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特許7378003ウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラム
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  • 特許-ウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023066369
(22)【出願日】2023-04-14
【審査請求日】2023-06-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月5日に、下記ウェブサイトにて、公開。 ・https://pepabo.com/news/press/202304051300/ ・https://lolipop.jp/service/specs/ai-assistant/ ・https://lolipop.jp/info/campaign/7445/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】304014408
【氏名又は名称】GMOペパボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】中尾 崇志
(72)【発明者】
【氏名】西田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】上園 純平
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-197019(JP,A)
【文献】特開2002-202937(JP,A)
【文献】株式会社デジタルレシピ,"ChatGPTを導入し、テキスト入力&ワンクリックで最適なWEBサイトを自動生成する新機能『Text to Website』をSlideflowに搭載。2023年6月より提供開始!",[online],PRTIMES,2023年03月27日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000083539.html,[検索日 2023.07.28]
【文献】一般社団法人日本ワークパフォーマンス協会,Wixでホームページ制作,第4版,株式会社カットシステム,2020年05月20日,pp.178-179,185-186
【文献】サイトのディレクトリ名候補リスト,[online],RAKUIN,2017年09月13日,https://rakuin.com/blog/code/?p=dirname
【文献】凡人が稼ぐためのインプット,ChatGPTでHTMLコーディングする方法,[online],no+e,2023年02月16日,https://note.com/satoshi60/n/nab34bcda231e,[検索日 2023.07.28]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援装置であって、
レンタルサーバに関するユーザのアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶手段と、
作成対象である対象ウェブサイトの内容を前記ユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、
前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、
前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、
前記対象ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を指定する前記ユーザの操作に応じて前記URLを決定するURL決定手段と、
前記アカウント情報に基づいて、前記URL決定手段が決定した前記URLと関連付けられ且つ前記ユーザがアカウントを有する前記レンタルサーバに前記ソースコードをアップロードすることで、前記対象ウェブサイトをインターネット上で公開するウェブサイト公開手段と、を備える
ウェブサイト作成支援装置。
【請求項2】
前記URL決定手段は、前記アカウントに関連付けられたドメインを前記ユーザに提示するとともに、前記ドメインと共に前記URLを構成するディレクトリを前記ユーザに指定させる
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項3】
前記URL決定手段は、前記アカウントに複数のドメインが関連付けられている場合、前記複数のドメインのいずれかを前記ユーザに選択させる
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項4】
前記URL決定手段は、前記ディレクトリの候補であるディレクトリ候補を生成し、前記ディレクトリ候補を前記ユーザに提示する
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項5】
前記URL決定手段は、前記提示したディレクトリ候補をユーザ操作に応じて修正する
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項6】
テキスト入力を促す情報を前記ユーザに提示する情報提示手段をさらに備え、
前記情報提示手段は、前記ユーザにより入力されたテキストデータがウェブサイト作成のための条件を満たしていない場合、前記条件を満たす新たなテキストデータの入力を促す情報を前記ユーザに提示する
請求項1乃至のいずれか1項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項7】
問答形式で段階的なテキスト入力を前記ユーザに促す場合、前記情報提示手段は、質問情報を前記ユーザに複数回提示し、前記テキストデータ取得手段は、前記質問情報に対する回答として入力されたテキストデータを蓄積し、前記ソースコード導出手段は、前記蓄積されたテキストデータから前記ソースコードを導出する
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項8】
前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを前記ユーザに提示するソースコード提示手段をさらに備える
請求項1乃至のいずれか1項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項9】
前記ソースコード導出手段は、前記ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々に導出し、
前記ソースコード提示手段は、前記ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々に前記ユーザに提示する
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項10】
前記ソースコード提示手段が提示した前記ソースコードをユーザ操作に応じて修正するソースコード修正手段をさらに備え、
前記プレビュー提示手段は、前記修正されたソースコードを用いて前記プレビューを前記ユーザに提示する
請求項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項11】
前記ソースコード導出手段は、前記対象ウェブサイトで使用する自然言語の種類を指定する文字列が前記テキストデータに含まれる場合、前記指定された種類の自然言語を使用した前記対象ウェブサイトのソースコードを導出する
請求項1乃至のいずれか1項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項12】
ユーザ操作に応じて、前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを含むファイルを前記ユーザの端末に配信するファイル配信手段をさらに備える
請求項1乃至のいずれか1項に記載のウェブサイト作成支援装置。
【請求項13】
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援システムであって、
レンタルサーバに関するユーザのアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶手段と、
作成対象である対象ウェブサイトの内容を前記ユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、
前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、
前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、
前記対象ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を指定する前記ユーザの操作に応じて前記URLを決定するURL決定手段と、
前記アカウント情報に基づいて、前記URL決定手段が決定した前記URLと関連付けられ且つ前記ユーザがアカウントを有する前記レンタルサーバに前記ソースコードをアップロードすることで、前記対象ウェブサイトをインターネット上で公開するウェブサイト公開手段と、を備える
ウェブサイト作成支援システム。
【請求項14】
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援プログラムであって、
ウェブサイト作成支援装置に、
レンタルサーバに関するユーザのアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶ステップと、
作成対象である対象ウェブサイトの内容を前記ユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得ステップと、
前記テキストデータ取得ステップで取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出ステップと、
前記ソースコード導出ステップで導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示ステップと、
前記対象ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を指定する前記ユーザの操作に応じて前記URLを決定するURL決定ステップと、
前記アカウント情報に基づいて、前記URL決定ステップで決定した前記URLと関連付けられ且つ前記ユーザがアカウントを有する前記レンタルサーバに前記ソースコードをアップロードすることで、前記対象ウェブサイトをインターネット上で公開するウェブサイト公開ステップと、を実行させる
ウェブサイト作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホームページ等のウェブサイトの作成及び公開を希望するユーザは、ウェブデザイナー等の専門家にウェブサイトの作成を依頼することが一般的であるが、専門家にウェブサイトの作成を依頼するとコストが高くなるため、ユーザ自身がウェブサイトの作成を望む場合がある。
【0003】
しかしながら、ウェブサイトの作成は、HTML(Hyper Text Markup Language)やCSS(Cascading Style Sheets)等のプログラミング言語についての専門的な知識及びスキルを必要とするため、そのような専門的なスキル及びノウハウの乏しいユーザがウェブサイトを作成することは困難である。
【0004】
そのため、ユーザによるウェブサイトの作成を支援するために、ソースコードの記述(コーディング)を不要とし、いわゆるノーコードでウェブサイトを作成可能とするサービスが実用化されている。また、所定の質問にユーザが回答することで、回答に応じたホームページのテンプレートをユーザに提示する技術も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-91715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ノーコードでウェブサイトを作成することができる従来のサービスは、どのようなウェブサイトがよいかを提案してくれるわけではないため、ウェブサイト作成のためのデザインスキル等が必要になる。
【0007】
特許文献1に記載のようにテンプレートをレコメンドする従来のサービスでは、テンプレートの数に限りがあること、所望のテンプレートを探し出すことが難しいこと、及びテンプレートへの情報の入力をユーザが行う必要があること等から、ユーザのイメージ通りのウェブサイトを作成することが容易ではないという問題がある。
【0008】
さらに、専門的なスキル及びノウハウを有するユーザが、ノーコードでウェブサイトを作成することができる従来のサービスやテンプレートをレコメンドする従来のサービスを利用する場合であっても、ウェブサイトの作成には長時間を要するという問題がある。
【0009】
また、ウェブサイトの作成ができたとしても、ウェブサイトのソースコードをサーバにアップロードしなければウェブサイトを公開できず、専門的なスキル及びノウハウの乏しいユーザはウェブサイトを公開することも難しい。
【0010】
そこで、本発明は、ユーザのイメージ通りのウェブサイトを容易に作成及び公開することを可能とするウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様に係るウェブサイト作成支援装置は、ウェブサイトの作成を支援する装置である。前記ウェブサイト作成支援装置は、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、を備える。
【0012】
第2の態様に係るウェブサイト作成支援システムは、ウェブサイトの作成を支援するシステムである。前記ウェブサイト作成支援システムは、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、を備える。
【0013】
第3の態様に係るウェブサイト作成支援プログラムは、ウェブサイトの作成を支援するプログラムである。前記ウェブサイト作成支援プログラムは、ウェブサイト作成支援装置に、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得ステップと、前記テキストデータ取得ステップで取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出ステップと、前記ソースコード導出ステップで導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、ユーザのイメージ通りのウェブサイトを容易に作成及び公開することを可能とするウェブサイト作成支援装置、ウェブサイト作成支援システム、及びウェブサイト作成支援プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係るウェブサイト作成支援システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るウェブサイト作成支援サーバ(ウェブサイト作成支援装置)の構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図4】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図5】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図6】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図7】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図8】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図9】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図10】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図11】実施形態に係る端末の画面表示例を示す図である。
図12】実施形態に係るウェブサイト作成支援システムの動作シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、実施形態に係るウェブサイト作成支援システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0017】
(1)システム構成例
図1は、本実施形態に係るウェブサイト作成支援システム1の構成例を示す図である。本実施形態に係るウェブサイト作成支援システムは、ウェブサイト作成支援サーバ100と、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)サーバ200と、レンタルサーバ300と、端末400とを有する。
【0018】
ウェブサイト作成支援サーバ100、LLMサーバ200、レンタルサーバ300、及び端末400は、ネットワーク10に接続されており、ネットワーク10を介して相互に通信可能である。ネットワーク10は、インターネットを含む。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。また、ウェブサイト作成支援サーバ100、LLMサーバ200、及びレンタルサーバ300のそれぞれは、例えばワークステーション又はPCのような汎用コンピュータとしてもよいし、クラウド・コンピューティング(分散コンピューティング)によって論理的に実現されてもよい。つまり、各サーバは、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
【0019】
ウェブサイト作成支援サーバ100は、ユーザによるウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援装置の一例である。一般的に、ウェブサイトは、少なくとも1つのウェブページを含んで構成される。本明細書では、用語「ウェブサイト」は、「ウェブページ」(単に「ページ」とも称する)を包含する概念であるものとする。ウェブページは、ウェブサイトのトップページ(「メインページ」とも称する)であるホームページであってもよい。よって、用語「ウェブサイト」は、「ホームページ」を包含する概念であるものとする。
【0020】
本実施形態では、ウェブサイト作成支援サーバ100は、レンタルサーバ300を利用するユーザに対してウェブサイト作成支援サービスを提供する。例えば、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ユーザの端末400のウェブブラウザ上でウェブサイト作成支援ページを表示させ、ウェブサイト作成支援ページを介してユーザにウェブサイト作成支援サービスを提供する。
【0021】
特に、ウェブサイト作成支援サーバ100は、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得し、取得したテキストデータをLLMへの入力として用いて、対象ウェブサイトのソースコードをLLMにより導出し、導出したソースコードを用いて、対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューをユーザに提示する。本実施形態では、ウェブサイト作成支援サーバ100は、API(Application Programming Interface)を介して、LLMサーバ200にテキストデータを送信し、LLMサーバ200からソースコードを取得する。なお、「提示」とは、主として表示を意味するが、音声出力等を伴う表示であってもよい。
【0022】
これにより、ユーザは、どのようなウェブサイトを作成したいかを自然言語で記述すれば、当該ウェブサイトのソースコードが自動的に導出され、当該ソースコードに対応するプレビューを見ることが可能である。そして、ユーザは、プレビューを見て自身のイメージ通りであれば、作成されたウェブサイトをレンタルサーバ300上で公開できる。そのため、プログラミングスキルやデザインスキルの乏しいユーザであっても、ユーザのイメージ通りのウェブサイトを作成及び公開することが容易である。また、専門的なスキル及びノウハウを有するユーザであっても、ウェブサイト作成支援サーバ100を利用することで、短時間でイメージ通りのウェブサイトを作成することが容易になる。
【0023】
なお、「自然言語」とは、人類の歴史の中で自然に発生した言語をいい、例えば、日本語や英語等である。本実施形態では、「自然言語」が日本語であるものとするが、日本語に限定されるものではなく、他の種類の自然言語(例えば、英語)であってもよい。一方、「ソースコード」は、HTMLやCSS等のプログラミング言語を用いて記述された文字列である。本実施形態では、「ソースコード」は、CSSを組み込んだHTMLの形式であるものとするが、このような形式に限定されるものではなく、他のプログラミング言語であってもよい。
【0024】
LLMサーバ200は、人工知能(AI)を含む機械学習技術により構築された言語モデルを用いて言語処理タスクを実行するサーバである。言語モデルは、言語を単語の出現確率でモデル化したものである。また、LLMは、大規模なテキストデータ、具体的には、インターネット上にあるWebコンテンツを事前に大量に学習し、わずか数例のタスクを与えただけでさまざまな言語処理タスクを実行できる言語モデルである。このようなLLMの例としては、OpenAI社が開発したGPT-3やGPT-4、Google社が開発したBERT等が挙げられる。
【0025】
本実施形態では、LLMサーバ200は、ソースコードを事前に大量に学習したLLMを用いて、自然言語からプログラム(ソースコード)を自動生成するサービスを提供する。例えば、当該LLMは、インターネット上で公開されている大量のソースコードを学習している。例えば、ソースコードには、コメント文等の自然言語文が含まれていることが一般的であるため、自然言語文とプログラムとの対応関係を学習済みである。そのため、LLMサーバ200は、ユーザが記述した自然言語文(テキストデータ)をウェブサイト作成支援サーバ100から取得すると、ソースコードを自動で生成し、当該ソースコードをウェブサイト作成支援サーバ100に提供できる。
【0026】
なお、LLM等の言語モデルを用いる場合、ある単語に続く単語をその生起確率により順次確定していくため、LLMサーバ200からソースコードの全体が一括して出力されるのではなく、ソースコードが先頭から末尾に向けて徐々に出力される。
【0027】
レンタルサーバ300は、ウェブサイトをインターネット上で一般公開するためのウェブサーバである。レンタルサーバ300は、データセンタに設置され、複数のユーザがコンピューティングリソースを共有する共用サーバでもある。レンタルサーバ300は、ホスティングサーバとも称される。ユーザは、ホスティングサービスに登録しており、ホスティングサービス(レンタルサーバ300)のアカウントを有する。本実施形態では、ユーザのアカウント情報をウェブサイト作成支援サーバ100で管理するものとするが、ウェブサイト作成支援サーバ100と異なるサーバがアカウント情報を管理してもよい。
【0028】
端末400は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等である。端末400は、ユーザとのインターフェイスと、ネットワーク10とのインターフェイスとを有する。ユーザとのインターフェイスは、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネルディスプレイ、マイク、及びスピーカのうち、少なくとも1つを含む。ネットワーク10とのインターフェイスは、有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスのうち少なくとも1つを含む。端末400は、ネットワーク10を介してウェブサイト作成支援サーバ100にアクセスし、ウェブサイトを作成するためにウェブサイト作成支援サーバ100と情報をやり取りする。
【0029】
(2)ウェブサイト作成支援サーバの構成例
図2は、本実施形態に係るウェブサイト作成支援サーバ100の構成例を示す図である。ウェブサイト作成支援サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130とを有する。通信部110、記憶部120、及び処理部130は、図示を省略するバス等によって相互に接続されている。
【0030】
通信部110は、処理部130の制御下で、ネットワーク10を介して他装置(例えば、LLMサーバ200、レンタルサーバ300、及び端末400)との通信を行う。通信部110による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信を含んでもよい。記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んで構成される。処理部130により実行されるプログラム(ウェブサイト作成支援プログラム)は、例えば、記憶部120のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。処理部130は、1つ又は複数のプロセッサにより構成される。
【0031】
記憶部120は、各ユーザのアカウント情報を記憶するユーザ情報データベース121を有する。アカウント情報は、アカウントのID(ユーザIDであってもよい)、ドメインの情報、ログインパスワード、及びレンタルサーバ300のサーバ番号等を含む。ドメインは、ホスティングサービス事業者により割り当てられもよいし、ホスティングサービス事業者以外の事業者に割り当てられてアカウントと関連付けられたアカウントであってもよい。1ユーザのアカウントに対して複数のドメインが関連付けられていてもよい。なお、ドメインは、インターネット上のウェブサイトのアドレス(サイト)アドレスであるURL(Uniform Resource Locator)の少なくとも一部を構成する。例えば、ドメインは、ウェブサイトのトップページのURLを構成する。トップページ以外のウェブページのURLは、ドメインの後にディレクトリ(「サブディレクトリ」とも称されることがある)を連結したURLにより構成される。
【0032】
処理部130は、ウェブサイト作成支援プログラムを実行することにより、情報提示部131と、テキストデータ取得部132と、ソースコード導出部133と、ソースコード提示部134と、プレビュー提示部135と、ソースコード修正部136と、URL決定部137と、ウェブサイト公開部138と、ファイル配信部139と、の各機能を実現する。
【0033】
情報提示部131は、ウェブサイト作成支援のサービスページ(サービスサイト)を端末400に表示させるとともに、ウェブサイト作成支援のための情報をサービスページ上でユーザに提示する。端末400における画面表示例については後述する。
【0034】
テキストデータ取得部132は、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得する。例えば、テキストデータ取得部132は、サービスページ上のテキスト入力欄にユーザが自然言語で記述した文字列(文章)をテキストデータとして取得する。ここで、対象ウェブサイトの内容とは、ウェブサイトの目的や用途等の概要であってもよい。対象ウェブサイトの内容とは、概要に加えて、ウェブサイトで取り扱う商品やサービス、ウェブサイトで使用したい色等の詳細を含んでもよい。いずれにしても、ユーザは、自然言語により自由な形式でテキスト入力が可能である。
【0035】
但し、ユーザが入力したテキストデータは、ウェブサイト作成のための条件を満たしていない場合がある。例えば、対象ウェブサイトの概要すら記述されておらず、ソースコード導出部133がソースコードを導出できない場合がある。そのような場合、情報提示部131は、ソースコード導出の条件を満たす新たなテキストデータの入力を促す情報をユーザに提示してもよい。これにより、ウェブサイトがより確実に作成されることを担保できる。
【0036】
情報提示部131及びテキストデータ取得部132は、問答形式により段階的なテキスト入力をユーザから受け付けてもよい。例えば、情報提示部131が質問情報をユーザに提示し、テキストデータ取得部132が質問情報に対する回答として入力された文章を蓄積し、これを繰り返すことで、十分な量のテキストデータを得ることができる。すなわち、情報提示部131は、質問情報をユーザに複数回提示し、テキストデータ取得部132は、質問情報に対する回答として入力されたテキストデータを蓄積し、ソースコード導出部は、蓄積されたテキストデータからソースコードを導出してもよい。これにより、クオリティの高いウェブサイトの作成を支援できる。
【0037】
ソースコード導出部133は、テキストデータ取得部132が取得したテキストデータをLLMへの入力として用いて、対象ウェブサイトのソースコードをLLMにより導出する。本実施形態では、ソースコード導出部133は、テキストデータ取得部132が取得したテキストデータをAPIによりLLMサーバ200に提供し、対象ウェブサイトのソースコードをAPIによりLLMサーバ200から取得することで、対象ウェブサイトのソースコードを導出する。なお、本実施形態では、LLMサーバ200がウェブサイト作成支援サーバ100とは別のサーバであるが、LLMサーバ200の機能をウェブサイト作成支援サーバ100に組み込む場合には、ソースコード導出部133は、ウェブサイト作成支援サーバ100で管理するLLMを用いて対象ウェブサイトのソースコードを導出してもよい。
【0038】
ソースコード提示部134は、ソースコード導出部133が導出したソースコードをユーザに提示する。例えば、ソースコード提示部134は、端末400が表示するサービスページ上でソースコードを表示することで、ソースコードをユーザに提示する。これにより、ユーザは、自身が自然言語で記述した対象ウェブサイトの内容に対応するソースコードを把握できる。プログラミングの知識を有するユーザであれば、提示(表示)されたソースコードから対象ウェブサイトの表示内容を把握できる。また、プログラミングの知識を有するユーザであれば、提示されたソースコードをコピーしてソースコードの草案として用いて、当該ソースコードを自身で変更・編集することで、コーディングの作業時間を短縮できる。
【0039】
ソースコード導出部133は、上述のように、ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々に導出する。ソースコード提示部134は、ソースコード導出部133によるソースコード導出の進行状況に合わせて、ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々にユーザに提示してもよい。ソースコード導出にはある程度の時間を要するため、ソースコードの全体を一括して提示する場合には、ソースコード全体が導出されるまでユーザには何らソースコードが提示されないことになり、ソースコード導出が進行しているか否かを把握できない。本実施形態では、ソースコード提示部134が、ソースコード導出部133によるソースコード導出の進行状況に合わせて、ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々にユーザに提示することで、ユーザは、ソースコード導出の進行状況を把握できる。
【0040】
ソースコード導出部133は、テキストデータ取得部132が取得したテキストデータに、対象ウェブサイトで使用する自然言語の種類を指定する文字列が含まれる場合、指定された種類の自然言語を使用した対象ウェブサイトのソースコードを導出してもよい。例えば、日本語で入力されたテキストデータに、「ホームページを英語で作成してください」といった文字列が含まれる場合、ソースコード導出部133は、英語を使用した対象ウェブサイトのソースコードを導出してもよい。これにより、ユーザは、様々な言語のウェブサイトを作成することが容易になる。なお、ソースコード導出部133は、テキストデータ取得部132が取得したテキストデータに、対象ウェブサイトで音声の使用を指定する文字列が含まれる場合、指定された音声を使用した対象ウェブサイトのソースコードを導出してもよい。
【0041】
プレビュー提示部135は、ソースコード導出部133が導出したソースコードを用いて、対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューをユーザに提示する。例えば、プレビュー提示部135は、ソースコード導出部133が導出したソースコードからプレビュー画像を描画し、端末400が表示するサービスページ上で当該プレビュー画像を表示することで、プレビューをユーザに提示する。これにより、ユーザは、実際にどのようなウェブサイトが作成されるのかをプレビューに基づいて把握できる。
【0042】
ソースコード修正部136は、ソースコード提示部134が提示したソースコードをユーザ操作に応じて修正する。例えば、ソースコード修正部136は、サービスページ上で表示されるソースコードの修正をユーザから受け付ける。ここで、ユーザは、プレビュー提示部135が提示するプレビューに基づいてソースコードを修正できる。ソースコードが修正された場合、プレビュー提示部135は、修正されたソースコードを用いてプレビューをユーザに提示する。これにより、プログラミングの知識を有するユーザであれば、サービスページ上でソースコードを修正できる。
【0043】
URL決定部137は、作成された対象ウェブサイトのURLを指定するユーザ操作に応じて当該URLを決定する。例えば、URL決定部137は、ユーザのアカウントに関連付けられたドメインをユーザに提示するとともに、ディレクトリをユーザに指定させる。これにより、ユーザがURLを指定することが容易になる。また、ドメインをユーザがマニュアル入力することで生じるミスの発生を抑制できる。
【0044】
URL決定部137は、ユーザのアカウントに複数のドメインが関連付けられている場合、当該複数のドメインのいずれかをユーザに選択させてもよい。これにより、複数のドメインを有するユーザであっても、作成したウェブサイトを所望のドメインで公開できる。
【0045】
URL決定部137は、ディレクトリの候補であるディレクトリ候補を生成(すなわち、自動生成)し、ディレクトリ候補をユーザに提示してもよい。ディレクトリ候補は、ランダムな文字列であってもよいし、ウェブサイトの作成日時を示す文字列であってもよい。これにより、ユーザがディレクトリを入力する手間を省くことができる。なお、ディレクトリの生成ルールは、予めユーザが設定可能であってもよい。URL決定部137は、提示したディレクトリ候補をユーザ操作に応じて修正してもよい。これにより、ユーザは、自動生成されたディレクトリを変更したい場合は、所望のディレクトリに修正できる。なお、ランダムな文字列をディレクトリ候補とする場合、ディレクトリの重複が生じ得るが、ウェブサイト作成日時をディレクトリ候補とする場合は、ディレクトリの一意性を担保できるとともに、いつ作成されたウェブサイト(ウェブページ)であるかをディレクトリに基づいて把握可能になる。
【0046】
ウェブサイト公開部138は、URL決定部137が決定したURLと関連付けられたサーバ(レンタルサーバ300)にソースコードをアップロードすることで、対象ウェブサイトをインターネット上で公開する。これにより、専門的なスキル及びノウハウの乏しいユーザであってもウェブサイトをインターネット上で公開することが容易である。
【0047】
ファイル配信部139は、ユーザ操作に応じて、ソースコード導出部133が導出したソースコードを含むファイルをユーザの端末400に配信する。当該ファイルは、HTMLファイルであってもよい。これにより、プログラミングの知識を有するユーザであれば、ダウンロードしたファイル(ソースコード)を自身で変更・編集することで、コーディングの作業時間を短縮できる。
【0048】
(3)端末の画面表示例
図3乃至図10は、本実施形態に係る端末400の画面表示例を示す図である。
【0049】
図3に示すように、情報提示部131は、ウェブサイト作成支援のサービスページ(サービスサイト)を端末400に表示させる。図示の例では、LLM(AI)を用いたウェブサイト作成支援サービス名が「AIアシスタント」であるとしている。情報提示部131は、当該サービスページの初期状態では、テキスト入力用のテキスト入力欄Aを表示させるとともに、テキスト入力欄Aへのテキスト入力を促す情報を表示させる。情報提示部131は、テキスト入力欄Aへのテキスト入力例を示すサンプル情報を表示させてもよい。
【0050】
図4に示すように、情報提示部131は、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストがテキスト入力欄Aに入力されると、ソースコード導出の実行操作を行うためのボタン(「AIアシスタントへ送信」ボタン)Bを表示させる。テキストデータ取得部132は、ボタンBが操作されると、当該テキストデータを取得する。図示の例では、対象ウェブサイトが「ドーナツ屋のホームページ」であって、当該ホームページの内容をユーザが日本語で入力している。ソースコード導出部133は、テキストデータ取得部132が取得したテキストデータをLLMへの入力として用いて、対象ウェブサイトのソースコードをLLMにより導出する。
【0051】
図5に示すように、情報提示部131は、ボタンBが操作されると、ソースコード導出中である旨の通知情報Cを表示させる。図示の例では、情報提示部131は、ユーザが直感的に理解できるように、ユーザを表すアイコンと、AIアシスタントを表すアイコンとを併せて表示させている。
【0052】
図6に示すように、ソースコードの導出が開始されると、情報提示部131は、ソースコードが導出された旨の通知情報Dを表示させる。また、ソースコード提示部134は、ソースコード導出部133が導出したソースコードEをユーザに提示する。ここで、ソースコード提示部134は、ソースコード導出部133によるソースコード導出の進行状況に合わせて、ソースコードEを先頭から末尾へ向けて徐々にユーザに提示する。
【0053】
図7に示すように、ソースコードの導出及び提示(表示)が完了すると、情報提示部131は、プレビュー操作を受け付けるためのボタンFを表示させる。ボタンFが操作されると、プレビュー提示部135は、ソースコード導出部133が導出したソースコードEを用いて、対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューをユーザに提示する。但し、ボタンFの操作を不要とし、ソースコードの導出及び提示(表示)が完了するとともにプレビュー提示部135が自動的にプレビューをユーザに提示してもよい。
【0054】
図8に示すように、プレビュー提示部135は、ソースコードEをもとに描画したプレビュー画像Gを表示させる。その際、情報提示部131は、プレビュー画像GがソースコードEに対応するプレビューである旨の情報を表示させる。また、情報提示部131は、ウェブサイトの公開操作に用いる領域Hと、ソースコードEをダウンロードする操作に用いる領域Iと、新たなテキスト入力を受け付けるためのボタン(「やりなおす」ボタン)Jとを表示させる。
【0055】
ウェブサイトの公開操作に用いる領域Hは、ウェブサイトを公開するURLのドメインを指定するための領域H1と、当該URLのディレクトリを指定するための領域H2と、公開の実行操作を受け付けるためのボタン(「公開」ボタン)H3と、を含む。URL決定部137は、ユーザのアカウントに関連付けられたドメインを領域H1で表示するとともに、領域H2でディレクトリをユーザに指定させる。ここで、URL決定部137は、ユーザのアカウントに複数のドメインが関連付けられている場合、プルダウンにより、当該複数のドメインのいずれかをユーザに選択させる。また、URL決定部137は、ディレクトリの候補であるディレクトリ候補を生成し、当該ディレクトリ候補を領域H2で表示する。提示したディレクトリ候補は、ユーザが修正することも可能である。ユーザは、領域H1のドメインと領域H2のディレクトリとからなるURLが決定されると、ボタンH3を操作する。ボタンH3が操作されると、ウェブサイト公開部138は、決定したURLと関連付けられたサーバ(レンタルサーバ300)にソースコードをアップロードすることで、対象ウェブサイトをインターネット上で公開する。
【0056】
ソースコードEをダウンロードする操作に用いる領域Iのボタン(「ダウンロード」ボタン)I1が操作されると、ファイル配信部139は、ソースコード導出部133が導出したソースコードを含むファイルをユーザの端末400に配信する。当該ファイルは、HTMLファイルであってもよい。
【0057】
新たなテキスト入力を受け付けるためのボタン(「やりなおす」ボタン)Jが操作されると、情報提示部131は、図3の画面に遷移させ、テキスト入力用のテキスト入力欄Aを表示させるとともに、テキスト入力欄Aへのテキスト入力を促す情報を表示させる。
【0058】
図9に示すように、ウェブサイト公開部138がレンタルサーバ300にソースコードをアップロードすると、情報提示部131は、対象ウェブサイトが公開された旨の情報を含む領域Kを表示させる。領域Kは、公開されたウェブサイトをユーザが確認(閲覧)するためのボタン(「ページを見る」ボタン)K1を含む。ボタンK1には、URL決定部137が決定したURLへのリンクが埋め込まれている。ボタンK1が操作されると、ユーザは、端末400のウェブブラウザ上で、公開されたウェブサイトを閲覧する。
【0059】
なお、上記の画面表示例では、日本語で入力されたテキストデータに基づいて日本語のウェブサイトを作成する一例について説明した。しかしながら、図10に示すように、当該テキストデータに、対象ウェブサイトで使用する自然言語の種類を指定する文字列が含まれる場合、指定された種類の自然言語を使用した対象ウェブサイトのプレビュー画像Gを表示してもよい。図示の例では、当該テキストデータに、「ホームページを英語で作りたい」という文字列が含まれている。この場合、ソースコード導出部133が、英語で記述された対象ウェブサイトのソースコードを導出し、プレビュー提示部135が、英語で記述された対象ウェブサイトのプレビュー画像Gを表示させる。
【0060】
また、上記の画面表示例では、日本語で入力されたテキストデータがウェブサイト作成のための条件を満たしている場合を想定した。しかしながら、例えば、対象ウェブサイトの概要すら記述されておらず、ソースコード導出部133がソースコードを導出できない場合がある。そのような場合、「AIアシスタントへ送信」ボタンBが操作された後、図11に示すように、情報提示部131は、ソースコード導出の条件を満たす新たなテキストデータの入力を促す情報Lと、新たなテキスト入力を受け付けるためのボタン(「やりなおす」ボタン)Jとを表示させてもよい。
【0061】
(4)動作シーケンスの一例
図12は、本実施形態に係るウェブサイト作成支援システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。
【0062】
ステップS1において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ログインページを端末400に表示させる。
【0063】
ステップS2において、端末400は、ログイン情報(例えば、ドメイン、パスワード)の入力をユーザから受け付ける。
【0064】
ステップS3において、端末400は、ログイン情報をウェブサイト作成支援サーバ100に送信する。
【0065】
ステップS4において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ステップS3のログイン情報を用いてログイン処理を行う。
【0066】
ステップS5において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ウェブサイト作成支援ページを端末400に表示させる。
【0067】
ステップS6において、端末400は、ウェブサイト作成支援ページのテキスト入力欄へのテキスト入力を受け付ける。ここで、ウェブサイト作成支援サーバ100は、問答形式により段階的なテキスト入力をユーザから受け付けてもよい。例えば、ウェブサイト作成支援サーバ100は、質問情報をユーザに提示し、質問情報に対する回答として入力された文章を蓄積し、これを繰り返すことで、十分な量のテキストデータを得てよい。
【0068】
ステップS7において、端末400は、入力されたテキストデータをウェブサイト作成支援サーバ100に送信する。
【0069】
ステップS8において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、端末400からのテキストデータをLLMサーバ200に転送する。
【0070】
ステップS9において、LLMサーバ200は、ステップS8のテキストデータに対応するソースコードをウェブサイト作成支援サーバ100に送信する。
【0071】
ステップS10において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ステップS9のソースコードを端末400に送信する。
【0072】
ステップS11において、端末400は、ステップS10のソースコードを表示する。ここで、ウェブサイト作成支援サーバ100は、当該ソースコードをユーザ操作に応じて修正してもよい。
【0073】
ステップS12において、端末400は、プレビュー要求をウェブサイト作成支援サーバ100に送信してもよい。
【0074】
ステップS13において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ステップS9に対応するプレビュー画像を描画する。
【0075】
ステップS14において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ステップS13で描画したプレビュー画像を端末400に送信する。
【0076】
ステップS15において、端末400は、ステップS14のプレビュー画像を表示する。
【0077】
ステップS16において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、提案するURLを端末400に表示させる。ここで、ユーザが端末400上でURL(ドメイン、ディレクトリ)を指定し、ウェブサイト作成支援サーバ100が当該URLを決定する。
【0078】
ステップS17において、端末400は、作成されたウェブサイトの公開要求をウェブサイト作成支援サーバ100に送信する。
【0079】
ステップS18において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ステップS17の公開要求に応じて、作成されたウェブサイトのソースコードをレンタルサーバ300の該当URLにアップロードする。その結果、作成されたウェブサイトがインターネット上で公開される。
【0080】
ステップS19において、ウェブサイト作成支援サーバ100は、ウェブサイトの公開通知を端末400に送信する。
【0081】
ステップS20において、端末400は、該当URLにアクセスし、公開されたウェブサイトを閲覧してもよい。
【0082】
(5)他の実施形態
上述の実施形態において、ウェブサイト作成支援サーバ100が行っていた処理の一部を端末400又は他の装置で行うように変更してもよい。この場合、ウェブサイト作成支援サーバ100及び端末400によりウェブサイト作成支援装置又はウェブサイト作成支援システムが構成されてもよい。
【0083】
上述の実施形態では、ウェブサイトを公開するウェブサーバがレンタルサーバ300である一例について説明したが、当該ウェブサーバは、ユーザが所有するサーバであってもよい。
【0084】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作フロー及び動作例を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0085】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータに実行させる取引支援プログラムが提供されてもよい。取引支援プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータに取引支援プログラムをインストールすることが可能である。ここで、取引支援プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0086】
本開示で使用する「に基づいて」、「に応じて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0087】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0088】
(6)付記
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0089】
(付記1)
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援装置(100)であって、
作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段(132)と、
前記テキストデータ取得手段(132)が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段(133)と、
前記ソースコード導出手段(133)が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段(135)と、を備える
ウェブサイト作成支援装置(100)。
【0090】
(付記2)
前記対象ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を指定するユーザ操作に応じて前記URLを決定するURL決定手段(137)と、
前記URL決定手段(137)が決定した前記URLと関連付けられたサーバ(300)に前記ソースコードをアップロードすることで、前記対象ウェブサイトをインターネット上で公開するウェブサイト公開手段(138)と、をさらに備える
付記1に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0091】
(付記3)
前記サーバ(300)は、前記ユーザがアカウントを有するレンタルサーバ(300)であり、
前記URL決定手段(137)は、前記アカウントに関連付けられたドメインを前記ユーザに提示するとともに、前記ドメインと共に前記URLを構成するディレクトリを前記ユーザに指定させる
付記2に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0092】
(付記4)
前記URL決定手段(137)は、前記アカウントに複数のドメインが関連付けられている場合、前記複数のドメインのいずれかを前記ユーザに選択させる
付記3に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0093】
(付記5)
前記URL決定手段(137)は、前記ディレクトリの候補であるディレクトリ候補を生成し、前記ディレクトリ候補を前記ユーザに提示する
付記3又は4に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0094】
(付記6)
前記URL決定手段(137)は、前記提示したディレクトリ候補をユーザ操作に応じて修正する
付記5に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0095】
(付記7)
テキスト入力を促す情報を前記ユーザに提示する情報提示手段(131)をさらに備え、
前記情報提示手段(131)は、前記ユーザにより入力されたテキストデータがウェブサイト作成のための条件を満たしていない場合、前記条件を満たす新たなテキストデータの入力を促す情報を前記ユーザに提示する
付記1乃至6のいずれかに記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0096】
(付記8)
問答形式で段階的なテキスト入力を前記ユーザに促す場合、前記情報提示手段(131)は、質問情報を前記ユーザに複数回提示し、前記テキストデータ取得手段(132)は、前記質問情報に対する回答として入力されたテキストデータを蓄積し、前記ソースコード導出手段(133)は、前記蓄積されたテキストデータから前記ソースコードを導出する
付記7に記載のウェブサイト作成支援装置。
【0097】
(付記9)
前記ソースコード導出手段(133)が導出した前記ソースコードを前記ユーザに提示するソースコード提示手段(134)をさらに備える
付記1乃至8のいずれかに記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0098】
(付記10)
前記ソースコード導出手段(133)は、前記ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々に導出し、
前記ソースコード提示手段(134)は、前記ソースコードを先頭から末尾へ向けて徐々に前記ユーザに提示する
付記9に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0099】
(付記11)
前記ソースコード提示手段(134)が提示した前記ソースコードをユーザ操作に応じて修正するソースコード修正手段(136)をさらに備え、
前記プレビュー提示手段(135)は、前記修正されたソースコードを用いて前記プレビューを前記ユーザに提示する
付記9又は10に記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0100】
(付記12)
前記ソースコード導出手段(133)は、前記対象ウェブサイトで使用する自然言語の種類を指定する文字列が前記テキストデータに含まれる場合、前記指定された種類の自然言語を使用した前記対象ウェブサイトのソースコードを導出する
付記1乃至11のいずれかに記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0101】
(付記13)
ユーザ操作に応じて、前記ソースコード導出手段(133)が導出した前記ソースコードを含むファイルを前記ユーザの端末に配信するファイル配信手段(139)をさらに備える
付記1乃至12のいずれかに記載のウェブサイト作成支援装置(100)。
【0102】
(付記14)
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援システム(1)であって、
作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、
前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、
前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、を備える
ウェブサイト作成支援システム(1)。
【0103】
(付記15)
ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援プログラムであって、
ウェブサイト作成支援装置(100)に、
作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得ステップと、
前記テキストデータ取得ステップで取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出ステップと、
前記ソースコード導出ステップで導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示ステップと、を実行させる
ウェブサイト作成支援プログラム。
【符号の説明】
【0104】
1 :ウェブサイト作成支援システム
10 :ネットワーク
100 :ウェブサイト作成支援サーバ
110 :通信部
120 :記憶部
121 :ユーザ情報データベース
130 :処理部
131 :情報提示部
132 :テキストデータ取得部
133 :ソースコード導出部
134 :ソースコード提示部
135 :プレビュー提示部
136 :ソースコード修正部
137 :URL決定部
138 :ウェブサイト公開部
139 :ファイル配信部
200 :LLMサーバ
300 :レンタルサーバ
400 :端末
【要約】
【課題】ユーザのイメージ通りのウェブサイトを容易に作成及び公開することを可能とする。
【課題手段】ウェブサイトの作成を支援するウェブサイト作成支援装置は、作成対象である対象ウェブサイトの内容をユーザが自然言語で記述したテキストデータを取得するテキストデータ取得手段と、前記テキストデータ取得手段が取得した前記テキストデータを大規模言語モデルへの入力として用いて、前記対象ウェブサイトのソースコードを前記大規模言語モデルにより導出するソースコード導出手段と、前記ソースコード導出手段が導出した前記ソースコードを用いて、前記対象ウェブサイトをウェブブラウザ上で表示したときのプレビューを前記ユーザに提示するプレビュー提示手段と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12