(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】オーダーシステム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231106BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231106BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231106BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20231106BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/00 301D
G07G1/00 311E
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
G07G1/12 321Z
G07G1/12 361A
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2019106594
(22)【出願日】2019-06-06
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】500449983
【氏名又は名称】株式会社コーホー
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 成治
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐
【審査官】平野 貴也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012374(JP,A)
【文献】特開2013-069074(JP,A)
【文献】特開2008-065636(JP,A)
【文献】特開2019-067463(JP,A)
【文献】特開2014-048704(JP,A)
【文献】特開2019-032749(JP,A)
【文献】特開2008-020991(JP,A)
【文献】特開平02-156372(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108305060(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
G06Q 10/00 - 50/20,
50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レストランで使用するオーダーシステムであって、
オーダーシステム機能を有する顧客の端末およびレストランの利用客用テーブルに備わるテーブル番号認識コードを用いた飲食用メニューの発注、発注されたメニューの飲食品の提供、および精算を行なうオーダーシステムであり、
前記テーブル番号認識コードは、前記テーブルに埋め込んだ表示画面に表示されるとともに遠隔操作でコード変更する機能を有することを特徴とするオーダーシステム。
【請求項2】
前記端末で前記オーダーシステム機能を立ち上げた後に、顧客が前記端末で前記テーブル番号認識コードを読み取ることを特徴とする、請求項1に記載のオーダーシステム。
【請求項3】
前記端末で前記テーブル番号認識コードを読み取ることにより、テーブル毎の注文および精算を行なうことを特徴とする、請求項2に記載のオーダーシステム。
【請求項4】
顧客個人に対応した顧客識別コードを有する場合において、前記顧客識別コードを前記端末で読み込むことにより、顧客個人で注文および精算を行なうことが可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載のオーダーシステム。
【請求項5】
前記利用客用テーブルにはさらにメニュー表が配置されており、前記端末で前記メニュー表に記載されたメニュー品のコードを読み取ることにより、前記メニュー品の注文および精算を行なうことを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載のオーダーシステム。
【請求項6】
前記端末にメニュー品が表示され、顧客が前記メニュー品を選択して、前記端末を用いて注文および精算を行なうことを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載のオーダーシステム。
【請求項7】
前記メニュー品の注文により、厨房に配置されたプリンターで注文されたメニュー品および個数が印刷されるか、厨房に配置された表示画面にメニュー品および個数が表示されることを特徴とする、請求項5または6に記載のオーダーシステム。
【請求項8】
厨房の料理人は、前記プリンターでプリンターによる印刷、または前記表示画面の表示に基づいて、前記注文されたメニュー品を調理することを特徴とする、請求項7に記載のオーダーシステム。
【請求項9】
オーダーシステムは精算システムをさらに有し、前記メニュー品の注文の情報が前記精算システムに送られ、前記注文されたメニュー品の前記テーブルへの提供の後で、合計金額を客宛に請求する紙を印刷し、もしくは前記端末に送信し表示することを特徴とする、請求項5~8のいずれかの項に記載のオーダーシステム。
【請求項10】
顧客は、飲食を終了後、前記精算システムにおいて、合計金額が印刷された紙に基づいて精算処理を行なうか、または前記端末を用いて精算処理を行なうことを特徴とする、請求項9に記載のオーダーシステム。
【請求項11】
前記注文されたメニュー品の前記テーブルへの提供の後で、合計金額を前記端末に送信し、客はキャッシュレス決済機能を用いて決済するとともに、前記決済の領収書が厨房に配置されたプリンターから発行可能であることを特徴とする、請求項5~10のいずれかの項に記載のオーダーシステム。
【請求項12】
請求項1~11
のいずれかの項に記載のオーダーシステムを用いたゴルフ場
、温泉施設、宿泊施設、エンターテイメント施設、またはアミューズメント施設において、個人情報登録を行なうことにより個人認証コードを客の端末に表示可能となり、前記端末に表示された個人認証コードを
前記オーダーシステムが有する精算システムで読み取り、チェックインを行なうことができるオーダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストラン等で客から注文を受けるオーダー業務におけるオーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン等では、客がテーブルに着席すると給仕(ウエイター/ウエイトレス)が注文を聞きにきて、客がメニューの中から飲食物を選択し給仕に告げて注文することが一般的に行なわれている。給仕は受けた注文を厨房にいる料理人(調理人)へ伝えて、料理人は頭の中に入れるかメモ書きかしておく。料理人は通常は順番に調理を行ない、注文品を作っていく。注文品が出来上がれば給仕に伝えて、給仕は注文主に飲食物を配膳し、同時にまたはその後で会計伝票を客に渡す。客は飲食物を済ませた後に、会計伝票をレジ(精算所)に持っていき会計を行なう。しかし、客が増えてくると給仕は注文を受けることと配膳し会計伝票を渡すこと、場合によってはレジで会計することまで行なうため、種々の間違いや問題を発生させることが多い。たとえば、注文品を聞き間違えたり、数量を間違えたりすることや、料理人へ伝え間違いをすることもある。料理人の方も間違えて別の料理を作ったり、数量や順番を間違えたりすることも多い。特に給仕の渡す会計伝票の間違いがあると客の信用もなくし、レストラン等の経営に支障をきたす事態ともなる。また、給仕は上記のような種々の業務をしているため、客の注文を受けるまでに長時間を有すると、客の不満も高まる。さらに、給仕の労働は単純労働と思われがちであり、給料も安く、昨今の労働力不足で人も集まりにくいという問題もある。そこで、近年、テーブルに客がオーダーできる商品が表示されるモニターを設置して、客がモニターに表示された商品からオーダーする商品を選択して、モニターの表示画面に設けたタッチセンサーで商品である料理を注文するシステムが提供されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テーブルに設置したモニターは、テーブル上で一定面積を占有するためテーブルが狭くなるとともに、一定の高さもあるため邪魔な存在となる。また、テーブルが壁際にある場合はモニターをその壁際にセットすれば邪魔な存在も少し緩和されるが、テーブルが中央部分にある場合は、視界も遮られるし邪魔な存在が増大される。モニターには電力供給用の電源ラインや通信ラインが必要であるため、さらに邪魔な存在となる。また、モニター自体が種々の機能も有することもあり価格が高く、コスト高の一因となる。客も毎日訪れるならモニターの扱いに慣れて来るが、時々来店する客がモニターを扱うには時間がかかり、また間違いも多いので、テーブルに着席して注文するまで時間がかかることが多い。客はモニターの扱いが分からなくなれば給仕等のスタッフを呼んで操作を聞くことになるが、給仕側からすれば面倒で余分な時間を要して本来の業務(たとえば、配膳業務、精算業務)に支障を及ぼすことになる。客側とすれば、折角給仕が来てくれたので、モニターを使わずに直接給仕へ注文するということになり、モニター設置の効果が殆どなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、日頃から使い慣れた自己の端末を用いたオーダーシステムで、給仕を介さずに顧客が直接注文するものであり、具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、レストラン等で使用するオーダーシステムであって、オーダーシステム機能を有する顧客の端末およびレストラン等の利用客用テーブルに備わるテーブル番号認識コードを用いた飲食用メニューの発注、発注されたメニューの飲食品の提供、および精算を行なうオーダーシステムであり、前記端末で前記オーダーシステム機能を立ち上げた後に、顧客が前記端末で前記テーブル番号認識コードを読み取り、テーブル毎の注文および精算を行なうことを特徴とする。
(2)本発明は、(1)に加えて、客個人に対応した顧客識別コードを有する場合において、前記顧客識別コードを前記端末で読み込むことにより、顧客個人で注文および精算を行なうことが可能であり、前記利用客用テーブルにはさらにメニュー表が配置されており、前記端末で前記メニュー表に記載されたメニュー品のコードを読み取ることにより、前記メニュー品の注文および精算を行なうことを特徴とし、あるいは前記端末にメニュー品が表示され、顧客が前記メニュー品を選択して、前記端末を用いて注文および精算を行なうことを特徴とする。
【0006】
(3)本発明は、(1)または(2)に加えて、前記メニュー品の注文により、厨房に配置されたプリンターで注文されたメニュー品および個数が印刷されるか、厨房に配置された表示画面にメニュー品および個数が表示され、厨房の料理人は、前記プリンターでプリンターによる印刷、または前記表示画面の表示に基づいて、前記注文されたメニュー品を調理することを特徴とする。
(4)本発明のオーダーシステムは、(1)~(3)に加えて、精算システムをさらに有し、前記メニュー品の注文の情報が前記精算システムに送られ、前記注文されたメニュー品の前記テーブルへの提供の後で、合計金額を客宛に請求する紙を印刷し、もしくは前記端末に送信し表示することを特徴とし、さらに顧客は、飲食を終了後、前記精算システムにおいて、合計金額が印刷された紙に基づいて精算処理を行なうか、または前記端末を用いて精算処理を行なうことを特徴とする。
(5)本発明は、(1)~(4)に記載のオーダーシステムを用いたゴルフ場等の施設において、個人情報登録を行なうことにより個人認証コードを客の端末に表示可能となり、前記端末に表示された個人認証コードを前記精算システムで読み取り、チェックインを行なうことができるオーダーシステムである。
【発明の効果】
【0007】
客は自己の使い慣れた端末を用いて注文~会計処理を行なうことができるので、注文や会計処理を迅速に間違いもなく行なうことができる。利用客用のテーブル毎に付されたテーブルコードを端末に読み込んで使用するので、テーブル毎の注文処理、料理手配、料理の提供、および会計処理を行なうことができる。注文を聞きに来て料理人にオーダーを伝えるという給仕の作業がなくなるので、それに伴う人為的ミスをなくすことができ、さらに給仕や従業員の人員削減をはかることができ、レストラン等の経済的利益を増大させることができる。また、その結果として顧客満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のオーダーシステムの構成を示す構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明のオーダーシステムの処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、バーコードやQRコード(登録商標)等の識別(情報)コードを読み取り、端末または端末以外にレストラン等で提供されるメニュー内容を掲載したもの(たとえば、識別(情報)コード)を読み取ることによるセルフオーダーを可能とするオーダーシステムを提供する。本発明のオーダーシステムは、一般的なレストランにおけるグループ精算を簡便にスピーディに間違いなく行えるものである。レストランには、ゴルフ場に付帯するレストラン、簡易温泉等に付設されるレストランなどの施設内レストランも当然含まれる。グループ精算とは、レストラン等におけるたとえばテーブル毎にテーブル番号に帰属する精算方法であるが、テーブルに着席する1名から複数の場合や、あるいはゴルフ同組精算などの対応も含まれる。グループに付与されたたとえばQRコードやバーコード等の識別番号がある場合、その識別番号を用いてテーブル毎精算やゴルフ同組精算などのグループ精算を行なうことができる。ゴルフ場や簡易温泉等のアミューズメント施設やエンターテイメント施設等の各種施設において、利用登録時等に個人毎に付与される精算ナンバー等の識別コードがある場合は、その識別番号に対応した個人精算も可能である。本発明のオーダーシステムは上記のような種々のケースに対応可能な汎用性のあるシステムである。
【0010】
本発明は、レストラン等で料理や飲み物などの飲食物を選択・注文して、注文品を提供し飲食後に精算を行なうオーダーシステムに関する。
図1は、本発明のオーダーシステムの構成を示す構成ブロック図である。本発明のオーダーシステムでは、携帯端末(携帯デバイス、または単に端末、デバイスと記載する場合もある)を使用して、飲食物を選択・注文し、精算まで行なう。すなわち、客(顧客)の端末と施設内のオーダーシステム用コンピュータ(サーバー)がリンクしてオーダーに関する情報を共有する。レストラン等の利用客用テーブル毎にテーブルコードが表示され、客がテーブルに着席して飲食物を注文しようとするときは、端末にインストールされたオーダーシステム用アプリを起動させて、端末とテーブルとの対応関係を明確にするために、端末でテーブルコードを読み込む。テーブルにはメニュー表も置かれており、メニュー表には複数のメニュー品とその価格およびそのメニュー品に対応したメニュー品識別コードが記載されている。客は注文したいメニュー品のメニュー品識別コードを選択して注文する。ここで、コードとは、たとえば、品物(たとえば、飲食物等)、場所・配置(たとえば、テーブル)、個人(たとえば、客)またはグループ(たとえば、複数の客)を特定し、情報を提供する識別コードである。具体的には、たとえば数字列(番号)または文字列、(1次元)バーコード等の1次元コードやQRコード等の2次元コードであり、三次元コードも含まれる。
【0011】
注文した飲食物は、厨房へ送られて、厨房に備え付けのキッチンプリンターや表示装置(表示画面)に表示されて、厨房にいる料理人や配膳人が飲食物の注文を受け付けたことを確認できる。飲食物が用意できたら配膳人(給仕)が所定のテーブルに飲食物を運び飲食物の提供を行なう。飲食物の提供が完了したら、制御部(制御サーバー)から端末および精算システムに情報が送られる。客の飲食行為が済んで客がレジ(精算システムまたは清算所)の所へ行き端末または伝票を用いて精算を行ない、一連のオーダー行為が完了する。尚、客が個人コード(個人識別コード)またはグループコー-ド(グループ識別コード)を持っているときは、その個人コードまたはグループコードを事前に端末で読み込んでおくことにより、個人またはグループ単位での精算も可能となる。一連の操作や処理は制御サーバー(コンピュータ)を通じて行なう。すなわち、施設内の処理は制御サーバーがコントロールし、客所有の端末等の外部装置との情報交換も制御サーバーがコントロールする。
【0012】
本発明のオーダーシステムの処理を、
図2を使ってより詳細に示す。
図2は、本発明のオーダーシステムの処理を示すフロー図である。一般的なレストランで飲食をするときや、ゴルフ場や簡易温泉や旅館等の施設内レストランを利用するときに、本発明のオーダーシステムを使用することができる。本発明のオーダーシステムを端末で処理するためのソフトプログラム(いわゆるアプリケーションのことで、略してアプリとも言う)を事前にインストールしておき、本発明のオーダーシステムを使用するために端末でこのアプリを起動させる。端末は、レストランや施設等で使用できる専用するデバイスでも良いし、個人が所有する端末(顧客用端末)、たとえばスマートホン(略してスマホとも言う)でも良い。端末には、コードを読み込むのでカメラ機能等のコード読み取り機能が付いている。
【0013】
図1で示したように、レストラン等の各テーブルにはテーブル番号認識コード(略して、テーブルコードともいう)が付されている。たとえば、テーブルコードは紙等に印刷されてテーブル台表面に付して置かれたり、テーブル上に置かれたスタンドに付されたりする。印刷物であれば、汚れたり、または別コードに変えたりするときに簡単に交換できる。あるいは、テーブル台表面に配置された表示画面やテーブルに置かれたモニター画面に表示されても良く、必要なときに表示画面に表示されるコードを変えることもできる。この表示画面の操作は単独でも可能であるが、
図1に示す制御サーバーでコントロール可能である。このように表示画面を備えて置けば遠隔操作も可能であるから、コード変更が簡単で人間を介在させることもない。尚、通常はコードにつながる情報を適宜変えれば良いが、通信障害やウイルス対策や情報漏洩などの場合には、コードそのものを変更するのが効果的である。尚、表示画面をテーブル表面に埋め込んでおけば、テーブル上にモニター画面を置く必要がないので、テーブル上のスペースを有効に使用できる。
【0014】
客(注文主なので、オーダー主ともいう、あるいは精算する人でもあるので、支払者ともいう)は、テーブルに着席して注文する前に、自身の端末でテーブルコードを読み込む。これで端末とテーブルとの対応が取れ、テーブル毎の注文を端末で行なえるようになる。テーブルに複数人が着席して一つの端末だけでまとめて注文する場合はテーブルコードを読み込んだ後に人数の入力を行なう。個人で注文する場合は、人数は1(名)と入力する。すなわち、テーブルに複数人が着席しても個々人が注文して個々に精算することも可能である。そのときも客(個人)とテーブルとの関係は保持される。数の入力は数字を入れる方式でも、あるいはプルダウン式で表示される数字を選択する方式等でも良い。
【0015】
客が自身を識別する特定コード(顧客識別コードともいう)を持っている場合は、顧客識別コードを読み込んでテーブルコードとリンクさせて、客を特定することもできる。たとえば、ゴルフ場や簡易温泉や旅館等で個人に付与される精算ナンバー等の個人カードやロッカーキー等があるが、これを顧客識別コードに対応できる。すなわち、個人カードやロッカーキーにバーコードやQRコードや識別番号等のコードを付けておけば良い。あるいは、端末自体に事前に顧客識別コードを入力しておくこともできる。このようにすることによって、レストランだけでなく他の施設の利用にも端末を利用したオーダーシステムを使用することができる。また、グループコードを持っている場合は、グループを代表する人の端末で事前にグループコードを読み込んでおけば、その人の端末で本発明のオーダーシステムを使用できる。グループの人数がテーブル1台の着席数より多い場合は、グループは複数台のテーブルに分かれるが、1台の端末ですべてのテーブルコードを読み込むことにより、1台の端末でオーダー処理できる。グループでもテーブル毎に処理する場合は、テーブル台数分の端末を使用することもできるし、各個人で処理する場合は各自の端末を使用すれば良い。
【0016】
客は、注文を開始する場合はテーブルコードの読み込みの後に、表示される注文開始を選択する。客は、テーブルに置かれたメニュー表から注文したい料理や飲み物等の飲食物を選択する。メニュー表には、メニュー品の名前と価格が記載されているが、さらにそれに付随したメニュー品識別コード(メニュー品コードとも言う)が記載されている。メニュー品にメニューの具体的な内容や説明書、メニュー品の画像(写真等)が掲載されていれば、客はメニュー品を選択しやすい。メニュー品識別コードを端末で読み込めばそのような情報を端末に表示させることもできる。
【0017】
客は、端末で注文したいメニュー品のメニュー品識別コードを読み込むと、これを注文するかどうか聞いてくるので、注文をする場合はYES(注文する)を選択すると、次に注文数を聞いてくるので数を入力または選択すると、メニュー品名と数量と価格(Total価格)が表示される。これで確定の場合は、確定を選択し、やり直す場合は<戻る>を選択する。<戻る>場合は、1つ前に戻る場合とやり直す場合がその都度出て来るので、どちらかを選択すれば良い。数の入力は、数字を直接入力する方式でも、あるいはプルダウン式で表示される数字を選択する方式等でも良い。注文しない場合はNO(注文しない)を選択して別のメニューを選択する。注文完了した場合でも、他に注文する品物があるか聞いてくるので、<ある>場合は再度繰り返すことができ、<ない>場合は終了となる。たとえば、別のメニュー品をオーダーするために、<次のメニュー品を読み込む>という指示ボタンを表示して、上記の注文作業を繰り返すことができる。注文完了前に、注文内容一覧と個々の価格と合計金額が表示され、客はそれらを確認したうえで注文完了を選択できる。終了した場合でも、アプリが起動しているときはメニュー品識別コードの読み込みから開始できる。アプリも終了しているときは、もう一度アプリを起動させれば良い。精算が完了するまではテーブルコードは入力状態になっているので、メニュー品識別コードの読み込みから開始できる。
【0018】
端末のアプリ上でもメニュー表を表示させることもできる。テーブルコードを読み込むとメニュー表を表示するかどうかを聞いてくるので、<表示する>を選択すれば、端末にメニュー一覧(価格込み)が出てきて個々のメニュー品を選択および注文個数を入力または選択することができる。個々のメニュー品を選択したときにメニュー品の画像や内容説明も表示されるので、客は選択しやすい。端末上にメニュー表を表示させる場合は、メニュー品識別コードの読み込みではなく、直接そのメニュー品の選択となる。テーブルに置かれるメニュー表(テーブルメニュー表という)と併用して端末上のメニュー表を使用することもできるが、テーブルメニュー表は汚れやすく不衛生でもあり、メニュー内容や価格を変更する場合は印刷等や従業員の手間もかかるので非効率である。さらにテーブルの一定面積を取るので飲食には邪魔な場合も多い。これらの問題を端末上でメニュー表を表示させることにより解決することもできる。特に、メニュー内容や価格の変更は制御サーバーで変更することにより一括で行なうことができるので作業性と変更スピードが格段に向上する。
【0019】
端末で注文を決定すると、その情報は制御サーバーを通じて厨房と精算システム(精算レジ)に送られる。厨房では、注文されたメニュー品がその都度キッチンプリンターで印刷される。印刷物にはメニュー品名(メニュー品コードも含む)やその数量の他にテーブル番号(テーブル識別コードに合わせたもの)が記載されている。あるいは、厨房に備え付けの表示画面に注文されたメニュー品等が表示される。料理人(調理人)は、印刷されたメニュー品または表示されたメニュー品を順次に処理して料理を完成させる。注文料理(飲食物)が完成したら、印刷されたメニュー品(印刷メニュー紙)をつけて配膳台に並べていく。印刷メニュー紙のメニュー品コードを厨房に備え付けの端末で読み込んで料理完成済みと記録すれば、どこまで注文された料理ができたかが分かる。従って、遅れている注文料理がないかが直ぐ分かるので、料理の進捗程度を料理人や他のスタッフも容易に把握できる。また、給仕も順番に所定のテーブルに提供できる。精算システムでは、注文品名おび個数を受けて、それぞれの価格および合計金額が計算される。
【0020】
配膳台に並べられた料理は給仕(ウエイターやウエイトレスのことで、配膳係ともいう)がレストランの所定のテーブルへ運びテーブルにセットする。印刷メニュー紙にはテーブル番号が記載または表示画面にテーブル番号が表示されているので、給仕が配膳するテーブルを間違えることもない。テーブルにセットした後で印刷メニュー紙のメニュー品コードを給仕が配膳係専用の端末で読み取り、飲食物のオーダー作業が終了すると同時に、その情報が制御サーバーを通じて精算システムに送られる。精算システムでは、注文ごとの情報や送付されたオーダー品の明細一覧とするとともに、合計金額を客(支払者)あてに請求できるようになる。精算システムの情報は配膳係専用の端末に送られ、配膳係専用の端末から終了した注文品の品名、数量、価格、テーブル名(あるいは、個人名やグループ名)を記載した記録紙(個々の注文品完了伝票)を印刷して当該テーブルに置くことができる。あるいは、給仕は、精算システムまたは厨房でこれらの情報を印刷したものを受け取って、それらの印刷物を当該テーブルに持参しても良い。当該テーブルからの注文メニュー品がすべて所定テーブルに配膳されたら、すべての注文飲食物のオーダー作業が終了する。このとき、配膳係専用の端末から終了した注文品の品名、数量、価格、テーブル名を記載した記録紙(会計伝票)を印刷して当該テーブルに置いて、注文がすべて終了した旨を客に伝える。あるいは、精算システムの情報をもとにして制御サーバーを通して、客の端末に情報を送り個々の注文が完了またはすべての注文が完了した旨と会計伝票を送っても良い。客は、自分の端末を見てすべての注文品が提供されたことや合計金額を確認できる。配膳係専用端末の情報は制御サーバーを通して精算システムにも送られて精算待状態になる。
【0021】
飲食が済むと、客はテーブルに置かれた会計伝票を持ってレジ(精算システム)に行き、レジ係に会計伝票を渡して会計処理を行なう。このとき、同時に自身の端末でレジに置かれた精算用コードを読み込んで自動的に会計処理を行なうこともできる、すなわち、精算用コードを読み込むと注文メニュー品の一覧と数量および各金額と合計金額が表示されるので、その金額をレジで支払えば良い。レジ側も精算用コードが読み込まれたときに、同じ情報で会計処理情報が出てお互いの内容が一致していることを確認できる。客が自己の端末に自己のプリペイド支払いやクレジット支払いや口座支払い機能をインストールしておけば、電子精算ができ、現金での支払いも不要となりより簡便となる。あるいは、客はテーブルで会計を済ませることもできる。すなわち、すべての注文品がテーブルに供給されたときに、配膳係からの情報に基づき会計伝票が端末に送られるので、客はその内容を見て端末上で会計処理することもできる。この場合も端末に各種の支払い機能を入れておけば現金のやり取りもなく会計を済ませることができる。この方法を用いれば、精算レジも不要となり、人員削減と場所(レジ)の削減も実現できる。領収書が欲しければ端末に送ることもできるし、レジ係や給仕がレジやテーブルで手渡すこともできる。
【0022】
たとえば、携帯端末(たとえば、スマートホン)を用いたキャッシュレ決済が可能である。客は予めその決済サービスのアプリを端末にインストールしておき、ゴルフ場やレストラン側でも予めキャッシュレス決済に対応するための手続き(キャッシュレス決済サービスの導入)をしておく。注文内容は精算システム(レジ)を用いて記録されて合計金額も把握されており、精算時にレジで合計金額が表示される。客はキャッシュレス決済用のコードを端末に表示してレジで提示し、レジ係は、そのコードを読み取り機で読み取ることにより、支払いが完了する(コード支払い)。または、レジに設置してあるキャッシュレス決済用のコードを端末(端末側でもキャッシュレス決済用アプリを立ち上げておく)で読み込んで、提示された金額を端末に入力して支払う(スキャン支払い)。必要なら、レジで注文内容や価格等を記載したレシートや領収書を受け取ることもできる。あるいは、精算システムと併用するかまたは精算システムを使用せずに、注文内容の明細や合計金額を制御サーバーから直接客の端末に送り、客はキャッシュレス決済(機能)を利用して合計金額を支払うこともできる。その場合、領収書はキッチンプリンターから発行することもできる。
【0023】
ゴルフ場などで、ゴルフプレーや昼食等の飲食をセットにしたパック料金が設定されていた場合も本発明のオーダーシステムで対応できる。パック料金を購入もしくは予約した個人の端末にはパック用コードを設定するようにし、チェックイン時にそのパック用コードをチェックインカウンターで読み込むことにより、チェックインが可能となる。レストランで注文するときは、テーブルコードを読み込むとパック用コードに紐づけされた食事用ボタンが出てそれを押すと事前にパックに付いている食事の内容が出てきて、通常のメニュー品のメニュー品コードを読み込んだ時と同様な状態になる。その後の注文や他のメニュー品の選択は前述した方法と同様に進めることができる。精算時には、追加注文や他の追加サービス分の費用が出てきて、パック料金を事前に支払っている場合は、その支払いを精算システムまたは自己の端末上で行なう。パック料金を事前に支払っていない場合は、パック料金も含めた精算となる。セットになっていない場合でも、レストラン等の料金とゴルフプレー代を同時に精算することも可能であり、これら全体を含めた領収書作成も可能となるので、非常に有用なオーダーシステムとなる。以上のように、本発明は注文から精算まで自己の端末を使用してセルフオーダー機能を有するオーダーシステムである。
【0024】
上記の説明から分かるように、本発明のオーダーシステムの採用により、給仕が注文を聞きにきて厨房に注文を伝えて、またその会計処理を行なうという作業がなくなるので、人員削減をはかることができるとともに、種々の人為的な間違い(注文の聞き間違い、客の注文ミス、注文料理の間違い、給仕の提供ミス、料理の提供のミス(遅れや忘れ、提供料理間違いなど)、会計処理のミス(料理価格や数量の間違い、合計ミス)をなくすことができるなど、大きな経済的利益を生むことができる。本発明のオーダーシステムを使えば、顧客の端末だけでなく事前に提供される個人カードやグループカード(たとえば、施設等でチェックインのときに発行または事前登録により事前に発行される)で会計処理を行なうこともできる。たとえば、個人カード等と自己の端末とを紐づけておけば、会計処理の際に個人カード等に付されたコードを精算システム(レジ)で読み取ることにより合計金額等を表示できる。個人カード等にプリペイド機能やクレジット機能を持たせるかリンクしておけば、現金会計も不要となる。尚、自己の端末ではなく、施設専用の端末を使用するときも、上記説明した自己の端末と同様の操作で本発明のオーダーシステムを使用できる。
【0025】
本発明のオーダーシステムは、個人またはグループ識別コードを読み取ることができる精算システムまたはチェックインカウンターを利用するゴルフ場・温泉施設・宿泊施設・エンターテイメント施設・アミューズメント施設等の各種施設でチェックイン機能として活用することもできる。本発明のオーダーシステム用アプリケーションにおいて、客(利用者)が事前に住所・氏名等の個人情報を登録すると、個人に紐づけ(すなわち個人を特定)できる認証用コード(たとえば、バーコードやQRコード)を自身の端末上で表示できるようになる。その端末に表示された認証用コードをゴルフ場等の精算システムまたはチェックインカウンターに備えた端末(精算端末という)で読み取り、精算端末で読み取った情報が精算システムで処理されてゴルフ場等の施設におけるチェックインを即座に行なうことができる。この精算端末は完全無人化で行なうこともできるので、客は、認証用コードを表示させた自己の端末を無人精算端末の表示読み取り部分にかざすだけで、チェックインすることができる。すなわち、その場で待たされることもなく、また自己情報を記載または申告する必要もなく、スピーディにチェックインを完了させることが可能となる。
【0026】
以上詳細に説明した様に、本発明のオーダーシステムは、オーダーシステム機能と識別情報コード読み取り機能を備えた端末を利用して、オーダー取り用の従業員を介さずに直接顧客が直接オーダー(注文)するセルフオーダーを実現したオーダーシステムである。これによりレストラン等の施設では従業員が削減できて経済的利益を増大でき、また顧客側では注文ミスや配膳ミス、会計処理の間違いが少なくなるので、顧客満足度を増大させることができる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。また、本出願文書で記載した実施例や実施形態等の内容は、他の実施例や実施形態等の内容と組み合わせて使用できることも当然である。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のオーダーシステムは、ゴルフ場等の施設におけるレストラン等で使用できるだけでなく、各種施設のチェックイン機能にも使用できる。さらには、レストラン等以外のお土産店や各種商品の販売店にも適用することができる。