(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】固定部分および可動部分を含む文字盤を備えた腕時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/16 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
G04B19/16 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022095709
(22)【出願日】2022-06-14
【審査請求日】2022-06-14
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・クリスタン
(72)【発明者】
【氏名】イバン・ビジャール
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】スイス国特許発明第00700261(CH,B5)
【文献】登録実用新案第3044797(JP,U)
【文献】米国特許第04206592(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/16,19/10
G04B 19/06
G04B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字盤(100)を備えた腕時計であって、前記文字盤は、2つの連続する円形扇形が、異なる視覚的外観を有するように、互いに異なる視覚的外観を有する領域(122,123)が配置され、互いに隣接する円形扇形の形状で配置された表面を含む回転する可動部分(120)に重ねられた固定部分(110)を備え、前記固定部分(110)は、前記領域(122,123)のうちの少なくとも1つの領域にそれぞれ現れ、材料のブリッジ(113)によって互いに分離された少なくとも1つの貫通開口部(112)を備え、前記可動部分(120)は、制御部材(200)を作動させることによって回転するように前記制御部材(200)に運動学的に接続され、回転すると、視覚的外観の異なる前記領域(122,123)が前記開口部(112)を通じて連続的に現れるように構成され、前記領域(122;123)は、
互いに同一の形状および寸法を有する同じ視覚的外観を
有する複数の第1の領域(122)と、互いに同一の形状および寸法を有する同じ視覚的外観を有する複数の第2の領域(123)とを含み、
前記第1の領域(122)の視覚的外観と、前記第2の領域(123)の視覚的外観とは異なっており、前記開口部(112)および前記材料のブリッジ(113)はおのおの、実質的に、領域(122;123)の形状および寸法に対応する形状および寸法を有し、前記開口部(112)のおのおのは、1つの領域(122;123)のみを見せるように分布され、前記腕時計は、2つの連続する
前記第1の領域(122)が同じ視覚的外観を有し、2つの連続する第2の領域(
123)が、
前記第1の領域(122)とは異なる同じ視覚的外観を有し、材料のブリッジ(113)が、前記2つの連続する領域(122;123)によって形成される対の形状および寸法に対応する形状および寸法を有し
、
前記可動部分(120)は、中央オリフィスを備えた円形クラウンを含み、前記円形クラウンの前記中央オリフィスに配置されたディスクを含み、前記ディスクと前記円形クラウンは同心であり、運動学的に前記制御部材(200)に接続されており、おのおのは、互いに異なる視覚的外観を有する領域(122,123)を含む、
ことを特徴とする、腕時計。
【請求項2】
前記可動部分(120)は、前記制御部材(200)によって回転されるように適合された歯車と噛み合う関係にある内部歯を含む中央オリフィス(121)を備えた円形クラウンを含む、請求項1に記載の腕時計。
【請求項3】
前記制御部材(200)は、クラウン(221)に接続されたクラウンステム(220)によって形成される、請求項1に記載の腕時計。
【請求項4】
前記クラウン(221)が1回転だけ旋回されたときに、前記可動部分(120)が少なくとも1回転だけ回転し、前記可動部分(120)の回転が、前記開口部(112)を通して見える前記領域(122,123)の動きのぼやけを生じさせる伝達比となるように、前記可動部分(120)は、運動学的に前記制御部材(200)に接続される、請求項
3に記載の腕時計。
【請求項5】
前記制御部材(200)は、クラウン(221)に接続されたクラウンステム(220)によって形成され、前記ディスクおよび前記円形クラウンは、前記クラウン(221)の回転方向に応じて、スライディングピニオンによって交互に噛み合わされる、請求項
1に記載の腕時計。
【請求項6】
前記可動部分(120)を所定の位置に保持するためのシステムを備え、これによって、前記可動部分(120)は、少なくとも1つの所定の位置にしたがってインデクス付けされる、請求項1に記載の腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計製造、特に外部部品を含む腕時計の分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、固定部分および可動部分を含む文字盤を備えた腕時計に関する。
【背景技術】
【0003】
たとえば、計時器に含まれる時計のムーブメントに運動学的に接続された、装飾的使用のための可動要素をそれらの文字盤上に含む腕時計が、特に、従来技術の計時器から知られている。
【0004】
時計のムーブメントは、時間とともに変化する装飾を生成するために、現在の時間にしたがって可動要素を動かすように適合されている。
【0005】
しかしながら、これらの可動要素は、ユーザが自由に移すことはできず、したがって、ユーザの希望にしたがって、計時器の美的外観を個人化するように使用することはできない。
【0006】
ユーザが、いつでも、希望するときに、計時器の美的外観を変更できるようにするニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ユーザの希望にしたがって外観を変更できる腕時計を提案することにより、前述の欠点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、互いに異なる視覚的外観を有する領域が配置された表面を含む回転可能な部品に重ねられた固定部分を含む文字盤を備えた腕時計に関する。固定部分は、これら領域のうち、少なくとも1つの領域に現れる少なくとも1つの貫通開口部を備え、可動部分は、制御部材を作動させることによって回転するように、制御部材に運動学的に接続され、回転すると、視覚的外観の異なる領域が開口部を通じて連続的に現れるように構成される。
【0009】
したがって、ユーザは、一方では、可動部分の方位を選択することによって腕時計の文字盤の外観を変更することができ、その結果、開口部は、所望される視覚的外観を有する領域を見せ、他方では、可動部分の回転中、魅力的な視覚効果と、インタラクティブな装飾とを得ることができる。
【0010】
特定の実施形態では、本発明は、単独で、または技術的に可能なすべての組合せで、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含み得る。
【0011】
特定の実施形態では、同じ視覚的外観を含む領域は、同一の形状および寸法を有し、固定部分は、材料のブリッジによって互いに分離された少なくとも2つの開口部を含む。前記開口部および前記材料のブリッジはおのおの、実質的に、領域の形状および寸法に対応する形状および寸法を有し、開口部のおのおのは、1つの領域のみを見せることができるように分布される。
【0012】
特定の実施形態では、領域は、互いに隣接する円形扇形の形状で配置され、その結果、2つの連続する円形扇形は、異なる視覚的外観を有する。
【0013】
特定の実施形態では、2つの連続する領域は、同じ視覚的外観を有し、材料のブリッジは、前記2つの連続する領域によって形成される対の形状および寸法に対応する形状および寸法を有する。
【0014】
特定の実施形態では、可動部分は、制御部材によって回転されるように適合された歯車と噛み合う関係にある内部歯を含む中央オリフィスを備えた円形クラウンを含む。
【0015】
特定の実施形態では、可動部分は、中央オリフィスを備えた円形クラウンを含み、円形クラウンの中央オリフィスに配置されたディスクを含む。ディスクと円形クラウンは同心であり、運動学的に制御部材に接続されており、おのおのは、互いに異なる視覚的外観を有する領域を含む。
【0016】
特定の実施形態では、可動部分の回転が、開口部を通して見える領域の動きのぼやけを生じさせる伝達比となるように、可動部分は、運動学的に制御部材に接続される。
【0017】
特定の実施形態では、制御部材は、クラウンに接続されたクラウンステムによって形成される。
【0018】
特定の実施形態では、伝達比は、クラウンが1回転だけ旋回されたときに、可動部分が少なくとも1回転だけ回転するように選択される。
【0019】
特定の実施形態では、ディスクおよび円形クラウンは、クラウンの回転方向に応じて、スライディングピニオンによって交互に噛み合わされる。
【0020】
特定の実施形態では、腕時計は、可動部分を所定の位置に保持するためのシステムを備え、これによって、可動部分は、少なくとも1つの所定の位置にしたがってインデクス付けされる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、以下の添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられた以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による腕時計の文字盤および制御部材の上面図である。
【
図2】
図1の文字盤と制御部材の軸A-Aに沿った断面図である。
【
図3】
図1の文字盤および制御部材の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、
図1から
図3に分けて示されるように、文字盤100および制御部材200を含む腕時計に関する。
【0024】
腕時計は、それ自体が知られている方式で、中間部分、ベゼル、およびバックから構成されるケースを含み、前記ケースは、時、分、およびオプションで秒の針を回転させるように意図された時計のムーブメントを収容する内部ボリュームを形成する。腕時計の前述の構成要素は、当業者にはそのように知られており、本発明自体には関係しないため、図示されない。
【0025】
文字盤100は、当業者に知られている方式で、クリスタルと時計のムーブメントとの間に挿入されるように配置される。
【0026】
本発明による文字盤100は、
図1から
図3に示されるように、ユーザによる制御部材200の作動によって回転されるように、中央部、ベゼル、または時計のムーブメントと一体化され、前記制御部材200に運動学的に接続された回転する可動部分120に重ね合わされた固定部分110を含む。
【0027】
固定部品110および可動部品120は、薄い平面部品の形状であり、同心の中央オリフィス111、121を含み、中央オリフィス111、121を通して、針の吊りホイールが係合されることが意図されている。
【0028】
可動部分120は、固定部分110によって規定される平面に直交する回転軸を中心に旋回することができる。たとえば、
図1から
図3に示される本発明の例示的な実施形態では、可動部分120の回転軸は、針の回転軸と一致するように意図されている。
【0029】
可動部分120は、図示される好適な実施形態では、円形クラウンの形状で作られ、互いに異なる視覚的外観を有する領域122および領域123が配置された表面を含む。
【0030】
より具体的には、
図3の分解図に示されるように、領域122および領域123は、円形クラウンの表面を、互いに隣接する複数の円形扇形に分割するように、円形クラウンの表面上に分布され、2つの連続する円形扇形は、外観が異なる。
【0031】
あるいは、領域122および領域123は、他の幾何学的形状を有し得る。
【0032】
本テキストにおいて、視覚的外観は、特に、色や、たとえば、表面の粗さ、レリーフの存在、光の反射などのような表面状態によって規定され、コーティングの堆積、ストーンの設置、研磨のような表面仕上げなど、当業者が達成できる範囲内での装飾または機械加工の任意の手段によって得られる。
【0033】
領域122および領域123は、例として、放射状の溝の存在または不在によって、
図3の分解図に示される2つの異なる態様を有することができる。あるいは、互いに異なる外観を有する領域を、さらに提供することも可能である。
【0034】
固定部分110は、図示される好適な実施形態では、ディスクの形状で作られ、領域122または領域123のうち、少なくとも1つの領域に現れる少なくとも1つの貫通開口部112を含み、これによって、領域がユーザに見えるようになり、可動部分120が回転されると、領域122および領域123が、開口部112の反対側に連続的に現れる。例として、
図1では、開口部112は、放射状の溝を含む領域123を見せる。
【0035】
有利には、以下のテキストでより詳細に説明されるように、可動部分120は、可動部分120の実質的に高速での回転を促進するように、制御部材200に運動学的に接続され、これは、動きのぼやけによって特徴付けられる特定の光学的効果を生成するように、開口部112を通して、異なる視覚的外観の領域122および領域123の連続的な出現によって可能とする。網膜の持続性の現象によるこの動きのぼやけは、開口部112を通して見える、魅力的でインタラクティブな装飾を、文字盤100上に生成することを可能にする。
【0036】
さらに、本発明は、開口部112を通して見えるままに残す領域122または領域123を、ユーザが選択できる限り、文字盤100を個人化することを可能にする。言い換えれば、ユーザは、可動部分120の回転を停止することによって、文字盤100に与える視覚的外観を選択することができる。
【0037】
本明細書では、本発明は、二重の美的関心を有すると理解される。実際、本発明は、腕時計の外観を個人化するために、一方では、可動部分120の変位中にインタラクティブな装飾を生成することを可能にし、他方では、表示するために、開口部112や、ユーザによって選択された視覚的外観を有する領域122または領域123を通して、特定の角度位置で、前記可動部分120を所定の位置に保持することを可能にする。
【0038】
図1から
図3に図示される本発明の実施形態では、固定部分110は、複数の開口部112を含み、これら開口部112は、材料のブリッジ113によって互いに分離されている。各開口部112および材料の各ブリッジ113は、好適には、それぞれ実質的に、領域122または領域123の形状および寸法に対応する形状および寸法を有し、開口部112が、同じ視覚的外観を有する領域122または領域123のみを見せることができるように分布される。
【0039】
この配置は、有利には、ユーザが腕時計の美的外観をさらに個人化することを可能にする。
【0040】
図に例示される本発明の例示的な実施形態では、固定部分110は、同じ視覚的外観を有する領域122または領域123と同じ数の開口部112を有する。
【0041】
有利には、図示されない本発明の実施形態では、2つの連続する領域122または領域123は、同じ視覚的外観を有し、材料のブリッジ113が、前記2つの連続する領域122または領域123によって形成される対の視覚的外観に対応する形状および寸法を有することが可能である。この例示的な実施形態では、可動部分120および固定部分110は、それぞれ奇数の領域122および領域123、および開口部112を有する。
【0042】
この特徴により、ユーザは、可動部分120の角度位置を選択することにより、異なる視覚的外観を有する領域122および領域123を、開口部112を通して表示することができ、各開口部112は、単一の領域122または領域123のみを示す。
【0043】
本明細書では、この特徴の利点は、文字盤100の視覚的外観の個人化に関連する態様に関連することが理解される。
【0044】
図3の分解図に図示される例示的な実施形態では、円形クラウンの中央オリフィス121は、制御部材200によって回転されるように適合された駆動ホイール210と噛み合う関係にある内部歯(図示せず)を含む。
【0045】
より具体的には、駆動ホイール210は、制御部材200に接続された伝達ピニオン212と係合する中間ホイール211と噛み合う。
【0046】
本発明のこの例示的な実施形態では、制御部材200は、伝達ピニオン212が固定され、その一方の端部にクラウン221を備えるクラウンロッド220によって形成される。クラウン221の旋回は、伝達ピニオン212を介して、中間ホイール211の回転を引き起こし、これは、駆動ホイール210の回転、したがって可動部分120の回転を引き起こす。
【0047】
本明細書では、可動部分120の回転方向は、クラウン221の回転方向に依存することが理解される。
【0048】
これらの特徴は、有利には、適合された伝達比を選択することによって、およびクラウン221の回転速度にしたがって、開口部112を介した異なる態様の領域122および領域123の交互の迅速な出現によって、可動部分120を十分に高い回転速度で回転させて、動きのぼやけを生成することを可能にする。
【0049】
目安として、クラウン221がユーザによって1回転だけ旋回されたときに、可動部分120が少なくとも1回転だけ旋回されるように、伝達比を選択することができる。したがって、可動部分120の接線速度は、たとえばその周辺の点で、それぞれの半径の値の間に有意差があるため、常にクラウン221の接線速度よりもかなり速い。この特徴は、動きのぼやけの外観を促進および容易にする。
【0050】
有利には、本発明はさらに、開口部112の反対側の所望の領域122または領域123を見せるように、可動部分120を移動させることによって表示される視覚的外観を選択できるようにするために、可動部分120の角度位置を容易に制御することを可能にする。
【0051】
このように、腕時計は、可動部分120を所定の位置(図示せず)に保持するためのシステムを含み得、これにより、可動部分120は、1つまたは複数の所定の角度位置にしたがってインデクス付けされる。
【0052】
例として、位置保持システムは、その端部の1つによって中央部、ベゼル、または時計のムーブメントに固定されたジャンパによって形成することができる。ジャンパは、その他端に、可動部分120の周囲に作られたノッチに係合するように意図された歯を含む。
【0053】
より具体的には、可動部分120は、その周囲に規則的に分布し、2つの連続する領域122および領域123を分離する角度に対応する角度によって互いに分離され、その結果、各所定の角度位置において、可動部分120によって占有されるいくつかのノッチを含み、開口部112はおのおの、単一の領域122または領域123を見せる。
【0054】
図示されない別の例示的な実施形態では、可動部分120は、中央オリフィスを備えた円形クラウンと、前記中央オリフィスの内部に配置され、中央オリフィスの直径よりも小さい直径を有するディスクとを含む2つの可動要素を含み、前記ディスクおよび前記円形クラウンは同心であり、両方とも運動学的に制御部材200に接続されている。
【0055】
特に、ディスクおよび円形クラウンは、クラウン221の回転方向に応じて、スライディングピニオンによって交互に噛み合うことができる。
【0056】
より具体的には、ディスクは、第1の駆動ホイールと噛み合う関係にある歯、たとえば、外部歯を含み得、クラウン221は、第2の駆動ホイールと噛み合う関係にある歯、たとえば、内部歯を含み得る。
【0057】
第1および第2の駆動ホイールは、たとえばレバーに取り付けられたスライディングピニオンと交互に係合するように配置することができ、前記スライディングピニオンはまた、伝達ピニオン212とも噛み合う。
【0058】
したがって、クラウン221が、第1の回転方向に回転されると、スライディングピニオンは、第1の駆動ホイールと噛み合い、クラウン221の回転運動をディスクに伝達して、ディスクが旋回し、クラウン221が、第2の回転方向に回転されると、スライディングピニオンは、第2の駆動ホイールと係合し、クラウン221の回転運動を円形クラウンに伝達して、円形クラウンが回転する。
【0059】
さらに、スライディングピニオンを備えたこの配置は、可動部分120が回転するときに、制御部材200と可動部分120とを接続する運動学的チェーンにおいてクラッチ機構として機能することを可能にする。実際、スライディングピニオンは、制御部材200と可動部分120とを分離することを可能にし、その結果、移動しているとき、可動部分120は、制御部材200を駆動しない。
【0060】
したがって、制御部材200は常に駆動しており、駆動され得ることはないので、可動部分120と制御部材200との間で力を伝達する部品への損傷のリスクが回避される。たとえば、可動部分120がまだ動いている間に制御部材200が阻止された場合、そのようなリスクが生じる可能性がある。
【0061】
ディスクの回転方向および円形クラウンの回転方向を選択することを可能にする設計は、たとえば、考慮される歯車列への歯車の追加または除去によって、当業者が達成できる範囲にある。
【0062】
代替案として、第1および第2の駆動ホイールが、互いに直接噛み合うことによって、または1つまたは複数の歯車によって、運動学的に互いに接続されることも可能である。
【0063】
図示されない本発明の別の例示的な実施形態では、制御部材200は、並進運動を回転運動に変換するための機構によって駆動ホイール210に接続された押し出し部品であり得る。
【符号の説明】
【0064】
100 文字盤
110 固定部分、固定部品
111 中央オリフィス
112 貫通開口部
113 ブリッジ
120 可動部分、可動部品
121 中央オリフィス
122 領域
123 領域
200 制御部材
210 駆動ホイール
211 中間ホイール
212 伝達ピニオン
220 クラウンステム、クラウンロッド
221 クラウン