結果が、図9に示す対応付け表示欄1031dのように薄い色彩で表示され、消込対象受付モジュール2037による選択がなされた結果が、対応付け表示欄1031cのように濃い色彩で表示されるように構成してもよい。このように構成することで、債権データと入金データとの対応付けを明示することが可能になる。
【0121】
図10は、端末装置10に表示する債権データの取引内訳の画面例を示す図である。図10の画面例は、消込対象表示モジュール2036による、債権データが取引の内訳ごとに(取引明細として)表示された状態の画面例を示す。図5のステップS113に相当する。
【0122】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、図9に示す債権データ表示欄1031a、入金データ表示欄1031b、及び対応付け表示欄1031cと同様の債権データ表示欄1032a、入金データ表示欄1032b、及び対応付け表示欄1032cが表示されている。また、端末装置10のディスプレイ150には、消込対象表示モジュール2036による取引の内訳ごとに(取引明細として)表示された状態である取引内訳表示欄1032dが表示されている。さらに、取引内訳表示欄1032dには、消込対象受付モジュール2037による選択として一部入金を受け付ける一部入金受付欄1032eが設けられている。このように構成することで、取引先ごとの全体の債権、または取引明細ごとの個別の債権を把握することが可能であり、取引先ごと、または取引明細ごとに消込が可能である。さらに、一部入金の入力も可能である。
【0123】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、債権データと入金データとをユーザが対比可能に表示させ、債権データと入金データとの対応の入力を受け付ける。このとき、債権データは、ユーザの選択により取引先ごとにまとめて表示し、または取引の内訳ごとに取引明細として表示する。入力された債権データと入金データとの対応に基づき、ユーザの指示により消込を行う。これにより、債権データと入出金データとの対応関係を一目で把握し、消込を行うことが可能になる。
【0124】
また、債権データと入金データとの対応を推定し、推定結果をユーザに提示して選択させ、その選択に従って消込を行う。これにより、ユーザは推定結果に基づいて対応関係を選択することができるので、容易に対応付けを行い、消込を行うことが可能になる。
【0125】
さらに、ユーザが選択した債権データの金額と、入金データの金額とが一致しない場合、どのように消込を行うかの種類をユーザに選択させ、その選択に従って消込を行う。または、どのように消込を行うかの種類を推定してユーザに提示して選択させ、その選択に従って消込を行う。これにより、債権データの金額と入金データの金額とが一致しない場合であっても、容易に対応付けを行い、消込を行うことが可能になる。
【0126】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0127】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0128】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させ、会計サービスを提供するためのプログラムであって、メモリ25には、ユーザの取引に係る債権データ(2021)が登録され、プログラムは、プロセッサ29に、取引に対する入出金データ(2022)を取得するステップ(S121)と、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップ(S122)と、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップ(S123)と、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップ(S124)と、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップ(S124)と、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップ(S125)と、を実行させる、プログラム。
【0129】
(付記2)プログラムは、プロセッサに、さらに、ユーザが選択した債権データと入出金データとの対応において、選択された1または複数の債権データの金額と、選択された1または複数の入出金データの金額とが一致しない場合、消込の種類を提示するステップ(S221)と、ユーザの操作により、端末装置から、消込の種類を選択する入力を受け付けるステップ(S222)と、を実行させ、消込を行うステップにおいて、消込の種類に基づき、債権データと入出金データとの消込を行う、(付記1)に記載のプログラム。
【0130】
(付記3)消込の種類として、一部入金の消込、他の費目との相殺を含む、(付記2)に記載のプログラム。
【0131】
(付記4)プログラムは、プロセッサに、さらに、ユーザが選択した債権データと入出金データとの対応において、選択された1または複数の債権データの金額と、選択された1または複数の入出金データの金額とが一致しない場合、消込の種類を推定するステップ(S321)を実行させ、消込の種類を提示するステップにおいて、推定した消込の種類をレコメンドする、(付記2)または(付記3)に記載のプログラム。
【0132】
(付記5)消込の種類を推定するステップにおいて、ユーザの過去の消込の種類に基づいて推定する、(付記4)に記載のプログラム。
【0133】
(付記6)プログラムは、プロセッサに、さらに、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとの対応を推定するステップ(S421)と、推定した債権データと入出金データとの対応をレコメンドするステップ(S421)と、を実行させる、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0134】
(付記7)債権データと入出金データとの対応を推定するステップにおいて、ユーザの過去の債権データと入出金データとの対応に基づいて推定する、(付記6)に記載のプログラム。
【0135】
(付記8)債権データと入出金データとの対応を推定するステップにおいて、債権データに係る取引先の名称と、入出金データに係る入金者の名称との一致度合いに基づいて推定する、(付記6)または(付記7)に記載のプログラム。
【0136】
(付記9)債権データと入出金データとの対応を推定するステップにおいて、債権データに係る金額と、入出金データに係る金額との一致度合いに基づいて推定する、(付記6)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
【0137】
(付記10)プログラムは、プロセッサに、さらに、端末装置に表示させる、債権データ、入出金データのいずれかまたは両方を絞り込む条件の入力を受け付けるステップと、条件に基づき、債権データ及び入出金データを端末装置に表示させるステップと、を実行させる、(付記1)から(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0138】
(付記11)条件として、消込がされていない債権データ、入出金データのいずれかまたは両方を対象とする条件の入力を受け付ける、(付記10)に記載のプログラム。
【0139】
(付記12)条件として、キーワードを指定する条件、期間の範囲を指定する条件、金額の範囲を指定する条件のいずれかまたは複数の条件の入力を受け付ける、(付記10)または(付記11)に記載のプログラム。
【0140】
(付記13)債権データと入出金データとの対応を端末装置に表示させるステップにおいて、債権データと入出金データとの対応を示す線図、色彩、強調表示を含む表示により、端末装置に表示させる、(付記1)から(付記12)のいずれかに記載のプログラム。
【0141】
(付記14)制御部203と、記憶部202とを備え、会計サービスを提供する情報処理装置であって、記憶部202には、ユーザの取引に係る債権データ(2021)が登録され、制御部203は、取引に対する入出金データを取得するステップと、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップと、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップと、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップと、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップと、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップと、を行う、情報処理装置。
【0142】
(付記15)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、会計サービスを提供するための方法であって、メモリ25には、ユーザの取引に係る債権データが登録され、方法は、プロセッサ29が、取引に対する入出金データ(2022)を取得するステップ(S121)と、債権データと、入出金データとを、ユーザが使用する端末装置に送信し、債権データと入出金データとを対比可能に、端末装置に表示させるステップ(S122)と、ユーザの指示により、債権データを、ユーザの取引に係る取引先ごとに、または取引の内訳ごとに、端末装置に表示させるステップ(S123)と、ユーザの操作により、端末装置から、1または複数の債権データと、1または複数の入出金データとを対応させる選択の入力を受け付けるステップ(S124)と、ユーザが選択した、債権データと入出金データとの対応を、端末装置に表示させるステップ(S124)と、債権データと入出金データとを対応させる選択に基づき、債権データと入出金データとの消込を行うステップ(S125)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0143】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、161 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 会計データベース、2022 入出金データベース、203 制御部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10