(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】センサープライバシー設定制御
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20231106BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231106BHJP
G08B 29/18 20060101ALI20231106BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G06Q50/10
G08B29/18 Z
G08B21/02
(21)【出願番号】P 2018563662
(86)(22)【出願日】2017-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2017062979
(87)【国際公開番号】W WO2017211614
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-05-29
(32)【優先日】2016-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンセン マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゲウルツ ルカス ヤコブス フランシスクス
(72)【発明者】
【氏名】ビル ヴィンセンティウス パウルス
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0063893(US,A1)
【文献】特開2014-154918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0207971(US,A1)
【文献】特開2009-075160(JP,A)
【文献】特開2014-182793(JP,A)
【文献】特開2014-130438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0242638(US,A1)
【文献】国際公開第2012/004907(WO,A1)
【文献】特開2006-238110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/01
A61G9/00-15/12
99/00
G06Q50/10、50/22
G08B19/00-31/00
G16H10/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人又は複数の対象者をモニタリングするカメラ及び/又はマイクロフォンのプライバシー設定を制御するための制御ユニットを備える装置の作動方法であって、前記方法は、
前記制御ユニットが、1つ又は複数のセンサーから信号を取得するステップと、
前記制御ユニットが、取得された前記信号中の前記1人又は複数の対象者の状態を検出するステップと、
前記制御ユニットが、前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定するステップと、
前記決定に応答して、
前記制御ユニットが、前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、プライバシーレベルを設定するステップと、
プライバシーセンシティブ状況ではない状況と比べて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンにより取得される信号から抽出可能な情報が制限されるように、前記制御ユニットが、設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンのプライバシー設定を制御するステップと、を有し、
前記制御ユニットが、1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素から、検出された前記状態のための必要とされるプライバシーレベルを示す前記1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人からの入力を受信するステップと、
前記制御ユニットが、受信された前記入力に基づいて、設定された前記プライバシーレベルを調整すべきかどうかを決定するステップと、をさらに有
し、
前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、前記プライバシーレベルを設定するステップは、
前記制御ユニットが、検出された前記状態を、データベースに記憶されたあらかじめ定義された状態と比較するステップであって、各あらかじめ定義された状態が、関連付けられたプライバシーレベルを有する、比較するステップと、
前記制御ユニットが、検出された前記状態に最もぴったり一致するあらかじめ定義された前記状態を選択するステップと、
前記制御ユニットが、前記プライバシーレベルを、選択されたあらかじめ定義された前記状態に関連付けられた前記プライバシーレベルに設定するステップと、を有し、
前記データベースに記憶されたプライバシーレベルが、前記1つ又は複数のセンサーから取得された過去の信号及び前記1人又は複数の対象者から受信された入力のうちの1つ又は複数に基づいて、あらかじめ定義された状態に関連付けられる、方法。
【請求項2】
前記制御ユニットが、取得された前記信号中の前記1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人を識別するステップと、
前記制御ユニットが、検出された前記状態について、少なくとも1人の識別された前記対象者のうちの1人又は複数のための必要とされるプライバシーレベルを決定するステップと
をさらに有し、
前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、前記プライバシーレベル
を設定するステップは、
前記制御ユニットが、少なくとも1人の識別された前記対象者のうちの前記1人又は複数のための決定された必要とされる前記プライバシーレベルに基づいて、前記プライバシーレベルを設定するステップ
を有する、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御ユニットが、取得された前記信号中の前記1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の前記状態の変化を検出するステップと、
前記制御ユニットが、前記1人又は複数の対象者のうちの前記少なくとも1人の前記状態の検出された前記変化に基づいて、設定された前記プライバシーレベルを代替プライバシーレベルに調整すべきかどうかを決定するステップと
をさらに有する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1人又は複数の対象者の前記状態は、
前記1人又は複数の対象者の活動又は前記1人又は複数の対象者が準備をしている活動と、
前記1人又は複数の対象者の裸のレベルと、
前記1人又は複数の対象者の感情と、
前記1人又は複数の対象者の挙動と、
前記1人又は複数の対象者による使用のためのデバイスのステータスと、
前記1人又は複数の対象者の生理的状態と
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンのプライバシー設定を前記制御するステップが、
設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンをオン又はオフに切り替えるステップと、
設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記1人又は複数の対象者に関して前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンを移動するステップと、
設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンの信号取得能力を変更するステップと、
設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンを少なくとも部分的に遮るか、あるいは、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンから取得される映像及び/又は音声信号を不明瞭にするか又は改変するステップと、
前記1人又は複数の対象者の周囲にある構成要素を制御して、前記1人又は複数の対象者の環境を修正するステップと
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御ユニットが、前記プライバシー設定を制御している前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンから、制御された映像及び/又は音声信号を取得するステップ
をさらに有する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御ユニットが、前記制御された映像及び/又は音声信号を1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素にレンダリングするステップ
をさらに有する、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
具現化されたコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読コードは、好適なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、前記コンピュータ又はプロセッサが、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の方法を実施させられるようなものである、コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
1人又は複数の対象者をモニタリングするカメラ及び/又はマイクロフォンのプライバシー設定を制御するための装置であって、前記装置は、
1つ又は複数のセンサーから信号を取得することと、
取得された前記信号中の前記1人又は複数の対象者の状態を検出することと、
前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定することと、
前記決定に応答して、
前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、プライバシーレベルを設定することと、
プライバシーセンシティブ状況ではない状況と比べて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンにより取得される信号から抽出可能な情報が制限されるように、設定された前記プライバシーレベルに基づいて、前記カメラ及び/又は前記マイクロフォンのプライバシー設定を制御することと、
1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素から、検出された前記状態のための必要とされるプライバシーレベルを示す前記1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人からの入力を受信することと、
受信された前記入力に基づいて、設定された前記プライバシーレベルを調整することと、を行う制御ユニットを備
え、
前記1人又は複数の対象者の検出された前記状態に基づいて、前記プライバシーレベルを設定することは、
前記制御ユニットが、検出された前記状態を、データベースに記憶されたあらかじめ定義された状態と比較することであって、各あらかじめ定義された状態が、関連付けられたプライバシーレベルを有する、比較することと、
前記制御ユニットが、検出された前記状態に最もぴったり一致するあらかじめ定義された前記状態を選択することと、
前記制御ユニットが、前記プライバシーレベルを、選択されたあらかじめ定義された前記状態に関連付けられた前記プライバシーレベルに設定することと、を有し、
前記データベースに記憶されたプライバシーレベルが、前記1つ又は複数のセンサーから取得された過去の信号及び前記1人又は複数の対象者から受信された入力のうちの1つ又は複数に基づいて、あらかじめ定義された状態に関連付けられる、装置。
【請求項10】
前記装置が、前記1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備える、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ又は複数のセンサーが、
視覚センサーと、
音響センサーと、
生理学的センサーと、
慣性センサーと、
動きセンサーと、
デバイスアクティブ化センサーと、
ロックアクティブ化センサーと
のうちの1つ又は複数を備える、請求項
9又は
10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プライバシー制御の分野に関し、特に、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
対象者のモニタリングが有益である多くの状況がある。たとえば、対象者は、しばしば、健康目的でモニタされる。対象者のモニタリングは、対象者の自宅、ヘルスケア施設、又は別のロケーションにあるセンサーによって行われ得る。また、パーソナルロボットが、最近、市場に参入し始め、親交と支援との混合を対象者に与えている。したがって、近い将来、人間とパーソナルロボットとの間の対話が、それらが与える利益により、プライベート環境において増加する可能性がある。
【0003】
対象者のモニタリング及びパーソナルロボットとの対話は、有用な利益を対象者に与えることができるが、対象者は、もはや、同じレベルのプライバシーを有しない。これは、特に、対象者がプライベート活動を行う必要があるとき、対象者にとって明らかになる。たとえば、対象者が(浴室並びに他のロケーションなどにおいて)衣類を脱いだ状態にある必要がある状況、又は、対象者が、他者が見ると不快である行為を行う必要がある状況がある。また、活動のモニタリングは、対象者の体の画像など、プライバシーセンシティブデータの収集を伴う。これは、対象者が不安を感じることを引き起こす。パーソナルロボットの場合、この不安感は強調され得る。たとえば、対象者は、人間の特徴をロボットに割り当て、それらとの個人的絆を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、特に、浴室などのいくつかの設定において、対象者に関与するとき、ロボットが、礼儀を示し、丁重にふるまうことが必要である。対象者をモニタするために使用されるセンサーに関するプライバシー問題を解決することも必要である。特に、センサーは、対象者の許可なしに、対象者の画像又はビデオなど、プライベートデータを得るためにハッキングされ得る。これは、対象者が、センサーのプラグを抜くか、センサーを停止するか、又はセンサーを覆うことを引き起こし、これは、対象者がもはやモニタされ得ないので、対象者の健康に悪影響を及ぼす。
【0005】
しばしば、対象者は、たとえば、(赤色ライト又は明滅ライトなどの)視覚手がかりを通して、及び(カメラシャッターのクリック音などの)音響手がかりを通して、画像又は記録が撮られていることに気づかされ、したがって、対象者は、相応に、対象者のプライバシー要件を満たすように適応することができる。しかしながら、視覚手がかり及び音響手がかりは、対象者が気づくことなしにリモートでオフにされ得る。その上、オフにされたときでも、カメラレンズは、対象者がモニタされていることが依然として可能である場合、依然として、対象者にとって不安感又は当惑感を引き起こす。
【0006】
スマートフォンを用いて制御可能なシャッターを有する防犯カメラにおいて使用されるセンサー、又は人々が自分のホームWi-Fiに接続するときに自動的に使用されるセンサーなど、センサーが存在する。対象者は、プライバシーを保証するために、スマートフォンからのタップを用いてモーター付シャッターを閉じる又は開くことによってモニタされることを対象者がいつ望むかを決定することができる。しかしながら、被制御シャッターは、画像がもはや記録されるまで、アクティブ化が容易に忘れられ得るという欠点を有する。また、対象者の現在の活動に対する相関、又は記録に向けた対象者の姿勢に対する相関がない。さらに、記録された画像の詳細のレベル又は特定のデータとプライバシーとの間を最適化するためのオプションがない。
【0007】
US2016/0027278 A1は、モニタリング対象者に公開されるデータ詳細のレベルを低減する、対象者のイベントベースモニタリングのためのシステムを開示する。本システムは、対象者にとって不快でない詳細のレベルを超えることなしに、対象者が安全であるかどうかを示すのに十分なデータ詳細を与える。しかしながら、対象者は、依然として、モニタリングのために使用されるセンサーに気づいており、これらのセンサーがハッキングされるという事実に気づいているので、対象者は、依然として安心できず、対象者のプライバシー問題が残る。また、対象者が対象者のプライバシー要件を設定するための個人化がない。したがって、本システムは、依然として、対象者が開示することを望まないデータを取得し、対象者が実際は与えるのに不快でない重要なデータを逃す。
【0008】
したがって、1つ又は複数のセンサーのプライバシー設定を制御するための改善された方法及び装置が必要である。
【0009】
上述のように、既存のモニタリング及び対話型デバイスに関する限界は、対象者のプライバシー問題が、対象者のプライバシー要件を満たしながら、センサーから取得されたデータを最適化するように十分に対処されないことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための方法が提供される。本方法は、1つ又は複数のセンサーから信号を取得するステップと、取得された信号中の1人又は複数の対象者の特性を検出するステップと、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルを設定するステップと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するステップとを有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定するステップをさらに有し、決定に応答して、プライバシーレベルは、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて設定され、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。
【0012】
いくつかの実施形態では、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルを設定するステップは、検出された特性を、データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性と比較するステップであって、各あらかじめ定義された特性が、関連付けられたプライバシーレベルを有する、比較するステップと、検出された特性に最もぴったり一致するあらかじめ定義された特性を選択するステップと、プライバシーレベルを、選択されたあらかじめ定義された特性に関連付けられたプライバシーレベルに設定するステップとを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、データベースに記憶されたプライバシーレベルが、1つ又は複数のセンサーから取得された過去の信号及び1人又は複数の対象者から受信された入力のうちの1つ又は複数に基づいて、あらかじめ定義された特性に関連付けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、取得された信号中の1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人を識別するステップと、検出された特性について、少なくとも1人の識別された対象者のうちの1人又は複数のための必要とされるプライバシーレベルを決定するステップとをさらに有し、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルを設定するステップが、少なくとも1人の識別された対象者のうちの1人又は複数のための決定された必要とされるプライバシーレベルに基づいて、プライバシーレベルを設定するステップを有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、検出された特性のための必要とされるプライバシーレベルを示す1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人からの入力を受信するステップと、受信された入力に基づいて、設定されたプライバシーレベルを調整すべきかどうかを決定するステップとをさらに有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、取得された信号中の1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の特性の変化を検出するステップと、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の特性の検出された変化に基づいて、設定されたプライバシーレベルを代替プライバシーレベルに調整すべきかどうかを決定するステップとをさらに有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、1人又は複数の対象者の特性は、1人又は複数の対象者の活動を示す特性と、1人又は複数の対象者の裸のレベルを示す特性と、1人又は複数の対象者の感情を示す特性と、1人又は複数の対象者の挙動を示す特性と、1人又は複数の対象者による使用のためのデバイスのステータスを示す特性と、1人又は複数の対象者の生理的特性とのうちの1つ又は複数を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するステップは、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーをオン又はオフに切り替えるステップと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、1人又は複数の対象者に関して少なくとも1つのセンサーを移動するステップと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーの信号取得能力を変更するステップと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーから取得された信号を少なくとも部分的に遮るか、不明瞭にするか又は改変するステップと、構成要素を、1人又は複数の対象者の環境を修正するように制御するステップとのうちの1つ又は複数を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、制御されたプライバシー設定を備えた少なくとも1つのセンサーから、制御された信号を取得するステップをさらに有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、制御された信号を1人又は複数の対象者にレンダリングするステップをさらに有する。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラムであって、コンピュータ可読媒体が、その中に具現化されたコンピュータ可読コードを有し、コンピュータ可読コードは、好適なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、コンピュータ又はプロセッサが、上記で説明された1つ又は複数の方法を実施させられるようなものである、コンピュータプログラムが提供される。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための装置が提供される。本装置は、1つ又は複数のセンサーから信号を取得することと、取得された信号中の1人又は複数の対象者の特性を検出することと、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルを設定することと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御することとを行う制御ユニットを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、さらに、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定し、決定に応答して、プライバシーレベルは、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて設定され、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。
【0024】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素を、制御された信号をレンダリングするように制御する。
【0025】
いくつかの実施形態では、本装置は、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサーは、視覚センサーと、音響センサーと、生理学的センサーと、慣性センサーと、動きセンサーと、デバイスアクティブ化センサーと、ロックアクティブ化センサーとのうちの1つ又は複数を備える。
【0027】
上記の態様及び実施形態によれば、対象者のプライバシー要件が決定され得、プライバシー設定が、プライバシー要件を達成するように適応され得る。対象者のプライバシー問題が軽減されながら、関連するデータが依然として取得されるようなやり方で、対象者の要望に従って、センサーデータ収集能力に制限を適用するためのプライバシー設定を決定することが可能である。
【0028】
したがって、プライバシーに関する既存の問題を克服する、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための改善された方法及び装置が提供される。
【0029】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのように実現されるかをより明らかに示すために、次に、単に例として、添付の図面への言及が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【
図3】例示的な実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
上述のように、本発明は、プライバシーに関する既存の問題を克服する、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための改善された方法及び装置を提供する。
【0032】
図1は、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するために使用され得る、本発明の一実施形態による装置100のブロック図を示す。少なくとも1つのセンサーは、単一のセンサー又はセンサーのセットである。少なくとも1つのセンサーは、センサー信号(又はセンサーデータ)を取得するか又は収集するように構成され得る。少なくとも1つのセンサーは、対象者に提示されるプライバシーを個人化及び最適化するように装置100によって設定又は適応され得るプライバシー設定を有する。
【0033】
装置100は、装置100の動作を制御し、本明細書で説明される方法を実施することができる制御ユニット102を備える。制御ユニット102は、本明細書で説明される様式で装置100を制御するように構成又はプログラムされる、1つ又は複数のプロセッサ、処理ユニット、マルチコアプロセッサ又はモジュールを備えることができる。特定の実装形態では、制御ユニット102は、各々、本発明の実施形態による方法の個々のステップ又は複数のステップを実施するように構成されるか又は実施するためのものである、複数のソフトウェアモジュール及び/又はハードウェアモジュールを備えることができる。
【0034】
手短に言えば、制御ユニット102は、1つ又は複数のセンサーから信号(たとえば、電気信号)を取得することと、取得された信号中の1人又は複数の対象者の特性を検出することと、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルを設定することと、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御することとを行うように構成される。いくつかの実施形態では、プライバシー設定が制御される少なくとも1つのセンサーは、信号が取得される1つ又は複数のセンサーと同じセンサーのうちの少なくとも1つである。たとえば、信号が取得される1つ又は複数のセンサーのプライバシー設定が制御される。いくつかの実施形態では、プライバシー設定が制御される少なくとも1つのセンサーは、信号が取得される1つ又は複数のセンサーとは異なる少なくとも1つのセンサーである。
【0035】
いくつかの実施形態では、制御ユニット102は、1つ又は複数のセンサーを、信号を取得するように制御するように構成され得る。装置100は、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備える。代替的に又は追加として、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つは、装置100の外部にある(すなわち、装置100とは別個であるか、又は装置100から離れている)。たとえば、スマートフォン又は(個人衛生デバイス又は他のデバイスなどの)接続されたデバイスは、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、対象者によって装着されるように設計されたデバイスは、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備えることができる。言い換えれば、装着可能なデバイスは、1つ又は複数のセンサーのうちの少なくとも1つを備えることができる。装着可能なデバイスは、対象者の首、対象者の手首、対象者のウエスト、対象者の背中、対象者の胸、又は対象者の他の部分上に又は周りに装着されるように設計され得る。首装着型実施形態では、デバイスは、対象者の首の周りのひも、チェーン、ネックレス、又は襟上に装着されるペンダントの形態であり得る。手首装着型実施形態では、デバイスは、リストバンド、リストストラップ又は時計の形態で与えられる。装着可能なデバイスがとる形態の例が与えられたが、装着可能なデバイスはこれらの形態に限定されず、他の形態のデバイスも可能であることが諒解されよう。
【0037】
いくつかの実施形態では、装置100は、装置100がセンサーと通信することを可能にするための通信インターフェース構成要素104と、(1つ又は複数のセンサー及び1つ又は複数の装着可能なデバイス又は他の接続されたデバイスなどの)装置100の内部又は外部にあるデバイスとを備える。通信インターフェース構成要素104は、ワイヤレスに又はワイヤード接続を介して、センサー及びデバイスと通信する。
【0038】
センサーは任意のタイプのセンサーである。たとえば、センサーは、(カメラ、ビデオ、赤外線センサー、又は他の視覚センサー或いは視覚センサーの組合せなどの)視覚センサーと、(マイクロフォン又は他の音響センサーなどの)音響センサーと、(心拍数センサー、血圧センサー、皮膚導電率センサー、筋肉活動センサー、皮膚温度センサー、呼吸数(breathing rate)センサー、又は他の生理学的センサーなどの)バイタルサイン又は生理学的センサーと、(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、視覚センサー、圧力センサー、或いは他の慣性、活動又は動きセンサーなどの)慣性、活動、又は動きセンサーと、デバイスアクティブ化センサーと、ロックアクティブ化センサーとのうちの1つ又は複数を備えることができる。
【0039】
生理的(又はバイタルサイン)センサーは、対象者から少なくとも1つの生理学的信号を取得するのに好適なセンサーである。たとえば、生理学的センサーは、(心電
図ECGセンサー、フォトプレチスモグラフィPPGセンサー、心音図検査PCGセンサー、又は他の心拍数センサーなどの)心拍数センサーと、(マイクロフォン、容量性微細加工超音波トランスデューサCMUTセンサー、加速度計、ひずみゲージ、応答性材料、又は他の音響生理学的センサーなどの)振動検出センサー又は音響生理学的センサーと、皮膚導電率センサーと、(筋電
図EMGセンサーなどの)筋肉活動センサーと、(皮膚温度センサーなどの)温度センサーと、呼吸数(respiratory rate)センサーと、対象者から1つ又は複数の生理学的信号を取得するのに好適な他のタイプのセンサーとのうちの1つ又は複数を備えることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の生理学的センサーが、装着可能なデバイスに組み込まれる。これらの実施形態では、1つ又は複数の生理学的センサーは、装着可能なデバイスを装着している対象者から生理学的信号を取得することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、心拍数センサーの形態の生理学的センサーが、対象者から生理学的信号を取得するために使用される。この実施形態では、生理学的信号は心拍数信号である。心拍数センサーは、任意のタイプの心拍数センサーである。一例では、心拍数センサーは心電図(ECG)センサーであり、対象者の心拍数信号は、ECGセンサーによって測定されたECG信号(すなわち、心臓の電気的活動を示す信号)から取得される。ECG信号は、ECGセンサーを備える装着可能なデバイスが対象者によって装着されたとき、対象者から受信される。ECGセンサーは1つ又は複数の電極を備える。
【0042】
別の例では、心拍数センサーはフォトプレチスモグラフィ(PPG)センサーであり、対象者の心拍数信号は、PPGセンサーによって測定されたPPG信号から取得される。PPG信号は、PPGセンサーを備える装着可能なデバイスが対象者によって装着されたとき、対象者から受信される。PPGセンサーは、特定の周波数において動作する1つ又は複数の(LEDなどの)光源と、PPGセンサーが対象者の皮膚と接触しているときに反射されるか又は送信されるかのいずれかである光に反応する1つ又は複数の(フォトダイオードなどの)光検出器とを備える。
【0043】
別の例では、心拍数センサーは心音図検査(PCG)センサーであり、対象者の心拍数信号は、PCGセンサーによって測定されたPCG信号から取得される。PCG信号は、PCGセンサーを備える装着可能なデバイスが対象者によって装着されたとき、対象者から受信される。PCGセンサーは、PCGセンサーが対象者の皮膚と接触しているときに音響信号を検出する1つ又は複数の振動トランスデューサ(又はマイクロフォン)を備える。これらの例では、音響信号は、心臓の鼓動により生じる音を識別するために処理され得る。
【0044】
他の例では、心拍数センサーは加速度計であり得る。これらの例では、加速度測定信号が、心臓の鼓動により加速度又は移動を識別するために処理され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、皮膚導電率センサーの形態の生理学的センサーが、対象者から生理学的信号を取得するために使用される。この実施形態では、生理学的信号は、皮膚導電率信号(すなわち、電気皮膚反応信号)である。皮膚導電率センサーは、対象者の皮膚と接触するように装着可能なデバイス中に配置された電極のペアの形態である。電流が電極のうちの1つを通って印加され、皮膚の抵抗が測定されるか、又は電極間の電圧が測定され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、音響生理学的センサーの形態の生理学的センサーが、対象者から生理学的信号を取得するために使用される。たとえば、音響生理学的センサーは、装着可能なデバイスを装着している対象者から、体の音又は振動(たとえば、心臓、肺、又は他の臓器など、臓器から発生する振動)を取得する。
【0047】
前述のように、生理学的センサーの他の例は、(筋電図信号を取得するための筋電
図EMGセンサーなど)筋肉活動信号を取得するための筋肉活動センサーと、対象者の皮膚温度信号を取得するための皮膚温度センサーと、対象者の呼吸数信号を取得するための呼吸数センサーとを含むことができる。
【0048】
生理学的センサーは、対象者の感情状態を示す生理学的信号を取得することができる。たとえば、心拍数、血圧、呼吸数(respiration rate)、皮膚温度などの増加は、対象者が負の感情状態(たとえば、ストレスの、不快な又は混乱した感情状態)にあることを示すことができる。これは、対象者がさらなるプライバシーを選好するという指示であり得る。したがって、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、対象者にさらなるプライバシーを与えるために、より高いレベルに増加され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、(カメラ、ビデオ、赤外線センサー、又は他の視覚センサー或いは視覚センサーの組合せなどの)視覚センサーの形態のセンサーが、信号を取得するために使用され得る。視覚センサーは、対象者の環境中に(たとえば、対象者の自宅に、ヘルスケア施設に、又は同様のところに)配置されるように設計される。視覚センサーは、(顔の表情、姿勢、又は同様のものなどの)対象者の感情状態を示す視覚コンテンツを備える視覚信号を取得する。制御ユニット102は、1人又は複数の対象者のために適切なプライバシーレベルを設定するために、視覚信号中のあらかじめ定義された顔の表情及び姿勢を認識するように構成される。同様に、制御ユニット102は、活動について1人又は複数の対象者のために適切なプライバシーレベルを設定するために、活動に固有の視覚信号中のあらかじめ定義された動きを認識するように構成される。制御ユニット102は、適切なプライバシーレベルを設定するために、対象者からの命令を認識するように構成される。たとえば、対象者がカメラレンズの前に手を置くことは、制御ユニット102がプライバシーレベルを増加させることを引き起こし得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、(マイクロフォン又は他の音響センサーなどの)音響センサーの形態のセンサーが、信号を取得するために使用され得る。制御ユニット102は、1人又は複数の対象者のために適切なプライバシーレベルを設定するために、音響信号中の声のトーン、トリガワード、又はあらかじめ定義された音を認識するように構成される。たとえば、泣いている対象者の音、トリガワード又は声のトーンの変化を検出することは、制御ユニット102がプライバシーレベルを変更することを引き起こす。同様に、制御ユニット102は、活動について1人又は複数の対象者のために適切なプライバシーレベルを設定するために、活動に固有の音を認識するように構成される。制御ユニット102は、適切なプライバシーレベルを設定するために、対象者からの音声命令を認識するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、視覚センサー、圧力センサー、或いは他の慣性、活動又は動きセンサーなどの)慣性、活動、又は動きセンサーの形態のセンサーが、信号を取得するために使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の慣性、活動、又は動きセンサーが、装着可能なデバイスに組み込まれる。これらの実施形態では、センサーは、装着可能なデバイスを装着している対象者の慣性、活動又は動きを示す信号を取得することができる。各々が対象者の体の異なる部分上に装着されるように設計された、2つ以上の慣性、活動、又は動きセンサーがある。いくつかの実施形態では、慣性、活動、又は動きセンサーは、対象者の環境中に(たとえば、対象者の自宅に、ヘルスケア施設に、又は同様のところに)配置されるように設計されたセンサーである。これらの実施形態では、センサーは、センサーが配置される環境中の慣性、活動又は動きを示す信号を取得することができる。
【0052】
対象者は、ある活動を行っているとき、さらなるプライバシーを選好する。したがって、慣性、活動又は動きセンサーが、対象者がある活動を行っている(又は行う準備をしている)ことを示す信号を取得したとき、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、対象者にさらなるプライバシーを与えるために、より高いプライバシーレベルに増加され得る。一方、対象者は、特定の活動を行っているとき、モニタされる必要がある。したがって、慣性、活動又は動きセンサーが、対象者が特定の活動を行っている(又は行う準備をしている)ことを示す信号を取得したとき、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、より低いプライバシーレベルに減少され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、デバイスアクティブ化センサーの形態のセンサーが、信号を取得するために使用され得る。たとえば、デバイスアクティブ化センサーは、(皮膚洗浄デバイス、歯ブラシ、かみそり、シャワー、又は対象者による使用のための他のデバイスなど)対象者による使用のためのデバイス上に、又は(浴室フロアなどの)フローリング中に配置されるように設計される。デバイスの状態は、アクティブ化状態(すなわち、電力供給状態又は使用中状態)或いはアクティブ化解除状態(すなわち、非電力供給状態又は未使用状態)である。対象者は、デバイスがアクティブ化されるとき、さらなるプライバシーを選好する。したがって、デバイスアクティブ化センサーが、デバイスの状態がアクティブ化解除状態からアクティブ化状態に変化したことを示す信号を取得したとき、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、対象者にさらなるプライバシーを与えるために、より高いプライバシーレベルに増加され得る。一方、対象者は、特定のデバイスを使用しているとき、モニタされる必要がある。したがって、デバイスアクティブ化センサーが、このデバイスの状態がアクティブ化解除状態からアクティブ化状態に変化したことを示す信号を取得したとき、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、より低いプライバシーレベルに減少され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、ロックアクティブ化センサーの形態のセンサーが、信号を取得するために使用され得る。ロックアクティブ化センサーは、ロックの状態を示す信号を取得することができる。たとえば、ロックアクティブ化センサーは、対象者の環境中の(たとえば、対象者の自宅にある、ヘルスケア施設にある、又は同様のところにある)ドア上に配置されるように設計される。ロックの状態は、アクティブ化状態(すなわち、ロック状態)又はアクティブ化解除状態(すなわち、ロック解除状態)である。対象者は、ドアがロックされるとき、さらなるプライバシーを選好する。したがって、ロックアクティブ化センサーが、ロックの状態がロック解除状態からロック状態に変化したことを示す信号を取得したとき、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、対象者にさらなるプライバシーを与えるために、より高いプライバシーレベルに増加され得る。
【0055】
センサー、それらの構成、及び動作についてのいくつかの例が上記で与えられたが、当業者は、信号を取得するために使用され得、プライバシー設定が制御され得る他のタイプのセンサー、並びにセンサーのための他の構成及び動作に気づくであろう。いくつかの実施形態では、センサーの複数のタイプ及びセンサーの構成が使用され得る。
【0056】
再び
図1を参照すると、いくつかの実施形態では、装置100は、本明細書で説明される方法を実施するように制御ユニット102によって実行され得るプログラムコードを記憶するように構成されたメモリユニット106を備える。メモリユニット106は、(取得されたセンサー信号、対象者の特性、対象者のそれらの特性のための関連付けられたプライバシーレベル、及びプライバシー設定などの)装置100の一部であるか又は装置100の外部にあるセンサー又はデバイスによって生成又は取得された情報、データ、信号及び測定値を記憶するためにも使用され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、装置100は、少なくとも1つのユーザインターフェース構成要素108を備える。代替的に又は追加として、ユーザインターフェース構成要素108は、装置100の外部にある(すなわち、装置100とは別個であるか、又は装置100から離れている)。たとえば、ユーザインターフェース構成要素108は別のデバイスの一部である。ユーザインターフェース構成要素108が装置100の外部にある実施形態では、通信インターフェース構成要素104は、ワイヤレスに又はワイヤード接続を介して、外部ユーザインターフェース構成要素と通信する。
【0058】
ユーザインターフェース構成要素108は、1人又は複数の対象者或いは装置100の他のユーザ(たとえば、介護者、ヘルスケアプロバイダ、健康指導員、家族、緊急連絡相手、又は他の人)に、本発明による方法から生じた情報を与える際に使用するためのものである。制御ユニット102は、本発明による方法から生じた情報を与えるように1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素108を制御するように構成される。たとえば、制御ユニット102は、1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素108を、制御された信号を1人又は複数の対象者又は装置100の他のユーザにレンダリングするように制御するように構成される。
【0059】
代替的に又は追加として、ユーザインターフェース構成要素108はユーザ入力を受信するように構成される。言い換えれば、ユーザインターフェース構成要素108は、対象者又は装置100の別のユーザがデータを手動で入力することを可能にする。制御ユニット102は、1つ又は複数のユーザインターフェース構成要素108からユーザ入力を取得するように構成される。ユーザ入力の例は、対象者についての特性のための必要とされるプライバシーレベルを示すユーザ入力、プライバシー設定の示唆された変更が認められるのか拒否されるのかを示すユーザ入力、プライバシー設定をオーバーライドするようにとの命令を示すユーザ入力、対象者が引き受けるべきである活動を示すユーザ入力、現在の活動のためにカメラ上のシャッター又はロボットの眼を開く又は閉じるようにとの命令を示すユーザ入力、又は他のユーザ入力或いはユーザ入力の組合せである。ユーザ入力の例が与えられたが、ユーザインターフェース構成要素108は他のユーザ入力を受信するように構成され得ることが理解されよう。受信されたユーザ入力に基づいて、対象者のプライバシー要件が学習され得る。詳細には、対象者の必要とされるプライバシーレベルが、受信されたユーザ入力に基づいて決定され、次いで、システムの挙動が時間とともにチューニングされ得るように記憶され得る。たとえば、ユーザ入力は、場合によっては、プライバシーレベルを設定するために制御ユニット102によって自動的になされる決定を受け入れるか又は交換する。必要とされるプライバシーレベルは、ある特性(又は活動又は状況)に関連付けられたプライバシーレベルを含む。
【0060】
ユーザインターフェース構成要素108は、対象者又は装置100の別のユーザへの、情報、データ又は信号のレンダリング又は出力を可能にする構成要素であるか、又は構成要素を備える。代替的に又は追加として、ユーザインターフェース構成要素108は、対象者又は装置100の別のユーザが、ユーザ入力を与え、装置100と対話し、及び/又は装置100を制御することを可能にする構成要素であるか、又は構成要素を備える。たとえば、ユーザインターフェース構成要素108は、1つ又は複数のスイッチ、1つ又は複数のボタン、キーパッド、キーボード、(たとえば、タブレット又はスマートフォン上の)タッチスクリーン又はアプリケーション、ディスプレイスクリーン又は他の視覚インジケータ、1つ又は複数のスピーカー、1つ又は複数のマイクロフォン、他のボイス対話構成要素、1つ又は複数の光、タクティルフィードバックを与えるための構成要素(たとえば、振動機能)、又は他のユーザ入力構成要素或いはユーザインターフェース構成要素の組合せを備える。
【0061】
図1は、本発明のこの態様を示すために必要とされる構成要素のみを示しており、実際的実装形態では、装置100は、図示されている構成要素に対する追加の構成要素を備えることが諒解されよう。たとえば、装置100は、装置100に電力供給するためのバッテリー又は他の電源、或いは装置100を主電源に接続するための手段を備える。
【0062】
図2は、一実施形態による、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための方法200を示す。図示されている方法200は、概して、装置100の制御ユニット102によって、又は制御ユニット102の制御下で実施され得る。
【0063】
図2を参照すると、ブロック202において、信号(たとえば、電気信号)が1つ又は複数のセンサーから取得される。1つ又は複数のセンサーは、任意のタイプのセンサー、又は前に説明されたセンサーなど、センサーの組合せである。
【0064】
ブロック204において、取得された信号中の1人又は複数の対象者の特性が検出される。1人又は複数の対象者の特性は、1人又は複数の対象者の活動を示す特性(たとえば、1人又は複数の対象者が関与しているか又は関与する準備をしている活動を示す特性)と、1人又は複数の対象者の裸のレベルを示す特性(たとえば、いくつかの露出した体部分の検出)と、1人又は複数の対象者の感情を示す特性と、1人又は複数の対象者の挙動を示す特性と、1人又は複数の対象者による使用のためのデバイスのステータスを示す特性と、1人又は複数の対象者の生理的特性とのうちの1つ又は複数を含むことができる。取得された信号中で検出される1人又は複数の対象者の特性の例が与えられたが、他の特性、又は1人又は複数の対象者の特性の任意の組合せが検出されることが諒解されよう。
【0065】
ブロック206において、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーレベルが設定される。いくつかの実施形態では、これは、検出された特性を、データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性と比較するステップを有し、各あらかじめ定義された特性は、関連付けられたプライバシーレベルを有する。データベースは、対象者にも関連付けられる、あらかじめ定義された特性及び関連付けられたプライバシーレベルのルックアップテーブル又はリストの形態である。
【0066】
装置100のメモリユニット106はデータベースを備えるか、又はデータベースは装置100の外部にある(すなわち、装置100とは別個であるか、又は装置100から離れている)。外部データベースの場合、通信インターフェース構成要素104は、制御ユニット102が、データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性及び関連付けられたプライバシーレベルにアクセスすることを可能にするために、ワイヤレスに又はワイヤード接続を介して、データベースと通信する。
【0067】
データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性は、1つ又は複数のセンサーから取得された過去の信号に基づいて、及び代替又は追加として、1人又は複数の対象者から受信された入力に基づいて、プライバシーレベルに関連付けられる。たとえば、制御ユニット102は、対象者の履歴に基づいて、及び対象者が指定した選好又は要件に基づいて、プライバシーレベルを設定するように構成される。これは、好ましい又は必要とされる設定のより正確な予測を対象者に与えることができる。
【0068】
データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性は、装置100のセットアップ時にプライバシーレベルに関連付けられる。たとえば、装置100のセットアップ時に、対象者の活動と、センサーの存在下での対象者のためのプライバシー要件(及び場合によっては、それらのプライバシー要件に関連付けられた対象者の活動)との評価が行われる。代替的に又は追加として、対象者のプライバシー要件は、センサー信号が時間とともに取得及び処理されるにつれて学習される。たとえば、制御ユニット102は、対象者のための必要とされるプライバシーレベルを示すことができるセンサー信号又はユーザ入力から取得されたデータを収集する。必要とされるプライバシーレベルは、特定の特性(活動又は状況)に関連付けられる。データの例は、対象者の活動を追跡することを通して取得されたデータ、対象者の感情応答として認識されたデータ、ユーザインターフェース構成要素108を介して対象者によって手動で与えられたデータ、又は同様のデータを含む。
【0069】
検出された特性を、データベースに記憶されたあらかじめ定義された特性と比較した後に、検出された特性に最もぴったり一致するあらかじめ定義された特性が選択される。次いで、プライバシーレベルは、選択されたあらかじめ定義された特性に関連付けられたプライバシーレベルに設定される。たとえば、データベースは、1つ又は複数のセンサーから取得された信号中で検出されたとき、高度の可能性を伴って、対象者のうちの1人又は複数が(ある活動中になど)選好することになるプライバシーレベルを示す、シグネチャ又はパターンを記憶する。制御ユニット102は、適切なプライバシーレベルを設定するために、1つ又は複数のセンサーから取得された信号中のシグネチャ又はパターンを認識することと、それらを、データベース中の記憶されたシグネチャ又はパターンに照合することとを行うように構成され得る。いくつかの実施形態では、データベースは、対象者のプライバシー要望を満たす可能性が最も高いプライバシー設定のリストを含み、次いで、プライバシーレベルはそれに応じて設定され得る。いくつかの実施形態では、対象者のための必要とされるプライバシーレベルは、データベース中で利用可能な情報に基づいて推定され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、取得された信号中の1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人が識別される。たとえば、対象者は、顔認識を通して、又は対象者の装着可能なデバイスの存在を検出することによって識別される。これらの実施形態では、少なくとも1人の識別された対象者のうちの1人又は複数のための必要とされるプライバシーレベルが、検出された特性のために決定され、プライバシーレベルは、少なくとも1人の識別された対象者のうちの1人又は複数のための決定された必要とされるプライバシーレベルに基づいて設定される。少なくとも1人の識別された対象者のうちの1人又は複数のための必要とされるプライバシーレベルは、上記で説明されたように、データベースから及び/又はユーザ入力を介して取得される。
【0071】
取得された信号中で2人以上の対象者が識別された場合、識別された対象者のうちの少なくとも何人かは、検出された特性のための異なる必要とされるプライバシーレベルを有する。この例では、検出された特性のための識別された対象者の必要とされるプライバシーレベルが、どの必要とされるプライバシーレベルが最も高いか(すなわち、どの必要とされるプライバシーレベルが最も厳しいプライバシー設定を課すことになるか)を決定するために比較される。プライバシーレベルは、次いで、最も高い必要とされるプライバシーレベルに設定される。いくつかの実施形態では、少なくとも1人の識別された対象者のためのプライバシーレベルは、特に少なくとも1人の識別された対象者のために検出された特性に基づいて設定され得る。たとえば、識別された対象者は、異なる活動を実施しており、したがって、識別された対象者のために異なる特性が検出される。これらの実施形態では、各対象者のための検出された特性のための必要とされるプライバシーレベルが、どの必要とされるプライバシーレベルが最も高いか(すなわち、どの必要とされるプライバシーレベルが最も厳しいプライバシー設定を課すことになるか)を決定するために比較される。プライバシーレベルは、次いで、最も高い必要とされるプライバシーレベルに設定される。たとえば、第1のユーザは、第1の必要とされるプライバシーレベルが決定される(第1の特性の検出を生じる)第1の活動を実施しており、第2のユーザは、第1の必要とされるプライバシーレベルとは異なる第2の必要とされるプライバシーレベルが決定される(第2の特性の検出を生じる)第2の活動を実施している。第1のプライバシーレベルと第2のプライバシーレベルとは比較され、プライバシーレベルは最も高いプライバシーレベルに設定される。
【0072】
このようにして、異なる対象者のために異なるプライバシーレベルを設定することが可能である。言い換えれば、マルチユーザ設定に適応することが可能である。これは、対象者間のプライバシー要件又は選好の変化した程度に適応する際に有用であることが分かり得る(たとえば、何人かの対象者は、他の対象者よりも、自分の体の部分を開示するのに不快でない)。
【0073】
いくつかの実施形態では、本方法は、1人又はまた複数の対象者のうちの少なくとも1人の現在の活動を決定するステップをさらに有する。決定は、(活動、裸のレベル、感情、挙動、デバイスアクティブ化、生理的特性、又は同様のことなどの)1つ又は複数のセンサーから取得された信号中で検出された1人又は複数の対象者の特性の分析に基づく。たとえば、検出された特性は、データベースに記憶された(シグネチャ又はパターンを含む)対応する特性と比較される。比較に基づいて、活動のための最も可能性が高い所望のプライバシーレベルが決定される。決定されたプライバシーレベルも、データベースに記憶される。
【0074】
制御ユニット102は、次いで、決定された活動のための比較に基づいてプライバシーレベルを設定するように構成される。設定されたプライバシーレベルは、決定された活動が終わったことが検出されるまで、又は対象者の感情が、異なるプライバシーレベルが望ましいことを示したことが検出されるまで、維持される。現在のプライバシー設定が、何らかのやり方で、活動決定のために取得される必要がある信号を制限する場合、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の現在の活動を決定するために、代替ストラテジーが採用される。たとえば、センサーの限られたセットが使用されるか、或いは1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人が手動入力を求められる。
【0075】
いくつかの実施形態では、本方法は、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定するステップをさらに有し、この決定に応答して、プライバシーレベルは、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて設定され得る。特に、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定に応答して、1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、より厳しいプライバシーレベルが設定され得る。プライバシーセンシティブ状況は、1人又は複数の対象者が、(少なくとも1つのセンサーによって1人又は複数の対象者を記録しないこと、1人又は複数の対象者が少なくとも1つのセンサーによって記録されることを遮ること、少なくとも1つのセンサーから取得された信号から1人又は複数の対象者をフィルタで除去すること、又は他の増加されたプライバシーレベルなどの)より厳しいプライバシーレベルが設定されることを必要とすることになる状況であり得る。1人又は複数の対象者の検出された特性に基づいて、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されると決定することによって、対象者のために将来のイベントが予測され得、イベントが起こることに先立って、それらのイベントのために適切なプライバシーレベルが設定され得る。たとえば、本方法は、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の目的、行為又は意図を決定するステップを有する。言い換えれば、本方法は、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の最も可能性が高い活動を決定するステップをさらに有する。決定は、(活動、裸のレベル、感情、挙動、デバイスアクティブ化、生理的特性、又は同様のことなどの)1つ又は複数のセンサーから取得された信号中で検出された1人又は複数の対象者の特性の分析に基づく。たとえば、決定は、検出されたとき、対象者がある活動に関与することになる可能性の指示を与える、データベースに記憶されたこれらの特性のうちのいずれか中のシグネチャ又はパターンの比較に基づく。
【0076】
例示的な一実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、アクティブ化されているプライバシーセンシティブ状況に関連付けられたデバイスを示すデバイスアクティブ化センサーから取得された信号の特性である。一例では、プライバシーセンシティブ状況に関連付けられたデバイスは、浴槽上のプラグ又はタップであり、プラグ又はタップ上のデバイスアクティブ化センサーによって検出されたプラグ又はタップのアクティブ化は、対象者が浴槽を満たすというプライバシーセンシティブ状況を示し得る。この状況は、対象者が入浴のために、衣類を脱ぎ、したがって、裸であることになるので、プライバシーセンシティブである。別の例では、プライバシーセンシティブ状況に関連付けられたデバイスは、浴室中の換気ユニットであり、換気ユニットに接続されたデバイスアクティブ化センサーによって検出された換気ユニットのアクティブ化は、対象者がシャワーを浴びるというプライバシーセンシティブ状況を示し得る。この状況は、対象者がシャワーのために、衣類を脱ぎ、したがって、裸であることになるので、プライバシーセンシティブである。別の例では、プライバシーセンシティブ状況に関連付けられたデバイスは、装着可能なデバイス(たとえば、健康測定値を取得するためのスマートウォッチなど、スマートウォッチ)であり、デバイスアクティブ化センサーによって検出された装着可能なデバイスのアクティブ化解除又は取り外しは、対象者が裸であることになる、風呂に入る又はシャワーを浴びる準備を対象者がするというプライバシーセンシティブ状況を示し得る。装着可能なデバイスの取り外しを示す特性は、たとえば、装着可能なデバイスから取得された信号の損失を通して検出され得る。
【0077】
他の例示的な実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、(カメラから取得された1つ又は複数の画像又はビデオなどの)視覚センサーから取得された信号の特性、及び/又はプライバシーセンシティブ状況を示すデバイス使用センサーから取得された信号の特性である。一例では、制御ユニットは、取得された信号中のこれらの特性を検出するために、一般に、プライバシーセンシティブ状況に先行する対象者の移動又は活動を示す特性を学習するように構成される。たとえば、特性は、対象者が衣類を脱ぐことに関連付けられた移動であり得、これは、対象者が裸であることになるという点で、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されることを示すことができる。特性は、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想される時間期間など、スケジューリングにも基づき、及び/又はアラームクロック設定に関係付けられ得る。別の例では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、対象者が浴室など、特定の空間中のブラインド、カーテン及び/又はドアを閉めることを示し得る。
【0078】
他の例示的な実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、プライバシーセンシティブ状況を示す睡眠検出センサーから取得された信号の特性である。たとえば、検出された(たとえば、スマートウォッチなど、活動モニタ中の)睡眠検出センサーから取得された信号の特性は、(睡眠が妨害されることなどの)対象者が十分に睡眠していないことを示し、これは、より厳しいプライバシーレベルが設定されることを対象者が必要とすることを生じることがある。
【0079】
他の例示的な実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、プライバシーセンシティブ状況を示す生理学的センサーから取得された生理学的信号の特性である。たとえば、検出された(心拍数センサー、血圧センサー、電気皮膚反応センサー、心拍変動性センサー、活動センサー、又は同様のセンサーから取得された信号などの)生理学的センサーから取得された生理学的信号の特性は、対象者が、落ち込んだ気分を有していること、ストレスを受けていること、又は気分がすぐれないことを示し、これは、より厳しいプライバシーレベルが設定されることを対象者が必要とすることを生じることがある。別の例では、検出された(前に述べられたものなどの)生理学的センサーから取得された生理学的信号の特性は、対象者によって着用される衣類の変化があることを示し、これは、より厳しいプライバシーレベルが設定されることを必要とする。たとえば、脱衣は、より厳しいプライバシーレベルが設定されることを必要とすることになり、これは、脱衣が、対象者の体温の変化を生じ、したがって、1つ又は複数の生理学的信号に影響を及ぼすことになるので、1つ又は複数の取得された生理学的信号中で検出され得る。
【0080】
他の例示的な実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、プライバシーセンシティブ状況を示す活動センサーから取得された信号の特性である。たとえば、活動センサーは、家屋中の1人又は複数の対象者の活動をモニタする。検出された活動センサーから取得された信号の特性は、対象者が就寝の準備をしていることを示す。一例では、特性は、対象者が就寝の準備をしていることを示す(対象者がリビングルームから、キッチンに、ベッドルームに、浴室に移動することなどの)活動のパターンであるか、又は対象者が就寝の準備をしていることを示す、対象者が寝間着又はナイトガウンで浴室に入ることである。別の例では、特性は、対象者に関連付けられた活動の繰返しパターンであり、ここで、パターンは、プライバシーセンシティブ状況を示すものであると制御ユニットによって学習されている。たとえば、対象者は、最初にコーヒーを入れて飲み、次いで歯を磨き、次いでシャワーを浴びることなど、(たとえば、平日の間の)固定された朝のルーチンを有する。
【0081】
他の例示的な実施形態では、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定を生じることがある1人又は複数の対象者の検出された特性は、脱衣に関係付けられたプライバシーセンシティブ状況を示すセンサーから取得された信号の特性である。一例では、制御ユニットは、対象者が、浴室に入ること、及びある衣類を着用することが、より厳しいプライバシーレベルが設定されることを必要とすることを学習した。対象者が浴室に入ることを示す特性は、浴室ドアハンドルのセンサーから取得された信号中で検出され、対象者がある衣類を着用することを示す特性は、衣類中に又は衣類クローゼット中に配置されたセンサーから取得された信号中で検出される。別の例では、特性は、(スマートウォッチの動きセンサーなどの)動きセンサーから取得された動き信号中で検出された、又は骨格認識及び移動検出(たとえば、対象者が、シャツを脱ぐために自分の腕を上に移動すること)を通して(カメラなどの)視覚センサーから取得された動き信号中で検出された(衣類を脱ぐことに関連付けられた移動などの)特定の移動である。別の例では、特性は、地上で又はラジエータ上で検出された衣類を通して、対象者が衣類を脱ぐことを示す。
【0082】
1人又は複数の対象者の検出された特性に基づく、プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想されるという決定のためのいくつかの例が与えられたが、他の例も可能であることが理解されよう。いくつかの実施形態では、本方法は、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の最も可能性が高い感情を決定するステップをさらに有する。この実施形態では、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の感情を示す1つ又は複数の特性が、検出され、データベースに記憶された(感情シグネチャ又はパターンを含む)対応する特性と比較される。比較に基づいて、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の最も可能性が高い感情が決定される。決定された感情も、データベースに記憶される。このようにして、対象者について将来のイベントが予測され得、イベントが起こることに先立って、それらのイベントについて適切なプライバシーレベルが設定され得る。
【0083】
対象者のための必要とされるプライバシーレベルを示す新しいデータが取得された場合、データベースは、この新しいデータを反映するために更新され得る。たとえば、制御ユニット102は、取得されたデータ中の新しいシグネチャ又はパターンを検出するように構成され、それに応じてデータベースを更新する。これは、履歴データを、特性のための現在のデータ及び関連付けられたプライバシーレベルと比較することを伴う。この比較に基づいて、対象者が、データベースに記憶されていない必要とされるプライバシーレベルを有する可能性があることを示すパターンが出現しているかどうかが決定される。データベースは、前に記憶されなかった出現パターンを記憶するために更新される。例は、ある活動及びセンサーのためのプライバシー設定が、対象者の負の感情を前に引き起こしたと決定され、したがって、対象者が、活動中にセンサーのための異なるプライバシー設定を必要とする可能性が最も高いと決定される状況、又は対象者が、常に、ある活動について設定されたプライバシーレベルを手動でオーバーライドする状況を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、設定されたプライバシーレベルは、設定されたプライバシーレベルが認められるのか拒絶されるのかを対象者に確認するために、ユーザインターフェース構成要素108によってレンダリングされる。たとえば、ユーザインターフェース構成要素108は、設定されたプライバシーレベルを認めるか又は拒絶するための選択可能なオプションを対象者に与える。事実上、これらの実施形態による設定されたプライバシーレベルは、示唆されたプライバシーレベル設定である。示唆されたプライバシーレベル設定は、前に設定されたプライバシーレベルからのプライバシーレベルの増加又は減少である。たとえば、1人又は複数の対象者の裸のレベルの増加を示す特性のときに(たとえば、1人又は複数の対象者が衣類を脱いだ場合に)プライバシーレベルの増加が示唆され、同様に、1人又は複数の対象者の裸のレベルの減少を示す特性のときに(たとえば、1人又は複数の対象者が衣類を着た場合に)プライバシーレベルの減少が示唆される。
【0085】
設定されたプライバシーレベルがユーザ入力によって拒絶された場合、プライバシーレベルは不変のままである。言い換えれば、現在設定されているプライバシーレベルが維持される。設定されたプライバシーレベルがユーザ入力によって認められた場合、プライバシーレベルは、認められたプライバシーレベルに更新される。
【0086】
ブロック208において、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定が制御される。装置100の制御ユニット102は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するように構成される。プライバシー設定が制御される少なくとも1つのセンサーは、任意のタイプのセンサー、又は前に説明されたものなど、センサーの組合せである。プライバシー設定が制御される少なくとも1つのセンサーは、信号が取得される1つ又は複数のセンサーと同じセンサーのうちの少なくとも1つであるか、又は信号が取得される1つ又は複数のセンサーとは異なる少なくとも1つのセンサーである。プライバシーセンシティブ状況が起こることが予想され、プライバシーレベルがこの決定に応答して設定されると決定される実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定も、決定に応答して制御され得る。このようにして、プライバシーセンシティブ状況が起こる前に、少なくとも1つのセンサーに関して適切なプライバシー設定が適用され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーをオン又はオフに切り替えることによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。この形態のプライバシー設定制御は、音、光又はディスプレイ通知のレンダリングを通して、1人又は複数の対象者にとって認識可能にされ得る。これは、1人又は複数の対象者を、自分のプライバシー要件が満たされると安心させることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、1人又は複数の対象者に関して少なくとも1つのセンサーを移動することによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。たとえば、装置100の制御ユニット102は、対象者から少なくとも1つのセンサー(たとえば、カメラのレンズ)を、認識可能に、そむけるように少なくとも1つのセンサーのモーターを制御するように構成される。この形態のプライバシー設定制御は、1人又は複数の対象者にとって認識可能であり、これは、1人又は複数の対象者を、自分のプライバシー要件が満たされると安心させることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーの信号取得能力を変更することによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。たとえば、装置100の制御ユニット102は、少なくとも1つのセンサー自体の能力を変更するように構成される。これは、たとえば、カメラの解像度を変更すること、カメラの焦点深度を調整すること(たとえば、対象者の顔のみが焦点が合っており、画像の残りが不鮮明にされるように狭焦点深度を設定すること)、マルチスペクトルイメージングセンサー又はハイパースペクトルイメージングセンサー中で集められた光の周波数帯域の数を調整すること(たとえば、他の特徴を認識できないままにしながら関心情報を得るために、あるスペクトル帯域の光のみを選択的にキャプチャすること)、又は同様のことを伴う。
【0090】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーから取得された信号を少なくとも部分的に遮ること、不明瞭にすること又は改変することによって(たとえば、少なくとも1つのセンサー自体を少なくとも部分的に遮ること、不明瞭にすること又は改変することによって)、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。たとえば、装置100の制御ユニット102は、設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーの物理的プライバシー設定を制御するように構成される。これは、制御ユニット102が、少なくとも1つのセンサーを完全に又は部分的に遮るか又は改変するように1つ又は複数のアクチュエータを制御することを伴う。1つ又は複数のアクチュエータは、たとえば、(カメラのレンズを遮ることなどによって)少なくとも1つのセンサーを遮るように制御ユニット102によって制御され得るメカニカルシャッターを備える。メカニカルシャッターは、可視光に対して不透明であるか、或いは部分的に透明であり、指定されたスペクトル範囲(たとえば、特定の色のシャッター)にわたって可能にするか、又はシャッターを使用して取得された画像を不鮮明にする。代替的に又は追加として、音声記録を認識できないようにするために、オーディオフィルタがマイクロフォンに適用されるか、カメラから取得された画像がデジタル的に不鮮明にされるか、又は同様のことが行われる。この形態のプライバシー設定制御は、1人又は複数の対象者にとって認識可能であり得る。たとえば、1人又は複数の対象者は、動作中のメカニカルシャッター又は少なくとも1つのセンサーに適用された着色されたシャッター又はフィルタを見ることになるか、或いは、制御されたプライバシー設定は、対象者にレンダリングされる。これは、1人又は複数の対象者を、自分のプライバシー要件が満たされると安心させることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定は、1人又は複数の対象者の環境を修正するように(周囲装置中の構成要素など)構成要素を制御することによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。言い換えれば、環境は、設定されたプライバシーレベルが満たされるように制御又は修正され得る。たとえば、構成要素は、画像のいくつかの部分を隠すのを助けるように制御され得る。構成要素は、設定された方向に光を向けるように制御された照明構成要素であり得る。たとえば、制御ユニット102は、外部スポットライトをオンに切り替えることによって、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するように構成される。外部スポットライトは、背景を暗く見えるようにし、したがって、プライバシー準拠にするために、対象者の顔上に向けられる。構成要素は、暗くされた光を与えるか又はオフになるように制御された照明構成要素であり得る。
【0092】
少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定が、増加されたプライバシーレベルに基づいて制御される実施形態では、次いで、少なくとも1つの他のセンサーが、信号を取得するために使用される。このようにして、あまり詳細でない情報が依然として対象者に関して取得され得る(たとえば、対象者が、より小さい範囲で依然としてモニタされ得る)が、対象者のプライバシー要件は満たされ得る。たとえば、カメラセンサーのプライバシー設定が、カメラをオフに切り替えることによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御され、次いで、(1つ又は複数の動きセンサーなど)少なくとも1つの他のセンサーが、信号を取得するために使用される。このようにして、対象者は、少なくとも1つの他のセンサーを介して依然としてモニタされ得るが、対象者のプライバシー要件は、カメラをオフに切り替えることによって満たされ得る。少なくとも1つの他のセンサーのプライバシー設定はまた、設定されたプライバシーレベルを満たすように適応される。たとえば、少なくとも1つの他のセンサーが、1つ又は複数の動きセンサーである場合、1つ又は複数の動きセンサーは、1つ又は複数の動きセンサーの機能を、対象者の存在のみを検出することに制限することによって、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。対象者の存在のみを検出することによって、対象者の特定の動き又は活動に関する詳細が取得されず、対象者のプライバシー要件は満たされ得る。
【0093】
少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定が、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御され得るやり方のための例が与えられたが、他のプライバシー設定制御が可能であり、プライバシー設定制御の任意の組合せが使用され得ることが理解されよう。プライバシー設定制御は、上述のように、1人又は複数の対象者にとって認識可能であり得る。
【0094】
プロセスの間の任意の時点において、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人からの入力が、センサーのうちの1つ又は複数によって、又はユーザインターフェース構成要素108を介して受信される。1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人からの入力は、検出された特性のための必要とされるプライバシーレベルを示す。この実施形態では、受信された入力に基づいて、設定されたプライバシーレベルを調整すべきかどうかが決定され得る。たとえば、対象者がカメラのレンズからシャッターを取り外したことを示すユーザ入力は、制御ユニット102がプライバシーレベルを低下させることを引き起こすことができる。このようにして、対象者が、設定されたプライバシーレベルを無効にすることが可能である。設定されたプライバシーレベルが、受信された入力に基づいて調整されたとき、データベースは、設定されたプライバシーレベルを特定の状況における対象者のための必要とされるプライバシーレベルとして記憶するために、それに応じて更新される。
【0095】
いくつかの実施形態では、取得された信号中の1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の特性の変化が検出される。これらの実施形態では、1人又は複数の対象者のうちの少なくとも1人の特性の検出された変化に基づいて、設定されたプライバシーレベルを代替プライバシーレベルに調整すべきかどうかが決定され得る。代替プライバシーレベルは、事前設定されたプライバシーレベルであり得る。
【0096】
随意に、(ブロック208において)設定されたプライバシーレベルに基づいて、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御した後に、制御されたプライバシー設定を備えた少なくとも1つのセンサーから、制御された信号が取得される。たとえば、制御されたプライバシー設定は、ハイパースペクトルカメラが特定の波長における画像を他の波長が遮られる間に取得することであるか、又は可視光カメラが、光成分によって選択的に照らされた対象者の体のある部分の画像を、対象者の残りの部分が暗く、したがって認識できないように保たれる間に取得することであるか、又は可視光カメラが、(身づくろい又はスキンケア活動などの)特定の活動に関する関連する案内及びフィードバックを可能にするために、対象者の顔の画像のみを取得し、そばを通る他の対象者のキャプチャリングを回避するために、顔の周りの背景画像を遮ることであるか、又は他の制御されたプライバシー設定である。
【0097】
制御された信号は、次いで、1人又は複数の対象者にレンダリングされる。たとえば、制御ユニット102は、ユーザインターフェース構成要素108を、制御された信号をレンダリングするように制御する。一例では、ユーザインターフェース構成要素108は、プライバシー設定を用いて制御されたカメラからの取得された画像を表示することによって、スクリーン上で、制御された信号をレンダリングする。他の例は、スクリーン上で、不鮮明にされた取得されたカメラ画像をレンダリングすること、又はマイクロフォンが接続されていることとマイクロフォンが切断されていることとの間の差を示すために、マイクロフォンの切断に続いてスクリーン上で、取得された波形をレンダリングすることを含む。このようにして、フィードバックループにより、制御されたプライバシー設定の下で少なくとも1つのセンサーから取得された信号をレンダリングする。これは、1人又は複数の対象者を、自分のプライバシー要件が満たされると安心させることができる。
【0098】
図3は、例示的な実施形態による、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための方法300を示す。
【0099】
ブロック302において、対象者が活動に関与する。活動は、活動のための対象者のプライバシー要件を満たすために、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定が適応されることを必要とする。少なくとも1つのセンサーは、現在、事前設定されたプライバシー設定を使用して制御される。ブロック304において、1つ又は複数のセンサーによって取得された信号中で、対象者のための活動が検出される。
【0100】
ブロック306において、活動のための最も可能性があるプライバシーレベルが、対象者のために決定される。言い換えれば、対象者が活動のために選好する可能性が高いプライバシーレベルが決定される。必要とされるプライバシーレベルは、データベース中の対象者及び活動をルックアップすること、データベース中の対象者のための前に取得されたデータを分析すること、又は必要とされるプライバシーレベルのユーザ入力を要求することによって決定される。プライバシーレベルは、次いで、決定された必要とされるプライバシーレベルに設定される。
【0101】
ブロック308において、設定されたプライバシーレベルに従って、少なくとも1つのセンサーのための1つ又は複数のプライバシー設定が決定される。言い換えれば、少なくとも1つのセンサーのために、設定されたプライバシーレベルを満たす1つ又は複数のプライバシー設定が選択される。ブロック310において、少なくとも1つのセンサーの選択されたプライバシー設定は、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される。
【0102】
ブロック312において、少なくとも1つのセンサーは、少なくとも1つのセンサーの選択されたプライバシー設定が、設定されたプライバシーレベルに基づいて制御される間に、データを収集する。ブロック314において、活動が終わり、少なくとも1つのセンサーの制御が、事前設定されたプライバシー設定に戻されたことが検出される。
【0103】
使用中の装置100の例示的な実施形態では、対象者は、裸の皮膚上で皮膚分析デバイスを使用する。デバイスアクティブ化により、活動が検出される。活動中に、対象者は、増加されたプライバシーレベルの選好を示し、したがって、カメラのプライバシー設定は、メカニカルシャッターを用いてカメラのレンズを覆うことによって変更される。対象者は、したがって、デバイスを用いて皮膚分析を実施することがより不快でなくなる。
【0104】
使用中の装置100の別の例示的な実施形態では、第1の対象者及び第2の対象者は浴室を使用している。第1の対象者は、浴室鏡を使用して自分の顔をシェービングしており、この活動をサポートするためのアクティブなカメラがある。しかしながら、第2の対象者は、シャワーを浴びるために裸で浴室に入って来る。第2の対象者の存在が検出され、カメラ設定は、さらなるプライバシーを可能にするように調整される。たとえば、カメラは、第2の対象者がシャワーを浴びるエリアから遠ざかるように制御されるか、又はカメラの焦点設定が、第1の対象者の顔のみに焦点が合うように変更される。
【0105】
使用中の装置100の別の例示的な実施形態では、新しいプライバシー設定が教示される。第1の対象者は、埋込みカメラを有するインテリジェント浴室鏡と対話する(たとえば、第1の対象者は、歯磨きの結果を確認するために鏡を使用する)。第2の対象者は、シャワーを浴びる準備として、第1の対象者の隣で衣類を脱ぐ。第1の対象者は、カメラの前で手を行き来させ、システムは、第1の対象者のこの選好を学習し、プライバシー設定を更新する。
【0106】
使用中の装置100の別の例示的な実施形態では、焦点を合わせられた乾癬皮膚分析が実施される。対象者は、皮膚乾癬のセルフテストが(たとえば、病気の進行を確認するために)実施されるべきであることを示すユーザ入力を与える。セルフテストは、対象者の胸エリア上のカメラを用いた分析を伴う。カメラのプライバシー設定は、ハイパースペクトル設定に調整される。カメラのレンズは、カラーフィルタで覆われ、皮膚乾癬が位置するエリアにズームするように構成される。たとえば、カメラの視野は、数センチメートルに低減される。カメラによって取得された画像は、プライバシーが保証されると対象者が安心するように、浴室鏡スクリーン上で対象者にレンダリングされる。
【0107】
使用中の装置100の別の例示的な実施形態では、ロックされたドアが、完全なプライバシーが特定の対象者によって必要とされることをシグナリングする。対象者は、浴室に入り、プライバシーについて心配する。対象者がドアロックをアクティブ化し、対象者の識別情報が検出されたとき、カメラ及びマイクロフォンは無効にされる。自動的に、シャッターはカメラを覆うように構成され、マイクロフォンは視覚切断によって無効にされる。ドアがロック解除されたとき、カメラ及びマイクロフォンは再び有効にされる。代替的に、カメラ及びマイクロフォンからの記録は、記録を通した対象者の識別が可能でないようにマスキングされる。マスキングされた記録も、対象者を自分のプライバシーについて安心させるために、ディスプレイ上でレンダリングされる。
【0108】
使用中の装置100の別の例示的な実施形態では、複数の個人化されたプライバシーレベルが、異なる対象者のために設定される。各対象者は、自分自身に対して個人的なプライバシーレベルを指定することができ、これらのプライバシーレベルがマルチユーザ設定(すなわち、2人以上の対象者が同じ環境中に存在するとき)において破られないことが保証される。たとえば、第1の対象者は、裸のどのレベルも許容されないこと、及び自分の顔が認識できることは許容されることを示すプライバシーレベルを指定する。第2の対象者は、自分の頭部が認識できないという条件で、及び自分の眼が常に遮られるという条件で、裸が許容されることを指定する。第1の対象者が、カメラの前で自分の顔に対する行為を実施しており、第2の対象者が、自分の頭部がカメラに認識できない状態で背景で裸でそばを通る場合、カメラは、同じプライバシー設定で記録し続けることになる。第2の対象者が自分の顔に対する行為を実施している場合、第2の対象者の眼は遮られる。第1の対象者が裸で視野に入る場合、カメラレンズは閉じるか、又はカメラは背景の記録を行わないように構成される。記録はディスプレイ上でレンダリングされる。
【0109】
したがって、少なくとも1つのセンサーのプライバシー設定を制御するための改善された方法及び装置が提供される。本方法及び装置は、(テレヘルスシステム、パーソナル緊急応答システム又は他のホームモニタリングシステムにおいてなど)在宅で対象者をモニタするシステムにおいて、(病院、救急車、他のヘルスケア施設などの)ヘルスケア施設において対象者をモニタするシステムにおいて、及びパーソナルロボットにおいて有用であり得る。
【0110】
開示された実施形態に対する変形形態が、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求される本発明を実施する際に当業者によって理解され、実施され得る。特許請求の範囲において、「備える/有する/含む(comprising)」という単語は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載のいくつかの項目の機能を果たす。いくつかの方策が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの方策の組合せが有利に使用され得ないことを示さない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体など、好適な媒体上に記憶/配信されるが、インターネット或いは他のワイヤード又はワイヤレス電気通信システムを介してなど、他の形態でも配信される。
【0111】
特許請求の範囲中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。