(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
(21)【出願番号】P 2023032076
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2021214252の分割
【原出願日】2021-12-28
【審査請求日】2023-03-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】榎本 貴一
(72)【発明者】
【氏名】伏谷 亮祐
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-162521(JP,A)
【文献】特開平10-236557(JP,A)
【文献】登録実用新案第3077928(JP,U)
【文献】特開2020-054551(JP,A)
【文献】特開2020-065741(JP,A)
【文献】特開2019-042186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽を収容する筐体であって、液剤タンクを出し入れするための開閉可能な上扉を天壁部に備える筐体と、
前記洗濯槽に投入する液剤を貯留する前記液剤タンクと、
前記液剤タンク用の収容部を有する液剤タンク収容体と
を備え、
前記上扉は、収容状態にある前記液剤タンクの上方にあり、
前記液剤タンクは、開口を
上部に有する箱状のタンク本体と、前記タンク本体の前記開口を覆う蓋体とを備え、起伏可能な取手を前記蓋体に有
し、
前記蓋体は、開口部を開閉可能とする扉体を有し、前後方向の前側に前記開口部が位置し、前後方向の中央から後側に亘る部分に、前記取手を収容するための凹部を有する
洗濯機。
【請求項2】
前記取手は、前記蓋体に回動可能に支持される、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記蓋体は、前記タンク本体が有する位置決部用の被位置決部と、前記タンク本体が有する被係合部と係合する係合部とを有する、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記取手は、前後方向に延伸する軸部を有し、
前記蓋体は、前記軸部を受ける軸受部を構成する支持部を有する、
請求項1~3の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記液剤タンク内の液剤の補充を報知する報知手段、を備え、
前記液剤タンクの液量を検知するための検知手段を前記液剤タンク収容体に備え、
前記液剤タンクは、液剤の液量にしたがって動作するフロートと、前記フロートに設けられ、前記検知手段により検知される被検知手段とを備え、
前記報知手段は、前記フロートの動作により前記被検知手段を前記検知手段が検知する又は検知しなくなると、前記補充を報知し、
前記フロートは、前記蓋体に回動可能に取り付けられる
請求項1~4の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯槽に液剤を投入する液剤自動投入手段を備え、
前記液剤自動投入手段は、前記液剤タンクに挿抜可能なシリンダと、ピストンと、モータとを有する
請求項1~5の何れか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液剤を自動投入する液剤自動投入手段を備える洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
タンクに液剤等を貯留する洗濯機として、洗剤タンクや柔軟剤タンクの上面にタンク把手が設けられ、洗剤タンクや柔軟剤タンクがタンク収納容器に収納されてタンク蓋体により塞がれる装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の洗濯機では、タンク把手が上方に突出するように設けられているため、把手により収容スペースを圧迫する。
本発明は、液剤タンク自体に取手を設けた場合に収容部における液剤タンクの占有率を低減できる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る洗濯機は、洗濯槽を収容する筐体であって、液剤タンクを出し入れするための開閉可能な上扉を天壁部に備える筐体と、前記洗濯槽に投入する液剤を貯留する前記液剤タンクと、前記液剤タンク用の収容部を有する液剤タンク収容体とを備え、前記上扉は、収容状態にある前記液剤タンクの上方にあり、前記液剤タンクは、開口を有する箱状のタンク本体と、前記タンク本体の前記開口を覆う蓋体とを備え、起伏可能な取手を前記蓋体に有する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、液剤タンク自体に取手を設けた場合に収容部における液剤タンクの占有率を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)は実施形態に係る洗濯機を上方から見た斜視図であり、(b)は洗濯機の上扉と洗剤投入ユニットの洗剤ケースを引き出した状態を上方から見た斜視図である。
【
図2】洗濯機の前後方向と直交する断面状態を前方から見た図である。
【
図3】洗濯機の左右方向と直交する断面状態を左側方から見た図である。
【
図4】洗濯機の筐体の天壁部を取り外し、液剤タンクの扉体が開いた状態を上方から見た斜視図である。
【
図5】第2液剤タンクを取り出した液剤自動投入ユニットと洗剤投入ユニットとの斜視図であり、(a)は後側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図6】洗剤投入ユニットを前側上方から見た斜視図であり、(a)は洗剤ボックスから洗剤ケースを引き出した状態であり、(b)は分解した状態である。
【
図7】(a)は液剤自動投入ユニットを前側上方から見た斜視図であり、(b)は液剤自動投入ユニットの分解状態を前側上方から見た斜視図である。
【
図8】分解状態の液剤タンクの斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図9】(a)は液剤自動投入ユニットの接続部での左右方向と直交する断面を左側方から見た図であり、(b)は液剤自動投入ユニットの膨出部分での左右方向と直交する断面を左側方から見た図である。
【
図10】支持体から液剤自動投入手段と上流側水路形成体とを取り外した状態の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図11】液剤自動投入手段を分解した状態の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図12】(a)はシリンダの分解した状態を前側上方から見た斜視図であり、(b)はシリンダの上下方向と直交する断面状態を上方から見た図であり、(c)はシリンダの左右方向と直交する断面状態を左側方から見た図である。
【
図13】液剤タンク収容体から液剤自動投入手段と接続体を取り外した状態の斜視図であり、(a)は後側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図14】(a)は液剤自動投入ユニットの上下方向と直交する断面を上方から見た図であり、(b)は液剤自動投入ユニット左右方向と直交する断面を後側上方から見た斜視図である。
【
図15】液剤自動投入ユニットの前後方向と直交する断面を後方から見た図であり、拡大図は、投入水路形成体とシリンダとの接続部分を後側上方から見た斜視図と、接続体と投入水路形成体との接続部分を後側上方から見た斜視図である。
【
図16】液剤タンクの液剤タンク収容体の収容部への収容を説明する図である。
【0008】
<実施形態>
1.概要
洗濯機Xは、
図1~
図4に示すように、筐体10に、洗濯水等を貯留するための洗濯槽11と、洗濯槽11に収納され且つ衣類等の洗濯物が投入される回転ドラム12と、洗濯槽11の開口を開閉するドア13と、回転ドラム12を回転させるモータ14と、洗濯物を乾燥させる乾燥ユニット15と、回転ドラム12へ給水するための水を受水する受水ユニット16と、洗濯運転の操作等を行うための操作ユニット17と、洗濯運転等を制御する制御ユニット18と、洗濯槽11の排水を行う排水ユニット19と、洗濯槽11に洗剤を投入する洗剤投入ユニット30と、洗濯槽11に液剤を自動投入する液剤自動投入ユニット50とを有する。
実施形態では、洗濯槽11の中心軸が水平に配された、横型洗濯機、所謂、ドラム式洗濯機について説明するが、洗濯槽11の中心軸が傾斜している傾斜ドラム式洗濯機や縦型洗濯機であっても同様に実施できる。
ここで、洗濯槽11の中心軸が延伸する方向を前後方向とし、ドア13が存在する側を前側とし、上下方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とする。なお、右・左はドア13と対向する状態で洗濯機Xを見た状態を基準とする。
以下、各部について説明する。
【0009】
2.要部
(1)受水ユニット
受水ユニット16は、
図5に示すように、例えば水道水等の蛇口にホース(図示省略)を介して接続される接続口161と、水道水等の水(以下、単に「水」とする)の受水の開始や受水の停止を行う開閉手段162と、接続口161からの水を洗剤投入ユニット30や液剤自動投入ユニット50に供給するために分配する分配部163とを備える。ここでの分配部163は4つの接続口164を有している。なお、開閉手段162の開閉は制御ユニット18により行われる。
受水ユニット16から受水した水は、洗剤投入ユニット30を経由して洗濯槽11に給水する給水路と、液剤自動投入ユニット50を経由して洗濯槽11に給水する給水路とを有する。なお、両給水路を区別するために、便宜上、洗剤投入ユニット30を経由する給水路を洗剤側給水路とし、液剤自動投入ユニット50を経由する給水路を液剤側給水路とする。
【0010】
(1-1)洗剤側給水路
洗剤側給水路を流れる水は、受水ユニット16から洗剤投入ユニット30を経由して洗濯槽11に流入する。
具体的には、
図5の(b)に示すように、受水ユニット16の分配部163と洗剤投入ユニット30とが接続体165で接続され、洗剤投入ユニット30と洗濯槽11とが接続体251で接続されている。なお、接続体165,251は、内部に水路を形成し、樹脂材料やゴム材料等のパイプ、ホース等を利用できる。
【0011】
(1-2)液剤側給水路
液剤側給水路を流れる水は、受水ユニット16から液剤自動投入ユニット50、洗剤投入ユニット30を経由して洗濯槽11に流入する。ここでは、液剤側給水路の下流側が、洗剤側給水路に合流する。
【0012】
具体的には、
図5や
図14に示すように、受水ユニット16の分配部163と液剤自動投入ユニット50とが上流側水路形成体166で接続され、液剤自動投入ユニット50と洗剤投入ユニット30とが接続体252で接続されている。なお、接続体252は、内部に水路を形成し、樹脂材料やゴム材料等のパイプ、ホース等を利用できる。
すなわち、液剤側給水路は、受水ユニット16、上流側水路形成体166、液剤自動投入ユニット50、接続体252、洗剤投入ユニット30、接続体251を利用して構成され、その給水路の途中で液剤自動投入ユニット50の液剤自動投入手段53により液剤が投入される。
【0013】
液剤側給水路60は、
図17に示すように、液剤を吐出するシリンダ531の吐出口と連通水路61を介して接続し、連通水路61より上流側の上給水路601と、連通水路61より下流側の下給水路602と、液剤自動投入ユニット50を通過して洗濯槽11に流れる洗剤投入側水路(
図17には現れていない)と、洗剤投入側水路と前記下給水路602とを接続する接続水路603(
図17において一点鎖線で示している)とを含む。
具体的に説明すると、上給水路601は点Aから点B1,B2までの水路であり、連通水路61は、点Bから点Cまでの水路であり、下給水路602は点Cから点Dまでの水路であり、接続水路603と洗剤投入側水路は点Dから洗濯槽11(
図17では現れていない)までの水路である。下給水路602は、点Cから点Eまでの上側水路604と、点Eから点G,Hまでの中側水路605と、点G,Hから点Dまでの下側水路608とを含む。なお、点Aは、
図17における上給水路601の始点を示すものであり、本実施形態における実際の上給水路601の始点は、受水ユニット16の接続口164としてもよい。
【0014】
また、液剤自動投入手段53が、複数個あり、上給水路601が複数本に分岐する場合(ここでは、液剤自動投入手段が53A,53Bの2個ある場合である)、第1液剤自動投入手段53A側の上給水路601Aは、点Aから点Fまでの前側水路606と、点Fから点B1までの後側水路607Aとを含み、第2液剤自動投入手段53B側の上給水路601Bは点Aから点Fまでの前側水路606と、点Fから点B2までの後側水路607Bとを含む。
なお、液剤自動投入手段53が1つの場合は、
図17における分岐点を示す点Fのない、上述の上給水路601となり、その引き出し線を矢印とし、上給水路601A,601Bと区別している。
また、第1液剤自動投入手段53A側の下給水路602Aは、点C1から点E1までの上側水路604Aと、点E1から点Gまでの中側水路605Aと、点Gから点Dまでの下側水路608Aとを含み、第2液剤自動投入手段53B側の下給水路602Bは、点C2から点E2までの上側水路604Bと、点E2から点Hまでの中側水路605Bと、点Hから点Dまでの下側水路608Bとを含む。ここでは第2液剤自動投入手段53Bの下側水路608Bにおける点Gから下流側は、第1液剤自動投入手段53Aの下側水路608Aと一致(合流)する。
なお、液剤自動投入手段53が1つの場合は、
図17における合流点を示す点Gのない、上述の下給水路602となる。
上給水路601と下給水路602は、上流側水路形成体166及び液剤自動投入ユニット50により主に形成される。
なお、液剤自動投入手段53が、複数個(ここでは2個である)ある場合、
図17に示すように、第1液剤自動投入手段53A側の連通水路を「61A」とし、第2液剤自動投入手段53B側の連通水路を「61B」としている。
【0015】
(2)洗剤投入ユニット
洗剤投入ユニット30は洗剤側給水路に配されている。洗剤投入ユニット30は、
図6に示すように、前側に開口31aを有する洗剤ボックス31と、洗剤ボックス31に対してスライド可能に支持された洗剤ケース32とを有している。
ここでの洗剤ケース32は、粉末洗剤用の粉末洗剤収容部321と、液体洗剤用の液体洗剤収容部322とを有している。
(2-1)洗剤ボックス
洗剤ボックス31は、前側と上側が開口する洗剤ボックス本体33と、洗剤ボックス本体33の上側を塞ぐ洗剤蓋体34と、洗剤蓋体34を上方から覆う洗剤カバー35とを有している。
図5に示すように、洗剤ボックス本体33の底壁部側には、洗濯槽11に接続する接続体251が接続される。洗剤ボックス本体33の後壁部には、液剤自動投入ユニット50に接続する接続体252が接続される。なお、接続体252から洗剤ボックス本体33に流入した水は、洗剤ケース32を通過せずに、底壁部を通り、接続体251から洗濯槽11へと流れる。このように底壁部は流路331を構成する。
洗剤蓋体34は、
図6に示すように、接続体165(
図5の(b)参照)と接続する接続部341,342から流入した水を洗剤ケース32の粉末洗剤収容部321と液体洗剤収容部322側に案内する案内流路部343,344とを有している。なお、案内流路部343,344には、案内された水を通すための複数の貫通孔345が設けられている。
【0016】
(2-2)洗剤ケース
洗剤ケース32は、取手部361を有する化粧部材36が前側に取り付けられている。洗剤ケース32は、前後方向に長い粉末洗剤収容部321と液体洗剤収容部322とを左右方向に隣接して有する。粉末洗剤収容部321と液体洗剤収容部322は、凹入部により構成され、その底面は後ろ下がりに傾斜し、その後部側に洗剤ボックス本体33に連通する貫通孔が設けられている。
ここでは、粉末洗剤収容部321に、洗濯に関する機能(例えば、抗菌性である)を付与するための機能付与部323が着脱可能に設けられている。
【0017】
(3)液剤自動投入ユニット
液剤自動投入ユニット50は、
図5に示すように、洗剤投入ユニット30の上方に配されている。これにより、液剤自動投入ユニット50を経由した水を下方の洗剤投入ユニット30側に容易に流すことができる。
液剤自動投入ユニット50は、洗剤投入ユニット30と上下方向に一部又は全部が重なる状態で配されている。液剤自動投入ユニット50は、その前端部が、洗剤投入ユニット30の前端部より後側に位置する。これにより、液剤自動投入ユニット50の前側であって洗剤投入ユニット30の上側に空間が形成され、例えば、操作ユニット17を配することができる。
液剤自動投入ユニット50は、その後端部が、洗剤投入ユニット30の後端部より後側に位置する。これにより、液剤自動投入ユニット50の後部の下側であって洗剤投入ユニット30の後側に空間が形成され、例えば、液剤自動投入ユニット50と洗剤投入ユニット30とを接続する接続体252を配することができる。また、液剤自動投入ユニット50の後部に配された液剤自動投入手段53を下方に張り出すように設けることができる。
【0018】
液剤自動投入ユニット50は、
図7に示すように、洗濯槽11に投入する液剤を貯留する液剤タンク51と、液剤タンク51の液剤を洗濯槽11側に自動投入する液剤自動投入手段53とを少なくとも備える。
液剤自動投入ユニット50は、液剤タンク51を前部に収容し、後部に液剤自動投入手段53が配される液剤タンク収容体55を備える。液剤自動投入手段53は、直接液剤タンク収容体55に配されてもよいが、ここでは、支持体57を利用して液剤タンク収容体に55に設けられている。つまり、液剤自動投入ユニット50は、液剤自動投入手段53を支持する支持体57を備える。
なお、ここでは、液剤タンク51は、液剤タンク収容体55に対して上側から収容される。
【0019】
液剤は、1種類又は複数種類あり、ここでは2種類ある。このため、液剤タンク51は、2個ある。便宜上、液剤の一方を第1液剤とし、液剤の他方を第2液剤とし、第1液剤に関連する各構成の名称に「第1」を付すと共にその構成の符号に「A」を付し、第2液剤に関連する各構成の名称に「第2」を付すと共にその構成の符号に「B」を付す。例えば、第2液剤を貯留するタンクを「第2液剤タンク51B」や、第2液剤を吐出する液剤自動投入手段を「第2液剤自動投入手段53B」とする。
なお、液剤は、衣類用の洗剤や柔軟剤、芳香剤、除菌・殺菌剤等であり、例えば、第1液剤は衣類用洗剤、第2液剤は衣類用柔軟剤である。
【0020】
(3-1)液剤タンク
第1液剤タンク51Aと第2液剤タンク51Bは、略同じ構成を有するため、液剤タンク51として説明する。
液剤タンク51は、
図8に示すように、タンク本体511と、液剤自動投入手段53の開閉に合わせて液剤の流出口を開閉する開閉手段512とを少なくとも備える。
ここでのタンク本体511は箱状をしており、液剤タンク51は、タンク本体511の上部の開口を覆う蓋体513を備える。
液剤タンク51は、液剤の貯留量によって上下するフロート514を備える。これにより、液剤の量を検知することが可能となる。
液剤タンク51は、タンク本体511内にフィルタ515を備える。これにより、タンク内のごみ等が液剤自動投入手段53側に流れるのを防止できる。
【0021】
(3-1-1)タンク本体
タンク本体511は、前後方向に長い箱状をしている。これにより、第1液剤及び第2液剤の貯留量を確保しつつ、効率よく、第1液剤タンク51Aと第2液剤タンク51Bとを左右方向に配置できる。
タンク本体511は、底壁部511aから下方に突出する突出部511bを有している。突出部511bは、タンク本体511の後部分、つまり、液剤自動投入手段53側に設けられている。突出部511bは、その後端に円形状の開口が形成できるように、筒軸が前後方向に延伸する円筒状に突出する。突出部511bの内部は、内部に収容された開閉手段512(
図9参照)の後側部分にシリンダ531の接続部531eが挿入され、シリンダ531と接続(嵌合)する接続部(嵌合部)511d(
図9の(a)の拡大図参照)となる。
突出部511bは左右方向の両端間にある。底壁部511aにおける後部分は、内面(底面)において、突出部511bの左右両側部分511cが突出部511bに向かうにしたがって下方に傾斜する(低くなる)ように構成されている。これにより、液剤を残すことなく、開閉手段512側に流すことができる。
底壁部511aは、内面(底面)において、前部分(前端から突出部511bの前端までの部分)511dが後側(開閉手段512側)に近づくにしたがって低くなるように構成されている。これにより、液剤を残すことなく、開閉手段512側に流すことができる。
底壁部511aは、内面(底面)において、後部分(後端から突出部511bの前後方向の中央までの部分)であって突出部511bの左右両側に位置する部分511eが前側に近づくにしたがって低くなるように構成されている。これにより、液剤を残すことなく、開閉手段512側に流すことができる。
なお、タンク本体511の底壁部511aの内面は、液剤を開閉手段512の流入口に案内する案内面でもある。
【0022】
タンク本体511は、液剤タンク51が液剤タンク収容体55に収容される際に、又は収容された状態において、位置決め状態(固定状態)で収容されるための被位置決部511fを底壁部511aに有している。これにより、開閉手段512とシリンダ531の接続部531eとの接続が維持される。
ここでは、位置決めにスナップフィット(液剤タンク収容体55の位置決部551f)を利用し、被位置決部511fは、位置決部551fにより挟持(係合)される係合部により構成される。係合部は、底壁部511aから下方に突出する凸部により構成され、凸部は円柱状又は円筒状をする。
【0023】
タンク本体511は、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に収容するために液剤タンク51を液剤タンク収容体55に対して後方向に移動させる際に、位置決部551fによる位置決め状態を超えてさらに後方向に移動するのを規制する位置規制部511gを底壁部511aに有している。ここでは位置規制に位置決部551fを利用し、
図14の(a)に示すように、位置規制部511gは、位置決部551fの前端と近接(当接)対向する対向部により構成される。対向部は底壁部511aから下方に突出する板部分により構成され、板部分は後側が開放する「コ」字状に突出する壁部分(の一部)により構成される。
なお、「コ」字状の位置規制部511gは、被位置決部511fを保護する保護機能も有している。また、被位置決部511fと位置規制部511gとは連結部511h(
図14の(a)参照)により連結されており、被位置決部511fが補強されている。
【0024】
液剤タンク51と液剤タンク収容体55とは、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に収容する際に、液剤タンク収容体55に対して液剤タンク51を後方から前側に移動させた後に後方に移動させることで収容されるように、構成されている。つまり、液剤タンク51は箱状をし、液剤タンク収容体55の収容部551は上方が開放し且つ液剤タンク51の収容部へ収容する際に液剤タンク51を移動させる方向の寸法が液剤タンク51よりも大きな箱状をし、液剤タンク51を収容部551の正規な位置に上方から設置しようとすると、互いに干渉する干渉部(後述の案内部と被案内部である)を有し、上記の動作により、液剤タンク51を収容部551に収容できる。
液剤タンク51と液剤タンク収容体55とは、液剤タンク51を収容する際に、上述の軌道となるように案内する案内部(562a)と被案内部(511k)とを有する。これにより、シリンダ531の接続部531e(突出部分531f)を破損することなく、開閉手段512とシリンダ531とを接続できる。
ここでは、案内部は、液剤タンク収容体55の上側壁部562に設けられたガイド部分562a(
図7の(b)参照)により構成され、被案内部は液剤タンク51の側壁部511jに設けられた被ガイド部分511kにより構成されている(
図8の(b)参照)。
液剤タンク51は、左右方向と直交する一対の側壁部511jの少なくとも一方に被ガイド部分511kを有している。被ガイド部分511kは、左右方向に隣接する他の液剤タンク51A,51Bが対向しない側の側壁部511jに設けられている。なお、被ガイド部分511kとガイド部分562aは、それぞれ前側部分に設けられているが、上記軌道で案内できれば、他の部位に設けられてもよい。
【0025】
タンク本体511は、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に収容するために、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に対して後方向に移動させる際に、位置決部551fにより位置決め状態を超えてさらに後方に移動するのを規制する位置規制部511mを側壁部511jに有している。ここでは、位置規制部511mは、側壁部511jから左右方向に突出し且つ上下方向に延伸するリブ部分により構成される。なお、位置規制部511mは、液剤タンク収容体55の上側壁部562の段付きリブ562b(
図7の(b)参照)に前側から近接又は当接する。
【0026】
タンク本体511は、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に収容するために、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に対して後方向に移動させる際に、区画壁部572(
図7及び
図8参照)に当接(近接)する当接部511nを後壁部511pに有している。当接部511nは後方に突出する凸部により構成される。これにより、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に収容するために、液剤タンク51を液剤タンク収容体55に対して後方向に移動させる際に、位置決部551fによる位置決め状態を超えてさらに後方に移動するのを規制できる。なお、区画壁部572は、液剤タンク51を収容する収容部551と液剤自動投入手段53と区画するための壁部である。
【0027】
タンク本体511は、蓋体513を付け外し可能に取り付ける際の位置決部511qや被係合部511rを開口側端部周辺部(上端部)に有している。
【0028】
(3-1-2)接続体
開閉手段512は、
図9の(a)の拡大図に示すように、タンク本体511の突出部511bに挿入されている。
開閉手段512は、筒体512aと、筒体512a内に筒軸方向に移動可能に支持された可動体512bと、可動体512bを筒体512aの流出口512d側に付勢するバネ体512cとを有している。
可動体512bは、液剤タンク51が液剤タンク収容体55から外された状態(シリンダ531の接続部531eと接続されていない状態)では流出口512dを塞ぎ、液剤タンク51が液剤タンク収容体55に収容された状態(接続部531eと接続された状態)ではシリンダ531の接続部531eの突出部分531fに押圧されて流出口512dを開放する。
これにより、液剤タンク51が液剤タンク収容体55に収容されると(シリンダ531に接続されると)、液剤タンク51内の液剤が液剤自動投入手段53側に流動可能となる。
【0029】
(3-1-3)蓋体
蓋体513は、
図8に示すように、蓋本体513aと扉体516と取手517とを備える。
蓋本体513aは、板状をし、前部に開口部513bを有し、前後方向の中央から後方に亘る部分に取手517収容用の凹部513cを有している。
蓋本体513aは、タンク本体511の位置決部511q用の被位置決部513dと被係合部511r用の係合部513eとを有している。
ここでは、位置決部511qは上方へ突出する凸部分により構成され、被位置決部513dは、左右方向の両端から左右方向に凹入する凹部分により構成されている。蓋体513がタンク本体511に取り付けられると、凹部分に凸部分が挿入(嵌合)する。ここでは、被位置決部513dと位置決部511qは、後部側であって左右両端部分に設けられている。
係合部513eは、下方に板状に延伸し、前後方向に弾性変形可能な板状部分に設けられた貫通孔部分にタンク本体511の被係合部511rの凸部分が嵌ることで、被係合部511rに係合する。係合部513eは、前後の両端部に設けられている。これにより、蓋体513を取り外して、タンク本体511内を洗浄等できる。また、蓋体513を強固にタンク本体511に取り付けることができる。
【0030】
蓋本体513aは、扉体516を開閉可能に支持する支持部513fと、扉体516を下方から支持する支持部513gとを有している。支持部513fは、扉体516の軸部516bを受ける軸受部により構成されている。軸部516bは左右方向に延伸し、軸部516b及び支持部513f(軸受部)は後端部に設けられている。軸受部の前側には、軸部516bを後方に案内するためのガイド溝部が設けられている。これにより、液剤タンク51を液剤タンク収容体55(洗濯機X)から取り出さずに、液剤タンク51に液剤を補充できる。
【0031】
蓋本体513aは、取手517を回動(起倒)可能に支持する支持部513hを有している。支持部513hは、取手517の軸部517bを受ける軸受部により構成されている。軸部517bは前後方向に延伸し、軸部517b及び支持部513h(軸受部)は取手517及び凹部513cの前後方向の両端部に設けられている。これにより、省スペースで取手517を収容できる。また、液剤タンク51を液剤タンク収容体55(洗濯機X)から容易に取り出すことができる。
なお、蓋体513は、タンク本体511の開口側端部に嵌合(挿入)する嵌合部513jを有している。これにより、タンク内の密閉性を向上できる。
【0032】
(3-1-4)フロート
フロート514は、
図8に示すように、本体部514aとアーム部514bと取付部514cとを有し、本体部514a内に被検知手段518(
図9参照)が設けられている。これにより、液剤が少なくなり、フロート514がタンク本体511の底壁部511aに近づくと、液剤タンク収容体55に設けられた検知手段557(
図9参照)により検知される。
フロート514は、蓋体513に対して、左右方向を回動軸として回動可能に取り付けられる。取付部514cは蓋体513の被取付部513kに取り付けられる。取付部514cは、アーム部514bにおける一対の延伸部分に設けられている回動軸により構成され、当該回動軸が蓋本体513aの軸受部(被取付部513k)に回動可能に支持される。回動軸は、一対の延伸部分の端部から左右方向の両側に円柱状又は円筒状に突出する。軸受部は、貫通孔又は凹みにより構成され、ここでは、板状のリブ部分513mに形成された貫通孔により構成される。
【0033】
(3-1-5)フィルタ
フィルタ515は、板状をし、複数の貫通孔515aを有する。フィルタ515は、
図9の(a)に示すように、開閉手段512を覆うように設けられている。具体的には、拡大図に示すように、底壁部511aと後壁部511sとに跨るように設けられている。フィルタ515の後端部は、タンク本体511の後壁部511sに設けられた上下の支持部511t,511uにより支持される。フィルタ515の前端部は、タンク本体511の底壁部511aの支持部511vにより支持される。これにより、タンク内のごみ等が液剤自動投入手段53側に流れるのを防止できる。
【0034】
(3-2)液剤自動投入手段
液剤自動投入手段53は、
図10に示すように、第1液剤用の第1液剤自動投入手段53Aと第2液剤用の第2液剤自動投入手段53Bとがある。第1液剤自動投入手段53Aは、第1液剤タンク51Aから吸引した第1液剤を上流側水路形成体166内を流れる水に吐出する。第2液剤自動投入手段53Bは、第2液剤タンク51Bから吸引した第2液剤を、上流側水路形成体166内を流れる水に吐出する。このように液剤自動投入手段53はポンプとして機能する。
第1液剤自動投入手段53Aと第2液剤自動投入手段53Bとは、制御ユニット18によりを個別に制御可能に構成されている。
第1液剤自動投入手段53Aと第2液剤自動投入手段53Bは支持体57により支持され、支持体57は、
図5に示すように、液剤タンク収容体55に取り付けられる。
なお、筐体10は、
図1に示すように、液剤タンク51を出し入れするための開口を開閉可能とする上扉10bを天壁部10aに備える。上扉10bは、収容状態にある液剤タンク51の上方にあり、液剤タンク51の上面が水平方向に対して10度以下の角度であって液剤タンク51が挿抜方向の正規の位置(挿入方向の奥側)にある場合に、上扉10bを閉状態にできる。つまり、液剤タンク51の上面が水平方向に対して所定角度(ここでは10度)より大きく傾斜している場合や、液剤タンク51が正規の位置になく液剤タンク51と液剤タンク収容体55の前壁部564との間に十分な隙間564a(
図9の(b)参照)ができないために上扉19bの凸部10c(
図1の(b)参照)がその隙間564aに嵌らない場合には、上扉10bは閉状態とならない。なお、凸部10cは、例えば上扉10bの表面から裏側に凹入し、当該凹入部分を利用して使用者は上扉10bを開閉する。
【0035】
第1液剤自動投入手段53Aと第2液剤自動投入手段53Bは、略同じ構成を有するため、液剤自動投入手段53として説明する。
液剤自動投入手段53は、
図10や
図11に示すように、液剤用の吸引口と吐出口とを有するシリンダ531と、シリンダ531内に配されたピストン532と、ピストン532をシリンダ531内で往復運動させるモータ533とを備え、ピストン532の往復運動により液剤の吸引と吐出を行う。
ここでは、液剤自動投入手段53は、モータ533とシリンダ531とを支持するベース534を備え、ベース534が支持体57に取り付けられる。
【0036】
(3-2-1)シリンダ
シリンダ531は、
図11に示すように、ピストン532を往復運動可能に収容するピストン収容部531aと、液剤を吸引するための吸引路を構成する吸引路構成部531bと、液剤を吐出するための吐出路を構成する吐出路構成部531cとを少なくとも有する。ここでのシリンダ531は、ベース534に取り付けるための取付部531dを有する。
ピストン収容部531aは、ピストン532が水平方向に往復運動するように構成されている。水平方向は、前後方向、左右方向、又はこれらの方向と交差する方向である。ここでは、ピストン532が前後方向に往復運動し、ピストン収容部531aは、筒軸が前後方向と平行な状態の筒状をしている。なお、ピストン収容部531aの横断面の内周面形状は円形状をしている。
【0037】
吸引路構成部531bは、筒状をし、その筒軸がピストン収容部531aの筒軸と平行に延伸するように設けられている。吸引路構成部531bはピストン収容部531aの前側に設けられている。
吸引路構成部531bの上流側端(前端)は、液剤タンク51の突出部511bに対して、取り外し可能に接続するための接続部531eとなっている。接続部531eは突出部511b内に嵌合する。接続部531eには、突出部511bとの密閉性を向上させるためのパッキン537が設けられている。
接続部531eには、
図9の(a)の拡大図や
図12に示すように、前方に突出する突出部分531fと、突出部分531fを支持する支持部分531gとが形成されている。突出部分531fは、液剤タンク51が液剤タンク収容体55に収容された際に、液剤タンク51の開閉手段512の可動体512bを押し込む。これにより、開閉手段512が開状態となり、タンク内の液剤が液剤自動投入手段53側に吸引可能となる。
なお、支持部分531gは周方向に間隔を置いて設けられ、隣接する支持部分531gの間の空間531h(
図12の(b)、(c)参照)を液剤が流れる。
【0038】
吐出路構成部531cは、筒状をし、吸引路構成部531bと連通する状態で形成されている。吐出路構成部531cは、その筒軸が吸引路構成部531bと交差する状態で延伸するように設けられている。ここでは、吐出路構成部531cの筒軸が、吸引路構成部531bの筒軸と平行な方向に対して直交する。つまり、上方から見ると、「T」字状をしている。吐出路構成部531cの筒軸は、吸引路構成部531bやピストン収容部531aの筒軸に対して上下方向にズレている。つまり、吐出路構成部531cの筒軸は、吸引路構成部531bやピストン収容部531aの筒軸と交差しないように構成されている。
【0039】
シリンダ531は、
図12に示すように、ピストン532の後進(吸引)の際に開状態となり、ピストン532の前進(吐出)の際に閉状態となる吸引側開閉手段535を吸引路構成部531bの上流側端部に備える。シリンダ531は、ピストン532の前進(吐出)の際に開状態となり、ピストン532の後進(吸引)の際に閉状態となる吐出側開閉手段536を吐出路構成部531cの下流側端部に備える。
これにより、ピストン532が後進(吸引)すると、吸引側開閉手段535が開状態になると共に吐出側開閉手段536が閉状態となってシリンダ531内に液剤が吸引される。逆に、ピストン532が前進(吐出)すると、吸引側開閉手段535が閉状態になると共に吐出側開閉手段536が開状態となってシリンダ531内から液剤が吐出される。なお、シリンダ531の吸引路構成部531bの上流側の端部開口(接続部531eの開口)が吸引口を、端部が吸引部をそれぞれ構成する。また、吐出路構成部531cの下流側の端部開口が吐出口を、端部が吐出部をそれぞれ構成する。
【0040】
(3-2-2)ピストン
ピストン532は、
図12の(a)に示すように、ピストン本体532aと、モータ533の回転駆動を往復直線駆動に変換する変換部532bとを有する。ここでの往復運動は直線運動であり、前後方向に往復する。
変換部532bは、スコッチヨーク機構を利用し、モータ533側の駆動伝達部578a(
図11参照)を収容する溝状のスロットにより構成される。スロットは、ピストン532の往復運動と直交する方向に延伸する。
ピストン532は、シリンダ531の前後方向に延伸する溝部531j内を移動する凸部532cを有している。これにより、ピストン532の往復運動がスムーズに行われる。
【0041】
(3-2-3)モータ
モータ533は、
図11に示すように、ピストン532を往復運動させる駆動を伝える駆動伝達部材578を備える。駆動伝達部材578は、モータ533の回転駆動力をスコッチヨーク機構により直線駆動力に変換して、ピストン532を直線運動させる。ここでの駆動伝達部材578は、有底筒状をし、モータ533の駆動軸533aに対して偏心した位置に駆動伝達部578aを有する。駆動伝達部578aは下方に突出する円柱状のピンにより構成される。駆動伝達部材578は、ねじ579dによりモータ533の駆動軸533aに回転可能に取り付けられる。
【0042】
(3-2-4)ベース
ベース534は、
図11に示すように、モータ533の駆動軸533a用の貫通孔534a、シリンダ531を位置決めするための凹部534b、シリンダ531を取り付けるための取付具(ねじ)579a用の貫通孔534c、モータ533を取り付けるための取付具(
ねじ)579b用のねじ孔を有するボス部534dや、ベース534を支持体57に取り付けるための取付部(係合部)534e等を有している。なお、凹部534bには、シリンダ531の凸部531kが嵌る。
【0043】
(3-3)支持体
支持体57は、液剤自動投入手段53を支持する支持部と、支持部の前端に設けられた区画部とを有する。支持部は、例えば、板状の支持壁部571により構成されている。区画部は、例えば、板状の区画壁部572により構成される。なお、区画壁部572は、前壁部でもある。
区画壁部572は、液剤自動投入手段53や液剤タンク51が液剤タンク収容体55に配された際に、液剤自動投入手段53側と液剤タンク51側とを区画する。これにより、モータ533等の電気機器に液剤が付着するのを抑制できる。
支持体57は、左右方向と直交し、支持壁部571と区画壁部572との左右両端と接続する側壁部573を有する。
【0044】
(3-3-1)支持壁部
支持壁部571は、2つの液剤自動投入手段53A,53Bを左右方向に支持し、左右方向に長い矩形状又は矩形状に似た形状をしている。支持体57は、液剤自動投入手段53のモータ533を支持壁部571よりも上側に、シリンダ531を支持壁部571よりも下側にそれぞれ位置するように、貫通孔571aや欠け部分571bを支持壁部571に有している。
液剤自動投入手段53は、支持壁部571の下方からベース534が支持体57に当接する状態で取り付けられる。取り付けには係合構造やねじを利用した螺合構造の少なくとも1つを採用している。
係合構造は、液剤自動投入手段53のベース534の係合部534eが支持壁部571の貫通孔571aや欠け部分571bの周辺部に係合する。螺合構造の1つは、図示しないねじが上方から支持壁部571の貫通孔571cを挿通して、液剤自動投入手段53のボス部534fのねじ穴に螺合する。螺合構造の1つは、図示しないねじが前方から区画壁部572の下方の張出部分572bの貫通孔572cを挿通して、液剤自動投入手段53のねじ穴534gに螺合する
支持体57は、
図13の(a)に示すように、上流側水路形成体166の一部を構成する投入水路形成体168用の貫通孔571dを有している。
【0045】
(3-3-2)区画壁部
区画壁部572は、前後方向と直交する板状部分572aを有している。板状部分572aは、支持壁部571の前端から上下に延伸する。区画壁部572は、液剤自動投入手段53を取り付けるための取付部分を板状部分572aの下側に有する。取付部分は板状部分572aの下端から下方に張り出す張出部分572bと、張出部分572bに設けられた貫通孔572cとにより構成されている。貫通孔572cを挿通するねじが、液剤自動投入手段53のベース534のねじ穴534gに螺合する。
【0046】
区画壁部572は、液剤自動投入手段53のシリンダ531の上面に当接する当接部分572dを板状部分572aの下部側に有する。当接部分572dは、円筒状のシリンダ531に対応した円弧状をしている。これにより、シリンダ531を位置決め状態で支持でき、液剤タンク51と接続する際に、シリンダ531が左右方向にズレることを規制できる。
【0047】
区画壁部572は、液剤タンク51がセットされると、液剤タンク51の当接部511n(
図8の(b)参照)と当接又は近接する。区画壁部572は、液剤タンク51の当接部511nの周囲を囲う囲繞部分572eを板状部分572aに有している。囲繞部分572eは、前側に突出する突条部分により構成され、当接部511nの外周形状に対応した形状、ここでは方形環状をしている。これにより、液剤タンク51を位置決めできる。
なお、囲繞部分572eは、当接部511nの進入を案内する案内部分572fを有している。案内部分572fは、前方に三角形状に突出し、方形状の囲繞部分572eの下辺、左右片の複数の辺に形成されている。
【0048】
支持体57は、液剤タンク収容体55の上側壁部562の後端部(
図13参照)と嵌合する嵌合部574を有している。嵌合部574は、液剤タンク収容体55の上側壁部562が挿入する溝部分により構成される。溝部分は、区画壁部572の左右両端部と、区画壁部572の左右両端の内側に形成された縦リブ部分572gと、側壁部573の後端部とで構成される。これにより、支持体57が液剤タンク収容体55に対して左右方向に位置決めされた状態で取り付けられ、液剤タンク51の当接部511nが囲繞部分572eに対して位置ずれにより嵌合できないようなことを防止できる。また、液剤タンク51がシリンダ531の接続部531eに接続できないようなことを防止できる。
【0049】
(4)液剤タンク収容体
液剤タンク収容体55は、
図7の(b)に示すように、液剤タンク51を収容する収容部551と、液剤自動投入手段53を支持する支持部553と、液剤タンク51から吐出された液剤を水と共に液剤自動投入ユニット50から流出させるための中側水路605と下側水路608(
図7,17参照)を形成する下流側水路形成部555とを有する。
ここでは、下流側水路形成部555は左右方向に延伸し、液剤タンク収容体55は、前側から、収容部551、下流側水路形成部555、支持部553の順で有する。
液剤タンク収容体55は、底壁部561と、底壁部561の左右両端から上方へ延伸する上側壁部562と、上側壁部562に連続し且つ底壁部561の左右両端から下方へ延伸する下側壁部563と、底壁部561の前端から上方へ延伸して一対の上側壁部562を連結する前壁部564と、底壁部561の後端から下方に延伸する後壁部565(
図13参照)とを有する。
収容部551は、底壁部561の前部側(下流側水路形成部555よりも前側部分)と、一対の上側壁部562と、前壁部564と、液剤自動投入手段53を支持する支持体57の区画壁部(前壁部)572とで構成され、上方から見ると、方形状又は前後方向に長い矩形状をしている。
支持部553は、底壁部561の後部側(下流側水路形成部555よりも後側部分)で主に構成され、上方から見ると、方形状又は左右方向に長い矩形状をしている。
【0050】
(4-1)収容部
液剤タンク51は、収容部551に対して前側上方から挿入され収容される。
底壁部561における収容部551に対応する部分(収容部551の底壁部561ともいう)は、その上面(収容面である)が液剤自動投入手段53(シリンダ531)側が低くなるように構成されている。つまり、収容部551の底壁部561上の水や液剤は後方(下流側水路形成部555)側に流れるように構成されている。これにより、底壁部561に水や液剤が溜まるのを抑制できる。
【0051】
(4-1-1)底壁部
収容部551の底壁部561は、
図7に示すように、上面が水平となる状態で液剤タンク51を保持するための第1凸部分551bを有している。これにより、液剤タンク51が筐体10の上扉10bと干渉するのを防止できる。つまり、第1凸部分551bは、収容部551の傾斜する底壁部561上に載置する液剤タンク51が上扉10bと干渉しないように姿勢を一定に保持する機能を有する。第1凸部分551bは、2つの液剤タンク51A,51Bの間にあり、前後方向の両端にある。
収容部551の底壁部561は、上面が水平となる状態で液剤タンク51を保持するための第2凸部分551k(
図13の(a)参照)を有している。これにより、液剤タンク51が筐体10の上扉10bと干渉するのを防止できる。第2凸部分551kは、2つの液剤タンク51A,51Bにおける左右方向の他の液剤タンク51A,51Bが存在する側と反対側(外方側)の端部であって挿抜方向の抜出側(前側)にある。第2凸部分551kは、挿抜方向の挿入側(後側)に設けられた後述の段付きリブ562bとで、液剤タンク51A,51Bを支持するが、第2凸部分551kと段付きリブ562bとの挿抜方向の位置は逆であってもよい。
なお、第1凸部分551bと第2凸部分551kの「第1」、「第2」は、両凸部分を区別するためのものであり、第1液剤や第2液剤の「第1」と「第2」とは異なる。
【0052】
収容部551の底壁部561は、
図7に示すように、収容状態にある液剤タンク51の底壁部511aに近接するように膨出する膨出部分551aを有している。膨出部分551aは、液剤タンク51A,51Bに対応して2つあり、左右方向(配設方向)にある。
2つの膨出部分551aは左右方向に間隔をおいて設けられ、その間を液剤タンク51の突出部511bが通過する。また、第1液剤タンク51A側の膨出部分551aは、第1液剤タンク51Aと対向する上側壁部562に対して離間して設けられ、その間を液剤タンク51Aの突出部511bが通過する。つまり、膨出部分551aは、液剤タンク51を収容する際のガイド部としても機能する。
液剤タンク収容体55は、
図9に示すように、膨出部分551aを利用して、液剤タンク51内の液剤の液量を検知する検知手段557が設けられている。ここでは、膨出部分551aの下面(収容面と反対面)に設けられている。
具体的には、検知手段557は、液剤タンク51内のフロート514の被検知手段518を検知する。被検知手段518の一例としてマグネットを、検知手段557の一例として磁気センサ(例えばリードセンサ)をそれぞれ利用できる。膨出部分551aにより、第1凸部分551bや第2凸部分551kにより液剤タンク51が底壁部561と離間する状態で収容されていても、被検知手段518と検知手段557との距離が近くなり、検知感度を高めることができる。
なお、液剤タンク51内の液剤が減少し、フロート514が下がり、検知手段557が被検知手段518を検知すると、制御ユニット18は、操作ユニット17の表示部171(
図1の(b)参照)に、液剤の補充が必要である旨を報知させる。なお、表示部171の一例がLEDである。
【0053】
収容部551の底壁部561は、左右に隣接する第1液剤タンク51Aと第2液剤タンク51Bとの間に、上方に延伸する延伸板部分551cを有している。これにより、左右の第1液剤タンク51Aと第2液剤タンク51Bとが位置決めされる。延伸板部分551cは、液剤タンク51の長手方向(前後方向)の両端の2箇所にある。これにより、第1液剤タンク51Aと第2液剤タンク51Bとが位置決めされる。なお、延伸板部分551cは第1凸部分551b上に設けられている。
【0054】
収容部551の底壁部561は、下方に凹入し且つ前後方向に延伸する凹部分551dを後端部に有している。凹部分551dは、液剤タンク51の底壁部511aの突出部511bに対応して設けられている。つまり、凹部分551dは、液剤タンク51の突出部511b用である。凹部分551dは、
図9の(a)に示すように、その前端領域が前上がりの傾斜面(傾斜壁部)551jとなっており、その後端が下流側水路形成部555に接続して開放している。この開放部分が、
図13に示すように、液剤側給水路60の中側水路605や下側水路608に連通する連通部551mとなる。
凹部分551dと液剤タンク51は、液剤タンク51が収容部551に収容された状態において、凹部分551dの連通部551m側で液剤タンク51の突出部511bと接触しないように構成されている。つまり、凹部分551dと液剤タンク51の突出部511bとの間に隙間551n(
図9の(a)の拡大図参照)が存在する。これにより、凹部分551dに流れ込んだ液剤や水が連通部551m側に流れるのを規制されない。
【0055】
収容部551の底壁部561は、
図13に示すように、上方に延伸して下流側水路形成部555の上部を構成する立設壁部分551eを後端に有する。これにより、収容部551の底壁部561上に水や液剤を含んだ水等が存在する場合に、連通部551m以外の部位から中側水路605や下側水路608に流れることがない。
立設壁部分551eは、支持体57の区画壁部572の下方に位置し、区画壁部572とで区画壁を構成する。この観点からは、支持体57の区画壁部572は上区画壁部といえ、液剤タンク収容体55の立設壁部分551eは下区画壁部といえる。なお、立設壁部分551eは、凹部分551dに対応する部分が欠けている。これにより、連通部551mが形成される。
【0056】
液剤タンク収容体55は、液剤タンク51を位置決めする位置決部551fを底壁部561に有している。位置決部551fは、
図14の(a)に示すように、一対のリブ551gを有するスナップフィットにより構成されている。リブ551gは、底壁部561から立設し且つ前後方向に延伸し、その対向面において、前後方向の中央部551hが他方のリブ551gに向かって膨出する。
液剤タンク51を収容する際には、一対のリブ551gが離間する方向に弾性変形して、液剤タンク51の被位置決部511fの一例である円柱状の凸部が前側から後側に進入する。そして、さらなる後側への進入は、一対のリブ551gの前端が液剤タンク51の位置規制部511gに当接することで、規制される。
【0057】
(4-1-2)側壁部
液剤タンク収容体55は、
図7の(b)に示すように、左右方向に対向する液剤タンク51を収容する際に、液剤タンク51を収容位置へと案内するガイド部分562aを一対の上側壁部562に有している。ガイド部分562aは、液剤タンク51を後方から前側に移動させた後に、後方に移動するようにガイドする。
ガイド部分562aは、一対の上側壁部562から液剤タンク51側に突出する凸部により構成されている。ガイド部分562aは、液剤タンク51の側壁部511jから突出する被ガイド部分511k(
図8の(b)参照)に当接することで、液剤タンク51を収容位置までガイドする。
ガイド部分562aは、液剤タンク51の突出部511bを収容部551の凹部分551dに上方から挿入しようとすると、液剤タンク51の被ガイド部分511kと当接するように設けられている。これにより、液剤自動投入手段53のシリンダ531の吸引口側の突出部分531fが、液剤タンク51を収容する際に、液剤タンク51の突出部511bと干渉して損傷するのを防止できる。
ガイド部分562aは、
図16に示すように、下方に移るにしたがって前方に移る傾斜面562cを上面として有している。これにより、液剤タンク51の被ガイド部分511kが傾斜面に沿って前側に移動しやすくできる。ガイド部分562aは、挿抜方向に延伸する水平面562dを下面として有している。これにより、液剤タンク51を挿抜方向の挿入方向に移動させる際に液剤タンク51が上方に移動しようとすると、液剤タンク51の被ガイド部分511kがガイド部分562aに当接する。つまり、液剤タンク51を挿入方向に移動させやすくできる。また、液剤タンク51の被ガイド部分511kをガイド部分562aに当接させながら、液剤タンク51を挿入方向に移動させることで、挿入方向の正規の位置に液剤タンク51を案内できる。
なお、収容時の操作については、後述する。
【0058】
上側壁部562は、上面が水平となる状態で液剤タンク51を保持(支持)するための段付きリブ562bを底壁部561とに跨って有している。これにより、液剤タンク51が筐体10の上扉10bと干渉するのを防止できる。
なお、段付きリブ562bと第2凸部分551kとが
図13の(a)に示すように前後方向にあり、第1凸部分551bが前後方向に離間して2個ある。これらは、箱状の液剤タンク51の下方にあり、これらで液剤タンク51を保持しているとしてもよい。
【0059】
(4-1-3)前壁部
前壁部564は、収容部551に液剤タンク51を収容した(液剤タンク51が液剤自動投入手段53と接続した)状態で、
図9に示すように、液剤タンク51の前端との間に隙間564aができるように構成されている。この隙間564aは、液剤タンク51の被ガイド部分511kが収容部551のガイド部分562aの前側に位置する状態で、液剤タンク51の前端と前壁部564とが近接又は当接するように構成されている。これにより、前後方向の寸法を抑えつつ液剤タンク51を収容できる。また、液剤タンク51が挿抜方向の挿入側の正規の位置にあるときの隙間564aは、筐体10の上扉10bの凸部10c(
図1の(b)参照)が嵌る大きさである。
【0060】
(4-2)支持部
底壁部561における支持部553に対応する部分(支持部553の底壁部561ともいう)は、
図13に示すように、下方に凹入し且つ前後方向に延伸する凹部分553aを有している。凹部分553aは、
図14の(b)に示すように、液剤自動投入手段53のシリンダ531のピストン収容部531a及びピストン532に対応して設けられている。つまり、凹部分553aは、シリンダ531とピストン532用である。
支持部553の底壁部561は、上方に延伸して下流側水路形成部555の上部を構成する立設壁部分553bを前端に有する。なお、立設壁部分553bは、凹部分553aに対応する部分が欠けている。
【0061】
(4-3)下側水路形成部
下流側水路形成部555は、
図13に示すように、前後方向において収容部551と支持部553の間であって下方に凹入するように設けられている。これにより、収容部551の底壁部561上に液剤や水が存在していても、収容部551から支持部553側に液剤や水が流れ込む恐れがない。したがって、支持部553側に電気部品や電気機器を設置できる。
下流側水路形成部555は、溝部分555aと筒部分555bとを有する。下流側水路形成部555は、
図7や
図17に示すように、下給水路602の中側水路605及び下側水路608を形成する。
溝部分555aは、
図14の(a)及び
図15に示すように、第1投入水路形成体168Aと第2投入水路形成体168Bの下方に位置する。つまり、溝部分555aは、
図15の拡大図に示すように、上下に延伸する投入水路部168aの下側開口の下方に位置する下側部分である。これにより投入水路部168aから流下又は滴下する水又は液剤を含んだ水を受けることができ、投入水路部168aと下流側水路形成部555とを接続する接続部を必要としない。また、下流側水路形成部555は、溝部分555aとすることで、通常の使用では、収容部551側から液剤や水が流れ込んでも、支持部553側に流れ出ることはない。
【0062】
溝部分555aは、第1投入水路形成体168Aと第2投入水路形成体168Bの並設方向である左右方向に延伸する。これにより、溝部分555aの長さを短くでき、液剤タンク収容体55を軽量化できる。
溝部分555aは、
図14の(a)に示すように、液剤自動投入手段53のシリンダ531の吐出路構成部531cの一部又は全部が上方から嵌る。これにより、シリンダ531が液剤タンク収容体55により支持された状態において、上下方向の寸法を小さくできる。また、シリンダ531が溝部分555aにより位置規制される。
溝部分555aは、
図14の(b)に示すように底部分が半円(半円筒)状をしている。溝部分555aは、
図15に示すように、上流側から下流側に進むにしたがって底部分が下方に下がるように傾斜している。
筒部分555bは溝部分555aの下流端から下方に延伸する。ここでは左右方向の一方端(左端)から延伸する。筒部分555bには、洗剤投入ユニット30と接続するための接続体252が接続する(
図5参照)。
【0063】
(5)上流側水路形成体
上流側水路形成体166は、
図10に示すように、受水ユニット16と接続する接続体167と、接続体167に接続される投入水路形成体168とを備える。投入水路形成体168は、第1液剤自動投入手段53Aと接続する第1投入水路形成体168Aと、第2液剤自動投入手段53Bと接続する第2投入水路形成体168Bとがある。投入水路形成体168内を流れる水に対して液剤自動投入手段53のシリンダ531から液剤が吐出(投入)される。
上流側水路形成体166は、液剤タンク収容体55と上下に重なる部分では、下流側水路形成部555上に配される。これにより、上流側水路形成体166から水漏れが発生したとしても、その水が中側水路605や下側水路608へと流れる。また、下流側水路形成部555上のスペースを有効に利用できる。
【0064】
(5-1)接続体
接続体167は、
図13に示すように、水路部167aと、投入水路形成体168と接続する接続部167bとを有する筒体である。接続体167の形状は特に限定するものではないが、ここでは、「L」字状をし、2本の投入水路形成体168A,168Bと接続するために、2個の「L」字を左右方向に重ねたような形状をしている。
接続体167は、
図17に示すように、上給水路601の前側水路606と、2本の投入水路形成体168A,168Bに分岐する場合は後側水路607の一部を形成する。
接続体167は、
図15に示すように、筒状をし、例えば、樹脂材料やゴム材料等のパイプ、ホース等を利用できる。
【0065】
水路部167aは直管状をしている。ここでは、水路部167aは水平方向に配されている。より具体的には、水路部167aは左右方向に延伸するように配されている。
水路部167aの下流端には第1投入水路形成体168A用の第1接続部167Abが設けられ、下流端よりも上流側に第2投入水路形成体168B用の第2接続部167Bbが設けられている。
接続体167は、水路部167aにおける第1接続部167Ab及び第2接続部167Bbの接続部位の間に内部空間の横断面積が他の部分(例えば、上流側水路形成体166の入口側)よりも小さくなる径小部分167cを有している。
径小部分167cは、
図15に示すように、内周径が小さくなっている。径小部分167cは、下流側の第1接続部167Abの方が第2接続部167Bbよりも近い部位に設けられている。より具体的には、径小部分167cは、第1接続部167Abに隣接又は近接して設けられている。
【0066】
第1接続部167Abと第2接続部167Bbとを区別して説明する必要がない場合は、接続部167bとする。
接続部167bは、水路部167aに対して交差する状態で設けられている。ここでは、接続部167bは、水路部167aに対して直交する状態で設けられている。別の表現をすれば、接続部167bは下方に延伸するように設けられている。これにより、上流側水路形成体166内の水がスムーズに流れる。
ここでの接続部167bは、投入水路形成体168の上流側端部が内部に挿入される状態で、投入水路形成体168と接続する。
【0067】
(5-2)投入水路形成体
第1投入水路形成体168Aと第2投入水路形成体168Bは、略同じ構成を有するため、投入水路形成体168として説明する。
投入水路形成体168は、
図15の拡大図に示すように、投入水路部168aと、投入水路部168aと液剤自動投入手段53のシリンダ531とを接続させる接続部168bとを有する。投入水路部168aの上流端部は、接続体167の接続部167bと接続する。接続部168bの投入水路部168aと反対側の端部は、シリンダ531の吐出口側の端部に接続する。この観点から、接続部167bは、液剤側給水路60(投入水路)とシリンダ531とを連通させる連通部といえる。
投入水路部168aは、下方に延伸し、液剤自動投入手段53の支持体57の貫通孔571d(
図13の(a)参照)を挿通して、その先端部(下端)が下流側水路形成部555内に位置する。これにより、投入水路部168aから流出する水は、下流側水路形成部555へと流れる。また、投入水路部168aから流出する水は、重力により、自然に下流側水路形成部555側に流れる。
投入水路部168aは、
図15及び
図17に示すように、接続部168bより上流側部分によって上給水路601の後側水路607を形成し、接続部168bより下流側部分によって下給水路602の上側水路604を形成する。また、接続部168bは、連通水路61を形成する。
【0068】
接続部168bは、投入水路部168aに対して交差する状態で接続する。ここでは接続部168bは投入水路部168aに対して直交する状態で接続する。接続部168bは、
図15の拡大図に示すように、水平方向に延伸する2重円筒状をし、その間にシリンダ531の水平に延伸する吐出路構成部531cが挿入される。
【0069】
投入水路形成体168とシリンダ531とは、
図10に示すように、その接続状態を固定する固定部を有している。ここでの固定には係合部と被係合とからなる係合構造を利用している。シリンダ531は凸部531mを有し、投入水路形成体168(接続部168b)は凹部又は貫通溝部168cを有している。凸部531mは、外周面から径方向の外方へ突出し且つ周方向に延伸するリブ状をしている。貫通溝部168cは、接続部168bの外側筒部分168dの周方向に沿って設けられている。投入水路形成体168(接続部168b)は、シリンダ531と接続する際に、凸部531mを貫通溝部168cまで案内する膨出部168eを有している。
シリンダ531に投入水路形成体168を接続する際には、シリンダ531の凸部531mを接続部168bの膨出部168eから接続部168bの筒軸方向に貫通溝部168cまで挿入した後に、接続部168bを筒軸周りに回動させることで、凸部531mが貫通溝部168cに係合する。
なお、投入水路形成体168は、
図10に示すように、上流側水路形成体166を液剤自動投入手段53のベース534に固定するための固定部168fを有している。固定部168fは、接続部168bの外側筒部分168dに設けられた張出部分の貫通孔168gを有している。貫通孔168gを挿通するねじ579eが液剤自動投入手段53のベース534に形成されたボスのねじ穴534h(
図11の(b)参照)に螺合する。
なお、接続部168bの内側筒部分168hは、
図15及び
図17に示すように、後側水路607からの水がシリンダ531に向かって流れた後に上側水路604に戻る連通水路61を形成する連通水路形成部でもある。
【0070】
投入水路形成体168は、
図15の拡大図に示すように、投入水路部168aと接続部168bとの接続部分に、投入水路部168a内を流れてきた水を接続部(連通部)168bの内部側に案内する案内部分168jを有する。ここでの案内部分168jは、投入水路部168aにおける接続部168bと対向する内面に設けられ、接続部168bに向かって板状(リブ状)に延伸する。このように、案内部分168jは投入水路部168a内を流れる水をシリンダ531側に案内する。このため、案内部分168jは投入水路部168a内を流れる水路を狭くする狭小部分ともいえる。
案内部分168jは、投入水路部168aの直径であって接続部168bと直交する直径の位置まで延伸する。つまり、上下方向から見ると、円筒状の投入水路部168aにおける接続部168bと反対側が塞がれ、接続部168b側に半円状の開口が存在する。また、案内部分168jは、接続部168bの筒軸の延長上に設けられている。案内部分168jは、投入水路部168内を流れる水路と直交する方向(ここでは、略水平方向である)に延伸するように設けられている。
【0071】
3.液剤タンクの収容
図16を用いて説明する。なお、
図16では、液剤タンク51を収容する(取り付ける)場合を示し、液剤タンク51を取り出す場合は、収容する場合の逆を行えばよい。
ここでは、液剤タンク収容体55のガイド部分562aと液剤タンク51の被ガイド部分511kとの係合関係が分かるように、液剤タンク収容体55のガイド部分562aの断面図で説明する。
【0072】
(1)液剤タンク51の後端部(突出部511b)を液剤タンク収容体55の底壁部561に沿って奥側に挿入する。この際、液剤タンク51の突出部511bを上方から液剤タンク収容体55の底壁部561の凹部分551dに配置しようとすると、
図16の(a)に示すように、液剤タンク51の被ガイド部分511kが液剤タンク収容体55のガイド部分562aに当接する。これにより、液剤タンク収容体55に配された液剤自動投入手段53のシリンダ531の突出部分531fと、液剤タンク51とが干渉することがなく、突出部分531fの損傷を防止できる。
(2)液剤タンク51の収容に際し、液剤タンク51の後端部を液剤タンク収容体55の底壁部561に沿って奥側に挿入すると、
図16の(a)に示すように、液剤タンク51の被ガイド部分511kが液剤タンク収容体55のガイド部分562aに当接する。
この状態では、拡大図に示すように、液剤自動投入手段53のシリンダ531の突出部分531fが、液剤タンク51の突出部511bの後端開口(接続部)内に進入し、損傷するおそれが少ない。
そして、被ガイド部分511kをガイド部分562aの上面に位置する傾斜面562cに当接又は近接させた状態で、液剤タンク51を前側に移動させる。
【0073】
(3)液剤タンク51の前側への移動により、
図16の(b)に示すように、被ガイド部分511kがガイド部分562aよりも前側に位置すると、液剤タンク51の前部をそのまま下方に移動させる。この状態においても、拡大図に示すように、液剤自動投入手段53のシリンダ531の突出部分531fが、液剤タンク51の突出部511bに干渉することはない。
(4)液剤タンク51の前部を下方に移動させると、液剤タンク51の前部が、液剤タンク収容体55の底壁部561の第1凸部分551bにより支持される。そして、その支持状態を維持しつつ、液剤タンク51を前側に移動させる。この際、被ガイド部分511kの挿入側部分が尖形状(移動方向(挿入方向)と直交する方向から見たときに挿入側がとがった形状)をしているため、液剤タンク51の前側から後側への移動をスムーズに行える。また、被ガイド部分511kの上面は、ガイド部分562aの下面に位置する水平面562dに近接又は当接し、液剤タンク51が上方に移動することを規制できる。
(5)液剤タンク51を後側に移動させると、液剤タンク51の突出部511b内にシリンダ531の接続部531eが進入し、液剤自動投入手段53のシリンダ531の接続部531eが突出部511bの後端側の接続部511dと接続する。これにより、液剤タンク51の取り付けが終了すると共に突出部511b内の開閉手段512が流出口を開状態とする。
【0074】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0075】
<変形例>
(1)液剤タンク51は、蓋体513に開口部513bを開閉可能とする扉体516を有していたが、蓋体は開口部を有していなくてもよい。この場合、液剤タンクを洗濯機から取り出し、蓋体を外して液剤を補充することとなる。なお、扉体の開状態により液剤を補充できる方が、液剤タンクを液剤補充のたびに取り出す必要がなく、便利である。
(2)液剤タンク51への液剤の補充は、蓋体513の開口部513bを利用しているが、例えば、扉体に液剤容器を当接させて補充するようにしてもよい。この場合、
図18に示すように、扉体1516の裏面が上を向いた開状態において、扉体1516の裏面に供給された液剤をタンク本体内に案内する案内部1516aを設けてもよい。ここでの案内部1516aは、一対のリブにより構成され、下方側に移るにしたがって一対のリブの間隔が小さくなるように設けられている。
【0076】
(3)液剤タンク51は、回動可能に支持され且つ液剤の液面により上下するフロート514を備えていたが、例えば、タンク本体511の壁部にフロートを上下動可能に収容する収容部を設け、フロート内に被検知手段518を設けてもよい。なお、収容部は、内部に液剤が侵入するような溝、欠け部、孔部等を有する。
(4)液剤タンク51は、突出部511bの接続部511dを覆うようにフィルタ515を備えているが、蓋体513の開口部513bにフィルタを設けてもよい。
【0077】
(5)液剤タンク51は、下方に突出する突出部511b内に接続部511dを有していたが、例えば、後壁部から後方に突出する突出部に接続部を設けてもよい。また、液剤タンク51の接続部511dは、突出部511b内に挿入するシリンダ531の接続部531eと接続するが、液剤タンクの接続部がシリンダの筒部に挿入してシリンダの接続部と接続するようにしてもよい。液剤タンク51の接続部511dは、前後方向の後方を向くように構成されているが、下方を向くようにしてもよい。この場合、液剤タンクの液剤タンク収容体への収容は、タンクの上下の移動で行うこととなる。
(6)液剤タンク51の取手517は、液剤タンク51の収容の際に移動させる挿抜方向(前後方向)に沿って延伸しているが、挿抜方向と交差する方向に延伸してもよい。なお、挿抜動作を考慮すると、挿抜方向と同じ方向に延伸する方が便利である。
【0078】
(7)液剤自動投入手段53は、液剤タンク51の液剤を吸引する吸引口と吐出する吐出口を有し、制御ユニットの指示で吸引及び吐出を行えればよく、シリンダとピストンとを備える構成以外のポンプであってもよく、ギアポンプ、スクリューポンプ等を利用してもよい。
(8)液剤自動投入手段53のシリンダ531は、ピストン収容部531aと吸引路構成部531bとを直線状に備え、この直線に対して吐出路構成部531cが直交しているが、他の構成であってもよい。つまり、シリンダ531は、ピストンの動作により液剤の吸引と吐出を行えればよく、ピストン収容部531aと吸引路構成部531bとが並ぶ方向が液剤タンク51の挿抜方向と一致してもよいし、一致しなくてもよい。また、ピストン532の往復運動は前後方向以外でもよく、例えば上下方向に往復運動してもよい。
【0079】
(9)液剤自動投入手段53のピストン532とモータ533とは、スコッチヨーク機構でリンクされていたが、例えば、カム機構、クランク機構によりリンクさせてもよい。また、リンク機構によっては、モータ533の位置をシリンダ531の上方以外の位置に配置してもよい。
(10)液剤自動投入手段53は、シリンダ531やモータ533を支持するベース534を備え、ベース534が支持体57に支持されていたが、例えば、シリンダ531とモータ533とが直接支持体に支持されてもよい。なお、液剤自動投入手段53が複数個あるような場合、同じ構成のユニットとして構成し、支持体57や液剤タンク収容体に取り付けるようにしてもよい。なお、液剤自動投入手段53のベース534は、シリンダ531やモータ533を支持できればよく、その構成は特に限定するものではない。
【0080】
(11)支持体57は、液剤自動投入手段53を支持できればよく、支持機能に着目する場合、その構成を特に限定するものでない。例えば、支持体57は、液剤自動投入手段53用の貫通孔571aと欠け部分571bとを有しているが、貫通孔を欠け部分としてもよいし、欠け部分を貫通孔としてもよい。また、支持体57は、液剤タンク収容体55への取付構造によっては、側壁部573を有していなくてもよい。また、支持体を液剤タンク収容体に取り付けずに、他の部材を介して筐体に取り付けてもよい。
(12)支持体57は、収容部551を区画する区画壁部572を有していたが、区画壁部を支持体とは別の部材で構成してもよく、例えば、液剤タンク収容体55に一体に設けてもよい。なお、液剤タンク51の凹部分551dの連通部551mを考慮すると、液剤タンク収容体55以外に区画壁部を設ける方が好ましい。
【0081】
(13)液剤タンク収容体55は、収容部551と支持部553と下流側水路形成部555とを一体で成形された一体成形品であったが、これらを別部材で構成して結合してもよい。なお、部品点数を考慮すると、一体成形品が好ましい。また、液剤タンク51の収容部551での液漏れ等を考慮にすると、少なくとも収容部551と下流側水路形成部555とを一体で備えるのが好ましい。
(14)2個の液剤自動投入手段53A,53Bは、1本の前側水路606から2本の後側水路607A,607Bに分岐しているが、1本の水路形成体により接続されてもよい。具体的には、液剤自動投入手段53A,53Bのそれぞれは、接続体(ホース等)により受水ユニット16の接続口164と接続してもよい。
2個の液剤自動投入手段53A,53Bは、左右方向に隣接して設けられていたが、前後方向に隣接して設けられてもよいし、上下方向に隣接して設けられてもよいし、これらの方向と交差する方向に設けられてもよい。
【0082】
(15)上流側水路形成体166を介して2個の液剤自動投入手段53A,53Bの両方を経由するように水が流れるが、例えば、一方の液剤を投入する際には、他方の液剤自動投入手段に水が流れないようにしてもよい。この場合、各液剤自動投入手段と接続する水路形成体を受水ユニット16の各接続口に接続し、制御ユニットにより受水ユニットの開閉手段を開閉制御することで実施できるし、各後側水路607A,607Bに開閉手段を設けて制御ユニットにより開閉制御してもよい。
(16)投入水路形成体168は、連通水路61として接続部168bを有していたが、例えば吐出側開閉手段536を投入水路部168aに近接状態で設けたり、投入水路部168aを太くしたりすることで、連通水路を無くしてもよい。また、案内部分168jは、吐出側開閉手段536の位置によっては設けなくてもよいし、接続部168bの延伸方向によっては設けなくてもよい。
(17)上流側水路形成体166を構成する接続体167は、径小部分167cを有していたが、例えば、受水ユニット16から第1液剤自動投入手段53Aまでの水路の距離と、受水ユニット16から第2液剤自動投入手段53Bまでの水路の距離とが略等しい場合、径小部分を有しなくてもよい。このような例としては、接続体が例えば逆「Y」字状や「T」字状をし、「Y」字の1本側または「T」字の縦棒側が受水ユニットに接続され、「Y」字の2本側または「T」字の横棒側のそれぞれが第1液剤自動投入手段と第2液剤自動投入手段とに接続される場合である。なお、「Y」字や「T」字の形状に限定するものではなく、1本から流路長が同じとなるよう2本に分岐していればよい。
【0083】
(18)液剤タンク収容体55の収容部551は、第1凸部分551b、第2凸部分551k及び段付きリブ562bを有し、底壁部561の上面(収容面)と液剤タンク51との間に隙間を設けているが、第1凸部分551bと第2凸部分551kと段付きリブ562bの段差を設けなくてもよい。この場合、膨出部分551aも設けなくてもよい。
(19)液剤タンク収容体55の収容部551は、液剤タンク51の挿抜方向の両端側に第1凸部分551bと延伸板部分551cを有していたが、挿抜方向の全長に亘って第1凸部分551bと延伸板部分551cとを有してもよい。この場合、液剤タンク51を収容位置まで案内するガイド部分562aと液剤タンク51の被ガイド部分511kとを挿入方向と直交する方向(左右方向)に2個設けてもよい。
(20)液剤タンク収容体55の収容部551の案内部の一例であるガイド部分562aは、上側壁部562から液剤タンク51側に突出して、液剤タンク51の被案内部の一例である被ガイド部分511kを収容位置まで案内しているが、例えば、案内部は、液剤タンク51の突部である被案内部の一例である被ガイド部分511kを案内する溝部分より構成してもよい。なお、溝部分を利用する場合、液剤タンク収容体の案内部(ガイド部分)を凸部分で構成し、液剤タンクの被案内部を溝部分で構成してもよい。
【0084】
(21)液剤タンク収容体55の収容部551の凹部分551dは、収容部551の底壁部561における挿抜方向(前後方向)の挿入側(後側)に設けられているが、液剤タンク51を収容部551の前壁部564に近接した状態で、液剤タンク51の突出部511bが嵌るように、挿抜方向の抜出側にまで延伸してもよい。
(22)液剤タンク収容体55の収容部551の挿抜方向の挿入側の端部に設けられた立設壁部分(下区画壁部)551eは、支持体57の区画壁部(上区画壁部)572とで区画壁を構成しているが、さらに上方まで立設して区画壁を構成してもよい。この場合、連通部551mは、上方まで延伸する溝状であってもよいし、周囲が閉じた貫通孔であってもよい。
【0085】
(23)液剤タンク収容体55の下流側水路形成部555は、複数個の液剤タンク51が並ぶ並設方向(左右方向)の一方側に筒部分555bを有し、溝部分555aが一方側が低くなるように構成されているが、例えば、筒部分555bを隣接する液剤タンク51A,51Bの間、つまり、併設方向の中間部分に設け、溝部分において併設方向の中間が最も低くなるように構成されてもよい。
(24)液剤タンク収容体55と洗剤投入ユニット30とを接続する接続体252は洗剤投入ユニット30の裏側(後側)に接続されているが、例えば、洗剤ボックスの側面側に接続されてもよい。
(25)液剤自動投入ユニット50を経由した水は、洗剤投入ユニット30に流入するが、直接洗濯槽に流入するようにしてもよい。
【0086】
<発明>
1.先行技術
(1)特開2021-003272号公報
本特許文献では、液剤自動投入ユニットを備える洗濯機として、洗剤又は柔軟剤の液剤を貯溜可能な1個以上のタンクと、前記タンクを着脱自在に収納するタンクトレイと、前記タンクから前記液剤を取り出して外槽内に投入する液剤投入装置を有する。かかる洗濯機によれば、タンクの逆止弁をタンクトレイの底面に対して上下方向に接続することによって液剤を外槽内に投入することができる。
しかしながら、この技術では、タンクをタンクトレイから外した際に、タンクから液剤がタンクとタンクトレイとの接続部分周辺にこぼれ、タンクトレイを汚損するおそれがあった。なお、タンクトレイが液剤で汚損されると、液剤の固着により液剤投入装置が正常に動かなくおそれもあった。
また、上記文献では、タンクをタンクトレイへ収容する際に、接続部分を破損する場合があったり、タンクが正しくタンクトレイに嵌らない状態でタンクを覆う蓋が閉められる可能性もあったり、ポンプがタンクトレイの後方に設けられているためポンプとタンクとの位置調整が煩雑であったりする。
(2)特開2020-80920
本特許文献では、給水弁を閉じた場合に水が残留する水残留部を給水経路中に有し、処理剤注入経路の出口となる注入口が、水残留部に設けられている。かかる構成により、洗濯処理剤を自動で投入する機能を備えたものにおいて、注入口周辺に残された処理剤が乾燥し、固化して詰まるのを抑制できる。
しかしながら、この技術では、水残留部と連通する注入口から処理剤注入経路へ水が常に浸入した状態となるため、カビ等、微生物の温床となる虞がある(衛生上問題がある)。また、水残留部と連通する注入口から処理剤注入経路へ処理剤を吐出する構造のため、重力により供給ポンプ内に水が浸入する虞もある。
【0087】
(3)特開2019-42184
本特許文献では、液剤を吸引し洗濯槽へ吐出するポンプユニットと、給水口から給水される水道水と液剤タンクから吐出される液剤(洗剤及び柔軟剤)の内いずれか一方をポンプニットへ供給する切換弁と、タンク内の液剤が前記洗濯槽へ供給される水路を洗浄するお手入れコースを有する洗濯機を提供する。
しかしながら、この技術では、ポンプユニットは液剤を吸引し洗濯槽へ直接吐出する為、吐出経路がドラム(内槽)の振動の影響を受けやすく、該経路が外れる等すると自動投入を実施できなくなる虞がある。また、液剤を吸引するポンプが、液剤、水を夫々吸引吐出するため、液剤同士が混ざったり、水が液剤タンク側へ混入したりする虞もある。
【0088】
(4)特開2018-11618
本特許文献では、洗剤タンクや柔軟剤タンクの上面にタンク把手が設けられ、洗剤タンクや柔軟剤タンクがタンク収納容器に収納されてタンク蓋体により塞がれる。この技術では、タンク把手が上方に突出するように設けられているため、収納スペースを圧迫する。
【0089】
2.発明1
(1)第1の洗濯機
第1の洗濯機は、洗濯槽と、前記洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンクの前記液剤を前記洗濯槽に自動投入するための液剤自動投入手段と、前記液剤タンクを収容部に収容する液剤タンク収容体とを備え、前記洗濯槽に供給される水は、前記液剤自動投入手段を経由する給水路を通り、前記液剤タンクは、第1方向の挿抜により前記収容部に出し入れ可能に収容され、前記液剤タンクは、底壁部から下方へ突出する突出部内に、前記液剤自動投入手段と接続するための接続部を有し、前記液剤タンク収容体は、前記収容部に、前記液剤タンクの突出部に対応して下方に凹入する凹部分を有し、前記突出部と前記凹部分とは前記第1方向に延伸し、前記凹部分は、前記給水路に連通する連通部を有している。
これにより、液剤タンク収容体の凹部分に給水路に連通する連通部を有することとなり、液剤タンクから零れた液剤を連通部へ流すことができる。この際に液剤を水で流すようにしてもよい。また、液剤タンクと液剤自動投入手段との接続部分の中心(軸)が、液剤タンクの底壁部よりも下方に突出しているため、液剤タンク内に残留する液剤を低減できる。また、液剤タンクの底壁部から下方に突出する突出部に液剤自動投入手段との接続部があるため、液剤タンクの容積を大きくできる。また、液剤タンクと液剤自動投入手段(の吸引部)とを確実に接続させることができ、液剤を安定して供給できる。
第1方向は、前後方向、左右方向、上下方向、これらの方向と交差する方向であってもよい。給水路は、洗剤投入ユニットを備える場合に当該洗剤投入ユニットを経由してもよいし、経由しなくてもよい。給水路は、液剤自動投入手段を経由すればよく、その一例が実施形態における液剤側給水路である。突出部は、液剤タンクの底壁部において、第1方向の抜出側(実施形態における前側である)に設けられてもよいし、第1方向の挿入側(実施形態における後側である)に設けられてもよいし、第1方向における抜出側と挿入側との中間側に設けられてもよいし、第1方向の抜出側、挿入側、中間側の少なくとも2つ以上に連続して設けられてもよい。
連通部は、給水路と連通すればよく、例えば、欠け部により構成されてもよいし、貫通孔により構成されてもよい。
なお、第1の洗濯機は、液剤タンクにおける液剤自動投入手段と接続するための突出部と、液剤タンク収容体における凹部分とに着目するものであり、液剤自動投入手段の個数、液剤タンクの個数、液剤タンクの液剤タンク収容体での収容形態、液剤自動投入手段の構造、液剤投入ユニットの有無等も特に限定するものではない。
第1の洗濯機は、発明1の第2~第17の洗濯機の構成を備えてもよいし、備えなくてもよい。
【0090】
(2)第2の洗濯機
第2の洗濯機は、第1の洗濯機において、前記連通部は、前記凹部分における前記第1方向の挿入側端部に設けられ、前記液剤タンク収容体の前記凹部分の底部分は、前記第1方向を抜出側から挿入側に向かって下方に傾斜し、前記液剤タンクは、前記突出部が前記凹部分の前記底部分に接触しない状態で、収容される。
これにより、液剤タンクと液剤自動投入手段との接続状態を解除した際に液剤が零れても、連通部に向かって液剤が流れる。また、液剤タンクが底部分と接触しないため、液剤の流れが液剤タンクにより邪魔されることはない。また、液剤が漏れても、給水路側に液剤を流すことが可能であるため、液剤漏れを防ぐために液剤タンクの接続部等にパッキンを設ける必要がなく、部材点数を削減できる。
【0091】
(3)第3の洗濯機
第3の洗濯機は、第1又は第2の洗濯機において、前記収容部の収容面における前記凹部分よりも抜出側に位置する部分は、抜出側から前記凹部分に向かって下方に傾斜する。
これにより、液剤タンクと液剤自動投入手段との接続状態を解除した際に液剤が収容面に零れても、凹部分に向かって液剤を流すことができ、手入れが容易となる。
【0092】
(4)第4の洗濯機
第4の洗濯機は、第1から第3の何れかの洗濯機において、前記液剤タンクの底壁部の内面は、前記突出部に向かって下方に傾斜する。
これにより、液剤タンク内の液剤を突出部へ確実に供給(流すことが)できる。また、液剤タンク内で液剤が固化する(液剤が残る)のを低減できる。
【0093】
(5)第5の洗濯機
第5の洗濯機は、第1から第4の何れかの洗濯機において、前記液剤タンク収容体は、前記収容部に対して前記液剤タンクを前記第1方向の抜出側から挿入側に移動させることで、前記収容部に収容され、前記液剤タンク収容体は、収容の際に、前記液剤タンクを前記抜出側に案内した後に、前記挿入側への移動を許容する案内部を有し、前記液剤タンクは、前記案内部により案内される被案内部を有する。
これにより、液剤タンクを付け外す(出し入れする)際に液剤自動投入手段における液剤タンクとの接続部分を保護できる。つまり、液剤タンクの被案内部が液剤タンク収容体の案内部に沿うように、液剤タンクを液剤タンク収容体に対して第1方向の抜出側に引き抜かなければ、液剤タンクを上方へ持ち上げることができない。また、突出部を損傷することなく、液剤タンクを液剤タンク収容部へ収容できる。また、液剤タンクの取り付けの際に、案内部と被案内部が干渉(摺動)するため、液剤タンクを確実に液剤タンク収容部に収容できると共に収容状態を保持できる。
なお、案内部及び被案内部は、凸部分により構成されていたが、凸部分と溝部分で構成されてもよい。
【0094】
(6)第6の洗濯機
第6の洗濯機は、第1から第5の何れかの洗濯機において、前記液剤タンク収容体は、前記収容部に前記液剤タンクを収容した状態において、前記液剤タンクの上面が水平となる状態又は液剤タンクの上面と水平方向との間の角度が10度以下となる状態となるように、前記液剤タンクを支持する支持部分を有する。
これにより、液剤タンクを液剤タンク収容部に安定した状態で保持できる。また、液剤タンク上面が水平に維持されることで、例えば、液剤タンク収容部の上方に上扉が設けられている場合、当該上扉と干渉することはない。これにより、上扉を閉めることができ、意匠性や美観を保つことができる。
ここでの「支持部分」の一例は、第1凸部分(凸条を含む概念である)、第2凸部分及び段付きリブの段差であるが、支持部分は、液剤タンクを水平に支持できればよく、その個数や形状は特に限定するものではない。なお、支持部分は、液剤タンク収容体に設けられていたが、液剤タンク、液剤タンクと液剤タンク収容体、専用の部材に設けられてもよい。液剤タンク側に設けられて場合、被支持部分としてもよい。
【0095】
(7)第7の洗濯機
第7の洗濯機は、第6の洗濯機において、前記収容部は、当該収容部に収容された前記液剤タンクにおける前記第1方向の抜出側の端部との間に空間部が形成され、前記洗濯槽を収容する筐体は、前記液剤タンクを出し入れするための開閉可能な上扉を天壁部に備え、前記上扉は、前記液剤タンクが前記収容部に収容された状態において、前記液剤タンクの上方に位置し、前記上扉の前記収容部内に突出する突出部が前記空間部に収まることで、前記上扉が閉状態可能となる。
これにより、液剤タンクが収容部に収容されることで、液剤タンクの上方の上扉と干渉することはない。また、上扉を閉めることができ、意匠性や美観を保つことができる。一方、上扉が閉めることができない場合は、液剤タンクが正しく液剤タンク収容体に収容されていない場合であり、液剤タンクが正しく収容されていないことを使用者に知らせることができる。
【0096】
(8)第8の洗濯機
第10の洗濯機は、第1から第7の何れかの洗濯機において、前記液剤タンクは、開口を有する箱状のタンク本体と、前記タンク本体の前記開口を覆う蓋体とを備え、前記蓋体は、開口部を有する蓋本体と、前記蓋本体の前記開口部を開閉可能とする扉体とを備え、前記扉体は、開状態において、裏面上に供給された液剤を前記タンク本体へと案内する案内部を有する。
これにより、液剤タンクへ液剤を補充する際、市販の液剤容器の口を案内部や扉体の裏面へ当接させた状態で、簡単に補充できる。
また、例えば、案内部を一対のリブにより構成することもでき、簡易な構成で液剤が液剤タンク収容部等へ漏洩するのを防止できる。
【0097】
(9)第9の洗濯機
第9の洗濯機は、第8の洗濯機において、前記液剤タンクは、起伏可能な取手を前記蓋体に有する。
これにより、取手を利用することで液剤タンクを容易に取り外せる。また、取手を蓋体に設けることで、蓋体をタンク本体から外した際にも利用できる。また、液剤タンク自体に取手を設けた場合に比して、液剤タンク収容体の収容部における液剤タンクによる占有率を低減できる。
【0098】
(10)第10の洗濯機
第10の洗濯機は、第1から第9の何れかの洗濯機において、前記液剤自動投入手段は、前記液剤タンク収容体の支持部により支持され、前記液剤タンク収容体は、前記第1方向の抜出側に前記収容部を有し、前記収容部よりも前記第1方向の挿入側に前記支持部を有し、前記液剤自動投入手段は、前記液剤を吸引し且つ吐出し、前記液剤自動投入手段の吸引部は、前記収容部の凹部分における前記第1方向の挿入側に配され、前記吸引部は、前記凹部分において前記液剤タンクの接続部と接続する。
これにより、液剤タンク収容体に、取り外し可能な液剤タンクと、固定状態の液剤自動投入手段とを設けることができ、ユニット化できる。また、液剤自動投入手段の吸引部は、凹部分で液剤タンクと接続するため、液漏れが発生しても、連通部へと液剤が流れる。
なお、支持部は、液剤タンク収容体として一体成形品により構成されてもよいし、液剤タンク収容体と別体で構成され且つ液剤タンク収容体に取り付けられて構成されてもよい。
【0099】
(11)第11の洗濯機
第11の洗濯機は、第10の洗濯機において、前記液剤タンク収容体は、上方から見ると、前記支持部と前記収容部との間に、前記給水路の一部を構成する水路を有し、前記液剤自動投入手段における前記液剤タンクの液剤を吸引する吸引部は前記第1方向に延伸し、前記支持部は、前記吸引部用の凹部分を有し、前記液剤自動投入手段は、前記吸引部における前記液剤タンクとの接続部分が前記水路を超えて前記収容部の凹部分に位置する状態で、前記支持部に支持されている。
これにより、タンク収容部に漏れた液剤が液剤自動投入手段を支持する支持部側に流れるのを防止できる。また、収容部に漏れた液剤を水路に流すことができ、衛生面的である。
ここでの「水路」の一例が、中側水路と下側水路であるが、これらの構成は特に限定するものでない。
【0100】
(12)第12の洗濯機
第12の洗濯機は、第10又は第11の洗濯機において、前記支持部は、前記液剤タンク収容体と別体の支持体が前記液剤タンク収容体に取り付けられて構成され、前記支持体は、前記第1方向の抜出側に前記第1方向と直交する壁部を有し、前記収容部は、前記支持体の壁部により前記支持部と区画されている。
これにより、液剤タンク収容体における収容部と液剤自動投入手段との間に、別構造として仕切壁を設けることなく、支持部と収容部とを区画できる。液剤自動投入手段を支持する支持体の壁部を、液剤タンク収容体と分離する(別構造とする)ことで、液剤タンク収容体の収容部が変形しても、支持体への影響がなく、液剤自動投入手段と液剤タンクとの位置決め精度を維持できる。
なお、壁部の一例が実施形態の区画壁部である。
【0101】
(13)第13の洗濯機
第13の洗濯機は、第12の洗濯機において、前記タンク収容体は、前記収容部の収容面から上方へと延伸すると共に前記第1方向に沿って延伸する一対の延伸片により構成されるスナップフィットを有し、前記液剤タンクの底壁部は、前記スナップフィットに前記第1の方向の抜出側から挿入して、前記一対の延伸片に係合する係合部を有し、前記液剤タンクにおける前記第1方向の挿入側の壁部は、前記支持体の壁部に当接する当接部を有する。
これにより、液剤タンクが液剤自動投入手段の吸引部の付近でズレるのを防止できる。また、液剤タンクを液剤タンク収容部に安定して保持できる。係合部は、液剤タンクの底壁部から外側へ突出成形されるため、液剤タンクの容量を圧迫することはない。
一対の延伸片の一例が実施形態の一対のリブであり、係合部の一例が被位置決部である。
【0102】
(14)第14の洗濯機
第14の洗濯機は、第12は第13の洗濯機において、前記収容部は、収容面を構成する底壁部と、前記収容面における前記第1方向と上下方向とに直交する第2方向の両端から上方に延伸する一対の側壁部と、前記底壁部と前記一対の側壁部とにおける前記第1方向の抜出側の端を連結する端壁部と、前記支持体の前記壁部とで構成され、前記支持体の前記壁部と、前記収容部の側壁部における前記第1方向の挿入側の端部とは互いに嵌合する嵌合部を有する。
これにより、液剤タンク収容体と、液剤自動投入手段が取り付けられた支持体との位置合わせを正確且つ簡単にできる。つまり、液剤自動投入手段(支持体)の液剤タンク収容体への組み付けを容易に行うことができる。また、液剤タンク収容体の洗浄の際に洗浄水の液剤自動投入手段側への漏れを防止できる。
【0103】
(15)第15の洗濯機
第15の洗濯機は、第14の洗濯機において、前記収容部の前記端壁部は、前記収容部に収容された前記液剤タンクにおける前記第1方向の抜出側の端部との間に空間部が形成されている。
これにより、液剤タンクを液剤タンク収容体の収容部から簡単に取り外しできる。つまり、液剤タンクの抜出側部分に手を掛けることができるため、液剤タンクを取り外ししやすい。
【0104】
(16)第16の洗濯機
第16の洗濯機は、第6の洗濯機において、さらに、前記液剤タンクの液量を検知するための検知手段を前記液剤タンク収容体に備え、前記検知手段は、前記収容面から前記液剤タンクに向かって膨出する膨出部分における前記液剤タンクと反対側の面に設けられている。
これにより、収容面における液剤タンク側に検知手段を設ける場合に比して、検知手段への液剤や水等の浸入リスクを低減することができる。また、収容面に膨出部分を設けることで収容面の裏側に生じたスペースを有効活用できる。また、液剤タンクを支持する支持部分を液剤タンク収容体に設けた場合でも、膨出部分を利用することで、検知手段と液剤タンクとの距離を近づけることができる(これにより、検知精度を高めることができる)。
膨出部分は、検知手段を配することができればよく、その大きさ、形状は特に限定するものではない。
なお、検知手段を設けない場合、液剤タンク収容体は、膨出部分を有しなくてもよい。また、液剤タンクを水平にするための支持部を液剤タンクに設けられている場合、下方に膨出する膨出部分を液剤タンクに設け、検知手段を液剤タンク収容体の膨出していない部分に設けてもよい。
【0105】
(17)第17の洗濯機
第17の洗濯機は、第16の洗濯機において、さらに、前記液剤タンク内の液剤の補充を報知する報知手段を備え、前記液剤タンクは、液剤の液量にしたがって動作するフロートと、前記フロートに設けられ且つ前記検知手段により検知される被検知手段とを備え、前記報知手段は、前記フロートの動作により前記被検知手段を前記検知手段が検知する又は検知しなくなると、前記補充を報知する。
これにより、簡易な構成で、液剤の残量を判定できる。また、検知手段としてリードスイッチを、被検知手段としてマグネットを利用することもでき、安価に実施できる。例えば、ホール素子を使用する場合、ホール素子を基板に実装する必要が生じ、その構成が複雑になる。
【0106】
3.発明2
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンクの前記液剤を前記洗濯槽に自動投入するための液剤自動投入手段と、前記液剤タンクを収容部に収容する液剤タンク収容体と備え、前記液剤タンク収容体は、前記収容部に対して前記液剤タンクを前記第1方向の抜出側から挿入側に移動させることで、前記収容部に収容され、前記液剤タンク収容体は、収容の際に、前記液剤タンクを前記抜出側に案内した後に、前記挿入側への移動を許容する案内部を有し、前記液剤タンクは、前記案内部により案内される被案内部を有する。
これにより、液剤自動投入手段における液剤タンクとの接続部分や、液剤タンクにおける液剤自動投入手段との接続部分を破損すること防止でき、特開2021-3272号公報における、接続部分が破損しやすいという課題を解決できる。なお、第1方向が左右方向又は前後方向の場合に接続部分が破損しやすい。
【0107】
4.発明3
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンクを収容部に収容する液剤タンク収容体と、前記液剤タンクの液量を検知するための検知手段とを備え、前記検知手段は、前記収容面から前記液剤タンクに向かって膨出する膨出部分における前記液剤タンクと反対側の面に設けられている。
これにより、収容面における液剤タンク側に検知手段を設ける場合に比して、検知手段への液剤や水等の浸入リスクを低減することができ、検知手段へ液剤等が浸入しやすいという課題を解決する。
なお、膨出部分と検知手段とに着目する場合、液剤タンクは取り外し可能に又は不可能に液剤タンク収容体に収容されてもよい。
【0108】
5.発明4
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクを備え、前記液剤タンクは、開口を有する箱状のタンク本体と、前記タンク本体の前記開口を覆う蓋体とを備え、前記蓋体は、開口部を有する蓋本体と、前記蓋本体の前記開口部を開閉可能とする扉体とを備え、前記扉体は、当該扉体の裏面が上側を向いた開状態において、前記裏面上に供給された液剤を前記タンク本体へと案内する案内部を有する。
これにより、液剤タンクへ液剤を補充する際、市販の液剤容器の口を案内部や扉体の裏面へ当接させた状態で、簡単に補充でき、市販の液剤容器の液剤を液剤タンクに入れ難いという課題を解決する。
なお、液剤タンクにおける液剤の補充に着目する場合、液剤タンク収容体や液剤自動投入手段等の構成は特に限定するものではない。
【0109】
6.発明5
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンク用の収容部を有する液剤タンク収容体とを備え、前記液剤タンクは、開口を有する箱状のタンク本体と、前記タンク本体の前記開口を覆う蓋体とを備え、起伏可能な取手を前記蓋体に有する。
これにより、収容部における液剤タンクによる占有率を低減でき、液剤タンク自体に取手を設けた場合に液剤タンクの占有率が大きいという課題を解決する。
つまり、特開2018-11618号公報における、洗剤タンク等の上面に把手を設けると、把手の分だけタンクの収容スペースが圧迫されるという課題を解決する。
なお、液剤タンクの液剤タンク収容体からの取り外しに着目する場合、液剤タンク収容体の構成は特に限定するものではない。
【0110】
7.発明6
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンクの前記液剤を前記洗濯槽に自動投入するための液剤自動投入手段と、前記液剤タンクを収容部に収容し且つ前記液剤自動投入手段を支持する液剤タンク収容体と備え、前記洗濯槽に給水される水は、前記液剤自動投入手段を経由する給水路を通り、前記液剤タンク収容体を上方から見ると、前記支持部と前記収容部との間に、前記給水路の一部を構成する水路を有する。
これにより、タンク収容部に漏れた液剤が液剤自動投入手段を支持する支持部側に流れるのを防止でき、液剤自動投入手段側に液剤が流れるという課題を解決できる。
ここで、液剤タンク(収容部)と液剤自動投入手段と水路との並ぶ方向は、第1方向であってもよいし、第1方向と直交する方向であってもよいし、これらの方向に交差する方向であってもよい。
なお、液剤タンク(収容部)と液剤自動投入手段と水路との位置関係に着目する場合、液剤タンク、液剤タンク収容体、液剤自動投入手段等の構成は特に限定するものでなく、例えば液剤自動投入手段を直接液剤タンク収容体に取り付けるようにしてもよい。
【0111】
8.発明7
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンクの前記液剤を前記洗濯槽に自動投入するための液剤自動投入手段と、前記液剤タンクを収容部に収容し且つ前記液剤自動投入手段を支持する液剤タンク収容体とを備える。
これにより、液剤自動投入手段と液剤タンクとが近くなり、位置調整をしやすくできる。
つまり、特開2021-003272号公報における、ポンプがタンクトレイの後方に設けられ、ポンプとタンクとの位置調整が煩雑であるという課題を解決できる。
【0112】
9.発明8
第1の洗濯機は、洗濯槽に投入する液剤を貯留する液剤タンクと、前記液剤タンク用の収容部を有する液剤タンク収容体とを備え、前記液剤タンクは、前記収容部に対して第1方向から挿抜可能に収容され、前記収容部は、当該収容部に収容された前記液剤タンクにおける前記第1方向の抜出側の端部との間に空間部が形成され、前記洗濯槽を収容する筐体は、前記液剤タンクを出し入れするための開閉可能な上扉を天壁部に備え、前記上扉は、前記液剤タンクが前記収容部に収容された状態において、前記液剤タンクの上方に位置し、前記上扉の前記収容部内に突出する突出部が前記空間部に収まることで、前記上扉が閉状態可能となる。
これにより、液剤タンクが収容部に収容されることで、液剤タンクの上方の上扉と干渉することはない。また、上扉を閉めることができ、意匠性や美観を保つことができる。一方、上扉を閉めることができない場合は、液剤タンクが正しく収容部に収容されていない場合であり、液剤タンクが正しく収容されていないことを使用者に知らせることができる。つまり、特開2021-003272号公報における、タンクが正しくタンクトレイに嵌らない状態でタンクを覆う蓋が閉められるという課題を解決できる。
【符号の説明】
【0113】
11 洗濯槽
51 液剤タンク
53 液剤自動投入手段
55 液剤タンク収容体
60 液剤側給水路(給水路)
511 タンク本体
511a 底壁部
511b 突出部
511d 接続部
551 収容部
551d 凹部分
551m 連通部