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特許7378559駆動構成要素、カメラアセンブリ及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】駆動構成要素、カメラアセンブリ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/04 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
H02N2/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022155047
(22)【出願日】2022-09-28
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】202210725359.X
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジャンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ゾンバオ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-535844(JP,A)
【文献】特開2014-164266(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0346740(US,A1)
【文献】国際公開第2015/156135(WO,A1)
【文献】特開2012-226205(JP,A)
【文献】特開2017-107191(JP,A)
【文献】特開2011-191304(JP,A)
【文献】特開平04-127887(JP,A)
【文献】特開昭63-020979(JP,A)
【文献】特開2001-174857(JP,A)
【文献】特開平10-309086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/04
G03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定フレーム(10)と、
被駆動部材を支持するとともに、前記固定フレーム(10)に接続され、かつ前記固定フレーム(10)に対して移動可能であるキャリアアッセンブリ(20)と、
前記固定フレーム(10)と前記キャリアアッセンブリ(20)とに接続され、自体の伸縮により、前記固定フレーム(10)に対する前記キャリアアッセンブリ(20)の位置を制御可能な磁歪素子(30)と、を含み、
前記キャリアアッセンブリ(20)は、第1キャリア(21)と第2キャリア(22)とを含み、
前記第1キャリア(21)は、前記固定フレーム(10)に接続され、かつ前記固定フレーム(10)に対して移動可能であり、前記磁歪素子(30)は前記固定フレーム(10)と前記第1キャリア(21)とに接続され、
前記第2キャリア(22)は被駆動部材を支持するように構成され、前記第2キャリア(22)は、前記第1キャリア(21)に対向して配置され、かつ前記第1キャリア(21)に対して移動可能である
ことを特徴とする駆動構成要素。
【請求項2】
前記磁歪素子(30)は、磁歪本体と前記磁歪本体に巻回された第1コイルとを含み、前記第1コイルの電流の大きさを制御することにより、前記磁歪本体の伸縮状態を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動構成要素。
【請求項3】
前記磁歪素子(30)は複数あり、複数の前記磁歪素子(30)は前記キャリアアッセンブリ(20)の周りに配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動構成要素。
【請求項4】
各前記磁歪素子(30)の両端のそれぞれは前記固定フレーム(10)に接続され、各前記磁歪素子(30)の中間部分は前記キャリアアッセンブリ(20)に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の駆動構成要素。
【請求項5】
前記キャリアアッセンブリ(20)が前記固定フレーム(10)に対して弾性的に移動できるように、前記固定フレーム(10)と前記キャリアアッセンブリ(20)とに接続される第1弾性部材(40)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動構成要素。
【請求項6】
前記第1弾性部材(40)は複数あり、複数の前記第1弾性部材(40)は前記キャリアアッセンブリ(20)の周りに配置され、前記第1弾性部材(40)の両端は前記固定フレーム(10)に接続され、前記第1弾性部材(40)の中間部分は前記キャリアアッセンブリ(20)に接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動構成要素。
【請求項7】
前記第1キャリア(21)及び前記第2キャリア(22)の一方に磁石(211)が設けられ、他方に第2コイル(221)が設けられ、前記第2コイル(221)の電流の大きさを制御することにより、前記第2キャリア(22)に対する前記第1キャリア(21)の位置を調整する、
ことを特徴とする請求項に記載の駆動構成要素。
【請求項8】
前記第1キャリア(21)及び前記第2キャリア(22)の両方は枠状であり、前記第2キャリア(22)は前記第1キャリア(21)の内側に位置する、
ことを特徴とする請求項に記載の駆動構成要素。
【請求項9】
前記キャリアアッセンブリ(20)は、前記第1キャリア(21)が前記第2キャリア(22)に対して弾性的に移動できるように、前記第1キャリア(21)と前記第2キャリア(22)とに接続される第2弾性部材(23)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載の駆動構成要素。
【請求項10】
前記キャリアアッセンブリ(20)は、前記第1キャリア(21)が前記第2キャリア(22)に対して弾性的に移動できるように、前記第1キャリア(21)と前記第2キャリア(22)とに接続される第3弾性部材(24)をさらに含み、
前記第2弾性部材(23)及び前記第3弾性部材(24)はそれぞれ、前記第1キャリア(21)と前記第2キャリア(22)との上端、及び前記第1キャリア(21)と前記第2キャリア(22)との下端に位置する、
請求項に記載の駆動構成要素。
【請求項11】
前記固定フレーム(10)は、台座(11)と、前記台座(11)に接続される上部カバー(12)とを含み、前記台座(11)と前記上部カバー(12)との間に収容キャビティが形成され、前記キャリアアッセンブリ(20)は前記収容キャビティ内に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動構成要素。
【請求項12】
カメラと、
請求項1~1のいずれか1項に記載の駆動構成要素とを含み、
前記カメラは、前記キャリアアッセンブリ(20)に固定され、前記駆動構成要素によって合焦及び/又は手ぶれ防止が行われる、
ことを特徴とするカメラアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載のカメラアセンブリを含む、
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁駆動技術分野に関し、特に駆動構成要素、カメラアセンブリ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のカメラは通常、合焦機能及び手ぶれ防止機能を有し、当該機能を実現する部材はレンズの移動を駆動するモータであり、モータの駆動により電子機器のカメラが同時に合焦機能及び手ぶれ防止機能を有し、異なる物体距離のシーンを鮮明に電子機器のスクリーンに表示することができ、手ぶれ防止機能は、消費者が撮影する時の手ぶれによる画像のずれを補正することができ、これにより、電子機器において、消費者がシャッタ押すだけで、いつでもどこでも非常に高い品質の画像を入手することができる。
【0003】
合焦機能及び手ぶれ防止機能を実現するには、モータが必要であり、現在、モータの一般的な駆動原理は主に電磁駆動であり、合焦機能及び手ぶれ防止機能を実現する方式は単一である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明の実施例は、固定フレームと、被駆動部材を支持するとともに、前記固定フレームに接続され、かつ前記固定フレームに対して移動可能であるキャリアアッセンブリと、前記固定フレームと前記キャリアアッセンブリとに接続され、自体の伸縮により、前記固定フレームに対する前記キャリアアッセンブリの位置を制御可能な磁歪素子と、を含む駆動構成要素を提供する。
【0006】
本発明の実施例に係る駆動構成要素は、磁歪素子自体の伸縮により、固定フレームに対するキャリアアッセンブリの位置を調整して関連機能を実現し、新しい駆動方式を提供し、電磁駆動方式のみに限定されないため、当業者は必要に応じてより多くの設計選択肢を持つようになる。
【0007】
選択可能に、前記磁歪素子は、磁歪本体と前記磁歪本体に巻回された第1コイルとを含み、前記第1コイルの電流の大きさを制御することにより、前記磁歪本体の伸縮状態を調整する。
【0008】
選択可能に、前記磁歪素子は複数あり、複数の前記磁歪素子は前記キャリアアッセンブリの周りに配置される。
【0009】
選択可能に、各前記磁歪素子の両端のそれぞれは前記固定フレームに接続され、各前記磁歪素子の中間部分は前記キャリアアッセンブリに接続される。
【0010】
選択可能に、前記キャリアアッセンブリが前記固定フレームに対して弾性的に移動できるように、前記固定フレームと前記キャリアアッセンブリとに接続される第1弾性部材をさらに含む。
【0011】
選択可能に、前記第1弾性部材は複数あり、複数の前記第1弾性部材は前記キャリアアッセンブリの周りに配置され、前記第1弾性部材の両端は前記固定フレームに接続され、前記第1弾性部材の中間部分は前記キャリアアッセンブリに接続される。
【0012】
選択可能に、前記キャリアアッセンブリは、第1キャリアと第2キャリアとを含み、前記第1キャリアは前記固定フレームに接続され、前記固定フレームに対して移動可能であり、前記磁歪素子は前記固定フレームと前記第1キャリアとに接続され、前記第2キャリアは被駆動部材を支持するように構成され、前記第2キャリアは前記第1キャリアに対向して配置され、かつ前記第1キャリアに対して移動可能である。
【0013】
選択可能に、前記第1キャリアと前記第2キャリアの一方に磁石が設けられ、他方に第2コイルが設けられ、前記第2コイルの電流の大きさを制御することにより、前記第2キャリアに対する前記第1キャリアの位置を調整する。
【0014】
選択可能に、前記第1キャリア及び前記第2キャリアの両方は枠状であり、前記第2キャリアは前記第1キャリアの内側に位置する。
【0015】
選択可能に、前記キャリアアッセンブリは、前記第1キャリアが前記第2キャリアに対して弾性的に移動できるように、前記第1キャリアと前記第2キャリアとに接続される第2弾性部材をさらに含む。
【0016】
選択可能に、前記キャリアアッセンブリは前記第1キャリアが前記第2キャリアに対して弾性的に移動できるように、前記第1キャリアと前記第2キャリアとに接続される第3弾性部材をさらに含み、前記第2弾性部材及び前記第3弾性部材はそれぞれ、前記第1キャリアと前記第2キャリアとの上端、及び前記第1キャリアと前記第2キャリアとの下端に位置する。
【0017】
選択可能に、前記固定フレームは、台座と、前記台座に接続される上部カバーとを含み、前記台座と前記上部カバーとの間に収容キャビティが形成され、前記キャリアアッセンブリは前記収容キャビティ内に設けられる。
【0018】
本発明の実施例は、カメラと本発明の実施例に記載の駆動構成要素とを含むカメラアセンブリをさらに提供し、前記カメラは、前記キャリアアッセンブリに固定され、かつ前記駆動構成要素によってズーム及び/又は手ぶれ防止が行われる。
【0019】
本発明の実施例は、本発明の実施例に記載のカメラアセンブリを含む電子機器をさらに提供する。
【0020】
本発明の追加の態様及び利点は以下の説明では一部が与えられ、一部が以下の説明によって明らかになり、または本発明の実践により理解される。
【0021】
以下の図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部となり、本発明と一致する実施例を示し、明細書とともに本発明の原理を説明するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る駆動構成要素の概略分解図である。
図2】本発明の一実施例に係る上部カバーを取り外した駆動構成要素の概略斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る駆動構成要素の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例は図面に示される。以下、図面を参照して説明される実施例は例示するものであり、本発明を説明することを目的としており、本発明を限定するものとして理解してはならない。
【0024】
本実施形態は、カメラを駆動して合焦機能及び手ぶれ防止機能を実現できる駆動構成要素を提供する。
【0025】
図1図3を参照すると、一部の実施例では、駆動構成要素は主に、固定フレーム10、キャリアアッセンブリ20及び磁歪素子30を含む。キャリアアッセンブリ20は、被駆動部材を支持するように構成され、被駆動部材はカメラであってもよい。キャリアアッセンブリ20は固定フレーム10に接続され、かつ固定フレーム10に対して移動可能であり、キャリアアッセンブリ20と固定フレーム10との相対的な位置を制御することによって手ぶれ防止機能を実現することができる。磁歪素子30は固定フレーム10とキャリアアッセンブリ20とに接続され、かつ自体の伸縮により固定フレーム10に対するキャリアアッセンブリ20の位置を制御することができる。
【0026】
磁歪素子30自体は電気制御により伸縮を実現することができ、これにより、キャリアアッセンブリ20を駆動して固定フレーム10に対して移動させ、手ぶれ防止機能を実現する。キャリアアッセンブリ20に対する駆動について、磁歪素子30による磁歪のみによって完成させることができるし、磁歪駆動及び電磁駆動(磁石とコイルとの相互作用による駆動)の両方で完成させることができる。つまり、キャリアアッセンブリ20は、2種類の異なる形式の駆動力によって対応する機能を完成させることができる。これにより、本実施例は新しい駆動実現方式を提供し、電磁駆動方式のみに限定されないため、当業者は必要に応じてより多くの設計選択肢を有するようになる。
【0027】
キャリアアッセンブリ20の駆動は、磁歪素子30の磁歪のみによって完成される場合、磁石を使用せずキャリアアッセンブリ20位置の制御を実現することができる。これによって、磁石による干渉を回避し、周辺の磁気デバイスに干渉を与えることを回避することができるとともに、磁歪素子のサイズが小さく、占有する空間も小さいため、全体的な構造の積み重ねにとってより有益である。また、同じサイズ及び重量のカメラを駆動する時、従来の駆動構成要素に比べて構造のサイズがより小さくなり、空間の占有が小さくなる。
【0028】
被駆動部材がカメラである場合について、磁歪素子30はキャリアアッセンブリ20を駆動することによってカメラの手ぶれ防止機能を実現することができる。手ぶれ防止機能の実現が磁歪素子30の伸縮によって実現されるため、磁石を設置する必要がなくなり、これにより、駆動構成要素全体の高さが減少し、モジュールの肩の高さが減少し、適用される電子機器の突出高さが減少する。
【0029】
一部の実施例では、磁歪素子30は、磁歪本体と磁歪本体に巻回された第1コイルとを含み、第1コイルの電流の大きさを制御することで磁歪本体の伸縮状態を調整する。磁歪本体は超磁歪材料(Giant Magnetostrictive Matreial、GMMと略す)で作ることができる。超磁歪材料は常温で磁化状態の変化により、その長さ及び体積が大きく変化し、即ち磁歪係数f非常に大きい磁歪材料は超磁歪材料と呼ばれる。磁歪材料は機械エネルギーと電気エネルギーとの間の効率的な変換を実現することができ、エネルギー密度が高く、応答速度が早く、信頼性がよく、駆動方式がシンプルである。
【0030】
第1コイル内を流れる電流の大きさの変化は磁歪本体の周りの磁界を変化させることができ、これによって磁歪本体の磁化状態を変化させて、磁歪本体を伸縮変化させることができる。具体的には、第1コイルに通電すると、電磁誘導の原理により、軸方向の磁界が発生し、磁歪本体は磁界の作用で伸縮変形し、電気-磁気-機械エネルギーのエネルギー変換を実現する。
【0031】
一例として、磁歪本体は棒状体であり、丸棒でも楕円棒でもよく、第1コイルは磁歪本体に均一に巻回されている。
【0032】
一部の実施例では、磁歪素子30は複数あり、複数の磁歪素子30はキャリアアッセンブリ20の周りに配置される。このように、複数の磁歪素子30はキャリアアッセンブリ20を同時に駆動することにより、キャリアアッセンブリ20をより安定的に移動させることができ、手ぶれ防止機能が向上する。
【0033】
具体的には、複数の磁歪素子30はそれぞれキャリアアッセンブリ20の異なる位置においてキャリアアッセンブリ20を駆動し、手ぶれ防止機能の必要に応じて、異なる磁歪素子30を流れる電流の大きさを異ならせてもよいし、同じにしてもよい。
【0034】
一部の実施例では、固定フレーム10は台座11と、台座11に接続される上部カバー12と、を含み、台座11と上部カバー12との間に収容キャビティが形成され、キャリアアッセンブリ20は収容キャビティ内に設置される。安定的な取付基礎を提供するように、台座11と上部カバー12とは係着されてもよく、またはネジで接続してもよい。
【0035】
具体的には、台座11の中心には、円形の穴を有し、四隅にはL字型の突起構造を有し、上部カバー12の中心には円形の穴を有し、上部カバー12は平板、及び平板の4本の辺から片側へ延びる4つの側板を含み、円形の穴は平板に位置し、台座11の突起構造は側板の内壁に密着している。
【0036】
一部の実施例では、図2を参照すると、各磁歪素子30の両端のそれぞれは固定フレーム10に接続され、各磁歪素子30の中間部分はキャリアアッセンブリ20に接続され、磁歪素子30の2つの端点、及び磁歪素子30とキャリアアッセンブリ20との接続点を結ぶ線分が三角形をなし、つまり、磁歪素子30の両端点と、磁歪素子30とキャリアアッセンブリ20との接続点とは、同じ直線に位置せず、これにより、磁歪素子30が伸縮する時、形成された三角形の2つの辺の長さも変化し、磁歪素子30の両端点が固定フレーム10に固定されるため、位置は変化せず、磁歪素子30とキャリアアッセンブリ20との接続点の位置が変化するため、キャリアアッセンブリ20の移動を駆動することが実現される。
【0037】
具体的には、各磁歪素子30の両端のそれぞれは台座11の突起構造に接続される。
【0038】
一部の実施例では、駆動構成要素は第1弾性部材40をさらに含み、第1弾性部材40が固定フレーム10及びキャリアアッセンブリ20に接続されるにより、キャリアアッセンブリ20は固定フレーム10に対して弾性的に移動することができる。第1弾性部材40を設置することにより、磁歪素子30がキャリアアッセンブリ20を駆動する時、第1弾性部材40の弾性拘束力を受けるあめ、キャリアアッセンブリ20の移動はより安定する。
【0039】
従来のサスペンションワイヤーの代わりに第1弾性部材40を使用することにより、手ぶれ防止する移動の復元力を実現し、材料コスト、組み立てコスト及び製作コストを削減することができ、第1弾性部材40の固定用の接触面積が十分あり、接続の接着性及び信頼性が大幅に向上する。
【0040】
具体的には、第1弾性部材40は金属材料からなり、形状が曲がりくねった金属ワイヤーであってもよい。
【0041】
さらに、第1弾性部材40は複数あり、複数の第1弾性部材40はキャリアアッセンブリ20の周りに配置され、第1弾性部材40の両端は固定フレーム10に接続され、第1弾性部材40の中間部分はキャリアアッセンブリ20に接続される。
【0042】
複数の第1弾性部材40の形状及び仕様は同じであってもよいし、異なってもよい。複数の第1弾性部材40は異なる位置においてキャリアアッセンブリ20に接続されて、キャリアアッセンブリ20をより安定的にする。磁歪素子30はキャリアアッセンブリ20を駆動する時に第1弾性部材40の弾性力を克服することができる。
【0043】
一部の実施例では、キャリアアッセンブリ20は第1キャリア21と第2キャリア22とを含み、第1キャリア21は固定フレーム10に接続され、かつ固定フレーム10に対して移動可能であり、磁歪素子30は固定フレーム10と第1キャリア21とに接続され、第2キャリア22は被駆動部材を支持するように構成され、第2キャリア22は、第1キャリア21に対向して配置され、かつ第1キャリア21に対して移動可能である。被駆動部材がカメラである場合、第2キャリア22は第1キャリア21に対して移動してカメラのズーム制御を実現することができる。第1キャリア21に対する第2キャリア22の移動方向は図3の上下方向である。
【0044】
具体的には、第1キャリア21と固定フレーム10とは第1弾性部材40を介して接続されてもよく、第1キャリア21は四角枠状であってもよく、第1キャリア21の4つの枠の中間部分には、第1弾性部材40を接続するための接続部が設けられ、第1弾性部材40は接続部を貫通し、第1弾性部材40の両端は台座11の突起構造に接続される。
【0045】
一部の実施例では、第1キャリア21と第2キャリア22の一方に磁石211が設けられ、他方に第2コイル221が設けられ、第2コイル221の電流の大きさを制御することで、第2キャリア22に対する第1キャリア21の位置を調整する。つまり、本実施例では、第1キャリア21と第2キャリア22とは磁石とコイルとによる駆動方式を用い、当該磁石とコイルとによる駆動方式は、磁歪素子30による駆動方式と一緒に使用され、これにより、駆動構成要素は、磁歪素子30自体の伸縮による駆動方式を備えるとともに、磁石とコイルとによる駆動方式を備え、2種類の駆動方式を併用する。無論、磁歪による駆動方式は単独で使用してもよく、当業者は駆動構成要素の機能の必要に応じて具体的な駆動方式を選択することができる。
【0046】
被駆動部材がカメラである場合、駆動構成要素はカメラの合焦機能及び手ぶれ防止機能を実現することができる。具体的には、磁歪素子30によりキャリアアッセンブリ20全体を移動駆動して手ぶれ防止機能を実現し、磁石211と第2コイル221との相互作用により、第2キャリア22に対する第1キャリア21の移動を実現し、合焦機能を実現する。
【0047】
当業者であれば、第1キャリア21と第2キャリア22とを必要に応じて磁歪による駆動方式で駆動してもよい。これにより、駆動構成要素には磁石の設置を無くし、磁石による干渉を最大限に低下させることができる。
【0048】
例えば、図3を参照すると、第1キャリア21の内側に磁石収容溝が設けられ、磁石211は磁石収容溝内に固定設置され、第2キャリア22の外周にコイル収容溝が設けられ、第2コイル221はコイル収容溝内に巻かれることで、磁石211及び第2コイル221の両方が安定的に取り付けられ、第2コイル221は第2キャリア22と同期して移動し、磁石211は第1キャリア21と同期して移動する。
【0049】
一部の実施例では、第1キャリア21及び第2キャリア22の両方は枠状であり、第2キャリア22は第1キャリア21の内側に位置する。このように配置することで、駆動構成要素の厚さを増加させることなく、サイズの減小や占有空間の減少に有利である。
【0050】
さらには、キャリアアッセンブリ20は第2弾性部材23をさらに含み、第2弾性部材23は、第1キャリア21が第2キャリア22に対して弾性的に移動できるように、第1キャリア21と第2キャリア22とに接続される。第2弾性部材23は金属材料のばねであってもよく、第1キャリア21が第2キャリア22に対して移動する過程をより安定にすることができる。
【0051】
さらには、キャリアアッセンブリ20は第3弾性部材24をさらに含み、第3弾性部材24は、第1キャリア21が第2キャリア22に対して弾性的に移動できるように、第1キャリア21と第2キャリア22とに接続される。第3弾性部材24の役割は第2弾性部材23の役割と同じで、第1キャリア21が第2キャリア22に対して移動する過程をより安定にすることができ、第3弾性部材24及び第2弾性部材23を同時に設置することにより、より効果的になる。
【0052】
第2弾性部材23及び第3弾性部材24はそれぞれ、第1キャリア21と第2キャリア22との上端、及び第1キャリア21と第2キャリア22との下端に位置し、これにより、第1キャリア21と第2キャリア22との上端間の接続、及び第1キャリア21と第2キャリア22との下端間の接続が実現され、駆動構成要素の全体的な安定性が向上し、カメラの合焦の精度が向上する。
【0053】
本実施形態は、カメラアセンブリをさらに提供し、前記カメラアセンブリは、カメラと上記いずれか1つの実施例に記載された駆動構成要素とを含み、カメラはキャリアアッセンブリ20に固定され、駆動構成要素によって合焦及び/又は手ぶれ防止が行われる。当該カメラアセンブリは、撮影機能を有する様々な電子機器、例えば、携帯電話、コンピュータ、ドローンなどに適用可能である。
【0054】
本実施形態は、上記いずれか1つの実施例に記載されたカメラアセンブリを含む電子機器をさらに提供する。当該電子機器は携帯電話、コンピュータ、ドローンなどであってもよい。
【0055】
本発明の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が指示する方位または位置関係は、図面に示す内容に基づく方位または位置関係であり、本発明の説明を容易にしかつ説明を簡素化するためであり、指される装置または部材が必ず特定の方位を有しかつ特定の方位で構造及び操作されることを指示したり暗示したりするものではないため、本発明への限定として理解してはならない。
【0056】
また、「第1」、「第2」という用語は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示したり暗示したりするもの、または指示される技術的特徴の数を暗示しているものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」によって限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。明確かつ具体的な限定がない限り、本発明の説明では、「複数」の意味は少なくとも2つであり、例えば2つ、3つなどである。
【0057】
本発明では、明確な規定や限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広い意味で理解すべきである。例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体となったものであってもよい。機械的な接続、電気的な接続、または互いに通信できるものであってもよい。直接的な接続であってもよく、中間媒体による間接的な接続であってもよく、2つの部材の内部の連通や2つの部材の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0058】
本発明では、明確な規定や限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の 「上」または「下」にあることは、第1と第2の特徴が直接接触することであってもよく、または第1と第2特徴は中間媒体を介して接触するものであってもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」または「上の方」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあることであってもよく、または第1の特徴の水平の高さが第2の特徴より高いことのみを示している。第1の特徴が第2の特徴「の下」、「下方」及び「下の方」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下または斜めしたにあることであってもよく、または、第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことのみを示している。
【0059】
本発明では、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、または「一部の例」などの用語は、当該実施例または例に合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料または長所が本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例または例を対象とするとは限らない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料または長所は任意の1つまたは複数の実施例や例において適切な方式で組み合せることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は、本明細書で説明される異なる実施例または例、及び異なる実施例または例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0060】
以上は本発明の実施例を示しかつ説明したにもかかわらず、上記実施例は例示的なものに過ぎず、本発明への限定として理解してはならず、当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、入れ替えと変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
10 固定フレーム
11 台座
12 上部カバー
20 キャリアアッセンブリ
21 第1キャリア
211 磁石
22 第2キャリア
221 第2コイル
23 第2弾性部材
24 第3弾性部材
30 磁歪素子
40 第1弾性部材
【要約】
【課題】本発明は、駆動構成要素、カメラアセンブリ及び電子機器を提供する。
【解決手段】駆動構成要素は、固定フレーム、キャリアアッセンブリ及び磁歪素子を含み、キャリアアッセンブリは被駆動部材を支持するように構成され、キャリアアッセンブリは固定フレームに接続され、かつ固定フレームに対して移動可能であり、磁歪素子は固定フレームとキャリアアッセンブリとに接続され、自体の伸縮により固定フレームに対するキャリアアッセンブリの位置を制御することができる。本発明の実施例に係る駆動構成要素は、磁歪素子自体の伸縮により固定フレームに対するキャリアアッセンブリの位置を調整することによって関連機能を実現する。従来の磁石とコイルとによる駆動方式と比較して、磁石の設置がなくなり、磁石による干渉がなくなり、周辺の磁気デバイスに干渉を与えることなく、全体的な構造の積み重ねにとってより有益になり、駆動構成要素の体積が小くなり、空間の占有が小さくなる。
【選択図】図3
図1
図2
図3