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特許7378036管理システム、回答表示方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】管理システム、回答表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019128934
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2021015864
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 維里
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-229275(JP,A)
【文献】特開2017-220624(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049871(WO,A1)
【文献】特開2019-096838(JP,A)
【文献】国際公開第2004/086841(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを製造する製造装置を管理する管理システムであって、
前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得する取得部と、
自然言語の文字列を入力する入力部と、
入力された前記文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出する抽出部と、
抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、前記取得部が取得した少なくとも一つの前記情報を表示する表示部とを備え
前記入力部には、さらに、作業者の作業者情報が入力され、
さらに、入力された前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する前記表示部の表示内容を異ならせる表示制御部を備え、
複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、
前記表示制御部は、さらに、前記入力部に入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせ、
さらに、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する推定部を備え、
前記推定部は、前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定する
管理システム。
【請求項2】
前記推定部は、
前記質問情報に示される前記質問に合った、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの前記情報を前記質問に対する前記回答として選択し、
選択した前記回答に応じた前記情報を前記取得部に取得させる
請求項に記載の管理システム。
【請求項3】
前記製造装置は、自らに発生したエラーを検知する検知部を有し、
前記推定部は、前記検知部が検知した前記エラーと前記作業者情報とに基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する
請求項1または2のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項4】
前記ワークは、基板に部品が実装された部品実装基板であり、
前記製造装置は、少なくとも前記基板に前記部品を実装する部品実装装置である
請求項1からのいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
ワークを製造する製造装置を管理する管理システムにおいて、回答情報を表示する回答表示方法であって、
前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得し、
入力された自然言語の文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出し、
抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、取得した少なくとも一つの前記情報を表示することを含み、
さらに、作業者の作業者情報が入力され、
入力され前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する表示内容を異ならせることを含み、
複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせることを含み、
前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することと、
前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む
回答表示方法。
【請求項6】
前記質問情報に示される前記質問に合った、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、または、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの前記情報を前記質問に対する前記回答として選択し、
選択した前記回答に応じた前記情報を取得することを含む
請求項に記載の回答表示方法。
【請求項7】
前記製造装置で発生したエラーを検知し、
検知した前記エラーと前記作業者情報とに基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む
請求項5または6に記載の回答表示方法。
【請求項8】
前記ワークは、基板に部品が実装された部品実装基板であり、
前記製造装置は、少なくとも前記基板に前記部品を実装する部品実装装置であることを含む
請求項5から7のいずれか1項に記載の回答表示方法。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の回答表示方法をコンピュータにより実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、回答表示方法および回答表示方法を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業者サーバから送信される質問情報に基づいて、利用者端末が、サービス享受者の個人情報に配慮しつつ回答を行い、この回答を受信した事業者サーバがサービス享受者の分類を行い、この分類に基づいてサービス情報の提供を行う情報管理方法が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5198709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、部品実装ラインでは、複数の工程を行うために、複数の設備および複数のソフトを連結して使用される。このため、従来の情報管理方法を部品実装ラインに適用した場合、1つの事業者サーバである管理システムで、複数の設備および複数のソフトを管理することができるとは言い難い。このため、従来の情報管理方法によって複数の設備および複数のソフトを管理する場合、全体の管理が煩雑となることがある。
【0005】
そこで、本開示は、作業性を向上させることができる管理システム、回答表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る管理システムの一態様は、ワークを製造する製造装置を管理する管理システムであって、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得する取得部と、自然言語の文字列を入力する入力部と、入力された前記文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出する抽出部と、抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、前記取得部が取得した少なくとも一つの前記情報を表示する表示部とを備え、前記入力部には、さらに、作業者の作業者情報が入力され、さらに、入力された前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する前記表示部の表示内容を異ならせる表示制御部を備え、複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、前記表示制御部は、さらに、前記入力部に入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせ、さらに、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する推定部を備え、前記推定部は、前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定する。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本開示に係る回答表示方法の一態様は、ワークを製造する製造装置を管理する管理システムにおいて、回答情報を表示する回答表示方法であって、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得し、入力された自然言語の文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出し、抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、取得した少なくとも一つの前記情報を表示することを含み、さらに、作業者の作業者情報が入力され、入力され前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する表示内容を異ならせることを含み、複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせることを含み、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することと、前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本開示に係るプログラムの一態様は、回答表示方法をコンピュータにより実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る管理システムの質問キーワードと回答キーワードとが紐付けられたテーブルを示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る管理システムの作業者の対象範囲および閲覧権限レベルを示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る管理システムの処理を例示するフローチャートである。
図5図5は、実施の形態に係る管理システムの処理を例示するフローチャートである。
図6図6は、実施の形態に係る管理システムの表示制御部の処理を例示するフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係る管理システムの製造装置にエラーがある場合の処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る管理システムは、ワークを製造する製造装置を管理する管理システムであって、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得する取得部と、自然言語の文字列を入力する入力部と、入力された前記文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出する抽出部と、抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、前記取得部が取得した少なくとも一つの前記情報を表示する表示部とを備える。
【0012】
例えば、部品実装ラインにおいて、部品実装ラインを構成する設備の取り扱いに関する情報、装置情報、および、製造情報等は、別々の設備に記憶されている場合がある。この場合、これらの設備を管理する管理者は、複数の設備に跨って管理することが必要となる。例えば、設備に記憶されている各々の情報を取得する際に、設備ごとに使用されているソフトウェアが異なるため、一台の管理システムに複数のソフトウェアを搭載することとなり、画面操作が煩雑となる。また、一台の管理システムに一つのソフトウェアを搭載していても、管理システムは、設備の情報を設備ごとに管理することができるに過ぎない。これらのことから、作業者は、複数の設備に跨った操作、管理を行い難くなっている。特に、複数の部品実装ラインが存在する場合、複数の部品実装ラインごとに上述の画面操作が必要となり、全体の管理がより煩雑となる。
【0013】
しかし、この管理システムでは、入力された自然言語の文字列から管理システムに対する質問を抽出することで、質問に対する回答を表示する。つまり、表示部には、質問に対して、製造装置の取り扱いに関する情報、装置情報、および、製造情報のうちの少なくとも一つから選ばれた情報が回答として表示される。このため、これらの情報が別々の設備に記憶されていたとしても、管理システムは、質問に対する回答を表示することができる。
【0014】
したがって、管理システムでは、作業性を向上させることができる。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、ワークを製造する製造装置を管理する管理システムにおいて、回答情報を表示する回答表示方法であって、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得し、入力された自然言語の文字列から当該管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出し、抽出された前記質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、取得した少なくとも一つの前記情報を表示することを含む。
【0016】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0017】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムは、前記入力部には、さらに、作業者の作業者情報が入力され、さらに、入力された前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する前記表示部の表示内容を異ならせる表示制御部を備える。
【0018】
これによれば、作業者の地位および職種等によって変化する閲覧権限に応じて、取得部が取得した、製造装置の取り扱いに関する情報、装置情報、および、製造情報のうちの少なくとも一つの情報に対する作業者のアクセスを制限することができる。また、作業者に対する取得部が取得した情報の表示内容を異ならせることができる。このため、管理システムでは、閲覧権限を有しない作業者のアクセスを制限することで、これら情報の秘密管理性を確保することができたり、意図しない情報の変更が行われることを抑制したりすることができる。その結果、これらの情報を適切に管理することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、さらに、作業者の作業者情報が入力され、入力され前記作業者情報に含まれる閲覧権限レベルに応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または前記情報を表示する表示内容を異ならせることを含む。
【0020】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムは、複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、前記表示制御部は、さらに、前記入力部に入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせる。
【0022】
これによれば、生産フロア内で作業している作業者の作業範囲に応じて、取得部が取得した、製造装置の取り扱いに関する情報、装置情報、および、製造情報のうちの少なくとも一つの情報に対する作業者のアクセスを制限することができるとともに、作業者に対するこれら情報の表示内容を異ならせることができる。このため、管理システムでは、作業範囲に属しない作業者のアクセスを制限することで、これら情報の秘密管理性を確保することができたり、意図しない情報の変更が行われることを抑制したりすることができる。その結果、情報をより適切に管理することができる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、複数の前記製造装置を有する生産ラインを複数備える生産フロアにおいて、入力する前記作業者情報に含まれる前記作業者の作業範囲に応じて、前記情報に対するアクセス可否の決定または表示内容を異ならせることを含む。
【0024】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0025】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムは、さらに、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する推定部を備える。
【0026】
これによれば、入力された自然言語の文字列から抽出された質問から、推定率に基づいて、質問に対する回答を推定することができる。このため、作業者に対して適切な回答を提供し易くすることができる。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、さらに、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む。
【0028】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0029】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムは、さらに、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する推定部を備え、前記推定部は、前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定する。
【0030】
これによれば、閲覧権限レベルまたは作業範囲に応じて、推定部が推定した回答を作業者に対して提供することができる。このため、これら情報の秘密管理性を確保することができたり、意図しない情報の変更が行われることを抑制したりすることができる。その結果、情報をより適切に管理することができる。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、前記質問情報に示される前記質問に対する前記回答を推定する指標を示す推定率に基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することと、前記閲覧権限レベルおよび前記作業範囲の少なくとも一方に基づいて、抽出された前記質問情報に関連付けられる前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む。
【0032】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムにおいて、前記推定部は、前記質問情報に示される前記質問に合った、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、および、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの前記情報を前記質問に対する前記回答として選択し、選択した前記回答に応じた前記情報を前記取得部に取得させる。
【0034】
これによれば、推定部は、推定した質問に対する回答となる情報を取得部に取得させることができる。このため、表示部は、推定部が推定した質問に対する回答を表示することができる。その結果、管理システムは、作業者に対して適切な回答を提供し易くなる。
【0035】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、前記質問情報に示される前記質問に合った、前記製造装置の取り扱いに関する情報、前記製造装置に関する装置情報、または、前記製造装置によって前記ワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの前記情報を前記質問に対する前記回答として選択し、選択した前記回答に応じた前記情報を取得することを含む。
【0036】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0037】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムにおいて、前記製造装置は、自らに発生したエラーを検知する検知部を有し、前記推定部は、前記検知部が検知した前記エラーと作業者情報とに基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定する。
【0038】
これによれば、製造装置にエラーが発生した場合に、エラーを解消するための質問がされれば、推定部は、当該質問に対する適切な回答を推定することができる。このため、表示部は、推定部が推定した質問に対する回答を表示することができる。その結果、管理システムは、作業者に対して適切な回答を提供し易くなる。
【0039】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法は、前記製造装置で発生したエラーを検知し、検知した前記エラーと作業者情報とに基づいて、前記回答情報に示される前記回答を推定することを含む。
【0040】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0041】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る管理システムにおいて、前記ワークは、基板に部品が実装された部品実装基板であり、前記製造装置は、少なくとも前記基板に前記部品を実装する部品実装装置である。
【0042】
これによれば、管理システムは、部品実装装置に適用することができる。
【0043】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係る回答表示方法において、前記ワークは、基板に部品が実装された部品実装基板であり、前記製造装置は、少なくとも前記基板に前記部品を実装する部品実装装置であることを含む。
【0044】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0045】
また、上記目的を達成するために、本開示の他形態に係るプログラムは、回答表示方法をコンピュータにより実行させる。
【0046】
このプログラムによれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0047】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0048】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0049】
以下、本開示の実施の形態に係る管理システム、回答表示方法および回答表示方法を実行するプログラムについて説明する。
【0050】
(実施の形態)
[構成:管理システム1]
図1は、実施の形態に係る管理システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0051】
図1に示すように、管理システム1は、例えば工場等の施設内の生産フロアにおいて、製造装置10を有する生産ラインを複数管理するシステムである。例えば、管理システム1は、生産ラインを構成する製造装置10の稼働状況、複数の製造装置10のエラーの有無等を管理する。本実施の形態では、主に、一台の製造装置10について説明するが、管理システム1が一台の製造装置10を管理することに限定されない。
【0052】
管理システム1は、製造装置10と、管理装置20と、入力装置30と、表示装置40と、データ生成装置50と、第1記憶装置61と、第2記憶装置62とを備える。
【0053】
<製造装置10>
製造装置10は、基板に半田等を印刷し、印刷した半田に部品を実装することで、基板に部品が実装された部品実装基板を製造する部品実装装置である。具体的には、製造装置10は、基板に半田等を印刷する印刷装置、部品接合用の半田が印刷された後の基板に、部品を半田に装着する部品実装機、基板に印刷した半田の外観状態および半田に装着した部品の外観状態等を検査する検査装置、および、部品搭載後の基板を加熱することにより部品を基板に半田接合するリフロー装置等を備えた構成である。
【0054】
基板に部品が実装とは、基板に印刷された半田およびこの半田に装着された部品がリフローによって半田を介して基板に接合されたことを意味する。また、基板は、電子回路を形成するための部品が実装された部品実装基板であり、ワークの一例である。さらに、部品は、半田以外の電子部品である。
【0055】
製造装置10は、作業部11と、作業制御部12と、検知部13と、製造記憶部14とを有する。
【0056】
作業部11は、基板に半田を印刷する印刷作業部、半田を印刷した印刷後の基板に部品を装着する部品装着部、基板に印刷した半田の外観状態および半田に装着した部品の外観状態等を検査する検査部、および、部品装着後の基板を加熱することにより部品を基板に実装するリフロー部等である。例えば、製造装置10が印刷装置である場合、作業部11は、印刷用ヘッドに相当する。製造装置10が部品実装機である場合、作業部11は、部品を基板に実装する実装用ヘッドに相当する。製造装置10が検査装置である場合、作業部11は、基板に印刷された半田や半田に装着した部品を検査する検査ヘッドが相当する。
【0057】
作業制御部12は、作業部11を制御するための、プロセッサおよびデジタル回路等で構成される制御装置である。例えば、作業制御部12は、半田を基板に印刷するための動作パラメータに基づいて作業部11を制御することで、基板に半田を印刷する。また、作業制御部12は、印刷後の基板に部品を装着するための動作パラメータに基づいて作業部11を制御することで、印刷後の基板に部品を装着する。また、作業制御部12は、基板表面の適切なエリアを撮像するための動作パラメータに基づいて作業部11を制御することで、基板に印刷した半田の外観状態または半田に装着した部品の外観状態を検査する。また、作業制御部12は、基板に印刷された半田が溶融する程度の適切な温度管理を行う動作パラメータに基づいて作業部11を制御し、基板に印刷された半田を溶融する。
【0058】
作業制御部12は、作業部11を制御することで、製造装置10が部品実装基板等の製品を製造した稼働状況を示す情報、つまり現状の稼働率を示す情報を製造記憶部14に記憶させる。
【0059】
検知部13は、製造装置10に発生したエラーを検知するセンサである。検知部13は、製造装置10にエラー(異常)があることを検知すると、検知結果を示す情報であるエラー情報を管理装置20に出力する。エラーとは、製造装置10に発生した不具合であり、製造装置10が動作しない状態、または、所望の製品を製造できない状態等である。
【0060】
製造記憶部14は、製造装置10の稼働状況を示す情報(以下、稼働情報という)を記憶する記憶媒体である。製造記憶部14は、作業制御部12によって、稼働情報が記憶されたり、管理装置20の要求に応じて記憶された稼働情報を管理装置20に送信したりする。
【0061】
<管理装置20>
管理装置20は、製造装置10の稼働状況等を管理したり、第1記憶装置61および第2記憶装置62にそれぞれ記憶されている情報を管理したりする。また、管理装置20は、製造装置10が有する印刷装置、部品実装機、検査装置、および、リフロー装置等に導入されているソフトウェア等も管理する。
【0062】
また、管理装置20は、入力装置30から入力された文字列が示す質問に対する回答を出力するためのチャットボット機能を有する。チャットボット機能は、作業者によるテキスト化された自然言語の文字列に基づいて、作業者と対話をする対話エンジンである。チャットボット機能によれば、作業者は、人間と対話をするような感覚で、管理装置20と対話できる。作業者は、管理者、オペレータ等である。管理者は、生産フロアを管理したり、製造情報を生成したりする権限を有する者である。オペレータは、製造装置10に部品を供給したり、製造装置10に発生したエラーを解消したりする権限を有する者である。
【0063】
管理装置20は、装置制御部21と、情報取得部22と、抽出部23と、推定部24と、表示制御部25と、管理記憶部26とを有する。
【0064】
装置制御部21は、製造装置10を制御するための、プロセッサおよびデジタル回路等で構成される制御装置である。装置制御部21は、例えば、生産計画に基づいて、製造装置10の稼働状況を制御したりする。つまり、装置制御部21は、生産計画に応じて製品を製造する制御コマンドを製造装置10に出力することで、製品の生産量を調節したりする。
【0065】
情報取得部22は、製造装置10の取り扱いに関する情報、製造装置10に関する装置情報、および、製造装置10によってワークを製造するための製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得する。例えば、情報取得部22は、管理記憶部26に記憶されている各々の情報を取得したり、第1記憶装置61に記憶されている複数の取説情報、および、第2記憶装置62に記憶されている複数の製造情報を取得したりすることが可能な通信インターフェイスである。情報取得部22は、取得部の一例である。
【0066】
抽出部23は、入力装置30に入力された自然言語の文字列で表現されたテキスト情報から当該管理システム1に対する質問を示す質問情報を抽出する。例えば、抽出部23は、作業者が入力装置30に入力した文字列(質問)を単語ごとの質問キーワードに分解し、分解したそれぞれの質問キーワードを推定部24に出力する。この抽出された質問キーワードは、質問情報となる。
【0067】
推定部24は、作業者が入力装置30に入力した質問に対して適切な回答を推定する装置である。管理記憶部26から質問キーワードを抽出できた場合、推定部24は、図1および図2に示すように、質問キーワードと回答キーワードとが紐付けられたテーブルを参照し、分解したそれぞれの質問キーワードと一致する質問キーワードを抽出する。また、推定部24は、このテーブルを参照し、抽出された質問キーワードに紐付けられた回答キーワードを推定する。図2は、実施の形態に係る管理システム1の質問キーワードと回答キーワードとが紐付けられたテーブルを示す図である。質問キーワードが複数存在する場合、推定部24は、それぞれの質問キーワードに応じた回答キーワードを選択する。
【0068】
ここで、回答キーワードには、3つの情報の推定率が含まれている。3つの情報は、装置情報、取説情報および製造情報である。
【0069】
装置情報は、製造装置10に関する情報であり、製造装置10にどのような設備が搭載されているかを示す情報である。本実施の形態では、装置情報は、製造装置10の搭載されている印刷装置、部品実装機、検査装置、および、リフロー装置等を示す情報であり、例えば、これら装置の型番、製品番号等である。また、装置情報は、稼働情報を含んでいてもよい。
【0070】
取説情報は、製造装置10の取り扱いに関する情報であり、製造装置10を適切に操作するための情報である。具体的には、取説情報は、印刷装置、部品実装機、検査装置、および、リフロー装置等のそれぞれの設備の操作、メンテナンス、エラー解除に関するマニュアルを示す情報、各種設備の制御配線図、および、パーツリスト情報である。
【0071】
製造情報は、製造装置10によって部品実装基板を製造するための情報であり、例えば、印刷する、半田の量および半田の位置、並びに、基板に実装するための部品の位置、部品の向きおよび部品の種類等を示す情報である。言い換えると、製造情報は、部品実装基板を製造するための生産データである。
【0072】
回答キーワードに紐付けられている、装置情報、取説情報および製造情報のそれぞれには、推定率が予め設定されている。推定率は、質問情報に示される質問に対する回答を推定する指標を示す。具体的には、推定率は、作業者が入力した文字列に示される質問、つまり作業者が意図する質問に対する、適切な回答を選択するための指標である。このような推定率は、任意に変更することができてもよい。
【0073】
推定部24は、推定したそれぞれの回答キーワードに応じて質問に対する回答を示す回答情報を生成する。つまり、推定部24は、この3つの情報のうちから、最も高い推定率となっている少なくとも一つの情報を選択する。具体的には、推定部24は、選択した情報が記憶されている装置を特定し、特定した装置から選択した情報を情報取得部22に取得させる。推定部24は選択した情報に応じた要求(コマンド)を情報取得部22に生成させ、情報取得部22は、生成した要求を、特定した装置に出力する。この要求を取得した装置は、要求に応じた情報を情報取得部22に出力するため、推定部24は、情報取得部22を介してこの情報を取得する。推定部24が取得したこの情報は、選択した情報に相当し、質問に対する回答を示す回答情報を示す。つまり、推定部24は、推定率に基づいて、回答情報に示される回答を推定する。
【0074】
また、推定部24は、閲覧権限レベルまたは作業範囲に基づいて、抽出された質問情報に関連付けられる回答情報に示される回答を推定する。閲覧権限レベルは、作業者の役職等に応じて、装置情報、取説情報および製造情報を閲覧できる度合いを示す。例えば、閲覧権限レベルが高い作業者は、全ての装置情報、取説情報および製造情報を閲覧でき、閲覧権限レベルが低い作業者は、装置情報、取説情報および製造情報の一部を閲覧できる。作業範囲は、作業者が作業を行う範囲であり、作業者の役職等に応じて製造装置10を管理できる範囲を示す。例えば、図3に示すように、作業者が管理者Aである場合、管理者Aは、特定の生産フロアに設けられる全ての製造装置が作業範囲となる。このため、管理者Aでは、推定部24は、特定の生産フロアに設けられる全ての製造装置が対象となる。そのため、例えば装置情報(稼働情報)の回答において対象が指定されていない場合は、生産フロア全体の装置情報(稼働情報)または各生産ラインの装置情報(稼働情報)を回答情報として示す。また、管理者Bであれば、特定の生産フロアに設けられる製造装置Aが作業範囲となる。このため、管理者Bでは、推定部24は、製造装置Aが回答を推定するための対象とし、製造装置A以外の製造装置については、回答を推定するための対象外とする。なお、推定部24は、これらの推定をする際に、製造装置A以外の製造装置については、推定の対象外としてもよい。図3は、実施の形態に係る管理システム1の作業者の対象範囲および閲覧権限レベルを示す図である。
【0075】
また、図1に示すように、推定部24は、検知部13が検知したエラーと作業者情報とに基づいて、回答情報に示される回答を推定する。具体的には、推定部24は、検知部13が検知したエラー情報を取得すると、製造装置10のエラーを解消するように作業する作業者に対して、この作業者の作業者情報に応じた回答を示す回答情報を生成する。推定部24は、生成した回答情報を表示制御部25に出力する。
【0076】
表示制御部25は、入力装置30に入力された作業者情報に含まれる作業者の作業範囲に応じて、情報に対するアクセス可否の決定、または、情報を表示する表示装置40の表示内容を異ならせる。この判定は、作業者が管理システム1から情報を取得するために管理システム1にアクセスする際、入力装置30に入力する作業者情報に含まれる作業者の所属等に基づいて、表示制御部25が行う。具体的には、表示制御部25は、作業者が装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも一つにアクセスする権限を有するかどうかを判定する。つまり、表示制御部25は、作業者の作業範囲と無関係な情報に対する、作業者からのアクセスを拒否し、作業者の作業範囲に関連する情報に対するアクセスを許可する。このため、表示制御部25は、作業者の作業範囲である生産フロアと無関係な生産フロアの装置情報、取説情報および製造情報に対する、作業者からのアクセスを拒否する。
【0077】
また、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルに応じて、情報に対するアクセス可否の決定、または、情報を表示する表示装置40の表示内容を異ならせる。この判定は、例えば、作業者が装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも一つにアクセスする際に、入力装置30に入力する作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルに基づいて、表示制御部25が行う。具体的には、表示制御部25は、作業者が装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも一つにアクセスする権限を有するかどうかを判定する。つまり、表示制御部25は、作業者の閲覧権限レベルがこれらの情報にアクセスする権限を満たしていない場合、作業者からのアクセスを拒否し、作業者の閲覧権限レベルがこれらの情報にアクセスする権限を満たしている場合、作業者からのアクセスを許可する。
【0078】
なお、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の作業範囲および閲覧権限レベルによって、情報取得部22が取得した回答情報を改変することで、改変した回答情報が表示装置40に出力させてもよい。また、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の作業範囲および閲覧権限レベルによって、推定部24が推定した回答情報を改変することで、情報取得部22に回答情報を取得させた後に表示装置40に出力させてもよい。また、表示制御部25は、推定部24が回答を推定する前に、作業者情報に含まれる作業者の作業範囲および閲覧権限レベルによって、推定部24が推定する対象となる情報を絞らせた状態で推定させてもよい。
【0079】
管理記憶部26は、上述の装置情報、テーブル、履歴情報、作業者情報およびエラー回答情報を記憶する記憶媒体である。管理記憶部26は、情報取得部22からの要求に応じて、これらの情報を出力する。
【0080】
図2に示すように、テーブルは、複数の質問キーワードと、複数の回答の種類と、複数の回答キーワードおよび推定率とを一対一で紐付けた表である。
【0081】
質問キーワードとは、作業者が入力装置30に入力した文字列(質問)を分解した単語である。例えば、「生産ラインの稼働状況を教えて」という文字列の場合、「生産ライン」、「稼働」、「状況」、「教えて」という4つに分解された質問キーワードである。
【0082】
回答の種類とは、質問キーワードを種類ごとに分類するためのラベルである。回答の種類には、例えば、「装置」、「生産ライン」、「エラー」、および、「二段階動作」等に分類される対象と、「状況」、「ステータス」、「変更」、「設定」、「編集」、「方法」、「対処」、「解除」、および、「復帰」等に分類される内容とが含まれる。この分類は、予め設定された分類であり、これらに限定されない。また、種類も、対象と内容との二種類が例示されているが、三種類以上あってもよく、これらの例示に限定されない。
【0083】
回答キーワードとは、質問キーワードに適した、装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも1つの情報である。推定率は、装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも1つの情報を選択するための回答キーワードにそれぞれ紐付けられる。
【0084】
例えば、質問キーワードが「生産ライン」の場合、回答キーワードは、装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも1つの情報であり、推定率は、装置情報が80%、取説情報が10%、および、製造情報が10%である。
【0085】
履歴情報は、過去に、作業者が入力装置30に入力した質問に対して、管理装置20が選択した回答を示す回答情報を示し、その回答情報が正しいかどうかを示す正否情報を含む。
【0086】
例えば、質問キーワードが「生産ライン」の場合、回答キーワードとして推定率の最も高い装置情報が選択され、装置情報を回答情報として表示する。しかし、作業者が取説情報を求めていたとき、回答情報は正しくない。この場合、作業者は表示された回答情報が正しくない旨を入力装置30に入力することで、回答情報が正しくないことを示す正否情報を紐付ける。また、回答情報が正しければ、正しくない旨を入力装置30に入力しないため、例えば表示装置40に回答情報が表示されてから、規定期間以上の間、入力装置30に正否情報が入力されない場合、回答情報が正しいことを示す正否情報を回答情報に紐付ける。なお、正しければ、作業者は表示された回答情報が正しい旨を入力装置30に入力することで、回答情報が正しいことを示す正否情報を回答情報に紐付けてもよい。
【0087】
作業者情報は、作業者を特定するための情報であり、作業者のID、作業者の役職、作業者の作業範囲、作業者の閲覧権限レベル等を含む。
【0088】
エラー回答情報は、製造装置10に生じているエラーを特定し、特定したエラーを解消するための回答を示す情報である。
【0089】
<入力装置30>
入力装置30は、自然言語の文字列を入力する入力インターフェイスである。入力装置30は、例えば、作業者の質問が入力されたり、作業者の入力によって作業者の作業者情報が入力されたりする。入力装置30は、入力された作業者の質問を示すテキスト情報、および、作業者情報等を管理装置20に出力する。入力装置30は、入力部の一例である。なお、入力装置30は、キーボード、マイク、コードリーダ等で構成されるデバイスであってもよい。
【0090】
<表示装置40>
表示装置40は、入力装置30に入力された作業者の質問に対する回答を表示するモニタである。具体的には、表示装置40は、抽出された質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報として、情報取得部22が取得した少なくとも一つの情報を表示する。表示装置40は、表示部の一例である。
【0091】
<データ生成装置50>
データ生成装置50は、基板に実装する部品を示す部品データ、部品データが示す部品および基板等を組み合わせて、製造装置10が部品実装基板を製造するための生産データ等の製造情報を生成する装置である。データ生成装置50は、第2記憶装置62および管理装置20と通信可能に接続されている。データ生成装置50は、管理装置20からの要求に応じて、生成した部品データ、および、生産データ等の製造情報を生成し、生成した製造情報を第2記憶装置62に記憶する。また、データ生成装置50は、管理装置20からの要求に応じて、第2記憶装置62に記憶された製造情報を管理装置20に出力する。また、データ生成装置50は、第2記憶装置62に記憶されている部品データ、および、生産データを編集および削除することも可能である。
【0092】
なお、データ生成装置50は、第2記憶装置62と一体的な装置であってもよい。
【0093】
<第1記憶装置61>
第1記憶装置61は、複数の取説情報を記憶する記憶媒体である。第1記憶装置61には、複数の生産ラインのそれぞれに対応した取説情報が記憶されている。第1記憶装置61は、管理装置20と通信可能に接続され、管理装置20の情報取得部22からの要求に応じた取説情報を出力する。複数の取説情報は、印刷装置の操作マニュアルを示す情報、部品実装機の操作マニュアルを示す情報、検査装置の操作マニュアルを示す情報、リフロー装置の操作マニュアルを示す情報、および、データ生成装置50の操作マニュアルを示す情報等である。
【0094】
<第2記憶装置62>
第2記憶装置62は、複数の製造情報を記憶する記憶媒体である。第2記憶装置62には、複数の生産ラインのそれぞれに対応した製造情報が記憶されている。第2記憶装置62は、データ作成部と通信可能に接続され、管理装置20の情報取得部22からの要求に応じた製造情報を出力する。複数の製造情報は、部品データ、および、生産データ等である。
【0095】
[動作]
次に、本実施の形態における管理システム1、回答表示方法および回答表示方法を実行するプログラムの動作(処理)について説明する。
【0096】
図4は、実施の形態に係る管理システム1の処理を例示するフローチャートである。図5は、実施の形態に係る管理システム1の処理を模式的に例示する模式図である。図4および図5では、特に言及しない限り、作業者情報が閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしているものとして説明する。
【0097】
まず、作業者は、自身が知りたい質問を入力装置30に入力する。入力装置30には、作業者によって、自然言語の文字列で表現した質問が入力される。入力装置30は、作業者の質問を示すテキスト情報を生成し、生成したこのテキスト情報を管理装置20に出力する。管理装置20の抽出部23は、入力装置30から取得したテキスト情報に含まれる文字列を、単語ごとに分解する。具体例を挙げれば、作業者が入力装置30に「2段階動作の設定方法を教えて」という質問を入力する。この質問の場合、図1図4および図5に示すように、抽出部23は、「2段階動作」、「設定」、「方法」、「教えて」という4つの質問キーワードに分解する。このように、抽出部23は、質問から質問情報を抽出する(S11)。抽出部23は、抽出した質問情報を推定部24に出力する。
【0098】
また、入力装置30には、作業者を特定するための作業者情報が入力される。入力装置30は、入力された作業者情報を管理装置20に出力する。管理装置20は、作業者情報を取得する(S12)。例えば、情報取得部22は、作業者情報を取得し、取得した作業者情報を管理記憶部26に記憶してもよい。なお、ステップS11およびS12の処理は、逆であってもよく、後述するステップS19およびS21の処理の前に行われてもよい。
【0099】
次に、推定部24は、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき対象を、推定可能かどうかを判定する(S13)。
【0100】
推定部24は、分解された質問キーワードのそれぞれが、管理記憶部26に記憶されているテーブルの質問キーワードと一致するかどうかを判定する。推定部24は、分解された質問キーワードと一致する質問キーワードを、管理記憶部26のテーブルから検索する。管理記憶部26に記憶されているテーブル内に、一致する質問キーワードが存在する場合、推定部24は、テーブルにおいて、質問キーワードに紐付けられた回答キーワードを選択する。
【0101】
例えば、推定部24は、「2段階動作」、「設定」、「方法」、「教えて」という4つの質問キーワードと一致する質問キーワード「2段階動作」、「設定」、「方法」を、テーブルから選択し、テーブルに存在しない質問キーワード「教えて」を破棄する。質問キーワード「2段階動作」、「設定」、「方法」、「教えて」は、質問情報に相当する。
【0102】
抽出部23が抽出して選択した質問キーワード「2段階動作」は、回答の種類の「対象」に属するが、どの生産ラインであるのかを特定することができない場合がある。例えば、生産ラインが複数ある場合、全ての生産ラインであるのか、ある特定の生産ラインであるのか判らない。この場合、推定部24は、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき対象を推定できないと判定し(S13でNO)、作業者情報から回答すべき対象が推定可能かどうかを判定する(S19)。
【0103】
例えば、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲によって、生産ラインを特定できる場合、推定部24は、作業者情報から回答すべき対象を推定可能であると判定する。具体的には、図3に示すように、作業者である管理者Bの作業範囲が生産ラインAであるため、管理者Bの質問キーワード「2段階動作」の示すものは、生産ラインAであると推定できる。しかし、作業者がオペレータBであれば、オペレータBの作業範囲(生産ラインBの設備(5~8)に関する取説情報を閲覧可能)に生産ラインAが含まれていない。作業者がオペレータAであれば、作業範囲(生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報を閲覧可能)に生産ラインAが含まれているものの、作業者の閲覧権限レベルが要求される閲覧権限レベルを満たさない場合、つまり、生産ラインAの装置情報が要求された場合等、作業者情報から回答すべき対象を推定できない。
【0104】
本実施の形態では、推定部24は、作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲に基づいて回答情報に示される回答を推定するが、閲覧権限レベルおよび作業範囲の少なくとも一方に基づいて、回答情報に示される回答を推定してもよい。
【0105】
図1図4および図5に示すように、推定部24は、作業者情報から回答すべき対象を推定できないと判定すると(S19でNO)、問い合わせに関する情報を表示装置40に出力することで、作業者に対して再度の問い合わせを行う(S20)。例えば、管理装置20は、表示装置40に「生産ラインを特定できません、正しく入力してください」といった表示を行わせる。
【0106】
推定部24は、作業者情報から回答すべき対象を推定可能と判定(S19でYES)したり、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき対象を推定可能と判定(S13でYES)したりする場合、回答すべき対象を推定する。例えば、推定部24は、作業者情報に基づいて作業者が管理者Bであれば、対象を生産ラインAと推定する(S14)。
【0107】
次に、推定部24は、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき内容が推定可能かどうかを判定する(S15)。
【0108】
推定部24は、分解された質問キーワードのそれぞれが、管理記憶部26に記憶されている質問キーワードと一致するかどうかを判定する。推定部24は、分解された質問キーワードと一致する質問キーワードを、管理記憶部26のテーブルから検索する。管理記憶部26に記憶されているテーブル内に、一致する質問キーワードが存在する場合、推定部24は、テーブルにおいて、質問キーワードに紐付けられた回答キーワードを選択する。
【0109】
例えば、推定部24は、「2段階動作」、「設定」、「方法」、「教えて」という4つの質問キーワードと一致する質問キーワード「2段階動作」、「設定」、「方法」を、テーブルから選択し、テーブルに存在しない質問キーワード「教えて」を破棄する。
【0110】
抽出部23が抽出して選択した質問キーワード「設定」、「方法」は、回答の種類の「内容」に属するが、生産ラインの何の設定であるのか、または、何の方法であるのかを特定することができない場合がある。例えば、生産ラインの製造装置10を構成する何の設定なのか判らない。この場合、推定部24は、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき内容を推定できないと判定し(S15でNO)、作業者情報から回答すべき内容が推定可能かどうかを判定する(S21)。
【0111】
例えば、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲によって、生産ラインを特定できる場合、推定部24は、作業者情報から回答すべき内容を推定可能であると判定する。具体的には、図3に示すように、作業者が管理者Bであれば、管理者Bの作業範囲が生産ラインAと推定でき、生産ラインAに関する装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも一つであると推定できる。しかし、作業者がオペレータBであれば、作業範囲に生産ラインBが含まれているものの、作業者の閲覧権限レベルが要求される閲覧権限レベルを満たさない場合、つまり、生産ラインBの装置情報が要求された場合等、作業者情報から回答すべき対象を推定できない。
【0112】
図1図4および図5に示すように、推定部24は、作業者情報から回答すべき内容を推定できないと判定すると(S21でNO)、問い合わせに関する情報を表示装置40に出力することで、作業者に対して再度の問い合わせを行う(S22)。例えば、管理装置20は、表示装置40に「生産ラインを特定できません、正しく入力してください」といった表示をさせる。
【0113】
推定部24は、作業者情報から回答すべき内容を推定可能と判定(S21でYES)したり、抽出された質問情報から、作業者に回答すべき内容を推定可能と判定(S15でYES)したりする場合、回答すべき内容を推定する(S16)。
【0114】
例えば、ステップS21でYESの場合、推定部24は、抽出部23が抽出した質問キーワード「2段階動作」から、回答キーワード「装置情報(推定率10%)、取説情報(推定率60%)、製造情報(推定率30%)」を選択する。また、推定部24は、抽出部23が抽出した質問キーワード「設定」から、回答キーワード「装置情報(推定率20%)、取説情報(推定率40%)、製造情報(推定率10%)」を選択する。推定部24は、回答に適しているものは、最も推定率の高い装置情報であると推定する。
【0115】
また、ステップS15でYESの場合、推定部24は、抽出部23が抽出した質問キーワード「状況」から、回答キーワード「装置情報(推定率80%)、取説情報(推定率10%)、製造情報(推定率10%)」を選択する。推定部24は、回答に適しているものは、最も推定率の高い装置情報であると推定する。
【0116】
次に、推定部24は、ステップS14で回答すべき対象と、ステップS16で回答すべき内容とをそれぞれ推定している。推定部24は、回答すべき対象に関する内容を回答とした回答情報を生成し、生成した回答情報を表示装置40に出力する(S17)。管理装置20は、図5に示すように、表示装置40に回答情報を表示させる。
【0117】
なお、表示制御部25の処理については後述するが、表示制御部25は、表示装置40に回答情報を表示させる前に作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしているかどうかを判定することで、表示装置40に回答情報を表示させる。このため、推定部24が生成した回答情報は表示装置40に出力されずに表示制御部25に出力される場合もある。この場合、表示装置40には、表示制御部25によって処理された結果が出力されることもある。
【0118】
推定部24は、不正解情報を取得したかどうかを判定する(S18)。具体的には、作業者は、表示装置40に表示された回答情報を閲覧し、質問に対する回答が正しいかどうかを判断する。つまり、作業者は、質問に対する回答が求めていた回答と異なる場合、入力装置30を介して回答が間違っていることを示す文字を入力する。入力装置30は、この回答が間違っていることを示す不正解情報を管理装置20に送信する。一方、質問に対する回答が求めていた回答である場合、回答が正しいため、本実施の形態では、入力装置30は、不正解情報を出力しない。
【0119】
なお、入力装置30は、回答が正しいことを示す正解情報を管理装置20に送信してもよい。
【0120】
推定部24が不正解情報を取得した場合(S18でYES)、推定部24は、回答キーワード「装置情報(推定率13.3%)、取説情報(推定率60%)、製造情報(推定率26.7%)」のうち、次に推定率の高い回答キーワードを選択する(S23)。次に推定率の高い回答キーワードは、前回で選択した回答キーワードの次に高い推定率が高い回答キーワードを意味する。
【0121】
ここでは、製造情報であるため、推定部24は、製造情報を回答情報として生成し、生成した回答情報を表示装置40に出力する(S17)。表示装置40は、製造情報を示す回答情報を表示する。
【0122】
次に、管理システム1の表示制御部25の処理について説明する。図6は、実施の形態に係る管理システム1の表示制御部25の処理を例示するフローチャートである。
【0123】
図1および図6に示すように、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしているかどうかを判定する(S111)。つまり、表示制御部25は、作業者が装置情報、取説情報および製造情報のうちの少なくとも一つにアクセスする権限を有するかどうかを判定する。表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲に応じて、情報に対するアクセス可否の決定、または、情報を表示する表示装置40の表示内容を異ならせる。この判定は、作業者が管理システム1から情報を取得するために管理システム1にアクセスする際、入力装置30に入力する作業者情報に含まれる作業者の所属等に基づいて、表示制御部25が行う。例えば、図4では、ステップS13およびS15の処理の前、ステップS19およびS21の処理の前等に図6の処理が行われてもよいが、少なくとも、表示制御部25は、推定部24が推定した回答情報が表示装置40に表示されるステップS17の前に図6の処理が行われる。
【0124】
例えば、図3に示すように、作業者のオペレータAの質問キーワードが「生産ラインA」、「状況」であれば、オペレータAの作業範囲は、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報を閲覧可であるため、オペレータAの作業範囲を満たしている。また、図2に示すように、質問キーワード「状況」と回答キーワード「装置情報(推定率80%)、取説情報(推定率10%)、製造情報(推定率10%)」と、質問キーワード「生産ラインA」の回答キーワード「装置情報(推定率80%)、取説情報(推定率10%)、製造情報(推定率10%)」とより、オペレータAは装置情報を閲覧したいと要望していると推定される。しかし、生産ラインAについての製造情報は、オペレータAの閲覧権限レベルに含まれていない。このため、オペレータAは、作業者の閲覧権限レベルが要求される閲覧権限レベルを満たさない。この場合、図1および図6に示すように、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしていないと判定する(S111でNO)。
【0125】
表示制御部25は、オペレータAに対して装置情報を表示装置40に出力しない。例えば、表示制御部25は、情報取得部22が装置情報を取得しても、取得した装置情報を表示装置40に表示させなくてもよい。別の例では、表示制御部25は、推定部24が回答情報として装置情報と推定しても、情報取得部22に装置情報を取得させなくてもよい。このため、表示装置40は、質問に対する回答を表示しない。(S113)。このとき表示制御部25は、「閲覧権限がありません」といった表示を表示装置40にさせる。そして、表示制御部25は処理を終了する。
【0126】
例えば、図3に示すように、作業者のオペレータAの質問キーワードが「生産ラインA」、「対処」であれば、オペレータAの作業範囲は、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報を閲覧可であり、オペレータAの作業範囲を満たしている。また、オペレータAは取説情報を閲覧したいと要望していると推定される。また、図2に示すように、質問キーワード「対処」と回答キーワード「装置情報(推定率10%)、取説情報(推定率80%)、製造情報(推定率10%)」と、質問キーワード「生産ラインA」の回答キーワード「装置情報(推定率80%)、取説情報(推定率10%)、製造情報(推定率10%)」とより、オペレータAは取説情報を閲覧したいと要望していると推定される。オペレータAの閲覧権限レベルでは、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報を閲覧可能であるため、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報について、表示制御部25は、作業者情報に含まれる作業者の閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしていると判定する(S111でYES)。
【0127】
表示制御部25は、オペレータAに対して生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報を表示装置40に出力する。つまり、表示制御部25は、生産ラインAの設備(1~4)以外の取説情報を表示装置40に出力しない。例えば、表示制御部25は、情報取得部22が生産ラインAの設備(1~4)以外の取説情報を取得しても、取得したこの情報を表示装置40に表示させなくてもよい。別の例では、表示制御部25は、推定部24が回答情報として生産ラインAの設備(1~4)以外の取説情報と推定しても、情報取得部22にこの情報を取得させなくてもよい。
【0128】
表示装置40には、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報である回答情報が示す回答が表示される(S112)。そして、表示制御部25は処理を終了する。
【0129】
次に、製造装置10にエラーがある場合の処理について説明する。図7は、実施の形態に係る管理システム1の製造装置10にエラーがある場合の処理を例示するフローチャートである。
【0130】
図1および図7に示すように、管理装置20の推定部24は、検知部13から製造装置10にエラーがあることを示すエラー情報を取得する(S31)。つまり、検知部13は、製造装置10にエラーがあることを検知すると、検知したエラーを特定するエラー情報を管理装置20に出力する。推定部24がエラー情報を取得すると、推定部24は、エラー情報を表示装置40に出力する。表示装置40は、エラー情報を表示する。
【0131】
作業者は、表示装置40に表示されたエラー情報を閲覧するために、入力装置30に作業者情報を入力する。推定部24は、入力装置30から取得した作業者情報に基づいて、エラーを処理することができるオペレータであるかどうかを判定する(S32)。
【0132】
推定部24は、作業者情報に示される閲覧権限レベルおよび作業範囲が、エラーを処理することができるオペレータである条件を満たしていない場合、エラーを処理することができないオペレータであると判定する(S32でNO)。この場合、推定部24は、問い合わせに関する情報を表示装置40に出力することで、作業者に対して再度の問い合わせを行う(S35)。
【0133】
また、推定部24は、作業者情報に示される閲覧権限レベルおよび作業範囲が、エラーを処理することができるオペレータである条件を満たしている場合、エラーを処理することができるオペレータであると判定する(S32でYES)。この場合、推定部24は、検知したエラー情報に対応するエラー回答情報を情報取得部22に取得させる。情報取得部22は、第1記憶装置61からこのエラー回答情報を取得する。推定部24は、情報取得部22から取得したエラー回答情報を表示装置40に出力する。表示装置40は、エラー情報に対応する回答となるエラー回答情報を表示する(S33)。
【0134】
次に、推定部24は、不正解情報を取得したかどうかを判定する(S34)。具体的には、作業者は、表示装置40に表示されたエラー回答情報を閲覧し、製造装置10のエラーを解消するために、エラー情報に対応する回答が正しいかどうかを判断する。例えば、作業者は、エラー情報に対応する回答では、製造装置10のエラーを処理できない場合、入力装置30を介して回答が間違っていることを示す文字を入力する。入力装置30は、作業者の判断によるこの入力によって、エラー回答情報が間違っていることを示す不正解情報を管理装置20に送信する。つまり、推定部24が不正解情報を取得した場合(S34でYES)、推定部24は、問い合わせに関する情報を表示装置40に出力することで、作業者に対して再度の問い合わせを行う(S35)。
【0135】
なお、入力装置30は、回答が正しいことを示す正解情報を管理装置20に送信してもよい。
【0136】
また、作業者は、エラー情報に対応する回答によって製造装置10のエラーを処理できる場合、つまり、表示装置40にエラーに対処するための回答が表示されている場合、入力装置30に対してこの製造装置10のエラーに対する質問をしない。このとき、推定部24は、不正解情報を取得しない(S34でNO)ため、処理を終了する。
【0137】
[効果]
本実施の形態の管理システム1では、入力装置30に作業者からの質問である文字列が入力され、抽出部23が入力された文字列から管理システム1に対する質問キーワードを抽出する。推定部24は、抽出部23が抽出した質問キーワードに応じた回答キーワードを選択し、選択した回答キーワードの、取説情報、装置情報、および、製造情報のうちの少なくとも一つの情報から、質問に適した情報を推定する。情報取得部22は、推定されたこの情報を回答情報として取得することで、この情報が回答情報として表示装置40に出力される。このため、表示装置40は、この回答情報を表示することができる。取説情報、装置情報、および、製造情報がそれぞれ異なる装置に記憶されていたとしても、管理システム1は、質問に対する回答を推定して表示することができる。
【0138】
したがって、管理システム1では、従来技術に依る場合に比べて作業性を向上させることができる。
【0139】
また、表示制御部25は、推定された回答情報が閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしている場合に、この回答情報を表示装置40に表示させる。また、表示制御部25は、推定された回答情報が閲覧権限レベルおよび作業範囲を満たしていない場合に、この回答情報を表示装置40に表示させない。このため、管理システム1では、作業範囲に属しない作業者のアクセスを制限することで、これら情報の秘密管理性を確保することができたり、意図しない情報の変更が行われることを抑制したりすることができる。その結果、情報をより適切に管理することができる。
【0140】
(その他)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記管理システム、回答表示方法およびプログラムに限定されるものではない。
【0141】
例えば、上記各実施の形態に係る管理システム、回答表示方法およびプログラムにおいて、管理装置、入力装置、表示装置、データ生成装置、第1記憶装置、および、第2記憶装置は、これらを任意に組み合わせることで1つの装置としてもよい。
【0142】
また、上記各実施の形態に係る管理システム、回答表示方法およびプログラムにおいて、稼働情報は、装置情報に含まれていなくてもよく、装置情報と別の記憶媒体に記憶されていてもよい。この場合、情報取得部は、稼働情報、装置情報、取説情報および製造情報のうちから少なくとも一つの情報を取得してもよい。
【0143】
また、上記各実施の形態に係る管理システム、回答表示方法およびプログラムにおいて、推定部は、過去の履歴情報を見ることで、作業者が過去に行った質問と質問に対する回答とを抽出することで、回答を推定してもよい。具体的には、推定部は、作業者の履歴情報から、オペレータBによる質問キーワードが「生産ライン」だけの場合、生産ラインAの設備(1~4)に関する取説情報であると推定してもよい。このように、推定部は、履歴情報によって学習してもよい。
【0144】
また、上記各実施の形態に係る管理システム、回答表示方法およびプログラムにおいて、データ生成装置は、管理装置からの要求によって製造情報を生成するためのデータ作成エンジンであってもよい。
【0145】
また、上記各実施の形態に係る管理システム、回答表示方法およびプログラムは、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0146】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0147】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0148】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、例示された数字に制限されない。
【0149】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列または時分割に処理してもよい。
【0150】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0151】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本開示は、例えば、基板に部品を実装する部品実装ラインに利用可能である。
【符号の説明】
【0153】
1 管理システム
10 製造装置(部品実装装置)
13 検知部
22 情報取得部(取得部)
23 抽出部
24 推定部
25 表示制御部
30 入力装置(入力部)
40 表示装置(表示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7