(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】照明器具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20231106BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231106BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231106BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231106BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231106BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231106BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V19/00 510
F21V23/00 160
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019228007
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】池谷 博文
(72)【発明者】
【氏名】梶田 明
【審査官】的場 眞夢
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134916(JP,A)
【文献】特開2016-213095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部と前記基板部の両側に設けられた一対の側板部とを有する器具本体と、
前記器具本体に灯具を固定するための連結バネと、
前記器具本体の前記基板部に固定され、前記連結バネが取り付けられる連結バネ取付金具と、
を備え、
前記連結バネ取付金具は、
前記基板部に固定された固定片と、
前記固定片から立った壁片と、
前記壁片のうち前記固定片に繋がった一端部とは反対側の他端部に繋がり、前記連結バネを取り付けた取付片と、
を有し、
前記器具本体は、前記連結バネ取付金具の前記固定片とは反対側にて前記連結バネ取付金具を位置決めするための位置決め部を有する照明器具。
【請求項2】
前記連結バネ取付金具は、前記一対の側板部のそれぞれに接触した一対のガイド部を有する請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ガイド部は、平面状のガイド面部である請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記ガイド部の端部が嵌め込まれる輪部である請求項
2又は請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記位置決め部は、前記取付片が位置決めされる突起部である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記連結バネ取付金具は、前記取付片から伸びて前記基板部に接触した支持片を有する請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記連結バネ取付金具は、前記支持片から伸びて前記基板部に接触した接触片を有する請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記基板部には、前記接触片が差し込まれるスリットが形成され、
前記接触片は、前記スリットに差し込まれた状態で前記基板部における前記連結バネ取付金具の設置側とは反対側に接触している請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記連結バネ取付金具は、前記器具本体の内部に配置される電線を保持するための電線保持具を有する請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記取付片には、前記電線保持具が取り付けられる取付孔が形成され、
前記取付孔は、前記電線保持具が差し込まれる差込孔部と、前記差込孔部に差し込まれた前記電線保持具をスライドさせて保持するためのスライド孔部と、を有する請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記取付孔は、前記連結バネを挟んで一対に形成されている請求項10に記載の照明器具。
【請求項12】
前記一対の取付孔は、互いに逆向きに形成されている請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
前記電線保持具は、前記取付孔に差し込まれた保持部と前記側板部側に前記電線を接近させた接近部とを有するL字形状に1つ設けられ、逆向きに形成された前記一対の取付孔のどちらかに差し込まれた前記電線保持具の前記接近部を前記一対の側板部のうち前記電線保持具が差し込まれた前記取付孔側の前記側板部に接近させて取り付けられている請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
前記基板部に前記固定片を固定するための第1固定部材を有する請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項15】
前記取付片は、前記連結バネが差し込まれる差込部を有する請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項16】
前記取付片に前記連結バネを固定するための第2固定部材を有する請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項17】
前記灯具は、光を照射する光源部を実装した長尺状であり、
前記器具本体は、長尺状の前記灯具を取り付けた長手方向に長い矩形形状であり、
前記連結バネ及び前記連結バネ取付金具は、前記器具本体の長手方向一端部と長手方向他端部とに一対設けられている請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項18】
光を照射する光源部を有する灯具と、
請求項1~請求項17のいずれか1項に記載の照明器具と、
を備える照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具を固定する連結バネを器具本体に取り付けた連結バネ取付金具を備える照明器具及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、灯具を器具本体に取り付ける場合に、連結バネ部を介して灯具を器具本体に固定する台部を備える照明器具が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、連結バネ取付金具としての台部の両側のそれぞれが固定部材によって固定されている。このため、連結バネ取付金具が固定される場合に、両側が自由状態の連結バネ取付金具の初めに固定部材によって固定する一方側は、位置決めし難い。したがって、連結バネ取付金具が器具本体の固定箇所に対して位置ずれを生じ易く、位置決めに時間がかかり、施工効率が低下する課題がある。
【0005】
本開示では、上記課題が解決されるものであり、連結バネ取付金具が器具本体の固定箇所に対して位置ずれを生じ難く、位置決めが容易になり、施工効率が向上できる照明器具及び照明装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、基板部と前記基板部の両側に設けられた一対の側板部とを有する器具本体と、前記器具本体に灯具を固定するための連結バネと、前記器具本体の前記基板部に固定され、前記連結バネが取り付けられる連結バネ取付金具と、を備え、前記連結バネ取付金具は、前記基板部に固定された固定片と、前記固定片から立った壁片と、前記壁片のうち前記固定片に繋がった一端部とは反対側の他端部に繋がり、前記連結バネを取り付けた取付片と、を有し、前記器具本体は、前記連結バネ取付金具の前記固定片とは反対側にて前記連結バネ取付金具を位置決めするための位置決め部を有するものである。
【0007】
本開示に係る照明装置は、光を照射する光源部を有する灯具と、上記の照明器具と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明器具及び照明装置によれば、器具本体は、連結バネ取付金具の固定片とは反対側にて連結バネ取付金具を位置決めするための位置決め部を有する。このため、連結バネ取付金具の片側が位置決め部に位置決めされた状態でもう片側が固定できる。したがって、連結バネ取付金具が器具本体の固定箇所に対して位置ずれを生じ難く、位置決めが容易になり、施工効率が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置をY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る灯具を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具における
図5のC部を示す拡大図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具を示す部分下視図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明器具を
図7のB-B線断面にて示す部分断面図である。
【
図9】実施の形態1に係る連結バネ取付金具及び位置決め部を位置決め部側から見て示す斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る連結バネ取付金具及び位置決め部を連結バネ取付金具側から見て示す斜視図である。
【
図11】実施の形態1に係る連結バネ取付金具を示す下視図である。
【
図12】実施の形態1に係る連結バネ取付金具をY方向から見て示す背面側の側面図である。
【
図13】実施の形態1に係る連結バネ取付金具をX方向から見て示す右側の側面図である。
【
図14】実施の形態1に係る連結バネ取付金具をY方向から見て示す正面側の側面図である。
【
図15】実施の形態1に係る連結バネ取付金具をX方向から見て示す左側の側面図である。
【
図16】実施の形態1に係る連結バネ取付金具を示す上視図である。
【
図17】実施の形態2に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態2に係る照明器具をY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。
【
図19】実施の形態3に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図20】実施の形態3に係る照明器具をY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。
【
図21】実施の形態3に係る連結バネ取付金具及び位置決め部を位置決め部側から見て示す斜視図である。
【
図22】実施の形態3に係る連結バネ取付金具及び位置決め部を連結バネ取付金具側から見て示す斜視図である。
【
図23】実施の形態3に係る連結バネ取付金具を示す下視図である。
【
図24】実施の形態3に係る連結バネ取付金具をY方向から見て示す背面側の側面図である。
【
図25】実施の形態3に係る連結バネ取付金具をX方向から見て示す右側の側面図である。
【
図26】実施の形態3に係る連結バネ取付金具をY方向から見て示す正面側の側面図である。
【
図27】実施の形態3に係る連結バネ取付金具をX方向から見て示す左側の側面図である。
【
図28】実施の形態3に係る連結バネ取付金具を示す上視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下には、図面に基づいて実施の形態が説明されている。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、断面図の図面においては、視認性に鑑みて適宜ハッチングが省略されている。さらに、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
<照明装置1の構成>
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1を示す分解斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置1をY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。
【0012】
図1、
図2及び
図3に示されるように、照明装置1は、長尺に形成された灯具3と、被取付部9に設置されて灯具3を取り付けた照明器具2と、を備える。照明装置1は、天井である被取付部9に取り付けられている。
【0013】
<灯具3の構成>
灯具3は、光源を実装してX方向に伸びた長尺状である。
図3に示されるように、灯具3は、複数の発光素子321と、複数の発光素子321を実装した基板320と、を有し、光を照射する光源部32を備える。また、灯具3は、光源部32を取り付けた台座30を備える。さらに、灯具3は、光源部32を覆って台座30に取り付けられたカバー31を備える。
【0014】
カバー31は、光源部32から照射される光を拡散制御する。また、灯具3は、カバー31の端部を覆ったカバー端部317と、照明器具2に対して固定されるための連結金具34と、光源部32を点灯させる制御部33と、を備える。
【0015】
光源部32は、照明装置1のX方向である長手方向と略同じの長尺に形成されている。また、複数の発光素子321は、基板320のX方向に並べて配置されている。
【0016】
なお、基板320は、リジットタイプ又はフレキシブルタイプなどを例に挙げられる。また、基板320に実装された複数の発光素子321は、LED又はLED以外の発光する素子、具体的には、有機ELあるいはレーザなどを用いている。
【0017】
台座30は、X方向に伸びた長尺の板状である。台座30は、光源部32を取り付けた略矩形状の台座主部300と、台座主部300のX方向である長手方向の両側端部からそれぞれ垂直に伸びた台座側部と、を備える。
【0018】
カバー31は、台座30と同様にX方向に伸びた長尺に形成されている。カバー31は、台座30の台座側部に係合させた係合部316を備える。また、カバー31は、係合部316の台座主部300側の端部から台座主部300の内側へ形成された出射部311を備える。
【0019】
出射部311は、係合部316の台座主部300側の端部から台座主部300の外側に形成された凸曲断面形状の主部312と、主部312の端部から光源部32を覆った凹曲断面形状の側部313と、を有する。
【0020】
なお、カバー31は、アクリル又はポリカーボネートなどの樹脂部材によって形成されている。
【0021】
カバー端部317は、カバー31の主部312及び側部313と台座30の台座主部300とによって空間に形成された端面開口に嵌まり込み、その端面開口を塞いでいる。なお、カバー端部317は、ポリカーボネートといった樹脂部材から形成されている。
【0022】
連結金具34は、略断面U字形状に形成されている。連結金具34は、金具固定片342と、連結バネ係合孔341と、が形成された係合開口部340を有する。金具固定片342は、台座30を固定している。連結バネ係合孔341は、照明器具2に配置されて連結バネ28を係合している。
【0023】
連結金具34は、台座30からZ方向における取付側に立ち上がっている。連結金具34は、連結バネ係合孔341を形成した立上げ部の一例である。また、後述する照明器具2が有する連結バネ28は、連結バネ係合孔341に挿入され、台座30をZ方向における取付側に引き付けている。
【0024】
図4は、実施の形態1に係る灯具3を示す斜視図である。
図4に示されるように、制御部33は、台座主部300における光源部32を取り付けた第1面301の反対側の第2面302に固定されている。制御部33は、複数の発光素子321を点灯させる。制御部33は、台座30のX方向である長手方向の略中央部に設置されている。
【0025】
制御部33は、照明器具2に配置された器具端子台を介して商用電源からの電力を光源部32に供給し、複数の発光素子321を点灯させる。制御部33は、図示しない電源回路が内蔵されて長尺形状をした電源本体部と、図示しない器具端子台の端子台接続部に接続される電源接続部と、を有する。
【0026】
電源接続部は、給電線87と、給電線87の先端に設けられて端子台接続部の端子台コネクタに接続される電源コネクタと、を有する。
【0027】
<照明器具2の構成>
図1、
図2及び
図3に示されるように、照明器具2は、器具本体20を有する。器具本体20は、長尺状の灯具3を取り付けたX方向である長手方向に長い矩形形状である。器具本体20は、基板部200と、基板部200のY方向の両端に設けられた一対の側板部204と、を有する。各側板部204には、後述する連結バネ取付金具26を位置決めするための位置決め部207が形成されている。
【0028】
照明器具2は、器具本体20のX方向である長手方向の両端部のそれぞれを塞ぐ器具蓋部21を有する。器具蓋部21は、Z方向に広がった平板部210と、平板部210のZ方向端縁部から照明器具2のX方向の中央部に向かってX方向に屈曲した側面部212と、を有する。
【0029】
平板部210には、複数の器具本体20を長手方向に連結させたときに、電線などを挿通させる連結孔211が形成されている。連結孔211は、ノックダウン式などによって形成されている。連結孔211は、ペンチなどでねじることで、容易に取外しできる。
【0030】
図5は、実施の形態1に係る照明器具2を示す分解斜視図である。
図5に示されるように、照明器具2は、器具本体20に灯具3を固定するための連結バネ28を有する。照明器具2は、器具本体20の基板部200に固定され、連結バネ28を取り付けた連結バネ取付金具26を有する。連結バネ28及び連結バネ取付金具26は、器具本体20のX方向である長手方向の一端部とX方向である長手方向の他端部とに一対設けられている。連結バネ取付金具26は、連結バネ28と後述する電線保持具29とを基板部200と器具本体20の開口との間に配置している。
【0031】
側面部212には、図示しないZ方向に屈曲して伸びた侵入部が形成されている。侵入部は、ネジなどの第3固定部材6によって固定されている。
【0032】
図6は、実施の形態1に係る照明器具2における
図5のC部を示す拡大図である。
図7は、実施の形態1に係る照明器具2を示す部分下視図である。
図8は、実施の形態1に係る照明器具2を
図7のB-B線断面にて示す部分断面図である。
【0033】
図6に示されるように、連結バネ取付金具26は、固定片268と、壁片266と、取付片260と、支持片265と、を有する。固定片268は、X方向に伸びた基板部200に固定されている。固定片268には、2つの固定孔269が形成されている。壁片266は、固定片268からZ方向に沿って立っている。取付片260は、壁片266のうち固定片268に繋がった一端部とは反対側の他端部に繋がり、連結バネ28を取り付けている。取付片260は、壁片266からX方向に沿って固定片268とは反対側に伸びている。取付片260には、連結バネ28を固定する1つのバネ孔263が形成されている。支持片265は、取付片260から伸びて壁片266に対向し、基板部200に接触している。
【0034】
図6、
図7及び
図8に示されるように、器具本体20は、連結バネ取付金具26のX方向における固定片268とは反対側にて連結バネ取付金具26を位置決めするための位置決め部207を有する。位置決め部207は、取付片260を位置決めした突起部である。位置決め部207は、一対の側板部204のそれぞれにX方向における同じ位置に形成されている。位置決め部207は、側板部204を器具本体20の内側にプレスして断面U字形状に形成されている。位置決め部207は、X方向における器具蓋部21側の端面の平面部を取付片260の一部に当接させて連結バネ取付金具26を位置決めしている。
【0035】
図6及び
図8に示されるように、連結バネ取付金具26は、一対の側板部204のそれぞれに接触した一対のガイド部270を有する。ガイド部270は、側板部204の縁部から屈曲してZ方向に伸びた平面状のガイド面部である。
【0036】
図6、
図7及び
図8に示されるように、照明器具2は、基板部200に固定片268を固定したネジなどの第1固定部材7を有する。
【0037】
取付片260は、連結バネ28を差し込む差込部262を有する。照明器具2は、取付片260に連結バネ28を固定したネジなどの第2固定部材8を有する。取付片260には、一対の取付孔271が形成されている。一対の取付孔271は、連結バネ28を挟んで対に形成され、かつ、連結バネ28に対して互いに逆向きに形成されている。
【0038】
連結バネ28は、差込部262に挿入されて係り合う円弧状の連結バネ円弧部と、取付片260に固定される連結バネ固定部と、を有する。連結バネ28は、第2固定部材8によって取付片260に取り付けられている。連結バネ28は、差込部262からZ方向に凸曲面形状にたわんで弾性力を有する板連結バネである。すなわち、連結バネ28は、Z方向である上下方向に弾性力を有する。
【0039】
連結バネ取付金具26は、器具本体20の内部に配置される電線80を保持する電線保持具29を有する。電線80には、灯具3に接続される電線、いわゆる送り電線などが含まれる。電線保持具29は、取付孔271に差し込まれた突起部を有する保持部291と、側板部24側に電線80を接近させた接近部292と、を有するL字形状に1つ設けられている。電線保持具29は、逆向きに形成された一対の取付孔271のどちらかに接近部292を一対の側板部204のどちらか近いほうに接近させて取り付けられている。これにより、電線80が連結バネ28に接触しない。また、連結バネ28付近における電線80は、基板部200よりも器具本体20の開口側にて作業者によって保持作業できる。このように、電線80の保持作業及び保持状態は、器具本体20の開口側から視認できる。このとき、連結バネ取付金具26は、作業者の作業の妨げにならない。
【0040】
図8に示されるように、連結バネ取付金具26は、支持片265から伸びて基板部200に接触した接触片267を有する。基板部200には、接触片267が差し込まれるスリット201が形成されている。接触片267は、スリット201に差し込まれた状態で基板部200における連結バネ取付金具26の設置側とは反対側に接触している。
【0041】
<連結バネ取付金具26及び位置決め部207の関係>
図9は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26及び位置決め部207を位置決め部207側から見て示す斜視図である。
図10は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26及び位置決め部207を連結バネ取付金具26側から見て示す斜視図である。
【0042】
図9及び
図10に示されるように、取付片260の一部には、支持片265の無い一対の切り欠き部が形成されている。一対の位置決め部207は、X方向における器具蓋部21側の端面の平面部を取付片260の一対の切り欠き部にそれぞれ当接させて位置決めしている。なお、支持片265は、切り欠き部からZ方向に沿って端縁部を形成している。
【0043】
<連結バネ取付金具26の詳細>
図11は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26を示す下視図である。
図12は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26をY方向から見て示す背面側の側面図である。
図13は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26をX方向から見て示す右側の側面図である。
図14は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26をY方向から見て示す正面側の側面図である。
図15は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26をX方向から見て示す左側の側面図である。
図16は、実施の形態1に係る連結バネ取付金具26を示す上視図である。
【0044】
図11、
図12、
図13、
図14、
図15及び
図16に示されるように、取付片260には、電線保持具29を取り付ける一対の取付孔271が形成されている。一対の取付孔271は、電線保持具29を差し込む差込孔部272と、差込孔部272に差し込んだ電線保持具29をスライドさせて保持するスライド孔部273と、を有する。一対の取付孔271は、互いの差込孔部272とスライド孔部273とをX方向に沿って逆向きに形成されている。
【0045】
<照明装置1の被取付部9への取り付け方法>
以下に、照明装置1を被取付部9に取り付ける方法が説明されている。
【0046】
(1)初めに、器具本体20が被取付部9に固定される。器具本体20は、基板部200が被取付部9側に配置され、図示しない固定具によって固定される。このとき、図示しない電源孔を通して外部から電源電線が図示しない引き込み端子台の入力部に接続される。
【0047】
(2)次に、器具本体20に配設された連結バネ28の連結バネ円弧部の先端は、灯具3の連結金具34の係合開口部340に引っ掛けられる。
【0048】
(3)さらに、灯具3の一部が器具本体20における基板部200と一対の側板部204とによって形成された凹部内側に挿入され、灯具3が器具本体20側に押し込まれる。
【0049】
このとき、連結バネ28の連結バネ円弧部が係合開口部340の縁部を摺動し、連結バネ28が灯具3を器具本体20側に引き込ませる。それと同時に、灯具3が器具蓋部21の図示しない光源受部に当接し、灯具3が器具本体20に固定される。また、連結金具34の連結部の先端が連結バネ取付金具26の取付片260と接触する。これにより、灯具3についての器具本体20の凹部内側への入り込み過ぎが防止されている。つまり、X方向両端部の2つの連結バネ取付金具26は、灯具3についての器具本体20の凹部内側における位置決め機能を発揮している。
【0050】
なお、実施の形態1では、一例として天井が被取付部9として説明されている。しかし、被取付部9は、天井に限るものではなく、レースウェイといった構造体であっても良い。
【0051】
<実施の形態1の効果>
実施の形態1によれば、照明器具2は、基板部200と基板部200の両側に設けられた一対の側板部204とを有する器具本体20を備える。照明器具2は、器具本体20に灯具3を固定する連結バネ28を備える。照明器具2は、器具本体20の基板部200に固定され、連結バネ28を取り付けた連結バネ取付金具26を備える。連結バネ取付金具26は、基板部200に固定された固定片268を有する。連結バネ取付金具26は、固定片268から立った壁片266を有する。連結バネ取付金具26は、壁片266のうち固定片268に繋がった一端部とは反対側の他端部に繋がり、連結バネ28を取り付けたった取付片260を有する。器具本体20は、連結バネ取付金具26の固定片268とは反対側にて連結バネ取付金具26を位置決めした位置決め部207を有する。
【0052】
この構成によれば、連結バネ取付金具26の片側が位置決め部207に位置決めされた状態でもう片側が第1固定部材7によって固定される。したがって、連結バネ取付金具26が器具本体20の固定箇所に対してX方向及びZ方向の位置ずれを生じ難く、位置決めが容易になり、施工効率が向上できる。また、連結バネ取付金具26は、X方向における器具本体20の中央部側へ向かう連結バネ28の反力に対抗し、連結バネ取付金具26のX方向に沿った器具本体20の中央部側への移動が制限できる。さらに、Z方向における連結バネ28の位置、すなわち灯具3の装着位置が適正化でき、灯具3に応力が加わり続けたり照明器具2と灯具3との間に隙間が発生したりすることが防止できる。それにより、X方向に沿った照明器具2と灯具3との間の隙間がアンバランスにならず、照明装置1の見映えが良い。
【0053】
実施の形態1によれば、連結バネ取付金具26は、一対の側板部204のそれぞれに接触した一対のガイド部270を有する。
【0054】
この構成によれば、連結バネ取付金具26が器具本体20に取り付けられるときに、一対のガイド部270のそれぞれがY方向にて一対の側板部204のそれぞれに接触し、連結バネ取付金具26が器具本体20の固定位置に案内できる。Y方向における連結バネ28の位置、すなわち灯具3の装着位置が適正化でき、Y方向における照明器具2の中心と灯具3の光軸とが一致できる。
【0055】
実施の形態1によれば、ガイド部270は、平面状のガイド面部である。
【0056】
この構成によれば、ガイド面部が平面状であるので、一対のガイド面部のそれぞれが一対の側板部204のそれぞれに安定して面接触できる。
【0057】
実施の形態1によれば、位置決め部207は、取付片260が位置決めされる突起部である。
【0058】
この構成によれば、連結バネ取付金具26の片側に設けられた取付片260が位置決め部207としての突起部に位置決めされた状態でもう片側の固定片268が固定できる。
【0059】
実施の形態1によれば、連結バネ取付金具26は、取付片260から伸びて基板部200に接触した支持片265を有する。
【0060】
この構成によれば、連結バネ取付金具26が基板部200に支持片265を接触させて位置決めできる。
【0061】
実施の形態1によれば、連結バネ取付金具26は、支持片265から伸びて基板部200に接触した接触片267を有する。
【0062】
この構成によれば、連結バネ取付金具26が基板部200に接触片267を接触させて安定して位置決めできる。
【0063】
実施の形態1によれば、基板部200には、接触片267を差し込んだスリット201が形成されている。接触片267は、スリット201に差し込まれた状態で基板部200における連結バネ取付金具26の設置側とは反対側に接触している。
【0064】
この構成によれば、連結バネ取付金具26がスリット201に接触片267を差し込ませた状態で基板部200に接触片267を接触させて安定して位置決めできる。
【0065】
実施の形態1によれば、連結バネ取付金具26は、灯具3に接続される電線80を保持する電線保持具29を有する。
【0066】
この構成によれば、電線80は、連結バネ取付金具26の電線保持具29によって保持できる。
【0067】
実施の形態1によれば、取付片260には、電線保持具29が取り付けられる取付孔271が形成されている。取付孔271は、電線保持具29が差し込まれる差込孔部272を有する。取付孔271は、差込孔部272に差し込まれた電線保持具29をスライドさせて保持するためのスライド孔部273を有する。
【0068】
この構成によれば、電線保持具29は、他の部品を用いずに連結バネ取付金具26に固定できる。
【0069】
実施の形態1によれば、取付孔271は、連結バネ28を挟んで一対に形成されている。
【0070】
この構成によれば、電線保持具29は、一対の取付孔271のうち連結バネ28を挟んだいずれか片側の取付孔271に取り付けられ、1本の電線80を保持できる。
【0071】
実施の形態1によれば、一対の取付孔271は、互いに逆向きに形成されている。
【0072】
この構成によれば、連結バネ取付金具26が側板部204側に1本の電線80を接近させて保持する場合に、1つの同形状の電線保持具29が一対の取付孔271のいずれに取り付けられても、1本の電線80が側板部204側に接近させて保持できる。
【0073】
実施の形態1によれば、電線保持具29は、取付孔271に差し込まれた保持部291と側板部204側に電線80を接近させた接近部292とを有するL字形状に1つ設けられている。電線保持具29は、逆向きに形成された一対の取付孔271のどちらかに差し込まれた電線保持具29の接近部292を、一対の側板部204のうち電線保持具29が差し込まれた取付孔271側の側板部204に接近させて取り付けられている。
【0074】
この構成によれば、連結バネ取付金具26が一対の側板部204のいずれかの側板部204側に1本の電線80を接近させて保持する。この場合に、保持部291と接近部292とを有するL字形状の電線保持具29が一対の取付孔271のいずれかに取り付けられることになる。そのときでも、接近部292は、一対の側板部204のうち電線保持具29が差し込まれた取付孔271側の側板部204に接近する。そして、電線保持具29が正しく取り付けられる。これにより、1本の電線80が側板部204側に接近させて保持できる。
【0075】
実施の形態1によれば、照明器具2は、基板部200に固定片268を固定するための第1固定部材7を有する。
【0076】
この構成によれば、連結バネ取付金具26の片側に設けられた取付片260が位置決め部207の突起部に位置決めされた状態でもう片側の固定片268が第1固定部材7によって固定される。
【0077】
実施の形態1によれば、取付片260は、連結バネ28を差し込む差込部262を有する。
【0078】
この構成によれば、連結バネ28が取付片260の差込部262に差し込まれて位置固定された状態で容易に固定できる。
【0079】
実施の形態1によれば、照明器具2は、取付片260に連結バネ28を固定するための第2固定部材8を有する。
【0080】
この構成によれば、連結バネ28が取付片260の差込部262に差し込まれて位置固定された状態で第2固定部材8によって容易に固定できる。
【0081】
実施の形態1によれば、灯具3は、光を照射する光源部32を実装した長尺状である。器具本体20は、長尺状の灯具3を取り付けた長手方向に長い矩形形状である。連結バネ28及び連結バネ取付金具26は、器具本体20の長手方向一端部と長手方向他端部とに一対設けられている。
【0082】
この構成によれば、灯具3は、一対の連結バネ28及び連結バネ取付金具26によって器具本体20に必要最低限の部品数で固定できる。
【0083】
実施の形態1によれば、照明装置1は、光を照射する光源部32を有する灯具3を備える。照明装置1は、上記の照明器具2を備える。
【0084】
この構成によれば、照明器具2を備える照明装置1では、連結バネ取付金具26が器具本体20の固定箇所に対して位置ずれを生じ難く、位置決めが容易になり、施工効率が向上できる。
【0085】
実施の形態2.
図17は、実施の形態2に係る照明装置1aを示す斜視図である。
図18は、実施の形態2に係る照明器具2aをY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。実施の形態2では、実施の形態1と同事項が省略され、その特徴部分のみが説明されている。
【0086】
図17に示されるように、照明装置1aは、直付け型のうちVタイプを用いたものである。照明装置1aは、照明器具2aと、灯具3と、を備える。照明器具2aは、器具本体20aを有する。器具本体20aは、X方向における両端部に器具端部21aを有する。
【0087】
図18に示されるように、器具本体20aは、Y方向の中央部の凹部における照明器具2aにおける一対の側板部204の両側下端部を中心としてY方向の両側にそれぞれ傾斜部208を有する。これによっても、実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0088】
実施の形態3.
図19は、実施の形態3に係る照明装置1bを示す斜視図である。
図20は、実施の形態3に係る照明器具2bをY方向及びZ方向の断面にて示す断面図である。実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2と同事項が省略され、その特徴部分のみが説明されている。
【0089】
図19に示されるように、照明装置1bは、埋込型を用いたものである。埋込型の照明装置1bは、一般的に送り電線を必要としないので、電線保持具が必須ではない。照明装置1bは、照明器具2bと、灯具3と、を備える。照明器具2bは、器具本体20bを有する。器具本体20bは、X方向における両端部に器具端部21bを有する。
【0090】
図20に示されるように、器具本体20bは、Y方向の中央部の凹部の中心から両側にそれぞれ反射部209を有する。各側板部204には、連結バネ取付金具26を位置決めした位置決め部207cが形成されている。
【0091】
図21は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26c及び位置決め部207cを位置決め部207c側から見て示す斜視図である。
図22は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26c及び位置決め部207cを連結バネ取付金具26c側から見て示す斜視図である。
図23は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cを示す下視図である。
図24は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cをY方向から見て示す背面側の側面図である。
図25は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cをX方向から見て示す右側の側面図である。
図26は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cをY方向から見て示す正面側の側面図である。
図27は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cをX方向から見て示す左側の側面図である。
図28は、実施の形態3に係る連結バネ取付金具26cを示す上視図である。
【0092】
図21、
図22、
図23、
図24、
図25、
図26、
図27及び
図28に示されるように、取付片260の一部には、支持片265の無い一対の切り欠き部が形成されている。一対のガイド部270cのそれぞれは、X方向における端部に一対のガイド面部の端部274を有する。一対の位置決め部207cは、輪部である。一対の位置決め部207cとしての輪部は、一対の端部274をそれぞれ嵌め込んで位置決めしている。
【0093】
<実施の形態3の効果>
実施の形態3によれば、位置決め部207cは、ガイド部270cの端部274が嵌め込まれる輪部である。
【0094】
この構成によれば、連結バネ取付金具26cの片側に設けられたガイド部270cの端部274が位置決め部207cとしての輪部に嵌め込まれて位置決めされた状態でもう片側の固定片268が固定される。
【符号の説明】
【0095】
1 照明装置、1a 照明装置、1b 照明装置、2 照明器具、2a 照明器具、2b 照明器具、3 灯具、6 第3固定部材、7 第1固定部材、8 第2固定部材、9 被取付部、20 器具本体、20a 器具本体、20b 器具本体、21 器具蓋部、21a 器具端部、21b 器具端部、24 側板部、26 連結バネ取付金具、26c 連結バネ取付金具、28 連結バネ、29 電線保持具、30 台座、31 カバー、32 光源部、33 制御部、34 連結金具、80 電線、87 給電線、150 連結金具、200 基板部、201 スリット、204 側板部、207 位置決め部、207c 位置決め部、208 傾斜部、209 反射部、210 平板部、211 連結孔、212 側面部、260 取付片、262 差込部、263 バネ孔、265 支持片、266 壁片、267 接触片、268 固定片、269 固定孔、270 ガイド部、270c ガイド部、271 取付孔、272 差込孔部、273 スライド孔部、274 端部、291 保持部、292 接近部、300 台座主部、301 第1面、302 第2面、311 出射部、312 主部、313 側部、316 係合部、317 カバー端部、320 基板、321 発光素子、340 係合開口部、341 連結バネ係合孔、342 金具固定片。