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特許7378395免疫調節のためのコンジョイントセラピー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】免疫調節のためのコンジョイントセラピー
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4245 20060101AFI20231106BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
A61K31/4245
A61P33/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P37/02
A61P31/00
A61P31/10
A61P31/12
A61P31/04
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020526264
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 IB2018058533
(87)【国際公開番号】W WO2019087092
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】201741039497
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512332149
【氏名又は名称】オーリジーン オンコロジー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520135644
【氏名又は名称】キュリス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サシクマール,ポッタイル ゴヴィンダン ナイル
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラ,ムラリドハラ
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラ,ラグヴィーア カラジュハリ
(72)【発明者】
【氏名】レイゾーチャック,アダム エス.
(72)【発明者】
【氏名】ワイアント,ティモシー エル.
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/142833(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/142886(WO,A1)
【文献】特表2016-532710(JP,A)
【文献】IGNACIO MELERO,EVOLVING SYNERGISTIC COMBINATIONS OF TARGETED IMMUNOTHERAPIES TO COMBAT CANCER,NATURE REVIEWS CANCER,英国,2015年07月24日,VOL:15,PAGE(S):457-472,http://dx.doi.org/10.1038/nrc3973
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の処置のための医薬組成物であって、
i)
【化1】
(すなわち、化合物1)またはその医薬的に許容できる塩を含み、ここで、該組成物
【化2】
(すなわち、化合物32)またはその医薬的に許容できる塩とのコンジョイント投与のためのものである、または
ii)
【化3】
(すなわち、化合物32)またはその医薬的に許容できる塩を含み、ここで、該組成物
【化4】
(すなわち、化合物1)またはその医薬的に許容できる塩とのコンジョイント投与のためのものである、
医薬組成物。
【請求項2】
医薬組成物が、
【化5】
(すなわち、化合物1)またはその医薬的に許容できる塩を含み、ここで、該組成物は、
【化6】
(すなわち、化合物32)またはその医薬的に許容できる塩とのコンジョイント投与のためのものである、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項3】
医薬組成物が、
【化7】
(すなわち、化合物32)またはその医薬的に許容できる塩を含み、ここで、該組成物は、
【化8】
(すなわち、化合物1)またはその医薬的に許容できる塩とのコンジョイント投与のためのものである、請求項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項4】
前記癌が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性腺管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項5】
前記癌が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎の癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病、小児の固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱の癌、尿管癌、腎盂の癌、肝癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境により誘導される癌から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項6】
前記癌が、白血病である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
前記癌が、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
前記癌が、多発性骨髄腫である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
前記癌が、リンパ腫である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項10】
前記癌が、ホジキンリンパ腫である請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項11】
前記癌が、非ホジキンリンパ腫である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項12】
前記癌が、肺癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項13】
前記癌が、小細胞肺癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
前記癌が、乳癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
前記癌が、原発性腺管癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項16】
前記癌が、腎臓癌または腎盂の癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項17】
前記癌が、膀胱癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項18】
前記癌が、膵臓癌または膵臓腺癌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項19】
前記癌が、肝癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項20】
前記癌が、前立腺癌である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項21】
前記癌が、黒色腫である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項22】
前記癌が、結腸癌、大腸癌または直腸癌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項23】
前記癌が、卵巣癌、子宮内膜癌または子宮頸癌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項24】
前記癌が、脳幹神経膠腫である、請求項1~のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項25】
前記癌が、胃癌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項26】
前記癌が、小児の固形腫瘍である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる2017年11月6日出願のインド特許仮出願第201741039497号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
背景
哺乳動物における免疫系は、免疫応答の間および後に、様々な調節機構を通してリンパ球の活性化と不活性化の間の恒常性を制御する能力を維持している。これらの機構の中には、必要な場合に免疫応答を特異的に調整する機構がある。
【0003】
PD-1(またはプログラム細胞死1またはPDCD1)は、約55kDaのI型膜糖タンパク質であり、CD28スーパーファミリータンパク質のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1/B7-H1)およびプログラム細胞死リガンド2(PD-L2/B7-DC)の受容体である。これらの相互作用は、T細胞抗原受容体シグナル伝達を負に調節し、自己寛容の維持において重要な役割を果たすことが示唆されている。PD-1タンパク質の構造は、細胞外IgVドメインと、それに続く膜貫通領域および細胞内テールを含む。細胞内テールは、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)および免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフ(ITSM)に位置する2つのリン酸化部位を含有し、これはPD-1がTCRシグナルを負に調節することを示唆している。また、PD-1は、活性化T細胞、B細胞、およびマクロファージの表面で発現され(Y.Agata et al.,Int.Immunol.1996、8:765)、CTLA-4[(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)、CD152(分化クラスター152)としても公知であり、同じく免疫系において重要な調節的役割を果たすタンパク質]に比較して、PD-1はより広く免疫応答を負に調節することを示唆する。
【0004】
T細胞により発現される阻害性受容体であるPD-1の遮断は、免疫耐性を克服し得る。PD-1は、活性化T細胞により発現される重要な免疫チェックポイント受容体であり、それは免疫抑制を媒介する。PD-1は、主として末梢組織で機能し、そこではT細胞が、腫瘍細胞、間質細胞、またはその両方により発現される免疫抑制性PD-1リガンド:PD-L1およびPD-L2に遭遇し得る。PD-1とPD-L1の相互作用の阻害は、インビトロでT細胞応答を増強し、前臨床抗腫瘍活性を媒介し得る(S.L.Topalian et al.,N.Engl.J.Med.2012,366(26):2443-2454)。
【0005】
しかし一部の患者は、時間の経過と共に、PD-1、PD-L1またはPD-L2を単に標的とする治療に非応答性になる。より効果的かつより持続的な治療を提供するための方策が、必要とされている。
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の概要
本発明は、対象をVISTA経路の阻害剤およびTIM-3経路の阻害剤と接触させることにより、対象における免疫応答を調整する方法を提供する。本発明はまた、細胞をVISTA経路の阻害剤およびTIM-3経路の阻害剤と接触させることにより、細胞における免疫応答を調整する方法を提供する。T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサ(VISTA)、およびT細胞免疫グロブリン-ムチンドメイン含有-3(TIM-3)は、それぞれT細胞活性化を抑制し、T細胞機能および生存を限定する、免疫チェックポイントである。これらの免疫チェックポイントが腫瘍成長において役割を果たし、魅力的な治療ターゲットであることは、実証されている(S. L. Topalian. et al., Cancer Cell, 2015, 27, 450-461; M. J. Smyth et al. Nat. Rev. Clin. Oncol. 2016, 13, 143-158)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
特定の実施形態において、方法は、VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物を、TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物と共に投与することを含む。本発明はまた、VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物とTIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物などの、VISTA経路の阻害剤とTIM-3経路の阻害剤とを含む、医薬組成物などの組成物を提供する。
【0009】
VISTA経路を阻害する代表的化合物は、式(I):
【化1】
(式中、
Gは、水素または(C~C)アルキルを表し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換された(C~C)アルキルを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、-C(NH)C(O)OHまたはヘテロアリールで場合により置換された(C~C)アルキルを表し;ここでヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、または-OH、-NRもしくはカルボン酸で置換された(C~C)アルキルを表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
およびRは独立して、水素、(C~C)アルキル、(C~C)アシル、もしくは(C~C)シクロアルキルを表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成する)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容できる塩を包含する。
【0010】
VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する代表的化合物は、式(I):
【化2】
(式中、
Gは、水素または(C~C)アルキルを表し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換された(C~C)アルキルを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、-C(NH)C(O)OHまたはヘテロアリールで場合により置換された(C~C)アルキルを表し;ここでヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、または-OH、-NRもしくはカルボン酸で置換された(C~C)アルキルを表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
およびRは独立して、水素、(C~C)アルキル、(C~C)アシル、もしくは(C~C)シクロアルキルを表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成する)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容できる塩を包含する。
【0011】
TIM-3経路を阻害する代表的化合物は、式(II):
【化3】
(式中、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素または(C~C)アルキルを表し;
Yは、水素、または以下の構造式:
【化4】
により表される基を表し;
a’’は、-OH、-NR、-SR、カルボン酸、グアニジノ、またはアリールで置換された(C~C)アルキルを表し、ここでアリール基は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され、またはRとGは、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
a’’’は、水素を表し;またはRa’’とRa’’’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
b’は、-C(O)NRx’y’、-NRまたはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
c’は、水素を表し;またはRb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し、ここで5~6員環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
d’は、-ORx’、カルボン酸またはアリール-OHで場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
e’は、水素を表し;またはRd’とRe’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
x’およびRy’は独立して、水素、(C~C)アルキルまたは(C~C)アシルを表す)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容できる塩を包含する。
【0012】
したがって本開示は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩と、式(II)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、を含む医薬組成物;およびそのような組成物を調製するための工程を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】Cmd1(100mg/kg/日)、Cmd32(50mg/kg/日)、Cmd1とCmd32(それぞれ100および50mg/kg/日)とのコンジョイント投与、および抗PD-1抗体での処置後20日目の腫瘍体積(mm)。
図1B】Cmd1(100mg/kg/日)、Cmd32(50mg/kg/日)、およびCmd1とCmd32(それぞれ100および50mg/kg/日)とのコンジョイント投与での処置中の腫瘍体積(mm)の変動。
図2A】Cmd1(100mg/kg/日)、Cmd32(50mg/kg/日)、Cmd1とCmd32(それぞれ100および50mg/kg/日)とのコンジョイント投与、および抗PD-1抗体での処置後の腫瘍CD8:Treg比。
図2B】Cmd1(100mg/kg/日)、Cmd32(50mg/kg/日)、Cmd1とCmd32(それぞれ100および50mg/kg/日)とのコンジョイント投与での処置後のCD8の割合(%)としての腫瘍グランザイム-BPD-1TIM-3
図2C】Cmd1(100mg/kg/日)、Cmd32(50mg/kg/日)、Cmd1とCmd32(それぞれ100および50mg/kg/日)とのコンジョイント投与での処置後のCD8の割合(%)としての腫瘍グランザイム-BPD-1TIM-3
図3】MC38マウスモデルにおけるCmd1と組み合わされたCmd32のインビボ有効性。3または10mg/kgのCmd1を10mg/kg/日のCmd32とコンジョイントで投与した場合に、有意な添加剤有効性が観察された。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な記載
本発明は、対象をVISTA経路の阻害剤およびTIM-3経路の阻害剤と接触させることにより対象における免疫応答を調整する方法を提供する。本発明はまた、免疫細胞をVISTA経路の阻害剤およびTIM-3経路の阻害剤と接触させることにより細胞における応答を調整する方法を提供する。特定の実施形態において、方法は、VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物を、TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物と共に投与することを含む。本発明はまた、VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物とTIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する化合物などの、VISTA経路の阻害剤とTIM-3経路の阻害剤とを含む、医薬組成物などの組成物を提供する。
【0015】
各実施形態は、本開示の説明として提供され、本開示の限定としてではない。事実、本開示の範囲または主旨を逸脱することなく、本開示において様々な修正および変形がなされ得ることが当業者には明白であろう。例えば、一実施形態の一部として図示または記載された特色が、別の実施形態で使用されて、さらなる実施形態を得ることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形を網羅することを意図する。本開示の他の目的、特色、および態様は、以下の詳細な記載に開示される、またはそれから誘導され得る。本議論が例示的な実施形態の説明に過ぎず、本開示のより広い態様を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者に理解されるべきである。
【0016】
VISTAは、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。VISTAは、主として造血細胞で発現される。
【0017】
VISTAおよびプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)タンパク質は両者とも、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。VISTAおよびPD-1/PD-L1経路は、T細胞応答を非冗長的に調節する。VISTAおよびPD-1経路は、多くの疾患および病気に関係づけられており、VISTAおよびPD-1経路は、様々な免疫応答を調節することが公知である。数多くの研究が、VISTAまたはPD-1経路を標的とすることにより免疫応答を活性化することを探求し、それにより癌および自己免疫障害などの特定の病気への治療を提供する。例えば、VISTAおよびPD-L1特異的モノクローナル抗体を用いるコンビナトリアル処置は、結腸癌モデルにおいて相乗的治療有効性を実現し、腫瘍退縮および改善された生存率を示した(J.Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA2015,112(21):6682-6687)。PD-1活性はまた、エリテマトーデス、若年性特発性関節炎、およびアレルギー性脳脊髄炎などの自己免疫病とも関連づけられた。
【0018】
TIM-3は、T細胞の生存および機能を限定する免疫チェックポイント受容体として機能し、TIM-3は、特定のT細胞で発現される。プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)は、T細胞活性化を抑制する免疫チェックポイントタンパク質として機能する。TIM-3およびPD-1/PD-L1経路は、T細胞応答を非冗長的に調節する可能性がある。TIM-3およびPD-1経路は、多くの疾患および病気に関係づけられており、TIM-3およびPD-1経路は、様々な免疫応答を調節することが公知である。数多くの研究が、TIM-3またはPD-1経路を標的とすることにより免疫応答を活性化することを探求し、それにより癌および自己免疫障害などの特定の病気への治療を提供する。例えば、PD-L1特異性モノクローナル抗体と組み合わせたTIM-3-Fc融合タンパク質またはgal-9ノックアウトマウスを用いるコンビナトリアル処置は、急性骨髄性白血病モデルにおいて相乗的治療有効性を実現し、腫瘍退縮および改善された生存率を示した(Q. Zhou et al., Blood, 2011, 117: 4501-4510)。PD-1活性はまた、エリテマトーデス、若年性特発性関節炎、およびアレルギー性脳脊髄炎などの自己免疫病とも関連づけられた。加えて、PD-1経路の遮断およびTIM-3の阻害は、機能不全に陥ったCD8T細胞の機能を回復させ(例えば、腫瘍抗原特異性IFN-γ生成を回復させる)、強力な腫瘍内Tregをデプログラミングする(deprograms)(例えば、強力なTregサプレッサ機能に関連づけられる複数の遺伝子のダウンモジュレーションを駆動する)(A.C. Anderson, Cancer Immunol. Res., 2014, 2(5): 393-398)。本明細書で実証される通り、TIM-3、VISTA、およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を同時に阻害することは、TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)を単独で阻害することまたはVISTA およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)を単独で阻害することの有益効果をさらに超える、有益効果を有する 。
【0019】
VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の代表的阻害剤は、式(I):
【化5】
(式中、
Gは、水素または(C~C)アルキルを表し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換された(C~C)アルキルを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR、-NR、カルボン酸、-C(NH)C(O)OHまたはヘテロアリールで場合により置換された(C~C)アルキルを表し;ここでヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、または-OH、-NRもしくはカルボン酸で置換された(C~C)アルキルを表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
およびRは独立して、水素(C~C)アルキル、(C~C)アシル、もしくは(C~C)シクロアルキルを表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成する)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容できる塩を包含する。
【0020】
式(I)の特定の実施形態において、Gは、水素またはメチルを表す。幾つかの実施形態において、Gは、水素を表す。
【0021】
特定の実施形態において、Rは、-(CHC(O)OHまたは(C~C)アルキルを表し、ここで(C~C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリールまたはアリール-OHで置換される。式(I)の特定の実施形態において、Rは、-OH、-NH、-C(O)NH、-NH-C(=NH)-NH、カルボン酸、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換された(C~C4)アルキルを表し;Ra’は、水素である。式(I)の幾つかの実施形態において、Rは、-OH、-NH、-C(O)NH、-NH-C(=NH)-NH、イミダゾリル、またはp-OH(フェニル)で置換された(C~C)アルキルを表し;Ra’は、水素である。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CHC(O)NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHを表す。特定の実施形態において、Rは、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOHを表す。
【0022】
あるいは、特定の実施形態において、RとRa’は、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する。
【0023】
特定の実施形態において、Rは、-CHC(O)OHまたは(C~C)アルキルを表し、ここで(C~C)アルキルは、-OH、-C(O)NRxyまたはヘテロアリールで場合により置換され、ここでヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される。特定の実施形態において、Rは、-OH、-C(O)NH、カルボン酸、インドリル、-NH-((C~C)アシル)または-C(O)NH-((C~C)アルキル)で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;Rは、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rは、-OH、-C(O)NH、インドリル、-NH-(COCH)または-C(O)NH-((C~C)アルキル)で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;Rは、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rは、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-(CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)を表す。幾つかの実施形態において、Rは、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)を表す。特定の実施形態において、Rは、-CHC(O)NHまたは-CHC(O)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHC(O)NHを表す。
【0024】
あるいは、特定の実施形態において、RとRは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0025】
特定の実施形態において、Rは、-OH、-NH、または-C(O)OHで置換された(C~C)アルキルを表し;Reは、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH4-NH、または-(CHC(O)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。特定の実施形態において、Rは、-CH(CH)OHを表す。
【0026】
あるいは、特定の実施形態において、RとReは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0027】
式(I)の幾つかの実施形態において、
Gは、水素または(C~C)アルキルを表し;
は、-(CHC(O)OHまたは(C~C)アルキルを表し、ここで(C~C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、グアニジノ、ヘテロアリール、またはアリール-OHで置換され;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-CHC(O)OHまたは-(C~C)アルキルを表し、ここで(C~C)アルキルは、-OH、-C(O)NR、-NR、またはヘテロアリールで場合により置換され;ここでヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、または-OH、-NRもしくはカルボン酸で置換された(C~C)アルキルを表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
およびRは独立して、水素、(C~C)アルキルまたは(C~C)アシルを表す。
【0028】
式(I)の特定の実施形態において、
Gは、水素またはメチルを表し;
は、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=N)-NHを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し;
は、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-(CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)を表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
は、H、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、または-(CHC(O)OHを表し;
eは、水素を表し;またはRとReは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0029】
式(I)の特定の実施形態において、
Gは、水素またはメチルを表し;
は、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CHC(O)NH、-(CH-NH、-(CHCOOH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-NH-C(=NH)-NHを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成し;
は、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-(CH-NH(COCH)、-CHC(O)OH、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)を表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、-CHCOOHまたは-(CHC(O)OHを表し;
eは、水素を表し;またはRとReは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0030】
式(I)の特定の実施形態において、
Gは、水素またはメチルを表し;
は、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH-(p-OH(フェニル))、-(CH-NH、-(CHCOOH、-CH(イミダゾリル)、または-(CH-N(=NH)-NHを表し;
a’は、水素を表し;またはRとRa’は、それらが結合される原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し;
は、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CHC(O)NH、-(CHC(O)NH、-CHC(O)OH、-(CH-NH(COCH)、-CH(インドリル)、-CHC(O)NH(ヘキシル)、または-(CHC(O)NH(ヘキシル)を表し;
は、水素を表し;またはRとRは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、または-(CHC(O)OHを表し;
eは、水素を表し;またはRとReは、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0031】
特定の実施形態において、Rは、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表し、Rは、-CHC(O)NHまたは-CHC(O)OHを表し、Rは、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表し、Rは、-CHC(O)NHを表し、Rは、-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CHOHを表し、Rは、-CHC(O)NHを表し、Rは、-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rは、-CH(CH)OHを表し、Rは、-CHC(O)NHを表し、Rは、-CHOHを表す。
【0032】
特定の実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩は、
【表1】
から選択される。
【0033】
本明細書に開示される方法および組成物の幾つかの実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩は、
【表2】
から選択される。
【0034】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩は、
【表3】
から選択される。
【0035】
VISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の二重阻害剤は、全体として本明細書に参照により組み入れられる国際特許出願第PCT/IB2017/056463号において、特にそれに開示された阻害剤に関して開示される。
【0036】
特定の実施形態において、VISTA経路を阻害する化合物は、Cmd1
【化6】
またはその医薬的に許容できる塩である。
【0037】
幾つかの実施形態において、Cmd1は、原子の全てを示すことにより記載することもできる。
【化7】
【0038】
特定の実施形態において、TIM-3経路を阻害する化合物は、Cmd32
【化8】
またはその医薬的に許容できる塩である。
【0039】
幾つかの実施形態において、Cmd32は、原子の全てを示すことにより記載することもできる。
【化9】
【0040】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。幾つかの実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。幾つかの実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。特定の実施形態において、R、RおよびRのそれぞれは、アミノ酸残基の側鎖を表す。
【0041】
TIM-3経路を阻害する代表的阻害剤は、式(II):
【化10】
(式中、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素または(C~C)アルキルを表し;
Yは、水素、または以下の構造式:
【化11】
により表される基を表し;
Ra’’は、-OH、-NRxRy、-SRx、カルボン酸、グアニジノ、またはアリールで置換された(C~C)アルキルを表し、ここでアリール基は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され、またはRaとGは、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
Ra’’’は、水素を表し;またはRa’’とRa’’’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
Rb’は、-C(O)NRx’Ry’、-NRxRyまたはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
Rc’は、水素を表し;またはRb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し、ここで5~6員環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
Rd’は、-ORx’、カルボン酸またはアリール-OHで場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
Re’は、水素を表し;またはRd’とRe’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
Rx’およびRy’は独立して、水素、(C~C)アルキルまたは(C~C)アシルを表す)の構造を有する化合物、またはその医薬的に許容できる塩を包含する。
【0042】
式(II)の幾つかの実施形態において、Zは、-NH-G’を表す。幾つかの実施形態において、G’は、水素またはメチルを表す。幾つかの実施形態において、G’は、水素を表す。
【0043】
あるいは式(II)の幾つかの実施形態において、Zは、-OHを表す。
【0044】
幾つかの実施形態において、Ra’’は、-OH、-NRx’y’、-NH(C=NH)-NH、-SRx’、カルボン酸、またはアリールで置換された(C~C)アルキルを表し、ここでアリール基は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される。式(II)の特定の実施形態において、Ra’’は、-OH、-NH、-NH(C=NH)-NH、-SCH、カルボン酸、フェニルまたはp-OH(フェニル)で置換された(C~C)アルキルを表し、Ra’’’は、水素である。式(I)の幾つかの実施形態において、Ra’’は、-OH、-NH、-NH(C=NH)-NH、カルボン酸またはフェニルで置換された(C~C)アルキルを表し、Ra’’’は、水素である。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、-(CH-SCH、-(CHC(O)OH、-(CH-NH-(C=NH)-NH、-CH-(フェニル)または-CH-(p-OH(フェニル))を表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CH-NH(C=NH)-NH、または-CH-(フェニル)を表す。特定の実施形態において、Ra’’は、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CHOHを表す。
【0045】
あるいは、幾つかの実施形態において、Ra’’とG’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成する。幾つかの実施形態において、5~6員環は、モルホリン環である。
【0046】
あるいは、特定の実施形態において、Ra’’とRa’’’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成する。幾つかの実施形態において、5~6員環は、シクロペンチル環である。
【0047】
幾つかの実施形態において、Rb’は、-C(O)NRx’y’、-NRx’y’、またはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表す。幾つかの実施形態において、Rb’は、-C(O)NH、-NH、-NH(C(O)CH)またはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表し、Rc’は、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rb’は、-C(O)NH、-NH(C(O)CH)またはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表し、Rc’は、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rb’は、sec-ブチル、-CHC(O)NH、-(CH-NH、-(CH-NH(C(O)CH)、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rb’は、-CHC(O)NH、-(CH-NH、-(CH-NH(C(O)CH)、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表す。特定の実施形態において、Rb’は、-CHC(O)NH、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表す。幾つかの実施形態において、Rb’は、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表す。
【0048】
あるいは、特定の実施形態において、Rb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し、ここで5~6員環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される。幾つかの実施形態において、5~6員環は、ピロリジン環またはピペリジン環であり、ピロリジン環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される。
【0049】
幾つかの実施形態において、Yは、以下の構造式
【化12】
により表される基を表す。
【0050】
特定の実施形態において、Rd’は、-OH、-OCH、-C(O)OHまたはp-OH(フェニル)で場合により置換された(C~C)アルキルを表し、Re’は、水素を表す。幾つかの実施形態において、Rd’は、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH(CH)OCH、-CHC(O)OHまたは-CH-(p-OH(フェニル))を表す。幾つかの実施形態において、Rd’は、sec-ブチル、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。特定の実施形態において、Rd’は、-CH(CH)OHを表す。
【0051】
あるいは、特定の実施形態において、Rd’とRe’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成する。幾つかの実施形態において、5~6員環は、ピロリジン環である。
【0052】
あるいは、幾つかの実施形態において、Yは、水素を表す。
【0053】
式(II)の幾つかの実施形態において、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素または(C~C)アルキルを表し;
Yは、以下の構造式
【化13】
により表される基を表し;
a’’は、-OH、-NH、カルボン酸、グアニジノ、またはアリールで置換された(C~C)アルキルを表し;
a’’’は、水素を表し;またはRa’’とRa’’’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
b’は、-C(O)NRx’y’またはカルボン酸で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
c’は、水素を表し;またはRb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
d’は、-ORx’で場合により置換された(C~C)アルキルを表し;
e’は、水素を表し;またはRd’とRe’は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
x’およびRy’は独立して、水素、(C~C)アルキルまたは(C~C)アシルを表す。
【0054】
式(II)の幾つかの実施形態において、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素またはメチルを表し;
Yは、水素、または以下の構造式:
【化14】
により表される基を表し;
a’’は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、-(CH-SCH、-(CHC(O)OH、-(CH-NH(C=NH)-NH、-CH-(フェニル)もしくは-CH-(p-OH(フェニル))を表し;またはRとGは、それらが結合される原子と一緒になってモルホリン環を形成し;
a’’’は、水素を表し;またはRa’’とRa’’’は、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環を形成し;
b’は、sec-ブチル、-CHC(O)NH、-(CH-NH、-(CH-NH(C(O)CH)、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表し;
c’は、水素を表し;またはRb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し、ここでピロリジン環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
d’は、イソプロピル、sec-ブチル、-CHOH、-CH(CH)OH、-CH(CH)OCH、-CHC(O)OHまたは-CH-(p-OH(フェニル))を表し;
e’は、水素を表し;またはRd’とRe’は、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する。
【0055】
式(II)の特定の実施形態において、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素またはメチルを表し;
Yは、以下の構造式:
【化15】
により表される基を表し;
a’’は、-CHOH、-CH(CH)OH、-(CH-NH、-(CHC(O)OH、-(CH-NH(C=NH)-NH、または-CH-(フェニル)を表し;
a’’’は、水素を表し;
b’は、-CHC(O)NH、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表し;
c’は、水素を表し;またはRb’とRc’は、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し;
d’は、sec-ブチル、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表し;
e’は、水素を表す。
【0056】
特定の実施形態において、Ra’’は、-CHOH、-CH(CH)OHまたは-(CH-NH(C=NH)-NHを表し;Rb’は、-CHC(O)NH、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表し; Rd’は、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CHOHまたは-CH(CH)OHを表し;Rb’は、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表し; Rd’は、-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CHOHを表し;Rb’は、-CHC(O)OHまたは-(CHC(O)OHを表し; Rd’は、-CH(CH)OHを表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-CH(CH)OHを表し;Rb’は、-CHC(O)NHを表し; Rd’は、-CHOHを表す。幾つかの実施形態において、Ra’’は、-(CH-NH(C=NH)-NHを表し;Rb’は、-CHC(O)NHを表し;Rd’は、-CHOHを表す。
【0057】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、式(II)の化合物または医薬的に許容できる塩は、
【表4】
から選択される。
【0058】
本明細書に開示される方法および組成物の幾つかの実施形態において、式(II)の化合物または医薬的に許容できる塩は、
【表5】
から選択される。
【0059】
本明細書に開示される方法および組成物の幾つかの実施形態において、式(II)の化合物または医薬的に許容できる塩は、
【表6】
から選択される。
【0060】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、式(II)の化合物または医薬的に許容できる塩は、
【表7】
から選択される。
【0061】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、化合物または医薬的に許容できる塩は、
【表8】
から選択される。
【0062】
TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の二重阻害剤が、全体として本明細書に参照により組み入れられるインド特許出願第201741039298号において、特にそれに開示された阻害剤に関して開示される。
【0063】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。幾つかの実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。幾つかの実施形態において、Rは、アミノ酸残基の側鎖を表す。特定の実施形態において、R、RおよびRのそれぞれは、アミノ酸残基の側鎖を表す。
【0064】
あるアミノ酸残基は、アルファ、ベータまたはガンマ炭素でアミノ(-NH)基により置換されたカルボン酸を意味することが、当該技術分野で理解されている。基-CO-Aaaにおいて、アミノ酸残基Aaaは、アミノ酸残基のカルボニル炭素とアミノ基の間の共有結合を介してカルボニル基COに連結される。好ましい実施形態において、アミノ酸は、アルファアミノ酸であり、アミノ酸残基Aaaは、アミノ酸残基のカルボニル炭素とアルファアミノ基の間の共有結合を介してカルボニル基COに連結される。
【0065】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、1つの、1つより多くの、または全てのアミノ酸残基は、Dアミノ酸残基である。幾つかの実施形態において、1つの、1つより多くの、または全てのアミノ酸残基の側鎖は、Dアミノ酸残基の立体化学に対応する。
【0066】
特定の実施形態において、1つの、1つより多くの、または全てのアミノ酸残基は、Lアミノ酸残基である。幾つかの実施形態において、1つの、1つより多くの、または全てのアミノ酸残基の側鎖は、Lアミノ酸残基の立体化学に対応する。
【0067】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、化合物は、式(I)および式(II)の化合物のプロドラッグであってよく、例えば、親化合物中のヒドロキシル基がエステルとして提供されるか、または親化合物中に存在するカルボナートもしくはカルボン酸がエステルとして提供される。さらなる実施形態において、プロドラッグは、インビボで活性親化合物に代謝される(例えば、エステルは、対応するヒドロキシルまたはカルボン酸に加水分解される)。
【0068】
本明細書および特許明細書を通して、式(I)の化合物または本発明の化合物および/またはそれらの調製において言及される「L-トレオニン残基」は、以下の式のいずれか1つにより表され得る。
【化16】
【0069】
本明細書に開示される方法および組成物の特定の実施形態において、本開示の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子の1つまたは複数で不自然な割合の原子同位体を含有し得る。例えば、本開示はまた、本明細書に列挙されたものと同一であるが、化合物の1つまたは複数の原子が、その原子について通常天然に見出される主な原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子に置き換えられている、という事実のために、本開示の同位体標識された変異体を包含する。明記された任意の特別な原子または元素の全ての同位体が、本開示の化合物およびそれらの使用の範囲内で企図される。本開示の化合物に組み込まれ得る例示的同位体としては、H(「D」)、 H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体が挙げられる。本開示の同位体標識された化合物は一般に、非同位体標識の試薬の代わりに同位体標識された試薬を使用することにより、本明細書の以下のスキームおよび/または実施例に開示されたものと類似の手順に従うことにより調製され得る。
【0070】
使用方法
幾つかの実施形態において、本開示は、細胞中でVISTAおよびTIM-3活性により媒介される免疫応答を調整する方法であって、上記実施形態のいずれかにより、細胞を式(I)の化合物および式(II)の化合物またはそれらの医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法を提供する。幾つかの実施形態において、本開示は、細胞中でPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)シグナル伝達経路、VISTAおよびTIM-3活性により媒介される免疫応答を調整する方法であって、上記実施形態のいずれかにより、細胞を式(I)の化合物および式(II)の化合物またはそれらの医薬的に許容できる塩と接触させることを含む、方法を提供する。
【0071】
特定の実施形態において、本開示は、例えば癌、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶の処置のための、医薬品の調製のための、式(I)の化合物および式(II)の化合物の使用を提供する。
【0072】
前述の実施形態のいずれかによれば、特定の実施形態において、細胞を接触させることは、それを必要とする対象において起こり、それにより癌、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される疾患または障害を処置する。
【0073】
特定の実施形態において、本開示は、それを必要とする対象への式(I)の化合物および式(II)の化合物の治療有効量のコンジョイント投与を含む、癌を処置するための方法を提供する。
【0074】
特定の実施形態において、本開示は、それを必要とする対象に式(I)の化合物および式(II)の化合物の治療有効量をコンジョイントで投与することによる、腫瘍細胞の増殖および/または転移を阻害するための方法を提供する。
【0075】
特定の実施形態において、腫瘍細胞は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性腺管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択される癌由来である。
【0076】
代表的な腫瘍細胞としては、非限定的に、芽細胞腫(例えば、神経膠芽腫)、乳癌(例えば、乳癌、原発性乳管癌、トリプルネガティブ乳癌、エストロゲン受容体陽性(ER+)、プロゲステロン受容体陽性(PR+)、および/またはヒト上皮成長因子受容体2陽性(HER2+))、上皮癌(例えば癌腫)、結腸癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、および肺扁平上皮癌)、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、眼黒色腫、皮膚または眼内悪性黒色腫、およびリンパ節関連黒色腫)、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌(RCC)および腎臓癌)、骨癌(例えば、骨肉腫)、膵臓癌(例えば、膵臓腺癌)、皮膚癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、子宮癌、卵巣癌(例えば、卵巣癌)、大腸癌(例えば、高度マイクロサテライト不安定性大腸癌、および大腸腺癌)、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌(例えば、胃癌および胃腸癌)、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌(例えば、子宮頸部の癌)、膣癌(例えば、膣の癌)、外陰癌(例えば、外陰癌)、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌(例えば、甲状腺の癌)、副甲状腺癌、副腎の癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫およびカポジ肉腫)、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病(例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞性白血病、および慢性骨髄性白血病)、小児の固形腫瘍、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、リンパ球豊富型(LRCHL)、結節性硬化症(NSHL)、混合細胞性(MCHL)、およびリンパ球減少型(LDHL))、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み細胞NHL、巨大病変NHL、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、AIDS関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉腫)、およびワルデンストロームマクログロブリン血症、移植後リンパ球増殖性障害(PTLD)、リンパ球性リンパ腫、原発性CNSリンパ腫、およびT細胞リンパ腫)、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、膀胱の癌(例えば、膀胱癌)、尿管癌、腎盂の癌、肝癌(例えば、肝細胞癌、肝臓癌、肝細胞腫)、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、環境により誘導される癌(アスベストにより誘導されるものを含む)、および上記癌の組み合わせなどの癌の細胞が挙げられる。
【0077】
幾つかの実施形態において、例えば、腫瘍細胞としては、前立腺癌、黒色腫、乳癌、結腸癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、食道癌、中皮腫、甲状腺癌、胸腺癌、肉腫、神経膠芽腫、慢性または急性白血病、リンパ腫、骨髄腫、メルケル細胞癌、上皮癌、大腸癌、膣癌、子宮頸癌、卵巣癌、および頭頸部癌から選択される癌の細胞を挙げることができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、腫瘍細胞としては、黒色腫、トリプルネガティブ乳癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膵臓癌、胃癌、膀胱癌、中皮腫、ホジキンリンパ腫、子宮頸癌、卵巣癌、頭頸部扁平上皮細胞癌から選択される癌の細胞を挙げることができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、腫瘍細胞は、および/または対象は、免疫腫瘍学的治療に対してナイーブである。免疫腫瘍学は、対象の免疫系を利用して癌との闘いを支援する。例えば、免疫腫瘍学的治療としては、アレムツズマブ(alemtumzuamb)、アテゾリズマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、アベルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ブレンツキシマブベドチン(CD30を標的とする抗体-薬物コンジュゲート)、デュルバラマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、イピリムマブ(CTLA-4を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ニボルマブ(PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、ペンブロリズマブ(ランブロリズマブとも称される、PD-L1を標的とするヒトモノクローナル抗体)、リツキサン、トレメリムマブ(CTLA-4を標的とするヒトモノクローナル抗体)、CT-011(PD-1を標的とする抗体)、MDX-1106(PD-1を標的とする抗体)、MK-3475(PD-1を標的とする抗体)、YW243.55.S70(PD-L1を標的とする抗体)、MPDL3280A(PD-L1を標的とする抗体)、MDX-1105(PD-L1を標的とする抗体)、およびMEDI4736(PD-L1を標的とする抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗TIGIT抗体(例えば、WO2015/009856に開示される抗体)から選択される。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、インドレアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤(例えば、INCB24360(Epacadostat))である。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、アルギナーゼ阻害剤(例えば、CB-1158)である。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、インターロイキン2(IL-2)である。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、ワクチン(例えば、シプリューセル-T)である。幾つかの実施形態において、免疫腫瘍学的治療は、キメラ抗原T細胞受容体(CAR-T)療法(例えば、チサゲンレクロイセル、アキシカブタジンシロルーセル(Axicabtagene Ciloleuce))である。
【0080】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、そのタイプの代表的な腫瘍のサンプリングの試験により、または患者自身の腫瘍を試験することにより、免疫チェックポイント療法への応答が実証されている癌の腫瘍細胞を含む。幾つかの実施形態において、癌は、例えばそのタイプの代表的な腫瘍のサンプリングの試験による、抗PD1療法への応答を示している。例えば、癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、膀胱の癌、ホジキンリンパ腫、および頭頸部扁平上皮癌を挙げることができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、1種または複数のPD-1アンタゴニストに対して難治性または抵抗性である腫瘍細胞を含む。
【0082】
特定の実施形態において、生物学的試料は、VISTAおよびTIM-3がPD-L1およびPD-L2の非存在下で発現される癌の腫瘍細胞を含む。幾つかの実施形態において、生物学的試料は、腫瘍細胞、間質、および免疫浸潤物を含む。例えば、VISTAおよびTIM-3がPD-L1およびPD-L2の非存在下で発現される幾つかの実施形態において、生物学的試料は、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性腺管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、および膵臓癌などの癌の腫瘍細胞を含む。
【0083】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、VISTAと、TIM-3と、PD-L1の発現の間に相関性がない癌の腫瘍細胞を含む。例えば、生物学的試料は、子宮内膜の癌腫、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、および慢性または急性白血病、例えば急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、リンパ球性リンパ腫、および多発性骨髄腫などの癌の腫瘍細胞を含んでよい。
【0084】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、VISTA、TIM-3およびPD-L1を発現する、癌の腫瘍細胞を含む。例えば、腫瘍細胞としては、前立腺腺癌、肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌、膵臓腺癌、乳癌および大腸腺癌などの癌の細胞が挙げられる。特定の実施形態において、腫瘍細胞は、乳癌由来である。幾つかの実施形態において、腫瘍細胞は、トリプルネガティブ乳癌、エストロゲン受容体陽性(ER+)、プロゲステロン受容体陽性(PR+)、および/またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2+)から選択される乳癌由来のものである。幾つかの実施形態において、腫瘍細胞は、PAM50+乳癌アッセイパネル(Parker、J.S.et al.,J.Clin.Oncol.2009、27(8):1160-1167)、ルミナルA、ルミナルB、HER2濃縮、基底様および正常様から選択される乳癌由来である。
【0085】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、腫瘍クリアランスが骨髄細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、またはNKT細胞に依存する癌の腫瘍細胞を含む。幾つかの実施形態において、生物学的試料は、クリアランスがCD8+T細胞に依存する癌の腫瘍細胞を含む。例えば、癌としては、トリプルネガティブ乳癌、高度マイクロサテライト不安定性大腸癌、胃癌、中皮腫、膵臓癌、および子宮頸癌を挙げることができる。
【0086】
本開示の幾つかの実施形態において、VISTAおよびTIM-3経路の阻害による、またはVISTA、TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害による、感染の処置の方法を提供する。
【0087】
本開示の幾つかの実施形態において、PD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の遮断とVISTAおよびTIM-3のコンジョイント阻害による、例えばそれを必要とする対象への式(I)の化合物および式(II)の化合物の治療有効量のコンジョイント投与による、感染の処置の方法を提供する。
【0088】
特定の実施形態において、本開示は、感染性疾患の処置のための医薬品の調製のための本開示の化合物の使用、ならびに感染性疾患の処置のために式(I)の化合物および式(II)の化合物の治療有効量をコンジョイントで投与する方法を提供する。
【0089】
幾つかの実施形態において、感染性疾患は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染または寄生虫感染性疾患、ならびに細菌感染、ウイルス感染、真菌感染または寄生虫感染の処置のために式(I)の化合物および式(II)の化合物の治療有効量をコンジョイントで投与する方法である。
【0090】
幾つかの実施形態において、例えば、細菌感染は、炭疽病、バシラス綱、ボルデテラ属、ボツリヌス中毒症、ブルセラ属、バークホルデリア属、カンピロバクター属、クラミジア属、コレラ、クロストリジウム属、コノコッカス属(Conococcus)、コリネバクテリウム属、ジフテリア、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、エルウィニア属、エシェリキア属、フランシセラ属、ヘモフィリス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、レプトスピラ症、リステリア属、ライム病、髄膜炎菌、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ネイセリア属、パスルレラ属、ペロバクター属、疫病、ニューモコッカス属(Pneumonococcus)、プロテウス属、シュードモナス属、リケッチア属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、テタヌス、トレポネーマ属、ビブリオ属、エルシニア属およびキサントモナス属から選択される少なくとも1つの細菌に起因し得る。
【0091】
幾つかの実施形態において、例えば、ウイルス感染は、アデノウイルス科、パピローマウイルス科、ポリオーマウイルス科、ヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科、ヘパドナウイルス科、パルボウイルス科、アストロウイルス科、カリシウイルス科、ピコルナウイルス科、コロナウイルス科(Coronoviridae)、フラビウイルス科、レトロウイルス科、トガウイルス科、アレナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、オルトミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科およびレオウイルス科から選択される少なくとも1つのウイルスに起因し得る。特定の実施形態において、ウイルスは、アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、ジョン・カニンガム(JC)ウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、およびバナウイルスであってよい。
【0092】
幾つかの実施形態において、例えば、真菌感染は、鵞口瘡、アスペルギルス属(フミガタス、ニガー他)、ブラストマイセス・デルマティティジス、カンジダ属(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス他)、コクシジオイデス・イミティス、クリプトコッカス属(ネオフォルマンス他)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコール目(ムコル、アブシジア、リゾプス(rhizophus))、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、スポロトリクム症、スポロスリックス・シェンキー、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風(piedra pityriasis versicolor)、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される少なくとも1つの真菌に起因し得る。
【0093】
幾つかの実施形態において、例えば寄生虫感染は、アカントアメーバ、バベシア・ミクロッティ、バランチジウム・コリ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、ジアルジア・ランブリア、クリプロスポリジウム・ムリス、トリパノソーマ・ガンビエンス、トリパノソーマ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ・トリパノソーマ・クルージ、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア、・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オベール、四日熱マラリア原虫、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスティス・カリニ、膣トリコモナス、ヒストモナス・メレアグリディス、双腺綱(Secementea)、鞭虫、アスカリス・ラムブリコイデス、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・デュオデナーレ、ネグレリア・フォウレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウケレリア・バンクロフティ、ドラクンクルス・メディネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニカム、ファスキオラ・ヘパティカ、ファスキオラ・ギガンティカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウェスターマニから選択される少なくとも1つの寄生虫に起因し得る。
【0094】
特定の実施形態において、本開示は、対象における癌を処置または予防する方法であって、VISTA経路およびTIM-3経路の阻害剤を対象にコンジョイントで投与することを含む、またはVISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とTIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とを対象にコンジョイントで投与することによる、方法を提供する。
【0095】
幾つかの実施形態において、癌は、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、および腎臓癌である。
【0096】
幾つかの実施形態において、癌は、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境に誘導される癌である。
【0097】
特定の実施形態において、本開示は、対象における感染性疾患を処置または予防する方法であって、VISTA経路およびTIM-3経路の阻害剤を対象にコンジョイントで投与することを含む、またはVISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とTIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とを対象にコンジョイントで投与することによる、方法を提供する。
【0098】
特定の実施形態において、感染性疾患は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、または寄生虫感染である。
【0099】
幾つかの実施形態において、感染性疾患は、炭疽病、バシラス綱、ボルデテラ属、ボツリヌス中毒症、ブルセラ属、バークホルデリア属、カンピロバクター属、クラミジア属、コレラ、クロストリジウム属、コノコッカス属、コリネバクテリウム属、ジフテリア、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、エルウィニア属、エシェリキア属、フランシセラ属、ヘモフィリス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、レプトスピラ症、リステリア属、ライム病、髄膜炎菌、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ネイセリア属、パスルレラ属、ペロバクター属、疫病、ニューモコッカス属、プロテウス属、シュードモナス属、リケッチア属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、テタヌス、トレポネーマ属、ビブリオ属、エルシニア属およびキサントモナス属;アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、ジョン・カニンガム(JC)ウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、およびバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;鵞口瘡、アスペルギルス属(フミガタス、ニガー他)、ブラストマイセス・デルマティティジス、カンジダ属(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス他)、コクシジオイデス・イミティス、クリプトコッカス属(ネオフォルマンス他)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコール目(ムコル、アブシジア、リゾプス)、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、スポロトリクム症、スポロスリックス・シェンキー、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される真菌感染;ならびにアカントアメーバ、バベシア・ミクロッティ、バランチジウム・コリ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、ジアルジア・ランブリア、クリプロスポリジウム・ムリス、トリパノソーマ・ガンビエンス、トリパノソーマ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ・トリパノソーマ・クルージ、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア、・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オベール、四日熱マラリア原虫、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスティス・カリニ、膣トリコモナス、ヒストモナス・メレアグリディス、双腺綱、鞭虫、アスカリス・ラムブリコイデス、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・デュオデナーレ、ネグレリア・フォウレリ、ネグレリア・フォーレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウケレリア・バンクロフティ、ドラクンクルス・メディネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニカム、ファスキオラ・ヘパティカ、ファスキオラ・ギガンティカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウェスターマニから選択される少なくとも1つの寄生虫である。
【0100】
幾つかの実施形態において、VISTA経路およびTIM-3経路の阻害剤またはVISTAおよびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とTIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路の阻害剤とが、同時に投与される。幾つかの実施形態において、一方の化合物が、他方の化合物の投与前、または投与後約5分以内~約168時間以内に投与される。
【0101】
バイオマーカースクリーニング
腫瘍組織などの、目的の組織の遺伝子発現プロファイルを、得ることができ、治療的処置を、遺伝子発現プロファイルに基づいて選択できる。言い換えれば、抗腫瘍剤が、特定の癌タンパク質を阻害することにより作用する場合、ある特定の癌が、その癌を抗腫瘍剤で処置しようと試みる前にその癌遺伝子を発現するか否かを知ることが望ましい場合がある。特定の遺伝子の発現は、多くの方法で評価され得る。遺伝子転写物のレベルまたはコードされたタンパク質のレベルが、決定されてもよい。タンパク質の存在は、抗体結合、質量分析法および二次元ゲル電気泳動などの方法により直接的に、またはタンパク質の活性を検出することにより間接的に決定されてもよく、これは生化学的活性、あるいは別のタンパク質のレベルまたは1つもしくは遺伝子の発現のレベルへの影響であってもよい。
【0102】
遺伝子発現の測定には現在、多数の方法論が利用されている。幾つかの実施形態において、これらの方法論は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を利用し、その詳細は、全てが参照により全体として本明細書に具体的に組み入れられる、全てMullisらに対する米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,965,188号に提供される。幾つかの実施形態において、方法論は、有色蛍光体の固有のストリング(分子バーコードとも称される)に付着されるDNAのセグメントにハイブリダイズされたプローブによる転写物のデジタル検出を利用する。
【0103】
方法論としてはまた、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH);蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH);免疫組織化学的検査(IHC);および次世代シーケンシング(NGS)、ならびにDNAレベルを評価する他の分子プロファイリング技術(例えば、ゲノムアレイ)、RNA定量、プロテオミクスアッセイなどが挙げられる。
【0104】
本明細書で用いられる「シグネチャ」は、遺伝子またはバイオマーカーの定義されたサブセットの発現パターンである。
【0105】
本明細書で用いられる「高免疫シグネチャ陽性」試料は、細胞傷害性T細胞などの特定のタイプの免疫細胞による免疫細胞腫瘍浸潤を表す。
【0106】
例えば、本明細書に開示される癌を処置する特定の方法において、方法は、腫瘍細胞を含む生物学的試料が、VISTA、TIM-3、PD-L1、またはPD-L2などのバイオマーカーを発現する(またはその組織型の正常組織に比較して過剰発現する)か否かを決定することを含んでよい。同様に、方法は、生物学的試料が、VISTA陽性、TIM-3陽性、骨髄性シグネチャ陽性、ナチュラルキラーシグネチャ陽性、および/または高免疫性シグネチャ陽性であるか否かを決定することを含んでよい。試験用の試料を得るために患者の腫瘍を生検してよいが、試料は、対象の血流中の脱落したまたは転移性の腫瘍細胞または核酸を同定することによるなどの、任意の他の適切な方法で得られてもよい。幾つかの実施形態において、試料は、患者の体内の本来の位置で試験されてもよい。あるいは、試料は、血液試料であってよく、腫瘍がマーカーを過剰発現するか否かを決定することは、血液試料中のマーカーのレベルを測定して、そのレベルがマーカーの正常な発現の指標であるか、またはマーカーの発現上昇の指標であるかを決定することを含んでもよい。
【0107】
幾つかの実施形態において、生物学的試料は、VISTA、TIM-3および免疫系の活性化の他のマーカーの発現上昇を呈してよい。例えば、生物学的試料は、特定のシグネチャを呈してよく、例えば、高度に免疫シグネチャ陽性であってよい。幾つかの実施形態において、特定の遺伝子シグネチャを呈する患者は次に、式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与で処置されてよい。
【0108】
幾つかの実施形態において、VISTA、TIM-3、PD-L1、および/またはPD-L2の発現上昇を呈する患者は次に、本明細書に開示される化合物で処置されてよい。
【0109】
したがって、本明細書に提供されるのは、対象において免疫応答を調整する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTA、TIM-3、PD-L1、および/またはPD-L2を過剰発現するか否かを決定すること;ならびに
b)試料がVISTA、TIM-3、PD-L1、および/またはPD-L2を過剰発現する場合、対象を、本明細書に開示される式(I)の化合物および式(II)の化合物と接触させること、
を含む、方法である。
【0110】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、対象において免疫応答を調整する方法であって、
a)対象由来の生物学的試料がVISTAおよびTIM-3を過剰発現するか否かを決定すること;ならびに
b)試料がVISTAおよびTIM-3を過剰発現する場合、対象を、本明細書に開示される式(I)の化合物および式(II)の化合物と接触させること、を含む方法である。
【0111】
幾つかの実施形態において、方法は、試料がPD-L1またはPD-L2も過剰発現するか否かを決定することをさらに含む。幾つかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、試料が免疫系の活性化のマーカーも過剰発現するか否かを決定することをさらに含む。代わりの実施形態において、本明細書に開示される方法は、試料がTIM-3またはVISTAと共発現される遺伝子を過剰発現するか否かを決定することを含む。特定の実施形態において、試料は、1種または複数の腫瘍細胞を含む。
【0112】
遺伝子発現を評価する別の適用は、薬物または他の治療剤が、その遺伝子の活性により調整される疾患または病気を有する対象にとって有益か否かを決定するためのコンパニオン診断(CDx)ツールの開発にある。CDxは、治療により影響を受ける遺伝子、遺伝子シグネチャ、またはタンパク質を有する患者のみに薬物の使用を導くことができ、FDA認可治療において必須の要素であり得る。対象は、疾患、例えば特定の癌に対して有益な効果を有しないであろう薬物を処方されないことから利益を享受し、医者が患者ごとに治療をあつらえることを可能にする。したがって、CDxを分析的および臨床的に検証して任意の偽陽性または陰性の影響を最小限にすることが最も重要である。このため、CDx試験は多くの場合、薬の開発と並行して開発される。効果的なCDxは、評価される疾患または病気と、高度でかつ再現性のある相関がなければならない。
【0113】
特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、対象における免疫応答を式(I)の化合物および式(II)の化合物で調整する可能性を同定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手または提供すること;
b)対象試料中のVISTAおよびTIM-3の量または活性を測定すること;ならびに
c)測定された量または活性を、対照試料中のVISTAおよびTIM-3の量または活性と比較すること、
を含み、
ここで、対照試料と比較して対象試料中の有意に増加されたVISTAおよびTIM-3の量または活性は対象を、式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与に応答する可能性が高いと同定し、
ここで、対照試料と比較して対象試料中の類似のまたは減少されたVISTAおよびTIM-3の量または活性は対象を、式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与に応答する可能性が低いと同定する、
方法である。
【0114】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、対象における免疫応答を式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与で調整する可能性を同定する方法であって、:
a)対象から生物学的試料を入手または提供すること;
b)対象試料中のVISTAおよびTIM-3の量または活性を測定すること;ならびに
c)測定された量または活性を対照試料中のVISTAおよびTIM-3の量または活性と比較すること、
を含み、
ここで、対照試料と比較して対象試料中の類似のまたは低下したVISTAおよびTIM-3の活性は対象を、式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与に対して可能性が高いと同定し、
ここで、対照試料と比較して対象試料中の高いVISTAおよびTIM-3の量または活性は対象を、式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与に応答性する可能性が低いと同定する、
方法である。
【0115】
特定の実施形態において、生物学的試料は、血清、全血、血漿、尿、細胞(例えば、腫瘍細胞)、細胞株、外科的に切除された腫瘍組織、および組織生検から選択される。幾つかの実施形態において、試料は、全血または組織生検から選択される。特定の実施形態において、試料は、対象由来のバイオマーカー、例えばVISTA、TIM-3、PD-L1、および/またはPD-L2を含む。幾つかの実施形態において、対象は、特定の遺伝子シグネチャをバイオマーカーとして呈する。幾つかの実施形態において、遺伝子シグネチャは、VISTAおよび/またはTIM-3発現を含む。幾つかの実施形態において、対象は、本明細書に記載の癌を有する。幾つかの実施形態において、方法は、対象が式(I)の化合物および式(II)の化合物のコンジョイント投与に応答する可能性があると決定された場合に、式(I)の化合物および式(II)の化合物を推奨すること、コンジョイントで処方することもしくはコンジョイントで投与すること、または対象が式(I)の化合物および式(II)の化合物に応答する可能性が低いと決定された場合に、式(I)の化合物および式(II)の化合物以外の治療を施すこと、をさらに含む。
【0116】
特定の実施形態において、対照試料は、対象もしくは患者が属する種と同じ種のメンバーのいずれかに由来する試料、または同じ対象から得られた健常組織試料である。対照試料は、細胞を含んでも、または細胞を含まなくてもよい。対照試料は、式(I)の化合物および式(II)の化合物に対して応答性または非応答性であることが知られた癌細胞を含んでよい。
【0117】
特定の実施形態において、VISTAおよび/またはTIM-3の量は、タンパク質と特異的に結合する試薬を使用して検出される。特定の実施形態において、試薬は、抗体、抗体誘導体、および抗体断片から選択される。特定の実施形態において、VISTAおよび/またはTIM-3発現は、転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の試料中の存在を検出することにより評価される。特定の実施形態において、転写されたポリヌクレオチドは、mRNAまたはcDNAである。特定の実施形態において、検出することは、転写されたポリヌクレオチドを増幅することをさらに含む。特定の実施形態において、転写されたポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、バイオマーカー核酸またはその一部とアニーリングする核酸を同定することにより検出される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーとしての遺伝子シグネチャの検出は、非限定的に、次世代シーケンシング(NGS)、ハイブリダイゼーション、およびデジタル検出を含む方法に基づいてよい。例えば、マルチプレックスシーケンシングは、並行シーケンシングと固有のインデックスタグとを使用するNGS法であり、プールされた試料が同時に分析され得る。デジタル検出は、シグナルの相対的レベルに依存するというよりむしろ測定用の個別の単位に依存する。例えば、転写産物は、有色フルオロフォアの固有の列(分子バーコード)に付着されたDNAのセグメントにハイブリダイズされたプローブにより検出され、試料中の転写産物の総数が、特定の分子バーコードが検出される回数をカウントすることにより定量される。
【0118】
VISTAおよび/またはTIM-3の量が、量を評価するために使用されるアッセイの標準誤差よりも大きな量だけ、それぞれ正常レベルよりも大きいまたは小さい場合、かつ好ましくはその量の少なくとも約0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、0.9倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍である場合、対象におけるVISTAおよび/またはTIM-3の発現は、バイオマーカーの正常量より「有意に」高いまたは低い。あるいは、対象におけるVISTAおよび/またはTIM-3の量が、VISTAおよび/またはTIM-3の正常な量よりそれぞれ少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約3倍、4倍、または5倍高いかまたは低い場合、対象におけるVISTAおよび/またはTIM-3の量は、正常な量よりも「有意に」高いまたは低いと見なされ得る。そのような「有意性」はまた、発現、阻害、細胞傷害性、細胞増殖など、本明細書に記載される任意の測定パラメータにも適用され得る。
【0119】
本明細書中で他に明記されない限り、用語「抗体」および「抗体(複数)」は広義には、天然由来の形態の抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE)ならびに一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多重特異性抗体などの組換え抗体、ならびに前述の全ての断片および誘導体を包含し、これらの断片および誘導体は、少なくとも抗原結合部位を有する。抗体誘導体は、抗体にコンジュゲートされたタンパク質または化学的部分を含んでよい。
【0120】
本明細書で用いられる用語「抗体」はまた、抗体の「抗原結合部分」(または単に「抗体部分」)も包含する。本明細書で用いられる用語「抗原結合部分」は、抗原(例えば、バイオマーカーポリペプチドまたはその断片)に特異的に結合する能力を保持している抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片により実行され得ることが示されている。
【0121】
用語「対照」は、試験試料中の発現産物との比較を提供するのに適した任意の参照標準を指す。特定の実施形態において、対照は、そこから発現産物レベルが検出され試験試料由来の発現産物レベルと比較される、「対照試料」を得ることを含む。そのような対照試料は、非限定的に、既知の転帰を有する対照の対象由来の試料(貯蔵試料または過去の試料測定であり得る);対象から単離された正常な組織もしくは細胞、対象から単離された培養初代細胞/組織、対象の同じ臓器もしくは体の場所から得られた隣接正常細胞/組織、正常対象から単離された組織もしくは細胞試料、または寄託機関から得られた初代細胞/組織を含む任意の適切な試料を含んでよい。特定の実施形態において、対照は、非限定的にハウスキーピング遺伝子を含む任意の適切な供給源由来の参照標準発現産物レベル、正常組織(または他の過去に分析された対照試料)由来の発現産物レベル範囲、特定の転帰を有するかもしくは特定の処置を受けている患者群または患者組由来の試験試料内の過去に決定された発現産物レベル範囲を含んでよい。そのような対照試料および参照標準発現産物のレベルが本発明の方法において対照として組み合わせて使用され得ることは、当業者に理解されよう。
【0122】
VISTAおよび/またはTIM-3の「正常な」発現レベルは、免疫応答調整を必要としない対象、例えばヒト患者、の細胞におけるVISTAおよび/またはTIM-3の発現レベルである。バイオマーカーの「過剰発現」または「有意に高い発現レベル」は、発現を評価するために使用されるアッセイの標準誤差よりも大きく、好ましくは対照試料(例えば、免疫調整を必要としない健常対象由来の試料、または同じ対象から得られた健常組織試料由来の試料)中のVISTAおよび/またはTIM-3の発現活性またはレベルの、好ましくは複数の対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルの、少なくとも約10%、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍またはより高い試験試料中の発現レベルを指す。バイオマーカーの「有意に低い発現レベル」は、対照試料(例えば、免疫調整の必要のない健常対象由来の試料)中のバイオマーカーの発現レベル、好ましくは幾つかの対照試料中のバイオマーカーの平均発現レベルより少なくとも約10%、より好ましくは約1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍またはより低い、試験試料中の発現レベルを指す。
【0123】
VISTAおよび/またはTIM-3遺伝子の存在またはレベルを検出または決定するために用いられる用語「試料」は典型的には、全血、血漿、血清、唾液、尿、便(例えば、糞便)、涙、および任意の他の体液(例えば、「体液」の定義の下で上に記載される通り)、または小腸、結腸試料、腫瘍試料もしくは外科的切除組織などの組織試料(例えば、生検)である。幾つかの実施形態において、開示される方法は、VISTAおよび/またはTIM-3遺伝子の存在またはレベルを検出または決定する前に、対象から試料を得ることをさらに含む。
【0124】
投与方法
本開示の化合物は、投与のために別々にまたは一緒に配合されてもよい。化合物は、化合物が1種または複数の医薬的に許容できる材料と混合された医薬組成物中に、個別に、または一緒に配合されてよい。
【0125】
医薬組成物は、経口もしくは吸入経路により、または非経口投与経路により投与されてよい。例えば組成物は、経口的に、静脈内輸液により、局所的に、腹腔内に、膀胱内に、髄腔内に、または坐剤として投与され得る。非経口投与の例としては、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下経路が挙げられるが、これらに限定されない。適切な液体組成物は、水性または非水性の等張滅菌注射溶液であってよく、かつ抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にさせる溶質、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および防腐剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液を含有してよい。経口投与、非経口投与、皮下投与および静脈内投与が、好ましい投与方法である。
【0126】
本開示の化合物の投与量は、患者の年齢、体重、または症状、ならびに化合物の効力もしくは治療有効性、投与レジメンおよび/または処置時間に応じて変動する。一般には、適切な投与経路としては、例えば、経口、点眼、直腸、経粘膜、局所または腸内投与;筋肉内、皮下、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射を含む、非経口送達を挙げることができる。本開示の化合物は、1回の投薬レジメンあたり0.5mgまたは1mg~最大で500mg、1gまたは2gの量で投与されてよい。投与量は、週1回、3日に1回、2日に1回、1日1回、1日2回、1日3回、またはより頻繁に投与されてよい。代わりの実施形態において、特定の成人において化合物は、医師により指定された期間、静脈内投与により連続投与され得る。投与量は、様々な条件により影響を受けるため、企図される投与量範囲より少ない量または多い量が、特定の場合に実行されてよい。医師は、治療的処置を受けている患者に相応しい投与量を容易に決定し得る。
【0127】
併用療法
式(I)の化合物および式(II)の化合物などの2種の治療用化合物は、(1)別々に投与される2種の化合物の効果を補完および/もしくは増強するために、(2)2種の化合物の薬力学を調整するため、吸収を改善するため、もしくは投与量を低減するために、および/または(3)2種の化合物の副作用を低減もしくは改良するために、組み合わせて投与されてよい。本明細書で用いられる語句「コンジョイント投与」は、先に投与された治療用化合物が体内まだ効果的である間に第2の化合物が投与されるような、2種以上の異なる治療用化合物の任意の投与形態を指す(例えば、2種の化合物は、患者において同時に有効であり、これは2種の化合物の相乗効果を含み得る)。例えば、異なる治療用化合物は、同じ製剤中でまたは別々の製剤中でのいずれかで、同時にまたは連続してのいずれかで投与され得る。特定の実施形態において、異なる治療用化合物が、互いに1時間、8時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間以内、または1週間以内に投与され得る。したがって、そのような処置を受ける個体は、異なる治療用化合物の組み合わされた効果から利益を享受し得る。それぞれの化合物は、同じまたは異なる経路および同じまたは異なる方法により投与されてよい。幾つかの実施形態において、コンジョイント療法の併用効果は、免疫効果を通して検出可能である。
【0128】
他の薬物の投与量は、臨床で使用されてきた投与量であってよく、または本開示の化合物との組み合わせで投与される場合に投与量が効果的であるように変更された投与量であってよい。本開示の化合物と他の薬物との比は、投与されるべき対象の年齢および体重、投与方法、投与時間、処置されるべき障害、症状、ならびにそれらの組み合わせにより変動し得る。例えば、他の薬物は、本開示の化合物の1質量部に基づいて、0.01~100質量部の量で用いられてよい。
【0129】
コンジョイント療法は、本明細書で議論される任意の疾患を処置するために用いられ得る。特定の実施形態において、式(I)の化合物および式(II)の化合物は、さらに別の治療剤、例えば抗癌剤、抗ウイルス剤、サイトカインまたは免疫アゴニストとコンジョイントで投与されてよい。幾つかの実施形態において、他の治療剤は、CTLA-4アンタゴニスト、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、またはPD-L2アンタゴニスト、およびEGFRアンタゴニストから選択される。
【0130】
併用療法のための薬剤
特定の実施形態において、式(I)の化合物および式(II)の化合物などの、VISTAおよびTIM-3経路、またはVISTA、TIM-3およびPD-1(例えば、PD-1、PD-L1またはPD-L2)経路を阻害する薬剤の組み合わせは、さらに別の治療剤、例えば、
1)アルドステロンシンターゼ阻害剤;
2)ALK阻害剤;アポトーシス誘導剤;
3)アロマターゼ阻害剤;
4)CART細胞(例えば、CD19を標的とするCART細胞);
5)BCR-ABL阻害剤;
6)BRAF阻害剤;
7)CDK4/6阻害剤;
8)CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3および/または-5)阻害剤;
9)c-KIT阻害剤;
10)c-MET阻害剤;
10)cRAP阻害剤;
11)CTLA4阻害剤;
12)シトクロムP450阻害剤(例えば、CYP17阻害剤);
13)EGF阻害剤;
14)ERK1/2ATP阻害剤;
15)FGF阻害剤(例えば、FGFR2またはFGFR4阻害剤);
16)Flt3阻害剤(例えば、FLK2/STK1);
17)P-糖タンパク質1阻害剤;
18)HDAC阻害剤;
19)HDM2阻害剤;
20)HER3阻害剤;
21)ヒスタミン遊離阻害剤;
22)HSP90阻害剤;
23)IAP阻害剤;
24)IDH阻害剤;
25)IDO阻害剤;
26)IGF-1R阻害剤;
27)鉄キレート剤;
28,ヤヌス阻害剤;
29)LAG-3阻害剤;
30)M-CSF阻害剤;
31)MEK阻害剤;
32)mTOR阻害剤;
33)p53阻害剤(例えば、p53/Mdm2相互作用の阻害剤);
34)PDGFRβ阻害剤;
35)PKC阻害剤;
36)PI3K阻害剤;
37)PIM阻害剤;
38)PRLR阻害剤;
39)RafキナーゼC阻害剤;
40)平滑化(SMO)受容体阻害剤;
41)ソマトスタチンアゴニストおよび/または成長ホルモン放出阻害剤;
42)形質導入モジュレーターおよび/または血管新生阻害剤;
43)VEGFR-2阻害剤(例えば、FLK-1/KDR);
44)チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、CSF-1Rチロシンキナーゼ);
45)Wntシグナル伝達阻害剤;
46)Bcl-2阻害剤;
47)Mcl-1阻害剤;
48)BTK阻害剤;
49)CUDC-907(二重PI3K/HDAC阻害剤)などの二重活性分子;
50)BETブロモドメイン阻害剤;ならびに
51)アルギナーゼ阻害剤;
52)LXRアゴニスト;
53)RORガンマアゴニスト;
54)CHK1/2阻害剤;
55)Cb1-b阻害剤;
56)Csk阻害剤;ならびに
57)ペントキシフィリンなどのcRel阻害剤、
とコンジョイントで投与され得る。
【0131】
本明細書に開示される化合物および組成物とのコンジョイント投与に適した追加の治療剤は、例えば、以下の発行物に記載されている:WO2016/100882;WO2016/054555;WO2016/040892;WO2015/097536;WO2015/088847;WO2015/069770;WO2015/026634;WO2015/009856;欧州特許第1377609号B1;Antonia et al.,Clin.Cancer Res.2014 20:6258-6268;およびMelero,et al.,Nature Reviews Cancer2015 15:457-472。各発行物は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0132】
例えば、癌の処置に向けられる本開示の方法において、本開示の化合物は、単一の医薬組成物として、または異なる医薬組成物の組み合わせとして、別の化学療法剤とコンジョイントで使用され得る。化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、ニトロソウレア剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモン薬、ホルモン拮抗剤、白血球減少症(好中球減少症)処置薬、血小板減少症処置薬、制吐剤、アロマターゼ阻害剤、P-糖タンパク質阻害剤、白金錯体誘導体、他の免疫療法薬および他の抗癌剤が挙げられる。
【0133】
コンジョイントで投与され得る例示的な細胞傷害剤としては、抗微小管剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗物質、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、挿入剤、シグナル伝達経路を妨害し得る薬剤、アポトーシス促進剤、プロテオソーム阻害剤、および放射線(例えば、局所のまたは全身の放射線照射)が挙げられる。
【0134】
追加の治療剤の非限定的な例としては、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、模倣剤、合成薬、無機分子、および有機分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
医薬組成物は、他の適合性のある薬剤、例えば化学療法剤、DNAアルキル化剤、オルリスタット、サイトカイン治療、インターフェロン治療(例えば、インターフェロン-α、βまたはγ;インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-m;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;およびインターフェロンγ-Ib)、インターロイキン治療(例えば、IL-1、IL-2、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-3、IL-7、IL7Rα、IL-11、IL-12、IL-15、およびIL-21)、分化クラスター(CD)タンパク質(例えば、CD2、CD4、CD7、CD8α、CD8β、CD11a/CD18、CD11b、CD11c、CD11d、CD18、CD19、CD19a、CD20、CD27、CD28、CD29、CD30、CD40、CD40L、CD49a、CD49D、CD49f、CD69、CD84、CD96、CD100、CD103、CD137、CD160、CD226、CD229、CD278)、同時刺激調節因子、例えば、MHCクラスI分子のアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体もしくはその抗原結合断片、または可溶性融合体)、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、Tollリガンド受容体、CD83リガンド、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、NKGD2などの活性化NK細胞受容体、抗体療法、ウイルス療法、遺伝子療法またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0136】
本開示の化合物とコンジョイントで投与され得る化学療法剤および他の治療剤としては、アビラテロン、アブラキサン、アセグラトン、アシビシン、アクラシノマイシン、アクチミド、アクチノマイシン、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アルドホスファミドグリコシドアレクチニブ、アレンドロネート、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミノプテリン、アムサクリン、アナストロゾール、アンシタビン、アンギオスタチン、アンギオザイム(angiozyme)、アングイジン、アンサマイトシン、アントラマイシン、アンチトロンビンIII、アパチニブ、アラビノシド、アルボプラチン、アスパラギナーゼ、オースラマイシン(authramycin)、アキシチニブ、アザシチジン、アザセリン、アゼテパ、アゾトマイシン、6-アザウリジン、バリシチニブ、バチマスタット、ベンダムスチン、ベニメチニブ、ベンゾドーパ、ベストラブシル、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレキナール、ブリバニブ、ブリオスタチン、ブロピリミン、ブラタシン、ブラタシノン、ブセレリン、ブスルファン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カリスタチン、カルステロン、カミノマイシン(caminomycin)、カンポテシン、カペシタビン、カラビシン、カルボプラチン、カルボキノン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、カルジノフィリン、セデフィンゴール、セジラニブ、クロマファジン、クロラムブシル、クロロキン、クロロゾトシン、クロロホスファミド、クロモマイシン、シロレマイシン、シスプラチン、シスジクロロジアミン白金(II)、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コビメチニブ、コルヒチン、クリスナトール、クリゾチニブ、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、サイトカラシンB、シトシンアラビノシド、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダノプレビル、ダサチニブ、ジアジクオン、ジブロモマンニトール、ダウノルビシン、デシタビン、デフォファミン(defofamine)、デガレリクス、1-デヒドロテストステロン、デランゾミブ、デメコルシン、デメトキシビリジン、デニロイキン、デネニコキン、デノプテリン、デサセチルラビドマイシン、デトルビシン、デキサメタゾン、デクスオルマプラチン、デザグアニン、ジアジクオン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ジクロロアセテート、ジデオキシウリジン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジフチトクス、ジフルオロメチロミチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ジナシクリブ、ドセタキセル、ドラスタチン、ドビチニブ、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デユアゾマイシン(duazomycin)、デュオカルマイシン、ジネミシン、エダトレキサート、エフロミチン、酢酸エリプチニウム、エロイテロビン、エメチン、エムシロムス、エンコラフェニブ、エンロプラチン、エノシタビン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エピチロン、エピチオスタノール、エルブロゾール、エリスモデギブ、エルロチニブ、エソルビシン、エスペラミシン、エストラジオール、エストラムスチン、エタニダゾール、臭化エチジウム、2-エチルヒドラジド、エチドロネート、エトグルシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルロシタビン、フルタミド、フォレチニブ、フォルメスタン、フォスキドン、フォテムスチン、フロリン酸、ガシトシン、硝酸ガリウム、ガルニセルチブ、ガンドチニブ、ゲフィチニブ、ゲルダナマイシン、ゲムシタビン、ゲニステイン、グルココルチコイド、ゴセレリン、グラミシジンD、ハービマイシン、ヒルトノール、4-ヒドロキシタモキシフェン、ヒドロキシウレア、イバンドロネート、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インドキシモド、インターフェロン、イプロプラチン、イリノテカン、イロノテカン、イキサゾミブ、ケオキシフェン、ラハーパレプベック、ラメオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レンチナン、レバミゾール、リアロゾール、リドカイン、リニファニブ、ロメトレキソ(lometrexo)、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、マルセロマイシン、マリゾミブ、マシチニブ、マソプロコール、メイタンシン、メイタンシノール、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、マンノムスチン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、メノガリル、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メトトレキサート、メトプリン、メツレドーパ、ミトラマイシン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン、モメロチニブ、モンタニド、モノメチルアウリスタチンE、モピダモール、モテサニブ、モトリモド、ミコフェノール酸、マイロターグ、nab-パクリタキセル、ナベルビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニムスチン、ニトラクリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、ノバントロン、ノベンビチン(novembichin)、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オリボマイシン、オナプリストン、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリチニブ、パルボシクリブ、パミドロネート、パンクラチスタチン、パノビノスタット、パゾパニブ、ペガプタニブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα-2b、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、ペプロマイシン、ペリホシン、フェナメット、フェネステリン、ピマセルチブ、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポドフィリン酸、ポリフェプロサン、ポマリドマイド、ポルフィマー、ポルフロマイシン、ポトフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカイン、プロカルバジン、プロプラノロール、プテロプテリン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ラルチトレキセド、ラロキシフェン、ラニムスチン、ラパマイシン、ラビドマイシン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロネート、レシキモド、リツキシマブ、ロドルビシン、ログレチミド、ロリジン、ルキソリチニブ、サフィンゴール、サルコジクチン(sarcodictyin)、セルメチニブ、セマキサニブ、セムスチン、シマピモド(simapimod)、シムトラゼン、シロリムス、シゾフィラン、ソラフェニブ、スファルフォセート(sparfosate)、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、スニチニブ、スラミン、タリソマイシン、タモキシフェン、タリモジーン、タソシチニブ、タキソール、テガフール、テラチニブ、テロキサントロン、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テヌアゾン酸、テロキシロン、テストラクトン、テストステロン、テトラカイン、テザシチビン、サリドマイド、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チルドロネート、チラパザミン、チタノセン、チボザニブ、トセラニブ、トファシチニブ、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、トポテカン、トレミフェン、トザセルチブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、トリアジクオン、トレチノイン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリロスタン、トリメチロールメラミン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロホスファミド、ツベルシジン、ツビザニブ(tuvizanib)、ウラシル・マスタード、ウベニメクス、ウレドーパ、ウレタン、バンデタニブ、バプレオチド、バルガテフ(vargatef)、バタラニブ、ベムラフェニブ、ベルラクリン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ビスモデギブ、ゼローダ、ザクティマ、ゼニプラチン、ジノスタチン、Ziv-アフィリベルセプト、ゾレドロネートおよびゾルビシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
特定の実施形態において、例示的な化学療法剤としては、サイトカイン、例えば、ABT-869、ACP-196、ADXS11-001、ADXS31-142、AEE788、AG-490、AM0010、AMN-107、AMP-224、AMP-514、AP24534、ARRY-142886、AST-6、AZD1480、AZD4547、AZD6094、AZD6244、AZD8055、AZD9291、B7-H3、BAFFR、4-1BB、BEZ235、BGT 226、BHG712、BIBF1120、BIBW2992、BIX02188、BJG398、BKM-120、BMS-599626、BMS-690154、BMS-777607、BMS-911543、BMS-936558、BMS-936559、BMS-986016、BRAF-V600E、BTLA、BUW078、BYL719、CAL-101、CAL-263、CBI-TMI、CC-1065、CC-4047、CC-5013、CDS、CDX-1127、CEACAM1、CEP-701、CEP-11981、CGM097、Chi Lob 7/4、CI-1040、CO-1686、CP-673451、CP-870,893、CpG7909、CPT-11、CRTAM、CT-011、CTL019、CTLA-4、CUDC-101、CYC116、CYT 387、DCC-2036、DNAM1、E6201、E7080、EGF816、FOLFOX6、G02443714、G-38963、GADS、GC1008、G-CSF、GDC-0032、GDC-0973、GDC-0980、GITR、GM-CSF、GR-MD-02、GSK1059615、GVAX、HVEM(LIGHTR)、IA4、ICAM-1、ICOS、IMC-TR1、IMP321、INC280、INC424、INCB18424、INCB024360、INCB028050、IPH2012、IPI926、IRX-2、ISA 51VG、ITGA4、ITGA6、ITGAD、ITGAE、ITGAL、ITGAM、ITGAX、ITGB1、ITGB2、ITGB7、JNJ-26483327、Ki8751、KIRDS2、KU-0063794、KW-289LAT、LBH589、LCL161、LGH447、LTBR、LDK378、LEE011、LGX818、LIGHT、LJM716、LY117018、LY2157299、LY294002、LY2940680、M-CSF、MARTI、MDX-1105、MDX-1106、MEDI0562、MEDI4736、MEDI4737、MEDI6383、MEDI6469、MEK162、MG-132、MGCD265、MK-3475、MK-4166、MM-121、MOXR0916、MP470、MPDL3280A、MSB-0010718C、NKG2C、NKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、NKp80(KLRF1)、NY-ESO-1、ODC-0879、ODC-0980、ONX-0912、ODC-0941、OSI-027、OSI-930、OSK-1120212、OSK 2118436、OSK 2126458、OX40、P529、PAG/Cbp、PD153035、PD173074、PD0325901、PF-299804、PF-02341066、PF-04217903、PF-046915032、PF-05082566、PD98059、Poly(I:C)、PKI-587、PLX4032、PLX4720、PSGL1、PSK、PX-886、Rad-001、RAF265、rHIgM12B7、R07204、RO4987655、RO6895882、RO7009789、SAR 245408、SAR 245409、SB-1317、SB-1518、SB-1578、SELPLG、SF1126、SGX523、SLAM、SLAMF4、SLAMF6、SLAMF7、SLAML_BLAME、SLP-76、SU 5402、T2毒素、TEW 7197、TGN1412、TNFR2、TRANCE/RANKL、TriMix-DC、TRP-2、TRX518、TSU-68、VLA1、VLA-6、WYE-354、WZ3146、WZ4002、WZ8040、XL-147、XL-184、XL-228、XL-281、XL-647、XL-756、XL-765、XL-880、イットリウム90/MX-DTPA、およびYW243.55.S70が挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
本明細書に開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的なパクリタキセル剤としては、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE、Abraxis Bioscienceにより販売)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、Taxoprexin、Protargaにより販売)、ポリグルタマート結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、CT-2103、XYOTAX、Cell Therapeuticにより販売)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)、ANG105(3分子のパクリタキセルに結合されたAngiopep-2、ImmunoGenにより販売)、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合されたパクリタキセル;Li et al.,Biopolymers(2007)87:225-230参照)、およびグルコースコンジュゲート化パクリタキセル(例えば、2’-パクリタキセルメチル2-グルコピラノシルスクシナート、Liu et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2007)17:617-620参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
特定の実施形態において、例示的な化学療法剤としては、:
1)(S)-N-((S)-1-シクロヘキシル-2-((S)-2-(4-(4-フルオロベンゾイル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル))-2-(メチルアミノ)プロパンアミド;
2)((1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-12-{(1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-メトキシシクロヘキシル]-1-メチルエチル}-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-2,3,10,14,20-ペンタオン);
3)(S)-1-(4-クロロフェニル)-7-イソプロポキシ-6-メトキシ-2-(4-{メチル-[4-(4-メチル-3-オキソピペラジン-1-イル)-トランス)-シクロヘキシルメチル]-アミノ}フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-3オン;
4)N-(4-((1R,3S,5S)-3-アミノ-5-メチルシクロヘキシル)ピリジン-3-イル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロピコリンアミド;
5)米国特許第8,735,551号に記載されるような、SEQ ID NO:141のVHおよびSEQ ID NO:140のVLを含む、抗HER3モノクローナル抗体もしくはその抗原結合断片;
6)(E)-N-ヒドロキシ-3-(4-(((2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)アクリルアミド;
7)(3R)-3-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル;および/または
8)8-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-キノキサリン-5-カルボン酸(4-ジメチルアミノメチル-1H-イミダゾール-2-イル)-アミド、
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
幾つかの実施形態において、例示的な化学療法剤としては、
1)3-(1H-インドール-3-イル)-4-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)-4-キナゾリニル]-1H-ピロール-2,5-ジエン;
2)5-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)-N-エチル-4-(4-(モルホリノメチル)フェニル)イソオキサゾール-3-カルボキサミド;
3)2-メチル-2-(4-(3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)フェニル)プロパンニトリル(ダクトリシブ);
4)化合物D(CYP17阻害剤);
5)4-[3,5-ビス(2-ヒドロキシフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-安息香酸(デフェアシロックス(defeasirox));
6)4,4’-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチレン)ビス-ベンゾニトリル(レトロゾール);
7)(4S,5R)-3-(2’-アミノ-2-モルホリノ-4’-(トリフルオロメチル)-[4,5’-ビピリミジン]-6-イル)-4-(ヒドロキシメチル)-5-メチルオキサゾリジン-2-オン;
8)(S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5)-イル)-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロピロロ[3,4-d]イミダゾール-4(1H)-オン;
9)4-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-N-[4-メチル-3-[[4-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-メタンスルホナート-ベンズアミド;
10)4-[(R)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-5-イル]-3-フルオロベンゾニトリル(オシロドロスタット);
11)N-[6-[(2R,6S)-2,6-ジメチル-4-モルホリニル]-3-ピリジニル]-2-メチル-4’(トリフルオロメトキシ)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド二リン酸塩(ソニデギブリン酸塩);
12)(R)-2-(5-(4-(6-ベンジル-4,5-ジメチルピリダジン-3-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)プロパン-2-オール;
13)化合物M(PRLRに対するヒトモノクローナル抗体);
14)2-(2’、3-ジメチル-[2,4’-ビピリジン]-5-イル)-N-(5-(ピラジン-2-イル)ピリジン-2-イル)アセトアミド;
15)7-シクロペンチル-N,N-ジメチル-2-((5-((1R,6S)-9-メチル-4-オキソ-3,9-ジアザビシクロ[4.2.1]ノナン-3-イル))ピリジン-2-イル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-カルボキサミド;
16)化合物P(FGFR2および/またはFGFR4抗体薬物コンジュゲート、mAb12425);
17)化合物Q(M-CSFに対するFabのモノクローナル抗体);
18)N-[(9S,10R,11R,13R)-2,3,10,11,12,13-ヘキサヒドロ-10-メトキシ-9-メチル-1-オキソ-9,13-エポキシ-1H,9H-ジインドロ[1,2,3m]ピロロ[3,4-j][1,7]ベンゾジアゾニン-11-イル]-N-メチル-ベンズアミド(ミドスタウリン);
19)1-メチル-5-((2-(5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン-4-イル)オキシ)-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン;
20)シクロ((4R)-4-(2-アミノエチルカルバモイルオキシ)-L-プロリル-L-フェニルグリシル-D-トリプトフィル-L-リシル-4-0-ベンジル-L-チロシル-L-フェニルアラニル-)(パシレオチド二アスパラギン酸塩);
21)1-アミノ-5-フルオロ-3-[6-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル]-2(1H)-キノリノン(ドビチニブ);
22)8-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(4-ピペラジン-1-イル-3-トリフルオロメチル-フェニル)-1,3-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オン;
23)N6-(2-イソプロポキシ-5-メチル-4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-N4-(2-(イソプロピルスルホニル)フェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4,6-ジアミン;
24)3-(4-(4-((5-クロロ-4-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)ピペリジン-1-イル1)チエタン 1,1-ジオキシド;
25)5-クロロ-N2-(2-フルオロ-5-メチル-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピペリジン-4-イル)フェニル)-N4-(5-メチル-1H)-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
26)5-クロロ-N2-(4-(1-エチルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-5-メチルフェニル)-N4-(5-メチル-1Hピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン;
27)6-[(2S,4R,6E)-4-メチル-2-(メチルアミノ)-3-オキソ-6-オクテン酸]シクロスポリンD.Amdray,PSC833,[3’-デスオキシ-3’-オキソ-MeBmt]1-[Val]2-シクロスポリン(バルスポダール);
28)N-(4-クロロフェニル)-4-(4-ピリジニルメチル)-1-フタラジンアミンスクシナート(コハク酸バタラニブ);
29)化合物CC(IDH阻害剤);
30)(R)-N-(4-(クロロジフルオロメトキシ)フェニル)-6-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-5-(1H-ピラゾール-5-イル)ニコチンアミド;
31)化合物EE(cRAF阻害剤);
32)化合物FF(ERK1/2ATP競合阻害剤);および
33)4-((2-(((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)オキシ)-N-メチルピコリンアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2016/100882を参照されたい。
【0141】
特定の実施形態において、コンジョイント投与のための例示的な治療剤は、モノクローナル抗体またはその断片である(例えば、Bolliger(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448;Poljak(1994)Structure 2:1121-1123参照)。これらの治療用モノクローナル抗体および/またはその断片としては、抗LAG-3モノクローナル抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗TIM-3抗体、抗CTLA-4抗体、抗TIGIT抗体、抗OX40抗体、抗GITR抗体、アダリムマブ、アファチニブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシチニブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、フォスタマチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、ランブロリズマブ、ラパチニブ、レンバチニブ、リリルマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ムブリチニブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペガプタニ(pegaptani)、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ピジリズマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブ-I-13、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、ウステキヌマブ、およびバルリルマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
併用療法はまた、二重特異性抗体の投与を包含し得る。二重特異性抗体は、2つの別々の抗原を標的とするために使用され得る。例えば、抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her-2/neu)二重特異性抗体は、マクロファージを腫瘍部位に標的化させるために使用されている。この標的化は、腫瘍特異性の応答をより効果的に活性化し得る。これらの応答のT細胞アームは、PD-1遮断の利用により増強されるであろう。あるいは、抗原は、腫瘍抗原および樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二重特異性抗体の使用によりDCに直接送達されてもよい。
【0143】
宿主の免疫応答性を活性化するために使用され得る他の抗体は、本明細書に記載される併用療法と組み合わせて使用され得る。これらは、樹状細胞の表面上で、DC機能および抗原提示を活性化する分子を含む。抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性の代わりに効果的に使用され得(Ridge,J.et al.(1998)Nature 393:474-478)、PD-1抗体と組み合わせて使用され得る(Ito,N.et al.(2000)Immunobiology 201(5)527-40)。CTLA-4(例えば、米国特許第5,811,097号)、OX-40(Weinberg,A.et al.,(2000)Immunol164:2160-2169)、4-1BB(Melero,I et al.(1997)Nature Medicine 3:682-685(1997)、1-4BB (Mardians, S. (2017),15:77(6)1296-1309)およびICOS(Hutloff,A.et al.(1999)Nature 397:262-266)などのT細胞同時刺激分子に対する抗体もまた、T細胞活性化のレベル上昇を提供し得る。
【0144】
本明細書に記載の組成物およびコンジョイント法における使用に適した免疫調節剤および治療法としては、抗CD3抗体(例えば、Nuvion(Protein Design Labs)、OKT3(Johnson&Johnson)、または抗CD20抗体リツキサン(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD11a抗体(例えば、Xanelim(Genentech))などの抗T細胞受容体抗体;抗IL-2受容体抗体(Zenapax(Protein Design Labs))、抗IL-6受容体抗体(例えば、MRA(Chugai))、および抗IL-12抗体(CNT01275(Janssen))などの抗サイトカインまたは抗サイトカイン受容体抗体およびアンタゴニスト、抗TNFアルファ抗体(Remicade(Janssen))またはTNF受容体アンタゴニスト(Enbrel(Immunex))、抗IL-6抗体(BE8(Diaclone)およびシルツキシマブ(CNT032(Centocor))、ならびに腫瘍関連抗原に免疫特異的に結合する抗体(例えば、トラスツジマブ(Genentech))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
本明細書に開示される併用療法は、癌性細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、および炭水化物分子を含む)、細胞、および免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞などの、免疫原性因子とさらに組み合わされてもよい(He et al.,(2004)J.Immunol.173:4919-28)。用いられ得る腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、gp100のペプチド、MAGE抗原、Trp-2、MARTIおよび/またはチロシナーゼ、またはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞などの、黒色腫抗原のペプチドが挙げられる。
【0146】
本明細書に開示される化合物は、腫瘍中で発現される組換えタンパク質および/またはペプチドの収集物と共に、これらのタンパク質に対する免疫応答を生じさせるために用いられ得る。これらのタンパク質は通常、免疫系により自己抗原と見なされ、したがってそれらに対して寛容である。腫瘍抗原はまたタンパク質テロメラーゼも含み、それは染色体のテロメアの合成に必要とされ、かつ85%を超えるヒト癌において、また限られた数の体細胞組織においてのみ発現される(Kim,Net al.,(1994)Science 266:2011-2013)。(これらの体組織は、様々な手段で免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまた、タンパク質配列を変化させる、または2つの無関係の配列間の融合タンパク質(即ち、フィラデルフィア染色体におけるbcr-abl)もしくはB細胞腫瘍由来のイディオタイプを生み出す体細胞変異のため、癌細胞中で発現される「ネオ抗原」でもあり得る。
【0147】
本明細書に開示される化合物は、ワクチン接種プロトコルと組み合わされ得る。腫瘍に対するワクチン接種のための多くの実験的方策が考案されてきた(Rosenberg,S.,2000,Development of Cancer Vaccines,ASCO Educational Book Spring:60-62;Logothetis,C.,2000,ASCO Educational Book Spring:300-302;Khayat,D.2000,ASCO Educational Book Spring:414-428;Foon,K.2000,ASCO Educational Book Spring:730-738参照;またRestifo,N. and Sznol,M.,Cancer Vaccines,Ch.61,pp.3023-3043 in DeVita,V.et al.(ed.),1997,Cancer:Principles and Practice of Oncology,Fifth Edition参照)。これらの方策の1つにおいて、ワクチンは、自己または同種異系の腫瘍細胞を用いて調製される。これらの細胞ワクチンは、腫瘍細胞がGM-CSFを発現するように形質導入された場合に最も効果的であることが示されている。GM-CSFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力な活性化因子であることが示されている(Dranoff et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:3539-43)。幾つかの実施形態において、悪性形質細胞により生成される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種が、利用される。他の治療用ワクチンとしては、シプリューセル-T、gp100ワクチン、HPV-16ワクチン接種、およびGVAX膵臓ワクチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)、カポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)および黒色腫における優先的発現抗原(Preferentially Expressed Antigen In Melanoma)(PRAME)などの、ヒト癌に関係づけられたウイルス由来のタンパク質を含んでよい。特定の実施形態において、ワクチンは、ウイルスベクターワクチン、細菌ワクチン、細胞ベースのワクチン、DNAワクチン、RNAワクチン、ペプチドワクチン、またはタンパク質ワクチンから選択される。例えば、Jeffrey Schlom、”Therapeutic Cancer Vaccines:Current Status and Moving Forward”,J Natl Cancer Inst;104:599-613(2012)を参照されたい。PD-1遮断と組み合わせて使用され得る腫瘍特異的抗原の別の形態は、腫瘍組織自体から単離された精製熱ショックタンパク質(HSP)である。これらの熱ショックタンパク質は、腫瘍細胞由来のタンパク質の断片を含有し、これらのHSPは、腫瘍免疫を誘起するための抗原提示細胞への送達に非常に効率的である(Suot,R&Srivastava,P(1995)Science 269:1585-1588;Tamura,Y. et al.(1997)Science 278:117-120)。
【0149】
本明細書に開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、治療用癌ワクチンまたは養子T細胞療法が挙げられる。特定の実施形態において、治療用癌ワクチンは、樹状細胞ワクチンである。樹状細胞ワクチンは、自己樹状細胞および/または同種異系の樹状細胞から構成され得る。特定の実施形態において、自己または同種異系の樹状細胞は、対象への投与前に癌抗原が負荷される。特定の実施形態において、自己または同種異系の樹状細胞は、腫瘍への直接投与を通して癌抗原を負荷される。特定の実施形態において、養子T細胞療法は、自己および/または同種異系のT細胞を含む。特定の実施形態において、自己および/または同種異系T細胞は、腫瘍抗原に対して標的化される。
【0150】
特定の実施形態において、癌ワクチンの非限定的な例としては、腫瘍細胞ワクチン、抗原ワクチン、樹状細胞ワクチン、DNAワクチン、およびベクターベースのワクチンが挙げられる。抗原ワクチンは、ペプチドなどの1つまたは複数の抗原を使用することにより免疫系をブーストする。各腫瘍タイプは特定の抗原プロファイルにより同定され得るため、抗原ワクチンは、特定のタイプの癌に特異的であってよい。樹状細胞ワクチンは多くの場合、自己ワクチンであり、多くの場合、各対象に個別に作製されなければならない。樹状ワクチンの非限定的な例は、シプリューセル-TおよびDCvaxである。DNAワクチンを調製するために、ベクターは、DNAを細胞により取り込ませる、対象に注射される特定のDNAを含むように操作されてもよい。細胞がDNAを取り込めば、DNAは、特異的抗原を作製するように細胞をプログラムし、それは次いで所望の免疫応答を誘発し得る。
【0151】
膵臓癌
膵臓癌の処置のために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、TAXOL、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えば、ABRAXANE)またはリポソームパクリタキセル製剤;ゲムシタビン(例えば、ゲムシタビン単独、またはAXP107-11との併用);オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、エピルビシン塩酸塩、NC-6004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、マイトマイシンC、イホスファミド;インターフェロンなどの他の化学療法剤;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ);デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ボスチニブ、サラカチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、AV-951、ブリバニブ);放射線免疫療法(例えば、XR303);癌ワクチン(例えば、GVAX、サバイビンペプチド);COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ);IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479、MK-0646);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);IL-6阻害剤(例えば、CNTO328);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276-00、UCN-01);改変エネルギー代謝指向性(Altered Energy Metabolism-Directed)(AEMD)化合物(例えば、CPI-613);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、コナツムマブ);MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ、GSK1120212);Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、R05126766);Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、MK0752);モノクローナル抗体-抗体融合タンパク質(例えば、L19IL2);クルクミン;HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090);riL-2;デニロイキンジフチトクス;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02);スタチン(例えば、シンバスタチン);第VIIa因子阻害剤(例えば、PCI-27483);AKT阻害剤(例えば、RX-0201);低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302);メトホルミン塩酸塩、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097);リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP);免疫毒素(例えば、HuC242-DM4);PARP阻害剤(例えば、KU-0059436、ベリパリブ);CTLA-4阻害剤(例えば、CP-675,206、イピリムマブ);AdVtk療法;プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン);NPC-1C;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、R763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えば、FG-3019);siG 12D LODER;および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線、陽子線治療)、手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
小細胞肺癌
小細胞肺癌を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN-38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ);癌ワクチン(例えば、GVAX);Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT-263);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG479);HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102、MK-0646);クロロキン;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237);放射性免疫療法(例えば、TF2);HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス);Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110);CK-2阻害剤(例えば、CX-4945);HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット);SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923);ペプチド癌ワクチン、および放射線療法(例えば、強度変調放射線療法(IMRT)、少分割放射線療法、低酸素誘導放射線療法)、手術、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
非小細胞肺癌
非小細胞肺癌を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN-38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム、アザシチジン、イリノテカン、テガフルギメラシル-オテラシルカリウム、サパシタビン);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF-00299804、ニモツズマブ、R05083945)、MET阻害剤(例えば、PF-02341066、ARQ197)、PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC-0941)、Raf/MEKデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、R05126766)、PI3K/mTORデュアルキナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、二重阻害剤(例えば、BIBW2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG-013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG706、XL184、MGCD265、BMS-690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、エンドスター、エンドスタチン、ベバシズマブ、セジラニブ、BIBF1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組換えDNAおよびL523Sタンパク質を発現するアデノウイルス)、Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセン、ナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI-0052、イクサゾミド)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクツムマブ、MK-0646、OSI906、CP-751、871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダホロリムス)、Ep-CAM-/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキセート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体-薬物コンジュゲート(例えば、SGN-15)、ビスホスホナート(例えば、ゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル-L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンギチド、ErbB3阻害剤(例えば、MM-121、U3-1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY2181308)、メシル酸エリブリン、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、CNGRCペプチド-TNFアルファコンジュゲート、ジクロロ酢酸(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH 900105)、SAR240550、PPAR-ガンマアゴニスト(例えば、CS-7017)、ガンマセクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、エピジェネティック療法(例えば、5-アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、コレステロール-Fus1、抗チューブリン剤(例えば、E7389)、ファルネシル-OHトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファルニブ)、免疫毒素(例えば、BB-10901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊剤(例えば、A VE8062)、PD-L1阻害剤(例えば、MDX-1105、MDX-1106)、ベータグルカン、NGR-hTNF、EMD 521873、MEK阻害剤(例えば、GSK1120212)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、テロメア標的剤(例えば、KML-001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK-2206)、血管形成阻害剤(例えば、レナリドマイド)、Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、OMP-21M18)、放射線療法、手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
卵巣癌
卵巣癌を治療するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤;ドセタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチン;イリノテカン、TLK286、イホスファミド、オラパリブ、オキサリプラチン、メルファラン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG-136、シクロホスファミド、エトポシド、デシタビン);グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS-130)、免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT-821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、二重阻害剤(例えば、E7080)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI-101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON 01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、BIBF1120、セジラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC-303)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロエート、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えば、ファレツズマブ)、アンギオポエチン阻害剤(例えば、AMG386)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カルフィルゾミブ)、IGF-1受容体阻害剤(例えば、OSI906、AMG479)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK-4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD-2076)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドマイド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、放射性免疫療法剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR-102)、癌ワクチン(例えば、p53合成長ペプチドワクチン、自己由来OC-DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET-A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、CS-1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102)、EGEN-001、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、ガンマセクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、Wee-1阻害剤(例えば、MK-17755)、抗チューブリン剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デニロイキンジフチトックス)、SB-485232、血管破壊剤(例えば、A VE8062)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD 525797)、キネシン-スピンドル阻害剤(例えば、4SC-205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB3阻害剤(例えば、MM-121)、放射線療法;およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
骨髄腫
骨髄腫を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、サリドマイド類似体(例えば、レナリドマイド)、HSCT(Cook、R.(2008)J Manag Care Pharm.14(7 Suppl)):19-25)、抗TIM-3抗体(Hallett、WHD et al.(2011)J of American Society for Blood and Marrow Transplantaion 17(8):1133-145)、腫瘍抗原パルス樹状細胞、腫瘍細胞と樹状細胞との融合(例えば、電気融合)、または悪性形質細胞により生成される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種(Yi,Q.(2009)Cancer J.15(6):502-10に概説される)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
腎細胞癌
腎細胞癌を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、インターロイキン-2またはインターフェロン-α、標的薬剤(例えば、VEGFに対するモノクローナル抗体などのVEGF阻害剤、例えば、ベバシズマブ(Rini、B.I.et al.(2010)J.Clin.Oncol.28(13):2137-2143));スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブおよびパゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤(Pal S.K.et al.(2014)Clin.Advances in Hematology&Oncology12(2):90-99で批評される);RNAi阻害剤)、またはVEGFシグナル伝達の下流メディエータの阻害剤、例えば、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)の阻害剤、例えば、エベロリムスおよびテムシロリムス(Hudes、G.et al.(2007)N.Engl.J.Med.356(22):2271-2281,Motzer,R.J.et al.(2008)Lancet372:449-456)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病(CML)を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法薬(例えば、シタラビン、ヒドロキシウレア、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、二重阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、DCC-2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB-286638)、インターフェロンアルファ、ステロイド類、アポトーシス剤(例えば、オマセタキシンメペスシナート)、免疫療法(例えば、同種異系CD4+メモリーTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-12)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット、ボリノスタット、JNJ-26481585)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えば、TAK-901)、放射免疫療法(例えば、アクチニウム-225標識抗CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF-04449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、KB0004、癌ワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0158】
慢性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病(CLL)を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5-アザシチジン、ペメトレキセド二ナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI-32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB-286638)、CD-20標的剤(例えば、リツキシマブ、オフアツムマブ、R05072759、LFB-R603)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンアルファ、レナリドマイド、Bcl-2阻害剤(例えば、ABT-263)、免疫療法(例えば、同種異系CD4+メモリーTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、LBH589、JNJ-26481585、AR-42)、XIAP阻害剤(例えば、AEG35156)、CD-74標的剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT-101、免疫毒素(例えば、CAT-8015、抗Tac(Fv)-PE38(LMB-2))、CD37標的剤(例えば、TRU-5016)、放射性免疫療法(例えば、131-トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリホシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、CAL-101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、プレリキサホル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK-901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD-19標的剤(例えば、MEDI-551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT-348)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302)、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG-CoA阻害剤(例えば、シンバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
急性リンパ性白血病
急性リンパ性白血病(ALL)を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソーム性アナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ))、CD-20標的剤(例えば、リツキシマブ)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD-22標的剤(例えば、エプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自己由来サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、CD45標的剤(例えば、BC8)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、免疫毒素(例えば、CAT-8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ-26481585)、JVRS-100、パクリタキセルまたはパクリタキセル剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN-2285、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、CPX-351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフィニブ))、免疫毒素(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)、DT388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI 811283)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、Polo様キナーゼ阻害剤(例えば、BI6727)、セネルセン、CD45標的剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、R05045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636-ナトリウム、ZRx-101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例えば、AHN-12)、ヒスタミン二塩酸塩、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB L-0501)、サリドマイド、レナリドマイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマリドマイド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミド)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、CD-40標的剤(例えば、SGN-40、CHIR-12.12)、ペリホシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE-A3、NY-ES0-1、HuMax-CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR-42)、アプリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD-0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、HSP90阻害剤(例えば、KW-2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AT9283)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えば、BB-10901)、NPI-0052、放射性免疫療法薬(例えば、イットリウムY90イブリツモマブチウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD-2076)、IMGN901、ACE-041、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0162】
前立腺癌
前立腺癌を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで投与され得る例示的な薬剤としては、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリクス、デガレリクス、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、デュアルキナーゼ阻害剤(例えば、ラパタニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK-700、癌ワクチン(例えば、BPX-101、PEP223)、レナリドマイド、TOK-001、IGF-1受容体阻害剤(例えば、シクツムマブ)、TRC105、オーロラAキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、OGX-011、放射線免疫療法(例えば、HuJ591-GS)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ乳酸塩、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX-427、ゲニステイン、IMC-303、バフェチニブ、CP-675,206、放射線療法、手術、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0163】
ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、ドキソルビシン(Adriamycin)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Velsar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスファミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファミド(Ifex)、カルボプラチン(パラプラチン)、メクロレタミン、クロラムブシル、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytosar-U)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノレルビン(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン、ミトキサントロン、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリドマイド、およびビノレルビンなどの化学療法剤;単独または組み合わせてのいずれかで;ブレンツキシマブベドチン(Adcetris-CD30抗体薬物コンジュゲート);ヨウ素131-CHT25抗体コンジュゲート;HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);m-TOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、CAL-101、BAY80-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-319);JAK/STAT経路阻害剤;Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;BAY43-9006(ソラフェニブ)などのマルチキナーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/HDAC標的阻害剤(例えば、CUDC-907);NF-κB阻害剤;抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ)、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ);抗CD-20抗体(例えば、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0164】
非ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫を処置するために本明細書で開示される化合物とコンジョイントで使用され得る例示的な薬剤としては、ドキソルビシン(Adriamycin)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ビンブラスチン(Velban、Velsar)、ダカルバジン、エトポシド(Toposar、VePesid)、シクロホスファミド(Cytoxan、Neosar)、ビンクリスチン(Vincasar PFS、Oncovin)、プロカルバジン(Matulane)、プレドニゾン、イホスファミド(Ifex)、カルボプラチン(パラプラチン)、メクロレタミン、クロラムブシル、メチルプレドニゾロン(Solu-Medrol)、シタラビン(Cytosar-U)、シスプラチン(Platinol)、ゲムシタビン(Gemzar)、ビノレルビン(Navelbine)、オキサリプラチン(Eloxatin)、ロムスチン、ミトキサントロン、メトトレキサート、カルムスチン、メルファラン、ベンダムスチン、レナリドマイド、およびビノレルビンなどの化学療法剤;単独または組み合わせてのいずれかで;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);IRAK-4阻害剤;HSP90阻害剤(例えば、タネスピマイシン、STA-9090、CUDC-305);m-TOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);PI3K阻害剤(例えば、CAL-101、BAY80-6946、TGR-1202、BKM-120、AMG-319);JAK/STAT経路阻害剤;AKT阻害剤(例えば、RX-0201);Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス);Mcl-1阻害剤;マルチキナーゼ阻害剤、例えば、BAY43-9006(ソラフェニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052);二重PI3K/HDAC標的阻害剤(例えば、CUDC-907);NF-kB阻害剤;BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ);BETブロモドメイン阻害剤;抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ);抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ);抗CD-20抗体(例えば、リツキシマブ);抗CD40抗体;抗CD80抗体;および抗CD30抗体(例えば、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris))、および放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射線療法、陽子線療法)、手術、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
特定の実施形態において、本開示の式(I)の化合物および/または医薬組成物と式(II)の化合物および/または医薬組成物は、非化学的な癌処置方法とコンジョイントで投与されてもよい。さらなる実施形態において、本開示の式(I)の化合物および/または医薬組成物と式(II)の化合物および/または医薬組成物は、放射線療法とコンジョイントで投与されてもよい。さらなる実施形態において、本開示の式(I)の化合物および/または医薬組成物と式(II)の化合物および/または医薬組成物は、手術と、熱切除と、集束超音波療法と、寒冷療法と、またはこれらの任意の組み合わせとコンジョイントで投与されてもよい。
【0166】
特定の実施形態において、本開示の異なる化合物は、本開示の1種または複数の他の化合物とコンジョイントで投与されてもよい。その上、そのような併用は、癌、免疫学的疾患または神経学的疾患の処置に適した他の剤など、上で同定された薬剤などの、他の治療剤とコンジョイントで投与されてもよい。特定の実施形態において、1種または複数の追加的化学療法剤を、本開示の式(I)の化合物および/または医薬組成物ならびに式(II)の化合物および/または医薬組成物とコンジョイントで投与することは、相乗効果をもたらす。特定の実施形態において、1種または複数の追加的化学療法剤をコンジョイントで投与することは、相加効果をもたらす。
【0167】
医薬組成物
特定の実施形態において、本開示は、医薬的に許容できる担体または希釈剤と場合により混和された、本明細書に開示される式(I)の化合物および式(II)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0168】
本開示はまた、医薬投与のための開示された式(I)および式(II)の化合物を配合するための方法も提供する。
【0169】
本開示の組成物および方法は、それを必要とする個体を処置するために用いられてよい。特定の実施形態において、個体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、組成物または化合物は、例えば、本開示の式(I)の化合物および式(II)の化合物と、医薬的に許容できる担体とを含む医薬組成物として場合により投与される。医薬的に許容できる担体は、当該技術分野で周知であり、例えば、水もしくは生理学的緩衝生理食塩水などの水性溶液、またはグリコール、グリセロールなどの他の溶媒もしくはビヒクル、オリーブ油などの油、または注射用有機エステルを含む。好ましい実施形態において、そのような医薬組成物がヒト用、特に侵襲性投与経路(即ち、上皮バリアを通る輸送または拡散を回避する注射または移植などの経路)用である場合、水性溶液は、パイロジェンフリーまたは実質的にパイロジェンフリーである。賦形剤は、例えば、薬剤の遅延放出を実行するために、または1つもしくは複数の細胞、組織もしくは器官を選択的に標的にするために選択され得る。医薬組成物は、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、顆粒、再構成用の凍結乾燥剤、粉末剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射剤などの単位投与剤形であり得る。組成物はまた、経皮送達システム、例えば、皮膚パッチ中に存在し得る。組成物はまた、点眼剤などの局所投与に適した溶液中に存在し得る。
【0170】
医薬的に許容できる担体は、例えば、本開示の式(I)の化合物および/または式(II)の化合物などの化合物の安定化のため、溶解度を上昇させるため、または吸収を増大させるために作用する、生理学的に許容できる薬剤を含有し得る。そのような生理学的に許容できる薬剤としては、例えば、グルコース、スクロースまたはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質または他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容できる薬剤を含む、医薬的に許容できる担体の選択は、例えば、組成物の投与経路に依存する。医薬組成物の調製は、自己乳濁薬物送達系または自己微乳濁薬物送達系であり得る。医薬組成物(調製物)はまた、リポソームまたは他のポリマーマトリックスであり得、それは、例えば本開示の式(I)の化合物および/または式(II)の化合物を組み込み得る。例えば、リン脂質または他の脂質を含むリポソームは、作製および投与が比較的簡単である、無毒で生理学的に許容でき、かつ代謝可能な担体である。
【0171】
語句「医薬的に許容できる」は、妥当な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に相応し、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物および/または投与剤形を指すために本明細書において用いられる。
【0172】
本明細書で用いられる語句「医薬的に許容できる担体」は、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの、医薬的に許容できる材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性がありかつ患者に有害ではないという意味で「許容でき」なければならない。医薬的に許容できる担体として役立ち得る材料の幾つかの例としては:(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;(4)トラガカント粉末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑石;(8)カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール類;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)医薬製剤中で使用される他の非毒性適合性物質、が挙げられる。
【0173】
医薬組成物(調製物)は、例えば、経口的に(例えば、水性もしくは非水性の溶液または懸濁液などの飲薬、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、ボーラス剤、粉末、顆粒、舌に適用するペースト剤);口腔粘膜を通しての吸収(例えば、舌下);肛門、直腸または膣内(例えば、ペッサリー、クリームまたはフォームとして);非経口的(例えば、滅菌溶液または懸濁液として筋肉内、静脈内、皮下または髄腔内を含む);鼻腔内;腹腔内;皮下;経皮的(例えば、皮膚に適用されるパッチとして);および局所的(例えば、皮膚に塗布されるクリーム、軟膏もしくはスプレーとして、または点眼剤として)を含む、任意の多数の投与経路のいずれかにより対象に投与され得る。化合物はまた、吸入用に配合されてもよい。特定の実施形態において、化合物は、単に滅菌水に溶解または懸濁されてよい。適切な投与経路およびそれに適した組成物の詳細は、例えば、米国特許第6,110,973号、同第5,763,493号、同第5,731,000号、同第5,541,231号、同第5,427,798号、同第5,358,970号および同第4,172,896号、ならびにそれらに引用された特許に見出され得る。
【0174】
製剤は、簡便に単位投与剤形で提供されてもよく、薬品の技術分野で周知の任意の方法により調製されてもよい。単一投与剤形を生成するために担体材料と組み合わせられ得る有効成分の量は、処置される宿主、特定の投与方法に応じて変動するであろう。単一投与剤形を生成するために担体材料と組み合わせられ得る有効成分の量は一般に、治療効果を生じる化合物の量であろう。一般に、100パーセントのうち、この量は、有効成分の約1パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの範囲であろう。
【0175】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本開示の式(I)および/または式(II)の化合物などの活性化合物を担体、および場合により1つまたは複数の補助成分と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、本開示の化合物を液体担体もしくは微粉化固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、その後、必要に応じて生成物を成形することにより調製される。
【0176】
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル剤(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、カシェ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ(香味のある基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、凍結乾燥剤、粉末、顆粒の形態であってよく、または水性もしくは非水性の液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはトローチとして(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性基剤を使用)、および/あるいは洗口剤としてなどであってよく、それぞれは有効成分として本開示の化合物の所定量を含有する。組成物または化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与されてもよい。
【0177】
経口投与用の固体投与剤形(カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)を調製するために、有効成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの1種もしくは複数の医薬的に許容できる担体、および/または以下のもの:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/もしくはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの滑沢剤;(10)修飾および非修飾シクロデキストリンなどの錯化剤;ならびに(11)着色剤、のいずれかと混和される。カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、錠剤および丸薬の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。類似のタイプの固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟質および硬質ゼラチンカプセルの充填剤として用いられてよい。
【0178】
錠剤は、場合により1種または複数の副成分と共に圧縮または成形することにより作製されてよい。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製されてよい。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で保湿された粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することにより作製されてよい。
【0179】
錠剤、ならびに糖衣錠、カプセル剤(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、丸薬および顆粒などの医薬組成物の他の固体投与剤形は、場合により刻み目を入れられてよく、または製剤学の技術分野で周知の腸溶性コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製されてよい。それらはまた、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはマイクロスフェアを提供するために、様々な割合で、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、その中の有効成分の徐放または制御放出を提供するように配合されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、または使用直前に滅菌水もしくは幾つかの他の滅菌注射用媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、滅菌されてよい。これらの組成物はまた、場合により乳白剤を含有してよく、それらが有効成分(複数可)のみを、または優先的に、胃腸管の特定の部分において、場合により、遅延した様式で、放出する組成のものであってよい。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分は、適宜、1種または複数の上記賦形剤を含む、マイクロカプセル化形態であり得る。
【0180】
経口投与に有用な液体投与剤形としては、医薬的に許容できるエマルジョン、再構成用の凍結乾燥剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体投与剤形は、例えば、水または他の溶媒、シクロデキストリンおよびそれらの誘導体などの当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、可溶化剤、ならびに乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有してもよい。
【0181】
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤などのアジュバントを含み得る。
【0182】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などを含有してもよい。
【0183】
直腸投与、膣投与、または尿道投与用の医薬組成物の製剤は、坐剤として提供されてよく、坐剤は、1種または複数の活性化合物を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスもしくはサリチル酸塩を含む1種または複数の適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製され得、室温では固体であるが体温では液体であり、そのため直腸または膣腔中で融解し活性化合物を放出する。
【0184】
口に投与するための医薬組成物の製剤は、洗口剤、または経口スプレー剤、または経口軟膏として提供されてよい。
【0185】
代わりにまたは追加として組成物は、カテーテル、ステント、ワイヤ、または他の管腔内デバイスを介する送達用に配合され得る。そのようなデバイスによる送達は、膀胱、尿道、尿管、直腸、または腸への送達に特に有用であり得る。
【0186】
膣内投与に適した製剤としてはまた、適切であることが当該技術分野で知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤が挙げられる。
【0187】
局所または経皮投与のための投与剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、液剤、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下で医薬的に許容できる担体と、および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合されてよい。
【0188】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、滑石ならびに酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有してよい。
【0189】
粉末およびスプレーは、活性化合物に加えて、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有してよい。加えてスプレーは、クロロフルオロヒドロカーボンなどの慣用の噴射剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性の非置換炭化水素を含有し得る。
【0190】
経皮パッチは、身体への本開示の化合物の制御送達を提供するという追加的利点を有する。そのような投与剤形は、活性化合物を適切な媒体に溶解または分散させることにより作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増大させるために使用され得る。そのような流動の速度は、速度制御膜を提供すること、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることにより制御され得る。
【0191】
眼科用製剤、眼軟膏、粉末、液剤などもまた、本開示の範囲内であることが企図される。例示的な眼科用製剤は、米国特許出願公開第2005/0080056号、同第2005/0059744号、同第2005/0031697号および同第2005/004074号、ならびに米国特許第6,583,124号に記載されており、それらの内容は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。所望なら、液体眼科用製剤は、涙液、房水もしくは硝子体液と類似の特性を有するか、またはそのような液体と適合性がある。好ましい投与経路は、局所投与(例えば、点眼剤またはインプラントを介する投与などの、局所投与)である。
【0192】
坐剤もまた、本開示の範囲内であることが企図される。
【0193】
本明細書で用いられる語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、通常は注射による、経腸および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内および胸骨内注射および輸液を含むが、これらに限定されない。
【0194】
非経口投与に適した医薬組成物は、1種または複数の医薬的に許容できる滅菌等張水性溶液もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に滅菌注射溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせた1種または複数の活性化合物を含み、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図するレシピエントの血液と等張にさせる溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有してもよい。
【0195】
本開示の医薬組成物で使用され得る適切な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性が、例えばレシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。
【0196】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含有してもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることにより確実にされ得る。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることも望ましい場合がある。加えて、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤を含めることにより、注射用医薬形態の長期吸収が得られてもよい。
【0197】
場合により、薬物の効果を延長させるために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を緩徐にすることが望ましい。これは、水溶性が乏しい結晶性のまたは非晶質の材料の懸濁液の使用により達成されてよい。その場合、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、それはまた結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。
【0198】
注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に表題化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する薬物の比率、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度が、制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することにより調製される。
【0199】
本開示の方法で使用するために、活性化合物は、それ自体で、または例えば、0.1~99.5%(より好ましくは0.5~90%)の有効成分を医薬的に許容できる担体と組み合わせて含有する医薬組成物として与えられ得る。
【0200】
導入方法はまた、再充填性または生分解性のデバイスにより提供されてもよい。タンパク質性バイオ医薬品を含む、薬物の制御送達のために近年、様々な徐放性ポリマーデバイスが開発されインビボで試験されてきた。生分解性ポリマーおよび非分解性ポリマーの両方を含む、種々の生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含む)を使用して、特定の標的部位で化合物を持続放出するためのインプラントを形成できる。
【0201】
医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒でなく、特定の患者、組成物、および投与様式に対して所望の治療応答を実現するのに効果的である有効成分量を得るように変動されてよい。
【0202】
選択される投与量レベルは、使用される特定の化合物もしくは化合物の組み合わせ、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用されている特定の化合物(複数可)の排泄速度、処置期間、使用される特定の化合物(複数可)と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または材料、処置されている患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康状態および過去の病歴、ならびに医療分野で周知の類似の因子を含む種々の因子に依存するであろう。
【0203】
当業者である医師または獣医師は、必要とされる医薬組成物の治療有効量を即座に決定および処方し得る。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を実現するために必要なレベルより低いレベルで医薬組成物または化合物の投与を開始し、所望の効果が実現されるまで投与量を徐々に増加することができる。「治療有効量」は、所望の治療効果を誘起するのに充分な化合物の濃度を意味する。化合物の有効量は、対象の体重、性別、年齢、および病歴により変動するであろうと一般に理解されている。有効量に影響を与える他の因子としては、患者の状態の重症度、処置されている障害、化合物の安定性、そして所望なら本開示の式(I)の化合物および式(II)の化合物と共に投与される別の種類の治療剤を挙げることができるが、これらに限定されない。より大きな総用量が、薬剤の反復投与により送達され得る。有効性および投与量を決定する方法は、当業者に公知である(参照により本明細書に組み入れられる、Isselbacher et al.(1996)Harrison’s Principles of Internal Medicine 13ed.,1814-1882)。
【0204】
一般に、本開示の組成物および方法で使用される活性化合物の適切な日用量は、治療効果を生じるのに効果的な最低用量である化合物量であろう。そのような効果的用量は、一般に上記の因子に依存するであろう。
【0205】
所望なら、活性化合物の効果的日用量は、場合により単位投与剤形で、1日を通して適切な間隔で別々に投与される1、2、3、4、5、6またはより多い分割用量として投与されてよい。本開示の特定の実施形態において、活性化合物は、1日に2回または3回投与されてよい。好ましい実施形態において、活性化合物は、1日1回投与されるであろう。
【0206】
この処置を受ける患者は、霊長類、特にヒト、および他の哺乳動物、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、およびヒツジ;ならびに一般に家禽およびペットを含む、必要とする任意の動物である。
【0207】
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐剤および抗酸化剤もまた、組成物中に存在してよい。
【0208】
医薬的に許容できる抗酸化剤の例としては、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの脂溶性抗酸化剤;ならびに(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤、が挙げられる。
【0209】
他に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本明細書の主題が属する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で用いられる場合、本開示の理解を容易にするために、以下の定義が提供される。
【0210】
用語「アシル」は、当該技術分野において認識されており、一般式のヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-により表される基を指す。アシル基としては、-C(O)CH、-C(O)CHCHなどが挙げられる。
【0211】
「アルキル」基または「アルカン」は、完全に飽和されている直鎖状または分枝状非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖状または分枝状アルキル基は、他に定義されない限り、1~約20個、好ましくは1~約10個の炭素原子を有する。直鎖状および分枝状アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチルおよびオクチルが挙げられる。C~C直鎖状または分枝状アルキル基はまた、「低級アルキル」基とも称される。アルキル基は、原子価により許容される1つまたは複数の位置で場合により置換されてよい。そのような任意選択による置換基としては、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族部分、-CF、-CNなどが挙げられる。
【0212】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、環の各原子が炭素である、置換または非置換の単環式芳香族基を包含する。好ましくは、環は、5~7員環、より好ましくは6員環である。用語「アリール」は、2個以上の環状化合物を有する多環系を包含し、その中の2個以上の炭素が隣接する2個の環に共通であり、少なくとも1個の環が芳香族であり、例えば、他の環状化合物は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが挙げられる。
【0213】
「シクロアルキル」基は、完全に飽和している環状炭化水素である。「シクロアルキル」は、単環式および二環式環を包含する。典型的には、単環式シクロアルキル基は、他に定義されない限り、3~約10個の炭素原子、より典型的には3~8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキルの第二の環は、飽和、不飽和および芳香族環から選択されてよい。シクロアルキルは、1個、2個もしくは3個、またはより多くの原子が2つの環の間で共有される二環式分子を包含する。用語「縮合シクロアルキル」は、環のそれぞれが他の環と2個の隣接原子を共有する二環式シクロアルキルを指す。縮合二環式シクロアルキルの第二の環は、飽和、不飽和および芳香環から選択されてよい。「シクロアルケニル」基は、1個または複数の二重結合を含有する環状炭化水素である。シクロアルキル基は、本明細書に記載のいずれかの任意選択による置換基により、原子価により許容される1つまたは複数の位置で置換されてよい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
本明細書で用いられる用語「カルボキシ」または「カルボン酸」は、式-COHにより表される基を指す。用語「カルボキシラート」は、式-(COにより表される基を指す。
【0215】
本明細書で用いられる用語「グアニジノ」は、-NH-C(=N)-NH基を指す。
【0216】
用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」は、置換または非置換の芳香族単環構造、好ましくは5~7員環、より好ましくは5~6員環を包含し、その環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」はまた、2個以上の環状化合物を有する多環系を含み、その中の2個以上の炭素が隣接する2個の環に共通であり、この環の少なくとも1個がヘテロ芳香族であり、例えば、他の環状化合物は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリミジンなどが挙げられる。ヘテロアリール基は、本明細書に記載されるいずれかの任意選択による置換基により、原子価により許容される1つまたは複数の位置で置換されてよい。
【0217】
本明細書で用いられる用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の任意元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄である。
【0218】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」、および「複素環式」は、置換または非置換の非芳香族環構造、好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環を指し、その環構造は少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロシクリル」および「複素環式」はまた、2個以上の環状化合物を有する多環系も含み、この中で2個以上の炭素が隣接する2個の環に共通であり、この環の少なくとも1個が複素環であり、例えば、他の環状化合物は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであってよい。ヘテロシクリル基としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、アゼパン、アゼチジン、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン、テトラヒドロ-2H-ピラン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。ヘテロシクリル基は、原子価により許容される通り、場合により置換されてよい。
【0219】
本明細書で用いられる用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0220】
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学的部分と共に使用される場合の用語「低級」は、置換基中に10個以下の、好ましくは6個以下の非水素原子が存在する基を包含することを意味する。「低級アルキル」は、例えば、10個以下の、好ましくは6個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。特定の実施形態において、本明細書で定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ置換基は、ヒドロキシアルキルおよびアラルキル(この場合、例えば、アルキル置換基中の炭素原子を数える場合にアリール基内の原子はカウントされない)の列挙のように、それらが単独でまたは他の置換基と組み合わせで出現するか否かにかかわらず、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、または低級アルコキシである。
【0221】
用語「置換された」は、骨格の1個または複数の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換された」は、そのような置換が、置換された原子および置換基の許容原子価に従うという、およびその置換が、例えば転位、環化、排除などによる転換を自発的に受けない、安定な化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが、理解されよう。本明細書で用いられる用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を包含することが企図される。広い態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式および環式、分枝状および非分枝状、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基を含む。許容される置換基は、適切な有機化合物に対して1つまたは複数であり、同じであるかまたは異なっていてよい。本開示の目的では、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の水素置換基および/または有機化合物の任意の許容される置換基を有してよい。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセタート、またはチオホルマートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスファート、ホスホナート、ホスフィナート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルファート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含んでよい。置換基自体は適宜、置換され得ることが、当業者に理解されるであろう。「非置換」として具体的に述べられていない限り、本明細書における化学的部分の参照は、置換された変異体を包含すると理解される。例えば、「アリール」基または部分の参照は、置換および非置換の両方の変異体を暗黙のうちに包含する。
【0222】
本明細書で使用される場合、障害または病気を「予防する」治療剤は、統計標本において、未処置の対照試料と比較して処置試料において障害もしくは病気の発生を減少させるか、または未処置の対照試料と比較して障害もしくは病気の1つもしくは複数の症状の発症を遅らせる、もしくは重症度を低減する化合物を指す。
【0223】
用語「処置すること」は、予防的および/または治療的処置を包含する。用語「予防的または治療的」処置は、当該技術分野において認識されており、表題の組成物の1つまたは複数の宿主への投与を包含する。組成物が、望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床症状発現の前に投与される場合、その処置は、予防的であり(即ち、それは望ましくない状態の発症に対して宿主を防御する)、一方でそれが、望ましくない状態の症状発現後に投与される場合、その処置は、治療的である(即ち、既存の望ましくない状態またはその副作用を軽減、改善、または安定化することを意図する)。
【0224】
用語「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、本開示の治療的に活性な薬剤に変換される化合物(例えば、式(I)の化合物または式(II)の化合物)を包含することを意図する。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を現す、1つまたは複数の選択された部分を含むことである。他の実施形態において、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性により変換される。例えば、エステルまたはカルボナート(例えば、アルコールまたはカルボン酸のエステルまたはカルボナート)は、本開示の好ましいプロドラッグである。特定の実施形態において、先に表された製剤中の式(I)または式(II)の化合物の幾つかまたは全ては、対応する適切なプロドラッグで置き換えられてよく、例えば、親化合物中のヒドロキシルは、エステルとして存在するか、または親化合物中に存在するカルボナートトもしくはカルボン酸は、エステルとして存在する。
【0225】
本明細書で用いられる用語「含む(comprise)」または「含む(comprising)」は一般に、「包含する」という意味で使用され、即ち1つまたは複数の追加の(指定されていない)特色または構成要素の存在を可能にする。
【0226】
本明細書で用いられる用語「包含している(including)」、ならびに「包含する(include)」、「包含する、(includes)」、および「包含された(included)」などの他の形態は、限定的ではない。
【0227】
本明細書で用いられる用語「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を意味し、その塩、エステル、その種々の塩の組み合わせ、ならびに互変異性形態を包含する。溶液において、中性pHで、アミノ酸のアミノ基および酸性基はプロトンを交換して、全体的に中性の、双性イオンとして同定される物質を通して、二重イオン化物を形成し得る。幾つかの実施形態において、アミノ酸は、それらの立体異性体およびラセミ体を含む、α-、β-、γ-またはδ-アミノ酸である。本明細書で用いられる用語「L-アミノ酸」は、α-炭素の周りに左旋性配置を有するα-アミノ酸、即ち、L-配置を有する一般式CH(COOH)(NH)-(側鎖)のカルボン酸を表す。用語「D-アミノ酸」は同様に、α-炭素の周りに右旋性配置を有する、一般式CH(COOH)(NH)-(側鎖)のカルボン酸を表す。L-アミノ酸の側鎖は、天然由来のおよび非天然由来の部分を含み得る。非天然由来の(即ち、非天然の)アミノ酸側鎖は、例えば、アミノ酸類似体において天然由来アミノ酸側鎖の代わりに使用される部分である。
【0228】
本明細書で用いられる「アミノ酸残基」は、親アミノ酸と構造的類似性を共有する部分を意味する。アミノ酸残基は、その残基のアミノ基または残基のカルボキシラート基を介して別の化学的部分に共有結合されてよい(即ち、-NHまたは-OHの水素原子は、別の化学的部分への結合により置き換えられる)。
【0229】
アミノ酸は、タンパク質合成においてほとんどの生物体により使用される20の標準アミノ酸を含む。非天然アミノ酸残基は、非限定的に、アルファおよびアルファ二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、ならびに低級アルキル、アラルキル、ヒドロキシル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールアルキルまたはアシルで置換された天然アミノ酸から選択されてよい。
【0230】
例えば、リジンは、例えば、その側鎖の炭素原子で、あるいはその末端NH基のモノ-またはジアルキル化により、非天然アミノ酸を形成するように置換され得る(例えば、リジン側鎖のアミノ基は、その置換基と一緒になって、ピペリジンまたはピロリジンなどの複素環式化合物を形成する)。別の例において、リジン側鎖の末端アミノ基は、カプレオマイシジンでのように、アミノ酸骨格を有する環を形成し得る。リジンのさらなる非天然誘導体としては、ホモリジンおよびノルリジンが挙げられる。あるいはリジンの側鎖は、第二のアミノ基で置換され得る。別の例において、リジン側鎖のアルキル部分は、炭素環構造に組み込まれて、例えば、シクロヘキシルまたはシクロペンチルなどの完全に強固ではない類似体を形成し得る。
【0231】
特定の実施形態において、非天然アミノ酸は、1つまたは複数の二重結合を有する天然アミノ酸の誘導体であり得る。
【0232】
他の例示的実施形態において、トレオニンにおいて、ベータ-メチル基がエチル、フェニル、または他の高級アルキル基で置き換えられ得る。ヒスチジンにおいて、イミダゾール部分が置換され得るか、あるいは側鎖のアルキレン骨格が置換され得る。
【0233】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、ホモセリン、および天然アミノ酸のホモログが挙げられる。
【0234】
さらなる例示的実施形態において、非天然アミノ酸は、アルファ位でアルキル化(例えば、メチル化)され得る。
【0235】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、アルファ、ベータ-およびベータ、ガンマ-デヒドロアミノアミノ酸類似体が挙げられる。
【0236】
さらなる例示的なアミノ酸としては、ペニシラミンおよびベータメトキシバリンが挙げられる。
【0237】
非天然アミノ酸のさらなる例としては、側鎖がアミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、-COO-アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、グアニジノ、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクリル)アルキルおよび(ヘテロアリール)アルキルを含む、アミノ酸が挙げられる。
【0238】
「修飾N末端アミノ基」および「修飾C末端カルボキシル基」は、アミノ基またはカルボキシル基が改変されていることを意味する。
【0239】
N末端アミノ基の修飾は、好ましくは一般式-NRを有し、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキル、アルケニル、-C(=NH)NH、アルキニルまたはアシルである。
【0240】
N末端修飾の例としては、アセチル化、ホルミル化またはグアニル化N末端が挙げられるが、これらに限定されない。
【0241】
C末端カルボキシル基の修飾は、好ましくは一般式COR(Rは最後のアミノ酸のヒドロキシル基を置き換える)を有し;式中、Rは-NR、アルコキシ、アミノまたはイミドである。例えば、C末端は、エステル化またはアミド化されていてよい。
【0242】
本開示は、本開示の化合物の医薬的に許容できる塩、ならびに本開示の組成物および方法におけるそれらの使用を含む。特定の実施形態において、本開示の企図される塩としては、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本開示の企図される塩としては、L-アルギニン、ベネンタミン、ベンザチン、ベタイン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リチウム、L-リジン、マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、および亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本開示の企図される塩としては、Na、Ca、K、Mg、Znまたは他の金属の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0243】
医薬的に許容できる酸付加塩はまた、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドとなどの、様々な溶媒和物として存在し得る。そのような溶媒和物の混合物もまた、調製され得る。そのような溶媒和物の供給源は、結晶化の溶媒に由来し、調製もしくは結晶化の溶媒に固有であるかそのような溶媒に対し付随的であり得る。
【0244】
「医薬的に許容できる」は、一般に安全で、非毒性であり、生物学的にもその他の点でも不適切ではない医薬組成物を調製するのに有用であることを意味し、獣医学的用途およびヒトの医薬用途に許容されるものを包含する。
【0245】
用語「立体異性体」は、本開示の化合物などの、任意の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、または幾何異性体を指す。本開示の化合物がキラルである場合、それらは、ラセミ体型でまたは光学活性型で存在し得る。本開示による化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性は異なり得るため、一方の鏡像異性体が高濃度である化合物を使用することが望ましい場合がある。これらの場合、最終生成物またはさらに中間体は、当業者に公知である化学的もしくは物理的手段により鏡像異性体化合物へと分離され得、または合成でそのまま使用され得る。ラセミ体アミンの場合、ジアステレオマーは、光学活性分割剤との反応により混合物から形成される。適切な分割剤の例は、RおよびS型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切なN-保護アミノ酸(例えば、N-ベンゾイルプロリンまたはN-ベンゼンスルホニルプロリン)、または様々な光学活性カンファースルホン酸などの光学活性酸である。また有利であるのは、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースもしくは他の炭水化物誘導体、またはシリカゲル上に固定化されたキラル誘導体化メタクリラートポリマー)を用いるクロマトグラフィー鏡像異性体分割である。
【0246】
特定の実施形態において、本開示の化合物は、ラセミ体であってよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、1つの鏡像異性体に富んでいてよい。例えば、本開示の式(I)の化合物および/または式(II)の化合物は、30%ee、40%ee、50%ee、60%ee、70%ee、80%ee、90%eeもしくは95%eeを超える、またはより大きなeeを有してよい。特定の実施形態において、本開示の化合物は、1つを超える立体中心を有してよい。そのような特定の実施形態において、本開示の化合物は、1つまたは複数のジアステレオマーに富んでいてよい。例えば、本開示の式(I)の化合物および/または式(II)の化合物は、30%de、40%de、50%de、60%de、70%de、80%de、90%deもしくは95%deを超える、またはそれより大きなdeを有してよい。
【0247】
用語「対象」は、哺乳動物(特にヒト)および他の動物、例えば、家畜(例えば、ネコおよびイヌを含む家庭用ペット)および非家畜(野生生物など)などを包含する。
【0248】
天然由来アミノ酸(L型)は、以下の表に示される従来の3文字略語により明細書および特許請求の範囲を通して同定される。
【表9】
【0249】
本明細書全体で用いられる略語は、本明細書の以下で、特定の意味と共に要約され得る。
【0250】
℃(摂氏度);%(パーセンテージ);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);gまたはgr(グラム);hまたはhr(時間);M(モル);μl(マイクロリットル);mL(ミリリットル);mg(ミリグラム);min(分);Na(ナトリウム);PD-1/PD1(プログラム細胞死1);PD-L1(プログラム細胞死リガンド1);PD-L2(プログラム細胞死1リガンド2);
【0251】
実施例
本発明は、ここに概ね記載されており、それは以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろうが、実施例は、単に本発明の特定の態様および実施形態の例示の目的で含まれ、本発明を限定する意図はない。
【0252】
実施例1:例示的化合物の調製
例示的阻害剤の調製のための合成手順が、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2016142833 A1およびWO2015033299 A1に記載された。
【0253】
実施例2:CT-26同系(Balb/c雌)マウス腫瘍モデルにおけるCmd1およびCmd32の影響の免疫有効性試験
この試験の目的は、単一剤としてまたは組み合わせで強制経口投与により1日1回投与された場合のCT-26腫瘍担持マウスにおける成長阻害(有効性)に及ぼすCmd1およびCmd32の影響を決定することである。Cmd1およびCmd32は、癌の処置のための小分子免疫調節剤である。
【0254】
試験動物
Charles River Labratoriesからの20~25グラムの雌Balb/cマウス;9~10週齢;系統コード028。
【0255】
投与および材料
【表10】
【表11】
【0256】
CT-26腫瘍細胞培養、細胞継代および細胞回収
CT-26細胞を、T225組織培養処置フラスコにおいて、10%FBS(完全DMEM培地)を補充されたRPMI-1640培地中で増殖させ、加湿された細胞培養インキュベーターにおいて37℃(5%CO)で培養した。細胞を3~4日ごとに、1×トリプシン/EDTAで剥離することにより継代した。細胞を、完全RPMI-1640培地中でフラスコ5個に再度播種した。
【0257】
接種による投与
移植当日に、リン酸緩衝溶液で洗浄されトリプシン/EDTAで剥離されたフラスコから細胞を回収し、添加剤を含まないリン酸緩衝溶液で1回洗浄した。細胞を無血清DMEM中に最終濃度1×10細胞/mLにて再懸濁し、マウスに投与するまで氷上に保持した。細胞を、マウスへの投与前に1時間程度氷上で保持した。移植前日に、動物の右脇腹を剃毛した。移植当日に、動物をアルコールワイプで拭き、右脇腹に媒体100μL中の細胞1×10細胞を注射した。動物を、およそ100~200mmの充分に触知ができる程の生育能力のある腫瘍を有することが見出されたら、およそ7~15日目に群分けした。動物を腫瘍体積により無作為化し、翌日に処置をCmd1で開始した。LabCatソフトウエア(In-Life & Tumor)の利用により腫瘍が触知可能になったら、腫瘍体積を収集した。キャリパーを使用して長さおよび幅の測定値を収集し、腫瘍長×腫瘍幅×腫瘍幅×0.5の計算により腫瘍体積を計算するために利用した。
【0258】
群分け
【表12】
【0259】
試験計画および分析
動物を、腫瘍が触知可能になるまでモニタリングし、その後、腫瘍体積が100~200mmになるまで測定した。動物をその後、LabCatソフトウエアを用いて群に無作為化し、翌日に投与を開始した。血液をEDTA試験管に採取し、氷上で保持した。腫瘍を、氷上で10%FBS含有RPMI-1640を含む15mL試験管に採取した。腫瘍を、Miltenyi Biotecマウス腫瘍溶解キットに進めた。腫瘍細胞を、生存/死亡の識別のためにヨウ化プロピジウム(PI)を用いてMACSQuant Analyzerでカウントした。20日目の腫瘍成長阻害率(%)を、以下に表にする(表11)。20日目の個々の動物の腫瘍体積および試験過程での腫瘍成長を、それぞれ図1Aおよび1Bに表す。細胞表面マーカーアッセイを用いて、腫瘍内T細胞集団を同定し、CD8+(CTL;細胞傷害性T細胞):Treg(調節T細胞)比を計算した。Cmd1およびCmd32での併用処置(即ち、群5)は、図2Aに表される通り、PD-1遮断(陽性対照、抗PD-1)と同程度に効果的に抗腫瘍活性を促進した(即ち、CD8+:Tregを上昇させた)。Cmd32は、グランザイム-B+/PD-1+/Tim-3T細胞の増加およびグランザイム-B+/PD-1+/Tim-3T細胞の同時減少により観察される通り、TIM-3経路を効果的に遮断し活性CD8+腫瘍内T細胞の生存を可能にする。その上、組み合わせでのCmd1およびCmd32の投与は、活性な腫瘍内CD8+CTLを相乗的に促進する(図2Bおよび2C参照)。
【表13】
【0260】
実施例3:MC38シンジェニックモデルにおけるCmd1と組み合わせたCmd32の有効性
試験材料
Cmd32およびCmd1は、製剤調製まで-16~-20℃で貯蔵した。新鮮な製剤を、投与前に毎日調製した。
【0261】
施設内で飼育された雌C57BL/6マウスを、MC38モデルにおけるこの有効性試験で使用した。動物は、6~8週齢であり、体重13~21gであった。動物を、尾の印字により個別にマーキングし、試験コード、実験日、動物の性別および数を示したケージカードにより同定されたケージ中で飼育した。実験の間、動物を毎日計量した。
【0262】
腫瘍細胞を、文献で説明された手順に従って培養した(米国特許第9,333,256号; A. Filatenkov et al., J. Immunol., 2009. 183(11): 7196-7203)。腫瘍細胞について、製造業者の使用説明書に従いMYCOALERT(登録商標) Mycoplasma Detection Kit(Lonza)でマイコプラズマ検出を実施することにより、マイコプラズマ不含であることを確認した。MYCOALERT(登録商標) Assayは、マイコプラズマ酵素の活性を利用する選択的な生化学試験である。生存可能なマイコプラズマが溶解され、酵素がMYCOALERT(登録商標)基質と反応し、ADPからATPへの変換を触媒する。MYCOALERT(登録商標)基質の添加前および添加後の両方の試料中のATPレベルを測定することにより、マイコプラズマの有無を示す比率を得ることができる。マイコプラズマ試験を、細胞株の培養上清から二重測定でアッセイし、陰性および陽性対照(MYCOALERT(登録商標) Assay Control Set)と比較した。米国特許第9,333,256号は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0263】
動物の死亡率/罹患率、体重減少および臨床症状を、モニタリングした。試験期間の間、全ての罹患動物を殺処分し、体重の20%より多くを失った動物も殺処分した。体重を毎日記録し、毒性の臨床兆候を1日1回記録した。生存率を毎日記録した。体重の15~20%減少および/または動物の死亡を、毒性の基準と見なした。臨床兆候に関する行動、営巣および肉眼的観察を、試験過程で1日に少なくとも1回行った。
【0264】
低エンドトキシンの水性PBS緩衝液(アジド不含)中の機能的グレード抗マウスPD-1抗体(J43クローン)を、BioXcell(カタログ番号: BE0033-2、ロット番号5729/0915)から入手した。低エンドトキシンの水性PBS緩衝液(アジド不含)中の機能的グレード抗TIM3抗体(RMT.3.23クローン)を、BioXcell(カタログ番号: BE0115、ロット番号5956-1/1215)から入手した。
【0265】
実験手順
MC38細胞を、発行された文献の情報に従って培養した(A. Filatenkov et al., J. Immunol., 2009. 183(11): 7196-7203;S. F. Ngiow et al., Cancer Res., 2011. 71(10): 3540-3551)。MC38細胞を生育させ、0日目に、0.5×10細胞を完全培地中で、雌C57BL/6マウスの右脇腹の位置に注射した。動物10匹が、各処置群に含まれた。全群について投与容量は、10ml/kg体重であった。細胞を-4日目に注射し、投与を1日目に開始し15日目まで継続した。腫瘍体積を週3回測定し、体重および臨床兆候を毎日モニタリングした。1% Tween80+10% Capmul+89%の5%HPCD+0.1 M クエン酸+0.1% EDTAを、経口経路(PO)による投与のCmd32についてビヒクルとして使用した。水を、経口経路による投与のCmd1についてビヒクルとして使用した。低エンドトキシンの水性PBS緩衝液(アジド不含)中の機能的グレード抗TIM3抗体(RMT.3.23クローン)を、10mg/kgで週2回(1、4、8および11日目に)腹腔内投与した。
【表14】
【0266】
試験終了時に(最終投与の30分後)、動物を可能性のある異常について体外的に検査し、計量し、CO窒息により殺処分した。
【0267】
データ解析
全ての統計解析を、GRAPHPAD PRISM(登録商標)7を用いて実施した。平均体重、転移数の統計解析を、ダネット検定(ANOVA比較)およびスチューデントt検定を用いて実施した。全群を互いに比較した。0.05未満のp値を、有意と見なした。
【0268】
結果
動物は、投与時に処置関連の体重変動を示さなかった。処置関連の臨床兆候は、群のいずれでも観察されなかった。動物2匹(ビヒクル対照中の1匹、Cmd32の10mg/kg群中のもう1匹)は、死亡が見出された。肉眼での病理所見は剖検時に認められず、このため死亡が処置に起因すると信頼性をもって考えることはできなかった。腫瘍成長阻害率(%)を、以下の表(表13)で作表し、個々の動物の腫瘍体積を、図3に表している。
【表15】
【0269】
参照による組み入れ
本明細書で言及された全ての発行物および特許は、個々の発行物または特許が具体的かつ個別に参照により組み入れられるかのごとく、全体として参照により本明細書に組み入れられる。矛盾がある場合、本明細書における任意の定義を含む本出願が、支配する。
【0270】
均等物
表題の発明の具体的実施形態を議論したが、上記明細書は例示であり、限定ではない。本発明の多くの変更が、この明細書および以下の特許請求の範囲を見ることにより当業者に明白となろう。本発明の全範囲は、均等物の全範囲と共に特許明細書を参照し、そしてそのような変更と共に本明細書を参照することにより、決定されなければならない。
いくつかの実施形態を以下に示す。
項1
対象における免疫応答を調整する方法であって、前記対象をVISTA経路の阻害剤およびTIM-3経路の阻害剤と接触させることを含む、方法。
項2
前記VISTA経路の前記阻害剤が、PD-1経路をさらに阻害する、項1に記載の方法。
項3
前記TIM-3経路の前記阻害剤が、PD-1経路をさらに阻害する、項1または2に記載の方法。
項4
前記VISTA経路の前記阻害剤が、式(I):
【化17】
(式中、
Gは、水素または(C ~C )アルキルを表し;
は、-OH、-C(O)NR 、-NR 、グアニジノ、カルボン酸、ヘテロアリールまたはアリール-OHで置換された(C ~C )アルキルを表し;
a’ は、水素を表し;またはR とR a’ は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、-OH、-C(O)NR 、-NR 、カルボン酸またはヘテロアリールで場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;ここで前記ヘテロアリールは、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
は、水素を表し;またはR とR は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
は、H、または-OH、-NR もしくはカルボン酸で置換された(C ~C )アルキルを表し;
は、水素を表し;またはR とR は、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
およびR は独立して、水素(C ~C )アルキル、(C ~C )アシルもしくは(C ~C )シクロアルキルを表し;またはR とR は、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成する)の化合物またはその医薬的に許容できる塩である、項1~3のいずれか1項に記載の方法。
項5
Gが、水素またはメチルを表す、項4に記載の方法。
項6
Gが、水素を表す、項4または5に記載の方法。
項7
が、-(CH C(O)OHまたは(C ~C )アルキルを表し、ここで(C ~C )アルキルが、-OH、-C(O)NR 、-NR 、グアニジノ、ヘテロアリールまたはアリール-OHで置換される、項4~6のいずれか1項に記載の方法。
項8
が、-OH、-NH 、-C(O)NH 、-NH-C(=NH)-NH 、カルボン酸、イミダゾリルまたはp-OH(フェニル)で置換された(C ~C 4 )アルキルを表し;かつR a’ が、水素である、項4~6のいずれか1項に記載の方法。
項9
が、-OH、-NH 、-C(O)NH 、-NH-C(=NH)-NH 、イミダゾリルまたはp-OH(フェニル)で置換された(C ~C )アルキルを表し;かつR a’ が、水素である、項4~8のいずれか1項に記載の方法。
項10
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH -(p-OH(フェニル))、-(CH -NH 、-(CH C(O)OH、-(CH C(O)NH 、-CH (イミダゾリル)または-(CH -NH-C(=NH)-NH を表す、項4~9のいずれか1項に記載の方法。
項11
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH -(p-OH(フェニル))、-(CH -NH 、-CH (イミダゾリル)または-(CH -NH-C(=NH)-NH を表す、項4~10のいずれか1項に記載の方法。
項12
が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項4~11のいずれか1項に記載の方法。
項13
が、-CH OHを表す、項12に記載の方法。
項14
とR a’ が、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する、項4~6のいずれか1項に記載の方法。
項15
が、-CH C(O)OHまたは(C ~C )アルキルを表し、ここで(C ~C )アルキルが、-OH、-C(O)NR x y またはヘテロアリールで場合により置換され、ここで前記ヘテロアリールが、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される、項4~14のいずれか1項に記載の方法。
項16
が、-OH、-C(O)NH 、カルボン酸、インドリル、-NH-((C ~C )アシル)または-C(O)NH-((C ~C )アルキル)で場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;かつR が、水素を表す、項4~14のいずれか1項に記載の方法。
項17
が、-OH、-C(O)NH 、インドリル、-NH-(COCH )または-C(O)NH-((C ~C )アルキル)で場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;かつR が、水素を表す、項4~14のいずれか1項に記載の方法。
項18
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH C(O)NH 、-(CH C(O)NH 、-(CH -NH(COCH )、-CH C(O)OH、-(CH C(O)OH、-CH (インドリル)、-CH C(O)NH(ヘキシル)または-(CH C(O)NH(ヘキシル)を表す、項4~17のいずれか1項に記載の方法。
項19
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH C(O)NH 、-(CH C(O)NH 、-(CH -NH(COCH )、-CH C(O)OH、-CH (インドリル)、-CH C(O)NH(ヘキシル)または-(CH C(O)NH(ヘキシル)を表す、項4~18のいずれか1項に記載の方法。
項20
が、-CH C(O)NH または-CH C(O)OHを表す、項4~19のいずれか1項に記載の方法。
項21
が、-CH C(O)NH を表す、項20に記載の方法。
項22
とR が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する、項4~14のいずれか1項に記載の方法。
項23
が、-OH、-NH または-C(O)OHで置換された(C ~C )アルキルを表し;かつR e が、水素を表す、項4~22のいずれか1項に記載の方法。
項24
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH 4 -NH または-(CH C(O)OHを表す、項4~23のいずれか1項に記載の方法。
項25
が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項24に記載の方法。
項26
が、-CH(CH )OHを表す、項25に記載の方法。
項27
とR e が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する、項4~22のいずれか1項に記載の方法。
項28
Gが、水素または(C ~C )アルキルを表し;
が、-(CH C(O)OHまたは(C ~C )アルキルを表し、ここで(C ~C )アルキルが、-OH、-C(O)NR 、-NR 、グアニジノ、ヘテロアリールまたはアリール-OHで置換され;
a’ が、水素を表し;またはR とR a’ が、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、-CH C(O)OHまたは-(C ~C )アルキルを表し、ここで(C ~C )アルキルが、-OH、-C(O)NR 、-NR 、ヘテロアリールで場合により置換され;ここで前記ヘテロアリールが、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
が、水素を表し;またはR とR が、それらが結合される原子と一緒になって5~6員環を形成し;
が、H、または-OH、-NR もしくはカルボン酸で置換された(C ~C )アルキルを表し;
が、水素を表し;またはR とR が、それらが結合される原子と一緒になってO、NHもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;かつ
およびR が独立して、水素、(C ~C )アルキルまたは(C ~C )アシルを表す、
項4に記載の方法。
項29
Gが、水素またはメチルを表し;
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH -(p-OH(フェニル))、-(CH C(O)NH 、-(CH -NH 、-CH (イミダゾリル)、-(CH COOHまたは-(CH -NH-C(=NH)-NH を表し;
a’ が、水素を表し;またはR とR a’ が、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成し;
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH C(O)NH 、-(CH C(O)NH 、-(CH -NH(COCH )、-CH C(O)OH、-(CH C(O)OH、-CH (インドリル)、-CH C(O)NH(ヘキシル)または-(CH C(O)NH(ヘキシル)を表し;
が、水素を表し;またはR とR が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH 、-CH COOHまたは-(CH C(O)OHを表し;かつ
e が、水素を表し;またはR とR e が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する、
項4に記載の方法。
項30
Gが、水素またはメチルを表し;
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH -(p-OH(フェニル))、-(CH -NH 、-(CH COOH、-CH (イミダゾリル)または-(CH -N(=NH)-NH を表し;
a’ が、水素を表し;またはR とR a’ が、それらが結合される原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し;
が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH C(O)NH 、-(CH C(O)NH 、-CH C(O)OH、-(CH -NH(COCH )、-CH (インドリル)、-CH C(O)NH(ヘキシル)または-(CH C(O)NH(ヘキシル)を表し;
が、水素を表し;またはR とR が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成し;
が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH または-(CH C(O)OHを表し;かつ
e が、水素を表し;またはR とR e が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する、
項4に記載の方法。
項31
が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表し、R が、-CH C(O)NH または-CH C(O)OHを表し、かつR が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項28~30のいずれか1項に記載の方法。
項32
が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表し、R が、-CH C(O)NH を表し、かつR が、-CH(CH )OHを表す、項31に記載の方法。
項33
が、-CH OHを表し、R が、-CH C(O)NH を表し、かつR が、-CH(CH )OHを表す、項31に記載の方法。
項34
が、-CH(CH )OHを表し、R が、-CH C(O)NH を表し、かつR が、-CH OHを表す、項31に記載の方法。
項35
前記VISTA経路を阻害する前記化合物が、以下の表:
【表16】
から選択される、項4に記載の方法。
項36
前記VISTA経路を阻害する前記化合物が、以下の表:
【表17】
から選択される、項4に記載の方法。
項37
前記TIM-3経路の前記阻害剤が、式(II):
【化18】
(式中、
Zは、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’は、水素または(C ~C )アルキルを表し;
Yは、水素または以下の構造式:
【化19】
により表される基を表し;
a’’ は、-OH、-NR 、-SR 、カルボン酸、グアニジノまたはアリールで置換された(C ~C )アルキルを表し、ここで前記アリール基は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され、またはR とGは、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
a’’’ は、水素を表し;またはR a’’ とR a’’’ は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
b’ は、-C(O)NR x’ y’ 、-NR またはカルボン酸で場合により置換された(C ~C )アルキルを表し;
c’ は、水素を表し;またはR b’ とR c’ は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成して、ここで前記5~6員環は、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
d’ は、-OR x’ 、カルボン酸またはアリール-OHで場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;
e’ は、水素を表し;またはR d’ とR e’ は、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;かつ
x’ およびR y’ は独立して、水素、(C ~C )アルキルまたは(C ~C )アシルを表す)の化合物またはその医薬的に許容できる塩である、項1~36のいずれか1項に記載の方法。
項38
Zが、-NH-G’を表す、項37に記載の方法。
項39
G’が、水素またはメチルを表す、項37または38に記載の方法。
項40
G’が、水素を表す、項37~39のいずれか1項に記載の方法。
項41
Zが、-OHを表す、項37に記載の方法。
項42
a’’ が、-OH、-NR x’ y’ 、-NH(C=NH)-NH 、-SR x’ 、カルボン酸またはアリールで置換された(C ~C )アルキルを表し、ここで前記アリール基が、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される、項37~41のいずれか1項に記載の方法。
項43
a’’ が、-OH、-NH 、-NH(C=NH)-NH 、-SCH 、カルボン酸、フェニルまたはp-OH(フェニル)で置換された(C ~C )アルキルを表し、かつR a’’’ が、水素である、項37~42のいずれか1項に記載の方法。
項44
a’’ が、-OH、-NH 、-NH-C(=NH)-NH 、カルボン酸またはフェニルで置換された(C ~C )アルキルを表し、かつR a’’’ が、水素である、項37~43のいずれか1項に記載の方法。
項45
a’’ が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH 、-(CH -SCH 、-(CH C(O)OH、-(CH -NH(C=NH)-NH 、-CH -(フェニル)または-CH -(p-OH(フェニル))を表す、項37~44のいずれか1項に記載の方法。
項46
a’’ が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH 、-(CH C(O)OH、-(CH -NH(C=NH)-NH または-CH -(フェニル)を表す、項37~45のいずれか1項に記載の方法。
項47
a’’ が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項37~46のいずれか1項に記載の方法。
項48
a’’ が、-CH OHを表す、項47に記載の方法。
項49
a’’ とG’が、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成する、項37または38に記載の方法。
項50
前記5~6員環が、モルホリン環である、項49に記載の方法。
項51
a’’ とR a’’’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成する、項37~41のいずれか1項に記載の方法。
項52
前記5~6員環が、シクロペンチル環である、項51に記載の方法。
項53
b’ が、-C(O)NR x’ y’ 、-NR x’ y’ またはカルボン酸で場合により置換された(C ~C )アルキルを表す、項37~52のいずれか1項に記載の方法。
項54
b’ が、-C(O)NH 、-NH 、-NH(C(O)CH )またはカルボン酸で場合により置換された(C ~C )アルキルを表し、かつR c’ が、水素を表す、項37~53のいずれか1項に記載の方法。
項55
b’ が、-C(O)NH 、-NH(C(O)CH )またはカルボン酸で場合により置換された(C ~C )アルキルを表し、かつR c’ が、水素を表す、項37~54のいずれか1項に記載の方法。
項56
b’ が、sec-ブチル、-CH C(O)NH 、-(CH -NH 、-(CH -NH(C(O)CH )、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表す、項37~55のいずれか1項に記載の方法。
項57
b’ が、-CH C(O)NH 、-(CH -NH 、-(CH -NH(C(O)CH )、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表す、項37~56のいずれか1項に記載の方法。
項58
b’ が、-CH C(O)NH 、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表す、項37~57のいずれか1項に記載の方法。
項59
b’ が、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表す、項58に記載の方法。
項60
b’ とR c’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し、ここで前記5~6員環が、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される、項37~52のいずれか1項に記載の方法。
項61
前記5~6員環が、ピロリジン環またはピペリジン環であり、前記ピロリジン環が、ヒドロキシルで場合によりさらに置換される、項60に記載の方法。
項62
Yが、以下の構造式
【化20】
により表される基を表す、項37~61のいずれか1項に記載の方法。
項63
d’ が、-OH、-OCH 、-C(O)OHまたはp-OH(フェニル)で場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し、かつR e’ が、水素を表す、項37~62のいずれか1項に記載の方法。
項64
d’ が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH(CH )OCH 、-CH C(O)OHまたは-CH -(p-OH(フェニル))を表す、項37~63のいずれか1項に記載の方法。
項65
d’ が、sec-ブチル、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項37~64のいずれか1項に記載の方法。
項66
d’ が、-CH(CH )OHを表す、項65に記載の方法。
項67
d’ とR e’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成する、項37~62のいずれか1項に記載の方法。
項68
前記5~6員環が、ピロリジン環である、項67に記載の方法。
項69
Yが、水素を表す、項37~61のいずれか1項に記載の方法。
項70
Zが、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’が、水素または(C ~C )アルキルを表し;
Yが、以下の構造式
【化21】
により表される基を表し;
a’’ が、-OH、-NH 、カルボン酸、グアニジノまたはアリールで置換された(C ~C )アルキルを表し;
a’’’ が、水素を表し;またはR a’’ とR a’’’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合により含有する5~6員環を形成し;
b’ が、-C(O)NR x’ y’ またはカルボン酸で場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;
c’ が、水素を表し;またはR b’ とR c’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;
d’ が、-OR x’ で場合により置換された、(C ~C )アルキルを表し;
e’ が、水素を表し;またはR d’ とR e’ が、それらが結合される原子と一緒になってO、NもしくはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員環を形成し;かつ
x’ およびR y’ が独立して、水素、(C ~C )アルキルまたは(C ~C )アシルを表す、
項37に記載の方法。
項71
Zが、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’が、水素またはメチルを表し;
Yが、水素または以下の構造式
【化22】
により表される基を表し;
a’’ が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH 、-(CH -SCH 、-(CH C(O)OH、-(CH -NH(C=NH)-NH 、-CH -(フェニル)もしくは-CH -(p-OH(フェニル))を表し;またはR a’’ とG’が、それらが結合される原子と一緒になってモルホリン環を形成し;
a’’’ が、水素を表し;またはR a’’ とR a’’’ が、それらが結合される原子と一緒になってシクロペンチル環を形成し;
b’ が、sec-ブチル、-CH C(O)NH 、-(CH -NH 、-(CH -NH(C(O)CH )、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表し;
c’ が、水素を表し;またはR b’ とR c’ が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し、ここで前記ピロリジン環が、ヒドロキシルで場合によりさらに置換され;
d’ が、イソプロピル、sec-ブチル、-CH OH、-CH(CH )OH、-CH(CH )OCH 、-CH C(O)OHまたは-CH -(p-OH(フェニル))を表し;かつ
e’ が、水素を表し;またはR d’ とR e’ が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環を形成する、項37に記載の方法。
項72
Zが、-OHまたは-NH-G’を表し;
G’が、水素またはメチルを表し;
Yが、以下の構造式:
【化23】
により表される基を表し;
a’’ が、-CH OH、-CH(CH )OH、-(CH -NH 、-(CH C(O)OH、-(CH -NH(C=NH)-NH 、または-CH -(フェニル)を表し;
a’’’ が、水素を表し;
b’ が、-CH C(O)NH 、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表し;
c’ が、水素を表し;またはR b’ とR c’ が、それらが結合される原子と一緒になってピロリジン環もしくはピペリジン環を形成し;
d’ が、sec-ブチル、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表し;かつ
e’ が、水素を表す、
項37に記載の方法。
項73
a’’ が、-CH OH、-CH(CH )OHまたは-(CH -NH(C=NH)-NH を表し;R b’ が、-CH C(O)NH 、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表し; かつR d’ が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表す、項70~72のいずれか1項に記載の方法。
項74
a’’ が、-CH OHまたは-CH(CH )OHを表し;R b’ が、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表し; かつR d’ が、-CH(CH )OHを表す、項73に記載の方法。
項75
a’’ が、-CH OHを表し;R b’ が、-CH C(O)OHまたは-(CH C(O)OHを表し; かつR d’ が、-CH(CH )OHを表す、項73に記載の方法。
項76
a’’ が、-CH(CH )OHを表し;R b’ が、-CH C(O)NH を表し; かつR d’ が、-CH OHを表す、項73に記載の方法。
項77
a’’ が、-(CH -NH(C=NH)-NH を表し;R が、-CH C(O)NH を表し;かつR が、-CH OHを表す、項73に記載の方法。
項78
前記TIM-3を阻害する前記化合物が、以下の表:
【表18】
から選択される、項37に記載の方法。
項79
前記TIM-3経路を阻害する前記化合物が、以下の表:
【表19】
から選択される、項37に記載の方法。
項80
前記VISTA経路を阻害する前記化合物が、
【化24】
またはその医薬的に許容できる塩である、項1に記載の方法。
項81
前記TIM-3経路を阻害する前記化合物が、
【化25】
またはその医薬的に許容できる塩である、項1または80に記載の方法。
項82
前記対象が、癌、免疫障害、免疫不全障害、炎症性障害、感染性疾患、および移植片拒絶から選択される疾患または障害に罹患している、項1~81のいずれか1項に記載の方法。
項83
前記疾患または障害が、処置される、項82に記載の方法。
項84
前記疾患または障害が、癌である、項82または83に記載の方法。
項85
疾患または障害の前記処置が、腫瘍細胞の増殖および/または転移を阻害することを含む、項84に記載の方法。
項86
前記腫瘍細胞が、小細胞肺癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、原発性腺管癌、卵巣癌、ホジキンリンパ腫、胃癌、急性骨髄性白血病、および膵臓癌から選択される癌に由来する、項85に記載の方法。
項87
前記腫瘍細胞が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎の癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病、小児の固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱の癌、尿管癌、腎盂の癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境により誘導される癌から選択される癌に由来する、項85に記載の方法。
項88
前記疾患または障害が、感染性疾患である、項82または83に記載の方法。
項89
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染または寄生虫感染である、項88に記載の方法。
項90
前記感染性疾患が、
炭疽病、バシラス綱、ボルデテラ属、ボレリア、ボツリヌス中毒症、ブルセラ属、バークホルデリア属、カンピロバクター属、クラミジア属、コレラ、クロストリジウム属、コノコッカス属(Conococcus)、コリネバクテリウム属、ジフテリア、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、エルウィニア属、エシェリキア属、フランシセラ属、ヘモフィリス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、レプトスピラ症、リステリア属、ライム病、髄膜炎菌、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ネイセリア属、パスルレラ属、ペロバクター属、疫病、ニューモコッカス属(Pneumonococcus)、プロテウス属、シュードモナス属、リケッチア属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、テタヌス、トレポネーマ属、ビブリオ属、エルシニア属、およびキサントモナス属から選択される少なくとも1つの細菌;
アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、ジョン・カニンガム(JC)ウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、およびバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;
鵞口瘡、アスペルギルス属(フミガタス、ニガー他)、ブラストマイセス・デルマティティジス、カンジダ属(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス他)、コクシジオイデス・イミティス、クリプトコッカス属(ネオフォルマンス他)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコール目(ムコル、アブシジア、リゾプス(rhizophus))、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、スポロトリクム症、スポロスリックス・シェンキー、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風(piedra pityriasis versicolor)、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される少なくとも1つの真菌感染;
アカントアメーバ、バベシア・ミクロッティ、バランチジウム・コリ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、ジアルジア・ランブリア、クリプロスポリジウム・ムリス、トリパノソーマ・ガンビエンス、トリパノソーマ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルージ、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア、・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オベール、四日熱マラリア原虫、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスティス・カリニ、膣トリコモナス、ヒストモナス・メレアグリディス、双腺綱(Secementea)、鞭虫、アスカリス・ラムブリコイデス、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・デュオデナーレ、ネグレリア・フォウレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウケレリア・バンクロフティ、ドラクンクルス・メディネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニカム、ファスキオラ・ヘパティカ、ファスキオラ・ギガンティカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウェスターマニから選択される少なくとも1つの寄生虫
から選択される、項88に記載の方法。
項91
医薬的に許容できる担体または賦形剤と、項4~36および80のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物または医薬的に許容できるその塩と、項37~79および81のいずれか1項に記載の少なくとも1種の式(II)の化合物または医薬的に許容できるその塩とを含む医薬組成物。
項92
抗癌剤、化学療法剤または抗増殖性化合物の少なくとも1種をさらに含む、項91に記載の医薬組成物。
項93
項91に記載の医薬組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む、癌を処置する方法。
項94
項91に記載の医薬組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む、感染性疾患を処置する方法。
項95
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染または寄生虫感染である、項94に記載の方法。
項96
前記感染性疾患が、
炭疽病、バシラス綱、ボルデテラ属、ボレリア、ボツリヌス中毒症、ブルセラ属、バークホルデリア属、カンピロバクター属、クラミジア属、コレラ、クロストリジウム属、コノコッカス属、コリネバクテリウム属、ジフテリア、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、エルウィニア属、エシェリキア属、フランシセラ属、ヘモフィリス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、レプトスピラ症、リステリア属、ライム病、髄膜炎菌、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ネイセリア属、パスルレラ属、ペロバクター属、疫病、ニューモコッカス属、プロテウス属、シュードモナス属、リケッチア属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、テタヌス、トレポネーマ属、ビブリオ属、エルシニア属、およびキサントモナス属から選択される少なくとも1つの細菌;
アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、ジョン・カニンガム(JC)ウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、およびバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;
鵞口瘡、アスペルギルス属(フミガタス、ニガー他)、ブラストマイセス・デルマティティジス、カンジダ属(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス他)、コクシジオイデス・イミティス、クリプトコッカス属(ネオフォルマンス他)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコール目(ムコル、アブシジア、リゾプス)、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、スポロトリクム症、スポロスリックス・シェンキー、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される少なくとも1つの真菌感染;ならびに
アカントアメーバ、バベシア・ミクロッティ、バランチジウム・コリ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、ジアルジア・ランブリア、クリプロスポリジウム・ムリス、トリパノソーマ・ガンビエンス、トリパノソーマ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルージ、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア、・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オベール、四日熱マラリア原虫、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスティス・カリニ、膣トリコモナス、ヒストモナス・メレアグリディス、双腺綱、鞭虫、アスカリス・ラムブリコイデス、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・デュオデナーレ、ネグレリア・フォウレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウケレリア・バンクロフティ、ドラクンクルス・メディネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニカム、ファスキオラ・ヘパティカ、ファスキオラ・ギガンティカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウェスターマニから選択される少なくとも1つの寄生虫
から選択される、項94に記載の方法。
項97
対象における癌を処置または予防する方法であって、項4~36および80のいずれか1項に記載のVISTA経路を阻害する化合物と、項37~79および81のいずれか1項に記載のTIM-3経路を阻害する化合物とを前記対象にコンジョイントで投与することを含む、方法。
項98
前記癌が、乳癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、および腎臓癌から選択される、項97に記載の方法。
項99
前記癌が、芽細胞腫、乳癌、上皮癌、結腸癌、肺癌、黒色腫、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、直腸癌、肛門部癌、腹膜癌、胃癌、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎の癌、肉腫、尿道癌、陰茎の癌、慢性または急性白血病、小児の固形腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中皮腫、胸腺癌、骨髄腫、膀胱の癌、尿管癌、腎盂の癌、肝癌、膵臓癌、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、類表皮癌、唾液腺癌、扁平上皮癌、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、メイグス症候群、メルケル細胞癌、および環境により誘導される癌から選択される、項97に記載の方法。
項100
1種または複数の追加的化学療法剤をコンジョイントで投与することをさらに含む、項97~99のいずれか1項に記載の方法。
項101
前記1種または複数の追加的化学療法剤が、アビラテロン、アブラキサン、アセグラトン、アシビシン、アクラシノマイシン、アクチミド、アクチノマイシン、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アルドホスファミドグリコシドアレクチニブ、アレンドロネート、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミノプテリン、アムサクリン、アナストロゾール、アンシタビン、アンギオスタチン、アンギオザイム(angiozyme)、アングイジン、アンサマイトシン、アントラマイシン、アンチトロンビンIII、アパチニブ、アラビノシド、アルボプラチン、アスパラギナーゼ、オースラマイシン(authramycin)、アキシチニブ、アザシチジン、アザセリン、アゼテパ、アゾトマイシン、6-アザウリジン、バリシチニブ、バチマスタット、ベンダムスチン、ベニメチニブ、ベンゾドーパ、ベストラブシル、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレキナール、ブリバニブ、ブリオスタチン、ブロピリミン、ブラタシン、ブラタシノン、ブセレリン、ブスルファン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カリスタチン、カルステロン、カミノマイシン(caminomycin)、カンポテシン、カペシタビン、カラビシン、カルボプラチン、カルボキノン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、カルジノフィリン、セデフィンゴール、セジラニブ、クロマファジン、クロラムブシル、クロロキン、クロロゾトシン、クロロホスファミド、クロモマイシン、シロレマイシン、シスプラチン、シスジクロロジアミン白金(II)、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コビメチニブ、コルヒチン、クリスナトール、クリゾチニブ、クリプトフィシン1、クリプトフィシン8、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、サイトカラシンB、シトシンアラビノシド、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダノプレビル、ダサチニブ、ジアジクオン、ジブロモマンニトール、ダウノルビシン、デシタビン、デフォファミン(defofamine)、デガレリクス、1-デヒドロテストステロン、デランゾミブ、デメコルシン、デメトキシビリジン、デニロイキン、デネニコキン、デノプテリン、デサセチルラビドマイシン、デトルビシン、デキサメタゾン、デクスオルマプラチン、デザグアニン、ジアジクオン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ジクロロアセテート、ジデオキシウリジン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジフチトクス、ジフルオロメチロミチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ジナシクリブ、ドセタキセル、ドラスタチン、ドビチニブ、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、デユアゾマイシン(duazomycin)、デュオカルマイシン、ジネミシン、エダトレキサート、エフロミチン、酢酸エリプチニウム、エロイテロビン、エメチン、エムシロムス、エンコラフェニブ、エンロプラチン、エノシタビン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エピチロン、エピチオスタノール、エルブロゾール、エリスモデギブ、エルロチニブ、エソルビシン、エスペラミシン、エストラジオール、エストラムスチン、エタニダゾール、臭化エチジウム、2-エチルヒドラジド、エチドロネート、エトグルシド、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルロシタビン、フルタミド、フォレチニブ、フォルメスタン、フォスキドン、フォテムスチン、フロリン酸、ガシトシン、硝酸ガリウム、ガルニセルチブ、ガンドチニブ、ゲフィチニブ、ゲルダナマイシン、ゲムシタビン、ゲニステイン、グルココルチコイド、ゴセレリン、グラミシジンD、ハービマイシン、ヒルトノール、4-ヒドロキシタモキシフェン、ヒドロキシウレア、イバンドロネート、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インドキシモド、インターフェロン、イプロプラチン、イリノテカン、イロノテカン、イキサゾミブ、ケオキシフェン、ラハーパレプベック、ラメオチド、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レンチナン、レバミゾール、リアロゾール、リドカイン、リニファニブ、ロメトレキソ(lometrexo)、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、マルセロマイシン、マリゾミブ、マシチニブ、マソプロコール、メイタンシン、メイタンシノール、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、マンノムスチン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、メノガリル、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メトトレキサート、メトプリン、メツレドーパ、ミトラマイシン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン、モメロチニブ、モンタニド、モノメチルアウリスタチンE、モピダモール、モテサニブ、モトリモド、ミコフェノール酸、マイロターグ、nab-パクリタキセル、ナベルビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニムスチン、ニトラクリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、ノバントロン、ノベンビチン(novembichin)、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オリボマイシン、オナプリストン、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリチニブ、パルボシクリブ、パミドロネート、パンクラチスタチン、パノビノスタット、パゾパニブ、ペガプタニブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα-2b、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、ペプロマイシン、ペリホシン、フェナメット、フェネステリン、ピマセルチブ、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポドフィリン酸、ポリフェプロサン、ポマリドマイド、ポルフィマー、ポルフロマイシン、ポトフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカイン、プロカルバジン、プロプラノロール、プテロプテリン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ラルチトレキセド、ラロキシフェン、ラニムスチン、ラパマイシン、ラビドマイシン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロネート、レシキモド、リツキシマブ、ロドルビシン、ログレチミド、ロリジン、ルキソリチニブ、サフィンゴール、サルコジクチン(sarcodictyin)、セルメチニブ、セマキサニブ、セムスチン、シマピモド(simapimod)、シムトラゼン、シロリムス、シゾフィラン、ソラフェニブ、スファルフォセート(sparfosate)、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、スニチニブ、スラミン、タリソマイシン、タモキシフェン、タリモジーン、タソシチニブ、タキソール、テガフール、テラチニブ、テロキサントロン、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テヌアゾン酸、テロキシロン、テストラクトン、テストステロン、テトラカイン、テザシチビン、サリドマイド、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チルドロネート、チラパザミン、チタノセン、チボザニブ、トセラニブ、トファシチニブ、トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000、トポテカン、トレミフェン、トザセルチブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、トリアジクオン、トレチノイン、2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリロスタン、トリメチロールメラミン、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロホスファミド、ツベルシジン、ツビザニブ(tuvizanib)、ウラシル・マスタード、ウベニメクス、ウレドーパ、ウレタン、バンデタニブ、バプレオチド、バルガテフ(vargatef)、バタラニブ、ベムラフェニブ、ベルラクリン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ビスモデギブ、ゼローダ、ザクティマ、ゼニプラチン、ジノスタチン、Ziv-アフィリベルセプト、ゾレドロネート、およびゾルビシンから選択される、項100に記載の方法。
項102
対象における感染を処置または予防する方法であって、項4~36および80のいずれか1項に記載のVISTA阻害剤と、項37~79および81のいずれか1項に記載のTIM-3阻害剤とを前記対象にコンジョイントで投与することを含む、方法。
項103
前記感染性疾患が、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染または寄生虫感染である、項102に記載の方法。
項104
前記感染性疾患が、
炭疽病、バシラス綱、ボルデテラ属、ボツリヌス中毒症、ブルセラ属、バークホルデリア属、カンピロバクター属、クラミジア属、コレラ、クロストリジウム属、コノコッカス属、コリネバクテリウム属、ジフテリア、エンテロバクター属、エンテロコッカス属、エルウィニア属、エシェリキア属、フランシセラ属、ヘモフィリス属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、レジオネラ属、レプトスピラ属、レプトスピラ症、リステリア属、ライム病、髄膜炎菌、マイコバクテリウム属、マイコプラズマ属、ネイセリア属、パスルレラ属、ペロバクター属、疫病、ニューモコッカス属、プロテウス属、シュードモナス属、リケッチア属、サルモネラ属、セラチア属、シゲラ属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、テタヌス、トレポネーマ属、ビブリオ属、エルシニア属、およびキサントモナス属から選択される少なくとも1つの細菌;
アルボウイルス脳炎ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス8型、パピローマウイルス、BKウイルス、コロナウイルス、エコーウイルス、ジョン・カニンガム(JC)ウイルス、天然痘、B型肝炎、ボカウイルス、パルボウイルスB19、アストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、C型肝炎、黄熱病、デング熱ウイルス、西ナイルウイルス、風疹、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス(HTLV)、インフルエンザ、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、はしかウイルス、軟体動物ウイルス、おたふく風邪ウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、狂犬病、D型肝炎、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、ワクシニアウイルス、およびバナウイルスから選択される少なくとも1つのウイルス;
鵞口瘡、アスペルギルス属(フミガタス、ニガー他)、ブラストマイセス・デルマティティジス、カンジダ属(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス他)、コクシジオイデス・イミティス、クリプトコッカス属(ネオフォルマンス他)、ヒストプラズマ・カプスラツム、ムコール目(ムコル、アブシジア、リゾプス)、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、スポロトリクム症、スポロスリックス・シェンキー、接合菌症、クロモブラストミセス症、ロボミコーシス、菌腫、爪真菌症、砂毛症疲風(piedra pityriasis versicolor)、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、足白癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症、およびリノスポリジウム症から選択される少なくとも1つの真菌感染;ならびに
アカントアメーバ、バベシア・ミクロッティ、バランチジウム・コリ、エンタモエーバ・ヒストリティカ、ジアルジア・ランブリア、クリプロスポリジウム・ムリス、トリパノソーマ・ガンビエンス、トリパノソーマ・ローデシエンス、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルージ、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、熱帯リーシュマニア、リーシュマニア、・ドノバニ、トキソプラズマ・ゴンディ、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オベール、四日熱マラリア原虫、プラスモジウム・ファルシパルム、ニューモシスティス・カリニ、膣トリコモナス、ヒストモナス・メレアグリディス、双腺綱、鞭虫、アスカリス・ラムブリコイデス、エンテロビウス・ベルミクラリス、アンキロストーマ・デュオデナーレ、ネグレリア・フォウレリ、ネカトル・アメリカヌス、ニッポストロンギルス・ブラジリエンシス、ストロンギロイデス・ステルコラリス、ウケレリア・バンクロフティ、ドラクンクルス・メディネンシス、住血吸虫、肝吸虫、腸内吸虫、肺吸虫、スキストソーマ・マンソニ、スキストソーマ・ヘマトビウム、スキストソーマ・ジャポニカム、ファスキオラ・ヘパティカ、ファスキオラ・ギガンティカ、ヘテロフィエス・ヘテロフィエス、およびパラゴニムス・ウェスターマニから選択される少なくとも1つの寄生虫
から選択される、項102に記載の方法。
項105
VISTA経路を阻害する前記化合物とTIM-3経路を阻害する前記化合物が、同時に投与される、項97~104のいずれか1項に記載の方法。
項106
前記化合物の一方が、他方の化合物の投与前または投与後約5分以内~約168時間以内に投与される、項97~104のいずれか1項に記載の方法。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3