(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】風力発電システム
(51)【国際特許分類】
F03D 5/02 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
F03D5/02
(21)【出願番号】P 2022530979
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 KR2020015025
(87)【国際公開番号】W WO2021107424
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0152863
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045176
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045177
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522207187
【氏名又は名称】カフェ24 コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CAFE24 CORP.
【住所又は居所原語表記】15, Boramae-ro 5gil, Dongjak-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェ ソク
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01331391(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0309634(US,A1)
【文献】米国特許第04589344(US,A)
【文献】特開2003-206847(JP,A)
【文献】国際公開第2018/217127(WO,A1)
【文献】実開昭58-120880(JP,U)
【文献】特開2007-032420(JP,A)
【文献】特開2003-284393(JP,A)
【文献】特開2007-285188(JP,A)
【文献】特開2015-040486(JP,A)
【文献】特開2015-052316(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02297333(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0240782(US,A1)
【文献】特開2006-052669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電システムであって、
水平方向の移動経路を提供するレールと
前記レールの移動経路に沿ってスライドして移動するように構成された移動体と、
前記移動体に設置され、風に応じたエネルギーに基づいて前記移動体の移動のための動力を提供する複数のブレードと、
前記移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に連動して回転することによって電力を生成する発電機
を備えたナセル(nacelle)と、を含
み、
前記複数のブレードのそれぞれは、前記移動体に対する設置位置が変更可能であるように構成される、風力発電システム。
【請求項2】
前記発電機は、発電機中心回転軸と、前記発電機中心回転軸に結合された円形歯車とを備え、
前記移動体及びブレードの内、少なくとも一つの前記発電機
に対向する面には、複数の鋸歯山が備えられ、
前記移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動につれて前記鋸歯山が前記円形歯車と噛み合って移動するにつれて前記発電機中心回転軸が回転するように構成される、請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項3】
前記風力発電システムは、前記移動体及びブレードの内、少なくとも一つの移動に連動して回転する動力伝達軸をさらに含み、
前記動力伝達軸に備えられた回転プーリと、前記発電機の発電機中心回転軸に備えられた回転プーリが、回転ベルトに応じて回転連動するように構成される、請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項4】
前記レールはループを形成し、
前記複数のブレードのそれぞれは、前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成される、請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項5】
前記複数のブレードのそれぞれの回転は、
地面に垂直な回転軸に基づいて行われる、請求項4に記載の風力発電システム。
【請求項6】
前記レールはループを形成し、
前記複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成され、複数のエアポケットを備え、前記ループ内における前記複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風方向に関する情報に基づいて、前記複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することにより、前記目標移動方向への動力を最大化させる形状に変形されるように構成される、請求項1に記載の風力発電システム。
【請求項7】
前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、
前記複数のブレードの各々に備えられる位置信号受信装置が、前記ループ内に複数備えられる位置識別信号発生装置の内、少なくとも一つからの位置識別信号を受信することにより獲得される、請求項4または6に記載の風力発電システム。
【請求項8】
前記風の方向に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得される、請求項4または6に記載の風力発電システム。
【請求項9】
前記複数のブレードのそれぞれは、
前記目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、
前記目標移動方向が風の方向と反対であるという決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成される、請求項4に記載の風力発電システム。
【請求項10】
前記複数のブレードのそれぞれは、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、
前記第1部分ブレード及び第2部分ブレードは、互いに独立して回転可能に構成され、
前記第1部分ブレード及び第2部分ブレードが各々配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて各々前記目標移動方向への動力を最大にさせるように適応的に回転するように構成される、請求項4に記載の風力発電システム。
【請求項11】
前記レールが形成するループは、
第1方向の移動経路を提供する第1部分と、
前記第1方向とは反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分と、
前記第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分と、
前記第2部分から第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分と、を含む、請求項4に記載の風力発電システム。
【請求項12】
前記風力発電システムは、前記ループの内部に形成され、前記ループよりさらに短い移動経路を提供する内部ループをさらに含み、
前記発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され、風速に関する情報に基づいて、前記目標回転速度にさらに近い回転速度を達成するために、前記ループ及び前記内部ループの内、いずれか1つの移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に連動して回転するように構成される、請求項4に記載の風力発電システム。
【請求項13】
前記風速に関する情報は、風速センサから獲得される、請求項12に記載の風力発電システム。
【請求項14】
前記レールは直線区間と曲線区間を含み、
前記複数のブレードは、前記直線区間に位置するより前記曲線区間に位置するときさらに狭い間隔で配置される、請求項
1に記載の風力発電システム。
【請求項15】
前記風力発電システムは、
前記複数のブレードが格納される格納庫と
前記レールに含まれる分岐点と、
前記分岐点から前記格納庫までの移動経路を提供する格納レールと、をさらに含み、
前記複数のブレードは、前記分岐点及び格納レールを介して前記格納庫に格納されるように構成される、請求項
1に記載の風力発電システム。
【請求項16】
前記風力発電システムは、
前記レールが貫通するように構成された格納庫をさらに含み、
前記複数のブレードは前記レールに沿って移動して前記格納庫に格納されるように構成される、請求項
1に記載の風力発電システム。
【請求項17】
前記複数のブレードのそれぞれは、前記移動体に対する設置位置の変更
を介して前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに
、隣接するブレードと結合する
ための締結手段を含む、請求項
1に記載の風力発電システム。
【請求項18】
前記複数のブレードは、前記移動体に対する設置位置の変更
を介し
て前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに
、最も左側に位置する第1ブレードと、最も右側に位置する第2ブレード
とを含み、
前記第1ブレード及び前記第2ブレードは、それぞれ締結手段を備え、
前記第1ブレードの締結手段と前記第2ブレードの締結手段が互いに締結することによって前記複数のブレードが結合されるように構成される、請求項
1に記載の風力発電システム。
【請求項19】
前記複数のブレードのそれぞれは、地面方向の方向に折り畳み可能
であるように構成される、請求項1に記載の風力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電システムに関し、さらに具体的には複数のブレードを備える風力発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機は、風が持っているエネルギーを電気エネルギーに変える装置である。吹く風は風力発電機の翼を回転させるようになる。この時生じた翼の回転力で電気を生産することができる。具体的には、風力発電機は、翼、変速装置、発電機の3つの部分で構成することができる。翼は風によって回転され、風力エネルギーを機械的エネルギーに変換させる装置である。発電機は、翼で発生した機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
【0003】
このような風力発電は既存の化石燃料を代替するための新再生エネルギーとして注目されているが、一般的構成の翼回転式風力発電機では、より大きな電気エネルギーを得るために回転翼の大型化が必須であるのに対し、回転翼の大型化は周辺に騒音を発生させる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の問題を解決するための本発明の目的は、レールが提供する移動経路に沿って移動する複数のブレード及び/または移動体の移動を用いて発電機の回転軸が回転するように構成することによって、従来の大型回転翼の回転による騒音発生問題を解決できる風力発電システムを提供する。
【0005】
ただし、本発明の解決しようとする課題はこれに限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するための本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、水平方向の移動経路を提供するレールと、前記レールの移動経路に沿ってスライド(摺動)して移動するように構成された移動体と、前記移動体に設置され、風に応じたエネルギーに基づいて移動体の移動のための動力を提供する複数のブレードと、前記移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に連動して回転することによって電力を生成する発電機が備えられたナセル(nacelle)を含むことができる。
【0007】
一態様に係れば、前記発電機は、発電機中心回転軸と前記発電機中心回転軸に結合された円形歯車を備え、前記移動体及びブレードの内、少なくとも一つの前記発電機と対向する面には、複数の鋸歯山が備えられ、前記移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に応じて、前記鋸歯山が前記円形歯車と噛み合って移動することによって前記発電機中心回転軸が回転するように構成されることができる。
【0008】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記移動体及びブレードの内、少なくとも一つの移動に連動して回転する動力伝達軸(シャフト)をさらに含み、前記動力伝達シャフトに備えた回転プーリと、前記発電機の発電機中心回転軸に備えられた回転プーリが回転ベルトに応じて回転連動するように構成することができる。
【0009】
一態様に係れば、前記レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成されることができる。
【0010】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
【0011】
一態様に係れば、前記レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成され、複数のエアポケットを備え、前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置によって決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、前記目標移動方向への動力を最大化する形状に変形するように構成することができる。
【0012】
一態様に係れば、前記ループ内の前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる位置信号受信装置が、前記ループ内に複数そなえられる位置識別信号生成装置の内、少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得することができる。
【0013】
一態様に係れば、前記風の方向に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得することができる。
【0014】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、前記目標移動方向が風の方向と反対であるという決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成され得る。
【0015】
一態様に係れば、前記複数のブレードの各々は、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、前記第1部分ブレードと第2部分ブレードが互いに独立して回転可能に構成され、前記第1部分ブレード及び第2部分ブレードが、それぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、各々前記目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成され得る。
【0016】
一態様に係れば、前記レールが形成するループは、第1方向の移動経路を提供する第1部分と前記第1方向と反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分と前記第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分と、前記第2部分から前記第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分を含むことができる。
【0017】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記ループの内部に形成され、前記ループさらに短い移動経路を提供する内部ループをさらに含み、前記発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され、風速に関する情報に基づいて、前記目標回転速度にさらに近い回転速度を達成するように、前記ループ及び前記内部ループの内、いずれか1つの移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に連動して回転するように構成することができる。
【0018】
一態様に係れば、前記風速に関する情報は、風速センサから獲得することができる。
【0019】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記移動体に対する設置位置が変更可能であるように構成され得る。
【0020】
一態様に係れば、前記レールは直線区間及び曲線区間を含み、前記複数のブレードは、前記直線区間に位置する時より前記曲線区間に位置するときさらに狭い間隔で配置することができる。
【0021】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記複数のブレードが格納される格納庫と、前記レールに含まれる分岐点と、前記分岐点から前記 格納庫までの移動経路を提供する格納レールをさらに含み、前記複数のブレードは、前記分岐点及び格納レールを介して前記格納庫に格納されるように構成され得る。
【0022】
一態様に係れば、風力発電システムは、レールが貫通するように構成された格納庫をさらに含み、複数のブレードはレールに沿って移動して格納庫に格納されるように構成され得る。
【0023】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、移動体に対する設置位置変更を通じて前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合するようにする締結手段を含むことができる。
【0024】
一態様に係れば、前記複数のブレードは、前記移動体に対する設置位置の変更に通じて複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレードと、最も右側に位置する第2ブレードとを含み、前記第1ブレードと前記第2ブレードはそれぞれ締結手段を備え、前記第1ブレードの締結手段と前記第2ブレードの締結手段が互いに締結されることによって前記複数のブレードが結合するように構成することができる。
【0025】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、地面方向に向かって折り畳むことができるように構成され得る。
【0026】
前述の目的を達成するため本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、水平方向の移動経路を提供するレールと、前記レールの移動経路に応じて摺動して移動するように構成された複数の移動体として、前記複数の移動体の各々は前記複数の移動体にそれぞれ設けられ、風に応じたエネルギーに基づいて前記複数の移動体それぞれの移動のための動力を提供するブレードを備える複数の移動体と前記複数の移動体のそれぞれに備えられたブレードの上端に締結され、前記ブレードによって提供される動力に基づいて移動する結合体及び前記結合体の移動に連動して回転することによって電力を生成する発電機を備えたナセル(nacelle)を含むことができる。
【0027】
一態様に係れば、前記発電機は、発電機中心回転軸と、前記発電機中心回転軸に結合された円形歯車とを備え、前記結合体の前記発電機と対向する面には、複数の鋸歯山が備えられ、前記結合体の移動にしたがって、前記鋸歯山が前記円形歯車と噛み合って移動することによって、前記発電機中心回転軸が回転するように構成することができる。
【0028】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記結合体の移動に連動して回転する動力伝達シャフトをさらに含み、前記動力伝達シャフトに備えられた回転プーリと、前記発電機の発電機中心回転軸に備えられた回転プーリが回転ベルトに応じて回転連動するように構成することができる。
【0029】
一態様に係れば、レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記目標移動方向への動力を最大化にするように適応的に回転するように構成することができる。
【0030】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
【0031】
一態様に係れば、前記レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成され、複数のエアポケットを備え、前記ループ内の前記複数のブレードのそれぞれの位置によって決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、前記目標移動方向への動力を最大化する形状に変形するように構成することができる。
【0032】
一態様に係れば、前記ループ内の前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる位置信号受信装置が、前記ループ内に複数備えられる位置識別信号生成装置の内、少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得することができる。
【0033】
一態様に係れば、前記風の方向に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得することができる。
【0034】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、前記目標移動方向が風の方向と反対という決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成することができる。
【0035】
一態様に係れば、前記複数のブレードの各々は、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、前記第1部分ブレードと第2部分ブレードは互いに独立して回転可能に構成され、前記第1部分ブレード及び第2部分ブレードがそれぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、各々前記目標移動方向への動力を最大化にするように適応的に回転するように構成され得る。
【0036】
一態様に係れば、前記レールが形成するループは、第1方向の移動経路を提供する第1部分と前記第1方向と反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分と前記第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分及び第2部分から前記第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分を含める。
【0037】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記ループの内部に形成され、前記ループよりさらに短い移動経路を提供する内部ループをさらに含み、前記発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され、風速に関する情報に基づいて、前記目標回転速度にさらに近い回転速度を達成するように、前記ループ及び前記内部ループの内いずれかの1つの結合体の移動に連動して回転するように構成することができる。
【0038】
一態様に係れば、前記風速に関する情報は、風速センサから獲得することができる。
【0039】
一態様に係れば、前記結合体と前記複数のブレードのそれぞれは、前記複数のブレードとの間の間隔を調整するために移動可能に締結されることができる。
【0040】
一態様に係れば、前記レールは直線区間及び曲線区間を含み、前記複数のブレードは、前記直線区間に位置する時より前記曲線区間に位置するときさらに狭い間隔で配置され得る。
【0041】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記複数のブレードが格納される格納庫と、前記レールに含まれる分岐点及び前記分岐点から前記格納庫までの移動経路を提供する格納レールをさらに含み、前記複数のブレードは、前記分岐点及び格納レールを介して前記格納庫に格納されるように構成され得る。
【0042】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記レールが貫通するように構成された格納庫をさらに含み、前記複数のブレードは前記レールに沿って移動して前記格納庫に格納されるように構成され得る。
【0043】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記結合体に対する設置位置の変更を通じて前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合されるようにする締結手段を含むことができる。
【0044】
一態様に係れば、前記複数のブレードは、前記移動体に対する設置位置の変更を通じて前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレードと、最も右側に位置する第2ブレードとを含むことができる。
【0045】
一態様に係れば、前記第1ブレード及び前記第2ブレードは、それぞれ締結手段を備え、前記第1ブレードの締結手段及び前記第2ブレードの締結手段が互いに締結されることによって前記複数のブレードが結合されるように構成され得る。
【0046】
一態様に係れば、前記ブレードは、90mの水平長さを有し、120mの垂直高さを有することができる。
【0047】
一態様に係れば、前記発電機は、前記各移動体の移動速度が1.9m/sに近づくように前記ループ及び前記内部ループの内、いずれか1つの結合体の移動に連動して回転するように構成され得る。
【0048】
前述の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、水平方向の移動経路を提供するレールと、前記レールの移動経路に応じて摺動されて移動するように構成された複数の移動体として、前記複数の移動体の各々は前記複数の移動体にそれぞれ設けられ、風に応じたエネルギーに基づいて前記複数の移動体それぞれの移動のための動力を提供するブレードを備える複数の移動体及び前記複数の移動体の移動に連動して回転することによって電力を生成する発電機が備えたナセル(nacelle)を含むことができる。
【0049】
一態様に係れば、前記発電機は、発電機中心回転軸と、前記発電機中心回転軸に結合された円形歯車を複数の備え、前記移動体のそれぞれの発電機と対向する面には、動力伝達ロッドが備えられ、前記複数の移動体の移動に応じて、前記動力伝達ロッドが前記円形歯車の歯車山に作用することにしたがって前記発電機中心回転軸が回転するように構成することができる。
【0050】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記複数の移動体の移動に連動して回転する動力伝達シャフトをさらに含み、前記動力伝達シャフトに備えられた回転プーリと前記発電機の発電機中心回転軸に備えられた回転プーリが回転ベルトに従って回転連動するように構成され得る。
【0051】
一態様に係れば、前記レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成することができる。
【0052】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
【0053】
一態様に係れば、前記レールはループを形成し、前記複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成され、複数のエアポケットを備え、前記ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置によって決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、前記複数のエアポケットの内少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、前記目標移動方向への動力を最大化させる形状に変形するように構成することができる。
【0054】
一態様に係れば、前記ループ内の前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられた位置信号受信装置が、前記ループ内に複数備えられる位置識別信号生成装置の内少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得することができる。
【0055】
一態様に係れば、前記風の方向に関する情報は、前記複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得することができる。
【0056】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、前記目標移動方向が風の方向と反対という決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成することができる。
【0057】
一態様に係れば、前記複数のブレードの各々は、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、前記第1部分ブレードと第2部分ブレードは互いに独立して回転可能するように構成され、前記第1部分ブレード及び第2部分ブレードがそれぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、各々前記目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成され得る。
【0058】
一態様に係れば、前記レールが形成するループは、第1方向の移動経路を提供する第1部分と、前記第1方向と反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分と、前記第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分と、前記第2部分から前記第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分を含むことができる。
【0059】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記複数の移動体が格納される格納庫と、前記レールに含まれる分岐点と前記分岐点から前記格納庫までの移動経路を提供する格納レールをさらに含み、前記複数の移動体は前記分岐点及び格納レールを格納レールを介して前記格納庫に格納されるように構成され得る。
【0060】
一態様に係れば、前記風力発電システムは、前記レールが貫通するように構成された格納庫をさらに含み、前記複数の移動体はレールに沿って移動して格納庫に格納されるように構成され得る。
【0061】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、前記複数の移動体の移動に応じて前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合するように締結手段を含むことができる。
【0062】
一態様に係れば、前記複数のブレードは、前記複数の移動体の移動に応じて、前記複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレードと、最も右側に位置する第2ブレードとを含み、前記第1ブレードと第2ブレードはそれぞれ締結手段を備え、前記第1ブレードの締結手段と第2ブレードの締結手段が互いに締結されることによって複数のブレードが結合するように構成され得る。
【0063】
一態様に係れば、前記複数のブレードのそれぞれは、地面方向の方向に折り畳むことができるように構成され得る。
【0064】
一態様に係れば、ブレードは、90mの水平長さを有し、120mの垂直高さを有することができる。
【0065】
一態様に係れば、複数のブレードのそれぞれは、各移動体の移動速度が1.9m/sに近づくように適応的に回転するように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0066】
開示された技術は以下の効果を有することができる。但し、特定の実施形態が以下の効果をすべて含むべきであるか、または以下の効果のみを含むべきであるという意味ではないので、開示された技術の権利範囲はこれによって限定されるものと理解されるべきではない。
【0067】
前述した本発明の一実施形態に係る風力発電システムによれば、レールが提供する移動経路に沿って移動する複数のブレード及び/又は移動体の移動を用いて発電機の回転軸が回転するように構成することにより、従来大型回転翼の回転による騒音発生の問題を解決することができる。
【0068】
また、大量の電力を生産できるウィンドファーム(Wind Farm)を構成するにあたり、従来の翼回転方式の風力発電機に比べて空間効率性を増大させることができ、建設コストもまた削減することができる。
【0069】
また、風の方向に適応的にブレードを回転可能に構成することにより、気象条件の変化に拘束されることなく高効率で電力を生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本発明の一実施形態に係る風力発電システムの概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るループ型風力発電システムの斜視図である。
【
図3】第1態様に係るブレード及び/または移動体と発電機中心軸との間の動力伝達構造を示す。
【
図4】第2態様に係るブレード及び/または移動体と発電機中心軸との間の動力伝達構造を示す。
【
図6】風とカテゴリの形態によるセーリングヨットの速度を示す。
【
図7】一態様に係るブレード支持台の断面図である。
【
図8】一態様に係る高度分離型ブレードの例示図である。
【
図9】一態様に係るレール、移動体及びブレードの結合関係図である。
【
図10】一態様に係る風力発電システムの上面図である。
【
図11】ブレード間隔調整が可能な風力発電システムの上面図である。
【
図13】ギア変換が可能な風力発電システムの例示図である。
【
図15】レール上に構設される格納庫の例示図である。
【
図17】地面方向に折り畳み可能なブレードの例示図である。
【
図18】同心を有する複数レール配置形態の例示図である。
【
図19】積層型複数レール配置形態の例示図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係る風力発電システムの概念図である。
【
図21】本発明の第3実施形態に係る風力発電システムの概念図である。
【
図22】
図21の実施形態における移動体と発電機中心軸との間の動力伝達構造を示す。
【
図23】既存の風力発電機と本発明の一実施形態に係る風力発電システムの出力の比較結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。
【0072】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び技術の範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことで理解するべきである。
【0073】
第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが前記構成要素は前記用語によって限定されるべきではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名することができる。及び/またはという用語は、複数の関連する記載された項目の組み合わせまたは複数の関連する記載された項目の内のいずれかの項目を含む。
【0074】
いずれの構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言われるとき、その他の構成要素に直接連結されているかまたは接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解するべきである。他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとかまたは「直接接続されて」いると言われるとき、中間に他の構成要素が存在しないことで理解するべきである。
【0075】
本出願において使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようと意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味を持たない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたは複数の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または追加の可能性を予め排除しないことで理解するべきである。
【0076】
異なるように定義されない限り、技術的または科学的用語を含むここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本出願で明確に定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0077】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。本発明を説明する際の全体的な理解を容易にするために、図面上の同一の構成要素については同一の参照符号を用い、同一の構成要素について重複した説明は省略する。
【0078】
前述したように、風力発電は既存の化石燃料を代替するための新再生エネルギーとして注目されているが、一般的な構成の翼回転式風力発電機においては、さらに大きな電気エネルギーを得るために回転翼の大型化が必須である一方、回転翼の大型化は周辺に騒音を発生させる問題点がある。回転騒音による被害を最小化するために、風力発電機の設置位置を海上に変更する試みがなされたが、海上設置の場合、建設費用の増大に伴い風力発電の利点である経済性をむしろ悪化させる問題点があり、環境的な点でも大きな問題を発生させることがある。
【0079】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、レールが提供する移動経路に沿って移動する複数のブレード及び/又は移動体の移動を用いて発電機の回転軸が回転するように構成することで、従来の大型回転翼の回転に伴う騒音発生の問題を解決することができる。以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る風力発電システムについてさらに具体的に説明する。
【0080】
<第1実施形態>
【0081】
図1は本発明の一実施形態に係る風力発電システムの概念図であり、
図2は本発明の一実施形態に係るループ型風力発電システムの斜視図である。
図1または
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システム100は、レール10、移動体20、複数のブレード30、及び発電機を備えたナセル(nacelle)40を含むことができる。
【0082】
レール10は、移動体20及び/または複数のブレード30が摺動(スライド)して移動することができる移動経路を提供することができる。
図1を介してして示された実施形態において、レール10は移動体20の側面で移動経路を提供するもので例示されているが、レール10は移動体20及び/または複数のブレード30がスライドされて移動できる移動経路を提供することができる様々な設計形態を有することができる。例えば、列車レールまたはモノレールのような形態を採用することができる。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るレール10は、地面に設置されるか支持台を介して設置され、移動体20及び/または複数のブレード30の水平方向の移動経路を提供するように構成され得る。
【0083】
移動体20は、レール10が提供する移動経路に応じて摺動移動するように構成することができ、複数のブレード30は移動体に設置され風に応じたエネルギーに基づいて移動体20の移動のための動力を提供できる。すなわち、風が吹くと、風が提供するエネルギーがブレード30に作用し、ブレード30及び前記ブレードが連結された移動体20が移動するように構成される。
図1に示す実施形態では、移動体20がレール10に接触し、移動体20上に複数のブレード30が設けられる例を示しているが、レール10、移動体20及びブレード30の設置形態及び構造は、様々な変形を採用することができる。例えば、一態様では、ブレード30の各々がレール10上でスライド移動可能に構成され、移動体20は複数のブレード30を連結する構成として機能することもできる。一側面において、移動体20は、
図1に示すように一体型で有り得、他側面において複数のセグメント構造を有するチェーン形態で有り得る。また、実施形態に係れば、移動体20は可撓性を有する材質として構成され得る。
【0084】
再び
図1を参照すると、移動体20及び/またはブレード30に隣接して、発電機を備えたナセル40を配置することができる。一態様に係れば、発電機は、発電機の中心回転軸に結合された発電機中心軸歯車45の回転に応じて電力を生産する発電機で有り得、前記発電機の中心回転軸は移動体20及びブレード30の内少なくとも1つの移動に連動して回転するように構成することができる。
図1には、移動体20の移動に連動して発電機中心回転軸が回転する構成が例示されている。
【0085】
関連して、
図3は、第1の側面によるブレード及び/または移動体と発電機中心回転軸との間の動力伝達構造を示し、
図4は、第2側面によるブレード及び/または移動体と発電機中心回転軸との間の動力伝達構造を示す。
【0086】
図3に示すように、発電機は、発電機中心回転軸45cと、発電機中心回転軸45cに結合された円形歯車45とを備え、移動体20及びブレード30の内、すくなくとも一つの発電機を対向する面には、複数の鋸歯山20aが備え、移動体20及びブレード30の少なくとも一つの移動に応じて、鋸歯山20aが円形歯車45の鋸歯山45aと噛み合って移動することにより、発電機中心回転軸45cが回転するように構成され得る。
図3においては、移動体20に鋸歯山20aが備えられるものとして例示しているが、ブレード30の発電機と対向する面に鋸歯山20aが備えられ得る。
【0087】
または、
図4に示すように、例えばブレード30の発電機を対向する側面にブレード動力伝達ロッド30aが備えられ、ブレード動力伝達ロッド30aが移動しながら発電機中心軸歯車45に形成されたギア歯山45aに作用することによって、発電機中心回転軸45cが回転するように構成され得る。
図4に示すように、移動体20の発電機を対向する側面に所定の間隔を置いて動力伝達ロッドを備えて中心回転軸45cの回転を誘発するように構成され得る。
【0088】
図12は発電機中心軸の配置の例示図である。
図12に示すように、発電機の中心軸は、レールとの関係で様々な実施形態を有することができる。一態様に係れば、
図2または
図12に示すように、レール10及び移動体20がループを形成する実施形態で、発電機中心回転軸1210、1220はループの外部に位置することもでき、ループの内側に位置することもできる。また、発電機中心回転軸1210、1220の回転は、移動体及び/またはブレードの移動に直接連動されることもあり、発電機中心回転軸1230のような媒介手段を備えて回転連動するように構成され得る。
図12に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、移動体20及びブレード30の内、少なくとも1つの移動に連動して回転する動力伝達軸1231をさらに含み、動力伝達軸1231に備えられた回転プーリと、発電機の発電機中心回転軸1230に備えられた回転プーリとが、回転ベルト1233に応じて回転連動するように構成されることも有る。回転ベルト1233は、例えばコンベアベルトまたはチェーンの形態として構成され得る。
【0089】
再び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいて、レール10はループを形成するように構成され得る。一態様に係れば、レール10は、複数の上部フレーム支持台13によって支持された上部フレーム11をさらに含み得、上部フレーム11はブレード30の上部を移動可能に保持してブレード30の立ち上がり安定性を向上させるように構成され得る。
【0090】
レール10がループに形成されることにより、複数のブレード及び/または移動体の移動経路は循環する構造を有することができる。ここで、複数のブレード30のそれぞれは、ループ内での前記複数のブレード30のそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報と風の方向に関する情報に基づいて、目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成され得る。
【0091】
別の態様に係れば、複数のブレード30の各々は、可撓性を有する素材から構成され、複数のエアポケットを備え、ループ内での複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、目標移動方向への動力を最大化させる形状に変形するように構成され得る。
【0092】
目標移動方向について、
図10を参照してさらに具体的に説明する。
図10は一態様に係る風力発電システムの上面図である。
図10に示すように、本発明の一実施形態に係れば、レール10が形成するループは、例えば第1方向の移動経路を提供する第1部分1010、第1方向と反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分1030、第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分1020、及び第2部分から第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分1040を含み得る。例えば、ループ内でブレードが時計方向に移動するように構成することができ、したがって第1部分1010におけるブレードの目標移動方向は
図10で(右→左)方向で有り得、第1ジョイント部分1020におけるブレードの目標移動方向は、ブレードが第1部分1010から第2部分1030に移動した程度に応じて、(右→左)方向から、(下→上)方向に、そして再び(左→右)方向に徐々に変化するようになる。一方、第2部分1030におけるブレードの目標移動方向は、(左→右)方向に決定され、第2ジョイント部分1040におけるブレードの目標移動方向は、ブレードが第2部分1030において第1部分1010に移動した程度に応じて、(左→右)方向から、(上→下)方向に、そして再び(右→左)方向に徐々に変化するようになる。すなわち、ブレードの目標移動方向は、ループ内の各ブレードの位置に応じて各々異なるように決定され得る。
【0093】
各ブレードの目標移動方向が決定されると、風の方向に関する情報に基づいて、各ブレードの目標移動方向への動力を最大化させるように、各ブレードの配向が変更されるように、各ブレードを適応的に回転するように構成することができる。例えば、複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行われる。
【0094】
風方向による目標移動方向への動力最大化に関連して、
図5はベルヌーイの整理の概念図であり、
図6は風とカテゴリ形態によるセーリングヨットの速度を示す。
図5に示すように、ベルヌーイの定理は、空気の流れに対する速度を変化させて圧力差を発生させることで揚力を発生する現象を説明することができ、ベルヌーイの定理を適用して風の方向にしたがって所望の目標移動方向への動力を最大化させるようにブレードが配向されるように構成することができる。また、
図6は、風とカテゴリの形態によるセーリングヨットの速度を示す。
図6に示すように、セーリングヨットは、セールの方向を適切に調整することによって、同じ風方向に対しても所望する方向に船が進行するように動力を生成することができる。これと類似な原理で、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいても、ブレードの位置に応じて目標移動方向が決定されたとき、風の方向を考慮して目標移動方向への動力が最大化されるようにブレードを回転させる。ブレードの向きを変えることができる。
【0095】
例えば、複数のブレードの各々は、目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、目標移動方向が風の方向と反対であるという決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成することができる。
図10において、風の方向が(右→左)方向であるとき、第1部分1010では風下カテゴリを行う方向にブレードが回転し、第2部分1030では風上カテゴリを実行する方向でブレードが回転することがある。第1ジョイント部分1020及び第2ジョイント部分1040では、ブレードのそれぞれの位置に応じた目標移動方向に応じて動力が最大になるようにブレードを回転されることができる。
【0096】
本発明の一態様に係れば、各々のブレードは、セーリングヨットのセールのような形態で構成され得る。各々のブレードが支持台を備え、セールの形態の薄膜が支持台によって保持されるように構成することができる。したがって、本発明の一態様に係る風力発電システムは、大型の回転翼を備える従来の風力発電機に比べて著しく削減された設備コストで構成することが可能である。帆の形態の薄膜は、麻布や綿布のようなテント材質で形成されたり、テトロンのような合成繊維、またはポリマー融合体を使用したりすることができる。
【0097】
一方、前述したようにベルヌーイの原理及び/またはセーリングヨットの進行方向調整原理に関連して、ブレード30のそれぞれが目標移動方向への動力を最大化させる形状を有するように変形させることが可能である。例えば、ベルヌーイの定理に応じて、ブレードの一側面の勾配を増加させ、他側面の勾配と比べて大きくすることによって、ブレードの両側の気流速度を変化させることによって、ブレードの特定の側から反対側への動力を生成するように構成され得る。
【0098】
例示的な一実施形態において、複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成することができ、複数のエアポケットを備え、複数のエアポケットの内、特定のエアポケットに選択的に空気充填量を変更させることによって、所定風条件下で所望する方向にブレードが動力を有する形状を実現することができる。空気充填量を変更するために、例えばエアポンプを使用することができる。
【0099】
別の実施形態においては、別個のエアポケットを備えていない薄膜状のブレードがセグメント単位で角度変更可能な格子状の支持台によって制御することができ、各々の格子単位で回転量を変えることによって与えられる風条件下で所望する移動方向への動力を最大化させる形状にブレードを変形するように構成され得る。
【0100】
一方、本発明の一態様に係れば、各々のブレードの回転は、例えば地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
図7は一態様に係るブレード支持台の断面図である。
図7に示すように、各々のブレードの支持台は、帆状の薄膜を支持するように構成される上部支持台31と、前記上部支持台31が回転可能に結合される下部支持台32とを含むことができる。下部支持台32は、上部支持台31に結合されたブレード回転軸35が通過することができるキャビティを提供する。ブレード回転軸35は、モータ軸34と連結され、モータ33からの回転力に基づいて回転することによって上部支持台を回転させ、帆状の薄膜の配向を所望する方向に調整するようにすることができる。
【0101】
一方、
図8は、一態様に係る高度分離型ブレードの例示図である。本発明の一態様に係る風力発電システムにおいて、電力生産効率を極大化させるための適切なブレードの大きさはかなり大きな規模であり得、高度に応じて風の方向が異なることがある。したがって、高度によって風の方向が各々異なる場合であっても、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化するために、ブレードは、高度に応じて区分される第1部分37a、第2部分37b及び第3部分37cを備え、第1ジョイント38a、第2ジョイント38b及び第3ジョイント38cを備え、各ジョイント部分をそれぞれ回転可能に構成することにより、各部分に含まれた帆形態の薄膜の配向をそれぞれ異なるように設定することができる。すなわち、複数のブレード30のそれぞれは、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、第1部分ブレードと第2部分ブレードとは互いに独立して回転可能するように構成され、第1部分ブレード及び第2部分ブレードがそれぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化させるように回転されることができる。
【0102】
ブレードの目標移動方向を決定するための位置情報、風の方向に関する情報等の獲得は、一般的のセンサシステムの内、いずれかを採用することにより達成することができ、ブレードの配向決定及び変更のための制御システムもまた一般的の制御システムの内、いずれかを選択することができる。
【0103】
例えば、ループ内の前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、複数のブレードのそれぞれに備えられた位置信号受信装置が、ループ内に複数備えられる位置識別信号発生装置の内、少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得することができる。また別の態様では、GPSのような位置決めシステムによって各ブレードの位置情報を決定することができる。ブレードの位置に応じた目標移動方向は、データベースに貯蔵されたテーブル情報に従って決定され得、各位置及びループ形状に基づいてコンピューティングデバイスがリアルタイムで計算するように構成され得る。一方、風の方向に関する情報は、複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得され、各ブレード毎の風の方向に関する正確な情報を用いるようにすることができる。配向決定のような演算を実行する制御システムは、各々のブレードごとに別々のコンピューティングデバイスまたはプロセッサを備えるように設定することができ、または各ブレードと情報を送受信するように構成された統合制御システムを備え統合制御システムが各々のブレードに対する制御を実行するように構成することもある。
【0104】
再び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システム100は、複数のナセルを備えることができる。例えば、ナセル40は、発電機中心軸歯車45-1を備える発電機を備えることができ、発電機中心軸歯車45-2を備える追加の発電機を含む別個のナセルをさらに備えることもできる。
【0105】
一方、風力発電機の形態に応じて、ナセル40に備えられた発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され得る。あるいは、必要に応じて目標回転速度を調整することが要求され得る。
【0106】
関連して、複数のブレード30の各々は、移動体20に対する設置位置が変更可能するように構成され得、したがってブレード30間の間隔が調整されることもある。また、前述したように、ブレード30の各々がレール10上で摺動移動可能に構成され、移動体20は各々のブレード30を連結するチェーンの形態で構成され得る。この場合も、移動体20とブレード30との結合は、再調整可能な形態で構成され得る。
図9は一態様に係るレール、移動体及びブレードの結合関係図である。
図9に示すように、レール10上で複数のブレード30が 摺動移動可能に備えられることができ、移動体20は各々のブレード30を連動させるが結合位置が再調整されることが可能な形態で備えられる。ただし、
図9のレール、移動体及びブレードの結合関係図は一例示的な形態であり、レール10上で移動体20及び/またはブレード30が摺動移動可能に構成される様々な実施形態が採用され得る。
【0107】
図10は、一態様に係る風力発電システムの上面図であり、
図11は、ブレード間隔調整が可能な風力発電システムの上面図である。発電機中心回転軸の回転速度を調整するための態様で、ブレードの移動速度が制御される形態が可能である。
図11に示すように、レールは直線区間1110と曲線区間1120-1、1120-2を含むことができ、複数のブレードは直線区間1110に位置するときより曲線区間(1120-1、1120-2)に位置するとき、さらに狭い間隔で配置されるように構成され得る
【0108】
一方、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、先の
図2に例示したように、レール10がループを形成するように構成され得、ループの内部に形成され、ループよりさらに短い移動経路を提供する内部ループをさらに含み、発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され、風速に関する情報に基づいて、前記目標回転速度にさらに近い回転速度を達成するために、前記ループ及び前記内部ループの内、いずれか1つの移動体及びブレードの内、少なくとも1つの移動に連動して回転するように構成され得る。
【0109】
さらに具体的に、
図13は、ギア変換が可能な風力発電システムの例示図である。
図13に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、ループ1310と、第1内部ループ1320及び第2内部ループ1330とを含むことができる。第1内部ループ1320はループ1310よりさらに短い移動経路を有するように構成され、第2内部ループ1330は第1内部ループ1320よりもさらに短い移動経路を有するように構成される。同じ風速においても、ループ1310、第1内部ループ1320、及び第2内部ループ1330は、各々異なる移動速度を有するように構成され得る。前で注意深く見たように、発電機は目標回転速度を有するように構成され得るので、風速に応じて前記発電機の目標回転速度に最も適した回転速度を提供することができるループに選択的に回転連動するように構成することができる。例えば、
図13に示すように、発電機中心回転軸1340は、第1回転ベルト1341を介してループ1310の第1回転連動シャフト1311と接続することができ、第2回転ベルト1342を介して第1内部ループ1320に対する第2回転連動シャフト1321と連結することができ、第3回転ベルト1343を介して第2内部ループ1330に対する第3回転連動シャフト1331と連結され得る。第1回転ベルト1341~第3回転ベルト1343のそれぞれは、発電機中心回転軸1340と回転連動がオン/オフ可能するように構成することができ、第1回転ベルト1341~第3回転ベルト1343のいずれか1つを選択的に発電機中心回転軸1340と回転連動させることができる。但し、
図13に示される実施形態は例示的なものであり、ギアボックスなどの様々な実施形態を介して複数のループの内、いずれかの1つのループが発電機の中心回転軸を回転させるように選択される構成を達成することができる。
【0110】
ここで、風速に関する情報は風速センサから獲得することができる。風速センサは、単一個備え備えることもあり、または各々にループ毎に、または各々のレード毎に設けられ、各々の風速に応じた各ループの予想移動速度を計算するように構成され得る。
【0111】
一方、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいて、台風の発生のように風力発電システムの正常な作動が担保されない状況では、ブレードの保護のための措置が必要となり得る。関連して、例えば、ブレードの保管のための格納庫が設置されたり、ブレード間の締結に行われるか、またはブレードが地面の方向に折り畳まれる形態でブレードの保護措置を実行したりすることができる。
【0112】
図14は、分離建設される格納庫の例示図である。
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、複数のブレードが格納される格納庫1430、レールに含まれる分岐点1410、及び分岐点から格納庫までの移動経路を提供する格納レール1420をさらに含み、複数のブレード30は分岐点1410及び格納レール1420を介して格納庫1430に格納されるように構成され得る。前述のように、移動体20及び/またはブレード30のレール10への結合関係は、様々な実施形態を有して実現することができ、ブレード30自体がレール10上を摺動移動可能に構成される場合、保護措置が必要な時点で、ブレード30は、レール10上の分岐点1410から格納レール1420に移動されるように措置され、格納レール1420に沿って摺動(スライド)移動され、格納庫1430に格納措置することができる。また別の実施形態において、移動体20がレール10上を摺動移動し、ブレード30は移動体20上で設置位置が変更可能に備えることができる。このような実施形態において、移動体20は、ループの一部が分離可能に構成され、ブレードの保護措置が必要な時点で移動体20のループ一部分が分離されて分岐点1410を経由して格納レール1420に沿って格納庫1430まで延びるように移動することができる。ブレードは、移動体20上で設置位置が変更可能であるので、格納レール1420に沿って延びた移動体20上を移動されて格納庫1430に格納することができる。
【0113】
図15はレール上に構設される格納庫の例示図である。
図15に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、レール10が貫通するように構成された格納庫1530をさらに含み、複数のブレード30はレール10に沿って移動して格納庫1530に格納されるように構成されることもできる。
図15により例示された実施形態においても、
図14に示すように、移動体及び/またはブレードのレールとの結合関係に応じて、様々な方法でブレード30が格納庫1530に移動されることができる。
【0114】
ブレード間締結形態の例示図である。
図16に示すように、ブレード1630-1~ブレード1630-2の複数のブレードは、台風に対する保護措置が必要なときに互いに結合されるようにすることができる。
【0115】
一態様に係れば、複数のブレードのそれぞれは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合されるようにする締結手段を含むことができる。すなわち、隣接するブレード間の締結に通じて結果的に複数のブレードが全て結合され、台風に対する抵抗力を向上させることができる。
【0116】
別の態様に係れば、複数のブレードは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレード1630-1と、最も右側に位置する第2ブレード1630-2とを含み、第1ブレード1630-1及び第2ブレード1630-2はそれぞれ締結手段を備え、第1ブレードの締結手段及び第2ブレードの締結手段が互いに締結されることにより複数のブレードが結合されるように構成することもできる。その他、様々な実施形態を介して複数のブレードが結合される構成が可能である。
【0117】
図17は地面の方向に折り畳み可能なブレードの例示図である。
図17に示すように、複数のブレードのそれぞれは、地面方向の方向に折り畳むことができるように構成することができる。平常時に、正常位置1730に位置し、風のエネルギーに基づいて動力を生成するブレードは、台風の危険のように保護措置が必要な時点では地面の隣接位置1740に折り畳まれ、風の影響を最小化するようにすることができる。
【0118】
一方、大容量の電力を発生させることができるウィンドファーム(Wind Farm)の形態で本発明の一実施形態に係る風力発電システムを構成することが可能である。関連して、
図18は同心を有する複数レール配置形態の例示図であり、
図19は積層型複数レール配置形態の例示図である。
図18に示すように、第1ループ1810、第2ループ1820、及び第3ループ1830が同心を有するが、異なる移動長を有するように配置され、空間活用度を向上させることができる。あるいは、
図19に示すように、第1ループ1810、第2ループ1820、及び第3ループ1830が垂直方向に順次積層され、空間活用度を向上させることができる。
図18及び
図19の実施形態が複合的に実現されることもできる。
【0119】
一方、図面にレールは地面に完全に水平な形態で示されたが、地形に応じてかなりのレベルの曲げをレールに適用することもあり、また直線形態ではない複数のカバーを含む形態のレールが実現されることも可能である。本発明における「水平方向」は、前記のように完全な水平方向だけでなく、垂直方向以外のおおよその傾斜を有する方向を全て含むことで理解されるべきである。
【0120】
<第2実施形態>
【0121】
図20は本発明の第2実施形態に係る風力発電システムの概念図である。
図20に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システム2000は、レール2010、移動体2020、複数のブレード2030、結合体2050、及び発電機を備えたナセル(nacelle)2040を含むことができる。
【0122】
レール2010は、複数の移動体2020が摺動して移動できる水平方向の移動経路を提供することができる。ここで、水平方向は、前述のように数学的意味の完全な水平方向だけでなく、大略的に地面または水面に沿った移動経路として理解することができる。
図20を通じて示された実施形態において、レール2010上に移動体2020がスライドされるように移動経路を提供することで示されているが、先の例は
図1または
図2に示すようにレール2010が移動体2020の側面で移動経路を提供する形態を含み、レール2010は、移動体2020が摺動されて移動することができる移動経路を提供することができる様々な設計形態を有することができる。
図20に示すように、本発明の一実施形態に係るレール2010は、地面に設置されるか支持台を介して設置され、移動体2020の水平方向の移動経路を提供するように構成され得る。
【0123】
複数の移動体2020は、レール2010が提供する移動経路に応じて摺動移動するように構成され得る。ここで、複数の移動体2020のそれぞれは、複数の移動体にそれぞれ設けられ、風に応じたエネルギーに基づいて複数の移動体それぞれの移動のための動力を提供するブレード2030を備えることができる。すなわち、各々の移動体2020は、風に基づくブレード2030の動力に応じてレール2010が提供する移動経路に応じて摺動して移動することができる。
【0124】
言い換えれば、複数のブレード2030は移動体2020に設置して、風に応じたエネルギーに基づいて移動体2020の移動のための動力を提供することができる。すなわち、風が吹くと、風が提供するエネルギーがブレード2030に作用し、ブレード2030及びそのようなブレードが連結された移動体2020が移動するように構成される。
図20に示す実施形態においては、移動体2020がレール2010に接触し、移動体2020上にブレード2030が設けられるものが例示されているが、レール2010、移動体2020及びブレード2030の設置形態及び構造は、様々な変形が採用され得る。
【0125】
図20に示すように、複数の移動体の各々に備えられたブレードの上端に締結され、ブレードによって提供される動力に基づいて移動する結合体2050が備えることができる。一態様において、結合体2050は、
図20に示すように一体型形態で有り得、他の態様において複数のセグメント構造を有するチェーン形態で有り得る。また、実施形態にかかれば、結合体2050は可撓性を有する材質として構成されることもある。
【0126】
再び
図20を参照すると、結合体2050に隣接して、発電機を備えたナセル2040が配置されることができる。一態様に係れば、発電機は、発電機の中心回転軸に結合された発電機中心軸歯車2045の回転に応じて電力を生成する発電機で有り得、前記発電機の中心回転軸は、結合体2050の移動に連動して回転するように構成することができる。
図20には、結合体2050の移動に連動して発電機中心回転軸が回転する構成を例示的に示している。
【0127】
関連して、先の第1態様に関連して説明したように、
図3は第1の側面によるブレード及び/または移動体と発電機の中心回転軸との間の動力伝達構造を示し、
図4は第2側面によるブレード及び/または移動体と発電機中心回転軸との間の動力伝達構造を示す。なお、第2実施形態の結合体2050と発電機中心回転軸との間の動力伝達構造にも
図3及び
図4の動力伝達構造が採用され得る。
【0128】
例えば、
図3に示すように、発電機は、発電機中心回転軸45cと、発電機中心回転軸45cに結合された円形歯車45とを備えることができ、結合体(
図20の2050)の発電機と対向する面には、複数の鋸歯状の山が備え、結合体2050の移動に伴って鋸歯状の山が円形歯車45の鋸歯状の山45aと噛み合って移動することにつれて、発電機中心回転軸45cが回転するように構成することができる。
【0129】
同様の趣旨で、以下、第1実施形態及び関連図面を通じて説明した本発明の特徴は、第2実施形態にも適用することができる。以下の説明では、第1実施形態のレール及び移動体の図面番号と共に説明するが、通常の技術者であれば、その説明に従って第2実施形態に対しても容易に適用することができる。
【0130】
図12は、発電機中心軸の配置の例示図である。
図12に示すように、発電機の中心軸は、レールとの関係で様々な実施形態を有することができる。一態様に係れば、
図12に示すように、レール10及び移動体20がループを形成する実施形態で、発電機中心回転軸1210、1220はループの外部に位置することができ、ループの内部に位置することもできる。また、発電機中心回転軸1210、1220の回転は、結合体2050の移動に直接連動されることもあり、発電機中心回転軸1230のように媒介手段を備えて回転連動するように構成されることもある。本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、結合体2050の移動に連動して回転する動力伝達シャフト1231をさらに含み、動力伝達シャフト1231に備えられた回転プーリと発電機の発電機中心回転軸1230に備えられた回転プーリが回転ベルト1233に応じて回転連動するように構成されることもある。回転ベルト1233は、例えばコンベアベルトまたはチェーンの形態として構成することもある。
【0131】
一方、
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいて、レール10はループを形成するように構成されることができる。一態様に係れば、第2実施形態において、レール2010は、複数の上部フレーム支持台によって支持される上部フレームをさらに含むことができ、上部フレームは結合体2050を移動可能に保持してブレード2030の起立安定性を向上させるように構成することができる。
【0132】
レール10、2010がループに形成されることによって、複数のブレード及び/または移動体の移動経路は循環構造を有することができる。ここで、複数のブレード2030のそれぞれは、ループ内での前記複数のブレード2030のそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報と、風の方向に関する情報とに基づいて、目標移動方向への動力を最大化するように適応的に回転するように構成され得る。
【0133】
別の態様に係れば、複数のブレード2030の各々は、可撓性を有する素材から構成され、複数のエアポケットを備え、ループ内の複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、目標移動方向への動力を最大化する形状に変形するように構成されることもある。
【0134】
目標移動方向に関して、
図10を参照して、さらに具体的に説明する。
図10は一態様に係る風力発電システムの上面図である。
図10に示すように、本発明の一実施形態に係れば、レール10が形成するループは、例えば第1方向の移動経路を提供する第1部分1010、第1方向と、反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分1030、第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分1020、及び第2部分から第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分1040を含み得る。例えば、ループ内でブレードが時計方向に移動するように構成することができ、したがって第1部分1010におけるブレードの目標移動方向は
図10で(右→左)方向で有り得、第1ジョイント部分(1020)におけるブレードの目標移動方向はブレードが第1部分1010から第2部分1030に移動した程度に応じて、(右→左)方向から、(下→上)方向に、そして再び(左→右)方向に徐々に変化するようになる。一方、第2部分1030におけるブレードの目標移動方向は、(左→右)方向に決定され、第2ジョイント部分1040におけるブレードの目標移動方向は、ブレードが第2部分1030において第1部分1010に移動した程度に応じて、(左→右)方向から、(上→下)方向に、そして再び(右→左)方向に徐々に変化するようになる。すなわち、ブレードの目標移動方向は、ループ内での各ブレードの位置に応じて各々異なるように決定されることができる。
【0135】
各ブレードの目標移動方向が決定されると、風の方向に関する情報に基づいて、各ブレードの目標移動方向への動力を最大化させるように、各ブレードの配向が変わるように、各ブレードを適応的に回転させるように構成され得る。例えば、複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行われる。
【0136】
例えば、複数のブレードの各々は、目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応答して、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、目標移動方向が風の方向と反対であるという決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成され得る。
図10において、風の方向が(右→左)方向であるとき、第1部分1010においては風下カテゴリを行う方向にブレードが回転され、第2部分1030では風上カテゴリを実行する方向へブレードが回転することがある。第1ジョイント部分1020及び第2ジョイント部分1040においては、ブレードのそれぞれの位置に応じた目標移動方向に応じて動力が最大化になるようにブレードが回転されることができる。
【0137】
本発明の一態様に係れば、各々のブレードは、セーリングヨットの帆(sail)のような形態で構成することができる。各々のブレードが支持台を備え、帆の形態の薄膜が支持台によって保持されるように構成され得る。したがって、本発明の一態様に係る風力発電システムは、大型の回転翼を備える従来の風力発電機に比べて著しく削減された設備コストで構成することが可能である。帆の形態の薄膜は、麻布や綿布のようなテント材質で形成されたり、テトロンのような合成繊維、またはポリマー融合体を使用されたりすることもできる。
【0138】
一方、前述したようにベルヌーイの原理及び/またはセーリングヨットの進行方向調整原理に関連して、ブレード30のそれぞれが目標移動方向への動力を最大化する形状を有するように変形させることが可能である。例えば、ベルヌーイの定理に応じて、ブレードの一側面の勾配を増加させ、他側面の勾配と比較して大きくすることによって、ブレードの両側の気流速度を変化させることによって、ブレードの特定の側から反対側面への動力を生成するように構成され得る。
【0139】
例示的な一実施形態においては、複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成され得、複数のエアポケットを備え、複数のエアポケットの内、特定のエアポケットに選択的に空気充填量を変更させることによって、所定風条件下で所望する方向にブレードが動力を有する形状を実現することができる。空気充填量を変更するためには、例えばエアポンプを使用することができる。
【0140】
別の実施形態においては、別個のエアポケットを備えない薄膜状のブレードが、セグメント単位で角度変更可能な格子状の支持台によって制御することができ、各格子単位で回転量を変えることによって与えられる風条件下で所望する移動方向への動力を最大化にする形状にブレードを変形するように構成することもできる。
【0141】
一方、本発明の一態様に係ると、各々のブレードの回転は、例えば地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
図7は、一側面によるブレード支持台の断面図である。
図7に示すように、各々のブレードの支持台は、帆状の薄膜を支持するように構成される上部支持台31と、前記上部支持台31が回転可能に結合される下部支持台32を含むことができる。下部支持台32は、上部支持台31に結合されたブレード回転軸35が通過することができるキャビティを提供する。ブレード回転軸35は、モータ軸34と連結され、モータ33からの回転力に基づいて回転することによって上部支持台を回転させ、帆状の薄膜の配向を所望する方向に調整するようにすることができる。
【0142】
一方、
図8は、一態様に係る高度分離型ブレードの例示図である。本発明の一態様に係る風力発電システムにおいて、電力生産効率を最大化するための適切なブレードの大きさはかなり大きなものであり得、高度に応じて風の方向が異なることがある。したがって、高度によって風の方向が異なる場合であっても、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化するために、ブレードは、高度に応じて区分される第1部分37a、第2部分37bで及び、第3部分37cを備え、第1ジョイント38a、第2ジョイント38b及び第3ジョイント38cを備え、各ジョイント部分をそれぞれ回転可能に構成することにより、各部分に含まれた帆の形態の薄膜の配向をそれぞれ異なるように設定することができる。すなわち、複数のブレード30のそれぞれは、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、第1部分ブレードと第2部分ブレードは互いに独立して回転可能するように構成され得,第1部分ブレード及び第2部分ブレードがそれぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化にするように回転させることができる。
【0143】
ブレードの目標移動方向を決定するための位置情報、風の方向に関する情報等の獲得は、通常的なセンサシステムの内、いずれかを採用することにより達成することができ、ブレードの配向決定及び変更のための制御システムもまた通常の制御システムの内、いずれかを選択することができる。
【0144】
例えば、ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、複数のブレードのそれぞれに備えられる位置信号受信装置が、ループ内に複数備えられる位置識別信号発生装置の内、少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得されることができる。また別の態様では、GPSのような位置決めシステムによって各ブレードの位置情報を決定することができる。ブレードの位置に応じた目標移動方向は、データベースに貯蔵されたテーブル情報に従って決定されることもあり、各位置及びループ形状に基づいてコンピューティングデバイスがリアルタイムで計算するように構成されることもある。一方、風の方向に関する情報は、複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得され、各ブレード毎の風の方向に関する正確な情報を用いるようにすることもある。配向決定のような演算を実行する制御システムは、各々のブレードごとに別々のコンピューティングデバイスまたはプロセッサを備えるように設定されることができ、または各々のブレードと情報を送受信するように構成された統合制御システムを備え統合制御システムが各々のブレードに対する制御を実行するように構成することもできる。
【0145】
再び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システム100は、複数のナセルを備えることができる。例えば、ナセル40は、発電機中心軸歯車45-1を備える発電機を備えることができ、発電機中心軸歯車45-2を備える追加の発電機を含む別個のナセルをさらに備えることもできる。
【0146】
一方、風力発電機の形態に応じて、ナセル40に備えられた発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成されることもある。あるいは、必要に応じて目標回転速度を調整することが要求され得る。
【0147】
関連して、第2実施形態において、結合体2050と複数のブレード2030のそれぞれは、複数のブレード間の間隔を調整するために移動可能するように締結されることがある。ここで、一態様に係れば、結合体2050は、各ブレード2030を連結するチェーンの形態で構成されることある。この場合にも、結合体2050とブレード2030との結合は、再調整が可能な形態で構成することができる。
【0148】
図10は、一態様に係る風力発電システムの上面図であり、
図11は、ブレード間隔調整が可能な風力発電システムの上面図である。発電機中心回転軸の回転速度を調整するための態様において、ブレードの移動速度が制御される形態が可能である。
図11に示すように、レールは直線区間1110と曲線区間1120-1、1120-2を含むことができ、複数のブレードは直線区間1110に位置するときより曲線区間(1120-1、1120-2)に位置するとき、さらに狭い間隔で配置されるように構成され得る。
【0149】
一方、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、レール2010がループを形成するように構成され得、ループの内側に形成されてループさらに短い移動経路を提供する内部ループをさらに含み、発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成され、風速に関する情報に基づいて、前記目標回転速度にさらに近い回転速度を達成するように、前記ループ及び前記内部ループの内、いずれか1つの結合体の移動に連動し、回転するように構成され得る。
【0150】
さらに具体的に、
図13は、ギア変換が可能な風力発電システムの例示図である。
図13に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、ループ1310と、第1内部ループ1320と第2内部ループ1330を含むことができる。第1内部ループ1320はループ1310よりさらに短い移動経路を有するように構成され、第2内部ループ1330は第1内部ループ1320よりさらに短い移動経路を有するように構成される。同じ風速においても、ループ1310、第1内部ループ1320、及び第2内部ループ1330は、各々異なる移動速度を有するように構成され得る。前述のように、発電機は目標回転速度を有するように構成することができるので、風速に応じて発電機の目標回転速度に最も適した回転速度を提供することができるループに選択的に回転連動するように構成され得る。例えば、
図13に示すように、発電機中心回転軸1340は、第1回転ベルト1341を介してループ1310の第1回転連動シャフト1311と接続することができ、回転ベルト1342を介して第1内部ループ1320に対する第2回転連動シャフト1321と連結することができ、第3回転ベルト1343を介して第2内部ループ1330に対する第3回転連動シャフト1331と連結することができる。第1回転ベルト1341~第3回転ベルト1343のそれぞれは、発電機中心回転軸1340と回転連動がオン/オフ可能となるように構成され得、第1回転ベルト1341~第3回転ベルト1343の内、いずれか1つを選択的に発電機中心回転軸1340と回転連動させることができる。ただ
図13に示される実施形態は例示的なものであり、ギアボックスのような様々な実施形態を介して複数のループの内、いずれか1つのループが発電機の中心回転軸を回転させるように選択される構成が達成されることができる。
【0151】
ここで、風速に関する情報は風速センサから獲得することができる。風速センサは、単一個備えられることもあり、または各々にループ毎に、または各々のブレード毎に設けられ、各々の風速に応じた各ループの予想移動速度を演算するように構成されることもある。
【0152】
一方、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいて、台風の発生のように風力発電システムの正常な作動が担保されない状況においては、ブレードの保護のための措置が必要となることがある。関連して、例えば、ブレードの保管のための格納庫が設置されるか、ブレード間の締結に行われるか、またはブレードが地面の方向に折り畳まれる形態でブレードの保護措置が実行されることができる。
【0153】
図14は分離建設される格納庫の例示図である。
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、複数のブレードが格納される格納庫1430、レールに含まれる分岐点1410、及び分岐点から格納庫までの移動経路を提供する格納レール1420をさらに含み、複数のブレード30は分岐点1410及び格納レール1420を介して格納庫1430に格納されるように構成され得る。複数の移動体2020がレール2010上を摺動移動可能に構成される場合、保護措置が必要な時点でブレード2030を備える移動体2020は、レール2010上の分岐点1410で格納レール1420に移動するように措置され、格納レール1420に沿って摺動(スライド)移動して格納庫1430に格納措置され得る。
【0154】
図15はレール上に建設される格納庫の例示図である。
図15に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、レール10が貫通するように構成された格納庫1530をさらに含み、複数のブレード30はレール10を沿って移動して格納庫1530に格納するように構成され得る。第2実施形態において、ブレード2030を備える複数の移動体2020はレール2010に沿って移動して格納庫に格納するように構成され得る。
【0155】
図16はブレード間締結形態の例示図である。
図16に示すように、ブレード1630-1~ブレード1630-2の複数のブレードは、台風に対する保護措置が必要なときに互いに結合するようにすることができる。
【0156】
一態様に係れば、複数のブレードのそれぞれは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合するようにする締結手段を含むことができる。すなわち、隣接するブレード間の締結によって結果的に複数のブレードが全て結合され、台風に対する抵抗力を向上させることができる。
【0157】
別の態様に係れば、複数のブレードは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレード1630-1と、最も右側に位置する第2ブレード1630-2とを含み、第1ブレード1630-1及び第2ブレード1630-2はそれぞれ締結手段を備え、第1ブレードの締結手段及び第2ブレードの締結手段が相互締結されることにより複数のブレードが結合されるように構成されることもできる。その他、様々な実施形態を介して複数のブレードが組み合わせる構成が可能である。
【0158】
<第3実施形態>
【0159】
図21は、本発明の第3実施形態に係る風力発電システムの概念図である。
図21に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システム2100は、レール2110、移動体2120、複数のブレード2130、及び発電機を備えたナセル2140を含めることができる。
【0160】
レール2110は、複数の移動体2120が摺動して移動することができる水平方向の移動経路を提供することができる。ここで、水平方向は、前述のように数学的意味の完全な水平方向だけでなく、大略的に地面または水面に沿った移動経路として理解することができる。
図21に示された実施形態において、レール2110上に移動体2120が摺動するように移動経路を提供することで例示されているが、前の例の
図1または
図2に示すようにレール2110が移動体2120の側面で移動経路を提供する形態を含み、レール2110は、移動体2120が摺動して移動することができる移動経路を提供することができる様々な設計形態を有することができる。
図21に示すように、本発明の一実施形態に係るレール2110は、地面に設置されるか支持台を介して設置され、移動体2120の水平方向の移動経路を提供するように構成され得る。
【0161】
複数の移動体2120は、レール2110が提供する移動経路に応じて摺動移動され移動するように構成され得る。ここで、複数の移動体2120のそれぞれは、複数の移動体にそれぞれ設けられ、風に応じたエネルギーに基づいて複数の移動体それぞれの移動のための動力を提供するブレード2130を備えることができる。すなわち、各移動体2120は、風に基づくブレード2130の動力に応じてレール2110が提供する移動経路に応じて摺動して移動することができる。
【0162】
言い換えれば、複数のブレード2130は移動体2120に設置されて、風に応じたエネルギーに基づいて移動体212の移動のための動力を提供することができる。すなわち、風が吹くと、風が提供するエネルギーがブレード2130に作用し、ブレード2130及びそのようなブレードが連結された移動体2120が移動するように構成される。
図21に示される実施形態においては、移動体2120がレール2110に接触し、移動体2120上にブレード2130が取り付けられることで示されているが、レール2110、移動体2120、及びブレード2130の設置形態及び構造は、様々な変形が採用され得る。
【0163】
再び
図21を参照すると、移動体2120及び/またはブレード2130に隣接して、発電機を備えたナセル2140を配置することができる。一態様に係れば、発電機は、発電機の中心回転軸に結合された発電機中心軸歯車2145の回転に応じて電力を生産する発電機で有り得、前記発電機の中心回転軸は、移動体2120及びブレード2130の内、少なくとも1つの移動に連動して回転するように構成され得る。
図21には、移動体2120の移動に連動して発電機中心回転軸が回転する構成が例示されている。関連して、
図21の例示的な実施形態では、移動体2120の発電機と対向する面に動力伝達バー2125を備えることができる。
【0164】
さらに具体的に、
図22は
図21の実施形態における移動体と発電機中心軸との間の動力伝達構造を示す。
図22に示すように、発電機は、発電機中心回転軸2145cと、発電機中心回転軸2145cに結合された円形歯車2145aとを備え、例えば移動体2120の発電機と対向する側面にブレード動力伝達ロッド2125が備えられ、ブレード動力伝達ロッド2125が移動しながら発電機中心軸歯車2145に形成された歯車鋸歯山2145aに作用することにより発電機中心回転軸2145cが回転するように構成されることもある。
図22に示すように、ブレード2130の発電機を対向する側面に動力伝達ロッドが備えられ、中心回転軸2145cの回転を誘発するように構成されることもある。
【0165】
同様の趣旨で、以下、第1実施形態及び関連図面を通じて説明した本発明の特徴は、第3実施形態にも適用することができる。以下の説明では、第1実施形態のレール及び移動体の図面番号と共に説明するが、通常の技術者であれば、その説明に従って第3実施形態に対しても容易に適用することができる。
【0166】
図12は発電機の中心軸の配置の例示図である。
図12に示すように、発電機の中心軸は、レールとの関係で様々な実施形態を有することができる。一態様に係れば、
図2または
図12に示すように、レール10及び移動体20がループを形成する実施形態において、発電機中心回転軸1210、1220はループの外部に位置することもあり、ループの内部に位置することもできる。また、発電機中心回転軸1210、1220の回転は、移動体及び/またはブレードの移動に直接連動され得、発電機中心回転軸1230のように媒介手段を備えて回転連動するように構成されることもある。
図12に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、移動体20及びブレード30の内、少なくとも1つの移動に連動して回転する動力伝達軸1231をさらに含み、動力伝達軸1231に備えられた回転プーリと、発電機の発電機中心回転軸1230に備えられた回転プーリが、回転ベルト1233に応じて回転連動するように構成されることもある。回転ベルト1233は、例えばコンベアベルトまたはチェーンの形態として構成されることもある。
【0167】
一方、
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいては、レール10はループを形成するように構成され得る。一態様に係れば、第3の実施形態において、レール2110は、複数の上部フレーム支持台によって支持される上部フレームをさらに含むことができ、上部フレームは、移動体2120に備えられたブレード2130を移動可能に維持してブレード2130の立ち上がり安定性を向上させるように構成されることもある。
【0168】
レール10、2110がループに形成されることによって、複数のブレード及び/または移動体の移動経路は循環構造を有することができる。ここで、複数のブレード2130の各々は、ループ内での前記複数のブレード2130のそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報と、風の方向に関する情報とに基づいて、目標移動方向への動力を最大化させるように適応的に回転するように構成され得る。
【0169】
別の態様によれば、複数のブレード2130の各々は、可撓性を有する素材で構成され、複数のエアポケットを備え、ループ内での複数のブレードのそれぞれの位置に応じて決定される目標移動方向に関する情報及び風の方向に関する情報に基づいて、複数のエアポケットの内、少なくとも1つのエアポケットに対する空気充填量を制御することによって、目標移動方向への動力を最大化させる形状に変形するように構成されることもある。
【0170】
目標移動方向について、
図10を参照にしてさらに具体的に説明する。
図10は一態様に係る風力発電システムの上面図である。
図10に示すように、本発明の一実施形態に係れば、レール10が形成するループは、例えば第1方向の移動経路を提供する第1部分1010、第1方向と反対の第2方向の移動経路を提供する第2部分1030、第1部分から第2部分への移動経路を提供する第1ジョイント部分1020、及び第2部分から第1部分への移動経路を提供する第2ジョイント部分1040を含み得る。例えば、ループ内でブレードが時計方向に移動するように構成され得、したがって第1部分1010におけるブレードの目標移動方向は
図10で(右→左)方向で有り得、第1ジョイント部分1020におけるブレードの目標移動方向は、ブレードが第1部分1010から第2部分1030に移動した程度に応じて、(右→左)方向から、(下→上)方向に、そして再び(左→右)方向に徐々に変化するようになる。一方、第2部分1030におけるブレードの目標移動方向は、(左→右)方向に決定され、第2ジョイント部分1040におけるブレードの目標移動方向は、ブレードが第2部分1030において第1部分1010に移動した程度に応じて、(左→右)方向から、(上→下)方向に、そして再び(右→左)方向に徐々に変化するようになる。すなわち、ブレードの目標移動方向は、ループ内での各々のブレードの位置に応じて各々異なるように決定され得る。
【0171】
各ブレードの目標移動方向が決定されると、風の方向に関する情報に基づいて、各ブレードの目標移動方向への動力を最大化させるように各ブレードの配向が変更されるように、各ブレードを適応的に回転するように構成することができる。例えば、複数のブレードのそれぞれの回転は、地面に垂直な回転軸に基づいて行われる。
【0172】
例えば、複数のブレード各々は、目標移動方向が風の方向と一致するという決定に応じて、風下カテゴリを実行する方向に回転するように構成され、目標移動方向が風の方向と反対であるという決定に応答して、風上カテゴリを実行する方向に回転するように構成することができる。
図10において、風の方向が(右→左)方向であるどき、第1部分1010では風下カテゴリを行う方向にブレードが回転し、第2部分1030では風上カテゴリを実行する方向にブレードが回転することができる。第1ジョイント部分1020及び第2ジョイント部分1040では、ブレードのそれぞれの位置に応じた目標移動方向に応じて動力が最大化になるようにブレードが回転されることができる。
【0173】
本発明の一態様に係れば、各々のブレードは、セーリングヨットの帆(sail)のような形態で構成され得る。各々のブレードが支持台を備え、帆の形態の薄膜が支持台によって保持されるように構成され得る。したがって、本発明の一態様に係る風力発電システムは、大型の回転翼を備える従来の風力発電機に比べて著しく削減された設備コストで構成することが可能である。帆の形態の薄膜は、麻布や綿布のようなテント材質で形成されるか、テトロンのような合成繊維、またはポリマー融合体を使用することができる。
【0174】
一方、前述のようにベルヌーイの原理及び/またはセーリングヨットの進行方向調整原理に関連して、ブレード2130の各々が目標移動方向への動力を最大化させる形状を有するように変形させることが可能である。例えば、ベルヌーイの定理に応じて、ブレードの一側面の勾配を増加させ、他側面の勾配と比べて大きくすることによって、ブレードの両側での気流速度を変化させることによって、ブレードの特定の側面から反対側面への動力を生成するように構成され得る。
【0175】
例示的な一実施形態において、複数のブレードのそれぞれは、可撓性を有する素材で構成することができ、複数のエアポケットを備え、複数のエアポケットの内、特定のエアポケットに選択的に空気充填量を変更させることによって、所定風条件下で所望する方向にブレードが動力を有する形状を実現することができる。空気充填量の変更のためには、例えばエアポンプを使用することができる。
【0176】
別の実施形態においては、別個のエアポケットを備えない薄膜状のブレードがセグメント単位で角度変更が可能な格子状の支持台によって制御することができ、各々の格子単位で回転量を変えることによって与えられる風条件下での所望する移動方向への動力を最大化させる形状にブレードを変形するように構成することもできる。
【0177】
一方、本発明の一態様に係れば、各々のブレードの回転は、例えば地面に垂直な回転軸に基づいて行うことができる。
図7は一態様に係るブレード支持台の断面図である。
図7に示すように、各々のブレードの支持台は、帆状の薄膜を支持するように構成される上部支持台31と、前記上部支持台31が回転可能に結合される下部支持台32を含むことができる。下部支持台32は、上部支持台31に結合されたブレード回転軸35が通過することができるキャビティを提供する。ブレード回転軸35は、モータ軸34と連結され、モータ33からの回転力に基づいて回転することによって上部支持台を回転させ、帆状の薄膜の配向を所望する方向に調整するようにすることができる。
【0178】
一方、
図8は、一態様に係る高度分離型ブレードの例示図である。本発明の一態様に係る風力発電システムにおいて、電力生産効率を最大化するための適切なブレードの大きさはかなり大きな規模であり得、高度に応じて風の方向が各々異なることがある。したがって、高度によって風の方向が各々異なる場合であっても、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化させるために、ブレードは、高度に応じて区分される第1部分37a、第2部分37b及び第3部分37cを備え、第1ジョイント38a、第2ジョイント38b及び第3ジョイント38cを備え、各ジョイント部分をそれぞれ回転可能するように構成することにより、各部分に含まれた帆の形態の薄膜の配向をそれぞれ異なるように設定することができる。すなわち、複数のブレード30のそれぞれは、高さ方向に区分された第1部分ブレードと第2部分ブレードとを備え、第1部分ブレードと第2部分ブレードは互いに独立して回転可能するように構成され、第1部分ブレード及び第2部分ブレードがそれぞれ配置された高さにおける風の方向に関する情報に基づいて、ブレード30の目標移動方向への動力を最大化させるように回転され得る。
【0179】
ブレードの目標移動方向を決定するための位置情報、風の方向に関する情報等の獲得は、通常的のセンサシステムの内、いずれかを採用することにより達成することができ、ブレードの配向決定及び変更のための制御システムもまた通常の制御システムの内いずれかを選択することができる。
【0180】
例えば、ループ内での前記複数のブレードのそれぞれの位置に関する情報は、複数のブレーどのそれぞれに備えられる位置信号受信装置が、ループ内に複数備えられる位置識別信号発生装置の内、少なくとも1つからの位置識別信号を受信することによって獲得することができる。さらに別の態様では、GPSのような位置決めシステムによって各ブレードの位置情報を決定することができる。ブレードの位置に応じた目標移動方向は、データベースに貯蔵されたテーブル情報に従って決定され得、各位置及びループ形状に基づいてコンピューティングデバイスがリアルタイムで計算するように構成されることもある。一方、風の方向に関する情報は、複数のブレードのそれぞれに備えられる風向センサから獲得され、各ブレード毎の風の方向に関する正確な情報を用いるようにすることもできる。配向決定のような演算を実行する制御システムは、各々のブレードごとに別々のコンピューティングデバイスまたはプロセッサを備えるように設定することができ、または各ブレードと情報を送受信するように構成された統合制御システムを備え統合制御システムが各々のブレードに対する制御を実行するように構成することもできる。
【0181】
再び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る風力発電システム100は、複数のナセルを備えることができる。例えば、ナセル40は、発電機中心軸歯車45-1を備える発電機を備えることができ、発電機中心軸歯車45-2を備える追加の発電機を含む別個のナセルをさらに備えることもある。
【0182】
一方、風力発電機の形態に応じて、ナセル40に備えられた発電機は、予め決められた目標回転速度を有するように構成されることもある。あるいは、必要に応じて目標回転速度を調整することが要求され得る。
【0183】
第3実施形態において、複数の移動体2120はレール2110上でそれぞれ移動可能し、移動体2120間の間隔を変更されることができる。
図10は、一態様に係る風力発電システムの上面図であり、
図11は、ブレード間隔調整が可能な風力発電システムの上面図である。発電機中心回転軸の回転速度を調整するための態様で、ブレードの移動速度が制御される形態が可能である。
図11に示すように、レールは直線区間1110と曲線区間1120-1、1120-2を含むことができ、複数のブレードは直線区間1110に位置するときより曲線区間(1120-1、1120-2)に位置するとき、さらに狭い間隔で配置されるように構成することができる。
【0184】
一方、本発明の一実施形態に係る風力発電システムにおいて、台風の発生のように風力発電システムの正常な作動が担保されない状況では、ブレードの保護のための措置が必要となることがある。関連して、例えば、ブレードの保管のための格納庫が設置されたり、ブレード間の締結に行われるか、またはブレードが地面の方向に折り畳まれる形態でブレードの保護措置を実行されたりすることができる。
【0185】
図14は、分離建設される格納庫の例示図である。
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、複数のブレードが格納される格納庫1430、レールに含まれる分岐点1410、及び分岐点から格納庫までの移動経路を提供する。格納レール1420をさらに含み、複数のブレード30は分岐点1410及び格納レール1420を介して格納庫1430に格納されるように構成することができる。第3実施形態のように、各々の移動体2120に備えられるブレード2130がレール2110上で摺動移動可能に構成される場合、保護措置が必要な時点でブレード2130が備えられた移動体2120は、レール2110上の分岐点1410から格納レール1420に移動するように措置され、格納レール1420に沿って摺動(スライド)移動して格納庫1430に格納することができる。
【0186】
図15はレール上に建設される格納庫の例示図である。
図15に示すように、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、レール10が貫通するように構成された格納庫1530に格納するように構成されることもある。
図15により例示された実施形態においても、
図14に示すように、移動体及び/またはブレードのレールとの結合関係に応じて、様々な方法でブレード30が格納庫1530に移動されることができる。第3実施形態では、複数の移動体2120をレール2120に沿って移動して格納庫に格納するように構成されることもある。
【0187】
図16はブレード間締結形態の例示図である。
図16に示すように、ブレード1630-1~ブレード1630-2の複数のブレードは、台風に対する保護措置が必要なときに互いに結合するようにすることができる。
【0188】
一態様に係れば、複数のブレードのそれぞれは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに隣接するブレードと結合するようにする締結手段を含むことができる。すなわち、隣接するブレード間の締結に通じて結果的に複数のブレードが全て結合され、台風に対する抵抗力を向上させることができる。
【0189】
別の態様に係れば、複数のブレードは、複数のブレードの間隔が最小化されたときに最も左側に位置する第1ブレード1630-1と、最も右側に位置する第2ブレード1630-2とを含み、第1ブレード1630-1及び第2ブレード1630-2はそれぞれ締結手段を備え、第1ブレードの締結手段及び第2ブレードの締結手段が互に締結されることにより複数のブレードが結合されるように構成されることもある。その他にも様々な実施形態を介して複数のブレードが組み合わせる構成が可能である。
【0190】
図17は地面方向に折り畳み可能なブレードの例示図である。
図17に示すように、複数のブレードのそれぞれは、地面方向に折り畳むことができるように構成され得る。平常時、正常位置1730に位置して、風のエネルギーに基づいて動力を生成するブレードは、台風の危険のように保護措置が必要な時点では地面の隣接位置1740に折り畳まれ、風の影響を最小化するようにすることができる。
【0191】
<実験例>
【0192】
本発明の一態様に係る風力発電システムは、従来の大型ファン方式の風力発電機に比べて改善された発電効率及び低減された騒音発生を達成することができる。本発明の一態様に係る風力発電システムの発電性能及び騒音発生に対する実験のための実験例の風力発電システムのコンピュータ流体力学モデルは、以下のような設計条件で実現され得る。
【0193】
-複数のブレードがループを形成するレール上に順次配置され、風に基づいて駆動エネルギーを形成
【0194】
-計算エリアサイズ:300×250×200(m3)(済州ガシリ発電所と同じ規模)
【0195】
-タービン翼形(NACA0009-セール(sail)形状):水平長さ=90(m)/垂直高さ=120(m)/最大揚力入射角=5.5degree/タービン間距離=150(m)/レール上移動速度=1.9m/s(ジェネレータ最大効率基準)
【0196】
-風況条件:平均風速=11.4 m/s(Rechord≒7x107)/風況条件=0(headwind),45,90(crosswind),180(tailwind)度
【0197】
コンピュータ流体力学解析が、前記モデルの移動するブレードがレール上の直線領域で発生させるエネルギーに基づく電力生成量に対する測定のため用いられ、従来の風力発電システムの効率と比較した。
【0198】
従来の風力タービン対比出力測定のための発電機(Power generator)の選定/特性に関して、94.4%の効率を有するジェネレータに基づいて評価した。ハブ(歯車)はレールに接続され、発電機ナセルの中心軸にトルク()を伝達するように構成される。ハブとナセルの属性は、5MW NRELの参照風力タービンによって決定された(https://www.nrel.gov/docs/fy09osti/38060.pdf参照)。
【0199】
出力を測定するための方法として、側風(Crosswind)内の流れ(Flow)及び渦(Vortex)を考慮した。以下の式(1)に従って生成される電力を推定した。
【0200】
【0201】
ここで、
【数2】
はブレードの移動方向の単位ベクトルを示す。
【0202】
風向別出力計算値は下記の表1の通りである。
【0203】
【0204】
図23は、既存の風力発電機と本発明の一実施形態に係る風力発電システムの出力の比較結果を示す。
図23には、既存の風力発電機(NREL's EMD turbine installed in California, USA (rotor diameter 77m))と比較して、予測される電力出力が示される。関連して、最大出力が発生するテールウィンド(tailwind)を受ける個々のタービンの場合、汎用風力タービンと比較して類似または高い出力を示すことが分かる。さらに、騒音の発生に関連する圧力損失は、従来の汎用タービンの65分1ほど小さいことで現れた(最大圧力損失基準260Pa、)(参照:Li et al、2020、Renewable Energy)。
【0205】
流体力学分析の結果、個々の帆型タービンの場合テールウィンドに近い風向きの場合、従来の汎用風力タービンと類似またはさらに優れた出力が期待でき、ただし、レールに沿ったタービンの立場から風向きがテールウィンドからずれてheadwind傾向の風向に変わると急激な出力の低減があり、全体的に同じ設備容量の既存風力団地対比出力が低いと評価される。ただし、本発明の一態様に係れば、風の方向に応じて適応的にブレードの回転を通じて最大の動力を受けるようにする場合、出力低減問題が解消されることと予想される。
【0206】
さらに、本発明の一実施形態に係る風力発電システムは、既存の風力タービン対比駆動部が少なく、構造が単純で、さらに大きな規模のタービンを使用すればさらなる出力の向上を期待することができる。さらに、風力発電騒音と直結した圧力損失が同規模の既存風力タービン対比65分の1水準(最大圧力損失基準)で低騒音運転の強みがあることが現われた。
【0207】
以上、図面及び実施形態を参照して説明したが、本発明の保護範囲が前記図面又は実施形態によって限定されることを意味するものではなく、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することができることを理解されることである。
【0208】
以上で説明した本発明は、一連の機能ブロックに基づいて説明しているが、前述した実施形態及び添付図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で種々の置換、変形及び変更可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかである。
【0209】
前述の実施形態の組み合わせは前述の実施形態に限定されず、実現及び/または必要に応じて前述の実施形態だけでなく様々な形態の組み合わせが提供され得る。
【0210】
前述の実施形態において、方法は、一連のステップまたはブロックとしてフローチャートに基づいて説明されているが、本発明はステップの順序に限定されず、ステップは、前述したことと異なるステップとは異なる順序でまたは同時に起こり得る。また、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、フローチャートに示されたステップが排他的ではなく、他のステップを含むか、フローチャートの1つまたはそれ以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼすことなく削除され得ることが理解できる。
【0211】
前述の実施形態は、様々な態様の例示を含む。様々な態様を表すためのすべての可能な組み合わせを記述することはできないが、当該技術分野の通常の知識を有する者は他の組み合わせが可能であることを認識することができる。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲内に属する他のすべての交替、修正、及び変更を含む。