IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特許-作業車 図1
  • 特許-作業車 図2
  • 特許-作業車 図3
  • 特許-作業車 図4
  • 特許-作業車 図5
  • 特許-作業車 図6
  • 特許-作業車 図7
  • 特許-作業車 図8
  • 特許-作業車 図9
  • 特許-作業車 図10
  • 特許-作業車 図11
  • 特許-作業車 図12
  • 特許-作業車 図13
  • 特許-作業車 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B62D 49/00 20060101AFI20231106BHJP
   A01D 67/02 20060101ALI20231106BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B62D49/00 Z
A01D67/02
B62D49/00 N
B60H1/32 613M
B60H1/32 614C
B60H1/32 613T
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020215829
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022101313
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小林 句美子
(72)【発明者】
【氏名】西野 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】眞野 駿哉
(72)【発明者】
【氏名】後 健蔵
(72)【発明者】
【氏名】野 仁人
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-315140(JP,A)
【文献】実開昭49-111950(JP,U)
【文献】特開2000-139148(JP,A)
【文献】特開2015-067063(JP,A)
【文献】特開2008-189294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 49/00
A01D 67/02
A01D 69/02
B60H 1/32
A01D 41/12
B62D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転部と、
前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、
前記エアコンユニットは、機体の機体左右方向一方側の横側方に位置する状態で前記機体に支持され、
左右の走行装置が備えられ、
前記エアコンユニットは、平面視で前記左右の走行装置のうちの機体左右方向一方側の前記走行装置と重複する状態で、前記機体左右方向一方側の走行装置の上方に設けられている作業車。
【請求項2】
前記エアコンユニットは、機体左右方向一方側の前記走行装置の横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記走行装置に、前走行装置と、後走行装置と、が備えられ、
前記エアコンユニットは、平面視で左右の前記後走行装置のうちの機体左右方向一方側の前記後走行装置と重複する状態で、前記機体左右方向一方側の後走行装置の上方に設けられている請求項1または2に記載の作業車。
【請求項4】
運転部と、
前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、
前記エアコンユニットは、機体の機体左右方向一方側の横側方に位置する状態で前記機体に支持され、
左右の走行装置と、
側面視において前記走行装置の上方に位置する左右のフェンダーが備えられ、
前記エアコンユニットは、平面視で前記左右のフェンダーのうちの機体左右方向一方側の前記フェンダーと重複する状態で、前記機体左右方向一方側のフェンダーの下方に設けられている作業車。
【請求項5】
前記走行装置は、前記フェンダーよりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられ、
前記エアコンユニットは、機体左右方向一方側の前記走行装置の上方と前記機体左右方向一方側のフェンダーの下方とに亘る状態で設けられている請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
前記エアコンユニットからの空気を前記運転部に導くダクトが備えられ、
前記エアコンユニットは、前記機体左右方向一方側のフェンダーよりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられ、
前記エアコンユニットのうち、前記機体左右方向一方側のフェンダーから突出した部分の上面部に、前記ダクトが接続される接続部が備えられている請求項4または5に記載の作業車。
【請求項7】
電源と、前記電源から供給される電気の電圧を前記エアコンユニットの必要電圧に変圧するコンバーターと、が備えられ、
前記コンバーターは、機体左右方向において、前記機体の中心位置よりも機体左右方向一方側に設けられている請求項1から6の何れか一項に記載の作業車。
【請求項8】
前記運転部に運転座席が備えられ、
前記エアコンユニットは、前記運転座席の上端部よりも低い位置に設けられている請求項1から7の何れか一項に記載の作業車。
【請求項9】
運転部と、
前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、
前記エアコンユニットは、機体の側方に位置する状態で前記機体に支持され、
前記エアコンユニットに、熱交換部と、前記熱交換部を収容するケース部と、が備えられ、
前記ケース部のうち、平面視で前記機体の中央側に向く部分に、前記熱交換部に対する吸気口が備えられ、
前記吸気口に対向する位置に、前記吸気口の上下幅に亘るとともに前記吸気口の横幅に亘る壁部が、前記吸気口と離間した状態で備えられている作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転部のためのエアコンユニットを備える作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この作業車(特許文献1では「バッテリ式フォークリフト」)は、運転席を覆うヘッドガードを備えている。そして、ヘッドガードの天井部に、エアコンユニットが載置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-16788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の作業車においては、エアコンユニットが比較的高い位置に配置されることとなる。これにより、作業車の重心位置が比較的高くなりがちである。その結果、作業車の姿勢が不安定になりがちである。
【0005】
本発明の目的は、作業車の姿勢の安定性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、運転部と、前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、前記エアコンユニットは、機体の機体左右方向一方側の横側方に位置する状態で前記機体に支持され、左右の走行装置が備えられ、前記エアコンユニットは、平面視で前記左右の走行装置のうちの機体左右方向一方側の前記走行装置と重複する状態で、前記機体左右方向一方側の走行装置の上方に設けられている
【0007】
本発明であれば、エアコンユニットは、機体の側方に位置している。そのため、エアコンユニットが運転部の天井部に配置される場合に比べて、エアコンユニットの配置位置が低くなる。これにより、作業車の重心位置が比較的低くなる。その結果、作業車の姿勢が安定的となる。
【0008】
即ち、本発明であれば、作業車の姿勢の安定性を向上させることができる。
【0009】
【0010】
一般に、作業車において、機体前部または機体後部に作業装置が設けられることが少なくない。例えば、作業車がコンバインであれば、作業装置である刈取装置が機体前部に設けられる。また、作業車が田植機であれば、作業装置である苗植付装置が機体後部に設けられる。
【0011】
そのため、エアコンユニットが機体前方または機体後方に位置する構成では、エアコンユニットが作業装置に干渉する事態が想定される。
【0012】
ここで、上記の構成によれば、エアコンユニットは、機体左右方向一方側の横側方に設けられている。従って、機体前部または機体後部に作業装置が設けられていたとしてもエアコンユニットが作業装置に干渉しにくい作業車を実現できる。
この構成によれば、エアコンユニットが平面視で走行装置と重複しないように配置された構成に比べて、エアコンユニットが平面視でコンパクトに収まりやすい。これにより、エアコンユニットを備えながらも、コンパクトな作業車を実現しやすい。
【0013】
さらに、本発明において、左右の走行装置が備えられ、前記エアコンユニットは、機体左右方向一方側の前記走行装置の横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられていると好適である。
【0014】
この構成によれば、エアコンユニットが機体左右方向一方側の走行装置の横外端部よりも横側方に張り出している構成に比べて、エアコンユニットが建物の壁や障害物等に干渉しにくい。そのため、エアコンユニットが建物の壁や障害物等に干渉することによって走行が阻害される事態を回避しやすい。
【0015】
【0016】
【0017】
さらに、本発明において、前記走行装置に、前走行装置と、後走行装置と、が備えられ、前記エアコンユニットは、平面視で左右の前記後走行装置のうちの機体左右方向一方側の前記後走行装置と重複する状態で、前記機体左右方向一方側の後走行装置の上方に設けられていると好適である。
【0018】
この構成によれば、エアコンユニットが前走行装置の上方に設けられている構成よりも、エアコンユニットの配置位置が後側となる。そのため、エアコンユニットが前走行装置の上方に設けられている構成に比べて、エアコンユニットや、エアコンユニットに接続されるダクト等によって運転者の前側の視界が狭まる事態が起こりにくい。これにより、エアコンユニットを備えながらも、運転者の前側の視界が狭まりにくい作業車を実現しやすい。
【0019】
本発明の特徴は、運転部と、前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、前記エアコンユニットは、機体の機体左右方向一方側の横側方に位置する状態で前記機体に支持され、左右の走行装置と、側面視において前記走行装置の上方に位置する左右のフェンダーが備えられ、前記エアコンユニットは、平面視で前記左右のフェンダーのうちの機体左右方向一方側の前記フェンダーと重複する状態で、前記機体左右方向一方側のフェンダーの下方に設けられてい
【0020】
本発明であれば、エアコンユニットは、機体の側方に位置している。そのため、エアコンユニットが運転部の天井部に配置される場合に比べて、エアコンユニットの配置位置が低くなる。これにより、作業車の重心位置が比較的低くなる。その結果、作業車の姿勢が安定的となる。
即ち、本発明であれば、作業車の姿勢の安定性を向上させることができる。
一般に、作業車において、機体前部または機体後部に作業装置が設けられることが少なくない。例えば、作業車がコンバインであれば、作業装置である刈取装置が機体前部に設けられる。また、作業車が田植機であれば、作業装置である苗植付装置が機体後部に設けられる。
そのため、エアコンユニットが機体前方または機体後方に位置する構成では、エアコンユニットが作業装置に干渉する事態が想定される。
ここで、上記の構成によれば、エアコンユニットは、機体左右方向一方側の横側方に設けられている。従って、機体前部または機体後部に作業装置が設けられていたとしてもエアコンユニットが作業装置に干渉しにくい作業車を実現できる。
この構成によれば、エアコンユニットがフェンダーよりも上側に配置される構成に比べて、エアコンユニットの配置位置が低くなる。これにより、作業車の重心位置が比較的低くなる。その結果、作業車の姿勢が安定的となる。
【0021】
即ち、この構成であれば、作業車の姿勢の安定性をより一層向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明において、前記走行装置は、前記フェンダーよりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられ、前記エアコンユニットは、機体左右方向一方側の前記走行装置の上方と前記機体左右方向一方側のフェンダーの下方とに亘る状態で設けられていると好適である。
【0023】
この構成によれば、エアコンユニットは、機体上下方向においてフェンダーと走行装置との間に配置されることとなる。これにより、フェンダーと走行装置との間の空間を有効利用することが可能となる。
【0024】
さらに、本発明において、前記エアコンユニットからの空気を前記運転部に導くダクトが備えられ、前記エアコンユニットは、前記機体左右方向一方側のフェンダーよりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられ、前記エアコンユニットのうち、前記機体左右方向一方側のフェンダーから突出した部分の上面部に、前記ダクトが接続される接続部が備えられていると好適である。
【0025】
接続部の上方がフェンダーによって覆われている場合、例えばフェンダーに穴を設けて、その穴をダクトが通過する状態でダクトを配置する等の工夫が必要となる。これにより、ダクトや、ダクトの支持部材や、フェンダー等の構造が複雑化しがちである。
【0026】
ここで、上記の構成によれば、接続部の上方はフェンダーによって覆われていない。そのため、例えばフェンダーに穴を設けて、その穴をダクトが通過する状態でダクトを配置する等の工夫は不要である。これにより、ダクトや、ダクトの支持部材や、フェンダー等の構造がシンプルになりやすい。その結果、製造コストが低減しやすい。
【0027】
さらに、本発明において、電源と、前記電源から供給される電気の電圧を前記エアコンユニットの必要電圧に変圧するコンバーターと、が備えられ、前記コンバーターは、機体左右方向において、前記機体の中心位置よりも機体左右方向一方側に設けられていると好適である。
【0028】
この構成によれば、エアコンユニット及びコンバーターの両方が、機体の中心位置よりも機体左右方向一方側に設けられることとなる。これにより、コンバーターが機体の中心位置よりも機体左右方向他方側に設けられる構成に比べて、エアコンユニットとコンバーターとを繋ぐ配線のレイアウトがシンプルになりやすい。その結果、製造コストが低減しやすい。
【0029】
さらに、本発明において、前記運転部に運転座席が備えられ、前記エアコンユニットは、前記運転座席の上端部よりも低い位置に設けられていると好適である。
【0030】
この構成によれば、エアコンユニットが運転座席の上端部よりも高い位置に設けられている構成に比べて、エアコンユニットの配置位置が低くなる。これにより、作業車の重心位置が比較的低くなる。その結果、作業車の姿勢が安定的となる。
【0031】
即ち、この構成であれば、作業車の姿勢の安定性をより一層向上させることができる。
【0032】
【0033】
【0034】
本発明の特徴は、運転部と、前記運転部のためのエアコンユニットと、が備えられ、前記エアコンユニットは、機体の側方に位置する状態で前記機体に支持され、前記エアコンユニットに、熱交換部と、前記熱交換部を収容するケース部と、が備えられ、前記ケース部のうち、平面視で前記機体の中央側に向く部分に、前記熱交換部に対する吸気口が備えられ、前記吸気口に対向する位置に、前記吸気口の上下幅に亘るとともに前記吸気口の横幅に亘る壁部が、前記吸気口と離間した状態で備えられてい
【0035】
本発明であれば、エアコンユニットは、機体の側方に位置している。そのため、エアコンユニットが運転部の天井部に配置される場合に比べて、エアコンユニットの配置位置が低くなる。これにより、作業車の重心位置が比較的低くなる。その結果、作業車の姿勢が安定的となる。
即ち、本発明であれば、作業車の姿勢の安定性を向上させることができる。
この構成によれば、ケース部のうち平面視で機体の外側に向く部分に吸気口が備えられている構成に比べて、吸気口に泥や塵等が入り込みにくい。これにより、エアコンユニットのメンテナンスが必要となる頻度が少なくなりやすい。
この構成によれば、吸気口へ向かって飛ぶ泥や塵等が吸気口に入り込むことを、壁部によって抑制できる。そのため、吸気口に泥や塵等が入り込みにくい。これにより、エアコンユニットのメンテナンスが必要となる頻度が少なくなりやすい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】トラクタの左側面図である。
図2】トラクタの平面図である。
図3】エアコンユニット等の構成を示す縦断正面図である。
図4】エアコンユニット等の構成を示す一部破断背面図である。
図5】トラクタの正面図である。
図6】コンバーター等の構成を示す左側面図である。
図7】エアコンユニット等の構成を示す左側面図である。
図8】ダクト等の構成を示す左側面図である。
図9】ダクト等の構成を示す平面図である。
図10】トラクタの背面図である。
図11】エアコンユニット等の構成を示す一部破断平面図である。
図12】ダクト等の構成を示す平面図である。
図13】ダクト支持部材等の構成を示す左側面図である。
図14】ダクト支持部材等の構成を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、図1図2図6から図9図11から図14に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図2から図5図9から図12図14に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1図3から図8図10図13に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0038】
〔トラクタの全体構成〕
図1及び図2に示すように、トラクタ1(本発明に係る「作業車」に相当)は、機体フレーム2と、機体本体Mと、左右の走行装置TRと、を備えている。
【0039】
機体フレーム2は、機体前後方向に延びている。また、機体フレーム2は、左右の走行装置TRに支持されている。そして、機体フレーム2は、機体本体Mを支持している。即ち、左右の走行装置TRは、機体フレーム2を介して、機体本体Mを支持している。
【0040】
このように、トラクタ1は、機体フレーム2に支持された機体本体Mを備えている。また、トラクタ1は、機体本体Mを支持する左右の走行装置TRを備えている。
【0041】
尚、トラクタ1の機体は、機体フレーム2と、機体本体Mと、により構成されている。
トラクタ1の機体は、左右の走行装置TRにより支持されている。
【0042】
各走行装置TRは、前車輪10(本発明に係る「前走行装置」に相当)と、後車輪11(本発明に係る「後走行装置」に相当)と、を有している。前車輪10及び後車輪11は、何れも車輪である。
【0043】
即ち、走行装置TRに、前車輪10と、後車輪11と、が備えられている。また、本実施形態において、左右の走行装置TRは、左右の前車輪10及び後車輪11である。
【0044】
また、機体本体Mは、運転部3及びエンジンボンネット12を備えている。即ち、運転部3は、機体フレーム2に支持されている。エンジンボンネット12は、機体前部に配置されている。そして、運転部3は、エンジンボンネット12の後方に設けられている。
【0045】
運転部3は、運転座席31及びステアリングホイール32を有している。運転者は、運転座席31に着座可能である。そして、運転者は、運転部3において、各種の運転操作を行うことができる。例えば、ステアリングホイール32の操作によって、左右の前車輪10は操向操作される。
【0046】
このように、トラクタ1は、運転部3を備えている。また、運転部3に運転座席31が備えられている。言い換えれば、トラクタ1は、運転座席31を有する運転部3を備えている。
【0047】
図1に示すように、エンジンボンネット12は、エンジンEG、燃料タンク4、ラジエータ15、冷却ファン17、バッテリー18(本発明に係る「電源」に相当)を収容している。
【0048】
即ち、トラクタ1において、機体の前部にエンジンEGを収容するエンジンボンネット12が備えられている。
【0049】
燃料タンク4は、燃料を貯留する。燃料タンク4の燃料補給部4aは、エンジンボンネット12の上面よりも上側に突出している。燃料補給部4aから、燃料タンク4に燃料を補給することができる。燃料タンク4に貯留された燃料は、エンジンEGへ供給される。
【0050】
ここで、機体フレーム2は、左右の主フレーム2aと、動力伝達装置2bと、を有している。各主フレーム2aは、垂直姿勢の板状の部材であり、機体前後方向に延びている。
左右の主フレーム2aの後部に、動力伝達装置2bの前部が固定されている。動力伝達装置2bは、機体前後方向に延びている。本実施形態において、動力伝達装置2bは、静油圧式無段変速機を有している。また、動力伝達装置2bの後端部に、トランスミッション6が支持されている。
【0051】
そして、エンジンEGの駆動力は、動力伝達装置2bを介して、トランスミッション6へ伝達される。動力伝達装置2b及びトランスミッション6は、エンジンEGから受け取った駆動力を変速し、左右の前車輪10及び左右の後車輪11に伝達する。これにより、左右の前車輪10及び左右の後車輪11は駆動される。
【0052】
また、トラクタ1の後端部には、リンク機構36が設けられている。リンク機構36は、耕耘装置(図示せず)等の作業装置を取り付け可能に構成されている。そして、トランスミッション6は、エンジンEGから受け取った駆動力の一部を、PTO軸(図示せず)を介して、作業装置に伝達する。
【0053】
このように、トラクタ1は、機体フレーム2に支持されたトランスミッション6を備えている。
【0054】
以上の構成により、トラクタ1は、左右の前車輪10及び左右の後車輪11によって走行しながら、作業装置によって作業を行うことができる。例えば、トラクタ1は、畝圃場において、左右の前車輪10及び左右の後車輪11が畝溝に位置する状態で走行しながら、中耕作業を行うことができる。
【0055】
また、トラクタ1は、エンジンEGを冷却する冷却水経路を備えている。ラジエータ15は、この冷却水経路に含まれている。ウォータポンプ(図示せず)が冷却水を圧送することにより、冷却水が、この冷却水経路を循環する。そして、冷却水は、ラジエータ15を通過することにより冷却される。
【0056】
ラジエータ15は、エンジンEGの前方に配置されている。冷却ファン17は、機体前後方向でラジエータ15とエンジンEGとの間に配置されている。
【0057】
ここで、図1に示すように、エンジンボンネット12は、導入部12aを有している。
導入部12aは、外気をエンジンボンネット12の内側へ導入可能に構成されている。導入部12aは、エンジンボンネット12の前端部に設けられている。
【0058】
本実施形態において、導入部12aは、複数の小さな孔により構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、導入部12aは、他のいかなる形態であっても良い。例えば、導入部12aは、1つの孔により構成されていても良い。また、導入部12aが、外気導入用の送風機を含んでいても良い。
【0059】
また、エンジンボンネット12は、左右の排気グリル部12bを有している。左右の排気グリル部12bは、エンジンボンネット12の内側の空気を外部へ排出可能に構成されている。
【0060】
左の排気グリル部12bは、エンジンボンネット12の左側部に設けられている。また、右の排気グリル部12bは、エンジンボンネット12の右側部に設けられている。
【0061】
そして、左の排気グリル部12bは、エンジンEGの左方に位置している。また、右の排気グリル部12bは、エンジンEGの右方に位置している。即ち、左右の排気グリル部12bは、それぞれ、エンジンEGの横側方に位置している。
【0062】
本実施形態において、左右の排気グリル部12bは、それぞれ、複数の小さな孔により構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、左右の排気グリル部12bは、他のいかなる形態であっても良い。例えば、左右の排気グリル部12bは、それぞれ、1つの孔により構成されていても良い。また、左右の排気グリル部12bが、空気排出用の送風機を含んでいても良い。
【0063】
冷却ファン17は、後側へ冷却風を送る。これにより、外気が、導入部12aを介してエンジンボンネット12の内側へ導入され、ラジエータ15を通過する。その結果、ラジエータ15が冷却される。
【0064】
冷却ファン17からエンジンEGの前部へ送られた冷却風のうちの少なくとも一部は、エンジンEGの左方及び右方へ回り込み、左右の排気グリル部12bから排出される。これにより、エンジンEGの前部及び横側部が冷却される。
【0065】
このように、エンジンボンネット12の横側部に、エンジンEGを冷却した後の冷却風を排気する排気グリル部12bが備えられている。
【0066】
また、バッテリー18は、電力を蓄えており、他の装置へ電力を供給可能に構成されている。バッテリー18は、ラジエータ15の前方に配置されている。
【0067】
このように、機体の前部にエンジンEG及びバッテリー18を収容するエンジンボンネット12が備えられている。
【0068】
また、図1及び図2に示すように、機体本体Mは、左右のフェンダー5を備えている。
図2に示すように、左のフェンダー5は、運転座席31の左方に配置されている。また、右のフェンダー5は、運転座席31の右方に配置されている。
【0069】
図1に示すように、左のフェンダー5は、側面視において左の後車輪11の上方に位置している。また、図1には示されていないが、右のフェンダー5も、同様に、側面視において右の後車輪11の上方に位置している。
【0070】
即ち、トラクタ1には、側面視において走行装置TRの上方に位置する左右のフェンダー5が備えられている。
【0071】
図2に示すように、左右の後車輪11は、左右のフェンダー5よりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられている。より具体的には、左の後車輪11は、左のフェンダー5よりも左側に突出する状態で設けられている。また、右の後車輪11は、右のフェンダー5よりも右側に突出する状態で設けられている。
【0072】
即ち、走行装置TRは、フェンダー5よりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられている。
【0073】
図1及び図2に示すように、トラクタ1は、左右のサイドパネル7を備えている。左のサイドパネル7は、平面視で左のフェンダー5に重複する状態で、左のフェンダー5の上面部に支持されている。また、右のサイドパネル7は、平面視で右のフェンダー5に重複する状態で、右のフェンダー5の上面部に支持されている。
【0074】
左右のサイドパネル7には、各種の操作レバーが設けられている。特に、図2に示すように、左のサイドパネル7には、変速レバー7aが設けられている。変速レバー7aは、動力伝達装置2bにおける静油圧式無段変速機に連係している。即ち、変速レバー7aが操作されることにより、動力伝達装置2bにおける変速状態が変化する。
【0075】
〔保護フレーム及びルーフ部の構成〕
図1及び図2に示すように、トラクタ1は、キャブレス機(キャビンレス機)である。
即ち、トラクタ1には、キャビンが設けられていない。そして、運転座席31の周囲が機体外部に開放されている。
【0076】
また、トラクタ1は、門型の保護フレーム30を備えている。保護フレーム30は、運転部3の後部から立設されている。
【0077】
即ち、トラクタ1には、運転部3の後部から立設された保護フレーム30が備えられている。
【0078】
また、トラクタ1は、ルーフ部8を備えている。ルーフ部8は、運転部3を上方から覆う状態で設けられている。
【0079】
即ち、トラクタ1は、運転部3を上方から覆うルーフ部8を備えている。
【0080】
本実施形態において、ルーフ部8はキャノピーである。また、ルーフ部8は、保護フレーム30の上部に支持されている。
【0081】
〔輪距変更装置の構成〕
以下では、図3及び図4を参照し、機体フレーム2と左右の後車輪11との間を繋ぐ部分の構造について説明する。尚、以下の説明は、機体フレーム2と左右の前車輪10との間を繋ぐ部分の構造についても同様に当てはまる。
【0082】
上述のように、機体フレーム2の後端部に、トランスミッション6が支持されている。
そして、図3及び図4に示すように、トラクタ1は、左右の車軸ケース20を備えている。左の車軸ケース20は、トランスミッション6と左の後車輪11とを繋いでいる。また、右の車軸ケース20は、トランスミッション6と右の後車輪11とを繋いでいる。
【0083】
即ち、トラクタ1には、トランスミッション6と左右の後車輪11とを繋ぐ左右の車軸ケース20が備えられている。
【0084】
車軸ケース20は、横ケース部21と、縦ケース部22と、を有している。横ケース部21は、トランスミッション6から機体左右方向外側に向けて延出されている。より具体的には、左の横ケース部21は、トランスミッション6から左側に向けて延出されている。また、右の横ケース部21は、トランスミッション6から右側に向けて延出されている。
【0085】
図4に示すように、縦ケース部22は、横ケース部21の遊端部21aから下方に向けて延出されている。そして、縦ケース部22の下端部に、後車輪11が支持されている。
【0086】
即ち、車軸ケース20に、トランスミッション6から機体左右方向外側に向けて延出された横ケース部21と、横ケース部21の遊端部21aから下方に向けて延出され、下端部に後車輪11が支持された縦ケース部22と、が備えられている。
【0087】
ここで、図4に示すように、横ケース部21は、ケース本体21bと、スライド部21cと、を有している。ケース本体21bは、トランスミッション6に対して固定されている。
【0088】
スライド部21cは、機体左右方向に延びる筒状に構成されている。また、スライド部21cは、ケース本体21bに機体左右方向外側から挿入された状態で設けられている。
そして、スライド部21cは、ケース本体21bに対して、機体左右方向にスライド可能である。
【0089】
尚、上述の遊端部21aは、スライド部21cにおける機体左右方向外側の端部である。
【0090】
また、横ケース部21に、輪距変更装置23が設けられている。輪距変更装置23は、横ケース部21の延長長さを変更可能に構成されている。
【0091】
即ち、輪距変更装置23は、横ケース部21に設けられ、横ケース部21の延長長さを変更するように構成されている。
【0092】
詳述すると、輪距変更装置23は、操作軸24、軸保持部25、操作ナット26を有している。操作軸24は、機体左右方向に延びると共に、ケース本体21bとスライド部21cとに亘る状態で設けられている。
【0093】
軸保持部25は、ケース本体21bに固定されている。そして、操作軸24における機体左右方向外側の端部は、スライド部21cに連結されている。また、操作軸24は、軸保持部25を左右方向に貫通する状態で設けられている。
【0094】
操作軸24の上面に、複数のラックギヤ歯24aが形成されている。複数のラックギヤ歯24aは、操作軸24の長手方向に並んでいる。また、軸保持部25の内部に、ピニオンギヤ(図示せず)が設けられている。このピニオンギヤは、複数のラックギヤ歯24aに咬合している。
【0095】
操作ナット26は、軸保持部25に設けられている。操作ナット26は、上記のピニオンギヤに連係している。操作ナット26を回転させることにより、ピニオンギヤが回転する。これに応じて、操作軸24が機体左右方向に移動する。その結果、操作軸24と一体的に、スライド部21cが、ケース本体21bに対して機体左右方向にスライドすることとなる。これにより、横ケース部21の延長長さが変化する。
【0096】
横ケース部21の延長長さが変化することに伴い、図2から図4に示すように、左右の後車輪11が、トランスミッション6に対して左右方向に移動することとなる。即ち、横ケース部21の延長長さが変化することに伴い、左右の後車輪11が、機体フレーム2に対して左右方向に移動する。その結果、左右の後車輪11のトレッドが変化する。即ち、輪距変更装置23により、左右の後車輪11のトレッドが変更される。また、左右の前車輪10についても、同様に、輪距変更装置23によってトレッドが変更される。
【0097】
即ち、トラクタ1は、走行装置TRを機体フレーム2に対して機体左右方向に移動させることで左右の走行装置TRのトレッドを変更させる輪距変更装置23を備えている。
【0098】
このように、トラクタ1には、運転部3と、運転部3を支持する機体フレーム2と、機体フレーム2を支持する左右の走行装置TRと、走行装置TRを機体フレーム2に対して機体左右方向に移動させることで左右の走行装置TRのトレッドを変更させる輪距変更装置23と、が備えられている。
【0099】
尚、図2から図5においては、トレッドが最も狭い状態の左右の走行装置TRまたは左の走行装置TRが実線で示されている。また、トレッドが最も広い状態の左右の走行装置TRまたは左の走行装置TRが仮想線で示されている。
【0100】
〔デッキの構成〕
図1及び図2に示すように、トラクタ1には、複数のデッキKが備えられている。各デッキKは、水平姿勢の板状である。本実施形態において、デッキKの設けられる個数は、2つである。しかしながら、本発明はこれに限定されず、デッキKの設けられる個数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0101】
複数のデッキKは、前デッキ41と、後デッキ42と、を含んでいる。即ち、前デッキ41と後デッキ42とは、何れもデッキKである。
【0102】
前デッキ41と後デッキ42とは、何れも、機体本体Mよりも機体外側に張り出している。より具体的には、前デッキ41と後デッキ42とは、何れも、機体本体Mよりも左側に張り出している。そして、前デッキ41と後デッキ42とは、何れも、機体左側(本発明に係る「機体左右方向一方側」に相当)の横側方に設けられている。
【0103】
即ち、トラクタ1には、機体本体Mよりも機体外側に張り出すデッキKが備えられている。また、デッキKは、機体左右方向一方側の横側方に設けられている。
【0104】
図2には、第一左端位置L1、第二左端位置L2、第三左端位置L3、第四左端位置L4が示されている。第一左端位置L1は、トレッドが最も狭い状態における左の走行装置TRの左端の位置である。第二左端位置L2は、トレッドが最も広い状態における左の走行装置TRの左端の位置である。第三左端位置L3は、前デッキ41の左端の位置である。第四左端位置L4は、後デッキ42の左端の位置である。
【0105】
図2に示すように、第一左端位置L1は、第二左端位置L2よりも機体右側に位置している。即ち、第一左端位置L1は、第二左端位置L2よりも、機体左右方向において機体中央側に位置している。
【0106】
また、第三左端位置L3は、第一左端位置L1よりも機体右側に位置している。即ち、第三左端位置L3は、第一左端位置L1よりも、機体左右方向において機体中央側に位置している。言い換えれば、前デッキ41の横外端は、トレッドが最も狭い状態における左の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に位置している。
【0107】
即ち、デッキKである前デッキ41は、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられている。
【0108】
また、第四左端位置L4は、第一左端位置L1よりも機体左側に位置している。即ち、第四左端位置L4は、第一左端位置L1よりも、機体左右方向において機体外側に位置している。言い換えれば、後デッキ42の横外端は、トレッドが最も狭い状態における左の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体外側に位置している。
【0109】
また、第四左端位置L4は、第二左端位置L2よりも機体右側に位置している。即ち、第四左端位置L4は、第二左端位置L2よりも、機体左右方向において機体中央側に位置している。言い換えれば、後デッキ42の横外端は、トレッドが最も広い状態における左の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に位置している。
【0110】
即ち、デッキKである後デッキ42は、左右の走行装置TRのトレッドが最も広い状態において、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられている。
【0111】
尚、本発明は上記の構成に限定されない。デッキKである後デッキ42は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられていても良い。
【0112】
図1に示すように、前デッキ41及び後デッキ42は、何れも、走行装置TRよりも高い位置に設けられている。
【0113】
即ち、デッキKは、走行装置TRよりも高い位置に設けられている。
【0114】
図2に示すように、前デッキ41は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において平面視で機体左側の前車輪10と重複する状態で、機体左側の前車輪10の上方に設けられている。また、後デッキ42は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において平面視で機体左側の後車輪11と重複する状態で、機体左側の後車輪11の上方に設けられている。
【0115】
即ち、複数のデッキKは、平面視で左右の前車輪10のうちの機体左右方向一方側の前車輪10と重複する状態で、機体左右方向一方側の前車輪10の上方に設けられたデッキKである前デッキ41と、平面視で左右の後車輪11のうちの機体左右方向一方側の後車輪11と重複する状態で、機体左右方向一方側の後車輪11の上方に設けられたデッキKである後デッキ42と、を含んでいる。
【0116】
図2に示すように、後デッキ42は、平面視で機体左側のフェンダー5と重複する状態で、機体左側のフェンダー5の下方に設けられている。
【0117】
即ち、デッキKである後デッキ42は、平面視で左右のフェンダー5のうちの機体左右方向一方側のフェンダー5と重複する状態で、機体左右方向一方側のフェンダー5の下方に設けられている。
【0118】
また、図1及び図2に示すように、後デッキ42は、機体上下方向において、機体左側の後車輪11と機体左側のフェンダー5との間の位置に設けられている。
【0119】
即ち、デッキKである後デッキ42は、機体上下方向において機体左右方向一方側の走行装置TRと機体左右方向一方側のフェンダー5との間の位置に設けられている。
【0120】
本実施形態において、各デッキKは、機体フレーム2に支持されている。以下では、各デッキKの支持構造について説明する。
【0121】
〔前デッキの支持構造〕
図5及び図6に示すように、トラクタ1は、支持ステー50、L字型部材51、U字型部材52を備えている。支持ステー50は、機体フレーム2の左側面部から、左上方へ延びている。
【0122】
L字型部材51は、前デッキ41の前端部における下面に固定されている。そして、支持ステー50の下端部は、左の主フレーム2aに、ボルトによって締結されている。また、支持ステー50の上端部は、L字型部材51に、ボルトによって締結されている。
【0123】
U字型部材52は、機体フレーム2の左側面部から、左方へ延びている。U字型部材52は、動力伝達装置2bの左部に固定されている。また、前デッキ41の後端部は、上方へ折り曲げられている。そして、前デッキ41の後端部は、U字型部材52の前側面に、ボルトによって締結されている。
【0124】
以上の構成により、前デッキ41の前部は、支持ステー50及びL字型部材51を介して、機体フレーム2に支持されている。また、前デッキ41の後部は、U字型部材52を介して、機体フレーム2に支持されている。
【0125】
〔後デッキの支持構造〕
図3図4図7に示すように、トラクタ1は、支持フレーム53を備えている。支持フレーム53は、第一板状連結部54、第一横フレーム55、第一縦フレーム56、第二縦フレーム57、第二横フレーム58を有している。
【0126】
第一板状連結部54は、垂直姿勢の板状の部材である。第一板状連結部54は、複数の第一締結具b1によって、トランスミッション6に締結固定されている。これにより、第一板状連結部54は、トランスミッション6を介して、機体フレーム2に締結固定されている。
【0127】
尚、本実施形態において、第一締結具b1は、ボルトにより構成されている。
【0128】
第一横フレーム55は、機体左右方向に延びている。第一横フレーム55は、四角形断面を有する筒状のフレームである。第一横フレーム55の右端部は、第一板状連結部54の左側面に溶接固定されている。
【0129】
第一縦フレーム56は、機体上下方向に延びている。第一縦フレーム56の下端部は、第一横フレーム55における機体左右方向中央部に溶接固定されている。
【0130】
第二縦フレーム57は、機体上下方向に延びている。第二縦フレーム57の下端部は、第一横フレーム55における機体左右方向左端部に溶接固定されている。
【0131】
第二横フレーム58は、第一縦フレーム56と第二縦フレーム57とに亘る状態で、機体左右方向に延びている。第二横フレーム58は、水平姿勢の板状の部材である。第二横フレーム58は、第一縦フレーム56の上端部及び第二縦フレーム57の上端部に溶接固定されている。
【0132】
第二横フレーム58は、後デッキ42の前端部の下面に対向する位置に設けられている。そして、後デッキ42の前部は、第二横フレーム58に支持されている。即ち、後デッキ42の前部は、第一板状連結部54、第一横フレーム55、第一縦フレーム56、第二縦フレーム57、第二横フレーム58を介して、機体フレーム2に支持されている。
【0133】
図3図4図7に示すように、支持フレーム53は、第二板状連結部59、第一斜めフレーム60、第三横フレーム61、第三縦フレーム62、第四横フレーム63、第二斜めフレーム64を有している。
【0134】
第二板状連結部59は、垂直姿勢の板状の部材である。第二板状連結部59は、複数の第二締結具b2によって、機体左側の後車輪11に対応する横ケース部21におけるケース本体21bに締結固定されている。これにより、第二板状連結部59は、ケース本体21bを介して、機体フレーム2に締結固定されている。
【0135】
尚、本実施形態において、第二締結具b2は、ボルトにより構成されている。
【0136】
第一斜めフレーム60は、第二板状連結部59から、左上方へ延びている。第一斜めフレーム60の下端部は、第二板状連結部59の前側面に溶接固定されている。
【0137】
第三横フレーム61は、機体左右方向に延びている。第三横フレーム61は、水平姿勢の板状の部材である。第三横フレーム61は、第一斜めフレーム60の上端部に溶接固定されている。
【0138】
第三縦フレーム62は、機体上下方向に延びている。第三縦フレーム62の下端部は、第二板状連結部59の後側面に溶接固定されている。
【0139】
第四横フレーム63は、機体前後方向に延びている。第四横フレーム63は、L字状断面を有している。第四横フレーム63の前端部は、第三縦フレーム62における上端部の後側面に溶接固定されている。
【0140】
第二斜めフレーム64は、第三縦フレーム62における下端部から、後上方へ延びている。第二斜めフレーム64の下端部は、第三縦フレーム62における下端部の後側面に溶接固定されている。第二斜めフレーム64の上端部は、第四横フレーム63の後部に溶接固定されている。
【0141】
第三横フレーム61は、後デッキ42の機体前後方向中央部における下面に対向する位置に設けられている。そして、後デッキ42の機体前後方向中央部は、第三横フレーム61に支持されている。即ち、後デッキ42の機体前後方向中央部は、第二板状連結部59、第一斜めフレーム60、第三横フレーム61を介して、機体フレーム2に支持されている。
【0142】
第四横フレーム63は、後デッキ42の後部の右部における下面に対向する位置に設けられている。そして、後デッキ42の後部の右部は、第四横フレーム63に支持されている。即ち、後デッキ42の後部の右部は、第二板状連結部59、第三縦フレーム62、第四横フレーム63、第二斜めフレーム64を介して、機体フレーム2に支持されている。
【0143】
以上で説明した構成により、後デッキ42は、支持フレーム53に支持されている。また、支持フレーム53は機体フレーム2に支持されている。また、支持フレーム53は、複数の第一締結具b1及び複数の第二締結具b2によって、機体フレーム2に締結固定されている。そして、複数の第一締結具b1及び複数の第二締結具b2の締結を解除することにより、機体フレーム2から支持フレーム53を取り外すことができる。
【0144】
即ち、支持フレーム53は、第一締結具b1及び第二締結具b2によって機体フレーム2に締結固定されており、機体フレーム2に対して着脱可能である。
【0145】
図3図4図7に示すように、後デッキ42は、第三締結具b3、第四締結具b4、第五締結具b5、第六締結具b6によって、支持フレーム53に締結固定されている。これにより、後デッキ42は、支持フレーム53に連結されている。
【0146】
詳述すると、後デッキ42の前部は、第三締結具b3及び第六締結具b6によって、第二横フレーム58に締結固定されている。また、後デッキ42の機体前後方向中央部は、第四締結具b4によって、第三横フレーム61に締結固定されている。また、後デッキ42の後部の右部は、第五締結具b5によって、第四横フレーム63に締結固定されている。
【0147】
尚、本実施形態において、第三締結具b3、第四締結具b4、第五締結具b5、第六締結具b6は、何れもボルトにより構成されている。
【0148】
そして、第三締結具b3、第四締結具b4、第五締結具b5、第六締結具b6の締結を解除することにより、後デッキ42と支持フレーム53との連結が解除される。これにより、後デッキ42は、機体左右方向外側に向けて取り外し可能となる。本実施形態では、後デッキ42は、機体左側に向けて取り外し可能となる。
【0149】
即ち、後デッキ42は、後デッキ42と支持フレーム53との連結を解除することで、機体左右方向外側に向けて取り外し可能である。
【0150】
図3に示すように、支持フレーム53の左端の位置(第二横フレーム58の左端の位置)は、第一左端位置L1に略一致している。また、支持フレーム53の左端の位置(第二横フレーム58の左端の位置)は、第二左端位置L2よりも右側に位置している。
【0151】
即ち、支持フレーム53は、機体左側の後車輪11の機体左右方向内側に配置されている。
【0152】
また、図3図4図7に示すように、支持フレーム53は、機体左側のフェンダー5の下方に備えられている。
【0153】
このように、機体左右方向一方側の走行装置TRの機体左右方向内側かつ機体左右方向一方側のフェンダー5の下方に、後デッキ42を支持する支持フレーム53が備えられている。
【0154】
尚、本発明は上記の構成に限定されない。支持フレーム53の左端の位置(第二横フレーム58の左端の位置)は、第一左端位置L1よりも右側に位置していても良いし、第一左端位置L1よりも左側に位置していても良い。
【0155】
〔コンバーターについて〕
図1及び図2に示すように、トラクタ1は、コンバーター71と、エアコンユニット75と、を備えている。図8及び図9に示すように、コンバーター71は、第一ハーネス73を介して、バッテリー18と電気的に接続されている。また、コンバーター71は、第二ハーネス74を介して、エアコンユニット75と電気的に接続されている。
【0156】
バッテリー18からの電気が、第一ハーネス73を介して、コンバーター71に供給される。コンバーター71は、バッテリー18から供給される電気の電圧を、エアコンユニット75の必要電圧に変圧する。そして、コンバーター71は、変圧後の電気を、第二ハーネス74を介してエアコンユニット75へ供給する。
【0157】
即ち、トラクタ1には、バッテリー18と、バッテリー18から供給される電気の電圧をエアコンユニット75の必要電圧に変圧するコンバーター71と、が備えられている。
【0158】
尚、本実施形態において、バッテリー18の電圧は、エアコンユニット75の必要電圧よりも低い。コンバーター71は、バッテリー18から供給された電気の電圧を昇圧する。
【0159】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。バッテリー18の電圧は、エアコンユニット75の必要電圧よりも高くても良い。また、コンバーター71は、バッテリー18から供給された電気の電圧を降圧するように構成されていても良い。
【0160】
エアコンユニット75は、コンバーター71から供給された電気によって作動する。エアコンユニット75は、空気を取り込むと共に、取り込んだ空気を調節する。そして、エアコンユニット75は、ダクト81を介して、空調空気を運転部3へ送り込む。
【0161】
このように、トラクタ1には、運転部3のためのエアコンユニット75が備えられている。また、トラクタ1には、エアコンユニット75からの空調空気を供給するダクト81が備えられている。言い換えれば、トラクタ1には、エアコンユニット75からの空気を運転部3に導くダクト81が備えられている。また、トラクタ1には、コンバーター71からの電気が供給されて作動するエアコンユニット75が備えられている。
【0162】
以下では、コンバーター71の構成について説明する。尚、図9及び図10においては、トレッドが最も狭い状態の左右の走行装置TRが実線で示されている。また、トレッドが最も広い状態の左右の走行装置TRが仮想線で示されている。
【0163】
図1及び図2に示すように、コンバーター71は、トラクタ1の機体左側の横側方に設けられている。即ち、コンバーター71は、機体左右方向一方側の横側方に設けられている。これにより、コンバーター71は、機体の中心位置CE(図2参照)よりも機体左側に設けられている。
【0164】
即ち、コンバーター71は、機体左右方向において、機体の中心位置CEよりも機体左右方向一方側に設けられている。
【0165】
本実施形態においては、コンバーター71に、外装ケース72が備えられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、コンバーター71は、外装ケース72を備えていなくても良い。
【0166】
コンバーター71は、前デッキ41の上面に載置された状態で、前デッキ41に支持されている。上述の通り、前デッキ41は、機体フレーム2に支持されている。即ち、コンバーター71は、機体に支持されている。
【0167】
このように、コンバーター71は、機体の側方に位置する状態で機体に支持されている。
【0168】
図1図2図8図9に示すように、コンバーター71は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において平面視で機体左側の前車輪10と重複する状態で、機体左側の前車輪10の上方に設けられている。
【0169】
即ち、コンバーター71は、平面視で左右の走行装置TRのうちの機体左右方向一方側の走行装置TRと重複する状態で、機体左右方向一方側の走行装置TRの上方に設けられている。また、コンバーター71は、平面視で左右の前車輪10のうちの機体左右方向一方側の前車輪10と重複する状態で、機体左右方向一方側の前車輪10の上方に設けられている。
【0170】
また、図2に示すように、コンバーター71は、第一左端位置L1よりも機体右側に位置している。即ち、コンバーター71は、機体左右方向において走行装置TRの横外端部よりも機体中央側に設けられている。
【0171】
図1図2図8図9に示すように、コンバーター71は、エンジンボンネット12の横側方に設けられている。より具体的には、コンバーター71は、エンジンボンネット12のうち、機体前後方向においてバッテリー18が設けられた位置よりも後側の部分の横側方に設けられている。
【0172】
また、コンバーター71は、機体左側の排気グリル部12bの左方に設けられている。
即ち、コンバーター71は、排気グリル部12bの横側方に設けられている。
【0173】
図9に示すように、外装ケース72には、第一開口部72aと、第二開口部72bと、が備えられている。第一開口部72aは、外装ケース72のうち、排気グリル部12bと対向する部分に設けられている。
【0174】
第二開口部72bは、外装ケース72のうち、機体との近接離間方向において第一開口部72aとは反対側に位置する部分に設けられている。より具体的には、第二開口部72bは、外装ケース72のうち、機体左右方向において第一開口部72aとは反対側に位置する部分に設けられている。
【0175】
即ち、外装ケース72のうち、機体との近接離間方向において第一開口部72aとは反対側に位置する部分に第二開口部72bが備えられている。
【0176】
以上で説明した構成により、外装ケース72の右側壁に第一開口部72aが設けられると共に、外装ケース72の左側壁に第二開口部72bが設けられている。
【0177】
図9には、エンジンボンネット12の内側を通過する冷却風の流れが、矢印にて示されている。図9に示すように、導入部12aを介してエンジンボンネット12の内側へ導入された空気は、冷却風として、エンジンEGを冷却する。その後、冷却風のうちの少なくとも一部は、機体左側の排気グリル部12bから排出される。
【0178】
機体左側の排気グリル部12bから排出された冷却風は、第一開口部72aを介して外装ケース72の内側へ導入される。この冷却風により、コンバーター71が冷却される。
その後、冷却風は、第二開口部72bから排出される。
【0179】
即ち、外装ケース72のうち、排気グリル部12bと対向する部分に、冷却風を受け入れ可能な第一開口部72aが備えられている。
【0180】
〔エアコンユニットについて〕
以下では、エアコンユニット75の構成について説明する。
【0181】
図1及び図2に示すように、エアコンユニット75は、機体左側の横側方に設けられている。即ち、エアコンユニット75は、機体左右方向一方側の横側方に設けられている。
これにより、エアコンユニット75は、機体の中心位置CE(図2参照)よりも機体左側に設けられている。
【0182】
また、エアコンユニット75は、機体前後方向においてコンバーター71よりも後側に設けられている。より具体的には、エアコンユニット75は、コンバーター71の後方に設けられている。
【0183】
即ち、エアコンユニット75は、機体前後方向においてコンバーター71よりも後側、かつ、機体左右方向において機体の中心位置CEよりも機体左右方向一方側に設けられている。
【0184】
エアコンユニット75は、後デッキ42の上面に載置された状態で、後デッキ42に支持されている。即ち、エアコンユニット75は後デッキ42に載置支持されている。また、上述の通り、後デッキ42は、機体フレーム2に支持されている。即ち、エアコンユニット75は、機体に支持されている。
【0185】
このように、エアコンユニット75は、機体の側方に位置する状態で機体に支持されている。
【0186】
図1及び図10に示すように、エアコンユニット75は、運転座席31の上端部よりも低い位置に設けられている。言い換えれば、エアコンユニット75は、運転座席31の上端よりも下側に設けられている。
【0187】
尚、本実施形態において、エアコンユニット75の上端位置は、運転座席31の下端位置に略一致している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、エアコンユニット75の上端位置は、運転座席31の下端位置よりも下側であっても良い。即ち、エアコンユニット75は、運転座席31の下端よりも下側に設けられていても良い。また、エアコンユニット75の上端位置は、運転座席31の下端位置よりも上側であっても良い。また、エアコンユニット75の上端位置は、運転座席31の座面の上端位置よりも下側であっても良い。エアコンユニット75の上端位置が低いほど、トラクタ1の重心位置が低くなるため、好適である。
【0188】
図1図2図8図9に示すように、エアコンユニット75は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において平面視で機体左側の後車輪11と重複する状態で、機体左側の後車輪11の上方に設けられている。
【0189】
即ち、エアコンユニット75は、平面視で左右の走行装置TRのうちの機体左右方向一方側の走行装置TRと重複する状態で、機体左右方向一方側の走行装置TRの上方に設けられている。また、エアコンユニット75は、平面視で左右の後車輪11のうちの機体左右方向一方側の後車輪11と重複する状態で、機体左右方向一方側の後車輪11の上方に設けられている。
【0190】
また、図2に示すように、エアコンユニット75は、ケース部77と、排気口79と、を有している。ケース部77は、箱状の外形を有している。そして、エアコンユニット75の左端位置(排気口79の左端位置)は、第四左端位置L4に略一致している。
【0191】
即ち、エアコンユニット75の横外端は、トレッドが最も狭い状態における左の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体外側に位置している。また、エアコンユニット75の横外端は、トレッドが最も広い状態における左の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に位置している。
【0192】
このように、左右の走行装置TRのトレッドが最も広い状態において、エアコンユニット75は、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられている。
【0193】
尚、本発明は上記の構成に限定されない。エアコンユニット75は、左右の走行装置TRのトレッドが最も狭い状態において、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に設けられていても良い。
【0194】
図2に示すように、エアコンユニット75は、平面視で機体左側のフェンダー5と重複する状態で、機体左側のフェンダー5の下方に設けられている。
【0195】
即ち、エアコンユニット75は、平面視で左右のフェンダー5のうちの機体左右方向一方側のフェンダー5と重複する状態で、機体左右方向一方側のフェンダー5の下方に設けられている。
【0196】
また、図1及び図2に示すように、エアコンユニット75は、機体左側の後車輪11の上方と、機体左側のフェンダー5の下方と、に亘る状態で設けられている。
【0197】
即ち、エアコンユニット75は、機体左右方向一方側の走行装置TRの上方と機体左右方向一方側のフェンダー5の下方とに亘る状態で設けられている。
【0198】
また、図2図4図10に示すように、エアコンユニット75は、機体左側のフェンダー5よりも機体左側に突出している。
【0199】
即ち、エアコンユニット75は、機体左右方向一方側のフェンダー5よりも機体左右方向外側に突出する状態で設けられている。
【0200】
そして、図4及び図11に示すように、エアコンユニット75には、接続部80が備えられている。尚、本実施形態においては、2つの接続部80が備えられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、接続部80の設けられる個数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。
【0201】
各接続部80は、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられている。そして、各接続部80には、ダクト81が接続される。
【0202】
尚、「各接続部80は、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられている。」とは、各接続部80のうちの少なくとも一部が、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられていることを意味する。
【0203】
例えば、図11に示すように、本実施形態においては、接続部80のうちの右側部分は、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5に覆われた部分の上面部に備えられている。また、接続部80のうちの残りの部分は、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられている。本明細書では、このように、接続部80のうちの少なくとも一部が、エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられている場合、この接続部80は、「エアコンユニット75のうち、機体左側のフェンダー5から突出した部分の上面部に備えられている」ものとする。
【0204】
即ち、本実施形態においては、エアコンユニット75のうち、機体左右方向一方側のフェンダー5から突出した部分の上面部に、ダクト81が接続される接続部80が備えられている。
【0205】
図4及び図11に示すように、エアコンユニット75は、熱交換部76及び吸気口78を備えている。熱交換部76は、ケース部77に収容されている。
【0206】
即ち、エアコンユニット75に、熱交換部76と、熱交換部76を収容するケース部77と、が備えられている。
【0207】
図11に示すように、吸気口78は、ケース部77のうち、平面視で機体の中央側に向く部分に備えられている。より具体的には、吸気口78は、ケース部77のうち、右側壁に設けられている。
【0208】
また、排気口79は、ケース部77のうち、平面視で吸気口78とは反対側の部分に備えられている。より具体的には、排気口79は、ケース部77のうち、左側壁に設けられている。
【0209】
吸気口78は、外気をケース部77の内側へ導入可能に構成されている。また、図4に示すように、排気口79は、熱交換部76に接続されている。
【0210】
エアコンユニット75が作動しているとき、熱交換部76は、吸気口78を介して空気を取り込む。そして、熱交換部76は、熱交換を行うことにより、取り込んだ空気を調節する。熱交換部76は、接続部80を介して、空調空気をダクト81へ送り込む。また、熱交換部76は、熱交換により生じた排気を、排気口79を介して排出する。
【0211】
このように、吸気口78は、熱交換部76に対応するものである。即ち、ケース部77のうち、平面視で機体の中央側に向く部分に、熱交換部76に対する吸気口78が備えられている。
【0212】
図4及び図11に示すように、機体左側のフェンダー5は、壁部5aを有している。壁部5aは、吸気口78に対向する位置に設けられている。また、壁部5aは、吸気口78と離間した状態で設けられている。
【0213】
図4に示すように、壁部5aは、吸気口78の上下幅に亘る状態で設けられている。また、図11に示すように、壁部5aは、吸気口78の横幅に亘る状態で設けられている。
尚、本実施形態において、吸気口78の横幅とは、機体前後方向における吸気口78の長さである。
【0214】
即ち、吸気口78に対向する位置に、吸気口78の上下幅に亘るとともに吸気口78の横幅に亘る壁部5aが、吸気口78と離間した状態で備えられている。
【0215】
図7に示すように、本実施形態におけるトラクタ1は、操作装置19を備えている。操作装置19は、保護フレーム30に支持されている。運転座席31に着座した運転者は、操作装置19を操作することができる。操作装置19は、熱交換部76と無線通信可能に構成されていても良いし、熱交換部76と有線通信可能に構成されていても良い。
【0216】
操作装置19が操作されることにより、熱交換部76の作動状態が変化する。例えば、操作装置19の操作により、熱交換部76の作動開始または作動停止が実行されても良いし、熱交換部76から運転部3へ送り込まれる空調空気の目標温度を設定可能であっても良い。
【0217】
〔ダクトについて〕
以下では、ダクト81の構成について説明する。
【0218】
図7から図9に示すように、本実施形態におけるトラクタ1は、2つのダクト81を備えている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ダクト81の設けられる個数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。
【0219】
各ダクト81は、吹出口81a、縦部81b、横部81c、後下がり部81dを有している。縦部81bは、機体上下方向に延びている。縦部81bの下端部は、接続部80に接続されている。そして、縦部81bは、エアコンユニット75から上側へ延びている。
また、縦部81bの上部は、運転座席31よりも後側の位置を上方に向けて延ばされている。
【0220】
縦部81bの上部は、複数のダクト保持部材82によって、保護フレーム30に留められている。各ダクト保持部材82は、環状に構成されている。各ダクト保持部材82は、2つのダクト81を、保護フレーム30と共に束ねるように設けられている。
【0221】
横部81cは、縦部81bの上端部から水平方向に延びている。横部81cは、縦部81bの上端部から、側面視で運転座席31に着座した運転者の前方の位置まで延ばされている。また、図8に示すように、横部81cは、側面視で運転者の頭上を通るように構成されている。
【0222】
即ち、ダクト81に、エアコンユニット75から運転座席31よりも後側の位置を上方に向けて延ばされた縦部81bと、縦部81bの上端部から、側面視で運転座席31に着座した運転者の前方の位置まで延ばされた横部81cと、が備えられている。
【0223】
尚、図9に示すように、本実施形態において、2つのダクト81のうちの一方における横部81cは平面視で運転者の左側を通るように構成されている。また、2つのダクト81のうちの他方における横部81cは平面視で運転者の右側を通るように構成されている。
【0224】
以下の説明では、平面視で運転者の左側を通る横部81cを、左の横部81cと呼称する。また、平面視で運転者の右側を通る横部81cを、右の横部81cと呼称する。
【0225】
左の横部81cは、縦部81bの上端部から前方へ延びている。また、右の横部81cは、縦部81bの上端部から右方へ延びる第一部分81eと、第一部分81eの右端部から前方へ延びる第二部分81fと、を有している。
【0226】
図8及び図9に示すように、後下がり部81dは、横部81cの前端部から、後下方へ延びている。そして、後下がり部81dの先端部に、吹出口81aが形成されている。
【0227】
また、後下がり部81dは、ダクト81の前端部に位置している。即ち、吹出口81aは、ダクト81の前端部に形成されている。
【0228】
後下がり部81dは、運転座席31に着座した運転者の前方に位置している。吹出口81aは、運転座席31に着座した運転者に対向している。そして、エアコンユニット75からダクト81へ送り込まれた空調空気は、縦部81b、横部81c、後下がり部81dを通過して、吹出口81aから運転者に向かって吹き出す。
【0229】
即ち、ダクト81のうち、運転者の前方に位置する部分に、運転者に向けて空調空気を吹き出す吹出口81aが備えられている。
【0230】
本実施形態において、ダクト81は、可撓性を有する部材によって構成されている。特に限定されないが、ダクト81は、ポリエチレン製の蛇腹状の筒によって構成されていても良い。
【0231】
ここで、ダクト81の一部である縦部81bも、可撓性を有する部材によって構成されている。そして、上述の通り、縦部81bの上部は、複数のダクト保持部材82によって、保護フレーム30に留められている。これにより、縦部81bは、保護フレーム30に沿わされた状態で、保護フレーム30に支持されている。
【0232】
即ち、縦部81bは、可撓性を有する部材によって構成されるとともに、保護フレーム30に添わされた状態で保護フレーム30に支持されている。
【0233】
図8に示すように、保護フレーム30は、機体左右方向に沿うフレーム揺動軸芯P1周りに揺動可能に構成されている。これにより、保護フレーム30は、使用姿勢と傾倒姿勢とに姿勢変更可能である。使用姿勢とは、起立した姿勢である。傾倒姿勢とは、使用姿勢から後側に傾倒した姿勢である。
【0234】
即ち、保護フレーム30は、起立した使用姿勢と使用姿勢から後側に傾倒した傾倒姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。
【0235】
保護フレーム30とルーフ部8とは、フレーム揺動軸芯P1周りに一体的に揺動する。
そのため、保護フレーム30の姿勢変更に伴い、ルーフ部8の姿勢も変化する。尚、図8において、使用姿勢の保護フレーム30が、実線にて示されている。また、傾倒姿勢の保護フレーム30が、仮想線にて示されている。
【0236】
そして、縦部81bは、保護フレーム30の姿勢変更に追従して変形する。
【0237】
図8及び図12に示すように、トラクタ1は、ルーフフレーム33を備えている。ルーフフレーム33は、第一フレーム34と、左右の第二フレーム35と、を有している。第一フレーム34は、機体左右方向に延びている。第一フレーム34は、保護フレーム30の上面に支持されている。即ち、第一フレーム34は、保護フレーム30の上部に支持されている。
【0238】
左右の第二フレーム35は、それぞれ、機体前後方向に延びている。第一フレーム34の左端部に、左の第二フレーム35が支持されている。第一フレーム34の右端部に、右の第二フレーム35が支持されている。
【0239】
即ち、ルーフフレーム33は、保護フレーム30の上部に支持されている。
【0240】
そして、ルーフ部8は、左右の第二フレーム35に支持されている。即ち、トラクタ1には、ルーフ部8を支持するルーフフレーム33が備えられている。
【0241】
図8図9図12に示すように、トラクタ1は、左右のダクト受け部37を備えている。左のダクト受け部37は、左の第二フレーム35の前端部に溶接固定されている。左のダクト受け部37は、左の横部81cを下方から支持している。また、右のダクト受け部37は、右の第二フレーム35の前端部に溶接固定されている。右のダクト受け部37は、右の横部81cを下方から支持している。
【0242】
図12に示すように、トラクタ1は、左右のダクト支持部材83を備えている。左のダクト支持部材83は、左のダクト受け部37に連結されている。これにより、左のダクト支持部材83は、左のダクト受け部37を介して、ルーフフレーム33に支持されている。
【0243】
また、右のダクト支持部材83は、右のダクト受け部37に連結されている。これにより、右のダクト支持部材83は、右のダクト受け部37を介して、ルーフフレーム33に支持されている。即ち、ダクト支持部材83は、ルーフフレーム33に支持されている。
【0244】
図13及び図14には、右のダクト支持部材83が示されている。以下では、右のダクト支持部材83について説明する。尚、左右のダクト支持部材83は、互いに左右対称に構成されている。そのため、以下の説明は、左のダクト支持部材83にも同様に当てはまる。
【0245】
図13及び図14に示すように、右のダクト支持部材83は、基部84、ノブボルト85、アーム部86を有している。基部84は、水平姿勢の板状の部材である。基部84は、ダクト受け部37の下面に、下方から取り付けられている。そして、基部84は、機体上下方向に沿うアーム揺動軸芯P2周りに揺動可能な状態で、ダクト受け部37に支持されている。
【0246】
図14に示すように、ダクト受け部37に、長孔37aが形成されている。長孔37aは、アーム揺動軸芯P2を中心とする円弧状に形成されている。ノブボルト85は、基部84の後端部を上下方向に貫通している。また、ノブボルト85は、長孔37aに挿入されている。尚、アーム揺動軸芯P2は、基部84の前端部を通っている。
【0247】
図13及び図14に示すように、アーム部86は、基部84から下側へ延びる長尺の部材である。アーム部86の上端部は、基部84に溶接固定されている。また、アーム部86は、保持部86aを有している。保持部86aは、アーム部86の下端部に位置している。
【0248】
保持部86aは、後下がり部81dの周方向の外形に沿う円弧状の形状を有している。
保持部86aは、後下がり部81dの先端部分を保持する。この構成により、アーム部86は、ダクト81を運転部3に支持する。
【0249】
ノブボルト85が締められた状態においては、ノブボルト85は、ダクト受け部37に対して固定される。これにより、アーム部86の揺動位置は固定される。
【0250】
ノブボルト85が緩んだ状態においては、ノブボルト85は、ノブボルト85が長孔37aに挿入されたまま、長孔37aに沿って移動することができる。そのため、ノブボルト85が緩んだ状態においては、基部84、ノブボルト85、アーム部86は、一体的に、アーム揺動軸芯P2周りに揺動可能である。
【0251】
即ち、ノブボルト85が緩んだ状態においては、アーム部86の揺動位置が変化可能である。
【0252】
尚、本発明はこれに限定されない。アーム部86は、形状が変化可能であっても良い。
例えば、アーム部86が長手方向に伸縮可能であっても良い。この場合、アーム部86の伸縮により、アーム部86の形状が変化する。
【0253】
このように、トラクタ1には、ダクト81を運転部3に支持するとともに、位置及び形状の少なくとも一方が変化可能なアーム部86が備えられている。また、以上で説明した構成により、アーム部86は、ルーフフレーム33に支持されている。
【0254】
図12に示すように、本実施形態において、アーム部86の揺動位置は、第一揺動位置Q1と、第二揺動位置Q2と、の間で変更可能である。
【0255】
第一揺動位置Q1は、アーム部86が最も後側へ変位した状態におけるアーム部86の揺動位置である。第二揺動位置Q2は、アーム部86が最も前側へ変位した状態におけるアーム部86の揺動位置である。
【0256】
アーム部86が第二揺動位置Q2に位置しているとき、アーム部86は、運転座席31に着座した運転者の頭上の側方において前後方向に沿う状態である。
【0257】
即ち、アーム部86は、運転者の頭上の側方において前後方向に沿う状態に変化可能である。
【0258】
図12に示すように、アーム部86がアーム揺動軸芯P2周りに揺動する際、アーム部86と共に、後下がり部81dもアーム揺動軸芯P2周りに揺動する。これにより、吹出口81aの位置及び向きが変化することとなる。即ち、アーム部86の揺動位置の変化によって、吹出口81aの位置及び向きが変化する。
【0259】
例えば、右のアーム部86が第一揺動位置Q1から第二揺動位置Q2へ揺動した場合、右のアーム部86に対応する吹出口81aの位置は、右前方へ移動する。また、この吹出口81aの向きは、右後方向きから左後方向きへ変化する。
【0260】
尚、本発明はこれに限定されない。アーム部86の揺動位置の変化によって、吹出口81aの位置及び向きのうちの一方のみが変化しても良い。
【0261】
即ち、トラクタ1は、アーム部86の変化によって、吹出口81aの位置及び向きの少なくとも一方が変化するように構成されている。
【0262】
〔ドレン管について〕
図1及び図3に示すように、トラクタ1は、2つのドレン管90を備えている。尚、本発明はこれに限定されず、ドレン管90の設けられる個数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。
【0263】
以下では、ドレン管90の構成について説明する。
【0264】
図3及び図4に示すように、ドレン管90は、エアコンユニット75の下部に接続されている。ドレン管90は、熱交換部76における熱交換により生じた排水を排出する。
【0265】
即ち、トラクタ1は、エアコンユニット75に接続されたドレン管90を備えている。
【0266】
ここで、上述の通り、エアコンユニット75は、後デッキ42に支持されている。また、後デッキ42は、左右の走行装置TRのトレッドを変更する際に、走行装置TRの移動に追従しない。即ち、後デッキ42は、輪距変更装置23に対して機体フレーム2の側に設けられている。
【0267】
即ち、エアコンユニット75は、輪距変更装置23に対して機体フレーム2の側に設けられた後デッキ42に支持されている。また、走行装置TRの上方に、トレッドを変更する際に走行装置TRの移動に追従しない後デッキ42が備えられている。
【0268】
また、縦ケース部22は、左右の走行装置TRのトレッドを変更する際に、走行装置TRの移動に追従する。即ち、縦ケース部22は、輪距変更装置23に対して走行装置TRの側に設けられている。
【0269】
図3及び図7に示すように、各ドレン管90は、エアコンユニット75の下部から、後デッキ42に設けられた孔(図示せず)を通って、下方に向けて垂下されている。これにより、各ドレン管90は、デッキ42に設けられた孔から下方に向けて垂下されている。
【0270】
各ドレン管90は、排水口91、中途部92、排水口側部分93を有している。排水口91は、ドレン管90の下端部に位置している。ドレン管90を通過した排水は、排水口91から排出される。
【0271】
排水口側部分93は、ドレン管90の下部に位置している。排水口91は、排水口側部分93の下端部に設けられている。中途部92は、排水口側部分93よりも上側(上流側)に位置している。また、排水口側部分93は、機体左側の後車輪11に対応する縦ケース部22に沿って上下に延ばされている。
【0272】
即ち、排水口側部分93は、縦ケース部22に沿って上下に延ばされている。
【0273】
図3及び図7に示すように、トラクタ1は、第一保持部材94、第二保持部材95、第三保持部材96を備えている。第一保持部材94、第二保持部材95、第三保持部材96は、何れも、U字型の形状を有している。
【0274】
第一保持部材94は、第一斜めフレーム60に溶接固定されている。中途部92は、第一保持部材94に支持されている。これにより、中途部92は、第一保持部材94、第一斜めフレーム60を介して、後デッキ42に支持されている。
【0275】
即ち、ドレン管90の中途部92が後デッキ42に支持されている。
【0276】
第二保持部材95は、機体左側の後車輪11に対応する縦ケース部22の上端部に溶接固定されている。また、第三保持部材96は、機体左側の後車輪11に対応する縦ケース部22の下部に溶接固定されている。排水口側部分93は、第二保持部材95及び第三保持部材96に支持されている。
【0277】
これにより、排水口側部分93は、第二保持部材95及び第三保持部材96を介して、縦ケース部22に支持されている。そのため、排水口側部分93は、左右の走行装置TRのトレッドを変更する際に、走行装置TRの移動に追従して移動することとなる。
【0278】
即ち、ドレン管90のうち、排水口91が設けられた排水口側部分93は、輪距変更装置23に対して走行装置TRの側に設けられた縦ケース部22に支持され、トレッドを変更する際に走行装置TRの移動に追従して移動する。また、ドレン管90は後デッキ42から下方に向けて垂下され、排水口側部分93が縦ケース部22に支持されている。
【0279】
図3に示すように、排水口側部分93は、排水口91が機体左側の後車輪11よりも右側に位置する状態で配置されている。これにより、排水口91は、トレッドの幅内に位置している。この構成により、排水口91からの排水は、トレッドの幅内に排水される。
【0280】
このように、排水口側部分93は、排水口91からの排水がトレッドの幅内に排水されるように縦ケース部22に支持されている。
【0281】
また、図3及び図7には、後車輪11の回転軸芯P3が示されている。排水口側部分93の下端は、後車輪11の回転軸芯P3よりも下側に位置している。
【0282】
即ち、排水口側部分93は、上下方向において後車輪11の回転軸芯P3に対応する高さまで延ばされている。
【0283】
以上で説明した構成によれば、エアコンユニット75は、機体の側方に位置している。
そのため、エアコンユニット75が運転部3の天井部に配置される場合に比べて、エアコンユニット75の配置位置が低くなる。これにより、トラクタ1の重心位置が比較的低くなる。その結果、トラクタ1の姿勢が安定的となる。
【0284】
即ち、以上で説明した構成であれば、トラクタ1の姿勢の安定性を向上させることができる。
【0285】
〔その他の実施形態〕
(1)一部または全ての部材の配置が、左右方向に反転していても良い。
【0286】
(2)アーム部86の揺動位置の変化によって、ダクト81の前部が運転座席31の前端部よりも後側の位置まで退避可能に構成されていても良い。例えば、第一揺動位置Q1が上記実施形態と同一であって、且つ、アーム部86が第一揺動位置Q1から機体外側へ180度揺動可能に構成されていても良い。この場合、アーム部86を、第一揺動位置Q1から機体外側へ180度揺動させると、ダクト81の前部が運転座席31の前端部よりも後側の位置まで退避した状態となる。
【0287】
即ち、トラクタ1は、アーム部86の変化によって、ダクト81の前部が運転座席31の前端部よりも後側の位置まで退避可能なように構成されていても良い。
【0288】
(3)エアコンユニット75は、機体の前側方または後側方に設けられていても良い。
【0289】
(4)エアコンユニット75は、機体左右方向一方側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体外側に突出していても良い。例えば、エアコンユニット75の機体左側の外端位置が、第二左端位置L2よりも機体左側に位置していても良い。即ち、エアコンユニット75の横外端は、トレッドが最も広い状態における機体左側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体外側に位置していても良い。
【0290】
(5)輪距変更装置23が設けられていなくても良い。即ち、左右の走行装置TRのトレッドを変更できないように構成されていても良い。さらに、左右の走行装置TRのトレッドを変更できない構成において、エアコンユニット75の横外端が、機体左側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体外側に位置していても良いし、機体左側の走行装置TRの横外端部よりも機体左右方向において機体中央側に位置していても良い。
【0291】
(6)エアコンユニット75は、走行装置TRの上端位置よりも低い位置に設けられていても良い。
【0292】
(7)エアコンユニット75は、フェンダー5よりも高い位置に設けられていても良い。
【0293】
(8)上記実施形態では、機体左側が、本発明に係る「機体左右方向一方側」に相当する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明に係る「機体左右方向一方側」は、機体右側であっても良い。
【0294】
(9)上記実施形態において溶接固定されている箇所は、溶接固定以外のいかなる固定方法によって固定されていても良い。
【0295】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明は、トラクタだけではなく、コンバイン、田植機、建設作業機等の種々の作業車に利用可能である。
【符号の説明】
【0297】
1 トラクタ(作業車)
3 運転部
5 フェンダー
5a 壁部
10 前車輪(前走行装置)
11 後車輪(後走行装置)
18 バッテリー(電源)
31 運転座席
71 コンバーター
75 エアコンユニット
76 熱交換部
77 ケース部
78 吸気口
80 接続部
81 ダクト
CE 中心位置
TR 走行装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14