(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】照明装置及び照明装置用の連結具
(51)【国際特許分類】
F21V 21/03 20060101AFI20231106BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231106BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20231106BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231106BHJP
【FI】
F21V21/03 150
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2018222581
(22)【出願日】2018-11-28
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諭史
(72)【発明者】
【氏名】池谷 博文
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-053888(JP,U)
【文献】特開2013-051193(JP,A)
【文献】特開2013-175416(JP,A)
【文献】特開2016-035838(JP,A)
【文献】特開2013-182855(JP,A)
【文献】特開2018-022556(JP,A)
【文献】特開平10-214513(JP,A)
【文献】特開2000-320061(JP,A)
【文献】実開昭48-004783(JP,U)
【文献】実開昭55-022988(JP,U)
【文献】実開昭58-051505(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 21/00-21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造営部に設けられた吊ボルトに取り付けられる照明装置であって、
少なくとも前記造営部の側とは反対側に向かって発光する光源と、少なくとも前記光源を覆う透光性の外郭とを有する灯具と、
前記灯具の長手方向における両端部よりも外側に配置され、前記吊ボルトと
ナットにより連結される連結部、及び、前記灯具にネジ止めにより固定される固定部を有する連結具と、
を備え
、
前記連結部には、前記吊ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されている照明装置。
【請求項2】
前記ボルト挿通孔は、
前記ボルト挿通孔に挿通された前記吊ボルトが前記灯具の長手方向に沿って滑動自在となるように、前記灯具の長手方向に沿って長孔形状に形成されている請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
造営部に設けられた吊ボルトに取り付けられる照明装置であって、
少なくとも前記造営部の側とは反対側に向かって発光する光源と、少なくとも前記光源を覆う透光性の外郭とを有する灯具と、
前記吊ボルトに対応した位置に配置された前記吊ボルトと連結される連結部を有し、前記灯具と前記造営部との間に配置されるように前記灯具に取り付けられる連結具と、
を備え、
前記連結具は、
長尺状に形成された前記灯具の長手方向における両端部にそれぞれ取り付けられた状態で、前記灯具の長手方向における両端部よりも外側に前記連結部が配置される第1連結具と、
長尺状に形成された前記灯具の長手方向における両端部に取り付けられた状態で、前記灯具の長手方向における両端部よりも内側で前記吊ボルトと連結する前記連結部を有する長尺状の第2連結具と、
を有し、
前記第1連結具の前記連結部を第1連結部とし、前記第2連結具の前記連結部を第2連結部とした場合に、
前記第1連結具は、
前記灯具の長手方向における両端部にそれぞれ取り付けられており、
前記第2連結部は、
前記灯具の長手方向における両端部に取り付けられた状態で、連結用固定具によって前記第1連結部と連結されて前記第1連結具を支持すると共に、前記第2連結部が前記吊ボルトと連結する照明装置。
【請求項4】
造営部に設けられた吊ボルトに取り付けられる照明装置用の連結具であって、
前記吊ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されており、前記吊ボルトに対応した位置に配置された前記吊ボルトと
ナットにより連結される連結部を有し、
少なくとも前記造営部の側とは反対側に向かって発光する光源及び少なくとも前記光源を覆う透光性の外郭を有する灯具の長手方向における両端部よりも外側に配置されるように前記灯具にネジ止めにより固定される照明装置用の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井あるいはレースウェイ等の造営部に対して直接取り付けられる照明装置に関し、灯具を造営部に取り付けるための連結具を備えた照明装置及び照明装置用の当該連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光源となる灯具と、灯具を収容する照明器具とを備え、照明器具が天井等の造営部に取り付けられる照明装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明装置は、灯具を造営部に取り付ける際に灯具を収容する照明器具が必要となる。そのため、作業者は、灯具を造営部に取り付ける際に、照明器具を造営部に設置する作業と、灯具を照明器具内に収容する作業とが必要となり、灯具を造営部に設置する際に手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、灯具を収容する照明器具を用いることなく灯具を天井あるいはレースウェイ等の造営部に取り付けることができる照明装置及び照明装置の連結具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、造営部に設けられた吊ボルトに取り付けられる照明装置であって、少なくとも造営部の側とは反対側に向かって発光する光源と、少なくとも光源を覆う透光性の外郭とを有する灯具と、灯具の長手方向における両端部よりも外側に配置され、吊ボルトとナットにより連結される連結部、及び、灯具にネジ止めにより固定される固定部を有する連結具と、を備え、連結部には、吊ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明装置は、吊ボルトに対応した位置に配置され固定具によって吊ボルトと連結される連結部を有し、灯具と造営部との間に配置されるように灯具に取り付けられる連結具と、を備えている。照明装置は、灯具を収容する照明器具を用いなくても造営部に取り付けられた吊ボルトに対して灯具を直接連結することができる。そのため、照明装置は、灯具を造営部に連結する際に、灯具を収容する照明器具を用いる必要がないので、作業者は、造営部への灯具の取り付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明システムの分割斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明システムの分割側面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明装置の詳細な構成を説明する斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る照明システムの一端側の端面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る照明システムの側面図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る照明システムの下面図である。
【
図9】
図7の照明システムのB-B線断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る照明システムの分割斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る照明システムの分割側面図である。
【
図12】本発明の実施の形態2に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係る照明装置の詳細な構成を説明する斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係る照明システムの一端側の端面図である。
【
図15】本発明の実施の形態2に係る照明システムの側面図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係る照明システムの下面図である。
【
図18】本発明の実施の形態3に係る照明システムの斜視図である。
【
図19】本発明の実施の形態3に係る照明システムの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る照明システム、照明装置及び照明装置用の連結具について、図面を参照して説明する。各図において同じ又は対応する構成要素には、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
ここで、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
<照明システム100>
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明システム100の分割斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る照明システムの分割側面図である。
図1及び
図2を用いて、照明システム100について説明する。照明システム100は、照明装置1と、造営部9と、を有する。照明装置1は、造営部9に設けられた吊ボルト92に直接取り付けられることで、造営部9から吊り下げられて造営部9に支持される。
【0012】
<照明装置1の構成>
図3は、本発明の実施の形態1に係る照明装置1の分解斜視図である。
図3を参照して、実施の形態1に係る照明装置1の構成を説明する。
【0013】
以下の説明において、照明装置1の長手方向に沿った方向を長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手方向を短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を上下方向Zとする。また、長手方向Xにおいて、長手端部側への向きを、端向きX1とする。そして、端向きX1と反対側への向きであり、長手中央側への向きを中向きX2とする。さらに、上下方向Zにおいて、上向きZ1は、照明装置1が造営部9に取り付けられる向きであり、下向きZ2は、照明装置1が造営部9から取り外される向きである。
【0014】
照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明空間とは、照明装置1が設置される空間、たとえば居住空間、倉庫等の空間、ビルあるいは公共施設などの空間、エレベータあるいは廊下等の共有空間、又は、電車や船舶などの乗り物内の空間等を意味している。照明装置1は、造営部9に設けられた吊ボルト92に取り付けられる。照明装置1は、
図3に示すように、光を発する灯具3と、灯具3を造営部9に連結させる連結具8とを有する。
【0015】
<灯具3>
灯具3は、光源を備えて照明空間に光を発するものである。灯具3は、連結具8と共に照明装置1を構成する。照明具及び光源ユニットとなる灯具3は、長尺状に形成されており、後述する連結具8によって造営部9の吊ボルト92に取り付けられる。本実施の形態の灯具3は、少なくとも造営部9の側とは反対側に向かって発光する光源と、少なくとも光源を覆う透光性の外郭とを有する。光源は、後述する発光部60であり、外郭は、後述する透光性カバー30である。灯具3は、主として、透光性カバー30、端部蓋40、封止具43、連結部材44、取付部材50及び発光部60等を有している。
【0016】
(透光性カバー30)
透光性カバー30は、少なくとも可視光を透過する透光性の材料が用いられ、後述する取付部材50、発光部60及び制御部73等を内部の空間に収容し、保護する、筒形状の外郭である。透光性カバー30は、ガラス、ポリカーボネイト、アクリル等の樹脂材料を用いて形成することができる。また、透光性カバー30は、外観意匠部分にもなる。本実施の形態の透光性カバー30は、例えば、押出成形によって筒形部材を、製品の仕様等に応じて必要な長さに切断することで、製造することができる。
【0017】
図4は、
図2の灯具3のA-A線断面図である。透光性カバー30は、取付部材50に配置された発光素子61の発光面を覆う。本実施の形態の灯具3では、
図4に示すように、透光性カバー30のうち、台座51より下方の部分は、発光部60の照射側及び台座51の表面を覆う外殻部になる。ここで、この部分の外周部37については、外面部に対する法線の向きが、発光素子61の光軸に沿う向きから光軸に直交する向きまでの範囲内となっている。したがって、透光性カバー30のうち、台座51より下方の部分は、外面部が下方、斜め下方、あるいは側方(水平方向外側)に向いている。ここで、透光性カバー30について、製品の仕様等に応じて、光拡散性、波長弁別性等を有するものであってもよい。また、透光性カバー30は、反射性、遮光性等を有する材料を用いて形成してもよい。
【0018】
本実施の形態の筒形状の透光性カバー30は、
図4に示すように、内部に収容される機器を覆う。透光性カバー30は、長手方向Xの垂直断面において、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33の部分を有している。また、透光性カバー30には、2つのリブ34が設けられている。
図4に示すように、透光性カバー30の外周部37は、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33を有する外殻部の外面側の壁である。また、内周部38は、一組の並行部31、第1接続部32及び第2接続部33を有する外殻部の内面側の壁である。
【0019】
並行部31は、
図3及び
図4に示すように、発光部60の側方に位置する透光性カバー30の側壁である。一組の並行部31は、透光性カバー30において、一組の面が同じ距離で並行する面を形成している。透光性カバー30は、一組の並行部31の外側の面部分となる外面部及び内側の面部分となる内面部が、それぞれ、ともに平面形状である。一組の外面部及び一組の内面部は、透光性カバー30に収容される発光素子61の光軸に沿った平面であり、外殻部の外表面となっている。本実施の形態では、この平面は、灯具3が造営部9に取り付けられた状態で、上下方向Zに沿って形成されている。そして、この平面は、灯具3が造営部9に取り付けられる向き又は造営部9から取り外される向きに沿った平面にもなる。並行部31は、灯具3の側方における光の照射部となる。
【0020】
第1接続部32は、一組の並行部31における照射側の端部同士を繋いでいる部分であり、発光素子61の光軸と交わり、灯具3の主たる照射部となる。第1接続部32は、発光素子61からの光を下方に向けて照射する。第1接続部32の外面部及び内面部は、1つ又は複数の面で構成されている。
図4に示すように、本実施の形態では、透光性カバー30における第1接続部32の外面部及び内面部が、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第1接続部32の外面部及び内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。
【0021】
第2接続部33は、一組の並行部31における上方側の端部同士を繋いでいる部分であり、灯具3が造営部9に取り付けられた状態において、造営部9と対向する部分である。本実施の形態では、透光性カバー30における第2接続部33の外面部及び内面部は、1つの曲面で構成されている場合について説明する。ここで、第2接続部33の外面部及び内面部が、複数の面で構成される場合は、複数の異なる曲率の複数の曲面、複数の異なる角度の複数の平面、これらの曲面と平面とを組み合わせて構成することができる。
【0022】
リブ34は、透光性カバー30の外面部の法線方向に張り出すように設けられる。本実施の形態では、リブ34は、各並行部31において、外側に向かって張り出すように設けられている。そして、各リブ34は、並行部31と一体形成される。各リブ34は、透光性カバー30の長手方向Xに延設されている。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明装置1の詳細な構成を説明する斜視図である。透光性カバー30は、取付部材50の長手方向に沿った長手方向Xとなる第1方向における端部36に開口が形成されている。換言すれば、透光性カバー30は、少なくとも一方の端部36が開口する長尺形状の中空体であると共に、発光素子61が実装された基板62を内部に収納する外郭である。
【0024】
カバー端部35は、透光性カバー30の長手方向Xにおいて、透光性カバー30の両端部分である。透光性カバー30のカバー端部35には、端部36が設けられている。端部36は、カバー端部35において端部蓋40が嵌合される部分であり、端部蓋40に覆われる部分である。端部36は、透光性カバー30の伸縮に伴い、端部蓋40と共に長手方向Xである第1方向に沿って移動自在な自由端である。厳密には、透光性カバー30の端部36及び端部蓋40は、「長手方向X」以外の方向にも伸縮するものであるが、本実施の形態に係る灯具3においては、透光性カバー30は「長手方向X」の伸縮を許容する構造(構成)を有するものとする。透光性カバー30は、端部蓋40と嵌合できるように、端部36の外面部にはリブ34が形成されていない。前述したように、押出成形によって押出した筒形部材を切断して透光性カバー30を製造する場合には、長手方向Xに延設されたリブ34のうち、端部36に対応する部分は削除される。
【0025】
(端部蓋40)
端部蓋40は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。端部蓋40は、少なくとも端部36に形成された開口の一部を覆った状態で透光性カバー30に取り付けられている。また、端部蓋40は、端部36を構成する壁部の外表面側を覆った状態で透光性カバー30に取り付けられている。端部蓋40は、灯具3の光源を覆う透光性カバー30の開口部に配置される。
【0026】
端部蓋40は、弾性部材である封止具43を端部36に押し当てるように透光性カバー30に取り付けられる。端部蓋40は、端部36と共に封止具43に密着した状態で、端部36に取り付けられる。封止具43は、端部蓋40と端部36との間に挟まれて配置される弾性部材である。端部蓋40は、封止具43を挟んで透光性カバー30の端部36に嵌着することによって、透光性カバー30を密閉構造とする。ここで、端部蓋40に取り付けられる取付部材50及び透光性カバー30は、照明装置1の使用環境温度及び灯具3の点灯時と消灯時とにおける温度の変化によって、特に、長手方向Xにおける伸縮量が異なる。端部蓋40は、透光性カバー30の密閉を維持しながら、透光性カバー30及び取付部材50の長手方向Xにおける端部同士が、相互に移動可能となるような構造となっている。
【0027】
端部蓋40は、外カバーとなる第1端部カバー41と内カバーとなる第2端部カバー42とを有している。内カバーとなる第2端部カバー42は、外カバーとなる第1端部カバー41内に配置される。すなわち、端部蓋40は、複数の部品を一体化して構成されている。ここで、本実施の形態の第1端部カバー41及び第2端部カバー42は、樹脂材料を用いて形成されているものとして説明する。ただし、第1端部カバー41及び第2端部カバー42の材料は、樹脂材料に限定されるものではない。第1端部カバー41及び第2端部カバー42は、樹脂材料以外の金属材料、セラミック材料等を用いて形成されてもよい。また、本実施の形態では、第1端部カバー41と第2端部カバー42とを別部材とし、嵌着して一体化するようにしているが、あらかじめ一体化された1つの部材として成形するようにしてもよい。
【0028】
(第1端部カバー41)
第1端部カバー41は、第1カバー主部410、連結ガイド413、カバー下面部414、カバー電線保持部416、カバー端面部417及び端部カバー外周部419を有している。
【0029】
第1カバー主部410は、板状の部材であり、端部蓋40のベースとなる外端部である。第1カバー主部410は、灯具3の外端部を形成し、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向において端部36より外側に配置される。
【0030】
第1端部カバー41の第1カバー主部410には、第1カバー貫通孔411及び第1カバー連結孔412が形成されている。第1カバー貫通孔411には、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、封止具筒状部433及びボス部57が挿通される。本実施の形態では、第1カバー連結孔412は、第1カバー主部410に4個形成されており、第2端部カバー42に形成された4個の第2カバー係合片422が挿入される。第1カバー連結孔412には、第2カバー係合片422の先端にそれぞれ形成された第2カバー係合爪423が引っ掛かり、係着することによって、第2端部カバー42が第1端部カバー41に取り付けられる。
【0031】
連結ガイド413は、端部蓋40の要素の1つである。連結ガイド413は、連結部材44の段差部450に形成された固定具挿通部451にあらかじめ取り付けられている固定具48に向かって、カバー下面貫通孔415からドライバ等の工具を案内する筒状のガイド壁である。連結ガイド413は、後述するカバー下面部414の底面部414aから立ち上がり筒状に形成されている。連結ガイド413の直径は、固定具48の最大径となる固定具48の頭部の直径よりも大きい。灯具3は、連結ガイド413の先端部の上方に、連結部材第1固定部45の段差部450が配置されている。
【0032】
カバー下面部414は、第1方向(長手方向X)における第1カバー主部410より端部側に形成され、連結部材44及び固定具48を隠す化粧カバーの一部として機能する。カバー下面部414は、底面部414aと、側面部414bとを有する。
【0033】
底面部414aは、端部蓋40の底壁である。底面部414aは、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、後述する連結具8と対向する。底面部414aには、連結ガイド413の内面壁に沿って、貫通孔であるカバー下面貫通孔415が形成されている。カバー下面貫通孔415は、連結部材44の段差部450に形成された固定具挿通部451にあらかじめ取り付けられている固定具48に向かって、ドライバ等の工具を挿入する施工用の孔であり、施工後はカバー蓋49によって塞がれる孔である。カバー下面貫通孔415は、万が一、固定具48が、固定具挿通部451から外れたときには固定具48の取り出し口として機能する。
【0034】
側面部414bは、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、灯具3の短手方向Y(第2方向)に配置される壁である。カバー下面部414は、本実施の形態では、意匠性に配慮して端部カバー外周部419と連続させている。
【0035】
カバー下面部414は、固定具挿通部451が第1方向(長手方向X)と交差する方向に沿って形成される場合には、カバー下面部414の側面部414bが固定具48の移動を規制する。そして、カバー下面部414は、固定具48が連結部材44の連結部材第1固定部45から外れないように機能する。カバー下面部414の側面部414bは、固定具48が固定具挿通部451の開放端452から外れないように固定具挿通部451の開放端452を形成する段差部450の端面部と対向する。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、側面部414bが開放端452を覆う。
【0036】
この際、固定具挿通部451が形成される連結部材第1固定部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端452から外れないように、カバー下面部414の側面部414bとの距離寸法を考慮して、短手方向Yの寸法が決定される。
【0037】
カバー下面部414は、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁でもあり、第1カバー主部410の周縁部の側面から下面にかけて形成されている。このカバー下面部414は端部カバー外周部419と共に、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁である外壁部410aを形成する。外壁部410aは、外端部である第1カバー主部410の周縁から起立して周状の壁形状として形成されている。すなわち、第1端部カバー41は、外端部である第1カバー主部410と、外壁部410aとを有する。外壁部410aは、外端部である第1カバー主部410に形成され、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、長手方向Xである第1方向と交差する第2方向において端部36より外側に配置される。ここで第2方向とは、短手方向Y及び上下方向Zを含む、長手方向Xと交差する全方向である。
【0038】
カバー電線保持部416は、端部カバー外周部419の上面部に形成されている。カバー電線保持部416は、端部カバー外周部419から上方(Z1方向)に突出している。カバー電線保持部416は、灯具3の外部に設けられた端子台(図示は省略)と制御部73とが電気的に接続され、制御部73に外部電力を供給する電源線74、灯具3の電位を設定する接地線75及び外部から制御部73を制御する制御線76等を保持する。
【0039】
カバー端面部417は、第1方向(長手方向X)におけるカバー下面部414の端部側を覆うように形成され、連結部材44及び固定具48を隠す化粧カバーの一部として機能する。カバー端面部417は、端部蓋40が灯具3に取り付けられた場合に、長手方向X(第1方向)の最外壁を構成する。カバー端面部417の下部には、カバー端面貫通孔418が形成されている。カバー端面貫通孔418は、端部カバー内に溜まる水分等の液体あるいは塵埃等が排出される排出孔である。
【0040】
カバー端面部417は、連結ガイド413を備えない端部蓋40の第1端部カバー41を用いる場合には、固定具48が固定具挿通部451の開放端452から外れないように固定具挿通部451の開放端452を覆い、固定具48の移動を規制する。端部蓋40のカバー端面部417は、固定具48が固定具挿通部451の開放端452から外れないように固定具挿通部451の開放端452を形成する段差部450の端面部と対向する。すなわち、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、カバー端面部417が開放端452を覆う。
【0041】
固定具挿通部451が形成される連結部材第1固定部45の少なくとも段差部450は、固定具48が固定具挿通部451の開放端452から外れないように、カバー端面部417との距離寸法を考慮して、長手方向X(第1方向長手方向)の寸法が決定される。
【0042】
端部カバー外周部419は、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁であり、第1カバー主部410の周縁部の側面から上面にかけて形成されている。この端部カバー外周部419はカバー下面部414と共に、第1カバー主部410の周縁部に形成された側壁である外壁部410aを形成する。端部カバー外周部419は、封止具43を間にして、透光性カバー30の端部36に嵌着される部分である。本実施の形態では、端部カバー外周部419は、意匠性に配慮してカバー下面部414と連続させている。
【0043】
(第2端部カバー42)
第2端部カバー42は、第1端部カバー41と共に端部蓋40を構成する。第2端部カバー42は、第1端部カバー41の内部に配置されて第1端部カバー41と組み合わされる。端部蓋40は、第2端部カバー42の端部カバー内周部425が形成する開口と、第1端部カバー41の外壁部410aが形成する開口と、が向き合うように嵌め合わされ、箱状に形成される。第2端部カバー42は、第2カバー主部420、第2カバー係合片422、第2カバー係合爪423及び端部カバー内周部425を有している。
【0044】
第2カバー主部420は、板状の部材であり、端部蓋40と封止具43とが組み合わされた状態において、封止具43の封止具主部430と対向して当接する内端部である。内端部である第2カバー主部420は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、内壁部である端部カバー内周部425の、外端部である第1カバー主部410とは反対側の端部に、端部蓋40における第1カバー主部410とは反対側の壁を構成する。すなわち、第2端部カバー42は、内端部である第2カバー主部420と、内壁部である端部カバー内周部425とを有する。端部蓋40において、第2端部カバー42の第2カバー主部420と、第1端部カバー41の第1カバー主部410とは対向する壁を構成する。
【0045】
第2端部カバー42の第2カバー主部420には、端部カバー挿通部421が形成されている。端部カバー挿通部421には、封止具43の封止具主部430に形成されている電線挿通部431及び封止具43の封止具主部430に形成されている封止具筒状部433が挿通される。また、端部カバー挿通部421には、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、封止具筒状部433及びボス部57が挿通される。端部カバー挿通部421を形成する縁部に沿って、挿通壁421aが形成されている。挿通壁421aは、端部カバー挿通部421の縁部に沿って形成された周壁であり、端部カバー内周部425と対向するように形成されている。挿通壁421aは、端部蓋40と、封止具43と、取付部材50とが組み合わされた状態において、内部にボス部57が挿通された封止具筒状部433と当接する。
【0046】
第2カバー主部420には、第2カバー係合片422が形成されている。第2カバー係合片422は、第2カバー主部420から突出する板状の棒材である。第2カバー係合片422は、第2カバー主部420から端部カバー内周部425が立ち上がる方向と同じ方向に、第2カバー主部420から突出している。第2カバー係合片422は、本実施の形態では4個形成されており、第2カバー係合片422は、第1端部カバー41と第2端部カバー42とが組み合わされた状態において、第1端部カバー41に形成された4個の第1カバー連結孔412に挿入される。
【0047】
第2カバー係合爪423は、第2カバー係合片422の先端にそれぞれ設けられた爪である。第2カバー係合爪423は、第1端部カバー41の第1カバー主部410に設けられた第1カバー連結孔412を構成する縁部に引っ掛かることによって係着する。第2カバー係合爪423が、第1カバー連結孔412に係着することによって、第2端部カバー42が第1端部カバー41に取り付けられ、第1端部カバー41と第2端部カバー42とは一体の構造体となる。
【0048】
端部カバー内周部425は、第2カバー主部420の周縁部に形成された側壁である。端部カバー内周部425は、端部蓋40において、外周部437及び端部36を挟んで、外壁部410aと対向するように周状の壁形状として形成された内壁部である。端部カバー内周部425は、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40とが組み合わされた状態において、第2方向において端部36より内側に配置される内壁部である。なお、端部カバー内周部425の先端部には、外側に突出するように形成されたフランジ状のカバー鍔部が形成されていてもよい。
【0049】
(封止具43)
封止具43は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部蓋40との間に挟まれた状態で、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部に配置される弾性部材である。弾性部材である封止具43は、透光性カバー30の端部36に取り付けられて端部36の開口を塞いでいる。封止具43は、樹脂材料を用いて製造されており、弾性変形するシール部材(ガスケット、パッキン等)である。封止具43は、樹脂材料を用いて弾性変形するように形成されて、透光性カバー30及び端部蓋40に密着する。そのため、封止具43は、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部と端部蓋40との間に挟まれた状態で、透光性カバー30の長手方向Xにおける両端部を密閉する。
【0050】
封止具43は、封止具主部430と、内周部435と、外周部437と、接続部436とを有する。封止具43は、封止具主部430と、内周部435と、外周部437と、接続部436とが一体に形成されている。
【0051】
封止具主部430は、板状に形成されている。封止具主部430は、内周部435の内側を塞ぐように形成される。封止具主部430は、後述する台座固定具54の固定部56と第2端部カバー42の第2カバー主部420とに挟まれる。封止具主部430は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、第2端部カバー42の第2カバー主部420と当接する。封止具主部430は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、端部蓋40と対向する面側に、電線挿通部431と封止具筒状部433とが形成されている。
【0052】
電線挿通部431は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において、端部蓋40と対向する面側から突出しており、電源線74、接地線75及び制御線76を通過させる電線挿通孔432を形成している。
【0053】
封止具筒状部433は、封止具主部430において電線挿通部431を挟んで2つ設けられているが、封止具筒状部433の形成数は、台座固定具54の固定部56の数以上であれば、1つでもよく、3つ以上でもよい。封止具筒状部433が突出する封止具主部430の壁部は、封止具43と端部蓋40とが係合した状態において端部蓋40と対向する面側の壁部である。封止具筒状部433は、封止具43と台座固定具54とが係合した状態において、台座固定具54の固定部56から突出するボス部57が挿入される。封止具筒状部433は、円筒状に形成されている。封止具筒状部433の先端には、固定ネジ71がネジ止めされるネジ挿通孔434が形成されている。
【0054】
板状に形成された封止具主部430の周縁部には、内周部435が形成されている。内周部435は、弾性部材である封止具43が、第2端部カバー42及び透光性カバー30と係合した状態において、第2端部カバー42の端部カバー内周部425と透光性カバー30の端部36の内周部38とに挟まれる部分である。
【0055】
封止具43の外周部437は、環状に形成されており内周部435と対向するように内周部435の外側に形成されている。したがって、封止具43の外周部437と内周部435との間には隙間が形成されている。この外周部437は、封止具43が、第1端部カバー41及び透光性カバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の外壁部410aと透光性カバー30の外周部37とに挟まれる部分である。
【0056】
封止具43の接続部436は、封止具主部430の内周部435と外周部437との間に位置する。接続部436は、封止具43が、第1端部カバー41及び透光性カバー30と係合した状態において、第1端部カバー41の第1カバー主部410と透光性カバー30のカバー端部35とに挟まれる部分である。
【0057】
(連結部材44)
連結部材44は連結具であり、灯具3の長手方向Xの両端部に備えられており、灯具3を連結具8に取り付けるための取付金具ある。連結部材44は、灯具3に固定され、また、固定具48によって連結具8の連結具第1固定部81に固定される。また、連結部材44は、連結部材第2固定部46の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の面とボス部57の端面とが当接した状態で、2つの固定ネジ71を用いて台座固定具54に取り付けられて固定される。この際、連結部材44の端部側(X1側)の面は、連結具8の連結具第2固定部82と当接している。すなわち、固定ネジ71は、連結具8と連結部材44とを、取付部材50のボス部57にネジ止めして固定する。したがって、連結部材44は、端部蓋40に対して、ネジ等を用いた直接的な固定はされていない。連結部材44は、台座固定具54のボス部57に密着する封止具43を介して位置決めされ、端部蓋40に間接的に固定される。すなわち、連結部材44は、灯具3の長手方向Xである第1方向において、端部蓋40の外側に配置される。そして、連結部材44は、一部が端部蓋40を貫通している取付部材50と連結具8の連結具第2固定部82とに固定されると共に、他の一部が連結具8の連結具第1固定部81に固定される。本実施の形態では、連結部材44は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、連結部材44は、金属製の板材の折り曲げから形成されるものに限定されるものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されてもよい。連結部材44は、連結部材第1固定部45と、連結部材第2固定部46と、係合部47と、を有している。
【0058】
連結部材第1固定部45は、後述する連結部材第2固定部46の下方側(Z2側)の端部から灯具3の端部側(X1側)に延設する板状の部材である。すなわち、連結部材第1固定部45は、連結部材第2固定部46の下縁部から突出する板状の部材である。連結部材第1固定部45は、照明装置1の灯具側連結部である。連結部材第1固定部45と連結部材第2固定部46とは、屈曲している。連結部材第1固定部45は、端部蓋40と係合した状態において、端部蓋40側とは反対側に突出している。連結部材第1固定部45は、連結部材第2固定部46に対して、後述する係合部47の突出方向とは反対側に突出している。連結部材第1固定部45は、灯具3が造営部9に取り付けられている状態では、段差部450以外の上方の面が連結具8の第1固定部主部810に当接する。
【0059】
連結部材第1固定部45には、固定具48が取り付けられる。そのため、連結部材第1固定部45には、面の高さが異なる段差部450が形成されており、段差部450には、固定具48が挿入される固定具挿通部451が形成されている。段差部450は、連結部材第1固定部45の短手方向Yの中央領域において一部下方(Z2側)に窪ませた部分である。連結部材第1固定部45の段差部450には、固定具挿通部451を通過した固定具48を固定する第1固定具ワッシャ485aが配置される。第1固定具ワッシャ485aは、固定具48と係合する座金である。段差部450の高さ寸法あるいは深さ寸法は、第1固定具ワッシャ485aの厚さ寸法と同じ寸法である。段差部450の形状及び面積は、第1固定具ワッシャ485aの形状及び寸法を考慮して決定される。
【0060】
固定具挿通部451は、段差部450の短手方向Yにおける略中央において、長手方向X(第1方向)における端部側(X1側)からスリット状に形成された縁部によって形成されている。固定具挿通部451は、灯具3の長手方向Xに延びるように形成されている。固定具挿通部451は、灯具3の端部となる、X1側の端部において、段差部450の縁部が切り欠かれており、開放端452となっている。固定具挿通部451には、固定具48が開放端452を介して嵌入される。固定具挿通部451は、固定具48の胴部481の括れ部より大きい幅寸法で形成されており、固定具48の胴部481が挿通する。固定具挿通部451の形状はスリット状に限定されず、断面が楕円形を含む円形、多角形の貫通孔でもよい。なお、固定具挿通部451は、段差部450の短手方向Yにおける略中央において、長手方向X(第1方向)における端部側(X1側)からスリット状に形成された縁部によって形成される態様に限定されるものではない。固定具挿通部451は、連結部材第1固定部45において、例えば、第1方向(長手方向X)と交差する方向に沿って形成されてもよい。すなわち、この場合、段差部450は、例えば、連結部材第1固定部45の長手方向Xの中央領域において一部下方(Z2側)に窪ませた部分に形成されてもよい。そして、固定具挿通部451は、長手方向Xにおける段差部450の略中央に縁部が切り欠かれた開放端452を形成し、開放端452から短手方向Y(第2方向)にスリット状に形成されてもよい。端部蓋40は、固定具48が取り付けられた連結部材44と、端部蓋40とが、灯具3に取り付けられた場合に、開放端452を覆う。なお、固定具挿通部451は、連結部材第1固定部45にのみ形成されている。
【0061】
連結部材第2固定部46は、連結部材第1固定部45において、長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)の端部から上方に立設した部分である。連結部材第2固定部46は、板状の部材である。連結部材第2固定部46は、端部蓋40及び封止具43を、取付部材50の台座固定具54と共に挟持する。連結部材第2固定部46には、固定ネジ71をネジ止めする固定ネジ挿通孔460が形成されている。固定ネジ挿通孔460は、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれる固定ネジ71が挿通する貫通孔である。連結部材第2固定部46は、固定ネジ挿通孔460に挿入される固定ネジ71によってボス部57に取り付けられる。
【0062】
連結部材第2固定部46には、係合片挿通孔461が形成されてもよい。係合片挿通孔461は、第2端部カバー42の第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423の断面形状に対応して、連結部材第2固定部46に設けられる貫通孔である。係合片挿通孔461は、透光性カバー30の伸長に伴い長手方向X(第1方向)に移動する第2端部カバー42の第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423が、連結部材44の連結部材第2固定部46と干渉しないように形成されている。係合片挿通孔461は、透光性カバー30の伸長の量、すなわち、第2カバー係合片422及び第2カバー係合爪423の移動の量が小さい場合、あるいは、端部蓋40が一体形成されている場合等は不要であり、灯具3の必須の構成ではない。
【0063】
連結部材44には、電源線74、接地線75、制御線76等の電線を通過させるスリット471がスリット状に形成されている。スリット471は、上部スリット4710と、端部スリット4711とを有する。連結部材第2固定部46に形成されているスリット471を端部スリット4711と称する。端部スリット4711は、連結部材44の上下方向Zに形成されている。端部スリット4711は、係合部47に形成されている後述する上部スリット4710と繋がっている。スリット471は、電線挿通孔として設けられている。係合部47は、灯具3の構造上の強度、あるいは、灯具3の造営部9に対する取り付け上の強度には一切影響しない構成部分である。そのため、電線挿通孔として設けられているスリット471が、連結部材第2固定部46と係合部47との屈曲部分を通過するように、上部スリット4710と端部スリット4711とを連続して形成されていても灯具3の構造上の強度を低下させるおそれはない。また、スリット471が、連結部材第2固定部46と係合部47との屈曲部分を通過するように、上部スリット4710と端部スリット4711とを連続して形成されていても灯具3の造営部9に対する取付上の強度を低下させるおそれはない。
【0064】
係合部47は、連結部材第2固定部46の上方側(Z1側)の端部から長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)に延設した部分である。すなわち、係合部47は、連結部材第2固定部46の上縁部から突出する板状の部材である。係合部47と連結部材第2固定部46とは、屈曲している。係合部47は、端部蓋40と係合した状態において、端部蓋40側に突出しており、灯具3において、灯具3の上方側(Z1側)に配置される。
【0065】
上述したように、連結部材44には、電源線74、接地線75、制御線76等の電線を通過させるスリット471がスリット状に形成されている。係合部47に形成されているスリット471を上部スリット4710と称する。上部スリット4710は、灯具3の長手方向Xに沿って形成されている。上部スリット4710は、連結部材第2固定部46に形成された端部スリット4711と繋がっている。上部スリット4710は、透光性カバー30の端部36及び端部蓋40を、長手方向X(第1方向)の移動が規制されない自由端とするために、連結部材44の係合部47に形成されたスリットである。上部スリット4710には、後述する挿入孔472から挿入されるカバー電線保持部416が、短手方向Y及び上下方向Zに移動が規制された状態で係合する。なお、挿入孔472に配置されるカバー電線保持部416は、長手方向X(第1方向)には移動が規制されない。上部スリット4710に、カバー電線保持部416が係合した状態では、連結部材44の端部蓋40に対する位置が決まるので、固定ネジ71を用いて連結部材44をボス部57に固定する際に固定ネジ71の位置合わせがし易くなる。電源線74、接地線75、制御線76の全て又は一部を編組チューブ等で束線した状態では、一般的に硬くなり曲がり難くなる。しかし、連結部材44は、上部スリット4710と繋がるように形成された端部スリット4711を有することにより、電源線74等が束線されて曲がり難くなっても、配線がし易くなる。
【0066】
係合部47には、カバー電線保持部416が挿入される挿入孔472が形成されている。挿入孔472は、上部スリット4710と連続して形成されている。挿入孔472は、連結部材第2固定部46に形成されている貫通孔であり、上部スリット4710の長手方向X(第1方向)における中央側(X2側)と繋がって形成されている。挿入孔472は、カバー電線保持部416が挿入可能な形状及び寸法で形成されている。挿入孔472から挿入されたカバー電線保持部416は、透光性カバー30の伸長に応じて、上部スリット4710と係合した状態で、長手方向Xに沿って移動する。そのためカバー電線保持部416は、透光性カバー30の伸縮、及び透光性カバー30の伸縮に伴う端部蓋40及び封止具43の移動を妨げない。
【0067】
(固定具48)
固定具48は、灯具3を連結具8に固定する。固定具48は、例えば連結ネジである。固定具48は、頭部480と、胴部481とを有する。頭部480は、雄ネジ部品の頭の部分であり、軸の終端に設けられたより太い部分である。頭部480の頂面には、例えば、ドライバ等の工具で回すための溝あるいは穴が設けられている。胴部481は、ネジ部であり、胴部481が段差部450に配置されると、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に挿通される。固定具48は金属製であるが、これに限定されるものではなく、樹脂製、あるいは、セラミック製等でもよい。
【0068】
固定具ワッシャ485は、抜け止めワッシャであり、いわゆる平座金である。この固定具ワッシャ485は、固定具48から外れないように予め固定具48に嵌着されている。なお、本実施の形態では、固定具ワッシャ485は胴部481の括れ部分に予め係着されているが、固定具ワッシャ485は当該態様に限定されず、後付け可能なワッシャでもよい。固定具ワッシャ485は、金属製であるが、これに限定されるものではなく、樹脂製、あるいは、セラミック製等でもよい。
【0069】
固定具48は、胴部481の括れ部分が固定具挿通部451に挿通され、段差部450を、頭部480と、胴部481の括れ部分に係着された固定具ワッシャ485との間に挟んだ状態で、連結部材第1固定部45に取り付けられている。この際、固定具ワッシャ485は、固定具48から外れないように予め胴部481の括れ部分に係着されている。
【0070】
(取付部材50)
取付部材50は、透光性カバー30の両端部に位置する端部蓋40、連結部材44及び連結具8が取り付けられる部材である。また、取付部材50は、発光部60及び制御部73等を透光性カバー30内の空間に固定させる部材である。取付部材50は、台座51と、台座固定具54と、を有する。取付部材50は、透光性カバー30に収容される。そして、取付部材50は、
図5に示すように、固定ネジ71によって、連結部材44及び連結具8に固定される。また、取付部材50は、封止具43を介して、端部蓋40と間接的に係合している。したがって、取付部材50は、透光性カバー30には直接固定されていないが、透光性カバー30の長手方向Xにおける両側のカバー端部35に嵌合している端部蓋40を介して透光性カバー30と繋がっている。
【0071】
台座51は、取付部材50の主たる部分であり、
図4に示すように、発光部60及び制御部73等が取り付けられる。本実施の形態では、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されているものとする。ただし、台座51は、金属製の板材を折り曲げて形成されたものに限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、金属以外の材料を用いて形成されたものでもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。また、図示は省略するが、放熱効率(熱放射率)、あるいは、光の利用効率(反射率)等を向上させるために、台座51に表面処理を施し、あるいは、台座51に機能部材を敷設してもよい。台座51は、取付面部52と、側部53とを有する。台座51の取付面部52は、長尺の平板状に形成されており、照射側の面である表面には、発光部60が取り付けられる。また、器具側の面である裏面には、制御部取付部523を介して電源装置等の制御部73が取り付けられる。
【0072】
図5に示すように、台座51の取付面部52には、ネジ孔520が形成されている。ネジ孔520は、取付面部52の長手方向Xの両端部に形成されている。このネジ孔520には、台座固定具54を台座51に固定するための固定ネジ72が挿入される。取付面部52には、給電線77等を通過させる切り欠き部521が形成されている。切り欠き521部は、取付面部52の長手方向Xの両端部において、取付面部52の縁部に形成されている。
【0073】
台座51の側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分から照射側に折り曲げられた立設部分である。側部53は、取付面部52の長手方向Xに沿って取付面部52の縁部から立設していることで、台座51の剛性を向上させる。本実施の形態では、側部53は、制御部73等が配置される器具側だけに立設させている。しかし、側部53は、発光部60が配置される照射側だけに立設させてもよく、あるいは、照射側及び器具側の両方に立設させてもよい。また、本実施の形態では、側部53は、取付面部52の短手方向Yの両端部分に立設させているが、たとえば、取付面部52の短手方向Yにおける中央部分等、両端部分以外の位置に立設させてもよい。
【0074】
台座固定具54は、台座51の長手方向Xの両端部分に配置されており、透光性カバー30の両端部に取り付けられる連結部材44及び連結具8を取付部材50に固定させるための部材である。台座固定具54は、端部蓋40を貫通した状態で連結部材44及び連結具8と固定される。ここで、本実施の形態では、台座固定具54は台座51と別部材で構成されているが、台座固定具54の構成は、当該構成に限定するものではない。たとえば、台座51の両端部分を折り曲げる等して、台座51と台座固定具54とを一体に形成し、台座51が台座固定具54と同じ機能をもつ部分を有するようにしてもよい。本実施の形態では、台座固定具54は、固定ネジ72等の固定部材を用いて台座51に取り付けられる。
【0075】
台座固定具54は、取付部55と、固定部56とを有しており、板金を折り曲げて製造している。なお、台座固定具54は、金具であるが、金具に限定するものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成形、積層造形等、他の方法で形成されたものでもよい。
【0076】
台座固定具54の取付部55は、台座51に取り付けられる部分であり、
図5に示すように、固定ネジ72等の固定部材を用いて台座51の両端部分に固定される。取付部55は、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法で台座51と構造的に一体化されてもよい。
【0077】
台座固定具54の固定部56は、連結部材44の連結部材第2固定部46と共に端部蓋40と封止具43とを挟持する。すなわち、透光性カバー30と、封止具43と、端部蓋40と、連結部材44とが組み合わされた状態において、固定部56と連結部材44の連結部材第2固定部46との間には、封止具43が配置されている。固定部56には、ボス部57が設けられている。
【0078】
ボス部57は、固定部56に設けられた柱状の突起である。ボス部57は、例えば、カシメ、溶着(溶接)又は嵌着(係着)等の方法によって固定部56に取り付けられている。ボス部57には、固定ネジ71がねじ込まれるネジ孔58が形成されている。ネジ孔58の内周側には、ネジ溝が形成されている。そして、連結具8の外側から、固定ネジ挿通孔821、固定ネジ挿通孔460、第2端部カバー42の端部カバー挿通部421、第1端部カバー41の第1カバー貫通孔411及び封止具43のネジ挿通孔434に固定ネジ71が挿通される。そして固定ネジ71が、ボス部57のネジ孔58にねじ込まれて、連結具8及び連結部材44が取付部材50の台座固定具54に固定される。連結具8及び連結部材44が固定されるのは、台座固定具54のボス部57である。
【0079】
(発光部60)
発光部60は、
図4に示すように、発光素子61、基板62等を有している。発光素子61は、灯具3の光源であり電力供給により発光する。本実施の形態では、発光素子61として、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いている。発光素子61は、例えば、基板62の実装面に、長手方向Xに沿って、列状、千鳥状等に実装される。本実施の形態の発光素子61は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。ここで、発光素子61が出射する光は、光束値が最大であり、発光面に垂直な光軸に対して、対称に照射角αだけ広がる。発光素子61の照射角αは、例えば、120度であるものとする。発光素子61は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL等を用いてもよい。基板62は、例えば、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板等が用いられる。
【0080】
制御部73は、電源装置であり、外部から供給される電力から発光素子61を点灯させる電力に変換して、発光素子61に供給する。制御部73は、制御部取付部523を介して台座51の取付面部52に取り付けられている。本実施の形態では、制御部73は、前述したように、台座51の取付面部52の裏面に、ネジ(図示は省略)等の固定部材を用いて取り付けられた状態で、発光素子61等と共に筒状の透光性カバー30に収容されている。ただし、制御部73は、灯具3ではなく、灯具3の外部に設けられてもよい。この場合、電線は、制御部73から発光素子61に供給される電力の供給経路として機能する給電線となる。本実施の形態における電源線74、接地線75及び制御線76等の電線は、一端は制御部73に接続される。そして、他端は、灯具3の外部に設けられている端子台(図示は省略)に接続される。
【0081】
<灯具3の組み立て>
灯具3の組み立てに際して、通常は、まず、封止具43を透光性カバー30の端部36に取り付け、その後に、封止具43を間に挟むようにして端部蓋40を透光性カバー30の端部36に取り付ける順序が一般的である。例えば、灯具3を組み立てる際に、端部蓋40に嵌め込まれた封止具43は外れ難いため、灯具3は、組み立て性を損なうことなく、順序を変更して組み立てることも可能である。灯具3を組み立てる際の、封止具43の装着(嵌め込み)の方法と手順とは、選択肢が増えるので、灯具3は、様々な手順によって組み立てることができる。
【0082】
<連結具8>
次に、
図1、
図2及び
図5を用いて連結具8について説明する。上述したように照明装置1は、灯具3と、連結具8とを有する。連結具8は、灯具3を造営部9に連結する連結ユニットである。造営部9は、例えば、レースウェイ90である。連結具8は、吊ボルト92に対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92と連結される連結部83を有し、灯具3と造営部9との間に配置されるように灯具3に取り付けられる。本実施の形態では、連結具8は、
図1及び
図2に示すように、灯具3の長手方向Xの両端に取り付けられる2つの端部連結具80を有する。
【0083】
(端部連結具80)
端部連結具80は、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられる。端部連結具80は、
図5に示すように、連結具第1固定部81と、連結具第2固定部82と、連結部83とを有する。端部連結具80は、連結具8の第1連結具である。端部連結具80は、連結具第2固定部82の上下端縁部、すなわち、連結具第2固定部82の上下方向Zにおける両端縁部から、連結具第1固定部81と連結部83とが並行するように連結具第1固定部81と連結部83とを同じ向きに屈曲させている。連結具第1固定部81は、連結具第2固定部82の下縁部から立ち上がるように形成されており、連結部83は、連結具第2固定部82の上縁部から立ち上がるように形成されている。連結具第1固定部81が立ち上がる方向の長さは、連結部83が立ち上がる方向の長さよりも長い。そのため、端部連結具80は、側面視において概略コの字形状に形成されている。換言すれば、端部連結具80は、側面視において横倒しした概略Jの字形状に形成されている。端部連結具80は、後述する連結部83の連結部主部830と、連結具第1固定部81の第1固定部主部810とが対向しているが、連結部主部830の面積は、第1固定部主部810の面積よりも大きい。
【0084】
(連結具第1固定部81)
連結具第1固定部81は、連結部材第1固定部45に形成された固定具挿通部451に挿通され、第1固定部主部810に設けられたネジ孔811にねじ込まれる固定具48によって、連結部材第1固定部45に固定される。連結具第1固定部81は、第1固定部主部810と、固定端部屈曲部812とを有している。
【0085】
第1固定部主部810は、板状の部材である。第1固定部主部810は、連結部材44の連結部材第1固定部45と当接する部分である。第1固定部主部810は、固定具48によって連結部材44の連結部材第1固定部45とねじ止めされると連結部材第1固定部45と密着する。第1固定部主部810には、固定具48がねじ込まれるネジ孔811が形成されている。ネジ孔811は、第1固定部主部810において、灯具3の長手方向Xにおける両端に取り付けられている連結部材44の固定具挿通部451と対応する位置に形成されている。ネジ孔811には、固定具48の胴部481が挿通される。
【0086】
固定端部屈曲部812は、連結具第1固定部81の第1固定部主部810の長手方向Xにおける端縁部から連結具第2固定部82と同じ上向きに屈曲させた屈曲片である。固定端部屈曲部812は、第1固定部主部810を介して、連結具第2固定部82の第2固定部主部820と対向している。固定端部屈曲部812は、連結具8の剛性あるいは強度を向上させる。なお、固定端部屈曲部812は、連結具8の必須の構成要素ではない。連結具8に固定端部屈曲部812を設けるか否かは任意である。
【0087】
(連結具第2固定部82)
連結具第2固定部82は、台座固定具54のボス部57に設けられたネジ孔58にねじ込まれる固定ネジ71によって、連結部材44と共に台座固定具54に固定される。連結具第2固定部82が台座固定具54に固定された状態では、連結具第2固定部82と台座固定具54との間には、連結部材44、端部蓋40及び封止具43が挟まれている。連結具第2固定部82の高さ寸法、すなわち、連結具第2固定部82の上下方向Zの長さ寸法は、照明装置1が造営部9であるレースウェイ90に取り付けられた状態で、連結部83がレースウェイ90と当接できる寸法に設定される。このようにして、係合部47及びカバー電線保持部416といった突起部とレースウェイ90とが干渉することなく灯具3はレースウェイ90に連結することができる。連結具第2固定部82は、第2固定部主部820を有する。
【0088】
第2固定部主部820は、第1固定部主部810の縁部から立ち上がる板状の部材である。第2固定部主部820は、連結部材44の連結部材第2固定部46と当接する部分である。第2固定部主部820は、固定ネジ71によって台座固定具54にねじ止めされると連結部材44の連結部材第2固定部46と密着する。第2固定部主部820には、固定ネジ71が挿通される固定ネジ挿通孔821と、電源線74等の電線が挿通可能な電源線挿通孔822とが形成されている。
【0089】
固定ネジ挿通孔821は、第2固定部主部820において、灯具3の長手方向Xにおける両端に取り付けられている連結部材44の固定ネジ挿通孔460と対応する位置に形成されている。固定ネジ挿通孔821には、固定ネジ71が挿通される。電源線挿通孔822は、第2固定部主部820において、灯具3の長手方向Xにおける両端に取り付けられている連結部材44の端部スリット4711と対応する位置に形成されている。電源線挿通孔822には、電源線74等の電線が挿通される。
【0090】
(連結部83)
連結部83は、造営部9であるレースウェイ90に連結される部分である。端部連結具80が灯具3に取り付けられた状態において、連結部83は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に配置される。連結部83は、連結部主部830と、連結端部屈曲部832と、連結側部屈曲部833とを有する。
【0091】
連結部主部830は、第2固定部主部820の縁部から立ち上がる板状の部材である。連結部主部830は、上述したように、第1固定部主部810と対向する。連結部主部830は、
図2に示すように照明装置1の両端部に設けられており、灯具3の長手方向Xにおいて、灯具3から突出するように形成されている。照明システム100は、照明装置1が造営部9であるレースウェイ90に取り付けられた状態で、連結部主部830の上面がレースウェイ90の下面と当接してもよく、連結部主部830の上面がレースウェイ90の下面と当接しなくてもよい。連結部83の連結部主部830には、造営部9であるレースウェイ90等から垂下する吊ボルト92が挿通されるボルト挿通孔831が形成されている。ボルト挿通孔831は、連結部83に形成された連結ボルト挿通孔である。ボルト挿通孔831は、灯具3の長手方向Xに沿って複数形成されている。
【0092】
ボルト挿通孔831には、造営部9であるレースウェイ90等から垂下する吊ボルト92が挿通される。ボルト挿通孔831の孔の形状は、丸形、楕円形、角形、スリット形、及びこれらを組み合わせた形等を採用することができる。ボルト挿通孔831の形成位置は、限定されるものではないが、照明装置1の長手方向Xにおいて、灯具3よりも外側に位置するように形成されると作業者が、照明装置1を造営部9に取り付ける際に取り付け易くなる。換言すると、ボルト挿通孔831の形成位置が、照明装置1の長手方向Xにおいて、端部蓋40のカバー端面部417よりも外側に位置するように形成されると、作業者が照明装置1を造営部9に取り付ける際に取り付け易くなる。
【0093】
連結端部屈曲部832は、連結部83の連結部主部830の長手方向Xにおける端縁部から連結具第2固定部82と同じ下向きに屈曲させた屈曲片である。連結端部屈曲部832は、連結部主部830を介して、連結具第2固定部82の第2固定部主部820と対向している。連結端部屈曲部832は、連結部83の剛性あるいは強度を向上させる。なお、連結端部屈曲部832は、連結具8の必須の構成要素ではない。連結具8に連結端部屈曲部832を設けるか否かは任意である。
【0094】
連結側部屈曲部833は、連結部83の連結部主部830の短手方向Yにおける側縁部から連結具第2固定部82と同じ下向きに屈曲させた屈曲片である。連結側部屈曲部833は、連結部83の剛性あるいは強度を向上させる。なお、連結側部屈曲部833は、連結具8の必須の構成要素ではない。連結具8に連結側部屈曲部833を設けるか否かは任意である。
【0095】
<造営部9>
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明システム100の一端側の端面図である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る照明システム100の側面図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る照明システム100の下面図である。なお、
図6では、造営部9と照明装置1との関係を説明するために、連結端部屈曲部832の一部を切り欠いて図示している。上述のように、照明システム100は、照明装置1と、造営部9と、を有する。次に、
図6から
図8を用いて造営部9について説明する。
【0096】
本実施の形態では、造営部9は、レースウェイ90と、吊ボルト92と、連結ナット93と、連結ワッシャ94とを有する。レースウェイ90は、照明装置1等の電気設備、及び、電気設備への給電経路となる電線等の配線材を支持するために用いられる所謂電設資材である。レースウェイ90は、金属製の板材を折り曲げて形成される。なお、レースウェイ90の材料は金属に限定するものではなく、樹脂等他の材料から形成されてもよい。レースウェイ90は、基板部90aと、一対の側壁部90bと、一対の先端爪部90cとを有している。基板部90aは、長尺かつ平板状に形成されている。一対の側壁部90bは、基板部90aの短手方向Yの両端から立ち上がるように形成されている。一対の側壁部90bは、基板部90aの長手方向Xの側縁部に沿って形成されている側壁である。一対の側壁部90bは、それぞれ対向するように形成されている。一対の側壁部90bの立ち上がり方向の先端部にはそれぞれ、先端爪部90cが形成されている。先端爪部90cは、側壁部90bの先端部に鉤状に形成されている。
【0097】
吊ボルト92は、照明装置1等の電気設備をレースウェイ90に支持するために用いられるボルトであり、レースウェイ90に取り付け可能な所謂電設備品である。吊ボルト92は、造営部9が有する連結ボルトである。吊ボルト92は、ボルト係止具920を有する。ボルト係止具920は、吊ボルト92をレースウェイ90に取り付けるための所謂電設備品で、一般には吊ボルト92に付属する。連結ナット93は、端部連結具80の連結部83を吊ボルト92に固定する固定具である。連結ナット93は、連結部83の連結部主部830との間に連結ワッシャ94を挟んだ状態で吊ボルト92にねじ込まれて羅着される。連結ナット93は、吊ボルト92のネジ部の仕様に対応した汎用品を使用することができる。連結ワッシャ94は、連結ナット93の緩みを防止する等の目的で、連結部83の連結部主部830と連結ナット93との間に配置される。なお、連結ワッシャ94は、造営部9の必須の構成要素ではなく、連結ワッシャ94の使用は任意である。連結ワッシャ94は、吊ボルト92及び連結ナット93の仕様に対応した汎用品を使用することができる。
【0098】
<灯具3のレースウェイ90への装着概要>
照明システム100は、灯具3を収容する後述する照明器具2を用いることなく、簡素かつ安価な構成である連結具8を用いて灯具3を造営部9であるレースウェイ90に連結することができる。照明装置1は、造営部9の一例であるレースウェイ90から垂下する吊ボルト92に灯具3を装着するために、灯具3の長手両端に取り付けられる連結具8を用いる。レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、吊ボルト92の間隔を灯具3の寸法に合わせることができる。また、レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、灯具3の装着位置をレースウェイ90に沿って自在に変更することができる。
【0099】
図6に示すように、ボルト係止具920に吊ボルト92が挿通された状態で、ボルト係止具920は、レースウェイ90の先端爪部90cの上方に配置され、先端爪部90cと係合する。このとき、吊ボルト92のネジ切りされた本体部分は、ボルト係止具920の下方から突出すると共にレースウェイ90の下方に突出する。そして、吊ボルト92のネジ切りされた本体部分は、連結具8の連結部主部830に形成されたボルト挿通孔831に挿通され、吊ボルト92のネジ切りされた本体部分には、連結部主部830の下方に配置された連結ナット93がねじ込まれて羅着される。連結具8は、連結ナット93によって、連結具8の連結部主部830が支持される。また、照明装置1は、連結ナット93によって、灯具3に取り付けられた連結具8の連結部主部830が支持されることで、造営部9であるレースウェイ90から吊り下げられて支持される。照明装置1は、端部蓋40から電源線74、接地線75及び制御線76等の電線が引き出されている。
【0100】
図9は、
図7の照明システム100のB-B線断面図である。なお、
図9に示す点線矢印Luは、発光素子61から発せられた光であって、透光性カバー30の内周部38で反射された光の方向を示すものである。灯具3は、発光部60の発光素子61から発せられた光が、透光性カバー30を透過すると共に、
図9に示すように、一部の光が透光性カバー30の内周部38で反射する。灯具3は、内周部38で反射した光が、灯具3の側方及び上方に進み、灯具3の側方及び上方の壁を構成する透光性カバー30を透過して、灯具3の側方及び上方に発せられる。したがって、照明システム100は、造営部9の側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0101】
<変形例>
照明装置1は、灯具3の連結部材44が、連結具8の機能を兼ね備えるように形成されてもよい。より詳細には、照明装置1は、灯具3の連結部材44が、2つの端部連結具80の機能を兼ね備えるように形成されてもよい。
【0102】
造営部9は、連結ナット93及び連結ワッシャ94に代えて、吊ボルト92の先端にフック等を羅着して、このフック等をボルト挿通孔831に挿通させ連結部83と嵌着、あるいは係着するように構成してもよい。このフックは、端部連結具80の連結部83を吊ボルト92に固定する固定具である。
【0103】
さらに、連結具8は、連結部83が必ずしもボルト挿通孔831を備える必要はない。照明システム100は、例えば、吊ボルト92にねじ込まれて羅着されるフック等が、連結部83を抱え込んで係着するように構成されてもよいし、あるいは、吊ボルト92にねじ込まれて羅着されるクランプ等が、連結部83の全体または一部を挟み込んで締め付けるように構成されてもよい。このフックあるいはクランプは、端部連結具80の連結部83を吊ボルト92に固定する固定具である。
【0104】
造営部9は、フックあるいはクランプを吊ボルト92の一部として一体に形成されてもよく、この場合は、端部連結具80の連結部83が固定具の機能を備えた吊ボルト92に直接固定される構成となる。
【0105】
また、クランプを端部連結具80の一部として一体に形成し、クランプが吊ボルト92を挟み込んで締め付けるように構成してもよい。この場合は、固定具の機能を備えた端部連結具80が吊ボルト92に直接固定される構成となる。クランプは、例えば、端部連結具80の連結部83に形成することができる。
【0106】
<作用効果>
照明装置1は、吊ボルト92に対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92と連結される連結部83を有し、灯具3と造営部9との間に配置されるように灯具3に取り付けられる端部連結具80を備えている。そのため、照明装置1は、後述する実施の形態3に示すような、灯具3を収容する照明器具2に取り付けられることによって照明装置1bを構成することができる灯具3と、簡易な構成である連結具8とを組み合わせることによって構成することができる。すなわち、照明装置1は、灯具3を収容する照明器具2を用いなくても造営部9であるレースウェイ90に取り付けられた吊ボルト92に対して灯具3を直接連結することができる。その結果、照明装置1は、灯具3を造営部9であるレースウェイ90に連結する際に、灯具3を収容する冗長な構成である照明器具2を用いる必要がないので、作業者は、造営部9への照明装置1の取り付けが容易となり、施工時間及び施工費用が改善される。また、照明装置1は、後述する照明装置1a及び照明装置1bと灯具3の共通化を図ることができる。そして、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1は、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1に関する開発、製造、物流、在庫の効率を向上させることができる。また、造営部9は、施工に際して、汎用の吊ボルト92、連結ナット93及び連結ワッシャ94を使用することができるので照明システム100は、利便性と経済性とに優れている。また、灯具3を収容する照明器具2のように灯具3は連結具8に収納されることがないので、造営部9の側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0107】
また、端部連結具80は、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられる。すなわち、灯具3は、長手方向Xにおける両端部において端部連結具80によって造営部9に取り付けられる。そのため、灯具3は、安定した状態で造営部9の吊ボルト92によって支持される。
【0108】
また、連結部83は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に配置されている。すなわち、灯具3は、長手方向Xにおける両端部において端部連結具80によって造営部9に取り付けられる。そのため、灯具3は、安定した状態で造営部9の吊ボルト92によって支持される。また、連結部83は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に配置されているため、作業者が、吊ボルト92と連結部83との連結作業を行い易い。
【0109】
また、ボルト挿通孔831は、灯具3の長手方向Xに沿って複数形成されている。そのため、複数形成されたボルト挿通孔831に2本以上の吊ボルト92を挿通させることができ、造営部9は、少なくとも2箇所で灯具3を支持することができる。そのため、灯具3は、安定した状態で造営部9の吊ボルト92によって支持される。
【0110】
また、ボルト挿通孔831は、ボルト挿通孔831に挿通された吊ボルト92が灯具3の長手方向Xに沿って滑動自在となるように、灯具3の長手方向Xに沿って長孔形状に形成されている。そのため、レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、吊ボルト92の間隔を灯具3の寸法に合わせることができる。また、レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、灯具3の装着位置をレースウェイ90に沿って自在に変更することができる。
【0111】
また、連結具8は、造営部9に設けられた吊ボルト92に取り付けられる照明装置用の連結具である。そして、連結具8は、吊ボルト92に対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92と連結される連結部83を有し、灯具3と造営部9との間に配置される。そのため、照明装置1は、後述する実施の形態3に示すような、灯具3を収容する照明器具2に取り付けられることによって照明装置1bを構成することができる灯具3と、簡易な構成である連結具8とを組み合わせることによって構成することができる。すなわち、照明装置1は、灯具3を収容する照明器具2を用いなくても造営部9であるレースウェイ90に取り付けられた吊ボルト92に対して灯具3を直接連結することができる。その結果、照明装置1は、灯具3を造営部9であるレースウェイ90に連結する際に、灯具3を収容する冗長な構成である照明器具2を用いる必要がないので、作業者は、造営部9への照明装置1の取り付けが容易となり、施工時間及び施工費用が改善される。また、照明装置1は、後述する照明装置1a及び照明装置1bと灯具3の共通化を図ることができる。そして、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1は、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1に関する開発、製造、物流、在庫の効率を向上させることができる。また、造営部9は、施工に際して、汎用の吊ボルト92、連結ナット93及び連結ワッシャ94を使用することができるので照明システム100は、利便性と経済性とに優れている。また、灯具3を収容する照明器具2のように灯具3は連結具8に収納されることがないので、造営部9の側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0112】
連結ナット93及び連結ワッシャ94に代えて、フック、クランプ等の固定具を用いることによって、作業者は、連結作業を行い易くなる。
【0113】
そして、固定具の機能を備えた吊ボルト92あるいは端部連結具80を用いることによって、固定具を準備したり固定具を吊ボルト92あるいは端部連結具80に取り付けたりする必要がなくなるため、作業者は、造営部9への照明装置1の取り付けが容易となり、施工時間及び施工費用が改善される。
【0114】
実施の形態2.
<照明システム100a>
図10は、本発明の実施の形態2に係る照明システム100aの分割斜視図である。
図11は、本発明の実施の形態2に係る照明システム100aの分割側面図である。
図10及び
図11を用いて、照明システム100aについて説明する。
図1~
図9の照明システム100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。本発明の実施の形態2に係る照明システム100aで特に記述しない項目については、実施の形態1に係る照明システム100と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。照明システム100aは、照明装置1aと、造営部9aと、を有する。照明装置1aは、造営部9aに設けられた吊ボルト92aに直接装着されることで、造営部9aから吊り下げられて造営部9aに支持される。
【0115】
<照明装置1aの構成>
図12は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1aの分解斜視図である。
図12を参照して、実施の形態2に係る照明装置1aの構成を説明する。照明装置1aは、
図12に示すように、光を発する灯具3と、灯具3を造営部9aに連結させる連結具8aとを有する。照明装置1aは、造営部9aに設けられた吊ボルト92aに取り付けられる。なお、灯具3の構成は、実施の形態1に係る照明装置1と同じである。
【0116】
<連結具8a>
図13は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1aの詳細な構成を説明する斜視図である。次に、
図10から
図13を用いて連結具8aについて説明する。連結具8aは、灯具3を造営部9aに連結する連結ユニットである。造営部9aは、例えば、天井91である。連結具8aは、吊ボルト92に対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92と連結される連結部85を有し、灯具3と造営部9との間に配置されるように灯具3に取り付けられる。本実施の形態では、連結具8aは、灯具3の長手方向Xの両端に取り付けられる2つの端部連結具80と、2つの端部連結具80に取り付けられる中央部連結具84と、固定ボルト87と、固定ナット88と、固定ワッシャ89とを有する。
【0117】
(端部連結具80)
端部連結具80は、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられる。端部連結具80は、
図13に示すように、連結具第1固定部81と、連結具第2固定部82と、連結部83とを有する。端部連結具80は、連結具8の第1連結具である。端部連結具80は、連結具第2固定部82の上下端縁部、すなわち、連結具第2固定部82の上下方向Zにおける両端縁部から、連結具第1固定部81と連結部83とが並行するように連結具第1固定部81と連結部83とを同じ向きに屈曲させている。
【0118】
(連結部83)
端部連結具80が灯具3に取り付けられた状態において、連結部83は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に配置される。本実施の形態では、連結部83は、第2連結具である中央部連結具84に固定される部分である。より詳細には、連結部83は、後述する固定部86の段差部である底部863に固定される。連結部83は、連結部主部830と、連結端部屈曲部832と、連結側部屈曲部833とを有する。なお、連結端部屈曲部832は、連結具8aの必須の構成要素ではない。連結具8aに連結端部屈曲部832を設けるか否かは任意である。また、連結側部屈曲部833は、連結具8aの必須の構成要素ではない。連結具8aに連結側部屈曲部833を設けるか否かは任意である。
【0119】
連結部主部830は、上述したように第2固定部主部820の縁部から立ち上がる板状の部材である。連結部主部830は、上面が第2連結具である中央部連結具84に設けられる固定部86の、底部863の下面と当接する。連結部主部830には、連結部83と第2連結具である中央部連結具84とを固定するための固定ボルト87が挿通されるボルト挿通孔831が形成されている。
【0120】
ボルト挿通孔831には、連結部83と第2連結具である中央部連結具84とを固定するための固定ボルト87が挿通される。ボルト挿通孔831の孔の形状は、丸形、楕円形、角形、スリット形、これらを組み合わせた形等を採用できる。連結部主部830において、ボルト挿通孔831の形成位置は、限定されるものではない。しかし、照明装置1の長手方向Xにおいて、ボルト挿通孔831が灯具3よりも外側に位置するように形成されていると、作業者が、連結具8aの第1連結具である端部連結具80を連結具8aの第2連結具である中央部連結具84に取り付け易い。
【0121】
(中央部連結具84)
中央部連結具84は、連結具8aの第2連結具であり、長尺状に形成された連結具である。中央部連結具84は、固定ボルト87、固定ナット88、固定ワッシャ89を用いて、灯具3の両端に取り付けられた連結具8aの第1連結具である端部連結具80に取り付けられる。中央部連結具84は、長手方向Xに沿った端面視において下方に開口が形成された概略コの字形状に形成されている。中央部連結具84は、金属製の板材を折り曲げて形成される。なお、中央部連結具84の材料は金属に限定するものではなく、樹脂等他の材料から形成されてもよい。中央部連結具84は、長尺状に形成された連結部85と、連結部85の長手方向Xの両端部に設けられた固定部86とを有する。
【0122】
(連結部85)
連結部85は、連結具8aの第2連結具である中央部連結具84を、連結ボルトである吊ボルト92aに連結する構成である。中央部連結具84が、第1連結具である端部連結具80を介して灯具3に取り付けられた状態において、連結部85は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも内側で吊ボルト92aと連結する。連結部85は、連結部主部850と、連結部側部である一対の連結側部屈曲部852とを有している。連結部主部850は、長尺かつ平板状に形成されている。一対の連結側部屈曲部852は、連結部主部850の短手方向Yの両端から立ち上がるように形成されている。一対の連結側部屈曲部852は、連結部主部850の長手方向Xの側縁部に沿って形成されている側壁である。一対の連結側部屈曲部852は、それぞれ対向するように形成されている。
【0123】
連結部主部850は、照明システム100aにおいて、造営部9aである天井91と対向する。連結部主部850は、照明システム100aにおいて、固定部材861、あるいは、リベット866と天井91との干渉を防ぐために、造営部9である天井91との間に若干の隙間が設けられた状態で配置される。連結部主部850には、連結ボルト挿通孔である吊ボルト挿通孔851が形成されている。
【0124】
吊ボルト挿通孔851には、造営部9aである天井91を貫通して垂下する連結ボルトである吊ボルト92aが挿通される。吊ボルト挿通孔851の孔の形状は、丸形、楕円形、角形、スリット形及びこれらを組み合わせた形等を採用することができる。本実施の形態では、
図12に示すように、4つの長尺の吊ボルト挿通孔851が形成されているが、吊ボルト挿通孔851を複数個所に分けて形成する場合には、2以上の任意の数の吊ボルト挿通孔851が連結部主部850に形成されていればよい。また、連結ボルト挿通孔である吊ボルト挿通孔851は、連結部主部850の長手方向Xに沿って1つの長尺の孔として形成されてもよい。すなわち、吊ボルト挿通孔851は、吊ボルト挿通孔851に挿通された吊ボルト92aが灯具3の長手方向Xに沿って滑動自在となるように、灯具3の長手方向Xに沿って長孔形状に形成されてもよい。なお、連結部主部850に複数の吊ボルト挿通孔851が形成されている場合には、各孔が長尺の孔として形成されてもよく、任意の孔が長尺の孔として形成されてもよい。
【0125】
連結側部屈曲部852は、連結部主部850の短手方向Yにおける両端部分から光の照射側に折り曲げられた立設部分である。連結側部屈曲部852は、連結部主部850の長手方向Xに沿って連結部主部850の側縁部から立設していることで、第2連結具である中央部連結具84の剛性を向上させる。連結側部屈曲部852は、光の照射側の先端部分がカール状に処理されている。連結側部屈曲部852の先端部分の形状は、内曲げでもよく、外曲げでもよい。連結側部屈曲部852の短手方向Yにおける間隔は、第1連結具である端部連結具80の短手方向Yにおける最大寸法より大きく形成されている。なお、端部連結具80の短手方向Yにおける最大寸法とは、互いに並行(対向)する連結側部屈曲部852同士の最大幅寸法である。また、連結側部屈曲部852の短手方向Yにおける間隔は、灯具3が第2連結具である中央部連結具84の側に近づけて連結される場合に、第1連結具である端部連結具80と第2連結具である中央部連結具84とが干渉しないように形成されている。
【0126】
(固定部86)
固定部86は、第2連結具である中央部連結具84において、中央部連結具84を第1連結具である端部連結具80に固定するための構成である。固定部86は、連結部主部850に形成された固定孔860と、固定孔860に係合する固定部材861と、固定部材861を連結部85に固定するリベット866とを有する。
【0127】
固定孔860は、連結部主部850に形成された貫通孔であり、固定部材861が取り付けられる孔である。
【0128】
固定部材861は、段差部となる底部863が、連結部主部850よりも灯具3の側に配置されるように、連結部主部850の造営部9aと対向する側から固定孔860に挿入される。固定部材861は、固定孔860に挿入されると、鍔部862が連結部主部850の上方に配置され、鍔部862が連結部主部850と当接して支持される。固定部86において、底部863と連結部主部850との間には、段差が形成されている。固定部材861は、鍔部862と、段差部となる底部863と、固定部材861の側壁を形成する側部865とを有する。
【0129】
鍔部862は、側部865の上縁部において側部865から曲折して形成されており、側部865の外側に張り出すように形成されている。側部865から鍔部862が張り出す方向は、長手方向X、又は、短手方向Yの何れの方向でもよい。あるいは、側部865から鍔部862が張り出す方向は、長手方向X、及び、短手方向Yの両方でもよい。鍔部862は、固定部材861が固定孔860に挿入されると、連結部主部850に当接し、固定部材861が所定量を超えて固定孔860に挿入されないように固定部材861の固定孔860への挿入量を規制する。本実施の形態では、鍔部862は、リベット866等を用いて連結部主部850に固着される。なお、固定部86は、リベット866等の部材を用いずに、固定部材861を連結部85に係着させる構造、あるいは、嵌着させる構造としてもよい。
【0130】
底部863は、板状の部材であり、固定部86の段差部である。底部863には、第2連結具である中央部連結具84を第1連結具である端部連結具80に取り付けるための固定ボルト87が挿通される固定ボルト挿通孔864が形成されている。照明システム100aにおいて、底部863の上下方向Zにおける位置は、固定ボルト87が造営部9aである天井91と干渉しないように決定される。また、照明システム100aにおいて、底部863の上下方向Zにおける位置は、固定ボルト87が灯具3と干渉しないように決定される。さらに、照明システム100aにおいて、底部863の上下方向Zにおける位置は、吊ボルト92aが灯具3と干渉しないように決定される。
【0131】
固定ボルト挿通孔864には、連結具8aの第2連結具である中央部連結具84を、連結具8aの第1連結具である端部連結具80に取り付けるための固定ボルト87が挿通される。固定ボルト挿通孔864の孔の形状は、丸形、楕円形、角形、スリット形、及びこれらを組み合わせた形等を採用することができる。
【0132】
側部865は、底部863の縁部から立ち上がるように形成されている。側部865は、固定部86の側壁を構成し、側部865は、鍔部862と段差部である底部863とを繋ぐ接続部である。すなわち、側部865の上縁部には鍔部862が形成されており、側部の下縁部には底部863が形成されている。側部865は、上下方向Zに延びるように形成されており、側部865の上下方向Zの長さ寸法は、段差部である底部863の位置、深さ、あるいは、段差の大きさに依存する。
【0133】
リベット866は、固定部材861の鍔部862を連結部85に固着させるために用いられる。なお、リベット866は、固定部86の必須の構成要素ではない。固定部86においてリベット866の使用は任意である。固定部86は、リベット866等の部材を用いずに、固定部材861を連結部85に係着させる構造、あるいは、嵌着させる構造としてもよい。なお、固定部86は、連結部85の一部にプレス、あるいは、絞り等の加工処理が施されることによって連結部85と一体に形成されてもよい。
【0134】
(固定ボルト87)
固定ボルト87は、第2連結具である中央部連結具84を、第1連結具である端部連結具80に取り付けるために用いられている。固定ボルト87は、汎用品(市販品)を使用することができる。
【0135】
(固定ナット88)
固定ナット88は、固定ボルト87のネジ部の仕様に対応した汎用品(市販品)を使用することができる。
【0136】
(固定ワッシャ89)
固定ワッシャ89は、固定ナット88の緩みを防止する等の目的で、第1連結具である端部連結具80の連結部83と、固定ナット88との間に配置される。なお、固定ワッシャ89は、連結具8aの必須の構成要素ではない。連結具8aにおいて、固定ワッシャ89の使用は任意である。固定ワッシャ89は、固定ボルト87及び固定ナット88の仕様に対応した汎用品(市販品)を使用することができる。
【0137】
<造営部9a>
図14は、本発明の実施の形態2に係る照明システム100aの一端側の端面図である。
図15は、本発明の実施の形態2に係る照明システム100aの側面図である。
図16は、本発明の実施の形態2に係る照明システム100aの下面図である。なお、
図14では、造営部9aと照明装置1aとの関係を説明するために、連結端部屈曲部832の一部を切り欠いて図示している。上述のように、照明システム100aは、照明装置1aと、造営部9aと、を有する。次に、
図14から
図16を用いて造営部9aについて説明する。
【0138】
本実施の形態では、造営部9aは、天井91と、吊ボルト92aと、連結ナット93と、連結ワッシャ94とを有する。天井91は、照明空間の天井を構成する壁部である。
【0139】
吊ボルト92aは、所謂電設備品として、天井91を貫通して照明空間に垂下している連結ボルトである。連結ナット93は、中央部連結具84の連結部85を吊ボルト92aに固定する固定具である。連結ナット93は、連結部83の連結部主部830との間に連結ワッシャ94を挟んだ状態で連結ボルトである吊ボルト92aにねじ込まれて羅着される。連結ナット93は、吊ボルト92aのネジ部の仕様に対応した汎用品を使用することができる。連結ワッシャ94は、連結ナット93の緩みを防止する等の目的で、連結部83の連結部主部830と連結ナット93との間に配置される。なお、連結ワッシャ94は、造営部9の必須の構成要素ではなく、連結ワッシャ94の使用は任意である。連結ワッシャ94は、吊ボルト92a及び連結ナット93の仕様に対応した汎用品を使用することができる。吊ボルト92a、連結ナット93及び連結ワッシャ94は、連結具8aではなく造営部9の構成である。
【0140】
<灯具3の天井91への装着概要>
照明システム100aは、照明装置1aを造営部9aの一例である天井91等に装着する実施例である。照明装置1aは、灯具3を収容する後述する照明器具2を用いることなく、簡素かつ安価な構成である連結具8aを用いて灯具3を造営部9aである天井91に連結することができる。照明装置1aは、予め所定の間隔で天井91等を貫通して垂下する吊ボルト92aに灯具3を装着するために、長尺連結具である中央部連結具84を有する。中央部連結具84は、光源ユニットである灯具3の背面側となる造営部側において、長手方向Xに渡って設けられ、灯具3の長手両端に取り付けられる。
【0141】
中央部連結具84には、複数種類の様々な吊ボルト92aの間隔に対応した吊ボルト挿通孔851が形成されている。中央部連結具84において、吊ボルト挿通孔851は個別に複数形成されても良いし、長尺状に繋がる1つの孔として形成されてもよい。中央部連結具84において、吊ボルト92aの間隔が固定されている場合でも、複数のいずれかの吊ボルト挿通孔851を選択して光源ユニットである灯具3を吊ボルト92aに装着することができる。あるいは、中央部連結具84において、長尺状の吊ボルト挿通孔851の任意の位置を選択して光源ユニットである灯具3を吊ボルト92aに装着することができる。また、照明システム100aは、光源ユニットである灯具3の装着位置を、吊ボルト92aの並列方向に沿って選択的あるいは自在に変更できる。
【0142】
連結具8aは、第1連結具である端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84とを有する。
図12及び
図14に示すように、第2連結具である中央部連結具84は、連結部85と固定部86とを有する。中央部連結具84は、固定部86の鍔部862が、連結部85の連結部主部850にリベット866によって固定されている。そして、固定部86の底部863と、第1連結具である端部連結具80の連結部主部830とに固定ボルト87が挿通されている。第2連結具である中央部連結具84と、第1連結具である端部連結具80とは、底部863と連結部主部830とに挿通された固定ボルト87と、固定ボルト87にねじ込まれて羅着された固定ナット88とによって固定されている。
【0143】
また、吊ボルト92aは天井91から下方に突出している。そして、吊ボルト92のネジ切りされた本体部分は、中央部連結具84の連結部主部850に形成された吊ボルト挿通孔851に挿通され、連結部主部850の下方に配置された連結ナット93がねじ込まれて羅着される。連結具8aの中央部連結具84は、連結ナット93によって、連結具8aの連結部主部850が支持される。また、照明装置1aは、連結ナット93によって、灯具3に取り付けられた連結具8aの連結部主部850が支持されることで、造営部9aである天井91から吊り下げられて支持される。照明装置1aは、端部蓋40から電源線74、接地線75及び制御線76等の電線が引き出されている。
【0144】
実施の形態2に係る照明装置1aは次のように構成されてもよい。連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に連結部83が配置される第1連結具である端部連結具80を用いて、造営部9に取り付けられてもよい。照明装置1aが当該構成の場合は、実施の形態1の照明装置1となる。また、連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも内側で造営部9aに取り付けられてもよい。この際、連結具8aは、長尺状の中央部連結具84によって造営部9aに取り付けられる。この中央部連結具84は、吊ボルト92aと連結する連結部85を有する。なお、第1連結具である端部連結具80は、造営部9に取り付けられてもよく造営部9aに取り付けられてもよい。また、第2連結具である中央部連結具84は、造営部9に取り付けられてもよく造営部9aに取り付けられてもよい。従って、連結具8aは、吊ボルト92aに連結される連結具として、第1連結具である端部連結具80と第2連結具である中央部連結具84とのいずれか一方の連結具を有してもよい。
【0145】
実施の形態2に係る照明装置1aは次のように構成されてもよい。連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に連結部83が配置される第1連結具である端部連結具80を有する。また、連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも内側で吊ボルト92aと連結する連結部85を有する長尺状の第2連結具である中央部連結具84を有する。そして、第1連結具である端部連結具80の連結部83を第1連結部とし、第2連結具である中央部連結具84の連結部85を第2連結部とする。第1連結具である端部連結具80は、灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられる。第2連結部である中央部連結具84は、灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、連結用固定具によって第1連結部である連結部83と連結されて第1連結具である端部連結具80を支持する。また、第2連結具である中央部連結具84は、第2連結部である連結部85が吊ボルト92aと連結する。なお、連結用固定具は、例えば、固定ボルト87と、固定ナット88とによって構成される。
【0146】
図17は、
図15の照明システム100aのC-C線断面図である。なお、
図17に示す点線矢印Luは、発光素子61から発せられた光であって、透光性カバー30の内周部38を反射された光の方向を示すものである。灯具3は、発光部60の発光素子61から発せられた光が、透光性カバー30を透過すると共に、
図17に示すように、一部の光が透光性カバー30の内周部38で反射する。灯具3は、内周部38で反射した光が、灯具3の側方及び上方に進み、灯具3の側方及び上方の壁を構成する透光性カバー30を透過して、灯具3の側方及び上方に発せられる。したがって、照明システム100aは、造営部9aの側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0147】
<変形例>
照明装置1aは、連結ユニットである連結具8aが、第1連結具である2つの端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84との機能を兼ね備えるように形成されてもよい。例えば、連結具8aは、第1連結具である2つの端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84とが一体に形成されてもよい。
【0148】
また、照明装置1aは、灯具3の連結部材44が、第1連結具である2つの端部連結具80の機能を兼ね備えるように形成されてもよい。
【0149】
また、照明装置1aは、灯具3の連結部材44が、連結ユニットである連結具8aの機能を兼ね備えるように形成されてもよい。すなわち、照明装置1aは、灯具3の連結部材44が、第1連結具である2つの端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84との機能を兼ね備えるように形成されてもよい。
【0150】
さらに、第2連結具である中央部連結具84の連結部85には、必ずしも吊ボルト挿通孔851が形成されている必要はない。例えば、照明システム100aは、連結ボルトである吊ボルト92aにねじ込まれて羅着されるフック等が、連結部85を抱え込むように係着するように構成されてもよいし、あるいは、吊ボルト92aにねじ込まれて羅着されるクランプ等が、連結部85の全体または一部を挟み込んで締め付けるように構成されてもよい。このフックは、中央部連結具84の連結部85を吊ボルト92aに固定する固定具である。
【0151】
造営部9aは、フックあるいはクランプを吊ボルト92aの一部として一体に形成されてもよく、この場合は、中央部連結具84の連結部85が固定具の機能を備えた吊ボルト92aに直接固定される構成となる。
【0152】
また、クランプを中央部連結具84の一部として一体に形成し、クランプが吊ボルト92aを挟み込んで締め付けるように構成してもよい。この場合は、固定具の機能を備えた中央部連結具84が吊ボルト92aに直接固定される構成となる。クランプは、例えば、中央部連結具84の連結部85に形成することができる。
【0153】
<作用効果>
照明装置1aは、吊ボルト92aに対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92aと連結される連結部85を有し、灯具3と造営部9aとの間に配置されるように灯具3に取り付けられる中央部連結具84を備えている。そのため、照明装置1aは、後述する実施の形態3に示すような、灯具3を収容する照明器具2に取り付けられることによって照明装置1bを構成することができる灯具3と、簡易な構成であるの連結具8aとを組み合わせることによって構成することができる。すなわち、照明装置1aは、灯具3を収容する照明器具2を用いなくても造営部9aである天井91から垂下する吊ボルト92aに対して灯具3を直接連結することができる。その結果、照明装置1aは、灯具3を造営部9aである天井91に取り付ける際に、灯具3を収容する冗長な構成である照明器具2を取り付ける必要がないので、作業者は、造営部9aへの照明装置1aの取り付けが容易となり、施工時間、施工費用が改善される。また、照明装置1aは、照明装置1及び後述する照明装置1bと灯具3の共通化が図ることができる。そして、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1aは、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1aに関する開発、製造、流通、在庫の効率を向上させることができる。また、照明システム100aは、造営部9aである天井91に灯具3を収容する通常の照明器具2を取り付ける必要がないので、天井91に照明器具2の施工痕跡を残さない。また、造営部9aは、施工に際して、汎用の吊ボルト92、連結ナット93及び連結ワッシャ94を使用することができるので照明システム100aは、利便性と経済性とに優れている。また、灯具3を収容する通常の照明器具2のように灯具3は連結具8aに収納されることがないので、造営部9aの側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0154】
また、端部連結具80は、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられる。すなわち、灯具3は、長手方向Xにおける両端部において端部連結具80によって中央部連結具84に取り付けられる。そのため、灯具3は、中央部連結具84を挿通した固定ボルト87と、固定ボルト87に羅着された固定ナット88とを介して、安定した状態で中央部連結具84に支持される。
【0155】
連結部85は、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも内側で吊ボルト92aと連結する。そのため、灯具3は、長手方向Xにおける両端部において端部連結具80によって中央部連結具84に取り付けることができる。そのため、灯具3は、中央部連結具84を挿通した固定ボルト87と、固定ボルト87に羅着された固定ナット88とを介して、安定した状態で中央部連結具84に支持される。また、連結部83を、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に配置することができ、作業者が、中央部連結具84を挿通した固定ボルト87と連結部83との連結作業を行い易い。
【0156】
また、吊ボルト挿通孔851は、灯具3の長手方向Xに沿って複数形成されている。そのため、複数形成された吊ボルト挿通孔851に2本以上の吊ボルト92aを挿通させることができ、造営部9aは、少なくとも2箇所で灯具3を支持することができる。そのため、灯具3は、安定した状態で造営部9aの吊ボルト92aによって支持される。また、中央部連結具84は、吊ボルト92aの間隔が固定されている場合でも、複数のいずれかの吊ボルト挿通孔851を選択して光源ユニットである灯具3を吊ボルト92aに装着することができる。あるいは、中央部連結具84は、長尺状の吊ボルト挿通孔851の任意の位置を選択して光源ユニットである灯具3を吊ボルト92aに装着することができる。また、照明装置1aは、光源ユニットである灯具3の装着位置を、吊ボルト92aの並列方向に沿って選択的あるいは自在に変更できる。
【0157】
また、吊ボルト挿通孔851は、吊ボルト挿通孔851に挿通された吊ボルト92が灯具3の長手方向Xに沿って滑動自在となるように、灯具3の長手方向Xに沿って長孔形状に形成されている。そのため、レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、吊ボルト92の間隔を灯具3の寸法に合わせることができる。また、レースウェイ90から垂下する吊ボルト92は、レースウェイ90に沿って滑動可能であり、灯具3の装着位置をレースウェイ90に沿って自在に変更することができる。
【0158】
また、連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも外側に連結部83が配置される第1連結具である端部連結具80を用いて、造営部9に取り付けられてもよい。照明装置1aが当該構成の場合は、実施の形態1の照明装置1となる。また、連結具8aは、長尺状に形成された灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、灯具3の長手方向Xにおける両端部よりも内側で造営部9aに取り付けられてもよい。連結具8aは、吊ボルト92aと連結する連結部85を有する長尺状の第2連結具である中央部連結具84によって造営部9aに取り付けられる。そのため、照明装置1aは、例えば、複数の吊ボルト92aの互いの配置間隔に応じて、第1連結具である端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84とを吊ボルト92aに連結する連結具として選択することができる。
【0159】
また、連結具8aは、第1連結具である端部連結具80と、第2連結具である中央部連結具84とを有する。第1連結具である端部連結具80は、灯具3の長手方向Xにおける両端部にそれぞれ取り付けられている。第2連結部である中央部連結具84は、灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、連結用固定具によって第1連結部である連結部83と連結されて第1連結具である端部連結具80を支持する。また、第2連結部である中央部連結具84は、灯具3の長手方向Xにおける両端部に取り付けられた状態で、第2連結部である連結部85が吊ボルト92aと連結する。そのため、照明装置1aは、例えば、複数の吊ボルト92aの互いの配置間隔が、灯具3の両端部の外側に配置された第1連結部である連結部83同士の距離よりも小さい場合に、中央部連結具84を吊ボルト92aに連結する連結具として使用することができる。
【0160】
また、連結具8aは、造営部9aに設けられた吊ボルト92aに取り付けられる照明装置用の連結具である。そして、連結具8aは、吊ボルト92aに対応した位置に配置され固定具によって吊ボルト92aと連結される連結部85を有し、灯具3と造営部9aとの間に配置される。そのため、照明装置1aは、後述する実施の形態3に示すような、灯具3を収容する照明器具2に取り付けられることによって照明装置1bを構成することができる灯具3と、簡易な構成であるの連結具8aとを組み合わせることによって構成することができる。すなわち、照明装置1aは、灯具3を収容する照明器具2を用いなくても造営部9aである天井91から垂下する吊ボルト92aに対して灯具3を直接連結することができる。その結果、照明装置1aは、灯具3を造営部9aである天井91に取り付ける際に、灯具3を収容する冗長な構成である照明器具2を取り付ける必要がないので、作業者は、造営部9aへの照明装置1aの取り付けが容易となり、施工時間、施工費用が改善される。また、照明装置1aは、照明装置1及び後述する照明装置1bと灯具3の共通化が図ることができる。そして、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1aは、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1aに関する開発、製造、流通、在庫の効率を向上させることができる。また、照明装置1aは、造営部9aである天井91に灯具3を収容する通常の照明器具2を取り付ける必要がないので、天井91に照明器具2の施工痕跡を残さない。また、造営部9aは、施工に際して、汎用の吊ボルト92、連結ナット93及び連結ワッシャ94を使用することができるので照明システム100aは、利便性と経済性とに優れている。また、灯具3を収容する通常の照明器具2のように灯具3は連結具8aに収納されることがないので、造営部9aの側にも光を照射することができ、照明空間全体の明るさ感を改善することができる。
【0161】
連結ナット93及び連結ワッシャ94に代えて、フック、クランプ等の固定具を用いることによって、作業者は、連結作業を行い易くなる。
【0162】
そして、固定具の機能を備えた吊ボルト92aあるいは中央部連結具84を用いることによって、固定具を準備したり固定具を吊ボルト92aあるいは中央部連結具84に取り付けたりする必要がなくなるため、作業者は、造営部9aへの照明装置1aの取り付けが容易となり、施工時間及び施工費用が改善される。
【0163】
実施の形態3.
<照明システム100b>
図18は、本発明の実施の形態3に係る照明システム100bの斜視図である。
図19は、本発明の実施の形態3に係る照明システム100bの分解斜視図である。
図18及び
図19を用いて、照明システム100bについて説明する。
図1~
図17の照明システム100及び照明システム100aと同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。本発明の実施の形態3に係る照明システム100bで特に記述しない項目については、実施の形態1に係る照明システム100及び実施の形態2に係る照明システム100aと同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。照明システム100bは、照明装置1bと、造営部9bと、を有する。照明装置1bは、造営部9bに直接装着される。
【0164】
<照明装置1bの構成>
照明装置1bは、光を発する灯具3と、灯具3を収容する照明器具2とを有する。灯具3は、実施の形態1における連結具8、あるいは、実施の形態2における連結具8aを用いない場合に、灯具3が通常の照明器具2に取り付けられることによって実施の形態3に係る照明装置1bを構成する。すなわち、実施の形態3における照明装置1bは、天井あるいは壁等の造営部9bに取り付けられる照明器具2と照明器具2に装着される灯具3とを有する。
【0165】
(照明器具2)
本実施の形態では、いわゆるトラフタイプの照明器具2を例として示す。なお、照明装置1bを構成する照明器具2として、トラフタイプの照明器具2を例示しているが、照明器具2はトラフタイプの照明器具2に限定されるものではない。照明装置1bは、灯具3が装着される照明器具2として、例えば、笠付タイプ、片側反射笠付タイプ、V形タイプ等、他の形状のものを採用することができる。
【0166】
照明器具2を構成する器具本体20は、本実施の形態では、金属製の板材を折り曲げて形成される。器具本体20は、器具底面部21、一対の器具側面部22及び一対の器具端部23を有している。器具底面部21は、長尺かつ平板状に形成されており、一対の器具側面部22は、器具底面部21の短手方向Yの両端から立ち上がるように形成されている。一対の器具側面部22は、器具底面部21の長手方向Xに沿って、器具底面部21の側縁部に形成されている。一対の器具側面部22は、器具本体20の長手方向Xに延びるように形成された側壁であり、互いに対向するように形成されている。
【0167】
また、一対の器具端部23は、器具底面部21の長手方向Xの両端から立ち上がるように形成されている。一対の器具端部23は、器具底面部21の短手方向Yに沿って、器具底面部21の端縁部に形成されている。一対の器具端部23は、器具本体20の短手方向Yに延びるように形成された側壁であり、互いに対向するように形成されている。器具端部23には、ノックアウト24が形成されており、電源線74、接地線75及び制御線76等の電線(図示は省略)を挿通する際に取り外される。
【0168】
装着部25は、装着された灯具3の一部を収容する収容部である。装着部25は、器具本体20の器具底面部21、一対の器具側面部22及び一対の器具端部23により凹形状に形成される。このため、装着部25は、器具本体20の器具底面部21、一対の器具側面部22及び一対の器具端部23で囲まれる空間を形成している。ここで、装着部25が収容する灯具3の一部は、照射側ではない非照射部となる。また、器具本体20の下端に形成された開口端部26は、照明器具2の装着部25に対して、灯具3の着脱を行う際の装着口となる。器具本体20の開口端部26において、長手方向Xの両端部には器具側連結部27が形成されている。器具側連結部27には、灯具3が取り付けられる。本実施の形態では、器具側連結部27は、器具端部23と一体に形成されており、開口端部26から長手方向Xにおける中向きX2に向かって、折り曲げて形成されている。器具側連結部27に形成されたネジ孔28は、灯具3に取り付けられた固定具48がねじ止めされる孔である。上述した連結部材44は、灯具3に固定され、また、固定具48によって照明器具2に固定される。なお、固定具48は、例えば、連結ネジである。灯具3は、固定具48によって照明器具2にねじ止めされて固定される。
【0169】
(灯具3)
実施の形態3に係る照明装置1bの灯具3の構成は、実施の形態1に係る照明装置1の灯具3と同じである。
【0170】
<造営部9b>
造営部9bは、天井あるいは壁等である。
【0171】
<作用効果>
照明装置1bは、灯具3と灯具3を収容する照明器具2とを組み合わせることによって構成することができる。そのため、照明装置1bは、照明装置1及び照明装置1aと灯具3の共通化が図ることができる。そして、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1bは、灯具3及び灯具3を用いる照明装置1bに関する開発、製造、流通、在庫の効率を向上させることができる。
【0172】
以上、本発明の実施の形態、及び変形例を説明したが、これらの実施の形態と変形例とを組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態と変形例とを部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態、及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態、及び変形例において、照明装置1、照明装置1a及び照明装置1bを構成する連結具8、連結具8a、及び、照明器具2は、いずれも長尺状の灯具3に対応した態様を例示しているが、これに限定されるものではない。灯具3、あるいは、灯具3を備える照明システム100、照明システム100a及び照明システム100bは、短尺状のものでもよく。例えば、灯具3は透光性カバー30の筒軸方向の長さ寸法が径方向の長さ寸法より小さい形状であってもよい。
【符号の説明】
【0173】
1 照明装置、1a 照明装置、1b 照明装置、2 照明器具、3 灯具、8 連結具、8a 連結具、9 造営部、9a 造営部、9b 造営部、20 器具本体、21 器具底面部、22 器具側面部、23 器具端部、24 ノックアウト、25 装着部、26 開口端部、27 器具側連結部、28 ネジ孔、30 透光性カバー、31 並行部、32 第1接続部、33 第2接続部、34 リブ、35 カバー端部、36 端部、37 外周部、38 内周部、40 端部蓋、41 第1端部カバー、42 第2端部カバー、43 封止具、44 連結部材、45 連結部材第1固定部、46 連結部材第2固定部、47 係合部、48 固定具、49 カバー蓋、50 取付部材、51 台座、52 取付面部、53 側部、54 台座固定具、55 取付部、56 固定部、57 ボス部、58 ネジ孔、60 発光部、61 発光素子、62 基板、71 固定ネジ、72 固定ネジ、73 制御部、74 電源線、75 接地線、76 制御線、77 給電線、80 端部連結具、81 連結具第1固定部、82 連結具第2固定部、83 連結部、84 中央部連結具、85 連結部、86 固定部、87 固定ボルト、88 固定ナット、89 固定ワッシャ、90 レースウェイ、90a 基板部、90b 側壁部、90c 先端爪部、91 天井、92 吊ボルト、92a 吊ボルト、93 連結ナット、94 連結ワッシャ、100 照明システム、100a 照明システム、100b 照明システム、410 第1カバー主部、410a 外壁部、411 第1カバー貫通孔、412 第1カバー連結孔、413 連結ガイド、414 カバー下面部、414a 底面部、414b 側面部、415 カバー下面貫通孔、416 カバー電線保持部、417 カバー端面部、418 カバー端面貫通孔、419 端部カバー外周部、420 第2カバー主部、421 端部カバー挿通部、421a 挿通壁、422 第2カバー係合片、423 第2カバー係合爪、425 端部カバー内周部、430 封止具主部、431 電線挿通部、432 電線挿通孔、433 封止具筒状部、434 ネジ挿通孔、435 内周部、436 接続部、437 外周部、450 段差部、451 固定具挿通部、452 開放端、460 固定ネジ挿通孔、461 係合片挿通孔、471 スリット、472 挿入孔、480 頭部、481 胴部、485 固定具ワッシャ、485a 第1固定具ワッシャ、520 ネジ孔、521 切り欠き部、523 制御部取付部、810 第1固定部主部、811 ネジ孔、812 固定端部屈曲部、820 第2固定部主部、821 固定ネジ挿通孔、822 電源線挿通孔、830 連結部主部、831 ボルト挿通孔、832 連結端部屈曲部、833 連結側部屈曲部、850 連結部主部、851 吊ボルト挿通孔、852 連結側部屈曲部、860 固定孔、861 固定部材、862 鍔部、863 底部、864 固定ボルト挿通孔、865 側部、866 リベット、920 ボルト係止具、4710 上部スリット、4711 端部スリット。