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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】心臓画像の位置合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20231106BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20231106BHJP
   A61B 5/367 20210101ALI20231106BHJP
   A61B 5/339 20210101ALI20231106BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B5/33 100
A61B5/367
A61B5/339
A61B18/14
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020561732
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2019061409
(87)【国際公開番号】W WO2020224744
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス ハイム
(72)【発明者】
【氏名】ディクテルマン イーライ
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ イツハク
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114285(JP,A)
【文献】特表2008-520267(JP,A)
【文献】特表2016-527942(JP,A)
【文献】特開2016-87463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/10
A61B 5/33
A61B 5/367
A61B 5/339
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気解剖学的画像を位置合わせするためのシステムのためのプロセッサ回路であって、前記プロセッサ回路は、ユーザディスプレイと通信することができ、前記プロセッサ回路が、
解剖学的構造の第1の電気解剖学的画像であって、カテーテル上に配置された2以上の電極を使用して得られた電気解剖学的データに基づいて発生される第1の電気解剖学的画像を受信し;
前記第1の電気解剖学的画像に対する治療位置を示す治療位置データであって、前記カテーテル上に配置された2以上の電極を使用して得られた前記電気解剖学的データに基づく前記治療位置データを受信し;
前記解剖学的構造が再造形された後に前記解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像を受信し;
前記第1の電気解剖学的画像を前記再造形された解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像に変換する非剛体変換を決定し;
前記非剛体変換を前記治療位置データに適用して、前記治療位置を前記再造形された解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像にマッピングする;
ロセッサ回路。
【請求項2】
更に、前記第2の電気解剖学的画像にマッピングされた前記治療位置の表示をユーザディスプレイに通信する、請求項1に記載のプロセッサ回路。
【請求項3】
更に、前記非剛体変換を前記カテーテル上の前記2以上の電極間の既知の距離に基づいて決定する、請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項4】
更に、前記非剛体変換を前記第1の電気解剖学的画像内の第1の点と前記第2の電気解剖学的画像内の第2の点との間の対応の確率を割り当てる確率的対応モデルに基づいて決定し、前記確率的対応モデルは、より高い対応の確率が前記第1及び第2の電気解剖学的画像の各々において識別された同じ解剖学的ランドマークの近くの点に割り当てられるコヒーレンス条件を有する、請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項5】
更に、
前記第1の電気解剖学的画像においてランドマークを識別し;
前記第2の電気解剖学的画像において前記ランドマークを識別し;
前記非剛体変換を前記第1及び第2の電気解剖学的画像において識別された前記ランドマークに基づいて決定する;
請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項6】
前記プロセッサ回路は、ユーザ入力装置と通信することができ、前記プロセッサ回路が、更に、
前記ユーザ入力装置から前記第1の電気解剖学的画像における前記ランドマークの位置を示す第1の入力を受信し;
前記ユーザ入力装置から前記第2の電気解剖学的画像における前記ランドマークの位置を示す第2の入力を受信し;
前記非剛体変換を前記受信された第1及び第2の入力に基づいて決定する;
請求項に記載のプロセッサ回路。
【請求項7】
更に、
前記第1の電気解剖学的画像に関して、第1の複数の電気解剖学的データ点を第1のカテーテル軌跡に関連付け;
前記第2の電気解剖学的画像に関して、第2の複数の電気解剖学的データ点を前記第1のカテーテル軌跡が整列される第2のカテーテル軌跡に関連付け;
前記非剛体変換を前記第1のカテーテル軌跡と前記第2のカテーテル軌跡との間の対応に基づいて決定する;
請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は、ユーザ入力装置と通信することができ、前記プロセッサ回路が、更に、
前記ユーザ入力装置から、前記カテーテルの前記第1のカテーテル軌跡に沿って進行する間の位置を示す第1の複数の入力を受信し;
前記ユーザ入力装置から、前記カテーテルの前記第2のカテーテル軌跡に沿って進行する間の位置を示す第2の複数の入力を受信し;
前記非剛体変換を前記第1及び第2の複数の入力に基づいて決定する;
請求項に記載のプロセッサ回路。
【請求項9】
前記第1の電気解剖学的画像は前記解剖学的構造の第1の三次元点群画像を有し、前記第2の電気解剖学的画像は前記解剖学的構造の第2の三次元点群画像を有し、前記プロセッサ回路が、更に、
前記非剛体変換を、前記第1の点群画像の点を前記第2の点群画像の対応する点に位置合わせすることによって決定し;
再構成された三次元画像を前記第1及び第2の点群画像の位置合わせされた点に基づいて発生する;
請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項10】
更に、前記非剛体変換を自然な点間距離に基づいて決定する、請求項に記載のプロセッサ回路。
【請求項11】
前記プロセッサ回路は、前記第1及び第2の電気解剖学的画像の各々を複数のセグメントにセグメント化する;
請求項10に記載のプロセッサ回路。
【請求項12】
前記プロセッサ回路が、更に、
前記第1の点群画像の点をセグメントに割り当て;
前記第2の点群画像の対応する点を同じセグメントに割り当て;
前記非剛体変換を、前記第1の点群画像における前記点が前記第2の点群画像における同じセグメントに変換されるように決定する;
請求項11に記載のプロセッサ回路。
【請求項13】
更に、前記解剖学的構造における生理学的リズム変化を検出し、前記第2の電気解剖学的画像が、変化した生理学的リズムを示す解剖学的構造を表す、請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
【請求項14】
電気解剖学的画像を位置合わせするためのシステムであって、前記システムは、
請求項1から13の何れか一項に記載のプロセッサ回路を有し、更に、
電気解剖学的データを得るための、カテーテル上に配置された2以上の電極を有する、当該カテーテル、及び
前記ユーザディスプレイ
のうちの1以上を有する、システム。
【請求項15】
電気解剖学的画像を位置合わせするための方法であって、前記方法は、
ユーザディスプレイとの通信のためのプロセッサ回路において、カテーテル上に配置された2以上の電極を使用して得られた電気解剖学的データに基づいて生成される解剖学的構造の第1の電気解剖学的画像を受信するステップと;
前記プロセッサ回路において、前記第1の電気解剖学的画像に対する治療位置を示す治療位置データを受信するステップであって、該治療位置データが前記カテーテル上に配置された2以上の電極を使用して得られた前記電気解剖学的データに基づくものである、ステップと;
前記プロセッサ回路において、前記解剖学的構造が再造形された後の該解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像を受信するステップと;
前記第1の電気解剖学的画像を前記再造形された解剖学的構造の前記第2の電気解剖学的画像に変換する非剛体変換を決定するステップと;
前記非剛体変換を前記治療位置データに適用して、前記治療位置を前記再造形された解剖学的構造の前記第2の電気解剖学的画像にマッピングするステップと
有する、方法。
【請求項16】
前記第2の電気解剖学的画像にマッピングされた前記治療位置をユーザディスプレイ上に表示するステップ;
を更に有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記非剛体変換を決定するステップが、該非剛体変換を前記カテーテル上の2以上の電極の間の既知の距離に基づいて決定するステップを有する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記非剛体変換を決定するステップは、該非剛体変換を前記第1の電気解剖学的画像内の第1の点と前記第2の電気解剖学的画像内の第2の点との間の対応の確率を割り当てる確率的対応モデルに基づいて決定するステップを有し、前記確率的対応モデルが、より高い対応の確率が前記第1及び第2の電気解剖学的画像の各々において識別された同じ解剖学的ランドマークの近くの点に割り当てられるコヒーレンス条件を有する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電気解剖学的画像においてランドマークを識別するステップ;
前記第2の電気解剖学的画像において前記ランドマークを識別するステップ;及び
前記非剛体変換を前記第1及び第2の電気解剖学的画像において識別された前記ランドマークに基づいて決定するステップ;
を更に有する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電気解剖学的画像に関して、第1の複数の電気解剖学的データ点を第1のカテーテル軌跡に関連付けるステップ;
前記第2の電気解剖学的画像に関して、第2の複数の電気解剖学的データ点を前記第1のカテーテル軌跡が整列される第2のカテーテル軌跡に関連付けるステップ;及び
前記非剛体変換を前記第1のカテーテル軌跡と前記第2のカテーテル軌跡との間の対応に基づいて決定するステップ;
を更に有する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電気解剖学的画像を受信するステップは前記解剖学的構造の第1の三次元点群画像を受信するステップを有し、前記第2の電気解剖学的画像を受信するステップは前記解剖学的構造の第2の三次元点群画像を受信するステップを有し、当該方法が、
前記非剛体変換を、前記第1の点群画像の点を前記第2の点群画像の対応する点に位置合わせすることによって決定するステップ;及び
再構成された三次元画像を前記第1及び第2の点群画像の位置合わせされた点に基づいて発生するステップ;
を更に有する、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項22】
前記解剖学的構造における生理学的リズム変化を検出するステップを更に有し、前記第2の電気解剖学的画像が前記変化した生理学的リズムを示す解剖学的構造を表す、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項23】
プロセッサによって実行されると、プロセッサ回路に請求項15から22の何れか一項に記載の方法のステップを実行させるコンピュータ可読命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項24】
請求項23に記載のコンピュータプログラムを含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電磁イメージングに関し、特に、解剖学的構造の第1の画像から解剖学的構造の第2の画像への変換を決定することを含む、解剖学的構造の画像を位置合わせすることに関する。例えば、電気解剖学的イメージング・システムは電気解剖学的画像を生成するために複数の電極を担持する感知カテーテルから電気解剖学的画像を受信し、非剛体変換を適用することによって電気解剖学的画像を位置合わせすることができる。
【背景技術】
【0002】
心房細動(AF)は心房の速く不規則な拍動を特徴とする不整脈であり、心悸亢進、失神、ふらつき、息切れ、または胸痛を伴うことがある。この疾患は、心不全、認知症、および脳卒中のリスク増加と関連している。AFは、時には肺静脈の口部における二次ペーサ(secondary pacer)によって生成される電気パルスによって引き起こされる。したがって、AFを治療する1つの方法は肺静脈隔離によるものであり、これには、左心房の内壁をアブレーション(焼灼)して損傷部を形成し、肺静脈口を左心房の残部から隔離することが含まれる。
【発明の概要】
【0003】
アブレーション後、アブレーション中に発生した浮腫はLAの壁に吸収され、損傷部位に瘢痕が発生し、多くの場合、左心房の構造が再造形される。アブレーション治療(処置)の約1カ月後、アブレーション中(すなわち、元の心臓において、再造形前)よりも再造形された心臓において肺静脈の隔離がそれほど強くないため、心房細動が戻る場合もある。アブレーション後に心房細動が戻る場合、最初のアブレーション処置によって生成された隔離組織内のギャップ(間隙)を閉じるために、第2のアブレーション処置(再施行“redo”としても知られる)によって心房細動を治療することが可能であり得る。このような処置では、医師が電気的に隔離する組織内のギャップを探索し、このようなギャップを焼灼してそれらを閉じる。ギャップの探索は、ペーシング(歩進的検査)によって行われ、このペーシングは肺静脈の口部から電気信号を送信し、該信号が問題の隔離を横切って到着するかどうか、およびどこで到着するかをチェックすることを含む。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態の一態様は、アブレーションによるこれらの間隙の閉鎖を容易にするように、隔離組織における間隙を見つける際に医師を誘導することを含む。本開示の一実施形態では、医師には患者の再造形された心臓の画像が提示され、その画像上に、第1の介入治療中に焼灼(アブレーション)された損傷部の位置がマークされる。電気解剖学的画像において正常組織と隔離組織を視覚的に区別することは不可能かもしれないが、最初の介入治療でアブレーションされた位置は、元の心臓における損傷部位置と元の心臓における位置を再造形された心臓における位置に変換する位置合わせ変換に基づいて、再造形された心臓の画像上に示すことができ、かくして、医師が再造形された心臓上に配置されたアブレーション部を見ることができるようにする。このようにして、医師はギャップを見つけ出し、ペーシングによるより効率的にアブレーションを再施行することができるかもしれないし、少なくとも、PV口部の全周を盲目的にペーシングするのではなく、隔離不良が疑われる一部の場所でのみペーシングを行うことができるかもしれない。
【0005】
いくつかの実施形態において、第1の介入治療の間に、損傷部の位置が、第1の処置からの画像を参照して記録され、この画像が再造形された心臓の画像に位置合わせされ、その結果、記録された損傷部が再造形された心臓上にマークされ得る。位置合わせは、最初の処置中に取られた記録に基づいて、再造形された心臓における損傷部の位置を伝えるために使用される。したがって、いくつかの実施形態において、損傷部は、(1)元の心臓の画像である第1の画像、(2)元の心臓における損傷部位の記録、(3)再造形された心臓の画像である第2の画像、および(4) 損傷部の記録された位置における位置を再造形された心臓における対応する位置に変換する位置合わせ変換に基づいて、再造形された心臓の画像上で医師に表示される。
【0006】
本開示の一実施形態によれば、電気解剖学的画像を位置合わせするためのシステムは、ユーザディスプレイと、該ユーザディスプレイと通信するプロセッサ回路(処理回路)とを含む。上記処理回路は、解剖学的構造の第1の電気解剖学的画像(カテーテル上に配置された2つ以上の電極を使用して生成された電気解剖学的データに基づいて生成された第1の電気解剖学的画像)を受信し;第1の電気解剖学的画像に対する治療位置を示す治療位置データであって、カテーテル上に配置された2つ以上の電極を使用して取得された電気解剖学的構造データに基づく治療位置データを受信し;解剖学的構造が再造形された後の該解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像を受信し;第1の電気解剖学的画像を再造形された解剖学的構造の第2の電気解剖学的解剖学的画像に変換する非剛性変換を決定し;前記治療位置データに該非剛性変換を適用して前記治療位置を再造形された解剖学的解剖学的構造の第2の電気解剖学的解剖学的画像にマッピングし;第2の電気解剖学的解剖学的画像にマッピングされた治療位置をユーザディスプレイ上に表示する;ように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記プロセッサ回路がカテーテル上の2つ以上の電極間の既知の距離に基づいて前記非剛体変換を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路が第1の電気解剖学的画像内の第1の点と第2の電気解剖学的画像内の第2の点との間の対応の確率を割り当てる確率的対応モデルに基づいて非剛体変換を決定するように構成され、該確率的対応モデルは第1および第2の電気解剖学的画像のそれぞれにおいて識別された同じ解剖学的ランドマークに近い点に、より高い対応の確率が割り当てられるコヒーレンス条件を含む。さらに他の実施形態では、プロセッサ回路が第1の電気解剖学的画像内のランドマークを識別し、第2の電気解剖学的画像内のランドマークを識別し、第1および第2の電気解剖学的画像内で識別されたランドマークに基づいて非剛体変換を決定するように構成される。いくつかの態様では、システムがプロセッサ回路と通信するユーザ入力装置をさらに含み、プロセッサ回路は、ユーザ入力装置から、第1の電気解剖学的画像内のランドマークの位置を示す第1の入力を受信し;ユーザ入力装置から、第2の電気解剖学的画像内のランドマークの位置を示す第2の入力を受信し;受信した第1および第2の入力に基づいて非剛体変換を決定する;ように構成される。
【0008】
他の態様では、プロセッサ回路が、第1の電気解剖学的画像に関して、第1の複数の電気解剖学的データ点を第1のカテーテル軌跡に関連付け;第2の電気解剖学的画像に関して、第2の複数の電気解剖学的データ点を第2のカテーテル軌跡に関連付け、ここで、第1のカテーテル軌跡が第2のカテーテル軌跡と位置合わせされ;第1のカテーテル軌跡と第2のカテーテル軌跡との間の対応に基づいて非剛体変換を決定する;ように構成される。いくつかの実施形態では、システムがプロセッサ回路と通信するユーザ入力装置をさらに含み、該プロセッサ回路は、ユーザ入力装置から、第1のカテーテル軌跡に沿って移動している間のカテーテルの位置を示す第1の複数の入力を受信し;ユーザ入力装置から、第2のカテーテル軌跡に沿って移動している間のカテーテルの位置を示す第2の複数の入力を受信し;第1および第2の複数の入力に基づいて非剛体変換を決定する;ように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の電気解剖学的画像が解剖学的構造の第1の3次元点群画像を含み、第2の電気解剖学的画像は解剖学的構造の第2の3次元点群画像を含み、プロセッサ回路は、第1の点群画像の点を第2の点群画像の対応する点に位置合わせすることによって変換を決定し;第1および第2の点群画像の位置合わせされた点に基づいて再構成された3次元画像を生成する;ように構成される。いくつかの態様では、プロセッサ回路が自然な点間距離に基づいて変換を決定するように構成される。いくつかの態様では、プロセッサ回路が第1および第2の電気解剖学的画像のそれぞれを複数のセグメントにセグメント化するように構成される。さらなる態様では、プロセッサ回路が第1の点群画像の点をセグメントに割り当て;第2の点群画像の対応する点を同じセグメントに割り当て;第1の点群画像内の点が第2の点群画像内の同じセグメントに変換されるように変換を決定する;ように構成される。いくつかの実施形態ではプロセッサ回路が解剖学的構造における生理学的リズム変化を検出するように構成され、第2の電気解剖学的画像は変化した生理学的リズムを示す解剖学的構造を表す。
【0010】
本開示の別の実施形態によれば、電気解剖学的画像を位置合わせするための方法は、ユーザディスプレイと通信するプロセッサ回路において、カテーテル上に配置された2つ以上の電極を使用して得られた電気解剖学的データに基づいて生成された第1の電気解剖学的画像を受信するステップと、プロセッサ回路において、第1の電気解剖学的画像に対する治療位置を示す治療位置データであって、カテーテル上に配置された2つ以上の電極を使用して取得された電気解剖学的データに基づく治療位置データを受信するステップと、プロセッサにおいて、解剖学的構造が再造形された後の解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像を受信するステップと、第1の電気解剖学的画像を再造形された解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像に変換する非剛体変換を決定するステップと、治療位置を再造形された解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像にマッピングするために非剛体変換を該治療位置に適用するステップと、第2の電気解剖学的構造にマッピングされた治療位置をユーザディスプレイ上に表示するステップとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、非剛体変換を決定するステップは、カテーテル上の2つ以上の電極間の既知の距離に基づいて非剛体変換を決定することを含む。いくつかの実施形態では、非剛体変換を決定するステップは、第1の電気解剖学的画像内の第1の点と第2の電気解剖学的画像内の第2の点との間の対応の確率を割り当てる確率的対応モデルに基づいて非剛体変換を決定することを含み、確率的対応モデルは第1および第2の電気解剖学的画像のそれぞれにおいて識別された同じ解剖学的ランドマーク(目印)の近くの点に、より高い対応の確率が割り当てられるコヒーレンス条件を含む。いくつかの実施形態では、該方法が第1の電気解剖学的画像内の目印を識別するステップと、第2の電気解剖学的画像内の目印を識別するステップと、第1および第2の電気解剖学的画像内で識別された目印に基づいて前記非剛体変換を決定するステップとをさらに含む。
【0012】
いくつかの態様では、当該方法が、第1の電気解剖学的画像に関して、第1の複数の電気解剖学的データ点を第1のカテーテル軌跡に関連付けるステップと、第2の電気解剖学的画像に関して、第2の複数の電気解剖学的データ点を第2のカテーテル軌跡に関連付けるステップであって、第1のカテーテル軌跡が第2のカテーテル軌跡と位置合わせされるステップと、第1のカテーテル軌跡と第2のカテーテル軌跡との間の対応に基づいて前記非剛体変換を決定するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では第1の電気解剖学的画像を受信するステップは、解剖学的構造の第1の3次元点群画像を受け取ることを含み、第2の電気解剖学的画像を受信するステップは解剖学的構造の第2の3次元点群画像を受け取ることを含み、該方法は第1の点群画像の点を第2の点群画像の対応する点に位置合わせすることによって変換を決定することと、第1および第2の群画像の位置合わせされた点に基づいて再構成された3次元画像を生成することとをさらに含む。いくつかの実施形態では当該方法が解剖学的構造における生理学的リズム変化を検出することをさらに含み、第2の電気解剖学的画像は変化した生理学的リズムを示す解剖学的構造を表す。
【0013】
本開示のさらなる態様、特徴、および利点は、後の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
図1A図1Aは、本開示の態様による、電気解剖学的撮像システムの概略図である。
図1B図1Bは、本開示の実施形態による、プロセッサ回路の概略図である。
図2図2は、本開示の態様による、アブレーション処置中の左心房の内壁の斜視図である。
図3A図3Aは、本開示の態様による、組織が再造形される前の組織内の複数のアブレーション点の位置の概略図である。
図3B図3Bは、本開示の態様による、組織が再造形された後の複数のアブレーション点の位置の、組織が再造形される前の複数のアブレーション点の位置に対する概略図である。
図4図4は、本開示の態様による、電気解剖学的画像を位置合わせするための方法の流れ図である。
図5A図5Aは、本開示の態様による、心臓が再造形する前の左心房の内壁の斜視図である。
図5B図5Bは、本開示の態様による、心臓再造形後で示される、図5Aに示された左心房の内壁の斜視図である。
図6図6は、本開示の態様による、電気解剖学的画像上に位置合わせされた複数のアブレーション点を有する、アブレーション処置後に生成された左心房の電気解剖学的画像を示すユーザインターフェースを示す。
図7図7は、本開示の態様による、共通の識別されたランドマークに基づいて電気解剖学的画像を位置合わせするための方法を示す流れ図である。
図8A図8Aは、本開示の態様による、左心房の電気解剖学的画像の外部斜視図である。
図8B図8Bは、本開示の態様による、左心房の電気解剖学的画像の断面図である。
図9図9は、本開示の態様による、心臓の内面の電気解剖学的画像の斜視図である。
図10図10は、本開示の態様による、左心房の電気解剖学的画像の内壁の斜視図である。
図11図11は、本開示の態様による、電気解剖学的画像上に重ねられたアブレーション線を有する左心房の電気解剖学的画像の外部斜視図である。
図12図12は、本開示の態様による、共通のカテーテル軌跡に基づいて電気解剖学的画像を位置合わせするための方法を示す流れ図である。
図13図13は、本開示の態様による、心臓の電気解剖学的画像内のカテーテル軌跡の斜視図である。
図14図14は、本開示の態様による、心臓内のカテーテル軌跡の概略図である。
図15図15は、本開示の態様による、左心房の電気解剖学的画像内のカテーテル軌跡の斜視図である。
図16図16は、本開示の態様による、左心房の電気解剖学的画像内のカテーテル軌跡の内部斜視図である。
図17図17は、本開示の態様による、3次元点群を位置合わせする方法を示すフロー図である。
図18図18は、本開示の態様による、心臓リズムの変化の検出に応答して心臓の電気解剖学的画像を位置合わせするための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、ここで、図面に示された実施形態を参照し、それを説明するために特定の言語を使用する。それにもかかわらず、本開示の範囲への限定は意図されないことが理解される。説明されたデバイス、システム、および方法に対する任意の変更およびさらなる修正、ならびに本開示の原理の任意のさらなる適用は本開示が関係する当業者に通常想起されるように、本開示内に完全に企図され、含まれる。特に、一実施形態に関して説明された特徴、構成要素、および/またはステップは、本開示の他の実施形態に関して説明された特徴、構成要素、および/またはステップと組み合わせることができることが十分に企図される。しかしながら、簡潔さのために、これらの組み合わせの多数の反復は、別々に説明されない。
【0016】
ここで、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、処理システム20またはコントローラと共に使用されるナビゲーションおよび治療システム1を概略的に表す図1Aを参照する。処理システム20は、単一の処理またはハードウェア構成要素、あるいはメモリに保存された命令を実行するように構成された様々なハードウェア構成要素を含んでもよいことが理解されよう。例えば、処理システム20はユーザインターフェース40からの入力、およびEM場発生器/測定器10からの測定値またはデータを受信し、EM場発生器/測定器10および治療コントローラ13を制御するように構成されてもよい。システム1は解剖学的構造(例えば、心臓の内部)の3次元電気解剖学的画像を生成するために、電気解剖学的データを取得するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、システム1がカテーテルプローブ11を含むカテーテル9によってナビゲートされるように標的化された解剖学的構造2の領域にわたる体表面電極5などの電極を使用して、電磁場(電磁フィールド)発生器/測定器10(任意選択でそれ自体が複数のフィールド発生モジュールから構成される)を使用して、少なくとも1つの時変電磁 (EM) 場4(例えば、それぞれ異なる周波数の3つ以上の交差電磁場)を誘導または生成するように構成される。カテーテルプローブ11は、処理システム20または処理回路と連絡していてもよく、血管などの患者の体腔内に配置されるような大きさ、形状、構造的に配置、および/または他の方法で構成された可撓性の細長い部材を含むことができる。具体的には、該カテーテルの遠位部分が身体管腔内に配置されて身体管腔内の治療処置を感知、撮像、および/または実行するように構成された電極、センサ、または他の電子構成要素を含むことができる。該カテーテルの近位部分は患者の体外に配置することができ、処理システム20および/またはEM場発生器/測定器内の電気通信のためのインターフェースに結合することができる。該カテーテルは、可撓性の細長い部材内に配置され、電極、センサ、および/または他の電子構成要素をインターフェースに通信可能に結合するように構成された、導電体および/または光ファイバケーブルなどの1つまたは複数の通信線を含むことができる。
【0018】
当該システムはまた、処理システム20によって制御可能な治療電極8またはアブレーション電極を含み、解剖学的構造2内の組織の領域に対してアブレーションを実行する。いくつかの実施形態では、アブレーション電極8および電極3が同じ電極であり得ることが理解されるであろう。本明細書では、カテーテルプローブ11に関して示された例が既知の距離だけ互いに離れた少なくとも2つのセンサによって電磁場電圧読取り値を取得するように適切に構成された任意のナビゲート可能な体内プローブ11に任意に適用可能であると理解されるべきである。典型的には、前記時変電磁場が約10kHz~約1MHzの周波数で、1ボルト以下の全電極間電圧(体表面~体表面)で誘導される。いくつかの実施形態では、ワークフローの開始および停止、目印(ランドマーク)の識別、カテーテル軌跡の識別、治療位置、および他の機能において、ユーザインターフェース40を使用する。
【0019】
いくつかの実施形態では、位置データが体内プローブ(例えば、カテーテルプローブ11)から、位置を示す電磁場データを測定するためのセンサとして作用するプローブ上の複数(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の感知電極3の各々から取得される。電極3は電気解剖学的データのような電磁場データを得るために、処理システム20によって制御され、および/または通信する。本開示のいくつかの実施形態では、感知電極3が互いに対して既知の間隔であり、例えば、互いから特定の距離に固定される。あるいは、検知電極3の間隔が動的である場合(例えば、プローブ11が曲がることができるため)、間隔はプローブ操作のパラメータ(例えば、能動的変形)および/または測定された接触(例えば、接触力の測定と相関する変形)と相関して変化すると推定される。いくつかの実施形態では、既知の間隔が体内プローブが移動する体腔(例えば、心腔などの中空器官の管腔)の再構成に使用されるデータの一部として使用される。例えば、カテーテルプローブ11は、血管、心腔、および/または解剖学的構造の任意の他の適切な体腔または領域内で使用されて、電気解剖学的画像を生成し得る。いくつかの実施形態では、位置データがコンピュータ回路によって、例えば、リアルタイムでセンサから、またはセンサから受信したデータを保存するコンピュータメモリから受信される。
【0020】
いくつかの実施形態では、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上の電極3を有するプローブ11が使用される。実質的に同時に電極から得られる測定値は、任意選択で、それらの配置の既知の幾何学的形状によって、または少なくともそれらの間の距離によって、それらの相対位置に拘束された電極からの測定値のセットを含むか、または定義する。任意選択的に、プローブの良く特徴付けされた運動(固定位置付近での曲げ、カテーテルの軸方向並進など)は、曲げを示すパラメータとして使用され、異なる時間に取得された測定値のセット間の既知の幾何学的再配置を定義するのに役立つ。
【0021】
電極3の間隔は任意選択で任意の適切な距離にあり、異なる電極対の間で規則的または不規則であってもよい。いくつかの実施形態では、体内プローブが剛性区域を含み、電極は互いに既知の(例えば、所定の、および/または測定可能な)距離で剛性区域に固定される。いくつかの実施形態では体内プローブが複数の可撓性プローブ区域(例えば、バスケット型および/または傘型構成において、電極間距離の所定のおよび/または測定可能な広がり構成に開くように配置される)を備え、各々はそれに沿って延在する構成において複数の電極を担持する。潜在的に、より多くのおよび/またはより広く分布した電極からのマッピングは再構成を加速し、例えば、プローブが配置される空洞のスナップ写真タイプのマッピングを可能にする。
【0022】
加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、電極が(例えば、遠隔制御下で、および/または接触力に応答して、それ自体が曲がる素因によって)湾曲した形状をとることができる可撓性部材上に、任意選択で、円形および/または螺旋構成を形成する程度まで配置される。このようなプローブを担持するカテーテルは、時にはラッソーカテーテル(lasso catheter)と呼ばれる。いくつかのラッソーカテーテルでは電極が対になって配置され、対内の電極間の距離はカテーテル全体が湾曲する場合であっても固定されるのに十分に小さい。したがって、いくつかのラッソーカテーテルは45個の電極対を画定する10個の電極を含んでもよく、そのうちの5個の電極対は固定された電極間距離によって特徴付けられ、他の40個の電極対における電極間距離は固定されない。可撓性部材上の電極の相対位置は、可撓性部材の制御状態、および可撓性部材の幾何学的形状に対するその制御状態の影響を知ることから任意選択的に計算される。任意に、可撓性部材の電極は互いの間で電気信号を伝達し、電気信号のレベルは、距離を計算するために使用される。いくつかの実施形態では、カテーテルが既知の対内距離(すなわち、対の部材間の既知の距離)と、未知の対間距離(すなわち、対間の未知の距離、または異なる対に属する電極間の未知の距離)とを有する1つまたは複数の電極対を含む。いくつかの実施形態ではそれらの間に既知の距離を有する2つの電極のみが、カテーテルプローブに含まれる。いくつかの実施形態では、カテーテルプローブ上のいくつかの電極間の距離は既知であり、同じカテーテルプローブ上のいくつかの電極間の距離は未知である。
【0023】
1つの電極間距離は以下に説明するように再構成に使用される定規を提供するのに十分であるので(もっとも、より多くの既知の距離がより良好な再構成をもたらすことができるが)、これらのすべてを本開示の実施形態で使用できる。再構成は、他の再構成よりもターゲットのより有用な近似を提供する場合、他の再構成よりも良好であると識別されてもよい。その点に関し、いくつかの実施形態では検知電極3の既知の間隔が電圧/空間マッピングにおいて使用され、それによって、体腔形状はプローブ電極3によって測定された電圧測定値から再構成される。再構成の主な原理は、体内プローブの構造を一種の定規として使用することとして理解できる。この定規は、複数の位置の間で移動される際に、その長さは変化しない。いくつかの実施形態では、可能な変換がこの長さを一定に保つ程度によって重み付けされる。これが変換を選択する唯一の基準である実施形態では、この長さを最も一定に保つ変換が電圧/空間マッピングに使用されるように選択される。もちろん、3つ以上の電極間の距離が知られている場合、固定されるべきより多くの定規(ルーラ)が存在する。
【0024】
例えば、1つの時点で1つのセンサによって行われた各測定値を、対応する位置(該時点でのセンサの位置に対応する)に変換する際に、互いに2mm(例えば)離間した2つのセンサによって測定された測定値が、互いに2mm離間した2つの位置に変換されることが望ましい。少なくとも、2つの測定値が互いに3mm離れた位置に変換される場合、この3mmの距離は、プローブがどこにあるかにかかわらず同じであることが望ましい。定規の固定長に対する要件は、測定勾配と位置勾配との間の柔軟な変換の要件に変換され得る。例えば、センサ1およびセンサ2によって測定される電圧の差が目立って (例えば、10倍以上)変化しても、センサ1およびセンサ2に割り当てられた位置の間の距離は、常に同じであるべきである。
【0025】
いくつかの実施形態では姉妹距離(すなわち、定規の2つの位置に割り当てられた位置間の距離)を一定に保つ変換を見つける方法は最適化プロセスを含む。これは、トライアル(試行的な)変換から開始し、この変換の下でルーラ長が変化する度合いを推定し、ルーラ長の変化の最小の度合い(および/またはルーラ長の最大の安定性)が達成されるまで、この度合いを低減するために変換を反復的に変化させることとして理解することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、トライアル変換がルーラ長の安定性を最大にするためだけでなく、いくつかの重み付けされた組み合わせにおいて1つまたは複数の追加の制約を満たすためにも、反復的に変更される。定規の概念に関して、それが全体的に別の制約基準を維持するという十分に良好な仕事を行う再構成を生じさせるのに役立つなら、定規長はある領域において(および/またはある特定の測定のために)わずかに長くなるか、またはわずかに短くなることが可能である。アルゴリズム的な観点では、定規の長さの変化を増加させるための犠牲(コスト)と、他の基準を維持するための失敗を増加させるためのコストとがあり、選択される結果はそれぞれの合同コストを最小化するものである。カテーテル上に配置された電極を使用して電気解剖学的画像を生成することに関するさらなる詳細は例えば、Dichtermanらの国際公開第2018/120974号パンフレットに見出すことができ、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、システム1は、心拍に関するEPデータなどの組織の電気生理学的(EP)情報を取得するように構成されてもよい。EPデータは心房細動(AF)などの不整脈を診断する際に有用であり得るEP波の伝播を示す電気解剖学的マップを作成するために、システム1によって生成された電気解剖学的画像上にマッピングされ得る。EPデータの収集に関連するさらなる詳細は例えば、Schwartz他の米国公開第2018/0125575号に見ることができるが、その全部を参考までに盛り込む。
【0027】
図1Bは、本開示の実施形態による、プロセッサ回路160の概略図である。プロセッサ回路160は、コントローラ120、測定モジュール120A、測定アナライザ120B、フィールド測定器101B、または図1Aに示される任意の他の処理構成要素のうちの1つまたは複数において実施化され得る。図示のように、プロセッサ回路160は、プロセッサ162、メモリ164、および通信モジュール168を含むことができる。これらの要素は、例えば1つまたは複数のバスを介して、互いに直接的または間接的に通信することができる。
【0028】
プロセッサ162は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、コントローラ、FPGA、他のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、または本明細書で説明する動作を実行するように構成されたそれらの任意の組合せを含むことができる。プロセッサ162はまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実施化されてもよい。
【0029】
メモリ164はキャッシュメモリ(例えば、プロセッサ162のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリデバイス、ハードディスクドライブ、揮発性および不揮発性メモリの他の形態、または異なる種類のメモリの組み合わせを含み得る。一実施形態では、メモリ164が一時的でないコンピュータ読み取り可能媒体を含む。メモリ164は、命令166を記憶することができる。命令166はプロセッサ162によって実行されると、プロセッサ162に、図1Aを参照して本明細書で説明される動作を実行させる命令を含むことができる。命令166は、コードと呼ばれることもある。用語「命令」および「コード」は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを含むように広く解釈されるべきである。例えば、用語命令およびコードは、1つ以上のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを参照することができる。命令及びコードは、単一のコンピュータ読み取り可能なステートメント(文)又は多くのコンピュータ読み取り可能な文を含んでもよい。
【0030】
通信モジュール168はプロセッサ回路160、カテーテル電極103、皮膚パッチ電極105、フィールド測定器101B、または任意の他の適切なシステム構成要素の間のデータの直接的または間接的な通信を容易にするために、任意の電子回路および/または論理回路を含むことができる。その点に関して、通信モジュール168は、入力/出力(I/O)デバイスであり得る。場合によっては、通信モジュール168がプロセッサ回路160および/またはシステム1(図1A)の様々な要素間の直接的または間接的な通信を容易にする。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、治療電極103を担持するカテーテル10を使用して実施されるアブレーション治療処置中の左心房の内壁50の平面図である。特に、図2は左心房の内壁50を示しており、右上下肺静脈の肺静脈開口部48または入口部、および左上下肺静脈を含む。アブレーション処置は電極103を組織に対して配置し、所与の半径および深さの焼灼点52または損傷部を生成するのに十分な期間、電圧または電流を印加することによって実行される。しかし、高周波アブレーション、冷凍アブレーション、熱アブレーション、超音波アブレーション(高周波超音波アブレーションなど)、または任意の他の適切なタイプの治療などの他のタイプのアブレーションまたは治療を使用することができることを理解されたい。この点に関して、カテーテル10は、これらのタイプの治療のいずれか、または任意の他の適切なタイプの治療を実行するように構造的に配置および構成することができ、構成要素を含むことができる。焼灼線(アブレーションライン)54Aに沿って多数の焼灼点52を形成し、焼灼点52を互いに十分に近接させることによって、不整脈を引き起こす電気信号を遮断するための電気的隔離壁を形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、約60~約90個の焼灼点52が組織の領域の周りに線54Aまたはループを形成するように生成される。各焼灼点52は電気的に隔離する損傷部を作り出すために、約30秒と約90秒との間、組織を焼灼することによって形成されてもよい。
【0032】
アブレーションは心房細動の治療のための心房壁のアブレーションに関して本明細書で一般的に説明されるが、説明は必要に応じて変更して、例えば、神経組織、腫瘍組織(例えば、癌)、いぼ、皮膚組織、粘膜、または他の組織などの他の異常成長組織などの他の組織におけるアブレーションの計画にも適用されることを理解されたい。
【0033】
不整脈を引き起こす望ましくない電気パルスまたは信号を適切に遮断するために、焼灼点(アブレーションポイント)52は、閉ループを作り出すために互いに十分に近接していることが望ましい。しかしながら、アブレーション処置時に十分なアブレーションライン54Aが作成されていると医師に見えるかもしれないが、心臓の再造形はアブレーションポイント52を移動させ、離れて移動させ、心房細動の再発につながる可能性のあるアブレーションラインにギャップを生じさせ得る。
【0034】
図3Aおよび図3Bは、心臓の再造形の結果としての、解剖学的目印(ランドマーク)および/または他の焼灼点に対する焼灼点52の移動を示す。上述したように、アブレーションのような治療は、治療手順中であっても、速やかに心臓を正常洞調律(NSR)に戻すことができる。心臓がNSRに戻ると、心房などの心臓のいくつかの解剖学的特徴構造のサイズは収縮し、および/または他の幾何学的変化を受けることがあり得る。幾何学的形状の変化は、再造形(リモデリング)と呼ばれる。いくつかの例では、心房が損傷が成功した後、3回の心拍ですぐに再造形することができる。心臓が再造形されると、アブレーション点または治療位置(例えば、図2図3Aのアブレーション点52)のタグ付けされた位置は、もはや有効ではない場合がある。その点に関して、図3Aは、心臓が再造形される前の心房壁上のアブレーションポイント52aの配置を示している。図3Bは、心臓が再造形された後の焼灼点52bの配置を示す。図3Bに示されるように、焼灼点52の再配置または移動は焼灼点52の間にギャップ58を生成し、これは、不整脈誘導回路が再形成し、免れることを可能にし得る。これらのギャップは、再造形された心臓における焼灼点52bのより緩んだ配置に起因し得る。
【0035】
したがって、心臓が再造形された後に、アブレーションラインを修正するために、再施行または再検査手順を実施することがしばしば必要である。心臓は素早く再造形し得るため、元の治療手順がまだ進行中であっても、再検査が必要になる場合がある。その他の場合には、最初の治療手順の数週間後、数カ月後、数年後に再試験が必要となることがある。従来の再検査手順は時間がかかり、正確でないことがある複雑なペーシング過程を伴うことがある。本開示は、タグ付けされた治療位置を含む解剖学的構造の第1の画像またはマップと、該解剖学的構造の第2の処置後の画像またはマップとを非剛体変換を使用して位置合わせする、デバイス、システム、および関連する方法を説明する。該位置合わせは不整脈誘発電気信号の免れを可能にする可能性がより高い領域を識別するために、第1の画像上にタグ付けされた治療位置を第2の画像にマッピングするために使用される。
【0036】
これらの実施形態を実行する際の主な課題は、心臓の再造形にもかかわらず、解剖学的に意味のある方法で1つの画像から別の画像に点を移動させる変換を見つけることである。すなわち、該位置合わせは、第1の画像内の特定の解剖学的指定点を、第2の画像内の解剖学的に対応する点に位置合わせすべきである。解剖学的に対応する点は、第2の画像における同じ特定の解剖学的指定点である。例えば、該位置合わせは、第1の画像内の血液プール内の点を第2の画像内の血液プール内の点に、第1の画像の壁の点を第2の画像の壁の点に、第1の画像内の所与のランドマーク内の点を第2の画像内の同じランドマーク内の点に、等々のように、位置合わせすべきである。目印の例は、卵円窩(FO)、肺静脈のいずれか1つまたはその口部、大静脈のいずれか1つ、心臓弁などを含むことができる。
【0037】
図4は、本開示の一実施形態による、電気解剖学的画像の位置合わせのための方法を示す流れ図である。方法400のステップのうちの1つまたは複数は、図1A図1Bに示すシステム1またはコントローラ処理システム20、EM場測定器10、カテーテル11、皮膚パッチ電極5、および任意の他の適切な構成要素を含むシステム1の構成要素を使用して実行することができることを理解されたい。ステップ410において、システムは、心臓などの解剖学的構造の第1の電気解剖学的画像を受け取る。電気解剖学的画像は患者の皮膚上に配置された複数のパッチ電極によって誘導された電界を測定するために、患者の解剖学的構造内に配置されたカテーテル上の複数の電極を使用して取得されてもよい。前述のように、カテーテルは、2、3、4、5、またはそれ以上の電極を含むことができる。2つ以上の電極で測定された電圧および電極間の既知の間隔に基づいて、当該システムは測定された電圧および/または電気信号を解剖学的構造の幾何学的測定値(例えば、距離測定値)に変換する。カテーテルは電気解剖学的画像を生成するためにシステムによって使用される電気解剖学的データまたは測定値を取得するために、解剖学的構造の内側の周りを、その中の様々な特徴構造まで移動される。
【0038】
例えば、一実施形態では解剖学的構造が左心房を含み、カテーテルは左心房内の様々な位置、ならびに左心耳、左上および下肺静脈、右上および下肺静脈、および/または僧帽弁などのその周辺位置および特徴構造に移動される。いくつかの実施形態では、電気解剖学的画像または画像データがカテーテルの電極から直接受信される。他の実施形態では、電気解剖学的画像がメモリ要素から受信される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の電気解剖学的画像が第1の電気解剖学的画像が得られた数週間または数ヶ月後に、位置合わせで使用される。
【0039】
ステップ420において、システム100は第1の電気解剖学的画像に関連し、解剖学的構造上の治療位置を示す治療位置データを受信する。その点に関して、アブレーションなどの治療処置中に、カテーテル上の2つ以上の電極が治療電極がアブレーションを実行している間に、電気解剖学的画像データまたは位置決めデータを取得している場合がある。第1の電気解剖学的画像に対するカテーテルまたは治療位置の決定された位置は、第1の電気解剖学的画像上にタグ付けされる。いくつかの実施形態では、治療位置データがデカルト座標系、ユークリッド座標系、極座標系、または他の適切な座標系における治療位置(例えば、焼灼点、焼灼線)を示す。いくつかの実施形態では、治療位置データが以下でさらに説明するように、カテーテル軌跡に対する治療位置を示す。いくつかの実施形態では、治療位置が肺静脈の小孔などの1つまたは複数の解剖学的目印に対してタグ付けされる。
【0040】
ステップ430において、システム100は、治療後の解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像を受け取る。いくつかの例では、解剖学的構造の第2の電気解剖学的画像が治療手順によって促進された再造形を受けた後の心臓を表すことができる。その点に関して、いくつかの例では、第2の電気解剖学的画像に示される心臓が体積、解剖学的目印の相対位置、壁サイズなどによって、第1の電気解剖学的画像に示される心臓と幾何学的に異なり得る。しかしながら、いくつかの態様では、心臓内の1つまたは複数の解剖学的目印または特徴構造が肺静脈の口部または開口部のサイズ、上肺静脈と下肺静脈との間の相対的間隔など、実質的に不変のままであり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の電気解剖学的画像が治療手順の直後またはその間に受け取られる。いくつかの実施形態では、第2の電気解剖学的画像が治療手順の数日後、数週間後、または数ヶ月後に受け取られる。いくつかの実施形態では、第1および第2の電気解剖学的画像が同じシステムを使用して取得される。他の実施形態では、第1および第2の電気解剖学的画像が異なるシステムを使用して取得される。
【0042】
ステップ440において、システムは、第1の電気解剖学的画像と第2の電気解剖学的画像との間の非剛体変換を決定する。非剛体変換には、スケーリング、平行移動、回転、圧縮、または膨張以外の変換も含めることができる。その点に関して、前述したように、心臓の再造形は心房壁または心房の容積などの心臓のいくつかの特徴構造をより大きくまたはより小さくし得る一方、他の特徴は実質的に変化しないままであるか、または再造形による影響をあまり受けない。したがって、当該変換は、第1の電気解剖学的画像内の様々な点が心臓の再造形を表す第2の電気解剖学的画像内の位置にマッピングされることを可能にすることができる。
【0043】
例えば、いくつかの実施形態では、当該変換は、1つの画像(例えば、元の心臓の画像)内の点と他の画像(例えば、再造形された心臓の画像)内の各点との間の全ての対応に確率を割り当てる確率的対応モデルに基づく。該確率は、一方の画像内の互いに近い点が他方の画像内の互いに遠い点に対応するよりも、他方の画像内の互いに近い点に対応する確率が大きくなるように割り当てることができる。確率を割り当てるためのそのような条件は、本明細書ではコヒーレンス条件と呼ばれることがある。所与のランドマークの点は通常、他のランドマークの点よりも互いに近くにあり、これは一般に、2つの画像のそれぞれに当てはまるので、コヒーレンス条件は2つの画像内の点間の対応の解剖学的意味を促進させることができる。
【0044】
コヒーレンス条件を適用する1つの方法において、確率は、1つの画像内の点の間の差と他の画像内の対応する点の間の距離との和に依存する費用関数を最小化することによって見出され得る。加えて、または代替的に、確率モデルは点が一方の画像から他方の画像へ移動する距離を最小化する変換(例えば、2つの画像の原点が同じ点にあると仮定する)に、より高い確率を割り当ててもよい。本開示のいくつかの実施形態では、確率モデルが一方の画像内の点から他方の画像内の対応点に至る軌跡間のコヒーレンシを最大化する(例えば、コヒーレント点ドリフトモデル)。いくつかの実施形態では当該点は画像の点であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、画像の各々がカテーテルの剛性部分に取り付けられた複数の電極によって取得された電気的測定値(例えば、電圧および/またはインピーダンス測定値)に基づいて生成される。そのような実施形態では各画像の点がグループで相互接続され、例えば、画像が4つの電極を担持するカテーテルで取得された場合、画像は四つ組の点から作られ、グループ内(例えば、1つの四つ組内)の点間の距離は電極間の距離に対応する。いくつかのそのような実施形態では、当該変換が電気的読み取り値を取得した電極間の既知の距離に関して生成される。既知の距離を尊重する条件は、本明細書では局所スケーリング条件と呼ばれる。例えば、変換は、1つの画像内のグループ内の点間の距離が他の画像内の対応するグループ内の点間の距離と同じである対応モデルを好むように行われてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、変換が一方の画像内のグループ内の点間の距離の間の比が他方の画像内の対応するグループ内の点間の距離の間の比と同じである対応モデルを好むように行われてもよい。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、コヒーレンス制約がセンサに割り当てられた相対位置(例えば、電極位置)に関する制約に追加される。例えば、1つの画像内の近傍領域における2つの点は、何らかのメトリック(測定基準)の下でも近傍にある点に対応すると仮定される。いくつかの実施形態では、同じグループに属する点を姉妹位置を占有する姉妹点と呼ぶことができ、姉妹位置間の距離を姉妹距離と呼ぶことができる。姉妹距離が画像にまたがって滑らかに変化することを必要とするように、コヒーレンス基準を設定することができる。例えば、姉妹距離の空間分布が、異なる空間周波数を有する成分に分解可能である場合、姉妹距離の滑らかな変化を生成する変換を見つけるためのアルゴリズムを得ることができる。次いで、アルゴリズムは高周波数成分の姉妹距離分布を生成する変換にペナルティを課すことができ、コヒーレント変換を見つけるために全体的なペナルティを(姉妹距離の分布に対する高周波数成分の寄与を低減することによって)最小化することができる。例えば、各成分にペナルティを設定し、成分の周波数が高くなるほどペナルティが大きくなるようにしてもよい。このように、低周波成分のみを含む分布はほとんどペナルティを受けないことになり、非常に高い周波数の成分を含む分布は大きくペナルティを受けることになる。ペナルティを最小化するために最小化手順を適用して、滑らかに変化する(すなわち、主に小さな周波数成分を伴う)姉妹距離をもたらす変換を見つけることができ、これは、コヒーレンス基準の一例である。
【0047】
いくつかの実施形態では、位置合わせ変換は、1つの全体画像の他のものへの変換を最適化することによって見つけることができる。他の実施形態では、位置合わせ変換が第1の画像(または点群)の選択された点のみを第2の画像(または点群)の選択された点に変換することによって見つけることができる。
【0048】
方法400の電気解剖学的イメージングおよび変換の一例を図5A図5B、および図6に示す。図5Aは、肺静脈48a~dへの開口部および心房壁50aを含む左心房の第1の電気解剖学的画像を示す。複数の基準点61a、62a、63a、64a、65aが心房壁50a上の種々の位置に示されている。図5Bは、治療手順の結果として心臓が再造形された後の左心房の第2の電気解剖学的画像を示す。この点に関して、心房壁50bの大きさおよび形状、ならびに点61b、62b、63b、64b、65bの相対位置が変化している。しかしながら、肺静脈開口部48a~dのサイズおよび/または形状、ならびに上肺静脈開口部と下肺静脈開口部との間の相対的な間隔66a、66bなどのいくつかの特徴は、第1の電気解剖学的画像と第2の電気解剖学的画像との間で同様であるか、または実質的に変化していない。例えば、肺静脈開口部48aおよび48bのサイズならびにそれらの間の相対的な位置/距離は、2つの画像の間で実質的に一定のままであり得る。しかしながら、肺静脈開口部48aと48cとの間の距離68a、68bは、2つの画像間で異なり得る。したがって、心臓の再造形は、組織の非剛性または非均質な移動をもたらしている。その点に関して、いくつかの実施形態では、点61a、62a、および64aなどの特定の解剖学的目印に近い点は画像間の動きがより少ないことがあり得る一方、63aおよび65aなどの心房壁上の他の点は心臓の不均一な変化する幾何学的形状を反映するように画像間の動きがより大きくなり得る。
【0049】
上述したように、図5Aおよび図5Bに示されたマッピング及び位置合わせは、解剖学的構造の再造形から生じる治療位置(例えば、焼灼点)の再配置を示す更新された電気解剖学的画像またはマップを作成するために使用され得る。図6は、第2の電気解剖学的画像にマッピングされた第1の電気解剖学的画像からの焼灼点を有する左心房の再構成された電気解剖学的画像を示す。図6に示される画像は、システム100のディスプレイ装置上に示されるユーザインタフェースの一部であり得る。図2に示す位置と比較すると、焼灼点52の位置は心臓の再造形の結果として移動し、焼灼点のいくつかの間にギャップ58が生じている。上述の変換を使用して焼灼点52をマッピングすることによって、ギャップ58を表示し、識別することができ、その結果、医師は心臓がNSRに戻るのを助けるために、ギャップ58を埋めるための再施行手順をより容易に計画し、実行することができる。図6に示されるマッピングされた治療位置を有する再構成された画像は、再施行治療処置中に操作者(オペレータ)を案内するためのカテーテル又は治療装置のインジケータと共に示すことができる。
【0050】
本開示は上述の変換を決定し、適用するためのいくつかの特定のプロセスおよびアルゴリズムを企図する。この点に関して、図7図18は、電気解剖学的画像の位置合わせに使用される非剛体変換のための様々な方法およびアプローチを示す。
【0051】
図7は、第1及び第2の画像において識別された共通のランドマークを用いて第1及び第2の画像を位置合わせする方法500を示すフロー図である。方法400におけるように、方法500における画像は、いくつかの実施形態において、心臓の電気解剖学的画像を含むことができる。ステップ510において、当該システムは、左心房などの心臓の特徴構造を含むことができる解剖学的構造の第1の電気解剖学的画像を受け取る。ステップ520において、該システムは、第1の画像にタグ付けされるか、または他の方法で関連付けられる治療位置データを受信する。該治療位置データは、アブレーションが第1の画像において適用された焼灼線および/または点(例えば、焼灼点)を示す。ステップ530において、該システムは、治療の少なくとも一部が適用された後の第2の画像を受け取る。前述したように、第2の画像における解剖学的構造は、第1の画像と比較した場合、再造形の結果として異なる幾何学的特性を示し得る。ステップ540において、共通の解剖学的目印が第1及び第2の画像において識別される。いくつかの実施形態では、ランドマークが治療手順の前または間に、第1の画像において最初に識別される。次に、第2の画像において同じランドマークが識別され、変換が決定される。例えば、図5Aおよび図5Bを参照すると、ユーザは第1の画像内の1つまたは複数の肺静脈開口部48の位置を識別し、第2の画像内の同じ肺静脈開口部の位置を識別することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、目印がユーザ入力装置を介してオペレータによって識別される。例えば、オペレータは、マウス、ジョイスティック、キーボード、トラックボール、またはタッチスクリーンデバイスのうちの1つまたは複数を使用して、ディスプレイ上に示される第1の画像内のランドマークの位置を識別することができる。いくつかの実施形態では、ランドマークを識別するために使用されるユーザ入力がランドマーク上またはその近くの1つまたは複数の点を選択することを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザ入力がランドマークの周囲をトレースすることを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザ入力がランドマークの形状または輪郭を表す画像のディスプレイ上の形状またはオブジェクトをオーバーレイおよび/またはサイズ変更することを含むことができる。
【0053】
ステップ550において、当該システムは、識別された解剖学的目印に基づいて第1及び第2の画像を位置合わせする。いくつかの実施形態では、ステップ550が第1および第2の画像の共通の識別されたランドマークを入力として使用する、第1および第2の画像間の変換を決定することを含む。例えば、該変換は、共通の識別されたランドマークに関連付けられた第1および第2の画像の点または領域を整列または位置合わせすることと、上述の1つまたは複数の非剛体変換技法を使用して画像の残りの点または領域を変換することとを含むことができる。ステップ560において、焼灼線および/または焼灼点は、共通の解剖学的目印および変換に基づいて第2の画像にマッピングされる。
【0054】
図8図11は、本開示のいくつかの実施形態による、心臓の電気解剖学的画像の様々なユーザインターフェースおよびビューを示す。いくつかの実施形態では、図8-11に示されるビューを、ランドマークの識別、治療計画の立案、および電気解剖学的画像を使用した治療のガイドに使用することができる。図8Aは、右上下肺静脈(RSPV、ISPV)、左上下肺静脈(LSPV、LIPV)、左室流入(LF流入)、左心耳(LAA)を含む左心房の電気解剖学的画像の斜視図である。特に、図8Aは左心房の斜視図であり、患者の解剖学的構造に対するビューの向きをユーザに示す向きインジケータ615を含む。図8B図8Aに示される電気解剖学的画像の部分断面図であり、AF治療計画にとって特に興味深い位置であり得る左上肺静脈および下肺静脈の開口部を示すために明らかにされた内側心房壁630を有する。図8Bはまた、内部心房壁630上に重ねられた焼灼線640を示す。その点に関して、焼灼線640は治療の前、治療中、または治療後、およびアブレーション治療の結果として心臓が再造形される前に、第1の電気解剖学的画像上にタグ付けされた、または示された焼灼線を表すことができる。他の実施形態では、焼灼線640が心臓の再造形後に得られた第2の電気解剖学的画像上にマッピングされた焼灼線を表すことができる。他のビューもまた、治療計画およびガイダンスに有利であり得る。例えば、図9は左心房の内部壁の平坦なパノラマ図を示しており、上大静脈と下大静脈の開口部、卵円窩(FO)、三尖弁(TV)、コッホの三角、トダーロ腱、冠静脈洞(CS)、冠静脈洞弁(ThV)、下大静脈弁(ER)を示している。Fig.10は右上下肺静脈(RSPV, ISPV)、左上下肺静脈(LSPV, LIPV)、左心耳(LAA)、僧帽弁(MV)の開口部を示す左房の同様の平らなパノラマ像である。図11は、画像の対応する部分上に重ねられた焼灼線650、660を有する左心房の特徴構造の外部三次元斜視図を示す。その点に関して、図11は、タグ付けされた治療位置を有する第1の電気解剖学的画像、または第2の電気解剖学的画像上の焼灼線の変換された、または位置合わせされた位置を示す位置合わせされた電気解剖学的画像を表すことができる。図8図11で識別される目印のいずれもが、方法500に従って変換を決定するために使用することができると理解されるであろう。さらに、図8図11で識別される目印のいずれも、上記のように治療の標的とすることができる。
【0055】
図12は、第1および第2の画像を生成する際に使用される共通のカテーテル軌跡を使用して、第1および第2の画像を位置合わせするための方法を示す流れ図である。具体的には、カテーテル軌跡は、それぞれの電気解剖学的画像を生成するために使用される電気解剖学的データを取得する際に複数の電極を備える感知カテーテルが移動する経路として描くことができる。いくつかの実施形態では、感知カテーテルを遠位位置まで前進させ、カテーテル軌跡にわたって近位にゆっくりと引き戻す(すなわち、プルバックする)ことができる。いくつかの例では、オペレータが第1および第2の画像を生成するために、同じまたは類似のカテーテル軌跡を使用または選択し得る。したがって、第1の画像と第2の画像との間の同じまたは類似のカテーテル軌跡に沿った同じまたは類似の位置で得られた電気解剖学的データ測定値の間の対応を使用して、第1の画像の第2の画像への変換を決定し、それによって、第1の画像上にタグ付けされた治療位置(例えば、焼灼線)を第2の画像にマッピングできる。
【0056】
方法400および500と同様に、ステップ710において、システムは、解剖学的構造の第1の画像を受信する。第1の画像は前述したように、感知カテーテルを使用してカテーテル軌跡に沿って電気解剖学的データ又は測定値を取得することによって取得されていてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、電気解剖学的画像データ点は、感知カテーテルのカテーテル軌跡に沿った位置、または特定の電気解剖学的画像データ点が得られた感知カテーテルの1つまたは複数の電極の位置に関連付けられる。カテーテルおよび/または電極の対応する位置は、電気解剖学的データ点と共にメモリに保存することができる。ステップ720において、当該システムはまた、第1の画像に関して、アブレーション線もしくはポイントの位置、または解剖学的構造上の他の治療位置を示す治療位置データを受信する。ステップ730において、該システムは、解剖学的構造の第2の画像を受け取る。第2の画像は、該第2の画像の電気解剖学的画像データ点もカテーテル軌跡に関連付けられるように、同じカテーテルまたは異なるカテーテルを使用してカテーテル軌跡に沿って電気解剖学的データまたは測定値を取得することによって取得されてもよい。ステップ740において、第1および第2の画像のデータ点間の対応を見つけるために、第1および第2の画像において共通のカテーテル軌跡が識別される。例えば、いくつかの実施形態では、撮像手順を実行する医師がカテーテルを患者の心臓内の所定の軌跡に沿って案内し、カテーテルがこれらの軌跡の各々に沿って進むときにマークを付け(例えば、ユーザインターフェース40によって)、したがって、各軌跡の開始および終了、ならびに軌跡に沿って訪れたすべての点の記録が存在することになる。所定の軌跡は、心臓の解剖学的構造に関して明確に定義することができる。例えば、左心房を治療する際に、所定の軌跡は4つの軌跡を含むことができ、各軌跡は左心房への入口点(例えば、卵円窩)から肺静脈のうちの1つへと進む。これらの軌跡の数は例えば、患者の解剖学的構造がより少ない又はより多い肺静脈を含む場合には、4つと異なり得る。第5の軌道は、入口点から僧帽弁に進むことができる。軌跡の追加の例は入口点から、左心耳および僧帽弁開口部などの明確に画定された目印までの軌跡を含むことができる。例示的な軌跡は、図13図16に関して以下でさらに説明される。
【0057】
ステップ750において、第1の電気解剖学的画像上に元々タグ付けされた治療位置を第2の電気解剖学的画像にマッピングするために、第1の電気解剖学的画像データ、特に治療位置データに非剛体変換が適用される。ステップ760において、当該システムのディスプレイ装置又は該システムと通信するディスプレイ装置は第2の電気解剖学的画像上にマッピングされた治療位置を示し、追加の焼灼点又は線が実行されるべき領域を示す。
【0058】
図13図16は方法700に関して説明したように、電気解剖学的画像を取得し、カテーテル軌跡に基づいて電気解剖学的画像を位置合わせするために使用することができる複数のカテーテル軌跡を示す。特に、図13は、本開示のいくつかの実施形態による、心臓200の右心室202A、右心房202、上大静脈203、および下大静脈204の領域を通るいくつかの所定のカテーテル軌跡205、210、215の進路を概略的に表す。左心房201も示されている。上述のように、カテーテル軌跡は、カテーテルが電気解剖学的データを取得している間の、心腔および/または血液プール内のカテーテルの電極の移動経路として描くことができる。医師は、静脈の口部、弁、心房、または他の領域などの、解剖学的構造の特定の特徴構造または領域によって特徴付けられる、いくつかの所定のカテーテル軌跡のいずれかを使用し得る。特に、経路は、解剖学的構造の特徴構造または領域に関連する所定の開始点および停止点によって画定されてもよい。カテーテル軌跡は治療手順の前、間、または後の様々な時点で医師によって繰り返され得るように、明確に定義され得るか、または理解され得る。方法700に関して上述したように、異なる電気解剖学的画像を生成するために同じカテーテル軌跡を繰り返すことによって、異なる電気解剖学的画像は、共通のカテーテル軌跡に基づいて位置合わせすることができる。
【0059】
カテーテル軌跡205、210、215は再造形された心臓の画像を元の心臓の画像に迅速に位置合わせするために、カテーテルプローブ11がどのように心臓の心房を通って移動され得るかの例を含む。大まかに言えば、軌跡は、引き戻しがカテーテルの長さに沿って逆方向に行われるので、引き戻し前のカテーテル形状にも対応する(3つの電極3を備えるプローブ11を備えたカテーテル9の一例が軌跡205に沿って引き戻すように配置された位置に示されている)。この対応は例えば、カテーテル自由端の振動、カテーテルの機械的特性の影響などのために、完全ではない。
【0060】
軌跡205は、カテーテル9が右心房(RA)202を介して下大静脈(IVC)204から上大静脈(SVC)203まで延びるカテーテル位置からの引き戻しを含む。したがって、軌跡205は、シーケンスSVC-RA-IVCを通る。任意選択的に、軌跡205は初期引き戻し軌跡、例えば、下大静脈を介して心臓に到達するカテーテルと共に使用されるものを表す。この軌跡は操作の必要性が比較的少ないサンプリング点の広い基礎という潜在的な利点を提供し、2つの画像間の明確な一致を見つける可能性を潜在的に増大させる。
【0061】
軌跡210は右心耳(RAA)内に留まるように、カテーテル先端がわずかに湾曲し、前進した位置から始まる。したがって、軌跡210は、シーケンスRAA-RA-IVCを通って延びる。
【0062】
軌跡215は、カテーテルが心房から右心室(RV)202Aに入るように通過し、該右心室を経て曲がり、最後に主要肺動脈(MPA)に入るように到達する位置から始まる。右心室内での曲がりは、特に、潜在的に有用な目印を提供する。
【0063】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、大動脈の領域を通る所定のカテーテル軌道の進路を概略的に表す図14を参照する。
【0064】
カテーテル軌跡260は2つの画像間で迅速に位置合わせするために、カテーテルプローブ11がどのようにして大動脈の部分を通って移動され得るかの一例である。大まかに言えば、軌跡260は、引き戻し前のカテーテル形状(別途には図示せず)にも対応する。この対応は例えば、自由なカテーテル端部の振動、カテーテルの機械的特性の影響などのために、完全ではない。
【0065】
軌跡260は、カテーテル9が大動脈弁250から上行大動脈252、横断大動脈弓254、胸部大動脈256、および腹部大動脈258を通って逆方向に延びるカテーテル位置からの引き戻しを含む。この軌道は、横断大動脈弓254に対応する湾曲部の形態の明確な目印という潜在的利点を提供する。任意選択的に、軌跡260は、大動脈弓の特徴的な湾曲が目印として使用される特徴的な軌跡として少なくとも部分的に定められる。
【0066】
ここで、本開示のいくつかの実施形態による、左心房201の領域への所定のカテーテル軌跡を概略的に表す図15および図16を参照する。図15は、左心房201の半透明内腔表面を三次元で表す。図16は例えば、2017年1月12日に出願された米国仮特許出願第62/445,368号、および2018年1月12日に出願された国際特許出願PCT/IB2018/050201に記載されているように、展開され、その内側から見た同じ内腔表面を表し、その両文献の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
いくつかの実施形態では、カテーテルが任意選択で、経中隔交差点270(例えば、卵円窩)から左心房に入る。これは、経中隔交差点270を左心房の異なる目印に接続するいくつかの軌跡の各々の一端を提供する。特に:
・軌跡281は、右上肺静脈272Bにつながる。
・軌跡282は右下の肺静脈272Aにつながる。
・軌跡283は左上の肺静脈271Aにつながる。
・軌跡284は、左下肺静脈271Bにつながる。軌跡283および284は展開のアーチファクトのために、図16においてそれ自体の上に二重に戻るように見える。
・軌跡285は僧帽弁274に通じている。
【0068】
図には、僧帽弁開口275および左心耳273の位置も示されている。これらの特徴構造はさらに、および/または代わりに、所定の軌跡のための目印として使用されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態ではこれらの軌跡のうちの1つに対応する画像点のみが、位置合わせに使用するために選択される。いくつかの実施形態では、これらの軌跡のうちの2つ以上の画像点が位置合わせに使用するために選択される。前述のように、いくつかの実施形態では、位置合わせは画像点間ではなく、点群点間でもある。いくつかの実施形態では、選択された点について見つけられた位置合わせは他の選択されていない点も位置合わせするために使用される。
【0070】
いくつかの実施形態では位置合わせ変換が選択された点に基づくだけでなく、選択された点には選択されていない点よりも大きな重みが与えられる。いくつかの実施形態では、当該変換が元の心臓内の損傷部が再造形された心臓の画像に位置合わせされる(かつ示される)ように、損傷部の点のみを変換するために使用される。いくつかの実施形態では、再造形された心臓内の損傷部の位置が例えば、画像上に示されるギャップの近くで最初にペーシングすることによって、再造形された心臓内のギャップを見つけるための手がかりとして、医師によって使用されてもよい。いくつかの実施形態では、医師が例えば、再造形された心臓の画像上に示されるギャップ内で焼灼することによって、再造形された心臓の画像上に示される損傷部の位置に基づいて、再造形された心臓内の損傷部間のギャップを閉じることができる。医師は再造形された心臓の画像と位置合わせの結果との類似性から、自分の印象に基づいて位置合わせされた損傷部を使用する方法を決定することができる。この点を明確にするために、いくつかの実施形態では、医師が3つの画像、すなわち、アブレーション処置で撮影された第1の画像、再施行処置で撮影された第2の画像、および第2の画像への第1の画像の位置合わせの結果である第3の画像を供給されてもよい。第3の画像は、いくつかの適合基準(例えば、コヒーレンス条件、局所的なスケーリング条件、選択された点などに与えられた重みによって決定される)の下での2つの画像間の最良適合であるが、それはそれらのいずれとも同一ではなく、特に、第2の画像とは同一ではない。いくつかの実施形態では医師が第2の画像上にオーバーレイされた第3の画像の表示を提供されてもよく、したがって、医師は位置合わせの正確さを視覚的に判断することができる。いくつかの実施形態では、第2の画像と第3の画像との間の適合品質を示す値が、当該位置合わせに帰属するものとすることができ、医師は位置合わせをどのように使用しているかを決定する際に、この値を考慮に入れることができる。いくつかの実施形態では、該値は第3の画像を得るために最小化されたコスト関数の数値、および/またはこの数値の大きさに基づく適合品質の言葉による指示であってもよい。
【0071】
図17は、解剖学的構造の第1および第2の3次元点群画像を位置合わせするための方法800を示す流れ図である。三次元点群画像は特定の座標系(例えば、デカルト、測地線、極など)内で定義されるデータ点の集まりを含み得る。点群画像は、点の数および分布、点密度、および他の特性によって部分的に特徴付けられ得る。ステップ810において、当該システムは解剖学的構造の第1の3D点群画像を受信し、該点群画像は前述のように、カテーテル上の複数の電極を使用して取得される。ステップ820において、該システムは、第1の点群画像に関連する治療位置データを受信する。例えば、該治療位置データは、点群内のどの点が治療位置(例えば、焼灼点)に関連付けられているかを示すことができ、または該治療位置データは、治療位置を示す新しいまたは追加のデータ点を定義することができる。ステップ830において、該システムは例えば、当該解剖学的構造が治療の結果として再造形された後に、該解剖学的構造の第2の3D点群画像を受信する。いくつかの実施形態では第1の画像は点群画像を含むか、または点群に基づくが、第2の画像は点群画像ではなく、逆もまた同様であることが理解されるであろう。ステップ840において、該システムは、第1及び第2の画像における共通の解剖学的目印を識別する。先に説明したように、該識別は、それぞれの画像内のランドマークの位置を示す入力をユーザインターフェースまたは入力デバイスから受け取ることを含むことができる。いくつかの実施形態では、上記入力は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーンディスプレイ、ジョイスティック、または任意の他の適切な入力デバイスを用いて、ユーザにより供給されてもよい。
【0072】
ステップ850において、当該システムは、識別された解剖学的ランドマークに基づいて第1及び第2の3D点群画像を位置合わせする。いくつかの実施形態では、該位置合わせはその点群の点と他の画像の点との間である。両方の画像が点群から再構成される場合、当該位置合わせは、1つの点群の点と別の点群の点との間であってもよい。いくつかの実施形態では、点群に含まれない画像の点は位置合わせされない。
【0073】
いくつかの実施態様において、点間の距離は、ユークリッド距離であってもよい。あるいは、点間の距離は測地線距離であってもよい。いくつかの実施形態では各画像の点が点群を形成することができ、1つの画像の点は自然な点間距離を使用して他の画像の点に変換される。いくつかの実施形態では、画像内の2つの点の間の自然な距離は、2つの点の間で点群のみを通る最短経路の長さとして定義することができる。群(クラウド)のみを通る経路は、本明細書ではクラウド内経路と呼ばれる。いくつかの実施形態では、クラウドは別個のセグメント、例えば、複数の周辺セグメント(例えば、肺静脈)の各々に接続された中央セグメント(例えば、左心房)を含むという意味で、セグメント化されてもよい。周辺セグメントは一方のセグメントから中央セグメントに入り、中央セグメントから他方のセグメントに戻る経路によってのみ相互接続されてもよい。そのような実施形態では2つの周辺セグメントがユークリッド的意味で近くにある点を有することができるが、それらの間のクラウド内経路が中央セグメントを通るので、それらの間の自然な距離は長い。そのような実施形態では、自然な距離を使用してコヒーレンス(または1つの画像内の点間の距離と他の画像内の対応する点間の距離との間の関係に関する他の制約)を測定することは、2つの画像のセグメンテーションが位置合わせの手がかりとして使用されるように、点群のセグメンテーションを保存することができる。
【0074】
1つのセグメント化された点群を別の同様にセグメント化された点群に位置合わせするセグメント化保存方法の例は、各群内の各点を該群内のセグメントに割り当てるステップと、第1の群内の同じセグメントに割り当てられた点が他の群内の対応するセグメントに変換され、第1の群内の異なるセグメントに割り当てられた点が他の群内の異なるセグメントに変換されることを必要としてセグメント化された群内の位置に各点を変換するステップとを含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、分割保存変換は、変換の高い空間周波数成分を最小化することによって達成されてもよい。例えば、該変換は空間周波数成分に分解可能であり、コスト関数は高周波数成分に高コストを割当てることができ、その結果、得られた変換は、高空間周波数の成分が比較的小さいか又は全く存在しない。
【0076】
ステップ860では、第1および第2の点群画像を位置合わせした結果として、治療位置(例えば、焼灼線)を第2の点群画像に位置合わせして、再造形された解剖学的構造における移動から生じる更新された位置を示すことができる。ステップ870において、マッピングされた治療位置の指示情報が3D画像上に重ね合わされた状態で、第2の画像に基づいて3D画像が生成される。
【0077】
前述のように、心臓再造形は、アブレーション処置が完了する前であっても、迅速に行われ得る。したがって、場合によっては、治療手順の間に心臓のリズムがいつ変化したかを検出し、結果として再造形が行われたかどうかを決定することが有益であろう。心臓のリズムと幾何学寸法をモニタリングすることにより、心臓の治療中再造形を補償することができ、治療計画を適宜調整して治療手順の質を高めることができる。図18は、心臓リズム変化の検出に基づいて、治療処置中に解剖学的構造の第1および第2の3次元電気解剖学的画像を位置合わせするための方法900を示す流れ図である。
【0078】
ステップ910において、当該システムは例えば、アブレーション処置の前に、心臓の第1の3D画像を受信する。ステップ920において、アブレーション処置が開始される。ステップ930において、システムは、心臓のリズム変化を検出する。例えば、心臓のリズムは、不整脈、またはAFリズムから正常洞リズム(NSR)に変化することがある。いくつかの実施形態では、該システムがカテーテル上の電極を使用して電気生理学的(EP)データを取得することによって、リズムの変化を検出することができる。他の実施形態では、外部身体パッチ電極またはECGモニタなどの他の検出方法が該システムに結合される。ステップ940において、心臓リズムの変化の検出に応答して、心臓の第2の3D画像が取得される。ステップ950において、2つの画像間の変換を決定する際に使用されるべき共通の解剖学的目印が、第1及び第2の3D画像において識別される。ステップ950において、該システムは、上記共通の識別されたランドマークに基づく決定された変換を使用して、第1および第2の3D画像を位置合わせする。いくつかの実施形態では、ステップ960で達成される位置合わせは共通のカテーテル軌跡に基づいて、または本開示によって企図される他のパラメータに基づいて実行されることが理解されるであろう。
【0079】
当業者であれば、上述の装置、システム、および方法は、様々な方法で修正することができることを理解するであろう。したがって、当業者は、本開示によって包含される実施形態が上述の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。その点に関して、例示的な実施形態が示され、説明されてきたが、前述の開示において、広範囲の修正、変更、および置換が企図される。このような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記に対してなされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示と一致するように広く解釈されることが適切である。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A-5B】
図6
図7
図8A-8B】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18