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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】回転電機用放電検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/12 20200101AFI20231106BHJP
   G01R 31/34 20200101ALI20231106BHJP
【FI】
G01R31/12 A
G01R31/34 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020187200
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076688
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田上 剣汰
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-159894(JP,A)
【文献】特開2013-068579(JP,A)
【文献】特開2008-215864(JP,A)
【文献】特開2003-107122(JP,A)
【文献】韓国登録特許第0728761(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/12-31/20、
31/327-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子鉄心と前記固定子鉄心に対して回転する回転子鉄心とを備えた回転電機の前記固定子鉄心に設けられ、部分放電に伴って放射された波を受信する固定子センサと、
前記回転子鉄心に設けられ、前記波を受信する回転子センサと、
前記固定子センサおよび前記回転子センサに対する前記波の到達時間差に基づいて、前記部分放電の位置を特定する放電発生位置特定部と、
を備えた回転電機用放電検出装置。
【請求項2】
一つの前記固定子センサと一つ以上の前記回転子センサとが、前記回転子鉄心の軸方向と直交する平面上に設けられた、請求項1に記載の回転電機用放電検出装置。
【請求項3】
前記回転子鉄心の軸方向に互いに間隔を空けて並べられた複数の前記固定子センサと、
前記回転子鉄心の軸方向に互いに間隔を空けて並べられた複数の前記回転子センサと、
を備えた請求項1または2に記載の回転電機用放電検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機用放電検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機で発生する部分放電を検出する回転電機用放電検出装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-212122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機用放電検出装置では、鉄心で発生した部品放電の位置の特定をしやすい構成が得られれば有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、鉄心で発生した部分放電の位置を特定しやすい回転電機用放電検出装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の回転電機用放電検出装置は、固定子鉄心と前記固定子鉄心に対して回転する回転子鉄心とを備えた回転電機の前記固定子鉄心に設けられ、部分放電に伴って放射された波を受信する固定子センサと、前記回転子鉄心に設けられ、前記波を受信する回転子センサと、前記固定子センサおよび前記回転子センサに対する前記波の到達時間差に基づいて、前記部分放電の位置を特定する放電発生位置特定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態の回転電機用放電検出装置によれば、鉄心で発生した部分放電の位置を特定しやすい回転電機用放電検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の回転電機システムの構成を例示的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態の回転電機の一部の例示的な正面図である。
図3図3は、第1実施形態の回転電機の一部の例示的な断面図である。
図4図4は、第1実施形態の絶縁診断装置の構成を例示的に示すブロック図である。
図5図5は、第1実施形態の絶縁診断装置の制御部が実行する放電検出処理を例示的に示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態の回転電機システムの一部の例示的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0010】
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。
【0011】
(第1実施形態)
<回転電機システム1>
図1は、第1実施形態の回転電機システム1の構成を例示的に示す図である。図1に示されるように、回転電機システム1は、回転電機100と、絶縁診断装置200と、を備える。回転電機100は、例えば三相誘電電動機である。なお、回転電機100は、上記に限定されない。絶縁診断装置200は、回転電機100の絶縁診断を行う。絶縁診断装置200は、回転電機100の絶縁診断として部分放電の検出を行う。
【0012】
<回転電機100>
回転電機100は、筐体10と、回転子20と、固定子30と、を有する。
【0013】
筐体10は、箱型に形成されている。筐体10は、回転子20の一部と固定子30と、を収容している。筐体10は、ケースとも称される。
【0014】
回転子20は、ロータシャフト21と、回転子鉄心22と、を有する。ロータシャフト21のうち軸方向の両端部の間の部分に回転子鉄心22が固定されている。回転子20は、固定子30に対して回転軸Ax1回りに回転する。回転軸Ax1は、例えばロータシャフト21の中心軸(中心線)である。以後、特に言及しない限り、軸方向、径方向、および周方向は、回転子20の軸方向、径方向、および周方向、すなわち回転軸Ax1の軸方向、径方向、および周方向である。
【0015】
ロータシャフト21は、回転軸Ax1回りに回転可能に、二つの軸受23を介して筐体10に支持されている。二つの軸受23は、軸方向において回転子鉄心22の両側に位置している。軸受23は、例えば、すべり軸受やころがり軸受等である。
【0016】
ロータシャフト21の軸方向の両端部は、筐体10から筐体10の外部に突出している。ロータシャフト21の軸方向の一方の端部には、結合部14Aが設けられている。結合部14Aは、結合対象(不図示)と結合される。回転電機100には、回転子20の回転角度を検出する角度センサ25が設けられている。
【0017】
図2は、第1実施形態の回転電機100の一部の例示的な正面図である。図3は、第1実施形態の回転電機100の一部の例示的な断面図である。
【0018】
図2に示されるように、回転子鉄心22は、外周部22aと、内周部22bと、を有する。外周部22aには、複数の凹部22cと複数の凸部22dとが周方向に交互に設けられている。別の言い方をすると、回転子鉄心22は、ベース部22eと、ベース部22eの外周部から径方向外側に突出し互いに周方向に間隔を空けて並べられた複数の凸部22dと、を有する。隣り合う凸部22d間に凹部22cが設けられている。複数の凹部22cと複数の凸部22dとは、軸方向に延びる。
【0019】
また、図3に示されるように、回転子鉄心22は、軸方向に並べられた複数の円盤状の鉄心ブロック24を有する。複数の鉄心ブロック24は、連結バー27およびエンドリング26によって一体化されている。軸方向に隣り合う二つの鉄心ブロック33の間には、ダクト22fが設けられている。ダクト22fは、空気の通路である。
【0020】
図1に示されるように、固定子30は、固定子鉄心31と、固定子巻線32と、を有する。固定子鉄心31は、回転子鉄心22の径方向外側に位置し、回転子鉄心22を囲む円筒状に形成されている。固定子鉄心31は、筐体10に固定されている。
【0021】
図2に示されるように、固定子鉄心31は、外周部31aと、内周部31bと、を有する。内周部31bには、複数のスロット31cと複数のティース31dとが周方向に交互に設けられている。別の言い方をすると、固定子鉄心31は、ベース部31eと、ベース部31eの内周部から径方向内側に突出し互いに周方向に間隔を空けて並べられた複数のティース31dと、を有する。隣り合うティース31d間にスロット31cが設けられている。ベース部31eは、固定子コアバック部とも称される。
【0022】
また、図3に示されるように、固定子鉄心31は、軸方向に並べられた複数の円盤状の鉄心ブロック33を有する。複数の鉄心ブロック33は、互いに一体化されている。軸方向に隣り合う二つの鉄心ブロック33の間には、ダクト31fが設けられている。ダクト31fは、空気の通路である。
【0023】
図1および図3に示される固定子巻線32は、固定子鉄心31のスロット31c内に入れられて固定子鉄心31に固定されている。固定子巻線32は、軸方向に延びる。
【0024】
また、図2および図3に示されるように、回転電機100は、複数の回転子センサ40と、複数の固定子センサ50と、を有する。回転子センサ40および固定子センサ50は、回転電機100で発生する部分放電に伴って放射される波を受信可能である。部分放電は、例えば、固定子鉄心31のスロット31c内の固定子巻線32で発生したり、固定子巻線32と固定子鉄心31との間で発生したりする。すなわち、部分放電は、例えば、固定子鉄心31で発生する、回転子センサ40および固定子センサ50は、波として電磁波を受信可能である。なお、回転子センサ40および固定子センサ50は、波として、光、超音波等を受信可能なものであってもよい。波は、放射波や放射信号とも称される。
【0025】
本実施形態では、回転子鉄心22の各鉄心ブロック24に、二つの回転子センサ40が固定されている。二つの回転子センサ40は、第1回転子センサ40Aと第2回転子センサ40Bとである。回転子センサ40は、回転子鉄心22の各鉄心ブロック24の外周部22aに配置されている。回転子センサ40は、ダクト22f内に入れられている。また、固定子鉄心31の各鉄心ブロック33に、一つの固定子センサ50が固定されている。固定子センサ50は、固定子鉄心31の各鉄心ブロック33のベース部31eに配置されている。回転子センサ40は、ダクト31f内に入れられている。固定子センサ50は、ダクト31f内に入れられている。また、径方向に並ぶ鉄心ブロック24,33に設けられた二つの回転子センサ40および固定子センサ50は、同一の平面E上に配置されている。また、複数の回転子センサ40は、軸方向に延びる二列に並べられ、当該二列は、周方向に間隔を空けている。また、複数の固定子センサ50は、軸方向に延びる一例に並べられている。回転子センサ40および固定子センサ50は、放電センサとも称される。
【0026】
<絶縁診断装置200>
図4は、第1実施形態の絶縁診断装置200の構成を例示的に示すブロック図である。図4に示されるように、絶縁診断装置200は、制御部201と、記憶装置202と、通信部203と、入出力部204と、を備える。制御部201と、記憶装置202、通信部203、および入出力部204とは、情報および信号を授受可能に接続されている。
【0027】
記憶装置202は、各種の情報を記憶する。本実施形態では、記憶装置202は、各回転子センサ40および各固定子センサ50の位置を記憶している。回転子センサ40の位置は、例えば、回転子鉄心22中の所定の基準位置である回転子基準位置に対する位置である。この回転子基準位置に対する回転子センサ40の位置と、角度センサ25の出力(回転基準に対する回転子20の角度)とから、所定のセンサ基準位置に対する回転子センサ40の位置を算出することができる。センサ基準位置は、任意であるが、例えば、ある固定子センサ50の位置であってよい。固定子センサ50の位置は、センサ基準位置に対する位置である。記憶装置202は、公知の記憶媒体である。
【0028】
通信部203は、他の装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、通信部203は、回転子センサ40と無線通信する通信インターフェースと、固定子センサ50と有線通信する通信インターフェースと、角度センサ25と有線通信する通信インターフェースと、を有する。なお、通信部203は、固定子センサ50および角度センサ25と無線通信してもよい。
【0029】
入出力部204は、作業者等の操作者からの操作指示を受け付ける入力部と、画像を表示する表示部と、を備える。入力部は、例えば、キーボード、マウス、などである。表示部は、例えば、液晶表示装置や、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。入出力部204は、入力部と表示部とを一体に備えたタッチパネル付ディスプレイであってもよい。
【0030】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。すなわち、制御部201は、コンピュータである。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。制御部201は、演算部や情報処理部とも称される。
【0031】
制御部201は、機能的構成として、取得部201aと、放電発生位置特定部201bと、を有する。これらの機能的構成は、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0032】
取得部201aは、回転子センサ40、固定子センサ50、および角度センサ25等から各種情報や信号を取得する。
【0033】
放電発生位置特定部201bは、取得部201aによって取得された情報に基づいて、部分放電の発生位置を特定する。放電発生位置特定部201bによる部分放電の位置の特定には、双曲線法が用いられる。以下に、放電発生位置特定部201bによる部分放電の位置の特定方法について説明する。
【0034】
部分放電発生部D(図2,3)で部分放電が発生すると、当該部分放電に伴って波である電磁波がパルス信号として放射される。この電磁波は、各回転子センサ40および各固定子センサ50に到達する。各回転子センサ40および各固定子センサ50は、受信した波を電圧に変換したデジタル信号と当該電磁波の受信時刻とを含む放電情報を、絶縁診断装置200に送信する。部分放電発生部Dの位置によっては、各回転子センサ40および各固定子センサ50と部分放電発生部Dとの距離により、同じパルス信号でも各回転子センサ40および各固定子センサ50に到達する時間に差が生じる。つまり、ある固定子センサ50に電磁波が到着する時刻と、ある回転子センサ40に電磁波が到着する時刻と、に差が生じる。すなわち、固定子センサ50および回転子センサ40に対する電磁波の到達時間差が生じる。換言すると、固定子センサ50が電磁波を受信する時刻と、回転子センサ40が電磁波を受信する時刻と、に差が生じる。到達時間差は、受信時間差とも称される。
【0035】
ここで、各回転子センサ40および各固定子センサ50の総称として受信センサを用いる。ある2つの受信センサを基準点としてこれらの基準点からの距離差が一定な点の軌跡は両基準点を焦点とする双曲線となる。ある平面E上の固定子センサ50と当該平面E上の第1回転子センサ40Aとの間の双曲線と、当該固定子センサ50と当該平面E上の第2回転子センサ40Bとの間の双曲線と、を求める。なお、このとき、電磁波を受信したときの各回転子センサ40の位置は、角度センサ25の出力から算出することができる。そして、上記平面E上の固定子センサ50と当該平面E上の第1回転子センサ40Aとの間の双曲線と、当該固定子センサ50と当該平面E上の第2回転子センサ40Bとの間の双曲線との交点座標(交点位置)を求めることにより、部分放電発生部Dの平面E上の位置(周方向および径方向の位置)を特定することができる。また、複数の固定子センサ50または複数の回転子センサ40のうち受信した電磁波の強度(電圧の値)が最も大きい固定子センサ50または複数の回転子センサ40の軸方向の位置を部分放電発生部Dの軸方向の位置として特定(決定)する。このようにして、部分放電発生部Dの位置(周方向、径方向および軸方向の位置)を求めることができる。なお、複数の回転子センサ40と複数の固定子センサ50との複数の組のそれぞれの双曲線を求め、それら複数の双曲線の交点座標を部分放電発生部Dの位置として特定してもよい。
【0036】
絶縁診断装置200は、回転子センサ40および固定子センサ50とともに、部分放電の位置を特定する回転電機用放電検出装置300を構成している。
【0037】
次に、絶縁診断装置200の制御部201が実行する放電検出処理を図5に基づいて説明する。図5は、第1実施形態の絶縁診断装置200の制御部201が実行する放電検出処理を例示的に示すフローチャートである。
【0038】
まず、取得部201aが、回転子センサ40および固定子センサ50から放電情報を取得する(S11)。また、取得部201aは、角度センサ25から送信された回転子20の角度を示す角度情報を通信部203を介して受信する。
【0039】
次に、放電発生位置特定部201bが、取得部201aによって取得された情報から固定子センサ50および回転子センサ40への電磁波の到達時間差を算出し、上述した方法で部分放電の発生位置を特定する(S12)。
【0040】
次に、制御部201が、放電発生位置特定部201bによって特定された部分放電の位置を示す放電発生位置情報を出力する(S13)。例えば、制御部201は、放電発生位置情報を表示部に表示する。なお、この出力は、放電発生位置特定部201bが行ってもよいし、機能部としての出力部(不図示)が行ってもよい。
【0041】
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態では、回転電機用放電検出装置300は、固定子センサ50と、回転子センサ40と、放電発生位置特定部201bと、を備える。固定子センサ50は、固定子鉄心31と固定子鉄心31に対して回転する回転子鉄心22とを備えた回転電機100の固定子鉄心31に設けられ、部分放電に伴って放射された波(一例として、電磁波)を受信する。回転子センサ40は、回転子鉄心22に設けられ、波(一例として、電磁波)を受信する。放電発生位置特定部201bは、固定子センサ50および回転子センサ40に対する波の到達時間差に基づいて、部分放電の位置を特定する。
【0042】
このような構成によれば、放電発生位置特定部201bが、固定子鉄心31に設けられた固定子センサ50および回転子鉄心22に設けられた回転子センサ40に対する波の到達時間差に基づいて、部分放電の位置を特定するので、鉄心(例えば固定子鉄心31)で発生した部分放電の位置を特定しやすい。また、このような構成によれば、異相間および同相間の両方の部分放電を検出することができる。
【0043】
また、本実施形態では、例えば、一つの固定子センサ50と一つ以上の回転子センサ40とが、回転子鉄心22の軸方向と直交する平面E上に設けられている。
【0044】
このような構成によれば、例えば、部分放電の周方向および径方向の位置を特定(推定)することができる。
【0045】
また、本実施形態では、回転電機用放電検出装置300は、軸方向に互いに間隔を空けて並べられた複数の固定子センサ50と、軸方向に互いに間隔を空けて並べられた複数の回転子センサ40と、を備える。
【0046】
このような構成によれば、例えば、部分放電の軸方向の位置を特定(推定)することができる。
【0047】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の回転電機システム1の一部の例示的な正面図である。本実施形態は、各平面E上に一つの回転子センサ40と一つの固定子センサ50とが設けられている点と、放電発生位置特定部201bによる部分放電の位置の特定方法とが第1実施形態と異なる。
【0048】
回転子20の回転中に複数のパルス信号が放射された場合、あるパルス信号である第1パル信号を受信したときの回転子センサ40の第1位置P1と、第1パルス信号の次のパルス信号である第2パルス信号を受信したときの回転子センサ40の第2位置P2と、を角度センサ25の出力から算出する。そして、第1パルス信号の受信による平面E上の固定子センサ50と回転子センサ40の間の双曲線と、第2パルス信号の受信による平面E上の固定子センサ50と回転子センサ40の間の双曲線と、を求める。そして、第1パルス信号の受信による平面E上の固定子センサ50と回転子センサ40の間の双曲線と、第2パルス信号の受信による平面E上の固定子センサ50と回転子センサ40との間の双曲線との交点座標を求めることにより、部分放電発生部Dの周方向の位置を特定することができる。部分放電発生部Dの径方向の位置は、第1実施形態と同様の方法によって求めることができる。
【0049】
このような構成によれば、各平面E上に回転子センサ40および固定子センサ50が、それぞれ一つだけ設けられているので、回転電機用放電検出装置300の構成を簡素化しやすい。
【0050】
なお、上記各実施形態では、各平面Eに固定子センサ50が一つだけ設けられた例が示されたが、これに限定されない。例えば、固定子センサ50は、各平面Eに複数設けられていてもよい。
【0051】
また、上記各実施形態では、回転子鉄心22および固定子鉄心31にダクト22f,31fが設けられ、ダクト22f,31fに回転子センサ40および固定子センサ50が配置された例が示されたが、これに限定されない。例えば、回転子鉄心22および固定子鉄心31にダクト22f,31fが設けられておらず、回転子センサ40および固定子センサ50が回転子鉄心22および固定子鉄心31に埋め込まれていてもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
22…回転子鉄心、31…固定子鉄心、40…回転子センサ、50…固定子センサ、100…回転電機、300…回転電機用放電検出装置、E…平面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6