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  • 特許-カンナビノイドを含む放出調節組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】カンナビノイドを含む放出調節組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/352 20060101AFI20231106BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231106BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20231106BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20231106BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
A61K31/352
A61K9/48
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/18
A61K47/20
A61K47/22
A61K47/24
A61P21/02
A61P25/04
A61P25/08
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/28
A61P25/30
A61P29/02
A61P35/00
A61P43/00 121
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020536983
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 GB2019050009
(87)【国際公開番号】W WO2019135077
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】1800074.5
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】319016758
【氏名又は名称】ジーダブリュー・リサーチ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジティンダー・ウィルク
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ベンダー
【審査官】松浦 安紀子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103110582(CN,A)
【文献】特表2017-531667(JP,A)
【文献】特表2009-514890(JP,A)
【文献】国際公開第2017/059859(WO,A1)
【文献】特表2019-519556(JP,A)
【文献】特表2021-509670(JP,A)
【文献】特表2021-509667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/352
A61K 9/48
A61K 47/02
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/14
A61K 47/18
A61K 47/20
A61K 47/22
A61K 47/24
A61P 21/02
A61P 25/04
A61P 25/08
A61P 25/18
A61P 25/22
A61P 25/28
A61P 25/30
A61P 29/02
A61P 35/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)からなる群から選択される第1のカンナビノイド;カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)及びカンナビジバリン酸(CBDVA)からなる群から選択される第2のカンナビノイド;少なくとも1つのポロキサマー;並びにジアセチン、プロピレングリコール、トリアセチン、モノアセチン、プロピレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒を含む、経口医薬製剤であって、
製剤は、脂質製剤分類システムに従ってIV型製剤であり、
全組成物に対して、カンナビノイドの総量が、2030.5質量%の量で存在し、ポロキサマーの総量が、3060質量%の量で存在し、溶媒が、2030質量%の量で存在
製剤は、全組成物に対して油を2質量%未満含み、
油は、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、脂肪酸及び脂肪酸エステルからなる群から選択され、
トリグリセリド、ジグリセリド及びモノグリセリドは、グリセロールと3、2又は1つの脂肪酸とに由来するエステルであって、
脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸及びドコサヘキサエン酸からなる群から選択される、経口医薬製剤。
【請求項2】
第1のカンナビノイドがテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、第2のカンナビノイドがカンナビジオール(CBD)である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
第1のカンナビノイドの第2のカンナビノイドに対する質量比が、100:1~1:100の範囲である、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
第1のカンナビノイドの第2のカンナビノイドに対する質量比が1:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項5】
少なくとも1つのポロキサマーが式(II)
【化1】
(式中、各aは、独立して、10~110の整数であり、bは20~60の整数である)
によって定義される、請求項1~4のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
各aが12であり、bが20である、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
各aが80であり、bが27である、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
ポロキサマーがポロキサマー124若しくはポロキサマー188又はこれらの混合物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
製剤が2つのポロキサマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
2つのポロキサマーがポロキサマー124及びポロキサマー188である、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
溶媒が、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項12】
溶媒が、プロピレングリコール、クエン酸トリエチル及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項13】
溶媒がクエン酸トリエチルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項14】
更に、酸化防止剤を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項15】
酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、α-トコフェロール(ビタミンE)、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、システイン塩酸塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、レシチン、没食子酸プロピル、モノチオグリセロール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の製剤。
【請求項16】
酸化防止剤が、α-トコフェロール(ビタミンE)、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、クエン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
20℃及び1atmで固体である、請求項1~16のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項18】
液体ゲルカプセル剤の経口剤形である、請求項1~17のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項19】
治療法における使用のための、請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項20】
治療対象が18歳未満である、請求項19に規定の使用のための製剤。
【請求項21】
ドラベ症候群、レノックスガストー症候群、ミオクローヌス発作、若年性ミオクローヌスてんかん、難治性てんかん、統合失調症、若年性けいれん、ウェスト症候群、乳児けいれん、難治性乳児けいれん、結節性硬化症、脳腫瘍、神経因性疼痛、大麻使用障害、心的外傷後ストレス障害、不安、早期精神病、アルツハイマー病及び自閉症からなる群から選択される疾患又は障害の治療における使用のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項22】
脱力、欠神又は部分発作の治療における使用のための、請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項23】
請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤を患者に投与するための、請求項21に記載の製剤。
【請求項24】
請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤を患者に投与するための、請求項22に記載の製剤。
【請求項25】
ドラベ症候群、レノックスガストー症候群、ミオクローヌス発作、若年性ミオクローヌスてんかん、難治性てんかん、統合失調症、若年性けいれん、ウェスト症候群、乳児けいれん、難治性乳児けいれん、結節性硬化症、脳腫瘍、神経因性疼痛、大麻使用障害、心的外傷後ストレス障害、不安、早期精神病、アルツハイマー病及び自閉症からなる群から選択される疾患又は障害の治療のための医薬の製造における、請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項26】
脱力、欠神又は部分発作の治療のための医薬の製造における、請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのカンナビノイドの組み合わせを含む、経口医薬製剤に関する。これらのカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はその類似体、及びカンナビジオール(CBD)又はその類似体である。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイドは、水に難溶性である(1μg/mL未満)ことが知られている親油性物質である。一例として、CBDはエタノールに(36mg/mL)、及びジメチルスルホキシドDMSOに(60mg/mL)可溶性である。
【0003】
まず、経口摂取される医薬物質のバイオアベイラビリティは、医薬活性物質が腸粘膜を通って腸環境から吸収される程度に依存する。親油性医薬物質は、とりわけ水への溶解性及び/又は分散性が悪いことから、一般に腸環境から吸収されにくい。経口摂取される医薬物質のバイオアベイラビリティは、更に、いわゆる初回通過効果に対する物質の感受性に依存する。腸から吸収される物質は、身体全体に分布する前に、最初に肝臓を通過しなければならず、そこで物質はすぐに代謝され得る。CBDは、一般に、初回通過の肝臓代謝を受けやすいと想定される。CBDの経口バイオアベイラビリティは、低く予測できない(S.Zhornitsky、S.Potvin、Pharmaceuticals(2012)5、529~552)。更に、CBDは不安定な薬物である(A.J.Poortman、H.Huizer、Forensic Science International(1999)101、1~8)。
【0004】
国際公開第2012/033478号では、カンナビノイドの投与を改善するために、自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)が用いられた。
【0005】
SEDDS(自己乳化型薬物送達システム)は、一般に、親油性医薬品有効成分(API)、油(APIを溶解するため)及び界面活性剤からなる液体又はゲルが充填された硬又は軟カプセルからなる。胃液と接触した後、SEDDSは界面活性剤の存在によって自発的に乳化する。しかし、多くの界面活性剤は、脂質系であり、消化管(GIT)内のリパーゼと相互作用する。これは、いずれもバイオアベイラビリティを低下させるAPI及び油担体を乳化する脂質系界面活性剤の能力の低下につながる可能性がある。
【0006】
国際公開第2015/184127号には、カンナビノイド、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールを含む、アルコールを含まない製剤が開示されている。
【0007】
国際公開第2012/033478号では、I型、II型及びIII型に基づくSEDDS製剤が利用された。
【0008】
PCT/GB2017/051943(まだ公開されていない)には、カンナビノイドを含むIV型又はIV型様製剤が開示されている。
【0009】
本発明の背景に関連する他の文書としては、中国特許出願公開第103110582号、中国特許出願公開第101040855号、米国特許出願公開第2012/183606号、Thumma Sら、European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics. 第70巻、第2号、2008年10月1日、605~614頁及びEdward Maaら、Epilepsia、第55巻、第6号、2014年6月1日、783~786頁がある。
【0010】
脂質系の特徴を同定するのに役立つように、脂質製剤分類システム(LFCS)が導入された(C.W.Pouton、Eur.J.Pharm.Sci.、11(Suppl.2)(2000)、S93~S98頁)。LFCSで分類されるように、I型製剤は、消化を必要とする油であり、II型製剤は水不溶性の自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であり、III型のシステムは、SEDDS、又は自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)若しくは自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)であり、ある程度水溶性の界面活性剤及び/若しくは共溶媒(IIIA型)又はかなりの割合の水溶性成分(IIIB型)を含有する。分類IV型は親水性の添加剤である界面活性剤及び共溶媒を主に含有する製剤に対する近年の傾向を表している。以下は、米国特許出願公開第2015/111939号から引用した表形式の脂質製剤分類システムの概要である:
【0011】
【表1】
【0012】
脂質製剤分類システムの更なる説明はまた、FABAD J. Pharm. Sci.、55~64頁、2013に見出され得る。
【0013】
上記の表から分かるように、IIIB型製剤は、全組成物に対して<20質量%の油を含む。しかし、定義によれば、IIIB型製剤は、たとえごく少量であるとしてもある程度の油を含有することに注意されるべきである。
【0014】
THC及びCBDが関与する様々な分子標的、作用機序にタイして提唱された分子標的に関与する効力、並びに実験的疾患モデルにおいて観察された相対的効力に基づき、THC:CBD併用療法の有用性が提唱される。
【0015】
CBD及びTHCは、これらの分子標的関与、及びこれらがその標的に影響を与える効力に基づき様々な薬理学的プロファイルを有する。具体的には、THCによって示されるナノモルCB1及びCB2受容体の親和性及びアゴニスト活性と対照的に、CBDはこのような標的関与を欠き、その代わりに、マイクロモル濃度範囲で異なる範囲の個々の分子標的と相互作用する(例えば、アデノシン及びモノアミン再取り込みの阻害、並びにTRPV1及びGPR55受容体拮抗作用。Ibeas-Bih、2015を参照のこと)。
【0016】
分子標的プロファイル及び分子標的親和性におけるこれらの相違の治療的関連性は、疾患モデルにおけるTHC及びCBDの相対的効力によって示される。
【0017】
例えば、THCは1.25~10mg/kg(Bogganら、1973)で、CBDは1又は10mg/kgではなく100mg/kgで(Jonesら、2010)、全身発作の急性実験モデルにおいて有効である。
【0018】
これに基づき、かつ疾患関連標的でのCBD及びTHCの相対的効力並びに疾患モデル及び臨床的使用におけるその得られた薬理学的効果を考えると、1:25~1:100の比でのTHCとCBDとの治療的組み合わせは、様々な疾患の治療に対する新規なアプローチを示す。
【0019】
効力の同様の分離がヒトにおいて観察され、20mgのTHCの経口投与によって傾眠が誘発され(Gorelickら、2013)、同様の効果が約1000mg/日のCBDで見られた(Devinsky、2017)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】国際公開第2012/033478号
【文献】国際公開第2015/184127号
【文献】PCT/GB2017/051943
【文献】中国特許出願公開第103110582号
【文献】中国特許出願公開第101040855号
【文献】米国特許出願公開第2012/183606号
【文献】米国特許出願公開第2015/111939号
【非特許文献】
【0021】
【文献】S.Zhornitsky、S.Potvin、Pharmaceuticals(2012)5、529~552
【文献】A.J.Poortman、H.Huizer、Forensic Science International(1999)101、1~8
【文献】ThummA Sら、European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics. 第70巻、第2号、2008年10月1日、605~614頁
【文献】Edward Maaら、Epilepsia、第55巻、第6号、2014年6月1日、783~786頁
【文献】C.W.Pouton、Eur.J.Pharm.Sci.、11(Suppl.2)(2000)、S93~S98頁
【文献】FABAD J. Pharm. Sci.、55~64頁、2013
【文献】Handbook of Cannabis, Roger Pertwee、第1章、3~15頁
【文献】Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、2000年8月、薬物評価及び研究のためのアメリカ合衆国保険福祉省食品医薬品局センター
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、脂質製剤分類システムを用いて分類されるIV型又はIV型様製剤に基づく、新規なカンナビノイド経口医薬剤形に関する。製剤は、少なくとも2つのカンナビノイドの組み合わせを含む。第1のカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びその類似体からなる群から選択され、第2のカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)及びその類似体からなる群から選択される。IV型様は、製剤が油、例えば、トリグリセリド又は混合グリセリドを含まないことを意味する。IV型様製剤が用いられる場合、これは、LFCS表に特定されるように、全組成物に対して50質量%超の溶媒を含み得る。
【0023】
経口医薬剤形又は医薬製剤は、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びその類似体からなる群から選択される第1のカンナビノイド;カンナビジオール(CBD)及びその類似体からなる群から選択される第2のカンナビノイド;少なくとも1つのポロキサマー;並びに式(I)
【0024】
【化1】
【0025】
(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C(O)CH3、OH、C(O)CH3、CH2OH及びC(O)OCH2CH3から選択され、R3は、独立して、CH3、CH2OH、OH、CH2OC(O)CH3及びCH2C(O)CH2CH3から選択され、R4は、独立して、水素及びC(O)OCH2CH3から選択される)
によって定義される溶媒を含む。
【0026】
第1のカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)からなる群から選択され得、第2のカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)及びカンナビジバリン酸(CBDVA)からなる群から選択され得る。
【0027】
第1のカンナビノイドがテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、第2のカンナビノイドがカンナビジオール(CBD)であることが好ましい。
【0028】
脂質製剤分類システムによって分類される、I型、II型、IIIA型及びIIIB型に基づく他の製剤と比較して、本製剤は、カンナビノイドのバイオアベイラビリティを高める。したがって、経口医薬剤形又は製剤は油性ではなく、即ち、これは油を実質的に含まない。「実質的に油なし」又は「油を実質的に含まない」は、製剤が全組成物に対して2質量%未満、好ましくは1質量%未満の油を含むことを意味する。このような製剤はIV型又はIV型様として分類される。
【0029】
バイオアベイラビリティを高めることによって、特定の疾患の治療における一定の時間枠の間に必要とされるカンナビノイド及び添加剤の総量が減少し得る。
【0030】
本発明による製剤は、様々な、特に、乾燥、貯蔵条件下で優れた安定性を示す。
【0031】
安定性を高めることによって、製剤が消費される、特に経口投与されるのに適した時間の長さが増加し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明によるIV型製剤は、同じ濃度のCBDを有するI型及びIII型製剤と比較して改善されたバイオアベイラビリティを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
カンナビノイド
本発明による製剤は、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びその類似体からなる群から選択される第1のカンナビノイド、並びにカンナビジオール(CBD)及びその類似体からなる群から選択される第2のカンナビノイドを含む。THCの類似体としては、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)が挙げられる。CBDの類似体としては、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)及びカンナビジバリン酸(CBDVA)が挙げられる。
【0034】
製剤は、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメン酸(CBCV)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールプロピル変異体(CBGV)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)及びカンナビトリオール(CBO)からなる群から選択されるカンナビノイドを更に含んでもよい。このリストは、網羅的ではなく、参照のために本出願で同定されるカンナビノイドを単に詳述している。これまでに、100種類を超える様々なカンナビノイドが同定され、これらのカンナビノイドは、フィトカンナビノイド、エンドカンナビノイド及びシントカンナビノイド等の様々な群に分けることができる。
【0035】
本発明による製剤はまた、Handbook of Cannabis, Roger Pertwee、第1章、3~15頁に開示されるものから選択される少なくとも1つのカンナビノイドを含み得る。
【0036】
本発明で用いられるカンナビノイドは、合成的に生成され得るか、又は高度に精製され得る。
【0037】
好ましくは、製剤はテトラヒドロカンナビノール(THC)又はその類似体の少なくとも1つ、及びカンナビジオール(CBD)又はその類似体の少なくとも1つを含み、他のカンナビノイドを含まないか、又は実質的に含まない。
【0038】
製剤は2つのカンナビノイドのみを含み、第1のカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)からなる群から選択され、第2のカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジバリン(CBDV)及びカンナビジバリン酸(CBDVA)からなる群から選択される。
【0039】
最も好ましくは、第1のカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)であり、第2のカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)である。
【0040】
カンナビノイドの総量は、全組成物に対して約5~80質量%、好ましくは約10~50質量%、より好ましくは約20~30質量%の量であることが好ましい。全カンナビノイドは約30質量%の量で存在し得る。
【0041】
好ましくは、カンナビノイドは、合成的に生成されるか、又はその天然源から高度に精製される(例えば、植物由来の再結晶化された形態、例えば、植物由来の再結晶化された形態のCBD)。高度に精製された原料が用いられる場合、カンナビノイドが全抽出物(w/w)の95%超、より好ましくは98%超で存在するように精製される。合成的に生成されたか又は高度に精製されたカンナビノイドの使用が有利であり、その理由は含有するワックスの量が比較的少ないからである。これは、油性製剤の形成を防止するのに役立ち、製剤の物理的安定性及び水性環境における湿潤性を高める。
【0042】
第1のカンナビノイドの第2のカンナビノイドに対する質量比は、100:1~1:100、好ましくは60:1~1:60の範囲であり得る。
【0043】
第1のカンナビノイドの第2のカンナビノイドに対する質量比は、20:1~1:20、より好ましくは5:1~1:5の範囲であることが好ましい。例えば、第1のカンナビノイドの第2のカンナビノイドに対する質量比は1:1であり得る。
【0044】
経口医薬製剤中の各カンナビノイドの単位用量は、個々に0.001~350mg、好ましくは0.1~350mg、より好ましくは1~250mgの範囲であり得る。
【0045】
例えば、錠剤又はカプセルの単位剤形では、存在する各カンナビノイドの量は、個々に0.5、1.5、2、2.5、10、25、50、100、150、200、250、300又は350mgから選択され得ることが想定される。
【0046】
製剤中に存在するカンナビノイドの総量は、全組成物に対して20~30質量%であり得る。カンナビノイドの含有量が、25、30又は35質量%等比較的高い場合でも、製剤が、室温及び室圧(本明細書において20℃及び1atmとして定義される)で安定であり、固体であることが見出された。任意の理論に拘束されることは望まないが、特に高いカンナビノイド含有量に対しては、少なくとも1つのポロキサマーが製剤の安定性に必須であると考えられる。
【0047】
溶媒
本発明による製剤は、式(I)
【0048】
【化2】
【0049】
(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C(O)CH3、OH、C(O)CH3、CH2OH及びC(O)OCH2CH3から選択され、R3は、独立して、CH3、CH2OH、OH、CH2OC(O)CH3及びCH2C(O)CH2CH3から選択され、R4は、独立して、水素及びC(O)OCH2CH3から選択される)
によって定義される溶媒を含む。
【0050】
溶媒は、ジアセチン、プロピレングリコール、トリアセチン、モノアセチン、プロピレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0051】
ジアセチンは、グリセロールジアセテートとしても知られる。
【0052】
トリアセチンはまた、1,2,3-トリアセトキシプロパン、1,2,3-トリアセチルグリセロール又はグリセロールトリアセテートとしても知られる。
【0053】
モノアセチンは、グリセロールモノアセテート又はグリセロールアセテートとしても知られる。
【0054】
クエン酸トリエチルは、クエン酸エチルエステルとしても知られる。
【0055】
プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート及びクエン酸トリエチルは好ましい溶媒である。好ましくは、溶媒はクエン酸トリエチル又はプロピレングリコールである。クエン酸トリエチルが好ましくは用いられる。
【0056】
溶媒は、全組成物に対して約10~80質量%、好ましくは約20~80質量%、より好ましくは約20~65質量%、更により好ましくは約20~50質量%、最も好ましくは約20~30質量%の量で存在し得る。溶媒は約25質量%の量で存在し得る。
【0057】
用いられる溶媒がジアセチンである場合、溶媒は全組成物に対して約20~50質量%の量で存在することが好ましい。
【0058】
用いられる溶媒がプロピレングリコールである場合、溶媒は全組成物に対して約20~30質量%の量で存在することが好ましい。
【0059】
溶媒がトリアセチンである場合、溶媒は全組成物に対して約20~50質量%の量で存在することが好ましい。
【0060】
溶媒がクエン酸トリエチルである場合、溶媒は全組成物に対して約20~50質量%、より好ましく約20~30質量%の量で存在することが好ましい。
【0061】
溶媒がプロピレングリコールジアセテートである場合、溶媒は全組成物に対して約20~50質量%の量で存在することが好ましい。
【0062】
以下に示すように、1つのポロキサマーのみが存在する場合、溶媒は全組成物に対して約45~55質量%、好ましくは45~50質量%の量で存在することが好ましい。
【0063】
特許請求される発明による溶媒又は溶媒混合物は、製剤中で唯一の溶媒であってもよい。例えば、製剤は、水を実質的に含まない、アルコールを実質的に含まない、及び/又は油を含まない可能性がある。「水を実質的に含まない」、「アルコールを実質的に含まない」及び「油を実質的に含まない」は、製剤が、全組成物に対して2質量%未満、好ましくは1質量%未満の水、アルコール及び/又は油を含むことを意味する。
【0064】
製剤は好ましくはエタノールを実質的に含まない。より好ましくは、製剤はアルコールを実質的に含まない。
【0065】
いくつかの実施形態において、製剤は小児患者、即ち18歳未満の患者に用いられる。小児患者において、製剤はアルコールを実質的に含まないことが好ましいであろう。
【0066】
製剤は、グリセロールと、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸及びドコサヘキサエン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪酸とに由来する、トリグリセリド、ジグリセリド若しくはモノグリセリド、又はこれらの混合物を実質的に含まない、又は含まない可能性があり。好ましくは、製剤は、トリグリセリド、ジグリセリド若しくはモノグリセリド又はこれらの混合物を実質的に含まない、又は含まない可能性がある。
【0067】
製剤は、水素化植物油、ナッツ油、アニス油、大豆油、水素化大豆油、アプリコット核油、トウモロコシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、アーモンド油、クルミ油、カシュー油、米糠油、ケシ油、綿実油、キャノーラ油、ゴマ油、水素化ゴマ油、ココナッツ油、アマニ油、シナモン油、チョウジ油、ナツメグ油、コリアンダー油、レモン油、オレンジ油、ベニバナ油、ココアバター、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、菜種油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ルリヂサ油、ビーズワックス、ラノリン、ワセリン、鉱物油及び鉱物軽油を実質的に含まない可能性がある。
【0068】
より好ましくは、製剤は、グリセロールと、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸及びドコサヘキサエン酸、並びにこれらの混合物とに由来する、トリグリセリド、ジグリセリド若しくはモノグリセリド、又はこれらの混合物、水素化植物油、ナッツ油、アニス油、大豆油、水素化大豆油、アプリコット核油、トウモロコシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、アーモンド油、クルミ油、カシュー油、米糠油、ケシ油、綿実油、キャノーラ油、ゴマ油、水素化ゴマ油、ココナッツ油、アマニ油、シナモン油、チョウジ油、ナツメグ油、コリアンダー油、レモン油、オレンジ油、ベニバナ油、ココアバター、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、菜種油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ルリヂサ油、ビーズワックス、ラノリン、ワセリン、鉱物油及び鉱物軽油を含まない可能性がある。
【0069】
更により好ましくは、製剤は油を含まない可能性がある。
【0070】
ポロキサマー
本発明による製剤は、少なくとも1つのポロキサマーを含む。
【0071】
ポロキサマーは式(II)、
【0072】
【化3】
【0073】
(式中、aは10~110の整数であり、bは20~60の整数である)
によって定義される。
【0074】
aが12である場合、bは20であることが好ましい。aが12であり、bが20である場合、これはポロキサマー124として知られる。
【0075】
また、aが80である場合、bは27であることが好ましい。aが80であり、bが27である場合、これはポロキサマー188として知られる。
【0076】
製剤は2つのポロキサマーを含み得る。製剤が2つのポロキサマーを含む場合、これらはポロキサマー124及びポロキサマー188であることが好ましい。
【0077】
本発明で有用な他の公知のポロキサマーはポロキサマー237(a=64及びb=37)、ポロキサマー338(a=141及びb=44)及びポロキサマー407(a=101及びb=56)である。
【0078】
公知であり本発明で有用であり得る更なるポロキサマーとしては、ポロキサマー108、ポロキサマー182、ポロキサマー183、ポロキサマー212、ポロキサマー217、ポロキサマー238、ポロキサマー288、ポロキサマー331、ポロキサマー338及びポロキサマー335が挙げられる。
【0079】
存在するポロキサマーの総量は、全組成物に対して約25~75質量%の量であり得る。好ましくは、存在するポロキサマーの総量は、全組成物に対して約25~60質量%、又は30~60質量%の範囲であり得る。より好ましくは、存在するポロキサマーの総量は約40~約50質量%である。存在するポロキサマーの総量は約45質量%であり得る。
【0080】
製剤がポロキサマー124及びポロキサマー188を含む場合、ポロキサマー124の量は全組成物に対して5質量%であり得、ポロキサマー188の量は全組成物に対して40質量%であり得る。
【0081】
場合によっては、製剤は1つポロキサマーのみを含む場合があり、ポロキサマーはポロキサマー188である。
【0082】
ポロキサマー407が用いられる場合、ポロキサマー124が存在することが好ましいことが見出された。
【0083】
本発明の製剤が優れた再水和特性を有することが見出された。製剤は迅速且つ均一に再水和する。再水和した後、製剤は優れた放出特性を有する。
【0084】
本発明の製剤は優れた安定性を有することが見出された。任意の理論に拘束されることは望まないが、製剤中少なくとも1つのポロキサマーの存在によって優れた安定性が得られると考えられる。
【0085】
追加の剤
製剤は更に香味剤、例えば、ペパーミントを含み得る。
【0086】
製剤は更に甘味剤、例えば、ショ糖を含み得る。
【0087】
製剤は、更に、酸化防止剤を、全組成物に対して好ましくは約0.001~5質量%、より好ましくは約0.001~2.5質量%の量で含み得る。
【0088】
酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、α-トコフェロール(ビタミンE)、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、システイン塩酸塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、レシチン、没食子酸プロピル、硫酸ナトリウム、モノチオグリセロール及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0089】
酸化防止剤の好ましい群としては、α-トコフェロール(ビタミンE)、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、クエン酸及びこれらの混合物がある。好ましい酸化防止剤としては、α-トコフェロール(ビタミンE)がある。
【0090】
形態
本発明による製剤は、粘膜付着性ゲル剤、錠剤、散剤、液体ゲルカプセル剤、固体カプセル剤、経口液剤、顆粒剤又は押出物からなる群から選択される経口剤形であり得る。
【0091】
好ましい製剤
本発明によるIV型経口製剤が室温及び室圧で固体であること、即ち、製剤が20℃及び1atmで固体であることが好ましい。このような製剤は、典型的には、製造中流体であり、室温で固体であり、37℃で再び流体になる。本発明の目的のために、ゲルは、固体とみなされる。
【0092】
製剤は、医薬製剤に対して、約20~65%の溶媒、及び約25~75質量%のポロキサマーを含み得る。
【0093】
製剤は、医薬製剤に対して、約20~50質量%の溶媒、及びその総量が約25~60質量%である2つのポロキサマーを含み得る。
【0094】
製剤は、医薬製剤に対して、約20~30質量%の溶媒、及びその総量が約30~60質量%である2つのポロキサマーを含み得る。
【0095】
好ましくは、製剤は、医薬製剤に対して、約20~30質量%の全カンナビノイド、約20~30質量%の溶媒、及びその総量が約30~60質量%である2つのポロキサマーを含む。
【0096】
好ましくは、製剤は、THC;CBD;ポロキサマー124及びポロキサマー188である少なくとも2つのポロキサマー;並びにクエン酸トリエチルである溶媒を含む。より好ましくは、製剤は、医薬製剤に対して、約20~30質量%の全カンナビノイド;約20~30質量%のクエン酸トリエチル;並びにポロキサマー124及びポロキサマー188であり、その総量が約30~60質量%である2つのポロキサマーを含む。
【0097】
非常に好ましい製剤において、製剤は、医薬製剤に対して、THC;約20~30質量%の全カンナビノイドの量におけるCBD;約20~30質量%のクエン酸トリエチル;α-トコフェロールである酸化防止剤;並びにポロキサマー124及びポロキサマー188であり、その総量が約40~50質量%である2つのポロキサマーを含む。この好ましい製剤において、製剤は、経口剤形の形態であり、経口剤形はカプセルである。
【0098】
好ましくは、THC;CBD;少なくとも1つのポロキサマー;式(I)
【0099】
【化4】
【0100】
(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C(O)CH3、OH、C(O)CH3、CH2OH及びC(O)OCH2CH3から選択され、R3は、独立して、CH3、CH2OH、OH、CH2OC(O)CH3及びCH2C(O)CH2CH3から選択され、R4は、独立して、水素及びC(O)OCH2CH3から選択される)
によって定義される溶媒;及び任意で酸化防止剤からなる。
【0101】
治療
製剤は、治療法における使用のため、好ましくは小児てんかんにおける使用のためのものである。
【0102】
製剤はまた、ドラベ症候群、レノックスガストー症候群、ミオクローヌス発作、若年性ミオクローヌスてんかん、難治性てんかん、統合失調症、若年性けいれん、ウェスト症候群、乳児けいれん、難治性乳児けいれん、結節性硬化症、脳腫瘍、神経因性疼痛、大麻使用障害、心的外傷後ストレス障害、不安、早期精神病、アルツハイマー病及び自閉症からなる群から選択される疾患又は障害の治療に用いられ得る。
【0103】
本発明の製剤は、ドラベ症候群、レノックスガストー症候群、ミオクローヌス発作、若年性ミオクローヌスてんかん、難治性てんかん、統合失調症、若年性けいれん、ウェスト症候群、乳児けいれん、難治性乳児けいれん、結節性硬化症、脳腫瘍、神経因性疼痛、大麻使用障害、心的外傷後ストレス障害、不安、早期精神病、アルツハイマー病及び自閉症からなる群から選択される障害を有する患者を治療する方法に有用であり得る。
【0104】
カンナビジオールが製剤中で用いられる場合、製剤は、患者の脱力、欠神又は部分発作、特に単純又は複雑発作の治療方法において有用であり得る。レノックスガストー症候群、結節性硬化症、ドラベ症候群、ドゥーゼ症候群、CDKL5、Dup 15q、ジーボンス症候群、ミオクロニー欠神てんかん、神経セロイドリポフスチン症(NCL)及び脳異常を含む病因を患う患者の発作を低減する方法で特に有効である。
【0105】
治療方法は、治療有効量の本発明による製剤又は製剤中のカンナビノイドを患者に投与する工程を含む。
【0106】
定義
「カンナビノイド」は、エンドカンナビノイド、フィトカンナビノイド、及びエンドカンナビノイドでもフィトカンナビノイドでもないもの、以下「シントカンナビノイド」を含む化合物の一群である。
【0107】
「エンドカンナビノイド」は、CB1及びCB2受容体の高親和性リガンドである、内因性カンナビノイドである。
【0108】
「フィトカンナビノイド」は、天然由来であり、大麻植物中に見出すことができるカンナビノイドである。フィトカンナビノイドは、植物性原薬を含む抽出物中に存在し得るか、単離され得るか、又は合成的に再現され得る。
【0109】
「合成カンナビノイド」は、カンナビノイド受容体(CB1及び/又はCB2)と相互作用することが可能な化合物であるが、内在的に又は大麻植物中には見出されない。例としては、WIN55212及びリモナバンが挙げられる。
【0110】
「単離されたフィトカンナビノイド」は大麻植物から抽出され、全ての付加的な成分、例えば、第2の及び微量のカンナビノイド並びに非カンナビノイド画分が除去されるような程度まで精製されたものである。
【0111】
「合成カンナビノイド」は、化学合成によって生成されたものである。この用語は、例えば、その薬学的に許容される塩を形成することによって、単離されたフィトカンナビノイドを改質することを含む。
【0112】
「実質的に純粋な」カンナビノイドは、純度95%(w/w)超で存在するカンナビノイドとして定義される。より好ましくは96%(w/w)超~97%(w/w)~98%~99%以上である。
【0113】
「高度に精製された」カンナビノイドは、大麻植物から抽出され、カンナビノイドと共抽出される他のカンナビノイド及び非カンナビノイド成分が実質的に除去される程度まで精製され、これにより高度に精製されたカンナビノイドが純度95%(w/w)以上である、カンナビノイドとして定義される。
【0114】
「植物性原薬」又は「BDS」は、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、2000年8月、薬物評価及び研究のためのアメリカ合衆国保険福祉省食品医薬品局センターにおいて「1つ又は複数の植物、藻類又は顕微鏡的真菌由来の薬物」として定義される。BDSは以下のプロセス:粉砕、煎じ出し、圧搾、水性抽出、エタノール抽出又は他の類似のプロセスのうちの1つ又は複数によって植物性原料から調製される。
【0115】
植物性原薬は、天然源由来の高度に精製された又は化学的に修飾された物質を含まない。したがって、大麻の場合、大麻植物由来のBDSは、高度に精製された薬局方グレードのカンナビノイドを含まない。
【0116】
「油」は、典型的には、疎水性と親油性の両方である単一の化合物又は化合物の混合物として定義される。例示的な油としてはトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、脂肪酸及び脂肪酸エステルが挙げられる。トリグリセリド、ジグリセリド及びモノグリセリドは、グリセロールと3、2又は1つの脂肪酸とに由来するエステルである。ジグリセリド及びトリグリセリドは、各エステル結合のために同じ脂肪酸を有していてもよく、又は異なる脂肪酸を有していてもよい。例示的な脂肪酸としては、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐状の炭素鎖を有するカルボン酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。例示的な油の混合物としては、植物及び動物性脂肪及びワックス、例えば、植物油、水素化植物油、ナッツ油、アニス油、大豆油、水素化大豆油、アプリコット核油、トウモロコシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、アーモンド油、クルミ油、カシュー油、米糠油、ケシ油、綿実油、キャノーラ油、ゴマ油、水素化ゴマ油、ココナッツ油、アマニ油、シナモン油、チョウジ油、ナツメグ油、コリアンダー油、レモン油、オレンジ油、ベニバナ油、ココアバター、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、菜種油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ルリヂサ油、ビーズワックス、ラノリン、ワセリン、鉱物油及び鉱物軽油が挙げられる。本発明の目的のために、カンナビノイドは油とみなされない。
【0117】
「アルコール」は当技術分野で標準的な意味を有する。これはエタノール、プロパノール等を含む。
【0118】
「室温及び室圧」は本明細書において20℃及び1atmとして定義される。
【実施例
【0119】
1.実施例で用いる分析手順、カンナビノイド及び添加剤
1.1.再水和(RH)手順
クラス3の無色透明ガラスバイアルに、室温(RH-RT)で20mLの注射用水を添加することによるか、又は37℃(RH-37)で20mLの注射用水を添加することによって、少なくとも1つのカンナビノイド、少なくとも1つの溶媒及び少なくとも1つのポロキサマーを含むIV型経口医薬製剤(OPF)を再水和した。バイアルを10秒間ボルテックスした。
【0120】
1.2.OPFの外観の試験
OPFの粘度、均一性及び透明性を視覚的に確認した。
【0121】
1.3.再水和したOPFの外観
再水和後、製剤を、均一性並びに粒子及び/又は再水和していないOPFの存在について視覚的に確認する。泡の存在は、カンナビノイドを再水和するために十分なポロキサマーを使用していることを示す。
【0122】
1.4.再水和流体におけるカンナビノイドの放出
再水和流体におけるカンナビノイドの放出を以下のように試験した:再水和したOPFをHPLC分析にかけた。装置:可変波長UV検出器又はダイオードアレイ検出器を備えるHPLCシステム。カラム:Ace C18-AR150×4.6mm、3μm。プレカラム:Ace C18-ARガードカートリッジ。移動相:アセトニトリル:0.25%酢酸(62%:38%)。カラム温度:38℃。流速:1.0ml分-1。検出:220nm。注入量:10μl。ランタイム25分。試料調製:試験試料を約0.15mg/mLの近似濃度で三連で正確に調製する。試料は、関連の物質又は分解物の正確な定量を確実にするように高濃度で調製され得る。0.1mLの再水和したOPFを10mLのエタノールで希釈した。10μLをHPLCシステムに注入した。
【0123】
1.5.カンナビノイド
CBD:合成、植物由来CBD含有ワックス及び植物由来再結晶化CBD(CBD-r)。植物由来CBDV及び合成CBDV。
【0124】
1.6.添加剤
Lutrol L44(BASF社、ポロキサマー124:P124)、Lutrol F68(BASF社、ポロキサマー188:P188)、Lutrol F87(BASF社、ポロキサマー237:P237)、Lutrol F108(BASF社、ポロキサマー338:P338)、Lutrol F127(BASF社、ポロキサマー407、P407)、グリセロール(Sigma社:gly)、ジアセチン(Sigma社:di)、トリアセチン(Sigma社:tri)、プロピレングリコール(Sigma社:PG)、エタノール(Fischer社)、プロピレングリコールジアセテート(Sigma社:PGDA)、クエン酸トリエチル(Sigma社:TEC)。
【0125】
1.7.溶融手順
別段記載されない限り、製剤は全て以下の方法を用いて製造した。添加剤及びカンナビノイドを容器に秤量し、溶融するまで加熱する。冷却した後、ゲルをカプセル又はバイアルに質量で充填する。ゲルの粘度は、HPMC、ゼラチン及び軟ゼラチンカプセルへの充填の柔軟性を可能にする温度の関数である。
【0126】
或いは、添加剤及びカンナビノイドを、有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、プロパノールに溶解してもよく、有機溶媒を蒸発除去してゲルをガラスバイアルに残す処理工程を用いてガラスバイアルに充填して、ゲルベースの製剤を製造してもよい。
【0127】
2.安定性
OPFの安定性をIHC指針Q1A~Q1Fに従って実施した。試料を25℃±2℃/60%RH±5%、30℃±2℃/65%RH±5%RH及び40℃±2℃/75%RH±5%で貯蔵した。OPFの安定性を上記の化学分析及び外観によって評価した。化学分析を上記の安定性を示すHPLC法によって行った。6回の反復実験を行った場合、6カ月の時点を除き、各時点の反復実験の数は3であった。試料の調製:0.1mLの再水和したOPFを10mLのエタノールで希釈し、10μLをHPLCシステムに注入した。
【0128】
以下の製剤を安定性試験における使用のために調製した。
IV型製剤(150mg/カプセル):30% w/w CBD;5% w/w P124;40% w/w P188及び25% w/w クエン酸トリエチル。
【0129】
安定性試験の目的は、製剤の品質が、様々な環境因子、例えば、温度及び湿度の影響下で時間と共にどのように変化するについての証拠を得ることである。本発明によるIV型製剤が優れた安定性を示すことを例示するために、OPFの安定性をIHC指針Q1A~Q1Fに従って実施した。
【0130】
安定性試験の結果を以下のTable 1~3(表2~4)に表す。Table 1(表2)は、25℃±2℃/60%RH±5%で貯蔵した試料のデータを示している。Table 2(表3)は、30℃±2℃/65%RH±5%で貯蔵した試料のデータを示している。Table 3(表4)は、40℃±2℃/75%RH±5%で貯蔵した試料のデータを示している。
【0131】
【表2】
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】
Table 1~3(表2~4)に示すように、本発明によるIV型製剤は、厳しい条件下、例えば、40℃±2℃/75%RH±5%でも優れた安定性を示す。40℃±2℃/75%RH±5%の貯蔵条件下でも、初期CBD含有量の98%が6カ月後に回収された。
【0135】
まとめると、本発明によるIV型製剤は優れた安定性を示すことが示された。
【0136】
3.THC及びCBDを含むOPFの安定性
THC及びCBDを含む経口医薬製剤(OPF)の安定性をIHC指針Q1A~Q1Fに従って実施した。試料を25℃±2℃/60%RH±5%及び40℃±2℃/75%RH±5%で貯蔵した。OPFの安定性を上記の化学分析及び外観によって評価した。化学分析を上記の安定性を示すHPLC法によって行った。各時点の反復実験の数は3であった。試料の調製:0.1mLの再水和したOPFを10mLのエタノールで希釈し、10μLをHPLCシステムに注入した。THC、CBD、CBE I、CBE II、OH-CBD、CBN及びRRT0.46の量を0、2及び4週間の時点で採取したアリコート中で測定した。
【0137】
安定性試験での使用のために以下の製剤を調製した。
IV型製剤(2.5mg THC:150mg CBDカプセル):0.5% w/w THC、30% w/w CBD、5% w/w ポロキサマー124、39.4% w/w ポロキサマー188、25%クエン酸トリエチル、0.1% w/w α-トコフェロール。
IV型製剤(1.5mg THC:150mg CBDカプセル):0.3% w/w THC、30% w/w CBD、5% w/w ポロキサマー124、39.6% w/w ポロキサマー188、25%クエン酸トリエチル、0.1% w/w α-トコフェロール。
【0138】
25℃±2℃/60%RH±5%で貯蔵した製剤は全て、4週間後薄黄色の固体のままであった。
【0139】
40℃±2℃/75%RH±5%で貯蔵した製剤は全て、4週間後薄黄色の固体のままであった。
【0140】
試験の結果を以下のTable 4及び5(表5及び6)に示す。
【0141】
【表5】
【0142】
【表6】
【0143】
4.貯蔵後の溶解
THCとCBDの両方を含む経口医薬製剤を、25℃±2℃/60%RH±5%及び40℃±2℃/75%RH±5%で0、2及び4週間の貯蔵後のこれらの溶解プロファイルについて試験した。OPFの1つの単位剤形(1つのカプセル)を、900mLの3%Labrasol溶液を含有するバイアルに入れた。溶液を75RPMでボルテックスした。アリコートを0、15、30及び45分間隔で採取した。カンナビノイドの放出を前述のHPLC法を用いて定量した。各時点の反復実験の数は3であった。
【0144】
溶解試験での使用のために以下の製剤を調製した。
IV型製剤(2.5mg THC:150mg CBDカプセル):0.5% w/w THC、30% w/w CBD、5% w/w ポロキサマー124、39.4% w/w ポロキサマー188、25%クエン酸トリエチル、0.1% w/w α-トコフェロール。
IV型製剤(1.5mg THC:150mg CBDカプセル):0.3% w/w THC、30% w/w CBD、5% w/w ポロキサマー124、39.6% w/w ポロキサマー188、25%クエン酸トリエチル、0.1% w/w α-トコフェロール。
【0145】
上記の貯蔵条件の両方で0、2及び4週間貯蔵した上記の製剤は全て、急速に溶解した。全てのOPFについて、100%の初期カンナビノイド量が45分後に放出され、本発明による経口医薬製剤が優れた放出特性を有することを示している。
【0146】
5.バイオアベイラビリティ
本発明によるIV型製剤がI型及びIII型製剤と比較して改善されたバイオアベイラビリティを示すことを例示するために、比較を行い、各製剤のバイオアベイラビリティを測定した。バイオアベイラビリティ試験の結果を以下のTable 6(表7)に表す。
【0147】
試験の結果を図1にも示す。示すように、本発明によるIV型製剤は、同じ濃度のCBDを有するI型及びIII型製剤と比較して改善されたバイオアベイラビリティを示す。Table 6(表7)に示すように、対象50の結果は、改善されたバイオアベイラビリティの一般的な傾向から外れるため異常であると思われる。これは、異常を含むにもかかわらず、図1にも明確に示されている。
【0148】
まとめると、脂質製剤分類システムによって分類されるIV型製剤は、CBDについて改善されたバイオアベイラビリティを示すことが示された。
【0149】
5.1.バイオアベイラビリティの測定のためのPK試験の詳細
ビーグル犬(Charles River UK社から提供)に15mg/kgの標的レベルで経口カプセル用量を投与した。使用したカプセルは、サイズ「0」のゼラチンカプセルであり、動物には、各カプセルの投与後、100mLの水フラッシュを行った。各サンプリング時間に採取した血液量は2mLであり、主として頸静脈から採取された。時折、橈側皮静脈の試料を採取した。サンプリング時間は投与から0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、12及び24時間後であった。イヌ血漿中のCBD、6-OH CBD、THC及び11 OH THCの決定を、タンデム質量分析検出を用いた逆相液体クロマトグラフィーによるタンパク質沈殿によって行った。CBDのLLOQは1ng/mLであり、代謝物は全て0.5ng/mLのLLOQを有していた。
【0150】
ヒト等価用量(HED)は、以下の式を用いて推定できる:
【0151】
【数1】
【0152】
イヌのKmは20であり、ヒトのKmは37である。
【0153】
したがって、ヒトに対しては、イヌの15mg/kg用量は、約8.1mg/kgのヒトの用量と等しい。
【0154】
5.2.バイオアベイラビリティの測定のための製剤
ジアセチンを質量で秤量してバイアルに入れ、次いでP124を上部に直接入れた。P188を秤量し、ジアセチン及びP124を含有する容器に添加した。最後に、所望される量のCBDを秤量し、容器に添加し、ボルテックスしながら溶融するまで加熱して(100℃)、均一なゲルを確保する。冷却した後(30~40℃)、ゲルをカプセル又はバイアルに質量で充填する。ゲルの粘度は、HPMC、ゼラチン及び軟ゼラチンカプセルへの充填の柔軟性を可能にする温度の関数である。室温で、CBDの用量が低いゲルは固体であるが、CBDが高充填された製剤はゲルのままであった。
【0155】
PK試験での使用のために以下の製剤を調製した。
IV型ゲル(125mg/g):12.5% w/w CBD;38% w/w P124;19% w/w P188;及び30% w/w ジアセチン。放出=99.3%。外観=固体ゲル。
IV型ゲル(250mg/g):25% w/w CBD;34% w/w P124;15% w/w P188;及び26% w/w ジアセチン。放出=97.4%。外観=透明ゲル。
【0156】
いずれのゲル製剤においても、使用したCBDは高度に精製された形態であった。
III型(i)SEDDS(250mg/g):15質量%の油、45質量%の水溶性界面活性剤及び40質量%の親水性共溶媒と共に配合したCBD。
III型(ii)SEDDS(250mg/g):31質量%の油、45質量%の水溶性界面活性剤及び24質量%の親水性共溶媒と共に配合したCBD。
【0157】
【表7】
図1