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特許7378179光重合法による眼科用インプラントの製造のための材料
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  • 特許-光重合法による眼科用インプラントの製造のための材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】光重合法による眼科用インプラントの製造のための材料
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/16 20060101AFI20231106BHJP
   A61L 27/40 20060101ALI20231106BHJP
   A61F 2/16 20060101ALI20231106BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
A61L27/16
A61L27/40
A61F2/16
C08F290/06
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022565529
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 RU2019001046
(87)【国際公開番号】W WO2021137714
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】522260883
【氏名又は名称】リミテッド ライアビリティ カンパニー エンタープライズ “リパー-エヌエヌ”
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゾーンズ,ミハイル ミハイロビッヒ
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許第3323387(EP,B1)
【文献】国際公開第2015/012020(WO,A1)
【文献】特表2017-514964(JP,A)
【文献】特開平09-110947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00-33/18
A61F 2/16
C08F 290/06
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合法による眼科用インプラントの製造のための材料であって、
a)60~70重量%の、末端(メタ)アクリレートフラグメントを有するウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマーであって、以下の成分:(I)(メタ)アクリレート、(II)ジイソシアネート、及び(III)ポリオールから成るオリゴマーであり、以下の構造:
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´-{(ジイソシアネート´-ポリオール-ジイソシアネート´´)}-ヒドロキシ(メタ)アクリレート´´
を有し、
ここで、ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´のイソシアネート基の1つはそれぞれヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´に連結してウレタン結合を形成し、
ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´の残りのイソシアネート基は、それぞれポリオールのヒドロキシル基に連結してウレタン結合を形成し、
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´は同じであっても異なっていてもよく、
ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´は同じであっても異なっていてもよく、
ウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマー中のポリオールは、分岐鎖を有する任意の脂肪族ジオールであってもよく、またはその複数のものの混合物であってもよく、
b)20~40重量%の、側鎖に芳香族置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーの群からの成分であって、2-フェノキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジル-2-エチルアクリレート、フェニルメタクリレートのうちの少なくとも1つを含む成分、
c)5~25重量%の、側鎖に脂肪族分枝置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーの群からの成分であって、tert-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートのうちの少なくとも1つを含む成分、
d)ンゾフェノンもしくはベンゾトリアゾール系またはそれらの組み合わせのUV吸収化合物を含む少なくとも0.2重量%の重合性UVフィルタ、
e)0.1~1重量%の光重合開始剤、
f)0.005~0.5重量%のラジカル重合阻害剤であって、4-tert-ブチルピロカテコール、tert-ブチルヒドロキノン、1,4-ベンゾキノン、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、3,5-ジ-tert-ブチル-o-ベンゾキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、ハイドロキノン、4-メトキシフェノールのうちの少なくとも1つを含むラジカル重合阻害剤、
含む、光重合法による眼科用インプラントの製造のための材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料の分野に関し、具体的には、医療、特に眼科において使用される、白内障除去後の視力矯正を目的とした、光学眼科用インプラント、主に眼内レンズ(IOL)の製造のための材料に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の白内障手術における課題は、高い視覚機能を患者に提供し、術後期間に合併症を引き起こさない新規なIOLを作製することである。ほとんどの研究は、疎水性IOLを開発することを目的としており、これは、親水性レンズと比較し、それらが生分解に対してより耐性であること、術後期間に後嚢の濁りを引き起こす(二次白内障)可能性がより低いこと、液胞またはグレアを形成しないこと、設置前システムの使用により移植がより容易であること、といった多くの利点を有する。疎水性IOLのための設置前システムは、IOLが特殊な器具を使用してねじられることからなり、これにより、それを埋め込む際の切開を少なくすることができる。眼内では、IOLがそれ自体でまっすぐになり、正しい位置をとる。
【0003】
原則として、IOLは、一体構造を有し、光学部分および触覚エレメントからなる。触覚エレメントは、IOLが嚢の大きさに適合し、水晶体面内で圧縮されることを可能にする。
【0004】
先行技術
特許文献1に開示されているインプラントを製造するための材料は、従来技術で知られている(公開日02.10.2019、A61F2/16,C08G18/67,C08L75/16,C08G18/48,C08G18/76)。開示される材料は、光重合によって眼科用インプラントを製造するための組成物であって、それは以下からなる:
a)35~70重量%の、末端(メタ)アクリレートフラグメントを有するウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマーであって、以下の成分:(I)(メタ)アクリレート、(II)ジイソシアネート、(III)ポリオールから成り、以下の構造を有する:
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´-{(ジイソシアネート´-ポリオール-ジイソシアネート´´)}-ヒドロキシ(メタ)アクリレート´´、
ここで、ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´のイソシアネート基の一方は、それぞれヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´に連結してウレタン結合を形成し、
ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´の残りのイソシアネート基は、それぞれポリオールのヒドロキシル基に連結してウレタン結合を形成し、
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´は同じであっても異なっていてもよく、ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´は同じであっても異なっていてもよい。ウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマー中のポリオールは、分岐鎖を有する任意の脂肪族ジオールであってもよく、または複数のものの混合物であってもよい。
b)アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート、フッ素置換(メタ)アクリレート、ケイ素含有(メタ)アクリレート、非(メタ)アクリル系の不飽和カルボン酸の任意の芳香族または脂肪族エステル、ならびにこれらのモノマーの混合物などの(メタ)アクリレートモノマーの群からの30~65重量%の成分であり、芳香族フラグメントを有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、成分b)の含有量の少なくとも50重量%であり、
c)ベンゾフェノンもしくはベンゾトリアゾール系またはそれらの組み合わせのUV吸収化合物を含む重合性UVフィルタなどの、少なくとも0.2重量%のUV吸収成分、
d)重合開始剤。
【0005】
同時に、疎水性眼科用インプラントの製造に使用される生体適合性コポリマーに基づく特定の材料は、37Cで3.0重量%未満の平衡含水量を有する疎水性である一方、特定の生体適合性コポリマーの組成物中の(メタ)アクリル酸の含有量は、3重量%未満である。
【0006】
公知の特許による眼科用インプラントの製造は、以下の通りである。所定の形状およびサイズを有する完成品は、ガラス射出成形型間で光の影響下で既知の材料を硬化させることによって得られる。この方法では、完成品の光学純度、生体適合性および生体安定性が保証される。既知の材料では、光に対して不透明な材料(フォトマスク)に対して塗布された完成品の透明パターンを有するガラス射出成形型を使用する場合にのみ、高品質の製品を得ることが可能となる。この製造方法は、例えば、特許文献2(「人工眼用レンズの製造方法」(20.08.2004、B 29D11/00、A61F 2/16公開))に記載されている。眼の人工レンズの製造のために、この方法は、石英などの光学的に透明な材料で作製された2つの半体と、その厚さがレンズの支持部の厚さに等しい環状ガスケットと、からなる射出成形型を使用する。型の上半分の内面は、例えばクロム製の、UV光透過領域および不透明領域を含むパターンを有し、その陰像は、レンズの光学部品の平坦像およびその支持エレメントに対応する。型の第2の半部の内面は、同様のパターンを有し、その陰像は、レンズの光学部品のみに対応する。
【0007】
この場合、不透明(暗い)領域での重合は、光がそれらに入射できないため、ほとんど不可能である。コンタクトリソグラフィではなく、投影の原理に基づいて、ガラス射出成形金型上のパターンまたはコーティングを使用せずに完成品を得るプロセスを実行する場合、特許文献1に開示されている材料の欠点は、暗い(光の当たらない)領域での重合速度の制御の欠如(かなりの時間的な不都合)であり、その結果、IOL縁部に沿った端面上の欠陥、すなわち未処理の縁部と考えられる微小な凹凸が生じる可能性が生じる。また、触覚エレメントの幾何学的寸法が大きく変化する(広がる)こともあり得、これは物理的および機械的特性に直接影響を及ぼし、その結果、触覚エレメントが埋め込み中に適切に圧縮されず、またIOLが埋め込み後に嚢内に不適切に配置され得、IOL構造内にオリフィスが存在する場合、それらのオリフィスは膨張し、その結果、IOLが配置されるときにそれらの意図された機能を果たさないことがあり得る。
【0008】
既知の材料における重合速度の制御の欠如はまた、自由体積が少ないより均一な構造を得る可能性を困難にし、光沢が生じる可能性を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】EP3323387B1
【文献】RU22349391C2
【発明の概要】
【0010】
技術的課題は、最適な物理的および機械的特性を維持しながら、眼科用インプラントのプロファイルの欠陥を排除し、幾何学的寸法を制御し、最終製品の光沢を低減するために、重合速度を制御することである。
【0011】
技術的課題は、以下の成分を含む、光重合による眼科用インプラントの製造のために提案された材料によって達成される:
a)60~70重量%の、末端(メタ)アクリレートフラグメントを有するウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマーであって、以下の成分:(I)(メタ)アクリレート、(II)ジイソシアネート及び(III)ポリオールから成るオリゴマーであり、以下の構造:
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´-{(ジイソシアネート´-ポリオール-ジイソシアネート´´)}-ヒドロキシ(メタ)アクリレート´´
を有し、
ここで、ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´のイソシアネート基の1つはそれぞれヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´に連結してウレタン結合を形成し、
ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´の残りのイソシアネート基はそれぞれポリオールのヒドロキシル基に連結してウレタン結合を形成し、
ヒドロキシ(メタ)アクリレート´およびヒドロキシ(メタ)アクリレート´´は同じであっても異なっていてもよく、
ジイソシアネート´およびジイソシアネート´´は同じであっても異なっていてもよく、
ウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマー中のポリオールは、分岐鎖を有する任意の脂肪族ジオールであってもよく、またはその複数のものの混合物であってもよい、
b)20~40重量%の、側鎖に芳香族置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーの群からの成分であって、2-フェノキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジル-2-エチルアクリレート、フェニルメタクリレートのうちの少なくとも1つを含む成分、
c)5~25重量%の、側鎖に脂肪族分枝置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーの群からの成分であって、tert-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートのうちの少なくとも1つを含む成分、
d)少なくとも0.2重量%のUV吸収成分であって、ベンゾフェノンもしくはベンゾトリアゾール系またはそれらの組み合わせのUV吸収化合物を含む重合性UVフィルタなどのUV吸収成分、
e)0.1~1重量%の光重合開始剤、
f)0.005~0.5重量%のラジカル重合阻害剤であって、4-tert-ブチルピロカテコール、tert-ブチルヒドロキノン、1,4-ベンゾキノン、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、3,5-ジ-tert-ブチル-o-ベンゾキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、ハイドロキノン、4-メトキシフェノールのうちの少なくとも1つを含むラジカル重合阻害剤。
【0012】
光重合開始剤である成分e)は、好ましくは以下から選択される:IRGACURE 369:2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン;IRGACURE 651:2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン;DAROCUR TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィノキシド;DAROCUR 4265:DAROCUR TPOおよびDAROCUR 1173:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノンの混合物;IRGACURE 2100:エチルエーテル2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニルホスフィン酸およびIRGACURE 819:フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィノキシドの混合物;IRGACURE 2022:IRGACURE 819およびDAROCUR 1173の混合物;IRGACURE 2022:ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィノキシドおよび2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの混合物。
【0013】
UV遮断成分である成分d)として、その材料は、2-ヒドロキシ-4-アクリロイルオキシジフェニルケトン、2-(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレートなどのジフェニルケトン型化合物、および2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾールなどの重合性ベンゾトリアゾール型UVフィルタを含んでもよい。これらの成分を組み合わせて用いることもできる。
【0014】
材料は、スペクトルの青色部分を吸収する成分をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明による眼科用インプラントの製造のための材料は、追加のコーティングなしで、透明射出成形型内での光硬化(光重合による)によって重合される。光重合によって完成品を得るための方法は、対応するフォトマスクを予め通過した適切な波長の光、例えば340Nm~450Nm、好ましくは360Nm~430Nm、より好ましくは約410Nmの光を材料に照射することからなる。照射時間は、1~7分、好ましくは約3分とすることができる。特に、光重合法は、410Nmで1~5分間、好ましくは3分間適用することができる。使用される光源は、好ましくは1~5mW/cmの出力を有するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、以下の実施例によって説明することができる。
【0017】
実施例1
表1に示すように成分組成を変化させた、光重合による眼科用インプラントの製造のための材料の試験サンプルを、以下のように調製した。完成したIOL(+20dptr)のサンプルを、波長405~410nmおよび1~2mW/cmの出力を有するLED光源を使用して、2つの対応するガラス注入型の間で硬化させることによって得、次いで、未重合の残留する組成物を洗浄した後、完成したレンズを、同じ光源を使用して、30分間、真空チャンバ内でさらに照射した。硬化したサンプルを、60-70℃で5時間、イソプロピルアルコールで抽出し、次いで60℃で12時間、真空乾燥した。
【0018】
【0019】
表中、試験サンプルXは、02.10.2019に公開されたEP3323387B1、A61F2/16、C08G18/67、C08L75/16、C08G18/48、C08G18/76に開示された眼科用インプラントの製造のための提案された材料に最も近い類似体に対応する。
【0020】
試験サンプル1~3は、眼科用インプラントの製造のための提案された材料に対応するが、それに限定されない。
【0021】
OUA-以下の構造を有するウレタンジ(メタ)アクリレートのオリゴマー:
【0022】

【0023】
BenzMA-ベンジルメタクリレート、
n-OMA-メタクリル酸n-オクチル、
TBMA-tert-ブチルメタクリレート、
UVフィルタ-2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート
光開始剤-IRGTPO-2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィノキシド
DTBPC-2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】波長405~410nmおよび1~2mW/cmの出力を有するLED光源を照射したときの、表1による試験サンプルの硬化組成物の光重合の速度論的評価結果を示す図である。
【0025】
図1によれば、ラジカル重合阻害剤の添加は、特に多量に存在する場合、重合速度を低下させる。この場合、散乱および反射によってこの領域に入射する光の出力が低いため、暗い領域での重合速度はさらに低下する。したがって、図1および表1から示されるように、約0.05重量%の中程度の量の阻害剤を使用することが最も好ましく、なぜなら、これが、照射領域における完全硬化時間(図1の時刻t)と、暗い領域において重合結果が観察されない最大照射時間と、の間に最大の差が観察される場合だからである。
【0026】
試験は、試験サンプル1~3の光沢の効果がサンプルXよりもはるかに顕著でないことを示した。
図1