(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231102BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20231102BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20231102BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20231102BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20231102BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20231102BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20231102BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20231102BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G02F1/1345
G09F9/30 308Z
H10K50/00
H10K50/10
H10K59/00
H10K59/10
H10K59/12
H10K77/10
(21)【出願番号】P 2022202944
(22)【出願日】2022-12-20
(62)【分割の表示】P 2021104357の分割
【原出願日】2014-03-03
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2013045119
(32)【優先日】2013-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】吉住 健輔
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-220636(JP,A)
【文献】実開昭57-164734(JP,U)
【文献】実開昭53-156045(JP,U)
【文献】特開2006-269979(JP,A)
【文献】特開2011-209405(JP,A)
【文献】特開2008-129397(JP,A)
【文献】特開2011-014809(JP,A)
【文献】特開2011-118082(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0036623(KR,A)
【文献】特開平4-22075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00-9/46
H04M1/02-1/23
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H05K1/00-1/02
3/32-3/34
3/46
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、表示部と、前記表示部と複数の接続端子との間に配置された複数の配線と、を有する表示装置であって、
前記基板は、湾曲部と、前記湾曲部から連続して設けられた平坦部と、を有し、
前記複数の配線の少なくとも一は、少なくとも一の開口部によって複数の領域に分岐した第1の部分と、前記複数の領域が一に収束し、且つ第1の配線幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分及び開口部は、前記湾曲部に位置する領域と、前記平坦部に位置する領域と、を有し、
前記第2の部分は、前記平坦部に位置する領域を有し、
前記第1の部分は、前記湾曲部に位置する領域において前記開口部を含む第2の配線幅を有し、
前記第2の配線幅は、前記第1の配線幅よりも大きい、表示装置。
【請求項2】
基板上に、表示部と、前記表示部と複数の接続端子との間に配置された複数の配線と、を有する表示装置であって、
前記基板は、湾曲部と、前記湾曲部から連続して設けられた平坦部と、を有し、
前記複数の配線の少なくとも一は、少なくとも一の開口部によって複数の領域に分岐した第1の部分と、前記複数の領域が一に収束し、且つ第1の配線幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分及び開口部は、前記湾曲部に位置する領域と、前記平坦部に位置する領域と、を有し、
前記第2の部分は、前記平坦部に位置する領域を有し、
前記第1の部分は、前記湾曲部に位置する領域において前記開口部を含む第2の配線幅を有し、
前記第2の配線幅は、前記第1の配線幅よりも大きく、
前記複数の配線の少なくとも一は、第1の導電層と、第2の導電層と、を有し、
前記第2の導電層は、前記第2の部分において、前記第1の導電層と接する領域を有し、
前記第2の導電層は、前記第1の部分において、前記第1の導電層と重ならない領域を有する、表示装置。
【請求項3】
基板上に、表示部と、前記表示部と複数の接続端子との間に配置された複数の配線と、を有する表示装置であって、
前記基板は、湾曲部と、前記湾曲部から連続して設けられた平坦部と、を有し、
前記複数の配線の少なくとも一は、少なくとも一の開口部によって複数の領域に分岐した第1の部分と、前記複数の領域が一に収束し、且つ第1の配線幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分及び開口部は、前記湾曲部に位置する領域と、前記平坦部に位置する領域と、を有し、
前記第2の部分は、前記平坦部に位置する領域を有し、
前記第1の部分は、前記湾曲部に位置する領域において前記開口部を含む第2の配線幅を有し、
前記第2の配線幅は、前記第1の配線幅よりも大きく、
前記複数の配線の少なくとも一は、第1の導電層と、第2の導電層と、を有し、
前記第1の導電層の下方に位置する領域を有する第1の絶縁層と、
前記第1の導電層の上方に位置し、且つ前記第2の導電層の下方に位置する領域を有する第2の絶縁層と、を有し、
前記第1の絶縁層は、前記表示部が有するトランジスタの下地絶縁層と繋がっており、
前記第2の絶縁層は、前記トランジスタのゲート絶縁層と繋がっており、
前記第2の導電層は、前記第2の部分において、前記第1の導電層の上面と接する領域を有し、
前記第2の導電層は、前記第1の部分において、前記第1の絶縁層と接し、且つ前記第1の導電層と重ならない領域を有する、表示装置。
【請求項4】
基板上に、表示部と、前記表示部と複数の接続端子との間に配置された複数の配線と、を有する表示装置であって、
前記基板は、湾曲部と、前記湾曲部から連続して設けられた平坦部と、を有し、
前記複数の配線の少なくとも一は、少なくとも一の開口部によって複数の領域に分岐した第1の部分と、前記複数の領域が一に収束し、且つ第1の配線幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分及び開口部は、前記湾曲部に位置する領域と、前記平坦部に位置する領域と、を有し、
前記第2の部分は、前記平坦部に位置する領域を有し、
前記第1の部分は、前記湾曲部に位置する領域において前記開口部を含む第2の配線幅を有し、
前記第2の配線幅は、前記第1の配線幅よりも大きく、
前記複数の配線の少なくとも一は、第1の導電層と、第2の導電層と、を有し、
前記第2の導電層は、前記第2の部分において、前記第1の導電層の上面と接する領域を有し、
前記第2の導電層は、前記第1の部分において、前記第1の導電層と重ならない領域を有し、
前記第1の導電層は、前記表示部に位置するトランジスタのゲート電極と同じ材料を有し、
前記第2の導電層は、前記トランジスタのソース電極又はドレイン電極と同じ材料を有する、表示装置。
【請求項5】
基板上に、表示部と、前記表示部と複数の接続端子との間に配置された複数の配線と、を有する表示装置であって、
前記基板は、湾曲部と、前記湾曲部から連続して設けられた平坦部と、を有し、
前記複数の配線の少なくとも一は、少なくとも一の開口部によって複数の領域に分岐した第1の部分と、前記複数の領域が一に収束し、且つ第1の配線幅を有する第2の部分と、を有し、
前記第1の部分及び開口部は、前記湾曲部に位置する領域と、前記平坦部に位置する領域と、を有し、
前記第2の部分は、前記平坦部に位置する領域を有し、
前記第1の部分は、前記湾曲部に位置する領域において前記開口部を含む第2の配線幅を有し、
前記第2の配線幅は、前記第1の配線幅よりも大きく、
前記複数の配線の少なくとも一は、第1の導電層と、第2の導電層と、を有し、
前記第1の導電層の下方に位置する領域を有する第1の絶縁層と、
前記第1の導電層の上方に位置し、且つ前記第2の導電層の下方に位置する領域を有する第2の絶縁層と、を有し、
前記第1の絶縁層は、前記表示部が有するトランジスタの下地絶縁層と繋がっており、
前記第2の絶縁層は、前記トランジスタのゲート絶縁層と繋がっており、
前記第2の導電層は、前記第2の部分において、前記第1の導電層の上面と接する領域を有し、
前記第2の導電層は、前記第1の部分において、前記第1の絶縁層と接し、且つ前記第1の導電層と重ならない領域を有し、
前記第1の導電層は、前記トランジスタのゲート電極と同じ材料を有し、
前記第2の導電層は、前記トランジスタのソース電極又はドレイン電極と同じ材料を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一において、
前記開口部の短手方向の端部の一は、前記平坦部に配置される、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。特に本発明の一態様は、湾曲可能な表示部を備える表示
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示機能を有する電子機器などの形状の多様化が求められている。その一つに、
可撓性を有する基板上に表示素子を設け、表示装置を湾曲させることや、曲面に沿った表
示を行うことが可能な表示装置を備える電子機器が望まれている。このような表示装置は
フレキシブルディスプレイとも呼ばれ、実用化に向け開発が進められている。
【0003】
フレキシブルディスプレイに適用可能な表示素子としては、有機EL(Electro
Luminescence)素子、液晶素子などが挙げられる。また、フレキシブルデ
ィスプレイとして電気泳動方式や電子粉流体方式などにより表示を行う素子を備える電子
ペーパなどが挙げられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、可撓性を有するフィルムからなる樹脂基板上に有機EL素子
が担持された有機EL表示パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2006/046679号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表示装置を電子機器に組み込む際、表示装置に信号や電源電位を供給するために、筐体
と表示装置を電気的に接続する接続配線を表示装置に貼り付ける必要がある。当該接続配
線としては、代表的にはFPC(Flexible printed circuit)
などがある。FPCを基板に貼り付ける場合、異方性導電フィルム(ACF:Aniso
tropic Conductive Film)などを用いて熱圧着を行う。
【0007】
しかしながら、可撓性を有する基板上に表示素子を備える表示装置では、熱圧着でかか
る熱や圧力によって、基板や基板上に設けられた配線が破損してしまう問題がある。また
、基板を湾曲させることに伴い、基板と接続配線が剥がれてしまうといった問題がある。
【0008】
本発明の一態様は、信頼性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。特に、信
号や電源電位を安定して供給可能な表示装置を提供することを課題の一とする。または、
信号や電源電位を安定して供給可能な、湾曲可能な表示装置を提供することを課題の一と
する。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課
題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、
図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、可撓性を有する基板上に、表示部と、外部から信号が入力されうる
複数の接続端子と、複数の配線と、を有する表示装置であり、接続端子の一は、配線の一
によって表示部と電気的に接続されている。また、配線は、複数本に分岐した第1の部分
と、複数本が1本に収束した第2の部分と、を有する。
【0011】
また、上記本発明の一態様の表示装置における配線の第1の部分は、第2の部分におけ
る厚さよりも薄い領域を有することが好ましい。
【0012】
または、上記本発明の一態様の表示装置における配線の第1の部分は、第2の部分にお
ける厚さよりも厚い領域を有することが好ましい。
【0013】
また、上記本発明の一態様の表示装置における基板は、配線の第1の部分と重なる領域
で湾曲していることが好ましい。
【0014】
また、上記本発明の一態様の表示装置における配線は、第1の部分において、基板の湾
曲方向と配線の延伸方向とが一致しないように配置されていることが好ましい。
【0015】
また、上記本発明の一態様の表示装置において、基板上にICが実装され、複数の配線
の他の一は、ICと表示部とを電気的に接続し、ICは、当該配線の第1の部分と接続端
子との間に設けられていることが好ましい。
【0016】
なお、本明細書等において、ある面を平坦な状態から変形させたときに、変形後の面上
の任意の2点を面に沿って結ぶ線の傾きが連続するとき、その面を湾曲させる、という。
このとき、変形後の面は任意の点において0よりも大きな曲率半径を有する。
【0017】
なお、本明細書等において、装置が湾曲可能であるとは、装置の一部を所定の曲率半径
で湾曲させた時に装置が有する特定の機能が失われないことを言う。したがって、例えば
湾曲可能な表示装置とは、その一部を湾曲させた場合であっても表示を行うことのできる
表示装置を指す。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、信頼性の高い表示装置を提供できる。または、信号や電源電
位を安定して供給可能な表示装置を提供できる。または、信号や電源電位を安定して供給
可能な、湾曲可能な表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】実施の形態に係る、表示装置の備える配線の構成例。
【
図4】実施の形態に係る、表示装置の備える配線の構成例。
【
図6】実施の形態に係る、表示装置の備える配線の構成例。
【
図8】実施の形態に係る、表示装置の作製方法例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0021】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には
同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様
の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0022】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成における相対的な大
小関係に限定されない。
【0023】
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するも
の」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するも
の」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない
。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジス
タなどのスイッチング素子、抵抗素子、コイル、容量素子、その他の各種機能を有する素
子、各種機能を有する回路などが含まれる。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例について、図面を参照して説明
する。
【0025】
[表示装置の構成例]
図1(A)は、本発明の一態様の表示装置100の上面概略図である。
【0026】
表示装置100は、可撓性を有する基板101上に、表示部102、複数の配線111
、複数の接続端子112、IC113、及び複数の配線114を備える。
【0027】
表示部102は、画素部103及び駆動回路104を備える。
【0028】
画素部103は表示素子を有する画素がマトリクス状に配置される。各々の画素を駆動
することにより、画素部103に画像を表示することができる。
【0029】
画素に適用可能な表示素子としては、有機EL(Electro Luminesce
nce)素子、液晶素子などが挙げられる。また、画素に電気泳動方式や電子粉流体方式
などにより表示を行う素子を備える構成としてもよい。
【0030】
画素に設けられる表示素子として有機EL素子を適用すると、バックライトが不要とな
るため好ましい。また表示素子に液晶素子を適用した場合などでバックライトが必要な場
合には、基板101を湾曲させたときにその形状に追従するように、基板101の表示部
102が設けられた面とは反対側に可撓性を有するバックライトを貼り付ければよい。
【0031】
駆動回路104は、画素部103内の画素を駆動する回路であり、例えばゲート駆動回
路としての機能を有する回路などとすることができる。駆動回路104は基板101上に
形成された薄膜トランジスタなどの半導体素子によって構成されていることが好ましい。
なお、駆動回路104は必ずしも基板101上に設ける必要はなく、IC113に駆動回
路104の機能を持たせてもよい。
【0032】
基板101は
図1(A)に示すように、その一部が突出するような形状を有している。
またその基板101の突出する部分に複数の配線111の一部、複数の接続端子112、
IC113、配線114が設けられている。
【0033】
接続端子112は、外部から電源電圧や、画像信号、タイミング信号などの表示部10
2を駆動するために用いられる各種信号を入力することができる端子である。
【0034】
IC113は、表示部102を駆動する機能を有する回路であり、例えばソース駆動回
路としての機能を有する回路などとすることができる。または、入力される画像信号に対
して画像処理を施し、新たな画像信号を生成する機能を有する回路であってもよい。
図1
(A)に示すように、基板101上にIC113を実装することが好ましい。なお、IC
113は必ずしも基板101上に実装して設ける必要はなく、例えばIC113を表示装
置100の外部に設け、IC113からの出力信号が接続端子112及び配線111を介
して表示装置100に入力される構成としてもよい。
【0035】
複数の配線114の一つは、複数の接続端子112のうちの一つと、IC113とを電
気的に接続する配線である。配線114が電気的に接続された接続端子112には、IC
113または表示部102を駆動させるための信号が入力される。なお、IC113を設
けない場合には、配線114は不要となる。
【0036】
配線111は、接続端子112と表示部102との間に配置された配線である。配線1
11は表示部102と電気的に接続され、表示部102を駆動させるための信号を表示部
102に入力することができる。なお、簡略化のため、
図1には配線111の数を少なく
明示しているが、実際にはこれよりも多数の配線を備える場合が多い。
【0037】
また、配線111としては、接続端子112と表示部102とを直接電気的に接続する
配線と、IC113と表示部102とを電気的に接続する配線とがある。これらは表示部
102を駆動させる信号を、表示部102に伝える機能を有するという点で共通している
。したがって以下では、これらの配線を総称して配線111と呼ぶこととする。
【0038】
配線111を介して表示部102と電気的に接続された接続端子112に入力される信
号としては、例えば駆動回路104を駆動するための信号や、IC113を駆動するため
の電源電圧とは異なる電圧を含む信号などが挙げられる。
【0039】
また、
図1(A)に示す構成では、接続端子112と表示部102の間にIC113を
備えるため、接続端子112とIC113との間の配線114の数と、IC113と表示
部102との間の配線111の数とが一致しない場合について示している。
【0040】
表示装置100は、
図1(A)中に示す配線111と重なる湾曲部110で基板101
を湾曲させ、接続端子112及びIC113が設けられた基板101の一部を表示面とは
反対側に湾曲させて折り返すことができる。
【0041】
図1(B)には、湾曲部110で基板101を湾曲させて折り返した状態の表示装置1
00の概略図を示している。また、
図1(B)では、表示部102も凹状に湾曲させた状
態を示している。
【0042】
図1(B)に示すように、基板101の接続端子112及びIC113が設けられた突
出部を表示面とは反対側に湾曲させて折り返すことができるため、表示面側から見た表示
装置100の占有面積を縮小でき、狭額縁の表示装置100とすることができる。したが
って例えば表示装置100を電子機器に組み込む場合においては、電子機器の小型化を実
現できる。
【0043】
また、基板101の折り返された部分には接続端子112が設けられ、当該接続端子1
12を例えば電子機器の筐体に設けられたコネクタに接続することができる。すなわち、
表示装置100の一部がFPCと同様の機能を果たすことができる。したがって例えば、
可撓性を有する表示装置にFPCを貼り付けた場合における、基板や基板上に設けられた
配線の破損や、基板101を湾曲させたときのFPCの剥がれなどといった不具合を排除
することができる。したがって、極めて信頼性の高い表示装置を実現できる。
【0044】
また
図1(B)に示すように、表示装置100は、表示部102を凸状または凹状に湾
曲させることができるため、表示する画像として曲面を再現することができる。したがっ
て表示面が平面である表示装置では実現できない多様な画像表現やアプリケーションを実
現することができる。
【0045】
また、表示部102と重ねて、可撓性を有するタッチセンサを設けてもよい。
【0046】
[配線の形状について]
続いて、配線111の形状の例について説明する。
図2(A)には、並列した2本の配
線111について、その一部の上面概略図を示している。
【0047】
配線111は、その一部に開口部が設けられ、開口部を挟んで複数本に枝分かれするよ
うな形状を有する。言い換えると、配線111は複数本に分岐した第1の部分121と、
当該複数本が1本に収束した第2の部分122とを有する。
【0048】
基板101の一部を湾曲させる場合、その湾曲部110が第1の部分121と重なるよ
うに湾曲させることが好ましい。
【0049】
ここで、表示部102に信号を伝える配線が設けられた部分を湾曲させる場合、湾曲に
伴う応力によって配線に割れが生じ、最悪の場合断線してしまう場合もある。配線の断線
が起こると、表示部102に信号を伝えることができないため、表示不良が生じてしまう
。
【0050】
しかし、湾曲部110を横断する配線111を上述のような形状にすることで、複数本
に分岐した配線のうち1つが断線したとしても、分岐した他の配線により信号を伝達する
ことが可能となる。したがって、湾曲に伴う表示不良の発生が抑制され、信頼性の高い表
示装置100を実現できる。
【0051】
ここで、
図2(B)に示すように、配線111の第1の部分121において、分岐され
た複数の配線のそれぞれの線幅をできるだけ大きくすることが好ましい。このような形状
とすることで、配線111を分岐させることによる抵抗の増加を抑制することができる。
また、分岐した複数の配線のうち1以上が断線した場合であっても、抵抗の増加を抑制で
きるため、信号の遅延などの影響を低減できる。
【0052】
なお
図2では、配線111を3本に分岐する場合を示したが、分岐する数はこれに限ら
れず2本以上であればよい。分岐数が多いほど、湾曲させたときの配線の断線のリスクを
低減することができる。
【0053】
配線111をこのような形状とすることで、基板101の湾曲部110における曲率半
径を小さくできるため、基板101の一部を湾曲させて折り返したときの表示装置100
の実質的な厚さを薄くすることができる。湾曲部110における表示装置100の総厚の
中心位置における曲率半径の許容値としては、0.1mm以上10mm以下、好ましくは
0.5mm以上5mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下にまで小さくする
ことができる。
【0054】
ここで、
図1(B)に示す湾曲した状態の表示装置100において、湾曲部110にお
ける断面構成例について、
図3を用いて説明する。
【0055】
図3(A)は、表示装置100の湾曲部110を含む断面概略図である。
図3(A)で
は、配線111、IC113、配線114、及び接続端子112を含む領域を示している
。
【0056】
また
図3(A)では、基板101上に配線111が形成され、さらに配線111上に接
着層132を介して可撓性を有する基板131が設けられている構成を示している。
【0057】
IC113が電気的に接続される配線111と配線114は、これらの端部が露出する
ように、その上層の基板131と接着層132が開口されている。当該開口部において、
IC113のバンプ134がACF133を介して配線111または配線114と電気的
に接続されている。
【0058】
また、配線114の一部において、その上層の基板131と接着層132が開口され、
配線114の上面が露出している。当該露出した配線114の一部が接続端子112とし
て機能する。
【0059】
ここで、配線111の第1の部分121は、第2の部分122とはその厚さを異ならせ
ることが好ましい。
【0060】
図3(A)では、配線111の第1の部分121の厚さが、第2の部分122よりも薄
い場合を示している。
【0061】
湾曲部110では、配線111の厚さ方向における上部と下部とで、湾曲に伴ってこれ
らに加わる応力に違いが生じる。そのため、湾曲部110と重なる配線111の第1の部
分121の厚さを薄くすることにより、湾曲したときの配線111の上部と下部とでこれ
らに加わる応力の差を小さくすることができ、配線111が断線してしまうことを抑制で
きる。
【0062】
また配線111の第1の部分121の厚さを薄くすることで配線抵抗が増加してしまう
恐れがあるため、第1の部分121にはCuなどの低抵抗な導電性材料を用いることが好
ましい。ここで、配線111は第1の部分121と第2の部分122の材料を異ならせて
もよいし、同じ材料を用いてもよい。
【0063】
また、配線111の第1の部分121の配線幅を第2の部分122よりも大きくすると
、配線抵抗の増加を抑制することができるため好ましい。また、配線111の第1の部分
121を複数本に分岐する場合には、その上面形状を
図2(B)に示すような形状とする
ことで、配線抵抗の増加を効果的に抑制できる。
【0064】
また
図3(B)では、配線111の第1の部分121の厚さが、第2の部分122より
も厚い場合を示している。
【0065】
湾曲部110と重なる配線111の第1の部分121の厚さを厚くすることにより、配
線111自体の機械的強度を高めることができ、湾曲することに伴う配線111の断線を
抑制することができる。
【0066】
また、第1の部分121の上面形状を、
図2(A)に示すように配線111を複数本に
分岐させる場合には、第1の部分121の厚さを厚くすることで、配線抵抗の増加を抑制
することができる。
【0067】
なお、
図3では、配線111上に接着層132を介して基板131が設けられている場
合を示したが、配線111の表面が露出することなく絶縁されていればよく、この構成に
限定されない。例えば、配線111上に樹脂を形成することにより配線111の表面を絶
縁させると、配線111が設けられた領域における表示装置100の厚さを低減すること
ができ、湾曲させることがより容易となる。また、このとき、配線111や配線114の
一部の領域上の樹脂を除去してその表面を露出させることで、配線111や配線114の
一部を接続端子112として機能させることができる。
【0068】
図4は、配線111の一部の断面概略図を示している。
【0069】
図4(A)に示すように、配線111の第1の部分121と第2の部分122の厚さを
異ならせる場合には、厚さの厚い部分と薄い部分とを同一材料の単層構造として、配線の
上部の一部をエッチングにより除去(ハーフエッチングともいう)することで薄い部分を
形成してもよい。
【0070】
または、厚さの厚い部分を2層以上の積層構造とし、厚さの薄い部分では当該積層構造
のうち1以上の層を除いた構成としてもよい。
【0071】
図4(B)及び
図4(C)には、配線111の厚さの厚い部分が、配線111aと配線
111bの積層構造である場合の断面概略図を示している。
【0072】
図4(B)のように、配線111b上に配線111aを積層し、配線111aの一部を
エッチングにより除去して配線111の薄い部分を形成してもよい。このとき、配線11
1aと配線111bとで材料を異ならせると、配線111aをエッチングにより加工する
際に配線111bの上面がエッチングされてしまい、意図した厚さよりも薄くなってしま
うことを抑制できるため好ましい。
【0073】
また、
図4(C)のように、配線111bの一部をエッチングにより除去した後、配線
111bの端部を覆うように、配線111aを設けることで、配線111の厚い部分を形
成してもよい。このような構成とすることで、配線111a及び配線111bとして同一
の材料を用いてもエッチングに伴う不具合が生じないため好ましい。
【0074】
ここで、配線111の第1の部分121に用いる材料として、延性または展性の高い材
料を含んでいることが好ましい。特に、延性と展性のいずれも高い材料を用いることが好
ましい。湾曲部110に用いる配線の延性が高いと、湾曲に伴う配線111の断線が生じ
にくくなる。また、展性が高いと、湾曲した状態から平坦な状態に戻したときに、配線1
11の割れなどが生じにくくなる。延性及び展性の高い材料としては、金、銀、白金、鉄
、ニッケル、銅、アルミニウム、亜鉛、スズなどの金属材料や、当該金属材料を含む合金
などが挙げられる。
【0075】
配線111の第1の部分121を2層以上の積層構造とする場合には、少なくとも1層
、好ましくは全層に上述の材料を用いると、配線111の断線や割れを抑制できる。
【0076】
以上が配線の形状についての説明である。
【0077】
[表示装置の他の構成例]
以下では、
図1に示す表示装置100とは構成の一部が異なる表示装置の構成例につい
て説明する。
【0078】
図5(A)に、IC113を実装しない場合の表示装置100の例を示す。
【0079】
図5(A)に示す表示装置100では、IC113及び配線114が設けられていない
。また、表示部102と接続端子112とは、配線111を介して直接電気的に接続され
ている。
【0080】
図5(B)では、湾曲部110が基板101の突出部ではなく、表示部102により近
い部分に位置する場合を示している。このような構成とすることで、表示面側から見た表
示装置100の占有面積をさらに縮小でき、狭額縁の表示装置100とすることができる
。
【0081】
図5(C)では、配線111の湾曲部110と交差する部分において、基板101の湾
曲方向と配線111の延伸方向とが一致しないように配置されている構成を示している。
言い換えると、配線111が湾曲部110と斜めに交差するように設けられている。
【0082】
配線111の湾曲方向と延伸方向について、
図6を用いて説明する。
【0083】
まず、
図6(A)を用いて、面の湾曲方向について説明する。平面を伸縮させることな
く湾曲させたとき、形成される曲面141上の任意の点において、曲面141に沿った接
線142が一義的に決まる。ここで、
図6(A)中一点鎖線矢印で示すように、曲面上の
任意の点に接する平面における接線142に垂直な方向を湾曲方向143とする。
【0084】
ここで
図6(B)に示すように、上記曲面141上の任意の2点を指定すると、これら
2点を当該曲面に沿って最短距離で結ぶ線144が一義的に決まる。ここで、当該線14
4上の任意の点において、線144が上記接線142と直交する場合、曲面141の湾曲
方向と当該線144の延伸方向とが一致する、とする。
【0085】
また、上記曲面141上の任意の2点を当該曲面に沿って最短距離で結ぶ線144と、
上記接線142との成す角は、当該線144上の任意の点で常に等しい角度となる。接線
142と湾曲方向143とは常に直交するため、線144と接線142の成す角のうち鋭
角(90度を含む)のものを、90度から引いて得られた角度を、当該線144の延伸方
向と曲面141の湾曲方向との成す角とよぶ。ここで、
図6(B)は、線144の延伸方
向と曲面141の湾曲方向との成す角が0度である場合に相当する。
【0086】
図6(C)、(D)はそれぞれ、配線111の被形成面145を湾曲させた時の、配線
111の様子を示している。
【0087】
図6(C)には、配線111の延伸方向が被形成面145の湾曲方向と一致する(平行
である)ように配線111が配置されている場合について示す。
【0088】
このとき、配線111は、その延伸方向に沿った曲率半径が最小の値をとり、被形成面
145の曲率半径と一致する。
【0089】
図6(D)には、配線111の延伸方向が、被形成面145の湾曲方向と一致しないよ
うに、配線111が配置されている場合について示す。言い換えると配線111の延伸方
向と湾曲方向との成す角が0度より大きくなるように、配線111が配置されている。
【0090】
配線111の延伸方向と、湾曲方向との成す角は、例えば5度以上90度未満、好まし
くは15度以上60度以下、より好ましくは30度以上60度以下とすればよい。
【0091】
このとき、配線111は、その延伸方向における曲率半径が、被形成面145の曲率半
径よりも大きくなる。したがって、被形成面145を湾曲させた時に配線111が破損や
断線してしまうリスクを低減することができ、信頼性の高い表示装置を実現できる。
【0092】
また、配線111を湾曲させた場合に配線111が破損や断線してしまう恐れが生じる
曲率半径よりも小さい曲率半径で、被形成面145(または基板101)を湾曲させるこ
とができる。したがって、基板101の一部を湾曲させて折り返したときの表示装置10
0の実質的な厚さをより薄くすることができる。
【0093】
続いて
図7に、上記とは異なる表示装置の構成例を示す。
【0094】
図7(A)は、
図1(A)では基板101の突出部に近い位置に設けられていた駆動回
路104に換えて、画素部103を挟む2つの駆動回路(駆動回路104a、104b)
を設けた場合の例を示す。特に高精細な画素部103を備える表示装置においては、この
ように駆動回路を2つに分割することが好ましい。
【0095】
ここで、表示装置100を組み込む電子機器の形態によっては、表示部102を湾曲す
る位置が確定している場合がある。例えば、所定の位置で折り返すことが可能な電子機器
などでは、常に同じ位置で表示部102を繰り返し湾曲させる必要がある。このとき、駆
動回路104a及び104bも平坦な状態と湾曲した状態が繰り返されることで、駆動回
路104a及び駆動回路104bを構成するトランジスタなどの素子の電気的特性が変化
してしまう恐れがある。
【0096】
そこで、
図7(B)に示すように、表示部102における湾曲部120と重なる位置を
挟むように、駆動回路を分割して設けることが好ましい。
図7(B)では、
図7(A)に
示す駆動回路104aが、2つの湾曲部120を挟むように駆動回路104c、駆動回路
104d、及び駆動回路104eの3つに分割されている。また同様に、
図7(A)に示
す駆動回路104bも、駆動回路104f、駆動回路104g及び駆動回路104hに分
割されている。
【0097】
図7(C)に、
図7(B)中の破線で囲んだ領域を拡大して示す。
図7(C)には、分
割して設けられた2つの駆動回路(駆動回路104c、104d)と、各駆動回路と電気
的に接続され、マトリクス状に配置された複数の画素150を示している。
【0098】
駆動回路104cと駆動回路104dの間に設けられた複数の配線151により、配線
111から入力された駆動回路104dを駆動させるための各種信号を駆動回路104d
に入力することができる。このとき、駆動回路104c及び駆動回路104d内の回路素
子(シフトレジスタやバッファなど)間の間隔は、画素150の間隔よりも狭く配置する
。
【0099】
また、
図7(D)に示すように、駆動回路104c及び駆動回路104dの一部を折り
返すように配置する構成としてもよい。このような構成とすることで、駆動回路104c
及び駆動回路104d内の回路素子(シフトレジスタやバッファなど)間の間隔を狭める
ことなく、駆動回路を分割しない場合と同様の間隔で配置することができる。特に画素1
50が高精細に配置されている場合には、このような配置とすることは有効である。
【0100】
なお、ここでは駆動回路を3つに分割する場合について示したが、駆動回路を分割する
数はこれに限られず、2つ、または4つ以上に分割して設ける構成としてもよい。
【0101】
以上が、表示装置の他の構成例についての説明である。
【0102】
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
【0103】
(実施の形態2)
以下では、本発明の一態様の表示装置の作製方法例について説明する。
【0104】
[作製方法例]
〔剥離層の形成〕
まず、支持基板201上に、剥離層202を形成する。
【0105】
支持基板201は少なくとも後の工程に掛かる熱に対して耐熱性を有する基板を用いる
。支持基板201としては、例えばガラス基板、樹脂基板の他、半導体基板、金属基板、
セラミック基板などを用いることができる。
【0106】
剥離層202としては、例えばタングステン、チタン、モリブデンなどの高融点金属材
料を用いることができる。好ましくはタングステンを用いる。
【0107】
剥離層202は、例えばスパッタリング法により形成することができる。
【0108】
〔被剥離層、酸化物層の形成〕
続いて、剥離層202上に被剥離層203を形成すると共に、剥離層202と被剥離層
203との間に酸化物層211を形成する。
【0109】
被剥離層203としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることができる。また被剥離層2
03としては、上記無機絶縁材料を含む層を単層で、もしくは積層して用いることができ
る。
【0110】
特に、被剥離層203として2層以上の積層構造とし、少なくとも剥離層202に最も
近い層には加熱により水素を放出する層を用いることが好ましい。例えば、剥離層202
側から酸化窒化シリコンを含む層と窒化シリコンを含む層の積層構造とする。
【0111】
なお、本明細書等において、「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも
酸素の含有量が多いものをいう。一方、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い
ものは「窒化酸化シリコン」という。
【0112】
被剥離層203は、スパッタリング法、プラズマCVD法などの成膜方法により形成で
きる。特に、水素を含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜することが好まし
い。
【0113】
ここで、被剥離層203の成膜時に剥離層202の表面が酸化されることにより、剥離
層202と被剥離層203との間に酸化物層211を形成することができる。
【0114】
酸化物層211は剥離層202に含まれる金属の酸化物を含む層である。好ましくは、
タングステン酸化物を含む層とする。
【0115】
タングステン酸化物は一般にWO(3-x)で表記され、代表的にはWO3、W2O5
、W4O11、WO2といった様々な組成をとりうる不定比性化合物である。またチタン
酸化物(TiO(2-x))、やモリブデン酸化物(MoO(3-x))も不定比性化合
物である。
【0116】
この段階における酸化物層211は、酸素を多く含む状態であることが好ましい。例え
ば剥離層202としてタングステンを用いた場合には、酸化物層211がWO3を主成分
とするタングステン酸化物であることが好ましい。
【0117】
ここで、被剥離層203の形成前に、剥離層202の表面に対して一酸化二窒素ガスを
含む雰囲気下でプラズマ処理を施し、剥離層202の表面に予め酸化物層211を形成す
ることもできる。このような方法を用いると、酸化物層211の厚さをプラズマ処理の条
件を異ならせることで変化させることができ、プラズマ処理を行わない場合に比べて酸化
物層211の厚さの制御性を高めることができる。
【0118】
酸化物層211の厚さは、例えば0.1nm以上100nm以下、好ましくは0.5n
m以上20nm以下とする。なお、酸化物層211が極めて薄い場合には、断面観察像で
は確認できない場合がある。
【0119】
この段階における断面概略図が、
図8(A)に相当する。
【0120】
〔加熱処理〕
続いて、加熱処理を行い、酸化物層211を変質させる。
【0121】
加熱処理を行うことにより、被剥離層203から水素が放出され、酸化物層211に供
給される。
【0122】
酸化物層211に供給された水素により、酸化物層211内の金属酸化物が還元され、
酸化物層211中に酸素の組成の異なる領域が複数混在した状態となる。例えば、剥離層
202としてタングステンを用いた場合には、酸化物層211中のWO3が還元されてこ
れよりも酸素の組成の少ない状態(例えばWO2など)が生成され、これらが混在した状
態となる。このような金属酸化物は酸素の組成に応じて異なる結晶構造を示すため、酸化
物層211内に酸素の組成が異なる複数の領域を設けることで酸化物層211の機械的強
度が脆弱化する。その結果、酸化物層211の内部で崩壊しやすい状態が実現され、後の
剥離工程における剥離性を向上させることができる。
【0123】
加熱処理は、被剥離層203から水素が脱離する温度以上、支持基板201の軟化点未
満で行えばよい。また酸化物層211内の金属酸化物と水素の還元反応が生じる温度以上
で行うことが好ましい。例えば、剥離層202にタングステンを用いる場合には、420
℃以上、450℃以上、600℃以上、または650℃以上の温度で加熱する。
【0124】
加熱処理の温度が高いほど、被剥離層203からの水素の脱離量が高まるため、その後
の剥離性を向上させることができる。しかし、支持基板201の耐熱性や、生産性を考慮
して加熱温度を低くしたい場合には、上述のように予め剥離層202に対してプラズマ処
理を施して酸化物層211を形成することにより、加熱処理の温度を低くしても高い剥離
性を実現できる。
【0125】
〔表示部及び配線の形成〕
続いて、被剥離層203上に表示部102、配線111、及び配線114を形成する(
図8(B))。
【0126】
表示部102は少なくとも表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続す
る配線や、表示素子の駆動を制御する回路に用いるトランジスタを備えていてもよい。
【0127】
表示部102に含まれるトランジスタとして、ボトムゲート型のトランジスタを作製す
る場合には、被剥離層203上にゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層、ソース電極及び
ドレイン電極を順に形成することで、トランジスタを作製することができる。
【0128】
なお、トランジスタの構成は、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタな
どを用いてもよい。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ
構造としてもよい。また、チャネルエッチ型のトランジスタ、または、チャネル保護型の
トランジスタを用いてもよい。チャネル保護型の場合、チャネル領域の上にのみ、チャネ
ル保護膜を設けてもよい。または、ソースドレイン電極と半導体層とを接触させる部分の
み開口し、その開口以外の場所にも、チャネル保護膜を設けてもよい。
【0129】
トランジスタのチャネルが形成される半導体層に適用可能な半導体として、例えばシリ
コンやゲルマニウムなどの半導体材料、化合物半導体材料、有機半導体材料、または酸化
物半導体材料を用いてもよい。
【0130】
また、トランジスタに用いる半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体
、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結
晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、ト
ランジスタ特性の劣化が抑制されるため好ましい。
【0131】
例えば上記半導体としてシリコンを用いる場合、アモルファスシリコン、微結晶シリコ
ン、多結晶シリコン、または単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0132】
また、上記半導体として酸化物半導体を用いる場合、インジウム、ガリウム、亜鉛のう
ち少なくともひとつを含む酸化物半導体を用いることが好ましい。代表的にはIn-Ga
-Zn系金属酸化物などが挙げられる。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャ
リア密度の小さい酸化物半導体を用いると、オフ状態におけるリーク電流を抑制できるた
め好ましい。
【0133】
また、表示部102に設けられる表示素子として、一対の電極間に発光性の有機化合物
を含む層を挟持した発光素子を、上記被剥離層203上に形成することにより、フレキシ
ブルな発光装置を作製することもできる。例えば発光素子を有するフレキシブルな照明装
置(又は光源)を作製することもできるし、トランジスタと発光素子や液晶素子のような
表示素子とを含む複数の画素を被剥離層203上に作製することで、画像表示装置を作製
してもよい。フレキシブルな画像表示装置の例については、後の実施の形態で説明する。
【0134】
ここで、配線111及び配線114は、表示部102の一部を構成する配線や電極と同
一の層を加工して形成することが好ましい。例えばトランジスタのゲート電極、ソース電
極、ドレイン電極、発光素子の一部を構成する電極、トランジスタと発光素子とを電気的
に接続する配線などが挙げられる。
【0135】
図8(B)では、配線111を配線111bと配線111aの積層構造とする例を示し
ている。配線111の配線111aのみが形成されている部分が第1の部分に相当し、配
線111の配線111a及び配線111bが積層されている部分が第2の部分に相当する
。また配線114は、配線111の第2の部分と同様の構成である。ここで、例えば配線
111bにトランジスタのゲート電極と同じ材料を用い、配線111aにトランジスタの
ソース電極又はドレイン電極と同じ材料を用いることで、工程を増やすことなく配線11
1を形成することができる。
【0136】
〔貼り合わせ〕
続いて、支持基板201と基板131とを接着層132を介して貼り合わせる(
図8(
C))。
【0137】
基板131としては、可撓性を有する基板を用いることが好ましい。例えばポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの樹脂のほか、
可撓性を有する程度に薄い金属基板、ガラス基板などを用いることができる。または、金
属、ガラス、または樹脂のいずれか2種以上を積層した複合材料を用いてもよい。
【0138】
また、基板131として樹脂を用いる場合には、そのいずれかの面に水などの不純物が
透過しにくいバリア層が設けられていることが好ましい。例えば、酸化シリコン、酸化窒
化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの層が設けられて
いてもよい。
【0139】
接着層132としては、被接着面同士を固着することができればよく、熱硬化樹脂や紫
外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル、ウレタン、エポキシ、またはシ
ロキサン結合を有する樹脂などの樹脂を用いることができる。また、後に基板131を除
去する場合には、水溶性樹脂や有機溶媒に可溶な樹脂などを用いることもできる。
【0140】
〔剥離〕
続いて、酸化物層211を境にして、剥離層202と被剥離層203とを剥離する(図
8(D))。
【0141】
剥離の方法としては、例えば支持基板201または基板131を吸着ステージに固定し
、剥離層202と被剥離層203の間に剥離の起点を形成する。例えば、これらの間に刃
物などの鋭利な形状の器具を差し込むことで剥離の起点を形成してもよい。また一部の領
域にレーザ光を照射し剥離層202の一部を溶解、蒸発、または熱的に破壊させることで
剥離の起点を形成してもよい。また、液体(例えばアルコールや水、二酸化炭素を含む水
など)を剥離層202の端部に滴下し、毛細管現象を利用して該液体を剥離層202と被
剥離層203の境界に浸透させることにより剥離の起点を形成してもよい。
【0142】
次いで、剥離の起点が形成された部分において、密着面に対して該垂直方向に、緩やか
に物理的な力を加えることにより、被剥離層203を破損することなく剥離することがで
きる。このとき、支持基板201または基板131にテープ等を貼り付け、当該テープを
上記方向に引っ張ることで剥離を行ってもよいし、鉤状の部材を支持基板201または基
板131の端部に引っ掛けて剥離を行ってもよい。また、粘着性の部材や真空吸着が可能
な部材を支持基板201または基板131の裏面に吸着させて引っ張ることにより剥離を
行ってもよい。または、粘着性のローラを支持基板201または基板131の裏面に押し
付け、ローラを回転させながら移動することにより剥離を行ってもよい。
【0143】
ここで、剥離時に、剥離界面に水や水溶液など、水を含む液体を添加し、該液体が剥離
界面に浸透するように剥離を行うことで、剥離性を向上させることができる。
【0144】
剥離は主として酸化物層211の内部、及び酸化物層211と剥離層202との界面で
生じる。したがって、
図8(D)に示すように、剥離後の剥離層202の表面及び被剥離
層203の表面には、酸化物層211が付着する場合がある。
図8(D)では、被剥離層
203側に付着した酸化物層211aと、剥離層202側に付着した酸化物層211bを
示している。なお付着した酸化物層211a及び211bのそれぞれの厚さは異なってい
てもよく、上述のように酸化物層211と剥離層202との界面で剥離しやすいことから
被剥離層203側に厚く付着する場合が多い。
【0145】
〔貼り合わせ〕
その後、
図8(E)に示すように被剥離層203の剥離面側に接着層135を介して基
板101を貼り付ける。接着層135及び基板101に用いることのできる材料としては
、それぞれ上記接着層132及び基板131を参酌することができる。
【0146】
〔配線の露出〕
続いて、配線111及び配線114の表面の一部を露出するために、基板131及び接
着層132の一部を除去して開口を形成する(
図8(F))。
【0147】
例えば、基板131に樹脂を用いた場合には、開口する部分の周囲をマスキングテープ
などで覆い、開口する部分に基板131及び接着層132を溶解させる溶剤を滴下し、溶
解した基板131及び接着層132を拭き取ることにより、配線111及び配線114の
一部を露出する開口を形成することができる。または、開口する部分を囲うように、基板
131の上面からカッター等の刃物で切り込みをいれ、基板131及び接着層132を物
理的に引きはがしてもよい。または、レーザ光の照射などにより、基板131及び接着層
132の一部を除去してもよい。
【0148】
以上の工程により、本発明の一態様の表示装置を作製することができる。
【0149】
なお、可撓性を有する基板101上に表示部102、配線111、及び配線114を形
成する方法としては上記に限られず、基板101上に直接表示部102や配線111及び
配線114を形成してもよい。基板101が表示部102や配線111及び配線114の
形成工程に掛かる熱に対して耐熱性を有している場合には、基板101上に直接表示部1
02や配線111及び配線114を形成すると、工程が簡略化できるため好ましい。この
とき、基板101を支持基材に固定した状態で表示部102や配線111及び配線114
を形成すると、これらを形成するための装置内、及び装置間における搬送が容易になるた
め好ましい。
【0150】
また、剥離層及び被剥離層の組み合わせについても、上記に限られず、剥離層と被剥離
層との界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。例えば金属と
樹脂など、密着性の低い材料の組み合わせとしてもよい。
【0151】
また、支持基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい
。例えば、支持基板としてガラスを用い、被剥離層としてポリイミドなどの有機樹脂を用
いて、有機樹脂を加熱することにより、剥離を行ってもよい。または、支持基板と有機樹
脂からなる被剥離層の間に金属層を設け、当該金属層に電流を流して当該金属層を加熱す
ることにより、当該金属層と被剥離層の界面で剥離を行ってもよい。
【0152】
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
【0153】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で例示した表示装置のより具体的な構成例について、
図面を参照して説明する。以下では、有機EL素子が適用された画像表示装置の例につい
て説明する。
【0154】
[表示装置の構成例1]
図9に、上面射出(トップエミッション)方式が採用された表示装置300の断面概略
図を示す。なお、
図9に示す表示装置300の上面概略図は
図1を参酌することができ、
図9は
図1における、表示部102、配線111、及び接続端子112を含む領域を切断
する断面概略図に相当する。
【0155】
表示装置300は、可撓性を有する基板354上に、接着層135を介して被剥離層2
03を有する。また被剥離層203上に、発光素子340を備える画素部103及び駆動
回路104、配線111、及び接続端子112を有する。また、可撓性を有する基板35
3が、封止層352を介して基板354と対向して設けられている。
【0156】
配線111は、厚さの異なる第1の部分121と第2の部分122とを有する。配線1
11の厚さの厚い部分(
図9では第2の部分122)は、後に説明するトランジスタのゲ
ート電極と同一の導電膜と、ソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜の積層構造を有
している。また配線111の厚さの薄い部分(
図9では第1の部分121)は、トランジ
スタのソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜で構成されている。また、配線111
の一部の表面が露出し、接続端子112を構成している。
【0157】
トランジスタや表示素子を構成する電極や配線に用いることのできる材料としては、A
l、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、Ta及びWなどの金
属、または上述の金属を含む合金、または上述の金属の窒化物などを用いることができる
。なお配線111として、トランジスタや表示素子を構成する電極や配線と同一の導電膜
を加工して形成する場合には、多くの場合その厚さが十分に薄いため、延性や展性の乏し
い材料であっても、湾曲に伴う破損や断線を抑制することができる。
【0158】
図9には、駆動回路104の一部として、いずれもnチャネル型のトランジスタ311
とトランジスタ312を組み合わせた回路を有する例を示している。なお、駆動回路10
4はnチャネル型のトランジスタを組み合わせた回路に限られず、nチャネル型のトラン
ジスタとpチャネル型のトランジスタを組み合わせた種々のCMOS回路や、pチャネル
型のトランジスタを組み合わせた回路を有する構成としてもよい。
【0159】
図9には、画素部103の一例として、一画素分の断面構造を示している。画素は、ス
イッチング用のトランジスタ313と、電流制御用のトランジスタ314と、電流制御用
のトランジスタ314の電極(ソース電極又はドレイン電極)に電気的に接続された第1
の電極333を含む。また第1の電極333の端部を覆う絶縁層319が設けられている
。
【0160】
発光素子340は、絶縁層317上に第1の電極333、EL層335、第2の電極3
37が順に積層された積層体である。本構成例で例示する表示装置300は、上面発光方
式が適用された表示装置であるため、第2の電極337に透光性の材料を用いる。また第
1の電極333には反射性の材料を用いることが好ましい。EL層335は少なくとも発
光性の有機化合物を含む。EL層335を挟持する第1の電極333と第2の電極337
の間に電圧を印加し、EL層335に電流を流すことにより、発光素子340を発光させ
ることができる。
【0161】
可撓性を有する基板353の、基板354と対向する面上には、接着層342を介して
被剥離層343を有する。また被剥離層343上の発光素子340と対向する位置にカラ
ーフィルタ321を有し、絶縁層319と重なる位置にブラックマトリクス322を有す
る。被剥離層343は、被剥離層203と同様の材料からなる層である。
【0162】
なお、基板353の基板354と対向しない面上には、透明導電膜からなる配線によっ
て、タッチセンサを形成してもよい。また、基板353および基板354とは別の可撓性
を有する基板上に形成されたタッチセンサを、光射出側の基板に重ねて設けてもよい。ま
た、光学センサを備えるタッチセンサを適用する場合には、画素部103に複数の光電変
換素子をマトリクス状に配置する。
【0163】
被剥離層203及び被剥離層343は、それぞれ基板354または基板353に含まれ
る不純物が拡散することを抑制する機能を有することが好ましい。また、トランジスタの
半導体層に接する絶縁層316及び絶縁層318は、半導体層への不純物の拡散を抑制す
ることが好ましい。これらの絶縁層には、例えばシリコンなどの半導体やアルミニウムな
どの金属の、酸化物または窒化物を用いることができる。また、このような無機絶縁材料
の積層膜、または無機絶縁材料と有機絶縁材料の積層膜を用いてもよい。
【0164】
上記無機絶縁材料としては、例えば窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化ア
ルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、窒化シリコン、
酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化タンタル等から選ばれた材料を用いることがで
きる。また上記材料を単層で又は積層して用いてもよい。なお、本明細書中において、窒
化酸化とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、酸化窒化と
は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示す。なお、各元素の含有量
は、例えば、ラザフォード後方散乱分析法(RBS分析法:Rutherford Ba
ckscattering Spectrometry)等を用いて測定することができ
る。また、上記無機絶縁材料として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、窒素が添
加されたハフニウムシリケート(HfSixOyNz)、窒素が添加されたハフニウムア
ルミネート(HfAlxOyNz)、酸化ハフニウム、酸化イットリウム等のhigh-
k材料を用いてもよい。
【0165】
ここで、被剥離層343は、実施の形態2で例示した方法を応用して作製することがで
きる。すなわち、支持基板上に剥離層、酸化物層及び被剥離層343を形成し、被剥離層
343上にカラーフィルタ321及びブラックマトリクス322を形成した後に剥離を行
い、その後被剥離層343の裏面側に接着層342を介して基板353を貼り付けること
により
図9に示す構成を得ることができる。
【0166】
また、
図9に示すように、被剥離層203と接着層135の間、または被剥離層343
と接着層342の間に、酸化物層211aまたは酸化物層341を有していてもよい。酸
化物層211a及び酸化物層341は極めて薄く、且つ透光性を有するため、発光素子3
40からの発光の取り出し側に設けられていても、発光効率を低下させる恐れはほとんど
ない。
【0167】
ここで、トランジスタなどが形成された被剥離層203とカラーフィルタ321等が形
成された被剥離層343とを、封止層352により貼り合わせる際、それぞれ剥離を行う
前に支持基板上に設けられた状態で貼り合わせを行い、貼り合わせ後にそれぞれの支持基
板から剥離を行うことが好ましい。特に高精細な画素部103を有する表示装置のように
、カラーフィルタ321と画素との位置合わせに高い精度が要求される場合では、ガラス
基板などの支持基板に固定された状態で貼り合わせを行うことで、高い精度でこれらの位
置あわせを行うことができる。このような方法により、高精細が実現されたフレキシブル
な表示装置を実現できる。
【0168】
なお、
図9では、表示素子として発光素子を用いた場合を示した。ただし、本発明の一
態様はこれに限定されない。表示素子として、液晶素子や、電気泳動素子(電子ペーパ)
などを用いることも可能である。電気泳動素子を用いる場合、バックライトが不要である
ため、フレキシブルな表示装置の一態様として好適である。
【0169】
[表示装置の構成例2]
本構成例では、下面射出(ボトムエミッション)方式が採用された表示装置について説
明する。なお、上記構成例1と重複する部分については説明を省略する。
【0170】
図10は、本構成例で例示する表示装置350の断面概略図である。
【0171】
表示装置350は主に、以下の点において構成例1で例示した表示装置300と相違し
ている。表示装置350は、発光素子340よりも基板354側にカラーフィルタ321
を有している。また、可撓性を有する基板353が直接、封止層352に接して設けられ
、上記表示装置300における被剥離層343や接着層342を有していない。
【0172】
発光素子340において、第1の電極333には透光性の材料を用い、第2の電極33
7には反射性の材料を用いる。したがって、EL層335からの発光は、基板354側に
射出される。
【0173】
また、トランジスタを覆う絶縁層318上の、発光素子340と重なる位置にカラーフ
ィルタ321が設けられている。さらに、カラーフィルタ321を覆って絶縁層317が
設けられている。
【0174】
ここで、基板353としては、基板353よりも外側から水などの不純物が透過しない
材料を用いることが好ましい。または、基板353の封止層352と接する面に、上述し
た不純物が拡散することを抑制する機能を有する絶縁材料を含む膜が設けられていること
が好ましい。
【0175】
[材料及び形成方法について]
以下では、上述した各要素に用いることのできる材料、及び形成方法について説明する
。
【0176】
〔可撓性を有する基板〕
可撓性を有する基板の材料としては、有機樹脂や可撓性を有する程度に薄いガラス材料
などを用いることができる。
【0177】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN
)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタ
クリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂
、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好まし
く、例えば、熱膨張係数が30×10-6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(
プリプレグとも記す)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使
用することもできる。
【0178】
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強
度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のこ
とを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリア
ミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラ
ス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布
または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を可撓
性を有する基板として用いても良い。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる
構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好まし
い。
【0179】
発光素子340からの光を取り出す側の可撓性を有する基板には、EL層335からの
発光に対して透光性を有する材料を用いる。光射出側に設ける材料において、光の取り出
し効率向上のためには、可撓性及び透光性を有する材料の屈折率は高い方が好ましい。例
えば、有機樹脂に屈折率の高い無機フィラーを分散させることで、該有機樹脂のみからな
る基板よりも屈折率の高い基板を実現できる。特に粒子径40nm以下の小さな無機フィ
ラーを使用すると、光学的な透明性を失わないため、好ましい。
【0180】
また、光射出側とは反対側に設ける基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記
に挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属基板の厚さは、可撓性や曲
げ性を得るために、10μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下
であることが好ましい。金属基板を構成する材料としては特に限定はないが、例えば、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、または、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合
金などを好適に用いることができる。光を取り出さない側の可撓性を有する基板に、金属
または合金材料を含む導電性の基板を用いると、発光素子340からの発熱に対する放熱
性が高まるため好ましい。
【0181】
また、導電性を有する基板を用いる場合には、基板の表面を酸化する、または表面に絶
縁膜を形成するなどし、絶縁処理が施された基板を用いることが好ましい。例えば、電着
法、スピンコート法やディップ法などの塗布法、スクリーン印刷法などの印刷法、蒸着法
やスパッタリング法など堆積法などの方法を用いて導電性の基板表面に絶縁膜を形成して
もよいし、酸素雰囲気下で放置または加熱する方法や、陽極酸化法などの方法により、基
板の表面を酸化してもよい。
【0182】
また、可撓性を有する基板の表面に凹凸形状を有する場合、当該凹凸形状を被覆して平
坦化した絶縁表面を形成するために平坦化層を設けてもよい。平坦化層としては絶縁性の
材料を用いることができ、有機材料または無機材料で形成することができる。例えば、平
坦化層は、スパッタリング法などの堆積法、スピンコート法やディップ法などの塗布法、
インクジェット法やディスペンス法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法等を用
いて形成することができる。
【0183】
また、可撓性を有する基板として、複数の層を積層した材料を用いることもできる。例
えば有機樹脂からなる層を2種類以上積層した材料、有機樹脂からなる層と無機材料から
なる層を積層した材料、無機材料からなる層を2種類以上積層した材料などを用いる。無
機材料からなる層を設けることにより、水分等の内部への浸入が抑制されるため、発光装
置の信頼性を向上させることができる。
【0184】
上記無機材料としては、金属や半導体の酸化物材料や窒化物材料、酸窒化材料などを用
いることができる。例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミ
ニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムなどを用いればよい。
【0185】
例えば、有機樹脂からなる層と無機材料からなる層を積層する場合、有機樹脂からなる
層の上層または下層に、スパッタリング法、CVD法または塗布法などにより、上記無機
材料からなる層を形成することができる。
【0186】
〔発光素子〕
発光素子340において、光射出側に設ける電極にはEL層335からの発光に対して
透光性を有する材料を用いる。
【0187】
透光性を有する材料としては、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ、酸化インジ
ウム酸化亜鉛、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いることができる。また
は、グラフェンを用いても良い。また、上記電極の導電層として、金、銀、白金、マグネ
シウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム
、またはチタンなどの金属材料や、これらを含む合金を用いることができる。または、こ
れら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いても良い。なお、金属材料(ま
たはその窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記
材料の積層膜を上記電極の導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウム
の合金と酸化インジウム酸化スズの積層膜などを用いると、導電性を高めることができる
ため好ましい。
【0188】
このような電極は、蒸着法や、スパッタリング法などにより形成する。そのほか、イン
クジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、またはメッキ法を用いて形
成することができる。
【0189】
なお、透光性を有する上述の導電性酸化物をスパッタリング法によって形成する場合、
当該導電性酸化物を、アルゴン及び酸素を含む雰囲気下で成膜すると、透光性を向上させ
ることができる。
【0190】
また導電性酸化物膜をEL層上に形成する場合、酸素濃度が低減されたアルゴンを含む
雰囲気下で成膜した第1の導電性酸化物膜と、アルゴン及び酸素を含む雰囲気下で成膜し
た第2の導電性酸化物膜の積層膜とすると、EL層への成膜ダメージを低減させることが
できるため好ましい。ここで特に第1の導電性酸化物膜を成膜する際に用いるアルゴンガ
スの純度が高いことが好ましく、例えば露点が-70℃以下、好ましくは-100℃以下
のアルゴンガスを用いることが好ましい。
【0191】
光射出側とは反対側に設ける電極には、EL層335からの発光に対して反射性を有す
る材料を用いることが好ましい。
【0192】
光反射性を有する材料としては、例えばアルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タン
グステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属、または
これらを含む合金を用いることができる。またこれら金属または合金にランタンやネオジ
ム、ゲルマニウムなどを添加してもよい。そのほか、アルミニウムとチタンの合金、アル
ミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金などのアルミニウムを含む合
金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、銀とマグネシウ
ムの合金などの銀を含む合金を用いることもできる。銀と銅を含む合金は耐熱性が高いた
め好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接して金属膜、または金属酸化物膜を積層す
ることで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸化物膜
の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記透光性を有する材料
からなる膜と金属材料からなる膜とを積層しても良い。例えば、銀と酸化インジウム酸化
スズの積層膜、銀とマグネシウムの合金と酸化インジウム酸化スズの積層膜などを用いる
ことができる。
【0193】
このような電極は、蒸着法や、スパッタリング法などにより形成する。そのほか、イン
クジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、またはメッキ法を用いて形
成することができる。
【0194】
EL層335は、少なくとも発光性の有機化合物を含む層(以下、発光層ともいう)を
含めば良く、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されていてもよい。複数の層
で構成されている構成としては、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送
層、並びに電子注入層が積層された構成を例に挙げることができる。なお、発光層を除く
これらの層はEL層335中に必ずしも全て設ける必要はない。また、これらの層は重複
して設けることもできる。具体的にはEL層335中に複数の発光層を重ねて設けてもよ
く、電子注入層に重ねて正孔注入層を設けてもよい。また、中間層として電荷発生層の他
、電子リレー層など他の構成を適宜加えることができる。また、例えば、異なる発光色を
呈する発光層を複数積層する構成としてもよい。例えば補色の関係にある2以上の発光層
を積層することにより白色発光を得ることができる。
【0195】
EL層335は、真空蒸着法、またはインクジェット法やディスペンス法などの吐出法
、スピンコート法などの塗布法を用いて形成できる。
【0196】
〔接着層、封止層〕
接着層、封止層としては、例えば、二液混合型樹脂などの常温で硬化する樹脂、熱硬化
性樹脂、光硬化性樹脂などの硬化性材料や、ゲルなどを用いることができる。例えば、エ
ポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリビニル
クロライド(PVC)、ポリビニルブチラル(PVB)、エチレンビニルアセテート(E
VA)などを用いることができる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい
。
【0197】
また接着層、封止層には乾燥剤が含まれていても良い。例えば、アルカリ土類金属の酸
化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物
質を用いることができる。その他の乾燥剤として、ゼオライトやシリカゲル等のように、
物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。また、粒状の乾燥剤を設けること
により、当該乾燥剤により発光素子340からの発光が乱反射されるため、信頼性が高く
、且つ視野角依存性が改善した発光装置(特に照明用途等に有用)を実現できる。
【0198】
〔カラーフィルタ及びブラックマトリクス〕
カラーフィルタ321は、発光素子340からの発光色を調色し、色純度を高める目的
で設けられている。例えば、白色発光の発光素子を用いてフルカラーの表示装置とする場
合には、異なる色のカラーフィルタを設けた複数の画素を用いる。その場合、赤色(R)
、緑色(G)、青色(B)の3色のカラーフィルタを用いてもよいし、これに黄色(Y)
を加えた4色とすることもできる。また、R、G、B、(及びY)に加えて白色(W)の
画素を用い、4色(または5色)としてもよい。
【0199】
また、隣接するカラーフィルタ321の間には、ブラックマトリクス322が設けられ
ている。ブラックマトリクス322は隣接する画素の発光素子340から回り込む光を遮
光し、隣接画素間における混色を抑制する。ここで、カラーフィルタ321の端部を、ブ
ラックマトリクス322と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができ
る。ブラックマトリクス322は、発光素子340からの発光を遮光する材料を用いるこ
とができ、金属や、顔料を含む有機樹脂などを用いて形成することができる。なお、ブラ
ックマトリクス322は、駆動回路104などの画素部103以外の領域に設けてもよい
。
【0200】
また、カラーフィルタ321及びブラックマトリクス322を覆うオーバーコートを設
けてもよい。オーバーコートは、カラーフィルタ321やブラックマトリクス322を保
護するほか、これらに含まれる不純物が拡散することを抑制する。オーバーコートは発光
素子340からの発光を透過する材料から構成され、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いるこ
とができる。
【0201】
以上が材料及び形成方法についての説明である。
【0202】
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
【0203】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置を備える電子機器の例について説明する
。
【0204】
本発明の一態様の表示装置は、表示面を湾曲させることができる。このような表示装置
を組み込むことのできる電子機器としては、例えばテレビジョン装置(テレビ、またはテ
レビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタル
ビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう
)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機など
が挙げられる。また、照明や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装
または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
【0205】
図11(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体740
1に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、
スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、本
発明の一態様の表示装置を表示部7402に用いることにより作製される。
【0206】
図11(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、
情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆ
る操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
【0207】
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示
される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニ
ュー画面に切り替えることができる。
【0208】
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示面に沿った表示を行うことができ、且つ信頼性の高い携帯電話機とす
ることができる。
【0209】
図11(B)は、リストバンド型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置710
0は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置7104を
備える。
【0210】
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信し
た映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信
することもできる。
【0211】
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
【0212】
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
【0213】
図11(C)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200
は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7
205、入出力端子7206などを備える。
【0214】
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、イン
ターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することがで
きる。
【0215】
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行う
ことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面
に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7
207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
【0216】
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オ
フ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を
持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーションシ
ステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
【0217】
また、携帯情報端末7200は、近距離無線通信を実行することが可能である。例えば
無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話すること
もできる。
【0218】
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクタを
介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電
を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行
ってもよい。
【0219】
携帯情報端末7200の表示部7202に、本発明の一態様の表示装置を適用すること
ができる。
【0220】
本実施の形態で例示した電子機器の表示部に、本発明の一態様の表示装置を適用できる
。したがって、信頼性が高く、曲面に沿った表示が可能で、且つ狭額縁の電子機器を実現
できる。
【0221】
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
【符号の説明】
【0222】
100 表示装置
101 基板
102 表示部
103 画素部
104 駆動回路
104a 駆動回路
104b 駆動回路
104c 駆動回路
104d 駆動回路
104e 駆動回路
104f 駆動回路
104g 駆動回路
104h 駆動回路
110 湾曲部
111 配線
111a 配線
111b 配線
112 接続端子
113 IC
114 配線
120 湾曲部
121 第1の部分
122 第2の部分
131 基板
132 接着層
133 ACF
134 バンプ
135 接着層
141 曲面
142 接線
143 湾曲方向
144 線
145 被形成面
151 配線
201 支持基板
202 剥離層
203 被剥離層
211 酸化物層
211a 酸化物層
211b 酸化物層
300 表示装置
311 トランジスタ
312 トランジスタ
313 トランジスタ
314 トランジスタ
316 絶縁層
317 絶縁層
318 絶縁層
319 絶縁層
321 カラーフィルタ
322 ブラックマトリクス
333 電極
335 EL層
337 電極
340 発光素子
341 酸化物層
342 接着層
343 被剥離層
350 表示装置
352 封止層
353 基板
354 基板
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 送受信装置
7200 携帯情報端末
7201 筐体
7202 表示部
7203 バンド
7204 バックル
7205 操作ボタン
7206 入出力端子
7207 アイコン
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク