(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20231106BHJP
B05B 11/00 20230101ALI20231106BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B65D47/34 200
B05B11/00 102G
B05B11/00 102E
F04B9/14 C
(21)【出願番号】P 2020014398
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】先曽 洋一
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-114543(JP,A)
【文献】特開2002-224602(JP,A)
【文献】特開2007-126213(JP,A)
【文献】特開2017-130252(JP,A)
【文献】特開2017-114551(JP,A)
【文献】特開2017-104839(JP,A)
【文献】特開2001-240108(JP,A)
【文献】特開2000-340199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B05B 11/00
F04B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、
前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、
前記貯留シリンダ内に前記貯留シリンダの中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って、前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに、前記軸方向のうちの他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、
前記貯留プランジャを前記他方側に向けて付勢する付勢部材と、
前記付勢部材における前記一方側の端部を支持する支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記貯留シリンダに離脱可能に装着されるとともに、前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転することで離脱され、
前記支持部材には、前記支持部材を前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転可能な操作具が差し込まれる差込孔が形成され
、
前記噴出器本体は、前記貯留シリンダおよび前記支持部材を一体に覆うカバー体を備え、
前記操作具は、前記差込孔を覆い、かつ破断可能な弱化部を介して前記カバー体に連結されている、トリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記支持部材は、前記他方側に向けて開口し、かつ前記一方側の端壁部を有する有底筒状に形成され、
前記差込孔は、前記端壁部の、前記一方側を向く外面に形成されている、請求項
1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記支持部材は、前記貯留シリンダに螺着されている、請求項
1または2に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記支持部材、および前記貯留シリンダのうちのいずれか一方に、前記軸方向の位置を互いに異ならせ、かつ前記中心軸線回りに隣接する各位置に設けられた第1係止突起および第2係止突起が形成され、
いずれか他方に、前記第1係止突起に当接することで、前記貯留シリンダに対する前記支持部材の前記一方側の移動を規制する第3係止突起が形成され、
前記支持部材を、前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転したときに、前記第3係止突起が前記第1係止突起から離れ、前記支持部材が、前記付勢部材の付勢力により前記貯留シリンダに対して前記一方側に移動し、前記第3係止突起が前記第2係止突起に突き当たる、請求項
1または2に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トリガー部を後方移動させる毎に、液体が、噴出孔から噴出されながら、貯留プランジャを後方移動させて貯留シリンダ内に充填されるトリガー式液体噴出器が知られている。このトリガー式液体噴出器では、貯留シリンダ内への液体の充填後、トリガー部の操作を停止すると、貯留プランジャが付勢力によって前方移動しはじめるので、貯留シリンダ内の液体が、噴出孔から引き続き噴出される。これにより、トリガー部を操作したときだけでなく、トリガー部を操作しない場合であっても液体を噴出することができ、液体を連続して噴出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のトリガー式液体噴出器では、廃棄に際し、貯留プランジャを前方に向けて付勢する付勢部材を分別することが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、廃棄に際し、貯留プランジャを前方に向けて付勢する付勢部材を容易に分別することができるトリガー式液体噴出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に配設されたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、前記トリガー部の後方への移動によって、前記縦供給筒部内を通過した液体が内部に供給される貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内に前記貯留シリンダの中心軸線に沿う軸方向に移動可能に配設され、前記貯留シリンダ内への液体の供給に伴って、前記軸方向のうちの一方側に向けて移動するとともに、前記軸方向のうちの他方側に向けて付勢される貯留プランジャと、前記貯留プランジャを前記他方側に向けて付勢する付勢部材と、前記付勢部材における前記一方側の端部を支持する支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記貯留シリンダに離脱可能に装着されるとともに、前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転することで離脱され、前記支持部材には、前記支持部材を前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転可能な操作具が差し込まれる差込孔が形成されている。
【0007】
本発明によれば、付勢部材における前記一方側の端部を支持する支持部材が、貯留シリンダに離脱可能に装着されているので、トリガー式液体噴出器の廃棄に際し、支持部材を貯留シリンダから離脱することで、付勢部材における前記一方側の端部を開放することが可能になり、付勢部材を、貯留シリンダ内から前記一方側に引き出して、分別することができる。
支持部材が、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転することで離脱されるので、支持部材を、貯留シリンダに対して前記一方側に引っ張って離脱する場合と比べて、支持部材を貯留シリンダから容易に離脱することができる。
支持部材に、操作具が差し込まれる差込孔が形成されているので、差込孔に差し込まれた操作具のうち、差込孔から突出した部分を例えば摘まむ等して、操作具を、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転することにより、支持部材を、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに供回りさせることが可能になり、付勢部材を分別する際の操作性を向上させることができる。
【0008】
前記噴出器本体は、前記貯留シリンダおよび前記支持部材を一体に覆うカバー体を備え、前記操作具は、前記差込孔を覆い、かつ破断可能な弱化部を介して前記カバー体に連結されてもよい。
【0009】
この場合、操作具が、破断可能な弱化部を介してカバー体に連結されているので、トリガー式液体噴出器の廃棄に際し、弱化部を破断することにより、即座に、操作具をカバー体から分離して差込孔に差し込み、支持部材を、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転することが可能になり、付勢部材を効率よく分別することができる。
操作具が差込孔を覆っているので、トリガー式液体噴出器の廃棄前に、支持部材が、意図せず、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転するのを防ぐこと等ができる。
【0010】
前記支持部材は、前記他方側に向けて開口し、かつ前記一方側の端壁部を有する有底筒状に形成され、前記差込孔は、前記端壁部の、前記一方側を向く外面に形成されてもよい。
【0011】
この場合、差込孔が、支持部材の端壁部の外面に形成されているので、操作具を、差込孔に差し込んで、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転したときに、操作具を差込孔から外れにくくすること等が可能になり、付勢部材を分別する際の操作性を確実に向上させることができる。
【0012】
前記支持部材は、前記貯留シリンダに螺着されてもよい。
【0013】
この場合、支持部材が、貯留シリンダに螺着されているので、支持部材を、貯留シリンダに対して前記一方側に引っ張って離脱する場合と比べて、支持部材を貯留シリンダから容易に離脱することができる。
【0014】
前記支持部材、および前記貯留シリンダのうちのいずれか一方に、前記軸方向の位置を互いに異ならせ、かつ前記中心軸線回りに隣接する各位置に設けられた第1係止突起および第2係止突起が形成され、いずれか他方に、前記第1係止突起に当接することで、前記貯留シリンダに対する前記支持部材の前記一方側の移動を規制する第3係止突起が形成され、前記支持部材を、前記貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転したときに、前記第3係止突起が前記第1係止突起から離れ、前記支持部材が、前記付勢部材の付勢力により前記貯留シリンダに対して前記一方側に移動し、前記第3係止突起が前記第2係止突起に突き当たる。
【0015】
この場合、支持部材、および貯留シリンダのうちのいずれか一方に、第1係止突起および第2係止突起が形成され、いずれか他方に、第1係止突起に当接することで、貯留シリンダに対する支持部材の前記一方側の移動を規制する第3係止突起が形成されている。したがって、支持部材を、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに回転したときに、第3係止突起が第1係止突起から離れ、支持部材が、付勢部材の付勢力により貯留シリンダに対して前記一方側に移動し、第3係止突起が第2係止突起に突き当たる。
以上より、支持部材を、貯留シリンダに対して前記中心軸線回りに少ない回転角度で離脱することが可能になるとともに、この離脱時に、支持部材が、付勢部材の付勢力により貯留シリンダから飛び出すのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、廃棄に際し、貯留プランジャを前方に向けて付勢する付勢部材を容易に分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態を示す縦断面図である。
【
図2】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第2実施形態の要部を示す縦断面図である。
【
図3A】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第3実施形態の要部を示す一部縦断面図である。
【
図3B】
図3Aに示すトリガー式液体噴出器において、支持部材を貯留シリンダから離脱するときの説明図である。
【
図4】本発明に係るトリガー式液体噴出器の第4実施形態の要部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るトリガー式液体噴出器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、液体を収容する容器体Aに装着され、液体を吸上げる縦供給筒部10を有する噴出器本体14と、液体を噴出する噴出孔12が形成され、噴出器本体14に装着されたノズル部材13と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の構成部品は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成型品とされている。
【0019】
本実施形態では、縦供給筒部10の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿って容器体A側を下側、その反対側を上側といい、軸線O1に沿う方向を上下方向という。また、上下方向から見た平面視において、噴出孔12は、軸線O1に交差する方向に開口しており、噴出孔12が開口する方向を前側(他方側)、その逆向きを後側(一方側)という。また、平面視において、上下方向および前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
【0020】
噴出器本体14は、縦供給筒部10、射出筒部11、接続筒部15、閉塞栓16、第1逆止弁17、シリンダ用筒部18、貯留シリンダ19、第2逆止弁20、貯留プランジャ21、およびトリガー機構22を備えている。
【0021】
縦供給筒部10は上下方向に延びている。縦供給筒部10には、上下方向に延びる主通路10aと、上下方向に延び、主通路10aより流路断面積が小さい回収通路49と、が形成されている。主通路10aおよび回収通路49は、縦供給筒部10内において、互いの連通が遮断された状態で、並列して上下方向に延び、下方に向けて開口している。主通路10aは、回収通路49より前方に位置している。主通路10a内には、下方に向けて延び、下端開口が容器体Aの図示しない底部に位置するパイプ23の上部が嵌合されている。回収通路49は、貯留プランジャ21が後方に移動したときに、貯留シリンダ19の後述する貯留空間19bと容器体A内とを連通する。
【0022】
第1逆止弁17は、縦供給筒部10の主通路10aにおいて、上端部とパイプ23との間に位置する部分に配設されている。第1逆止弁17は、ボール弁とされ、主通路10aの内周面に形成された環状の弁座部24に、上方に向けて離反可能に配設されている。弁座部24は、軸線O1と同軸に配設されている。第1逆止弁17は、主通路10aにおいて弁座部24よりも上方に位置する空間と、弁座部24よりも下方に位置する空間と、の連通、およびその遮断を切替える。
【0023】
接続筒部15は、縦供給筒部10の上端部から前方に向けて延びている。接続筒部15の後端開口と主通路10aの上端部とが、前後方向に接続されている。
閉塞栓16は、接続筒部15の前端部内に密に嵌合され、接続筒部15の前端開口を閉塞している。閉塞栓16には、後方に向けて突出し、接続筒部15内に挿入された突出部25が設けられている。突出部25は、接続筒部15の流路断面積を減少させる。
【0024】
シリンダ用筒部18は、縦供給筒部10から前方に向けて突出するとともに、前方に向けて開口し、かつ後端壁を有する有底筒状に形成されている。シリンダ用筒部18の後端壁は、縦供給筒部10において、接続筒部15よりも下方に位置する部分と一体に形成されている。シリンダ用筒部18の後端壁に、前方に向けて突出する嵌合突起18aが形成されている。シリンダ用筒部18の上端部は、接続筒部15の下端部と一体に形成されている。
【0025】
貯留シリンダ19は、前後方向に延び、接続筒部15の上方に配設されている。貯留シリンダ19は、縦供給筒部10を前後方向に跨いでいる。貯留シリンダ19の下端部は、縦供給筒部10の上端部と一体に形成されている。
以下、貯留シリンダ19の中心軸線を軸線O2という。
【0026】
貯留シリンダ19のうち、縦供給筒部10より前方に位置する部分の下端部は、接続筒部15の上端部と一体に形成されている。この部分に、貯留シリンダ19内と接続筒部15内とを連通する供給孔26が形成されている。供給孔26は、貯留シリンダ19内の前端部と接続筒部15内の前端部とを連通している。
貯留シリンダ19のうち、供給孔26より後方に位置する部分に、回収通路49に連通する回収孔50が形成されている。回収孔50は、貯留シリンダ19の下端部を上下方向に貫き、回収通路49の上端部に上下方向で対向している。
【0027】
貯留シリンダ19は、前端部に位置する端壁部27と、端壁部27から後方に向けて延びるシリンダ筒28と、を備えている。端壁部27に、貯留シリンダ19内と噴出孔12とを連通する連通孔29が形成されている。連通孔29は、端壁部27を前後方向に貫通している。
貯留シリンダ19内に、弁基部30および第2逆止弁20を備える弁体31が配設されている。
【0028】
弁基部30は、貯留シリンダ19の前端部内に配設されている。弁基部30は、環状に形成され軸線O2と同軸に配設されている。
第2逆止弁20は、弁基部30の外周縁部から後方に向けて突出した環状に形成されている。第2逆止弁20は、弾性変形可能に形成され、自由端とされた後端部がシリンダ筒28の内周面に対して離反可能に当接している。第2逆止弁20の後端部は、供給孔26よりも後側に位置している。これにより、第2逆止弁20は、貯留シリンダ19の内側から供給孔26を開放可能に閉塞しており、供給孔26を通じた接続筒部15内から貯留シリンダ19内への液体の供給を許容し、かつ供給孔26を通じた貯留シリンダ19内から接続筒部15内への液体の流出を規制している。
【0029】
貯留プランジャ21は、貯留シリンダ19内に前後方向に移動可能に配設されている。貯留プランジャ21は、貯留シリンダ19の後述する貯留空間19b内への液体の供給に伴って、貯留プランジャ21内に配設された付勢部材32の弾性復元力(ばね力)に抗して後方に向けて移動する。付勢部材32は、金属材料で形成されたコイルスプリングとなっている。付勢部材32は、例えば付勢力、耐久性、および強度等の観点から、金属材料で形成されたコイルスプリングが好ましい。なお、付勢部材32は、ゴム材料で形成された弾性体等であってもよい。貯留プランジャ21は、付勢部材32の前端部を支持している。貯留プランジャ21は、付勢部材32により前方に付勢されている。貯留プランジャ21は、シリンダ筒28の内周面上を前後方向に密に摺動する。
【0030】
貯留プランジャ21の前端面33は、弁基部30の後面に対して、後方に向けて離反可能に当接し、弁基部30の内側を開放可能に閉塞している。これにより、貯留シリンダ19内と連通孔29との連通が遮断されている。つまり、貯留プランジャ21は、連通孔29を開放可能に閉塞している。
【0031】
貯留プランジャ21に、シリンダ筒28の内周面上を前後方向に密に摺動する摺動突起21aが設けられている。摺動突起21aは、軸線O2回りに延びる環状に形成されている。摺動突起21aは、貯留プランジャ21の前端部に設けられている。摺動突起21aは、第2逆止弁20より後方に位置し、第2逆止弁20に近接している。貯留シリンダ19内において、摺動突起21aより前方に位置する部分が、縦供給筒部10の主通路10aから供給された液体が貯留され、かつ液体が供給されるのに伴い、貯留プランジャ21が後方に向けて移動することで拡張する貯留空間19bとなっている。
【0032】
射出筒部11は、貯留シリンダ19の端壁部27から前方に向けて延び、内側が連通孔29に連通している。射出筒部11は、貯留空間19bの液体を噴出孔12に導いている。射出筒部11の中心軸線は、貯留シリンダ19の軸線O2よりも下方に位置している。射出筒部11内は、連通孔29、弁基部30の内側、貯留空間19b、供給孔26および接続筒部15内を通じて、縦供給筒部10の主通路10aに連通している。
【0033】
トリガー機構22は、トリガー部34、主ピストン35、主シリンダ36、および弾性板部37を備え、トリガー部34の後方への移動によって、液体を縦供給筒部10の主通路10aから噴出孔12側に向けて流通させる。
【0034】
弾性板部37は、射出筒部11を上方から覆う上板部材38に配設されている。弾性板部37は、上板部材38における左右方向の両端部に各別に配設されている。弾性板部37は、上板部材38から下方に向けて延び、射出筒部11の下方に至っている。弾性板部37は、左右方向から見た側面視で前方に凸の円弧状を呈する。弾性板部37は、左右方向から見た側面視で互いに同心の円弧状を呈して、前後に並ぶ一対の板ばねを備えている。
【0035】
トリガー部34は、上下方向に延び、縦供給筒部10の前方に配設されている。トリガー部34は、左右一対の弾性板部37同士の間に配設されている。トリガー部34の上部は、弾性板部37の下端部に連結されている。トリガー部34の上端部に、左右方向の外側に向けて突出する回転軸部39が形成されている。回転軸部39は、上板部材38に配設された左右一対の軸受部に回転可能に支持されている。
以上より、トリガー部34は、前方付勢状態で回転軸部39を中心に前後方向に揺動可能に配設されている。
【0036】
主ピストン35は前後方向に延び、主ピストン35の前端部にトリガー部34が連結されている。これにより、主ピストン35は、トリガー部34の移動に伴って前後に移動する。主ピストン35の後部は、後方に向けて開口した筒状に形成されている。
【0037】
主シリンダ36は、前方に向けて開口し、かつ後端壁を有する有底筒状に形成され、シリンダ用筒部18内に嵌合されている。主シリンダ36に、閉塞栓16が一体に形成されている。主シリンダ36の後端壁に、後方に向けて開口し、かつ前端壁を有する有頂筒状のピストンガイド40が形成されている。ピストンガイド40の後端開口部内に、シリンダ用筒部18の嵌合突起18aが嵌合されている。主シリンダ36内に、主ピストン35が前後方向に移動可能に嵌合されている。ピストンガイド40は、主ピストン35の後部内に前後方向に移動可能に挿入されている。主ピストン35の前端部は、主シリンダ36から前方に突出している。主シリンダ36は、主ピストン35の移動に伴って内部が加圧および減圧する。主シリンダ36の内側は、連通部41内を通じて縦供給筒部10の主通路10aに連通している。
【0038】
連通部41は、主シリンダ36内と縦供給筒部10の主通路10aとを前後方向に連通している。連通部41は、主通路10aのうち、第1逆止弁17より上方に位置する空間に開口している。
これにより、第1逆止弁17は、主シリンダ36内の加圧時に、弁座部24に当接し、容器体A内と連通部41内との主通路10aを通した連通を遮断し、かつ主シリンダ36内の減圧時に、弁座部24から上方に離反し、容器体A内と連通部41内との主通路10aを通した連通を許容する。
また、第2逆止弁20は、主シリンダ36内の加圧時に、貯留空間19bと連通部41内との、供給孔26、接続筒部15内、および主通路10aを通した連通を許容し、かつ主シリンダ36内の減圧時に、貯留空間19bと連通部41内との、供給孔26、接続筒部15内、および主通路10aを通した連通を遮断する。
【0039】
ノズル部材13は、ノズル板42、装着筒43、ノズル軸部44、および囲繞筒45を備え、噴出器本体14の前方側に配設されている。
【0040】
ノズル板42は、射出筒部11の前端開口を前方から覆っている。装着筒43は、ノズル板42から後方に向けて延び、射出筒部11に対して密に外嵌されている。ノズル板42には、射出筒部11の前端開口に向けて開口する接続孔46が形成されている。接続孔46は、ノズル板42において、装着筒43の内側に位置する部分に形成されている。ノズル板42には、後方に向けて突出し、射出筒部11内に挿入された突出部が設けられている。突出部は、射出筒部11の流路断面積を減少させる。
【0041】
ノズル軸部44は、ノズル板42から前方に向けて突出している。ノズル軸部44には、頂壁部に前方に向けて開口する噴出孔12が形成された有頂筒状のノズルキャップ47が装着されている。囲繞筒45は、ノズル板42から前方に向けて突出し、ノズルキャップ47を囲っている。
ノズルキャップ47の内面と、ノズル軸部44の外面と、の間に、噴出孔12と接続孔46とを接続する接続通路48が形成されている。接続通路48はスピン溝を有している。スピン溝は、ノズルキャップ47の頂壁部の後面に、噴出孔12回りに間隔をあけて複数形成され、前後方向から見て噴出孔12の内周面の接線方向に延びている。噴出孔12の開口面積は、接続孔46の開口面積より小さくなっており、接続孔46から接続通路48を通して噴出孔12に到達した液体が加圧され、噴出孔12から霧状に噴出される。
【0042】
そして、本実施形態では、噴出器本体14は、付勢部材32の後端部(一方側の端部)を支持する支持部材51を備えている。
支持部材51は、前方に向けて開口し、かつ後端壁(一方側の端壁部)を有する有底筒状に形成されている。支持部材51は、貯留シリンダ19の後端部に外装されている。支持部材51は、貯留シリンダ19に離脱可能に装着されている。支持部材51は、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転することで離脱される。図示の例では、支持部材51は、貯留シリンダ19に螺着されている。
支持部材51の、貯留シリンダ19に対する前後方向に沿う装着長さは、付勢部材32の前後方向の圧縮量以上、またはこの圧縮量よりわずかに短くなっている。これにより、支持部材51が貯留シリンダ19から離脱されたときに、支持部材51等が、付勢部材32の付勢力によって後方に飛び出すことを防止している。
【0043】
支持部材51には、支持部材51を貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転可能な操作具53が差し込まれる差込孔54が形成されている。差込孔54は、支持部材51の後端壁の後面(外面)に形成されている。差込孔54は、後方から見て直線状に延びる溝となっている。操作具53としては、例えばコイン等の板体を用いることができる。操作具53の板厚方向を、差込孔54の溝幅方向に一致させた状態で、操作具53を差込孔54に差し込むことが可能になっている。
【0044】
噴出器本体14は、貯留シリンダ19および支持部材51を一体に覆うカバー体52を備えている。カバー体52は、前後方向に延び、前端開口縁がノズル板42に当接し、ノズル部材13の装着筒43、および貯留シリンダ19を前後方向の全長にわたって一体に覆う本体筒を備えている。本体筒の後端開口縁、および支持部材51の後端壁の後面それぞれの前後方向位置は互いに同等になっている。カバー体52は、支持部材51の外面のうち、後端壁の後面を除く全体を覆っている。
【0045】
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の作用について説明する。
なお、トリガー部34の複数回の操作によって、トリガー式液体噴出器1の各部内に液体が充填されているものとする。
【0046】
トリガー部34を、弾性板部37の前方付勢力に抗して後方に引くと、主ピストン35が後方に移動して主シリンダ36内が加圧される。これにより、主シリンダ36内の液体が、連通部41内を通じて縦供給筒部10の主通路10aに供給される。この際、第1逆止弁17が弁座部24に押し付けられ、第2逆止弁20がシリンダ筒28の内周面から離反して供給孔26を開放する。これにより、容器体A内と連通部41内との主通路10aを通した連通が遮断され、かつ貯留空間19bと連通部41内との主通路10aを通した連通が許容される。したがって、主シリンダ36内から連通部41内を通して主通路10aに供給した液体が、主通路10a、接続筒部15内、および供給孔26を通して貯留空間19bに供給されることで、貯留空間19bが加圧される。そして、貯留空間19bの内圧が所定値に達したときに、貯留プランジャ21が、付勢部材32の前方付勢力に抗して後方に移動し、連通孔29が開放される。
【0047】
以上より、トリガー部34を引く操作を行う毎に、供給孔26から貯留空間19bに供給した液体が、弁基部30の内側、連通孔29、射出筒部11内、接続孔46、および接続通路48を通して噴出孔12から霧状に噴出されながら、貯留プランジャ21が後方に移動することで貯留空間19bに液体が溜められる。
そして、貯留プランジャ21がさらに後方に移動し、摺動突起21aが、貯留シリンダ19の回収孔50に到達すると、貯留空間19bの余剰の液体が、回収孔50および回収通路49を通して、容器体A内に回収される。
【0048】
後方に移動したトリガー部34は、弾性板部37の前方付勢力によって前方に移動するので、これに伴って主ピストン35が主シリンダ36内を前方に向けて復元移動する。そのため、主シリンダ36内が負圧になり、第1逆止弁17が弁座部24から上方に離反し、第2逆止弁20がシリンダ筒28の内周面に押し付けられる。これにより、容器体A内と連通部41内との主通路10aを通した連通が許容され、かつ貯留空間19bと連通部41内との主通路10aを通した連通が遮断される。したがって、容器体A内の液体が主通路10aに吸い上げられ、連通部41内を通じて主シリンダ36内に導入される。
以上より、トリガー部34を後方に引く操作を繰り返し行うことで、主シリンダ36内の液体が加圧されながら貯留空間19bに供給され、上述のように貯留プランジャ21が後方に移動しながら貯留空間19bに液体が溜められる。
【0049】
貯留空間19bへの液体の充填後、トリガー部34の操作を停止すると、主通路10aを通じた貯留空間19bへの液体の供給が停止するが、貯留プランジャ21が、付勢部材32の前方付勢力により前方に向けて復元移動しはじめる。これにより、貯留空間19bの液体が、連通孔29、射出筒部11内、接続孔46、および接続通路48を通して噴出孔12に向けて押し出され、噴出孔12から噴出される。したがって、液体が連続して噴出される。
この際、貯留空間19bから連通部41側への液体の流通は、第2逆止弁20によって規制されることとなり、例えば噴出孔12から高い圧力で液体を噴出することが可能になり、この噴出開始から終了まで、液体の噴出態様を維持することができる。
【0050】
なお、貯留プランジャ21が前方に向けて復元移動する過程で、再びトリガー部34を引く操作を繰り返すと、貯留プランジャ21が略一定の幅で後方への移動と前方への移動とを繰り返し、全体としては徐々に後方へ移動する。したがって、この場合であっても貯留空間19bに徐々に液体を溜めることができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1によれば、付勢部材32の後端部を支持する支持部材51が、貯留シリンダ19に離脱可能に装着されているので、トリガー式液体噴出器1の廃棄に際し、支持部材51を貯留シリンダ19から離脱することで、付勢部材32の後端部を開放することが可能になり、付勢部材32を、貯留シリンダ19内から後方に引き出して、分別することができる。
【0052】
支持部材51が、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転することで離脱されるので、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して後方に引っ張って離脱する場合と比べて、支持部材51を貯留シリンダ19から容易に離脱することができる。
支持部材51が、貯留シリンダ19に螺着されているので、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して後方に引っ張って離脱する場合と比べて、支持部材51を貯留シリンダ19から容易に離脱することができる。
【0053】
支持部材51に、操作具53が差し込まれる差込孔54が形成されているので、差込孔54に差し込まれた操作具53のうち、差込孔54から突出した部分を例えば摘まむ等して、操作具53を、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転することにより、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに供回りさせることが可能になり、付勢部材32を分別する際の操作性を向上させることができる。
【0054】
差込孔54が、支持部材51の後端壁の後面に形成されているので、操作具53を、差込孔54に差し込んで、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転したときに、操作具53を差込孔54から外れにくくすること等が可能になり、付勢部材32を分別する際の操作性を確実に向上させることができる。
【0055】
次に、本発明に係る第2実施形態のトリガー式液体噴出器を、
図2を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0056】
本実施形態のトリガー式液体噴出器2では、カバー体52の本体筒の後端開口縁が、支持部材51の後端壁の後面より後方に位置している。操作具53は、差込孔54を覆い、かつ破断可能な弱化部55を介してカバー体52に連結されている。操作具53は、カバー体52の本体筒の後端開口内に設けられている。操作具53は、表裏面が前後方向を向く板状に形成されている。弱化部55は、操作具53の外周面と、カバー体52の本体筒の内周面と、を連結している。操作具53と、支持部材51の後端壁の後面と、の間に前後方向の隙間が設けられている。操作具53の板厚は、差込孔54の溝幅よりわずかに薄くなっている。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のトリガー式液体噴出器2によれば、操作具53が、破断可能な弱化部55を介してカバー体52に連結されているので、トリガー式液体噴出器2の廃棄に際し、弱化部55を破断することにより、即座に、操作具53をカバー体52から分離して差込孔54に差し込み、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転することが可能になり、付勢部材32を効率よく分別することができる。
操作具53が差込孔54を覆っているので、トリガー式液体噴出器2の廃棄前に、支持部材51が、意図せず、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転するのを防ぐこと等ができる。
【0058】
次に、本発明に係る第3実施形態のトリガー式液体噴出器を、
図3Aおよび
図3Bを参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0059】
本実施形態のトリガー式液体噴出器3では、
図3Aに示されるように、支持部材51の内周面に、雌ねじ部に代えて被係止突起(第3係止突起)58が形成され、貯留シリンダ19の外周面に、雄ねじ部に代えて前側係止突起(第1係止突起)59および後側係止突起(第2係止突起)60が形成されている。被係止突起58が、前側係止突起59における前方を向く前面に支持されている。これにより、付勢部材32によって後方に付勢されている支持部材51が、貯留シリンダ19に対して後方に移動することが規制されている。
【0060】
前側係止突起59の前面に、乗り越え突起62および規制突起61が形成されている。乗り越え突起62は、規制突起61より軸線O2回りに沿う一方側に位置している。乗り越え突起62の、前側係止突起59の前面からの突出高さは、規制突起61の、前側係止突起59の前面からの突出高さより低くなっている。乗り越え突起62は、被係止突起58が、軸線O2回りに沿う一方側に乗り越え可能に形成されている。規制突起61は、被係止突起58が、軸線O2回りに沿う他方側に乗り越え不能に形成されている。
【0061】
後側係止突起60は、前側係止突起59に対して、後方でかつ軸線O2回りに沿う一方側に隣接する位置に設けられている。これにより、差込孔54に操作具53を差し込んで、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに沿う一方側に回転させ、被係止突起58を、乗り越え突起62を軸線O2回りに沿う一方側に乗り越えさせたときに、付勢部材32の付勢力により、支持部材51が、貯留シリンダ19に対して後方に移動しても、被係止突起58が、
図3Bに示されるように、後側係止突起60における前方を向く前面に突き当たることで、支持部材51が、貯留シリンダ19から飛び出すのを防ぐことができる。後側係止突起60は、貯留シリンダ19の後端部に設けられている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のトリガー式液体噴出器3によれば、第1実施形態のトリガー式液体噴出器1とほぼ同様に、廃棄に際し、貯留プランジャ21を前方に向けて付勢する付勢部材32を分別すること等ができる。
支持部材51の内周面に、被係止突起58が形成され、貯留シリンダ19に、前側係止突起59および後側係止突起60が形成されているので、支持部材51が貯留シリンダ19に螺着されている構成と比べて、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに少ない回転角度で離脱することが可能になるとともに、この離脱時に、支持部材51が、付勢部材32の付勢力により貯留シリンダ19から飛び出すのを防ぐことができる。
【0063】
なお、被係止突起(第3係止突起)58を、貯留シリンダ19の外周面に形成し、かつ前側係止突起(第2係止突起)59および後側係止突起(第1係止突起)60を、支持部材51の内周面に形成し、後側係止突起60が、被係止突起58における前方を向く前面に支持されてもよい。
この構成においても、付勢部材32によって後方に付勢されている支持部材51が、貯留シリンダ19に対して後方に移動することが規制される一方、支持部材51を、貯留シリンダ19に対して、軸線O2回りに沿う一方側に回転させたときに、後側係止突起60が被係止突起58から離れ、支持部材51が、付勢部材32の付勢力により貯留シリンダ19に対して後方に移動し、前側係止突起59が被係止突起58に突き当たる。
【0064】
次に、本発明に係る第4実施形態のトリガー式液体噴出器を、
図4および
図5を参照して説明する。
なお、この第4実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0065】
本実施形態のトリガー式液体噴出器4では、差込孔54および操作具53が、第2実施形態のトリガー式液体噴出器2と異なっている。
差込孔54は、支持部材51の後端壁の後面における中央部に形成されている。差込孔54は、後方から見てV字状を呈する溝となっている。
操作具53に、一方向の全長にわたって延びる溝64aが形成されている。操作具53は、溝64aに沿って折り曲げ可能に形成されている。操作具53は、前後方向から見て円形状を呈し、軸線O2と同軸に配設されている。溝64aは、軸線O2を通り、操作具53は、中央部で折り曲げ可能に形成されている。
【0066】
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器4の作用について説明する。
まず、弱化部55を破断して、操作具53をカバー体52から分離し、支持部材51の後端壁の後面を開放して差込孔54を露呈させる。次に、溝64aに沿って折り曲げた操作具53を、V字状を呈する向きに差込孔54に差し込み、操作具53を貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転させることで、支持部材51が、貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転し離脱される。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のトリガー式液体噴出器4によれば、第2実施形態のトリガー式液体噴出器2とほぼ同様に、廃棄に際し、貯留プランジャ21を前方に向けて付勢する付勢部材32を分別すること等ができる。
支持部材51を貯留シリンダ19から離脱させるときに、溝64aに沿って折り曲げた操作具53を、V字状を呈する向きに差込孔54に差し込み、操作具53を貯留シリンダ19に対して軸線O2回りに回転させるので、操作具53を、平板と比べて変形しにくくすることが可能になり、操作性を向上させることができる。
【0068】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0069】
縦供給筒部10に回収通路49を形成しなくてもよい。
回収通路49および主通路10aは、縦供給筒部10内において互いに連通してもよい。
回収孔50を供給孔26より前方に設けてもよい。
【0070】
ピストンガイド40は、主ピストン35の後部内に前後摺動方向に密に嵌合されてもよい。
縦供給筒部10および主シリンダ36に、主ピストン35の後部内と容器体A内とを、ピストンガイド40内を通して連通する回収通路を設けてもよい。
【0071】
第2逆止弁20を、縦供給筒部10の上端部内に配設してもよい。
ノズル部材13に、内圧が所定値を超えたときに、噴出孔12と連通孔29とを連通させる蓄圧弁を設けてもよい。
トリガー部34の操作をロックする機構を設けてもよい。
トリガー部34が後方に揺動可能とされていたが、トリガー部34が後方に移動する形態を適宜採用することが可能である。例えば、トリガー部34を後方に向けてスライド移動可能としてもよい。
【0072】
上記実施形態では、貯留プランジャ21が貯留空間19bへの液体の供給に伴って後方に移動したが、この場合に限定されるものではない。
例えば、貯留プランジャ21が貯留空間19bへの液体の供給に伴って前方に移動する構成を採用することも可能である。貯留シリンダ19の軸線O2が、前後方向とは異なる方向に延び、貯留プランジャ21が軸線O2に沿う軸方向(前後方向とは異なる方向)に移動する構成を採用することも可能である。
付勢部材32のばね定数を変更することで、噴出孔12から噴出される液体の勢い、およびトリガー部34を後方に移動させる際に要する力などを調整してもよい。
【0073】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1~4 トリガー式液体噴出器
10 縦供給筒部
12 噴出孔
13 ノズル部材
14 噴出器本体
19 貯留シリンダ
21 貯留プランジャ
22 トリガー機構
32 付勢部材
34 トリガー部
51 支持部材
52 カバー体
53 操作具
54 差込孔
58 被係止突起(第3係止突起)
59 前側係止突起(第1係止突起)
60 後側係止突起(第2係止突起)
A 容器体
O2 軸線(貯留シリンダの中心軸線)