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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】光源部材及びそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231106BHJP
   F21V 5/10 20180101ALI20231106BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20231106BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20231106BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231106BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231106BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20231106BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20231106BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231106BHJP
【FI】
F21S2/00 431
F21S2/00 435
F21S2/00 439
F21V5/10
F21V9/32
F21V9/38
F21V19/00 150
F21V19/00 170
G02F1/13357
H01L33/50
H01L33/58
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019153399
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2020035744
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0101097
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 成 連
(72)【発明者】
【氏名】林 泰 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 東 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン 銹
(72)【発明者】
【氏名】孟 千 在
(72)【発明者】
【氏名】朴 根 佑
(72)【発明者】
【氏名】李 弘 範
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068249(JP,A)
【文献】特表2016-509699(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0322359(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2016-0035156(KR,A)
【文献】特開2001-188104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/32
F21V 9/38
F21V 19/00
F21V 5/10
G02F 1/13357
H01L 33/50
H01L 33/58
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドパネルと、
前記ガイドパネルの少なくとも一側に配置される光源と、
前記ガイドパネルの上に配置される低屈折層と、
前記低屈折層の上に配置され、ベース樹脂、及び前記ベース樹脂に分散された量子点を含む色変換層と、を含み、
前記低屈折層は、マトリックス部と、前記マトリックス部に分散された複数の低屈折体と、前記マトリックス部内に配置されるボイドと、を含み、
前記低屈折層の厚み方向の断面の全体面積に対する前記低屈折層の厚み方向の断面における前記ボイドの面積の割合の平均値は20%以下であることを特徴とする光源部材。
【請求項2】
前記低屈折層の屈折率は、1.0以上1.26以下であることを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項3】
前記低屈折層は、中空シリカ、エアロゲル(Aerogel)、気孔を含む多孔性無機粒子、及び気孔を含む多孔性有機粒子のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項4】
前記低屈折層と前記色変換層との間に配置され、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物のうち少なくとも一つの無機物を含むキャッピング層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項5】
前記キャッピング層の厚さは0.2μm以上であることを特徴とする請求項4に記載の光源部材。
【請求項6】
前記色変換層の上に配置され、少なくとも一つの無機膜を含むバリア層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項7】
前記バリア層は、前記少なくとも一つの無機膜の上に配置される有機膜を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の光源部材。
【請求項8】
前記低屈折層の厚さは、0.5μm以上2.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項9】
前記低屈折層は、前記ベース樹脂を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項10】
前記ガイドパネルは、下部面に配置される複数個の出光パターン部を含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項11】
前記出光パターン部は、前記ガイドパネルの下部面から突出する方向に膨らんだレンズ状であることを特徴とする請求項10に記載の光源部材。
【請求項12】
前記光源は、回路基板、および前記回路基板の上に配置される発光素子パッケージを含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項13】
前記発光素子パッケージは、440nm以上460nm以下の波長に中心波長を有する第1光を放出し、
前記量子点は前記第1光によって励起されて520nm以上550nm以下の波長に中心波長を有する第2光を放出する第1量子点と、
前記第1光及び前記第2光のうち少なくとも一つによって励起されて600nm以上650nm以下の波長に中心波長を有する第3光を放出する第2量子点と、のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項12に記載の光源部材。
【請求項14】
前記光源は青色光を放出し、
前記量子点は、前記青色光によって励起されて緑色光を放出する第1量子点と、前記青色光によって励起されて赤色光を放出する第2量子点と、のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の光源部材。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のうちのいずれか一つの光源部材と、
前記光源部材の上に配置される表示パネルと、を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源部材に係り、より詳しくは、低屈折層を含む光源部材及びそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像情報を提供するために多様な形態の表示装置が使用されているが、液晶表示装置の場合、省エネのための大型表示装置、携帯用表示装置などに多様に使用されている。一方、液晶表示装置の場合、光効率を増加させ、色再現性を上げるために光源ユニットに様々な種類の光学部材が追加されている。
【0003】
最近は優秀な光学特性を具現するために色変換層を光源ユニットに使用しており、低屈折層が導光板として機能するために取り入れられている。しかし、光源ユニットと表示パネルの製造または組み立て構造などにおいて、色変換層、低屈折層が損傷するか信頼性が低下する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-079043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低屈折層の剥離力及び信頼性を改善した光源部材を提供することにある。
また、本発明は光源部材における低屈折層の剥離力を改善することで、良好は光学特性を維持し、信頼性が改善された表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例は、ガイドパネルと、前記ガイドパネルの少なくとも一側に配置される光源と、前記ガイドパネルの上に配置される低屈折層と、前記低屈折層の上に配置され、ベース樹脂、及び前記ベース樹脂に分散された量子点を含む色変換層と、を含み、前記低屈折層は、マトリックス部と、前記マトリックス部に分散された複数の低屈折体と、前記マトリックス部内に配置されるボイドと、を含み、前記低屈折層の全体面積に対する前記ボイドの面積は20%以下である光源部材を提供する。
【0007】
前記低屈折層の屈折率は、1.0以上1.26以下である。
【0008】
前記低屈折層は、中空シリカ、エアロゲル(Aerogel)、気孔を含む多孔性無機粒子、及び気孔を含む多孔性有機粒子のうち少なくとも一つを含む。
【0009】
前記低屈折層と前記色変換層との間に配置され、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物のうち少なくとも一つの無機物を含むキャッピング層を更に含む。
【0010】
前記キャッピング層の厚さは0.2μm以上である。
【0011】
前記色変換層の上に配置され、少なくとも一つの無機膜を含むバリア層を更に含む。
【0012】
前記バリア層は、前記少なくとも一つの無機膜の上に配置される有機膜を更に含む。
【0013】
前記低屈折層の厚さは、0.5μm以上2.5μm以下である。
【0014】
前記低屈折層は、前記ベース樹脂を更に含む。
【0015】
前記ガイドパネルは、下部面に配置される複数個の出光パターン部を含む。
【0016】
前記出光パターン部は、前記ガイドパネルの下部面から突出する方向に膨らんだレンズ状である。
【0017】
前記光源は、回路基板、および前記回路基板の上に配置される発光素子パッケージを含む。
【0018】
前記発光素子パッケージは、440nm以上460nm以下の波長に中心波長を有する第1光を放出し、前記量子点は前記第1光によって励起されて520nm以上550nm以下の波長に中心波長を有する第2光を放出する第1量子点と、前記第1光及び前記第2光のうち少なくとも一つによって励起されて600nm以上650nm以下の波長に中心波長を有する第3光を放出する第2量子点と、のうち少なくとも一つを含む。
【0019】
前記光源は青色光を放出し、前記量子点は、前記青色光によって励起されて緑色光を放出する第1量子点と、前記青色光によって励起されて赤色光を放出する第2量子点と、のうち少なくとも一つを含む。
【0020】
一実施例は、青色光を放出する光源と、前記光源の発光面に向い合う一側面を含むガイドパネルと、前記ガイドパネルの上に配置される低屈折層と、前記低屈折層の上に配置され、無機物を含むキャッピング層と、前記キャッピング層の上に配置され、量子点を含む色変換層と、前記色変換層の上に配置されるバリア層と、を含み、前記低屈折層は、マトリックス部と、前記マトリックス部に分散された複数の低屈折体と、前記マトリックス部内に配置されるボイドと、を含み、前記低屈折層の全体面積に対する前記ボイドの面積は20%以下である光源部材を提供する。
【0021】
前記低屈折層は、前記ガイドパネルの上に直接配置される。
【0022】
前記バリア層は、前記色変換層をカバーする。
【0023】
他の実施例は、光源部材と、前記光源部材の上に配置される表示パネルと、を含み、前記光源部材は、ガイドパネルと、前記ガイドパネルの少なくとも一側に配置される光源と、前記ガイドパネルの上に配置される低屈折層と、前記低屈折層の上に配置され、ベース樹脂、及び前記ベース樹脂に分散された量子点を含む色変換層と、を含み、前記低屈折層は、マトリックス部と、前記マトリックス部に分散された複数の低屈折体と、前記マトリックス部内に配置されるボイドと、を含み、前記低屈折層の全体面積に対する前記ボイドの面積は20%以下である表示装置を提供する。
【0024】
前記表示パネルは、互いに向い合う第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層と、を含む液晶表示パネルである。
【0025】
前記光源部材と前記表示パネルは互いに離隔される。
【発明の効果】
【0026】
低屈折層に含まれたボイドの面積を制御して良好な剥離力を有するようにすることで、信頼性を改善した光源部材を提供できる。
【0027】
色変換層及び低屈折層を含む光源部材を含み、低屈折層の剥離力を改善して優秀な色再現性を有し、信頼性を改善した表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施例の表示装置の斜視図である。
図2】一実施例の表示装置の分解斜視図である。
図3図2のI-I’線に対応する部分の断面図である。
図4図3のAA領域をより拡大して示す断面図である。
図5A】一実施例による光源部材に含まれた光源を示す断面図である。
図5B】一実施例による光源部材に含まれた光源を示す断面図である。
図6】光源部材における光の進行経路を示す図である。
図7】一実施例による低屈折層の一部を示す断面図である。
図8】一実施例による低屈折層に含まれた低屈折体の例示を示す断面図である。
図9】一実施例による光源部材の一部を示す断面図である。
図10A図4のBB部分をより詳細に示した断面図である。
図10B図4のBB部分に対応する部分をより詳細に示した一実施例の光源部材の一部分BB-1に対する断面図である。
図11A】異なるサイズの低屈折体を有する一実施例による低屈折層の一部を示す断面図である。
図11B】異なるサイズの低屈折体を有する一実施例による低屈折層の一部を示す断面図である。
図12A】比較例における低屈折層の断面を示すSEMイメージである。
図12B】実施例における低屈折層の断面を示すSEMイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるゆえ、特定実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解すべきである。
【0030】
各図面を説明しながら、類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用している。添付した図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際より拡大して示している。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用するが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用する。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せずに第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素と称されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
本出願において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」または「上部に」あるとする場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」または「下部に」にあるとする場合、これは他の部分の「直下」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。また、本出願において、「上に」配置されるとは、上部だけでなく下部に配置される場合も含む。
【0032】
一方、本出願において、「直接配置」されるとは、層、膜、領域、板などの部分と他の部分の間に追加される層、膜、領域、板などがないことを意味する可能性がある。例えば、「直接配置」されるとは、2つの層または2つの部材の間に接着部材などの追加の部材を使用せずに配置することを意味する可能性がある。
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例による表示装置について説明する。
図1は、一実施例の表示装置の斜視図である。図2は、一実施例の表示装置の分解斜視図である。図3は、図2のI-I’線に対応する部分の断面図である。図4は、図3のAA領域をより拡大して示す断面図である。
【0034】
図1を参照すると、一実施例の表示装置DDは、表示パネルDP、及び表示パネルDPと光源部材LU(図2)を収納する筐体HAUを含む。筐体HAUは、表示パネルDPの表示面ISである上部面が露出されるように表示パネルDPをカバーして配置される。つまり、筐体HAUは、表示パネルDPの側面と底面だけでなく、上部面の一部をカバーする。但し、実施例はこれに限らず、筐体HAUは、表示パネルDPの側面と底面をカバーし、上部面全体を露出させてもよい。
【0035】
一方、図1などにおいては第1方向軸DR1乃至第3方向軸DR3を示しており、本明細書で説明する方向軸は相対的であって、説明の便宜上、第3方向軸DR3の方向はユーザに映像が提供される方向として定義する。また、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2は互いに直交し、第3方向軸DR3は第1方向軸DR1と第2方向軸DR2が定義する平面に対する法線方向である。図1において、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する平面は映像が提供される表示面ISと平行である。
【0036】
図2は一実施例の表示装置DDの分解斜視図を示しており、一実施例の表示装置DDは、光源部材LUと、光源部材LUの上に配置される表示パネルDPを含む。一方、一実施例の表示装置DDは、表示パネルDPと光源部材LUを収納する筐体HAUを含む。
【0037】
一実施例の光源部材LUは、ガイドパネルGP、ガイドパネルGPの上の少なくとも一側に配置される光源LS、ガイドパネルGPの上に配置される低屈折層LRL、及び低屈折層LRLの上に配置される色変換層CCLを含む。一方、光源部材LUは、低屈折層LRLと色変換層CCLとの間に配置されるキャッピング層CPLと、色変換層CCLの上に配置されるバリア層BLを更に含む。また、ガイドパネルGPの下部面GP-Bには、複数個の出光パターン部CPが配置される。
【0038】
一実施例の光源部材LUにおいて、ガイドパネルGP、出光パターン部CP、及び低屈折層LRLは、光源LSから放出された光を色変換層CCLに伝達する光学部材である。
【0039】
一実施例の光源部材LUは、反射層RFを更に含む。反射層RFは、ガイドパネルGPの下部に配置される。反射層RFは、出光パターン部CPと向い合って配置される。反射層RFは、反射フィルムや反射コーティング層を含む。反射層RFは、ガイドパネルGPの下部面GP-Bに出射された光を反射し、更にガイドパネルGPの内部に進入させる。
【0040】
一実施例の光源部材LUにおいて、光源LSは、回路基板PB、及び回路基板PBの上に配置される発光素子パッケージLDを含む。
【0041】
回路基板PBは、実装された発光素子パッケージLDに電源を提供する。例えば、回路基板PBは、実装された発光素子パッケージLDにダイミング(Dimming)信号及び駆動電圧を提供してもよい。回路基板PBは、少なくとも一つの絶縁層(図示せず)と、少なくとも一つの回路層(図示せず)を含んで形成される。例えば、回路基板PBはMCPCB(Metal Core Printed Circuit Board)であってもよい。
【0042】
一方、回路基板PBの上には複数の発光素子パッケージLDが配置される。発光素子パッケージLDは回路基板PBから提供される電圧に応答して光を発生するものであって、発光素子パッケージLDそれぞれはn型半導体層、活性層、p型半導体層が順次に積層された構造を有し、駆動電圧が印加されると電子と正孔が移動しながら再結合されて光を発生する発光素子(LED)を含む。
【0043】
複数の発光素子パッケージLDは、同じ波長領域の光を放出する。また、これとは異なって、光源LSは、互いに異なる波長領域の光を放出する複数の発光素子パッケージLDを含んでもよい。一実施例において、発光素子パッケージLDは、440nm以上460nm以下の波長領域に中心波長を有する第1光を放出する。一実施例において、発光素子パッケージLDは青色光を放出する。
【0044】
図5A及び図5Bは、一実施例による光源部材に含まれた光源を示す断面図である。図5Aを参照すると、光源LS-aに含まれた発光素子パッケージLDは、発光素子LED、一対のリードフレームLF1、LF2、及びボディ部BDを含む。
【0045】
ボディ部BDは発光素子LEDを実装し、第1リードフレームLF1及び第2リードフレームLF2を固定する。ボディ部BDは、高分子樹脂などの物質からなる。また、ボディ部BDはキャビティCVを有するが、キャビティCVは発光素子LEDが実装される空間である。
【0046】
発光素子LEDはボディ部BDのキャビティCV内に配置されるが、キャビティCVには発光素子LEDを囲んで埋められるシーリング部SLが配置される。シーリング部SLは、発光素子LEDを保護する役割をする。また、シーリング部SLは、場合によっては充填レジンSRと共に蛍光体PPを含む。充填レジンSRとしては、エポキシレジンまたはアクリルレジンなどが使用される。
【0047】
蛍光体PPとしては赤色蛍光体、黄色蛍光体、または緑色蛍光体などが使用されるが、実施例はこれに限らず、発光素子LEDから放出される光によって励起される蛍光体物質が選択的に含まれてもよい。一方、図5Aの図示とは異なって、発光素子パッケージLDにおいて、シーリング部SLは充填レジンSRを含み、蛍光体PPを含まなくてもよい。
【0048】
また、第1リードフレームLF1及び第2リードフレームLF2それぞれは、ボディ部BDの一部分を貫通する。また、キャビティCV内で露出されたリードフレームLF1、LF2と発光素子LEDは、連結電線WL1、WL2によって電気的に連結される。
【0049】
図5Bに示した一実施例の光源LS-bは、回路基板PB、及び回路基板PBの上に配置される発光素子パッケージLD-bを含むが、発光素子パッケージLD-bは、発光素子LEDとシーリング部SL-bを含む。
【0050】
図5Bの実施例において、シーリング部SL-bは発光素子LEDを囲むように配置されるが、例えば、レンズ状で提供されてもよい。シーリング部SL-bは、図5Aで説明したように充填レジンSRを含むか、充填レジンSRと共に蛍光体PPを更に含む。また、シーリング部SL-bは、充填レジンSRは含み蛍光体PPは含まなくてもよい。
【0051】
図5A及び図5Bに示した光源LS-a、LS-bの一実施例において、発光素子LEDは青色光を放出する。一実施例において、別途の蛍光体を含まない発光素子パッケージLDは青色光を放出する。
【0052】
更に図4を参照すると、発光素子パッケージLDの発光面LD-OはガイドパネルGPの一側と向い合う。例えば、光源LSは、ガイドパネルGPの少なくとも一側に配置されてもよい。一方、発光素子パッケージLDの発光面LD-Oは光源LSの発光面である。
【0053】
図2乃至図4を参照すると、一実施例において、光源LSはガイドパネルGPの一つの側面に隣接して配置されるとして示しているが、実施例はこれに限らず、光源LSは図2乃至図4の図示とは異なって、ガイドパネルGPの複数の側面に隣接して追加的に配置されてもよい。
【0054】
図4に示した一実施例において、光源LSは、ガイドパネルGPの一側面である入光面GP-Iに隣接して配置される。発光素子パッケージLDの発光面LD-OとガイドパネルGPの入光面GP-Iは互いに離隔されている。
【0055】
ガイドパネルGPはガラス基板である。しかし、実施例はこれに限らず、ガイドパネルGPは透明樹脂基板であってもよい。例えば、ガイドパネルGPはアクリル系樹脂などを含んで形成されてもよい。
【0056】
ガイドパネルGPの下部面GP-Bには、複数個の出光パターン部CPが配置される。出向パターン部CPは、ガイドパネルGPとは異なる屈折率値を有する物質からなる。
【0057】
出向パターン部CPそれぞれは、ガイドパネルGPの下部面GP-Bから突出する方向に形成される。例えば、出向パターン部CPそれぞれは、ガイドパネルGPの下部面GP-Bから突出するレンズ状を有してもよい。出向パターン部CPそれぞれはガイドパネルGPの下部面GP-Bに配置され、半球状を有する。出向パターン部CPは、ガイドパネルGPの下部面GP-Bから突出されてガイドパネルGPと一体に形成される。
【0058】
出向パターン部CPは、光源LSから放出されてガイドパネルGPの一側面に入射された光をガイドパネルGPの他の側面に伝達するか、またはガイドパネルGPの下部面GP-B方向に入射された光をガイドパネルGPの上部面である出光面GP-Tの方向に伝達されるように光の方向を変化させる。出向パターン部CPは、ガイドパネルGPの下部面GP-Bに提供される光の経路を変更し、色変換層CCL側に光が出射されるようにする。
【0059】
ガイドパネルGPの上には、低屈折層LRLが配置される。低屈折層LRLは、ガイドパネルGPの上に直接配置される。
【0060】
低屈折層LRLはガイドパネルGPの上に直接形成され、ガイドパネルGPの上部面である出光面GP-Tと接触して配置される。例えば、低屈折層LRLはガイドパネルGPの上部面である出光面GP-Tにコーティングされて形成されてもよい。低屈折層LRLを形成するためのコーティング方法としては、スリットコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、インクジェットプリントなどが挙げられるが、低屈折層LRLの提供方法はこれに限らない。また、これとは異なって、低屈折層LRLは転写法(transfer method)などの多様な方法を利用してガイドパネルGPの上に直接提供されてもよい。
【0061】
低屈折層LRLの屈折率は、ガイドパネルGPの屈折率より小さい。低屈折層LRLの屈折率は、1.0以上1.26以下である。例えば、低屈折層LRLの屈折率とガイドパネルGPの屈折率の差は0.2以上であってもよい。
【0062】
低屈折層LRLはガイドパネルGPより小さい屈折率を有することで、光源LSからガイドパネルGPの一側面に入射された光が、光源LSと相対的に離隔されているガイドパネルGPの他の側面まで効果的に伝達されるようにする。つまり、低屈折層LRLはガイドパネルGPより小さい屈折率である1.0以上1.26以下の屈折率を有することで、ガイドパネルGPと低屈折層LRLの境界において全反射が効果的に行われるようにすることで、光源LSから提供された光が、光源LSと相対的に離隔されているガイドパネルGPの他の側面まで効果的に伝達されるようにする。つまり、一実施例の光源部材LUにおいて、ガイドパネルGP、及びガイドパネルGPの上に提供される低屈折層LRLは導光板の機能をする。
【0063】
図6は、光源部材における光の進行経路を示す図である。図6は、光源LSから放出された光がガイドパネルGPの内部に伝達される経路を例示的に示す図である。図6を参照すると、発光素子パッケージLDの発光面LD-Oから放出された光LINは、ガイドパネルGPの一側面である入光面GP-Iに入射され、ガイドパネルGPの内部に入射されてガイドパネルGPの上部面である出光面GP-Tに提供された光LTPは、出光面GP-Tと低屈折層LRLの界面で屈折されてガイドパネルGP内で伝達される。また、光源LSの発光素子パッケージLDの発光面LD-Oから放出されてガイドパネルGP内に入射された光のうち、ガイドパネルGPの上部面である出光面GP-Tに提供された光LTPは出光面GP-Tと低屈折層LRLの界面で屈折され、出光パターン部CPに屈折された光LGPが提供される。また、出光パターン部CPに屈折された光LGPは、出光パターン部CPから出光面GP-T側に光経路が変更されて提供される。つまり、出光パターン部CPに提供された光LGPは、出光パターン部CPとガイドパネルGPとの間の屈折率の差によって光経路が変更されて、色変換層CCL(図4)側に向かう出射光LCPとして出射される。
【0064】
図7は、一実施例による低屈折層LRLの一部を示す断面図である。低屈折層LRLは、マトリックス部MX、マトリックス部MXに分散された複数の低屈折体LR、及びマトリックス部MX内に配置されるボイド(Void)VDを含む。
【0065】
マトリックス部MXは、低屈折層LRLを形成するベース部となる部分である。マトリックス部MXは、低屈折体LRが分散され、ボイドVDを定義する媒質となる部分である。マトリックス部MXは、多様な樹脂造成物からなる。例えば、マトリックス部MXの物質としてはポリシロキサンなどが使用されてもよいが、実施例はこれに限らず、その他の有機物がマトリックス部MXの物質として使用されてもよい。
【0066】
低屈折体LRは、マトリックス部MXをなす樹脂に分散される。低屈折体LRは、屈折率が1.0以上1.3以下である。例えば、低屈折体LRは、中空シリカ、エアロゲル、または気孔を含む多孔性粒子であってもよい。詳しくは、多孔性粒子は無機粒子または有機粒子であり、非定型の多数の気孔を含む粒子である。
【0067】
低屈折体LRの屈折率が1.3より大きければ低屈折層LRLの屈折率値が十分に低くならないため、低屈折層LRLの導光機能が低下する恐れがある。また、低屈折体LRは無機粒子または有機粒子からなるため、最小1.0以上の屈折率を有する。
【0068】
図8は、一実施例による低屈折層に含まれた低屈折体の例示を示す断面図である。図8は、球状の低屈折体LRの断面を示している。低屈折体LRは、コア部分CRに空気が詰められ、シェル部分SPがコア部分CRを囲むように形成されたコアシェル構造を有する粒子である。例えば、シェル部分SPはシリカ(Silica)材質からなり、コア部分CRは空気が詰められるか、または低屈折特性を有する液体または気体が詰められてもよい。図8には低屈折体LRの形状を例示的に示したが、低屈折体LRはコア部分CRに当たる内部気孔を有する粒子であって、その形状は図8に示した球状に限らない。例えば、低屈折体LRは中心を通る平面によって切断された断面が楕円の楕円球であるか、内部であるコア部分CRに空気が詰められた気孔を含むように定義されてもよく、シェル部分SPが一定形状に定義されない無定形の立体形状を有してもよい。
【0069】
図7を更に参照すると、低屈折層LRLはボイドVDを含む。ボイドVDは、これを囲むマトリックス部MXなどによって定義される。ボイドVDは空気が詰められるか、または低い屈折率を有する気体または液体が詰められる。ボイドVDの形状は特に限らず、無定形に形成される。ボイドVDの空間は、これを囲むマトリックス部MXの物質などによって定義される。低屈折層LRLにおいて、低屈折体LRのコア部分CRは内部気孔に当たり、ボイドVDは内部気孔とは区別される外部気孔と定義される。
【0070】
一実施例において、低屈折層LRLのボイドVDの面積は、低屈折層LRLの全体面積に対して20%以下である。つまり、マトリックス部MX、低屈折体LR、及びボイドVDを含む低屈折層LRLの全体面積に対し、ボイドVDは20%以下の面積で提供される。
【0071】
例えば、低屈折層LRLの面積とボイドVDの面積は、低屈折層LRLの断面を基準に判断される。一方、面積を計算するための低屈折層LRLの断面は、図7に例示的に示したように、第1方向軸DR1と第3方向軸DR3が定義する平面と平行な平面である。しかし、実施例はこれに限らず、面積を計算するための低屈折層LRLの断面は、第2方向軸DR2と第3方向軸DR3が定義する平面と平行な平面であってもよい。
【0072】
ボイドVDの面積の割合は、図7で例示的に示したように、低屈折層LRLの断面の単位面積XYにおける低屈折層LRLの面積に対してボイドVDが占める面積の割合を計算して示す。低屈折層LRLの全体面積に対するボイドVDの面積の割合は平均値である。つまり、一実施例の光源部材LU(図2)は、単位面積XY単位におけるボイドVDが占める面積割合に対する算術平均値が20%以下である低屈折層LRLを含む。ボイドVDが占める面積割合に対する算術平均値は、単位面積XY単位におけるボイドVDが面積割合を全体の低屈折層LRLに対して計算し、それを平均した値に当たる。
【0073】
低屈折層LRLにおいて、ボイドVDが占める面積割合は、低屈折層LRLの接着力及び屈折力に影響を及ぼす。ボイドVDが占める面積が低屈折層LRLの全体面積に対して20%を超過すれば、ボイドVDによって低屈折層LRLの内部強度が低くなり、それによって隣り合う層に対する低屈折層LRLの剥離力が低下する恐れがある。つまり、ボイドVDが占める面積が低屈折層LRLの全体面積に対して20%を超過すれば、ガイドパネルGP(図4)またはキャッピング層CPL(図4)に対する接着力が減少し、低屈折層LRLとガイドパネルGP(図4)との間、または低屈折層LRLとキャッピング層CPL(図4)との間で剥離が発生する恐れがある。
【0074】
一方、ボイドVDの面積割合が増加すれば、低屈折層LRL内で相対的に低屈折率を有する部分が増えるようになり、低屈折層LRLの屈折率が低くなって、ガイドパネルGPと共に良好な光ガイド機能をすることができる。
【0075】
つまり、低屈折層LRL内のボイドVDの面積割合が増加するほど低屈折層LRLの屈折率が低くなって光学的に優秀な光ガイドの機能をするが、ボイドVDの面積割合が20%を超過すれば、低屈折層LRLの剥離力が低下するため光源部材LUの信頼性が低下する。例えば、一実施例の光源部材LUにおいて、低屈折層LRLが良好は剥離力を有するためにはボイドVDの面積割合を減少させることが有利であるが、低屈折層LRLにおけるボイドVDの面積割合は、20%を超過しない範囲で、低い屈折率値を得るために制御される。
【0076】
ボイドVDは、低屈折層LRLの製造方向において、低屈折層LRLを製造するためのレジンを乾燥するか硬化するステップで生成される。例えば、低屈折層LRLを製造するためのレジンに含まれた有機溶媒を乾燥させるか、またはレジンを硬化してから熱処理する工程ステップを利用してボイドVDを形成してもよい。
【0077】
図9は、一実施例の光源部材LUの一部を示す断面図である。図2乃至図9を参照すると、光源部材LUは低屈折層LRLの上に配置される色変換層CCLを含む。色変換層CCLは、ベース樹脂BR及び量子点EBを含む。量子点EBは、ベース樹脂BRに分散される。
【0078】
色変換層CCLは、光源LSから提供された光の色を変換させて表示パネルDPに伝達する。例えば、光源LSから提供された光は、色変換層CCLを通過した後、白色光として表示パネルDPに提供されてもよい。
【0079】
ベース樹脂BRは量子点EBが分散される媒質であって、一般にバインダと称される多様な樹脂組成物からなる。但し、実施例はそれに限らず、本明細書において、量子点EBを分散配置させ得る媒質であれば、その名称、追加の他の機能、構成物質などに関わらずベース樹脂BRと称されてもよい。ベース樹脂BRは高分子樹脂である。例えば、ベース樹脂BRは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂などであってもよい。ベース樹脂BRは透明樹脂である。
【0080】
量子点EBは、光源LSから提供された光の波長を変換する粒子である。量子点EBは数ナノメートルサイズの結晶構造を有する物質であって、数百から数千個程度の原子からなり、小さいサイズのためエネルギーバンドギャップ(band gap)が大きくなる量子閉じ込め(Quantum confinement)効果を示す。量子点EBにバンドギャップよりエネルギーが高い波長の光が入射すれば、量子点EBはその光を吸収し、特定波長の光を放出する。放出された波長の光は、バンドギャップに当たる値を有する。量子点EBはそのサイズと組成などを調節すれば、量子閉じ込め効果による発光特性を調節することができる。
【0081】
量子点EBは、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びこれらの組合せから選択される。
【0082】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HeTe、MgSe、MgS、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HeSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HeZnSe、HeZnTe、MgZnSe、MgZnS、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群から選択される。
【0083】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びGaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択される。IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択される。IV族元素は、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群より選択される。IV族元素は、SiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物である。
【0084】
この際、二元化合物、三元化合物、または四元化合物は均一な濃度で粒子内に存在するか、濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同一粒子内に存在する。
【0085】
量子点EBは、コア(core)とコアを囲むシェル(shell)を含むコアシェル構造である。また、一つの量子点が他の量子点を囲むコア/シェル構造を有してもよい。コアとシェルの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有する。
【0086】
量子点EBは、ナノメータスケールのサイズを有する粒子である。量子点EBは約45nm以下、好ましくは約40nm以下、より好ましくは約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum、FWHM)を有し、この範囲で色純度や色再現性を向上させる。また、このような量子点EBを介して発光される光は全方向に放出されるゆえ、光視野角が向上する。
【0087】
また、量子点EBの形態は当分野で一般的に使用する形態であって、特に限らないが、より詳しくは、球状、ピラミッド状、多腕(multi-arm)状、立方体(cubic)のナノ粒子、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ繊維、ナノ板状粒子などの形態のものを使用する。
【0088】
一実施例において、色変換層CCLは入射した光を異なる波長領域の色に変換する複数の量子点EB1、EB2を含む。一実施例において、色変換層CCLは、例えば、光源LSから提供される第1波長領域の第1光を第2波長領域の第2光に変換して放出する第1量子点EB1、及び第1波長領域の第1光を第3波長領域の第3光に変換して放出する第2量子点EB2のうち少なくとも一つを含む。詳しくは、第1光は440nm以上460nm以下の波長領域で中心波長を有する光であり、第2光は520nm以上550nm以下の波長領域で中心波長を有する光であり、第3光は600nm以上650nm以下の波長領域で中心波長を有する光である。一方、第2量子点EB2は、第2光によって励起されて第3光を放出してもよい。
【0089】
光源LSから提供される光が青色光波長領域の第1光であれば、色変換層CCLは、青色光によって励起されて緑色光を放出する第1量子点EB1、及び青色光によって励起されて赤色光を放出する第2量子点EB2を含む。一方、青色光は440nm以上460nm以下の波長領域で中心波長を有する光であり、緑色光は520nm以上550nm以下の波長領域で中心波長を有する光であり、赤色光は600nm以上650nm以下の波長領域で中心波長を有する光である。しかし、青色光、緑色光、及び赤色光は提示した波長範囲の例示に限らず、本技術分野において青色光、緑色光、及び赤色光と認識される波長範囲を全て含むと理解すべきである。
【0090】
一方、量子点EB1、EB2は粒子サイズに応じて放出する光の色相が変化し、第1量子点EB1及び第2量子点EB2の粒子サイズは互いに異なる。例えば、第1量子点EB1の粒子サイズは、第2量子点EB2の粒子サイズより小さくてもよい。この際、第1量子点EB1は第2量子点EB2より短波長の光を放出する。
【0091】
図9を参照すると、一実施例の光源部材LUは、低屈折層LRLと色変換層CCLとの間に配置されるキャッピング層CPL、及び色変換部CCLの上に配置されるバリア層BLを更に含む。
【0092】
キャピング層CPLは、低屈折層LRLの上に配置されて低屈折層LRLを保護する保護層である。キャピング層CPLは、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物のうち少なくとも一つの無機物を含む無機物層である。キャピング層CPLは、低屈折層LRLの上に直接配置される。キャピング層CPLは、単一層または複数の層からなる。
【0093】
一実施例の光源部材LUにおいて、低屈折層LRLの厚さtLRは0.5μm以上2.5μm以下である。低屈折層LRLの厚さtLRが0.5μm未満であれば、低屈折層LRLはガイドパネルGPに提供される光に対する導光機能が低下する恐れがある。また、低屈折層LRLの厚さtLRが2.5μmを超過すれば、低屈折層LRL内にクラック(crack)が発生して膜変性が起こる恐れがある。
【0094】
キャピング層CPLの厚さtCPは0.2μm以上である。キャピング層CPLの厚さtCPが0.2μm未満であれば、高温及び/または高湿の信頼性テスト条件において低屈折層LRLを保護する保護層の機能が低下し、低屈折層LRLの信頼性が低下する恐れがある。
【0095】
図9を参照すると、色変換層CCLの上にはバリア層BLが配置される。バリア層BLは、色変換層CCLに水分及び/または酸素(以下、「水分/酸素」と称する)が浸透することを防ぐ役割をする。バリア層BLは色変換層CCLをカバーする。
【0096】
バリア層BLは、少なくとも一つの無機層BL-Iを含む。つまり、バリア層BLは無機物質を含んで形成される。例えば、バリア層BLは、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、錫酸化物、セリウム酸化物、及びシリコン酸窒化物や、光透過率が確保された金属薄膜などを含む少なくとも一つの無機層BL-Iからなってもよい。バリア層BLは有機膜BL-Oを更に含む。有機膜BL-Oは、少なくとも一つの無機層BL-Iの上に配置される。バリア層BLは、単一層または複数の層からなる。
【0097】
バリア層BLの少なくとも一つの無機層BL-Iの厚さtBL-Iは、キャッピング層CPLの厚さtCPと類似する。例えば、バリア層BLの少なくとも一つの無機層BL-Iの厚さtBL-Iは0.2μm以上であってもよい。少なくとも一つの無機層BL-Iの厚さtBL-Iが0.2μm以上であれば、色変換層CCLを水分/酸素から保護することができる。
【0098】
バリア層BLが有機膜BL-Oを含めば、有機膜BL-Oの厚さtBL-Oは約3μm以上である。有機膜BL-Oの厚さtBL-Oが3μm以上であれば、色変換層CCLを水分/酸素から効果的に保護することができる。
【0099】
図10A図4のBB部分をより詳細に示した断面図であり、光源部材の一部分を示している。図10B図4のBB部分に対応する部分をより詳細に示した一実施例の光源部材の一部分BB-1に対する断面図である。
【0100】
図10Aは、低屈折層LRL、キャッピング層CPL、及び色変換層CCLが順次に積層された一部分BBを示している。低屈折部LRLは、マトリックス部MX、低屈折体LR、及びボイドVDからなる。
【0101】
一方、図10Aに比べ、図10Bは、低屈折層LRL-1において色変換層CCLを形成するベース樹脂BRを更に含む。つまり、図10Bに示した一実施例による低屈折層LRL-1は、マトリックス部MX、低屈折体LR、及びボイドVD以外にベース樹脂BRを更に含んで構成される。
【0102】
ベース樹脂BRは色変換層CCLを構成するが、ベース樹脂BRはキャッピング層CPLのクラック部CPHを介して低屈折層LRL-1に浸透する。低屈折層LRL-1に浸透したベース樹脂BRは、マトリックス部MXを形成する樹脂と同じ物質であるか、または異なる物質であってもよい。
【0103】
ベース樹脂BRは、マトリックス部MXが詰められていない低屈折層LRL-1の一部分を充填する。例えば、ベース樹脂BRは、マトリックス部MXを囲んで低屈折層LRL-1を充填してもよい。図10Bを参照すると、ボイドVDはマトリックス部MXによって定義されて維持される。
【0104】
一方、図10Bに示したように、ボイドVDは充填されたベース樹脂BRによって定義される。例えば、一実施例において、低屈折層LRLは、低屈折体LR、マトリックス部MX、ベース樹脂BR以外に、マトリックス部MXで囲まれて定義されるボイドVD、及びベース樹脂BRで囲まれて定義されるボイドを含んでもよい。
【0105】
図11A及び図11Bは、異なるサイズの低屈折体を有する一実施例による低屈折層の一部を示す断面図である。図11A及び図11Bは、同じ面積を有する低屈折層LRL、LRL-bの断面をそれぞれ例示的に示している。
【0106】
図11Bは、図11Aに比べコア部分CRの直径が大きい低屈折体LR-1を含む場合を例示的に示している。図11Aはコア部分CRの直径がd1の低屈折体LRを含む低屈折層LRLであり、図11Bはコア部分CRの直径がd2の低屈折体LR-1を含む低屈折層LRL-bを示す断面図である。
【0107】
図11A及び図11Bに示した低屈折層LRL、LRL-bの屈折率が類似するとすれば、相対的に直径が大きい低屈折体LR-1を含む図11Bの低屈折層LRL-bの場合、相対的に直径が小さい低屈折体LRを含む図11Aの低屈折層LRLに比べボイドVDが占める面積が小さい。つまり、低屈折体LR、LR-1のコア部分CRの直径が大きくなるほど低屈折体LR、LR-1の内部気孔が大きくなり、それによって低屈折体LR、LR-1の屈折率も小さくなる。よって、低屈折層LRL、LRL-bが単位面積当たり同じ個数の低屈折体LR、LR-1を含むとすれば、相対的にコア部分が大きい直径を有する低屈折体LR-1を含む低屈折層LRL-bの場合、ボイドVDの面積割合を減少させても、相対的に小さい直径を有する低屈折体LRを含む低屈折層LRLと類似した屈折率を示す。
【0108】
つまり、低屈折層LRL、LRL-bの屈折率及び剥離力は、低屈折層LRL、LRL-bに含まれた低屈折体LR、LR-1の内部気孔のサイズ及びボイドVDの面積などを調節して制御される。
【0109】
表1は、一実施例の光源部材に含まれた低屈折層に対する評価結果を示している。表1には、実施例と比較例の低屈折層におけるボイドの面積割合及び剥離力の評価結果を示した。
【0110】
表1で示した剥離力は、低屈折層に対するクロスカットテスト(Cross-cut Test、ASTM D3359)を行って評価した剥離力のレベルを示す。剥離力は実施例と比較例の低屈折層を格子状に切断(Cross cutting)し、次に、切断された低屈折層の上に減圧性粘着テープを取り付けた後、180°の角度で取り付けられた粘着テープを素早く剥離して評価した。剥離力の程度は0から5のレベルで評価しており、0はカッティングされた部分が粘着テープの剥離後65%以上除去された場合を示し、5は粘着テープを剥離する際にカッティングされた部分が除去されていない状態を示す。
【0111】
一方、ボイドの面積割合(%)は、低屈折層の断面を撮影したSEMイメージ分析を利用して計算した。ボイドの面積割合(%)は、撮影した低屈折層の断面イメージにおいて、低屈折層の単位面積に対してボイドが占める面積割合で示した。
【0112】
図12Aは比較例における低屈折層LRL’の断面を示すSEMイメージであり、図12Bは実施例における低屈折層LRLの断面を示すSEMイメージである。ボイドVD’、VDの面積割合は、低屈折層LRL’、LRLの断面イメージにおいて、単位面積に当たるCC’及びCC領域に当たる部分におけるボイドVD’、VDの面積を計算して示した。
【0113】
【表1】
【0114】
表1の結果を参照すると、低屈折層において、ボイドの面積が20%以下に制御されれば、低屈折層の剥離力が改善されることが分かる。
【0115】
一実施例の光源部材は、ガイドパネルと色変換層との間に低屈折層を含むことで、光源から提供された光を色変換層の方向に効果的に伝達されるようにし、低屈折層におけるボイドの面積を20%以下に制御し、低屈折層の剥離力を向上させることで改善された信頼性を示す。つまり、一実施例の光源部材は低屈折層を含むが、低屈折層は内部気孔を有する低屈折対とボイドで定義される外部気孔を含むことで、低い屈折率を維持し、ガイドパネルと共に光ガイドの役割をする。また、一実施例の光源部材において、低屈折層はボイドに当たる外部気孔の面積割合を20%以下に制御し、隣り合う層に対する低屈折層の剥離力を増加させることで、改善された信頼性を示す。
【0116】
図1乃至図3を更に参照すると、一実施例の表示装置DDは、光源部材LU、及び光源部材LUの上に配置される表示パネルDPを含み、表示パネルDPは互いに向い合う第1基板SUB1及び第2基板SUB2と、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に配置される液晶層LCLを含む液晶表示パネルである。
【0117】
一方、一実施例の表示装置DDにおいて、光源部材LUと表示パネルDPとの間は離隔されている。例えば、光源部材LUと表示パネルDPとの間には別途の接着部材が配置されずに、表示パネルDPが光源部材LUの上に提供されてもよい。詳しくは、光源部材LUと表示パネルDPとの間にはエアギャップ(Air gap)が定義される。
【0118】
一実施例の表示装置DDは、上述した一実施例の光源部材LUを含む。一実施例の表示装置DDに含まれた光源部材LUについては、上述した一実施例の光源部材LUに関する説明が同じく適用される。
【0119】
つまり、一実施例の表示装置DDにおいて、光源部材LUは光ガイド機能をするための低屈折層LRLを含み、低屈折層LRLは隣り合うガイドパネルGPまたは色変換層CCLと良好な接着力を有するために、全体の低屈折層LRLの面積の20%以下の面積割合を有するボイドVD(図7)を含む。また、一実施例の表示装置DDにおいて、光源部材LUがキャッピング層CPLを含めば、低屈折層LRLは隣り合うガイドパネルGPまたはキャッピング層CPLと良好な接着力を有するために、全体の低屈折層LRLの面積の20%以下の面積割合を有するボイドVD(図7)を含む。
【0120】
一実施例の表示装置は、光源部材に量子点を含む色変換層及びボイドの面積割合を制御した低屈折層を含むことで、高い色再現性と良好な信頼性結果を示す。つまり、一実施例の表示装置は、光ガイド機能をするために取り入れられた低屈折層におけるボイドの面積割合を制御し、隣り合う光学部材との剥離力を改善しており、それによって低屈折層が良好な光ガイド機能をしながらも優秀な信頼性を有するようにすることで、改善された品質を示す。
【0121】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0122】
BD ボディ部
BL バリア層
BL-I 無機層
BL-O 有機膜
BR ベース樹脂
CCL 色変換層
CP 出光パターン部
CPH クラック部
CPL キャッピング層
CR コア部分
DD 表示装置
DP 表示パネル
EB、EB1、EB2 量子点
GP ガイドパネル
GP-B 下部面
GP-I 入光面
GP-T 出光面
HAU 筐体
IS 表示面
LCL 液晶層
LCP、LGP、LIN、LTP 光
LD、LD-b 発光素子パッケージ
LD-O 発光面
LED 発光素子
LF1、LF2 リードフレーム
LR、LR-1 低屈折体
LRL、LRL’、LRL-1、LRL-b 低屈折層
LS、LS-a、LS-b 光源
LU 光源部材
MX マトリックス部
PB 回路基板
PP 蛍光体
RF 反射層
SL、SL-b シーリング部
SP シェル部分
SR 充填レジン
SUB1 第1基板
SUB2 第2基板
VD、VD’ ボイド
WL1、WL2 連結電線
XY 単位面積
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B