(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】物理的障壁を通じた無線信号の通信
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20231106BHJP
H01Q 3/44 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
H04W16/26
H01Q3/44
(21)【出願番号】P 2020548724
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019022987
(87)【国際公開番号】W WO2019183107
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-16
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520347775
【氏名又は名称】ピヴォタル コムウェア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ブラック エリック ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】カブチッチ マルセド
(72)【発明者】
【氏名】ドイチュ ブライアン マーク
(72)【発明者】
【氏名】カッコ アレクサンダー レムリー
(72)【発明者】
【氏名】マッキャンドレス ジェイ ハワード
(72)【発明者】
【氏名】リア アダム デロス
(72)【発明者】
【氏名】ラトリッジ ライアン デール
(72)【発明者】
【氏名】ヒッチェン シャノン リー
(72)【発明者】
【氏名】アバディ セイエド アリ マレック
(72)【発明者】
【氏名】リード ジョーダン フィリップ ドレジレク
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0195054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0373181(US,A1)
【文献】特表2009-514329(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019798(US,A1)
【文献】特表2011-507367(JP,A)
【文献】特開平09-214418(JP,A)
【文献】国際公開第2017/008851(WO,A1)
【文献】志村竜宏 他,準ミリ波帯中継器による屋内対策の一検討,2018年電子情報通信学会総合大会講演論文集 通信1,一般社団法人電子情報通信学会,2018年03月06日,p.27
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 16/26
H01Q 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔無線基地局と顧客構内設備(CPE)との間でRF無線信号を通信する方法であって、
RF通信装置を使用して、
ホログラフィックビームフォーミングアンテナである1又は2以上の外部アンテナを、前記遠隔無線基地局との間でRF無線信号を通信するように、前記遠隔無線基地局との間で前記RF無線信号を通信する前記1又は2以上の外部アンテナによって提供される波形の方向又は形状の一方又は両方を含めて構成するステップと、
1又は2以上の増幅器を使用して、アップロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供し、ダウンロードRF無線信号に別の個別に選択可能な利得を提供し、前記アップロードRF無線信号を前記遠隔無線基地局に通信し、1又は2以上の内部アンテナを使用して前記
別の個別に選択可能な利得を有する前記ダウンロードRF無線信号を前記CPEに通信するステップと、
障壁を通じた前記アップロードRF無線信号及び前記ダウンロードRF無線信号の前記
1又は2以上の外部アンテナによる通信を改善するように、前記
1又は2以上の外部アンテナの走査インピーダンスを調整するステップと、
前記アップロードRF無線信号の電力値が閾値を満たしたことに応答して、前記CPEが許可されたRF無線基地局と通信中であると判定し、前記
個別に選択可能な利得及び前記
別の個別に選択可能な利得を、前記CPEと前記許可された遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信を改善するように調整するステップと、
を含む動作を実行するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記CPEが前記許可されたRF無線基地局と通信中であると判定するステップは、前記許可された遠隔RF無線基地局との間の前記アップロード及びダウンロードRF信号の通信を改善するように前記波形の前記方向又は前記形状の一方又は両方を調整するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
個別に選択可能な利得及び前記
別の個別に選択可能な利得を提供するステップは、バイスタティック増幅器を使用して、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を同時に提供するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記個別
に選択可能な利得及び前記
別の個別
に選択可能な利得を提供するステップは、双方向増幅器を使用して、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RF通信装置は、アプリケーション又はウェブページの一方又は両方がユーザと前記RF通信装置との間の無線通信を可能にすることを可能にするステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記RF通信装置は、近視野カプラ、ガラスフィールドカプラ又は誘導カプラを含む1又は2以上のRFカプラを使用して前記障壁を通じて前記アップロード及びダウンロードRF信号を通信するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記RF通信装置は、1又は2以上のパッチアンテナ配列を使用してガラス障壁を通じて前記アップロード及びダウンロードRF信号を通信するステップを含むさらなる動作を実行し、前記1又は2以上のパッチアンテナ配列は、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号の通信中に前記ガラス障壁とのインピーダンス整合を改善するように、前記ガラスの障壁を通じた通信経路の配向から35~60度傾斜する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記RF通信装置は、自動利得制御を使用して前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記RF通信装置は、広角インピーダンス整合材料を組み込んだレードームを使用して、前記1又は2以上の外部アンテナによって通信される前記アップロード及びダウンロードRF無線信号の前記個別
に選択可能な利得を高めるステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記RF通信装置は、前記障壁を通じてアップロード及びダウンロード信号を同時に通信する際にRF分離スペーサを使用するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記RF通信装置は、前記1又は2以上のCPEを使用して、前記障壁の内側に配置された無線通信装置又は有線通信装置の一方又は両方と互換性がある通信フォーマットで前記無線信号を通信するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記RF通信装置は、前記RF通信装置のコンポーネントを全て前記障壁の外面に配置するステップ、前記RF通信装置のコンポーネントを全て前記障壁の内面に配置するステップ、或いは前記RF通信装置のコンポーネントの一部を前記外面に配置して前記RF通信装置のコンポーネントの別の部分を前記内面に配置するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記RF通信装置は、太陽電池、誘導充電器又はバッテリのうちの1つ又は2つ以上を含む1又は2以上の低電力電源を使用するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
遠隔無線基地局及び顧客構内設備(CPE)との間でRF無線信号を通信する装置であって、
ホログラフィックビームフォーミングアンテナである1又は2以上の外部アンテナと、
1又は2以上の内部アンテナと、
1又は2以上の増幅器と、
処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
前記1又は2以上の外部アンテナを、前記遠隔無線基地局との間でRF無線信号を通信するように、前記遠隔無線基地局との間で前記RF無線信号を通信する前記1又は2以上の外部アンテナによって提供される波形の方向又は形状の一方又は両方を含めて構成するステップと、
前記1又は2以上の増幅器を使用して、アップロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供し、ダウンロードRF無線信号に別の個別に選択可能な利得を提供し、前記アップロードRF無線信号を前記遠隔無線基地局に通信し、前記1又は2以上の内部アンテナを使用して前記
別の個別に選択可能な利得を有する前記ダウンロードRF無線信号を前記CPEに通信するステップと、
障壁を通じた前記アップロードRF無線信号及び前記ダウンロードRF無線信号の前記
1又は2以上の外部アンテナによる通信を改善するように、前記
1又は2以上の外部アンテナの走査インピーダンスを調整するステップと、
前記アップロードRF無線信号の電力値が閾値を満たしたことに応答して、前記CPEが許可されたRF無線基地局と通信中であると判定し、前記
個別に選択可能な利得及び前記
別の個別に選択可能な利得を、前記CPEと前記許可された遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信を改善するように個別に調整するステップと、
を含む動作を実行するように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記CPEが前記許可されたRF無線基地局と通信中であると判定するステップは、前記許可された遠隔RF無線基地局との間の前記アップロード及びダウンロードRF信号の通信を改善するように前記波形の前記方向又は前記形状の一方又は両方を調整するステップをさらに含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記1又は2以上の増幅器は、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を同時に提供するバイスタティック増幅器をさらに含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記1又は2以上の増幅器は、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供する双方向増幅器をさらに含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
ユーザがアプリケーション又はウェブページの一方又は両方を使用して前記装置と無線で通信することを可能にする無線インターフェイスをさらに備える、
請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記処理回路は、近視野カプラ、ガラスフィールドカプラ又は誘導カプラを含む1又は2以上のRFカプラを使用して前記障壁を通じて前記アップロード及びダウンロードRF信号を通信するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記処理回路は、1又は2以上のパッチアンテナ配列を使用してガラス障壁を通じて前記アップロード及びダウンロードRF信号を通信するステップを含むさらなる動作を実行し、前記1又は2以上のパッチアンテナ配列は、前記アップロード及びダウンロードRF無線信号の通信中に前記ガラス障壁とのインピーダンス整合を改善するように、前記ガラスの障壁を通じた通信経路の配向から35~60度傾斜する、
請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記処理回路は、自動利得制御を使用して前記アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供するステップを含むさらなる動作を実行する、
請求項14に記載の装置。
【請求項22】
遠隔無線基地局と顧客構内設備(CPE)との間でRF無線信号を通信するための命令を含むプロセッサ可読非一時的記憶媒体であって、RF通信装置の処理回路が前記命令を実行すると、
ホログラフィックビームフォーミングアンテナである1又は2以上の外部アンテナを、前記遠隔無線基地局との間でRF無線信号を通信するように、前記遠隔無線基地局との間で前記RF無線信号を通信する前記1又は2以上の外部アンテナによって提供される波形の方向又は形状の一方又は両方を含めて構成するステップと、
1又は2以上の増幅器を使用して、アップロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供し、ダウンロードRF無線信号に別の個別に選択可能な利得を提供し、前記アップロードRF無線信号を前記遠隔無線基地局に通信し、1又は2以上の内部アンテナを使用して前記
別の個別に選択可能な利得を有する前記ダウンロードRF無線信号を前記CPEに通信するステップと、
障壁を通じた前記アップロードRF無線信号及び前記ダウンロードRF無線信号の前記
1又は2以上の外部アンテナによる通信を改善するように、前記
1又は2以上の外部アンテナの走査インピーダンスを調整するステップと、
前記アップロードRF無線信号の電力値が閾値を満たしたことに応答して、前記CPEが許可されたRF無線基地局と通信中であると判定し、前記
個別に選択可能な利得及び前記
別の個別に選択可能な利得を、前記CPEと前記許可された遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信を改善するように調整するステップと、
を含む動作が実行される、ことを特徴とするプロセッサ可読非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年3月19日に出願された米国仮特許出願第62/645,004号、及び2018年9月12日に出願された米国仮特許出願第62/730,497号の利益を米国特許法第119条に基づいて主張する、これらの文献に基づく一般特許出願であり、これらの各文献の内容はその全体が引用によりさらに本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般に構造物の窓などの障壁の外面に配置された1又は2以上のアンテナを使用して、障壁外部の無線システムと障壁内部のユーザ装置との間の無線通信を改善することに関する。さらに、いくつかの実施形態では、これらのアンテナが、構造物内に存在するユーザとの無線通信を可能にする、障壁の内面に配置された増幅器に無線で結合される。
【背景技術】
【0003】
モバイル装置は、世界中の圧倒的多数の人々の主要な無線通信モードになった。モバイル装置は、最初の2、3世代の無線通信ネットワークでは、一般に音声通信、テキストメッセージ、及び多少の制限があるインターネットアクセスに使用されていた。新世代の無線通信ネットワークは、製品の購入、請求書の支払い、映画のストリーミング、ビデオゲームのプレイ、オンライン学習及び出会い系などの相当に多くのサービスをモバイル装置ユーザに提供できるほど十分な帯域幅の増加及び待ち時間の短縮を行ってきた。また、各新世代の無線通信ネットワークでは、一般にさらに多くの帯域幅を短い待ち時間で提供するために無線信号の周波数及び強度も高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9,385,435号明細書
【文献】米国特許第9,450,310号明細書
【文献】米国特許第9,711,852号明細書
【文献】米国特許第9,806,414号明細書
【文献】米国特許第9,806,415号明細書
【文献】米国特許第9,806,416号明細書
【文献】米国特許第9,812,779号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0127295号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0155193号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0187123号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残念ながら、無線信号の周波数が高くなればなるほど、構造物のガラス窓又は壁などの物理的障壁を通過する無線信号の減衰も大きくなる。さらに、ギガヘルツ周波数のミリメートル波形を有する無線信号を使用できる最近の第5世代(5G)無線通信ネットワークの発表以降、物理的障壁の背後に位置するモバイル装置にこれらの5G無線ネットワークへのアクセスを提供することがさらに困難になってきている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】例示的なホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)例を形成する形で電磁波を伝播するように構成された複数のバラクタ素子を含む例示的な表面散乱アンテナの実施形態を示す図である。
【
図1B】共に電磁波の物体波形を提供する基準波形及びホログラム波形(変調関数)を示す合成配列の一実施形態の表現である。
【
図1C】例示的な表面散乱アンテナの例示的な変調関数の実施形態を示す図である。
【
図1D】
図1Cの変調関数によって生成される例示的な電磁波ビームの実施形態を示す図である。
【
図2A】本発明の様々な実施形態を実施できる、ネットワーク運営センター、無線信号基地局、ネットワーク及び複数の構造物の配置を含む例示的な環境の実施形態の上面図である。
【
図2B】複数のHMA例の例示的な配置の別の実施形態の側面図である。
【
図2C】複数のHMA例の例示的な配置のさらに別の実施形態の上面図である。
【
図2D】無線信号基地局が、構造物の窓の外面に配置された1又は2以上のHMAと通信し、構造物の窓の内面に配置された電子コンポーネントが、構造物の内部に配置された顧客構内設備装置に無線信号を通信し、顧客構内設備装置が、1又は2以上の無線コンピュータ装置に無線信号を通信する概略図である。
【
図2E】無線信号基地局が、構造物の窓の内面に配置された1又は2以上のHMAと通信し、窓の内面に配置された電子コンポーネントが、構造物の内部に配置された顧客構内設備装置に無線信号を通信し、顧客構内設備装置が、構造物の内部に配置された1又は2以上の無線コンピュータ装置に無線信号を通信する概略図である。
【
図2F】無線信号基地局が、構造物の窓の外面に配置された1又は2以上のHMAと通信し、窓の外面に配置された電子コンポーネントが、構造物の内部に配置された顧客構内設備装置に無線信号を通信し、顧客構内設備装置が、構造物の内部に配置された1又は2以上の無線コンピュータ装置に無線信号を通信する概略図である。
【
図3A】
図2Aに示すようなシステムに含めることができる例示的なコンピュータ装置の実施形態を示す図である。
【
図3B】
図2Aに示すようなシステムに含めることができる例示的なクライアントコンピュータ装置の実施形態を示す図である。
【
図3C】(単複の)顧客構内設備装置から分離したRF通信装置の例示的な概要の実施形態を示す図である。
【
図3D】(単複の)顧客構内設備装置を含むRF通信装置の例示的な概要の実施形態を示す図である。
【
図3E】RF通信装置が使用するバイスタティック増幅器の例示的な概要の実施形態を示す図である。
【
図3F】アップリンク及びダウンリンクRF信号の両方に個別の垂直及び水平極性を提供するHMAから形成された外部アンテナ392の構成の実施形態を示す図である。
【
図3G】アップリンク及びダウンリンクRF信号の両方に複合垂直及び水平極性を提供するHMAから形成された外部アンテナ393の構成の実施形態を示す図である。
【
図3H】RF信号に複合垂直及び水平極性と複合アップリンク及びダウンリンク通信とを提供するパッチアンテナから形成された外部アンテナ394の構成の実施形態を示す図である。
【
図3I】ポート内に配置された1又は2以上のパッチアンテナがガラスなどの障壁を通じて通信するアップロードRF無線信号とダウンロードRF無線信号との間の結合を分離して低減できるRF分離スペーサの実施形態を示す図である。
【
図3J】レードームの使用時、WAIMを含むレードームの使用時及びレードーム未使用時の外部アンテナの利得対角度の関係を示す図である。
【
図3K】RF通信装置が使用する双方向増幅器の例示的な概要の実施形態を示す図である。
【
図4A】HMAを使用して構造物の窓を通じて5G無線信号を通信し、これらの5G無線信号を構造物内の1又は2以上のコンピュータ装置にブロードキャストする例示的な方法の論理フロー図の実施形態を示す図である。
【
図4B】アップロードRF信号の電力値を使用して、CPEとの通信を許可された無線基地局とCPEとが遠隔で通信している時点を検出する例示的な方法の論理フロー図の実施形態を示す図である。
【
図5】リレーHMA装置、リフレクタHMA装置、基地局プロキシHMA装置及びユーザHMA装置と通信するネットワーク運営センター及び無線信号基地局の配置を含む例示的な環境の実施形態を示す上面図である。
【
図6A】リレーHMA装置、基地局HMA装置又は基地局プロキシHMA装置のうちの1つ又は2つ以上とHMA波形によって通信する第1のHMAと、1又は2以上のユーザHMA装置とHMA波形によって通信するように構成された第2のHMAとを使用するリフレクタHMA装置を示す図である。
【
図6B】1又は2以上のリレーHMA装置、基地局HMA装置又は基地局プロキシHMA装置とHMA波形によって通信する第1のHMAと、1又は2以上のユーザHMA装置に通信される1又は2以上のHMA波形の閉塞を回避するために第1のHMAに対して垂直に配置された第2のHMAとを使用するリフレクタHMA装置を示す図である。
【
図7A】他のリレーHMA装置、基地局HMA装置又は基地局プロキシHMA装置のうちの1つ又は2つ以上とHMA波形によって通信する第1のHMAと、1又は2以上の他のリレーHMA装置、リフレクタHMA装置又はユーザHMA装置とHMA波形によって通信する第2のHMAとを使用するリレーHMA装置を示す図である。
【
図7B】他のリレーHMA装置、基地局HMA装置又は基地局プロキシHMA装置のうちの1つ又は2つ以上とHMA波形によって通信する第1のHMAと、1又は2以上の他のリレーHMA装置、リフレクタHMA装置又はユーザHMA装置に通信される1又は2以上のHMA波形の閉塞を回避するように第1のHMAに対して垂直に配置された第2のHMAとを使用するリレーHMA装置を示す図である。
【
図8A】他のリレーHMA装置、基地局HMA装置、又は基地局プロキシHMA装置の1又は2以上とHMA波形によって通信する第1のHMAと、1又は2以上の他のリレーHMA装置、リフレクタHMA装置又はユーザHMA装置とHMA波形によって通信する第2のHMAとを使用する基地局プロキシHMA装置を示す図である。
【
図8B】中継装置、基地局又は基地局プロキシ装置と通信する第1のHMAと、1又は2以上の他のリレーHMA装置、リフレクタHMA装置又はユーザHMA装置に通信される1又は2以上のHMA波形の閉塞を回避するように第1のHMAに対して垂直に配置された第2のHMAとを使用する基地局プロキシ装置を示す図である。
【
図9】異なるタイプのHMA装置を使用して、無線通信装置に5G無線通信を提供するHMAユーザ装置と通信する1又は2以上の無線コンピュータ装置にネットワークファブリックを通じてHMA波形によって通信する例示的な方法の論理フロー図の実施形態を示す図である。
【
図10】1又は2以上の実施形態による、許可された遠隔無線基地局と顧客構内設備とが通信している時点を受動的にモニタする例示的な方法の論理フロー図の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本明細書の一部を形成するとともに、本発明を実施できる特定の実施形態を一例として示す添付図面を参照しながら、本発明をさらに完全に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形で具体化することもでき、本明細書に示す実施形態に限定されるものとみなすべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示を徹底的かつ完全なものにして当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供するものである。とりわけ、本発明は、方法又は装置として具体化することができる。従って、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの側面を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。従って、以下の詳細な説明は限定的な意味で捉えるべきではない。
【0008】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、以下の用語は、文脈において特に指定しない限り、本明細書で明確に関連付ける意味を取る。本明細書で使用する「1つの実施形態では」という表現は、同じ実施形態を示す場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。同様に、本明細書で使用する「別の実施形態では」という表現は、異なる実施形態を示す場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。本明細書で使用する「又は(or)」という用語は、包括的「or」演算子であり、文脈で別途明示していない限り「及び/又は(and/or)」という用語に相当する。「~に基づく(based on)」という用語は排他的なものではなく、文脈で別途明示していない限り、記載していない付加的因子に基づくことができる。また、本明細書全体を通じて、「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」の意味は複数形の照応を含む。「in」の意味は、「in(~内)」及び「on(~上)」を含む。
【0009】
以下、本発明のいくつかの態様の基本的理解をもたらすために、本発明の実施形態について簡単に説明する。この簡単な説明は、広範な概要として意図するものではない。重要な又は必須の要素を特定すること、或いは範囲を示すこと又は別様に狭めることを意図するものでもない。後述するさらに詳細な説明の前置きとしていくつかの概念を簡略化した形で示すことを目的とするものにすぎない。
【0010】
簡単に言えば、本発明の様々な実施形態は、1又は2以上の遠隔無線基地局と、物理的障壁の背後に位置する1又は2以上の顧客構内設備(CPE)装置及び/又はその他の無線コンピュータ装置との間の、壁又は窓などの物理的障壁を通じた無線周波数(RF)無線信号の通信を可能にする電子RF通信装置を使用する方法、装置又はシステムに関する。1又は2以上の実施形態では、RF無線信号が、物理的障壁の背後に位置する1又は2以上の無線コンピュータ装置の外部に位置する1又は2以上の遠隔無線基地局ノードが第5世代(5G)通信プロトコルを使用してギガヘルツ周波数で伝達するミリメートル波形である。
【0011】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置が、遠隔地に位置する無線基地局との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する1又は2以上の外部(外装)アンテナと、CPEとの間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する1又は2以上の内部(内装)アンテナとを含む。
【0012】
また、1又は2以上の実施形態では、1又は2以上の増幅器が、連続する個別に選択可能な利得をアップロードRF無線信号及びダウンロードRF無線信号に同時に提供するバイスタティック増幅器を含むことができる。バイスタティック増幅器は、別個のアップロード増幅器及びダウンロード増幅器を使用して、外部アンテナがアップロードRF無線信号を放射した時には、このアップロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供し、内部アンテナがCPEにダウンロードRF無線信号を放射した時には、このダウンロードRF無線信号に別の個別に選択可能な利得を提供することを個別に行うように構成することができる。
【0013】
また、さらに他の実施形態では、1又は以上の増幅器が、アップロード及びダウンロードRF無線信号のための共通通信経路内で使用されるコンポーネント間の連続切り替えのタイミングを合わせることによってアップロード及びダウンロードRF無線信号に個別に選択可能な利得を提供する双方向増幅器を含むことができる。連続切り替えは、共通通信経路を共有しながらアップロードRF無線信号とダウンロードRF無線信号とを分離するように調整することができる。1又は2以上の実施形態では、障壁の外面に1又は2以上の外部アンテナが配置されて障壁の内面に1又は2以上の内部アンテナが配置された時に、RFカプラ(例えば、パッチアンテナ又はガラスフィールドカプラなど)が、障壁を通じてダウンロード及びアップロードRF無線信号を通信して通信チャネルを提供するように構成される。
【0014】
1又は2以上の実施形態では、顧客構内設備(CPE)を、遠隔通信キャリアによって提供される1又は2以上の遠隔通信チャネルを介して通信を提供することができる、顧客の位置及び/又は建物に位置するいずれかの端末装置及び/又は関連する通信設備とすることができる。通常、CPEは、通信事業者又は他の何らかの通信サービスプロバイダによって提供される他の通信設備から離れた構造物内の位置に設置される。CPEは、1又は2以上のIP電話機、携帯電話機、ルータ、ネットワークスイッチ、住居用ゲートウェイ、セットトップテレビボックス、又はホームネットワークアダプタなどを含むことができる。
【0015】
また、1又は2以上の実施形態では、バイスタティック増幅器を使用してアップロードRF無線信号に連続的な個別の利得を提供する場合、アップロードRF信号の電力強度(値)の変化をモニタして、許可された遠隔無線基地局とCPEとが通信している時点を判定することができる。1又は2以上の実施形態では、RF電力検出回路を使用して、アップロードRF信号の出力値を継続的に測定することができる。ダウンロードRF無線信号の存在下でRFアップロード無線信号のRF電力強度(値)が高ければ高いほど、許可された無線基地局とCPEとが現在通信している可能性も高い。
【0016】
1又は2以上の実施形態では、バイスタティックダウンロード増幅器が、いずれかの遠隔無線基地局から受け取られた無線周波数信号を連続的に増幅し、RF通信装置の存在に気付いていないCPEに放射する。この場合、CPEは、この特定のCPEとの通信を許可された遠隔無線基地局によって放射されたダウンロードRF無線信号のみにアップロードRF無線信号で応答する。一方で、1又は2以上の他の実施形態では、CPEが、RF通信装置に気付いている場合、又はRF通信装置に組み込まれている場合、ダウンロードRF信号の利得を最適化するために使用できる、ダウンロードRF信号の品質に関するフィードバックを提供することができる。
【0017】
また、1又は2以上の実施形態では、1又は2以上の閾値又は閾値範囲を使用して、測定されたRF出力の値/強度が、CPEと許可された遠隔無線基地局との間の現在の通信を十分に示す時点を判定することができる。
【0018】
また、1又は2以上の実施形態では、障壁の外側、障壁の内側、又は障壁の外側と内側との間の分割部(split)に1又は2以上の増幅器を配置することができる。また、1又は2以上の実施形態では、CPEがRF通信装置と直接一体化されている時にダウンロードRF信号及び/又はアップロードRF信号に利得を提供しないこともできる。
【0019】
1又は2以上の実施形態では、CPEがRF通信装置と直接一体化されて組み合わされる。CPEとRF通信装置とを一体化することで、電力消費量、電子コンポーネントの数を低減し、コストを低下させて信頼性を高めることができる。
【0020】
1又は2以上の実施形態では、CPEが、(RF通信装置と一体化されている場合)外部アンテナとの間でアップロードRF信号を直接通信することができる。また、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置が、構造物の内部に配置された別の通信装置に通信RF信号を中継し、この別の通信装置がさらにCPEにRF信号を中継することができる。
【0021】
1又は2以上の実施形態では、CPEが、伝えられたRF信号を、構造物の内部、障壁の背後又は車両内に配置された1又は2以上の無線通信装置(例えば、モバイル装置)と互換性のある1又は2以上の他の無線通信プロトコルを使用する他のRF信号に変換することができる。また、1又は2以上の実施形態では、CPEが、伝えられた無線信号を有線信号に変換して、これを障壁の背後又は構造物の内部に配置された1又は2以上の有線装置に伝えることもできる。これらの有線信号は、イーサネット、同軸ケーブル、赤外線又は光ファイバなどを含むいずれかの有線通信プロトコルで1又は2以上の有線装置に通信することができる。
【0022】
また、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置に組み込まれていない1又は2以上のCPEに構造物内の無線信号を伝えるために1又は2以上の内部アンテナが設けられる。さらに、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置の1又は2以上の内部アンテナがいずれかの無線又は有線通信プロトコルを使用して通信するRF無線信号を増強、提供及び/又は反復するように1又は2以上のCPEを設けることもできる。
【0023】
また、1又は2以上の実施形態では、CPEとRF通信装置との統合のレベルに応じて、RFカプラ、1又は2以上の増幅器及び/又は内部アンテナをRF通信装置から除外することもできる。CPEをRF通信装置と統合すると、冗長的な機能及びコンポーネントが排除されることによって、信頼性を高め、物理的サイズ、コンポーネントの複雑さ及び/又はコストを低減することができる。
【0024】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置のコンポーネントの全部又はほとんどを(任意にCPEも)、障壁の外面、障壁の内面、又は障壁の内側と外面との間の分割部に配置することができる。これらの異なる構成のRF通信装置及びCPEについては、それぞれ以下で
図2D、
図2E及び
図2Fに関して説明し図示する。
【0025】
また、例示的なRF通信装置の1又は2以上の実施形態の利点は、CPEに供給されるアップロード及びダウンロードRF信号(アナログ信号)をデジタル化しない点である。むしろ、アップロード及びダウンロードRF信号は、1又は2以上の遠隔無線信号基地局とCPEとの間の通信中にアナログ領域内に完全なまま維持される。遠隔無線基地局とCPEとの間で通信されるアナログRF信号にデジタル信号処理を実行する必要がないことにより、コスト、コンポーネントの複雑さ及びエネルギー消費量を低減することができる。遠隔無線基地局とCPEとの間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信するために、RF通信装置の1又は2以上の実施形態がアナログ-デジタルコンバータ、デジタルシグナルプロセッサ、デジタルコンポーネント又は周波数プロセッサなどを必要としないことは、特筆すべき利点である。
【0026】
また、図示してはいないが、RF通信装置の実施形態の1つ又は2つ以上は、例えば木材、コンクリート、複合材料及び金属などの1種類又は2種類以上の材料で形成された壁などの、窓以外のタイプの障壁に適用することもできる。これらの他のタイプの障壁と共に使用される他の実施形態では、RFカプラが、近視野装置又は誘導装置などを含む1又は2以上の異なるタイプの技術を使用して、1又は2以上の障壁を通じてRF信号を通信することができる。
【0027】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置にロケーション装置を含めることができる。ロケーション装置は、通信装置の配向、動き及び/又は位置を検出するために、ジャイロスコープ、加速度計及びGPS装置などを含むことができる。
【0028】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置に無線インターフェイスを含めて、RF通信装置の近く(局所)に物理的に存在する許可されたユーザ(例えば、顧客、管理者又は技術者)が使用する携帯電話機、タブレット又はノートブックコンピュータなどの無線装置上で実行される分析及び制御アプリケーションと通信することができる。この無線インターフェイスは、Bluetooth、Bluetooth LE、Zigbee又はWiFiなどの1又は2以上の異なる無線通信プロトコルを使用する通信を提供することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、このアプリケーションが、通信装置の動作、メトリクス、通知、トラブルシューティング情報、ソフトウェアアップデート、アップロード及びダウンロードRF信号の強度、アラート、再起動制御、RF信号走査制御、ユーザ許可又はメトリクスなどに関する異なるタイプの情報を提供することができる。
【0029】
1又は2以上の実施形態では、レードーム(radome)などの保護カバーを使用して外部アンテナのコンポーネントを保護することができる。1又は2以上の実施形態では、レードームが、プラスチック、繊維ガラス、樹脂又は複合材料などの、著しい利得の低下を伴わずにRF信号の通信を可能にする材料で形成される。さらに、1又は2以上の実施形態では、レードームを広角インピーダンス整合(WAIM)材料と組み合わせて、通信されるRF信号に外部アンテナが利得を提供できる位相角の範囲を改善することもできる。1又は2以上の実施形態では、レードームの内面及び/又は外面にWAIM材料を配置することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、レードームの少なくとも一部をWAIM材料自体で形成することもできる。
図3Jのレードーム、WAIMを含むレードーム、及びレードームなしの場合の利得対角度の関係の表現を参照されたい。
【0030】
1又は2以上の実施形態では、ガラス窓の両側に配置された2~4個のパッチアンテナの別の配列を通信装置のためのRFカプラとして使用する場合、アップロード及びダウンロードRF信号のための外部パッチアンテナ配列を、対応する内部パッチアンテナ配列の配向から物理的に35~60度傾斜させることができる。このようにすると、内部及び外部パッチアンテナ配列は、ガラス窓を通じて伝えられるアップロード及びダウンロードRF信号の波面のインピーダンス整合を改善することができ、この結果、RF信号の利得損失が減少する。
【0031】
1又は2以上の実施形態では、ガラス窓などの障壁を横切ってアップロード及びダウンロード信号を通信できるように、障壁の外面上のRFカプラが使用するパッチアンテナ配列間にRF分離スペーサを設けることができる。RF分離スペーサは、1又は2以上の異なるタイプのRF吸収材料から形成することができる。例示的なRF吸収材料としては、ピラミッド形に構成できる、制御された炭素及び/又は鉄の混合物を染み込ませたゴム入り発泡体、又はフェライト材の平板を挙げることができる。また、障壁の外面と内面との間のRF信号のアップロード及びダウンロードパッチアンテナ配列には、単独の切り欠き(ポート)も設けられる。また、アップロードRF信号とダウンロードRF信号との間の結合をさらに分離して分割するために、RF分離スペーサにスリットを形成することもできる。
図11Dを参照されたい。
【0032】
1又は2以上の実施形態では、窓障壁の内面及び外面の両側に、1又は2以上の誘導電荷(磁気ループ)カプラが配置される。この1又は2以上の誘導電荷カプラは、固定電気接続部、取り外し可能電気接続部、バッテリ又は太陽電池などの1又は2以上の電源に接続することができる。さらに、1又は2以上の誘導カプラは、1又は2以上の外部アンテナ、1又は2以上のRFカプラ、1又は2上の増幅器、1又は2以上の内部アンテナ、ロケーション装置、ローカル無線インターフェイス、処理コンポーネント又は顧客構内設備のうちの1つ又は2つ以上に電力を供給することができる。また、1又は2以上の実施形態では、電源との固定電気接続部、電源との取り外し可能電気接続部、バッテリ、太陽電池又は誘導電荷カプラなどが、1又は2以上の増幅器、1又は2以上の内部アンテナ又は顧客構内設備に直接電力を供給することもできる。
【0033】
1又は2以上の実施形態では、1又は2以上の基地局ノードが、5G、4G、3G、2G、LTE、TDMA、GPRS、CDMA、GSM、WiFi、WiMAXなどの異なるタイプの無線通信プロトコルを使用して異なるRF信号を伝えることができる。また、これらの異なるタイプの無線通信プロトコルを異なるタイプのサービスに使用することもできる。例えば、1又は2以上の外部アンテナ、1又は2以上のガラスフィールドカプラ、1又は2以上の増幅器、1又は2以上の内部アンテナ又は顧客構内設備の1又は2以上の動作の制御に使用される無線信号は、有意な帯域幅又は速度を必要としない。従って、これらの制御動作は4G又はそれ未満の通信プロトコルによって伝えることができ、これによってエネルギー消費量を抑え及び/又はコストを節約することができる。
【0034】
1又は2以上の実施形態では、構造物が、オフィスビル、ショッピングセンター、スポーツスタジアム、住居、学校、工場、図書館又は劇場などである。
【0035】
また、1又は2以上の実施形態では、外部アンテナ及び/又は内部アンテナが、1又は2以上のホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)などのホログラフィックビームフォーミングアンテナである。HMAは、制御可能な要素の配置を使用して物体波を生成することができる。また、1又は2以上の実施形態では、制御可能な要素が、2又は3以上の異なる状態を有する誘導電子回路を使用することができる。このようにして、1又は2以上の制御可能な要素の電子回路の状態を変化させることによって物体波を修正することができる。特定の物体波の個々の制御可能な要素の現在の状態を定めるには、ホログラム関数などの制御関数を使用することができる。1又は2以上の実施形態では、ホログラム関数を予め決定しておくことも、或いは様々な入力及び/又は条件に応答してリアルタイムで動的に作成することもできる。1又は2以上の実施形態では、所定のホログラム関数のライブラリを設けることができる。1又は2以上の実施形態では、本明細書で説明するビームを生成できるあらゆるタイプのHMAを使用することができる。
【0036】
例示的な動作環境
図1Aに、散乱素子に基準波105を伝送できる波動伝播構造104又はその他の構成に沿って分布する複数の散乱素子102a、102bを含む表面散乱アンテナ100(すなわち、HMA)の形を取るHMAの1つの実施形態を示す。例えば、波動伝播構造104は、マイクロストリップ、共平面導波管(coplanar waveguide)、平行板導波管(parallel plate waveguide)、誘電体ロッド又はスラブ、閉鎖又は管状導波管(closed or tubular waveguide)、基板統合導波管(substrate-integrated waveguide)、或いは構造に沿った又は構造内の基準波105の伝播を支援できる他のいずれかの構造とすることができる。波動伝播構造104には、基準波105が入射する。散乱素子102a、102bは、波動伝播構造104に組み込まれた、波動伝播構造104の表面上に配置された、又は波動伝播構造104の直近(evanescent proximity)内に配置された散乱素子を含むことができる。このような散乱素子の例としては、限定するわけではないが、米国特許第9,385,435号、第9,450,310号、第9,711,852号、第9,806,414号、第9,806,415号、第9,806,416号及び第9,812,779号及び米国特許出願公開第2017/0127295号、第2017/0155193号及び第2017/0187123号に開示されるものが挙げられ、これらの文献は全てその全体が引用により本明細書に組み入れられる。また、他のいずれかの好適なタイプ又は構成の散乱素子を使用することもできる。
【0037】
表面散乱アンテナは、基準波源(図示せず)に結合されたフィード構造108に波動伝播構造104を結合するように構成された少なくとも1つのフィードコネクタ106を含むこともできる。フィード構造108は、伝送線、導波管、又はフィードコネクタ106を介して波動伝播構造104内に発信できる電磁信号を供給できる他のいずれかの構造とすることができる。例えば、フィードコネクタ106は、同軸-マイクロストリップコネクタ(例えば、SMA-PCBアダプタ)、同軸-導波管コネクタ、モード整合遷移区間(mode-matched transition section)などとすることができる。
【0038】
散乱素子102a、102bは、1又は2以上の外部入力に応答して調整できる電磁特性を有する調整可能散乱素子である。調整可能散乱素子は、電圧入力(例えば、(バラクタ、トランジスタ、ダイオードなどの)能動素子、又は(強誘電体又は液晶などの)同調誘電材料(tunable dielectric materials)を組み込んだ素子のバイアス電圧)、電流入力(例えば、能動素子内への電荷担体の直接注入)、光学入力(例えば、光活性材料の照明)、場入力(例えば、非線形磁性材料を含む素子の磁場)、機械的入力(例えば、MEMS、アクチュエータ、油圧)などに応答して調整できる素子を含むことができる。
図1Aの概要例では、第1の電磁特性を有する第1の状態に調整された散乱素子を第1の素子102aとして示し、第2の電磁特性を有する第2の状態に調整された散乱素子を第2の素子102bとして示す。第1及び第2の電磁特性に対応する第1及び第2の状態を有する散乱素子の表現は限定を意図するものではなく、実施形態は、離散的な複数の異なる電磁特性に対応する離散的な複数の状態から選択を行うように個別に調整可能な、或いは一連の異なる電磁特性に対応する一連の状態から選択を行うように連続的に調整可能な散乱素子を提供することができる。
【0039】
図1Aの例では、散乱素子102a、102bが、第1及び第2の電磁特性の関数である基準波105との第1及び第2の結合をそれぞれ有する。例えば、第1及び第2の結合は、基準波の周波数又は周波数帯における散乱素子の第1及び第2の分極率とすることができる。第1及び第2の散乱素子102a、102bは、第1及び第2の結合に起因して、基準波105に応答してそれぞれの第1及び第2の結合の関数である(例えば、これらの結合に比例する)振幅を有する複数の散乱電磁波を生成する。散乱電磁波の重ね合わせは、この例では表面散乱アンテナ100から放射される物体波110として示す電磁波を構成する。
【0040】
図1Aには、散乱素子102a、102bの1次元配列を示す。2次元又は3次元配列を使用することもできると理解されるであろう。また、これらの配列は異なる形状を有することもできる。さらに、
図1Aに示す配列は、隣接する散乱素子間に等距離間隔が存在する散乱素子102a、102bの規則的な配列であるが、他の配列は、不規則なものとすることも、或いは隣接する散乱素子間に異なる又は可変間隔を有することもできると理解されるであろう。また、特定用途向け集積回路(ASIC)109を使用して、散乱素子102a及び102bの行の動作を制御することもできる。さらに、コントローラ110を使用して、配列の1又は2以上の行を制御する1又は2以上のASICの動作を制御することもできる。
【0041】
図1Bに示すように、散乱素子102a、102bの配列を使用して、基準波源からの基準波(Ψref)105を受け取る散乱素子に変調パターン107(例えば、ホログラム関数H)を適用することにより、所望のビームパターンに少なくとも近似する遠視野ビームパターンを生成することができる。
図1Bの変調パターン又はホログラム関数107は正弦関数として示しているが、(非反復関数又は不規則関数を含む)非正弦関数を使用することもできると理解されるであろう。
図1Cには、変調パターンの1例を示しており、
図1Dには、この変調パターンを使用して生成されるビームの1例を示す。
【0042】
少なくともいくつかの実施形態では、RFエネルギーを受け取る散乱素子102a、102bに適用すべき、所望のビームパターンの近似をもたらす変調パターンをコンピュータシステムが計算、(例えば、ルックアップテーブル又は変調パターンのデータベースから)選択、又は別様に決定する。少なくともいくつかの実施形態では、所望の遠視野ビームパターンのフィールド記述が提供され、自由空間の変換関数又は他のいずれかの好適な関数を使用して、所望の遠視野ビームパターンの放射をもたらすアンテナ開口面における物体波(Ψobj)110を決定することができる。基準波105を物体波110内に散乱させる変調関数(例えば、ホログラム関数)を決定することができる。この変調関数(例えば、ホログラム関数)を基準波105によって励起された散乱素子102a、102bに適用して物体波110の近似を形成し、これがさらに開口面から放射されて、所望の遠視野ビームパターンを少なくとも近似的に生成する。
【0043】
少なくともいくつかの実施形態では、ホログラム関数H(すなわち、変調関数)が基準波と物体波の複素共役、すなわちΨref*Ψobjに等しい。少なくともいくつかの実施形態では、例えば選択的ビーム方向(例えば、ビームステアリング)、選択的ビーム幅又は形状(例えば、広い又は狭いビーム幅を有するファンビーム又はペンシルビーム)、ヌルの選択的配置(例えば、ヌルステアリング)、複数のビームの選択的配置、選択的極性状態(例えば、線形極性、円形極性又は楕円極性)、選択的全位相、又はこれらのいずれかの組み合わせをもたらすように表面散乱アンテナを調整することができる。これとは別に、又はこれに加えて、表面散乱アンテナの実施形態は、選択的近視野放射プロファイルをもたらすように、例えば近視野集束又は近視野ヌルをもたらすように調整することもできる。
【0044】
表面散乱アンテナは、少なくともいくつかの実施形態では遠視野放射パターン又はビームを生成するように動的に調整できるホログラフィックビームフォーマとみなすことができる。いくつかの実施形態では、表面散乱アンテナが、実質的に1次元配列の散乱素子を有する実質的に1次元の波動伝播構造104を含む。他の実施形態では、表面散乱アンテナ散乱素子が、実質的に2次元配列の散乱素子を有する実質的に2次元の波動伝播構造104を含む。少なくともいくつかの実施形態では、散乱素子102a、102bの配列を使用して、例えば
図1Cに示すような狭い指向性遠視野ビームパターンを生成することができる。散乱素子102a、102bの配列を使用して他の形状のビームを生成することもできると理解されるであろう。
【0045】
これらの実施形態の少なくともいくつかでは、ホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)を使用して、5~20度の範囲の幅を有することができる狭い遠視野ビームパターンを生成することができる。ビームパターンの幅は、最も広いビームの範囲として決定することも、又は3dB減衰時の幅などの、ビームの特定の領域において定めることもできる。幅の決定には、他のいずれかの好適な方法又は定義を使用することもできる。
【0046】
いくつかの用途では(「放射パターン」とも呼ばれる)さらに広いビームパターンが望ましいが、達成可能な幅は、単一のHMAによって制限される場合も、又は単一のHMAを使用して別様に利用できない場合もある。さらに広い複合遠視野ビームパターンを生成するには、HMAの配列内に複数のHMA例を配置することができる。しかしながら、個々のHMAからの個々のビームパターンは、しばしば複合遠視野ビームパターンに交わって変化をもたらし、少なくともいくつかの例では、本発明の1又は2以上の実施形態を使用しなければ、複数のHMA例の出力の単純な組み合わせによって生成される複合遠視野ビームパターンが所望の又は意図した構成を達成しなくなると認識されるであろう。
【0047】
図2Aに、1又は2以上のネットワーク運営センター230を使用して1又は2以上の無線信号基地局にデータを経路指定し、これらの無線信号基地局が1又は2以上の無線通信装置(図示せず)に無線信号の形態でデータを通信する、1又は2以上のデータセンタ238からデータを通信するシステムの概要を示す。図示のように、1又は2以上のデータセンタ238からデータが通信され、その一部が1又は2以上のNOC230によってネットワーク232を介して1又は2以上の無線信号基地局234に経路指定され、これらの無線信号基地局234が、1又は2以上の構造物236の内部、障壁233の背後、車両235内、或いは公園、スタジアム又は野外劇場などの屋外に位置する1又は2以上の異なるタイプの無線通信装置(図示せず)との間で無線でデータを通信する。また、ネットワーク232には1又は2以上の無線クライアント装置231も結合され、これを使用して異なるタイプの無線通信装置にデータを通信することもできる。
【0048】
ネットワーク232は、無線基地局234を含む他のコンピュータ装置にネットワーク運営センターのコンピュータを結合するように構成することができる。ネットワーク232は、以下に限定するわけではないが、USBケーブル、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)などの、遠隔装置と通信するための様々な有線及び/又は無線技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク232を、ネットワークコンピュータを他のコンピュータ装置に結合するように構成されたネットワークとすることができる。様々な実施形態では、装置間で伝えられる情報が、以下に限定するわけではないが、プロセッサ可読命令、遠隔要求、サーバ応答、プログラムモジュール、アプリケーション、未加工データ、制御データ、システム情報(例えば、ログファイル)、ビデオデータ、音声データ、画像データ、テキストデータ又は構造化/未構造化データなどを含む様々な種類の情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上の技術及び/又はネットワークプロトコルを使用してこの情報を装置間で伝達することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、このようなネットワークが、様々な有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はこれらの様々な組み合わせを含むことができる。様々な実施形態では、ネットワーク232が、様々な形態の通信技術、トポロジー又はコンピュータ可読媒体などを使用して1つの電子装置から別の電子装置に情報を伝えることができる。例えばネットワーク232は、インターネットに加えて、LAN、WAN、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、キャンパスエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、(ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートなどを通じた)直接通信接続など、又はこれらの様々な組み合わせを含むことができる。
【0050】
様々な実施形態では、ネットワーク内及び/又はネットワーク間の通信リンクが、以下に限定するわけではないが、ツイストペア線、光ファイバ、オープンエアレーザー、同軸ケーブル、旧来のアナログ電話サービス(POTS)、導波管、音響、(T1、T2、T3又はT4などの)完全な又は部分的な専用デジタル回線、E回線、総合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、(衛星リンクを含む)無線リンク、又はその他のリンク及び/又は当業者に周知の回線機構を含むことができる。さらに、通信リンクは、例えばDS-0、DS-1、DS-2、DS-3、DS-4、OC-3、OC-12又はOC-48などを制限なく含む様々なデジタルシグナリング技術のうちの様々なものを使用することができる。いくつかの実施形態では、ルータ(又は他の中間ネットワーク装置)が、異なるアーキテクチャ及び/又はプロトコルに基づくものを含む様々なネットワーク間のリンクとして動作して、1つのネットワークから別のネットワークへの情報の転送を可能にすることができる。他の実施形態では、モデム及び一時的電話リンクを介して遠隔コンピュータ及び/又はその他の関連する電子装置をネットワークに接続することができる。基本的に、ネットワーク232は、コンピュータ装置間で情報を伝えることができる様々な通信技術を含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ネットワーク232が、様々なポータブルネットワーク装置、遠隔コンピュータ、有線ネットワーク又はその他の無線ネットワークなどを結合するように構成することができる様々な無線ネットワークを含むことができる。無線ネットワークは、スタンドアロン型アドホックネットワークなどにさらにオーバレイすることができる様々なサブネットワークのうちの様々なものを含んで、少なくともクライアントコンピュータにインフラ指向接続を提供することができる。このようなサブネットワークは、メッシュネットワーク、無線LAN(WLAN)ネットワーク、又はセルラーネットワークなどを含むことができる。様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、システムが複数の無線ネットワークを含むことができる。
【0052】
ネットワーク232は、複数の有線及び/又は無線通信プロトコル及び/又は技術を使用することができる。ネットワークが使用できる様々な(例えば、第3(3G)、第4(4G)又は第5(5G))世代の通信プロトコル及び/又は技術の例としては、以下に限定するわけではないが、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGSM環境(EDGE)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続2000(CDMA2000)、高速ダウンリンクパケット接続(HSDPA)、ロングタームエボリューション(LTE)、ユニバーサルモバイル遠隔通信ズシステム(UMTS)、Evolution-Data Optimized(Ev-DO)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多重化(OFDM)、超広帯域(UWB)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、オープンシステムインターコネクション(OSI)モデルプロトコルの様々な部分、セッション開始プロトコル/リアルタイム転送プロトコル(SIP/RTP)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、或いは他の様々な通信プロトコル及び/又は技術のうちの様々なものを挙げることができる。
【0053】
様々な実施形態では、ネットワーク232の少なくとも一部を、様々な通信リンクによって接続できるノード、リンク、経路、端末、ゲートウェイ、ルータ、スイッチ、ファイヤウォール、ロードバランサ、フォワーダ、リピータ又は光学-電気コンバータなどの自律システムとして構成することができる。これらの自律システムは、現在の動作状態及び/又はルールベースのポリシーに基づいて、ネットワークのネットワークトポロジーを修正できるように自己組織化するように構成することができる。
【0054】
図2Bに、中間ビーム222bのサイズ及び形状が他の2つのビーム222a、222cと実質的に異なるビーム222a、222b、222cを生成するHMA220a、220b、220cの別の配置を示す。
図2Cには、2次元配列を形成するHMA220a、220b、220c、220dのさらに別の配置を上方視点で示す。
【0055】
また、異なる時点における異なる条件のいくつかの応用では、広ビームパターン、狭ビームパターン又は複合ビームパターンなどの1又は2以上の特定の形状のビームパターンが望ましい場合もあるが、これらは単一のHMAを使用して実用化又は利用できないこともある。1又は2以上の実施形態では、著しいキャンセル又は信号損失を伴わない様々な複合、近視野及び/又は遠視野ビームパターンを生成するために、複数のHMA例をアレイ状に配置することができる。複数のHMA例の物体波は互いに干渉する恐れがあるので、所望の形状の特定のビームパターンに「近い」ビームパターンを生成するようにこれらの物体波に調整を行うことが望ましい。所望のビームパターンに対するビームパターンの「近さ」を決定するには、以下に限定するわけではないが、ビームパターン全体にわたる平均偏差(又は全偏差又は偏差の大きさの総和)、又は所望のビームパターンからのビームパターンの規定部分などを含むいずれかの好適な方法又はメトリックを使用することができる。
【0056】
1又は2以上の実施形態では、HMAの物理的配置を既存のものとすることも、或いは構築して基準波源に結合することもできる。1又は2以上の実施形態では、各HMAのホログラム関数を計算、選択、或いは別様に提供又は決定することができる。各HMAは、基準波源からの基準波に対する調整可能な電磁応答を有する動的に調整可能な散乱素子の配列を含む。HMAのホログラム関数は、HMAの散乱素子の電磁応答の調整を、基準波に応答してHMAから放出される物体波を生成するように定めることができる。HMAによって生成された物体波は、組み合わさって複合ビームを生成することができる。HMAのいずれかの配置は、いずれかの好適な方法又は技術を使用して、
図2B及び
図2Cに示す例示的な複合ビームなどの複合ビームを生成するように決定又は提供することができる。
【0057】
図2Dに、構造物236の窓238の外面に取り付けられた(1又は2以上のHMAを使用する)外部アンテナを含む1つのコンポーネント244aと、窓238の内面に取り付けられた(HMAを使用することも又はしないこともできる)内部アンテナを含む別のコンポーネント244bとを有するRF通信装置との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する遠隔無線基地局234の概要を示す。内部アンテナは、構造物236内の1又は2以上の無線コンピュータ装置242及び/又は有線装置とさらに通信する1又は2以上のCPE装置240との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する。図示してはいないが、RF通信装置は、窓238の反対側に位置して窓を通じて無線でRF無線信号を送受信するガラスフィールドカプラ(glass field couplers)を含むこともできる。図示してはいないが、RF通信装置は、窓238を通じて遠隔基地局234との間で通信されるアップロード及びダウンロードRF無線信号を増強するために設けることができる1又は2以上の増幅器を含むこともできる。さらに、RF通信装置は、窓238の反対側に配置された様々なコンポーネントに電力を供給する誘導充電器(図示せず)を含むこともできる。
【0058】
図2Eは、構造物236の窓238の内面に配置されたRF通信装置246との間でアップロード及びダウンロードRF信号を通信する遠隔無線基地局234の概略図である。図示してはいないが、RF通信装置は、遠隔基地局234との間でRF信号を通信する外部アンテナを含む。また、構造物236の内部に配置された1又は2以上のCPEとの間でRF信号を通信する内部アンテナも含まれる。CPEは、構造物236の内部に配置された1又は2以上の無線コンピュータ装置及び/又は有線装置(図示せず)と通信するように構成される。さらに、誘導充電器(図示せず)が、窓238の内面に配置された様々なコンポーネントに電力を供給する。
【0059】
図2Fは、構造物236の窓238の外面に配置されたRF通信装置248との間でアップロード及びダウンロードRF信号を通信する遠隔無線基地局234の概略図である。図示してはいないが、RF通信装置は、遠隔基地局234との間でRF信号を通信する外部アンテナを含む。また、構造物236の内部に配置された1又は2以上のCPEに窓238を通じてRF信号を伝達する内部アンテナも含まれる。CPEは、構造物236の内部に配置された1又は2以上の無線コンピュータ装置及び/又は有線装置(図示せず)と通信するように構成される。さらに、誘導充電器(図示せず)が、窓238の内面に配置された様々なコンポーネントに電力を供給する。
【0060】
例示的なコンピュータ
図3Aに、様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上を実施する例示的なシステムに含めることができる例示的なコンピュータ装置300の1つの実施形態を示す。コンピュータ装置300は、
図3Aに示すよりも多くの又は少ないコンポーネントを含むことができる。しかしながら、これらの技術革新を実施するための例示的な実施形態を開示するには、図示のコンポーネントで十分である。コンピュータ装置300は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ及びクライアントコンピュータなどを含むことができる。例えば、コンピュータ装置300は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン/タブレット、コンピュータ装置、1又は2以上のHMAのコントローラ、モバイル装置のうちの1つ又は2つ以上の一実施形態を表すことも、或いはネットワーク運営センターの一部とすることもできる。
【0061】
図3に示すように、コンピュータ装置300は、バス306を介して1又は2以上のメモリ304と通信できる1又は2以上のプロセッサ302を含む。いくつかの実施形態では、1又は2以上のプロセッサ302を、1又は2以上のハードウェアプロセッサ、1又は2以上のプロセッサコア、或いは1又は2以上の仮想プロセッサで構成することができる。いくつかの例では、1又は2以上のプロセッサのうちの1つ又は2つ以上を、本明細書で説明するような1又は2以上の特殊な動作を実行するように具体的に設計された特殊なプロセッサ又は電子回路とすることができる。コンピュータ装置300は、電源308、ネットワークインターフェイス310、データ及び命令を記憶するための非一時的プロセッサ可読固定記憶装置、データ及び命令を記憶するための非一時的プロセッサ可読取り外し可能記憶装置314、入力/出力インターフェイス316、GPSトランシーバ318、ディスプレイ320、キーボード322、オーディオインターフェイス324、ポインティングデバイスインターフェイス326、無線インターフェイス328も含むが、コンピュータ装置300は、
図3に示して本明細書で説明するよりも少ない又は多くのコンポーネントを含むこともできる。コンピュータ装置300は、電源308によって電力を供給される。
【0062】
ネットワークインターフェイス310は、コンピュータ装置300を1又は2以上の有線及び/又は無線ネットワークに結合するための回路を含み、以下に限定するわけではないが、開放型システム間相互接続モデル(OSIモデル)、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、5G、4G、3G、2G、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、WAP、超広帯域(UWB)、IEEE802.16ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)、セッション開始プロトコル/リアルタイム転送プロトコル(SIP/RTP)、又は他の様々な有線及び無線通信プロトコルのうちの様々なものの様々な部分を実装するプロトコル及び技術を含む1又は2以上の通信プロトコル及び技術と共に使用されるように構成される。ネットワークインターフェイス310は、トランシーバ、データ送受信装置、又はネットワークインターフェイスカード(NIC)としても知られている。コンピュータ装置300は、任意に遠隔基地局(図示せず)と通信し、又は別のコンピュータと直接通信することもできる。
【0063】
オーディオインターフェイス324は、人間の音声などのオーディオ信号の生成及び受信を行うように構成される。例えば、オーディオインターフェイス324は、スピーカ及びマイク(図示せず)に結合して他者との遠隔通信を可能にし、及び/又は何らかの動作についてのオーディオ確認応答を生成することができる。オーディオインターフェイス324内のマイクは、例えば音声認識を使用したコンピュータ装置300への入力又はコンピュータ装置300の制御のために使用することもできる。
【0064】
ディスプレイ320は、コンピュータと共に使用できる液晶ディスプレイ(LCD)、ガスプラズマ、電子インク、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、又はその他の様々なタイプの光反射型又は光透過型ディスプレイとすることができる。ディスプレイ320は、壁又はその他の物体に画像を投影できるハンドヘルド型プロジェクタ又はピコプロジェクタとすることもできる。
【0065】
コンピュータ装置300は、
図3に示していない外部装置又はコンピュータと通信するための入力/出力インターフェイス316を含むこともできる。入力/出力インターフェイス316は、USB(商標)、Firewire(商標)、Wi-Fi(商標)、WiMAX、Thunderbolt(商標)、赤外線、Bluetooth(商標)、Zigbee(商標)、シリアルポート及びパラレルポートなどの1又は2以上の有線又は無線通信技術を使用することができる。
【0066】
また、入力/出力インターフェイス316は、ジオロケーション情報の決定(例えば、GPS)、電力状態のモニタリング(例えば、電圧センサ、電流センサ及び周波数センサなど)、天候のモニタリング(例えば、サーモスタット、バロメータ、風速計、湿度検出器又は降水スケールなど)のための1又は2以上のセンサを含むこともできる。センサは、コンピュータ装置300の外部のデータを収集及び/又は測定する1又は2以上のハードウェアセンサとすることができる。ヒューマンインターフェイスコンポーネントは、コンピュータ装置から物理的に分離してコンピュータ装置300への遠隔入力及び/又は出力を可能にすることができる。例えば、本明細書で説明するようにディスプレイ320又はキーボード322などのヒューマンインターフェイスコンポーネントを通じて経路指定される情報は、代わりにネットワークインターフェイス310を通じて、ネットワーク上の他の箇所に配置された適切なヒューマンインターフェイスコンポーネントに経路指定することもできる。ヒューマンインターフェイスコンポーネントは、コンピュータがその人間ユーザから入力を受け取って人間ユーザに出力を送信することを可能にする様々なコンポーネントを含む。従って、マウス、スタイラス又はトラックボールなどのポインティングデバイスは、ポインティングデバイスインターフェイス326を通じて通信してユーザ入力を受け取ることができる。
【0067】
メモリ304は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び/又はその他のタイプのメモリを含むことができる。メモリ304は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報を記憶するコンピュータ可読記憶媒体(装置)の例を示す。メモリ304は、コンピュータ装置300の低水準動作を制御するための基本入力/出力システム(BIOS)330を記憶する。メモリは、コンピュータ装置300の動作を制御するためのオペレーティングシステム332も記憶する。このコンポーネントは、特定バージョンのUNIX又はLINUX(商標)などの汎用オペレーティングシステム、或いはMicrosoft社のWindows(登録商標)オペレーティングシステム、又はApple社のIOS(登録商標)オペレーティングシステムなどの専用オペレーティングシステムを含むことができると理解されるであろう。オペレーティングシステムは、Javaアプリケーションプログラムを介してハードウェアコンポーネント及び/又はオペレーティングシステムの制御を可能にするJava仮想機械モジュールを含み、又はこれに接続することができる。同様に、他のランタイム環境を含めることもできる。
【0068】
メモリ304は、コンピュータ装置300がとりわけアプリケーション336及び/又はその他のデータを記憶するために利用できる1又は2以上のデータストレージ334をさらに含むことができる。例えば、データストレージ334は、コンピュータ装置300の様々な能力を記述する情報を記憶するために使用することもできる。様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、データストレージ334が、ホログラム関数情報335又はビーム形状情報337を記憶することができる。その後、ホログラム関数情報335又はビーム形状情報337は、通信中にヘッダの一部として送信すること、又は要求時に送信することなどを含む様々な方法のうちの様々なものに基づいて別の装置又はコンピュータに提供することができる。データストレージ334は、アドレス帳、友人リスト、別名又はユーザプロファイル情報などを含むソーシャルネットワーキング情報を記憶するために使用することもできる。データストレージ334は、プロセッサ302などの1又は2以上のプロセッサが後述する動作などの動作を実行及び遂行するために使用するプログラムコード、データ及びアルゴリズムなどをさらに含むことができる。1つの実施形態では、データストレージ334の少なくとも一部を、以下に限定するわけではないが、非一時的プロセッサ可読固定記憶装置312、プロセッサ可読取り外し可能記憶装置314、或いはコンピュータ装置300内又はコンピュータ装置300外の他の様々なコンピュータ可読記憶装置内の非一時的媒体を含む、コンピュータ装置300の別のコンポーネントに記憶することもできる。
【0069】
アプリケーション336は、コンピュータ装置300によって実行された場合にメッセージ(例えば、SMS、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、インスタントメッセージ(IM)、電子メール及び/又はその他のメッセージ)を送信、受信及び/又は別様に処理して別のモバイルコンピュータの別のユーザとの遠隔通信を可能にするコンピュータ実行可能命令を含むことができる。アプリケーションプログラムの他の例としては、カレンダ、検索プログラム、電子メールクライアントアプリケーション、IMアプリケーション、SMSアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)アプリケーション、コンタクトマネージャ、タスクマネージャ、トランスコーダ、データベースプログラム、文書処理プログラム、セキュリティアプリケーション、スプレッドシートプログラム、ゲーム及び検索プログラムなどが挙げられる。アプリケーション336は、以下でさらに説明する動作を実行するホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、クラウドベースの管理エンジン348及び/又は分析及び制御エンジン349を含むことができる。様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、これらのアプリケーションのうちの1つ又は2つ以上を別のアプリケーションのモジュール及び/又はコンポーネントとして実装することができる。さらに、様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、これらのアプリケーションをオペレーティングシステムの拡張機能、モジュール又はプラグインなどとして実装することもできる。
【0070】
さらに、様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、クラウドベースの管理エンジン348及び/又は分析及び制御エンジン349などの特殊なアプリケーションが、本明細書で説明する特殊な動作をネットワークコンピュータ環境において実行するように動作することができる。様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、ローカルネットワーク、ワイドエリアネットワークなどのネットワーク環境又はクラウドベースのコンピュータ環境において管理できる仮想機械及び/又は仮想サーバ内でこれらの及びその他のアプリケーションを実行することができる。様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、これに関連して、クラウドコンピュータ環境によって自動的に管理される性能及びスケーリング問題に応じて、アプリケーションがクラウドベースの環境内の1つの物理的コンピュータ装置から別の物理的コンピュータ装置に移動することができる。同様に、様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、クラウドベースの管理エンジン348及び/又は分析及び制御エンジン349に特化した仮想機械及び/又は仮想サーバを自動的に設定及び廃止(de-commissioned)することができる。
【0071】
1又は2以上の実施形態では、顧客、管理者又は技術者などの異なるタイプのユーザが遠隔分析及び制御エンジン349を使用して、ウェブページ及び/又はアプリケーションがRF通信装置に関する異なるタイプのセキュリティ、制御及び/又は情報を提供できるようにすることができる。この情報は、メトリクス、通知、トラブルシューティング情報、ソフトウェアアップデート、アップロード及びダウンロードRF信号の強度、アラート、再起動制御、RF信号走査制御、ユーザ許可又はメトリクスなどを含むことができる。
【0072】
また、様々な実施形態のうちの1つ又は2つ以上では、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、クラウドベースの管理エンジン348又は分析及び制御エンジン349などを、1又は2以上の特定の物理的コンピュータ装置に縛り付けるのではなく、ネットワークコンピュータ環境で動作する仮想サーバ内に配置することもできる。
【0073】
さらに、コンピュータ装置300は、鍵、デジタル署名、パスワード、パスフレーズ又は2要素認証情報などのセキュリティ/暗号情報を生成、記憶及び/又は使用するためのさらなる不正防止対策を提供するHSM328を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアセキュリティモジュールを使用して1又は2以上の標準公開鍵インフラストラクチャ(PKI)をサポートし、鍵ペアの生成、管理及び/又は記憶などを行うことができる。いくつかの実施形態では、HSM328をスタンドアロン型コンピュータ装置とすることができ、他の例では、HSM328を、コンピュータ装置にインストールできるハードウェアカードとして構成することができる。
【0074】
また、(図示していない)1又は2以上の実施形態では、コンピュータ装置が、1又は2以上のCPUの代わりに、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、又はこれらの組み合わせなどの1又は2以上の埋め込みロジックハードウェア装置を含むこともできる。埋め込みロジックハードウェア装置は、埋め込みロジックを直接実行して動作を実行することができる。また、(図示していない)1又は2以上の実施形態では、コンピュータ装置が、CPUの代わりに1又は2以上のハードウェアマイクロコントローラを含むこともできる。1又は2以上の実施形態では、1又は2以上のマイクロコントローラが、独自の埋め込みロジックを直接実行して動作を実行するとともに、システムオンチップ(SOC)などの独自の内部メモリ及び独自の外部入力及び出力インターフェイス(例えば、ハードウェアピン及び/又は無線トランシーバ)にアクセスして動作を実行することができる。
【0075】
例示的なクライアントコンピュータ
図3Bに、図示のコンポーネントよりも多くの又は少ないコンポーネントを含むことができるクライアントコンピュータ350の1つの実施形態を示す。クライアントコンピュータ350は、例えば
図2Aに示すモバイルコンピュータ又はクライアントコンピュータの少なくとも1つの実施形態を表すことができる。
【0076】
クライアントコンピュータ350は、バス360を介してメモリ352と通信するプロセッサ351を含むことができる。クライアントコンピュータ350は、電源361、ネットワークインターフェイス362、オーディオインターフェイス374、ディスプレイ371、キーパッド372、照明器373、ビデオインターフェイス367、入力/出力インターフェイス365、触覚インターフェイス378、全地球測位システム(GPS)受信機375、オープンエアジェスチャインターフェイス376、温度インターフェイス377、(単複の)カメラ367、プロジェクタ370、ポインティングデバイスインターフェイス379、プロセッサ可読固定記憶装置363、及びプロセッサ可読取り外し可能記憶装置364を含むこともできる。クライアントコンピュータ350は、任意に基地局(図示せず)と通信し、又は別のコンピュータと直接通信することもできる。電源361は、クライアントコンピュータ350に電力を供給することができる。充電式又は非充電式バッテリを使用して電力を供給することもできる。電力は、バッテリの補完又は再充電を行うACアダプタ又は電動ドッキングクレードル(powered docking cradle)などの外部電源によって供給することもできる。
【0077】
ネットワークインターフェイス362は、クライアントコンピュータ350を1又は2以上のネットワークに結合する回路を含み、以下に限定するわけではないが、移動体通信のためのOSIモデル(GSM)、CDMA、時分割多元接続(TDMA)、UDP、TCP/IP、SMS、MMS、GPRS、WAP、UWB、WiMAX、SIP/RTP、GPRS、EDGE、WCDMA、LTE、UMTS、OFDM、CDMA2000、EV-DO、HSDPA、又はその他の様々な無線通信プロトコルのいずれかの部分を実装するプロトコル及び技術を含む1又は2以上の通信プロトコル及び技術と共に使用されるように構成される。ネットワークインターフェイス362は、トランシーバ、データ送受信装置又はネットワークインターフェイスカード(NIC)としても知られている。
【0078】
オーディオインターフェイス374は、人間の音声などのオーディオ信号の生成及び受信を行うように構成することができる。例えば、オーディオインターフェイス324は、スピーカ及びマイク(図示せず)に結合して他者との遠隔通信を可能にし、又は何らかの動作についてのオーディオ確認応答を生成することができる。オーディオインターフェイス374のマイクは、例えば音声認識の使用及び音に基づくタッチの検出などによるクライアントコンピュータ350への入力又はクライアントコンピュータ350の制御のために使用することもできる。
【0079】
ディスプレイ371は、コンピュータと共に使用できる液晶ディスプレイ(LCD)、ガスプラズマ、電子インク、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、又はその他のいずれかのタイプの光反射型又は光透過型ディスプレイとすることができる。ディスプレイ371は、スタイラス又は人間の手指などの物体からの入力を受け取るように構成されたタッチインターフェイス368を含むこともでき、抵抗性、容量性、表面音響波(SAW)、赤外線、レーダー又はその他の技術を使用してタッチ又はジェスチャを感知することができる。
【0080】
プロジェクタ370は、離れた壁、又は離れた画面などの他のいずれかの反射物体に画像を投影することができる遠隔ハンドヘルド式プロジェクタ又は一体型プロジェクタとすることができる。
【0081】
ビデオインターフェイス367は、静止画像、ビデオセグメント又は赤外線ビデオなどのビデオ画像を取り込むように構成することができる。例えば、ビデオインターフェイス367は、デジタルビデオカメラ又はウェブカメラなどに結合することができる。ビデオインターフェイス367は、レンズ、画像センサ及びその他の電子機器を含むことができる。画像センサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路、電荷結合素子(CCD)、又は光を感知するための他のいずれかの集積回路を含むことができる。
【0082】
キーパッド372は、ユーザからの入力を受け取るように構成されたいずれかの入力装置を含むことができる。例えば、キーパッド372は、プッシュボタン数字ダイヤル又はキーボードを含むことができる。キーパッド372は、画像の選択及び送信に関連するコマンドボタンを含むこともできる。
【0083】
照明器373は、状態表示又は光を提供することができる。照明器373は、特定の期間にわたって又はイベントメッセージに応答してアクティブな状態を保つことができる。例えば、照明器373は、アクティブである場合、キーパッド372上のボタンをバックライト照明して、クライアントコンピュータが駆動している間その状態を保つことができる。また、照明器373は、別のクライアントコンピュータにダイヤルすることなどの特定の動作が実行された時に、これらのボタンを様々なパターンでバックライト照明することもできる。照明器373は、クライアントコンピュータの透明又は半透明ケース内に存在する光源が動作に応答して点灯できるようにすることもできる。
【0084】
さらに、クライアントコンピュータ350は、鍵、デジタル署名、パスワード、パスフレーズ又は2要素認証情報などのセキュリティ/暗号情報を生成、記憶及び/又は使用するためのさらなる不正防止対策を提供するハードウェアセキュリティモジュール(HSM)369を含むこともできる。いくつかの実施形態では、ハードウェアセキュリティモジュールを使用して1又は2以上の標準公開鍵インフラストラクチャ(PKI)をサポートし、鍵ペアの生成、管理又は記憶などを行うことができる。いくつかの実施形態では、HSM369をスタンドアロン型コンピュータとすることができ、他の例では、HSM369を、クライアントコンピュータに追加できるハードウェアカードとして構成することができる。
【0085】
クライアントコンピュータ350は、外部周辺装置又は他のクライアントコンピュータ及びネットワークコンピュータなどの他のコンピュータと通信するための入力/出力インターフェイス36を含むこともできる。周辺装置は、オーディオヘッドセット、仮想現実ヘッドセット、ディスプレイ画面メガネ、遠隔スピーカシステム、遠隔スピーカ及びマイクシステムなどを含むことができる。入力/出力インターフェイス365は、ユニバーサルシリアルバス(USB)、赤外線、WiFi、WiMAX、Bluetooth(商標)などの1又は2以上の技術を使用することができる。
【0086】
入力/出力インターフェイス365は、ジオロケーション情報の決定(例えば、GPS)、電力状態のモニタリング(例えば、電圧センサ、電流センサ及び周波数センサなど)、天候のモニタリング(例えば、サーモスタット、バロメータ、風速計、湿度検出器又は降水スケールなど)のための1又は2以上のセンサを含むこともできる。センサは、クライアントコンピュータ350の外部のデータを収集又は測定する1又は2以上のハードウェアセンサとすることができる。
【0087】
触覚インターフェイス378は、クライアントコンピュータのユーザに触覚フィードバックを提供するように構成することができる。例えば、コンピュータの別のユーザが呼び出しを行っている時に、触覚インターフェイス378を使用してクライアントコンピュータ350を特定の方法で振動させることができる。温度インターフェイス377は、クライアントコンピュータ350のユーザに温度測定入力又は温度変化出力を提供するために使用することができる。オープンエアジェスチャインターフェイス376は、例えばユーザが保持又は装着したコンピュータ内の単一又は立体ビデオカメラ、レーダー、ジャイロスコープセンサを使用することによって、クライアントコンピュータ350のユーザの物理的ジェスチャを感知することができる。1又は2以上のカメラ366は、顔認識法を使用してユーザの識別、ユーザの物理的な眼の動きの追跡、或いは写真(画像)又はビデオの撮影を行うためにアプリケーションが使用することができる。
【0088】
GPS装置375は、地球表面上のクライアントコンピュータ350の物理的座標を特定することができ、通常は緯度値及び経度値として位置を出力する。GPS装置375は、以下に限定するわけではないが、三角測量法、補助GPS(AGPS)、強化観測時間差(Enhanced Observed Time Difference:E-OTD)、セル識別子(CI)、サービスエリア識別子(SAI)、強化タイミングアドバンス(ETA)又は基地局サブシステム(BSS)などを含む他のジオポジショニング機構を使用して、地球表面上のクライアントコンピュータ350の物理的位置をさらに特定することもできる。GPS装置375は、ジャイロスコープを使用して方向を特定し、及び/又は加速度計を使用してクライアントコンピュータ350の動きを特定することもできると理解される。しかしながら、1又は2以上の実施形態では、クライアントコンピュータ350が、他のコンポーネントを通じて、例えば媒体アクセス制御(MAC)アドレス及びIPアドレスなどを含む、クライアントコンピュータの物理的位置を特定するために使用できる他の情報を提供することもできる。
【0089】
ヒューマンインターフェイスコンポーネントは、クライアントコンピュータ350から物理的に分離してクライアントコンピュータ350への遠隔入力又は出力を可能にする周辺装置とすることができる。例えば、本明細書で説明するようにディスプレイ371又はキーパッド372などのヒューマンインターフェイスコンポーネントを通じて経路指定される情報は、代わりにネットワークインターフェイス362を通じて、離れた場所に配置された適切なヒューマンインターフェイスコンポーネントに経路指定することができる。離れた場所に配置できるヒューマンインターフェイス周辺コンポーネントの例としては、以下に限定するわけではないが、オーディオ装置、ポインティングデバイス、キーパッド、ディスプレイ、カメラ、プロジェクタなどが挙げられる。これらの周辺コンポーネントは、Bluetooth(商標)及びZigbee(商標)などのピコネットワークを介して通信することができる。このような周辺ヒューマンインターフェイスコンポーネントを含むクライアントコンピュータの1つの非限定的な例には、離れて位置するクライアントコンピュータと遠隔的に通信する遠隔ピコプロジェクタ及び1又は2以上のカメラを含み、ピコプロジェクタによって壁又はユーザの手などの反射面上に投影された画像部分に向けられたユーザのジェスチャを感知できるウェアラブルコンピュータがある。
【0090】
クライアントコンピュータ350は、
図3C及び
図3Dに示すようなRF通信装置の性能の主要性能評価指標(KPI)を遠隔的に提供するように構成することができる分析及び制御アプリ357を含むことができる。KPIは、遠隔無線基地局、リフレクタ、基地局プロキシ又は顧客構内設備との間で通信される無線信号のアップロード帯域幅、ダウンロード帯域幅、強度を含むことができる。また、アプリ357は、異なるタイプのユーザ(例えば、技術者及び顧客など)が表示されたインターフェイスを使用して技術的課題を素早く識別して解決し、遠隔無線基地局との最適な無線通信リンクを提供するRF通信装置の配向を支援することなどを許可して可能にすることができる。このアプリは、RF通信装置の動作の1又は2以上の態様を改善するような特定の性能パラメータの調整を可能にすることもできる。1又は2以上の実施形態では、アプリ357が、Bluetooth、WiFi、又は他のいずれかの無線又は有線通信リンクを使用してRF通信装置と通信することができる。
【0091】
クライアントコンピュータ350は、ウェブページ、ウェブベースのメッセージ、グラフィクス、テキスト及びマルチメディアなどを送受信するように構成されたウェブブラウザアプリケーション359を含むことができる。クライアントコンピュータのブラウザアプリケーションは、無線アプリケーションプロトコルメッセージ(WAP)などを含む実質的にあらゆるプログラミング言語を使用することができる。1又は2以上の実施形態では、ブラウザアプリケーションが、ハンドヘルド装置マークアップ言語(HDML)、無線マークアップ言語(WML)、WMLScript、JavaScript、汎用マークアップ言語(SGML)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張可能マークアップ言語(XML)及びHTML5などを使用することができる。
【0092】
メモリ352は、RAM、ROM、又はその他のタイプのメモリを含むことができる。メモリ352は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報を記憶するコンピュータ可読記憶媒体(装置)の例を示す。メモリ352は、クライアントコンピュータ350の低水準動作を制御するためのBIOS354を記憶することができる。メモリは、クライアントコンピュータ350の動作を制御するためのオペレーティングシステム353を記憶することもできる。このコンポーネントは、特定バージョンのUNIX又はLINUX(商標)などの汎用オペレーティングシステム、或いはWindowsPhone(商標)、Apple iOS(商標)又はSymbian(登録商標)オペレーティングシステムなどの専用クライアントコンピュータ通信オペレーティングシステムを含むことができると理解されるであろう。オペレーティングシステムは、Javaアプリケーションプログラムを介してハードウェアコンポーネント又はオペレーティングシステムの制御を可能にするJava仮想機械モジュールを含み、又はこれに接続することもできる。
【0093】
メモリ352は、クライアントコンピュータ350がとりわけアプリケーション356及び/又はその他のデータを記憶するために利用できる1又は2以上のデータストレージ355をさらに含むことができる。例えば、データストレージ355は、クライアントコンピュータ350の様々な能力を記述する情報を記憶するために使用することもできる。その後、この情報は、通信中にヘッダの一部として送信すること、又は要求時に送信することなどを含む様々な方法のうちのいずれかに基づいて別の装置又はコンピュータに提供することができる。データストレージ355は、アドレス帳、友人リスト、別名又はユーザプロファイル情報などを含むソーシャルネットワーキング情報を記憶するために使用することもできる。データストレージ355は、プロセッサ351などのプロセッサが動作を実行及び遂行するために使用するプログラムコード、データ及びアルゴリズムなどを含むことができる。1つの実施形態では、データストレージ355の少なくとも一部を、以下に限定するわけではないが、非一時的プロセッサ可読取り外し可能記憶装置364、プロセッサ可読固定記憶装置363を含む、クライアントコンピュータ350の別のコンポーネント、又はクライアントコンピュータの外部に記憶することもできる。
【0094】
アプリケーション356は、クライアントコンピュータ350によって実行された時に命令及びデータを送信、受信又は別様に処理するコンピュータ実行可能命令を含むことができる。例えば、アプリケーション356は、分析及び制御アプリ357、他のクライアントアプリケーション358、又はウェブブラウザ359などを含むことができる。クライアントコンピュータは、アプリケーションサーバ又はネットワークモニタリングコンピュータとの間で、クエリ、検索、メッセージ、通知メッセージ、イベントメッセージ、アラート、性能メトリクス、ログデータ、APIコール又はこれらの組み合わせなどの通信をやりとりするように構成することができる。
【0095】
アプリケーションプログラムの他の例としては、カレンダ、検索プログラム、電子メールクライアントアプリケーション、IMアプリケーション、SMSアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)アプリケーション、コンタクトマネージャ、タスクマネージャ、トランスコーダ、データベースプログラム、文書処理プログラム、セキュリティアプリケーション、スプレッドシートプログラム、ゲーム及び検索プログラムなどが挙げられる。
【0096】
また、(図示していない)1又は2以上の実施形態では、クライアントコンピュータ350が、CPUの代わりに、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、又はこれらの組み合わせなどの1又は2以上の埋め込みロジックハードウェア装置を含むこともできる。この埋め込みロジックハードウェア装置は、埋め込みロジックを直接実行して動作を実行することができる。また、(図示していない)1又は2以上の実施形態では、クライアントコンピュータ200が、CPUの代わりに1又は2以上のハードウェアマイクロコントローラを含むこともできる。1又は2以上の実施形態では、マイクロコントローラが、独自の埋め込みロジックを直接実行して動作を実行するとともに、システムオンチップ(SOC)などの独自の内部メモリ及び独自の外部入力及び出力インターフェイス(例えば、ハードウェアピン又は無線トランシーバ)にアクセスして動作を実行することができる。
【0097】
例示的な概要
図3Cに、CPE装置(図示せず)から分離したRF通信装置388Aの例示的な概要の実施形態を示す。上述したように、RF通信装置388Aは、障壁の外面に位置する主要コンポーネントの全てと、障壁の内面に位置するコンポーネントの全てと、障壁の外面に位置する外部アンテナ380を含むRF通信装置のコンポーネントの一部及び障壁の内面に位置する内部アンテナ383を含むこれらのコンポーネントの別の部分とで構成することができる。
【0098】
1又は2以上の実施形態では、外部アンテナ380が、HMAなどの走査アレイアンテナを使用して、遠隔地に位置する無線基地局(図示せず)との間でアップロード及びダウンロードRF信号を通信する。RF通信装置388Aがガラス窓などの障壁の内面に位置する場合、外部アンテナ380は、ガラスの障壁を通じて遠隔無線基地局にアップロード及びダウンロードRF信号を通信するように配置される。
【0099】
1又は2以上の例示的な実施形態では、外部アンテナ380が、HMAが使用するHMA波形を、ガラス窓を通じた遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF信号の通信中のガラス窓の走査インピーダンスに起因する利得の低下を補償するように調整することができる。走査インピーダンスは、ガラスの厚み、ガラスの屈折率、ガラスの層又はガラス上のコーティングなどを含む1又は2以上の要因によって生じることがある。1又は2以上の実施形態では、走査インピーダンスの補償が、遠隔無線基地局との最も強いRF信号通信をもたらすHMA波形の方向を検出し、その後にHMAを使用して放射RF信号の波面の走査インピーダンスを調整することを含む。1又は2以上の実施形態では、HMAの散乱素子を制御する1又は2以上のバラクタへのバイアス電圧を、伝達されるRF信号の利得を高めるように調整することができる。
【0100】
1又は2以上の実施形態では、内部アンテナ383を、アップロード及びダウンロードRF信号をCPEに向けて伝達するパッチアンテナの配列として構成することができる。しかしながら、1又は2以上の実施形態では、内部アンテナ383を、スタジアム、工場、組立棟(assembly buildings)又はコンサートホールなどで見られるような比較的長い距離を横切って遠隔的に配置されたCPEにアップロード及びダウンロードRF信号を伝えるように、パッチアンテナ配列の代わりにHMAで構成することもできる。また、遠隔地に配置されたCPEに到達するように、中継装置又はリフレクタ装置のうちの1つ又は2つ以上を使用して、大型構造物の内部でアップロード及びダウンロードRF信号を伝達できる距離をさらに延ばすこともできる。また、1又は2以上の実施形態では、CPEが、RF通信装置との間でアップロード及びダウンロードRF通信信号を通信するために、HMAなどのビームフォーミングアンテナを含むこともできる。
【0101】
無線インターフェイス387を使用すると、Bluetooth、Bluetooth LE、Zigbee、WiFi、LTE、CDMA、GSM、TDMAなどの1又は2以上の異なるタイプの1又は2以上の異なる無線通信プロトコルを使用して様々な機能を実行することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、ウェブページ及び/又はアプリケーションが、無線インターフェイス387を使用して、RF通信装置388Aに関する異なるタイプのセキュリティ、制御及び/又は情報を提供することができる。この情報は、メトリクス、通知、トラブルシューティング情報、ソフトウェアアップデート、アップロード及びダウンロードRF信号の強度、アラート、再起動制御、RF信号走査制御、ユーザ許可又はメトリクスなどを含むことができる。1又は2以上の実施形態では、無線インターフェイス387を使用して、CPEとRF通信装置388Aとの間の帯域内(inband)無線通信チャネルを確立することができる。別の実施形態では、無線インターフェイス387を使用して、技術者とRF通信装置388Aとの間の帯域外(out of band)無線通信チャネルを確立することができる。また、さらに別の実施形態では、無線インターフェイス387を使用して、ネットワーク運営センター、データセンタ又は無線基地局などに位置する分析及び制御エンジンなどの1又は2以上のアプリケーションとの間の帯域外無線通信を確立することもできる。
【0102】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置388Aが障壁の外面上に物理的に位置する場合、或いはRF通信装置のコンポーネントの一部が外面上に位置してRF通信装置のコンポーネントの別の部分が障壁の内面上に位置する場合に、ガラス窓などの障壁を通じてアップロード及びダウンロードRF信号を通信するために任意にRFカプラ381を含めることができる。しかしながら、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置388Aが完全に障壁の内面上に位置する場合、RF通信装置と共にRFカプラ381を含めないこともできる。
【0103】
1又は2以上の実施形態では、任意にRF通信装置388Aと共にロケーション装置384を含めることができる。ロケーション装置384は、RF通信装置388Aの配向、動き及び/又は位置を検出するために、ジャイロスコープ、加速度計及びGPS装置などを含むことができる。1又は2以上の実施形態では、技術者がロケーション装置384を使用して、RF通信装置388Aの設置方向を、遠隔地に位置する無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF信号の通信を最適化するように定めることができる。
【0104】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置388Aが障壁の外面上に物理的に位置する場合、或いはRF通信装置のコンポーネントの一部が外面上に位置してRF通信装置のコンポーネントの別の部分が障壁の内面上に位置する場合に電力を供給するために、任意に誘導充電器386を含めることができる。図示してはいないが、1又は2以上の実施形態では、1又は2以上のソーラーパネルを使用してRF通信装置388Aに電力を供給することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置388Aが完全に障壁の内面上に位置する場合、構造物の内部に存在する電源コンセントによって直接電力を供給することもできる。
【0105】
1又は2以上の実施形態では、RF通信装置388A、及びRF通信装置と共に含まれるコンポーネントのうちの1つ又は全部の動作を制御及び/又は管理するために処理コンポーネント385が使用される。1又は2以上の実施形態では、処理回路385が、プロセッサ、メモリ、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0106】
1又は2以上の実施形態では、増幅器382が、アップロードRF無線信号及びダウンロードRF無線信号に連続的な個別の利得を同時に提供するバイスタティック増幅器を含むことができる。バイスタティック増幅器は、別個のアップロード及びダウンロード増幅器を使用して、アップロード無線信号が外部アンテナによって放射される際にアップロード無線信号に1つの利得を提供し、ダウンロード無線信号が内部アンテナによってCPEに放射される際にダウンロード無線信号に別の利得を提供するように構成される。また、さらに他の実施形態では、双方向増幅器が、これらのアップロード及びダウンロード無線信号の通信を分離してタイミングを合わせることにより、アップロード及びダウンロードRF無線信号に個別の利得を提供する。
【0107】
図3Dに、CPE389を含むRF通信装置388Bの例示的な概要の実施形態を示す。図示してはいないが、CPE389は、外部アンテナ380から直接ダウンロードRF信号を受け取るように構成することができるので、増幅器382は、アップロードRF無線信号に利得を提供してダウンロードRF無線信号に利得を提供しないように構成することができる。また、RF通信装置388Bのコンポーネントとして内部アンテナは含まれない。また、外部アンテナ380、RFカプラ381、ロケーション装置384、処理回路385、誘導充電器386及び無線インターフェイス387は、RF通信装置388Aについて上述した
図3Cに示すものと実質的に同様に構成される。
【0108】
図3Eに、RF通信装置が使用するバイスタティック増幅器382Aの例示的な概要の実施形態を示す。外部アンテナ380Aは、遠隔地に位置する無線基地局(図示せず)との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を同時に通信するように構成される。同様に、内部アンテナ383Aは、CPE(図示せず)との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を同時に通信するように構成される。アップロード増幅器391Aは、アップロードRF無線信号に利得を提供するように構成され、ダウンロード増幅器392Aは、ダウンロードRF無線信号に利得を提供するように構成される。また、RF電力検出器390Aは、アップロードRF無線信号の電力値をモニタするように構成される。同様に、RF電力検出器345Aは、ダウンロードRF無線信号の電力値をモニタするように構成される。
【0109】
図3Fには、アップリンク及びダウンリンクRF信号の両方に個別の垂直及び水平極性を提供するHMAから形成された外部アンテナ392の構成の実施形態を示す。
【0110】
図3Gには、アップリンク及びダウンリンクRF信号の両方に複合垂直及び水平極性を提供するHMAから形成された外部アンテナ393の構成の実施形態を示す。
【0111】
図3Hには、RF信号に複合垂直及び水平極性と複合アップリンク及びダウンリンク通信とを提供するパッチアンテナから形成された外部アンテナ394の構成の実施形態を示す。
【0112】
図3Iには、(ポート397内に位置する)パッチアンテナ396がガラスなどの障壁を通じて通信するアップロードRF無線信号とダウンロードRF無線信号との間の結合を分離して低減するRF分離スペーサ395の実施形態を示す。また、スペーサ395内には、結合をさらに低減するために複数のスリット398が設けられる。1又は2以上の実施形態では、障壁の外面に外部アンテナが位置して障壁の内面に内部アンテナが位置する場合、スペーサ395がRFカプラ(障壁を通じてアップロード及びダウンロードRF信号を個別に連続して通信するために使用されるパッチアンテナ)と共に使用される。
【0113】
図3Jには、レードームの使用時、WAIMを含むレードームの使用時、及びレードーム未使用時の外部アンテナの利得対角度の関係の表現を示す。
【0114】
図3Kには、RF通信装置が使用する双方向増幅器382Bの例示的な概要の実施形態を示す。外部アンテナ380Bは、遠隔地に位置する無線基地局(図示せず)との間でアップロードRF無線信号及びダウンロードRF無線信号を通信するように構成される。同様に、内部アンテナ383Bは、CPE(図示せず)との間でダウンロードRF無線信号及びアップロードRF無線信号を通信するように構成される。アップロード増幅器391Bは、アップロードRF無線信号に利得を提供するように構成され、ダウンロード増幅器392Bは、ダウンロードRF無線信号に利得を提供するように構成される。また、RF電力検出器390Bは、アップロードRF無線信号の電力値をモニタするように構成される。同様に、RF電力検出器345Bは、ダウンロードRF無線信号の別の電力値をモニタするように構成される。
【0115】
さらに、アップロード/ダウンロードスイッチコントロール342は、外装三路スイッチ(external facing three-way switch)343及び内装三路スイッチ(internal facing three-way switch)344のタイミングを制御するために使用される。1又は2以上の実施形態では、コントロール342が、アップロード及びダウンロードRF無線信号の両方が使用する共通通信経路上の外部アンテナ380B及び内部アンテナ383Bを共有できるように、2つの異なる導電状態間でのスイッチ343及び344の連続切り替えのタイミングを計る。1又は2以上の実施形態では、スイッチ343及びスイッチ344の連続切り替えのタイミングを、共通通信経路上の外部アンテナ380B及び内部アンテナ383Bを共有しながらアップロード及びダウンロードRF無線信号を互いに分離させるように調整することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、少なくとも外部アンテナ380B及び内部アンテナ383Bがアップロード及びダウンロードRF無線信号の両通信において共有されるので、これらのアンテナがさらに少ないコンポーネントを含むこともできる。
【0116】
また、RF通信装置の1又は2以上の実施形態では、障壁を通じて通信されるアップロード及びダウンロードRF無線信号に提供される個別の利得を最適化できるように、RFコンポーネント上にRF吸収材料を追加してRFフィードバックを減少させることもできる。
【0117】
さらに、RF通信装置の1又は2以上の実施形態では、隣接するRFコンポーネントとの密結合(close coupling)を弱めるように利得を最適化する際にHMAを特性化することができる。また、1又は2以上の実施形態では、遠隔地に位置する無線基地局からの比較的長い距離によってアップリンクRF無線信号の利得を最大化することもできる。対照的に、RF通信装置を使用してCPEからの距離を求め、この距離を使用して、RF通信装置がCPEに通信するダウンロードRF無線信号の利得を低減することもできる。
【0118】
1又は2以上の実施形態では、外部アンテナが、遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信に影響を与える物体を補償するように、HMAを使用して複合HMA波形を提供することができる。また、1又は2以上の実施形態では、複合HMA波形を使用して、2又は3以上の遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信をマルチキャストすることもできる。
【0119】
1又は2以上の実施形態では、CPEとRF通信装置との間、及び遠隔無線基地局とRF通信装置との間の最適な通信をもたらす個別に選択可能な利得が決定されるまでアップロードRF無線信号及びダウンロードRF無線信号に提供される個別の利得を自動的に調整する自動利得制御(AGC)回路が設けられる。
【0120】
一般的動作
図4Aに、本発明を使用して、構造物の窓などの障壁を通じて障壁の背後の1又は2以上の無線コンピュータ装置及び/又は有線コンピュータ装置に無線信号を通信する方法を示す。プロセスは、開始ブロックからブロック402に進み、RF通信装置が、HMAを含む外部アンテナを使用して、1又は2以上の許可された遠隔基地局との間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信するようにHMA波形のビームパターンの形状及び方向を調整する。1又は2以上の実施形態では、HMA波形の調整を、4G又はそれ未満の無線通信プロトコルを使用できる独立した無線通信チャネルによって帯域外で制御することができる。ブロック404において、障壁の対向する外側及び内側に外部アンテナ及び内部アンテナが位置する場合、任意のRFカプラを同様に配置する。RFカプラは、障壁を通じて(アップロード及びダウンロード)RF無線信号を通信するために使用される。しかしながら、1又は2以上の実施形態では、RF通信装置の実質的なコンポーネントが全て障壁の内面及び外面の両方ではなく外面又は内面に配置されている場合、ブロック404におけるRFカプラのロジックは当てはまらない。
【0121】
判定ブロック406において、CPEがRF通信装置と一体化しているかどうかを判定する。判定がいいえである場合、プロセスはブロック408に進み、窓の障壁を通じて通信されるアップロード及びダウンロードRF無線信号に、1又は2以上の増幅器を使用して個別に利得を提供する。ブロック412に進み、障壁の背後及び/又は構造物の内部に位置する1又は2以上の無線装置及び/又は有線装置と通信できる1又は2以上のCPEとの間でアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する。
【0122】
判定ブロック414において、アップロードRF無線信号の電力値が所定の閾値未満であって、ダウンロードRF無線信号の別の電力値が遠隔無線基地局との通信の存在を示す場合、プロセスはブロック402に戻って実質的に同じ動作を再開する。或いは、アップロードRF無線信号の電力値が所定の閾値以上であって、ダウンロードRF無線信号の他の電力値が遠隔無線基地局との通信の存在を示す場合、プロセスはブロック404に戻って実質的に同じ動作を再開する。
【0123】
或いは、判定ブロック406における判定がはいである(1又は2以上のCPEがRF通信装置と一体化している)場合、1又は2以上のCPEは、1又は2以上の通信プロトコルを介して、構造物の内部に配置された1又は2以上の無線装置及び/又は有線装置にアップロード及びダウンロードRF無線信号を通信する。次に、プロセスは、判定ブロック414に進んで実質的に同じ動作を再開する。
【0124】
図4Bには、本発明を使用して、許可された遠隔無線基地局がCPEと通信している時点を自動的に判定する方法を示す。なぜならば、CPEとの通信を許可された遠隔基地局とCPEとが通信していてダウンロードRF無線信号の別の電力値が遠隔無線基地局との通信の存在を示す時には、RF通信装置によって通信されるアップロードRF無線信号の電力値が有意に大きくなるからである。従って、アップロード及びダウンロードRF無線信号にバイスタティック増幅が使用されている場合には、このアップロードRF無線信号の電力値を使用して、アップロードRF無線信号の他の特徴又は内容をさらに分析する必要なく、許可された通信を検出することができる。プロセスは、開始ブロックからブロック420に進み、バイスタティック増幅器が個別に選択可能な利得をアップロード及びダウンロードRF無線信号に同時に提供している間にアップロードRF無線信号の電力値をモニタする。判定ブロック422において、アップロードRF無線信号の電力値が所定の閾値を上回るかどうかを判定する。真(true)である場合、プロセスはブロック420にループバックする。一方で、この判定が偽(false)である場合、プロセスはブロック424に進み、外部アンテナのHMAによって提供されるHMA波形の形状及び/又は方向を、別の遠隔無線基地局との間でダウンロード及びアップロードRF無線信号を通信するように調整する。また、1又は2以上の実施形態では、HMA波形の形状及び/又は方向の調整の制御が、4G又はそれ未満の無線通信プロトコルを使用する帯域外通信チャネルを通じて遠隔で行われる。次に、プロセスは、ブロック420に戻って実質的に同じ動作を実行する。
【0125】
リレーベースのネットワークアーキテクチャ
1又は2以上の実施形態では、HMAを外部アンテナに使用するRF通信装置と同様の通信HMA装置を使用することにより、ユーザが使用する無線通信装置に基地局が5G無線通信を提供する物理的距離が若干異なる形ではあるが拡張される。
図5に、通信HMA装置の異なる構成を使用することによって、遠隔基地局とRF通信装置との間のアップロード及びダウンロードRF信号を通信できる物理的距離を拡張する例示的な実施形態を示す。通常、RF通信装置は、HMA波形を使用して遠隔基地局と見通し線によって通信する少なくとも1つのHMAを含む外装アンテナ(external facing antenna)を含む。対照的に、通信HMA装置は、リレーHMA装置、リフレクタHMA装置又は基地局プロキシHMA装置を含む、HMA波形を構成することに加えて異なる通信動作モードを構成するためにも使用される2又は3以上のHMA及び対応するコントローラを含む。
【0126】
1又は2以上の実施形態では、通信HMA装置が、典型的には50ワット未満の電力しか消費しないことができ、これらの装置は、次のHMAアンテナ間の1キロメートル又はそれ以上にわたって確実にHMA波形を伝えることができる。また、HMA波形の通信が構造物の角を「回り込む」ことができるように、及び/又は他の通信HMA装置及び/又はユーザHMA装置との見通し線通信の閉塞を避けることができるように、2又は3以上のHMAの構成を互いに垂直などの異なる角度で配置することもできる。
【0127】
1又は2以上の実施形態では、通信HMA装置を、1つのHMAを使用して比較的固定された物理的位置に存在する1又は2以上のRF通信装置と通信するリフレクタHMA装置として動作するように構成することができる。リフレクタHMA装置は、別のHMAを使用して1又は2以上の基地局、基地局プロキシHMA装置又はリレーHMA装置と通信する。リフレクタ動作モードでは、1又は2以上のユーザHMA装置が受け取ったHMA波形を使用してユーザに5G無線通信を提供する。
【0128】
図5には、1又は2以上のネットワーク運営センター502を使用して1又は2以上の遠隔無線信号基地局508にデータを経路指定し、これらの遠隔無線信号基地局が1又は2以上の無線通信装置(図示せず)にRF無線信号の形態でデータを通信する、1又は2以上のデータセンタ504からデータを通信するシステム500の概要を示す。図示のように、1又は2以上のデータセンタ504からデータが通信され、その一部が1又は2以上のNOC502によってネットワーク506を介して1又は2以上の遠隔無線基地局508に経路指定され、これらの遠隔無線基地局508が、1又は2以上のRF通信装置516、1又は2以上のユーザ無線装置518、並びに中継装置410、リフレクタ512及び/又は基地局プロキシ514のうちの1つ又は2つ以上として構成された1又は2以上のHMA通信装置との間で無線でデータを通信する。また、1又は2以上のクライアント装置505は、1又は2以上のRF通信装置及び/又は異なる構成の1又は2以上の通信HMA装置の遠隔分析及び制御を行うアプリを実行することができる。
【0129】
また、
図6A及び
図6Bには、HMA波形を介して他の通信HMA装置にRF無線信号を通信するようにHMA602Aを動作させ、HMA波形を介して複数のRF通信装置606との間でRF無線信号を通信するようにHMA602Bを動作させるように構成されたコントローラ604を含むリフレクタHMA装置として構成された通信HMA装置を示す。
【0130】
1又は2以上の実施形態では、通信HMA装置を、1つのHMAを使用して基地局、基地局プロキシHMA装置、リフレクタHMA装置又は別のリレーHMA装置との間でRF信号を通信するリレーHMA装置として動作するように構成することができる。また、リレーHMA装置は、別のHMAを使用して別のリレーHMA装置又はリフレクタHMA装置との間でRF信号を通信する。リレー動作モードでは、RF信号がその宛先に、すなわち1又は2以上のRF通信装置及び/又は1又は2以上のユーザ無線通信装置に通信されるまで、一般にHMA波形のRF信号がネットワークファブリック(network fabric)内の1つの通信HMA装置から別の通信HMA装置に「リレー」される。
【0131】
また、
図7A及び
図7Bには、別の通信HMA装置706との間でHMA波形のRF信号を通信するようにHMA702Aを動作させ、別の通信HMA装置708との間でHMA波形のRF信号を通信するようにHMA702Bを動作させるように構成されたコントローラ704を含むリレーHMA装置として構成された通信HMA装置を示す。
【0132】
1又は2以上の実施形態では、通信HMA装置を、1つのHMAを使用して基地局又は別の基地局プロキシHMA装置と通信する基地局プロキシHMA装置として動作するように構成することができる。また、基地局プロキシHMA装置は、別のHMAを使用して、リレーHMA装置又はリフレクタHMA装置、RF通信装置及び/又はユーザ無線通信装置のうちの1つ又は2つ以上として構成できる1又は2以上の他の通信HMA装置との間のHMA波形の通信を多重化する。
【0133】
また、
図8A及び
図8Bには、基地局又は別の基地局プロキシHMA装置806との間でHMA波形のRF信号を通信するようにHMA802Aを動作させ、例えばリフレクタHMA装置、リレーHMA装置、RF通信装置及び/又はユーザ無線通信装置などの他の通信HMA装置808との間のHMA波形のRF信号の通信を多重化するようにHMA802Bを動作させるように構成されたコントローラ804を含む基地局プロキシHMA装置として構成された通信HMA装置を示す。
【0134】
1又は2以上の実施形態では、都市、街、工場、工業地域又は公園などのあらゆる場所の電柱、照明ポール、タワー及び構造物などに複数の通信HMA装置が物理的に配置される。1又は2以上の実施形態では、物理的領域内に配置された複数の通信HMA装置によってネットワークファブリックを形成し、これを動的に制御することができる。このネットワークファブリック構成は、HMA通信装置の通信モードの動的なリアルタイムのロードバランシング、冗長性及び再構成を可能にして、携帯電話機、タブレット、ノートブック又は車両などの無線通信装置のユーザに信頼できる経済的な5G無線通信を提供する。
【0135】
図9は、異なるタイプのHMA装置を使用して、無線通信装置に5G無線通信を提供するユーザHMA装置と通信する1又は2以上の無線コンピュータ装置にHMA波形によってネットワークファブリックを通じて通信する例示的な方法の論理フロー図である。
【0136】
プロセスは、開始ブロックからブロック902に進み、基地局が、1又は2以上のRF通信装置との間の無線通信を提供することに備える。次に、プロセスは判定ブロック904に進み、1又は2以上の無線通信装置ユーザとの直接HMA波形通信が利用可能であるかどうかを判定する。はいである場合、プロセスはブロック906に進み、HMA波形がユーザの無線通信装置との5G無線通信を提供する。
【0137】
或いは、ブロック904の決定が偽(false)である場合、プロセスはブロック908に進み、1又は2以上の通信HMA装置を、ユーザの無線装置との5G無線通信を可能にするユーザHMA装置とのHMA波形通信を提供するリレー、リフレクタ又は基地局プロキシとして構成する。次に、通信に影響する閉塞、ロードバランシング又は距離の問題が識別された場合、プロセスは、判定ブロック904にループバックして、動的なリアルタイムの動作モードで実質的に同じ動作を実行する。
【0138】
図10は、アップロードRF無線信号の電力値を使用して、許可された遠隔無線基地局及び顧客構内設備との通信を決定する例示的な方法1000の論理フロー図である。プロセスは、開始ブロックからブロック1002に進み、アップロードRF無線信号及びダウンロードRF無線信号の両方に個別に選択可能な(連続的な)利得を提供する。次に、プロセスはブロック1004に進み、アップロードRF無線信号の電力値及びダウンロードRF無線信号の別の電力値をモニタする。
【0139】
判定ブロック1006に進み、アップロードRF無線信号の電力値が、許可された遠隔無線基地局とCPEとの間の肯定的通信の閾値を満たし、ダウンロードRF無線信号の他の電力値が、遠隔無線基地局との通信の存在を示すかどうかを判定する。偽(false)である場合、プロセスはブロック1002にループバックして実質的に同じ動作を実行する。一方で、ブロック1006における判定が真(true)である場合、プロセスはブロック1008に進み、アップロード及びダウンロードRF無線信号の個別に選択可能な利得を、CPEとRF通信装置との間、及び遠隔無線基地局とRF通信装置との間の通信を最適化するように調整する。
【0140】
次に、プロセスはブロック1010に進み、RF通信装置と遠隔無線基地局との間のアップロード及びダウンロードRF無線信号の通信を最適化するように、外部アンテナによって提供されるHMA波形の形状及び/又は方向の任意の調整を行う。さらに、プロセスは他の動作の実行に戻る。
【0141】
また、フローチャート図の各ブロック、及びフローチャート図のブロックの組み合わせ(或いは1又は2以上のシステム又はシステムの組み合わせに関して上述した動作)は、コンピュータプログラム命令によって実行することができると理解されるであろう。これらのプログラム命令をプロセッサに与えて機械を生産することで、このプロセッサ上で実行される命令が、1又は複数のフローチャートブロックに示す動作を実行する手段を生み出すようにすることができる。これらのコンピュータプログラム命令をプロセッサが実行して、このプロセッサによって実行される一連の動作ステップがコンピュータ実行プロセスを生み出すようにすることにより、プロセッサで実行される命令が、1又は複数のフローチャートブロックに示す動作を実行するステップを提供するようにすることもできる。これらのコンピュータプログラム命令は、フローチャートブロックに示す動作ステップの少なくともいくつかが同時に実行されるようにすることもできる。さらに、ステップのいくつかを、マルチプロセッサコンピュータシステムで行われるような形で複数のプロセッサにわたって実行することもできる。また、フローチャート図の1又は2以上のブロック又はブロックの組み合わせは、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のブロック又はブロックの組み合わせと同時に、或いは図示の順序とは異なる順序で実行することもできる。
【0142】
また、1又は2以上のステップ又はブロックは、コンピュータプログラムの代わりに、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、又はこれらの組み合わせなどの埋め込みロジックハードウェアを使用して実行することもできる。埋め込みロジックハードウェアは、埋め込みロジックを直接実行して、1又は2以上のステップ又はブロックの一部又は全部の動作を実行することができる。また、(図示していない)1又は2以上の実施形態では、1又は2以上のステップ又はブロックの動作の一部又は全部をCPUの代わりにハードウェアマイクロコントローラによって実行することもできる。1又は2以上の実施形態では、マイクロコントローラが独自の埋め込みロジックを直接実行して動作を実行し、独自の内部メモリ及び独自の外部入力及び出力インターフェイス(例えば、ハードウェアピン及び/又は無線トランシーバ)にアクセスしてシステムオンチップ(SOC)などの動作を実行することができる。
【0143】
上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の製造及び使用について完全に説明したものである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の多くの実施形態を構成することができるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に従う。
【符号の説明】
【0144】
230 ネットワーク運営センター
231 クライアント装置
232 ネットワーク
233 障壁
234 無線基地局
235 車両
236 構造物
238 データセンタ