(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】レーザ切断ロボットの制御方法、ロボットシステム及びレーザ切断システム
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20231106BHJP
B23K 26/046 20140101ALI20231106BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20231106BHJP
B23K 26/08 20140101ALI20231106BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B23K26/38 A
B23K26/046
B23K26/08 H
B25J13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020017189
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】中川 龍幸
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-187393(JP,A)
【文献】特開2018-114544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0059347(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/38
B23K 26/046
B23K 26/082
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光の照射によりワークを切断するレーザ切断ロボットの制御方法であって、
前記レーザ切断ロボットは、ベース部と、
少なくとも1つの関節部を有し、前記ベース部に基端が固定されたロボットアームと、
レーザ発振器により出射されたレーザ光を集光する集光レンズ、及び当該集光レンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動機構を有する加工ヘッドと、
前記ロボットアームの先端に固定され、前記加工ヘッドを支持するとともに、前記加工ヘッドを前記光軸方向に移動させるヘッド駆動機構とを有しており、
前記集光レンズの焦点と前記ワークとの距離を一定に保つように前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御する倣い制御の実行中、前記ベース部と前記ロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が長くなる程、前記集光レンズの光軸方向の移動量における前記レンズ駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が高くなるとともに、前記ヘッド駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が低くなるように、前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御することを特徴とするレーザ切断ロボットの制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ切断ロボットの制御方法において、
前記レンズ駆動機構は、前記集光レンズを第1平均速度で前記光軸方向に移動させ、
前記ヘッド駆動機構は、前記加工ヘッドを前記第1平均速度よりも高い第2平均速度で前記光軸方向に移動させることを特徴とするレーザ切断ロボットの制御方法。
【請求項3】
レーザ光の照射によりワークを切断するロボットシステムであって、
ベース部と、
少なくとも1つの関節部を有し、前記ベース部に基端が固定されたロボットアームと、
レーザ発振器により出射されたレーザ光を集光する集光レンズ、及び当該集光レンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動機構を有する加工ヘッドと、
前記ロボットアームの先端に固定され、前記加工ヘッドを支持するとともに、前記加工ヘッドを前記光軸方向に移動させるヘッド駆動機構とを有するレーザ切断ロボット、及び
前記集光レンズの焦点と前記ワークとの距離を一定に保つように前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御する倣い制御の実行中、前記ベース部と前記ロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が長くなる程、前記集光レンズの光軸方向の移動量における前記レンズ駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が高くなるとともに、前記ヘッド駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が低くなるように、前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御する制御装置を備えていることを特徴とするロボットシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のロボットシステムと、
前記レーザ発振器とを備えたレーザ切断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光の照射によりワークを切断するレーザ切断ロボットの制御方法、ロボットシステム及びレーザ切断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザ光の照射によりワークを切断するレーザ切断システムとして、集光レンズの焦点と前記ワークとの距離を一定に保つように切断トーチを移動させる倣い制御を行うものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レーザ光の照射によりワークを切断するために、ベース部と、少なくとも1つの関節部を有し、前記ベース部に基端が固定されたロボットアームと、レーザ発振器により出射されたレーザ光を照射位置に集光する集光レンズを有する加工ヘッドと、前記ロボットアームの先端に固定され、前記加工ヘッドを支持するとともに、前記加工ヘッドを前記光軸方向に移動させるヘッド駆動機構とを備えたレーザ切断ロボットを使用することが考えられる。このようなレーザ切断ロボットでは、前記ベース部と前記ロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が長くなると、集光レンズの焦点と前記ワークとの距離を一定に保つ倣い制御の実行中に、加工ヘッドの移動によりロボットアームの先端に振動が大きく生じ、ドロスの生成等の切断不良を招く。
【0005】
また、ロボットアームの先端の振動に起因する切断不良を低減するために、加工ヘッドの移動速度を大幅に低くすると、タクトタイムが長くなる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タクトタイムを抑制しつつ、切断不良を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レーザ光の照射によりワークを切断するレーザ切断ロボットの制御を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、第1~第4の発明は、前記レーザ切断ロボットは、ベース部と、少なくとも1つの関節部を有し、前記ベース部に基端が固定されたロボットアームと、レーザ発振器により出射されたレーザ光を集光する集光レンズ、及び当該集光レンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動機構を有する加工ヘッドと、前記ロボットアームの先端に固定され、前記加工ヘッドを支持するとともに、前記加工ヘッドを前記光軸方向に移動させるヘッド駆動機構とを有しており、前記集光レンズの焦点と前記ワークとの距離を一定に保つように前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御する倣い制御の実行中、前記ベース部と前記ロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が長くなる程、前記集光レンズの光軸方向の移動量における前記レンズ駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が高くなるとともに、前記ヘッド駆動機構の駆動による集光レンズの移動量の割合が低くなるように、前記レンズ駆動機構及び前記ヘッド駆動機構を制御することを特徴とする。
【0009】
これにより、ベース部とロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が長くなると、ヘッド駆動機構の駆動による加工ヘッド全体の移動量を減らし、加工ヘッドの一部だけを大きく移動させるので、集光レンズの移動速度を大幅に低くしなくても、ロボットアームの先端の振動を抑制できる。したがって、タクトタイムを抑制しつつ、ロボットアームの先端の振動に起因する切断不良を低減できる。
【0010】
また、第2の発明は、前記レンズ駆動機構は、前記集光レンズを第1平均速度で前記光軸方向に移動させ、前記ヘッド駆動機構は、前記加工ヘッドを前記第1平均速度よりも高い第2平均速度で前記光軸方向に移動させることを特徴とする。
【0011】
これにより、ベース部とロボットアームの先端との距離、又は当該距離の水平成分が短くなると、ヘッド駆動機構の駆動による集光レンズの移動量、すなわち第1平均速度よりも高い第2平均速度での移動量が増えるので、タクトタイムを短縮できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タクトタイムを抑制しつつ、ロボットアームの先端の振動に起因する切断不良を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るレーザ切断システムの構成を示す概略図である。
【
図2】ピエゾアクチュエータ及び集光レンズの斜視図である。
【
図3】制御装置による制御動作のフローチャートである。
【
図4】ベース部とロボットアームの先端との距離の水平成分と、集光レンズの移動量におけるピエゾアクチュエータの駆動による集光レンズの移動量の割合、及び集光レンズの移動量における一軸アクチュエータの駆動による集光レンズの移動量の割合との関係を示すグラフである。
【
図5】ピエゾアクチュエータの駆動により集光レンズを移動させる前後における加工ヘッド先端周りの状態を示す概略図であり、(a)は、移動前の状態を示し、(b)は、移動後の状態を示す。
【
図6】一軸アクチュエータの駆動により加工ヘッドを移動させる前後における加工ヘッド先端周りの状態を示す概略図であり、(a)は、移動前の状態を示し、(b)は移動後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るレーザ切断システム1は、レーザ発振器3と、光ファイバ5と、ロボットシステム7とを備えている。
【0016】
レーザ発振器3は、発振によりレーザ光Lを出射する。
【0017】
光ファイバ5は、レーザ発振器3により出射されたレーザ光Lをロボットシステム7の加工ヘッド13(後述)に導く。
【0018】
ロボットシステム7は、ベース部9と、6軸の多関節型のロボットアーム11と、加工ヘッド13と、静電容量式センサ電極15と、ヘッド駆動機構としての一軸アクチュエータ17と、制御装置19とを備えている。ベース部9と、ロボットアーム11と、加工ヘッド13と、センサ電極15と、一軸アクチュエータ17とが、レーザ切断ロボット21を構成する。
【0019】
ロボットアーム11の基端は、ベース部9に接続され、ロボットアーム11の先端には、一軸アクチュエータ17を介して加工ヘッド13が取り付けられている。
【0020】
加工ヘッド13は、レーザ発振器3により出射されて光ファイバ5によって加工ヘッド13に導かれたレーザ光LをワークWに照射する。加工ヘッド13は、上下方向に延びる略円筒状のケース13aを備え、当該ケース13aが加工ヘッド13の外表面を構成している。
【0021】
ケース13aの内部には、
図2に示す円筒状のレンズ駆動機構としてのピエゾアクチュエータ13bがその軸方向をケース13aの長手方向(上下方向)に沿わせた状態で収容されている。ピエゾアクチュエータ13bの下端部は、ケース13aに固定されている。このピエゾアクチュエータ13bは、入力電圧に応じて所定の伸縮速度で軸方向に伸縮する。ピエゾアクチュエータ13bの上端側の面には、集光レンズ13cの外周部が固定されている。この集光レンズ13cは、レーザ発振器3により出射されて光ファイバ5によって加工ヘッド13に導かれたレーザ光Lを集光する。ピエゾアクチュエータ13bは、入力電圧に応じた伸縮動作により、集光レンズ13cを所定の第1平均速度V1で光軸方向(上下方向)に移動させる。
【0022】
また、加工ヘッド13のノズル側の端部には、ワークWとの前記光軸方向の距離に応じた静電容量値を計測値として得るセンサ電極15が設けられている。
【0023】
一軸アクチュエータ17は、ロボットアーム11の先端に固定され、加工ヘッド13を支持するとともに、加工ヘッド13を前記第1平均速度V1よりも高い第2平均速度V2で集光レンズ13cの光軸方向に移動させる。一軸アクチュエータ17は、加工ヘッド13が固定されるスライダ部品17aと、当該スライダ部品17aを昇降させる本体装置17bとで構成される。本体装置17bは、スライダ部品17aに貫通形成されたねじ孔に螺合するねじ軸17cと、当該ねじ軸17cを回転させるモータ(図示せず)とで構成される。
【0024】
制御装置19は、センサ電極15の計測値に基づいて、集光レンズ13cの焦点F(
図5参照)とワークWとの距離を一定に保つようにピエゾアクチュエータ13b及び一軸アクチュエータ17を制御する倣い制御を実行する。制御装置19は、ピエゾアクチュエータ13bの入力電圧を制御することにより、センサ電極15に対する集光レンズ13cの相対位置を制御する。制御装置19は、センサ電極15に対する集光レンズ13cの相対位置、すなわち加工ヘッド13における集光レンズ13cの位置を認識できる。制御装置19の機能は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。
【0025】
ここで、
図3を参照して、制御装置19による倣い制御実行中の動作の詳細を説明する。
【0026】
まず、(S101)において、制御装置19は、センサ電極15とワークWとの光軸方向の距離と、センサ電極15により計測される静電容量値との関係を示す関係データを取得する。
【0027】
次に、(S102)において、制御装置19は、センサ電極15により計測された静電容量値を取得する。センサ電極15により計測される静電容量値は、センサ電極15とワークWとの光軸方向の距離、及び加工ヘッド13とワークWとの光軸方向の距離に応じたものとなる。
【0028】
そして、(S103)において、制御装置19は、(S101)で取得した関係データと(S102)で取得した静電容量値とに基づいて、現在のセンサ電極15とワークWとの光軸方向の距離を算出する。
【0029】
次に、(S104)において、制御装置19は、(S103)で算出した距離と、現在の加工ヘッド13における集光レンズ13cの位置とに基づいて、集光レンズ13cの焦点Fの現在位置と目標焦点位置との差分を算出する。
【0030】
次に、(S105)において、制御装置19は、(S104)で算出した差分に応じて、集光レンズ13cの焦点Fが目標焦点位置に位置するように必要移動量を算出する。
【0031】
次に、(S106)において、制御装置19は、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLを取得する。そして、当該水平成分HLに基づいて、前記集光レンズ13cの光軸方向の移動量におけるピエゾアクチュエータ13bの駆動による移動量の割合P1と、前記集光レンズ13cの光軸方向の移動量における一軸アクチュエータ17の駆動による移動量の割合P2とを決定する。具体的には、
図4に示すように、水平成分HLが600mm未満である場合には、割合P1,P2の両方を50%とする。また、水平成分HLが600~1600mmである場合には、水平成分HLが長くなる程、割合P1が高くなるとともに、割合P2が低くなるように割合P1,P2を決定する。また、水平成分HLが1600mmを超える場合には、割合P1を100%とするとともに、割合P2を0%とする。
【0032】
そして、(S107)において、制御装置19は、(S105)で算出した必要移動量のうち(S106)で決定した割合P1分の移動量だけ第1平均速度V1で集光レンズ13cを移動させるように、ピエゾアクチュエータ13bを駆動させる。具体的には、必要移動量のうち(S106)で決定した割合P1分の移動量だけピエゾアクチュエータ13bを伸縮させる。
図5中、M1は、集光レンズ13cの移動量を示し、SH1は、焦点Fの移動量を示す。また、必要移動量のうち(S106)で決定した割合P2分の移動量だけ第2平均速度V2で加工ヘッド13を移動させるように、一軸アクチュエータ17を駆動させる。
図6中、M2は、集光レンズ13cを内蔵する加工ヘッド13の移動量を示し、SH2は、焦点Fの移動量を示す。
【0033】
例えば、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLが、800mmである場合には、(S106)において、集光レンズ13cの移動量におけるピエゾアクチュエータ13bの駆動による移動量の割合P1が60%に決定されるとともに、集光レンズ13cの移動量における一軸アクチュエータ17の駆動による移動量の割合P2が40%に決定される。そして、(S107)において、必要移動量のうち60%の移動量だけ集光レンズ13cを移動させるように、制御装置19の制御によってピエゾアクチュエータ13bが駆動する。また、必要移動量のうち40%の移動量だけ加工ヘッド13を移動させるように、制御装置19の制御によって一軸アクチュエータ17が駆動する。
【0034】
また、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLが、1200mmである場合には、(S106)において、集光レンズ13cの移動量におけるピエゾアクチュエータ13bの駆動による移動量の割合P1が80%に決定されるとともに、集光レンズ13cの移動量における一軸アクチュエータ17の駆動による移動量の割合P2が20%に決定される。そして、(S107)において、必要移動量のうち80%の移動量だけ集光レンズ13cを移動させるように、制御装置19の制御によってピエゾアクチュエータ13bが駆動する。また、必要移動量のうち20%の移動量だけ加工ヘッド13を移動させるように、制御装置19の制御によって一軸アクチュエータ17が駆動する。
【0035】
制御装置19が、上記(S101)~(S107)の動作を、目標焦点位置を一定の位置に設定した状態で繰り返すことにより、集光レンズ13cの焦点FとワークWとの距離が一定に保たれる。なお、制御装置19が、(S101)の動作を最初に1回だけ行い、(S102)~(S107)の動作だけを繰り返すようにしてもよい。
【0036】
したがって、本実施形態によれば、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLが長くなると、一軸アクチュエータ17の駆動による加工ヘッド13全体の移動量を減らし、加工ヘッド13の一部だけを大きく移動させるので、集光レンズ13cの移動速度を大幅に低くしなくても、ロボットアーム11の先端の振動を抑制できる。したがって、タクトタイムを抑制しつつ、ロボットアーム11の先端の振動に起因する切断不良を低減できる。
【0037】
また、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLが短くなると、一軸アクチュエータ17の駆動による集光レンズ13cの移動量、すなわち第1平均速度V1よりも高い第2平均速度V2での移動量が増えるので、タクトタイムを短縮できる。
【0038】
なお、本実施形態では、集光レンズ13cを光軸方向にピエゾアクチュエータ13bにより移動させたが、ピエゾアクチュエータ13b以外のレンズ駆動機構により移動させてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、加工ヘッド13を集光レンズ13cの光軸方向に一軸アクチュエータ17によって移動させたが、一軸アクチュエータ17以外のヘッド駆動機構により移動させてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、(S106)において、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離の水平成分HLが長くなる程、割合P1が高くなるとともに、割合P2が低くなるように割合P1,P2を決定した。しかし、ベース部9とロボットアーム11の先端との距離自体が長くなる程、割合P1が高くなるとともに、割合P2が低くなるように割合P1,P2を決定してもよい。また、ロボットアーム11の所定の長さに対する伸長率が高くなる程、割合P1が高くなるとともに、割合P2が低くなるように割合P1,P2を決定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のレーザ切断ロボットの制御方法、ロボットシステム、及びレーザ切断システムは、タクトタイムを抑制しつつ、ロボットアームの先端の振動に起因する切断不良を抑制でき、レーザ光の照射によりワークを切断するレーザ切断ロボットの制御方法、ロボットシステム及びレーザ切断システムとして有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 レーザ切断システム
3 レーザ発振器
7 ロボットシステム
9 ベース部
11 ロボットアーム
13 加工ヘッド
13b ピエゾアクチュエータ(レンズ駆動機構)
13c 集光レンズ
17 一軸アクチュエータ(ヘッド駆動機構)
19 制御装置
21 レーザ切断ロボット
F 焦点
L レーザ光
W ワーク
V1 第1平均速度
V2 第2平均速度
P1,P2 割合