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特許7378053判定システム、判定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】判定システム、判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231106BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20231106BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/22
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019099546
(22)【出願日】2019-05-28
(65)【公開番号】P2020194348
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊達 宗弘
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-083127(JP,A)
【文献】特開2017-006305(JP,A)
【文献】特開2009-288176(JP,A)
【文献】国際公開第2010/141251(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0045631(US,A1)
【文献】国際公開第2013/136308(WO,A1)
【文献】介護保険における福祉用具の選定の判断基準について,[online],福祉医療機構,2004年06月17日,kijun_1.pdf,インターネット<URL:https://www.wam.go.jp/wamappl/bb05kaig.nsf/vAdmPBigcategory20/424E088D76A2441849256EBB0007BD95?OpenDocument>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部により入力された前記第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する記憶部と、
前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた前記重み係数を前記記憶部から読み出して、前記第1測定結果に対して前記重み付けを行う重み付け部と、
前記重み付け部により前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示する提示部と、を備える、
判定システム。
【請求項2】
身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部により入力された前記第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する記憶部、及び前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた前記重み係数を前記記憶部から読み出して、前記第1測定結果に対して前記重み付けを行う重み付け部を有する外部システムに前記第1測定結果を送信する通信部と、
前記重み付け部により前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果であって前記通信部が前記外部システムから受信した第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示する提示部と、を備える、
判定システム。
【請求項3】
前記複数の測定項目は、
被験者の身長、体重、及び下腿長を含む第1測定項目群と、
歩行テストにおける第1測定時間、ステッピングテストにおけるステッピング回数、ファンクショナルリーチテストにおけるリーチ距離、タイムアップアンドゴーテストにおける第2測定時間、片足立ちテストにおける第3測定時間、脚筋力、握力、筋肉量、及び筋肉の反応時間を含む第2測定項目群と、を有し、
前記第1測定結果は、前記第1測定項目群の測定結果と、前記第2測定項目群の少なくとも2つの測定項目の測定結果と、を含む、
請求項1又は2に記載の判定システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記重み付け部により前記重み付けが行われた後の、前回の第2測定結果を第3測定結果として記憶し、
前記判定部は、前記第3測定結果に対して前記第2測定結果が変化している場合に、前記提示部に提示させる前記高齢者用移動商品を変更する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の判定システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記第3測定結果に対して良化する方向に前記第2測定結果が変化している場合に、前記提示部に提示させる前記高齢者用移動商品を、相対的に高い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する、
請求項に記載の判定システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記第3測定結果に対して悪化する方向に前記第2測定結果が変化している場合に、前記提示部に提示させる前記高齢者用移動商品を、相対的に低い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する、
請求項に記載の判定システム。
【請求項7】
コンピュータシステムにより実行される判定方法であって、
身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにて選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果に対して、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み付けを行う重み付けステップと、
前記重み付けステップにて前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示する提示ステップと、を含む、
判定方法。
【請求項8】
請求項に記載の判定方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定システム、判定方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、身体に関する測定項目に基づいた判定機能を有する判定システム、判定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、老年症候群について、その危険性を有するか否かを、包括的に且つ簡易に判定する判定方法が記載されている。特許文献1に記載の判定方法では、21項目の健診項目群のうち少なくとも2つの項目を満足する場合に、老年症候群の危険性があると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-228305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の判定方法では、老年症候群の危険性があるか否かを判定し、判定結果を提示するだけであった。
【0005】
本開示の目的は、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる判定システム、判定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る判定システムは、選択部と、入力部と、記憶部と、重み付け部と、判定部と、提示部と、を備える。前記選択部は、身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する。前記入力部は、前記選択部により選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける。前記記憶部は、前記入力部により入力された前記第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する。前記重み付け部は、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた前記重み係数を前記記憶部から読み出して、前記第1測定結果に対して前記重み付けを行う。前記判定部は、前記重み付け部により前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する。前記提示部は、前記判定部の判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示する。
【0007】
本開示の一態様に係る判定システムは、選択部と、入力部と、通信部と、判定部と、提示部と、を備える。前記選択部は、身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する。前記入力部は、前記選択部により選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける。前記通信部は、外部システムに前記第1測定結果を送信する。前記外部システムは、記憶部、及び重み付け部を有する。前記記憶部は、前記入力部により入力された前記第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する。前記重み付け部は、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた前記重み係数を前記記憶部から読み出して、前記第1測定結果に対して前記重み付けを行う。前記判定部は、第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する。前記第2測定結果は、前記重み付け部により前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果であって前記通信部が前記外部システムから受信する。前記提示部は、前記判定部の判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示する。
【0008】
本開示の一態様に係る判定方法は、コンピュータシステムにより実行される判定方法である。前記判定方法は、選択ステップと、重み付けステップと、判定ステップと、提示ステップと、を含む。前記選択ステップは、身体的特徴を表す項目群と身体能力を表す項目群とを含む複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択するステップである。前記重み付けステップは、前記選択ステップにて選択された前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果に対して、前記少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み付けを行うステップである。前記判定ステップは、前記重み付けステップにて前記重み付けが行われた後の前記少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果を前記第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる基準値と比較し、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定するステップである。前記提示ステップは、前記判定ステップの判定結果に応じて使用可能な前記高齢者用移動商品を提示するステップである。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記判定方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1に係る判定システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、老化と予備能力との関係を示す図である。
図3図3は、同上の判定システムの動作例1を示すフローチャートである。
図4図4は、同上の判定システムの動作例2を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態2に係る判定システムの構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態1,2に係る判定システムを用いた発注システムの概略構成図である。
図7図7は、同上の判定システムを用いた発注システムの別の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態1,2に係る判定システム1,1A、及び実施形態3に係る発注システム10について、図面を参照して説明する。
【0013】
(実施形態1)
(1)判定システムの全体構成
実施形態1に係る判定システム1の全体構成について、図1を参照して説明する。
【0014】
実施形態1に係る判定システム1は、例えば、対象者について高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定するためのシステムである。本開示でいう「対象者」とは、判定システム1の判定対象をいい、例えば、高齢者である。本開示でいう「高齢者」とは、社会の中で他の成員に比して年齢が高い一群の成員のことをいい、例えば、65歳以上の成員をいう。なお、対象者は高齢者に限らず、例えば、若年層であってもよい。また、本開示でいう「高齢者用移動商品」とは、高齢者の移動を支援するための商品をいい、例えば、電動二輪自転車、電動三輪自転車、シルバーカー(歩行車)、歩行器、シニアカー(電動シニアカート)、杖等である。なお、これらの高齢者用移動商品は一例であり、これらの高齢者用移動商品以外のものが含まれていてもよいことは言うまでもない。
【0015】
実施形態1に係る判定システム1は、例えば、介護用品を取り扱う介護事業者400(図6参照)、自転車を販売する販売店200(図6参照)、自転車を取り扱うフィットネスクラブ、ヘルスケア事業店、ショッピングセンター、ホームセンター、及び家電量販店等で用いられる。実施形態1では、判定システム1は、例えば、販売店200で用いられる。
【0016】
実施形態1に係る判定システム1は、図1に示すように、制御部11と、入力部12と、記憶部13と、提示部14と、を備える。また、制御部11は、図1に示すように、選択部111と、重み付け部112と、判定部113と、を有する。実施形態1では、判定システム1は、例えば、可搬可能な大きさに形成されたタブレットである。
【0017】
(2)判定システムの各構成要素
以下、実施形態1に係る判定システム1の各構成要素について、図1を参照して説明する。
【0018】
(2.1)制御部
制御部11は、図1に示すように、選択部111と、重み付け部112と、判定部113と、を有する。制御部11は、提示部14を制御するように構成されている。つまり、制御部11は、提示部14を制御することにより、後述の判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の少なくとも一方を提示部14に提示させる。
【0019】
制御部11は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。そして、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部11(選択部111、重み付け部112、及び判定部113を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0020】
(2.1.1)選択部
選択部111は、身体に関する複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択するように構成されている。複数の測定項目は、第1測定項目群と、第2測定項目群と、を有する。第1測定項目群は、例えば、被験者(対象者)の身長、体重、下腿長を含む。つまり、第1測定項目群は、被験者の身体的特徴を表す項目群である。身長については、例えば、身長計により測定し、体重については、例えば、体重計により測定する。下腿長については、例えば、JIS Z 8500に示す脛骨上縁高-内果端高の計算式により算出する。なお、第1測定項目群は、被験者の身長、体重、下腿長を含んでいればよく、これら以外の項目を更に含んでいてもよい。第2測定項目群は、例えば、歩行テストにおける第1測定時間、ステッピングテストにおけるステッピング回数、ファンクショナルリーチテストにおけるリーチ距離、タイムアップアンドゴーテストにおける第2測定時間、及び片足立ちテストにおける第3測定時間を含む。また、第2測定項目群は、例えば、脚筋力、握力、筋肉量、及び筋肉の反応時間を更に含む。つまり、第2測定項目群は、被験者の身体能力を表す項目群である。なお、第2測定項目群の各項目は一例であり、これらの項目以外の項目が第2測定項目群に含まれていてもよい。第2測定項目群の各項目については、「(3)第2測定項目群の詳細」の欄で詳しく説明する。
【0021】
また、複数の測定項目には、問診結果が含まれていてもよい。本開示でいう「問診」とは、診断の基礎とするために、医師が患者に既往症(家族を含む)、現病歴、現在の状態等を聞くことをいう。また、問診結果には、身体能力を想定できるような項目が含まれているのがよく、例えば、休まずに歩くことができる歩行距離等が含まれているのがよい。これにより、問診結果が測定項目に含まれていない場合に比べて、判定部113の判定精度を向上させることができる。
【0022】
なお、選択部111が選択する測定項目が多くなるほど、判定部113の判定精度を向上させることができる。
【0023】
(2.1.2)重み付け部
重み付け部112は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果に対して重み付けを行うように構成されている。第1測定結果は、第1測定項目群の測定結果と、第2測定項目群の少なくとも2つの測定項目の測定結果と、を含む。重み付け部112は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み付けを行うように構成されている。具体的には、重み付け部112は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部13から読み出す。そして、重み付け部112は、記憶部13から読み出した重み係数を用いて、第1測定結果に対して重み付けを行う。重み係数は、例えば、複数の測定項目の中から選択した測定項目の組み合わせによって異なる。例えば、選択する測定項目の種類によって各測定項目に対する重み係数は異なり、選択する測定項目の個数によって各測定項目に対する重み係数は異なる。したがって、同じ測定項目が含まれていても、測定項目の個数が異なっていれば、同じ測定項目に対する重み係数は異なる。重み付け部112は、第1測定結果に対して重み付けを行った後の測定結果である第2測定結果を判定部113に出力する。
【0024】
(2.1.3)判定部
判定部113は、重み付け部112から受け取った第2測定結果に基づいて、対象者(被験者)について高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定するように構成されている。判定部113は、例えば、第2測定結果に含まれる各測定項目の測定結果を点数化し、この合計点と基準値とを比較する。そして、判定部113は、合計点が基準値以上である場合に、高齢者用移動商品の使用が可能であると判定する。また、判定部113は、合計点が基準値よりも低い場合に、高齢者用移動商品の使用ができないと判定する。上述の基準値は、第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせによって異なる値である。なお、上述の判定方法は一例であり、判定部113はこれ以外の方法で判定してもよい。
【0025】
(2.2)入力部
入力部12は、ユーザ(例えば被験者、検査者等)の入力を受け付けるように構成された入力インターフェースである。入力部12は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付けるように構成されている。つまり、ユーザは、入力部12によって第1測定結果を判定システム1(タブレット)に入力することができる。
【0026】
(2.3)記憶部
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部13は、重み付け部112の重み付けにおいて用いられる重み係数を記憶する。より詳細には、記憶部13は、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて重み係数を記憶する。言い換えると、記憶部13は、入力部12により入力された第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する。また、記憶部13は、判定部113が判定処理を行う際に用いる基準値を記憶する。より詳細には、記憶部13は、第2測定結果に含まれる測定項目の組み合わせに紐付けて基準値を記憶する。さらに、記憶部13は、重み付け部112により重み付けが行われた後の、前回の第2測定結果を第3測定結果として記憶する。つまり、記憶部13に記憶される第3測定結果は、入力部12により前回入力された第1測定結果に対して重み付けが行われた後の第2測定結果である。
【0027】
(2.4)提示部
提示部14は、判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の少なくとも一方を提示する。本実施形態では、提示部14は、判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の両方を提示する。提示部14は、例えば、タブレットに設けられた表示部である。つまり、提示部14は、判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の両方を表示する。なお、提示部14は、表示部に限らず、例えば、タブレットに設けられたスピーカを含み、判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の両方をスピーカから音声にて出力してもよい。
【0028】
(3)第2測定項目群の詳細
以下、第2測定項目群の詳細について説明する。
【0029】
歩行テストは、例えば、10m歩行テストである。10m歩行テストでは、前後に設けられた助走路(各2m)を含めた約14m(直線歩行路)を歩行し、定常歩行とみなせる10mの所要時間をストップウォッチにて測定する。つまり、10m歩行テストでは、定常歩行とみなせる10mの所要時間が第1測定時間である。なお、歩行テストにおける歩行距離は10mに限らず、例えば、5mであってもよいし、20mであってもよい。
【0030】
ステッピングテストは、例えば、被験者が椅子に座った状態で両足を同時に開閉するテストであり、20秒間で両足を同時に開閉する回数をステッピング回数として測定する。具体的には、被験者は、ステッピングテストにおいて、椅子の中央を中心に引かれた30cm幅のラインの内側、外側にすばやく両足を移動させる。なお、測定時間は20秒に限らず、例えば、10秒であってもよい。
【0031】
ファンクショナルリーチテストは、最大限に腕を伸ばしたときのリーチ距離を測定するテストである。ファンクショナルリーチテストでは、利き手側の上肢を軽く握り、ちょうど90度となるように肩関節の高さまで上げる。この状態から膝を伸ばしたままで前方に伸びて、最大限に腕を伸ばすことができた距離を測定する。つまり、この距離がリーチ距離である。
【0032】
タイムアップアンドゴーテストでは、椅子から立ち上がり、3m先の目印を折り返して、再び椅子に座るまでの時間を測定する。つまり、この時間が第2測定時間である。
【0033】
片足立ちテストは、開眼片足立ちテストと、閉眼片足立ちテストと、を含む。開眼片足立ちテストでは、両目を開けた状態での片足立ちの持続時間を測定する。つまり、この持続時間が第3測定時間である。第3測定時間は、最大で120秒である。閉眼片足立ちテストでは、両目を閉じた状態での片足立ちの持続時間を測定する。閉眼片足立ちテストでは、第3測定時間は、最大で180秒である。
【0034】
脚筋力とは、下肢の筋力のことであり、例えば、脚筋力計、徒手筋力計等を用いて測定可能である。握力とは、主に物を握るときの手の力のことであり、例えば、握力計を用いて測定可能である。筋肉量は、例えば、体組成計を用いて測定可能である。筋肉の反応時間は、例えば、筋電図を用いて測定可能である。
【0035】
(4)予備能力
次に、予備能力(予備力)について、図2を参照して説明する。図2における横軸は老化の度合いを示しており、右側に行くほど老化が進行していることになる。また、図2における縦軸は予備能力を示している。本開示でいう「予備能力」とは、ある機能について最大能力と平常の生命活動を営むのに必要な能力との差をいう。そのため、予備能力が低下することにより、平常以上の活動を必要とする事態が生じた場合に対応できなくなる。例えば、肺活量が低下した場合には、普通に歩くときは問題ないが、走ったり階段を上がったりすると息が切れてしまう。
【0036】
ここで、図2における「G1」は健常者のグループ(以下、「第1グループG1」ともいう)であり、「G2」はプレフレイルに該当する人のグループ(以下、「第2グループG2」ともいう)である。また、図2における「G3」はフレイルに該当する人のグループ(以下、「第3グループG3」ともいう)であり、「G4」は介護認定を受けた人(要介護者)のグループ(以下、「第4グループG4」ともいう)である。本開示でいう「フレイル」とは、加齢のために身体機能を支える恒常性維持機能が低下することにより、ストレスに抗う力が低下して健康障害に対する脆弱性が高まった状態をいい、健常者と要介護者との間の状態をいう。また、本開示でいう「プレフレイル」とは、フレイルの前段階にある状態をいう。このようなフレイル及びプレフレイルの判定基準は、国によって異なる。
【0037】
予備能力は、図2に示すように、老化が進行するほど低下することになるが、例えば、運動又はリハビリ等によって回復可能である。予備能力の回復度合いは、図2における矢印の長さにて示すように、第1グループG1に近づくほど大きくなる。つまり、老化の速い段階で運動又はリハビリ等を行うことにより、予備能力の回復度合いも大きくなる。
【0038】
ここで、日本では、例えば、男性の場合には、握力が26kg未満で、かつ通常歩行速度が1.0m/秒以下であれば、プレフレイルと判定される。また、女性の場合には、握力が18kg未満で、かつ通常歩行速度が1.0m/秒以下であれば、プレフレイルと判定される。
【0039】
(5)判定システムの動作
(5.1)動作例1
次に、実施形態1に係る判定システム1の動作例1について、図3を参照して説明する。動作例1では、対象者が、例えば、高齢者用移動商品としての電動三輪自転車を使用している場合を例示する。そして、動作例1では、現在使用している電動三輪自転車の使用が今後も可能か否かを判定する場合を例示する。
【0040】
判定システム1の選択部111は、例えば、高齢者用移動商品の種類、及び判定システム1が適用される店舗の大きさ等に基づいて、複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を自動的に選択する(ステップST1)。
【0041】
制御部11は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果が入力されたか否かを判定する(ステップST2)。制御部11は、第1測定結果が入力されていない場合(ステップST2:No)には、第1測定結果が入力されるまで待機する。制御部11は、第1測定結果が入力された場合(ステップST2:Yes)には、重み付け部112に重み付けを行わせる(ステップST3)。このとき、重み付け部112は、測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部13から読み出し、読み出した重み係数を用いて第1測定結果に対する重み付けを行う。その後、重み付け部112は、第1測定結果に対して重み付けを行った後の測定結果である第2測定結果を判定部113に出力する。
【0042】
判定部113は、重み付け部112から受け取った第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品(ここでは電動三輪自転車)の使用が可能か否かを判定する(ステップST4)。具体的には、判定部113は、例えば、第2測定結果に含まれる各測定項目の測定結果を点数化し、この合計点と基準値とを比較する。判定部113は、合計点が基準値以上の場合(ステップST5:Yes)には、高齢者用移動商品としての電動三輪自転車の使用が可能であると判定する。提示部14は、判定部113の判定結果、及び電動三輪自転車の使用が可能であることを提示する(ステップST6)。
【0043】
一方、判定部113は、合計点が基準値よりも低い場合(ステップST5:No)には、電動三輪自転車の使用ができないと判定する。この場合、判定部113は、電動三輪自転車よりも低い予備能力でも使用することができるシルバーカー(歩行車)を対象者に勧める。つまり、提示部14は、判定部113の判定結果、及び高齢者用移動商品としてのシルバーカーを提示する(ステップST7)。このように、動作例1に係る判定システム1では、現在使用している高齢者用移動商品の使用ができないと判定部113が判定した場合に、現在使用している高齢者用移動商品よりも低い予備能力で使用することができる高齢者用移動商品を対象者(被験者)に勧めることになる。
【0044】
動作例1に係る判定システム1は、上述のように、第2測定結果と基準値との比較結果に応じて高齢者用移動商品を選択可能に構成されている。そのため、対象者の予備能力に応じた高齢者用移動商品を対象者に勧めることができる。つまり、動作例1に係る判定システム1によれば、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。
【0045】
(5.2)動作例2
次に、実施形態1に係る判定システム1の動作例2について、図4を参照して説明する。動作例2では、動作例1と同様、対象者が高齢者用移動商品としての電動三輪自転車を使用している場合を例示する。そして、動作例2では、前回の第2測定結果である第3測定結果と今回の第2測定結果との比較結果に応じた高齢者用移動商品を勧める場合を例示する。
【0046】
判定システム1の選択部111は、例えば、高齢者用移動商品の種類、及び判定システム1が適用される店舗の大きさ等に基づいて、複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を自動的に選択する(ステップST11)。
【0047】
制御部11は、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果が入力されたか否かを判定する(ステップST12)。制御部11は、第1測定結果が入力されていない場合(ステップST12:No)には、第1測定結果が入力されるまで待機する。制御部11は、第1測定結果が入力された場合(ステップST12:Yes)には、重み付け部112に重み付けを行わせる(ステップST13)。このとき、重み付け部112は、測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部13から読み出し、読み出した重み係数を用いて第1測定結果に対する重み付けを行う。その後、重み付け部112は、第1測定結果に対して重み付けを行った後の測定結果である第2測定結果を判定部113に出力する。
【0048】
判定部113は、前回の第2測定結果である第3測定結果を記憶部13から読み出し(ステップST14)、重み付け部112から受け取った今回の第2測定結果と第3測定結果とを比較する(ステップST15)。具体的には、判定部113は、今回の第2判定結果及び第3判定結果についてそれぞれ点数化し、両者を比較する。判定部113は、今回の第2測定結果の合計点が第3測定結果の合計点よりも低い場合(ステップST16:Yes)には、対象者の予備能力が悪化(低下)していると判定する。そして、判定部113は、高齢者用移動商品としての電動三輪自転車よりも予備能力が低くても使用可能なシルバーカー(歩行車)を対象者に勧める。提示部14は、判定部113の判定結果を提示すると共に、高齢者用移動商品としてシルバーカーを提示する(ステップST20)。つまり、判定部113は、第3測定結果に対して悪化する方向に第2測定結果が変化している場合に、提示部14に提示させる高齢者用移動商品を、相対的に低い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する。
【0049】
判定部113は、今回の第2測定結果の合計点が第3測定結果の合計点よりも高い場合(ステップST16:No、ステップST17:Yes)には、対象者の予備能力が良化(増加)していると判定する。そして、判定部113は、高齢者用移動商品としての電動三輪自転車よりも予備能力が高くないと使用できない電動二輪自転車を対象者に勧める。提示部14は、判定部113の判定結果を提示すると共に、高齢者用移動商品として電動二輪自転車を提示する(ステップST19)。つまり、判定部113は、第3測定結果に対して良化する方向に第2測定結果が変化している場合に、提示部14に提示させる高齢者用移動商品を、相対的に高い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する。
【0050】
判定部113は、今回の第2測定結果の合計数と第3測定結果(前回の第2測定結果)の合計数とが同じである場合(ステップST16:No、ステップST17:No)には、高齢者用移動商品としての電動三輪自転車が適正であると判定する。提示部14は、判定部113の判定結果を提示すると共に、高齢者用移動商品として電動三輪自転車を提示する(ステップST18)。本開示でいう「今回の第2測定結果の合計数と第3測定結果の合計数とが同じである」とは、両者が完全に一致する場合だけでなく、両者の差分が所定範囲内に入っている場合も含む。
【0051】
つまり、動作例2に係る判定システム1では、判定部113は、第3測定結果に対して第2測定結果が変化している場合に、変化量に応じて提示部14に提示させる高齢者用移動商品を変更する。
【0052】
動作例2に係る判定システム1は、上述のように、今回の第2測定結果と前回の第2測定結果(第3測定結果)とを比較し、この比較結果に応じた高齢者用移動商品を対象者に勧めるように構成されている。そのため、対象者の予備能力に応じた高齢者用移動商品を対象者に勧めることができる。つまり、動作例2に係る判定システム1Aによれば、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。また、高齢者用移動商品として、電動二輪自転車、電動三輪自転車、シルバーカー、歩行器、シニアカー、杖等を用意することで、対象者の予備能力に応じた高齢者用移動商品をシームレスに提供することができる。
【0053】
ところで、対象者の予備能力から判断して電動二輪自転車を勧める場合には、対象者が電動二輪自転車に乗れる身体能力(予備能力)を有していても、電動二輪自転車の乗車には身体能力だけでなく、電動二輪自転車への慣れ(例えばバランス感覚等)が必要である。したがって、対象者が電動二輪自転車に乗れる身体能力を有しているだけでは不十分であり、電動二輪自転車に慣れてもらう必要がある。そのため、現在電動三輪自転車を使用している対象者に電動二輪自転車を勧める場合には、電動二輪自転車のレンタルを勧めることが好ましい。この場合、レンタル期間が経過した後も対象者が電動二輪自転車に乗りたいと思っていれば、レンタルした電動二輪自転車又は別の電動二輪自転車を購入してもらえばよい。
【0054】
ここで、対象者がプレフレイル又はフレイルであるか否かを判定する場合には、第2測定項目群のうち、歩行テストにおける第1測定時間、開眼片足立ちテストにおける第3測定時間、及び握力等が有効である。しかしながら、電動二輪自転車の使用が可能か否かを判定する場合には、これらの測定項目以外に、例えば、ステッピング回数、ファンクショナルリーチテストにおけるリーチ距離、タイムアップアンドゴーテストにおける第2測定時間、脚筋力、筋肉量、反応時間等が有効である。そのため、高齢者用移動商品として電動二輪自転車の使用が可能か否かを判定する場合には、これらの測定項目を選択することが好ましい。
【0055】
ところで、高齢者の場合、数ヶ月又は数年のうちに健康状態が虚弱方向、つまりフレイルに向かう方向に変化するため、対象者が高齢者の場合には、判定システム1による判定動作を定期的に行うことが好ましい。これにより、高齢者の健康状態の変化に応じて高齢者用移動商品をシームレスに提供することができる。
【0056】
(5)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、判定システム1と同様の機能は、判定方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0057】
一態様に係る判定方法は、選択ステップ(ステップST1,ST11)と、重み付けステップ(ステップST3,ST13)と、判定ステップ(ステップST4,ST15)と、を含む。選択ステップは、身体に関する複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択するステップである。重み付けステップは、選択ステップにて選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果に対して、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み付けを行うステップである。判定ステップは、重み付けステップにて重み付けが行われた後の少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定するステップである。一態様に係るプログラムは、上述の判定方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0058】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0059】
本開示における判定システム1は、例えば、制御部11に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における判定システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0060】
また、判定システム1の複数の構成要素が、1つの筐体内に集約されていることは判定システム1に必須の構成ではなく、判定システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、判定システム1の少なくとも一部の機能(例えば、制御部11)がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0061】
実施形態1では、店舗に設けられたタブレット(判定システム1)に第1測定結果を入力しているが、例えば、対象者が所有するスマートフォン等に第1測定結果を入力し、第1測定結果をスマートフォンからタブレットに送信してもよい。
【0062】
実施形態1では、提示部14は、判定部113の判定結果、及びこの判定結果に応じた高齢者用移動商品の両方を提示しているが、提示部14は、例えば、判定部113の判定結果のみを提示してもよいし、判定結果に応じた高齢者用移動商品のみを提示してもよい。
【0063】
実施形態1では、選択部111は、高齢者用移動商品の種類、及び判定システム1が適用される店舗の大きさ等に基づいて測定項目を自動的に選択しているが、選択部111は、例えば、ユーザが入力した測定項目を選択してもよい。言い換えると、測定項目は、ユーザによって選択されてもよい。具体的には、選択部111は、入力部12を介してユーザが入力した測定項目を選択する。これにより、ユーザに応じた測定項目を選択することができる。
【0064】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る判定システム1Aについて、図5を参照して説明する。実施形態2に係る判定システム1Aでは、外部システム2に設けられた重み付け部211によって重み付けを行う点で実施形態1に係る判定システム1と異なっている。以下、図5を参照して具体的に説明する。
【0065】
(1)判定システム及び外部システムの構成
実施形態2に係る判定システム1Aは、図5に示すように、外部システム2と通信可能に構成されている。
【0066】
判定システム1Aは、制御部11Aと、入力部12と、記憶部13と、提示部14と、通信部15と、を備える。また、制御部11Aは、選択部111と、判定部113と、を有する。制御部11Aは、通信部15を制御するように構成されている。つまり、制御部11Aは、通信部15を制御することによって外部システム2との間で通信可能である。なお、入力部12、記憶部13、提示部14、選択部111、及び判定部113については実施形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0067】
通信部15は、外部システム2と通信するための通信インターフェースである。通信部15は、外部システム2との間で無線通信を行うように構成されている。通信部15は、外部システム2との間で、例えば、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行う。通信部15は、外部システム2に対して第1測定結果を送信し、外部システム2から第2測定結果を受信する。
【0068】
外部システム2は、例えば、店舗に設けられたサーバである。外部システム2は、図5に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備える。制御部21は、重み付け部211を有する。制御部21は、通信部23を制御するように構成されている。つまり、制御部21は、通信部23を制御することによって判定システム1Aと通信可能である。
【0069】
制御部21は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。そして、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部21(重み付け部211を含む)の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0070】
重み付け部211は、通信部23を介して判定システム1Aから受信した第1測定結果に対して重み付けを行う。具体的には、重み付け部211は、第1測定結果に含まれる測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部22から読み出し、読み出した重み係数を用いて第1測定結果に対して重み付けを行う。制御部21は、重み付け部211にて重み付けされた後の測定結果である第2測定結果を、通信部23を介して判定システム1Aに送信する。
【0071】
記憶部22は、例えば、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部22は、重み付け部211の重み付けにおいて用いられる重み係数を記憶する。より詳細には、記憶部22は、第1測定結果に含まれる測定項目の組み合わせに紐付けて重み係数を記憶する。
【0072】
通信部23は、判定システム1Aと通信するための通信インターフェースである。通信部23は、判定システム1Aとの間で無線通信を行うように構成されている。通信部23は、判定システム1Aとの間で、例えば、WiFi、ZigBee、又はBluetoothに準拠した無線通信を行う。通信部23は、判定システム1Aから第1測定結果を受信し、判定システム1Aに第2測定結果を送信する。
【0073】
(2)判定システムの動作
次に、判定システム1Aの基本動作について説明する。
【0074】
判定システム1Aの選択部111は、例えば、高齢者用移動商品の種類、及び判定システム1Aが適用される店舗の大きさ等に基づいて、複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を自動的に選択する。
【0075】
制御部11Aは、選択部111により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果が入力されたか否かを判定する。制御部11Aは、第1測定結果が入力されていない場合には、第1測定結果が入力されるまで待機する。制御部11Aは、第1測定結果が入力された場合には、第1測定結果を、通信部15を介して外部システム2に送信する。
【0076】
外部システム2では、制御部21の重み付け部211は、通信部23を介して受信した第1測定結果に対して重み付けを行う。このとき、重み付け部211は、第1測定結果に含まれる測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部22から読み出し、読み出した重み係数を用いて第1測定結果に対する重み付けを行う。制御部21は、重み付け部211にて重み付けが行われた後の第2測定結果を、通信部23を介して判定システム1Aに送信する。
【0077】
判定システム1Aでは、判定部113は、通信部15を介して受信した第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する。具体的には、判定部113は、例えば、第2測定結果に含まれる各測定項目の測定結果を点数化し、この合計点と基準値とを比較する。判定部113は、合計点が基準値以上の場合には、高齢者用移動商品の使用が可能であると判定する。また、判定部113は、合計点が基準値よりも低い場合には、高齢者用移動商品の使用ができないと判定する。
【0078】
実施形態2に係る判定システム1Aによれば、実施形態1に係る判定システム1Aと同様に、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定することができるので、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。また、実施形態2に係る判定システム1Aでは、第1測定結果に対する重み付けを外部システム2で行っており、重み付けにおける重み係数を外部システム2の記憶部22に記憶させている。そのため、判定システム1Aの記憶部13の容量を小さくすることができる。
【0079】
実施形態2では、重み付けにおける重み係数を外部システム2の記憶部22に記憶させているが、判定システム1Aの記憶部13に重み係数を記憶させてもよい。この場合、判定システム1Aは、外部システム2に対して、第1測定結果と第1測定結果に紐付けられた重み係数とを送信すればよい。
【0080】
ところで、実施形態2に係る判定システム1Aにおいても、判定部113は、前回の第2測定結果である第3測定結果と今回の第2測定結果とを比較し、比較結果に応じた高齢者用移動商品を提示部14に提示させてもよい。これにより、対象者の予備能力に応じて高齢者用移動商品をシームレスに提供することができる。
【0081】
実施形態2では、通信部15と通信部23とが無線通信を行っているが、通信部15と通信部23とは、例えば、ネットワークを介して通信を行ってもよい。
【0082】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る発注システム10について、図6及び図7を参照して説明する。以下では、高齢者用移動商品として電動二輪自転車を販売又はレンタルする場合を例示する。
【0083】
(1)発注システムの構成
実施形態3に係る発注システム10は、図6及び図7に示すように、製造者100に設けられた情報端末101と、販売店200に設けられた情報端末201と、消費者300に設けられた情報端末301と、を備える。また、発注システム10は、介護事業者400に設けられた情報端末401と、洗浄センター500に設けられた情報端末501と、を備える。製造者100は、例えば、電動二輪自転車の製造メーカである。販売店200は、例えば、電動二輪自転車を含む自転車の販売店である。消費者300は、例えば、電動二輪自転車を購入する高齢者である。
【0084】
情報端末101,401,501の各々は、例えば、パーソナルコンピュータである。情報端末101,401,501の各々は、例えば、製造者100、介護事業者400、及び洗浄センター500の各々のサーバである。情報端末201は、例えば、タブレットである。情報端末201は、実施形態1,2で説明した判定システム1,1Aとして機能する。つまり、情報端末201は、消費者300について高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する機能を有する。情報端末301は、例えば、消費者300が所有するスマートフォンである。なお、消費者600は、消費者300とは別の消費者であり、情報端末601は、消費者600が所有するスマートフォンである。
【0085】
(2)発注システムの動作
次に、実施形態3に係る発注システム10の動作について、図6及び図7を参照して説明する。
【0086】
(2.1)動作例1
まず、消費者300が高齢者用移動商品としての電動二輪自転車を購入する場合における発注システム10の動作(動作例1)について、図6を参照して説明する。
【0087】
販売店200は、情報端末201を介して、電動二輪自転車の発注情報を含む第1データを情報端末101に送信することにより、製造者100に対して電動二輪自転車を発注する(矢印A1参照)。製造者100は、販売店200からの発注に対して電動自動車を製造し、販売店200に納品する(矢印A2参照)。このとき、製造者100は、情報端末101を介して、電動二輪自転車の納品情報を含む第2データを情報端末201に送信する。
【0088】
消費者300は、情報端末301を介して、電動二輪自転車の注文情報を含む第3データを情報端末201に送信することにより、販売店200に対して電動二輪自転車を注文する(矢印A3参照)。ここで、販売店200は、消費者300への販売に際して、電動二輪自転車の使用が可能か否かを判定することが好ましい。この場合において、消費者300は、販売店200に来店して、店舗に設けられたタブレット(情報端末201)に第1測定結果を入力してもよい。また、消費者300は、販売店200に来店せずに、スマートフォン(情報端末301)に第1測定結果を入力し、スマートフォンからタブレットに第1測定結果を送信してもよい。販売店200は、情報端末201(判定部113)の判定結果から電動二輪自転車の使用が可能である場合に、消費者300に対して電動二輪自転車を販売する。具体的には、販売店200は、消費者300からの注文に対して電動自動車を納品する(矢印A4参照)。このとき、販売店200は、情報端末201を介して、電動二輪自転車の納品情報を含む第4データを情報端末301に送信する。
【0089】
ここで、販売店200は、電動自動車を購入した消費者300に対して、電動自動車(高齢者用移動商品)の使用が可能か否かを定期的に判定(チェック)する定期チェックサービスを行うことが好ましい。この場合において、消費者300は、定期チェックにて電動二輪自転車の使用ができないと判定された場合には、販売店200に電動自動車を買い取ってもらう(矢印A5参照)。このとき、消費者300は、情報端末301を介して、電動二輪自転車の買い取りを依頼する依頼情報を含む第5データを情報端末201に送信する。販売店200は、電動二輪自転車の買い取りに対する対価を消費者300に支払う(矢印A6参照)。このとき、販売店200は、情報端末201を介して、対価についての領収情報を含む第6データを情報端末301に送信する。
【0090】
販売店200は、情報端末201を介して、買い取った電動二輪自転車の洗浄を依頼する依頼情報を含む第7データを情報端末401に送信することにより、電動二輪自転車の洗浄を依頼する(矢印A7参照)。介護事業者400は、販売店200からの依頼に基づいて、電動二輪自転車の洗浄を洗浄センターに依頼する(矢印A8参照)。このとき、介護事業者400は、情報端末401を介して、電動二輪自転車の洗浄を依頼する依頼情報を含む第8データを情報端末501に送信する。洗浄センター500は、電動二輪自転車の洗浄を行い、洗浄後の電動二輪自転車を介護事業者400に納品する(矢印A9参照)。このとき、洗浄センター500は、情報端末501を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第9データを情報端末401に送信する。
【0091】
介護事業者400は、洗浄後の電動二輪自転車を販売店200に納品する(矢印A10参照)。このとき、介護事業者400は、情報端末401を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第10データを情報端末201に送信する。
【0092】
消費者300とは別の消費者600は、情報端末601を介して、電動二輪自転車のレンタルを申し込む申込情報を含む第11データを情報端末201に送信することにより、電動二輪自転車のレンタルを申し込む(矢印A11参照)。販売店200は、消費者600からの電動二輪自転車のレンタルの申し込みに対して、洗浄後の電動二輪自転車を納品する(矢印A12参照)。このとき、販売店200は、情報端末201を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第12データを情報端末601に送信する。
【0093】
上述のような発注システム10によれば、消費者300から買い取った中古の電動二輪自転車を洗浄することにより、消費者600へのレンタル用の電動二輪自転車として再利用することができる。
【0094】
動作例1では、販売店200の情報端末201が判定システム1,1Aとして機能しているが、例えば、介護事業者400の情報端末401が判定システム1,1Aとして機能してもよい。つまり、販売店200の代わりに、介護事業者400が電動二輪自転車の発注、販売、定期チェック等を行ってもよい。また、動作例1では、介護事業者400と洗浄センター500とが別々であるが、洗浄センター500は介護事業者400に含まれていてもよい。
【0095】
(2.2)動作例2
次に、消費者300が高齢者用移動商品としての電動二輪自転車をレンタルする場合における発注システム10の動作(動作例2)について、図7を参照して説明する。
【0096】
介護事業者400は、情報端末401を介して、電動二輪自転車の発注情報を含む第1データを情報端末101に送信することにより、製造者100に対してレンタル用の電動二輪自転車を発注する(矢印B1参照)。製造者100は、介護事業者400からの発注に対して電動二輪自転車を製造し、介護事業者400に納品する(矢印B2参照)。このとき、製造者100は、情報端末101を介して、電動二輪自転車の納品情報を含む第2データを情報端末401に送信する。
【0097】
消費者300は、情報端末301を介して、電動二輪自転車のレンタルを申し込む申込情報を含む第3データを情報端末201に送信することにより、販売店200に対して電動二輪自転車のレンタルを申し込む(矢印B3参照)。ここで、販売店200は、消費者300へのレンタルに際して、電動二輪自転車の使用が可能か否かを判定することが好ましい。この場合において、消費者300は、販売店200に来店して、店舗に設けられたタブレット(情報端末201)に第1測定結果を入力してもよい。また、消費者300は、販売店200に来店せずに、スマートフォン(情報端末301)に第1測定結果を入力し、スマートフォンからタブレットに第1測定結果を送信してもよい。販売店200は、情報端末201(判定部113)の判定結果から電動二輪自転車の使用が可能である場合に、消費者300に対して電動二輪自転車をレンタルする。
【0098】
販売店200は、情報端末201を介して、レンタル用の電動二輪自転車の発注情報を含む第4データを情報端末401に送信することにより、介護事業者400に対してレンタル用の電動二輪自転車を発注する(矢印B4参照)。介護事業者400は、販売店200からの発注に対してレンタル用の電動二輪自転車を納品する(矢印B5参照)。このとき、介護事業者400は、情報端末401を介して、レンタル用の電動二輪自転車の納品情報を含む第5データを情報端末201に送信する。
【0099】
販売店200は、消費者300に対してレンタル用の電動二輪自転車を納品する(矢印B6参照)。このとき、販売店200は、情報端末201を介して、レンタル用の電動二輪自転車の納品情報を含む第6データを情報端末301に送信する。
【0100】
ここで、販売店200は、電動自動車をレンタルした消費者300に対して、電動自動車(高齢者用移動商品)の使用が可能か否かを定期的に判定(チェック)する定期チェックサービスを行うことが好ましい。この場合において、消費者300は、定期チェックにて電動二輪自転車の使用ができないと判定された場合には、電動二輪自転車のレンタルを中止し、販売店200に電動二輪自転車の引き取りを依頼する(矢印B7参照)。このとき、消費者300は、情報端末301を介して、電動二輪自転車の引き取りを依頼する依頼情報を含む第7データを情報端末201に送信する。
【0101】
販売店200は、情報端末201を介して、引き取った電動二輪自転車の洗浄を依頼する依頼情報を含む第8データを情報端末401に送信することにより、電動二輪自転車の洗浄を依頼する(矢印B8参照)。介護事業者400は、販売店200からの依頼に基づいて、電動二輪自転車の洗浄を洗浄センターに依頼する(矢印B9参照)。このとき、介護事業者400は、情報端末401を介して、電動二輪自転車の洗浄を依頼する依頼情報を含む第9データを情報端末501に送信する。洗浄センター500は、電動二輪自転車の洗浄を行い、洗浄後の電動二輪自転車を介護事業者400に納品する(矢印B10参照)。このとき、洗浄センター500は、情報端末501を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第10データを情報端末401に送信する。
【0102】
介護事業者400は、洗浄後の電動二輪自転車を販売店200に納品する(矢印B11参照)。このとき、介護事業者400は、情報端末401を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第11データを情報端末201に送信する。
【0103】
消費者300とは別の消費者600は、情報端末601を介して、電動二輪自転車のレンタルを申し込む申込情報を含む第12データを情報端末201に送信することにより、電動二輪自転車のレンタルを申し込む(矢印B12参照)。販売店200は、消費者600からの電動二輪自転車のレンタルの申し込みに対して、洗浄後の電動二輪自転車を納品する(矢印B13参照)。このとき、販売店200は、情報端末201を介して、洗浄後の電動二輪自転車の納品情報を含む第12データを情報端末601に送信する。
【0104】
上述のような発注システム10によれば、消費者300がレンタルで使用した中古の電動二輪自転車を洗浄することにより、消費者600へのレンタル用の電動二輪自転車として再利用することができる。
【0105】
この場合においても、介護事業者400の情報端末401が判定システム1,1Aとして機能してもよい。つまり、販売店200の代わりに、介護事業者400が電動二輪自転車のレンタル、定期チェック等を行ってもよい。また、この場合においても、洗浄センター500は介護事業者400に含まれていてもよい。
【0106】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る判定システム(1)は、選択部(111)と、入力部(12)と、記憶部(13)と、重み付け部(112)と、判定部(113)と、を備える。選択部(111)は、身体に関する複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する。入力部(12)は、選択部(111)により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける。記憶部(13)は、入力部(12)により入力された第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する。重み付け部(112)は、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部(13)から読み出して、第1測定結果に対して重み付けを行う。判定部(113)は、重み付け部(112)により重み付けが行われた後の少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する。
【0107】
この態様によれば、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定することができるので、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。
【0108】
第2の態様に係る判定システム(1A)は、選択部(111)と、入力部(12)と、通信部(15)と、判定部(113)と、を備える。選択部(111)は、身体に関する複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択する。入力部(12)は、選択部(111)により選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果の入力を受け付ける。通信部(15)は、外部システム(2)に第1測定結果を送信する。外部システム(2)は、記憶部(22)、及び重み付け部(211)を有する。記憶部(22)は、第1測定結果に対する重み付けの重み係数を、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに紐付けて記憶する。重み付け部(211)は、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み係数を記憶部(22)から読み出して、第1測定結果に対する重み付けを行う。判定部(113)は、重み付け部(211)により重み付けが行われた後の少なくとも2つの測定項目の測定結果であって通信部(15)が外部システム(2)から受信した第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定する。
【0109】
この態様によれば、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定することができるので、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。
【0110】
第3の態様に係る判定システム(1;1A)では、第1又は2の態様において、複数の測定項目は、第1測定項目群と、第2測定項目群と、を有する。第1測定項目群は、被験者(例えば消費者300)の身長、体重、及び下腿長を含む。第2測定項目群は、歩行テストにおける第1測定時間、ステッピングテストにおけるステッピング回数、ファンクショナルリーチテストにおけるリーチ距離、タイムアップアンドゴーテストにおける第2測定時間、片足立ちテストにおける第3測定時間を含む。第2測定項目群は、脚筋力、握力、筋肉量、及び筋肉の反応時間を含む。第1測定結果は、第1測定項目群の測定結果と、第2測定項目群の少なくとも2つの測定項目の測定結果と、を含む。
【0111】
この態様によれば、より多くの測定項目に基づいて判定部(113)が判定することにより、判定部113の判定精度を向上させることができる。
【0112】
第4の態様に係る判定システム(1;1A)は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、判定部(113)の判定結果、及び判定結果に応じた高齢者用移動商品の少なくとも一方を提示する提示部(14)を更に備える。
【0113】
この態様によれば、判定部(113)の判定結果と高齢者用移動商品との少なくとも一方を被験者(例えば消費者300)等に提示することができる。
【0114】
第5の態様に係る判定システム(1;1A)では、第4の態様において、記憶部(13;22)は、重み付け部(112;211)により重み付けが行われた後の、前回の第2測定結果を第3測定結果として記憶する。判定部(113)は、第3測定結果に対して第2測定結果が変化している場合に、変化量に応じて提示部(14)に提示させる高齢者用移動商品を変更する。
【0115】
この態様によれば、測定結果の変化量に応じた高齢者用移動商品を提示することができる。
【0116】
第6の態様に係る判定システム(1;1A)では、第5の態様において、判定部(113)は、第3測定結果に対して良化する方向に第2測定結果が変化している場合に、提示部(14)に提示させる高齢者用移動商品を、相対的に高い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する。
【0117】
この態様によれば、測定結果の変化量に応じた高齢者用移動商品を提示することができる。
【0118】
第7の態様に係る判定システム(1;1A)では、第5の態様において、判定部(113)は、第3測定結果に対して悪化する方向に第2測定結果が変化している場合に、提示部(14)に提示させる高齢者用移動商品を、相対的に低い予備能力を必要とする高齢者用移動商品に変更する。
【0119】
この態様によれば、測定結果の変化量に応じた高齢者用移動商品を提示することができる。
【0120】
第8の態様に係る判定方法は、選択ステップと、重み付けステップと、判定ステップと、を含む。選択ステップは、身体に関する複数の測定項目の中から少なくとも2つの測定項目を選択するステップである。重み付けステップは、選択ステップにて選択された少なくとも2つの測定項目の測定結果である第1測定結果に対して、少なくとも2つの測定項目の組み合わせに応じた重み付けを行うステップである。判定ステップは、重み付けステップにて重み付けが行われた後の少なくとも2つの測定項目の測定結果である第2測定結果に基づいて、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定するステップである。
【0121】
この態様によれば、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定することができるので、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。
【0122】
第9の態様に係るプログラムは、第8の態様に係る判定方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0123】
この態様によれば、高齢者用移動商品の使用が可能か否かを判定することができるので、対象者に適した高齢者用移動商品の提案を支援することができる。
【0124】
第2~7の態様に係る構成については、判定システム(1;1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0125】
1,1A 判定システム
2 外部システム
12 入力部
13,22 記憶部
14 提示部
15 通信部
111 選択部
112,211 重み付け部
113 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7