(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】LIDARの視野を変更するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20231102BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20231102BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
G01S17/931
(21)【出願番号】P 2022510089
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 US2020047133
(87)【国際公開番号】W WO2021050233
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-04-07
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
(72)【発明者】
【氏名】スラック,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】スーリエール,ジョナサン
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0293263(US,A1)
【文献】特開2012-103227(JP,A)
【文献】特開2000-56019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
17/00 - 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両システムであって、
デフォルトの視野内の物体を示す情報を提供するように、前記
車両の環境に
向けて光パルスを放射するように構成されたライダーシステムであって、
第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、
前記回転可能なベースに結合され、第2の軸を中心に回転するように構成された回転可能なミラーと、
前記光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源であって、前記放射された光パルスが前記環境と相互作用して戻り光パルスを提供する、少なくとも1つの光源と、
前記戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された、少なくとも1つの検出器と、を含む、ライダーシステムと、
前記ライダーシステムに光学的に結合された反射面であって、前記反射面が、
前記第1の軸と平行ではない面を含み、拡張された視野を提供するように前記放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されており、前記ライダーシステムが、前記拡張された視野内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている、反射面と、を備える、
車両システム。
【請求項2】
前記拡張された視野と前記デフォルトの視野とが、完全には重なっていない、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項3】
前記デフォルトの視野が、
前記デフォルトの視野外の領域である少なくとも1つのブラインド領域を画定し、前記拡張された視野が前記少なくとも1つのブラインド領域の少なくとも一部分と重なっている、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項4】
前記反射面が、平面ミラー、凸面ミラー、凹面ミラー、または多面ミラーアレイのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項5】
前記光パルスが、λの波長を有する光を含み、前記反射面が、光干渉法を用いて測定した場合にλ~λ/100の平坦度を有する平面ミラーを含む、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項6】
前記反射面が、前記ライダーシステムの2フィート以内に配設されている、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを含むコントローラをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つのメモリに記憶された命令を実行して、
前記少なくとも1つの光源に前記光パルスを放射させることと、
前記デフォルトの視野からの前記戻り光パルス
を、第1の検出された光信号として受信することと、
前記拡張された視野からの前記戻り光パルス
を、第2の検出された光信号として受信することと、
前記第1の検出された光信号および前記第2の検出された光信号に基づいて、前記デフォルトの視野内および前記拡張された視野内の物体を示す点群を決定することと、を含む動作を行う、請求項1に記載の
車両システム。
【請求項8】
前記動作が、
反射マップ
データを受信することをさらに含み、前記反射マップ
データは、前記反射面が前記光パルスを前記拡張された視野にどのように反射するかに関する反射情報を含み、前記点群を決定することが、前記反射マップ
データにさらに基づいている、請求項7に記載の
車両システム。
【請求項9】
前記反射情報が、前記反射面の角度、前記反射面の姿勢、または前記反射面の表面曲率のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の
車両システム。
【請求項10】
方法であって、
ライダーシステムの少なくとも1つの光源に、光パルスを、
デフォルトの視野に向けて、および
前記光パルスの一部分を拡張された視野に向けて反射するように構成された反射面に向けて、
放射させることであって、前記放射された光パルスが、前記ライダーシステムの環境と相互作用して戻り光パルスを提供し、
前記ライダーシステムが、
第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、
前記回転可能なベースに結合され、第2の軸を中心に回転するように構成された回転可能なミラーと、
前記光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源であって、前記放射された光パルスが前記環境と相互作用して戻り光パルスを提供する、少なくとも1つの光源と、
前記戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された、少なくとも1つの検出器と、を含
み、
前記反射面が、前記第1の軸と平行ではない面を含む、ことと、
前記デフォルトの視野からの前記戻り光パルスを、第1の検出された光信号として受信することと、
前記拡張された視野からの前記戻り光パルス
を、第2の検出された光信号として受信することと、
点群データを送信することであって、前記点群データが、前記第1の検出された光信号および前記第2の検出された光信号に基づいており、かつ前記デフォルトの視野内および前記拡張された視野内の物体を示してい
ることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記拡張された視野と前記デフォルトの視野とが、完全には重なっていない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記デフォルトの視野が
、前記デフォルトの視野外の領域である少なくとも1つのブラインド領域を画定し、前記拡張された視野が、前記少なくとも1つのブラインド領域の少なくとも一部分と重なっている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
反射マップ
データを受信することをさらに含み、前記反射マップ
データは、前記反射面が前記光パルスを前記拡張された視野にどのように反射するかに関する反射情報を含み、前記点群
データが、前記反射マップ
データにさらに基づいている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記反射情報が、前記反射面の角度、前記反射面の姿勢、または前記反射面の表面曲率のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
車両であって、
デフォルトの視野内の物体を示す情報を提供するように、前記車両の環境に
向けて光パルスを放射するように構成されたライダーシステムであって、
第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、
前記回転可能なベースに結合され、第2の軸を中心に回転するように構成された回転可能なミラーと、
前記光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源であって、前記放射された光パルスが前記環境と相互作用して戻り光パルスを提供する、少なくとも1つの光源と、
前記戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された、少なくとも1つの検出器と、を含む、ライダーシステムと、
前記ライダーシステムに光学的に結合された反射面であって、前記反射面が、
前記第1の軸と平行ではない面を含み、拡張された視野を提供するように前記放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されており、前記ライダーシステムが、前記拡張された視野内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている、反射面と、を備える、車両。
【請求項16】
前記反射面が、前記車両の
ボディの一部分を含む、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記反射面が、前記車両のバックミラーまたは前記車両のサイドミラーのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の車両。
【請求項18】
前記ライダーシステムが、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを含むコントローラを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つのメモリに記憶された命令を実行して、
前記少なくとも1つの光源に前記光パルスを放射させることと、
前記デフォルトの視野からの前記戻り光パルス
を、第1の検出された光信号として受信することと、
前記拡張された視野からの前記戻り光パルス
を、第2の検出された光信号として受信することと、
点群データを送信することであって、前記点群データが、前記第1の検出された光信号および前記第2の検出された光信号に基づいており、かつ前記デフォルトの視野内および前記拡張された視野内の物体を示してい
ることと、
反射マップデータを受信することであって、前記反射マップ
データは、前記反射面が前記光パルスを前記拡張された視野にどのように反射するかに関する反射情報を含み、前記点群データが、前記反射マップ
データにさらに基づいており、前記反射情報が、前記反射面の角度、前記反射面の姿勢、または前記反射面の表面曲率のうちの少なくとも1つを含
むことと、を含む動作を行う、請求項15に記載の車両。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを含むコントローラをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つのメモリに記憶された命令を実行して、
前記少なくとも1つの光源に前記光パルスを放射させることと、
前記デフォルトの視野からの前記戻り光パルス
を、第1の検出された光信号として受信することと、
前記拡張された視野からの前記戻り光パルス
を、第2の検出された光信号として受信することと、
前記戻り光パルスに基づいて、1つ以上の階段状物体を判定することと、
前記1つ以上の階段状物体を判定することに応じて、前記車両の操作挙動を調整することと、を含む動作を行う、請求項15に記載の車両。
【請求項20】
前記反射面が、前記ライダーシステムの2フィート以内に配設されている、請求項15に記載の車両。
【請求項21】
前記拡張された視野の少なくとも一部分が前記ライダーシステムの上に
わたる、請求項15に記載の車両。
【請求項22】
前記拡張された視野の少なくとも一部分が前記ライダーシステムの下に
わたる、請求項15に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月13日に出願された米国特許出願第16/569,872号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の光検出および測距(LIDARまたはライダー)システムは、発光送信機(例えば、レーザダイオード)を利用して、環境に光パルスを放射することができる。環境内の物体と相互作用する(例えば、物体から反射する)放射された光パルスは、LIDARシステムの受信機(例えば、光検出器)によって受信することができる。環境内の物体に関する距離情報は、光パルスが放射された最初の時間と反射された光パルスが受信された後続の時間との間の時間差に基づいて決定することができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、環境に関する情報を取得するように構成され得る、光検出および測距(LIDARまたはライダー)システムに関する。かかるライダーのデバイスは、自律型および半自律型の自動車、トラック、オートバイ、およびそれぞれの環境内で移動することができる他のタイプの車両などの車両に実装することができる。
【0004】
第1の態様では、システムが提供される。システムは、デフォルトの視野内の物体を示す情報を提供するために、システムの環境に光パルスを放射するように構成された、ライダーシステムを含む。ライダーシステムは、第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、この回転可能なベースに結合された回転可能なミラーとを含む。回転可能なミラーは、第2の軸を中心に回転するように構成されている。ライダーシステムはまた、光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源を含む。放射された光パルスは、環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。ライダーシステムは、戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器をさらに含む。システムはまた、ライダーシステムに光学的に結合された反射面も含む。反射面は、拡張された視野を提供するために、放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されている。ライダーシステムは、拡張された視野内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている。
【0005】
第2の態様では、方法が提供される。本方法は、ライダーシステムの少なくとも1つの光源に、光パルスを、デフォルトの視野に向けて、および光パルスの一部分を拡張された視野に向けて反射するように構成された反射面に向けて、放射させることを含む。ライダーシステムは、第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、この回転可能なベースに結合された回転可能なミラーとを含む。回転可能なミラーは、第2の軸を中心に回転するように構成されている。ライダーシステムはまた、光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源を含む。放射された光パルスは、環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。ライダーシステムは、戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器をさらに含む。放射された光パルスは、ライダーシステムの環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。本方法はまた、デフォルトの視野からの戻り光パルスの少なくとも第1の部分を、第1の検出された光信号として受信することも含む。本方法は、拡張された視野からの戻り光パルスの少なくとも第2の部分を、第2の検出された光信号として受信することをさらに含む。さらにまた、本方法は、点群データを送信することを含み、点群データは、第1の検出された光信号および第2の検出された光信号に基づいており、かつデフォルトの視野および拡張された視野内の物体を示す。
【0006】
第3の態様では、車両が提供される。車両は、デフォルトの視野内の物体を示す情報を提供するために、車両の環境に光パルスを放射するように構成された、ライダーシステムを含む。ライダーシステムは、第1の軸を中心に回転するように構成された回転可能なベースと、この回転可能なベースに結合された回転可能なミラーとを含む。回転可能なミラーは、第2の軸を中心に回転するように構成されている。ライダーシステムはまた、光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源を含む。放射された光パルスは、環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。ライダーシステムは、戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器をさらに含む。車両は、ライダーシステムに光学的に結合された反射面をさらに含む。反射面は、拡張された視野を提供するために、放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されている。ライダーシステムは、拡張された視野内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている。
【0007】
他の態様、実施形態、および実施態様は、添付図面を適宜参照して、以下の詳細な説明を読み取ることによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2A】例示的な実施形態による、ライダーシステムを示す。
【
図2B】例示的な実施形態による、ライダーシステムを示す。
【
図2C】例示的な実施形態による、
図2Aのライダーシステムの一部分を示す。
【
図2D】例示的な実施形態による、ライダーシステムを示す。
【
図6】例示的な実施形態による、動作シナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、例示的な方法、デバイス、およびシステムについて記載する。「例」および「例示的」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明されるいずれの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱しない限り、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0010】
したがって、本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。本開示の態様は、本明細書に概して記載され、図に示されているように、多種多様な異なる構成で配列、置き換え、組み合わせ、分離、および設計することができ、それらのすべてが、本明細書で企図される。
【0011】
さらに、文脈上特段の示唆がある場合を除き、各図に示された特徴を、互いに組み合わせて使用することができる。したがって、図面は概して、1つ以上の実施形態全体のうちの構成要素の態様としてみなされ、図示された特徴のすべてが必ずしも各実施形態に必要であるとは限らないことを理解されたい。
【0012】
I.概要
自律車両および半自律車両は、ライダーポイントマップに基づいて車両の環境をマップに精密に示すことにより、ナビゲーション用の三次元(3D)ライダーシステムを利用することができる。しかしながら、従来のライダーには、見下ろすことができる高度の限られた範囲などの「盲点」があり、スキャンされないライダーの下に、円錐状または他の領域が残っている可能性がある。
【0013】
例示的なライダーシステムは、回転可能なミラーアセンブリおよび光共振器を含む。光共振器には、少なくとも1つの発光デバイス、少なくとも1つの光検出器、およびそれぞれの光学素子(例えば、レンズ)が含まれる。発光デバイスは、光パルスを環境に向け直すようにするため、回転可能なミラーアセンブリと相互作用する発光軸に沿って光パルスを放射し得る。環境からライダーに向かって反射して戻る光パルスは、ターゲットまでの距離(範囲)を決定するために、光検出器によって受光軸に沿って受信され、かつ距離の測定値を表す点群を形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、光パルスは、ライダーシステムのハウジングの対向する側で2つの窓を通して放射され得る。いくつかの実施形態では、光パルスを利用する感知デバイスについて説明し得るが、連続波光(例えば、連続波の飛行時間(TOF))システムを利用する他のタイプの三次元感知技術が可能であり、企図されることが理解されよう。
【0014】
例示的な実施形態では、光共振器は、実質的に垂直な第1の回転軸を中心に回転するように構成された、回転可能なベースに結合され得る。ミラーアセンブリは、第1の回転軸と一致し、かつ実質的に垂直な第2の回転軸を中心に回転するように構成され得る。
【0015】
かかるライダーシステムでは、ライダー点群のセグメントが、支持構造(例えば、車両のライダーシステムを支持する構造)、またはライダーが適用されているアプリケーションにとって関心のない他の特徴に合わせられる可能性がある。例えば、いくつかのシナリオでは、一部の光パルスは、ライダーの環境の静的な(例えば、変化していない)部分または以前に特徴付けられた部分に向けられる場合がある。本明細書に記載するように、反射面、または環境の異なる部分に向けられたミラーを用いて有益な点群情報を向け直すことによって、これらの「関心のない」光パルスから、これらの有益な点群情報を回収することができる。本明細書に記載するように、「点群」という用語は、ライダーおよび/または生の距離データ自体によって提供された距離情報の視覚化を含み得る。いくつかの実施形態では、かかる範囲データがライダーデバイス自体に記憶される必要はなく、かつかかる視覚化がライダーデバイス自体によって提供される必要はないことが理解されよう。
【0016】
本明細書に記載するシステムおよび方法は、スキャナが目を向けている車両構造または支持構造の「死角」を活用することができる。かかるシナリオでは、光パルスを環境内の関心のある特徴に向け直すことができる。
【0017】
本明細書に開示されるライダーシステムは、マシンビジョンおよび/または知覚アプリケーションにおいて、またはそれらと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、輸送用途(例えば、半自律車両または完全自律車両)またはロボット、セキュリティ、測量、農業、鉱業、建設、海洋、UAV、および/または倉庫関連用途に利用することができる。
【0018】
II.例示的なシステム
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を示す。システム100は、デフォルトの視野102内の物体を示す情報を提供するためにシステムの環境に光パルスを放射するように構成された、ライダーシステム200を含む。システム100は、ライダーシステム200に光学的に結合された反射面180も含む。反射面180は、拡張された視野182を提供するために、放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されている。ライダーシステム200は、拡張された視野182内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている。
【0019】
ライダーシステム200は、本明細書においてはレーザベースの測距システムであると説明されているが、他のタイプの三次元センサがシステム100で利用され得ることが理解されよう。例えば、システム100は、別のタイプのレーザ飛行時間型システム、ステレオカメラ、またはテクスチャプロジェクタを備えるカメラと共に利用することができる。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態では、ライダーシステム200は、第1の軸を中心に回転するように構成された、回転可能なベース110を含み得る。回転可能なベース110は、ベース駆動装置112を含み得るか、またはベース駆動装置112と結合され得る。いくつかの実施形態では、ベース駆動装置112は、ブラシレスモータ、直流(DC)モータ、または別のタイプの回転駆動装置であってもよい。いくつかの例では、回転可能なベース110は、第1の軸を中心に毎分200回転(RPM)~800RPMで回転するように構成され得る。回転可能なベース110が他の回転速度で動作し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、ベース駆動装置112は、コントローラ150によって制御されて、所望の回転速度で回転することができる。いくつかの実施形態では、ライダーシステム200は回転可能なベースを含む必要はない。かかるシナリオでは、第1の軸に対してライダーシステム200の1つ以上の要素が配置され得る。ただし、かかる場合、ライダーシステム200の要素は、第1の軸を中心に回転する必要はない。したがって、かかる実施形態では、ライダーシステム200は、他の可能性の中でもとりわけラインスキャン用途で利用され得る。
【0021】
ライダーシステム200はまた、ミラーアセンブリ130も含む。ミラーアセンブリ130は、第2の軸を中心に回転するように構成されている。かかるシナリオでは、第2の軸は、第1の軸に実質的に垂直であり得る(例えば、垂線から0~10度以内)。いくつかの実施形態では、ミラーアセンブリ130は、複数の反射面132を含む。さらに、ミラーアセンブリ130は、シャフト134と、複数の反射面132を取り付けるように構成された多面ミラーとを含むことができる。また、ミラーアセンブリ130はミラー駆動装置136も含むことができ、ミラー駆動装置136は、ブラシレスモータ、DCモータ、または別のタイプの回転駆動装置であり得る。かかるシナリオでは、ミラー駆動装置136はシャフト134に結合されている。いくつかの実施形態では、ミラー駆動装置136は、多面ミラーを第2の軸を中心に20,000PRM~40,000PRMの回転速度で回転させるように構成され得る。ミラー駆動装置136は、様々な回転速度または所望の回転速度で動作することができ、これがコントローラ150で制御され得ることが理解されよう。
【0022】
かかるシナリオでは、複数の反射面132は、ミラーアセンブリ130の少なくとも一部分が三角プリズム形状を有するように、第2の軸を中心に対称に配置された3つの反射面を含み得る。ミラーアセンブリ130が、4つ以上または2つ以下の反射面を含んでもよいことが理解されよう。したがって、ミラーアセンブリ130は、4つ以上または2つ以下の反射面を有する多面プリズム形状として成形することができる。例えば、ミラーアセンブリ130は、4つの反射面を有してもよい。かかるシナリオでは、ミラーアセンブリ130は、正方形または長方形の断面を有し得る。
【0023】
ライダーシステム200は、回転可能なベース110に結合された光共振器120をさらに含む。かかるシナリオでは、光共振器120は、受光軸を画定するように配置された光検出器122と光検出器レンズ124とを含む。このように、光検出器122および光検出器レンズ124の配置は、受光軸を提供する。いくつかの実施形態では、光検出器122は、シリコン光電子増倍管(SiPM)を含む。ただし、アバランシェフォトダイオード(APD)などの他のタイプの光検出器が企図される。さらに、光検出器122は、本明細書においては単数形で説明されているが、焦点面アレイなどの複数の光検出器を組み込んだシステムも可能であり、企図されることが理解されよう。
【0024】
例示的な実施形態では、光検出器122は、コントローラ150に出力信号を提供し得る。例えば、出力信号は、環境の視野の所与の部分に向けた所与の光パルスの飛行時間を示す情報を含むことができる。追加的または代替的に、出力信号は、環境の範囲マップまたは点群の少なくとも一部分を示す情報を含むことができる。
【0025】
ライダーシステム200はまた、発光軸を画定するように配置された発光デバイス126と発光レンズ128とを含む。発光デバイス126は、レーザダイオードまたは別のタイプの発光体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発光デバイス126は、発光デバイス126に1つ以上のレーザ光パルスを放射させるように動作可能なレーザパルサ回路に結合することができる。かかるシナリオでは、レーザパルサ回路はトリガソースに結合され得、トリガソースはコントローラ150を含み得る。発光デバイス126は、(例えば、800~1600ナノメートルの波長を有する)赤外線レーザ光を放射するように構成され得る。しかしながら、他の光の波長が可能であり、企図される。さらに、非パルス(例えば、連続波)照明を利用する感知技術もまた企図されることが理解されるであろう。例えば、周波数変調連続波(FM-CW)および連続波飛行時間(CW-TOF)システムは、本開示の範囲内において可能である。
【0026】
いくつかの実施形態では、発光デバイス126は、光パルスを環境(例えば、車両の外部の環境)に向かって向け直すように、ミラーアセンブリ130と相互作用する光パルスを(発光レンズ128によって)放射するように構成されている。かかるシナリオでは、光パルスの少なくとも一部分は、範囲または点群のうちの少なくとも1つを決定するために、ライダーシステム200に向かって戻り反射され、光検出器122によって(光検出器レンズ124を介して)受信される。
【0027】
ライダーシステム200の少なくとも1つの光源(例えば、発光デバイス126)は、光パルスを放射するように構成され得る。放射された光パルスは、環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。ライダーシステム200の少なくとも1つの検出器(例えば、光検出器122)は、戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成され得る。
【0028】
ライダーシステム200は、コントローラ150を含む。コントローラ150は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)のうちの少なくとも1つを含む。追加的または代替的に、コントローラ150は、1つ以上のプロセッサ152とメモリ154とを含み得る。1つ以上のプロセッサ152は、汎用プロセッサまたは特殊用途プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサなど)であり得る。1つ以上のプロセッサ152は、メモリ154に記憶されているコンピュータ可読プログラム命令を実行するように構成され得る。したがって、1つ以上のプロセッサ152は、プログラム命令を実行して、本明細書に記載の機能および動作の少なくともいくつかを提供することができる。
【0029】
メモリ154は、1つ以上のプロセッサ152によって読み取りまたはアクセス可能な1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、またはその形態をとってもよい。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ152のうちの少なくとも1つと、全体的または部分的に統合され得る光学メモリ、磁気メモリ、有機メモリ、もしくは他のメモリ、またはディスクストレージなどの、揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ154は、単一の物理デバイス(例えば、1つの光学メモリ、磁気メモリ、有機メモリもしくは他のメモリ、またはディスクストレージユニット)を使用して実装され得るが、他の実施形態では、メモリ154は、2つ以上の物理デバイスを使用して実装することができる。
【0030】
上記のように、メモリ154は、光学システム200の動作に関連するコンピュータ可読プログラム命令を含むことができる。したがって、メモリ154は、本明細書に記載の機能の一部または全てを実施または促進するためのプログラム命令を含むことができる。
【0031】
一例として、動作は、少なくとも1つの光源(例えば、発光デバイス126)に、1つ以上の光パルスを放射させることを含み得る。
【0032】
動作は、デフォルトの視野102からの戻り光パルスの少なくとも第1の部分を、第1の検出された光信号として受信することをさらに含み得る。
【0033】
動作は、拡張された視野182からの戻り光パルスの少なくとも第2の部分を、第2の検出された光信号として受信することをさらに含み得る。
【0034】
動作はまた、第1の検出された光信号および第2の検出された光信号に基づいて、デフォルトの視野102内および拡張された視野182内の物体を示す点群を決定することをさらに含む。
【0035】
さらに、動作は、反射マップを受信することを含み得る。一例として、反射マップは、反射面180が光パルスを拡張された視野182にどのように反射するかに関する反射情報を含み得る。かかるシナリオでは、点群を決定することは、反射マップにさらに基づいている。
【0036】
例示的な実施形態として、反射情報は、反射面180の角度、反射面180の姿勢、または反射面180の表面曲率のうちの少なくとも1つを含み得る。追加的または代替的に、反射情報はルックアップテーブル(LUT)を含み得る。かかるシナリオでは、LUTには、デフォルトの光パルス放射ベクトルおよび反射光パルス放射ベクトルを示す情報が含まれてもよい。
【0037】
様々な実施形態において、ライダーシステム200は、複数の光学窓162を有するハウジング160を含む。光学窓162は、放射された光パルスなどの光の波長に対して実質的に透明であり得る。例えば、光学窓162は、放射された光パルスを80%より高い透過効率で透過させるように構成された、透明な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング160は2つの細長い光学窓を含んでもよい。光学窓162は、ハウジング160の実質的に対向する表面に配置され得る。かかるシナリオでは、光パルスは、環境に向けて複数の光学窓162を通る光透過によって放射され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、ライダーシステム200は、光パルスを屈折させるように構成されたプリズムレンズ140を含み得る。プリズムレンズ140は、光学素子(例えば、プリズムレンズ)を含み得る。いくつかの実施形態では、プリズムレンズ140は、光共振器から放射された光を光共振器の軸とは異なる角度で屈折させることができる。このようにして、光共振器自体から出てくるビームの光軸を、光共振器の角度から分離することができる。1つ以上のプリズムレンズ140を利用することにより、光共振器を同じ角度だけ調整する必要なく、非対称にシフトされた視野を提供することができる。したがって、プリズムレンズ140はより小さなパッケージサイズの適応性を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、光共振器120は実質的に垂直の状態を維持し得るが、光共振器120によって放射されたビームは角度付けされ得る。したがって、プリズムレンズを利用する光共振器120は、光共振器120が占める空間を広げ、さもなければ物理的に再配置することなく、非対称の視野の利益を提供することができる。例示的な実施形態では、プリズムレンズ140は、発光レンズ128と置き換えてもよい。他の実施形態では、プリズムレンズ140は、発光レンズ128に追加して利用してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、プリズムレンズ140は、光検出器レンズ124の代わりに、または光検出器レンズ124と組み合わせて利用してもよい。例えば、プリズムレンズ140は、光パルスが受信され得る視野を変更するために、受光軸125に沿って使用することができる。
【0040】
追加的または代替的に、複数の光学窓162を通って放射されたか、もしくは透過した光パルスは、環境内で非対称の発光パターンを形成し得る。例えば、複数の窓の第1の窓から放射された光パルスは、第1の放射角度範囲内で放射され、複数の窓の第2の窓から放射された光パルスは、第2の放射角度範囲内で放射され、第2の放射角度範囲とは異なる第1の放射角度範囲によって非対称の発光パターンが提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、拡張された視野182とデフォルトの視野102とは、完全には重なっていない。例えば、デフォルトの視野102は、ライダーシステム200の第1の軸を実質的に中心とする角度の付いた環状領域を含み得る。デフォルトの視野102は、第1の軸が地平線に対して垂直に(例えば、鉛直に)配置されるシナリオにおいて、地平線より2度上~地平線より18度下の仰角範囲を含むことができる。デフォルトの視野102の他の向き、幾何学的形状、および形状が可能であり、企図されることが理解されよう。
【0042】
拡張された視野182は、ライダーシステム200の第1の軸に対して下向きおよび/または上向きに向けられた領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、拡張された視野182は、デフォルトの視野102と同一の広がりを持たない領域を含む。かかるシナリオでは、拡張された視野182は、ライダーシステム200が物体を検出し得るより大きい全体領域を提供することができる。例えば、デフォルトの視野102は、少なくとも1つのブラインド領域を画定し得る。かかる状況では、拡張された視野182は、少なくとも1つのブラインド領域の少なくとも一部分と重なり得る。
【0043】
追加的または代替的に、拡張された視野182は、デフォルトの視野と同一の広がりを持つ領域を含んでもよい。かかるシナリオでは、拡張された視野182とデフォルトの視野102との同一の広がりのある部分により、ライダーシステム200が物体をより高速および/またはより高解像度で検出することを提供し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、反射面180は、平面ミラー、凸面ミラー、凹面ミラー、または多面ミラーアレイのうちの少なくとも1つを含み得る。他のタイプの反射材料および/または反射面が可能であり、企図される。いくつかの実施形態では、反射面180は、光干渉法を用いて測定した場合にλ~λ/100の平坦度を有する平面ミラーを含んでもよく、ここで、発光デバイス126によって放射される光パルスは、波長λを含む。
【0045】
様々な実施形態において、ライダーシステム200は、少なくとも1つのバッフル170を含むことができる。かかるシナリオでは、少なくとも1つのバッフル170は、光共振器120内の迷光を軽減するように構成され得る。例示的な実施形態では、バッフル170は、受光軸と発光軸との間に配設された光学的に不透明な材料を含み得る。
【0046】
ライダーシステム200はまた、少なくとも1つのビームストップ174を含む。ビームストップ174は光学的に不透明であってもよく、光線が光学窓162に向けて、かつ/または環境に向けて放射されるのを阻止するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビームストップ174は、ハウジング160内で光共振器120と実質的に対向して配置することができる。
【0047】
光共振器120から放射された光が、ミラーアセンブリ130の角と(例えば、2つの異なる反射面132間の交差部分で)相互作用するとき、光は2つの部分に分割され、1つは前方に(例えば、第1の光学窓に向けて)放射され、もう1つは後方に(例えば、第2の光学窓に向けて)放射される。この2つの放射されたパルスによるあいまいなライダー信号を回避するために、ビームストップ174を視野の上部近くに配置して、2つのビームのうちの少なくとも1つが環境に向けて放射されるのを阻止することができる。さらに、ビームストップ174を調整することにより、一方の側の上部の視野を、他方の側の上部の近くの視野を犠牲にして拡大または拡張することができる。
【0048】
かかるシナリオでは、上部のビームストップの位置を調整することによって、視野を、それぞれ、視野の下部および上部における2つの側面間で分散させることができる。
【0049】
図2A、2B、2C、および2Dは、ライダーシステム200の様々な図および部分を示す。
図2Aは、例示的な実施形態による光学システム200を示す。図示するように、ライダーシステム200は、回転可能なベース110を含み得る。回転可能なベース110は、第1の軸111を中心に回転するように構成され得る。さらに、ライダーシステム200は、発光デバイス126、発光レンズ128、光検出器122、および光検出器レンズ124を含むことができる、光共振器120を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、ライダーシステム200は、ミラーアセンブリ130を含み得る。ミラーアセンブリ130は、複数の反射面132a、132b、および132c、ならびにシャフト134を含み得る。ミラーアセンブリ130は、第2の軸135を中心に回転するように構成され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、発光デバイス126および発光レンズ128は、発光軸129を形成することができる。発光デバイス126によって放射される光パルスは、送信ミラー領域137で反射面132bと相互作用し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、光検出器122および光検出器レンズ124は、受光軸125を形成することができる。発光デバイス126によって放射される光パルスは、反射されるか、さもなければ環境と相互作用し得、受信ミラー領域139を介して光検出器122で観察され得る。
【0052】
図2に示すように、ライダーシステム200は、バッフル170を含み得る。バッフル170は、中にミラーアセンブリ130を配設することのできる開口172を含み得る。開口172は、ミラーアセンブリ130が第2の軸135を中心に回転するための自由度を提供するように成形され得る。
【0053】
図2Bは、例示的な実施形態による、-y方向に沿ったライダーシステム200の側面図を示す。
図2Aを参照して上述した他の要素だけでなく、ライダーシステム200は、ハウジング160、および光学窓162aなどの複数の光学窓をさらに含んでもよい。
【0054】
図2Cは、例示的な実施形態による、ライダーシステム200のミラーアセンブリ130を示す。ミラーアセンブリ130は、複数の反射面132a、132b、および132cを含み得る。ミラーアセンブリ130は、第2の軸135を中心に回転するように構成され得るシャフト134をさらに含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、発光デバイス126は、ミラーアセンブリ130に向けて発光軸129に沿って光パルスを放射することができる。ミラーアセンブリ130の反射面132bは、光パルスが外部環境に向けて送信されるように、かかる光パルスを送信ミラー領域137で反射することができる。
【0056】
かかる例では、環境からの光(例えば、反射光パルス)は、受信ミラー領域139でミラーアセンブリ130の反射面132bによって反射され得る。いくつかの実施形態では、受信された光は、受光軸125に沿って光検出器122に向けることができる。
【0057】
図2Dは、例示的な実施形態による、-x方向に沿ったライダーシステム200の図を示す。ライダーシステム200は、発光軸129および/または受光軸125が第1の軸111と実質的に平行になるように配設されている、光共振器120を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の軸111に対する光共振器120のかかる配置は、少なくとも、発光デバイス126によって放射された光パルスが、ミラーアセンブリ130の回転位置に応じて、第1の光学窓162aを通って右(+y方向)、もしくは第2の光学窓162bを通って左(-y方向)に等しく透過される可能性があるため、外部環境において実質的に対称的な放射パターンを提供し得る。
【0059】
図3は、例示的な実施形態によるシステム300を示す。システム300は、
図1を参照して図示および説明したシステム100と同様または同一であってもよい。システム300は、
図2を参照して図示および説明したライダーシステム200を含む。システム300は、反射面180も含む。
図3に示すように、反射面180は、平面(例えば、平面ミラー)を含み得る。ただし、ライダーシステム200によって放射された反射光パルスに構成された他のタイプの表面が可能であり、企図される。いくつかの実施形態では、反射面180は、ライダーシステム200の2フィート以内に配設することができる。しかしながら、反射面180は、ライダーシステム200のより近くまたはより遠くに配設されてもよい。さらに、
図3には反射面180がライダーシステム200から分離されているものとして示されているが、いくつかの実施形態では、反射面180がライダーシステム200に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0060】
いくつかの実施形態では、ライダーシステム200は、デフォルトの視野102を提供するように、反射面180と相互作用しない光パルスを放射するように構成することができる。さらに、ライダーシステム200は、拡張された視野182を提供するように、反射面180と相互作用する光パルスを放射するように構成することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、拡張された視野182は、第1の軸111に沿ってライダーシステム200に対して実質的に下にある(例えば、-z方向に沿った)領域を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、反射面180は、マウントもしくはブラケット、またはその一部分などの、車両上のライダーシステム200用の構造的支持体を表し得る。反射面180は、視野内の関心のある物体を通常は表さないであろう別のタイプの静的特徴を含むことができる。かかるシナリオでは、拡張された視野182は、他の方法では無視され得た光パルスをより効率的に利用しながら、拡張されたカバレッジをライダーシステム200に提供することができる。すなわち、他の方法では静的支持構造またはマウントからライダーシステム200に反射して戻るであろう光パルスを、関心のある物体または他のタイプの特徴(例えば、障害物など)を含み得る拡張された視野182に向けて方向転換させることができる。
図3に示すように、拡張された視野182は、ライダーシステム200の真下の領域を効果的に含むことができる。かかるシナリオでは、ライダーシステム200は、歩行者、地面、および/または他のタイプの特徴を感知するために、拡張された視野182内の物体を検出するように構成され得る。
【0062】
図3に示すように、ライダーシステム200は、複数の反射光パルス放射ベクトル310、312、および314を提供するように、反射面180と相互作用する光パルスを放射し得る。反射光パルス放射ベクトル310、312、および314は、拡張された視野182の少なくとも一部分を形成し得る。3つの反射光パルス放射ベクトルが示されているが、より多くの反射光パルス放射ベクトルが可能であり、企図されることが理解されよう。
【0063】
図4は、例示的な実施形態によるシステム400を示す。システム400は、
図1および
図3を参照して図示および説明したシステム100およびシステム300と同様または同一であってもよい。システム400は、
図2を参照して図示および説明したライダーシステム200を含む。システム400は、反射面180も含む。
図4に示すように、反射面180は、複数の表面を含み得る。例えば、複数の表面には、第1の反射面402および第2の反射面404が含まれ得る。ライダーシステム200によって放射された反射光パルスに構成された他のタイプの表面が可能であり、企図される。
【0064】
いくつかの実施形態では、ライダーシステム200は、デフォルトの視野102を提供するように、反射面180と相互作用しない光パルスを放射するように構成することができる。さらに、ライダーシステム200は、拡張された視野182aを提供するように、第1の反射面402と相互作用する光パルスを放射するように構成することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、拡張された視野182aは、第1の軸111に沿ってライダーシステム200に対して実質的に下にある(例えば、-z方向に沿った)領域を含むことができる。
【0065】
さらに、ライダーシステム200は、拡張された視野182bを提供するように、第2の反射面404と相互作用する光パルスを放射するように構成することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、拡張された視野182bは、第1の軸111に沿ってライダーシステム200に対して実質的に上にある(例えば、+z方向に沿った)領域を含むことができる。
【0066】
いくつかのシナリオでは、拡張された視野182aおよび182bは、他の方法では無視され得た光パルスをより効率的に利用しながら、拡張されたカバレッジをライダーシステム200に提供することができる。すなわち、他の方法ではライダーシステム200に反射して戻って静的支持構造またはマウントを示すであろう光パルスを、障害物、他の車両、歩行者、もしくは他のタイプの特徴に関する情報を含み得る拡張された視野182aまたは182bに方向転換させることができる。
図4に示すように、拡張された視野182aは、ライダーシステム200の真下の領域を効果的に含むことができ、拡張された視野182bは、ライダーシステム200の真上の領域を効果的に含むことができる。かかるシナリオでは、ライダーシステム200は、歩行者、地面、および/または他のタイプの特徴を感知するために、拡張された視野182a内および182b内の物体を検出するように構成され得る。
【0067】
図4に示すように、ライダーシステム200は、複数の反射光パルス放射ベクトル410、412、および414を提供するように、反射面402と相互作用する光パルスを放射し得る。反射光パルス放射ベクトル410、412、および414は、拡張された視野182aの少なくとも一部分を形成し得る。さらに、ライダーシステム200は、複数の反射光パルス放射ベクトル416および418を提供するように、反射面404と相互作用する光パルスを放射し得る。反射光パルス放射ベクトル416および418は、拡張された視野182bの少なくとも一部分を形成し得る。
【0068】
III.例示的な車両
図5A、5B、5C、5D、および5Eは、例示的な実施形態による、車両500を示す。車両500は、半自律型車両または完全自律型車両であり得る。
図5A~5Eは、車両500を自動車(例えば、乗客用バン)であるものとして示しているが、車両500は、センサおよびその環境に関する他の情報を使用してその環境内で操縦することができる別のタイプの自律型車両、ロボット、またはドローンを含み得ることが理解されよう。
【0069】
車両500は、1つ以上のセンサシステム502、504、506、508、および510を含み得る。いくつかの実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、所与の平面(例えば、x-y平面)に対してある角度範囲にわたって配置された、複数の発光デバイスを有するライダーセンサを含み得る。
【0070】
センサシステム502、504、506、508、および510のうちの1つ以上は、車両500の周囲の環境を光パルスで照明するために、所与の平面に垂直な軸(例えば、z軸)を中心に回転するように構成され得る。反射光パルスの様々な要因(例えば、経過飛行時間、偏光、強度など)を検出することに基づいて、環境に関する情報が決定され得る。
【0071】
例示的な実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、車両500の環境内の物理的物体に関連し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成され得る。車両500ならびにセンサシステム502、504、506、508、および510は、特定の特徴を含むものとして示されているが、他のタイプのセンサシステムが本開示の範囲内で企図されることが理解されよう。
【0072】
例示的な実施形態は、複数の発光デバイスを有するシステムを含むことができる。システムは、ライダーデバイスの伝送ブロックを含むことができる。例えば、システムは、車両(例えば、自動車、トラック、オートバイ、ゴルフカート、航空機、ボートなど)のライダーデバイス、またはその一部とすることができる。複数の発光デバイスの各発光デバイスは、それぞれのビーム仰角に沿って光パルスを放射するように構成されている。それぞれのビーム仰角は、基準角度または基準面に基づくことができる。一例として、基準面は、車両500の運動軸に基づき得る。他の基準角度(例えば、方位角、仰角など)または基準面(例えば、x、y、およびz平面)が、本開示の範囲内で企図され、可能である。
【0073】
本明細書では、単一の発光デバイスを有するライダーシステムが説明および図示されているが、複数の発光デバイス(例えば、単一のレーザダイ上に複数のレーザバーを有する発光デバイス)を有するライダーシステムもまた企図される。例えば、1つ以上のレーザダイオードによって放射された光パルスは、システムの環境の周りに制御可能に向けられてもよい。光パルスの放射の角度は、例えば、機械的走査ミラーおよび/または回転モータなどの走査デバイスによって調整することができる。例えば、走査デバイスは、所与の軸の周りを往復運動で回転する、および/または垂直軸の周りを回転することができる。別の実施形態では、発光デバイスは、各光パルスと相互作用するときのプリズムミラー角度の角度に基づいて光パルスを環境に放射させることができる、回転するプリズムミラーに向けて光パルスを放射することができる。追加的にまたは代替的に、走査光学系および/または他のタイプの電気光学機械デバイスは、環境の周りの光パルスを走査することが可能である。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように、単一の発光デバイスは、可変ショットスケジュールに従って、かつ/またはショット当たりの可変電力で光パルスを放射することができる。すなわち、各レーザパルスまたはショットの放射電力および/またはタイミングは、ショットのそれぞれの仰角に基づくことができる。さらにまた、可変ショットスケジュールは、ライダーシステムから、またはライダーシステムを支持する所与の車両の表面(例えば、フロントバンパー)からの所与の距離で所望の垂直間隔を提供することに基づくことができる。一例として、発光デバイスからの光パルスが下向きに向けられるとき、目標までの予想される最大距離がより短いことに起因して、ショット当たりの電力が低下する可能性がある。逆に、基準面の上の仰角で発光デバイスによって放射された光パルスは、より長い距離を移動するパルスを適切に検出するのに十分な信号対雑音を提供するように、ショット当たりの電力が比較的より高い場合がある。
【0075】
いくつかの実施形態では、ショット当たりの電力/エネルギーは、動的にショットごとに制御することができる。他の実施形態では、ショット当たりの電力/エネルギーは、いくつかのパルスの連続セット(例えば、10個の光パルス)について制御することができる。すなわち、光パルス列の特性は、パルス当たり基準および/または数パルス当たり基準に変更することができる。
【0076】
図5A~5Eは、車両500に取り付けられた様々なライダーセンサを示しているが、車両500は、複数の光学システム(例えば、カメラ)、レーダ、または超音波センサなどの他のタイプのセンサを組み込み得ることが理解されよう。
【0077】
例示的な実施形態では、車両500は、デフォルトの視野内の物体を示す情報を提供するために車両500の環境に光パルスを放射するように構成された、ライダーシステム(例えば、ライダーシステム200)を含むことができる。
【0078】
さらにまた、車両500は、ライダーシステムに光学的に結合された反射面(例えば、反射面180aおよび180b)を含む。かかるシナリオでは、反射面は、拡張された視野を提供するために、放射された光パルスの少なくとも一部分を反射するように構成されている。ライダーシステムは、拡張された視野内の物体を示す情報を提供するようにさらに構成されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、反射面は、車両500の本体の一部分を含み得る。例えば、
図5A、5B、および5Eに示すように、反射面180aおよび180bは、所与のライダーシステム(例えば、それぞれ、センサシステム508および510)に隣接して配設することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、反射面は、車両のバックミラーまたは車両のサイドミラーのうちの少なくとも1つを含んでもよい。車両の他の本体表面を含む他の反射面が可能であり、企図される。
【0081】
図2を参照して説明したように、車両500は、1つ以上のライダーシステム(例えば、ライダーシステム200)を含むことができ、その各々が、光パルスを放射するように構成された少なくとも1つの光源を含むことができる。放射された光パルスは、環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。
【0082】
ライダーシステムは、戻り光パルスの少なくとも一部分を検出するように構成された少なくとも1つの検出器を含む。ライダーシステムはまた、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、プロセッサ152)および少なくとも1つのメモリ(例えば、メモリ154)を有するコントローラ(例えば、コントローラ150)も含む。少なくとも1つのプロセッサは、動作を行うために、少なくとも1つのメモリ内に記憶された命令を実行する。いくつかの実施形態では、動作は、少なくとも1つの光源に光パルスを放射させることを含む。動作は、デフォルトの視野からの戻り光パルスの少なくとも第1の部分を、第1の検出された光信号として受信することをさらに含み得る。動作は、拡張された視野からの戻り光パルスの少なくとも第2の部分を、第2の検出された光信号として受信することをさらに含み得る。動作はまた、第1の検出された光信号および第2の検出された光信号に基づいて、デフォルトの視野内および拡張された視野内の物体を示す点群を決定することをさらに含む。
【0083】
動作は、反射マップを受信することをさらに含む。反射マップは、反射面が光パルスを拡張された視野にどのように反射するかに関する反射情報を含み得る。かかるシナリオでは、点群を決定することは、反射マップにさらに基づいてもよい。反射情報は、反射面の角度、反射面の姿勢、または反射面の表面曲率のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0084】
コントローラを含む実施形態では、動作は、戻り光パルスに基づいて、1つ以上の階段状物体を判定することを含むことができる。1つ以上の階段状物体には、階段または他の同様の物体の個々の段が含まれ得る。他の物体および/または障害物(例えば、ドア、廊下、通路、ゲート、窓、敷居など)が、本開示の範囲内で企図されることが理解されるであろう。
【0085】
かかるシナリオでは、1つ以上の階段状物体を判定することに応じて、動作には車両の操作挙動を調整することが含まれ得る。例えば、操作挙動を平面移動から階段走査移動に変更することができる。操作挙動の他の調整法が可能であり、企図される。
【0086】
本明細書で記載するように、反射面は、ライダーシステムの2フィート以内に配置することができる。代替的に、反射面は、ライダーシステムのより近くまたはより遠くに配設されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、拡張された視野の少なくとも一部分は、ライダーシステムの上に配設され得る。追加的または代替的に、拡張された視野の少なくとも一部分は、ライダーシステムの下に配設され得る。
【0088】
図6は、例示的な実施形態による、動作シナリオ600の上面図を示す。動作シナリオ600は、車両500の右側に沿って、右前部のクォーターパネルに沿って取り付けられたライダーシステム200を含み得る。例示的な実施形態では、ライダーシステム200は、第1の軸(例えば、第1の軸111および/またはz軸)を中心に回転し得る。第1の軸を中心に回転している間、ライダーシステム200は、回転するミラーアセンブリ(例えば、ミラーアセンブリ130)で光パルスを向け直すことによって、その環境に光パルスを放射することができる。かかるシナリオでは、一部の光パルスを拡張された視野182に向けて反射させるために、光パルスの少なくとも一部を反射面180と相互作用させることができる。
【0089】
図6は、地面に沿った発光パターンの例を示している。
図3に示すように、地面に沿った発光パターンは、デフォルトの視野102の一部分および拡張された視野182の一部分を含み得る。
図6は、デフォルトの視野102と拡張された視野182とは重なっていないものとして示しているが、いくつかの実施形態では、デフォルトの視野102の少なくとも一部分が、拡張された視野182と重なっていてもよい。
【0090】
図6に示すように、拡張された視野182は、ライダーシステム200の真下の車両500に近い距離にある物体の検出を提供することができる。このように、従来はカバーされなかった視野でライダーのカバレッジを提供することができるため、拡張された視野182が有益である場合がある。したがって、動作シナリオ600は、従来のシステムよりも優れた安全性のシステムを示すことができる。
【0091】
IV.例示的な方法
図7は、例示的な実施形態による方法700を示している。方法700は、本明細書に明示的に図示されているかまたは他の方法で開示されているものよりも少ないか、もしくは多いステップまたはブロックを含み得ることが理解されよう。さらに、方法700のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実施されてもよく、かつ各ステップまたはブロックは、1回以上実施されてもよい。いくつかの実施形態では、方法700のブロックまたはステップのいくつかまたはすべては、コントローラ150、ならびに/またはシステム100、300、400およびライダーシステム200の他の要素によって、それぞれ、
図1、
図3、
図4、および
図2A~2Dに関連して図示および説明されているように、行われ得る。
【0092】
ブロック702は、ライダーシステム(例えば、ライダーシステム200)の少なくとも1つの光源(例えば、発光デバイス126)に、デフォルトの視野(例えば、デフォルトの視野102)および反射面(例えば、反射面180)に向けて光パルスを放射させることを含む。反射面は、光パルスの一部分を拡張された視野(例えば、拡張された視野182)に向けて反射するように構成することができる。放射された光パルスは、ライダーシステムの環境と相互作用して戻り光パルスを提供する。
【0093】
ブロック704は、デフォルトの視野からの戻り光パルスの少なくとも第1の部分を、第1の検出された光信号として受信することを含む。いくつかの実施形態では、戻り光パルスの第1の部分を受信することは、デフォルトの視野からの反射光パルスを検出することを含み得る。第1の検出された光信号は、1つ以上の検出器(例えば、光検出器122)を用いてそれぞれの反射光パルスの検出に基づいて形成され得る。
【0094】
ブロック706は、拡張された視野からの戻り光パルスの少なくとも第2の部分を、第2の検出された光信号として受信することを含む。いくつかの実施形態では、戻り光パルスの第2の部分を受信することは、拡張された視野からの反射光パルスを検出することを含み得る。第2の検出された光信号は、1つ以上の検出器(例えば、光検出器122)を用いてそれぞれの反射光パルスの検出に基づいて形成され得る。
【0095】
ブロック708は、第1の検出された光信号および第2の検出された光信号に基づいて、デフォルトの視野内および拡張された視野内の物体を示す点群を決定することを含む。いくつかの実施形態では、点群を決定することは、第1の検出された光信号および第2の検出された光信号を、複数の空間範囲点と関連付けることを含み得る。例えば、各空間範囲点は、放射角度、および各それぞれの光パルスの第1の発射時間とその後の検出時間との間の飛行時間に基づいて決定することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、拡張された視野とデフォルトの視野とは、完全には重なっていない。例えば、デフォルトの視野は、少なくとも1つのブラインド領域を画定し得る。かかるシナリオでは、拡張された視野は、少なくとも1つのブラインド領域の少なくとも一部分と重なり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、方法700は、反射マップを受信することをさらに含み得る。例では、反射マップは、有線または無線通信インターフェースを介してコントローラ150によって受信され得る。いくつかの実施形態では、反射マップは、較正ターゲットおよび/または較正手順に基づいて提供され得る。反射マップは、メモリ154または別のローカルメモリに記憶することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、反射マップは、反射面が光パルスを拡張された視野にどのように反射するかに関する反射情報を含み得る。一例として、反射マップには、仰角および方位角での放射角度と、拡張された視野と交差する反射光パルス放射ベクトルとの間の対応を含めることができる。かかるシナリオでは、点群を決定することは、反射マップにさらに基づいてもよい。
【0099】
いくつかの例では、反射情報は、反射面の角度、反射面の姿勢、または反射面の表面曲率のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0100】
追加的または代替的に、反射情報はルックアップテーブル(LUT)を含み得る。一例として、LUTには、デフォルトの光パルス放射ベクトルおよび反射光パルス放射ベクトルを示す情報が含まれてもよい。
【0101】
図面に示されている特定の配置は、限定であるとみなされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をより多く、またはより少なく含んでもよいことを理解されたい。さらに、図示される要素のうちのいくつかは、組み合わされ、または省略されてもよい。さらにまた、図示の実施形態は、図示されていない要素を含んでもよい。
【0102】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書に記載の方法または技術の特定の論理機能を実施するように構成することができる回路に対応することができる。代替的または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部分に対応し得る。プログラムコードは、特定の論理機能または論理動作を方法または技術において実装するための、プロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む、記憶デバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶させることができる。
【0103】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。したがって、コンピュータ可読媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような二次的なまたは長期永続的な記憶装置を含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性の記憶システムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶デバイスと考えることができる。
【0104】
様々な実施例および実施形態が開示されてきたが、他の実施例および実施形態が当業者にとって明らかであろう。様々な開示された例および実施形態は、例示の目的のためであり、限定することを意図するものではなく、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。