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特許7378174搬送用ユニット及び搬送用テーブルユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】搬送用ユニット及び搬送用テーブルユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 7/04 20060101AFI20231106BHJP
   B65G 39/02 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B65G7/04 A
B65G39/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022089341
(22)【出願日】2022-06-01
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500276714
【氏名又は名称】株式会社エイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】武田 高千穂
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-122009(JP,U)
【文献】特開2021-050066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0020046(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 7/04
B65G 39/02
B65G 1/00
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物であるワークを所望の搬送方向に搬送可能とするための少なくとも1つの第1ピストンと、
所望の位置において位置決めされた前記ワークを前記所望の位置に保持するための少なくとも1つの第2ピストンと、
少なくとも1つの前記第1ピストンをスライド可能に収容する少なくとも1つの第1ピストン収容部、及び、少なくとも1つの前記第2ピストンをスライド可能に収容する少なくとも1つの第2ピストン収容部を有するとともに、前記ワークを支持するピストン収容躯体と、
を備える搬送用ユニットであって、
前記第2ピストンと前記第2ピストン収容部との間への流体の供給が停止されている状態で、前記第1ピストンと前記第1ピストン収容部との間に流体が供給されることにより前記第1ピストンによって前記ワークを前記所望の位置に搬送可能な搬送可能状態と、前記搬送可能状態に引き続いて前記第1ピストンと前記第1ピストン収容部との間への流体の供給が継続されている状態で、前記所望の位置において位置決めされた前記ワークを前記第2ピストンと前記第2ピストン収容部との間に流体が供給されることにより前記第2ピストンによって前記所望の位置に保持可能な位置保持状態と、前記位置保持状態に引き続いて前記第2ピストンと前記第2ピストン収容部との間への流体の供給が継続されている状態で、前記第1ピストンと前記第1ピストン収容部との間への流体の供給が停止されることにより、前記位置保持状態において前記所望の位置に保持されている前記ワークを前記所望の位置に静置する静置状態と、を切り替え可能に構成されている、搬送用ユニット。
【請求項2】
前記搬送可能状態において、少なくとも1つの前記第1ピストン収容部に面する少なくとも1つの前記第1ピストンの対向面と少なくとも1つの前記第1ピストン収容部との間に、少なくとも1つの前記第1ピストンを少なくとも1つの前記第1ピストン収容部から突出する方向に押圧するように流体が供給されている少なくとも1つの第1流体空間が形成されており、
前記位置保持状態において、少なくとも1つの前記第2ピストン収容部に面する少なくとも1つの前記第2ピストンの対向面と少なくとも1つの前記第2ピストン収容部との間に、少なくとも1つの前記第2ピストンを少なくとも1つの前記第2ピストン収容部から突出する方向に押圧するように流体が供給されている少なくとも1つの第2流体空間が形成されており、
少なくとも1つの前記第1流体空間と少なくとも1つの前記第2流体空間とは分離されている、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項3】
前記第流体空間への流体の供給により前記第2ピストンが前記ピストン収容躯体から突出する高さは、前記第1ピストンが前記ピストン収容躯体から突出する高さよりも高い、請求項2に記載の搬送用ユニット。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第1ピストンは複数の前記第1ピストンであり、
少なくとも1つの前記第2ピストンは複数の前記第2ピストンであり、
少なくとも1つの前記第1流体空間は複数の前記第1流体空間であり、
少なくとも1つの前記第2流体空間は複数の前記第2流体空間であり、
複数の前記第1流体空間どうしを連通する少なくとも1つの第1連通路と、
前記第1連通路とは分離されており、複数の前記第2流体空間どうしを連通する少なくとも1つの第2連通路と、
をさらに備える、請求項2又は3に記載の搬送用ユニット。
【請求項5】
前記搬送方向は水平方向であり、
少なくとも1つの前記第1ピストンは複数の前記第1ピストンであり、
少なくとも1つの前記第2ピストンは複数の前記第2ピストンであり、
前記ピストン収容躯体において、複数の前記第1ピストンが前記水平方向の面内において概ね均一に分散して配置されており、かつ、複数の前記第2ピストンが前記水平方向の面内において概ね均一に分散して配置されている、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項6】
前記第2ピストンは、前記ピストン収容躯体の少なくともいずれか一方の端部に位置する、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項7】
前記第2ピストンは、前記ピストン収容躯体が載置される載置面又は前記ワークに当接することにより前記ワークを前記所望の位置に保持する位置保持部を有する、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項8】
前記第2ピストン収容部内における前記第2ピストンを前記第2ピストン収容部内に引き込むための伸縮部材をさらに備える、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項9】
前記ピストン収容躯体はその第1面に対して上側に間接的又は直接的に前記ワークを載置可能であるとともに、前記第1面とは反対側の第2面が載置面に接触可能に構成されており、
前記搬送可能状態では、前記第1ピストンが前記ピストン収容躯体の前記第2面から下方に突出することにより前記ピストン収容躯体を前記載置面に対して前記所望の位置に搬送可能であり、前記位置保持状態では、前記第2ピストンが前記ピストン収容躯体の前記第2面から下方に突出することにより前記ピストン収容躯体を前記所望の位置に保持可能である、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項10】
前記ピストン収容躯体はその第1面が間接的に又は直接的に載置面に接触可能であるとともに、前記第1面とは反対側の第2面に前記ワークが載置可能に構成されており、
前記搬送可能状態では、前記第1ピストンが前記ピストン収容躯体の前記第2面から上方に突出することにより前記ワークを前記第1ピストンにより支持して前記所望の位置に搬送可能であり、前記位置保持状態では、前記第2ピストンが前記ピストン収容躯体の前記第2面から上方に突出することにより前記ワークを前記第2ピストンにより前記所望の位置に保持可能である、請求項1に記載の搬送用ユニット。
【請求項11】
請求項9に記載の搬送用ユニットと、
前記搬送用ユニットを収容する凹部が形成されている搬送用テーブルと、を備える搬送用テーブルユニットであって、
前記搬送用テーブルは前記凹部が下方に開口するように配置されており、
前記第1ピストン及び前記第2ピストンが前記第2面から下方に突出可能となるように前記第1面が前記凹部の凹部底面に接する状態で、前記ピストン収容躯体が前記凹部に収容されている、搬送用テーブルユニット。
【請求項12】
請求項10に記載の搬送用ユニットと、
前記搬送用ユニットを収容する凹部が形成されている搬送用テーブルと、を備える搬送用テーブルユニットであって、
前記搬送用テーブルは前記凹部が上方に開口するように配置されており、
前記第1ピストン及び前記第2ピストンが前記第2面から上方に突出可能となるように前記第1面が前記凹部の凹部底面に接する状態で、前記ピストン収容躯体が前記凹部に収容されている、搬送用テーブルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送用ユニット及び搬送用テーブルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブル上に載置された搬送対象物であるワークを搬送する搬送用ユニットが提案されている。特許文献1の搬送用ユニットはテーブルに組み込まれており、複数のボールと、複数のボールそれぞれを回転可能に収容する複数の回転ボール保持具と、を有している。各回転ボール保持具は上方に開口しており、この開口から突出した複数のボールの上部にワークが載置される。各ボールが各回転ボール保持具内において回転することによりワークを搬送することができる。
【0003】
具体的に、搬送用ユニットは空気を用いたピストンの上下により回転ボール保持具を上下に移動可能に構成されている。搬送用ユニットに空気が送り込まれてピストンが回転ボール保持具を上昇させた場合、ボールの上端がテーブルの上面よりも上になる。この場合、複数のボールの上部に載置されたワークは、複数のボールの回転により所望の位置に搬送される。一方、搬送用ユニットに空気が送り込まれておらずピストンが回転ボール保持具を下降させた場合、ボールの上端がテーブルの上面に一致する。この場合、ワークは、ボールの上端と接しているに過ぎないため搬送されず、テーブルの上面の所望の位置に載置されている。このように特許文献1の搬送用ユニットによれば、空気によるピストンの上下によりワークの搬送及び載置を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-292128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送用ユニットでは、搬送されたワークを所望の位置に保持した後に、ワークの自重により下降させてワークを前記所望の位置に静置しようとしても、ワークの重心位置によってはワークが所望の位置からずれてしまいワークを所望の位置に静置することができない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ワークを所望の位置に搬送することが可能であるとともに、ワークを所望の位置に静置することが可能な搬送用ユニット及び搬送用テーブルユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる搬送用ユニットは、搬送対象物であるワークを所望の搬送方向に搬送可能とするための少なくとも1つの第1ピストンと、所望の位置において位置決めされたワークを所望の位置に保持するための少なくとも1つの第2ピストンと、少なくとも1つの第1ピストンをスライド可能に収容する少なくとも1つの第1ピストン収容部、及び、少なくとも1つの第2ピストンをスライド可能に収容する少なくとも1つの第2ピストン収容部を有するとともに、ワークを支持するピストン収容躯体と、を備える搬送用ユニットであって、第2ピストンと第2ピストン収容部との間への流体の供給が停止されている状態で、第1ピストンと第1ピストン収容部との間に流体が供給されることにより第1ピストンによってワークを所望の位置に搬送可能な搬送可能状態と、搬送可能状態に引き続いて第1ピストンと第1ピストン収容部との間への流体の供給が継続されている状態で、所望の位置において位置決めされたワークを第2ピストンと第2ピストン収容部との間に流体が供給されることにより第2ピストンによって所望の位置に保持可能な位置保持状態と、位置保持状態に引き続いて第2ピストンと第2ピストン収容部との間への流体の供給が継続されている状態で、第1ピストンと第1ピストン収容部との間への流体の供給が停止されることにより、位置保持状態において所望の位置に保持されているワークを所望の位置に静置する静置状態と、を切り替え可能に構成されている。
【0008】
上記構成によれば、搬送可能状態ではワークを所望の位置に搬送可能である一方、位置保持状態において所望の位置に位置保持されたワークを、静置状態において所望の位置に静置可能である。
具体的に説明すると、搬送可能状態では、ワークを搬送するための第1ピストンを作動させるために流体を供給するが、ワークを所望の位置に保持するための第2ピストンには流体を供給せず作動させない。これにより、搬送可能状態では、第2ピストンによるワークの位置保持動作を除外しつつ、第1ピストンによりワークを所望の位置にスムーズに搬送することができる。
また、位置保持状態では、第1ピストンを作動させたままとするとともに、第2ピストンを作動させるために流体を供給することにより第2ピストンによってワークを所望の位置に保持する。また、静置状態において第2ピストンを作動させたまま第1ピストンの作動を停止させることにより、所望の位置に位置保持されたワークを、所望の位置からの位置ずれを抑制しつつ静置することができる。
【0009】
このように、上記搬送用ユニットにはワークを所望の位置に静置するための静置状態が備えられているため、たとえワークの重心位置の変動が生じても位置ずれを抑制して所望の位置にワークを静置することができる。例えば、ワークの重心位置はワーク内の重量が重いほうに偏る。この場合、搬送したワークを所望の位置に保持した後に載置面等に静置する際に、偏った重心位置の影響を受けてワークは所望の位置からずれて静置されてしまう可能性がある。このような場合でも、上記の構成によれば、位置保持状態において所望の位置に第2のピストンにより保持されたワークを、静置状態において当該所望の位置に静置することができる。つまり、位置保持状態から静置状態に移行する際に、所望の位置からの位置ずれを抑制しつつワークを静置することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ワークを所望の位置に搬送することが可能であるとともに、ワークを所望の位置に静置することが可能な搬送用ユニット及び搬送用テーブルユニットを得ることができる。
【0011】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の第1の実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットの全体図である。
図2】搬送用ユニットの全体断面図である。
図3】(a)は第1ピストンの断面図であり、(b)は第2ピストンの断面図である。
図4】ピストン収容躯体を示す図であり、(a)はピストン収容躯体の側面図であり、(b)はピストン収容躯体の平面図である。
図5】第1蓋部及び第1ピストンの分解断面図である。
図6】第2蓋部、第2ピストン、伸縮部材、第1支持部、第2支持部の分解断面図である。
図7A】搬送用テーブルユニットの初期状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
図7B】搬送用テーブルユニットの搬送可能状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
図7C】搬送用テーブルユニットの位置保持状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
図7D】搬送用テーブルユニットの静置状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
図7E】搬送用テーブルユニットの終了状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
図8】この発明の第2の実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットの全体図である。
図9】(a)は搬送用テーブルユニットの搬送可能状態を示すフロー図であり、(b)は搬送用テーブルユニットの位置保持状態を示すフロー図であり、(c)は搬送用テーブルユニットの静置状態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施の形態>
この発明の第1の実施の形態に係る搬送用テーブルユニットについて説明する。図1は、この発明の第1の実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットの全体図である。
【0014】
(1)搬送用テーブルユニット
搬送用テーブルユニットTunitは、搬送用テーブルTと、搬送対象物であるワークWを搬送する搬送用ユニット100と、を備える。搬送用ユニット100は、搬送用テーブルTに組み込まれている。本実施の形態では、搬送用ユニット100を搬送及び所望の位置に静置することにより、搬送用テーブルTとともに搬送用テーブルTに載置されたワークWを搬送し及び所望の位置に静置する。
【0015】
搬送用テーブルTは、例えば図1に示すように平板状の直方体状であり、互いに上下に対向する躯体嵌込面FSとテーブル面TSとを有する。本実施の形態では、搬送用テーブルTは、躯体嵌込面FSが下方である載置面PS側に向き、テーブル面TSが上方に向くように配置される。テーブル面TSにワークWが載置される。躯体嵌込面FSには搬送用ユニット100を収容する凹部T1が形成されている。凹部T1は、躯体嵌込面FSにおいて下方に開口するように形成されている。この凹部T1は、搬送用ユニット100を嵌め込むことが可能な大きさに形成されており、直方体状である。また、凹部T1は、奥側に凹部底面T1aを有している。図1では凹部底面T1aは載置面PSと対向している。
【0016】
搬送用ユニット100は、ワークWを所望の搬送方向に搬送可能であるとともに、ワークWを所望の位置に静置可能に構成されている。搬送用ユニット100は、直方体状であり、第1面S1と、第1面S1と対向する第2面S2と、を有している。この搬送用ユニット100は、第1ピストン20及び第2ピストン30を備えている(図2図3)。第1ピストン20及び第2ピストン30は第2面S2からの突出長さを変化させるように上下動可能である。この第1ピストン20及び第2ピストン30の上下動によりワークWを搬送可能とし、かつ、所望の位置に保持されたワークWを所望の位置に静置することができる。
【0017】
さらに説明すると、凹部T1は、搬送用ユニット100が嵌め込まれた状態で、第1ピストン20が躯体嵌込面FSよりも外側に突出可能であり、第2ピストン30が躯体嵌込面FSよりも外側に突出可能な深さに形成されている。ワークWを搬送可能にする場合(搬送可能状態)において、第1ピストン20が躯体嵌込面FSよりも外側に突出して載置面PSと接触することにより、搬送用テーブルTが所望の搬送方向(本実施の形態では水平方向)に搬送可能となる。これにより搬送用テーブルTに載置されたワークWが所望の搬送方向に搬送可能となる。また、搬送され所望の位置に位置決めされたワークWを当該所望の位置に保持する場合(位置保持状態)において、第1ピストン20が載置面PSと接触した状態のまま、第2ピストン30が躯体嵌込面FSよりも外側に突出して載置面PSと接触することにより、搬送用テーブルTが所望の位置に保持される。これにより搬送用テーブルTに載置されたワークWが所望の位置に保持される。さらに、所望の位置に位置保持されたワークWを当該所望の位置に静置する場合(静置状態)において、第1ピストン20が躯体嵌込面FSよりも内側に戻り、かつ第2ピストン30が載置面PSと接触した状態のままとなる。この場合、第1ピストン20による支持がなくなり第2ピストン30のみの支持となるため、搬送用テーブルTが載置面PSに対して下降し、所望の位置に静置される。よって、搬送用テーブルTに載置されたワークWが所望の位置に静置される。
【0018】
次に、搬送用ユニット100についてさらに説明する。図2は、搬送用ユニットの全体断面図である。図3は、(a)は第1ピストンの断面図であり、(b)は第2ピストンの断面図である。図4は、ピストン収容躯体を示す図であり、(a)はピストン収容躯体の側面図であり、(b)はピストン収容躯体の平面図である。図5は、第1蓋部及び第1ピストンの分解断面図である。図6は、第2蓋部、第2ピストン、伸縮部材、第1支持部、第2支持部の分解断面図である。
【0019】
(2)全体構成
搬送用ユニット100は、図2に示すように、ピストン収容躯体10と、ワークWを所望の搬送方向に沿って所望の位置に搬送可能するための複数の第1ピストン20と、所望の位置に位置決めされたワークWを当該所望の位置に保持させるための複数の第2ピストン30と、を備える。ピストン収容躯体10は、複数の第1ピストン20及び複数の第2ピストン30を収容するために、複数の第1ピストン収容部11a及び複数の第2ピストン収容部11bを有している。各第1ピストン収容部11aは、各第1ピストン20をスライド可能に収容する。各第2ピストン収容部11bは、各第2ピストン30をスライド可能に収容する。
【0020】
複数の第1ピストン20及び複数の第2ピストン30のピストン収容躯体10から下方への突出長さを制御することにより、ピストン収容躯体10とともにワークWを搬送可能とするとともに(搬送可能状態)、また、ワークWを所望の位置に保持可能とし(位置保持状態)、またワークWを所望の位置に静置可能とする(静置状態)。
【0021】
搬送用ユニット100は、さらに、複数の第1ピストン収容部11aそれぞれを封止する複数の第1蓋部40と、複数の第2ピストン収容部11bそれぞれを封止する複数の第2蓋部50とを備える。また、搬送用ユニット100は、第2ピストン30のスライドを補助する伸縮部材60と、伸縮部材60を支持する第1支持部70及び第2支持部80と、を備える。
【0022】
(3)各部の構成
以下に、各部の構成についてさらに説明する。
【0023】
図2等に示すように、ピストン収容躯体10の延びる方向を左右方向とし、左右方向に直交して第1ピストン20及び第2ピストン30が進退する方向を上下方向とする。また、左右方向及び上下方向に直交する方向を前後方向とする。
【0024】
(3-1)ピストン収容躯体
図2に示すように、ピストン収容躯体10は左右方向に延びた直方体状であり、第1面S1が上側であり、第2面S2が下側である。ピストン収容躯体10は、右側の第1端部15aと、左側の第2端部15bとを有する。第1端部15aには第1供給口12a及び第2供給口12bが上下方向に並んで形成されている。第1供給口12aには第1ピストン20を上下動させるための気体及び液体等の流体が供給される。第2供給口12bには第2ピストン30を上下動させるための流体が供給される。図1の場合、第1供給口12aは第1面S1側に形成されており、第2供給口12bは第2面S2側に形成されており、第1供給口12aは第2供給口12bよりも上側に形成されている。本実施の形態では、第1供給口12aの左側先端には後述の第1貫通路14aが連続している。また、第2供給口12bの左側先端には後述の第2貫通路14bが連続している。
【0025】
また、ピストン収容躯体10には複数の第1ピストン収容部11a及び複数の第2ピストン収容部11bが形成されている。各第1ピストン収容部11a及び各第2ピストン収容部11bは、これに限定されないが、円筒形状の開口としてピストン収容躯体10に形成されている。各第1ピストン20及び各第2ピストン30は、各第1ピストン収容部11a及び各第2ピストン収容部11bの開口と同様に略円柱形状に形成されている。そして、各第1ピストン収容部11aは、各第1ピストン20をスライド可能に収容する。具体的に、各第1ピストン収容部11aは、その内面が各第1ピストン20の外面と当接しており、その内面を各第1ピストン20が上下に摺動可能な状態で各第1ピストン20を収容する。また、各第2ピストン収容部11bは、各第2ピストン30をスライド可能に収容する。具体的に、各第2ピストン収容部11bは、その内面が各第2ピストン30の外面と当接しており、その内面を各第2ピストン30が上下に摺動可能な状態で各第2ピストン30を収容する。なお、第1ピストン収容部11aの形状と第2ピストン収容部11bの形状とは同一形状であることが好ましい。
【0026】
ピストン収容躯体10において、複数の第1ピストン収容部11aは、搬送方向(本実施の形態では水平方向)の面内において均一に分散して配置されていると好ましい。また、複数の第2ピストン収容部11bもまた搬送方向の面内において均一に分散して配置されていると好ましい。この第1ピストン収容部11aに収容される複数の第1ピストン20もまた水平方向の面内において概ね均一に分散して配置されるため、複数の第1ピストン20によりワークWが概ね均一に支持される。よって、第1ピストン20によりワークWを搬送する際に水平方向からの傾きを抑制することができる。
【0027】
また、第2ピストン20を収容する第2ピストン収容部11bは、ピストン収容躯体10の少なくともいずれか一方の端部に位置することが好ましい。
【0028】
互いに隣接する第1ピストン収容部11aと第2ピストン収容部11bとの間、互いに隣接する第1ピストン収容部11aどうしの間には、連結部13が位置している。連結部13は、互いに隣接する第1ピストン収容部11aと第2ピストン収容部11bとを仕切る壁である。また、連結部13は、互いに隣接する第1ピストン収容部11aどうしを仕切る壁でもある。2つの第2ピストン収容部11bどうしが互いに隣接している場合には、それらの間にも連結部13が位置している。
【0029】
連結部13には、連結部13を左右方向に貫通する第1貫通路14a及び第2貫通路14bが形成されている。第1貫通路14aは上下方向において第1供給口12aに対応する位置に形成されており、第1供給口12aに供給された流体を第2端部15bの方向へ通過させる。第2貫通路14bは上下方向において第2供給口12bに対応する位置に形成されており、第2供給口12bに供給された流体を第2端部15bの方向へ通過させる。
【0030】
(3-2)第1ピストン及び第1蓋部
各第1ピストン20は、第2面S2からの突出距離が変動可能なように第1ピストン収容部11a内に収容されている。各第1蓋部40は、各第1ピストン20が収容された状態で各第1ピストン収容部11aの第1面S1側を封止する。第1供給口12aから各第1ピストン収容部11a内に流体が供給されると、各第1ピストン20は各第1蓋部40から離れる方向に向かって押圧される。
【0031】
図3の(a)、図5に示すように、各第1ピストン20は、ボール保持具21と、カバー部材22と、メインボール23と、複数のサポートボール24と、を有する。第1ピストン20は第1ピストン収容部11aの形状に合わせて円柱形状に形成されている。
【0032】
ボール保持具21は、第1蓋部40とは反対側において、メインボール23を回転可能に保持している。ボール保持具21は、押圧部21aと、段差押圧部21bと、鍔部21cと、ボール収容部21dと、を有する。
【0033】
ボール収容部21dは、ボール保持具21の中央部に下方に開口する球面状凹部として形成されている。ボール収容部21dは、球状のメインボール23と、メインボール23よりも直径が小さい複数の球状のサポートボール24と、を収容する。具体的に、ボール収容部21dの内面であるサポートボール回転面21gには複数のサポートボール24が並んで配置されている。ボール収容部21dは、複数のサポートボール24を介してメインボール23を保持する。メインボール23の外面であるメインボール外周面23aは、複数のサポートボール24それぞれのサポートボール外周面24aと接する。ボール収容部21d内では、複数のサポートボール24が回転するとともにメインボール23が回転する。メインボール23が載置面PSと当接した状態で回転する場合、搬送用ユニット100は所望の搬送方向に沿って所望の位置にスムーズに搬送される。
【0034】
特に、メインボール23が球状であるため、メインボール23と載置面PSとの接触面積が小さく抑えられるため、ボール収容部21d内においてメインボール23が回転しやすく、結果として搬送用ユニット100がスムーズに搬送される。さらに、メインボール外周面23aとサポートボール回転面21gとの間に複数のサポートボール24が配置されているため、メインボール23に負荷される荷重は、メインボール23と載置面PSとの接触点だけでなく、メインボール23と複数のサポートボール24との接触点においても分散される。よって、ボール収容部21dにおいてメインボール23をスムーズに回転させることができるため、搬送用ユニット100を所望の位置にスムーズに搬送することができる。
【0035】
ボール収容部21dの外周部には、第1カバー受け部21e及び第2カバー受け部21fが形成されている。第1カバー受け部21e及び第2カバー受け部21fは、カバー部材22が外側から嵌め込まれて係止される部分である。第1カバー受け部21eは、ボール収容部21dの先端部である。第2カバー受け部21fは、第1カバー受け部21eよりも第1蓋部40側の段差部である。ボール収容部21dの外周面のうち第1カバー受け部21eと第2カバー受け部21fとの間には、リング状のリングバネRSを嵌めるためのバネ用溝SGが形成されている。
【0036】
押圧部21aは、第1供給口12aからの流体により押圧される。押圧部21aは、ボール保持具21においてボール収容部21dとは上下方向(第1ピストン20が上下動する方向)の反対側に形成されている。押圧部21aは、上下方向視において円柱形状に形成されている。押圧部21aは第1蓋部40の第1ピストン当接面42aと当接する押圧面21a1を有している。押圧面21a1は、押圧部21aが第1供給口12aからの流体により押圧されていない場合に、第1ピストン当接面42aと密着可能な形状であると好ましい。
【0037】
段差押圧部21bは、押圧部21aとともに第1供給口12aからの流体により押圧される。段差押圧部21bは、押圧部21aに対してボール収容部21d側に連続しており、押圧部21aよりも直径が大きい円柱形状である。段差押圧部21bは、押圧部21aに対してボール収容部21d側に凹んでいる。よって、押圧部21aと段差押圧部21bとにより段差部21hが形成されている。段差部21hにより、押圧部21aが第1蓋部40と当接している場合でも、第1供給口12aから供給される流体が導入される第1流体空間10aが形成されている。第1流体空間10aは第1貫通路14aと連通している。段差押圧部21bには、外周面に第1OリングOR1を嵌めるための第1Oリング収容溝HO1が形成されている。
【0038】
鍔部21cは、第1ピストン20が第1ピストン収容部11aから抜け出るのを阻止する。鍔部21cは、段差押圧部21bの第1Oリング収容溝HO1に対してボール収容部21d側に連続しており、第1Oリング収容溝HO1よりも大きい直径を有して外方に突出するように形成されている。
【0039】
カバー部材22は、ボール保持具21の先端に取り付けられ、メインボール23及びサポートボール24がボール保持具21から抜け出るのを阻止する。カバー部材22は、カバー篏合部22aと、ボール抜止部22bと、を有する。
【0040】
カバー篏合部22aは、ボール収容部21dの外周部に嵌まり込むことが可能なように円筒形状に形成されている。カバー篏合部22aの内周面にはリングバネRSを嵌めるための対向バネ用溝FSGが形成されている。対向バネ用溝FSGは、カバー部材22がボール保持具21に取り付けられた場合にバネ用溝SGと重なる位置に形成される。ボール抜止部22bは、メインボール23と当接可能なようにカバー篏合部22aから内径側に延びている。ボール保持具21にメインボール23及びサポートボール24が収容された状態でボール抜止部22bがボール保持具21に嵌め込まれた場合、ボール抜止部22bのカバー外面22cから外側には、メインボール23の半分未満の部分が露出している。
【0041】
図3の(a)、図5に示すように、各第1蓋部40は、第1リング取付部41と、第1ピストン当接部42と、外面部43と、を有する。第1蓋部40は第1ピストン収容部11aの形状に合わせて円形板状に形成されている。
【0042】
外面部43は、第1蓋部40が第1ピストン収容部11aに収容された状態で、第1ピストン収容部11aに対して外側に向く部分である。外面部43は円形板状に形成されている。第1リング取付部41は、外面部43に対してボール保持具21側に連続しており、外面部43よりも直径が大きい円形板状である。よって、外面部43と第1リング取付部41とは段差を形成している。この第1リング取付部41に対応して、第1ピストン収容部11aの内周面には第1スナップリングSR1が嵌め込まれる第1リング用溝RG1(図3の(a)、図4)が形成されている。また、第1ピストン当接部42は、第1リング取付部41に対してボール保持具21側に連続しており、第1リング取付部41よりも直径が小さい円形板状である。よって、第1ピストン当接部42と第1リング取付部41との段差により、第2OリングOR2が嵌め込まれる第2Oリング収容溝HO2が形成されている。この第2Oリング収容溝HO2に対応して、第1ピストン収容部11aの内周面には段差からなる第1蓋部取付部13a(図3の(a)、図4)が形成されている。
【0043】
上記のカバー部材22がボール保持具21の外側先端に取り付けられることで第1ピストン20が形成される。そして、第1ピストン20が第1ピストン収容部11aに収容された状態で第1蓋部40により第1ピストン収容部11aが封止される。
【0044】
この場合、カバー篏合部22aは、ボール収容部21dの外周を覆いつつ、第1カバー受け部21e及び第2カバー受け部21fに係止している。バネ用溝SG及び対向バネ用溝FSGにはリングバネRSが嵌め込まれている。この状態で第1ピストン20は、第1面S1側から第1ピストン収容部11aに収容されている。このとき、第1Oリング収容溝HO1には第1OリングOR1が嵌め込まれている。さらに、第1ピストン収容部11aの内周面には第2貫通路14bの上下それぞれに第7Oリング収容溝HO7及び第8Oリング収容溝HO8(図3の(a)、図4)が形成されている。第7Oリング収容溝HO7及び第8Oリング収容溝HO8それぞれには第7OリングOR7及び第8OリングOR8が嵌め込まれている。また、第1ピストン収容部11aの内周面には段差からなる第1ピストン抜止部13c(図3の(a)、図4)が形成されている。第1ピストン20の上下動に応じて、鍔部21cが第1ピストン抜止部13cに係止又は第1ピストン抜止部13cから離れる。鍔部21cが第1ピストン抜止部13cに係止することにより、第1ピストン20が第1ピストン収容部11aから突出する程度が規制されるとともに、第1ピストン収容部11aから抜け出るのが阻止される。
【0045】
また、第1蓋部40は、第1面S1側に開口する第1ピストン収容部11aを覆うように第1ピストン収容部11aに取り付けられる。このとき、第1蓋部40は、第1ピストン当接部42が第1ピストン収容部11a内に向くように第1ピストン収容部11aに取り付けられる。また、外面部43とピストン収容躯体10とは面一になっている。第1リング取付部41及び第1リング用溝RG1には第1スナップリングSR1が嵌め込まれており、かつ、第2Oリング収容溝HO2及び第1蓋部取付部13aには第2OリングOR2が嵌め込まれている。これにより、第1蓋部40は第1ピストン収容部11a内に固定されている。
【0046】
第1蓋部40の第1ピストン当接面42aと第1ピストン20の押圧面21a1とは当接可能となっている。押圧面21a1が第1ピストン当接面42aに当接している場合、第1ピストン20は第1ピストン収容部11a内に最も退避している。第1供給口12aから流体が供給されると、まず、第1貫通路14aを介して、第1流体空間10aのうち第1蓋部40及び段差部21hに囲まれる部分に流体が供給される。この流体の供給によって当該囲まれる部分の流体の圧力が高まり、段差押圧部21bが第1蓋部40とは反対側に押圧される。第1供給口12aからさらに流体が供給されると、押圧部21aが第1ピストン当接部42から離れるに従って、第1流体空間10aが第1蓋部40と段差部21hとの間だけでなく第1蓋部40と押圧部21aとの間にも拡大する。この第1流体空間10aの拡大により、第1ピストン20は第2面S2側において第1ピストン収容部11aから外側に向かうように突出する。そして、鍔部21cが第1ピストン抜止部13cに係止されるまで、第1ピストン20は第1ピストン収容部11aから外側に突出する。第1流体空間10aへの流体の供給が制御されることにより、第1ピストン20の第2面S2からの突出の程度が制御される。
【0047】
(3-3)第2ピストン、第2蓋部、第1支持部、第2支持部及び伸縮部材
各第2ピストン30は、第2面S2からの突出距離が変動可能なように第2ピストン収容部11b内に収容されている。各第2蓋部50は、各第2ピストン30が収容された状態で各第2ピストン収容部11bの第1面S1側を封止する。第1支持部70及び第2支持部80は、第2ピストン30と第2蓋部50とに伸縮部材60を掛け渡す。第2供給口12bから各第2ピストン収容部11b内に流体が供給されると、各第2ピストン30は各第2蓋部50から離れる方向に向かって押圧される。
【0048】
図3の(b)、図6に示すように、各第2ピストン30は、位置保持部31と、第2ピストン脚部32と、第2支持部止め部33と、第2支持部取付部34と、第2蓋部対向部35と、を有する。第2ピストン30は第2ピストン収容部11bの形状に合わせて円筒形状に形成されている。具体的に、位置保持部31、第2支持部止め部33、第2支持部取付部34及び第2蓋部対向部35は、この順で第2蓋部50側に連続しており、これらの中央部に頭部篏合孔30a、軸部貫通孔30b及び第2支持部用孔30cが形成されることにより円筒形状に形成されている。さらに、第2ピストン脚部32が第2蓋部対向部35の第2蓋部50側に連続しており、後述の第2流体空間10bを形成するように円筒形状に形成されている。
【0049】
位置保持部31は、載置面PSと当接して搬送用ユニット100を所望の位置に保持するとともに静置する。位置保持部31は、第2ピストン30のうち最も先端部であり、載置面PSと対向している。位置保持部31は、載置面PSと直接に当接可能な位置保持面31aを有する。位置保持面31aは載置面PSに沿った平面である。これにより位置保持面31aと載置面PSとの接触面積を大きく確保することができ、位置保持状態において位置保持面31aが載置面PSと接触する場合には搬送用ユニット100の移動が阻止されて所望の位置に保持される。また、静置状態では、位置保持面31aが載置面PSと接触して搬送用ユニット100が位置保持された状態で搬送用ユニット100が下降することにより搬送用ユニット100が所望の位置に静置される。位置保持部31の中央部には後述の第2ネジ部82の頭部82aが嵌め込まれる頭部篏合孔30aが形成されている。
【0050】
第2支持部止め部33は、後述の第2支持部80を第2ピストン30に支持止めする。第2支持部止め部33の中央部には第2ネジ部82の軸部82bの一部が嵌め込まれる軸部貫通孔30bが形成されている。第2支持部止め部33の内径は位置保持部31の内径よりも小径であり、第2支持部止め部33は位置保持部31よりも内径側に延びている。
【0051】
第2支持部取付部34は、後述の第2支持部80の第2支持本体部81が取り付けられる。第2蓋部対向部35は、第2ピストン収容部11bに第2ピストン30及び第2蓋部50が収容された状態で、第2蓋部50に面して対向する部分である。第2支持部取付部34及び第2蓋部対向部35の中央部には、第2支持本体部81を取り付けるための第2支持部用孔30cが形成されている。第2支持部取付部34及び第2蓋部対向部35の内径は第2支持部止め部33の内径よりも大径である。
【0052】
第2ピストン脚部32は、第2蓋部対向部35から第2蓋部50に向かって連続しており、第2蓋部50に当接可能に延びている。第2ピストン脚部32の内径は第2蓋部対向部35の内径よりも大径である。そして、少なくとも第2ピストン脚部32と第2蓋部50と第2蓋部対向部35とに囲まれる空間により、第2供給口12bから供給される流体が導入される第2流体空間10bが形成されている。また、第2ピストン脚部32には左右方向に貫通する第2ピストン連通路32aが形成されている。第2ピストン連通路32aは、少なくとも一部において第2貫通路14bと連通している。第2ピストン連通路32a及び第2貫通路14bにより、隣接する第2流体空間10bを連通するための第2連通路92が形成されている。第2ピストン連通路32aと第2貫通路14bとは、第2ピストン30が第2ピストン収容部11b内を上下動しても連通するように構成されている。本実施の形態では、第2貫通路14bは、第2ピストン連通路32aと接する部分において、上下方向の長さが大きくなっている。また、第2ピストン脚部32には、第2ピストン30の上下動を規制するために外向きに折れ曲がった脚部先端部32bが設けられている。
【0053】
図3の(b)、図6に示すように、各第2蓋部50は、第2リング取付部51と、第3リング取付部52と、第2ピストン当接部53と、第1支持部取付部54と、を有する。第2蓋部50は第2ピストン収容部11bの形状に合わせて円筒形状に形成されている。
【0054】
第2リング取付部51及び第3リング取付部52は、第2蓋部50が第2ピストン収容部11bに収容された状態で、第2ピストン収容部11bの外側に面する部分である。第3リング取付部52は、第2蓋部50の中心部に円形状の凹部として形成されている。第2リング取付部51は、第3リング取付部52を取り囲むように同心円状の凹部として形成されている。第2リング取付部51と第3リング取付部52との間には取付壁51aが立設されている。第2リング取付部51に対応して、第2ピストン収容部11bの内周面には第2スナップリングSR2が嵌め込まれる第2リング用溝RG2(図3の(b)、図4)が形成されている。
【0055】
第1支持部取付部54は、第2リング取付部51及び第3リング取付部52に対して第2ピストン30側に連続しており、後述の第1支持部70を第2ピストン30に支持止めする。第1支持部取付部54には、中央部に第1支持部70の一部が挿通される第1支持部用小径孔50bが形成されている。第1支持部取付部54の外面には、第4OリングOR4が嵌め込まれる第4Oリング収容溝HO4が形成されている。この第4Oリング収容溝HO4に対応して、第2ピストン収容部11bの内周面には段差からなる第2蓋部取付部13b(図3の(b)、図4)が形成されている。さらに、第1支持部取付部54の外面には、第4Oリング収容溝HO4に対して第2ピストン30側に、蓋連通路50aが形成されている。蓋連通路50aは第1貫通路14aと連通している。蓋連通路50a及び第1貫通路14aにより、隣接する第1流体空間10aを連通するための第1連通路91が形成されている。
【0056】
第2ピストン当接部53は、第2ピストン30の第2ピストン脚部32が当接する部分である。第2ピストン当接部53は、第1支持部取付部54に対して第2ピストン30側に連続している。第2ピストン当接部53には、中央部に第1支持部70の一部が挿通される第1支持部用大径孔50cが形成されている。第1支持部用大径孔50cの直径は第1支持部用小径孔50bの直径より大きい。第2ピストン当接部53の外周面には、第3OリングOR3が嵌め込まれる第3Oリング収容溝HO3が形成されている。
【0057】
第1支持部70及び第2支持部80は、伸縮部材60を第2ピストン30と第2蓋部50との間で支持する。伸縮部材60は、位置保持部31を第2ピストン30の第2蓋部50の方向に引き込むための部材である。伸縮部材60は、例えばゴム及びバネ等の弾性部材である。伸縮部材60は、位置保持部31が自重により搬送用ユニット100の第2面S2側に下がることを防止する機能も有する。
【0058】
第1支持部70は、円筒形状の部材であり、第1後端部70aと、第1中段部70bと、蓋側係止部70cと、第1先端部70dと、を有する。第1後端部70a、第1中段部70b、蓋側係止部70c及び第1先端部70dは、順に第2ピストン30側に向かって連続している。第1後端部70aの外周面には、第3スナップリングSR3が嵌め込まれる第3リング用溝RG3が形成されている。第1中段部70bは、第1後端部70aと概ね同一の直径である。第1中段部70bの外周面には、第5OリングOR5が嵌め込まれる第5Oリング収容溝HO5が形成されている。蓋側係止部70cは、第1中段部70bよりも大径に形成されている。第1先端部70dは、蓋側係止部70cよりも小径に形成されており、外周面がねじ切りされている。
【0059】
第2支持部80は、伸縮部材60が取り付けられる第2支持本体部81と、第2支持本体部81を第2ピストン30に固定するための第2ネジ部82と、を有する。
【0060】
第2支持本体部81は、円筒形状の部材であり、第2後端部81aと、第2先端段差部81bと、第2先端部81cと、を有する。第2後端部81a、第2先端段差部81b及び第2先端部81cは、順に第2蓋部50側に向かって連続している。第2後端部81aの外周面には、第6OリングOR6が嵌め込まれる第6Oリング収容溝HO6が形成されている。第2先端段差部81bは、第2後端部81aよりも小径に形成されており、外周面がねじ切りされている。第2先端部81cは、第2先端段差部81bよりも小径に形成されている。第2後端部81a及び第2先端段差部81bの中央部には、第2後端部81aの後端において開口する第2ネジ孔81dが形成されている。第2ネジ孔81dの内周面はねじ切りされている。
【0061】
第2ネジ部82は、頭部82aと、頭部82aよりも小径であり頭部82aに連続する軸部82bと、を有する。
【0062】
上記の第1支持部70の第1先端部70dと第2支持部80の第2支持本体部81の第2先端部81cとを対向させた状態で、第1先端部70dのねじ切り部分に伸縮部材60の一端60aを係止し、第2支持部80の第2先端段差部81bのねじ切り部分に伸縮部材60の他端60bを係止する。そして、第2支持本体部81が第2ピストン30の第2支持部用孔30cに嵌め込まれる。このとき、第2後端部81aが第2支持部取付部34に嵌め込まれており、第6Oリング収容溝HO6には第6OリングOR6が嵌め込まれている。第2先端段差部81bと第2蓋部対向部35との間には隙間があることから、伸縮部材60が係止された第2先端段差部81bがスムーズに第2蓋部対向部35内に挿入可能である。そして、第2ネジ部82の軸部82bが第2ピストン30の軸部貫通孔30bに挿通されるとともに、第2支持本体部81の第2ネジ孔81dにねじ込まれる。また、第2ネジ部82の頭部82aが第2ピストン30の頭部篏合孔30a嵌め込まれる。これにより、第2支持部止め部33を第2ネジ部82の頭部82aと第2支持本体部81の第2後端部81aとに挟み込み、第2支持部80を第2ピストン30に固定する。
【0063】
前述のように組み立てた第2ピストン30、第1支持部70、第2支持部80及び伸縮部材60は、第1面S1側から第2ピストン収容部11bに収容される。ここで、第2ピストン収容部11bの内周面には第2貫通路14bの下に第9Oリング収容溝HO9(図3の(b)、図4)が形成されている。第9Oリング収容溝HO9には第9OリングOR9が嵌め込まれている。また、第2ピストン収容部11bの内周面には段差からなる第2ピストン抜止部13d(図3の(b)、図4)が形成されている。第2ピストン30の上下動に応じて、第2ピストン脚部32の脚部先端部32bが第2ピストン抜止部13dに係止又は第2ピストン抜止部13dから離れる。脚部先端部32bが第2ピストン抜止部13dに係止することにより、第2ピストン30が第2ピストン収容部11bから突出する程度が規制されるとともに、第2ピストン収容部11bから抜け出るのが阻止される。このとき、第2支持本体部81は第2ピストン30に取り付けられているが、第1支持部70は伸縮部材60を介して第2支持本体部81につながれているのみである。
【0064】
次に、第2ピストン30が第2ピストン収容部11bに収容された状態で、第1面S1側に開口する第2ピストン収容部11bを覆うように第2蓋部50が取り付けられる。第2蓋部50は、第2ピストン当接部53が第2ピストン収容部11b側に向くように第2ピストン収容部11bに取り付けられる。第2リング取付部51及び第2リング用溝RG2には第2スナップリングSR2が嵌め込まれており、かつ、第4Oリング収容溝HO4及び第2蓋部取付部13bには第4OリングOR4が嵌め込まれている。さらに、第3Oリング収容溝HO3には第3OリングOR3が嵌め込まれている。これにより、第2蓋部50は第2ピストン収容部11b内に固定されている。
【0065】
さらに、伸縮部材60の一端60aが第1先端部70dに取り付けられた状態で、第1支持部70を第1後端部70a側から第2蓋部50の第1支持部用大径孔50c及び第1支持部用小径孔50bに挿入する。第1支持部70の第1中段部70bと第2蓋部50の第1支持部取付部54とが密接しつつ、第1支持部70の蓋側係止部70cが第2蓋部50の第1支持部取付部54に係止する。この状態で、第3リング取付部52及び第3リング用溝RG3には第3スナップリングSR3が嵌め込まれ、かつ、第5Oリング収容溝HO5には第5OリングOR5が嵌め込まれる。これにより、伸縮部材60が、第1支持部70及び第2支持部80により第2蓋部50と第2ピストン30との間に掛け渡される。
【0066】
第2蓋部50の第2ピストン当接部53と第2ピストン脚部32とは当接可能となっている。第2ピストン脚部32が第2ピストン当接部53に当接している場合、第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内に最も退避している。第2供給口12bから流体が供給されると、第2貫通路14bから第2ピストン連通路32aを介して、第2蓋部50及び第2ピストン30に囲まれる第2流体空間10bに流体が供給される。この流体の供給により第2流体空間10bの流体の圧力が高まり、第2ピストン30が第2蓋部50とは反対側に押圧される。このとき、伸縮部材60は伸長するため、第2ピストン30は第2蓋部50に向かう付勢力を伸縮部材60から受ける。第2供給口12bからさらに流体が供給されると、第2流体空間10bが拡大する。この第2流体空間10bの拡大により、第2ピストン30は第2面S2側において第2ピストン収容部11bから外側に向かうように突出する。そして、脚部先端部32bが第2ピストン抜止部13dに係止されるまで、第2ピストン30は第2ピストン収容部11bから外側に突出する。
【0067】
なお、第1流体空間10aへの流体の供給により第2ピストン30がピストン収容躯体10から突出する高さは、第1ピストン20がピストン収容躯体10から突出する高さよりも高いことが好ましい。
【0068】
(4)搬送用テーブルユニットの動きのフロー
次に、本実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットTunitの動きのフローについて説明する。
本実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットTunitでは、図1図7Aに示すように、搬送用ユニット100は、その第1面S1が凹部底面T1aに当接した状態で搬送用テーブルTに固定される。そして、躯体嵌込面FSが載置面PSに向くように搬送用テーブルユニットTunitが配置され、テーブル面TS上にワークWが載置される。この状態で、図7Aに示すように、搬送用ユニット100の第2面S2は、躯体嵌込面FSよりも凹部底面T1a側に位置している。
搬送用テーブルユニットTunitの動きは、(4-1)初期状態、(4-2)搬送可能状態、(4-3)位置保持状態、(4-4)静置状態、(4-5)終了状態が順に行われるものである。以下にそれぞれについて説明する。
【0069】
(4-1)初期状態
図7Aは、搬送用テーブルユニットの初期状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
初期状態では、第1供給口12a及び第2供給口12bには流体が供給されておらず、第1ピストン20及び第2ピストン30は第1ピストン収容部11a及び第2ピストン収容部11b内に最も退避している。このとき、搬送用テーブルTは載置面PSに載置されており、搬送用テーブルTの躯体嵌込面FSは載置面PSと面一である。ワークWは搬送用テーブルTのテーブル面TS上において載置面PSに対して静置されている。さらに説明すると次の通りである。
【0070】
第1ピストン20側については、第1供給口12aに流体が供給されないため、第1蓋部40及び段差部21h(図3の(a))に囲まれる第1流体空間10aに流体が供給されていない。第1ピストン20は第1蓋部40に当接しており、押圧面21a1(図5)が第1ピストン当接面42a(図5)に当接している。そして、第1ピストン20は第1ピストン収容部11a内において最も上方に退避している。このとき、第1ピストン20のメインボール23の頂点23bは躯体嵌込面FSに対して上方に位置しており、当該頂点23bの躯体嵌込面FSからの上向きの高さはh1である。つまり、メインボール23は躯体嵌込面FSよりも下方に突出していない。
【0071】
さらに、第2供給口12bに流体が供給されないため、第2蓋部50及び第2ピストン30に囲まれる第2流体空間10bに流体が供給されていない。第2ピストン30の第2ピストン脚部32が第2蓋部50の第2ピストン当接部53に当接しており、第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内において最も上方に退避している。このとき、第2ピストン30の位置保持部31の位置保持面31aは躯体嵌込面FSに対して上方に位置しており、位置保持面31aの躯体嵌込面FSからの上向きの高さはh1である。つまり、位置保持部31は躯体嵌込面FSよりも下方に突出していない。ここでは、メインボール23の頂点23bの躯体嵌込面FSからの上向きの高さと位置保持面31aの躯体嵌込面FSからの上向きの高さとを同一のh1としたが、これに限られない。
【0072】
(4-2)搬送可能状態
図7Bは、搬送用テーブルユニットの搬送可能状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
搬送可能状態では、第1供給口12aには流体が供給されており、第2供給口12bには流体が供給されていない。このとき、第1ピストン20によりワークWは載置面PSに対して搬送可能となる。さらに説明すると次の通りである。
【0073】
第1ピストン20側については、第1供給口12aに流体が供給されることにより、まず、第1貫通路14aを介して、第1流体空間10aのうち第1蓋部40及び段差部21hに囲まれる部分に流体が供給される(図3の(a))。第1供給口12aにさらに流体が供給されることにより、押圧部21a及び段差押圧部21bが第1蓋部40とは反対側に押圧されて第1流体空間10aが拡大することにより、第1ピストン20は載置面PS側に押圧される。最終的には、第1ピストン20の鍔部21cが第1ピストン抜止部13cに係止されるまで、第1ピストン20は載置面PS側に押圧される。これにより、第1ピストン20のメインボール23の頂点23bが躯体嵌込面FSから下方に突出する。よって、搬送用テーブルT等(搬送用テーブルT、ピストン収容躯体10、搬送用ユニット100、搬送用テーブルユニットTunit、あるいは、ワークWが載置された搬送用テーブルユニットTunit等)がメインボール23によって上方に向かって支持されて持ち上げられる。このとき、メインボール23の頂点23bは載置面PSと当接しており、メインボール23は載置面PSに対して回転可能となっている。メインボール23の頂点23bが躯体嵌込面FSから載置面PS側に(下側に)突出する高さ(搬送用テーブルTの載置面PSからの高さ)はh2である。つまり、搬送用テーブルT等が載置面PSから持ち上げられる高さはh2である。
【0074】
なお、第1供給口12aに供給された流体は、第1貫通路14a及び第1連通路91を介して互いに隣接する第1流体空間10aに供給される。これにより、複数の第1流体空間10aに流体が供給され、複数のメインボール23の頂点23bが載置面PSと当接する。
【0075】
一方、第2供給口12bに流体が供給されないため、図7Aと同様に第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内に最も退避している。このとき、第2ピストン30の位置保持面31aの躯体嵌込面FSからの上向きの高さは初期状態と同じh1である。なお、位置保持面31aの載置面PSからの上向きの高さはh3であり、高さh2と高さh1との合計に概ね一致する。よって、位置保持部31は躯体嵌込面FSよりも下方に突出しておらず、位置保持面31aは載置面PSと当接していない。
【0076】
以上の通り、搬送可能状態では、第1ピストン20の複数のメインボール23が躯体嵌込面FSから載置面PS側に突出して載置面PSに対して回転可能となることにより、搬送用テーブルT等が持ち上げられた状態で搬送可能となる。さらに、第2ピストン30の位置保持面31aが載置面PSと当接してないことから、第2ピストン30によるワークWの位置保持動作を除外しつつ、第1ピストン20によりワークWを所望の位置にスムーズに搬送可能とすることができる。
【0077】
また、搬送可能状態では、第1連通路91を介して複数の第1流体空間10aに一度に流体を供給することができるため、複数の第1ピストン20の協働によりワークWを所望の位置にスムーズに搬送することができる。
【0078】
なお、第1供給口12aには、複数の第1ピストン20により搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計を持ち上げる力F1を確保するために必要な圧力で流体が供給されている。力F1は搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計より大きい(力F1>搬送用テーブルユニットTunit+ワークWの重量の合計)。
【0079】
(4-3)位置保持状態
図7Cは、搬送用テーブルユニットの位置保持状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
位置保持状態では、搬送可能状態に引き続いて第1供給口12aに流体が供給されたまま、第2供給口12bに流体が供給されることにより、所望の位置において位置決めされたワークWを所望の位置に保持可能である。
【0080】
第1ピストン20側については、搬送可能状態と同様に第1ピストン20が載置面PS側に押圧されている。これにより、搬送用テーブルT等が第1ピストン20により持ち上げられたままである。このとき、メインボール23の頂点23bは載置面PSと当接しており、メインボール23の頂点23bの載置面PS側に突出する高さは搬送可能状態と同様のh2のままである。
【0081】
第2ピストン30側については、第2供給口12bに流体が供給されることにより、第2貫通路14bから第2ピストン連通路32aを介して、第2蓋部50及び第2ピストン30に囲まれる第2流体空間10bに流体が供給される。第2供給口12bにさらに流体が供給されることにより第2流体空間10bが拡大し、第2ピストン30は載置面PS側に押圧される。このとき、伸縮部材60が伸長するため(伸長状態)、第2ピストン30は第2蓋部50に向かう付勢力(載置面PSとは反対側に向かう付勢力)を伸縮部材60から受ける。そして、最終的には、第2ピストン30の位置保持部31の位置保持面31aは載置面PSに当接する。
【0082】
なお、第2供給口12bに供給された流体は、第2貫通路14b及び第2連通路92を介して互いに隣接する第2流体空間10bに供給される。これにより、複数の第2流体空間10bに流体が供給され、複数の第2ピストン30の位置保持面31aが載置面PSと当接する。
【0083】
以上の通り、位置保持状態では、第2ピストン30が第2流体空間10bの流体に押圧され、位置保持面31aが載置面PSに当接する。この当接により、所望の位置において位置決めされた搬送用テーブルT等を所望の位置に保持することができる。具体的に、第2ピストン30と載置面PSとの間の摩擦により、搬送用テーブルT等は載置面PSに対して移動することを阻害される。そのため、搬送用テーブルT等を第2ピストン30により位置ずれを抑制しつつ所望の位置に保持することができる。また、位置保持状態では、搬送可能状態に引き続いて複数のメインボール23が躯体嵌込面FSから載置面PS側に突出することにより搬送用テーブルT等が持ち上げられたままである。これにより、搬送可能状態から位置保持状態に亘って搬送用テーブルT等の載置面PSからの高さの変動を抑制することができるため、高さの変動による搬送用テーブルT等の位置ずれも抑制することができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、複数の第2ピストン30の位置保持面31aが載置面PSに対して加える力F2は、搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計より小さい。力関係は、力F1>搬送用テーブルユニットTunit+ワークWの重量の合計>力F2である。よって、主として複数の第1ピストン20により搬送用テーブルT等が持ち上げられており、複数の第2ピストン30のみにより搬送用テーブルユニットTunit及びワークWを持ち上げることはできない。そのため、搬送可能状態から位置保持状態に移行しても躯体嵌込面FSと載置面PSとの間の高さはh2のままであり、搬送用テーブルTの載置面PSからの高さ位置は維持されている。このとき、第2ピストン30の位置保持面31aが躯体嵌込面FSから載置面PS側に突出する高さはh2である。
【0085】
(4-4)静置状態
図7Dは、搬送用テーブルユニットの静置状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
静置状態では、位置保持状態に引き続いて第2供給口12bへの流体の供給は継続されたまま、第1供給口12aへの流体の供給が停止される。これにより、搬送用テーブルTは載置面PSに載置され、ワークWは搬送用テーブルT上において載置面PSに対して静置される。さらに説明すると次の通りである。
【0086】
第1ピストン20側については、第1供給口12aへの流体の供給が停止されるため、第1流体空間10a内の流体による第1ピストン20の載置面PS側への押圧がなくなる。
一方、第2ピストン30側については、位置保持状態と同様に第2供給口12bに流体が供給されているものの、第2流体空間10bからの流体による載置面PS側への押圧によっては複数の第2ピストン30は搬送用テーブルT等を持ち上げた状態を維持することができない。ただし、第2流体空間10bに供給され続けている流体による圧力の範囲内において、つまり前述の力F2の範囲内において、第2ピストン30は搬送用テーブルT等を支持している。
【0087】
このような状態により、第1ピストン20は、搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計により、載置面PSとは反対側に押し戻される。これにより、搬送用テーブルTは載置面PSに載置され、搬送用テーブルTの躯体嵌込面FSは載置面PSと面一となる。このとき、第1ピストン20のメインボール23の頂点23bは自重により載置面PSと当接しているにすぎず、第1ピストン20は、搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計を支えつつ搬送用テーブルT等を搬送可能な状態とすることはできない。このように静置状態では、第1ピストン20による搬送用テーブルT等の搬送を排除して搬送用テーブルT等を静置させることができる。
【0088】
このとき、第2ピストン30は、位置保持状態に引き続いて載置面PS側に押圧されており、位置保持面31aが載置面PSに当接している。そして、第2ピストン30は、搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計により載置面PSとは反対側に押し戻される。このように第2ピストン30が載置面PSとは反対側に向かうのは、第2ピストン30が搬送用テーブルユニットTunit及びワークWの重量の合計より小さい前述の力F2により支持しているためである。
【0089】
(4-5)終了状態
図7Eは、搬送用テーブルユニットの終了状態を示すフロー図であり、(a)は搬送用テーブルユニット全体の側面図、(b)は一部拡大模式図である。
終了状態では、静置状態に引き続いて第1供給口12aへの流体を停止したまま、第2供給口12bへの流体の供給を停止する。これにより、静置状態と同様に搬送用テーブルTは引き続いて載置面PSに載置されており、搬送用テーブルTの躯体嵌込面FSは載置面PSと面一となっている。
【0090】
第2供給口12bへの流体の供給が停止されることにより、第2流体空間10b内の流体による第2ピストン30の載置面PS側への押圧がなくなる。このとき、第2ピストン30は、第2蓋部50に向かう付勢力(載置面PSとは反対側に向かう付勢力)を伸縮部材60から受けており、第2蓋部50側に向かう。これにより、第2ピストン30の第2ピストン脚部32が第2蓋部50の第2ピストン当接部53に当接する。そして、伸縮部材60は収縮状態となる。このとき、第2ピストン30の位置保持面31aの躯体嵌込面FSからの高さは、初期状態と概ね同一のh1であり、位置保持部31は躯体嵌込面FSよりも下方に突出していない。
【0091】
前述の通り、終了状態では伸縮部材60の付勢力により伸縮部材60は第2ピストン収容部11b内において第2蓋部50側に退避する。よって、第2ピストン30によるワークWの位置保持動作を即座に解除することができる。そのため、終了状態から搬送可能状態に移行した場合に、ワークWの搬送が第2ピストン30により妨害されず、即座に第1ピストン20によりワークWを所望の位置にスムーズに搬送可能とすることができる。
【0092】
(4-5)終了状態の後、(4-1)初期状態に戻ってもよいし、あるいは(4-2)搬送可能状態に戻ってもよい。
【0093】
以上の通り、搬送用テーブルユニットTunitの動作には、ワークWを所望の位置に静置するための静置状態が備えられているため、たとえワークWの重心位置の変動が生じても位置ずれを抑制して所望の位置にワークWを静置することができる。例えば、ワークWの重心位置はワークW内の重量が重いほうに偏っている。この場合、搬送したワークWを所望の位置に搬送し、位置決めした後に載置面PS等に静置する際に、偏った重心位置の影響を受けてワークWは、搬送用テーブルユニットTunitが移動することにより所望の位置からずれて静置されてしまう可能性がある。このような場合でも、上記の構成によれば、位置保持状態において所望の位置に第2ピストン30により保持されていることにより、ワークWを静置状態において当該所望の位置に静置することができる。
【0094】
また、搬送用テーブルユニットTunitでは、第1ピストン20及び第2ピストン30のピストン収容躯体10からの突出高さの違いを利用するという構成により、ワークWの搬送及び所望の位置における保持を実現することができる。つまり、搬送可能状態では、第1ピストン20を第2ピストン30よりもピストン収容躯体10から突出させる。これにより、第2ピストン30によるワークWの位置保持動作を除外しつつ、第1ピストン20によりワークWを所望の位置にスムーズに搬送可能することができる。
【0095】
<第2の実施の形態>
この発明の第2の実施の形態に係る搬送用テーブルユニットについて説明する。図8は、この発明の第2の実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットの全体図である。第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、同一の構成について同一の符号を付し、説明を省略する。
【0096】
(1)構成
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは次の点が異なる。
第1の実施の形態では、搬送用テーブルTはテーブル面TSが上を向き、躯体嵌込面FSが下を向いて載置面PSと対向しており、凹部T1は載置面PSに向かって下向きに開口している。一方、第2の実施の形態では、搬送用テーブルTはテーブル面TSが下を向きに向いて載置面PSと接しており、躯体嵌込面FSが上を向いており、凹部T1は載置面PSとは反対側に向かって上向きに開口している。
【0097】
また、第1の実施の形態では、躯体嵌込面FSにおいて下向きに開口した凹部T1に搬送用ユニット100が嵌め込まれ、載置面PS側に向かって第1ピストン20及び第2ピストン30が突出するように構成されている。一方、第2の実施の形態では、躯体嵌込面FSにおいて上向きに開口した凹部T1に搬送用ユニット100が嵌め込まれ、載置面PSとは反対側の上向きに第1ピストン20及び第2ピストン30が突出するように構成されている。
【0098】
また、第1の実施の形態では、テーブル面TS上にワークWが載置され、搬送用ユニット100により搬送用テーブルTを搬送及び所望の位置に静置することによりワークWを搬送及び所望の位置に静置している。一方、第2の実施の形態では、テーブル面TSが載置面PSと接するように搬送用テーブルTが配置され、躯体嵌込面FS上にワークWが載置され、搬送用ユニット100自体によりワークWを搬送及び所望の位置に静置する。
【0099】
(2)搬送用テーブルユニットの動きのフロー
次に、本実施の形態にかかる搬送用テーブルユニットTunitの動きのフローについて説明する。搬送用テーブルユニットTunitの動きは、(2-1)初期状態、(2-2)搬送可能状態、(2-3)位置保持状態、(2-4)静置状態、(2-5)終了状態が順に行われるものである。図9の(a)は搬送用テーブルユニットの搬送可能状態を示すフロー図であり、(b)は搬送用テーブルユニットの位置保持状態を示すフロー図であり、(c)は搬送用テーブルユニットの静置状態を示すフロー図である。
【0100】
(2-1)初期状態
初期状態では、第1供給口12a及び第2供給口12bには流体が供給されていない。よって、第1ピストン20は第1蓋部40に当接しており、第1ピストン収容部11a内において最も下方に退避している。また、第2ピストン30の第2ピストン脚部32が第2蓋部50の第2ピストン当接部53に当接しており、第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内において最も下方に退避している。このとき、躯体嵌込面FSから第1ピストン20及び第2ピストン30は上方に突出しておらず、ワークWは躯体嵌込面FS上に載置されている。
【0101】
(2-2)搬送可能状態
搬送可能状態では、図9の(a)に示すように、第1供給口12aに流体が供給されており、第1ピストン20が躯体嵌込面FSよりも上に突出する。一方、第2供給口12bには流体が供給されておらず、第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内において最も下方に退避したままである。このとき、第1ピストン20のメインボール23の回転により、ワークWは搬送用テーブルTに対して搬送可能となる。
【0102】
(2-3)位置保持状態
位置保持状態では、図9の(b)に示すように、搬送可能状態に引き続いて第1供給口12aに流体が供給されたまま、第2供給口12bに流体が供給される。よって、第1ピストン20が躯体嵌込面FSよりも上に突出してワークWを支持するとともに、第2ピストン30がワークWの底面に当接することにより、所望の位置において位置決めされたワークWの位置ずれを抑制しつつ所望の位置に保持できる。
【0103】
(2-4)静置状態
静置状態では、図9の(c)に示すように、位置保持状態に引き続いて第2供給口12bに流体が供給されたまま、第1供給口12aへの流体の供給が停止される。よって、第1ピストン20は第1蓋部40に当接し、第1ピストン収容部11a内において最も下方に退避する。第2ピストン30はワークWの底面に当接しており、下方に押し戻される。このように下方に押し戻されるのは、第2ピストン30がワークWの重量より小さい力でワークWを支持しているためである。さらに言えば、静置状態では、第1ピストン20によるワークWの支持がなくなっても、第2ピストン30の位置保持部31とワークWとの摩擦力(μF2、μは摩擦係数)により保持されるため、ワークWを静置することができる。
【0104】
(2-5)終了状態
終了状態では、静置状態に引き続いて第1供給口12aへの流体の供給を停止したまま、第2供給口12bへの流体の供給を停止する。よって、第1ピストン20は第1ピストン収容部11a内において最も下方に退避したままであり、第2ピストン30は第2ピストン収容部11b内において最も下方に退避する。これにより、ワークWは躯体嵌込面FS上に静置されたままとなる。
【0105】
上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0106】
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
【0107】
(A)
上記実施の形態では、搬送用ユニット100は、複数の第1ピストン20及び複数の第2ピストン30を備える。しかし、搬送用ユニットは、少なくとも1つの第1ピストンと少なくとも1つの第2ピストンとを備えていればよい。
【0108】
(B)
第1ピストン20はワークWを搬送できる構成であればよく、球状のボールでなくてもよい。例えば、第1ピストンは搬送用のベルトであってもよい。
【0109】
(C)
上記第1の実施の形態では、搬送用ユニット100は搬送用テーブルTの躯体嵌込面FS(ここで下面)側に嵌め込まれており、ピストン収容躯体10の第1面S1(ここでは上面)の上方に搬送用テーブルTを介して間接的にワークWが載置されている。しかし、搬送用ユニットが搬送用テーブルに嵌め込まれることなく、搬送用ユニットの第1面(ここでは上面)に直接的にワークが載置されていてもよい。
【0110】
(D)
上記第2の実施の形態では、搬送用ユニット100は搬送用テーブルTの躯体嵌込面FS(ここでは上面)側に嵌め込まれており、ピストン収容躯体10の第1面S1(ここでは下面)は搬送用テーブルTを介して間接的に載置面PSと接触している。しかし、搬送用ユニット100が搬送用テーブルTに嵌め込まれることなく、搬送用ユニット100の第1面S1(ここでは下面)が直接的に載置面PSと接触していてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10 :ピストン収容躯体
10a、10b:第1、第2流体空間
11a、11b:第1、第2ピストン収容部
12a、12b:第1、第2供給口
13 :連結部
13a、13b:第1、第2蓋部取付部
13c、13d:第1、第2ピストン抜止部
14a、14b:第1、第2貫通路
15a :第1、第2端部
20 :第1ピストン
21 :ボール保持具
21a :押圧部
21a1 :押圧面
21b :段差押圧部
21c :鍔部
21d :ボール収容部
21e、21f:第1、第2カバー受け部
21g :サポートボール回転面
21h :段差部
22 :カバー部材
22a :カバー篏合部
22b :ボール抜止部
22c :カバー外面
23 :メインボール
23a :メインボール外周面
23b :頂点
24 :サポートボール
24a :サポートボール外周面
30 :第2ピストン
30a :頭部篏合孔
30b :軸部貫通孔
30c :第2支持部用孔
31 :位置保持部
31a :位置保持面
32 :第2ピストン脚部
32a :第2ピストン連通路
32b :脚部先端部
33 :第2支持部止め部
34 :第2支持部取付部
34b :頂点
35 :第2蓋部対向部
40 :第1蓋部
41 :第1リング取付部
42 :第1ピストン当接部
42a :第1ピストン当接面
43 :外面部
50 :第2蓋部
50a :蓋連通路
50b :第1支持部用小径孔
50c :第1支持部用大径孔
51 :第2リング取付部
51a :取付壁
52 :第3リング取付部
53 :第2ピストン当接部
54 :第1支持部取付部
60 :伸縮部材
60a :一端
60b :他端
70 :第1支持部
70a :第1後端部
70b :第1中段部
70c :蓋側係止部
70d :第1先端部
80 :第2支持部
81 :第2支持本体部
81a :第2後端部
81b :第2先端段差部
81c :第2先端部
81d :第2ネジ孔
82 :第2ネジ部
82a :頭部
82b :軸部
91 :第1連通路
92 :第2連通路
100 :搬送用ユニット
FS :躯体嵌込面
FSG :対向バネ用溝
HO1~HO9:第1~第9Oリング収容溝
OR1~OR9:第1~第9Oリング
PS :載置面
RG1~RG3:第1~第3リング用溝
RS :リングバネ
S1 :第1面
S2 :第2面
SG :バネ用溝
SR1~SR3:第1~第3スナップリング
T :搬送用テーブル
T1 :凹部
T1a :凹部底面
TS :テーブル面
Tunit :搬送用テーブルユニット
W :ワーク
【要約】
【課題】ワークを所望の位置に搬送し、ワークを所望の位置に静置することが可能な搬送用ユニットを提供する。
【解決手段】この発明に係る搬送用ユニット100は、第1ピストン20と、第2ピストン30と、を備え、第2ピストン30への流体の供給が停止されている状態で、第1ピストン20に流体が供給されることにより第1ピストン20によりワークWを所望の位置に搬送可能な搬送可能状態と、搬送可能状態に引き続いて第1ピストン20への流体の供給が継続されている状態で、所望の位置において位置決めされたワークWを第2ピストン30に流体が供給されることにより第2ピストン30よって所望の位置に保持可能な位置保持状態と、位置保持状態に引き続いて第2ピストン30への流体の供給が継続されている状態で、第1ピストン20への流体の供給が停止されることにより、ワークWを所望の位置に静置する静置状態と、を切り替え可能に構成されている。
【選択図】図7C
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9