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特許7378488FGFR4キナーゼ阻害剤、その製造方法及び用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】FGFR4キナーゼ阻害剤、その製造方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/14 20060101AFI20231106BHJP
   A61K 31/499 20060101ALI20231106BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/4995 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20231106BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
C07D471/14 102
A61K31/499
C07D519/00 301
A61K31/438
A61K31/4375
C07D519/00 CSP
C07D519/00 311
A61K31/4995
A61K31/5386
A61K31/496
A61K31/5377
A61K31/541
A61K31/439
A61K31/4545
A61K31/519
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021553854
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2020078098
(87)【国際公開番号】W WO2020182062
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】201910178024.9
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910602669.0
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521406271
【氏名又は名称】ショウヤオ ホールディングス(ベイジン) カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHOUYAO HOLDINGS (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】22nd Floor #2205 Building 1-A, Ronghua Middle Road #10, Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チンハン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ, チンスオ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン, シャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユアン, バオクン
(72)【発明者】
【氏名】リュー, シージエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, ナン
(72)【発明者】
【氏名】ミン, ワンヤン
(72)【発明者】
【氏名】サン, イン
(72)【発明者】
【氏名】ルー, チャン
(72)【発明者】
【氏名】サン, インフイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チウチン
(72)【発明者】
【氏名】リー, イエリン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ, デン
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/004258(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/108992(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/205916(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/085895(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】


【化76】
なる前記構造から選ばれる、化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、結晶多形もしくは立体異性体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年3月8日に提出された「FGFR4キナーゼ阻害剤、その製造方法及び用途」と題する中国特許出願第201910178024.9号、及び2019年7月5日に提出された「FGFR4キナーゼ阻害剤、その製造方法及び用途」と題する中国特許出願201910602669.0号の優先権を主張し、その全ての開示内容が引用されて本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、FGFR4キナーゼ阻害剤としての式I化合物、式II化合物及びその医薬組成物、並びにFGFR4媒介性疾患を治療するための前記化合物及び組成物の用途に関する。
【背景技術】
【0003】
FGFR(fibroblast growth factor receptor)チロシンキナーゼファミリーはFGFR1、FGFR2、FGFR3及びFGFR4を含む。細胞外変異領域、ヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合する保存領域、FGF結合領域、1回膜貫通領域及び細胞内チロシンキナーゼ領域によって構成される。FGFの殆どがコレセプターKlothoの働きでFGFR及びヘパリンと複合体を形成することで、コンフォメーションが変わったFGFR細胞内キナーゼ領域が自己リン酸化を行ってSTAT3シグナル伝達経路を活性化させる。自己リン酸化したFGFRはまたそのアプタマータンパク質FRS2αをリン酸化して、Grb2/Sos1複合体を活性化させて下流のMAPK及びPI3K/AKTシグナル伝達経路を開始させる。また、FGFRはFRS2α非依存的にホスホリパーゼC-γ(PLC-γ)を活性化させ、RAFをリン酸化して、MAPKシグナルを強化させることで、細胞増殖、分化及び転移に対するその調節機能を発揮する。MAPKシグナル伝達経路は主にFGFR媒介性の細胞増殖及び転移に関連し、PI3K/AKTシグナル伝達経路は主に細胞の運動性及び生存に関連する。生理学的条件下で、FGFR4シグナル伝達経路が高度に制限され、FGFR4シグナルの調節不全によりがんの発生、増殖、生存及び転移が行われる。
【0004】
肝細胞がん患者のうち約30%には、異常に活性化したFGFR4が腫瘍に認められる。FGFR4阻害剤は前臨床試験でも臨床試験でもHCCの治療に高度な可能性を示し、しかも安全性が高く、毒性又は有効期間が十分である。
【0005】
小分子チロシンキナーゼ阻害剤はATPと結合する細胞内キナーゼの活性を遮断し、細胞増殖シグナルをブロックする。FGFR4小分子阻害剤は汎FGFR小分子阻害剤及びFGFR4特異的小分子阻害剤に分けられる。FGFR1、FGFR2、FGFR3キナーゼドメインの構造が似ているため、これまでに開発した当該3つのキナーゼに特化した阻害剤は効果に大差がない。しかし、FGFR4キナーゼドメインとFGFR1~3キナーゼドメインには差があるため、FGFR1~3を効果的に阻害できる阻害剤の多くはFGFR4に効果が優れない。例えば、CH5183284、BGJ398、AZD4547など臨床第I相又は第II相が行われている小分子阻害剤はFGFR1~3に対する選択性(IC50<10nmol/L)がFGFR4よりはるかに高い。JNJ-42756493、LY2874455はFGFR1~4に程度の差がなく優れた阻害効果を示すごく一部の汎FGFR小分子阻害剤であり、いずれもIC50が10以内のnmolというレベルに達している。細胞内ではJNJ-42756493、LY2874455がいずれもFGF/FGFRシグナル伝達経路を阻害して、FGFR依存的な抗増殖効果を示し、FGFR異常な移植腫瘍には強い阻害効果を示し、しかも腫瘍増殖の阻害が用量依存的である。JNJ-42756493の臨床第I相試験(NCT01962532)結果から臨床第II相の薬物投与量(RP2D)は10mg/日(投与7日、休薬7日)と決定された。LY2874455の臨床第I相試験(NCT01212107)からそのRP2Dは16mg/日で、1日2回と決定された。AZD4547の臨床第I相試験(NCT00979134)では、AZD4547がFGFR遺伝子が増幅した扁平上皮非小細胞肺がん患者に高い殺腫瘍活性を示しており、80mgという用量においては優れた忍容性が認められた。ポナチニブ(Ponatinib)によるFGFR異常な晩期肺扁平上皮がん患者の治療の臨床第II/III相試験(NCT01761747)は有害作用により中止となった。
【0006】
選択性が不十分なFGFRキナーゼ阻害剤はオフターゲットにより高リン酸血症、爪甲剥離症、脱毛、粘膜炎、味覚障害、粘膜乾燥、結膜炎、角膜炎、ドライアイ、無症候性網膜色素層剥離、骨関節痛、筋肉痛などの有害作用が認められるため、臨床上の使用が限られている。
【0007】
本発明に記載の化合物は、新規性と進歩性を有するFGFR4プロテインキナーゼ阻害剤である。高い選択性でFGFR4チロシンキナーゼを阻害しながらも、FGFR1~3の阻害効果が弱いため、FGFR4が高発現される肝がん患者の安全かつ効果的な治療薬として有望である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様として、式I化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体が提供され、
【化1】
式中、
XはN又はCHであり、
は-O-C1~6アルキル基であり、
はH、ハロゲンから選ばれ、
式(I)で2つのRは同じでもよいし異なってもよく、2つのRは同じでもよいし異なってもよく、
、Rはそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
はH、C1~6アルキル基、-O-C1~6アルキル基から選ばれ、
14
【化2】
から選ばれ、
、Rはそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、又はRとRが接続して結合が形成され、
はH、C1~6アルキル基、-O-C1~6アルキル基、-NR10から選ばれ、ただしR、R10はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
はH、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1~6アルキル基、-NR1112、-(CH-R13から選ばれ、
11、R12はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基、-C1~6アルキレン-NR1415基から選ばれ、ただしR14、R15はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
13は3~12員のヘテロシクロアルキル基であり、且つR13は任意選択でBoc、-SO-C1~6アルキル基、-SO-N-(C1~6アルキル)基、C1~6アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アセチル基、-O-C1~6アルキル基、-(CH-アリール基、-(CH-ヘテロアリール基、-(CH-C3~8シクロアルキル基、又は-C3~8ヘテロシクロアルキル基によって置換されてもよく、ただし前記-C3~8ヘテロシクロアルキル基は任意選択でC1~6アルキル基によって置換されてもよく、
nは独立して0又は1であり、
いくつかの実施形態において、Rはメトキシ基であり、
いくつかの実施形態において、Rはハロゲンであり、
いくつかの実施形態において、R、RはHであり、
いくつかの実施形態において、Rは-O-C1~6アルキル基であり、
いくつかの実施形態において、R、RはHであり、又はRとRが接続して結合が形成され、
いくつかの実施形態において、RはHであり、
いくつかの実施形態において、Rは3~12員のヘテロシクロアルキル基であり、前記3~12員のヘテロシクロアルキル基は任意選択でBoc、-SO-C1~6アルキル基、-SO-N-(C1~6アルキル)基、C1~6アルキル基、アセチル基、-C3~8シクロアルキル基、又は-C3~8ヘテロシクロアルキル基によって置換されてもよく、ただし前記-C3~8ヘテロシクロアルキル基は任意選択でC1~6アルキル基によって置換されてもよく、
いくつかの実施形態において、本発明化合物は


から選ばれ、又は薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体である。
【0009】
本発明のもう1つの態様として、式II化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体が提供され、
【化3】
式中、
XはN又はCHであり、
は-O-C1~6アルキル基であり、
はH、ハロゲンから選ばれ、
式(II)で2つのRは同じでもよいし異なってもよく、2つのRは同じでもよいし異なってもよく、
、Rはそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
はH、C1~6アルキル基、-O-C1~6アルキル基から選ばれ、
、Rはそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、又はRとRが接続して結合が形成され、
はH、C1~6アルキル基、-O-C1~6アルキル基、-NR10から選ばれ、ただしR、R10はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
はH、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1~6アルキル基、-NR1112、-(CH-R13から選ばれ、
11、R12はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基、-C1~6アルキレン-NR1415基から選ばれ、ただしR14、R15はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
13は3~12員のヘテロシクロアルキル基であり、且つR13は任意選択でC1~6アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アセチル基、-O-C1~6アルキル基、-(CH-アリール基、-(CH-ヘテロアリール基、-(CH-C3~8シクロアルキル基、-C3~8ヘテロシクロアルキル基によって置換され、ただし前記-C3~8ヘテロシクロアルキル基は任意選択でC1~6アルキル基によって置換されてもよく、
nは0又は1であり、
いくつかの実施形態において、Rはメトキシ基であり、
いくつかの実施形態において、Rはハロゲンであり、いくつかの実施形態において、R、RはHであり、
いくつかの実施形態において、Rは-O-C1~6アルキル基であり、
いくつかの実施形態において、R、RはHであり、又はRとRが接続して結合が形成され、
いくつかの実施形態において、RはHであり、
いくつかの実施形態において、Rは-NR1112、-(CH-R13から選ばれ、ただし、
11、R12はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基、-C1~6アルキレン-NR1415基から選ばれ、ただしR14、R15はそれぞれ独立してH、C1~6アルキル基から選ばれ、
13は3~12員のヘテロシクロアルキル基であり、且つR13は任意選択でC1~6アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、アセチル基、-O-C1~6アルキル基、-(CH-アリール基、-(CH-ヘテロアリール基、-(CH-C3~8シクロアルキル基、-C3~8ヘテロシクロアルキル基によって置換され、ただし前記-C3~8ヘテロシクロアルキル基は任意選択でC1~6アルキル基によって置換されてもよく、
nは独立して0又は1であり、
いくつかの実施形態において、本発明化合物は
【化4】
から選ばれ、又は薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体である。
【0010】
本発明の式I化合物及び式II化合物はFGFR4媒介性疾患を治療するために用いられる。いくつかの実施形態において、前記FGFR4媒介性疾患は非小細胞肺がん、胃がん、多発性骨髄腫、肝がん、胆管がん、前立腺がん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん、結腸がん、神経膠腫、横紋筋肉腫であり、好ましくは肝がん、胆管がんである。
【0011】
本発明のさらにもう1つの態様は、本発明の式I化合物、式II化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体と、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物となる。
【0012】
本発明のもう1つの態様として、FGFR4媒介性疾患の治療方法として、有効量の式I化合物、式II化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体、又は前記組成物を対象に投与するステップを含む前記方法が提供される。いくつかの実施形態において、前記FGFR4媒介性疾患は非小細胞肺がん、胃がん、多発性骨髄腫、肝がん、胆管がん、前立腺がん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん、結腸がん、神経膠腫、横紋筋肉腫であり、好ましくは肝がん、胆管がんである。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、前記対象はヒトを含む哺乳類である。
【0014】
本発明のもう1つの態様として、式I化合物、式II化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体の、FGFR4媒介性疾患を治療するための薬物の製造における用途が提供される。いくつかの実施形態において、前記FGFR4媒介性疾患は非小細胞肺がん、胃がん、多発性骨髄腫、肝がん、胆管がん、前立腺がん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん、結腸がん、神経膠腫、横紋筋肉腫であり、好ましくは肝がん、胆管がんである。
【0015】
次の発明の詳細な説明では本発明の原理を用いた例示的な実施形態が記載される。次の発明の内容を参照すれば本発明の特徴及び利点を一層理解することができる。
【0016】
なお、本発明の各態様の保護範囲は特許請求の範囲によって決定され、且つ当該特許請求の範囲に係る方法と構造及び同等な方法と構造がいずれも本明細書に記載の特許請求の範囲に該当する。
【0017】
特に定義がある場合を除き、本明細書で使用する科学技術用語は特許請求の範囲に係るテーマに対応する分野の技術者が理解している通常の意味を有する。特に説明がある場合を除き、本明細書で言及される特許、特許出願、刊行物はいずれも援用されて全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
なお、前記概略的な説明及び次の詳細な説明はいずれも例示的で、説明するためのもので、決して本発明のテーマに対する限定ではない。特に説明がある場合を除き、単数形を使用する場合には複数形も含まれる。特に説明がある場合を除き、「又は」という用語は「及び/又は」を表す。また、用語「含む」、及び「含有する」などの類する表現は限定するためのものではない。
【0019】
「一部化学用語の説明」
用語「任意選択」、「任意選択の」及び「任意選択で」とは続いて記載される事象又は状況が生じるか生じないかの両方の可能性があることで、当該記述は前記事象又は状況が生じる場合、前記事象又は状況が生じない場合を含む。例えば、「任意選択で置換されたアルキル基」とは「非置換のアルキル基」又は「置換されたアルキル基」を表す。任意選択で置換された基は非置換のもの(例えば、-CHCH)、完全に置換されたもの(例えば、-CFCF)、一置換されたもの(例えば、-CHCHF)、又は一置換と完全置換との間の任意の置換(例えば、-CHCHF、-CFCH、-CFHCHFなど)のいずれでもよい。当業者が理解したように、1つ又は複数の置換基を含む任意の基には、空間的に存在し得ない及び/又は合成し得ない置換又は置換形態を導入することが認められない。
【0020】
特に説明がある場合を除き、本分野の技術範囲に該当する従来の方法を用い、例えば、質量分析、核磁気共鳴、高速液体クロマトグラフィー、赤外又は紫外・可視分光法、薬理学的方法を用いる。特に定義がある場合を除き、本明細書で使用する分析化学、有機合成化学及び医薬品化学に関連する用語、実験ステップ及び技術は本分野で知られたものである。化学合成、化学分析、薬物製造、製剤化、製剤の送達、及び患者に対する治療には標準的な技術を用いることができる。例えば、メーカーが提供したキットの取扱説明書を用いて、又は本分野で周知された方法もしくは本発明の記載に従って反応又は精製を行うことができる。本明細書に援用された又は言及された要約や具体的な文献の記載に基づいて、本分野で周知された従来の方法に従って前記技術又は方法を実施することができる。本明細書では、安定的な構造部分及び化合物を得るように当業者が対象基とその置換基を選択することができる。
【0021】
一般に、特定の化学式で記された置換基は、その右側から逆に記載した化学的には同等な置換基を含む。例えば、-CHO-は-OCH-と同等である。
【0022】
本明細書で使用する用語「基」、「化学基」とは分子の特定の部分又は官能基を指す。化学基は一般的に分子に組み込まれ又は追加された化学実体と認識されている。
【0023】
本明細書に名称が記載されたくつかの化学基には略号で炭素原子の総数を示すことができる。例えば、C1~6アルキル基とは、合計で1ないし6つの炭素原子を有するアルキル基を定義する。略号に記された炭素原子総数には可能な置換基上の炭素原子が含まれない。
【0024】
用語「ハロゲン」、「ハロ」又は「ハロゲン化物」とは臭素、塩素、フッ素又はヨウ素である。
【0025】
本明細書で使用する用語「芳香族」、「芳香族環」、「芳香族的な」、「芳香族環の」とは1つの環又は複数の環からなる平面の環の部分を指し、4n+2の電子を含む非局在化電子共役系を有し、nは整数である。芳香族環は5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は9つ以上の原子によって形成されてもよい。芳香族化合物は任意選択で置換されてもよく、単環又は縮合環による多環であってもよい。用語「芳香族化合物」は全ての炭素環(例えば、ベンゼン環)及び1つ又は複数のヘテロ原子を含む環(例えば、ピリジン)を含む。
【0026】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「ヘテロ原子」又は「ヘテロ」とは炭素、水素以外の原子である。ヘテロ原子は独立して酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、セレン、スズから選ばれ、ただしそれらに限定されない。2つ又はより多くのヘテロ原子を含む実施形態では、当該2つもしくはより多くのヘテロ原子は互いに同じであってもよいし、又は当該2つもしくはより多くのヘテロ原子のうちのいくつか又は全てが互いに異なってもよい。
【0027】
本明細書で単独で又は他と一緒に使用される用語「縮合」又は「縮合環」とは、2つ又はより多くの環が1つ又は複数の結合を共有する環状構造である。
【0028】
本明細書で単独で又は他と一緒に使用される用語「スピロ」又は「スピロ環」とは、2つ又はより多くの環が1つ又は複数の原子を共有する環状構造である。
【0029】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「アルキル基」(例えば、モノアルキルアミノ基)とは、任意選択で置換された直鎖の又は任意選択で置換された分枝鎖の一価飽和炭化水素で、1ないし12個の炭素原子を有し、好ましくは1ないし8つの炭素原子を有し、より好ましくは1ないし6つの炭素原子を有し、単結合によって分子の他の部分に接続されたものであり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基などである。
【0030】
本明細書で単独で又は他と一緒に使用される用語「アルキレン基」とは、前記定義が適用される一価のアルキル基から誘導された二価の基である。例はメチレン基(-CH)、エチレン基(-CHCH)、プロピレン基(-CHCHCH)、イソプロピレン基(-CH(CH)CH)などを含み、ただしこれらに限定されない。
【0031】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「シクロアルキル基」とは、炭素原子及び水素原子だけを含む、安定的な一価の非芳香族単環又は多環式炭化水素基であり、縮合環、スピロ環、架橋環を含み、3ないし15個の環形成炭素原子を含み、好ましくは3ないし10個の環形成炭素原子を含み、より好ましくは3ないし8つの環形成炭素原子を含み、飽和でもよいし不飽和でもよく、単結合によって分子の他の部分に接続される。「シクロアルキル基」の例はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを含み、ただしこれらに限定されない。
【0032】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「ヘテロシクリル基」、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロシクロ」とは、安定的な3ないし18員の一価の非芳香族環であり、2ないし12個の炭素原子と、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし6つのヘテロ原子とを含む。特に説明がある場合を除き、ヘテロシクリル基は単環、二環、三環、四環であってもよく、縮合環、スピロ環、架橋環を含み、ヘテロシクリル基で窒素、炭素又は硫黄は選択的に酸化されてもよく、窒素原子は選択的に四級化されてもよく、ヘテロシクリル基は一部飽和でもよいし完全に飽和でもよい。ヘテロシクリル基は環上の炭素原子又はヘテロ原子を介して単結合で分子の他の部分に接続されてもよい。縮合環を含むヘテロシクリル基には1つ又は複数の芳香族環又は芳香族複素環が含まれてもよく、分子の他の部分に接続されたのが非芳香族環上の原子でさえあれば問題はない。本願で好ましくは、ヘテロシクリル基は安定的な4ないし11員の一価の非芳香族単環又は二環であり、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし3つのヘテロ原子を含み、より好ましくは安定的な4ないし8員の一価の非芳香族単環であり、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし3つのヘテロ原子を含む。ヘテロシクリル基の非限定的な例はアゼパニル基、アゼチジニル基、デカヒドロイソキノリニル基、ジヒドロフリル基、ジヒドロインドリル基、ジオキソラン基、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イソチアゾリジニル基、イソキサゾリジニル基、モルホリニル基、オクタヒドロインドリル基、オクタヒドロイソインドリル基、オキサジニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、4-ピペリドニル基、ピラニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジニル基、キノリジジニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基などを含む。
【0033】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「芳香族環」、「芳香族環基」、「芳香族基」、「アリール基」又は接頭辞「アリール」(例えば、「アリールアルキル基」の場合)とは、炭化水素環系であり、水素と、6ないし18個の環形成炭素原子、好ましくは6ないし10個の環形成炭素原子と、少なくとも1つの芳香族環とを含有する。本発明で芳香族環基は単環、二環、三環、四環であってもよく、縮合環、架橋環を含む。アリール基で炭素原子は単結合によって分子の他の部分に接続されてもよい。アリール基の非限定的な例はフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基などを含む。本発明で、アリール基はC6~10のアリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
【0034】
本明細書で単独で又は成分の一部を示して使用される用語「ヘテロアリール基」とは5ないし16員の環状系であり、1ないし15個の炭素原子、好ましくは1ないし10個の炭素原子と、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし4つのヘテロ原子と、少なくとも1つの芳香族環とを含む。特に説明がある場合を除き、ヘテロアリール基は単環、二環、三環、四環であってもよく、縮合環、架橋環を含み、分子の他の部分に接続されたのが芳香族環原子でさえあれば問題がない。芳香族複素環上の窒素原子、炭素原子、硫黄原子は選択的に酸化されてもよく、窒素原子は選択的に四級化されてもよい。本発明で、ヘテロアリール基は安定的な4ないし11員の芳香族単環で、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし3つのヘテロ原子を含むことが好ましく、安定的な5ないし8員の芳香族単環で、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし3つのヘテロ原子を含むことがより好ましい。ヘテロアリール基の非限定的な例はアクリジニル基、アゼピン基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾインドリル基、ベンゾダイオキシン基、ベンゾジオキソール基、ベンゾフラノン基、ベンゾフリル基、ベンゾナフトフリル基、ベンゾピラノン基、ベンゾピラニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、フリル基、イミダゾリル基、インダゾリル基、インドリル基、オキサゾリル基、プリニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピリダジニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、キニン基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基などを含む。本願では、ヘテロアリール基は5~8員のヘテロアリール基で、窒素、酸素、硫黄から選ばれる1ないし3つのヘテロ原子を含むことが好ましく、ピリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基であることがより好ましい。
【0035】
本発明で使用する用語「結晶多形」又は「多形(現象)」とは本発明化合物が様々結晶格子の配置を有することを指す。本発明のいくつかの化合物は1つ以上の結晶形を有する場合があり、全ての多形又はその混合物が本発明に含まれる。
【0036】
本発明化合物の中間体化合物及びその多形も本発明の範囲に含まれる。
【0037】
特に説明がある場合を除き、本発明化合物がオレフィン性二重結合を含有する場合に、E異性体及びZ異性体がある。
【0038】
なお、本発明化合物は不斉中心を含有してもよい。当該不斉中心は独立してR配置又はS配置であってもよい。当業者には明らかなように、本発明化合物のいくつかはシス-トランス異性体を有する。なお、本発明化合物はその幾何異性体もしくは立体異性体を単独で又はその混合物を含み、例えば、ラセミ混合物を含む。従来の方法を実施し又は修正を加えることで、例えば、クロマトグラフィー技術及び再結晶技術を用いてその混合物から当該異性体を分離することができ、又はその中間体の適切な異性体からそれぞれ合成することができる。
【0039】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。
【0040】
「薬学的に許容される酸付加塩」とは化合物の遊離塩基としての生物学的有効性及び特性が保たれ、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含み、ただしこれらに限定されない無機酸、又は、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カプリン酸、カプロン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸などを含み、ただしこれらに限定されない有機酸などと形成した、生物学的に認められた塩である。「薬学的に許容される塩基付加塩」とは化合物の遊離酸としての生物学的有効性及び特性が保たれ、生物学的に認められた塩である。これらの塩は遊離酸と無機塩基又は有機塩基とを反応させて製造される。無機塩基と反応させて生成された塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などを含み、ただしこれらに限定されない。無機塩はアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マンガン塩であることが好ましい。
【0041】
塩を形成させる有機塩基は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、環状アミンなどとしては、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、コリン、カフェインなどを含み、ただしこれらに限定されない。有機塩基はイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、カフェインであることが特に好ましい。
【0042】
結晶からは常に本発明化合物の溶媒和物を得る。本明細書で使用する用語「溶媒和物」とは、1つ又は複数の本発明化合物の分子と1つ又は複数の溶媒分子とが組み合わさって形成された複合体である。
【0043】
水が溶媒になり得る。この場合に、溶媒和物とは水和物である。有機溶媒も認められる。したがって、本発明化合物は一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などを含め水和物として存在してもよいが、他にも溶媒和形態がある。本発明化合物は真の溶媒和物であってもよいが、水又は水と他のいくつかの溶媒が本発明化合物に残された混合物である場合もある。本発明化合物は特定の溶媒において反応するが、特定の溶媒において沈殿又は結晶化する場合がある。本発明化合物の溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0044】
本明細書で使用する用語「医薬組成物」とは、本発明化合物と、本分野では生理活性を有する化合物を哺乳類(例えば、ヒト)に送達するための使用が一般的に認められた媒体が混合された製剤である。薬学的に許容される担体なら、前記媒体に該当する。
【0045】
本明細書で製剤、組成物又は成分に関連して使用する用語「許容される」とは、全体的には治療主体の健康に持続的な不利の影響がないことである。
【0046】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される」とは、本発明化合物の生理活性又は特性に影響がない物質(例えば、担体又は希釈剤)で、しかも相対的に毒性がなく、つまり個体に投与しても不良な生理反応が行われず又は望ましくない方式で組成物中の任意の成分と互に作用することのない物質である。
【0047】
「薬学的に許容される担体」は、政府の関連行政部署によってヒト又は家畜への使用が承認されたアジュバント、担体、賦形剤、ビルダー、脱臭剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定化剤、等張剤、溶媒、乳化剤を含み、ただしこれらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用する用語「主体」、「患者」、「対象」又は「個体」とは、疾患、障害などに罹患する個体で、哺乳類、非哺乳類を含む。哺乳類の例は哺乳綱の任意のメンバーとしてヒト、ヒト以外の霊長類(例えば、チンパンジー、他の類人猿やサル)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、ネコなどの愛玩動物、ラット、マウス、モルモットなどのげっ歯類を含む実験動物を含み、ただしこれらに限定されない。ヒト以外の哺乳類の例は鳥類、魚類などを含み、ただしこれらに限定されない。本明細書の方法及び組成物に係る特定の実施形態では、前記哺乳類はヒトである。
【0049】
本明細書で使用する用語「治療」とは、哺乳類、特にヒトにおける関連の疾患又は障害の治療であり、下記の事項を含む。
(i)哺乳類、特にすでに特定の疾患又は障害にさらされていたが、当該疾患又は障害とは診断されてない哺乳類にその疾患又は障害が生じることを予防する。
(ii)疾患又は障害を抑制し、即ちその進行をコントロールする。
(iii)疾患又は障害を緩和し、即ち疾患又は障害を軽減又は解消させる。
(iv)疾患又は障害がもたらす症状を緩和させる。
【0050】
本明細書で使用する用語「疾患」と「障害」は入れ替わって使用する場合もあれば、異なる意味を有する場合もある。なぜならば、特定の一部の疾患又は障害には病原因子が判明していない(つまり発生の原因が不明である)ため、疾患ではなく好ましくない状況又は症候群としか見なされないが、当該症候群のいくつかの症状はすでに臨床研究者によって確認されている。
【0051】
本明細書で使用する用語「有効量」、「治療有効量」又は「薬学的有効量」とは服用した後、治療する疾患又は障害の1つ又は複数の症状をある程度は緩和させるのに十分な少なくとも1種の薬剤又は化合物の量である。その結果として、兆候、症状又は病原因子の軽減及び/又は解消でもよいし、又は生体における他の望ましい変化でもよい。例えば、治療用の「有効量」とは臨床上明らかな障害緩和効果を得るために必要な、本明細書に記載の化合物を含む組成物の量である。用量漸増試験などの技術を用いて任意の個体の症例に適する有効量を測定することができる。
【0052】
本明細書で使用する用語「服用」、「投与」などとは、化合物又は組成物を、生理的作用が生じる所定の部位に送達する経路である。当該経路は経口、経十二指腸、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、動脈内注射、注入を含む)、局所投与、経直腸投与を含み、ただしこれらに限定されない。好ましい実施形態として、本明細書に係る化合物又は組成物は一般に経口投与される。
【0053】
「本発明化合物の合成」
次に記載の実施例は限定するのではなく説明するためのものであり、これにより本発明は限定されなくなる。
【0054】
特に説明がある場合を除き、温度とは摂氏温度である。試薬は国薬集団化学試薬北京有限公司、アルファ・エイサー(Alfa Aesar)、北京百霊威科技有限公司などのメーカーより購入され、特に説明がある場合を除き、これらの試薬は精製せずそのまま使用できる。
【0055】
特に説明がある場合を除き、下記の反応は室温下で、無水溶媒、陽圧の窒素もしくはアルゴンにおいて、又は乾燥管において行われる。ガラス器具は乾燥され且つ/又は加熱乾燥される。
【0056】
特に説明がある場合を除き、カラムクロマトグラフィー精製には青島海洋化工廠製の200~300メッシュのシリカゲルを用いる。分取薄層クロマトグラフィーには煙台市化学工業研究所製の薄層クロマトグラフィー用シリカゲルプレコートプレート(HSGF254)を用いる。MS測定にはThermo LCQ Fleet型(ESI)液体クロマトグラフィー-質量分析計を用いる。
【0057】
核磁気共鳴データ(H NMR)の測定はVarian装置を使用して400MHzにおいて実行される。核磁気共鳴データの測定に使用する溶媒としてはCDCl、CDOD、DO、DMSO-dなどがあり、テトラメチルシラン(0.00ppm)を基準とし又は残留溶媒を基準とする(CDCl:7.26ppm、CDOD:3.31ppm、DO:4.79ppm、DMSO-d:2.50ppm)。ピーク形状の多様性を示すために、次の略号で異なるピーク形状を表す。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(幅広線)、dd(二重の二重線)、dt(二重の三重線)。結合定数が与えられた場合、単位はHertz(Hz)である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
下記の実施例で本発明の例示的な実施形態が示される。下記の実施例は一般技術者でも本発明を実施できるように、例として示される。本発明の範囲が当該実施例から何らかの形で限定されることはない。
【0059】
(実施例1)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)フェニル)アクリルアミド
【化5】
【0060】
ステップ1:化合物3の合成
化合物1(2g)のN-メチルピロリドン(15mL)溶液に化合物2(2.49g)、炭酸カリウム(5.29g)を加えた。反応液を100℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、水に注いだ。濾過し、ケーキを蒸留水で洗浄し乾燥して、化合物3(3.58g)を得た。
【0061】
ステップ2:化合物4の合成
-20℃下で、化合物3(3.58g)のTHF(100mL)溶液に塩化スルフリル(2.3mL)を滴加した。引き続き当該温度下で反応液を2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチした。静置して層化させ、有機相を取り分けた。水相を得て酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物を得てフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、化合物4(3.24g)を得た。
【0062】
ステップ3:化合物5の合成
化合物4(3.24g)のエタノール(18mL)溶液にクロロアセトアルデヒド(18mL)を加えた。反応液を80℃に加熱して一晩反応させた。反応液を水に注いで濾過した。固体を得て乾燥して、化合物5(3.1g)を得た。
【0063】
ステップ4:化合物7の合成
窒素保護下で、化合物5(1.23g)のジオキサン:水(20mL:5mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(500mg)、化合物6(1.5g)、無水炭酸ナトリウム(1.5g)を加えた。反応液を80℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮し、残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=500:1)による分離で精製して、化合物7(1.12g)を得た。
【0064】
ステップ5:化合物8の合成
化合物7(200mg)のDMF(1mL)溶液に無水炭酸セシウム(120mg)、モルホリン(0.1mL)を加え、60℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮した。残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1~50:1)による分離で精製して、化合物8(120mg)を得た。
【0065】
ステップ6:化合物9の合成
化合物8(120mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にパラジウム炭素(50mg)を加え、窒素で反応系を置換した。室温下で反応系を一晩反応させて、珪藻土で濾過した。濾液を減圧下で濃縮して化合物9(71mg)を得た。
【0066】
ステップ7:化合物10の合成
氷浴下で、化合物9(71mg)のジクロロメタン(2mL)溶液にDIEA(5μL)、塩化アクリロイル(11μL)を加えた。氷浴下で反応液を2時間攪拌して、メタノールを加えて反応をクエンチして減圧下で濃縮した。残留物を得て分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)による分離で精製して化合物10(35mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),9.00(1H,s),8.35(1H,s),8.22(1H,s),8.12(1H,d,J=1.2Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.50(1H,s),6.81(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.91-3.95(5H,m),3.68(2H,s),2.85-2.99(4H,m),1.87(2H,t,J=7.2Hz),1.78-1.83(4H,m)。
【0067】
(実施例2)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)フェニル)アクリルアミド
【化6】
【0068】
実施例2の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.12(1H,s),8.41(1H,s),8.11(1H,s),8.01(1H,s),7.68(1H,s),7.46(1H,s),7.22(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.31(1H,dd,J=16.8Hz,10.8Hz),6.09(1H,s),5.78(1H,d,J=10.8Hz),3.97(6H,s),3.94(3H,s),3.77(4H,s),3.60-3.67(4H,m),1.77-1.83(4H,m)。
【0069】
(実施例3)
N-(2-(8-シクロプロピル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化7】
【0070】
実施例3の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.95(1H,s),8.42(1H,s),8.37(1H,s),8.13(1H,s),7.69(1H,s),7.49(1H,s),7.02-7.13(1H,brs),6.70(1H,s),6.45(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.78(1H,d,J=10.0Hz),3.96(6H,s),3.88(3H,s),3.21-3.78(4H,m),2.79(2H,d,J=10.4Hz),2.20-2.38(2H,m),1.97-2.18(3H,m),0.81-0.91(2H,m),0.56-0.70(2H,m)。
【0071】
(実施例4)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(テトラヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5(3H)-イル)フェニル)アクリルアミド
【化8】
【0072】
実施例4の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.87(1H,s),8.37(1H,s),8.15(1H,s),8.12(1H,d,J=1.6Hz),7.68(1H,d,J=1.6Hz),7.49(1H,s),6.79(1H,s),6.70(1H,s),6.43(1H,d,J=17.2Hz),6.30(1H,dd,J=17.2Hz,10.0Hz),5.76(1H,d,J=10.0Hz),3.88-4.01(11H,m),3.76(2H,d,J=10.0Hz),3.17-3.24(2H,m),2.96-3.07(4H,m)。
【0073】
(実施例5)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-オキサ-7-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)フェニル)アクリルアミド
【化9】
【0074】
実施例5の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),9.01(1H,s),8.37(2H,s),8.12(1H,s),7.69(1H,s),7.49(1H,s),6.88(1H,s),6.70(1H,s),6.44(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.8Hz),5.78(1H,d,J=10.8Hz),3.90-4.01(11H,m),3.10(2H,t,J=7.2Hz),2.87(2H,s),0.91-0.99(2H,m),0.58-0.66(2H,m)。
【0075】
(実施例6)
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化10】
【0076】
実施例6の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.19(1H,s),8.85(1H,s),8.38(1H,s),8.12(1H,s),7.84(1H,s),7.68(1H,s),7.49(1H,s),6.70(1H,s),6.61(1H,s),6.43(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.78(1H,d,J=10.4Hz),3.88-3.98(11H,m),3.75(2H,d,J=10.8Hz),3.62-3.65(2H,m),2.01-2.18(4H,m)。
【0077】
(実施例7)
N-(2-(8-アセチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化11】
【0078】
実施例7の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.99(1H,s),8.36(1H,s),8.32(1H,s),8.12(1H,d,J=1.6Hz),7.69(1H,d,J=1.6Hz),7.50(1H,s),6.86(1H,s),6.70(1H,s),6.46(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.80(1H,d,J=10.0Hz),4.85-4.90(1H,m),4.24-4.28(1H,m),3.97(6H,s),3.90(3H,s),3.21(1H,d,J=9.6Hz),2.93-3.01(2H,m),2.85(1H,d,J=9.6Hz),1.98-2.28(7H,m)。
【0079】
(実施例8)
N-(2-(3-シクロプロピル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化12】
【0080】
実施例8の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.01(1H,s),8.41(1H,s),8.27(1H,s),8.09(1H,s),7.49(1H,s),7.40(1H,s),6.63(1H,s),6.51(1H,s),6.19-6.33(2H,m),5.67(1H,d,J=10.0Hz),3.97(3H,s),3.86(6H,s),3.57-3.63(2H,m),3.19-3.24(1H,m),2.76(2H,d,J=10.8Hz),2.54(2H,d,J=10.8Hz),1.68-1.83(4H,m),0.29-0.36(2H,m),0.19-0.25(2H,m)。
【0081】
(実施例9)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)フェニル)アクリルアミドトリフルオロアセテート
【化13】
【0082】
実施例9の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.44(2H,s),9.32(1H,s),9.28(1H,s),8.79(1H,s),8.73(1H,s),8.34(1H,s),7.80(1H,s),7.68(1H,s),7.08(1H,s),6.88(1H,s),6.62(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),6.23(1H,d,J=16.8Hz),5.75(1H,d,J=10.0Hz),3.99(6H,s),3.96(3H,s),3.39-3.48(2H,m),3.23-3.32(2H,m),3.05(2H,s),1.06-1.12(2H,m),0.83-0.90(2H,m)。
【0083】
(実施例10)
N-(2-(4-シクロプロピル-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化14】
【0084】
実施例10の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.99(1H,s),8.47(1H,s),8.35(1H,s),8.12(1H,s),7.69(1H,s),7.49(1H,s),6.90(1H,s),6.70(1H,s),6.43(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.78(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.90(3H,s),3.02-3.21(4H,m),2.63-2.85(2H,m),1.95-2.15(1H,m),1.02-1.16(2H,m),0.40-0.61(6H,m)。
【0085】
(実施例11)
N-(2-(4-アセチル-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化15】
【0086】
実施例11の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.28(1H,s),9.22(1H,s),8.72(1H,d,J=1.2Hz),8.70(1H,s),8.32(1H,s),7.72(1H,s),7.60(1H,d,J=1.2Hz),7.07(1H,s),6.95(1H,s),6.57(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),6.23(1H,dd,J=16.8Hz,1.6Hz),5.75(1H,d,J=10.4Hz),3.67-4.05(11H,m),2.65-3.12(4H,m),2.13(2.4H,s),2.03(0.6H,s),0.78-1.06(4H,m)。
【0087】
(実施例12)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ビニルスルホンアミド
【化16】
【0088】
実施例12の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.39(1H,s),8.11(2H,s),7.70(1H,s),7.49(1H,s),7.40-7.47(1H,brs),6.93(1H,s),6.70(1H,s),6.66(1H,dd,J=16.4Hz,9.6Hz),6.42(1H,d,J=16.4Hz),6.01(1H,d,J=9.6Hz),3.98(6H,s),3.89(3H,s),3.63-3.69(1H,m),2.84-3.14(4H,m),1.66-1.92(4H,m),0.80-0.90(2H,m),0.56-0.66(2H,m)。
【0089】
(実施例13)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(4-(N,N-ジメチルスルホンアミド)ピペラジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化17】
【0090】
実施例13の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.99(1H,s),8.36(1H,s),8.12(2H,s),7.69(1H,s),7.50(1H,s),6.84(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.78(1H,d,J=10.4Hz),3.97(6H,s),3.92(3H,s),3.43-3.48(4H,m),3.01-3.06(4H,m),2.90(6H,s)。
【0091】
(実施例14)
N-(2-(7-アセチル-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化18】
【0092】
実施例14の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.07(1H,s),8.39(1H,s),8.10(1H,s),7.95(1H,s),7.70-7.82(1H,brs),7.65(1H,s),7.43(1H,s),6.68(1H,s),6.36-6.44(2H,m),5.99-6.04(1H,m),5.70-5.75(1H,m),3.95(6H,s),3.90(3H,s),3.69-3.81(4H,m),3.48-3.55(2H,m),3.29-3.38(2H,m),2.06(3H,s),1.69-1.80(4H,m)。
【0093】
(実施例15)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(7,7-ジオキソ-7-チオ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化19】
【0094】
実施例15の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.39(1H,s),9.20(1H,s),8.67(1H,s),8.66(1H,s),7.88(1H,s),7.66(1H,s),7.58(1H,s),7.06(1H,s),6.46(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),6.20(1H,dd,J=16.8Hz,1.6Hz),6.15(1H,s),5.69(1H,dd,J=10.4Hz,1.6Hz),3.98(6H,s),3.95(3H,s),3.80(4H,s),3.08-3.13(4H,m),2.17-2.23(4H,m)。
【0095】
(実施例16)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(1-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)フェニル)アクリルアミド
【化20】
【0096】
実施例16の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.99(1H,s),8.36(1H,s),8.31(1H,s),8.12(1H,s),7.68(1H,s),7.49(1H,s),6.90(1H,s),6.70(1H,s),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.75(1H,d,J=10.4Hz),3.97(6H,s),3.91(2H,t,J=6.8Hz),3.90(3H,s),3.07-3.13(2H,m),2.85-2.92(2H,m),1.99(2H,qui,J=6.8Hz),1.77-1.91(6H,m)。
【0097】
(実施例17)
N-(2-(7-シクロプロピル-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化21】
【0098】
実施例17の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.04(1H,s),9.38(1H,s),8.24(1H,s),8.09(1H,s),7.94(1H,s),7.63(1H,s),7.40(1H,s),6.67(1H,s),6.49(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),6.38(1H,d,J=16.8Hz),6.01(1H,s),5.70(1H,d,J=10.0Hz),3.93(6H,s),3.89(3H,s),3.74(4H,s),2.62-2.98(4H,m),1.89-2.06(5H,m),0.79-0.88(2H,m),0.55-0.64(2H,m)。
【0099】
(実施例18)
N-(2-(6-シクロプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化22】
【0100】
実施例18の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.10(1H,s),8.41(1H,s),8.11(1H,s),7.99(1H,s),7.60-7.75(2H,m),7.44(1H,S),6.69(1H,s),6.38-6.45(2H,m),6.07(1H,s),5.74-5.77(1H,m),3.88-4.09(11H,m),2.92-3.24(4H,m),2.16-2.25(2H,m),1.88-2.06(3H,m),0.80-0.90(2H,m),0.53-0.62(2H,m)。
【0101】
(実施例19)
N-(2-(9-シクロプロピル-3,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-3-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化23】
【0102】
実施例19の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.27(1H,s),9.09(1H,s),8.70(1H,s),8.69(1H,s),8.40(1H,s),7.70(1H,s),7.59(1H,s),7.06(1H,s),6.85(1H,s),6.65(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),6.22(1H,d,J=16.8Hz),5.71(1H,d,J=10.4Hz),3.98(6H,s),3.94(3H,s),2.88-2.96(4H,m),1.36-2.02(13H,m),0.96-1.12(2H,m),0.66-0.86(2H,m)。
【0103】
(実施例20)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)フェニル)アクリルアミド
【化24】
【0104】
実施例20の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.14(1H,s),8.41(1H,s),8.35(1H,s),8.11(1H,s),7.68(1H,s),7.47(1H,s),7.42(1H,s),6.70(1H,s),6.51(1H,s),6.42(1H,d,J=16.4Hz),6.29(1H,dd,J=16.4Hz,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),4.64-4.71(4H,m),3.97(6H,s),3.94(3H,s),3.55(2H,s),3.33(2H,t,J=7.2Hz),2.27(2H,t,J=7.2Hz)。
【0105】
(実施例21)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(3-オキサ-9-アザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル)フェニル)アクリルアミド
【化25】
【0106】
実施例21の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.20(1H,s),8.99(1H,s),8.36(1H,s),8.21(1H,s),8.12(1H,d,J=1.6Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.50(1H,s),6.86(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.77(1H,d,J=10.4Hz),3.97(6H,s),3.92(3H,s),3.71-3.75(4H,m),2.90-2.95(4H,m),1.74-1.79(4H,m),1.61-1.66(4H,m)。
【0107】
(実施例22)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(7-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル)フェニル)アクリルアミド
【化26】
【0108】
実施例22の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.08(1H,s),8.42(1H,s),8.11(1H,s),8.09(1H,s),7.66(1H,s),7.44(1H,s),6.67-6.71(2H,m),6.49-6.61(1H,m),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.36(1H,s),5.73(1H,d,J=10.8Hz),3.93-4.01(13H,m),3.37-3.56(4H,m),2.81(3H,s),1.99-2.26(4H,m)。
【0109】
(実施例23)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-メチル-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)フェニル)アクリルアミド
【化27】
【0110】
実施例23の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),9.02(1H,s),8.44(1H,s),8.36(1H,s),8.12(1H,d,J=1.2Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.50(1H,s),6.90(1H,s),6.70(1H,s),6.44(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.78(1H,d,J=10.0Hz),3.98(6H,s),3.93(3H,s),3.09-3.13(2H,m),3.02-3.08(2H,m),2.67-2.78(2H,m),2.46(3H,s),0.84-0.90(2H,m),0.49-0.52(2H,m)。
【0111】
(実施例24)
N-(2-(5-シクロプロピルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化28】
【0112】
実施例24の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.25(1H,s),9.05(1H,s),8.70(2H,s),8.17(1H,s),7.69(1H,s),7.59(1H,s),7.06(1H,s),6.61-6.74(2H,m),6.21-6.30(1H,m),5.69-5.78(1H,m),3.94-4.01(9H,m),3.54-3.63(4H,m),3.06-3.14(4H,m),2.90-3.02(3H,m),1.20-1.30(2H,m),0.74-0.84(2H,m)。
【0113】
(実施例25)
N-(2-(8-シクロプロピル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化29】
【0114】
実施例25の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.52(1H,s),9.20(1H,s),8.68(1H,s),8.66(1H,s),7.91(1H,s),7.66(1H,s),7.58(1H,s),7.06(1H,s),6.38-6.51(2H,m),6.19(1H,d,J=16.8Hz),5.70(1H,d,J=10.4Hz),3.99(3H,s),3.98(6H,s),3.38-3.54(4H,m),3.14-3.30(4H,m),2.76-2.94(1H,m),1.69-1.91(4H,m),1.39-1.62(2H,m),0.96-1.12(2H,m),0.69-0.87(2H,m)。
【0115】
(実施例26)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-オキサ-7-アザスピロ[4.4]デカン-7-イル)フェニル)ブト-2-インアミド
【化30】
【0116】
実施例26の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.15(1H,s),8.40(1H,s),8.15(1H,s),8.11(1H,s),7.68(1H,s),7.62(1H,s),7.46(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,s),3.89-3.97(11H,m),3.75(1H,d,J=8.4Hz),3.67(1H,d,J=8.4Hz),3.44-3.49(2H,m),3.34(1H,d,J=9.2Hz),3.30(1H,d,J=9.2Hz),1.88-2.03(7H,m)。
【0117】
(実施例27)
N-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド
【化31】
【0118】
実施例27の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.16(1H,s),8.39(1H,s),8.26(1H,s),8.11(1H,s),7.68(1H,s),7.53(1H,s),7.47(1H,s),6.70(1H,s),6.49(1H,s),4.65(1H,s),4.29(1H,s),4.10(1H,d,J=8.0Hz),3.97(6H,s),3.93(3H,s),3.87(1H,d,J=8.0Hz),3.49(1H,d,J=9.2Hz),3.49(1H,d,J=9.2Hz),1.96-2.06(5H,m)。
【0119】
(実施例28)
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド
【化32】
【0120】
実施例28の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.19(1H,s),8.67(1H,s),8.34(1H,s),8.11(1H,s),7.88(1H,s),7.68(1H,s),7.49(1H,s),6.70(1H,s),6.60(1H,s),3.93-4.01(8H,m),3.89(3H,s),3.76-3.79(2H,m),3.64-3.68(2H,m),2.01-2.17(7H,m)。
【0121】
(実施例29)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)ブト-2-インアミド
【化33】
【0122】
実施例29の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.80(1H,s),8.33(1H,s),8.25(1H,s),8.12(1H,s),7.68(1H,s),7.49(1H,s),6.84(1H,s),6.70(1H,s),3.96(6H,s),3.89-3.95(7H,m),2.95-2.98(4H,m),2.03(3H,s)。
【0123】
(実施例30)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(1,1-ジオキソチオモルホリン)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド
【化34】
【0124】
実施例30の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.22(1H,s),8.74(1H,s),8.33(1H,s),8.12(1H,s),7.96(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.87(1H,s),6.71(1H,s),3.98(6H,s),3.92(3H,s),3.49-3.53(4H,m),3.31-3.35(4H,m),2.05(3H,s)。
【0125】
(実施例31)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-モルホリンピペリジン-1-イル)フェニル)ブト-2-インアミド
【化35】
【0126】
実施例31の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.79(1H,s),8.32(1H,s),8.17(1H,s),8.11(1H,d,J=1.2Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.49(1H,s),6.82(1H,s),6.70(1H,s),3.97(6H,s),3.79-3.92(7H,m),3.18-3.24(2H,m),2.61-2.84(6H,m),2.13-2.23(1H,m),2.04(3H,s),1.59-1.91(4H,m)。
【0127】
(実施例32)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-メチル-4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)フェニル)ブト-2-インアミド
【化36】
【0128】
実施例32の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.79(1H,s),8.32(2H,s),8.11(1H,d,J=1.2Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.49(1H,s),6.86(1H,s),6.70(1H,s),3.98(6H,s),3.92(3H,s),3.02-3.28(4H,m),2.38-2.87(5H,m),2.04(3H,s),0.79-0.96(2H,m),0.61-0.77(2H,m)。
【0129】
(実施例33)
N-(5-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メトキシ-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化37】
【0130】
実施例33の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.34(1H,s),9.07(1H,s),8.58(1H,s),8.26(1H,s),7.68(1H,s),7.43(1H,s),6.94(1H,s),6.71(1H,s),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.77(1H,d,J=10.4Hz),4.66-4.75(4H,m),3.98(6H,s),3.93(3H,s),3.60-3.66(1H,m),3.02-3.09(4H,m),2.48-2.64(4H,m)。
【0131】
(実施例34)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)フェニル)アクリルアミド
【化38】
【0132】
実施例34の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.07(1H,s),8.84(1H,s),8.40(1H,s),8.35(1H,s),8.10(1H,s),7.63(1H,s),7.42(1H,s),6.61-6.75(3H,m),6.39(1H,dd,J=16.8Hz,1.2Hz),5.69(1H,d,J=10.4Hz),4.44-4.50(1H,m),4.10-4.20(2H,m),3.91-3.98(9H,m),3.64-3.81(1H,m),3.43-3.52(1H,m),3.19-3.27(1H,m),2.87(3H,s),2.26-2.38(2H,m)。
【0133】
(実施例35)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化39】
【0134】
実施例35の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO),9.55(1H,s),9.17(1H,s),8.51(1H,d,J=1.6Hz),8.33(1H,s),7.75(1H,s),7.64(1H,d,J=1.6Hz),7.09(1H,s),6.87(1H,s),6.63(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),6.23(1H,dd,J=16.8Hz,1.6Hz),5.73(1H,dd,J=10.4Hz,1.6Hz),3.99(6H,s),3.89(3H,s),2.92-2.97(4H,m),2.74-2.79(4H,m),1.68-1.74(1H,m),0.42-0.47(2H,m),0.30-0.36(2H,m)。
【0135】
(実施例36)
N-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)-5-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化40】
【0136】
実施例36の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.31(1H,s),8.58(1H,s),8.55(1H,s),7.69(1H,s),7.43(1H,s),7.39(1H,s),6.72(1H,s),6.62(1H,s),6.46(1H,d,J=16.8Hz),6.33(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.81(1H,d,J=10.0Hz),4.65-4.69(1H,m),4.27-4.31(1H,m),4.12(1H,d,J=8.0Hz),3.99(6H,s),3.97(3H,s),3.88(1H,d,J=8.0Hz),3.42-3.46(2H,m),1.99-2.09(2H,m)。
【0137】
(実施例37)
N-(2-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化41】
【0138】
実施例37の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.99(1H,s),8.39(1H,s),8.24(1H,s),8.14(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.81(1H,s),6.71(1H,s),6.43(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.94(3H,s),3.79-3.87(2H,m),3.64-3.70(2H,m),2.94-2.99(4H,m),2.17(3H,s)。
【0139】
(実施例38)
(S)-N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-メチルモルホリン)フェニル)アクリルアミド
【化42】
【0140】
実施例38の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),9.01(1H,s),8.39(1H,s),8.28(1H,s),8.14(1H,d,J=1.2Hz),7.68(1H,d,J=1.2Hz),7.50(1H,s),6.83(1H,s),6.70(1H,s),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.76(1H,dd,J=10.0Hz,1.2Hz),4.04(1H,d,J=11.6Hz),3.96(6H,s),3.92(3H,s),3.77-3.86(2H,m),2.88-2.95(3H,m),2.63(1H,t,J=10.8Hz),1.24(3H,t,J=6.4Hz)。
【0141】
(実施例39)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化43】
【0142】
実施例39の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.19(1H,s),8.96(1H,s),8.37(1H,s),8.11(1H,d,J=1.6Hz),8.10(1H,s),7.68(1H,d,J=1.2Hz),7.49(1H,s),6.83(1H,s),6.69(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.27(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.76(1H,d,J=10.0Hz),3.96(6H,s),3.91(3H,s),3.42-3.46(4H,m),3.05-3.08(4H,m),2.88(3H,s)。
【0143】
(実施例40)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(2,2-ジメチルモルホリン)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化44】
【0144】
実施例40の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.22(1H,s),8.99(1H,s),8.39(1H,s),8.22(1H,s),8.13(1H,d,J=1.2Hz),7.70(1H,d,J=1.2Hz),7.51(1H,s),6.84(1H,s),6.71(1H,s),6.46(1H,d,J=16.8Hz),6.26(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),5.78(1H,d,J=10.4Hz),3.92-4.02(11H,m),2.97(2H,t,J=4.4Hz),2.71(2H,s),1.41(6H,s)。
【0145】
(実施例41)
(R)-N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-メチルモルホリン)フェニル)アクリルアミド
【化45】
【0146】
実施例41の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.99(1H,s),8.39(1H,s),8.27(1H,s),8.14(1H,d,J=1.2Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.51(1H,s),6.84(1H,s),6.70(1H,s),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),4.04(1H,d,J=11.2Hz),3.96(6H,s),3.92(3H,s),3.78-3.87(2H,m),2.88-2.98(3H,m),2.63(1H,dd,J=11.2Hz,10.0Hz),1.25(3H,d,J=6.4Hz)。
【0147】
(実施例42)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-2-メチルイミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化46】
【0148】
実施例42の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.17(1H,s),8.97(1H,s),8.36(1H,s),8.28(1H,s),7.86(1H,s),7.43(1H,s),6.85(1H,s),6.68(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.32(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.96(6H,s),3.82(3H,s),2.75-3.05(8H,m),2.47(3H,s),1.70-1.81(1H,m),0.46-0.61(4H,m)。
【0149】
(実施例43)
tert-ブチル2-(2-アクリルアミド-4-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-5-メトキシフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボキシレート
【化47】
【0150】
実施例43の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.11(1H,s),8.42(1H,s),8.11(1H,s),8.04(1H,s),7.68(1H,s),7.45(1H,s),7.03(1H,s),6.70(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),6.12(1H,s),5.78(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.95(3H,s),3.76(4H,s),3.35-3.41(4H,m),1.72-1.81(4H,m),1.46(9H,s)。
【0151】
(実施例44)
N-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化48】
【0152】
実施例44の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.22(1H,s),9.01(1H,s),8.38(1H,s),8.36(1H,s),8.13(1H,d,J=1.2Hz),7.71(1H,d,J=1.2Hz),7.51(1H,s),6.93(1H,s),6.72(1H,s),6.47(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),5.81(1H,d,J=10.0Hz),4.52(2H,s),3.99(6H,s),3.92(3H,s),3.19(2H,d,J=11.2Hz),2.78(2H,d,J=11.2Hz),2.09-2.05(4H,m)。
【0153】
(実施例45)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)フェニル)アクリルアミド塩酸塩
【化49】
【0154】
実施例45の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDOD),9.49(1H,s),9.04(1H,s),9.01(1H,s),8.22(1H,s),8.02(1H,s),7.91(1H,s),7.08(1H,s),6.51(1H,dd,J=16.8Hz,10.0Hz),6.41(1H,dd,J=16.8Hz,2.0Hz),6.27(1H,s),5.86(1H,dd,J=10.0Hz,2.0Hz),4.07(3H,s),4.04(6H,s),3.95(4H,s),3.21-3.24(4H,m),2.07-2.11(4H,m)。
【0155】
(実施例46)
N-(2-(((4-(クロロメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)アミノ)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド塩酸塩
【化50】
【0156】
実施例46の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDOD),9.59(1H,s),9.20(1H,d,J=2.0Hz),9.09(1H,s),8.36(1H,s),8.14(1H,d,J=2.0Hz),7.97(1H,s),7.11(1H,s),6.75(1H,s),6.62(1H,dd,J=16.8Hz,10.4Hz),6.41(1H,dd,J=16.8Hz,1.2Hz),5.85(1H,dd,J=10.4Hz,1.2Hz),4.13(3H,s),4.05(6H,s),3.83(2H,s),3.53(2H,s),3.30-3.36(2H,m),3.19-3.25(2H,m),1.90-2.03(4H,m)。
【0157】
(実施例47)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド
【化51】
【0158】
実施例47の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.22(1H,s),8.82(1H,s),8.34(1H,s),8.30(1H,s),8.13(1H,s),7.71(1H,s),7.51(1H,s),6.88(1H,s),6.72(1H,s),3.99(6H,S),3.89(3H,s),2.78-3.11(8H,m),2.06(3H,s),1.77-1.84(1H,m),0.44-0.64(4H,m)。
【0159】
(実施例48)
(Z)-N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)-4-メトキシブト-2-エナミン
【化52】
【0160】
実施例48の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.89(1H,s),8.44(1H,s),8.33(1H,s),8.11(1H,s),7.68(1H,s),7.49(1H,s),6.85(1H,s),6.70(1H,s),6.25(1H,d,J=6.0Hz),4.66-4.72(1H,m),3.98(6H,s),3.87(3H,s),3.72(3H,s),3.24(2H,d,J=7.6Hz),2.77-3.24(8H,m),1.78-1.87(1H,m),0.47-0.59(4H,m)。
【0161】
(実施例49)
2-クロロ-N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化53】
【0162】
実施例49の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.48(1H,s),9.22(1H,s),8.96(1H,s),8.37(1H,s),8.12(1H,d,J=1.2Hz),7.70(1H,d,J=1.2Hz),7.50(1H,s),6.92(1H,s),6.71(1H,s),4.27(2H,s),3.98(6H,s),3.84(3H,s),2.85-3.08(8H,m),1.76-1.82(1H,m),0.49-0.63(4H,m)。
【0163】
(実施例50)
2-シアノ-N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アセトアミド
【化54】
【0164】
実施例50の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.28(1H,s),9.23(1H,s),8.92(1H,s),8.37(1H,s),8.12(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.95(1H,s),6.71(1H,s),3.98(6H,s),3.90(3H,s),3.62(2H,s),2.86-3.17(8H,m),1.76-1.95(1H,m),0.50-0.79(4H,m)。
【0165】
(実施例51)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ブト-3-インアミド
【化55】
【0166】
実施例51の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.21(1H,s),8.92(1H,s),8.41(1H,s),8.34(1H,s),8.11(1H,d,J=1.6Hz),7.69(1H,d,J=1.2Hz),7.49(1H,s),6.87(1H,s),6.70(1H,s),6.03-6.14(1H,m),5.38-5.43(2H,m),3.98(6H,s),3.87(3H,s),3.25(2H,d,J=7.6Hz),2.77-3.02(8H,m),1.69-1.89(1H,m),0.48-0.61(4H,m)。
【0167】
(実施例52)
(E)-N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)ブト-2-エナミン
【化56】
【0168】
実施例52の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.33(1H,s),9.11(1H,s),8.48(1H,s),8.23-8.26(2H,m),7.81(1H,d,J=1.2Hz),7.62(1H,s),7.08-7.17(1H,m),7.00(1H,s),6.83(1H,s),6.12(1H,d,J=16.8Hz),4.10(6H,s),4.01(3H,s),2.90-3.20(8H,m),2.07(3H,d,J=6.8Hz),1.83-1.96(1H,m),0.57-0.80(4H,m)。
【0169】
(実施例53)
N-(2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)プロピオールアミド
【化57】
【0170】
実施例53の合成方法は実施例1の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl),9.23(1H,s),8.85(1H,s),8.49-8.55(1H,brs),8.35(1H,s),8.13(1H,s),7.71(1H,s),7.51(1H,s),6.90(1H,s),6.72(1H,s),3.99(6H,s),3.91(3H,s),2.85-3.07(9H,m),1.74-1.83(1H,m),0.46-0.61(4H,m)。
【0171】
生理活性実験:
1.化合物のインビトロタンパク質活性測定:
均一時間分解蛍光(HTRF)法を用いてFGFR-4キナーゼ活性検出プラットフォームを確立して、化合物活性の測定を行った。100%DMSOを用いて1000μMから化合物の3倍の勾配希釈を11回行い(合計で12の濃度)、各濃度は4μLを取り分けて96μLの反応バッファー(50mMのHEPES、pH7.4、5mMのMnCl、0.1mMのNaVO、0.001%Tween-20、0.01%BAS、1mMのDTT)に加えて均一に混合して、4×化合物(最終濃度は0.017nM~1000nM)として待機した。反応バッファーを使用して2×FGFR-4キナーゼ(最終濃度は1nM)を調製し、反応バッファーで4×基質(ATP+TKペプチド)を調製した(TKペプチドはHTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TKで、Cisbioより購入した。TKペプチドの最終濃度は1μMで、ATPの最終濃度は25μMであった)。4×化合物から2.5μL取り分けて384ウェルプレート(OptiPlate-384、PerkinElmerより購入)に加え、次に5μLの2×FGFR-4キナーゼを加えて、遠心分離して均一に混合させ、そして2.5μLの4×基質混合物を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μL)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れて23℃下で60分間攪拌し、次に5μLのEu3+ クリプテート標識抗ホスホチロシン抗体(Eu3+ cryptate-labled anti-phosphotyrosine antibody)(HTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TK、Cisbioより購入)、5μLのストレプトアビジン(Streptavidin)-XL-665(HTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TK、Cisbioより購入)を加えて反応を停止させた。インキュベーターにおいて1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmerより購入)において蛍光値を読み取った(320nmで励起し、665nm及び620nmでの発光を検出し、二者の比の値は酵素活性である)。各化合物はそれぞれ12の濃度において酵素活性を測定し、ソフトウェアGraphPad prism 5.0を用いてデータから当該化合物のIC50値を算出した。
【0172】
2.化合物の細胞増殖活性測定:
Promega社のCell Titer-Glo(登録商標)検出試薬を用いて浮遊細胞増殖阻害スクリーニングという方法を確立した。10%ウシ胎児血清(Hyclone(登録商標))を添加したMEM(Gibco(登録商標))培地でヒト肝がん細胞Hep3b(協和細胞研究センター)を培養し、培養条件は37℃、95%空気及び5%COであり、25cm又は75cmのプラスチック製組織培養フラスコ(Corning(登録商標))において培養し、週に2~3回継代させた。
【0173】
3×10細胞/ウェルの密度でHep3b細胞を96ウェル細胞培養プレート(Corning(登録商標))に接種し、195mL/ウェルであり、37℃で95%空気及び5%COにおいて培養した。24時間後、次のとおりに被験化合物を加えた。10mM(DMSOに溶解)からDMSOで化合物を3倍勾配希釈し、各濃度は96mLの無血清培地に4mLを加え、最後に培地で希釈した化合物から5mL取り分けて細胞を接種した培養プレートに加えた。細胞培養液でDMSOの最終濃度は0.1%であり、被験化合物の最終濃度は0.3nM~10mMであった。37℃下で前記細胞を3日インキュベートした。
【0174】
3日後に、Cell Titer-Glo(Promega)キットを用いて細胞活性測定を行い、最後にプログラムGraphPad Prism 5.0で細胞増殖に対する化合物の半数阻害濃度であるIC50値を算出した。
【表1(1)】
【0175】
3.薬物動態データ
北京維通利華実験働物技術有限公司が提供する雄SDラットを用い、1群当たり3匹でラットの群分けを実施し、それぞれ1回の強制経口で被験サンプル懸濁液(5mg/kg)を投与した。動物は実験前に一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間から投与後4時間までとした。投与後0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間に採血した。小動物用麻酔器を用いてイソフルランで麻酔した後、眼窩静脈叢から0.3mLの全血を採取してヘパリン抗凝固採血管に入れ、サンプルは4℃、4000rpmで5分間遠心分離し、血漿を遠沈管に移して、分析に備えて-80℃において保存した。タンパク質沈殿法で血漿中からサンプルを抽出して、LC/MS/MSで抽出液を分析した。
【表1(2)】
【0176】
(実施例54)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-モルホリンフェニル)アクリルアミド
【化58】
【0177】
ステップ1:化合物3の合成
化合物1(2g)のN-メチルピロリドン(15mL)溶液に化合物2(2.49g)、炭酸カリウム(5.29g)を加えた。100℃下で反応液を一晩加熱した。反応液を室温に冷却して、水に注いだ。濾過し、ケーキを蒸留水で洗浄し乾燥して、化合物3(3.58g)を得た。
【0178】
ステップ2:化合物4の合成
-20℃下で、化合物3(3.58g)のTHF(100mL)溶液に塩化スルフリル(2.3mL)を滴加した。引き続き-20℃下で、反応が完了するまで反応液を2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチした。有機相を分離し、水相は酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物を得てフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、化合物4(3.24g)を得た。
【0179】
ステップ3:化合物5の合成
化合物4(3.24g)のエタノール(18mL)溶液にクロロアセトアルデヒド(18mL)を加えた。反応液を80℃に加熱して一晩反応させた。反応液を水に注いで濾過した。固体を得て乾燥して、化合物5(3.1g)を得た。
【0180】
ステップ4:化合物7の合成
窒素保護下で、化合物5(1.23g)のジオキサン:水(20mL:5mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(500mg)、化合物6(1.5g)、無水炭酸ナトリウム(1.5g)を加えた。反応液を80℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮し、残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=500:1)による分離で精製して、化合物7(1.12g)を得た。
【0181】
ステップ5:化合物8の合成
化合物7(200mg)のDMF(1mL)溶液に無水炭酸セシウム(120mg)、モルホリン(0.1mL)を加え、60℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮した。残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1~50:1)による分離で精製して、化合物8(120mg)を得た。
【0182】
ステップ6:化合物9の合成
化合物8(120mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にパラジウム炭素(50mg)を加え、窒素で反応系を置換した。室温下で反応系を一晩反応させて、珪藻土で濾過した。濾液を減圧下で濃縮して化合物9(71mg)を得た。
【0183】
ステップ7:実施例54の合成
0℃下で、化合物9(71mg)のジクロロメタン(2mL)溶液にDIEA(5μL)、塩化アクリロイル(11μL)を加えた。0℃下で反応液を2時間攪拌して、メタノールを加えてクエンチして減圧下で濃縮した。残留物を得て分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=25:1)による分離で精製して、実施例54(35mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.22(1H,s),9.02(1H,s),8.38(1H,s),8.27(1H,s),8.14(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.86(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.87-3.95(7H,m),2.95-3.02(4H,m)。
【0184】
(実施例55)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル)アクリルアミド
【化59】
【0185】
実施例55の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.62-10.21(1H,brs),9.20(1H,s),8.82(1H,s),8.39(1H,s),8.15(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.88(1H,s),6.71(1H,s),6.39(1H,d,J=16.8Hz),6.18-6.29(1H,m),5.75(1H,d,J=11.6Hz),3.98(6H,s),3.92(3H,s),3.78(2H,s),2.75-3.02(8H,m),2.69(3H,s)。
【0186】
(実施例56)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(3-ヒドロキシ-8-アザ[3.2.1]オクト-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化60】
【0187】
実施例56の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.19(1H,s),8.87(1H,s),8.38(1H,s),8.12(1H,s),7.75(1H,s),7.69(1H,s),7.49(1H,s),6.71(1H,s),6.66(1H,s),6.45(1H,d,J=16.8Hz),6.29(1H,dd,J=16.8,10.4Hz),5.77(1H,d,J=10.4Hz),4.24-4.29(1H,m),3.98(6H,s),3.91(3H,s),3.75-3.83(2H,m),2.32-2.39(2H,m),2.21-2.31(2H,m),2.04-2.12(2H,m),1.94-2.03(2H,m)。
【0188】
(実施例57)
N-(2-(4-(シクロプロピルメチル)ピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化61】
【0189】
実施例57の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),9.04(1H,s),8.37(1H,s),8.33(1H,s),8.12(1H,s),7.70(1H,s),7.50(1H,s),6.93(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=17.2Hz),6.29(1H,dd,J=17.2,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.98(6H,s),3.91(3H,s),3.01-3.08(4H,m),2.67-2.85(4H,m),2.39(2H,d,J=6.4Hz),0.81-0.94(1H,m),0.55-0.63(2H,m),0.15-0.23(2H,m)。
【0190】
(実施例58)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-モルホリニルピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化62】
【0191】
実施例58の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),9.01(1H,s),8.36(1H,s),8.19(1H,s),8.12(1H,s),7.69(1H,s),7.50(1H,s),6.85(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.76(1H,d,J=10.0Hz),3.98(6H,s),3.91(3H,s),3.76-3.83(4H,m),3.20(2H,d,J=10.8Hz),2.79(2H,t,J=11.6Hz),2.61-2.71(4H,m),2.30-2.42(1H,m),2.12(2H,d,J=11.6Hz),1.64-1.78(2H,m)。
【0192】
(実施例59)
N-(2-(4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化63】
【0193】
実施例59の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),9.03(1H,s),8.30-8.38(2H,m),8.12(1H,s),7.69(1H,s),7.50(1H,s),6.89(1H,s),6.71(1H,s),6.43(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8Hz),5.78(1H,d,J=10.0Hz),3.98(6H,s),3.89(3H,s),2.94-3.04(4H,m),2.79-2.93(4H,m),1.72-1.82(1H,m),0.42-0.59(4H,m)。
【0194】
(実施例60)
N-(2-(4-シアノピペラジン-1-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化64】
【0195】
実施例60の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),8.99(1H,s),8.37(1H,s),8.13(1H,s),8.05(1H,s),7.70(1H,s),7.51(1H,s),6.84(1H,s),6.71(1H,s),6.43(1H,d,J=17.2Hz),6.28(1H,dd,J=17.2 ,10.4Hz),5.74(1H,d,J=10.4Hz),3.98(6H,s),3.93(3H,s),3.43-3.53(4H,m),3.03-3.12(4H,m)。
【0196】
(実施例61)
N-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)-5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化65】
【0197】
実施例61の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.15(1H,s),8.41(1H,s),8.40(1H,s),8.13(1H,s),7.69(1H,s),7.60(1H,s),7.48(1H,s),6.70(1H,s),6.52(1H,s),6.41(1H,d,J=16.8Hz),6.31(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.75(1H,d,J=10.0Hz),4.62(1H,s),4.24(1H,s),4.08(1H,d,J=7.6Hz),3.97(6H,s),3.92(3H,s),3.83(1H,d,J=7.6Hz),3.42(1H,d,J=9.6Hz),3.37(1H,d,J=9.6Hz),1.94-2.01(2H,m)。
【0198】
(実施例62)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(2-オキサ-7-アザスピロ[4,4]ノン-7-イル)フェニル)アクリルアミド
【化66】
【0199】
実施例62の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.14(1H,s),8.42(1H,s),8.28(1H,s),8.12(1H,s),7.68(1H,s),7.63(1H,s),7.47(1H,s),6.70(1H,s),6.46(1H,s),6.37(1H,d,J=16.8Hz),6.31(1H,dd,J=16.8,10.8Hz),5.76(1H,d,J=10.8Hz),3.97(6H,s),3.94(3H,s),3.87-3.93(2H,m),3.72(1H,d,J=8.4Hz),3.65(1H,d,J=8.4Hz),3.37-3.43(2H,m),3.30(1H,d,J=9.2Hz),3.25(1H,d,J=9.2Hz),1.86-2.03(4H,m)。
【0200】
(実施例63)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-フルオロ-4-メトキシフェニルアクリルアミド
【化67】
【0201】
実施例63の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),8.86(1H,d,J=9.2Hz),8.37(1H,s),8.14(1H,s),7.71(1H,s),7.51(1H,s),7.46(1H,s),6.87(1H,d,J=12.4Hz),6.71(1H,s),6.46(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.80(1H,d,J=10.0Hz),3.98(6H,s),3.93(3H,s)。
【0202】
(実施例64)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化68】
【0203】
実施例64の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 9.51(1H,s),9.32(1H,s),9.12(1H,s),8.93(1H,s),8.38(1H,s),8.21(1H,s),8.08(1H,s),7.15(1H,s),6.90(1H,s),6.89(1H,dd,J=17.2,10.0Hz),6.25(1H,d,J=17.2Hz),5.75(1H,d,J=10.0Hz),4.01(6H,s),3.97(3H,s),3.68-3.86(4H,m),3.49-3.65(4H,m),3.32-3.48(3H,m),2.75-2.88(5H,m),2.14-2.26(2H,m),1.96-2.12(2H,m)。
【0204】
(実施例65)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化69】
【0205】
実施例65の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),9.02(1H,s),8.37(1H,s),8.24(1H,s),8.12(1H,s),7.70(1H,s),7.50(1H,s),6.91(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),4.67-4.75(4H,m),3.98(6H,s),3.92(3H,s),3.60-3.68(1H,m),3.01-3.12(4H,m),2.46-2.67(4H,m)。
【0206】
(実施例66)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化70】
【0207】
実施例66の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDOD)δ 9.20(1H,s),8.54(1H,s),8.35(1H,s),8.24(1H,s),7.65(1H,s),7.56(1H,s),6.93(1H,s),6.85(1H,s),6.69(1H,dd,J=17.2,10.4Hz),6.43(1H,d,J=17.2Hz),5.83(1H,d,J=10.4Hz),4.02(6H,s),4.01(3H,s),3.43-3.51(2H,m),3.12-3.21(2H,m),2.83(3H,s),2.75(6H,s)。
【0208】
(実施例67)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(4-ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化71】
【0209】
実施例67の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.18(1H,s),8.92(1H,s),8.37(1H,s),8.12-8.18(2H,m),7.69(1H,s),7.49(1H,s),6.79(1H,s),6.71(1H,s),6.42-6.45(2H,m),5.77-5.80(1H,m),3.98(6H,s),3.90(3H,s),3.31(2H,d,J=12.0Hz),3.12-3.24(1H,m),2.79-2.89(8H,m),2.35(2H,d,J=11.2Hz),2.07-2.22(2H,m)。
【0210】
(実施例68)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-4-メトキシ-2-(8-オキサ-2-アザスピロ[4.5]デカ-2-イル)フェニル)アクリルアミド
【化72】
【0211】
実施例68の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.13(1H,s),8.40(1H,s),8.29(1H,s),8.12(1H,s),7.78(1H,s),7.68(1H,s),7.47(1H,s),6.70(1H,s),6.44(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.34(1H,dd,J=16.8,10.0Hz),5.77(1H,d,J=10.0Hz),3.97(6H,s),3.94(3H,s),3.61-3.71(4H,m),3.36(2H,t,J=6.8Hz),3.14(2H,s),1.81(2H,t,J=6.8Hz),1.52-1.68(4H,m)。
【0212】
(実施例69)
N-(5-(4-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2-a][1,6]ナフチリジン-8-イル)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド
【化73】
【0213】
実施例69の合成方法は実施例54の合成方法と同じであった。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.21(1H,s),9.04(1H,s),8.37(1H,s),8.32(1H,s),8.12(1H,s),7.69(1H,s),7.50(1H,s),6.91(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.30(1H,dd,J=16.8,10.4Hz),5.77(1H,d,J=10.4Hz),3.98(6H,s),3.90(3H,s),3.01-3.05(4H,m),2.58-2.75(4H,m),2.54(2H,q,J=7.2Hz),1.17(3H,t,J=7.2Hz)。
【0214】
(実施例70)
N-(5-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)イミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-4-メトキシ-2-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化74】
【0215】
ステップ1:化合物11の合成
室温下で、化合物2(3.0g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に水素化ナトリウム(774mg)を加え、室温下で混合物を1.5時間攪拌し、次に混合物に化合物10(2.86g)を加え、室温下で混合物を一晩攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチして、ジクロロメタンで希釈し、有機相を分離し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濃縮して、残留物はフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:1)で精製して、化合物11(5.2g)を得た。
【0216】
ステップ2:化合物12の合成
-20℃下で、化合物11(5.2g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液にゆっくりと塩化スルフリル(2.81g)を滴加した。滴加が完了した後、-20℃下で混合物を2時間攪拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチした。酢酸エチルで混合物を抽出し、抽出液は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、残留物はフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:2)で精製して、化合物12(4.7g)を得た。
【0217】
ステップ3:化合物13の合成
化合物12(2.0g)のエタノール(20mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(8mL)を加え、80℃下で混合物を一晩加熱した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いで、攪拌して濾過し、ケーキを乾燥して、淡黄色の固体13(2.1g)を得た。当該化合物は精製せずそのまま次のステップの反応に使用した。
【0218】
ステップ4:化合物14の合成
化合物13(2.1g)のジクロロメタン:メタノール:水(20mL:20mL:20mL)溶液に過硫酸水素カリウム複塩(18.4g)を加え、混合物を40℃に加熱して一晩攪拌した。水を加えて混合物を希釈して、ジクロロメタンで抽出し、抽出液は無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。淡黄色の固体14を得て精製せずそのまま次のステップの反応に使用した。
【0219】
ステップ5:化合物15の合成
化合物14(2.5g)のTHF(10mL)溶液に水酸化カリウム(924mg)の水(10mL)溶液を加えた。室温下で反応液を一晩攪拌した。減圧下で濃縮してTHFを除去し、pHが2になるまで濃塩酸を滴加した。濾過して、白い固体を得て無水アセトニトリル(5mL)で洗浄し乾燥して、化合物15(2.1g)を得た。
【0220】
ステップ6:化合物16の合成
化合物15(2.1g)のアセトニトリル(20mL)溶液に塩化ホスホリル(20mL)を加え、反応液を80℃に加熱して3時間反応させ、次に室温に冷却した。反応液を減圧下で濃縮して氷水を加えた。濾過し、固体を得て無水アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、化合物16(1.9g)を得た。
【0221】
ステップ7:化合物17の合成
窒素保護下で、化合物16(1.14g)のジオキサン:水(20mL:5mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(500mg)、化合物6(1.3g)、無水炭酸ナトリウム(1.2g)を加えた。反応液を80℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮し、残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=500:1)による分離で精製して、化合物17(920mg)を得た。
【0222】
ステップ8:化合物19の合成
化合物17(200mg)のDMF(1mL)溶液に無水炭酸セシウム(120mg)、化合物18(120mg)を加え、60℃に加熱して一晩反応させた。反応液を室温に冷却して、減圧下で濃縮した。残留物を得てフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1~50:1)による分離で精製して、化合物19(110mg)を得た。
【0223】
ステップ9:化合物20の合成
化合物19(110mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にパラジウム炭素(50mg)を加え、窒素で反応系を置換した。室温下で反応系を一晩反応させて、珪藻土で濾過した。濾液を減圧下で濃縮して化合物20(63mg)を得た。
【0224】
ステップ10:実施例70の合成
氷浴下で、化合物20(63mg)のジクロロメタン(2mL)溶液にDIEA(5μL)、塩化アクリロイル(11μL)を加えた。氷浴下で反応液を2時間攪拌して、メタノールを加えてクエンチして減圧下で濃縮した。残留物を得て分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)による分離で精製して、実施例70(33mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.34(1H,s),9.07(1H,s),8.58(1H,s),8.26(1H,s),7.68(1H,s),7.43(1H,s),6.93(1H,s),6.71(1H,s),6.42(1H,d,J=16.8Hz),6.28(1H,dd,J=16.8,10.4Hz),5.78(1H,d,J=10.4Hz),4.74(2H,t,J=6.4Hz),4.68(2H,t,J=6.4Hz),3.98(6H,s),3.93(3H,s),3.61-3.67(1H,m),3.03-3.09(4H,m),2.51-2.65(4H,m)。
【0225】
生理活性実験:
1.化合物のインビトロタンパク質活性測定:
均一時間分解蛍光(HTRF)法を用いてFGFR-4キナーゼ活性検出プラットフォームを確立して、化合物活性の測定を行った。100%DMSOを用いて1000μMから化合物の3倍の勾配希釈を11回行い(合計で12の濃度)、各濃度は4μLを取り分けて96μLの反応バッファー(50mMのHEPES、pH7.4、5mMのMnCl、0.1mMのNaVO、0.001%Tween-20、0.01%BAS、1mMのDTT)に加えて均一に混合して、4×化合物(最終濃度は0.017nM~1000nM)として待機した。反応バッファーを使用して2×FGFR-4キナーゼ(最終濃度は1nM)を調製し、反応バッファーで4×基質(ATP+TKペプチド)を調製した(TKペプチドはHTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TKで、Cisbioより購入した。TKペプチドの最終濃度は1μMで、ATPの最終濃度は25μMであった)。4×化合物から2.5μL取り分けて384ウェルプレート(OptiPlate-384、PerkinElmerより購入)に加え、次に5μLの2×FGFR-4キナーゼを加えて、遠心分離して均一に混合させ、そして2.5μLの4×基質混合物を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μL)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れて23℃下で60分間攪拌し、次に5μLのEu3+ クリプテート標識抗ホスホチロシン抗体(Eu3+ cryptate-labled anti-phosphotyrosine antibody)(HTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TK、Cisbioより購入)、5μLのストレプトアビジン(Streptavidin)-XL-665(HTRF(登録商標)KinEASE(商標)-TK,Cisbioより購入)を加えて反応を停止させた。インキュベーターにおいて1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmerより購入)において蛍光値を読み取った(320nmで励起し、665nm及び620nmでの発光を検出し、二者の比の値は酵素活性である)。各化合物はそれぞれ12の濃度において酵素活性を測定し、ソフトウェアGraphPad prism 5.0を用いてデータから当該化合物のIC50値を算出した。
【0226】
2.化合物の細胞増殖活性測定:
Promega社のCell Titer-Glo(登録商標)検出試薬を用いて浮遊細胞増殖阻害スクリーニングという方法を確立した。10%ウシ胎児血清(Hyclone(登録商標))を添加したMEM(Gibco(登録商標))培地でヒト肝がん細胞Hep3b(協和細胞研究センター)を培養し、培養条件は37℃、95%空気及び5%COであり、25cm又は75cmのプラスチック製組織培養フラスコ(Corning(登録商標))において培養し、週に2~3回継代させた。
【0227】
3×10細胞/ウェルの密度でHep3b細胞を96ウェル細胞培養プレート(Corning(登録商標))に接種し、195mL/ウェルであり、37℃で95%空気及び5%COにおいて培養した。24時間後、次のとおりに被験化合物を加えた。10mM(DMSOに溶解)からDMSOで化合物を3倍勾配希釈し、各濃度は96mLの無血清培地に4mLを加え、最後に培地で希釈した化合物から5mL取り分けて細胞を接種した培養プレートに加えた。細胞培養液でDMSOの最終濃度は0.1%であり、被験化合物の最終濃度は0.3nM~10mMであった。37℃下で前記細胞を3日インキュベートした。
【0228】
3日後に、Cell Titer-Glo(Promega)キットを用いて細胞活性測定を行い、最後にプログラムGraphPad Prism 5.0で細胞増殖に対する化合物の半数阻害濃度であるIC50値を算出した。
【表2(1)】
【0229】
3.薬物動態データ
北京維通利華実験働物技術有限公司が提供する雄SDラットを用い、1群当たり3匹でラットの群分けを実施し、それぞれ1回の強制経口で被験サンプル懸濁液(5mg/kg)を投与した。動物は実験前に一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間から投与後4時間までとした。投与後0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、24時間に採血した。小動物用麻酔器を用いてイソフルランで麻酔した後、眼窩静脈叢から0.3mLの全血を採取してヘパリン抗凝固採血管に入れ、サンプルは4℃、4000rpmで5分間遠心分離し、血漿を遠沈管に移して、分析に備えて-80℃において保存した。タンパク質沈殿法で血漿中からサンプルを抽出して、LC/MS/MSでの抽出液を分析した。
【表2(2)】
【産業上の利用可能性】
【0230】
本発明はFGFR4キナーゼ阻害剤、その製造方法及び用途を提供する。本発明は式I化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、結晶多形もしくは異性体、及びFGFR4媒介性疾患を治療するための薬物の製造におけるその用途に関する。本発明に記載のFGFR4プロテインキナーゼ阻害剤は高い選択性でFGFR4チロシンキナーゼを阻害できる一方、FGFR1~3の阻害効果が弱いため、FGFR4が高発現される肝がん患者の安全かつ効果的な治療薬として有望であり、経済的価値が高く幅広い利用されることが見込まれる。