(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
A45D33/00 615B
(21)【出願番号】P 2019136154
(22)【出願日】2019-07-24
【審査請求日】2022-02-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】本間 友梨
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222287(JP,A)
【文献】実開平03-119311(JP,U)
【文献】実開平07-033206(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される中皿と、
周壁部及び底壁部を有し、内側に前記中皿が収容される容器本体と、
前記容器本体内において、前記中皿を保持する中枠と、を備え、
前記中枠は、
前記容器本体に上下動可能に支持された枠本体と、
前記中皿の底壁部と前記容器本体の底壁部との間で前記中皿を支持するとともに、前記枠本体に回動可能に接続された押上脚と、
前記枠本体から下方に延びる下向片、及び前記下向片の下端縁から上方に向かうに従い前記下向片から離間する方向に直線状に延在するとともに、前記中皿の周壁部に対して接近離間する方向に弾性変形可能に構成された折り返し片を有し、前記周壁部に形成された被係合部に係合する係合片と、
前記枠本体における周方向の一部に形成された押圧部と、を備え、
前記中枠は、第1位置と、前記枠本体の下方移動に伴い前記押上脚が上方に回動することで、前記中皿を前記第1位置よりも上方に持ち上げる第2位置と、の間を移行し、
前記容器本体には、前記中枠の前記第1位置から前記第2位置への移行に伴い、前記周壁部から離間する方向に前記係合片を変位させるガイド部が形成され、
前記中枠は、前記押圧部と前記
周壁部との間に形成された上下方向の隙間分、前記第1位置から前記第2位置に向けて、前記容器本体に対して下方に移動可能であ
り、
前記中枠は、前記押圧部が前記周壁部に当接することで、前記係合片と前記底壁部との間に隙間をあけた状態で前記容器本体に対する下方移動が規制されるコンパクト容器。
【請求項2】
前記押上脚は、前記押圧部に対して前記枠本体における周方向の両側に配設され、
前記係合片は、周方向で隣り合う前記押上脚の間に配設されている請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
ヒンジ部を介して前記容器本体に回転可能に支持された蓋体を備え、
前記押圧部は、前記枠本体の周方向において前記ヒンジ部と同位置に配設されている請求項2に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクト容器として、内容物が収容される中皿と、上方に開口する開口部を通じて中皿が収容される容器本体と、を備える構成が知られている。この種のコンパクト容器において、中皿を交換する際には、例えば容器本体の底壁部に形成された貫通孔を通して中皿を押し上げたり、中皿の上端縁に爪等を引っ掛けて引き上げたりする等の必要があった。そのため、コンパクト容器の使用者にとっては、作業性がよいとは言い切れなかった。
【0003】
そこで、例えば下記特許文献1では、中皿が離脱部材を介して容器本体に支持された構成が開示されている。この構成によれば、離脱部材を容器本体に対して回転させることで、離脱部材及び容器本体間の係合、並びに中皿及び容器本体の係合が解除されるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したコンパクト容器では、容器本体に対して中皿や離脱部材等を相対回転させる必要があるので、中皿の交換時の作業性について未だ改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、中皿の交換時における作業性を向上させることができるコンパクト容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係るコンパクト容器は、内容物が収容される中皿と、周壁部及び底壁部を有し、内側に前記中皿が収容される容器本体と、前記容器本体内において、前記中皿を保持する中枠と、を備え、前記中枠は、前記容器本体に上下動可能に支持された枠本体と、前記中皿の底壁部と前記容器本体の底壁部との間で前記中皿を支持するとともに、前記枠本体に回動可能に接続された押上脚と、前記枠本体から下方に延びる下向片、及び前記下向片の下端縁から上方に向かうに従い前記下向片から離間する方向に直線状に延在するとともに、前記中皿の周壁部に対して接近離間する方向に弾性変形可能に構成された折り返し片を有し、前記周壁部に形成された被係合部に係合する係合片と、前記枠本体における周方向の一部に形成された押圧部と、を備え、前記中枠は、第1位置と、前記枠本体の下方移動に伴い前記押上脚が上方に回動することで、前記中皿を前記第1位置よりも上方に持ち上げる第2位置と、の間を移行し、前記容器本体には、前記中枠の前記第1位置から前記第2位置への移行に伴い、前記周壁部から離間する方向に前記係合片を変位させるガイド部が形成され、前記中枠は、前記押圧部と前記周壁部との間に形成された上下方向の隙間分、前記第1位置から前記第2位置に向けて、前記容器本体に対して下方に移動可能であり、前記中枠は、前記押圧部が前記周壁部に当接することで、前記係合片と前記底壁部との間に隙間をあけた状態で前記容器本体に対する下方移動が規制される。
【0008】
本態様によれば、枠本体の押込み動作によって中皿を上方に持ち上げることができる。これにより、従来のように容器本体の下方から中皿を押し込んだり、中皿を上方から直接引き上げたりする等に比べ、中皿の交換時における作業性を向上させることができる。
しかも、本態様では、押上脚が中皿の底壁部と容器本体の底壁部との間に配置され、中皿を下方から支持するため、中枠が第1位置から第2位置に移行する過程において、押上脚が上方に回動する際、押上脚と中皿とが水平面内で干渉するのを抑制できる。よって、押上脚を第1位置と第2位置との間でスムーズに移動させることができる。
また、中皿の底壁部と容器本体の底壁部との間に押上脚が配置されるので、例えばコンパクト容器の落下衝撃等によって容器本体に加えられた衝撃力等の荷重を押上脚において吸収できる。これにより、中皿に伝わる荷重を軽減できるので、中皿内に収容された内容物の破損や飛散等を抑制できる。
【0009】
ここで、本態様では、中枠の第1位置から第2位置への移動に伴い、係合片が周壁部から離間する方向に変位する構成とした。
この構成によれば、中枠の下方移動に伴い、係合片が被係合部との係合が解除可能な位置に変位する。したがって、中枠が第2位置に移行した状態において、中皿を取り外し易くなる。この場合、例えば押上脚の押し上げ力のみによって中皿の係合を解除する構成に比べ、係合解除時における中皿の上方への飛び出しを抑えることができる。また、中枠の下方移動に伴い、係合片が被係合部との係合が解除可能な位置に変位するので、第1位置において係合片と被係合部との係合量を確保できる。そのため、第1位置において、中皿ががたついたり、中皿が中枠から外れたりする等を抑制した上で、中皿の交換時の作業性を向上させることができる。
【0010】
上記態様に係るコンパクト容器において、前記押上脚は、前記押圧部に対して前記枠本体における周方向の両側に配設され、前記係合片は、周方向で隣り合う前記押上脚の間に配設されていてもよい。
本態様によれば、押圧部を介して枠本体が押し込まれるので、枠本体のうち押圧部の周辺が下方に移動し易くなる。この場合、係合片が押圧部の直近に配置されるので、交換作業時において係合片と被係合部との係合が解除され易い。
また、押圧部に対して周方向の両側に押上脚が配置されるので、枠本体の押込み力を押上脚に効果的に伝えることができる。
【0011】
上記態様に係るコンパクト容器において、ヒンジ部を介して前記容器本体に回転可能に支持された蓋体を備え、前記押圧部は、前記枠本体の周方向において前記ヒンジ部と同位置に配設されていてもよい。
本態様によれば、通常使用の際に、使用者から最も離れた位置に押圧部が配置されるので、使用者が押圧部を予期せず操作するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
上記態様に係るコンパクト容器によれば、中皿の交換時における作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】蓋体を取り外した状態における実施形態に係るコンパクト容器の平面図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】中皿を取り外した状態における実施形態に係るコンパクト容器の平面図である。
【
図6】中皿の交換作業を説明するための説明図であって、
図1のVI-VI線に対応する部分の断面図である。
【
図7】中皿の交換作業を説明するための説明図であって、
図1のVI-VI線に対応する部分の断面図である。
【
図8】中皿の交換作業を説明するための説明図であって、
図1のVI-VI線に対応する部分の断面図である。
【
図9】中皿の交換作業を説明するための説明図であって、
図1のVI-VI線に対応する部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るコンパクト容器を説明する。なお、以下で説明する各実施形態について対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図1、
図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器1は、平面視円形状の扁平容器である。具体的に、コンパクト容器1は、容器本体2と、蓋体3(
図2参照)と、中枠4と、中皿5と、を備えている。以下の説明では、容器本体2の中心軸線を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。この場合、コンパクト容器1において、上下方向に沿う容器本体2の底壁部11側を下方とし、蓋体3の天壁部31側を上方とする。また、上下方向から見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。なお、コンパクト容器1の平面視形状は、円形状に限らず、多角形状やその他の形状であってもよい。
【0015】
容器本体2は、平面視円形状で、上方に向けて開口する箱型に形成されている。容器本体2における周方向の一部には、上述した蓋体3がヒンジ部7を介して回転可能に接続されている。以下の説明では、径方向のうち、容器軸Oとヒンジ部7とを結ぶ方向を前後方向L1といい、前後方向に直交する方向を左右方向L2という。また、コンパクト容器1において、前後方向L1でヒンジ部7に接近する側を後方といい、前後方向L1でヒンジ部7から離間する側を前方という。
【0016】
容器本体2の周壁部12は、円弧部12aと、前側接続部12bと、後側接続部12cと、を有している。
円弧部12aは、内周面及び外周面の双方が平面視において容器軸Oを中心とする円弧状に形成されている。円弧部12aは、容器軸Oを間に挟んで左右方向L2で対向している。
【0017】
図3に示すように、各円弧部12aのうち、周方向の中央部には、ガイドレール13が形成されている。ガイドレール13は、円弧部12aから径方向の内側に突出するとともに、上下方向に延在している。ガイドレール13において、上下方向の中央部には、径方向の内側に向けて突出する第1中枠係合部13aが形成されている。第1中枠係合部13aは、上下方向に沿う縦断面視で三角形状や台形状、半円状等に形成されている。具体的に、第1中枠係合部13aは、下方に向かうに従い径方向の内側への突出量が漸次増加している。なお、ガイドレール13は、各円弧部12aにおいて、周方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。
【0018】
図1、
図2に示すように、前側接続部12bは、各円弧部12aの前端部同士を接続している。前側接続部12bの外周面において、周方向の両側に位置する部分は、円弧部12aの外周面に滑らかに連なっている。なお、前側接続部12bの内周面は、左右方向L2に沿って直線状に延在している。
【0019】
前側接続部12bにおいて、周方向の中央部には係合空間14が形成されている。係合空間14は、前方及び上方に開口している。係合空間14には、プッシュピース15が保持されている。プッシュピース15は、係合空間14内を前後動可能に前側接続部12b(周壁部12)に支持されている。前側接続部12bのうち、係合空間14の後方に面する部分には、前方に向けて突出する係合突部16が形成されている。
【0020】
後側接続部12cは、各円弧部12aの後端部同士を接続している。後側接続部12cは、各円弧部12aの後端部から前方に突出する前向部17と、前向部17の前端部同士を接続する横壁部18と、を備えている。
横壁部18は、円弧部12aの外周面に対して径方向の内側で、左右方向L2に沿って直線状に延在している。前向部17及び横壁部18により画成された空間は、後方及び上方に開口するヒンジ空間19を構成している。
【0021】
図2、
図3に示すように、周壁部12のうち、円弧部12a及び前側接続部12bの上端内周縁には、内側段差部20が形成されている。内側段差部20は、上方及び径方向の内側に開口している。周壁部12のうち、円弧部12a及び前側接続部12bの上端外周縁には、外側段差部21が形成されている。外側段差部21は、上方及び径方向の外側に開口している。
一方、後側接続部12cの上端縁は、円弧部12a及び前側接続部12bの各段差部20,21の底面よりも下方に位置している。
【0022】
図2に示すように、前側接続部12bにおいて、上下方向の中央部には、第2中枠係合部24が形成されている。第2中枠係合部24は、前側接続部12bを前後方向L1に貫通している。第2中枠係合部24は、係合空間14内に連通している。
【0023】
図2、
図3に示すように、蓋体3は、周壁部12の後端部に、上述したヒンジ部7を介して回転可能に支持されている。蓋体3は、有頂筒状に形成されている。蓋体3は、容器本体2の上端開口部を、容器本体2の上方から開閉可能に閉塞する。
蓋体3における天壁部31の下面には、ミラーMが取り付けられている。
【0024】
蓋体3の周壁部32は、蓋体3の閉位置において、上述した外側段差部21内に収容される。
図2に示すように、周壁部32の後端部には、下方に向けて回動片35が突出している。回動片35は、上述したヒンジ空間19内に収容されている。回動片35の下端部は、ヒンジ部7を介して容器本体2の前向部17に接続されている。
周壁部32の前端部には、後方に向けて係合部33が突出している。係合部33は、蓋体3の閉位置において、容器本体2の上方から係合空間14に進入している。係合部33は、係合空間14内で係合突部16に係合している。係合部33は、上述したプッシュピース15の後方移動に伴い、係合突部16との係合が解除される。なお、プッシュピース15は必須の構成ではない。
【0025】
図2~
図4に示すように、中枠4は、容器本体2内で中皿5を着脱可能に保持する。中枠4は、枠本体41と、接続部42と、押上脚43と、係合片44と、を備えている。
枠本体41は、平面視において、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成されている。枠本体41は、容器本体2内に上下動可能に保持されている。本実施形態において、枠本体41は、中枠4の内側で中皿5を保持する第1位置と、少なくとも一部が第1位置よりも下方に位置し、中皿5を上昇させる第2位置(
図7に示す状態)と、の間を移行する。枠本体41は、環状壁部50と、押圧部51と、外側周壁部52と、内側周壁部53と、を備えている。
【0026】
環状壁部50は、平面視において、周壁部12の内面形状に倣った円環形状に形成されている。環状壁部50の外周縁は、内側段差部20の底面に下方から支持されている。したがって、環状壁部50のうち、円弧部12a及び前側接続部12bの上方に位置する部分は、容器本体2に対する下方移動が規制されている。なお、本実施形態では、容器本体2の周壁部12が周方向の位置で曲率半径が異なる。そのため、環状壁部50の外周縁が内側段差部20内で支持されることで、容器本体2に対する中枠4の容器軸O回りの回転が規制されている。
【0027】
押圧部51は、環状壁部50の後端部から後方に連なっている。押圧部51は、平面視において左右方向L2を長軸方向とする長円形状に形成されている。押圧部51は、平面視において上述した前向部17及び横壁部18と重なり合い、上述したヒンジ空間19の一部を上方から覆っている。
【0028】
図2に示すように、押圧部51の上面は、縦断面視において、下方に向けて突の円弧状をなしている。具体的に、押圧部51の上面は、後方に向かうに従い下方に向けて延在している。したがって、押圧部51の上面は、環状壁部50の上面に対して下方に窪んでいる。
【0029】
押圧部51の下面と、横壁部18の上端縁との間には、隙間Sが設けられている。押圧部51(枠本体41の後半部)は、上述した隙間Sの分だけ上下方向に移動可能に構成されている。押圧部51の下面において、横壁部18よりも後方に位置する部分には、突起51bが形成されている。突起51bは、枠本体41の下降時において、横壁部18の上端部に対して径方向に重なり合う(
図8参照)。
【0030】
図4に示すように、押圧部51の後端縁には、後方に開口するスリット51aが形成されている。本実施形態において、スリット51aは、周方向に間隔をあけて2つ形成されている。スリット51a内には、上述した回動片35が収容される。
【0031】
図3に示すように、外側周壁部52は、環状壁部50の外周部から下方に延在している。すなわち、外側周壁部52は、平面視において、容器軸Oを中心として、円弧部12aの内面形状に倣って延びる円弧状に形成されている。
【0032】
外側周壁部52には、上述したガイドレール13が収容されるガイド溝56が形成されている。ガイド溝56は、径方向の内側に窪むとともに、上下方向に延在している。ガイド溝56の内面における下端部には、径方向の外側に向けて突出する第1係合突部54が形成されている。第1係合突部54は、上下方向に沿う縦断面視で三角形状や台形状、半円状等に形成されている。具体的に、第1係合突部54は、上方に向かうに従い径方向の外側への突出量が漸次増加している。第1係合突部54の上面は、上述した第1中枠係合部13aに第1中枠係合部13aの下方から係合している。
【0033】
図5に示すように、内側周壁部53は、環状壁部50の内周縁から下方に延在している。内側周壁部53は、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成されている。また、
図2に示すように、内側周壁部53のうち、前側接続部12bと前後方向L1で対向する部分には、前方に向けて突出する第2係合突部55が形成されている。第2係合突部55は、上下方向に沿う縦断面視で三角形状や台形状、半円状等に形成されている。具体的に、第2係合突部55は、上方に向かうに従い前方への突出量が漸次増加している。第2係合突部55の上面は、上述した第2中枠係合部24内に係合している。なお、外側周壁部52と内側周壁部53の平面視外形は異なっていてもよい。
【0034】
内側周壁部53の内周面には、第1回り止め部57が形成されている。第1回り止め部57は、径方向の内側に突出するとともに、上下方向に沿って延びる突条に形成されている。第1回り止め部57は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0035】
図4、
図5に示すように、内側周壁部53の前半部には、前側切欠き部59が形成されている。本実施形態において、前側切欠き部59は、内側周壁部53のうち、上述した係合空間14に対して周方向の両側に位置する部分に形成されている。各前側切欠き部59は、下方に向けて開放されている。本実施形態において、前側切欠き部59の深さは、内側周壁部53の高さと同等になっている。前側切欠き部59は、内側周壁部53を周方向に分断している。但し、前側切欠き部59の深さは、適宜変更が可能である。
【0036】
各前側切欠き部59内には、撓み片60が配置されている。撓み片60は、環状壁部50の内周縁のうち、周方向で前側切欠き部59に対応する部分から下方に片持ちで延在している。撓み片60は、径方向に弾性変形可能に構成されている。撓み片60の下端部には、径方向の内側に向けて突出する前側中皿係合部61が形成されている。前側中皿係合部61は、上下方向に沿う断面視で三角形状や台形状、半円状等に形成されている。前側中皿係合部61は、下方に向かうに従い径方向の内側への突出量が漸次増大している。なお、前側中皿係合部61は、撓み片60を介して形成されている必要はなく、内側周壁部53に直接形成されていてもよい。この場合、各前側切欠き部59は設けなくてもよい。
【0037】
撓み片60において、前側中皿係合部61よりも下方に位置する部分には、中皿押さえ部62が形成されている。中皿押さえ部62は、撓み片60から径方向の内側に膨出している。中皿押さえ部62における径方向の内側端面は、縦断面視において上下方向に直線状に形成されている。中皿押さえ部62は、中皿5の後述する周壁部96に対して径方向の外側から近接又は当接して、中皿5を径方向に保持する。なお、前側中皿係合部61及び中皿押さえ62は、内側周壁部53自体に形成されていてもよい。
【0038】
図2、
図4に示すように、内側周壁部53の後部には、後側切欠き部66が形成されている。後側切欠き部66は、下方に向けて開放されている。本実施形態において、後側切欠き部66の深さは、内側周壁部53の高さと同等になっている。後側切欠き部66は、内側周壁部53を周方向に分断している。但し、後側切欠き部66の深さは、適宜変更が可能である。本実施形態において、後側切欠き部66は、内側周壁部53のうち、上述したヒンジ空間19に対して周方向で同位置に形成されている。
【0039】
内側周壁部53の上端縁と、環状壁部50の内周縁と、の境界部分には、中皿収容部69が形成されている。中皿収容部69は、径方向の内側及び上方に開口している。中皿収容部69は、枠本体41の全周に亘って形成されている。但し、中皿収容部69は、枠本体41における周方向の一部に形成されていてもよい。
【0040】
図4、
図5に示すように、接続部42は、内側周壁部53の後半部において、上述したヒンジ空間19に対して周方向の両側に位置する部分に形成されている。本実施形態において、容器軸Oを通り前後方向L1に沿って延びる仮想線Q1と、容器軸O及び接続部42における周方向の中心を通る仮想線Q2と、のなす角度θは例えば45°以下に設定されている。但し、角度θは、適宜変更が可能である。図示の例では、接続部42が仮想線Q1に対して周方向に均等に配置された構成について説明したが、この構成に限られない。接続部42は、仮想線Q1に対して不均等に配置されていてもよい。
【0041】
各接続部42は、内側周壁部53の下端縁に連なっている。具体的に、接続部42は、下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延在している。接続部42の最大厚さは、内側周壁部53の最小厚さよりも薄くなっている。したがって、接続部42は、内側周壁部53に比べ弾性変形が容易になっている。
【0042】
押上脚43は、接続部42における径方向の内側端部に連なっている。押上脚43は、接続部42を起点にして枠本体41(内側周壁部53)に対して回動可能に連結されている。押上脚43は、縦断面視において、下方に向けて延在した後、径方向の内側に向けて延在するL字状に形成されている。具体的に、押上脚43は、回り込み部71と、作用部72と、を備えている。
【0043】
回り込み部71は、接続部42における径方向の内側端部に連なっている。回り込み部71は、中皿5(後述する中皿本体91)における周壁部96と底壁部95との角部を回り込んで、底壁部95の下方まで達している。図示の例において、回り込み部71は、径方向の内側に向かうに従い漸次厚さが増加している。
【0044】
作用部72は、回り込み部71における径方向の内側端部に連なっている。作用部72は、容器本体2の底壁部11の上面に沿って径方向の内側に延在している。作用部72の下面は、底壁部11の上面に当接している。したがって、作用部72は、容器本体2に対して下方への回動が規制されている。なお、接続部42及び押上脚43の配列は適宜変更が可能である。
【0045】
本実施形態において、上述した円弧部12aの後半部には、移動許容部70が形成されている。移動許容部70は、上述した内側段差部20に対してさらに下方に窪んだ段差形状に形成されている。移動許容部70は、各円弧部12aの後端部から接続部42を含む周方向に所定範囲に亘って形成されている。移動許容部70の底面は、例えば上述した横壁部18の上端縁に連なっている。したがって、枠本体41の後半部においては、移動許容部70の底面と環状壁部50との間、及び押圧部51と横壁部18との間に亘って上述した隙間Sが周方向に連なっている。
【0046】
押上脚43は容器本体2に対する下方移動が規制されているため、枠本体41及び接続部42が第1位置から第2位置に向けて下方に移動するのに伴い、接続部42を起点に回動する。具体的に、押上脚43は、容器本体2の底壁部11上を径方向の内側に向けて摺動しつつ、接続部42回りの上方に向けて回動する。これにより、押上脚43は、作用部72のうち外周部分(回り込み部71付近)が容器本体2の底壁部11上に支持された状態で、内周部分が容器本体2の底壁部11から浮き上がる。これにより、中枠4が上述した第2位置となる。
【0047】
図2、
図4に示すように、係合片44は、上述した後側切欠き部66内に配置されている。係合片44は、縦断面視において、J字状に形成されている。係合片44は、下向片81と、折り返し片82と、後側中皿係合部83と、を備えている。
下向片81は、環状壁部50の内周縁のうち、周方向で後側切欠き部66に対応する部分から下方に延在している。
【0048】
折り返し片82は、下向片81の下端縁から上方に向かうに従い前方に延在している。折り返し片82は、前後方向L1(周壁部96から接近離間する方向)に弾性変形可能に構成されている。折り返し片82の上端縁は、下向片81における上下方向の中央部に位置している。なお、折り返し片82の厚さは、下向片81の厚さよりも薄くなっている。
【0049】
後側中皿係合部83は、折り返し片82の上端縁から前方に突出している。本実施形態において、後側中皿係合部83は、縦断面視で三角形状や台形状、半円状等をなしている。具体的に、後側中皿係合部83は、上下方向の両端部が湾曲している。
【0050】
容器本体2の底壁部11において、折り返し片82に平面視で重なる位置には、ガイド部85が形成されている。ガイド部85は、底壁部11から上方に突出している。ガイド部85は、中枠4の下方移動に伴い、折り返し片82の前面が摺動して、折り返し片82を後方に弾性変形させる。すなわち、本実施形態の中枠4は、第1位置から第2位置に向けた下方移動に伴い、押上脚43が上方に回動するとともに、折り返し片82が後方に変位する。なお、ガイド部85は、少なくとも一部が折り返し片82と平面視で重なる位置に形成されていれば、周方向に間隔をあけて設けられていてもよく、周方向の一部のみに単数で設けられていてもよい。
【0051】
図2、
図3に示すように、中皿5は、中枠4の内側に着脱可能に取り付けられる。中皿5は、中皿本体91と、フランジ部92と、を備えている。
中皿本体91は、上方に開口する有底筒状に形成されている。中皿本体91内には、例えば化粧料等の内容物が収容される。中皿本体91の底壁部95のうち、外周部分には、上述した押上脚43が下方から近接又は当接している。すなわち、底壁部95は、中枠4の第1位置から第2位置への移動に伴い、押上脚43によって押し上げられる。中皿本体91は、中枠4が第1位置にあるとき、容器本体2の底壁部11から上方に離間した状態で、容器本体2内に収容されている。
【0052】
中皿本体91の周壁部96には、径方向の内側に向けて窪む被係合部97が形成されている。被係合部97は、上下方向の両側から中央部に向かうに従い径方向の内側への凹み量が漸次増加している。被係合部97は、周壁部96における全周に亘って連続的に形成されている。被係合部97のうち、前側領域には上述した前側中皿係合部61が上方から係合している。一方、被係合部97のうち、後側領域には上述した後側中皿係合部83が上方から係合している。これにより、中枠4に対する中皿5の上方への移動が規制されている。なお、被係合部97は、前側中皿係合部61及び後側中皿係合部83に対応して別々に設けてもよい。
【0053】
周壁部96において、被係合部97の上方に位置する部分には、第2回り止め部98が形成されている。第2回り止め部98は、径方向の外側に突出するとともに、上下方向に沿って延びる突条に形成されている。第2回り止め部98は、隣り合う第1回り止め部57間に配置され、第1回り止め部57に対して周方向で係合する。これにより、中枠4に対する中皿5の回転が規制されている。なお、第2回り止め部98は、周壁部96において、周方向に90°間隔で配置されている。但し、第2回り止め部98の数やレイアウトは適宜変更が可能である。
【0054】
フランジ部92は、周壁部96の上端部から径方向の外側に向けて張り出している。フランジ部92は、上述した中皿収容部69内に収容されている。中枠4の第1位置において、フランジ部92の上面と環状壁部50上面とは、滑らかに連なっていることが好ましい。
【0055】
次に、上述したコンパクト容器1の使用方法として、中皿5の交換方法について説明する。
中皿5を交換する際には、まず蓋体3を開位置にする。
続いて、
図6に示すように、第1位置にある枠本体41を下方に押し込む。具体的には、押圧部51に指を押し当て、枠本体41を下方に向けて押し込む。すると、枠本体41の後半部(枠本体41のうち周方向で押圧部51から接続部42に至る領域)が容器本体2に対して下方に移動する。すなわち、本実施形態では、枠本体41の後半部以外の領域が、容器本体2の内側段差部20に下方から支持されているため、容器本体2に対する下方移動が規制されている。したがって、枠本体41の後半部のみが、上述した隙間Sの分だけ下方に移動する。
【0056】
図6~
図8に示すように、枠本体41が下方に移動すると、折り返し片82の前面がガイド部85の上端縁に摺動することで、折り返し片82が後方に向けて弾性変形する。すると、後側中皿係合部83が被係合部97から後方に退避することで、係合片44が係合位置から係合解除位置に移行する。なお、係合解除位置とは、係合片44と被係合部97との係合が解除可能な位置であって、本実施形態では係合片44(後側中皿係止部83)と被係合部97との係合量(平面視で重なり合う面積)が係合位置に比べて少ないことをいう。
【0057】
また、押上脚43は、容器本体2に対する下方移動が規制されているため、枠本体41の下方移動に伴い、接続部42を起点に上方に向けて回動する。具体的に、押上脚43は、容器本体2の底壁部11上を径方向の内側に向けて摺動しつつ、接続部42回りの上方に向けて回動する。これにより、押上脚43は、回り込み部71が容器本体2の底壁部11上に支持された状態で、作用部72が容器本体2の底壁部11から浮き上がる。
【0058】
図8に示すように、押上脚43が接続部42回りの上方に向けて回動すると、中皿5の後半部(押上脚43に支持された部分)が上昇する。すなわち、本実施形態では、枠本体41の下方への押込み操作に伴い、中皿5の後半部を上昇させることができる。その後、環状壁部50が横壁部18に上方から近接又は当接する位置まで枠本体41を押し込む。これにより、中枠4が第2位置まで移動し、中皿5が取り出し可能な状態となる。すなわち、中皿5は、後半部が浮き上がることで、前下がりに傾いた状態で中枠4内に支持されている。この場合、中皿5の後半部は、枠本体41(環状壁部50)の上面よりも上方に位置している。なお、中枠4が第2位置にある状態において、中皿5の被係合部97には、前側中皿係合部61が係合されていてもよい。
【0059】
なお、係合片44が係合解除位置に向けて移動を開始するタイミングは、押上脚43による押し上げが完了する前であれば適宜変更が可能である。すなわち、押上脚43による押し上げ開始の際に、後側中皿係合部83と被係合部97との係合量が通常使用時(第1位置)の係合量よりも少なくなっていればよい。この場合、押上脚43による押し上げ開始の際に、後側中皿係合部83が被係合部97から完全に退避していてもよい。
【0060】
図8、
図9に示すように、本実施形態において、中枠4を第2位置まで押し込んだ後、押圧部51から指を離すと、枠本体41は折り返し片82の復元力によって再び上昇する。具体的には、折り返し片82が、下向片81の下端部を起点に前方に復元変形するのに伴い、折り返し片82の前面がガイド部85の上端縁を摺動することで、枠本体41の後半部が上昇する。この際、押上脚43は、上方に回動した状態を維持することで、枠本体41の後半部の上昇とともに、中皿5が押上脚43に下方から支持された状態で上昇する。
【0061】
この状態で、中皿5を中枠4から取り出す。具体的には、フランジ部92等を把持して中皿5を後斜め上方に引き上げる。これにより、中皿5(被係合部97)と前側中皿係合部61との係合が解除され、中皿5を取り外すことができる。なお、上述した第2位置(
図8の状態)において、中皿5を取り外してもよい。
【0062】
新たな中皿5を装着する場合には、始めに新たな中皿5の前部を中枠4内に後斜め後方から差し込み、中枠4の前側中皿係合部61に中皿5の被係合部97を係合させる。この状態で、中皿5の後半部を下方に向けて押し込む。すると、中皿5を介して押上脚43が下方に押し込まれることで、押上脚43が接続部42を起点に下方に向けて回動する。押上脚43が接続部42回りの下方に向けて回動することで、中皿5が下方に向けて移動する。さらに、中皿5の下方移動に伴い、被係合部97内に後側中皿係合部83が係合される。これにより、中皿5の交換作業が終了する。
【0063】
なお、中皿5を装着するにあたり、枠本体41を第2位置に向けて押し込んだ状態で中皿5をセットした後、枠本体41を第1位置までセットしてもよい。この場合には、係合片44が係合解除位置に移動した状態で中皿5をセットできるので、中皿5のセット作業が容易になる。
【0064】
このように、本実施形態では、枠本体41の上下動に伴い、押上脚43が中皿5を上下動させる構成とした。
この構成によれば、枠本体41の押込み動作によって中皿5を上方に持ち上げることができる。これにより、従来のように容器本体の下方から中皿を押し込んだり、中皿を上方から直接引き上げたりする等に比べ、中皿5の交換時における作業性を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、押上脚43が中皿5の底壁部95と容器本体2の底壁部11との間に配置され、中皿5を下方から支持する構成とした。
この構成によれば、中枠4が第1位置から第2位置に移行する過程において、押上脚43が上方に回動する際、押上脚43と中皿5とが水平面内で干渉するのを抑制できる。よって、押上脚43を第1位置と第2位置との間でスムーズに移動させることができる。
また、中皿5の底壁部95と容器本体2の底壁部11との間に押上脚43が配置されるので、例えばコンパクト容器1の落下衝撃等によって容器本体2に加えられた衝撃力等の荷重を押上脚43において吸収できる。これにより、中皿5に伝わる荷重を軽減できるので、中皿5内に収容された内容物の破損や飛散等を抑制できる。
【0065】
ここで、本実施形態では、中枠4の上下動に伴い、中皿5の被係合部97に係脱される係合片44を備える構成とした。
この構成によれば、中枠4の下方移動に伴い、係合片44と被係合部97との係合量が減少するので、中枠4が第2位置に移行した状態において、中皿5を取り外し易くなる。この場合、例えば押上脚の押し上げ力のみによって中皿の係合を解除する構成に比べ、係合解除時における中皿の上方への飛び出しを抑えることができる。また、中枠4の下方移動に伴い、係合片44と被係合部97との係合量が減少するので、第1位置において係合片44と被係合部97との係合量を確保できる。そのため、第1位置において、中皿5ががたついたり、中皿5が中枠4から外れたりする等を抑制した上で、中皿5の交換時の作業性を向上させることができる。
【0066】
本実施形態では、押圧部51に対して周方向の両側に押上脚43が配置され、周方向で隣り合う押上脚43の間に係合片44が配置される構成とした。
この構成によれば、押圧部51を介して枠本体41が押し込まれるので、枠本体41のうち押圧部51の周辺が下方に移動し易くなる。この場合、係合片44が押圧部51の直近に配置されるので、交換作業時において係合片44と被係合部97との係合が解除され易い。
また、押圧部51に対して周方向の両側に押上脚43が配置されるので、枠本体41の押込み力を押上脚43に効果的に伝えることができる。
【0067】
本実施形態では、押圧部51が枠本体41の周方向においてヒンジ部7と同位置に配設された構成とした。
この構成によれば、通常使用の際に、使用者から最も離れた位置に押圧部51が配置されるので、使用者が押圧部51を予期せず操作するのを抑制できる。
【0068】
本実施形態では、係合片44が、枠本体41から下方に延びる下向片81と、下向片81の下端部から上方に延びるに従い、下向片81から離間する方向に延び、下向片81に接近離間する方向に弾性変形可能な折り返し片82と、折り返し片82の上端部に形成され、被係合部97に係合される後側中皿係合部83と、を備えている構成とした。
この構成によれば、中枠4の下方移動に伴い、折り返し片82がガイド部85によって下向片81に接近する方向に弾性変形させられる。そのため、中枠4の下方移動に伴い、後側中皿係合部83を係合位置から係合解除位置にスムーズに移行させることができる。
一方、押圧部51への押圧力を解除すると、折り返し片82の復元力がガイド部85に作用することで、枠本体41が押上脚43とともに上昇する。これにより、枠本体41が第2位置にある場合に比べて、容器本体2の開口縁からの中皿5の突出量を大きくすることができる。その結果、中皿5の交換時における作業性を向上させることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、押上脚43や係合片44、押圧部51が中枠4の後半部に位置している構成について説明したが、この構成に限らず、中枠4の任意の位置に、任意のレイアウトで設けることが可能である。
上述した実施形態では、中皿5が傾いた状態で取り出される構成について説明したが、この構成に限らず、枠本体41の上下動に伴い、中皿5全体を上下動させる構成でもよい。
上述した実施形態では、係合解除位置において係合片44と被係合部97との係合が完全に解除される構成について説明したが、この構成に限られない。係合片44は、係合解除位置において係合位置に比べて被係合部97との係合量が少なくなっていればよい。
上述した実施形態では、枠本体41の少なくとも一部(環状壁部50)が環状に連なっている構成について説明したが、この構成に限られない。枠本体41は、中皿5の周囲を取り囲む構成であれば、周方向の一部が分断されていてもよい。
上述した実施形態では、係合片44に対して周方向の両側に押上脚43が設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。例えば押上脚43に対して周方向の両側に係合片44が設けられていてもよい。
【0070】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…コンパクト容器
2…容器本体
3…蓋体
4…中枠
5…中皿
7…ヒンジ部
11…底壁部
41…枠本体
43…押上脚
44…係合片
81…下向片
82…折り返し片
83…後側中皿係合部(中皿係合部)
85…ガイド部
96…周壁部
97…被係合部