(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】端末、通信システム、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/25 20230101AFI20231106BHJP
H04W 16/10 20090101ALI20231106BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20231106BHJP
H04W 72/115 20230101ALI20231106BHJP
H04W 72/40 20230101ALI20231106BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231106BHJP
【FI】
H04W72/25
H04W16/10
H04W28/04 110
H04W72/115
H04W72/40
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2021517133
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(86)【国際出願番号】 JP2019018173
(87)【国際公開番号】W WO2020222265
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔平
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホワン
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0327315(US,A1)
【文献】Ericsson,Feature lead summary #2 on Resource allocation for NR sidelink. Mode 1[online],3GPP TSG RAN WG1 #96b R1-1905834,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96b/Docs/R1-1905834.zip>,2019年04月15日
【文献】MediaTek Inc.,Impact of BWP switch on SPS and configured grants[online],3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1805099,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101bis/Docs/R2-1805099.zip>,2018年04月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末間直接通信で用いるリソースを予め設定する設定情報と前記リソースを動的に設定する制御情報を受信する受信部と、
前記制御情報をスクランブルした識別子と前記制御情報に含まれる新規データを示す情報に基づいて、前記端末間直接通信のデータを再送するためのリソースを前記設定情報と前記制御情報のいずれかを用いて設定する制御部と、
前記制御部が設定したリソースを用いて、前記端末間直接通信のデータを再送する送信部と、
を備える端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御情報に基づいて、前記設定情報をアクティブにする又は非アクティブにする、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
端末間直接通信で用いるリソースを予め設定する設定情報と前記リソースを動的に設定する制御情報を端末に送信する送信部、
を備える基地局と、
前記設定情報と前記制御情報を前記基地局から受信する受信部と、
前記制御情報をスクランブルした識別子と前記制御情報に含まれる新規データを示す情報に基づいて、前記端末間直接通信のデータを再送するためのリソースを前記設定情報と前記制御情報のいずれかを用いて設定する制御部と、
前記制御部が設定したリソースを用いて、前記端末間直接通信のデータを他の端末に再送する送信部と、
を備える端末と、
を備える通信システム。
【請求項4】
端末間直接通信で用いるリソースを予め設定する設定情報と前記リソースを動的に設定する制御情報を受信するステップと、
前記制御情報をスクランブルした識別子と前記制御情報に含まれる新規データを示す情報に基づいて、前記端末間直接通信のデータを再送するためのリソースを前記設定情報と前記制御情報のいずれかを用いて設定するステップと、
前記リソースを用いて、前記端末間直接通信のデータを再送するステップと、
を備える端末の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びLTEの後継システム(例えば、LTE-A(LTE Advanced)、NR(New Radio)(5Gともいう。))では、ユーザ装置同士が基地局装置を介さないで直接通信を行うD2D(Device to Device)技術が検討されている。
【0003】
D2Dは、ユーザ装置と基地局装置との間のトラフィックを軽減し、災害時等に基地局装置が通信不能になった場合でもユーザ装置間の通信を可能とする。なお、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、D2Dを「サイドリンク(sidelink)」と称している。
【0004】
D2D通信は、通信可能な他のユーザ装置を発見するためのD2Dディスカバリ(D2D discovery、D2D発見ともいう。)と、ユーザ装置間で直接通信するためのD2Dコミュニケーション(D2D direct communication、D2D通信、端末間直接通信等ともいう。)と、に大別される。以下では、D2Dコミュニケーション、D2Dディスカバリ等を特に区別しないときは、単にD2Dと呼ぶ。また、NRにおけるV2X(Vehicle to Everything)に係るサービスの様々なユースケースが検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 38.321 V15.5.0(2019-03)
【文献】3GPP TS 38.331 V15.5.1(2019-04)
【文献】3GPP TS 36.321 V15.5.0(2019-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザ装置が、PDCCHの受信をULデータ送信の度に行うことなくULデータ送信を行うことを可能とする、NR-Uuでのconfigured grantが導入されている(例えば非特許文献1、2)。NR-Uuでのconfigured grantでは、dynamic grantによりULデータの再送が可能である。
【0007】
サイドリンクについては、configured grantが導入されている(非特許文献3)ものの、configured grantに基づいて送信したデータの再送を行うための具体的な技術の提案はなされていない。
【0008】
本発明は、少なくとも上記の点に鑑みてなされたものであり、サイドリンクにおいて、configured grantに基づいて送信したデータの再送を実現するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術によれば、予め設定されたサイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いてデータを送信する送信部と、
前記データの再送のためのサイドリンクグラントを受信する受信部と、を備え、
前記送信部は、前記再送のためのサイドリンクグラントに基づいて、前記データを再送する
ユーザ装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の技術によれば、サイドリンクにおいて、configured grantに基づいて送信したデータの再送を実現するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】V2Xの送信モードの例(1)を説明するための図である。
【
図3】V2Xの送信モードの例(2)を説明するための図である。
【
図4】V2Xの送信モードの例(3)を説明するための図である。
【
図5】V2Xの送信モードの例(4)を説明するための図である。
【
図8】NR-Uuにおける再送制御の例を説明するための図である。
【
図9】実施例1における処理のシーケンス図である。
【
図10】実施例1における処理のシーケンス図である。
【
図11】実施例1-1における再送制御の例を示す図である。
【
図12】実施例1-1におけるユーザ装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】実施例1-2における再送制御の例を示す図である。
【
図14】実施例1-2におけるユーザ装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】実施例2における処理のシーケンス図である。
【
図16】実施例2における再送制御の例を示す図である。
【
図17】本発明の実施の形態における基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
【
図18】本発明の実施の形態におけるユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施の形態における基地局装置10又はユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0013】
本発明の実施の形態の無線通信システムの実際の動作にあたっては、適宜、既存技術が使用されてよい。当該既存技術は、例えば既存のLTEあるいはNRであるが、既存のLTEあるいはNRに限られない。
【0014】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0015】
図1は、V2Xを説明するための図である。3GPPでは、D2D機能を拡張することでV2X(Vehicle to Everything)あるいはeV2X(enhanced V2X)を実現することが検討され、仕様化が進められている。
図1に示されるように、V2Xとは、ITS(Intelligent Transport Systems)の一部であり、車両間で行われる通信形態を意味するV2V(Vehicle to Vehicle)、車両と道路脇に設置される路側機(RSU:Road-Side Unit)との間で行われる通信形態を意味するV2I(Vehicle to Infrastructure)、車両とITSサーバとの間で行われる通信形態を意味するV2N(Vehicle to Network)、及び、車両と歩行者が所持するモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2P(Vehicle to Pedestrian)の総称である。
【0016】
また、3GPPにおいて、LTE又はNRのセルラ通信及び端末間通信を用いたV2Xが検討されている。セルラ通信を用いたV2XをセルラV2Xともいう。NRのV2Xにおいては、大容量化、低遅延、高信頼性、QoS(Quality of Service)制御を実現する検討が進められている。
【0017】
LTE又はNRのV2Xについて、今後3GPP仕様に限られない検討も進められることが想定される。例えば、インターオペラビリティの確保、上位レイヤの実装によるコストの低減、複数RAT(Radio Access Technology)の併用又は切替方法、各国におけるレギュレーション対応、LTE又はNRのV2Xプラットフォームのデータ取得、配信、データベース管理及び利用方法が検討されることが想定される。
【0018】
本発明の実施の形態において、ユーザ装置(UE)等の通信装置が車両に搭載される形態を主に想定するが、本発明の実施の形態は、当該形態に限定されない。例えば、通信装置は人が保持する端末であってもよいし、通信装置がドローンあるいは航空機に搭載される装置であってもよい。
【0019】
なお、SL(Sidelink)は、UL(Uplink)又はDL(Downlink)と以下1)-4)のいずれか又は組み合わせに基づいて区別されてもよい。また、SLは、他の名称であってもよい。
1)時間領域のリソース配置。
2)周波数領域のリソース配置。
3)参照する同期信号(SLSS(Sidelink Synchronization Signal)を含む)。
4)送信電力制御のためのパスロス測定に用いる参照信号。
【0020】
また、SL又はULのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に関して、CP-OFDM(Cyclic-Prefix OFDM)、DFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform - Spread - OFDM)、Transform precodingされていないOFDM又はTransform precodingされているOFDMのいずれが適用されてもよい。
【0021】
本実施の形態に係る無線通信システムは、
図2等に示されるように、基地局装置10とユーザ装置20を有する。ユーザ装置20について、サイドリンク通信を行う複数のユーザ装置20をユーザ装置20A、ユーザ装置20Bなどと表記する。
【0022】
基地局装置10は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。また、時間領域におけるTTI(Transmission Time Interval)がスロットであってもよいし、TTIがサブフレームであってもよい。
【0023】
基地局装置10は、同期信号及びシステム情報をユーザ装置20に送信する。同期信号は、例えば、PSS及びSSSである。システム情報は、例えば、PBCHあるいはPDSCHにて送信され、ブロードキャスト情報ともいう。基地局装置10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータをユーザ装置20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータをユーザ装置20から受信する。なお、ここでは、PUCCH、PDCCH等の制御チャネルで送信されるものを制御信号と呼び、PUSCH、PDSCH等の共有チャネルで送信されるものをデータと呼んでいるが、このような呼び方は一例である。例えば、制御信号とデータを総称して「信号」と呼んでもよい。
【0024】
ユーザ装置20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。また、例えば、前述したように、ユーザ装置20は車両に搭載される通信装置である。
【0025】
ユーザ装置20は、DLで制御信号又はデータを基地局装置10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局装置10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。なお、ユーザ装置20をUEと呼び、基地局装置10をgNB(あるいはeNB)と呼んでもよい。
【0026】
LTEのSLにおいて、基地局装置10からユーザ装置20に送信されるDCI(Downlink Control Information)によりダイナミックにサイドリンクの送信リソースを割り当てることが可能である。また、SPS(Semi Persistent Scheduling)も可能である。また、ユーザ装置20は、基地局装置10からダイナミックにサイドリンクの送信リソースの割り当てを受けることの他に、基地局装置10が設定した利用選択可能なリソースであるリソースプールから自律的にサイドリンクの送信リソースを選択することも可能である。
【0027】
なお、本発明の実施の形態におけるスロットは、シンボル、ミニスロット、サブフレーム、無線フレーム、TTI(Transmission Time Interval)と読み替えられてもよい。また、本発明の実施の形態におけるセルは、セルグループ、キャリアコンポーネント、BWP、リソースプール、リソース、RAT(Radio Access Technology)、システム(無線LAN含む)等に読み替えられてもよい。
【0028】
図2は、V2Xの送信モードの例(1)を説明するための図である。
図2に示されるサイドリンク通信の送信モードでは、ステップ1において、基地局装置10がサイドリンクのスケジューリング情報をユーザ装置20Aに送信する。続いて、ユーザ装置20Aは、受信したスケジューリング情報に基づいて、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)及びPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)をユーザ装置20Bに送信する(ステップ2)。
図2に示されるサイドリンク通信の送信モードを、LTEにおけるサイドリンク送信モード3と呼んでもよい。LTEにおけるサイドリンク送信モード3では、Uuベースのサイドリンクスケジューリングが行われる。Uuとは、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)とUE(User Equipment)間の無線インタフェースである。
図2に示されるサイドリンク通信の送信モードを、NRにおけるサイドリンク送信モード1と呼んでもよい。この場合、上記UuはNR-Uuになり、これはNRとUE間の無線インタフェースである。
【0029】
図3は、V2Xの送信モードの例(2)を説明するための図である。
図3に示されるサイドリンク通信の送信モードでは、ステップ1において、ユーザ装置20Aは、自律的に選択したリソースを使用して、PSCCH及びPSSCHをユーザ装置20Bに送信する。同様に、ユーザ装置20Bは、自律的に選択したリソースを使用して、PSCCH及びPSSCHをユーザ装置20Aに送信する(ステップ1)。
図3に示されるサイドリンク通信の送信モードを、NRにおけるサイドリンク送信モード2aと呼んでもよい。NRにおけるサイドリンク送信モード2aでは、UE自身がリソース選択を実行する。
【0030】
サイドリンク送信モード2aにおいて、送信側のユーザ装置20は、センシングを行って、空きSLリソースを選択する。センシング手順は、他のユーザ装置20から送信されるSCI(Sidelink Control Information)をデコードすることにより実行されてもよいし、サイドリンク測定により、受信電力に基づき実行されてもよい。PSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)を介して送信されるSFCI(Sidelink Feedback Control Information)がセンシング手順に使用されてもよい。サイドリンク送信に使用されるリソースを決定するリソース選択手順は、センシング手順の結果に基づいて実行される。
【0031】
また、センシング手順及びリソース選択手順に適用されるリソースの粒度は、PRB単位、スロット単位、他のリソースパターンの単位で規定されてもよい。センシング手順に適用されるSCIのデコードによって、当該SCIを送信するユーザ装置20によって通知されるサイドリンクのリソースに関する情報が少なくとも取得される。
【0032】
図4は、V2Xの送信モードの例(3)を説明するための図である。
図4に示されるサイドリンク通信の送信モードでは、ステップ0において、基地局装置10がサイドリンクのスケジューリンググラントをRRC(Radio Resource Control)設定を介してユーザ装置20Aに送信する。続いて、ユーザ装置20Aは、受信したスケジューリンググラントに基づいて、PSSCHをユーザ装置20Bに送信する(ステップ1)。
図4に示されるサイドリンク通信の送信モードを、NRにおけるサイドリンク送信モード2cと呼んでもよい。
【0033】
図5は、V2Xの送信モードの例(4)を説明するための図である。
図5に示されるサイドリンク通信の送信モードでは、ステップ1において、ユーザ装置20Cがサイドリンクのスケジューリング情報をPSCCHを介してユーザ装置20Aに送信する。続いて、ユーザ装置20Aは、受信したスケジューリング情報に基づいて、PSCCH及びPSSCHをユーザ装置20Aに送信する(ステップ2)。
図5に示されるサイドリンク通信の送信モードを、NRにおけるサイドリンク送信モード2dと呼んでもよい。なお、“PSCCHを送信する”を、PSCCHを用いて制御情報を送信する、と言い換えてもよい。また、“PSSCHを送信する”を、PSSCHを用いてデータを送信する、と言い換えてもよい。
【0034】
図6は、サイドリンクのチャネル構成の一例であり、時間領域で順に、PSCCH、PSSCH、PSFCHが配置される。なお、PSCCH、PSSCH、PSFCHの配置は
図6に限定されず、周波数領域多重されてもよい。例えば、PSCCHとPSSCHが、周波数領域で隣接して配置され、PSCCHによるSCIの送信とPSSCHによるデータの送信が同時に(例えば、1サブフレームで)行われてもよい。
【0035】
(configured grantについて)
本実施の形態では、SLにおけるconfigured grantに基づく動作例を説明することから、ここで、configured grantについての説明を行う。なお、一般に、grantには、通信装置が信号送信に使用するべきリソース(時間・周波数リソース)の情報が含まれる。
【0036】
grantには、PDCCH等で送られ、動的に送信許可を行うものと、RRCシグナリング等により、予め設定するconfigured grantがある。通信装置Aから通信装置Bにconfigured grant(時間リソース(あるいは時間・周波数リソース)、周期等を含む)が設定された場合、例えば、通信装置Bは、configured grantで指定されたリソースを用いた信号送信を、configured grantで指定された周期で行う。また、通信装置Aは、configured grantで指定されたリソースを用いた信号受信のためのモニタを、configured grantで指定された周期で行うこととしてもよい。
【0037】
configured grantを設定された通信装置Bは、送信の度にgrantを受信する必要はない。以下、configured grantを「CG」と記載する場合がある。
【0038】
CGにはタイプ1のCGとタイプ2のCGがある。タイプ1では、CGの設定情報には、リソース(時間リソースであってもよいし、時間・周波数リソースであってもよい)及び周期を指定するパラメータ(例えばRRCパラメータ)が含まれる。タイプ1のCGの設定がなされた通信装置Bにおいて、当該CGは常にアクティブである。通信装置Bは、当該周期的なリソースを用いて、PDCCH/PSCCHによるシグナリングを受信することなく、データ送信を行うことができる。また、通信装置Bは送信をスキップしてもよい。
【0039】
タイプ2においても、CGの設定情報には、リソース(時間リソースであってもよいし、時間・周波数リソースであってもよい)及び周期を指定するパラメータ(例えばRRCパラメータ)が含まれる。タイプ2のCGの設定がなされた通信装置Bにおいて、CGの設定がなされただけの段階では、当該CGはアクティブではない。PDCCH/PSCCHで送信されるDCI/SCIにより、activation commandを受信した後に、通信装置Bは、当該周期的なリソースを用いて、データ送信を行うことができる。また、通信装置Bは送信をスキップしてもよい。通信装置BがDCI/SCIによりdeactivation commandを受信すると、CGは非アクティブ(inactive)になる。
【0040】
上記のようなCGを用いることで、送信の度にPDCCH/PSCCHを受信する必要がないので、PDCCH/PSCCHリソースの浪費を回避でき、また、遅延を削減することができる。以下で説明する各実施例は、タイプ1、タイプ2のいずれにも適用可能である。
【0041】
図7は、CGに関する動作の一例を示すシーケンス図である。S101において、例えばRRCシグナリング(上位レイヤシグナリング)により、基地局装置10からユーザ装置20Aに対してCGの設定情報(CG configuration)が送信される。CGの設定情報には、ユーザ装置20AがSL送信で使用できるリソース(時間リソース、あるいは、時間・周波数リソース)と周期(periodicity)を示すパラメータが含まれる。
【0042】
S101によりCGのRRC設定がなされたユーザ装置20Aは、S102において、CGのリソースを用いて、PSCCH/PSSCHによる送信を行うことができる。“PSCCH/PSSCHによる送信”は、PSCCHでSCIを送信すること、PSSCHでデータを送信すること、又は、PSCCHでのSCI送信とPSSCHでのデータ送信を同時に行うことである。ユーザ装置20Bは、SCIにより指定されるリソースで、ユーザ装置20Aから送信されたデータを受信することができる。
【0043】
(NR-Uuでの再送制御(HARQ動作)について)
本実施の形態に係る無線通信システムでは、NR-Uuにおいて、ユーザ装置20は、CGに基づくULデータ送信の再送を行うことができる。この動作例を
図8を参照して説明する。この動作例は非特許文献1、2に基づくものである。
【0044】
図8の動作の前提として、ユーザ装置20は、CG configurationを受信している。CG configurationには、HARQプロセス数を示すnrofHARQ-Processes等が含まれている。なお、configured uplink grantsに関して、UL送信の最初のシンボルに関連付けられるHARQ Process IDは、非特許文献1に記載(次にその抜粋を示す)の式により得られる:「For configured uplink grants, the HARQ Process ID associated with the first symbol of a UL transmission is derived from the following equation: HARQ Process ID = [floor(CURRENT_symbol/periodicity)] modulo nrofHARQ-Processes where CURRENT_symbol = (SFN × numberOfSlotsPerFrame × numberOfSymbolsPerSlot + slot number in the frame × numberOfSymbolsPerSlot + symbol number in the slot), and numberOfSlotsPerFrame and numberOfSymbolsPerSlot refer to the number of consecutive slots per frame and the number of consecutive symbols per slot, respectively as specified in TS 38.211 [8].」。
【0045】
また、
図8は、HARQプロセスID=0(HPN=0)の通信に着目した図である。また、
図8は、CGに基づく送信周期が5スロットである場合を例示している。
【0046】
ユーザ装置20は、Aで示すタイミングでCGのリソースを用いてPUSCHによるデータ(TB:トランスポートブロックと呼んでもよい)送信を行い、次の周期(Bで示すタイミング)でもULデータ送信を行う。
【0047】
Bで送信したULデータが基地局装置10において正常に受信できなかった場合を想定する。このとき、Cで示すタイミングで、基地局装置10はユーザ装置20に対して、NDI(new data indicator(新規データ指標))=1としたULグラントをPDCCHで送信する。当該ULグラントは、CS(Configured Scheduling)-RNTIでスクランブルされている。
【0048】
ユーザ装置20は、CS-RNTIでスクランブルされたULグラントであって、NDI=1のULグラントを受信した場合、当該ULグラントは再送要求(NDIがトグルされていない)と判断し、Bで送信したULデータの再送を、ULグラントでダイナミックに指定されたリソースを用いて実行する(Dで示すタイミング)。EではCGに基づくUL送信が行われる。
【0049】
以下、サイドリンクに関する再送制御の動作例を実施例1、実施例2として説明する。
【0050】
(実施例1)
実施例1では、ユーザ装置20Aが、CGに基づくPSSCHリソースで送信したデータ(TBと呼んでもよい)の再送を、dynamic grant(PDCCHあるいはPSCCHによるダイナミックなグラント)によりスケジュールされたPSSCHのリソースを用いて行う。CGに基づくPSSCHリソースとは、例えば、sidelinkConfiguredGrantConfig等の設定情報における上位レイヤパラメータにより設定されるPSSCHリソースである。上記上位レイヤパラメータには、リソース(時間リソースであってもよいし、時間・周波数リソースであってもよい)及び周期を指定するパラメータ(例えばRRCパラメータ)が含まれてもよい。また、dynamic grantは、基地局装置10から送信されるDCIであってもよいし、他のユーザ装置20から送信されるSCIであってもよい。
【0051】
実施例1の処理のシーケンス例を
図9、
図10を参照して説明する。なお、
図9、
図10は、再送のためのdynamic grantが、基地局装置10から送信されるDCIである場合の例を示しいる。
図9、
図10において、例えば、基地局装置10をユーザ装置20Cに置き換えても良い。その場合、例えば、PUCCHはPSFCHに置き換わり、PDCCHは、再送のためのdynamic grantの情報を有するSCIを運ぶPSCCHに置き換わる。
【0052】
図9、
図10の前提として、ユーザ装置20Aには基地局装置10(ユーザ装置20C)からCGが設定されている。
【0053】
図9のS201において、ユーザ装置20AはCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCH(PSCCHのみ、PSSCHのみ、又は、PSCCHとPSSCH)によりSCI/データ(SCIのみ、データのみ、又は、SCIとデータ)を送信する。ここでは、ユーザ装置20Bは、データの受信に失敗したとする。つまり、例えば、受信すべきリソースで正常にデータを受信できなかったものとする。
【0054】
S202においてユーザ装置20Bは、NACKをPSFCHでユーザ装置20Aに送信する。S203において、ユーザ装置20Aは、NACK又はSR(Scheduling Request)又はBSR(Buffer Status Report)を基地局装置10に送信する。なお、ユーザ装置20Bは正常にデータを受信できたときにPSFCHでACKを送信し、正常にデータを受信できなかったときに何も送らないこととしてもよい。この場合、ユーザ装置20Aは、ACKを受信すべきタイミングでACKを受信しなかったことでデータ送信に失敗したことを認識できる。なお、S201において、ユーザ装置20BがSCIの受信に失敗した場合、S202において、ユーザ装置20BはPSFCHを送信しない(DTX)。この場合、ユーザ装置20Aは、ACK/NACKの受信タイミングでACK/NACKの何れも受信しなかったことで、上記DTXを認識できる。この場合、S201の次にS203が実行される。
【0055】
S204において基地局装置10は、NACKあるいはSR/BSRを受信したことに応じて、ユーザ装置20Aに対し、サイドリンクデータの再送を行わせるためのsidelink grantをPDCCHで送信する。S205において、ユーザ装置20Aは、sidelink grantで指定されたリソースでPSCCH/PSSCHによるSCI/データの再送を実行する。
【0056】
次に、
図10の例を説明する。
図10のS211において、ユーザ装置20AはCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによりSCI/データを送信し、ユーザ装置20Bが当該SCI/データを受信する。
【0057】
ユーザ装置20Bは、データの受信に失敗したとする。つまり、受信すべきリソースで正常なデータを受信できなかったものとする。S212においてユーザ装置20Bは、NACK又はSR(Scheduling Request)を基地局装置10に送信する。
【0058】
S213において基地局装置10は、NACKを受信したことに応じて、ユーザ装置20Aに対し、サイドリンクデータの再送を行わせるためのsidelink grantをPDCCHで送信する。S214において、ユーザ装置20Aは、sidelink grantで指定されたリソースでPSCCH/PSSCHによるSCI/データの再送を実行する。
【0059】
以下では、実施例1におけるより詳細な内容を実施例1-1、実施例1-2として説明する。
【0060】
<実施例1-1>
まず、実施例1-1を説明する。
図11は、実施例1-1における再送制御の例を示す図である。なお、シーケンスは
図9あるいは
図10に示したとおりであり、
図11は、CGの設定を有するユーザ装置20Aが送信又は受信を行うリソース及び信号に着目した図である。また、
図11は、HARQプロセスID=0(HPN=0)の通信に着目した図である。また、
図11は、CGに基づく送信周期が5スロットである場合を例示している。
【0061】
ユーザ装置20Aは、Aで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSSCHによるデータ送信を行い、Bで示すタイミングで、当該データの受信に関するACK又はSR又はBSRの基地局装置10への送信がなされる。なお、データが正常に受信された場合、ACK又はSR又はBSRは基地局装置10に送信されないこととしてもよい。
【0062】
ユーザ装置20Aは、Cで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSSCHによるデータ送信を行うが、正常に受信がなされず、Dで示すタイミングで、当該データの受信に失敗したことを示すNACK又はSR又はBSRが基地局装置10へ送信される。なお、データが正常に受信されなかった場合、ACKを基地局装置10に送信しないことで、ACK又はSRを暗黙的に基地局装置10に通知することとしてもよい。
【0063】
基地局装置10(あるいはユーザ装置20C)は、Eで示すタイミングで、特定のRNTI(ここでは例としてV2X-CS-RNTI)でスクランブルし、NDIを特定の値(ここではNDI=1)としたsidelink grantをPDCCH(あるいはPSCCH)でユーザ装置20Aに送信する。
【0064】
ユーザ装置20Aは、sidelink grantがV2X-CS-RNTIでスクランブルされ、かつ、NDI=1であることから、sidelink grantが再送要求であると判断し、sidelink grantでダイナミックに指定されたPSSCHリソースでデータを再送する(Fで示すタイミング)。その後、G、Hにおいて、CGに基づくデータ送信、NACK/ACK/SR送信がなされる。
【0065】
図12は、実施例1-1におけるユーザ装置20Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図12の前提として、ユーザ装置20AはCGを設定されており、例えば
図11に示したように、CGに基づく周期的なサイドリンクデータの送信が行われている。
【0066】
S301において、ユーザ装置20Aは、sidelink grantを受信する。
【0067】
ユーザ装置20Aは、sidelink grantが条件1に該当すると判断した場合には当該sidelink grantに基づく新規送信を行い(S302、S303)、sidelink grantが条件2に該当すると判断した場合にはNDIに基づいて再送又は新規送信を行う(S302、S304)。条件1は下記のとおりである。
【0068】
条件1:“sidelink grantがダイナミックグラント用のRNTI(例えばV2X-C-RNTI)でスクランブルされており”、かつ、“同じHARQプロセスに対するその前の(previous)sidelink grantが、サイドリンクのCGのためのRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされたsidelink grantであるか、又は、configured sidelink grantである”。
【0069】
条件1を満たす場合、当該sidelink grantは、NDIの値に拠らず、NDIがトグルされていると見なす。
【0070】
条件2は下記のとおりである。
【0071】
条件2:“sidelink grantがサイドリンクのCG用の特定のRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされている”。
【0072】
条件2を満たす場合、当該sidelink grantのHARQ情報におけるNDIが1である場合、NDIがトグルされていないと見なす。つまり、ユーザ装置20Aは再送を実施する。なお、NDI=1のときにNDIがトグルされていないと見なすことは一例である。NDIが1以外の特定の値のときにNDIがトグルされていないと見なすこととしてもよい。
【0073】
なお、実施例1-1におけるユーザ装置20Aの動作を仕様書の記載方法と同様の方法で記載したものの例を示せば下記のとおりである。
【0074】
if the sidelink grant is for MAC entity's RNTI for dynamic grant (e.g. V2X-C-RNTI) and if the previous sidelink grant delivered to the HARQ entity for the same HARQ process was either a sidelink grant received for the MAC entity's specific RNTI for CG on SL (e.g. V2X-CS-RNTI) or a configured sidelink grant,
-consider the NDI to have been toggled for the corresponding HARQ process regardless of the value of the NDI.
if an sidelink grant for this PDCCH/PSCCH occasion has been received for this Serving Cell on the PDCCH/PSCCH for the MAC entity's specific RNTI for CG on SL (e.g. V2X-CS-RNTI),
-if the NDI in the received HARQ information is 1:
consider the NDI for the corresponding HARQ process not to have been toggled;
deliver the sidelink grant and the associated HARQ information to the HARQ entity.
<実施例1-2>
次に、実施例1-2を説明する。
図13は、実施例1-2における再送制御の例を示す図である。なお、シーケンスは
図9あるいは
図10に示したとおりであり、
図13は、CGの設定を有するユーザ装置20Aが送信又は受信を行うリソース及び信号に着目した図である。また、
図13は、HARQプロセスID=0(HPN=0)の通信に着目した図である。また、
図13は、CGに基づく送信周期が5スロットである場合を例示している。
【0075】
ユーザ装置20Aは、Aで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSSCHによるデータ送信を行い、Bで示すタイミングで、当該データの受信に関するACK又はSR又はBSRが基地局装置10へ送信される。なお、データが正常に受信された場合、ACK又はSR又はBSRは基地局装置10に送信されないこととしてもよい。
【0076】
ユーザ装置20Aは、Cで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSSCHによるデータ送信を行うが、正常に受信がなされず、Dで示すタイミングで、当該データの受信に失敗したことを示すNACK又はSR又はBSRが基地局装置10へ送信される。なお、データが正常に受信されなかった場合、ACKを基地局装置10に送信しないことで、ACK又はSR又はBSRを暗黙的に基地局装置10に通知することとしてもよい。
【0077】
基地局装置10(あるいはユーザ装置20C)は、Eで示すタイミングで、あるRNTI(ここでは例としてV2X-C-RNTI)でスクランブルし、トグルされていないNDIの値(ここではNDI=0)を有するsidelink grantをPDCCH(あるいはPSCCH)でユーザ装置20Aに送信する。
【0078】
ユーザ装置20Aは、NDIがトグルされていないことから、sidelink grantが再送要求であると判断し、sidelink grantでダイナミックに指定されたPSSCHリソースでデータを再送する(Fで示すタイミング)。その後、G、Hにおいて、CGに基づくデータ送信、NACK/ACK/SR送信がなされる。
【0079】
図14は、実施例1-2におけるユーザ装置20Aの動作を説明するためのフローチャートである。
図14の前提として、ユーザ装置20AはCGを設定されており、例えば
図13に示したように、CGに基づく周期的なサイドリンクデータの送信が行われている。
【0080】
S401において、ユーザ装置20Aは、sidelink grantを受信する。ユーザ装置20Aは、sidelink grantが条件に該当することを検知した場合、NDIに基づいて再送又は新規送信を行う(S402、S403)。当該条件は下記のとおりである。
【0081】
条件:“sidelink grantがダイナミックグラント用のRNTI(例えばV2X-C-RNTI)又はサイドリンクのCGのためのRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされている”、かつ、“同じHARQプロセスに対するその前の(previous)sidelink grantが、サイドリンクのCGのためのRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされたsidelink grantであるか、又は、configured sidelink grantである”。
【0082】
当該条件を満たす場合、当該sidelink grantのHARQ情報におけるNDIが、その前の(previous)のダイナミックなsidelink grant(例えば、dynamic grant用のRNTI(例えばV2X-C-RNTI)でスクランブルされたsidelink grant)におけるNDIからトグルされている場合、NDIはトグルされていると見なす。つまり、新規送信を行う。
【0083】
また、当該sidelink grantのHARQ情報におけるNDIが、その前の(previous)のダイナミックなsidelink grant(例えば、dynamic grant用のRNTI(例えばV2X-C-RNTI)でスクランブルされたsidelink grant)におけるNDIからトグルされていない場合、NDIはトグルされていないと見なす。つまり、再送を行う。
【0084】
なお、実施例1-2におけるユーザ装置20Aの動作を仕様書の記載方法と同様の方法で記載したものの例を示せば下記のとおりである。
【0085】
if the sidelink grant is for MAC entity's RNTI for dynamic grant (e.g. V2X-C-RNTI) or RNTI for CG on SL (e.g. V2X-CS-RNTI), and if the previous sidelink grant delivered to the HARQ entity for the same HARQ process was either a sidelink grant received for the MAC entity's RNTI for CG on SL (e.g. V2X-CS-RNTI) or a configured sidelink grant,
-if the NDI in the received HARQ information has been toggled from NDI in the previous sidelink grant for MAC entity’s RNTI for dynamic grant (e.g. V2X-C-RNTI),
consider the NDI for the corresponding HARQ process to have been toggled.
-else if the NDI in the received HARQ information has not been toggled from NDI in the previous sidelink grant for MAC entity’s RNTI for dynamic grant (e.g. V2X-C-RNTI),
consider the NDI for the corresponding HARQ process not to have been toggled.
以上説明した実施例1の技術により、ユーザ装置20は、データ送信を行ったCGのリソースの次のCGのリソースが到来する前に、データを再送することができる。これにより再送に係る遅延を削減できる。
【0086】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2では、ユーザ装置20Aが、CGに基づくPSSCHリソースで送信したデータ(TBと呼んでもよい)の再送を、CGに基づくPSSCHリソースを用いて行う。CGに基づくPSSCHリソースとは、例えば、sidelinkConfiguredGrantConfig等の設定情報における上位レイヤパラメータにより設定されるPSSCHリソースである。
【0087】
実施例2の処理のシーケンス例を
図15を参照して説明する。
図15の前提として、ユーザ装置20AにはCGが設定されている。
【0088】
S501において、ユーザ装置20AはCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによりSCI/データを送信する。ここでは、ユーザ装置20Bは、データの受信に失敗したとする。つまり、例えば、受信すべきリソースで正常なデータを受信できなかったものとする。
【0089】
S502においてユーザ装置20Bは、NACKをPSFCHでユーザ装置20Aに送信する。S503において、ユーザ装置20Aは、CGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによりSCI/データを再送する。なお、ユーザ装置20Bは、データ受信に失敗した場合に、ACKを送信しないことで、NACKを暗黙的にユーザ装置20Aに通知してもよい。
【0090】
実施例2では、PSSCHリソース等を指定するSCI(PSCCHで送信)の中にNDI(新データ指標)が含まれており、NDIがトグルされているか否かで、PSSCHリソースで送信されるデータが新規データか再送データかを判別できる。なお、トグルするとは、例えば、0を1にすること、あるいは、1を0にすることである。
【0091】
図16は、実施例2における再送制御の例を示す図である。なお、シーケンスは
図15に示したとおりであり、
図16は、CGの設定を有するユーザ装置20Aが送信又は受信を行うリソース及び信号に着目した図である。また、
図16は、HARQプロセスID=0(HPN=0)の通信に着目した図である。また、
図16は、CGに基づく送信周期が5スロットである場合を例示している。また、
図16の例では、PSCCHによるSCIとPSSCHによるデータが同時に(あるいは、CGリソース内で)送信される例を示している。
【0092】
ユーザ装置20Aは、Aで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによるSCI(NDI=0)/データの送信を行い、Bで示すタイミングで、当該データの受信に関するACKを受信する。データが正常に受信された場合、ACKは送信されないこととしてもよい。
【0093】
ユーザ装置20Aは、Cで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによるSCI(NDI=1)/データの送信を行うが、正常に受信がなされず、Dで示すタイミングで、当該データの受信に失敗したことを示すNACKを受信する。なお、ACKを受信しないことで、データ受信に失敗したと判断してもよい。
【0094】
Eで示すタイミングでユーザ装置20Aは再送を実施する。すなわち、ユーザ装置20Aは、Eで示すタイミングでCGのリソースを用いてPSCCH/PSSCHによるSCI(NDI=1)/再送データの送信を行い、Fで示すタイミングで、当該データの受信に関するACKを受信する。
【0095】
より詳細には、ユーザ装置20Aは条件Xを満たすと判断した場合に、動作Yの動作を実行する。条件X、動作Yは次のとおりである。
【0096】
条件X:“sidelink grantが、configured sidelink grantのgrantであるか、又は、サイドリンクのCG用のRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされたsidelink grantであり”、かつ、“同じHARQプロセスに対するその前の(previous)sidelink grantが、configured sidelink grantのgrantであるか、又は、サイドリンクのCG用のRNTI(例えばV2X-CS-RNTI)でスクランブルされたsidelink grantである”。
【0097】
動作Y:データの新規送信を行う場合、sidelink grantにおけるHARQ情報の中のNDIを、その前のsidelink grantにおけるHARQ情報の中のNDIからトグルする。データの再送を行う場合、sidelink grantにおけるHARQ情報の中のNDIを、その前のsidelink grantにおけるHARQ情報の中のNDIからトグルしない。
【0098】
受信側のユーザ装置20Bの観点では、その前のNDIからNDIがトグルされていればNDIはトグルされていると見なし(つまり、新規送信であると判断)、その前のNDIからNDIがトグルされていなければNDIはトグルされていないと見なす(つまり、再送であると判断)。
【0099】
また、CGの各リソースにおいて、ユーザ装置20Aが送信したデータに対するHARQ-ACKを、受信側のユーザ装置20BがPSFCHで送信してもよい。ユーザ装置20Aは、ACKを受信しなければ再送を行うこととしてよい。
【0100】
なお、実施例2におけるユーザ装置20A又はユーザ装置20Bの動作を仕様書の記載方法と同様の方法で記載したものの例を示せば下記のとおりである。
【0101】
if the sidelink grant is for a configured sidelink grant and if the previous sidelink grant delivered to the HARQ entity for the same HARQ process was either a sidelink grant received for a configured sidelink grant or the MAC entity's RNTI for CG on SL (e.g. V2X-CS-RNTI),
-if the NDI in the received HARQ information has been toggled from NDI in the previous sidelink grant,
consider the NDI for the corresponding HARQ process to have been toggled.
-else if the NDI in the received HARQ information has not been toggled from NDI in the previous sidelink grant,
consider the NDI for the corresponding HARQ process not to have been toggled.
UE assumes retransmission until receiving HARQ-ACK.
以上説明した実施例2の技術により、ユーザ装置20は、データ送信を行ったCGのリソースの次のCGのリソースでデータを再送することができる。つまり、基地局装置10により新たなリソースを割り当てることなく、再送を実行することができる。
【0102】
(その他の例)
実施例1、2においては、RNTIによりsidelink grantの種類が識別される例を説明した。しかし、RNTIによりsidelink grantの種類を識別することは一例に過ぎない。RNTIに代えて、あるいはRNTIに加えて、DCIフォーマット、CORSET、Search Speace、あるいはSCIフォーマットがsidelink grantの種類の識別に使用されてもよい。
【0103】
例えば、ユーザ装置20Aが、DCIフォーマットA(あるいはSCIフォーマットA)のsidelink grantを受信した場合、ユーザ装置Aは当該sidelink grantをdynamic grant(V2X-C-RNTIでスクランブルしたものと同様のdynamic grant)と判断する。また、例えば、ユーザ装置20Aが、DCIフォーマットB(あるいはSCIフォーマットB)のsidelink grantを受信した場合、ユーザ装置Aは当該sidelink grantをCG用のsidelink grant(V2X-CS-RNTIでスクランブルしたものと同様のdynamic grant)と判断する。
【0104】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局装置10及びユーザ装置20は上述した実施の形態における全ての機能を含む。ただし、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施の形態における全ての機能のうちの一部の機能のみ(例えば、実施例1のみ、あるいは、実施例2のみ)を備えることとしてもよい。
【0105】
<基地局装置10>
図17は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
図17に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。
図17に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0106】
送信部110は、ユーザ装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、DL参照信号、RRCメッセージ等を送信する機能を有する。
【0107】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を設定部130が有する記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。設定情報の内容は、例えば、configured grantの設定に係る情報等である。制御部140は、基地局装置10の制御を行う。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
【0108】
<ユーザ装置20>
図18は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
図18に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。
図18に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0109】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置10から送信されるNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL/SL制御信号、RRCメッセージ、又は参照信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他のユーザ装置20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)、PSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)等を送信し、受信部220は、他のユーザ装置20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH、PSBCH、PSFCH等を受信する。
【0110】
設定部230は、受信部220により基地局装置10又はユーザ装置20から受信した各種の設定情報を設定部230が有する記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、configured grantの設定に係る情報等である。制御部240は、ユーザ装置20の制御を行う。制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
【0111】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(
図17及び
図18)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0112】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0113】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置10、ユーザ装置20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図19は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及びユーザ装置20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0114】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0115】
基地局装置10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0116】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0117】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図17に示した基地局装置10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図18に示したユーザ装置20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0118】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0119】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0120】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0121】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0122】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0123】
また、基地局装置10及びユーザ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0124】
(実施の形態のまとめ)
本実施の形態では、少なくとも下記の各項に記載されたユーザ装置、及び通信方法が提供される。
(第1項)
予め設定されたサイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いてデータを送信する送信部と、
前記データの再送のためのサイドリンクグラントを受信する受信部と、を備え、
前記送信部は、前記再送のためのサイドリンクグラントに基づいて、前記データを再送する
ユーザ装置。
(第2項)
前記再送のためのサイドリンクグラントは、特定のRNTIでスクランブルされており、特定の指標値を含む
第1項に記載のユーザ装置。
(第3項)
前記再送のためのサイドリンクグラントは、その前のサイドリンクグラントにおける指標値からトグルされていない指標値を含む
第1項に記載のユーザ装置。
(第4項)
予め設定されたサイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いて、第1制御情報とデータを送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記サイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いて、前記第1制御情報における指標値からトグルされていない指標値を含む第2制御情報と前記データの再送データを送信する
ユーザ装置。
(第5項)
予め設定されたサイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いて送信された第1制御情報と第1データを受信し、前記サイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いて送信された第2制御情報と第2データを受信する受信部と、
前記第2制御情報における指標値が、前記第1制御情報における指標値からトグルされていないことを検知した場合に、前記第2データは、前記第1データの再送データであると判断する制御部と
を備えるユーザ装置。
(第6項)
予め設定されたサイドリンクグラントにより指定されるリソースを用いてデータを送信するステップと、
前記データの再送のためのサイドリンクグラントを受信するステップと、
前記再送のためのサイドリンクグラントに基づいて、前記データを再送するステップと
を備える、ユーザ装置が実行する通信方法。
【0125】
第1項~第6項のいずれの技術によっても、サイドリンクにおいて、configured grantに基づいて送信したデータの再送を実現するための技術が提供される。また、第2項、第3項によれば、再送のためのサイドリンクグラントの判別を適切に行うことができる。
【0126】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0127】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0128】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0129】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0130】
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0131】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0132】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0133】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0134】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0135】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0136】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0137】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0138】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0139】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0140】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0141】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0142】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0143】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0144】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0145】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0146】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ装置20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局装置10が有する機能をユーザ装置20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0147】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0148】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0149】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0150】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0151】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0152】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0153】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0154】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0155】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0156】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0157】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0158】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0159】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0160】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0161】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ装置20に対して、無線リソース(各ユーザ装置20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0162】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0163】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0164】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0165】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0166】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0167】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0168】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0169】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0170】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0171】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0172】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0173】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0174】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0175】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0176】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0177】
なお、本開示において、サイドリンク通信は、端末間直接通信の一例である。SCIは、端末間直接通信の制御情報の一例である。スロットは、所定の時間領域区間の一例である。
【0178】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0179】
10 基地局装置
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 ユーザ装置
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置