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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】フィルター基材のための触媒結合剤
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20231106BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20231106BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B01J35/04 301E
B01J35/04 301P
B01D53/94 222
B01D53/94 241
B01D53/94 245
B01D53/94 280
F01N3/022 C ZAB
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019503336
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 IB2017054433
(87)【国際公開番号】W WO2018015930
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-04-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】62/365,418
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラー, ガイ
(72)【発明者】
【氏名】フラナガン, キース
(72)【発明者】
【氏名】マーヴェル, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】グリーン, アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, ポール
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】金 公彦
【審判官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-121055(JP,A)
【文献】特開2012-148272(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0356266(US,A1)
【文献】特表2014-525822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
B01D 53/86-53/90
B01D 53/94-53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.多孔質壁を有するハニカムウォールフロー型フィルター;
b.多孔質壁の少なくとも一部上及び/又は一部内に配置される触媒ウォッシュコートであって、(i)モレキュラーシーブの総重量に基づき、1から10重量パーセントの少なくとも一つの非アルミニウムプロモーター金属を有するモレキュラーシーブ、及び(ii)ウォッシュコートの総重量に基づき、1ミクロン超かつミクロン未満のd90粒径を有する1から30重量パーセントの結合剤を含む、触媒ウォッシュコート
を含む触媒物品であって、結合剤がアルミナであり、プロモーター金属がFe又はCuであり、d90粒径は、レーザー回折及び/又は画像分析を用いて測定される、触媒物品。
【請求項2】
アルミナがガンマアルミナ及びシータアルミナから選択される、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項3】
ハニカムウォールフロー型フィルターがセラミックモノリスである、請求項1又は2に記載の触媒物品。
【請求項4】
フィルターが、チタン酸アルミニウム、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、アルミナ-シリカ-マグネシア、ケイ酸ジルコニウム及びセラミック繊維複合体からなる群から選択される材料で構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒物品。
【請求項5】
モレキュラーシーブがアルミノシリケート又はSAPOである、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒物品。
【請求項6】
前記モレキュラーシーブが、CHA、AEI、AFX、AFT、ERI、LEV又はKFIから選択される骨格を有するアルミノシリケートである、請求項1から5のいずれか一項に記載の触媒物品。
【請求項7】
モレキュラーシーブが、10から50のシリカ対アルミナ比(SAR)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒物品。
【請求項8】
SARが10から20である、請求項7に記載の触媒物品。
【請求項9】
モレキュラーシーブの骨格がAEIである、請求項1から8のいずれか一項に記載の触媒物品。
【請求項10】
プロモーター金属がCuである、請求項1から9のいずれか一項に記載の触媒物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォールフロー型フィルターにコーティングされたゼオライト触媒の接着を改善するための結合剤に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス、ガソリン、ディーゼル燃料、又は石炭などの燃料がチャンバ内で燃焼すると、結果として生じる排気ガスは、排気管、煙道ガススタックなどを通って大気中に排出される。一般的に、大抵の排気ガスは、大量の比較的無害な窒素(N)、水(HO)、及び二酸化炭素(CO)を含有するが、典型的には、比較的少量の、不完全燃焼からの一酸化炭素(CO)、未燃焼の燃料からの炭化水素(HC)、過度の燃焼温度からの窒素酸化物(NO)、及びパティキュレートマター(大部分はスート)のような有害及び/又は有毒な物質も含有する。スート並びに一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)及び亜酸化窒素(NO)を含む窒素酸化物(NO)の生成は、自動車用途のためのディーゼルエンジンのようなリーンバーンエンジンにおいて特に問題がある。したがって、排気ガスからのこれらの望ましくない成分を、好ましくは他の有害又は有毒な物質を生成しない方法によって、排除することが望ましい。
【0003】
ゼオライト及びプロモーター金属を有する他のモレキュラーシーブは、特に選択的触媒還元(SCR)プロセスによって排気ガスを処理するための不均一触媒として知られている。排気システム中で使用されるとき、ウォッシュコートの形態のゼオライト系SCRが、高表面積基材、例えばフロースルーハニカム又はウォールフロー型フィルター上のコーティングとして塗布される。ウォッシュコートは、ある程度、広い表面積にわたって触媒材料を分散させるのに役立つ。触媒ウォッシュコートは、典型的には、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、及びジルコニアなどの一又は複数の結合剤を含む。本明細書で使用されるとき、用語「結合剤」は、触媒ウォッシュコート、又はその成分の、互いへの及び/又は基材への接着を容易にする材料を指す。
【0004】
結合剤の選択は、その本来の目的に依拠する。重要な考慮事項には、触媒表面との相互作用、基材の表面化学、通常又は予想される操作中の触媒ウォッシュコートの意図された反応条件(温度、水分含有量など)が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
出願人は、驚くべきことに、アルミナのような、10ミクロン未満のd90粒径範囲を有する特定の金属酸化物結合剤は、ハニカムウォールフロー型フィルター上にコーティングされたモレキュラーシーブ系触媒の性能を増強させることを発見した。性能の改善には、より良好な高温性能、より良好な選択性、背圧の減少、及び/又は高温熱耐久性の改善が含まれる。
【0006】
本明細書で使用される場合、用語「ウォッシュコート」とは、基材に塗布されるか、又は塗布されるよう設計された、触媒成分と結合剤との両方を含有する組成物を意味する。ウォッシュコートは、スラリー、懸濁液、又は溶液(基材への塗布前)、又は基材上及び/若しくは基材の孔内のコーティングを含む様々な形態であり得る。ウォッシュコートの他の形態には、乾燥及び/又はか焼したコーティングが含まれる。一般に、ウォッシュコートは、基材及び/又は基材の細孔への触媒の塗布を容易にするための触媒成分のための担体として機能する。
【0007】
したがって、提供されるものは、(i)約1から約10重量パーセントの少なくとも非アルミニウムプロモーター金属(プロモーター金属重量パーセントは、モレキュラーシーブの重量に基づく)が充填されたモレキュラーシーブと;(ii)10ミクロン未満のd90粒径を有する約1から約30重量パーセントの結合剤(結合剤重量パーセントは、ウォッシュコートの総重量に基づく)とを含む、触媒ウォッシュコートである。
【0008】
本発明はまた、触媒ウォッシュコートを含む触媒物品にも関する。触媒ウォッシュコートはウォールフロー型フィルターに塗布されて触媒物品が形成される。
【0009】
本発明はまた、触媒物品を含む排気ガス処理システムにも関する。触媒物品は排気ガス処理システムの一部である。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、触媒物品を使用して排気ガスを処理するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ハニカムウォールフロー型フィルターを示す。
図2】触媒ウォッシュコートがハニカムウォールフロー型フィルターに塗布される、本発明の構成を示す断面図である。
図3】触媒化ウォールフロー型フィルターを備えるシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、改善された組成物、触媒物品、及び排気ガス中のNOx及びスートを還元するための方法に関連する。好ましくは、NOx及びスートの還元には、排気ガス流からのディーゼルパティキュレートを除去するのに適したハニカムウォールフロー型フィルターに塗布される触媒ウォッシュコートが関与する。好ましくは、触媒ウォッシュコートは、金属促進性モレキュラーシーブと、モレキュラーシーブのウォールフロー型フィルター基材への接着を好ましくは増強させる結合剤とを含む。
【0013】
本発明での使用のためのモレキュラーシーブは、国際ゼオライト学会によって規定されるようなCHA、AEI、AFX、AFT、ERI、LEV又はKFI結晶性骨格を有し得る。これらは、天然(すなわち鉱物)及び合成モレキュラーシーブを含むが、好ましくは合成モレキュラーシーブであり、これは、モレキュラーシーブが、より均一なシリカ対アルミナ比(SAR)、微結晶サイズ、及び微結晶形状を有する傾向があり、且つより少なく、あまり濃縮されていない不純物(例えばアルカリ土類金属)を有するためである。天然モレキュラーシーブと合成モレキュラーシーブとの区別は、単に恣意的なものではなく、材料間の特性の差異を反映し、これは、次に、本発明の方法における活性に差異をもたらし得る。
【0014】
本出願に有用な特定のモレキュラーシーブは、SSZ-13、SSZ-62、SSZ-39、SAPO-34及びSAPO-18を含むが、これらに限定されない。
【0015】
本発明に有用な他のモレキュラーシーブは、PAU、UFI又はDDRの骨格構造を有するアルミノシリケートである。このようなモレキュラーシーブは市販されている。
【0016】
特に好ましいモレキュラーシーブ骨格はCHAである。
【0017】
さらにより好ましいモレキュラーシーブ骨格はAEIである。
【0018】
好ましいアルミノシリケートモレキュラーシーブは、約8超、より好ましくは約10から約50、例えば約10から約20、及び約10から約15、及び約20から約25のアルミナに対するシリカのモル比を有し得る。モレキュラーシーブのSARは、通常の解析によって決定され得る。この比は、モレキュラーシーブ結晶の原子骨格におけるシリカ対アルミナ比にできるだけ近づけて表すこと、及び、好ましくは、結合剤中又はチャネル内のカチオンの若しくは他の形態中のアルミニウムを除外することが意図されている。結合剤材料と合わせた後に、モレキュラーシーブのシリカ対アルミナ比を直接的に測定することは極めて困難であり得ることが認識されよう。したがって、シリカ対アルミナ比は、モレキュラーシーブをウォッシュコートへ取り込む前に測定された場合、親のモレキュラーシーブ、すなわち触媒を調製するための使用されたモレキュラーシーブのシリカ対アルミナ比に関して、上記で表される。
【0019】
好ましくは、モレキュラーシーブは、一又は複数のプロモーター金属をモレキュラーシーブに取り込むためにイオン交換され得る。プロモーター金属は、モレキュラーシーブ材料にイオン交換すること及び/又はモレキュラーシーブ骨格に取り込むことができ、且つ自動車排気ガス中の望ましくない成分(例えばCO、HC、NOx、NH3、スート)の濃度を触媒的に還元するのに有用である、任意の非アルミニウムの触媒活性金属であり得る。
【0020】
触媒の性能を向上させるために、モレキュラーシーブと併せて少なくとも一つのプロモーター金属を使用することができる。本明細書で使用される場合、用語「金属促進性モレキュラーシーブ」とは、アルミニウム以外の一又は複数の金属がイオン交換(すなわち、金属交換モレキュラーシーブ)、含浸、同形置換等により添加されたモレキュラーシーブを意味する。
【0021】
金属交換モレキュラーシーブは、それがプロモーター金属をモレキュラーシーブ骨格それ自体に取り込まない点で、金属置換モレキュラーシーブとは異なるのに対し、金属置換モレキュラーシーブは、プロモーター金属をモレキュラーシーブ骨格に直接取り込む。この区別は恣意的なものではないが、触媒性能における重要な差異を表す。モレキュラーシーブ内の金属の位置は、触媒活性部位としてのその利用可能性に影響を及ぼす。
【0022】
プロモーター金属は、貴金属、例えば金及び銀、白金族金属(PGM)、例えばパラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びルテニウム(Ru)、並びに遷移金属、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ビスマス(Bi)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、並びにこれら二つ以上の組み合わせを含む。好ましいプロモーター金属は、Cu、Fe、Pd、Pt、V、Ce、Nb、Ru、Rh、Mo及びMnを含む。特に好ましいプロモーター金属はCuである。別の特に好ましいプロモーター金属はFeである。さらに別の特に好ましいプロモーター金属はPdである。
【0023】
さらに、プロモーター金属と併せて、セリウム及び希土類金属、特にセリウム、ネオジム、ユーロピウム及びガドリニウムを含む他の金属を使用してもよい。
【0024】
モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、遷移金属以外のプロモーター金属を含まないか、又は実質的に含まないことがある。モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、PGM以外のプロモーター金属を含まないか、又は実質的に含まないことがある。モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、希土類金属を含まないか、又は実質的に含まないことがある。モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、任意のPGMを含まないか、又は実質的に含まないことがある。モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、銅以外の非アルミニウム遷移金属を含まないか、又は実質的に含まないことがある。モレキュラーシーブ及び/又はウォッシュコートは、鉄以外の非アルミニウム遷移金属を含まないか、又は実質的に含まないことがある。本明細書で使用される場合、用語「実質的に含まない」とは、金属が触媒組成物中に存在する場合、金属が、触媒の所望の触媒変換性能を、金属を含まない触媒と比較して1%未満変化させるであろう濃度で存在すること、又は、金属がモレキュラーシーブの総重量に基づき0.1重量パーセント未満の量で存在することを意味する。
【0025】
一実施例では、金属交換モレキュラーシーブは、モレキュラーシーブを、触媒活性金属の可溶性前駆体を含有する溶液にブレンドすることによって形成することができる。溶液のpHは、例えば、水酸化アンモニウムを添加して、触媒活性カチオンのモレキュラーシーブ構造体上又は構造内への沈殿を誘発させることにより、調整され得る。例えば、チャバザイトは、触媒活性銅カチオンがイオン交換によりモレキュラーシーブ構造体へ取り込まれることが可能になるのに十分な時間にわたって、硝酸銅を含有する溶液中に浸漬することができ、その後、水酸化アンモニウムが添加され、沈殿により溶液中の未交換銅イオンがモレキュラーシーブ構造体へ取り込まれる。金属促進性モレキュラーシーブはその後、洗浄され、乾燥され、か焼される。鉄又は銅が金蔵カチオンとして使用される場合、重量による触媒材料の金属含有量は、(モレキュラーシーブ材料と比較して)好ましくは約0.1から約10重量パーセント、例えば約1から約6重量パーセント、約0.5から約1重量パーセント、好ましくは約2.5から約5重量パーセントを含む。
【0026】
得られる触媒モレキュラーシーブ材料は、約100から120℃で一晩乾燥され、少なくとも約550℃の温度でか焼され得る。
【0027】
本発明の用途のアルミノシリケートモレキュラーシーブは、水熱安定性を改善するために処理されたものを含み得る。水熱安定性を改善する従来の方法には、以下が含まれる:(i)水蒸気処理による脱アルミ化及び酸又は錯化剤(例えばEDTA-エチレンジアミン四酢酸)を使用する酸抽出;SiClのガス流での処理(モレキュラーシーブ骨格中のAlをSiで置換する);並びに(ii)カチオン交換-Laのような多価カチオンの使用。
【0028】
結合剤は、アルミナ、シリカ、非ゼオライトシリカ-アルミナ、セリア、セリア-ジルコニア、チタニア及びそれらの混合物であり得る。アルミナは、アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、デルタ(δ)、エータ(η)、シータ(θ)及びカイ(χ)アルミナを含む複数の結晶構造であることが好ましく、それらであり得るが、ガンマアルミナ及びシータアルミナが最も好ましい。
【0029】
好ましくは、結合剤は、約100m/g超、例えば約200m/g超、又は約100~400m/gの範囲の比表面積を有し得る。
【0030】
結合剤は、約10Å超、例えば約20Å超の平均細孔サイズを有し得る。
【0031】
アルミナ結合剤は、特に分散された場合、好ましくは10ミクロン未満、より好ましくは5ミクロン未満、さらにより好ましくは1ミクロン未満のd90粒径を有し得る。好ましくは、90粒径は、約10未満且つ0.1ミクロン超、好ましくは約0.1から約1.0ミクロンの間である。ここで、用語「d90」とは、90重量パーセントの結合剤粒子が、特定の値未満の粒径を有することを意味する。粒径は、粒子の長さ又は粒子の直径として測定され得る。直径を測定するとき、粒子は等価体積に基づいて等価球として近似することができる。d90粒径は、結合剤に使用される種類のアルミナ粒子を測定するのに適した任意の従来の手段を使用して決定され得る。測定技術の例には、レーザー回折及び画像分析が含まれる。異なる技術によってわずかに異なるd90粒径の値がもたらされることがあるが、全ての従来技術は、本発明の範囲内と考えられる。
【0032】
平均粒径に加えて、アルミナの粒径分布は、好ましくは、粒子の試料が約1以下の平均について分散を有するように、好ましくは小さくてもよい。結合剤は、約5から150nmの平均結晶サイズ、及び/又は約15ミクロンから約500nmの平均分散サイズ、及び/又は最大50%の相対標準偏差を有する平均分散粒径を有し得る。
【0033】
存在する結合剤の典型的な量は、ウォッシュコートの重量に基づき、約1から約35重量パーセント、好ましくは約5から約25重量パーセント、さらにより好ましくは約10から約20重量パーセントであり得る。
【0034】
一実施例では、触媒ウォッシュコートは、金属促進性モレキュラーシーブ、好ましくは銅又は鉄交換モレキュラーシーブと結合剤、好ましくは実質的にアルミナからなる結合剤とをブレンドし、スラリー、好ましくは水性スラリーを形成することによって形成され得る。
【0035】
アルミナ結合剤は、ウォッシュコート中のCu又はFeを固定して、そのモレキュラーシーブの骨格アルミナとの相互作用を防ぐことができる。
【0036】
ウォッシュコートは、一又は複数の安定剤、例えばランタンを含む希土類金属、孔形成剤、又は最大900℃での耐熱性のためのCe及び/若しくはCaの添加をさらに含み得る。
【0037】
ウォッシュコートは、金属交換モレキュラーシーブ以外に、NOx低減のための触媒活性を付与する物質を実質的に含まないことが可能である。ウォッシュコートは、ランタン又は他の希土類金属を実質的に含まないことがある。
【0038】
触媒ウォッシュコートは基材に塗布することができる。自動車用途での使用のための好ましい基材は、複数の隣接し、平行なチャネルを含み、各チャネルが典型的には四角形、丸形、六角形又は三角形の断面を有するいわゆるハニカム形状を有するモノリスである。他の基材は、例えば中心軸に対して積み重なり、回転し、又は配列することを含む任意の適切な方法で層であり得るシート又はスクリーンを含む。
【0039】
ハニカム形状は、最小限の全体的なサイズと圧力降下を有する大きな触媒表面をもたらす。モレキュラーシーブ触媒は、フロースルーモノリス基材(例えば全体を軸方向に通る多数の小さな平行チャネルを有するハニカムモノリス触媒担体構造)又はフィルターモノリス基材、例えばウォールフロー型フィルター等に堆積され得る。モレキュラーシーブ触媒は、押出型触媒に成形され得る。好ましくは、モレキュラーシーブ触媒は、基材を流れる排気ガス中に含有されるNOxを還元するのに十分な量で基材にコーティングされ得る。
【0040】
基材は、好ましくは、所定の相としてチタン酸アルミニウム、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、アルミナ-シリカ-マグネシア、ケイ酸ジルコニウム、セラミック繊維複合体を含む一又は複数の材料で構成されており、チタン酸アルミニウムが特に好ましい。フィルターは、不動態化されていてもされていなくてもよい。
【0041】
本発明の触媒物品及び排気ガス処理システムは、排気ガス流のパティキュレートマターを減少させるために使用することができる。好ましいフィルター基材には、ディーゼルパティキュレートフィルターが、より好ましくは自動車用途での使用のためのディーゼルパティキュレートフィルターが含まれる。コーディエライト、炭化ケイ素及びセラミックに加えて、多孔質基材に使用することができる他の材料は、限定されないが、アルミナシリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、α-アルミナ、ムライト、ポルサイト、ジルコン、ジルコニア、スピネル、ホウ化物、長石、チタニア、溶融シリカ、ホウ化物、セラミック繊維複合体、これらのいずれかの混合物、又はこれらいずれか二つ以上のセグメントを含む複合体を含む。特に好ましい基材には、コーディエライト、炭化ケイ素、及びチタン酸アルミニウム(AT)が含まれ、ATは主に結晶相である。
【0042】
ディーゼルエンジンのためのウォールフロー型フィルターフィルターは、典型的には、約100から800cpsi(チャネル/1平方インチ)、例えば約100から約400cpsi、約200から約300cpsi、又は約500から約600cpsを含有する。
【0043】
壁は、約0.1から約1.5mm、例えば約0.15から約0.25mm、約0.25から約0.35mm、又は約0.25から約0.50mmの平均壁厚を有し得る。
【0044】
本発明と共に使用される壁面流フィルターは、好ましくは、少なくとも70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、又は、少なくとも約90%という、効率を有する。効率は、好ましくは、約75から約99%、約75から約90%、約80から約90%、又は約85から約95%であり得る。ここで、効率は、スート及び他の同様の寸法の粒子、及び従来のディーゼル排気ガス中に典型的に見出される粒子濃度に関するものである。例えば、ディーゼル排気中の微粒子のサイズは、0.05ミクロンから2.5ミクロンの範囲であり得る。よって、効率はこの範囲、又は、例えば、0.1から0.25ミクロン、0.25から1.25ミクロン、もしくは1.25から2.5ミクロンなどのサブレンジに基づき得る。
【0045】
フィルターの多孔性の有用な範囲及び平均孔サイズは、特に限定されないが、触媒コーティングの粒径及び粘度と相関があるか、又はそれらを決定するのに使用される。本明細書に記載される場合、フィルター基材の多孔度及び平均孔サイズは、ベアフィルター(例えば触媒コーティングされていない)に基づき決定される。一般に、基材の多孔度は、少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、例えば約50から約80%、約50から約70%、又は約55から約65%である。多孔度は、水銀ポロシメトリーを含む任意の適切な手段で測定することができる。一般に、基材の平均孔サイズは、約8から約40μm、例えば約8から約12μm、約12から約20μm、又は約15から約25μmであり得る。少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%の細孔は、細孔の総容積及び/又は細孔の総数に基づき、これらの範囲内にあり得る。平均孔径は、水銀ポロシメトリーを含む、受け入れ可能な任意の手段によって決定され得る。フィルター基材は、約12から約15μmの平均細孔サイズ及び約50から約55%の多孔度を有し得る。フィルター基材は、約18から約15μmの平均細孔サイズ及び約55から約65%の多孔度を有し得る。
【0046】
ハニカムウォールフロー型フィルターの製造は、押出壁(その後燃やされる)の作製を含み得る。燃やされた後、代わりのチャネル開口部はプラグ材料で適切に密閉され、上記の構造体を提供する。あるいは、押出壁は、燃やされる前に後部プラグ材料で密封され得る。プラグ材料は、多孔質壁材料と互換性があり、良好な物理的及び化学的安定性を呈し、且つ安定し、よく接着し、長期的な密閉を多孔質壁にもたらす必要がある。
【0047】
フィルターに多すぎるスートが蓄積した場合、フィルターは、受動的又は能動的に再生されなければならない。再生は、フィルターに蓄積したスートを酸化させることによって生じる。本明細書に記載される場合、用語「スート」及び「ディーゼルパティキュレートマター」は、区別せずに使用される。フィルターを定期的に再生しないと、蓄積したスートが増加し、フィルターにわたる圧力降下の許容できないレベルへの増加をもたらす。
【0048】
受動的再生では、スート酸化温度は通常の車両運転中の自動再生を可能にするレベルに下げられる-これは触媒活性によって一般に達成されるタスクである。フィルター上の触媒は、二つのメカニズム:酸素による炭素の触媒酸化、又はNOのNOへの触媒酸化、続いて二酸化窒素による炭素の酸化によって炭素の酸化を促進することができる。能動的再生は、排気ガス流に直接噴射された燃料の燃焼のような、又はエンジン管理方法による、外部エネルギー源の使用を通して、フィルター内に捕捉されたスートの温度を上昇させることを含む。その他の外部エネルギー源は、発熱体によって供給される電気である。能動的再生と受動的再生の組み合わせも使用することができる。
【0049】
フィルター再生は、650℃超、例えば650~950℃、750~900℃、又は800~900℃の温度を伴い得る。本発明の金属促進性モレキュラーシーブとの組み合わせにおける結合剤の選択は、予想外に、高い熱安定性(すなわち不可逆的な劣化なしに高温に耐える触媒の能力)及び/又は10ミクロン超のd90粒径又は5ミクロン超のd90粒径を有する結合剤を使用した同様の触媒と比較して高温での触媒変換の改善をもたらす。
【0050】
好ましくは、本明細書の触媒ウォッシュコートのウォールフロー型フィルターへの塗布は、ベアフィルターと比較してフィルターの背圧を実質的には増加させない。本明細書に記載の触媒物品は、同様の運転条件(例えば空間速度及びスート充填量)下の同様のベアフィルターの背圧の15%内、より好ましくは10%内である背圧を達成することができる。本明細書に記載の触媒物品は、同様の触媒及びウォッシュコート充填量を有する同様のウォールフロー型フィルターにより達成される背圧未満、好ましくは少なくとも5%未満、又は少なくとも10%未満である背圧を、達成することができるが、同様の触媒が10ミクロン超のd90粒径又は5ミクロン超のd90粒径を有する結合剤を含有することを除く。本明細書で使用される場合、用語「背圧」とは、触媒化フィルターにわたる排気ガスの圧力降下を意味する。
【0051】
背圧の制限は、排気システムにおける触媒化フィルターの重要な特徴である。増加した背圧レベルでは、エンジンは排気ガスをより高い圧力に圧縮しなければならず、これは追加の機械的作業及び/又は吸気マニホルドブースト圧力に影響を及ぼし得る排気タービンによって抽出されるより少ないエネルギーを含む。これは、燃料消費、PM及びCO排出、並びに排気温度の増加をもたらし得る。
【0052】
ディーゼルパティキュレートの除去に加えて、本明細書に記載の触媒物品はまた、NOを捕捉/吸着すること又は還元剤を使用してNOをN及びHOに選択的に触媒還元することのいずれかにより、排気システム中のNO及び/又はNHを還元するのに有効である。触媒は、アンモニア(すなわち、SCR触媒)を用いた窒素酸化物の還元に有利となるように調合され得る。触媒は、酸素(すなわち、アンモニア酸化(AMOX)触媒)を用いたアンモニアの酸化に有利となるように調合され得る。SCR触媒とAMOX触媒は連続して使用することができ、両方の触媒は本明細書に記載されるモレキュラーシーブを含有する金属を含み、SCR触媒はAMOX触媒の上流にある。AMOX触媒は、酸化下層上の最上層として配置することができ、該下層は、白金族金属(PGM)触媒又は非PGM触媒を含む。
【0053】
SCRプロセスのための還元体(還元剤としても知られている)は、排気ガス中のNOxの還元を促進する任意の化合物を広範に意味する。本発明に有用な還元剤の例は、アンモニア、ヒドラジン又は任意の適切なアンモニア前駆体、例えば尿素((NHCO)、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はギ酸アンモニウム、及びディーゼル燃料のような炭化水素等を含む。特に好ましい還元剤は、窒素に基づき、特に好ましくはアンモニアを伴う。
【0054】
本発明の別の態様によれば、ガス中のNO化合物の還元及びNHの酸化のための方法であって、ガスを、ガス中のNO化合物のレベルを減少させるのに十分な時間にわたって、NO化合物の触媒還元のための本明細書に記載の触媒組成物と接触させることを含む、方法が提供される。窒素酸化物は、少なくとも100℃の温度で、還元剤で還元され得る。窒素酸化物は、150から750℃の温度で、還元剤で還元され得る。温度範囲は175から650℃であり得る。温度範囲は175から550℃であり得る。温度範囲は、450から750℃、好ましくは450から700℃、450から650℃であり得る。450℃超の温度は、例えば炭化水素をフィルターの上流の排気システムに注入することにより活発に再生される(任意選択的に触媒化された)ディーゼルパティキュレートフィルターを含む排気システムを備えた大型及び軽量ディーゼルエンジンからの排気ガスを処理するのに特に有用であり、本発明における使用のためのモレキュラーシーブ触媒はフィルターの下流に配置される。
【0055】
窒素酸化物の還元は、酸素の存在下で行うことができる。
【0056】
窒素酸化物の還元は、酸素の不存在下で行うことができる。
【0057】
本方法は、内燃機関(移動式又は固定式)、ガスタービン、及び石炭又は石油火力発電所等の燃焼プロセスに由来するガスで実施することができる。本方法は、精錬のような工業プロセスに由来するガス、精錬所のヒーター及びボイラー、燃焼炉、化学処理工業、コークス炉、都市廃棄物のプラント及び焼却炉、コーヒー焙煎プラント等に由来するガスを処理するためにも使用され得る。本方法は、車両のリーンバーン内燃機関、例えば、ディーゼルエンジン、リーンバーンガソリンエンジン又は液化石油ガス若しくは天然ガスにより駆動されるエンジンからの排気ガスを処理するために使用することができる。
【0058】
さらなる態様によれば、本発明は、車両のリーンバーン内燃機関のための排気システムを提供し、該システムは、流れる排気ガス、窒素系還元剤の供給源、本明細書に記載されるモレキュラーシーブ触媒を運ぶための導管を含む。本システムは、使用時に、モレキュラーシーブ触媒が、例えば100℃超、150℃超、又は175℃超などにおいて、所望の効率又はそれ以上で、NO還元に触媒作用を及ぼすことが可能であると決定された場合にのみ、窒素性還元体が流れている排気ガス中に計量できるような計量手段を制御するための手段を含み得る。制御手段による判断は、排気ガス温度、触媒床温度、アクセル開度、システム内の排気ガスの質量流量、マニホールドバキューム、点火タイミング、エンジン速度、排気ガスのラムダ値、エンジン内に注入された燃料の量、排気ガス再循環(EGR)バルブの位置とそれによるEGR量及び給気圧からなる群より選択されるエンジンの状態を示す、一又は複数の適切なセンサー入力によって支援され得る。
【0059】
計量は、(適切なNOセンサーを使用して)直接的に、あるいはエンジンの状態を示す上述の入力のいずれか一又は複数を排気ガスの予想NO含有量と相関付ける(制御手段に保存された)予め相関付けられたルックアップテーブル又はマップを使用するなどして、間接的に決定される排気ガス中の窒素酸化物の量に応じて制御され得る。窒素系還元剤の計量は、SCR触媒に入る排気ガス中に、1:1のNH/NO及び4:3のNH/NOで計算して60%から200%の理論上のアンモニアが存在し得るように調整することができる。制御手段は、電子制御ユニット(ECU)のような、予めプログラムされたプロセッサを備え得る。
【0060】
排気ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒は、窒素系還元剤を排気ガス中で測定する地点の上流に配置され得る。酸化触媒は、例えば、250℃から450℃の酸化触媒入口における排気ガス温度で、約4:1から約1:3のNO対NOの体積比を有する、SCRモレキュラーシーブ触媒に入るガス流を作り出すように適合され得る。酸化触媒は、フロースルーモノリス基材上にコーティングされた、白金、パラジウム、又はロジウムのような少なくとも一種の白金族金属(又は、これらのいくつかの組み合わせ)を含み得る。少なくとも一種の白金族金属は、白金、パラジウム、又は白金とパラジウム両方の組合せであり得る。白金族金属は、アルミナ、アルミノシリケートモレキュラーシーブなどのモレキュラーシーブ、シリカ、非ゼオライトシリカアルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、又はセリアとジルコニアの両方を含有する混合酸化物若しくは複合酸化物など、高表面積のウォッシュコート成分上に担持させることができる。
【0061】
本発明における使用のためのモレキュラーシーブ触媒は、酸化触媒の下流に配置されるフィルター上にコーティングされ得る。フィルターが本発明における使用のためのモレキュラーシーブ触媒を含む場合、窒素系還元剤を計量する地点は、好ましくは酸化触媒とフィルターとの間に配置され得る。
【0062】
さらなる態様において、本発明による排気システムを含む車両のリーンバーンエンジンが提供される。車両のリーンバーン内燃機関は、ディーゼルエンジン、リーンバーンガソリンエンジン、又は液化石油ガス若しくは天然ガスにより駆動されるエンジンであり得る。
【0063】
図1及び2を参照すると、車両排気システムにおける使用のためのウォールフロー型フィルター基材10の一部の図が示されている。ウォールフロー型基材は、互いにほぼ平行であり、基材の前面12から後面まで基材を通過するガス流の軸17(すなわち、入ってくる排気ガス及び出て行く浄化されたガスの方向28)に沿って延びる、多数のチャネル11を有している。ディーゼルエンジンのためのウォールフロー型フィルター基材は、400~800のチャネルを含有してもよいが、簡略化するために、数チャネルのみをこれらの図面に示す。チャネルは、触媒ウォッシュコート15を含有する多孔質壁によって規定される。多孔質壁は、壁を通過するガス流の方向に対して、上流側部18及び下流側部19を有する。触媒ウォッシュコートは、完全に又は部分的に多孔質壁内の、多孔質壁の上流側部の全部若しくは一部上の表面コーティング、多孔質壁の下流側部の全部若しくは一部上の表面コーティング、又はこれら二つ以上のいくつかの組み合わせであり得る。
【0064】
チャネルのほぼ半数は、フィルターの前部に前部プラグ14を有し、チャネルの他方の半数は、フィルターの後部に後部プラグ16を有する。この構成では、排気ガスは所与の入口チャネルを直接流れることはできないが、分離している多孔質壁を通って隣接する出口チャネルに流される。よって、排気ガスは、多孔質壁と隣接するチャネルとの間を通過する際にフィルターにかけられる。
【0065】
図10を参照すると、内燃機関501、排気ガス処理システム502、システムを通る排気ガス流の方向1、任意選択的なディーゼル酸化触媒(DOC)510及び/又は任意選択的なNOx吸着触媒(NAC)若しくはリーンNOxトラップ(LNT)520、任意選択的なディーゼル発熱触媒(DEC)570、本明細書に記載される触媒ウォッシュコートを含有するウォールフロー型フィルター540、任意選択的なアンモニア及びインジェクターの外部供給源530、任意選択的な追加のSCR触媒550、及び任意選択的なアンモニアスリップ触媒(ASC)560を備えた排気ガス処理システムが示されている。
図1
図2
図3