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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20231106BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20231106BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20231106BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231106BHJP
【FI】
F21V23/00 140
F21S9/02 215
F21V23/00 115
F21V23/00 130
F21V3/02 500
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019075774
(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2020173996
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147757(JP,A)
【文献】中国実用新案第206036891(CN,U)
【文献】特開2017-212181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 9/02
F21V 3/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前壁を有する箱型の器具本体と、
前記器具本体に設置され、前記前壁の前方に向けて照明光を放射する光源ユニットと、
前記前壁に設置されて周囲の状況を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に応じて前記光源ユニットを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記前壁の前方から見て、前記センサの後方に位置するように、前記器具本体に収容されており
前記センサは、センサケースを有し、
前記センサケースは、下側の部分ほど後方に位置するように、前記前壁に対して傾いた前面と、後側の部分ほど上方に位置するように傾いた下面と、を有し、
前記下面のうち、前記前壁よりも後側の部分の下方には、前記センサと前記制御装置とを接続する電線が通る配線スペースが形成される、
照明器具。
【請求項2】
前壁を有する箱型の器具本体と、
前記器具本体に設置され、前記前壁の前方に向けて照明光を放射する光源ユニットと、
前記前壁に設置されて周囲の状況を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に応じて前記光源ユニットを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記前壁の前方から見て、前記センサの後方に位置するように、前記器具本体に収容されており、
前記前壁に設けられた設置孔内に前記センサを設置するための設置具を備え、
前記制御装置は、制御ケースを有し、
前記設置具は、前記制御ケースに沿うように曲がった板状の部材である、
照明器具。
【請求項3】
前記設置具は、
前記センサが有するセンサケースに沿い、前記センサケースが取り付けられる板状の取付部と、
前記制御ケースに沿った板状の中間部と、
前記器具本体が有する後壁に固定される板状の固定部と、を含む、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記センサは前記光源ユニットの上方に位置する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
常用電源から供給される常用電力で前記光源ユニットを点灯させる常用点灯装置と、
前記常用電力で充電される非常用電源と、
前記常用電源の停電時に前記非常用電源から供給される非常用電力で点灯する非常用光源ユニットと、を備え、
前記常用点灯装置、前記非常用電源及び前記非常用光源ユニットは、前記制御装置に対して上下方向にずれて位置するように、前記器具本体に収容されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記非常用光源ユニットは、前記器具本体の下面から前記器具本体の下方に向けて照明光を放射するように構成される、
請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記器具本体の前記前壁の前方に設けられ、前記器具本体の前方から見て前記光源ユニット及び前記センサを覆うカバーを備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明器具が記載されている。この照明器具は、左右方向に長尺な箱型の器具本体と、器具本体に取り付けられる光源ユニットと、人を検知するセンサと、センサから出力される人検知信号に応じて光源ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。センサは、器具本体の下面の左右方向の中央部に、下方に突出するように取り付けられており、制御ユニットは、左右方向においてセンサに対してずれて位置するように、器具本体に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-201614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の照明器具では、センサと制御ユニットとが左右方向にずれて位置するため、照明器具のコンパクト化を図る点で、改善の余地があった。
【0005】
上記事情に鑑みて、コンパクト化が図れる照明器具を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る一態様の照明器具は、前壁を有する箱型の器具本体と、前記器具本体に設置され、前記前壁の前方に向けて照明光を放射する光源ユニットと、前記前壁に設置されて周囲の状況を検出するセンサと、を備える。一態様の照明器具は、前記センサの検出結果に応じて前記光源ユニットを制御する制御装置を更に備える。前記制御装置は、前記センサの後方に位置するように、前記器具本体に収容されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る一態様の照明器具は、コンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の照明器具を示す斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具を示す側断面図である。
図3図3は、同上の照明器具のカバーを付け外しする様子を示す斜視図である。
図4図4は、同上の照明器具の器具本体の前壁を取り外した状態における斜視図である。
図5図5は、図4のA-A線における断面図である。
図6図6は、同上の照明器具の設置具を示す斜視図である。
図7図7は、同上の照明器具の変形例を示す斜視図である。
図8図8は、同上の照明器具の変形例を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.概要
図1及び図2に示す一実施形態の照明器具1は、前壁20を有する箱型の器具本体2と、器具本体2に設置され、前壁20の前方に向けて照明光を放射する光源ユニット3と、前壁20に設置されて周囲の状況を検出するセンサ4と、を備える。照明器具1は、センサ4の検出結果に応じて光源ユニット3を制御する制御装置5を更に備える。制御装置5は、センサ4の後方に位置するように、器具本体2に収容されている。
【0010】
上記構成を備えることで、照明器具1では、センサ4と制御装置5が前後に並んで位置するため、これらの装置4,5が左右方向にずれて位置する場合に比べて、照明器具1を左右方向にコンパクトに設けることができ、照明器具1のコンパクト化が図れる。
【0011】
2.詳細
続いて、一実施形態の照明器具1について更に詳しく説明する。図1及び図2に示す照明器具1は、非常灯及び階段通路誘導灯を兼用する照明器具である。照明器具1は、例えば、集合住宅の共用部の廊下や、階段の踊り場に設置される。ただし、照明器具1は、非常灯及び階段通路誘導灯を兼用する照明器具に限定されない。
【0012】
以下では、図1に矢印で示す前後、上下及び左右方向を用いて、照明器具1の各構成について説明する。照明器具1は、器具本体2の後面が建物の壁側を向くように、壁に取り付けられる。
【0013】
照明器具1は、図1及び図2に示すように、器具本体2、光源ユニット3、センサ4、及び制御装置5に加えて、設置具6、カバー7、拡散部材8、常用点灯装置9、非常用電源10、非常用光源ユニット11、及び非常用点灯装置12を備える。
【0014】
器具本体2は、正方形板状の前壁20及び後壁21と、長方形板状の上壁22、下壁23、左右一対の側壁24とを有している。後壁21の上端から上壁22が前方に突出し、後壁21の下端から下壁23が前方に突出し、後壁21の左端と右端のそれぞれから側壁24が前方に突出している。上壁22の左右両端と左右一対の側壁24の上端とがつながっており、下壁23の左右両端と左右一対の側壁24の下端とがつながっている。後壁21、上壁22、下壁23、及び左右一対の側壁24は、例えば、一枚の金属板によって一体に形成される。後壁21の後面(器具本体2の後面)は、建物の壁側を向く面である。
【0015】
図3及び図4に示すように、左右一対の側壁24のそれぞれの前端部には、左右方向内側に突出した突出片240と、突出片240の一部から前側にL字状に突出した複数(本実施形態では三つ)の取付台241とが設けられている。
【0016】
前壁20は、前壁20の上部を前後方向に貫通する設置孔200を有する。設置孔200は、前壁20の上部のうち左右方向の中央部に位置する。前壁20は、例えば、金属板で形成される。
【0017】
図3に示すように、前壁20は、左右一対の取付台241にねじ等の固定具(図示せず)で固定されることで、後壁21、上壁22、下壁23、及び左右一対の側壁24によって囲まれた空間(器具本体2の内部空間)の前方に配置される。前壁20の左右の端部と左右一対の突出片240との間には、器具本体2へのカバー7の取り付けに用いられる差込溝25が形成されている。差込溝25は、左右方向外側と上側に向けて開放されている。
【0018】
カバー7は、器具本体2の前壁20の前方に設けられ、器具本体2の前方から見て光源ユニット3及びセンサ4を覆う。
【0019】
詳しくは、カバー7は、正方形状の前板70と、長方形状の左右一対の側板71とを有する。カバー7は、前板70の上端部と左右一対の側板71の上端部とで囲まれた上開口部72と、前板70の下端部と左右一対の側板71の下端部とで囲まれた下開口部73とを有する。
【0020】
左右一対の側板71は、前板70の左右の端部から後方に突出している。左右一対の側板71のそれぞれの後端からは、左右方向内側に向かって差込片710が突出している。カバー7は、左右一対の差込片710を、器具本体2の左右一対の差込溝25に上方から差し込むことで、器具本体2に着脱可能に装着される。
【0021】
カバー7は、センサ4の電波を透過可能な材料で形成されている。本実施形態では、カバー7は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂によって形成されており、透光性を有している。そのため、カバー7は、光源ユニット3から放射される光が透過可能である。なお、カバー7は、上記の合成樹脂に拡散材を混入したもので形成されてもよい。
【0022】
図2に示すように、光源ユニット3は、光源30と、光源30から放射される光の配光を制御するレンズ31を有する。光源30は、例えば、照明用白色LED(Light Emitting Diode)である。レンズ31は、透光性を有する材料で形成される。レンズ31は、例えば、ガラス(石英ガラス等)で形成される。なお、レンズ31は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の合成樹脂で形成されてもよい。光源ユニット3は、図1及び図2に示すように、器具本体2の前壁20の前面の中央部に取り付けられる。
【0023】
拡散部材8は、光源ユニット3の前方に設けられて光源ユニット3が放射する照明光を拡散させる部材である。拡散部材8は、本実施形態では、器具本体2の前壁20から前方に向けて突出し、かつ後方に向けて開口したドーム状に形成されている。
【0024】
詳しくは、拡散部材8は、ドーム状の本体部80と、円環状のフランジ部81とを有する。本体部80は、中空の半球状体であり、前方に突出し、後方に開口している。本体部80は、光源ユニット3を覆い隠すことの可能な大きさに形成されている。フランジ部81は、本体部80の後端部の周縁から外向きに突出している。
【0025】
拡散部材8は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂に拡散材を混入して形成されている。拡散部材8は、フランジ部81をねじ等の固定具82で前壁20に固定することで、前壁20の前面の中央部に取り付けられる。拡散部材8のフランジ部81の上端は、設置孔200に隣接して位置する。
【0026】
光源30から放射される光は、レンズ31によって配光制御されて、器具本体2の前方に向かって上下及び左右方向に広がるように進行する。レンズ31から出射する光は、拡散部材8によって拡散され、これにより、拡散部材8から出射する光の均斉度の向上が図られる。
【0027】
光源ユニット3の光源30には、常用点灯装置9が電気的に接続される。常用点灯装置9は、商用の電力系統等の常用電源から供給される常用電力で光源ユニット3の光源30を点灯させる。
【0028】
常用点灯装置9は、ケース90とその内側に収容されるプリント回路とを有する。プリント回路は、常用電源から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路、及び光源30に供給する直流電流を定電流化する定電流回路等を構成している。常用点灯装置9は、前壁20の後面にねじ等の固定具91で取り付けられる。図4に示すように、常用点灯装置9は、前壁20の後面のうち、設置孔200に対して左右方向にずれた位置に取り付けられている。常用点灯装置9は、設置孔200よりも下方に配置されている。図2に示すように、常用点灯装置9は、制御装置5に対して上下方向にずれて位置するように、器具本体2内に収容される。本実施形態では、常用点灯装置9は、センサ4及び制御装置5よりも下方に配置されている。
【0029】
非常用光源ユニット11は、器具本体2の下面から器具本体2の下方に向けて照明光を放射するように構成されている。
【0030】
非常用光源ユニット11は、光源110と、光源110から放射される光の配光を制御するレンズ111を有する。光源110は、例えば、照明用白色LEDである。非常用光源ユニット11は、器具本体2の下壁23に取り付けられる。図1及び図2に示すように、下壁23の下面の中央部には、器具本体2の内部に向かって(つまり上方に向かって)凹んだ凹所230が設けられている。凹所230の底面231には、円形の孔232が貫通している。凹所230の側面233は、円すい台の側面に相当する形状に形成されている。
【0031】
レンズ111は、透光性を有する材料で形成される。レンズ111は、例えば、ガラス(石英ガラス等)で形成される。なお、レンズ111は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の合成樹脂で形成されてもよい。非常用光源ユニット11は、レンズ111の一部(下部)が孔232を通って器具本体2の外側(下側)に突出するように、下壁23に取り付けられている。レンズ111から出射する光の一部は、凹所230の側面233によって反射される。
【0032】
非常用光源ユニット11の光源110には、非常用点灯装置12が電気的に接続される。
【0033】
図4に示す非常用電源10は、電気的に直列接続された複数の電池セルを有する。複数の電池セルの各々は、例えば、ニッケル・水素蓄電池である。非常用電源10には、充電装置が電気的に接続されている。充電装置は、常用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を非常用電源10に供給する。つまり、非常用電源10は、常用電源から供給される常用電力で充填される。
【0034】
非常用電源10は、制御装置5に対して上下方向にずれて位置するように、器具本体2内に収容されている。本実施形態では、非常用電源10は、センサ4及び制御装置5よりも下方に位置するように、器具本体2の後壁21の下部の前面に固定されている。
【0035】
非常用点灯装置12は、常用電源の停電時に、非常用電源10から供給される非常用電力(直流電力)によって非常用光源ユニット11を点灯させる。言い換えると、非常用光源ユニット11は、常用電源の停電時に、非常用電源10から供給される非常用電力(直流電力)で点灯する。非常用点灯装置12は、制御装置5に対して上下方向にずれて位置するように、器具本体2内に収容されている。本実施形態では、非常用点灯装置12は、センサ4及び制御装置5よりも下方に位置するように、器具本体2の後壁21の下部の前面に固定されている。非常用電源10と非常用点灯装置12は、左右方向に間隔をおいて位置する。
【0036】
図2及び図4に示すセンサ4は、電波を利用して周囲の状況を検出するセンサである。センサ4は、周囲の状況として人の存在を検出する人感センサである。
【0037】
センサ4は、例えば、ドップラー効果を利用した電波式センサである。センサ4は、マイクロ波帯(24GHz帯)の無変調連続波の電波(送信波)を送信する送信アンテナと、物体に反射した電波(反射波)を受信する受信アンテナと、を有する。送信波が人で反射した場合、ドップラー効果によって送信波と反射波の間に人の移動速度に応じた周波数差が生じる。センサ4は、前記周波数差に基づいて人(例えば階段を昇降する人)の存在を検出する。センサ4は、人の存在を検出しているときに制御装置5に検出信号を出力する。なお、センサ4は、周波数変調された送信波を送信アンテナから送信させ、受信アンテナで受信する受信波と送信波を乗算して位相検波することにより、送信波を反射した物体までの距離を測距して人の存在を検出するセンサであってもよい。
【0038】
センサ4は、センサケース40と、センサケース40に収容されるセンサ本体41と、を有する。センサ本体41は、送信アンテナ、受信アンテナ及び信号処理回路を含む。センサ本体41は、送信アンテナ、受信アンテナ及び信号処理回路が1枚のプリント配線板に実装されたプリント回路で構成される。
【0039】
センサケース40は、直方体状の箱型であり、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の合成樹脂材料によって形成されている。センサ本体41は、送信アンテナ及び受信アンテナがセンサケース40の前面400側を向くようにセンサケース40内に収容されている。送信アンテナから送信される電波は、センサケース40の前面400を通して放射され、物体に反射した電波(反射波)は、センサケース40の前面400を通して受信アンテナに受信される。
【0040】
センサ4は、センサケース40の前面400を含む前部分が、器具本体2の前壁20から前方に突出するように、前壁20の設置孔200内に設置されている。センサ4の設置には、設置具6が用いられる。
【0041】
センサ4の前部分(センサケース40の前面400を含む前部分)は、拡散部材8よりも上方に配置されている。本実施形態では、センサ4は、センサケース40の前面400が、下側の部分ほど後方に位置するように、前壁20に対して傾いた姿勢で、前壁20に対して設置されている。言い換えると、センサケース40の前面400は、拡散部材8に近い部分ほど前壁20からの突出長さが小さい。センサ4の前端(前面400の上端)は、拡散部材8の前端よりも後方に位置している。センサ4のセンサケース40の前面400は、拡散部材8に隣接して位置している。
【0042】
制御装置5は、センサ4の検出結果に応じて光源ユニット3を制御する。制御装置5は、センサ4が人の存在を検出していないときに光源30から放射する照明光の光量を基準値よりも小さくし、かつ、センサ4が人の存在を検出しているときに照明光の光量を前記基準値に一致させるように光源ユニット3を制御する。
【0043】
制御装置5は、制御ケース50と、制御ケース50に収容される制御回路51とを有する。制御ケース50は、左右方向に長尺な直方体状の箱体である。制御回路51は、例えば、マイクロコントローラである。
【0044】
制御装置5は、センサ4から検出信号が入力されていない場合、常用点灯装置9を制御して光源30に供給する電流を定格値の約半分とし、センサ4から検出信号が入力されている場合、常用点灯装置9を制御して光源30に供給する電流を定格値とする。したがって、本実施形態では、光源30から放射する光の光量は、センサ4が人の存在を検出していないとき、センサ4が人の存在を検出しているときの約半分となる。
【0045】
制御装置5は、器具本体2の後壁21の前面の上部に、ねじ等の固定具52で固定されている。
【0046】
設置具6は、図5に示すように、器具本体2の前壁20に設けられた設置孔200にセンサ4を設置するための部材である。設置具6は、制御ケース50に沿うように曲がった板状の部材である。
【0047】
詳しくは、設置具6は、センサケース40に沿い、センサケース40が取り付けられる板状の取付部60と、制御ケース50に沿った板状の中間部61と、器具本体2の後壁21に固定される板状の固定部62と、を含む。
【0048】
図5及び図6に示すように、取付部60は、矩形板状であり、下側の部分ほど後方に位置するように傾いている。取付部60には、センサケース40の後面から後方に突出する一対の爪42を差し込むための一対の差込孔600が形成されている。取付部60の下端に、中間部61の上端がつながっている。
【0049】
中間部61は、制御ケース50の前面に沿う矩形板状の縦板部610と、縦板部610の下端から後方に延び、制御ケース50の下面に沿う矩形板状の横板部611とを有する。縦板部610と横板部611とはL字状につながっている。縦板部610の上端が、取付部60の下端につながっている。取付部60は、縦板部610に対して傾いている。
【0050】
縦板部610の左右方向の一部には、前方に突出するように折れ曲がった形状の引掛け部612が形成されている。本実施形態では、縦板部610には、二つの引掛け部612が左右方向に距離をおいて設けられている。二つの引掛け部612のそれぞれは、器具本体2内に電線を結束する結束バンド等を引っ掛ける部分として用いられる。
【0051】
横板部611の前部の左右方向の一部には、下方に突出するように折れ曲がった形状の取付台613が形成されている。取付台613には、端子台13から上方に突出した一対の爪130を挿入可能な一対の挿入孔614が設けられている。横板部611の後端に、固定部62の上端がつながっている。
【0052】
固定部62は、矩形板状である。固定部62には、固定部62を器具本体2の後壁21に対して固定するねじ等の固定具63(図4参照)が通される左右一対の貫通孔620が設けられている。器具本体2の後壁21には、左右一対の貫通孔620に対応する部分に、ねじ孔210が設けられている。
【0053】
設置具6は、取付部60にセンサケース40の爪42を引っ掛けて取り付け、中間部61を制御ケース50の前面及び下面に沿わせ、固定部62を前側から固定具63で後壁21に固定することで、センサ4を前下がりの姿勢で保持する。この状態で、器具本体2の左右の取付台241に対して前壁20を取り付けることで、センサ4が前壁20の設置孔200内に設置される。
【0054】
センサ4が前壁20に対して設置された状態で、センサケース40の下面401は、後側の部分ほど上方に位置する。下面401の下方には、センサ4と制御装置5とを電気的に接続する電線45(図4参照)が通される配線スペースS1が形成される。センサ4は、光源ユニット3よりも上方に位置する。
【0055】
照明器具1は、後壁21のうち、制御装置5と非常用点灯装置12の間の部分と、制御装置5と非常用電源10の間の部分に取り付けられる複数の端子台14を更に備える。複数の端子台14は、照明器具1が備える各種の装置同士の電気的な接続や、常用電源と各種の装置との電気的な接続に用いられる。
【0056】
3.作用効果
以上説明した本実施形態の照明器具1では、センサ4と制御装置5とが前後に並んで位置する。そのため、本実施形態の照明器具1では、センサ4と制御装置5とが左右方向にずれて配置される場合に比べて、器具本体2を左右方向にコンパクトに設けることができ、照明器具1のコンパクト化が図れる。
【0057】
また、本実施形態の照明器具1では、センサ4と制御装置5とが前後に並んで位置することで、センサ4と制御装置5とを接続する電線45の長さを抑えることができ、器具本体2内の電線45の配置スペースを抑えることができる。
【0058】
また、本実施形態の照明器具1では、センサ4のセンサケース40を傾けて設置することで、センサケース40の下面401の下方に、配線スペースS1を形成することができ、この配線スペースS1を電線45が通るスペースとして有効に活用することができる。
【0059】
また、本実施形態の照明器具1では、設置具6を、センサケース40と制御ケース50と後壁21のそれぞれに沿うように曲がった板状の部材で構成することで、器具本体2内の設置具6の設置スペースを抑えることができる。
【0060】
また、本実施形態の照明器具1では、制御ケース50に沿う部分(中間部61)を有する設置具6にセンサケース40を取り付けることで、センサ4と制御装置5とのブロック化が図れて、センサ4を所定位置(設置孔200内)に位置決めしやすい。
【0061】
また、本実施形態の照明器具1では、器具本体2の前壁20のうち設置孔200から左右方向にずれた位置に常用点灯装置9を取り付けることで、センサ4の側方のスペースを、常用点灯装置9の上端に接続される電線の配線スペースとして利用することができる。
【0062】
また、本実施形態の照明器具1では、センサ4の後部を器具本体2内に配置することで、センサ4の前壁20からの突出長さを抑えることができ、光源ユニット3の照射範囲にセンサ4が入り込みにくい。
【0063】
また、本実施形態の照明器具1では、器具本体2を左右方向にコンパクトに設けることができるため、器具本体2の前壁20を覆うように装着されるカバー7も左右方向にコンパクトに設けることができる。
【0064】
また、本実施形態の照明器具1では、センサケース40の前面400が拡散部材8に近い部分ほど前壁20からの突出長さが小さいため、センサ4を拡散部材8に極力近付けて配置することができ、照明器具1の上下方向のコンパクト化が図れる。
【0065】
また、本実施形態の照明器具1では、制御装置5の下方に、非常用電源10、非常用点灯装置12、及び非常用光源ユニット11が位置している。そのため、本実施形態の照明器具1では、非常用電源10、非常用点灯装置12、及び非常用光源ユニット11を備えることによって器具本体2が左右方向に長くなることを、抑えることができる。
【0066】
4.変形例
以上説明した本実施形態の照明器具1は、下記の変形例を採用可能である。
【0067】
カバー7は、図1に示す形状に限らず、例えば、図7及び図8に示す変形例のように、前板70のみで構成してもよく、つまり、正方形の板状に形成されてもよい。この場合、カバー7は、二つの支持部15によって器具本体2に取り付けられる。
【0068】
二つの支持部15の各々は、台形状の支持片150と、支持片150の前端から突出する取付片151と、支持片150の後端から突出して器具本体2に固定される固定片152とを有する。
【0069】
前壁20の左右の端部には、固定片152が挿入される挿入孔201が形成されている。二つの支持部15は、左右一対の固定片152を前壁20の左右一対の挿入孔201に前側から挿入して、ねじ等の固定具によって左右一対の固定片152を器具本体2に固定することで、器具本体2に対して取り付けられる。各支持部15は、前壁20の左右両端における上下方向の中央部から支持片150及び取付片151が器具本体2の前方へ突出する。
【0070】
各取付片151には、後側からボルト(図示せず)が取り付けられている。カバー7の左右両端部のそれぞれには、留め具16が通される貫通孔700が形成されている。カバー7の各貫通孔700に留め具16を挿入した状態で、各取付片151に後側からボルトを取り付けて、各ボルトを各留め具16に固定することで、カバー7は二つの支持部15で支持される。
【0071】
変形例の照明器具1では、カバー7は、器具本体2と間に、上下及び左右の各方向に開口した4つの開口部74を形成する。光源ユニット3から放射される照明光は、カバー7と4つの開口部74のそれぞれから出射される。
【0072】
変形例の照明器具1においても、センサ4と制御装置5が前後に並んで位置するため、器具本体2を左右方向にコンパクトに設けることができて、照明器具1のコンパクト化が図れる。
【0073】
また、本実施形態及びその変形例の照明器具1は、下記の変形例を採用可能である。
【0074】
センサ4は、センサケース40の下面401が後側の部分ほど上方に位置するように、傾けて設置なくてもよく、例えば、センサケース40の下面401が水平方向に対して平行となるように設置してもよい。
【0075】
設置具6は、図5等に示すような制御ケース50に沿うように曲がった板状の部材に限らず、制御ケース50に沿う部分を有さなくてもよく、センサ4を器具本体2の前壁20や上壁22に対して固定するものであってもよい。
【0076】
照明器具1は、非常時に点灯するための各装置10,11,12を備えなくてもよい。
【0077】
照明器具1は、カバー7を備えなくてもよい。
【0078】
センサ4は、周囲の状況として人を検出するものに限らず、周囲の状況として明るさ等を検出するものであってもよい。
【0079】
照明器具1は、器具本体2の後面が建物の壁側を向くように、壁に取り付けられる利用形態に限定されない。例えば、照明器具1は、器具本体2の後面が天井側(つまり上方)を向くように、天井に取り付けられてもよいし、その他の形態で、建物に対して取り付けられてもよい。
【0080】
5.まとめ
以上説明した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第一態様の照明器具(1)は、下記の構成を備える。
【0081】
すなわち、第一態様の照明器具(1)は、前壁(20)を有する箱型の器具本体(2)と、器具本体(2)に設置され、前壁(20)の前方に向けて照明光を放射する光源ユニット(3)と、前壁(20)に設置されて周囲の状況を検出するセンサ(4)とを備える。第一態様の照明器具(1)は、センサ(4)の検出結果に応じて光源ユニット(3)を制御する制御装置(5)を更に備える。制御装置(5)は、センサ(4)の後方に位置するように、器具本体(2)に収容されている。
【0082】
上記構成を備えることで、第一態様の照明器具(1)では、センサ(4)と制御装置(5)が前後に並んで位置するため、これらの装置(4,5)が左右方向にずれて位置する場合に比べて、器具本体(2)を左右方向にコンパクトに設けることができる。これにより、第一態様の照明器具(1)では、照明器具(1)のコンパクト化が図れる。
【0083】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第二態様の照明器具(1)は、第一態様の照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0084】
すなわち、第二態様の照明器具(1)では、センサ(4)は、センサケース(40)を有する。センサケース(40)の下面(401)は、後側の部分ほど上方に位置する。下面(401)の下方には、センサ(4)と制御装置(5)とを接続する電線(45)が通る配線スペース(S1)が形成される。
【0085】
上記構成を備えることで、第二態様の照明器具(1)では、センサケース(40)の下面(401)が後側の部分ほど上方に位置することによって形成される下方のスペースを、電線(45)を通す配線スペース(S1)として有効に利用することができる。
【0086】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第三態様の照明器具(1)は、第一又は第二態様の照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0087】
すなわち、第三態様の照明器具(1)は、前壁(20)に設けられた設置孔(200)内にセンサ(4)を設置するための設置具(6)を備える。制御装置(5)は、制御ケース(50)を有する。設置具(6)は、制御ケース(50)に沿うように曲がった板状の部材である。
【0088】
上記構成を備えることで、第三態様の照明器具(1)では、器具本体(2)内における設置具(6)の配置スペースを抑えることができる。
【0089】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第四態様の照明器具(1)は、第三態様の照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0090】
すなわち、第四態様の照明器具(1)では、設置具(6)は、センサ(4)が有するセンサケース(40)に沿い、センサケース(40)が取り付けられる板状の取付部(60)と、制御ケース(50)に沿った板状の中間部(61)と、を含む。設置具(6)は、器具本体(2)が有する後壁(21)に固定される板状の固定部(62)を更に含む。
【0091】
上記構成を備えることで、第四態様の照明器具(1)では、設置具(6)がセンサケース(40)、制御ケース(50)及器具本体(2)の後壁(21)のそれぞれに沿うため、器具本体(2)内における設置具(6)の配置スペースを極力抑えることができる。
【0092】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第五態様の照明器具(1)は、第一から第四態様のいずれか一つの照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0093】
すなわち、第五態様の照明器具(1)では、センサ(4)は光源ユニット(3)の上方に位置する。
【0094】
上記構成を備えることで、第五態様の照明器具(1)では、器具本体(2)内において、光源ユニット(3)を点灯させるための装置(常用点灯装置9)と制御装置(5)とが左右方向に並ぶことを抑制できる。これにより、第五態様の照明器具(1)では、器具本体(2)を左右方向にコンパクトに設けることができる。
【0095】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第六態様の照明器具(1)は、第一から第五態様のいずれか一つの照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0096】
すなわち、第六態様の照明器具(1)は、常用電源から供給される常用電力で光源ユニット(3)を点灯させる常用点灯装置(9)と、常用電力で充電される非常用電源(10)と、を備える。第六態様の照明器具(1)は、常用電源の停電時に非常用電源(10)から供給される非常用電力で点灯する非常用光源ユニット(11)を更に備える。常用点灯装置(9)、非常用電源(10)及び非常用光源ユニット(11)は、制御装置(5)に対して上下方向にずれて位置するように器具本体(2)に収容されている。
【0097】
上記構成を備えることで、第六態様の照明器具(1)では、停電時も点灯可能な非常灯として利用できる。また、第六態様の照明器具(1)では、各装置(9,10,11)は、制御装置(5)に対して上下方向にずれて位置するように器具本体(2)に収容されているため、器具本体2を左右方向にコンパクトに設けることができる。
【0098】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第七態様の照明器具(1)は、第六態様の照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0099】
すなわち、第七態様の照明器具(1)は、非常用光源ユニット(11)は、器具本体(2)の下面から器具本体(2)の下方に向けて照明光を放射するように構成される。
【0100】
上記構成を備えることで、第七態様の照明器具(1)では、非常用光源ユニット(11)と、非常用光源ユニット(11)を点灯させるための各装置(10,12)を器具本体(2)の下側のスペースにまとめて配置することができる。これにより、第七態様の照明器具(1)では、器具本体(2)の上側のスペースに制御装置(5)を配置でき、制御装置(5)と各装置(10,11,12)が左右方向に並ぶことを抑制できて、器具本体(2)を左右方向にコンパクトに設けることができる。
【0101】
また、上述した一実施形態及びその変形例の照明器具1のように、第八態様の照明器具(1)は、第一から第七態様のいずれか一つの照明器具(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0102】
すなわち、第八態様の照明器具(1)は、器具本体(2)の前壁(20)の前方に設けられ、器具本体(2)の前方から見て光源ユニット(3)及びセンサ(4)を覆うカバー(7)を備える。
【0103】
上記構成を備えることで、第八態様の照明器具(1)では、器具本体(2)の左右方向のコンパクト化に伴って、器具本体(2)の前壁(20)の前方に設けるカバー(7)の左右方向のコンパクト化も図れ、照明器具(1)のコンパクト化が図りやすい。
【0104】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 照明器具
2 器具本体
20 前壁
200 設置孔
21 後壁
3 光源ユニット
4 センサ
40 センサケース
401 下面
5 制御装置
50 制御ケース
6 設置具
60 取付部
61 中間部
62 固定部
7 カバー
9 常用点灯装置
10 非常用電源
11 非常用光源ユニット
S1 配線スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8